JP2000149176A - 地滑り観測装置 - Google Patents

地滑り観測装置

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JP2000149176A
JP2000149176A JP10319364A JP31936498A JP2000149176A JP 2000149176 A JP2000149176 A JP 2000149176A JP 10319364 A JP10319364 A JP 10319364A JP 31936498 A JP31936498 A JP 31936498A JP 2000149176 A JP2000149176 A JP 2000149176A
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observation
landslide
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Shota Yoshida
庄太 吉田
Norinari Kanbara
規也 神原
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Eight Consultants Co Ltd
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    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02ATECHNOLOGIES FOR ADAPTATION TO CLIMATE CHANGE
    • Y02A50/00TECHNOLOGIES FOR ADAPTATION TO CLIMATE CHANGE in human health protection, e.g. against extreme weather

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  • Pit Excavations, Shoring, Fill Or Stabilisation Of Slopes (AREA)
  • Arrangements For Transmission Of Measured Signals (AREA)
  • Testing Or Calibration Of Command Recording Devices (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 小さな電気消費量で連続して観測し遠隔地の
観測本部にデータを送信することができるような地滑り
観測装置を提供することを目的とする。 【解決手段】 地滑りを検出する検出装置1と、この検
出装置1で検出した観測データを制御装置3からの指示
に従って送信する送信手段2と、遠隔の観測本部からの
信号を受信する受信手段2と、バッテリー4と、通電の
ON−OFFを行う通電スイッチ5,6と、制御装置3
を具備し、制御装置3が、所定タイムサイクル毎に、通
電スイッチ5を作動させて検出装置1に通電させ観測デ
ータを採取してメモリ3B内に格納し、所定サイクル毎
に、通電スイッチ6を作動させて受信手段と送信手段2
を稼働状態にし、この稼働状態中に、受信手段2を介し
て観測本部から所定の送信コマンドが受けると、観測デ
ータを送信手段2によって送信するよう制御する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、林道等の山間の道
路、造成地等における地滑り(地盤の伸縮)を観測し遠
隔場所に観測データを送信し且つ遠隔操作可能な地滑り
観測装置に関し、特に電気消費量の小さい且つ安価に実
施可能な地滑り観測装置に関する。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】近
年、林道等の山間の道路、宅地,ゴルフ場等の開発が全
国的におこなわれ、山等の斜面を造成したところでは、
梅雨,台風時等の大雨の場合、地滑りが発生し、その地
滑りが発生した箇所は勿論のことその下流側で大きな被
害をもたらす。
【0003】このため、従来より、種々の地滑りを観測
する観測装置が提供されている。
【0004】具体的には、最も高度な技術を利用し且つ
極めて高価な装置としては、観測現場に、光学系の測距
装置を配置して、あるいは地下水位を検出する検出計を
地中に埋設し、これらの観測データを、衛星通信システ
ムを利用して遠隔地の観測本部に通知する観測装置が提
供されているが、これらの極めて高価な装置を使用でき
るような対象は、大型公共事業等の極く限定されたもの
にすぎない。つまり、このような観測装置を設けようと
すると、まず衛星通信用の専用回線を確保するととも
に、地滑りを観測する観測現場に、送・受信するための
各種装置用の電源を確保しなければならない。従って、
送電線の無いような山中等の現場では、発電設備を設け
る等非常に大掛かりな且つ高価な、しかも多大な設置時
間を必要とする設備となってしまう。
【0005】従って、一般の造成地では、離間した2地
点間にワイヤー(あるいはロープ)を所定張力(緊張
力)を維持した状態で張っておいて、そのワイヤの伸長
状態を歯車機構を介して安価なロータリエンコーダで回
転角度を検出するよう構成するとともに、その検出した
観測データを電気信号に変えて、適宜時間的間隔で遠隔
地の観測本部に送信する。また、この場合には、上記電
気機器用の電源には、安価な自動車用等のバッテリーを
用い、必要に応じて太陽電池等で補うとともに、定期的
に作業者が現場まで出向いて充電されたバッテリーと放
電した古いバッテリーとを交換する作業をおこなうこと
によって実施されている。
【0006】しかしながら、このような観測装置では、
まず、定期的に作業者が現場まで出向いてバッテリーの
交換を行わねばならないため、現場が自動車等が入り込
めない山深い地域である場合には、中々骨の折れる作業
が強いられる。
【0007】また、太陽電池の容量を大きくしてバッテ
リーの交換を無くすことも考えられるが、かかる場合に
は、非常に高価になってしまうとともに、大雨が予想さ
れる梅雨時には、夜間まで含めて連続して観測し送信す
るための充分な電気容量が得れないという不都合があ
る。
【0008】本発明は、このような現況に鑑みおこなわ
れたもので、設備の電気消費量を極力小さくすることに
よって連続して観測し且つ遠隔地の観測本部にデータを
送信することができ、しかも設置時間が殆ど不要な地滑
り観測装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明にかかる地滑り観
測装置は、地滑りを検出する地滑り検出手段と、この地
滑り検出手段で検出した観測データを制御装置からの指
示に従って送信する送信手段と、遠隔の観測本部からの
信号を受信する受信手段と、各機器に必要な電気を供給
する蓄電型電源(バッテリー)と、制御装置を除く各機
器と上記電源との間に配置され該各機器への通電のON
−OFFを行う通電スイッチと、上記電源から常時通電
される制御装置を具備し、上記制御装置が、所定タイム
サイクル毎に、該当する通電スイッチを作動させて上記
検出手段に通電させ地滑り検出に関する観測データを採
取して、その観測データをメモリ内に格納するととも
に、所定タイムサイクル毎に、該当する通電スイッチを
作動させて上記受信手段を稼働状態にし、この稼働状態
中に、上記受信手段を介して観測本部から所定の送信コ
マンドを受けると、上記メモリ内に格納している観測デ
ータを送信手段を介して観測本部へ送信するよう制御す
ることを特徴とする。
【0010】しかして、このように構成された地滑り観
測装置によると、電源を必要最小限の状態で使用するた
め、通常の可搬可能な自動車用のバッテリー程度でも、
実用的な期間内、地滑り観測装置として機能させること
ができる。
【0011】また、別の地滑り観測装置は、地滑りを検
出する地滑り検出手段と、この地滑り検出手段で検出し
た観測データを制御装置からの指示に従って送信する送
信手段と、遠隔の観測本部からの信号を受信する受信手
段と、各機器に必要な電気を供給する蓄電型電源と、制
御装置および受信手段を除く各機器と上記電源との間に
配置され該各機器への通電のON−OFFを行う通電ス
イッチと、上記電源から常時通電される制御装置を具備
し、上記制御装置が、所定タイムサイクル毎に又は観測
本部からの指示に基づいて、該当する通電スイッチを作
動させて上記検出手段に通電させ地滑り検出に関する観
測データを採取して、その観測データをメモリ内に格納
するとともに、上記受信手段への観測本部からの着信信
号に基づいて、該当する通電スイッチを作動させて上記
制御装置および送信装置並びに受信装置を稼働状態に
し、観測本部からの指示信号に基づいて上記メモリ内に
格納している所望の観測データを送信手段を介して観測
本部へ送信するよう制御することを特徴とする。
【0012】しかして、このように構成された地滑り観
測装置によると、受信装置が常時待受状態となっている
ため、観測本部から任意のときにいつでも呼び出し、観
測データを得ることができる点でこのましい構成とな
る。また、衛星を利用しない通常の携帯電話であると、
待受に必要な消費電力が極めて小さいため、通常の可搬
可能な自動車用のバッテリー程度でも、実用的な期間
内、地滑り観測装置として機能させることができる。
【0013】そして、上記いずれかの地滑り観測装置に
おいて、制御装置が、観測データが予め設定された所定
値以上の値であるとき、該当する前記通電スイッチを作
動させて上記送信手段を稼働状態にして、観測データを
観測本部に自主的に送信するよう構成されていると、警
報等の対応措置が必要なときには必ず観測データが得ら
れる極めて高性能な地滑り観測装置となる。
【0014】さらに、上記いずれかの地滑り観測装置に
おいて、送信手段及び受信手段が市販の携帯式無線機で
あると、極めて安価に且つ簡単に実現可能な地滑り観測
装置となる。また、衛星を介して送・受信するタイプの
携帯式無線機を採用すると、山奥の現場でも実施できる
構成となる。
【0015】また、上記地滑り観測装置において、制御
装置がタイマー回路を内蔵し、タイマーにより所定タイ
ムサイクル毎に、スリープの状態から稼働状態(アクテ
ィーブな状態)になるよう構成されていると、さらに省
電力な地滑り観測装置を実現できる。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明の1の実施例にかか
る地滑り観測装置を、図面を参照しながら具体的に説明
する。但し、本発明はこの実施例に限定されるものでは
ない。
【0017】図1は本実施例にかかる地滑り観測装置の
要部の概略構成を示すブロック図、図2は図1に示す地
滑り観測装置の概略の作用(動作内容)を示すフローチ
ャート、図3は図1に示す検出装置(検出手段)要部の
具体的構成を概略的に表した概念図、図4は図1に示す
地滑り観測装置を含む地滑り観測システムを概念的に表
した概念図である。
【0018】図1に示すように、本実施例にかかる地滑
り観測装置Nは、地滑りを検出するための検出手段であ
る検出装置1と、観測データを送信する送信手段及び必
要なコマンドを受信する受信手段である市販の携帯式電
話2と、メモリ3Bを具備した地滑り観測装置Nの全体
の制御を司る制御装置であるマイクロコンピュータ3
と、蓄電型電源である自動車用(汎用)のバッテリー4
と、上記バッテリー4と検出装置1との間に配置され該
検出装置1への電気の通電のON−OFFを行う検出装
置用通電スイッチ5と、上記バッテリー4と携帯式電話
2との間に配置され該携帯式電話2への電気の通電のO
N−OFFを行う電話用通電スイッチ6とを有する。
【0019】そして、図1に図示するように、電源4は
上記検出装置用通電スイッチ5を介して検出装置1と作
動用の電線で接続されるとともに、この検出装置用通電
スイッチ5は、上記マイクロコンピュータ3と制御用の
電線で接続されている。
【0020】また、上記マイクロコンピュータ3は、上
記電源4と直接作動用の電線で接続され、常時電気が供
給できるようになっている。
【0021】さらに、上記電源4は上記電話用通電スイ
ッチ6を介して上記携帯式電話2と接続されるととも
に、この電話用通電スイッチ6は、上記マイクロコンピ
ュータ3と制御用の電線で接続されている。
【0022】また、この実施例では、上記マイクロコン
ピュータ3には、インターフェースを介して、図示しな
いキーボードあるいはフロッピーディスクユニット等の
外部記憶装置が接続できるように構成され、これらキー
ボードあるいはフロッピーディスクユニット等からも、
制御プログラムあるいは制御用のデータ等が入力あるい
は変更可能に構成されている。
【0023】上記検出装置1は、この実施例の場合、図
3に図示する如く以下のように構成されている。つま
り、地滑りを検出しようとする離間した2地点のうちの
1の地点Aにワイヤー11の一端を固定し、地点Aから
空中を延設されたワイヤー11の先端を、地点Bに配置
されているこの検出装置1の一部を構成する大径のプー
リ12の周溝(図示せず)内に保持させ、このプーリ1
2で下方に転向させて、その先端を地点Bの固定部材2
3に固定している。上記プーリ12と固定部材23との
間に位置するワイヤー11に、下端に重り14Aが配置
された動滑車14が、吊持されている。従って、この動
滑車14は、地点Aと地点B間でワイヤー11が例えば
2cm伸びると、その1/2の寸法である1cmだけ降
下することになる。
【0024】そして、上記地点Bのプーリ12の上記地
点A側にやや(具体的には、数cm)離れた位置には、
このワイヤー11と摩擦接触式に接触する、つまりワイ
ヤー11が図3において左右のいずれの方向に移動する
とその移動に従って両者の摩擦(ワイヤー11とプーリ
13との摩擦)でその移動量(移動寸法)に比例して回
転するよう、プーリ13が、ワイヤー11と接触して配
設されている。この場合、プーリ13の上方に上下に対
峙するように、アイドルプーリを配置して、上下一対の
プーリでワイヤーを挟持して、ワイヤーとプーリ13と
の接触がより確実になるよう構成してもよい。
【0025】上記プーリ12とプーリ13には、それら
のプーリ12,13の回転(回転角:ある基準角からの
絶対回転角)をそれぞれ検出するアブソリュート型(絶
対角検出型)ロータリエンコーダ12A,13Aが配設
されている。
【0026】また、この実施例にかかる検出装置1で
は、上記プーリ12の径は、上記プーリ13の径の5倍
の径を有し、従って、ワイヤー11が同一距離だけ伸縮
(移動)した場合には、プーリ13はプーリ12の5倍
の回転角だけ回転することになる。ここで、この実施例
では、上記二つのプーリ12と13の径の比が5倍とな
っているが、このように、2倍、3倍、4倍、5倍等の
整数倍であることが望ましく、特に、上記比が10倍で
あることが、十進法的に、計測(検出)及び演算できる
点で望ましい構成となる。また、ロータリエンコーダを
配置してワイヤー11の伸縮を検出するプーリの数に関
しても、最小目盛が1cmのもの、同じく10cmのも
の、同じく1mのものとなるように、2つ以上であって
もよい。
【0027】上記携帯式の電話2は、市販の携帯電話
で、この電話2には送受信するためのアンテナ2aを具
備するとともに、市販の電話のバッテリーケース(図示
せず)が収納されている空間にある電源端子に、上記バ
ッテリー4からの電線が接続されている。また、この電
話2には、呼出音あるいは呼出用バイブレータへの動作
信号を取り出して、つまり、この実施例では、呼出音あ
るいは呼出用バイブレータの動作信号を取り出して、上
記マイクロコンピュータ3のインターフェースに接続さ
れ、観測本部からの呼出があった際に、その信号をマイ
クロコンピュータ3側に入力するよう構成されている。
【0028】上記マイクロコンピュータ3は、ハード構
成的には極く一般に使用されているマイクロコンピュー
タと同じ構成を具備し、このマイクロコンピュータ3の
EPROM(書換可能リード・オンリー・メモリ)に
は、後述するような制御をおこなわせるプログラムが記
憶されるとともに、外部メモリとして観測データを格納
するための外部メモリ3Bを備えている。なお、上記E
PROMに代えて、ROM(リード・オンリー・メモ
リ)あるいは他のメモリ手段を用いてもよい。ところ
で、このマイクロコンピュータ3は、この実施例では、
内蔵するタイマー機能により、必要なとき以外はスリー
プ状態(タイマー機能を維持するのに必要な状態:最低
の消費電力のみ必要とする状態)となり、必要なときに
はタイマー機能により稼働状態(アクティーブ状態)に
なるよう構成されている。
【0029】しかして、上述のように構成された地滑り
観測装置は、図4に本地滑り観測装置Nを含む地滑り観
測システムの概略の構成を表す如く、観測本部から遠隔
の地滑りの観測を必要とする造成地等の観測現場に配置
されて、地滑りの観測に際し、以下のように作用する。
以下、この地滑り観測装置の作用とともに、上記EPR
OMに記憶されているプログラムの制御内容について、
図2のフローチャートを参照しながら説明する。
【0030】即ち、マイクロコンピュータ3には上記バ
ッテリー4から上記電気が供給され、タイマー機能によ
り、所定タイムサイクル(ユーザが設定するタイムサイ
クルであってよく、この実施例では変更可能になったタ
イムサイクル)毎、例えば、1時間毎に、上記検出装置
用通電スイッチ5に通電する旨の信号(制御電流)を送
る。この信号によって、検出装置用通電スイッチ5は閉
じて、検出装置1に電気を供給する。これにより、検出
装置1は、その時のワイヤ11の伸び、即ち、上記ロー
タリエンコーダ12A,13Aからの回転角(基準角か
らの絶対角)に関するデータ(デジタル信号)を受領す
る。そして、マイクロコンピュータ3は、ロータリエン
コーダ12Aからの回転角に関するデータに径の比であ
る「5」を乗算して、その乗算して得た値をロータリエ
ンコーダ13Aの1回転角に相当する値で除して、小数
点以上の値のみ取り出し、その取り出した値にロータリ
エンコーダ13Aからの回転角に関するデータを加算
し、その加算して得た値を、上記ワイヤー11の伸縮に
関するデータ(観測データ)とするような演算を行う。
つまり、時計で言えば、「ロータリエンコーダ12A」
は短針の役割を、「ロータリエンコーダ13A」は長針
の役割を果たすように構成している。
【0031】そして、上記演算で得られた観測データ
(ワイヤー11が何センチ収縮したかという長さに関す
るデータ)は、マイクロコンピュータ3のメモリ3B内
に格納される。
【0032】この検出動作が完了すると、マイクロコン
ピュータ3は、上記検出装置用通電スイッチ5に「開」
信号を送って、検出装置1への通電を遮断する。
【0033】また、マイクロコンピュータ3は、タイマ
ー機能により、所定タイムサイクル(ユーザが設定する
タイムサイクルであってよく、この実施例では変更可能
になったタイムサイクル)毎、例えば、3時間毎に、上
記電話用通電スイッチ6に通電する旨の信号(制御電
流)を送る。この信号は、上記検出装置用通電スイッチ
5への「開」信号と同時あるいはそれに連続して送られ
るよう構成することが望ましく、この実施例では、検出
装置用通電スイッチ5への「開」信号が送られる3回目
毎(3時間毎)に1回、該「開」信号に連続して送られ
るよう構成されている(図2のフローチャート参照)。
そして、この電話用通電スイッチ6に通電する旨の信号
によって、電話用通電スイッチ6は閉じて、電話2に電
気を供給する。これにより、電話2は呼出信号を待つ待
受状態(待受モード)となる。この状態で所定時間待機
し、観測本部からの呼出信号がない場合には、電話用通
電スイッチ6を開いて、次のタイムサイクルまで、その
状態(電話2への電源が遮断した状態)を維持する。一
方、上記待受状態(電話用通電スイッチ6は閉じた状
態)において、観測本部から呼出動作がなされると、上
記マイクロコンピュータ3は、その呼出信号により、上
記待受状態から送・受信可能状態(送・受信モード)に
なり、観測本部側に対してID(識別記号)を求める信
号を送信し、これに対して観測本部側から送信されてき
たIDをチェックし該IDが正しければ、上記メモリ3
Bに格納している観測データを観測本部側に送信し、一
方、IDが誤っていれば、観測データを送信せず、また
待受状態に戻って一定時間(例えば、1分間)だけその
状態を維持する。そして、上記送信動作が終了すると、
観測本部側から制御内容、例えば、上記タイムサイクル
に関する変更、あるいは送信する観測データの内容(例
えば、最新観測データのみの送信か、あるいはメモリ3
Bに格納されている全観測データの送信かの選択)の切
換え変更、または、後述する「通常の動作モード」と
「緊急モード」間の切換え変更等の指示があるか否かチ
ェックし、このような指示があれば、その指示に従って
制御プログムの書換え動作をおこない、指示がない場合
には、又は上記誤ったIDが受信されて後一定時間(例
えば、1分間)が経過した場合には、マイクロコンピュ
ータ3は、上記電話用通電スイッチ6は開いて通電を遮
断する。
【0034】そして、マイクロコンピュータ3は、次の
上述したいずれかのタイムサイクル迄の期間(時間)、
稼働状態からスリープの状態になり、節電をおこなう。
【0035】また、この地滑り観測装置Nは、地滑りが
予測されるような緊急状態に対応するため、上記マイク
ロコンピュータ3内の制御プログラムを、上述した「通
常の動作モード」から、「緊急モード」に変更すること
ができるよう構成されている。この「緊急モード」は、
上述のように観測本部からの遠隔指示により、あるいは
検出装置1から取り込んだ観測データが所定の値、つま
り予め設定した「地滑り」の可能性のあるような大きな
伸びを示す値になったときに、「通常の動作モード」か
ら該「緊急モード」へ変更される。
【0036】この「緊急モード」では、上記電話用通電
スイッチ6を閉じた状態に維持して電話2に電気を供給
する。この場合、電話2は内蔵している機能によって
「通話待受状態」となり、節電しながら観測本部側から
いつでも受信できる状態を維持する。そして、観測本部
側からの制御信号に基づいて、マイクロコンピュータ3
は上記検出装置用通電スイッチ5を開閉して、いつでも
所望のときに観測データを得て、電話2を介して即座に
観測本部側にその観測データを送信することができるよ
う作動する。一方、検出装置1から取り込んだ観測デー
タが所定範囲外の値を示すことによって「緊急モード」
になる場合には、上記電話用通電スイッチ6を閉じて、
電話2を介して、その観測データを即座に観測本部側に
送信するとともに、「緊急モード」への変更を実行し
て、上述したように「通話待受状態」となる。
【0037】しかし、この「緊急モード」で作動してい
るときには、上記「通常の動作モード」で作動している
場合に比べて電気消費量は、格段に多くなる。従って、
長期間この「緊急モード」で作動させる可能性のある現
場では、上記パッテリー4の容量を大きくするか、後述
する太陽電池(太陽光を発電セルに受けて発電する発電
手段をいう)等の簡易充電設備を付設することが望まし
い構成となる。
【0038】なお、この地滑り観測装置は、上記マイク
ロコンピュータ3にインタフェースを介して、直接キー
ボードからキー操作によりあるいはフロッピーディスク
ユニット等の外部記憶装置に記憶された制御プログラム
を読み込ませることによっても、上述の制御プログラム
を変更するこが可能になっている。
【0039】このように、本実施例にかかる地滑り観測
装置によると、必要最小限の電気消費量で地滑りの観測
が実行できる。従って、可搬可能な自動車用のバッテリ
ー程度(例えば、容量が36Ah程度)ものであって
も、2〜3ケ月程度の観測が可能となっている。従っ
て、容量が36Ah程度のバッテリーを2〜3個観測現
場に持ち込んでおくと、かなりの長期間にわたって地滑
りの観測が可能となる。
【0040】また、必要に応じて「通常の動作モー
ド」,「緊急モード」等の切換えが、遠隔の観測本部側
から行えることから、作業者が、一々観測現場にでかけ
なくとも、その地滑り発生状況に応じて最適な観測をす
ることができる。
【0041】しかも、市販の携帯式電話,バッテリー等
を利用しており、また検出装置自体も構成がシンプルで
あるため、またマイクロコンピュータ3も市販のものを
利用して制御プログラムのみを、上述のような動作をお
こなうプログラムを作成してインストールしてやればよ
いため、従来の地滑り観測装置に比べると格段に安価な
且つ的確で正確な観測がおこなえる地滑り観測装置とな
る。
【0042】ところで、上記実施例では、携帯式電話を
タイマーによって所定時間毎に観測本部から受信可能な
状態に構成しているが、このような構成に代えて、図
5,図6に図示するように構成してもよい。つまり、最
新型の携帯式電話では、相手からの呼び出し音のみ受信
する所謂「待受モード」の場合には、消費電力が極く僅
かであることに鑑みて、送・受信以外のときには携帯式
電話2を待受状態(スリープ状態)にしておき、観測本
部からの着信信号を受信したときに、携帯式電話2およ
びマイクロコンピュータ3をスリープ状態から稼働状態
にして、マイクロコンピュータ3のメモリ3Bに格納し
ている観測データを送信するよう構成することもでき
る。この図5に図示する観測装置Nの場合には、上記電
話用通電スイッチ6の開閉によって、携帯式電話2と別
体に付設されるモデム8の電源をON−OFFするよう
に構成し、且つ携帯式電話(無線通信部)2と呼び出し
電波検知回路9へは常時通電しておくよう構成する。つ
まり、携帯式電話2が内蔵する待受機能を利用して、観
測本部側からの呼び出し信号を受け、待受状態(スリー
プ状態)から稼働状態に変えるよう構成している。従っ
て、観測装置Nの制御内容を示すフローチャートも、図
6に図示するように構成することになる。その他の構成
および機能は、図1,図2の観測装置Nで説明したもの
と基本的に同じである。
【0043】一般に、衛星通信回路を利用する携帯式電
話の場合には、待受状態での消費電力が大きいため、図
1,図2に図示するよう構成した観測装置Nが好まし
く、非衛星通信回路を利用する携帯式電話の場合には、
待受状態での消費電力が極小さいため、図5,図6に図
示するよう構成した観測装置Nが好ましい。
【0044】ところで、上記バッテリーに、太陽電池、
あるいは雨期に機能する雨水によって動作するような極
く小型の水力発電装置、または山あるは谷間で有効な小
型の風力発電装置を付設しておけば、より長期間(1年
〜数年間)にわたって遠隔制御状況下で地滑り観測装置
の動作状態を維持することも可能となる。
【0045】
【発明の効果】本発明にかかる地滑り観測装置は、上述
のように構成されているため、必要最小限の消費電力で
もって、地滑りの観測をおこなうごとができ、また地滑
り発生の可能性が高いときにもそれに対応して動作して
地滑り前の状態を確実に把握することができる。
【0046】また、構成的に市販のものを最大限に利用
して、また検出装置(検出手段)自体もシンプルで且つ
長時間の観測が可能なものを使用しているため、安価に
正確な地滑り観測装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本実施例にかかる地滑り観測装置の要部の概
略構成を示すブロック図である。
【図2】 図1に示す地滑り観測装置の作用(動作内
容)を示すフローチャートである。
【図3】 図1に示す検出装置(検出手段)要部の具体
的構成を概略的に表した概念図である。
【図4】 図1に示す地滑り観測装置を含む地滑り観測
システムを概念的に表した概念図である。
【図5】 別の実施例にかかる地滑り観測装置の要部の
概略構成を示すブロック図である。
【図6】 図5に示す地滑り観測装置の作用(動作内
容)を示すフローチャートである。
【符号の説明】
N……地滑り観測装置 1……検出装置(検出手段) 2……電話(送信手段,受信手段) 3……マイクロコンピュータ(制御装置) 3B……メモリ 4……バッテリー 5,6……通電スイッチ
フロントページの続き Fターム(参考) 2D044 EA07 2F073 AA19 AB02 BB01 BC02 CC01 CC11 DE11 EE11 FG01 FG02 FG14 2F076 BA01 BB09 BD17 BE04 BE10 BE18 BE19

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 地滑りを検出する地滑り検出手段と、こ
    の地滑り検出手段で検出した観測データを制御装置から
    の指示に従って送信する送信手段と、遠隔の観測本部か
    らの信号を受信する受信手段と、各機器に必要な電気を
    供給する蓄電型電源と、制御装置を除く各機器と上記電
    源との間に配置され該各機器への通電のON−OFFを
    行う通電スイッチと、上記電源から常時通電される制御
    装置を具備し、上記制御装置が、所定タイムサイクル毎
    に、該当する通電スイッチを作動させて上記検出手段に
    通電させ地滑り検出に関する観測データを採取して、そ
    の観測データをメモリ内に格納するとともに、所定タイ
    ムサイクル毎に、該当する通電スイッチを作動させて上
    記受信手段を稼働状態にし、この稼働状態中に、上記受
    信手段を介して観測本部から所定の送信コマンドを受け
    ると、上記メモリ内に格納している観測データを送信手
    段を介して観測本部へ送信するよう制御することを特徴
    とする地滑り観測装置。
  2. 【請求項2】 地滑りを検出する地滑り検出手段と、こ
    の地滑り検出手段で検出した観測データを制御装置から
    の指示に従って送信する送信手段と、遠隔の観測本部か
    らの信号を受信する受信手段と、各機器に必要な電気を
    供給する蓄電型電源と、制御装置および受信手段を除く
    各機器と上記電源との間に配置され該各機器への通電の
    ON−OFFを行う通電スイッチと、上記電源から常時
    通電される制御装置を具備し、上記制御装置が、所定タ
    イムサイクル毎に又は観測本部からの指示に基づい
    て、、該当する通電スイッチを作動させて上記検出手段
    に通電させ地滑り検出に関する観測データを採取して、
    その観測データをメモリ内に格納するとともに、上記受
    信手段への観測本部からの着信信号に基づいて、該当す
    る通電スイッチを作動させて上記制御装置および送信装
    置並びに受信装置を稼働状態にし、観測本部からの指示
    信号に基づいて上記メモリ内に格納している所望の観測
    データを送信手段を介して観測本部へ送信するよう制御
    することを特徴とする地滑り観測装置。
  3. 【請求項3】 前記制御装置が、観測データが予め設定
    された所定値以上の値であるとき、該当する前記通電ス
    イッチを作動させて上記送信手段を稼働状態にして、観
    測データを観測本部に自主的に送信することを特徴とす
    る請求項1又は2記載の地滑り観測装置。
  4. 【請求項4】 前記送信手段及び受信手段が市販の携帯
    式無線機であることを特徴とする請求項1から3までの
    いずれか1の項に記載の地滑り観測装置。
  5. 【請求項5】 前記制御装置がタイマー回路を内蔵し、
    タイマーにより所定タイムサイクル毎に、スリープの状
    態から稼働状態になるよう構成されていることを特徴と
    する請求項1から4までのいずれか1の項に記載の地滑
    り観測装置。
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