JP2000146073A - 継手の誘導加熱接続方法およびその装置 - Google Patents

継手の誘導加熱接続方法およびその装置

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JP2000146073A
JP2000146073A JP10324856A JP32485698A JP2000146073A JP 2000146073 A JP2000146073 A JP 2000146073A JP 10324856 A JP10324856 A JP 10324856A JP 32485698 A JP32485698 A JP 32485698A JP 2000146073 A JP2000146073 A JP 2000146073A
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induction
induction heating
joint
pipe
female
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Masayuki Fukuchi
正之 福地
Satoru Tashiro
哲 田代
Harumasa Ito
春正 伊藤
Hiroyuki Tanaka
弘之 田中
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DAIICHI KIDEN KK
UMEZAWA SEISAKUSHO KK
UMEZAWA WORKS
Mitsubishi Corp
Yamato Setubi Construction Co Ltd
Dai Ichi Kiden Co Ltd
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DAIICHI KIDEN KK
UMEZAWA SEISAKUSHO KK
UMEZAWA WORKS
Mitsubishi Corp
Yamato Setubi Construction Co Ltd
Dai Ichi Kiden Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 通電不良の虞れがなく、誘導加熱効率を高く
して、迅速なパイプ材の溶融を実現して作業効率を格段
に向上させた継手の誘導加熱接続方法およびその装置を
提供することを目的とする。 【解決手段】 熱可塑性材料からなる雌パイプ1と雄パ
イプ2の接続部における継手の誘導加熱接続方法におい
て、これら雌雄パイプ1、2の間に少なくとも誘導電流
の方向に整列された穿孔部3A・・・を有する導電性材
料からなる筒状誘導リング3を介在させるとともに、前
記雌パイプ1の外周に装着した誘導コイル4に通電し
て、前記筒状誘導リング3を高周波電流により誘導加熱
し、前記雌雄パイプ1、2を前記穿孔部3A・・・を介
して直接に熱融着されるようにしたことを特徴とするも
のである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、特に、熱可塑性材
料からなる水道管継手やガス管等継手の接続に適用され
る継手の誘導加熱接続方法およびその装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、水道管等は地中に埋設されて使用
されることから、耐候性の高い塩化ビニール等の樹脂が
多用されてきた。しかしながら、近年では地球環境上の
制約が厳しくなり、通常の焼却においてダイオキシン等
の有害物質を発生する塩化ビニール等の樹脂の使用は手
控えられる傾向にある。このような状況下において、最
近では通常焼却による有害物質の発生の少ないポリエチ
レン等の熱可塑性樹脂材が水道管等素材として採用され
てきている。そして、このようなポリエチレン等の熱可
塑性材料からなる管の継手の接続については、従来の塩
化ビニール管のような溶剤による接着接続は不可能であ
るため、熱融着により行われる。
【0003】このようなポリエチレン等の熱可塑性材料
からなる管の継手の熱融着による接合例としては、図7
や図8に示したようなものが提案されている。図7は特
開平2−186193号公報に開示された第1従来例の
ものであり、これを簡単に説明すると、エレクトロフュ
ージョン継手21は、ポリオレフィンチューブ等の被接
合体25、26の接合部27付近に、継手本体を構成す
る架橋ポリオレフィン層22の内側に非架橋ポリオレフ
ィン層23を、それぞれ接合すべき被接合体25、26
と接するように取り付け、非架橋ポリオレフィン層23
内に螺旋状に巻き付けて埋設した電熱線24に通電する
ことによって、前記非架橋ポリオレフィン層23が溶融
して、被接合体25、26と一体化する。
【0004】また、図8は公表特許昭和56−5003
63号公報に開示された熱誘導により熱融着接合する第
2従来例のものであり、これは、図8(A)に示すよう
に、ポリプロピレン製の熱可塑性材料からなるパイプ3
2にポリプロピレン製のT継手36を熱融着するのに、
T継手36の直管部30のT継手36の周囲に位置して
強磁性体金属リング34を介在させ、前記継手部を含む
パイプ32と直管部30とを強く把持するクランプ38
を設け、該クランプ38の可動部分33内に埋設された
コイル47を前記強磁性体金属リング34に対峙させて
通電し、強磁性体金属リング34内に発生する磁界によ
って、該強磁性体金属リング34およびそれに隣接する
直管部30ならびにパイプ32における熱可塑性材料を
溶融させ、パイプ32とT継手36とを接合するもの
と、図8(B)に示すように、熱可塑性材料からなる緩
く嵌合されたソケット51とパイプ53とを熱融着接合
するのに、穿孔された強磁性体金属からなるリング55
を内面に貼着したソケット51に、パイプ53を嵌合
し、前記ソケット51の外周に分割されたクランプ57
を締結把持させて、該クランプ57内に埋設された5回
巻き程度のコイル(固定側のクランプ61のピン71・
・・と可動側のクランプ59のソケット74・・・の係
合によって作動コイルが完成する)に通電し、強磁性体
金属リング55内に発生する磁界によって、該強磁性体
金属リング55およびそれに隣接するソケット51なら
びにパイプ53における熱可塑性材料を溶融させ、パイ
プ53とソケット51とを接合するものとがある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記従
来の熱融着による接合において、第1従来例のもので
は、接合すべき被接合体25、26と接する継手本体2
2の内側の非架橋ポリオレフィン層23内に電熱線24
を螺旋状に巻き付ける必要があり、その作業に面倒な工
程を要した。さらに電熱線24の通電によって非架橋ポ
リオレフィン層23が溶融するまでにかなりの時間を要
する上、熱融着による接合が終了した後には電熱線24
の切断等の作業を必要とする等、きわめて作業効率が低
いものであった。また、前記第2従来例のものでは、分
割型のクランプの採用によりコイルの装着が格段に容易
となったものの、図8(A)の例の、クランプ38の可
動部分33内に埋設されたコイル47を前記強磁性体金
属リング34に対峙させて通電させる形式のものでは、
コイルによる磁化発熱効率が低く、熱可塑性材料である
パイプ材が溶融するまでに依然としてかなりの時間を要
した。また図8(B)の例では、クランプ57内に埋設
されたコイルの通電方向と強磁性体金属リング55とは
整合して同じ方向にあり、かつ強磁性体金属リング55
には多数の穿孔が存在することから、幾分は磁化発熱効
率が向上し、かつ接合部の接合強度が向上することとな
ったものの、熱可塑性材料であるパイプ材が溶融するま
でに時間を要して、実用的な範囲外にある他、クランプ
57内に埋設された複数巻きコイルにおけるピン71と
ソケット74との係合不良によって作動コイルが完成す
ることなく通電不良を引き起こす虞れもあった。
【0006】そこで、本発明では、前記従来の熱融着に
よる継手接合における諸課題を解決して、通電不良の虞
れがなく、誘導加熱効率を高くして、迅速なパイプ材の
溶融を実現して作業効率を格段に向上させた継手の誘導
加熱接続方法およびその装置を提供することを目的とす
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】このため本発明は、熱可
塑性材料からなる雌パイプと雄パイプの接続部における
継手の誘導加熱接続方法において、これら雌雄パイプの
間に少なくとも誘導電流の方向に整列された穿孔部を有
する導電性材料からなる筒状誘導リングを介在させると
ともに、前記雌パイプの外周に装着した誘導コイルに通
電して、前記筒状誘導リングを高周波電流により誘導加
熱し、前記雌雄パイプを前記穿孔部を介して直接に熱融
着されるようにしたことを特徴とするものである。また
本発明は、前記筒状誘導リングの径をD、幅をLとした
場合、D/L=1/0.7〜1.0としたことを特徴と
するものである。また本発明は、前記筒状誘導リングに
おける穿孔部の面積を全面積の50〜60%としたこと
を特徴とするものである。また本発明は、前記穿孔部の
幅をa、長さをb、隣接列との間の幅をc、同列隣接の
ものとの間の間隔をdとした場合、a/b=1/5以
上、c=a〜0.5a、d=cとしたことを特徴とする
ものである。また本発明は、前記穿孔部を千鳥状に配置
したことを特徴とするものである。また本発明は、前記
誘導コイルをソレノイド型の1巻き分割型としたことを
特徴とするものである。また本発明は、熱可塑性材料か
らなる雌パイプと雄パイプの接続部における継手の誘導
加熱接続装置において、前記接続部における雌雄パイプ
間に少なくとも誘導電流の方向に整列された穿孔部を有
する導電性材料からなる筒状誘導リングを介在させた前
記雌パイプの外周を把持する分割型誘導コイルを高周波
出力トランスに一体に設置したことを特徴とするもので
ある。また本発明は、前記分割型誘導コイルをソレノイ
ド型の1巻き分割型としたことを特徴とするものであ
る。また本発明は、前記接続される雌雄パイプの雌パイ
プの外周と分割型誘導コイルの内周との間に数種類の寸
法のアタッチメントを介在させて組み合わせたことを特
徴とするものである。また本発明は、前記継手の誘導加
熱接続方法あるいは継手の誘導加熱接続装置にて供用さ
れるパイプであって、少なくとも誘導電流の方向に整列
された穿孔部を有する導電性材料からなる筒状誘導リン
グを接続部内周にインサートされた雌パイプに特徴を有
するものである。また本発明は、前記継手の誘導加熱接
続方法あるいは継手の誘導加熱接続装置にて供用される
パイプであって、少なくとも誘導電流の方向に整列され
た穿孔部を有する導電性材料からなる筒状誘導リングを
接続部外周にインサートされた雄パイプを特徴とするも
ので、これらを課題解決のための手段とするものであ
る。
【0008】
【実施の形態】以下、本発明における継手の誘導加熱接
続方法およびその装置の第1実施の形態を図面に基づい
て説明する。図1(A)は本発明の継手の誘導加熱接続
装置の全体斜視図、図2は高周波出力トランスに一体に
設置された分割型誘導コイルの正面および側面図、図3
は筒状誘導リングの側面および正面図、図4は雌雄パイ
プの接続部の断面図およびその拡大図、図5は雌パイプ
の外周と分割型誘導コイルの内周との間に介在させたア
タッチメントを示す正面図である。図1および図2に示
すように、本発明の継手の誘導加熱接続装置は、工事現
場にてのパイプの接合が可能なように軽量コンパクトに
構成されている。同軸ケーブル12によって適宜の電源
に接続され、一側部に把手11や図示背面側に電源スイ
ッチ等を設けた高周波出力トランス10の上面に、絶縁
部7を介在して出力端子5と出力端子6とが植設され、
これらにそれぞれ接続されてソレノイド型の1巻き形式
の分割型の誘導コイル4の固定部側である円弧状の第1
固定部4Aと第2固定部4Bとが設けられる。誘導コイ
ル4としては、誘導率の高い銅等が選定される。前記第
2固定部4Bには、ヒンジ8によって誘導コイル4の可
動部4Cが揺動自在に軸支される。前記第1固定部4A
と可動部4Cとの合致面にはそれぞれ蝶螺子9と螺筒部
9Bとが設けられ、誘導コイル4の第1固定部4Aと可
動部4Cとを閉ループ状に閉じて合致させた際に、蝶螺
子9の螺子部9Aと螺筒部9Bとを螺合することによ
り、確実に電気的な接続がなされる。
【0009】このようにして構成された分割型誘導コイ
ル4内に、接合すべきポリエチレン等の熱可塑性材料か
らなる雌パイプ1と雄パイプ2の接続部をセットする。
その際、本発明において特徴的な構成を有するところ
の、少なくとも誘導電流の方向に整列された多数の穿孔
部3A・・・を有する鉄やその合金(炭素含有量の高い
もの)等の導電性が高く発熱性に優れる導電性材料から
なる筒状誘導リング3を介在させるものである。筒状誘
導リング3は、現場にて雌パイプ1と雄パイプ2との間
の接続部に嵌合させてもよいが、好ましくは、図4
(A)あるいは図4(C)に示すように、予め雌パイプ
1の内周面あるいは雄パイプ2の外周面にインサート成
形される。したがって、前記筒状誘導リング3に設けら
れた多数の穿孔部3A・・・内には、図4(A)のD部
拡大図である図4(B)に示すように、雌雄のパイプ1
あるいは2を構成する熱可塑性材料が充填されることに
なる。
【0010】かくして、作業現場において、高周波出力
トランス10の上面において、熱可塑性材料からなる雌
雄パイプ1、2の間の接続部に少なくとも誘導電流の方
向に整列された穿孔部3A・・・を有する導電性材料か
らなる筒状誘導リング3を介在させた前記雌パイプ1の
外周を、誘導コイル4における第1および第2固定部4
A、4B上に載置し、その後、誘導コイル4における可
動部4Cを第1固定部4Aに当接させて、蝶螺子9を螺
筒部9Bに螺合して雌雄パイプ1、2を把持装着しつ
つ、誘導コイル4の閉ループを完成させる。このように
して、接続すべき雌雄パイプ1、2が誘導加熱接続装置
にセットされたら、高周波出力トランス10の電源スイ
ッチを投入することによって、誘導コイル4に通電し
て、前記筒状誘導リング3を高周波電流により誘導加熱
し、前記雌雄パイプ1、2における熱可塑性材料が溶融
して、前記筒状誘導リング3における多数の穿孔部3A
・・・を介して熱可塑性材料同士が直接に熱融着され、
強固な接合がなされる。
【0011】図3に示すように、雌パイプ1と雄パイプ
2との間の接続部にセットされる筒状誘導リング3の軸
方向長さ(幅)については、短か過ぎては接合強度が確
保できず、あまり長すぎても無駄が多くなり、コスト高
を招くことから、種々実験の結果、充分な接合強度を確
保するには、筒状誘導リング3の径をD、幅をLとした
場合、D/L=1/0.7〜1.0とした場合、つま
り、幅Lは、径Dの0.7〜1.0もあれば充分である
ことが知見された。さらに、筒状誘導リング3における
多数の穿孔部3A・・・を介しての雌雄のパイプ1、2
における熱可塑性材料同士が直接に熱融着されて強固な
接合強度を得るためには、多数の穿孔部3A・・・の孔
の大きさが密接な関係があることを実験により確認し
た。その実験によって、前記筒状誘導リング3における
多数の穿孔部3A・・・の合計の面積を全面積の50〜
60%とした場合に、最も好ましい接合強度が得られる
ことが知見された。
【0012】また、前記誘導コイル4への高周波通電に
よって筒状誘導リング3に誘導されて発熱するところ
の、発熱効率すなわち所定の温度に達するまでの時間に
関して種々実験を行ったところ、筒状誘導リング3に設
けられる多数の穿孔部3A・・・は、誘導電流の方向に
整列させることが誘導率すなわち発熱効率を高くするこ
とが知見され、さらに細部にわたって実験を重ねた結
果、図3(C)に示すように、前記穿孔部3Aの幅を
a、長さをb、隣接列との間の幅をc、同列隣接のもの
との間の間隔をdとした場合、a/b=1/5以上、c
=a〜0.5a、d=cとした場合には、高周波加熱に
よる導電性材料である筒状誘導リング3の昇温速度がき
わめて高いものであった。実験では、従来のものが発熱
溶融に1、2分を要したのに対して、本発明のものでは
数秒で発熱溶融が見られた。また、本発明では、好まし
くは前記多数の穿孔部3A・・・を千鳥状に配置したこ
とによって、穿孔部3A・・・を通じての雌雄のパイプ
1、2における直接の接合部を千鳥状に配列して適度に
分散せしめて全体としての接合強度を向上させたもので
あるが、これらの多数の穿孔部3A・・・の配置に関し
ては適宜に選定されることは言うまでもない。
【0013】また、通常一般には、効率良く加熱しよう
とすれば、誘導コイルは複数巻きが好ましく、さらに、
高周波加熱においては、コイル巻数が多くなる程、コイ
ル電流は低くてよい。したがって、コイル巻数を少なく
した場合はコイル電流を多くしなければならないので、
装置が大がかりなものとなる。本発明では、分割型コイ
ルを複数巻きとすることによる通電不良の虞れを解消す
るため、前記誘導コイル4をソレノイド型の1巻き分割
型とした上で小型コンパクト化を図った。これを可能に
したものは、前記高周波出力トランスの小型軽量化を実
現し、電流を大きく採れるようにすると共に、電源の発
振周波数を50kHz付近の1波とし、能動素子を全て
半導体化して小型軽量化を実現したものである。また好
ましくは、高周波出力を定電流方式、定電力方式、周波
数自動追尾方式として、各導電性材料の変動に対して無
調整で対応できるようにされる。
【0014】図5は、種々のサイズの雌雄パイプにも適
用できるようになされた例で、接合すべき雄パイプ2が
接続部にて嵌合された雌パイプ1の外周と分割型誘導コ
イル4の内周との間に一対のアタッチメント13Aおよ
び13Bを介在させたものである。 これによって、接
合すべき雌雄パイプのサイズに対応した所定のアタッチ
メントを選定して雌パイプ1の外周と分割型誘導コイル
4の内周との間にセットすることで、種々のサイズの雌
雄パイプに対しても1つの誘導加熱接続装置によって継
手の誘導加熱接続を行うことが可能となる。
【0015】図6は、本発明の継手の誘導加熱接続装置
の第2実施の形態を示す正面および側面図で、本実施の
形態では、誘導コイル4における可動部4Cのヒンジ8
は、高周波出力トランス10の上面に植設された出力端
子6に設けられている。また、誘導コイル4における第
1固定部4Aは、高周波出力トランス10の上面に植設
された出力端子5を構成している。したがって、第1固
定部4Aの上端部と可動部4Cの上端部との間に蝶螺子
9が設置されることになる。これにより、分割型誘導コ
イルとしての構成が幾分簡素化される。
【0016】以上、本発明の実施の形態について説明し
てきたが、本発明の趣旨の範囲内で高周波出力トランス
の形状および高周波発生制御形式、誘導コイルの材質、
形状およびその可動部のヒンジ形態、可動部の固定部と
の合致形態、筒状導電リングの材質、形状およびその穿
孔部の形状ならびに該穿孔部の配置等については適宜選
定できる。
【0017】
【発明の効果】以上、詳細に説明したように、本発明で
は、熱可塑性材料からなる雌パイプと雄パイプの接続部
における継手の誘導加熱接続方法において、これら雌雄
パイプの間に少なくとも誘導電流の方向に整列された穿
孔部を有する導電性材料からなる筒状誘導リングを介在
させるとともに、前記雌パイプの外周に装着した誘導コ
イルに通電して、前記筒状誘導リングを高周波電流によ
り誘導加熱し、前記雌雄パイプを前記穿孔部を介して直
接に熱融着されるようにしたので、前記筒状誘導リング
が誘導コイルの通電によって発生した高周波電流により
高い効率によって短時間で誘導加熱され、前記雌雄パイ
プにおける熱可塑性材料が溶融して、筒状誘導リングに
おける多数の穿孔部を介して熱可塑性材料同士が直接に
熱融着され、強固な接合がなされる。
【0018】また、前記筒状誘導リングの径をD、幅を
Lとした場合、D/L=1/0.7〜1.0としたこと
により、充分な接合強度を確保した上で、無駄なく効率
的な誘導加熱が可能となった。さらに、前記筒状誘導リ
ングにおける穿孔部の面積を全面積の50〜60%とし
たことにより、熱可塑性材料同士が直接に熱融着されて
強固な接合強度を得ることが可能となった。さらにま
た、前記穿孔部の幅をa、長さをb、隣接列との間の幅
をc、同列隣接のものとの間の間隔をdとした場合、a
/b=1/5以上、c=a〜0.5a、d=cとしたこ
とにより、高周波加熱による導電性材料である筒状誘導
リングの昇温速度をきわめて高いものとすることを可能
にするとともに、強固な接合強度を得ることができた。
【0019】また、前記穿孔部を千鳥状に配置したこと
により、雌雄のパイプにおける熱融着されての直接の接
合部を千鳥状に配列して適度に分散せしめて全体として
の接合強度を向上させることが可能となった。さらに、
誘導コイルをソレノイド型の1巻き分割型としたことに
より、長尺のパイプの接続の誘導加熱が可能な分割型の
誘導コイルにおける通電不良の虞れを解消したものであ
りながら、少なくとも誘導電流の方向に整列された穿孔
部を有する特有の筒状誘導リングとの巧妙な組合せによ
り、効率的な高周波誘導加熱が可能となった。さらにま
た、接続される雌雄パイプの雌パイプの外周と分割型誘
導コイルの内周との間に数種類の寸法のアタッチメント
を介在させて組み合わせたことにより、接合すべき種々
のサイズの雌雄パイプに対しても1つの誘導加熱接続装
置によって継手の誘導加熱接続を行うことが可能となっ
た。このように本発明によれば、通電不良の虞れがな
く、誘導加熱効率を高くして、迅速なパイプ材の溶融を
実現して作業効率を格段に向上させた継手の誘導加熱接
続方法およびその装置が提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の継手の誘導加熱接続装置の全体斜視図
である。
【図2】本発明の継手の誘導加熱接続装置における高周
波出力トランスに一体に設置された分割型誘導コイルの
正面および側面図である。
【図3】本発明の継手の誘導加熱接続装置における筒状
誘導リングの側面および正面図である。
【図4】本発明の継手の誘導加熱接続装置における雌雄
パイプの接続部の断面図およびその拡大図である。
【図5】本発明の継手の誘導加熱接続装置における雌パ
イプの外周と分割型誘導コイルの内周との間に介在させ
たアタッチメントを示す正面図である。
【図6】本発明の継手の誘導加熱接続装置の第2実施の
形態を示す正面および側面図である。
【図7】継手の誘導加熱接続方法の第1従来例を示す図
である。
【図8】継手の誘導加熱接続方法の第2従来例を示す図
である。
【符号の説明】 1 雌パイプ 2 雄パイプ 3 筒状導電リング 3A 穿孔部 4 誘導コイル 4A 第1固定部 4B 第2固定部 4C 可動部 5 出力端子 6 出力端子 7 絶縁部 8 ヒンジ 9 蝶螺子 9A 螺子部 9B 螺筒部 10 高周波出力トランス 11 把手 12 同軸ケーブル 13A アタッチメント 13B アタッチメント
フロントページの続き (71)出願人 000005979 三菱商事株式会社 東京都千代田区丸の内2丁目6番3号 (72)発明者 福地 正之 群馬県前橋市古市町118番地 大和設備工 事株式会社内 (72)発明者 田代 哲 群馬県甘楽郡甘楽町福島916番地 株式会 社梅澤製作所内 (72)発明者 伊藤 春正 東京都調布市下石原1丁目54番1号 株式 会社第一機電内 (72)発明者 田中 弘之 東京都千代田区丸の内2丁目6番3号 三 菱商事株式会社内 Fターム(参考) 3H019 GA02

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱可塑性材料からなる雌パイプと雄パイ
    プの接続部における継手の誘導加熱接続方法において、
    これら雌雄パイプの間に少なくとも誘導電流の方向に整
    列された穿孔部を有する導電性材料からなる筒状誘導リ
    ングを介在させるとともに、前記雌パイプの外周に装着
    した誘導コイルに通電して、前記筒状誘導リングを高周
    波電流により誘導加熱し、前記雌雄パイプを前記穿孔部
    を介して直接に熱融着されるようにしたことを特徴とす
    る継手の誘導加熱接続方法。
  2. 【請求項2】 前記筒状誘導リングの径をD、幅をLと
    した場合、D/L=1/0.7〜1.0としたことを特
    徴とする請求項1に記載の継手の誘導加熱接続方法。
  3. 【請求項3】 前記筒状誘導リングにおける穿孔部の面
    積を全面積の50〜60%としたことを特徴とする請求
    項1または2に記載の継手の誘導加熱接続方法。
  4. 【請求項4】 前記穿孔部の幅をa、長さをb、隣接列
    との間の幅をc、同列隣接のものとの間の間隔をdとし
    た場合、a/b=1/5以上、c=a〜0.5a、d=
    cとしたことを特徴とする請求項1ないし3のいずれか
    に記載の継手の誘導加熱接続方法。
  5. 【請求項5】 前記穿孔部を千鳥状に配置したことを特
    徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の継手の誘
    導加熱接続方法。
  6. 【請求項6】 前記誘導コイルをソレノイド型の1巻き
    分割型としたことを特徴とする請求項1ないし5のいず
    れかに記載の継手の誘導加熱接続方法。
  7. 【請求項7】 熱可塑性材料からなる雌パイプと雄パイ
    プの接続部における継手の誘導加熱接続装置において、
    前記接続部における雌雄パイプ間に少なくとも誘導電流
    の方向に整列された穿孔部を有する導電性材料からなる
    筒状誘導リングを介在させた前記雌パイプの外周を把持
    する分割型誘導コイルを高周波出力トランスに一体に設
    置したことを特徴とする継手の誘導加熱接続装置。
  8. 【請求項8】 前記分割型誘導コイルをソレノイド型の
    1巻き分割型としたことを特徴とする請求項7に記載の
    継手の誘導加熱接続装置。
  9. 【請求項9】 前記接続される雌雄パイプの雌パイプの
    外周と分割型誘導コイルの内周との間に数種類の寸法の
    アタッチメントを介在させて組み合わせたことを特徴と
    する請求項7または8に記載の継手の誘導加熱接続装
    置。
  10. 【請求項10】 前記1ないし9のいずれかに記載の継
    手の誘導加熱接続方法あるいは継手の誘導加熱接続装置
    にて供用されるパイプであって、少なくとも誘導電流の
    方向に整列された穿孔部を有する導電性材料からなる筒
    状誘導リングを接続部内周にインサートされた雌パイ
    プ。
  11. 【請求項11】 前記1ないし9のいずれかに記載の継
    手の誘導加熱接続方法あるいは継手の誘導加熱接続装置
    にて供用されるパイプであって、少なくとも誘導電流の
    方向に整列された穿孔部を有する導電性材料からなる筒
    状誘導リングを接続部外周にインサートされた雄パイ
    プ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US11279093B2 (en) * 2018-03-15 2022-03-22 Robert Bosch Gmbh Connection arrangement and method for welding a first plastic component to a second plastic component

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