JP2000152036A - ノイズ除去装置およびノイズ除去方法 - Google Patents

ノイズ除去装置およびノイズ除去方法

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JP2000152036A JP10328071A JP32807198A JP2000152036A JP 2000152036 A JP2000152036 A JP 2000152036A JP 10328071 A JP10328071 A JP 10328071A JP 32807198 A JP32807198 A JP 32807198A JP 2000152036 A JP2000152036 A JP 2000152036A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 画像の特性によらず、ノイズを効果的に除去
する。 【解決手段】 演算器3において、入力画像と、既に得
られている出力画像とのフレーム間差分値が求められ、
フィルタ5乃至8において、そのフレーム間差分値が、
各周波数帯域成分に分割される。そして、演算器15乃
至18において、フレーム間差分値の各周波数帯域成分
が、補正部11乃至14からの補正係数にしたがって補
正され、演算器19乃至22において、その補正された
フレーム間差分値の各周波数帯域成分を用いて、入力画
像からノイズが除去される。この場合において、補正部
11乃至14では、補正係数の特性を表す特性曲線が決
定され、その特性曲線に基づいて、フレーム間差分値の
各周波数帯域成分を補正するのに用いる補正係数が設定
される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ノイズ除去装置お
よびノイズ除去方法に関し、特に、画像から、より効果
的にノイズを除去することができるようにするノイズ除
去装置およびノイズ除去方法に関する。
【0002】
【従来の技術】画像からノイズを除去する方法として
は、例えば、特開昭62−290269号公報に開示さ
れているものなどが、従来より知られている。この方法
によれば、入力画像と、既に得られている1フレーム前
のノイズ除去結果としての出力画像との差分である画像
差分値が演算され、その画像差分値が周波数帯域分割さ
れる。そして、その結果得られる画像差分値の各周波数
帯域成分が、所定の補正係数にしたがって補正され、補
正された画像差分値の各周波数帯域成分を用いて、入力
画像からノイズが除去される。
【0003】即ち、特開昭62−290269号公報に
開示されている方法によれば、入力画像をXと、1フレ
ーム前の既にノイズが除去された出力画像と入力画像X
との差分値(画像差分値)をEと、補正係数をKと、入
力画像Xのノイズ除去結果(入力画像Xに対する出力画
像)をYと、それぞれ表すと、次式にしたがって、Yが
求められる。
【0004】 Y=X+KE =X+ΣKii ・・・(1) 但し、式(1)において、Eiは、画像差分値Eを周波
数帯域分割して得られる第i周波数帯域成分を表す。ま
た、Kiは、画像差分値Eの第i周波数帯域成分に対す
る補正係数を表す。さらに、Σは、全周波数帯域成分に
ついてのサメーション(画像差分値Eが、第1周波数帯
域成分乃至第N周波数帯域成分のN個の周波数帯域成分
に周波数帯域分割されている場合には、iを1からNに
変えてのサメーション)を表す。
【0005】なお、1フレーム前の既にノイズが除去さ
れた出力画像をWと表せば、式(1)は、Y=(1−
K)X+KWと変形することができ、この式によれば、
上述の手法は、入力画像と、1フレーム前の出力画像と
の重み付け加算値を、その入力画像に対する出力画像と
していることと等価である。即ち、例えば、入力画像と
して、各フレームにランダムなノイズが重畳された、動
きのまったくないものを考えると、そのような入力画像
については、各フレームを加算平均することで、ノイズ
が相殺される。特開昭62−290269号公報に記載
の手法は、このような原理を利用したものである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、従来におい
ては、入力画像についての画像差分値Eの絶対値和を、
その入力画像の動き量として、その動き量を一定の閾値
と比較し、画像差分値Eが閾値より大きいときには、入
力画像Xの動きがある(大きい)とし、補正係数Kを0
とする一方、入力画像の動き量が閾値以下のときは、入
力画像Xが静止しており(動きがなく(少なく))、1
フレーム前との相関が高いとして、補正係数Kに0以外
の値を与えて、式(1)の演算を行うようにしている。
【0007】しかしながら、入力画像についての画像差
分値Eの絶対値和は、入力画像の真の動きが小さくて
も、入力画像に含まれるノイズが大きいときには大きく
なることがある。従って、閾値が一定では、入力画像の
真の動きが小さく、1フレーム前との相関が高くても、
入力画像についての画像差分値Eの絶対値和が閾値より
大きくなることがあり、この場合、補正係数Kは0とさ
れるから、式(1)によるノイズ除去は、実質的に行わ
れないことになる。
【0008】即ち、極端には、入力画像が、動きのない
もので、かつ1フレーム前の出力画像に大きなノイズを
重畳したものである場合には、補正係数Kを1として、
式(1)によるノイズ除去を行うことにより、1フレー
ム前の出力画像を、そのまま入力画像に対する出力画像
とするのが好ましい。しかしながら、この場合、入力画
像についての画像差分値Eの絶対値和が閾値より大きく
なり、入力画像に動きがあり、1フレーム前の出力画像
との相関が低いと判定されることにより、補正係数Kは
0とされ、その結果、入力画像がそのまま、その入力画
像に対する出力画像として出力され、ノイズ除去が行わ
れないことになる。
【0009】また、特開昭62−290269号公報に
開示されている方法では、入力画像の動き量が閾値以下
のときは、画像差分値Eの大きさに応じて、適切な補正
係数Kを決定することとされているが、その具体的手法
としては、入力画像の動き量を、複数の補正係数それぞ
れと対応付けられた複数の閾値と比較し、その比較結果
に対応した補正係数を決定するようなもの(但し、特開
昭62−290269号公報には、ここまで具体的に開
示されていない)が考えられる。
【0010】この場合、上述したノイズ除去の原理か
ら、大きな閾値には小さな補正係数を対応付け、小さな
閾値には大きな補正係数を対応付けておくこととなる
が、入力画像の動き量とされる画像差分値Eの絶対値和
は、上述したように、入力画像の真の動き量が小さくて
も大きくなることがあり、従って、画像差分値Eの絶対
値和が大きくても、ある程度大きい補正係数Kを用いた
方が、また、画像差分値Eの絶対値和が小さくても、あ
る程度小さい補正係数Kを用いた方が、それぞれ効果的
にノイズを除去することができる場合がある。
【0011】即ち、画像差分値Eの絶対値和と複数の閾
値との比較結果だけに基づいて、補正係数Kを決定した
のでは、効果的にノイズを除去するのが困難な場合があ
る。
【0012】本発明は、このような状況に鑑みてなされ
たものであり、適切な補正係数を設定することにより、
画像の特性によらず、ノイズを効果的に除去することが
できるようにするものである。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明のノイズ除去装置
は、補正係数の特性を表す特性曲線を決定する特性曲線
決定手段と、特性曲線に基づいて、画像差分値の各周波
数帯域成分を補正するのに用いる補正係数を設定する設
定手段とを備えることを特徴とする。
【0014】本発明のノイズ除去方法は、補正係数の特
性を表す特性曲線を決定し、特性曲線に基づいて、画像
差分値の各周波数帯域成分を補正するのに用いる補正係
数を設定することを特徴とする。
【0015】本発明のノイズ除去装置においては、特性
曲線決定手段は、補正係数の特性を表す特性曲線を決定
し、設定手段は、特性曲線に基づいて、画像差分値の各
周波数帯域成分を補正するのに用いる補正係数を設定す
るようになされている。
【0016】本発明のノイズ除去方法においては、補正
係数の特性を表す特性曲線を決定し、特性曲線に基づい
て、画像差分値の各周波数帯域成分を補正するのに用い
る補正係数を設定するようになされている。
【0017】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の実施の形態を説
明するが、その前に、特許請求の範囲に記載の発明の各
手段と以下の実施の形態との対応関係を明らかにするた
めに、各手段の後の括弧内に、対応する実施の形態(但
し、一例)を付加して、本発明の特徴を記述すると、次
のようになる。
【0018】即ち、請求項1に記載のノイズ除去装置
は、入力画像からノイズを除去し、その結果得られる出
力画像を出力するノイズ除去装置であって、入力画像
と、既に得られている出力画像との差分である画像差分
値を演算する差分値算出手段(例えば、図1に示す演算
器3など)と、画像差分値を周波数帯域分割し、その各
周波数帯域成分を出力する帯域分割手段(例えば、図1
に示すフィルタ5乃至8など)と、画像差分値の各周波
数帯域成分を、所定の補正係数にしたがって補正する補
正手段(例えば、図1に示す演算器15乃至18など)
と、補正された画像差分値の各周波数帯域成分を用い
て、入力画像からノイズを除去し、出力画像を出力する
除去手段(例えば、図1に示す演算器19乃至22な
ど)と、補正係数の特性を表す特性曲線を決定する特性
曲線決定手段(例えば、図1に示す補正部11乃至14
および図4に示すプログラムの処理ステップS9など)
と、特性曲線に基づいて、画像差分値の各周波数帯域成
分を補正するのに用いる補正係数を設定する設定手段
(例えば、図1に示す補正部11乃至14および図4に
示すプログラムの処理ステップS10など)とを備える
ことを特徴とする。
【0019】請求項2に記載のノイズ除去装置は、画像
差分値の各周波数帯域成分と比較する閾値を、画像差分
値に基づいて決定する閾値決定手段(例えば、図1に示
す補正部11乃至14および図4に示すプログラムの処
理ステップS6など)と、画像差分値の各周波数帯域成
分と、閾値とを比較する比較手段(例えば、図1に示す
補正部11乃至14および図4に示すプログラムの処理
ステップS7など)とをさらに備え、除去手段が、画像
差分値の各周波数帯域成分のうち、前記閾値以下のもの
のみを、前記入力画像のノイズの除去に用いることを特
徴とする。
【0020】請求項4に記載のノイズ除去装置は、画像
差分値に基づいて、入力画像の動き量を検出する動き検
出手段(例えば、図1に示す動き検出部9など)をさら
に備え、閾値決定手段が、入力画像の動き量に基づい
て、閾値を決定することを特徴とする。
【0021】請求項6に記載のノイズ除去装置は、画像
差分値に基づいて、入力画像のノイズに関するノイズ情
報を検出するノイズ情報検出手段(例えば、図1に示す
ノイズ検出部10など)をさらに備え、閾値決定手段
が、ノイズ情報に基づいて、閾値を決定することを特徴
とする。
【0022】請求項8に記載のノイズ除去装置は、画像
差分値に基づいて、入力画像の動き量を検出する動き検
出手段(例えば、図1に示す動き検出部9など)をさら
に備え、閾値決定手段が、ノイズ情報、および入力画像
の動き量に基づいて、閾値を決定することを特徴とす
る。
【0023】なお、勿論この記載は、各手段を上記した
ものに限定することを意味するものではない。
【0024】図1は、本発明を適用したノイズ除去装置
の第1の実施の形態の構成例を示している。
【0025】ノイズを除去する対象の画像(ディジタル
画像データ)Xは、例えば、フレーム単位で、入力部1
に入力されるようになされており、入力部1は、そこに
入力される画像を、演算器3および22に供給するよう
になされている。
【0026】ここで、入力部1に入力される画像(入力
画像)Xは、例えば、NTSC方式や、PAL方式、S
ECAM方式等のコンポジット信号であっても、また、
RGB等のコンポーネント信号であってもかまわない。
さらに、入力部1に入力される画像は、インターレース
走査される画像であっても、また、プログレッシブな画
像(ノンインターレース走査される画像)であってもか
まわない。但し、ここでは、説明を簡単にするために、
プログレッシブな画像が入力されるものとする。
【0027】出力部2には、演算器22が出力する画像
が供給されるようになされており、出力部2は、この演
算器22が出力する画像を、ノイズ除去後の画像(出力
画像)Yとして出力するようになされている。
【0028】演算器3は、入力部1から供給される画像
Xと、フレームメモリ4に記憶された、既にノイズが除
去された1フレーム前の画像Wとの差分値(画像差分
値)E(=W−X)を演算し、その差分値(以下、適
宜、フレーム間差分値という)Eを、フィルタ5乃至8
に供給するようになされている。
【0029】ここで、入力部1に入力される画像が、N
TSC方式などのコンポジット信号である場合には、例
えば、クロマインバータ等によって、フレームメモリ4
に記憶された1フレーム前の画像の色差信号の位相を1
80度反転させ、色差信号の位相をあわせた後に、演算
器3において、入力部1からの画像と、フレームメモリ
4に記憶された画像との差分を演算する必要がある。
【0030】フレームメモリ4は、演算器22が出力す
る画像をフレーム単位で記憶し、また、記憶した画像の
フレームの次のフレームが、入力部1から演算器3に供
給されるタイミングで、その記憶した画像を、演算器3
に供給するようになされている。
【0031】フィルタ5乃至8は、例えば、ディジタル
フィルタで、演算器3が出力するフレーム間差分値Eを
周波数帯域分割する帯域分割フィルタを構成している。
即ち、フィルタ5乃至8は、例えば、図2(A)乃至図
2(D)にそれぞれ示すような周波数特性を有してお
り、フレーム間差分値Eから、その低域成分(低周波数
成分)E0、中域のやや低い周波数成分E1、中域のやや
高い周波数成分E2、高域成分E3を取り出すようになさ
れている(従って、フィルタ5はローパスフィルタ、フ
ィルタ6および7はバンドバスフィルタ、フィルタ8は
ハイパスフィルタである)。フィルタ5乃至8の出力E
0乃至E3は、補正部11乃至14にそれぞれ供給される
とともに、演算器15乃至18にそれぞれ供給されるよ
うになされている。さらに、フィルタ5の出力E0は、
動き検出部9にも、フィルタ8の出力E3は、ノイズ検
出部10にも、それぞれ供給されるようになされてい
る。
【0032】ここで、図2に示したような急峻なカット
オフ特性を有するフィルタは、多数のタップを必要と
し、製作するのも困難であるから、フィルタ5乃至8と
しては、そのような急峻なカットオフ特性を有するもの
ではなく、滑らかなカットオフ特性を有するものであっ
てもかまわない。但し、フィルタ5乃至8の周波数特性
は、それらの出力E0乃至E3を加算した場合に、元のフ
レーム間差分値Eが得られるようなものとなっているの
が望ましい。
【0033】なお、図1の実施の形態では、フレーム間
差分値eを、4つの周波数帯域に分割することとしてい
るが、幾つの周波数帯域に分割するかは特に限定される
ものではない。但し、分割数が多いほど、より効果的に
ノイズを除去することができる。
【0034】また、本実施の形態では、フィルタ5乃至
8は、例えば、7タップで構成され、その7タップに対
応する、水平方向に並ぶ7画素のフレーム間差分値を用
いた積和演算を行うことにより、その中央に位置する画
素(注目画素)のフレーム間差分値の各周波数帯域成分
を出力するようになされている。
【0035】動き検出部9は、フィルタ5の出力E0
即ち、フレーム間差分値の低域成分E0に基づいて、入
力部1に入力された画像の動き量を検出し、補正部11
乃至14に供給するようになされている。即ち、動き検
出部9は、入力部1に入力された画像の画素についての
フレーム間差分値の低域成分E0の、例えば、絶対値和
を、入力部1に入力された画像の動き量として求め、補
正部11乃至14に供給するようになされている。
【0036】ノイズ検出部10は、フィルタ8の出力E
3、即ち、フレーム間差分値の高域成分E3に基づいて、
入力部1に入力された画像のノイズに関するノイズ情報
を検出し、補正部11乃至14に供給するようになされ
ている。即ち、ノイズ検出部10は、入力部1に入力さ
れた画素についてのフレーム間差分値の高域成分E
3の、例えば、絶対値和を、入力部1に入力された画像
のノイズとして求め、さらに、最初に入力部1に入力さ
れた画像のノイズとの差分を演算する。そして、ノイズ
検出部10は、そのノイズの差分(以下、適宜、ノイズ
変動量という)を、補正部11乃至14に供給する。
【0037】補正部11乃至14は、動き検出部9から
の動き量、およびノイズ検出部10からのノイズ変動量
に基づいて、フィルタ5乃至8の出力E0乃至E3を補正
する補正係数K0乃至K3を設定し、演算器15乃至18
にそれぞれ供給するようになされている。
【0038】即ち、補正部11は、フィルタ5が出力す
るフレーム間差分値の周波数成分E0と比較する閾値t
hを、動き検出部9からの動き量、およびノイズ検出部
10からのノイズ変動量に基づいて決定する。ここで、
閾値thの決定方法については、後述する。
【0039】さらに、補正部11は、決定した閾値th
と、フレーム間差分値の周波数成分E0とを比較する。
そして、補正部11は、フレーム間差分値の周波数成分
0が閾値thより大きい場合(以上の場合)、フレー
ム間差分値の周波数成分E0を補正する補正係数K0を0
に設定して演算器15に出力する。ここで、演算器15
では、後述するように、フィルタ5の出力E0が、それ
に、補正部11からの補正係数K0が乗算されることに
より補正される。従って、補正係数K0が0とされる場
合には、演算器15の出力は0となるから、結果とし
て、フィルタ5の出力、即ち、フレーム間差分値の低域
成分E0は、入力部1に入力された画像Xのノイズ除去
には用いられないことになる。
【0040】一方、補正部11は、フレーム間差分値の
周波数成分E0が閾値th以下の場合(より小さい場
合)、フレーム間差分値の周波数成分E0を補正する補
正係数K0の特性を決定する。
【0041】具体的には、補正部11は、例えば、図3
(A)に示すように、横軸にフレーム間差分値の周波数
成分E0をとり、縦軸に補正係数K0をとった場合に、横
軸上の閾値thに対応する点と、縦軸上の1.0に対応
する点とを結ぶ直線を、補正係数K0の特性曲線として
決定する。ここで、閾値thは、上述したように、動き
量、およびノイズ変動量に基づいて決定されるから、そ
の値は動き量やノイズ変動量によって変化し、また、閾
値thが変化すれば、図3(A)に点線で示すように、
補正係数K0の特性を表す直線(特性曲線)も変化す
る。このようにして、本実施の形態では、入力部1に入
力された画像Xからノイズを除去するのに適切な補正係
数K0の特性が求められる。
【0042】ここで、本実施の形態では、補正係数の特
性曲線を、直線で表すようにしたが、補正係数は、2次
以上の曲線(非線形な関数によって表されるもの)で表
すようにすることも可能である。また、閾値thとの関
係で、入力部1に入力された画像Xからノイズを除去す
るのに最適な補正係数K0の特性曲線をあらかじめ実験
等により求めておき、閾値thの決定後に、求めておい
た特性曲線の中から、決定された閾値thに対応するも
のを選択するようにすることも可能である。
【0043】なお、ここでは、補正係数の最大値を1と
してあり、このため、図3(A)においては、縦軸上
に、その最大値1.0に対応する点をとっている。但
し、補正係数は、1より大きな値を取りうるようにする
ことも可能である。
【0044】補正部11は、補正係数K0の特性曲線を
求めた後、その特性曲線に基づいて、補正係数K0を設
定する。即ち、補正部11は、補正係数K0の特性曲線
を求めた後、その特性曲線にしたがい、フィルタ5から
のフレーム間差分値の周波数成分E0に対応する値を、
その周波数成分E0の補正に用いる補正係数K0として設
定する。具体的には、図3(B)に示すような補正係数
0の特性曲線が求められている場合において、フィル
タ5からのフレーム間差分値の周波数成分(の、例えば
絶対値和)E0が、点Aや点Bで表されるときには、そ
の点Aや点Bに対応する特性曲線上の点である0.7や
0.3が、補正係数K0として設定される。
【0045】図1に戻り、他の補正部12乃至14にお
いても同様にして、フィルタ6乃至8の出力E1乃至E3
を補正する補正係数K1乃至K3がそれぞれ設定される。
【0046】演算器15乃至18は、フィルタ5乃至8
の出力E0乃至E3を、補正部11乃至14からの補正係
数K0乃至K3によってそれぞれ補正するようになされて
いる。即ち、演算器15乃至18は、フィルタ5乃至8
の出力E0乃至E3を、それぞれに対して、補正部11乃
至14からの補正係数K0乃至K3を乗算することによっ
て補正するようになされている。フィルタ5の出力E0
の補正結果K00は、演算器19に、フィルタ6の出力
1の補正結果K11は、演算器20に、フィルタ7の
出力E2およびフィルタ8の出力E3の補正結果K22
よびK33は、演算器21に、それぞれ出力されるよう
になされている。
【0047】演算器19は、フィルタ5の出力の補正結
果K00と、演算器20の出力とを加算し、演算器22
に出力するようになされている。演算器20は、フィル
タ6の出力の補正結果K11と、演算器21の出力とを
加算し、演算器19に出力するようになされている。演
算器21は、フィルタ7の出力の補正結果K22と、フ
ィルタ8の出力の補正結果K33とを加算し、演算器2
0に出力するようになされている。従って、演算器19
から22に対しては、フィルタ5乃至8の出力の補正結
果K00乃至K33の加算値(=K00+K11+K2
2+K33)が供給されるようになされている。
【0048】演算器22は、入力部1からの画像Xと、
演算器19からのフィルタ5乃至8の出力の補正結果K
00乃至K33の加算値とを加算することにより、画像
Xからノイズを効果的に除去し、そのノイズの除去され
た画像Yを出力するようになされている。従って、入力
部1に入力された画像Xからノイズの除去された画像Y
は、式Y=X+K00+K11+K22+K33で表さ
れる。この画像Xに対する画像Yは、出力部2およびフ
レームメモリ4に供給されるようになされている。
【0049】次に、図4のフローチャートを参照して、
図1のノイズ除去装置の動作について説明する。
【0050】まず最初に、ステップS1では、入力部1
に対して、いま処理すべきフレームの画像データXが入
力され、入力部1は、その画像データXを、演算器3お
よび22に出力する。演算器3に、画像データXが供給
されるタイミングで、フレームメモリ4からは、そこに
記憶された1フレーム前のノイズが除去された画像デー
タWが読み出され、演算器3に供給される。演算器3で
は、ステップS2において、フレームメモリ4からの画
像データWと、入力部1からの画像データXとのフレー
ム間差分値(対応する画素どうしの差分値)E(=W−
X)が演算され、フィルタ5乃至8に供給される。
【0051】フィルタ5乃至8では、ステップS3にお
いて、演算器3からのフレーム間差分値Eがフィルタリ
ングされることにより帯域分割され、これにより、フィ
ルタ5乃至8からは、フレーム間差分値Eの低域成分E
0、中域のやや低い周波数成分E1、中域のやや高い周波
数成分E2、高域成分E3がそれぞれ出力される。フィル
タ5乃至8の出力E0乃至E3は、補正部11乃至14に
それぞれ供給されるとともに、演算器15乃至18にそ
れぞれ供給される。さらに、フィルタ5の出力E0は、
動き検出部9にも供給され、フィルタ8の出力E3は、
ノイズ検出部10にも供給される。
【0052】動き検出部9は、フィルタ5の出力E0
受信すると、ステップS4において、その出力E0に基
づいて、入力部1に入力された画像Xの動き量を検出
し、補正部11乃至14に供給する。また、ノイズ検出
部10は、フィルタ8の出力E3を受信すると、ステッ
プS5において、その出力E3に基づいて、入力部1に
入力された画像Xのノイズ変動量を検出し、やはり、補
正部11乃至14に供給する。
【0053】補正部11乃至14では、ステップS6に
おいて、動き検出部9からの画像Xの動き量と、ノイズ
検出部10からの画像Xのノイズ変動量とから、閾値t
hが決定され、ステップS7に進む。ここで、補正部1
1乃至14それぞれでは、動き量とノイズ変動量とか
ら、後述する同一の式にしたがって、同一の閾値thが
決定される。但し、補正部11乃至14それぞれにおい
て、異なる式にしたがって閾値thを決定させるように
することも可能である(この場合、補正部11乃至14
それぞれにおいて決定される閾値が異なる値となること
がある)。
【0054】ステップS7では、補正部11において、
フィルタ5の出力E0が、閾値th以上であるかどうか
(より大きいかどうか)が判定される。ステップS7に
おいて、フィルタ5の出力E0が、閾値th以上である
と判定された場合、即ち、フレーム間差分値の低域成分
0が、画像の動きの影響により生じているものである
と考えられる場合、ステップS8に進み、補正部11
は、補正係数K0を0に設定し、演算器15に供給し
て、ステップS11に進む。
【0055】また、ステップS7において、フィルタ5
の出力E0が、閾値th以上でないと判定された場合、
即ち、フレーム間差分値の低域成分E0が、画像の動き
の影響よりも、ノイズの影響により生じているものであ
ると考えられる場合、ステップS9に進み、補正部11
は、閾値thに基づいて、補正係数K0の特性を表す特
性曲線(図3(A))を決定し、ステップS10に進
む。ステップS10では、補正部11において、ステッ
プS9で決定された特性曲線にしたがい、フィルタ5の
出力E0に対応する点の値(但し、0より大きく、かつ
1以下の範囲の値)が、補正係数K0として設定され
(図3(B))、演算器15に供給されて、ステップS
11に進む。
【0056】ここで、ステップS7乃至S10の処理
は、他の補正部12乃至14においても並列して行わ
れ、これにより、補正係数K1乃至K3が設定され、演算
器16乃至18にそれぞれ供給される。
【0057】ステップS11では、演算器15乃至18
において、フィルタ5乃至8の出力E0乃至E3が、それ
ぞれに対して補正部11乃至14からの補正係数K0
至K3が乗算されることによって補正される。そして、
フィルタ5の出力E0の補正結果K00は、演算器19
に、フィルタ6の出力E1の補正結果K11は、演算器
20に、フィルタ7の出力E2およびフィルタ8の出力
3の補正結果K22およびK33は、演算器21に、
それぞれ出力される。
【0058】さらに、ステップS11では、演算器21
において、フィルタ7の出力の補正結果K22と、フィ
ルタ8の出力の補正結果K33とが加算され、演算器2
0に出力される。演算器20では、フィルタ6の出力の
補正結果K11と、演算器21の出力とが加算され、演
算器19に出力される。演算器19では、フィルタ5の
出力の補正結果K00と、演算器20の出力とが加算さ
れ、演算器22に出力される。その結果、演算器22に
は、フィルタ5乃至8の出力の補正結果K00乃至K3
3の加算値が供給される。
【0059】また、ステップS11では、演算器22に
おいて、入力部1からの画像Xと、演算器19からのフ
ィルタ5乃至8の出力の補正結果K00乃至K33の加
算値とが加算されることにより、画像Xからノイズが効
果的に除去される。そして、ステップS12において、
演算器22は、そのノイズが除去された画像Y(=X+
00+K11+K22+K33)を、出力部2および
フレームメモリ4に出力する。フレームメモリ4では、
演算器22からの画像Yが記憶され、その次のフレーム
の画像が、入力部1から演算器3に供給されるのを待っ
て読み出されて、演算器3に供給される。
【0060】その後、ステップS13に進み、次に処理
すべき画像(次のフレームの画像)があるかどうかが判
定され、あると判定された場合、その次に処理すべき画
像が、入力部1に供給されるのを待って、ステップS1
に戻る。また、ステップS13において、次に処理すべ
き画像がないと判定された場合、処理を終了する。
【0061】次に、図1の補正部11乃至14における
閾値thの決定方法について説明する。
【0062】図5は、補正部11乃至図14において用
いられる閾値thを、1,2,・・・,10にそれぞれ
固定してシミュレーションを行った場合の出力画像のS
NR(Signal to Noise Ratio)を示している。但し、
入力画像は、60フレームから構成され、そのSNRが
20フレーム単位で変化するものを用いている。即ち、
入力画像としては、ガウシアンRFノイズにより33d
B,40dB,33dBにSNRが、20フレーム単位
で切り替わる画像を用いている。
【0063】図5においては、SNRが低い入力画像
(図5では、SNRが33dBの画像)、即ち、ノイズ
の多い入力画像については、閾値thが、例えば10な
どの比較的大きい方(画像の動きがない(少ない)と判
定されやすい方)が、効果的にノイズが除去されてい
る。また、SNRが高い入力画像(図5では、SNRが
40dBの画像)、即ち、ノイズの少ない画像について
は、閾値thが、例えば3などの比較的小さい方(画像
の動きがある(大きい)と判定されやすい方)が、効果
的にノイズが除去されている。従って、入力画像に含ま
れるノイズに注目した場合には、ノイズが多い入力画像
については、閾値thを大きくし、ノイズが少ない入力
画像については、閾値thを小さくした方が、ノイズを
効果的に除去することができる傾向がある。
【0064】一方、入力画像の動きに注目すると、図1
のノイズ除去装置では、画像の相関を利用し、入力画像
と、その1フレーム前の出力画像とのフレーム間差分値
を、入力画像に足し込むことで、入力画像からノイズを
除去するようになされていることから、入力画像の動き
がない(少ない)ときには、補正係数Kを0とせずに、
入力画像に、フレーム間差分値を足し込み、入力画像の
動きがある(大きい)ときには、補正係数Kを0とし
て、入力画像に、フレーム間差分値を実質的に足し込ま
ないようにするのが望ましい。従って、入力画像の動き
に注目した場合には、入力画像の動きがないときには、
閾値thを大きくすることにより、画像の動きがなく、
1フレーム前の出力画像との相関が高いと判定されやす
い方が、また、入力画像の動きがあるときには、閾値t
hを小さくすることにより、画像の動きがあり、1フレ
ーム前の出力画像との相関が低いと判定されやすい方
が、ノイズを効果的に除去することができる傾向があ
る。
【0065】以上から、画像のノイズを効果的に除去す
るための、画像のノイズまたは動き量それぞれと、閾値
thとの関係は、図6に示すようになる。
【0066】即ち、閾値thは、ノイズが大きい場合に
は大きくし、ノイズが小さい場合には小さくするのが望
ましい。また、閾値thは、動きが大きい場合には小さ
くし、動きが小さい場合には大きくするのが望ましい。
【0067】一方、フレーム間差分値は、画像のノイズ
が大きい場合には大きくなり、ノイズが小さい場合には
小さくなる。さらに、フレーム間差分値は、画像の動き
が大きい場合には大きくなり、動きが小さい場合には小
さくなる。即ち、フレーム間差分値は、画像のノイズお
よび動き量に比例(線形という意味ではなく、一方が増
加すれば他方も増加し、減少すれば減少するといった意
味)して増減する。
【0068】従って、フレーム間差分値が大きい場合に
は、画像のノイズおよび動き量が両方とも大きいことが
あるが、この場合、ノイズに注目すれば、閾値thは大
きくする必要があり、動き量に注目すれば、閾値thは
小さくする必要がある。また、フレーム間差分値が小さ
い場合には、画像のノイズおよび動き量が両方とも小さ
いから、この場合、ノイズに注目すれば、閾値thは小
さくする必要があり、動き量に注目すれば、閾値thは
大きくする必要がある。
【0069】以上から、閾値thをどのような値にする
かは、ノイズに注目した場合と、動き量に注目した場合
とで、相反する関係になっており、閾値thは、例え
ば、ノイズに比例し、かつ動き量に反比例するように決
定する必要がある。
【0070】そこで、本実施の形態では、例えば、次式
にしたがって、閾値thが決定されるようになされてい
る。
【0071】 th=A/|E0|+B×(E3−E3’) ・・・(2) 但し、式(2)において、A,Bは所定の定数である。
また、|E0|は、フィルタ5の出力E0の大きさを、E
3は、フィルタ8の出力を、それぞれ表す。さらに、
3’は、フィルタ8の最初の入力画像のフレームにつ
いての出力を表す。
【0072】なお、フィルタ5の出力E0の大きさ|E0
|は、動き検出部9において、フィルタ5の出力E0
ら、入力画像の動き量として検出されるものであり、ま
た、E3−E3’は、ノイズ検出部10においてフィルタ
8の出力E3から、入力画像のノイズ変動量として検出
されるものである。
【0073】ここで、図7は、図5における入力画像に
ついてのフィルタ5乃至8それぞれの出力E0乃至E3
示している。
【0074】例えば、自然画においては、画像の動き
は、ノイズが現れる周波数より低域側の成分として現れ
る傾向があり、図7において、フィルタ5の出力E0
微小な変動は、画像の動きに起因している。また、図7
では、入力画像の20乃至39フレームの20フレーム
において、フィルタ5の出力E0が低下しているが、こ
れは、入力画像のノイズに起因している(上述したよう
に、入力画像のSNRは、最初と最後の20フレームに
おいて33dBになっており、中間の20フレームにお
いて40dBになっている)。式(2)における左辺の
第1項A/|E0|は、閾値thに動き量を反映させる
ためのものであり、従って、第1項A/|E0|に対す
る入力画像のノイズの影響は極力小さくする必要があ
る。一方、入力画像のSNRが33dBから40dBに
変化した場合のフィルタ5の出力Eは、図7に示すよ
うに、約3から2に、1程度変化するだけであり、さら
に、第1項は、定数Aを、フィルタ5の出力Eの大き
さ|E0|で除算している。従って、第1項A/|E0
に対する入力画像のノイズの影響は小さい。
【0075】また、上述したように、フィルタ5の出力
0が、画像の動きだけでなく、ノイズの影響を受ける
のと同様に、フィルタ8の出力E3も、画像のノイズの
他、動きの影響を受けることから、フィルタ8の出力E
3から、画像のノイズだけを推定することは困難であ
る。一方、図7では、例えば、フィルタ5の出力E
0と、フィルタ8の出力E3とを比較して分かるように、
フレーム間差分値の高域成分であるフィルタ8の出力E
3は、その低域成分であるフィルタ5の出力E0よりも、
画像の動きから受ける影響が少ない(フィルタ8の出力
3は、フィルタ5の出力E0に比較して、微小な変動が
少ない)。そこで、ノイズ検出部10において、フィル
タ8の出力E3と、その最初の出力(最初の入力画像の
フレームについての出力)E3’との差分E3−E3
を、ノイズ変動量として求めるようにし、これを、閾値
thの決定に用いている。
【0076】なお、本件発明者が行った、図1に示した
構成のノイズ除去装置によるシミュレーションによれ
ば、式(2)における定数AまたはBを、それぞれ30
または20程度とした場合に、ノイズをより効果的に除
去することができた。そのシミュレーション結果を、図
8に示す。図8から、SNRが、33dBおよび40d
Bのいずれの画像についても、ノイズが効果的に除去さ
れ、適応的なノイズ除去が実現されていることが分か
る。
【0077】ここで、式(2)における定数AまたはB
を、それぞれ30または20とした場合、閾値thは、
画像の動きよりも、ノイズの影響を強く受けることにな
る。即ち、画像の動き量としてのフィルタ5の出力E0
が、例えば、3から2に変化しても、式(2)における
左辺の第1項A/|E0|は、10から15に変化する
だけであるが、画像のノイズ変動量としてのフィルタ8
の出力の差分値E3−E3’が、例えば、0から0.5に
変化すると、式(2)における左辺の第2項B×(E3
−E3’)は、0から10に変化する。従って、画像の
動きとノイズとから閾値thを設定して、効果的なノイ
ズ除去を行うには、閾値thは、画像の動きよりも、ノ
イズの影響を強く受けるように設定した方が良い傾向が
あることが分かる。
【0078】次に、図9は、本発明を適用したノイズ除
去装置の第2の実施の形態の構成例を示している。な
お、図中、図1における場合と対応する部分について
は、同一の符号を付してある。即ち、図9のノイズ除去
装置は、ノイズ検出部10が設けられていない他は、図
1における場合と同様に構成されている。
【0079】従って、図9の実施の形態では、画像の動
き量にのみ基づいて、閾値thが決定されることを除け
ば、図1における場合と同様の処理が行われる。
【0080】また、図10は、本発明を適用したノイズ
除去装置の第3の実施の形態の構成例を示している。な
お、図中、図1における場合と対応する部分について
は、同一の符号を付してある。即ち、図10のノイズ除
去装置は、動き検出部9が設けられていない他は、図1
における場合と同様に構成されている。
【0081】従って、図10の実施の形態では、画像の
ノイズ変動量にのみ基づいて、閾値thが決定されるこ
とを除けば、図1における場合と同様の処理が行われ
る。
【0082】以上のように、閾値thを、入力画像の動
き量やノイズに基づいて決定し、その閾値thに基づい
て、補正係数の特性を決定し、その補正係数の特性にし
たがって、フレーム間差分値の各周波数帯域成分(フィ
ルタ5乃至8の出力)E0乃至E3を補正する補正係数K
0乃至K3を設定するようにしたので、入力画像の特性に
応じて、フレーム間差分値の各周波数帯域成分E0乃至
3を適応的に補正し、これを用いて、入力画像のノイ
ズを効果的に除去することが可能となる。
【0083】なお、本実施の形態では、画像の動き量や
ノイズ変動量に基づいて、閾値thを決定し、その閾値
thに基づいて、補正係数の特性を表す特性曲線を決定
するようにしたが、閾値thは、フレーム間差分値の各
周波数帯域成分E0乃至E3がその値を超えている場合
(以上の場合)に、対応する補正係数K0乃至K3を0と
するためのものであるから、補正係数の特性を表す特性
曲線に含めて考えることができる(閾値thを越えるフ
ィルタ5乃至8の出力に対する値が0となる特性曲線を
考えれば良い)。従って、画像の動き量やノイズ変動量
に基づいて、直接、補正係数の特性を表す特性曲線を決
定するようにすることも可能である。
【0084】また、本実施の形態では、動き量を、フィ
ルタ5の出力E0から求めるようにしたが、動き量は、
その他、例えば、演算器3が出力するフレーム間差分値
や、フィルタ5乃至8のうちのフィルタ5以外の出力を
用いて求めるようにすることも可能である。同様に、ノ
イズ変動量も、フィルタ8の出力E3からではなく、演
算器3の出力や、他のフィルタの出力を用いて求めるよ
うにすることが可能である。
【0085】さらに、本実施の形態では、閾値thの決
定に、ノイズ変動量を用いるようにしたが、フィルタの
最適設計等によって、画像からノイズそのものを精度良
く検出することができる場合には、そのようにして検出
されるノイズを用いて、閾値thを決定するようにする
ことが可能である。
【0086】また、本実施の形態では、動き量を、動き
検出部9において検出するとともに、ノイズ変動量を、
ノイズ検出部10において検出するようにしたが、動き
量やノイズ変動量は、補正部11乃至14それぞれにお
いて求めるようにすることも可能である。
【0087】さらに、図1や、図9、図10に示したノ
イズ除去装置は、コンピュータにコンピュータプログラ
ムを実行させることによっても、また、それ専用のハー
ドウェアによっても実現可能である。
【0088】また、本実施の形態では、プログレッシブ
な画像を入力画像として、演算器3において、そのフレ
ーム間差分を計算するようにしたが、インターレース走
査される画像を入力画像として、演算器3において、そ
のフィールド間差分(入力画像としてのフィールドと、
その2フィールド前の出力画像のフィールドとの差分)
を計算するようにすることも可能である。
【0089】
【発明の効果】以上の如く、本発明のノイズ除去装置お
よびノイズ除去方法によれば、補正係数の特性を表す特
性曲線が決定され、その特性曲線に基づいて、画像差分
値の各周波数帯域成分を補正するのに用いる補正係数が
設定される。従って、適切な補正係数が設定され、その
結果、画像の特性によらず、ノイズを効果的に除去する
ことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用したノイズ除去装置の第1実施の
形態の構成例を示すブロック図である。
【図2】図1のフィルタ5乃至8の特性を示す図であ
る。
【図3】補正係数の特性曲線の決定方法と、補正係数の
設定方法を説明するための図である。
【図4】図1のノイズ除去装置の動作を説明するための
フローチャートである。
【図5】閾値thを所定の各値に設定して行ったノイズ
除去の結果を示す図である。
【図6】ノイズまたは動き量それぞれと、閾値thとの
関係を示す図である。
【図7】図1のフィルタ5乃至8の出力を示す図であ
る。
【図8】図1のノイズ除去装置によるシミュレーション
結果を示す図である。
【図9】本発明を適用したノイズ除去装置の第2実施の
形態の構成例を示すブロック図である。
【図10】本発明を適用したノイズ除去装置の第3実施
の形態の構成例を示すブロック図である。
【符号の説明】
1 入力部, 2 出力部, 3 演算器, 4 フレ
ームメモリ, 5乃至8 フィルタ, 9 動き検出
部, 10 ノイズ検出部, 11乃至14 補正部,
15乃至22 演算器
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 5C021 PA12 PA16 PA17 PA33 PA34 PA35 PA53 PA66 PA67 PA79 RA01 RB04 RB06 RB07 RC02 SA23 SA24 YA01

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 入力画像からノイズを除去し、その結果
    得られる出力画像を出力するノイズ除去装置であって、 前記入力画像と、既に得られている前記出力画像との差
    分である画像差分値を演算する差分値算出手段と、 前記画像差分値を周波数帯域分割し、その各周波数帯域
    成分を出力する帯域分割手段と、 前記画像差分値の各周波数帯域成分を、所定の補正係数
    にしたがって補正する補正手段と、 補正された前記画像差分値の各周波数帯域成分を用い
    て、前記入力画像からノイズを除去し、前記出力画像を
    出力する除去手段と、 前記補正係数の特性を表す特性曲線を決定する特性曲線
    決定手段と、 前記特性曲線に基づいて、前記画像差分値の各周波数帯
    域成分を補正するのに用いる前記補正係数を設定する設
    定手段とを備えることを特徴とするノイズ除去装置。
  2. 【請求項2】 前記画像差分値の各周波数帯域成分と比
    較する閾値を、前記画像差分値に基づいて決定する閾値
    決定手段と、 前記画像差分値の各周波数帯域成分と、前記閾値とを比
    較する比較手段とをさらに備え、 前記除去手段は、前記画像差分値の各周波数帯域成分の
    うち、前記閾値以下のもののみを、前記入力画像のノイ
    ズの除去に用いることを特徴とする請求項1に記載のノ
    イズ除去装置。
  3. 【請求項3】 前記特性曲線決定手段は、前記閾値に基
    づいて、前記特性曲線を決定することを特徴とする請求
    項2に記載のノイズ除去装置。
  4. 【請求項4】 前記画像差分値に基づいて、前記入力画
    像の動き量を検出する動き検出手段をさらに備え、 前記閾値決定手段は、前記入力画像の動き量に基づい
    て、前記閾値を決定することを特徴とする請求項2に記
    載のノイズ除去装置。
  5. 【請求項5】 前記動き検出手段は、前記画像差分値の
    低周波数成分に基づいて、前記入力画像の動き量を検出
    することを特徴とする請求項4に記載のノイズ除去装
    置。
  6. 【請求項6】 前記画像差分値に基づいて、前記入力画
    像のノイズに関するノイズ情報を検出するノイズ情報検
    出手段をさらに備え、 前記閾値決定手段は、前記ノイズ情報に基づいて、前記
    閾値を決定することを特徴とする請求項2に記載のノイ
    ズ除去装置。
  7. 【請求項7】 前記ノイズ情報検出手段は、前記画像差
    分値の高周波数成分に基づいて、前記ノイズ情報を検出
    することを特徴とする請求項6に記載のノイズ検出装
    置。
  8. 【請求項8】 前記画像差分値に基づいて、前記入力画
    像の動き量を検出する動き検出手段をさらに備え、 前記閾値決定手段は、前記ノイズ情報、および入力画像
    の動き量に基づいて、前記閾値を決定することを特徴と
    する請求項6に記載のノイズ除去装置。
  9. 【請求項9】 前記設定手段は、前記特性曲線にしたが
    い、前記画像差分値の各周波数帯域成分を補正する前記
    補正係数を、その周波数帯域成分に対応して設定するこ
    とを特徴とする請求項1に記載のノイズ除去装置。
  10. 【請求項10】 入力画像からノイズを除去し、その結
    果得られる出力画像を出力するノイズ除去方法におい
    て、 前記入力画像と、既に得られている前記出力画像との差
    分である画像差分値を演算し、 前記画像差分値を周波数帯域分割して、その各周波数帯
    域成分を出力し、 前記画像差分値の各周波数帯域成分を、所定の補正係数
    にしたがって補正し、 補正された前記画像差分値の各周波数帯域成分を用い
    て、前記入力画像からノイズを除去し、前記出力画像を
    出力するノイズ除去方法であって、 前記補正係数の特性を表す特性曲線を決定し、 前記特性曲線に基づいて、前記画像差分値の各周波数帯
    域成分を補正するのに用いる前記補正係数を設定するこ
    とを特徴とするノイズ除去方法。
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