JP2000150917A - 半導体力学量センサの製造方法および半導体力学量センサ製造用の半導体ウェハ - Google Patents

半導体力学量センサの製造方法および半導体力学量センサ製造用の半導体ウェハ

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JP2000150917A
JP2000150917A JP10323746A JP32374698A JP2000150917A JP 2000150917 A JP2000150917 A JP 2000150917A JP 10323746 A JP10323746 A JP 10323746A JP 32374698 A JP32374698 A JP 32374698A JP 2000150917 A JP2000150917 A JP 2000150917A
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semiconductor
layer
forming
etching
groove
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Kazuhiko Kano
加納  一彦
Takeshi Fukada
毅 深田
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Denso Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 犠牲層エッチングを行って梁構造体を有する
半導体力学量センサを製造する方法において、梁構造体
の下に犠牲層の残りが生じないようにする。 【解決手段】 シリコン基板40に形成された梁構造体
におけるシリコン酸化膜(犠牲層)41との境界部分
に、溝55と直交する方向に切り欠き(ノッチ)56を
形成し、この後、シリコン酸化膜41のウェットエッチ
ングを行って、梁構造体を可動構造とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、梁構造の可動部を
有し、例えば加速度、ヨーレート、振動等の力学量を検
出する半導体力学量センサの製造方法および半導体力学
量センサ製造用の半導体ウェハに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、この種の半導体力学量センサとし
ては、梁構造の可動部と固定部を有して、可動部が力学
量の作用によって変位することにより力学量を検出する
ようにしたものが種々提案されている。この半導体力学
量センサの製造方法においては、半導体基板の上に犠牲
層としての酸化膜を介して半導体層が形成されたものを
用意し、その半導体層に梁構造の可動部と固定部を画定
するための溝を形成し、この後、可動部の下の酸化膜を
ウェットエッチングにより除去して、可動部を力学量の
作用によって可動できるようにしている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記した酸化膜をウェ
ットエッチングする際、エッチング時間が不十分である
と、可動部の下に酸化膜が残ってしまう場合がある。こ
のように可動部の下に酸化膜が残ると、その膜応力によ
って可動部が変形したり、あるいは雰囲気温度が変化し
たときに酸化膜と可動部の間の熱膨張係数差によって可
動部が変形する。このように可動部が変形すると、セン
サ特性に悪影響を与えることになる。
【0004】本発明は上記問題に鑑みたもので、可動部
の下に犠牲層(酸化膜)の残りが生じないようにするこ
とを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、請求項1に記載の発明においては、半導体基板の上
に犠牲層を介して半導体層が形成されたものを用意し、
前記半導体層に梁構造の可動部と固定部を画定するため
の溝を形成し、前記可動部の下の前記犠牲層をウェット
エッチングにより除去して、前記可動部を力学量の作用
によって可動できるようにした半導体力学量センサの製
造方法において、前記可動部における犠牲層との境界部
分に、前記溝と直交する方向に切り欠きを形成し、この
後、前記犠牲層のウェットエッチングを行うことを特徴
としている。
【0006】このように可動部における犠牲層との境界
部分に切り欠きを形成しておくことにより、可動部の下
の前記犠牲層をウェットエッチングする際に、エッチン
グ液が切り欠き部分に比較的早い時期に回り込むため、
可動部の下に犠牲層の残りが生じないようにすることが
できる。また、そのウェットエッチングの時間を短縮す
ることができる。従って、可動部及び固定部に電極部が
形成されている場合、その電極材料がエッチング時に侵
食されてダメージを受けるのを少なくすることができ
る。
【0007】この場合、具体的には、後述する第1実施
形態に対応する請求項2に記載の発明、あるいは後述す
る第2実施形態に対応する請求項3に記載の発明のよう
にして半導体力学量センサを製造することができる。な
お、上記した切り欠きは、請求項4に記載の発明のよう
に、前記溝を形成するためのエッチングにより形成する
ことができ、この場合切り欠きを形成するための特別の
工程を不要にすることができる。
【0008】請求項5に記載の発明においては、第1半
導体層上に、第1絶縁膜層と第2絶縁膜層を介して第2
半導体層を積層した状態の半導体基板を用意する工程
と、前記第2半導体層に梁構造の可動部と固定部を画定
するための溝を形成する工程と、前記可動部の下の前記
第1、第2絶縁膜層をウェットエッチングにより除去し
て、前記可動部と前記固定部を形成する工程とを有し
て、半導体力学量センサを製造することを特徴としてい
る。
【0009】この発明においては、犠牲層として第1、
第2絶縁膜層を形成している。この場合、ウェットエッ
チング時にエッチング液が第1、第2絶縁膜層の界面に
達したときエッチング液がその界面に非常に早く侵入す
るため、可動部の下に犠牲層の残りが生じないようにす
ることができる。また、そのウェットエッチングの時間
を短縮することができる。従って、可動部及び固定部に
電極部が形成されている場合、その電極材料がエッチン
グ時に侵食されてダメージを受けるのを少なくすること
ができる。
【0010】この場合、具体的には、後述する第3実施
形態に対応する請求項6に記載の発明のようにして半導
体力学量センサを製造することができる。なお、第1、
第2絶縁膜層としては、請求項7に記載の発明のように
熱酸化膜で形成するができ、また請求項8に記載の発明
のように成膜方法の異なる酸化膜で形成することができ
る。
【0011】また、請求項9に記載の発明のように、第
2絶縁膜層の膜厚を第1酸化膜層の膜厚より小さくする
ようにすれば、第1絶縁膜層からエッチング液が先に接
合界面に達し、そこから非常に早く界面に沿ってエッチ
ングが進むため、エッチング時間をかなり短くすること
ができる。請求項10に記載の発明においては、請求項
1乃至4に記載したような半導体力学量センサの製造方
法に用いる半導体ウェハを提供することができる。
【0012】また、請求項11乃至13に記載の発明に
おいては、請求項5乃至9に記載したような半導体力学
量センサの製造方法に用いる半導体ウェハを提供するこ
とができる。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明を図に示す実施形態
について説明する。 (第1実施形態)図1に、本発明の第1実施形態に係る
加速度センサの平面図を示す。また、図2乃至図5に、
図1におけるA−A断面図、B−B断面図、C−C断面
図、D−D断面図をそれぞれ示す。
【0014】図1、図2において、基板1の上面には、
単結晶シリコン(単結晶半導体材料)よりなる梁構造体
2が配置されている。梁構造体2は、基板1側から突出
する4つのアンカー部3a、3b、3c、3dにより架
設されており、基板1の上面において所定間隔を隔てた
位置に配置されている。アンカー部3a〜3dは、ポリ
シリコン薄膜よりなる。アンカー部3aとアンカー部3
bとの間には、梁部4が架設されており、アンカー部3
cとアンカー部3dとの間には、梁部5が架設されてい
る。
【0015】また、梁部4と梁部5との間には、長方形
状をなす質量部(マス部)6が架設されており、この質
量部6には、上下に貫通する透孔6aが設けられてい
る。さらに、質量部6における一方の側面(図1におい
ては左側面)からは4つの可動電極7a、7b、7c、
7dが突出している。また、質量部6における他方の側
面(図1においては右側面)からは4つの可動電極8
a、8b、8c、8dが突出している。可動電極7a〜
7d、8a〜8dは、等間隔で平行に延びる櫛歯状の形
状になっている。
【0016】基板1の上面には第1の固定電極9a、9
b、9c、9dおよび第2の固定電極11a、11b、
11c、11dが固定されている。第1の固定電極9a
〜9dは、基板1側から突出するアンカー部10a、1
0b、10c、10dにより支持されており、基板1の
上面に所定間隔を隔てた位置に配置されて梁構造体2の
各可動電極7a〜7dの一方の側面と対向している。ま
た、第2の固定電極11a〜11dは、基板1側から突
出するアンカー部12a、12b、12c、12dによ
り支持されており、基板1の上面に所定間隔を隔てた位
置に配置されて梁構造体2の各可動電極7a〜7dの他
方の側面に対向している。
【0017】同様に、基板1の上面には第1の固定電極
13a、13b、13c、13dおよび第2の固定電極
15a、15b、15c、15dが固定されている。第
1の固定電極13a〜13dは、基板1側から突出する
アンカー部14a、14b、14c、14dにより支持
されており、基板1の上面に所定間隔を隔てた位置に配
置されて梁構造体2の各可動電極8a〜8dの一方の側
面と対向している。また、第2の固定電極15a〜15
dは、基板1側から突出するアンカー部16a、16
b、16c、16dにより支持されており、基板1の上
面に所定間隔を隔てた位置に配置されて梁構造体2の各
可動電極8a〜8dの一方の側面と対向している。
【0018】基板1は、図2に示すように、シリコン基
板17の上に、ポリシリコン薄膜18、下層側絶縁体薄
膜19と導電性薄膜20と上層側絶縁体薄膜21とを積
層した構造となっている。下層側絶縁体薄膜19は、シ
リコン酸化膜よりなり、上層側絶縁体薄膜21は、シリ
コン窒化膜よりなる。また、導電性薄膜20はリン等の
不純物をドーピングしたポリシリコン薄膜よりなる。
【0019】また、図1、図2に示すように、導電性薄
膜20により、4つの配線パターン22、23、24、
25、および下部電極26が形成されている。配線パタ
ーン22〜25は、それぞれ、固定電極9a〜9d、1
1a〜11d、13a〜13dおよび15a〜15dの
配線であり、帯状をなし、かつ、L字状に延設されてい
る。
【0020】さらに、基板1の上面には、電極取出部2
7a、27b、27c、27dが形成されている。これ
ら電極取出部27〜27dは、基板1から突出するアン
カー部28a、28b、28c、28dにより支持され
ている。そして、電極取出部27aは、図3、図4に示
すように、アンカー部28aを介して配線パターン22
と電気的に接続されている。同様に、電極取出部27
b、27c、27dは、それぞれアンカー部28b、2
8c、28dを介して配線パターン23、24、25と
電気的に接続されている。なお、図1乃至図4には図示
してないが、アンカー部3aの上方、電極取出部27
a、27b、27c、27dの上面には、電極部として
のアルミ薄膜よりなる金属電極(ボンディングパッド)
がそれぞれ設けられている。
【0021】上記した構成において、梁構造体2の可動
電極7a〜7dと第1の固定電極9a〜9dとの間には
第1のコンデンサが、また、梁構造体2の可動電極7a
〜7dと第2の固定電極11a〜11dとの間には第2
のコンデンサが形成されている。同様に、梁構造体2の
可動電極8a〜8dと第1の固定電極13a〜13dと
の間に第1のコンデンサが、また、梁構造体2の可動電
極8a〜8dと第2の固定電極15a〜15dとの間に
第2のコンデンサが形成されている。
【0022】ここで、可動電極7a〜7d(8a〜8
d)は、両側の固定電極9a〜9d(13a〜13d)
と11a〜11d(15a〜15d)の中心に位置し、
可動電極と固定電極間の静電容量C1、C2は等しい。
また、可動電極7a〜7d(8a〜8d)と固定電極9
a〜9d(13a〜13d)間には電圧V1が、可動電
極7a〜7d(8a〜8d)と固定電極11a〜11d
(15a〜15d)間には電圧V2が印加されている。
【0023】加速度が生じていないときには、V1=V
2であり、可動電極7a〜7d(8a〜8d)は、固定
電極9a〜9d(13a〜13d)と11a〜11d
(15a〜15d)から等しい静電気力で引かれてい
る。そして、加速度が基板表面に平行な方向に作用し、
可動電極7a〜7d(8a〜8d)が変位すると、可動
電極と固定電極との間の距離が変わり静電容量C1、C
2が等しくなくなる。このとき、静電気力が等しくなる
ように、例えば可動電極7a〜7d(8a〜8d)が固
定電極9a〜9d(13a〜13d)側に変位したとす
ると、電圧V1が下がり、電圧V2が上がる。これによ
り静電気力で固定電極11a〜11d(15a〜15
d)側に可動電極7a〜7d(8a〜8d)は引かれ
る。可動電極7a〜7d(8a〜8d)が中心位置に戻
り静電容量C1、C2が等しくなれば、加速度と静電気
力が等しく釣り合っており、このときの電圧V1、V2
から加速度の大きさを求めることができる。
【0024】このように、第1のコンデンサと第2のコ
ンデンサにおいて、力学量の作用による変位に対して、
可動電極が変位しないように第1と第2のコンデンサを
形成している固定電極の電圧を制御し、その電圧の変化
で加速度を検出する。次に、上記した加速度センサの製
造方法について、図1中のE−E断面を用いた工程図に
従って説明する。
【0025】まず、図6に示すように、単結晶シリコン
基板(第1の半導体基板)40を用意し、このシリコン
基板40に対し静電容量検出を行うための電極とするた
めにリン拡散等により不純物を導入する。この後、シリ
コン基板40にアライメント用の溝40aをトレンチエ
ッチングにて形成する。そして、シリコン基板40の上
に犠牲層用薄膜としてのシリコン酸化膜41を成膜し、
溝40aを埋め込む。
【0026】次に、図7に示すように、シリコン酸化膜
41の一部をエッチングして凹部42を形成した後、犠
牲層エッチング時のエッチングストッパとなるシリコン
窒化膜(第1の絶縁体薄膜)43を成膜する。そして、
シリコン窒化膜43とシリコン酸化膜41との積層体に
対し、アンカー部を形成する領域に、開口部44a、4
4b、44cを形成する。
【0027】引き続き、図8に示すように、開口部44
a〜44cおよびシリコン窒化膜43の上に、アンカー
部を構成する膜としてポリシリコン薄膜45を成膜し、
その後、リン拡散等により不純物を導入して導電性薄膜
とし、さらに、フォトリソグラフィを経て配線パターン
45aと下部電極45bとアンカー部45cを形成す
る。
【0028】そして、図9に示すように、ポリシリコン
薄膜45(45a〜45c)およびシリコン窒化膜43
の上にシリコン酸化膜(第2の絶縁体薄膜)46を成膜
する。さらに、図10に示すように、シリコン酸化膜4
6の上に貼り合わせ用薄膜としてのポリシリコン薄膜4
7を成膜し、貼り合わせのためにポリシリコン薄膜47
の表面を機械的研磨等により平坦化する。
【0029】次に、図11に示すように、シリコン基板
40とは別の単結晶シリコン基板(第2の半導体基板)
48を用意し、ポリシリコン薄膜47の表面と第2の半
導体基板としてのシリコン基板48とを貼り合わせる。
さらに、図12に示すように、シリコン基板40、48
を表裏逆にして、シリコン基板40側を機械的研磨等に
より研磨を行い薄膜化する。つまり、シリコン基板40
を所望の厚さまで研磨する。この際、図6に示したよう
に、トレンチエッチングにより形成した溝40aの深さ
まで、すなわち溝40aが露出するまで研磨を行うと、
シリコン酸化膜41の層が出現するため、研磨における
硬度が変化し、研磨の終点を容易に検出することができ
る。また、アライメント用の溝40a内に形成されたシ
リコン酸化膜41をアライメントマークとして、以下に
示す工程の成膜およびトレンチエッチングが行われる。
【0030】そして、図13に示すように、層間絶縁膜
51を成膜し、フォトリソグラフィを経てドライエッチ
ング等によりコンタクトホールを形成する。さらに、層
間絶縁膜51の上の所定領域にシリコン窒化膜52を形
成し、電極部としてのアルミ電極53を成膜・フォトリ
ソグラフィを経て形成する。この後、図14に示すよう
に、マスク材54を用い、梁構造体のパターンのホトリ
ソグラフィ経て、梁構造体を形成する。つまり、シリコ
ン基板40に梁構造体および固定電極を画定するための
溝55をトレンチエッチングにより形成する。このと
き、エッチングは、フォトレジストのようなソフトマス
ク、あるいは酸化膜のようなハードマスクを用いて行
う。
【0031】また、このエッチングの際、図15(図1
4中の点線部分の拡大図)に示すように、シリコン基板
40に形成された構造体におけるシリコン酸化膜41と
の境界部分に、溝55と直交する方向に切り欠き(ノッ
チ)56を形成する。このようなノッチ56は、通常、
構造体を形成するためのドライエッチング時間を、エッ
チングレートと構造体の膜厚から換算したエッチング時
間より若干多めに行うことによって形成することができ
る。
【0032】最後に、図16に示すように、HF系のエ
ッチング液によりシリコン酸化膜41をエッチング除去
して、シリコン基板40を可動構造とし、シリコン基板
40に梁構造体および固定電極を形成する。この際、エ
ッチング後の乾燥工程で可動部が基板に固着するのを防
止するため、バラジクロルベンゼン等の昇華剤を用い
る。
【0033】この犠牲層エッチングにおいて、構造体に
おけるシリコン酸化膜41との境界部分にノッチ56を
入れておくことにより、エッチング液がノッチ56に毛
細管現象によって比較的早い時期に回り込み、構造体の
下に酸化膜残りが生じないようにすることができ、また
そのウェットエッチングの時間を短縮することができ
る。従って、そのエッチング工程において、アルミの電
極材料が侵食されてダメージを受けるのを少なくするこ
とができる。
【0034】そして、上記した工程によって得られた半
導体ウェハを、所定のセンサチップ形状にダイシングカ
ットして、半導体加速度センサを完成させる。上記した
実施形態によれば、電極部としてアルミ電極53を形成
した後、シリコン基板40に梁構造体および固定電極を
画定するための溝55を形成し、この溝55を介して犠
牲層用薄膜としてのシリコン酸化膜41をエッチング除
去するようにしているから、溝55の幅を設定する場合
の自由度を大きくすることができ、加速度センサを構造
設計する場合の制約を少なくすることができる。 (第2実施形態)次に、本発明の第2実施形態を示す加
速度センサの製造方法を、図17乃至図19を参照して
説明する。
【0035】図17に、半導体力学量センサとしての半
導体加速度センサ101の平面構成を示し(但し、図1
7中の斜線帯は断面を示すものではなく、各構造要素の
区別を容易に識別可能にするためのものである)、図1
8に図17中のA−A線に沿った模式的な断面構造を示
す。図17及び図18において、単結晶シリコンにより
構成された支持基板102は、開口部102aを備えた
矩形枠状に形成されており、その上面には、単結晶シリ
コンよりなる梁構造体(可動部)103並びに一対の固
定電極構造体(固定部)104、105がシリコン酸化
膜よりなる絶縁膜106を介して配置されている。な
お、梁構造体103および固定電極構造体104、10
5を構成する単結晶シリコンには、その抵抗率を下げる
ために不純物が予め拡散されている。
【0036】梁構造体103は、矩形状のマス部107
の両端を、矩形枠状の梁部108a及び108bを介し
てアンカー部109a及び109bに一体に連結した構
成となっており、これらアンカー部109a及び109
bが支持基板102における対向辺部上に絶縁膜106
を介して支持されている。これにより、マス部107及
び梁部108a、108bは、支持基板102の開口部
102aに臨んだ状態となっている。
【0037】なお、梁部108a及び108bは、図1
7中矢印X方向の成分を含む加速度を受けたときにマス
部107を矢印X方向へ変位させるとともに、加速度の
消失に応じて元の状態に復元させるというバネ機能を備
えたものである。さらに、梁構造体103は、マス部1
07の両側面からマス部107と直交した方向へ一体的
に突出され例えば3個ずつの可動電極110a及び11
0bを備えており、これら可動電極110a及び110
bも支持基板102の開口部102aに臨んだ状態とな
っている。なお、これら可動電極110a及び110b
は、断面矩形の棒状に形成されている。
【0038】支持基板102上には、梁構造体103に
おける一方のアンカー部109bと一体に連結された状
態の可動電極用配線部111が絶縁膜106を介して形
成されており、この配線部111上の所定位置には、ワ
イヤボンディング用の電極パッド111aが例えばアル
ミニウムにより形成されている。固定電極構造体104
は、支持基板102上に絶縁膜106を介して形成され
た固定電極用配線部104aと、可動電極110aの一
方の側面と所定の検出空隙を存して平行した状態で配置
された例えば3個の固定電極104bとを一体に有した
構成となっており、各固定電極104bは、固定電極用
配線部104aに片持ち状に支持された状態となってい
る。これにより、固定電極104bは、支持基板102
の開口部102aに臨んだ状態となっている。
【0039】また、固定電極構造体105は、支持基板
102上に絶縁膜106を介して形成された固定電極用
配線部105aと、可動電極110bの一方の側面(可
動電極110aにおける検出空隙側と反対側の面)と所
定の検出空隙を存して平行した状態で配置された例えば
3個の固定電極105bとを一体に有した構成となって
おり、各固定電極105bは、配線部105aに片持ち
状に支持された状態となっている。これにより、固定電
極105bは、支持基板102の開口部102aに臨ん
だ状態となっている。
【0040】なお、固定電極104b及び105bは、
断面矩形の棒状に形成されている。また、固定電極用配
線部104a及び105a上の所定位置には、ワイヤボ
ンディング用の電極パッド104c及び105cがアル
ミニウムにより形成されている。さらに、支持基板10
2の周縁部には、梁構造体103及び固定電極構造体1
04、105の基材となる単結晶シリコンよりなるシー
ルド用薄膜112が、絶縁分離溝113により分離され
た状態で配置されている。
【0041】上記のように構成された半導体加速度セン
サ101にあっては、可動電極110aと固定電極10
4bとの間に第1のコンデンサが形成され、また可動電
極110bと固定電極105bとの間に第2のコンデン
サが形成されることになる。これら第1及び第2のコン
デンサの各静電容量は、マス部107に図17中矢印X
方向の成分を含む加速度が作用したときの可動電極11
0a及び110bの変位に応じて差動的に変化するもの
であり、このような静電容量の変化を、電極パッド10
4c、105c、111aを通じて取り出すことにより
加速度を検出することができることになる。
【0042】図19に、上記のような半導体加速度セン
サ101の製造工程を模式的な断面図として示す。な
お、図19において、(h)は半導体加速度センサ10
1の部分的な断面構成モデル(説明の便宜上、図17中
に二点鎖線Q1、Q2、Q3で示す各部分での断面構造
を合成した状態で表現したモデル)を模式的に示したも
のであり、(a)〜(g)は、そのような断面構造モデ
ルに対応した部分の製造途中での模式的断面図である。
【0043】まず、図19(a)に示すように半導体基
板としてSOI基板114を用意する。このSOI基板
114にあっては、ベースとなる第1半導体層としての
単結晶シリコンウェハ114aが最終的に支持基板10
2となるものであり、この単結晶シリコンウェハ114
a上に第2半導体層としての単結晶シリコン薄膜114
bを犠牲層としてのシリコン酸化膜114c(最終的に
絶縁膜106となる)を介して設けた構造となってい
る。なお、単結晶シリコンウェハ114aは、表面の面
方位が(100)に設定されたもので、少なくとも30
0μm程度以上の厚さ寸法を備えた低不純物濃度のもの
が使用される。また、単結晶シリコン薄膜114bも、
表面の面方位が(100)のもので、例えば1μm前後
の膜厚に設定されている。
【0044】次に、図19(b)に示す電極パッド形成
工程を実行する。この工程では、単結晶シリコン薄膜1
14b上の全面にアルミニウムを例えば1μm程度の膜
厚となるように蒸着した後に、そのアルミニウム膜をフ
ォトリソグラフィ技術及びエッチング技術を利用してパ
ターニングすることにより、電極パッド104c、10
5c、111a(111aについては図19中に示され
ていない)を形成する。なお、この電極パッド形成工程
では、電極パッド104c、105c、111aのオー
ミックコンタクトを得るための周知の熱処理(シンタ)
を必要に応じて行う。
【0045】この状態から、図19(c)に示す寸法調
整工程を実行する。この工程では、単結晶シリコンウェ
ハ114aの表面(絶縁膜106と反対側の面)側に切
削・研磨加工を施すことによって、当該ウェハ114a
の厚さ寸法が例えば300μmとなるように調整し、そ
の加工面に鏡面仕上げを施す。このように、単結晶シリ
コンウェハ114aの厚さ寸法を300μmまで減らす
のは、後で述べるように、異方性エッチングにより開口
部102aを形成する際にそのエッチング深さを低減
し、以って異方性エッチングに起因するチップ設計寸法
の拡大を防止するためである。
【0046】次に、図19(d)に示すマスク形成工程
を実行する。この工程では、単結晶シリコンウェハ11
4aの表面(鏡面加工面)の全面に、シリコン窒化膜を
例えばプラズマCVD法によって0.5μm程度の膜厚
となるように堆積した後、そのシリコン窒化膜をフォト
リソグラフィ技術及びエッチング技術を利用してパター
ニングすることにより、開口部102aをエッチングに
よって形成する際のマスク115を形成する。
【0047】この後、図19(e)に示す溝形成工程を
実行する。この工程では、単結晶シリコン薄膜114b
及び電極パッド104c、105c、111a上にドラ
イエッチ耐性があるレジスト(図示せず)を所定パター
ン(梁構造体103、固定電極構造体104、105、
シールド用薄膜112に対応した形状)で形成した状態
で、ドライエッチング装置により異方性ドライエッチン
グを実行することにより、単結晶シリコン薄膜114b
中に、シリコン酸化膜114cに達する溝116を形成
する。
【0048】また、このエッチングの際、単結晶シリコ
ン薄膜114bに形成された構造体におけるシリコン酸
化膜114cとの境界部分に、溝116と直交する方向
に切り欠き(ノッチ)を形成する。このノッチの形成に
よって、図19(e)中の点線部分は、図15に示す拡
大図と同様の形状になる。なお、このようなノッチは、
第1実施形態と同様、構造体を形成するためのドライエ
ッチング時間を、エッチングレートと構造体の膜厚から
換算したエッチング時間より若干多めに行うことによっ
て形成される。
【0049】この状態から、図19(f)に示す第1の
エッチング工程を実行する。この第1のエッチング工程
では、単結晶シリコンウェハ114aを、マスク115
を使用し且つ例えばKOH水溶液を利用して表面(シリ
コン酸化膜114cと反対側の面)側から選択エッチン
グする。この場合、このようなエッチングをシリコン酸
化膜114cまで進行させると、エッチング液の圧力に
より当該シリコン酸化膜114cが破れて単結晶シリコ
ン薄膜114bが破壊される可能性が非常に高くなるた
め、エッチングがシリコン酸化膜114cまで進行しな
いようにエッチング時間を管理する。なお、このような
エッチング時間の管理は、例えば、単結晶シリコンウェ
ハ114aの厚さ寸法並びにエッチング液のエッチング
レートに基づいた計算により行うものであるが、本実施
形態では、単結晶シリコンウェハ114aの膜厚が10
μm程度残存することを目標にした時間管理を行う。ま
た、具体的には図示しなかったが、この第1のエッチン
グ工程の実行前には、SOI基板114の表面側をレジ
ストにより覆っておくものであり、このレジストは、例
えば第1のエッチング工程終了後に除去するようにして
いる。
【0050】次に、図19(g)に示す第2のエッチン
グ工程を実行する。この第2のエッチング工程では、単
結晶シリコンウェハ114aの表面側から、例えばプラ
ズマエッチング装置を利用したドライエッチングを施す
ことにより、第1のエッチング工程においてシリコン酸
化膜114cとの間に残した膜厚10μm程度の単結晶
シリコンウェハ114aを除去し、以ってシリコン酸化
膜114cの裏面(下面)を露出させる。なお、このよ
うなドライエッチングに伴い、マスク15も同時に除去
されることになる。
【0051】そして、図19(h)に示す第3のエッチ
ング工程を実行する。この第3のエッチング工程では、
HF系のエッチング液によりエッチングを施すことによ
り、シリコン酸化膜114cを除去する。このような第
3のエッチング工程の実行に応じて、開口部102aが
形成されるとともに、梁構造体103のマス部107、
梁部108a、108b、可動電極110a、110b
(マス部107、梁部108a、108b、可動電極1
10bについては図19中に示されていない)がリリー
スされることになる。また、このときには、固定電極構
造体104、105の固定電極104b及び105b
(固定電極105bについては図19中に示されていな
い)もリリースされて、固定電極配線部104a及び1
05aに片持ちされた状態となる。このようにして、第
3のエッチング工程の実行に応じて梁構造体103及び
固定電極構造体104、105が形成される。
【0052】そして、このような第3のエッチング工程
の実行後に、SOI基板114を所定のセンサチップ形
状に切断するというダイシング工程を行うことにより、
半導体加速度センサを完成させる。上記のような製造方
法によれば、エッチング液としてKOH水溶液を使用し
た第1のエッチング工程では、シリコン酸化膜114c
との間に所定膜厚の単結晶シリコンウェハ114aが残
存されるように構成し、その後に第2のエッチング工程
でのドライエッチングにより上記残存された状態の単結
晶シリコンウェハ114aを除去する構成としたから、
第1のエッチング工程において、そのエッチング液の圧
力がシリコン酸化膜114c及び単結晶シリコンウェハ
114aの双方により受け止められるようになって、シ
リコン酸化膜114cひいては単結晶シリコン薄膜11
4bが破壊される可能性が低くなる。しかも、シリコン
酸化膜114cを露出させる第2のエッチング工程もド
ライエッチングにより行われる構成であるから、その工
程の実行時において、シリコン酸化膜114cひいては
単結晶シリコン薄膜114bが破壊される可能性が低く
なるものであり、総じて、製造時における歩留まりの悪
化を防止できるようになる。
【0053】また、第3のエッチング工程において、構
造体におけるシリコン酸化膜114cとの境界部にノッ
チを入れておくことにより、HF系エッチング液がノッ
チ部分に毛細管現象によって比較的早い時期に回り込
み、このような毛細管現象によるサイドエッチングとシ
リコン酸化膜114cの裏面側からの両面エッチングに
よって、構造体の下に酸化膜残りが生じないようにする
ことができ、またそのウェットエッチングの時間を短縮
することができる。従って、そのエッチング工程におい
て、アルミの電極材料が侵食されてダメージを受けるの
を少なくすることができる。
【0054】なお、上記した第1、第2実施形態におい
て、ノッチを形成する工程は、構造体をエッチングする
プロセスと同じプロセスで行っているが、その際、横方
向エッチングが早くなるようなエッチング条件を選択し
てもよく、また、別プロセス、例えば、異なるガス系、
エッチング装置を用いて行ってもよい。 (第3実施形態)この第3実施形態は、第2実施形態で
示した加速度センサの他の製造方法を示すものである。
【0055】図20に、この第3実施形態における半導
体加速度センサ101の製造工程を示す。なお、図中の
(a)〜(i)は、図19に示すものと同様の断面状態
における模式的な断面図である。まず、図20(a)に
示すように、単結晶シリコンのベースウェハ114aを
熱酸化して、表層に酸化膜層114cを形成し、また単
結晶シリコンのボンドウェハ114bも同様に熱酸化し
て、表層に酸化膜層114d、114eを形成する。次
に、ウェハ直接接合を行い、図20(b)に示すよう
に、ベースウェハ114aとボンドウェハ114bの間
に酸化膜層(第1絶縁膜層)114c、酸化膜層(第2
絶縁膜層)114dを介在させたSOIウェハ114を
形成する。なお、このSOIウェハ114において、ベ
ースウェハ114aの部分が第2実施形態における単結
晶シリコンウェハ114a(すなわち、表面の面方位が
(100)で、少なくとも300μm程度以上の厚さ寸
法を備えた低不純物濃度のもの)になり、ボンドウェハ
114bの部分が第2実施形態における単結晶シリコン
薄膜114b(すなわち、表面の面方位が(100)
で、例えば1μm前後の膜厚のもの)になる。
【0056】次に、図20(c)に示す電極パッド形成
工程を実行し、電極パッド104c、105c、111
a(111aについては図20中に示されていない)を
形成する。この状態から、図20(d)に示す寸法調整
工程を実行する。この後、図20(e)に示すマスク形
成工程を実行し、マスク115を形成する。これら図2
0(c)〜(e)の工程は、第2実施形態における図1
9(b)〜(d)の工程と同じである。
【0057】この後、図20(f)に示す溝形成工程を
実行する。この工程では、単結晶シリコン薄膜114b
及び電極パッド104c、105c、111a上にドラ
イエッチ耐性があるレジスト(図示せず)を所定パター
ン(梁構造体103、固定電極構造体104、105、
シールド用薄膜112に対応した形状)で形成した状態
で、ドライエッチング装置により異方性ドライエッチン
グを実行することにより、単結晶シリコン薄膜114b
中に、シリコン酸化膜114dに達する溝116を形成
する。
【0058】この状態から、図20(g)に示す第1の
エッチング工程を実行する。この第1のエッチング工程
では、単結晶シリコンウェハ114aを、マスク115
を使用し且つ例えばKOH水溶液を利用して表面(シリ
コン酸化膜114cと反対側の面)側から選択エッチン
グする。この場合、第2実施形態と同じく、エッチング
がシリコン酸化膜114cまで進行しないようにエッチ
ング時間を管理する。
【0059】次に、図20(h)に示す第2のエッチン
グ工程を実行する。この第2のエッチング工程では、単
結晶シリコンウェハ114aの表面側から、例えばプラ
ズマエッチング装置を利用したドライエッチングを施す
ことにより、第1のエッチング工程においてシリコン酸
化膜114cとの間に残した膜厚10μm程度の単結晶
シリコンウェハ114aを除去し、以ってシリコン酸化
膜114cの裏面(下面)を露出させる。なお、このよ
うなドライエッチングに伴い、マスク15も同時に除去
されることになる。
【0060】そして、図20(i)に示す第3のエッチ
ング工程を実行する。この第3のエッチング工程では、
HF系のエッチング液によりエッチングを施すことによ
り、シリコン酸化膜114c、114dを除去する。こ
のような第3のエッチング工程の実行に応じて、開口部
102aが形成されるとともに、梁構造体103のマス
部107、梁部108a、108b、可動電極110
a、110b(マス部107、梁部108a、108
b、可動電極110bについては図20中に示されてい
ない)がリリースされることになる。また、このときに
は、固定電極構造体104、105の固定電極104b
及び105b(固定電極105bについては図20中に
示されていない)もリリースされて、固定電極配線部1
04a及び105aに片持ちされた状態となる。このよ
うにして、第3のエッチング工程の実行に応じて梁構造
体103及び固定電極構造体104、105が形成され
る。
【0061】この実施形態によれば、第3のエッチング
工程において、HF系エッチング液が酸化膜層114
c、酸化膜層114dの界面に達した場合、非常に早く
その界面にエッチング液が侵入し、構造体下の酸化膜除
去時間が短くなる。また、エッチング時間が短くなるこ
とにより、表面側の電極104c、105cにHF系エ
ッチング液が与えるダメージも少なくなり、後の実装時
のボンディング性を損なわない。また、酸化膜層114
c、酸化膜層114dの膜厚は、1〜2μm程度である
が、酸化膜層114dの膜厚は酸化膜層114cの膜厚
と比べて小さい方が望ましく、具体的には数千Å程度が
好ましい。これは、界面に沿ってエッチングが進むた
め、溝116面側からのエッチング液が先に接合界面に
達し、そこから非常に早く界面に沿ってエッチングが進
み、結果的には酸化膜除去のエッチング時間が半分程度
に短縮され、また構造体104b、110a下側に酸化
膜残りが出にくくなるからである。
【0062】なお、酸化膜層114c、酸化膜層114
dとしては、熱酸化膜以外に、シリコン酸化膜であれば
どのようなものでもよく、またその成膜方法も熱酸化、
CVD等を用いることができる。この場合、酸化膜層1
14c、酸化膜層114dを異なる成膜方法で形成する
ようにしてもよい。また、酸化膜も通常のSiO2 (酸
化膜)以外に、PSG、BPSG、BSGなど酸化膜に
P、B等の不純物が入ったものでもよい。さらに、酸化
膜層は2層に限らず3層以上の多層であってもよい。
【0063】また、上記第3実施形態に示すように、第
1、第2酸化膜層を介在させてエッチングを行い、これ
によって半導体加速度センサセンサを製造する方法は、
第1実施形態のような製造方法においても同様に適用す
ることができる。具体的には、半導体基板(第1半導体
層)48の上に第1、第2酸化膜層を介して半導体層
(第2半導体層)40を積層した半導体ウェハを構成
し、半導体層40に梁構造体および固定電極を画定する
ための溝55を形成した後、ウェットエッチングを行っ
て、半導体加速度センサを製造する。
【0064】なお、第2、第3の実施形態において、図
20(g)のエッチング工程で、アルカリエッチングを
用いたウェットエッチングでなくドライエッチング工程
を用いた場合には、チップサイズがそれほど拡大しない
ので、図20(d)の寸法調整工程は必要なく、またド
ライエッチング工程1回で図20(h)のように酸化膜
をむき出しにすることができる。この場合、エッチング
マスク15は、エッチング条件により、適当な材質、膜
厚を選択する必要がある。
【0065】また、本発明は上記したような半導体加速
度センサに限らず、力学量によって梁構造の可動部が変
位する構造の半導体力学量センサであれば、ヨーレート
センサ、振動センサなどにも適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態に係る加速度センサの平
面構成図である。
【図2】図1中のA−A断面図である。
【図3】図1中のB−B断面図である。
【図4】図1中のC−C断面図である。
【図5】図1中のD−D断面図である。
【図6】本発明の第1実施形態に係る加速度センサの製
造方法を示す工程図である。
【図7】図6に続く工程を示す工程図である。
【図8】図7に続く工程を示す工程図である。
【図9】図8に続く工程を示す工程図である。
【図10】図9に続く工程を示す工程図である。
【図11】図10に続く工程を示す工程図である。
【図12】図11に続く工程を示す工程図である。
【図13】図12に続く工程を示す工程図である。
【図14】図13に続く工程を示す工程図である。
【図15】図14中の点線部分の拡大図である。
【図16】図14に続く工程を示す工程図である。
【図17】本発明の第2実施形態に係る半導体加速度セ
ンサの平面構成図である。
【図18】図17中のA−A線に沿った模式的な断面構
造を示す図である。
【図19】本発明の第2実施形態に係る加速度センサの
製造方法を示す工程図である。
【図20】本発明の第3実施形態に係る加速度センサの
製造方法を示す工程図である。
【符号の説明】
2…可動部としての梁構造体、13a〜13d、15a
〜15d…固定部としての固定電極、48…半導体基板
としてのシリコン基板、41…犠牲層としてのシリコン
酸化膜、40…半導体層としてのシリコン基板、55…
梁構造の可動部と固定部を画定するための溝、56…切
り欠き(ノッチ)、103…可動部としての梁構造体、
104、105…固定部としての固定電極構造体、11
4a…半導体基板としてのシリコンウェハ、114c…
犠牲層としてのシリコン酸化膜、114b…半導体層と
してのシリコン薄膜、116…梁構造の可動部と固定部
を画定するための溝。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2F055 AA40 BB19 CC12 DD05 EE25 FF43 GG01 4M112 AA02 BA07 CA24 CA26 DA04 DA05 DA06 DA12 DA18 EA03 EA04 EA06 EA07

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 半導体基板の上に犠牲層を介して半導体
    層が形成されたものを用意し、前記半導体層に梁構造の
    可動部と固定部を画定するための溝を形成し、前記可動
    部の下の前記犠牲層をウェットエッチングにより除去し
    て、前記可動部を力学量の作用によって可動できるよう
    にした半導体力学量センサの製造方法において、 前記可動部における前記犠牲層との境界部分に、前記溝
    と直交する方向に切り欠きを形成し、この後、前記犠牲
    層のウェットエッチングを行うことを特徴とする半導体
    力学量センサの製造方法。
  2. 【請求項2】 基板と、 前記基板の上面において所定間隔を隔てた位置に第1の
    アンカー部によって支持され、可動電極を有し、力学量
    により変位する梁構造体と、 前記基板の上面に第2のアンカー部によって固定され、
    前記梁構造体の前記可動電極に対向して配置された固定
    電極とを備えた半導体力学量センサの製造方法におい
    て、 第1の半導体基板上に犠牲層用薄膜および絶縁体薄膜を
    積層した後、前記第1、第2のアンカー部を形成する領
    域に開口部を形成する工程と、 前記開口部および前記絶縁体薄膜の上に前記第1、第2
    のアンカー部を構成する膜および貼り合わせ用薄膜を形
    成するとともに、前記貼り合わせ用薄膜の表面を平坦化
    する工程と、 前記平坦化された貼り合わせ用薄膜の表面と第2の半導
    体基板を貼り合わせる工程と、 この貼り合わせ後、前記第1の半導体基板に前記梁構造
    体および前記固定電極を画定するための溝を形成する工
    程と、 前記溝を介して前記犠牲層用薄膜をウェットエッチング
    により除去し、前記第1の半導体基板に前記梁構造体お
    よび前記固定電極を形成する工程と、を有し、 前記溝を形成する工程おいて、前記梁構造体における前
    記犠牲層用薄膜との境界部分に、前記溝と直交する方向
    に切り欠きを形成することを特徴とする半導体力学量セ
    ンサの製造方法。
  3. 【請求項3】 支持基板上に電気的に絶縁された状態で
    支持され、力学量の作用に応じて変位する可動電極と、 前記支持基板上に電気的に絶縁された状態で支持され、
    前記可動電極と所定空隙を存して対向配置された半導体
    材料製の固定電極とを備えた半導体力学量センサの製造
    方法において、 最終的に前記支持基板となる第1半導体層上に絶縁層を
    介して第2半導体層を積層した状態の半導体基板を用意
    し、 前記第2半導体層に前記可動電極および前記固定電極を
    画定するための溝を前記絶縁層に達するように形成する
    工程と、 前記第1半導体層における前記可動電極および前記固定
    電極の形成領域に対応した部分を前記絶縁層と反対側の
    面からエッチングする工程と、 前記絶縁層をウェットエッチングにより除去し、前記溝
    と連続した状態の開口部を形成して前記可動電極および
    固定電極を形成する工程とを有し、 前記溝を形成する工程おいて、少なくとも前記可動電極
    における前記絶縁層との境界部分に、前記溝と直交する
    方向に切り欠きを形成することを特徴とする半導体力学
    量センサの製造方法。
  4. 【請求項4】 前記溝をエッチングにより形成し、その
    エッチングによって前記切り欠きを形成することを特徴
    とする請求項1乃至3のいずれか1つに記載の半導体力
    学量センサの製造方法。
  5. 【請求項5】 第1半導体層上に、第1絶縁膜層と第2
    絶縁膜層を介して第2半導体層を積層した状態の半導体
    基板を用意する工程と、 前記第2半導体層に梁構造の可動部と固定部を画定する
    ための溝を形成する工程と、 前記可動部の下の前記第1、第2絶縁膜層をウェットエ
    ッチングにより除去して、前記可動部と前記固定部を形
    成する工程とを有することを特徴とする半導体力学量セ
    ンサの製造方法。
  6. 【請求項6】 支持基板上に電気的に絶縁された状態で
    支持され、力学量の作用に応じて変位する可動電極と、 前記支持基板上に電気的に絶縁された状態で支持され、
    前記可動電極と所定空隙を存して対向配置された半導体
    材料製の固定電極とを備えた半導体力学量センサの製造
    方法において、 最終的に前記支持基板となる第1半導体層上に、第1絶
    縁膜層と第2絶縁膜層を介して第2半導体層を積層した
    状態の半導体基板を用意し、 前記第2半導体層に前記可動電極および前記固定電極を
    画定するための溝を前記第2絶縁層に達するように形成
    する工程と、 前記第1半導体層における前記可動電極および前記固定
    電極の形成領域に対応した部分を前記第1絶縁膜層と反
    対側の面からエッチングする工程と、 前記第1絶縁膜層と第2絶縁膜層をウェットエッチング
    により除去し、前記溝と連続した状態の開口部を形成し
    て前記可動電極および前記固定電極を形成する工程とを
    有することを特徴とする半導体力学量センサの製造方
    法。
  7. 【請求項7】 前記第1、第2絶縁膜層を、熱酸化膜で
    形成することを特徴とする請求項5又は6に記載の半導
    体力学量センサの製造方法。
  8. 【請求項8】 前記第1、第2絶縁膜層を、成膜方法の
    異なる酸化膜で形成することを特徴とする請求項5又は
    6に記載の半導体力学量センサの製造方法。
  9. 【請求項9】 前記第2絶縁膜層の膜厚が前記第1の酸
    化膜層の膜厚より小さくなるように前記第1、第2の絶
    縁膜層を形成することを特徴とする請求項5乃至7のい
    ずれか1つに記載の半導体力学量センサの製造方法。
  10. 【請求項10】 半導体基板の一面側に犠牲層を介して
    半導体層が形成され、前記半導体層に梁構造の可動部と
    固定部を画定するための溝が形成されてなる半導体力学
    量センサ製造用の半導体ウェハであって、 前記可動部における前記犠牲層との境界部分に、前記溝
    と直交する方向に切り欠きが形成されていることを特徴
    とする半導体力学量センサ製造用の半導体ウェハ。
  11. 【請求項11】 半導体基板の一面側に第1絶縁膜層と
    第2絶縁膜層を介して半導体層が積層され、前記半導体
    層に梁構造の可動部と固定部を画定するための溝が形成
    されてなる半導体力学量センサ製造用の半導体ウェハ。
  12. 【請求項12】 前記第2絶縁膜層の膜厚が前記第1酸
    化膜層の膜厚より小さくなっていることを特徴とする請
    求項11に記載の半導体力学量センサ製造用の半導体ウ
    ェハ。
  13. 【請求項13】 前記半導体基板の他面側に、前記可動
    部と前記固定部の形成領域に対応した部分を前記半導体
    基板の他面側からエッチングするためのマスクが形成さ
    れていることを特徴とする請求項10乃至12のいずれ
    か1つに記載の半導体力学量センサ製造用の半導体ウェ
    ハ。
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