JP2000153045A - パチンコ機の外枠 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【解決課題】 本発明は、パチンコ機の外枠を構成する
上下、左右の枠板の端部を容易且つ堅固に固着し組立る
ことにある。 【解決手段】 左右並びに上下の枠板（１，２，３，
４）の端部をそれぞれ直角に衝き合わせて外枠を組上げ
ると共に各４隅のコーナー部（１１，１２）に補助金具
（７，８）を添わせ補強連結してなる外枠において、前
記各コーナー部（１１，１２）の各枠板（１，２，３，
４）の端部と、これに添わせた各補助金具（７，８）と
を貫通状に打ち抜きかしめるリベット（１３）によって
一体に固着し連結し組立完成させる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、パチンコ機の外枠
に関する。

【０００２】

【従来の技術】一般にパチンコ機は、機体の外形を構成
すると共にパチンコホールに設置するためのベースとな
る外枠と、遊技盤を始め諸種の機構装置を組付ける前枠
（内枠）とから構成され、前枠の一側縁を外枠の一側縁
に蝶着して開閉自由に支持し、ホールに設置した後遊技
盤を交換したり、或いは装置の保守点検の際、この前枠
を開いてその作業が自由に行えるようにしてある。

【０００３】この様なパチンコ機にあって外枠は通常、
木製の板からなる左右の側枠板と、この両側枠板の上端
部と下端部に上下の枠板を渡して短形に組立て、その一
方の側枠板の上下に蝶着部材を取付けて前枠の一方の縁
の上下に同じく設ける蝶着部材と係脱自由に結合させて
組合せ、この蝶着部材を支点にして前枠が開閉自由に取
付けられるようにしてある。しかし、機構装置類を装備
した前記前枠は重量物となるためこれを支持する外枠に
は所要の強度が求められるものとなり、このため従来は
木製枠体を補強するために各枠板が衝き合う枠コーナー
部に補強金具を添わせて固着し、この補強金具による連
結によって枠の強度を高めるようにしている。

【０００４】ここに使用される補強金具は金属板をＬ字
形に曲成したものが多く、枠板相互が直角に衝き合う枠
コーナー部に内又は外側から添わせてネジ又はボルトを
通して緊締し、固着連結するものとしており、この場合
においてネジ或いはボルトを通すため上記枠板と補強金
具には予め下孔が開設しておかれる。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】木製外枠のように枠体
自体に充分な強度がない場合、上述の様に補強金具によ
る連結が不可欠となるが、ネジ或いはボルトによる固着
は枠板と補強金具に予め下孔を開設しておく必要がある
ことに加え、緊締時には下孔同志の位置合せとネジ或い
はボルト，ナットの締付作業が必要となり、多数の部所
での作業を要する場合には生産性を妨げるものとなる。
しかも、このネジ，ボルトの緊締による固着は締付状態
が一定しないことに併せてネジ等が緩む問題があり、信
頼性に欠ける難点がある。

【０００６】このネジ，ボルトによる補強金具の固着の
問題点を解消する方法としてリベットによるかしめ付け
が特公平４ー５０８３８号によって提案されている。こ
のリベットのかしめによる固着はネジ或いはボルト，ナ
ットの締付けによる固着に比べ、かしめ機を操作するこ
とで固着が行われることから容易且つ迅速に作業できる
と共に一定の強度での固着が図られることから所要の信
頼性が得られる利点がある。しかし、この既提案に係る
固着はネジ或いはボルトによる場合と同様に枠板と補強
金具にリベットを挿通する下孔を予め開設しておく必要
があることから、前加工の手間を要し、しかも固着時に
は下孔同志の位置合せを要することから、実質的に改善
された点としてはかしめ機を使用することによって締付
け作業を省けるようにしたことのみにあるものになって
いる。

【０００７】

【課題を解決するための手段】本発明は、上述従来の問
題点に鑑み、これを改善するため開発されたもので、そ
の目的とするところは、左右の側枠板と、この両側枠板
の上下両端部間に渡る上下の枠板とで矩形に構成される
外枠の各コーナー部に金属製補強金具を添わせる一方、
該コーナー部に臨む枠板とこれに重合する補強金具にリ
ベットを打込み貫通させ、その頭部を一方の面に当接
し、脚部先端を他方の面において拡張させてかしめ、各
枠板とそれぞれの補強金具とを一体に固着し、枠板相互
を連結してなることを特徴としたパチンコ機の外枠を提
供することにある。

【０００８】更に本発明を詳述するならば、左右の側枠
板の上端部間に渡る上枠板及び下端部間に渡る下枠板に
より矩形に枠組され、且つ各枠板の端部同志が衝き合う
枠コーナー部に沿って補強金具を添わせ固着緊締してな
るパチンコ機の外枠において、前記枠コーナー部におけ
る枠板とこれに接面する前記補強金具にリベットを貫通
させ、これをかしめて一体に固着するようにしたことを
特徴とするパチンコ機の外枠を提供することにある。

【０００９】また本発明は、上記パチンコ機においてリ
ベットは枠板の外面側から打ち込み貫通させ、リベット
頭部を枠板の外側面に当接する一方、リベット脚部先端
を補強金具の内側面において拡張させかしめてなること
を特徴としたパチンコ機の外枠を提供することにある。

【００１０】また本発明は、上記枠板のリベット打ち込
み位置には予め下孔を開設し、該下孔を通してリベット
を打ち込み補強金具を貫通させてかしめ固着することを
特徴としたパチンコ機の外枠を提供することにある。

【００１１】また本発明は、上記枠板の外側面のリベッ
ト打ち込み位置には凹所を形成して該凹所を通してリベ
ットを枠板と補強金具に貫通させ、リベット脚部先端を
補強金具内側面において拡張させると同時にリベット頭
部を前記凹所に埋没させることを特徴としたパチンコ機
の外枠を提供することにある。次に、本発明を図示する
実施例につき詳述し、その特徴とするところを明らかに
する。

【００１２】

【実施の態様】

【実施例１】図１は本発明に係るパチンコ機の外枠の分
解斜視図であり、図中１，２は左右の側枠板、３，４は
上下の枠板で、５は補強板、６は補強板の前面を被う化
粧板である。

【００１３】左右の側枠板１，２並びに上下の枠板３，
４は共に木製の板材からなっており、図示するように左
右の側枠板１，２を向い合せに揃えたのち、この上端部
間に上枠板３を渡し、また下端部間に下枠板４を渡して
縦長長方形をなす矩形に枠組して外枠本体を構成する。

【００１４】図中７，８は上記組立に当たって端部同志
を衝き合わせる各枠板の衝き合せ部に添わせて連結する
上下の補強金具である。この補強金具７，８は所要の厚
みを有する金具板をＬ字形にプレス成形したものであ
り、上の補強金具７は屈曲部にリブを打ち起こして強度
を出し、また下の補強金具８はＬ字形に曲成した２片の
一側縁間に連結片８ａを一体に設けて補強板５の止め付
けが行えるようにしてある。

【００１５】尚、外枠本体の組立に際して各枠板の位置
を合わせ、また強度を保持するため、ここでは左右の両
側枠板１，２の上下の端面と、これに対向する上下の枠
板３，４の左右両端部内面に盲状の嵌入孔９…を穿ち、
向き合う嵌入孔間にピン１０を埋め込んで各枠板の端部
同志の位置合せが容易且つ確実に達成されるようにして
ある。

【００１６】左右の側枠板１，２を並行に向かい合わせ
てこの両側枠板の上端と下端に上下の枠板３，４を渡
し、これに併せてそれぞれの衝合部分に前記ピン１０を
介挿して嵌入孔９に嵌め付け、相互の位置を合わせると
同時に、枠板同志が衝き合うコーナー部１１，１２の内
側から前記補強金具７，８を添わせ接面させたのち、こ
の金具と枠板が重合する部分を貫いてリベット１３を打
ち付け、同時にかしめて外枠本体を組立る。

【００１７】図２及び図３は上枠板３と右側枠板２とが
衝き合って形成されるコーナー部１１の内側から補強金
具７を添わせてリベット１３の打ち込みにより両枠板を
一体に連結する状態を示した部分の拡大断面図で、図
４，図５はリベット１３の打ち込みを説明する説明図で
ある。

【００１８】この実施例に示すリベット１３の打ち込み
は枠板と補強金具とを打ち抜きながら貫通させ、かしめ
ることによって緊締固着するものであり、図４，図５に
おいて３１は打機のポンチ、３２はポンチに立設した位
置決めのピン、３３はリベット打ち付けのステムであ
る。

【００１９】図４，５により上枠板３と補強金具７との
固着について説明すると、先ずポンチ３１上にピン３２
をガイドにして補強金具７を載置し、次にピン３２に合
わせて上枠板３に開設した透孔１４を嵌め合せて重ね合
せ、両者を定位置に固定し、次にステム３３を打ち下し
てリベット１３を上枠板３と補強金具７に貫通させ、そ
の頭部１３ａを上枠の上面に当接させると同時に、貫通
した脚部１３ｂの下端をポンチにより金具７の下面側に
おいて拡張させ、かしめて固着することになる。

【００２０】この例において明らかな様に、本発明にお
いてはリベット１３の打付けに当り、上枠板３と連結す
る補強金具７には予め下孔を開設することなくステムに
よる打込みによって直にリベット１３を貫通させ、且つ
貫通した脚部下端を同時に拡張させてかしめる方法が採
られるもので、上枠板３と補強金具７の片７ａとは密着
した状態で一体化し、強固な固着が得られることにな
る。

【００２１】このリベット１３の打込みは上枠板３に接
合する右側枠板２と補強金具７との間においても同様に
して行われ、補強金具７を連結手段として上枠板３と右
側枠板２とが９０度の角度で衝き合った状態に連結され
枠コーナー部１１を形成することになる。そして、この
リベット１３の打ち込みは上枠板３と左側枠板１との間
において、また下枠板４の両端部と左右の側枠板１，２
の下端との間において行われ、左上の枠コーナー部１１
と左右の下の枠コーナー部１２，１２が形成されること
になる。

【００２２】尚、下枠板４と左右の側枠板１，２の下端
部とのコーナー部１２，１２においては、これら相互の
連結作業に合せて、前面側から添わせる補強板５を補強
金具８の連結片８ａに接面させてこの両者にリベット１
３を貫通させてかしめ、補強金具８を中心において側枠
板１，２の下端と下枠板４の左右の端部、そして補強板
５の三者を一体に固着する方法が採られる。

【００２３】化粧板６は上記補強板５が固着されたの
ち、その前面側から添わせて補強板５の背面から通すビ
スを化粧板背面に立設するネジ受けボス部にネジ付けて
一体的な取付けを行うことになる。尚、化粧板６はプラ
スチックを材料とした成形品で任意着色させ補強板５の
前面を被うことになる。

【００２４】図中１５，１６は外枠本体に前枠（図示せ
ず）を蝶着するための一方の蝶着部材であり、１７は前
枠を閉塞状態に拘束する錠の鍵受部材、１８は前枠の閉
塞時にその下縁部を受けるスライド部材である。

【００２５】蝶着部材１５は補強金具７を上枠板３と左
側枠板１の衝き合せ端に添わせ固着する際に枠コーナー
部１１の外側から添わせて補強金具７に打ち込むリベッ
ト１３を利用して取付るものとしており、左側枠板と上
枠板を更に強固に連結固着するのに有効に作用してい
る。この点、下の蝶着部材１６も同じく連結を補強する
ものとなるが、ここでは左側枠板１と補強板５の端部と
を繋ぐことによって外枠本体の強度を高めるようにして
ある。

【００２６】上下の蝶着部材１５，１６は補強金具７と
共に或いは単独にリベット１３の打ち込みによって取付
けられるが、前方に突き出す片１５ａ，１６ａには前枠
の左側縁部上下に設けられる軸及び軸受に係脱自由に係
合して前枠を開閉自由に枢着する軸受部及び枢着軸が設
けられる。

【００２７】また、鍵受部材１７は金属板をＬ字形に曲
成したもので、右側枠板２の内側面に上下間隔をおいて
２個取付けられ、前面側から侵入してくる前枠の自由端
縁を受け止めることになる。

【００２８】同様に、前記スライド部材１８はＬ字形に
形成した一片を補強板５の上縁に載せて固着し、前方か
ら閉塞に伴って侵入してくる前枠の下縁をこの一片上に
乗せて誘導し、且つコ字状に形成した上動防止片１８ａ
に前記前枠の下縁に設けた係止片（図示せず）を係合さ
せて上方向への移動を防止するように作用するもので、
前記鍵受部材１７及びこのスライド部材１８は共に補強
金具７，８の固着と同様にリベット１３の打込みによっ
て固定される。

【００２９】

【実施例２】図６及び図７はリベット１３の頭部１３ａ
を上枠板３、右側枠板２の表面から埋没するようにこれ
ら枠板のリベット打込み位置に予め凹所１９を形成した
他の実施例を示したものである。

【００３０】この実施例は補強金具７を枠コーナー部１
１の内側から添わせ、両枠板２，３の外面側からリベッ
トを打ち込んだとき、このリベットの頭部１３ａが枠板
の外表面に浮き出すのを回避するため採られた処置であ
り、固着のため使用されるリベット１３は凹所１９の底
部を貫いてその内側に添わせられる補強金具７に打ち込
まれ、頭部１３ａを凹所内に埋没させることになる。

【００３１】

【実施例３】図８、図９は上記第２の実施例を基にして
上枠板３と右側枠板２とが衝き合う枠コーナー部１１の
内側面に補強金具７を嵌め付けこれの移動を拘束する切
欠き部２０を形成した他の実施例である。

【００３２】ここに示す実施例はリベット１３を凹所１
９を通して打ち込むと共に、予め補強金具７を切欠き部
２０に嵌め入れておくことによって移動を拘束し、固着
時により強固な連結が達成されるようにしたもので、リ
ベット１３の頭部１３ａは凹所に埋没し表面からの突出
を防止することになる一方、脚部１３ｂは先端を補強金
具内面側で拡張させ、かしめることになる。

【００３３】尚、第２、第３の実施例はともに連結部の
一部を例に図示しており、凹所１９について、また切欠
き部２０については他の連結部、つまり上枠板３と左側
枠板１との連結において、或いは左右の側枠板１，２と
下枠板４、更には補強板５との連結において実施される
ものであり、更には鍵受部材１７を取付けるため、スラ
イド部材１８を取付けるためにも実施される。

【００３４】また、補強金具７，８については枠コーナ
ー部１１，１２において内側から添わせる場合について
説明したが、逆に外側から添わせてリベットを打ち付け
固着するようにしてもよいことは言うまでもない。ただ
好ましくはパチンコ機設置に当たって隣接のパチンコ機
と干渉しないため、リベット１３は外側から打付け、更
には第２実施例で説明したようにその頭部１３ａが埋没
するように凹所１９を設け、外側面が平面状に仕上げら
れるようにするとよい。

【００３５】

【発明の効果】本発明を上記２，３の実施例によって説
明したが、各枠板の端部相互を直角に衝き合せるのに併
せて、ここに形成される枠コーナー部に補強金具７，８
を添えて接面させ、同時にこれらを貫通させてリベット
１３を打込み、かしめて一体に固着連結する構造とした
ことから外枠本体を極めて強固な構造体として製造する
ことができる。

【００３６】そして、本発明においては枠板と補強金具
とをリベット打機による打込みでリベットを直接貫通さ
せ、且つかしめる構成としたことから枠板に対して、或
いは補強金具に対して下孔の開設が省略でき、従って前
述従来の様な前加工が不要となると共に、リベット打込
みに際して下孔同志の位置合せも不要となるため製造効
率を大幅に改善することができる。

【００３７】しかも、本発明は枠板相互の衝き合せと補
強金具の当接作業を基準にして各部品を位置合せして、
これらを直接打ち込むリベットでそのまゝ固定すること
から枠板相互の位置ずれ、補強金具との位置ずれがなく
精度の高い組立が可能となり、信頼性の高い製品を提供
することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明に係るパチンコ機の外枠の分解斜視図。

【図２】外枠の枠コーナー部の連結前の拡大断面図。

【図３】図２のリベットの打ち込みを完了した状態を説
明する拡大断面図。

【図４】リベット打ち機による枠板と補強金具の連結を
説明する打ち込み前の一部断面とした正面図。

【図５】図４のリベット打ち込み完了を説明する正面
図。

【図６】第２の実施例における外枠の枠コーナー部のリ
ベット打ち込み前の拡大断面図。

【図７】図６のリベットの打ち込みを完了した状態を説
明する拡大断面図。

【図８】第３の実施例にわける外枠の枠コーナー部のリ
ベット打ち込み前の拡大断面図。

【図９】図８のリベットの打ち込みを完了した状態を説
明する拡大断面図。

【符号の説明】

１ 左側枠板 ２ 右側枠板 ３ 上枠板 ４ 下枠板 ５ 補強板 ７，８ 補強金具 １１，１２ 枠コーナー部 １３ 打ち込みリベット １３ａ リベットの頭部 １３ｂ リベットの脚部 １５，１６ 前枠の蝶着部材 １７ 鍵受部材 １８ 前枠下縁を受けるスライド部材 １９ リベット頭部を受け入れる凹所 ２０ 切り欠き部 ３１ 打ち機のポンチ ３２ 位置決めピン ３３ 打ち機のステム

Claims (4)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 左右の側枠板と、この上端部間に渡る上
   枠板及び下端部間に渡る下枠板により矩形に枠組される
   と共に、各枠板の端部同志が衝き合う枠コーナー部に沿
   って補強金具を添わせ固着緊締してなるパチンコ機の外
   枠において、前記枠コーナー部における枠板とこれに接
   面する前記補強金具に直接リベットを打ち付け貫通させ
   てこれをかしめ、一体に固着してなることを特徴とした
   パチンコ機の外枠。
2. 【請求項２】 請求項１の記載において、リベットは枠
   板の外側から打ち込み貫通させてリベット頭部を枠板の
   外側面に当接する一方、リベット脚部先端を補強金具の
   内側面において拡張させかしめることを特徴としたパチ
   ンコ機の外枠。
3. 【請求項３】 請求項１の記載において、枠板のリベッ
   ト打ち込み位置には予め下孔を開設し、該下孔を通して
   リベットを打ち込み補強金具を貫通させてのちかしめ固
   着することを特徴としたパチンコ機の外枠。
4. 【請求項４】 請求項１に記載において、枠板の外側面
   のリベット打ち込み位置に凹所を形成して該凹所を通し
   てリベットを枠板と補強金具に貫通させ、リベット脚部
   先端を補強金具内側面において拡張させると同時にリベ
   ット頭部を前記凹所に埋没させることを特徴としたパチ
   ンコ機の外枠。