JP2000145632A - リニアコンプレッサ―の制御装置及びその運転制御方法並びにその偏差自動補正装置 - Google Patents

リニアコンプレッサ―の制御装置及びその運転制御方法並びにその偏差自動補正装置

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JP2000145632A
JP2000145632A JP11314013A JP31401399A JP2000145632A JP 2000145632 A JP2000145632 A JP 2000145632A JP 11314013 A JP11314013 A JP 11314013A JP 31401399 A JP31401399 A JP 31401399A JP 2000145632 A JP2000145632 A JP 2000145632A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 リニアコンプレッサーの制御装置及びその運
転制御方法並びにその偏差自動補正装置を提供する。 【解決手段】 温度情報によって冷却モードを決定して
出力する冷却モード決定器37と、各ストローク電圧V0〜
V3を受けてストローク値及び電流情報を推定して出力す
るセンサーレスストローク推定器32と、ストローク値及
び電流情報を利用して不安定が発生するかをモニタリン
グして出力する不安定モニタ部36と、モニタリング情報
及び前記冷却モードからストローク指令値を決定するス
トローク指令値決定器31と、推定ストロークがストロー
ク指令値に巧く推定されるように制御してタイマー指令
値を出力するストローク制御器33と、ゼロクロス信号を
出力するゼロクロス検出器34と、ゼロクロス信号が出力
される時点に、ゲート駆動信号を提供するタイマー35と
で構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、リニアコンプレッ
サーの制御装置及びその運転制御方法並びにその偏差自
動補正装置に係るもので、詳しくは、コンプレッサー内
の各部品の特性偏差などにより不安定状態が発生する場
合、自動補正してシステムを安定化させ、最適な運転を
行い得るリニアコンプレッサーの制御装置及びその運転
制御方法並びにその偏差自動補正装置に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】一般に、リニアコンプレッサーはリニア
オシレーティングモータにより駆動されるため、回転運
動を直線運動に変換させるクランクシャフトを必要とせ
ず、よって、摩擦損失が小さいため、他の圧縮機に比べ
て効率が良いとして知られている。更に、このようなリ
ニアコンプレッサーを冷蔵庫またはエアコンに適用する
と、モータのストロークを可変することにより圧縮比を
可変させて、冷却力の制御にも使用し得るというメリッ
トがある。
【0003】このような従来のリニアコンプレッサーに
おいては、図19に示したように、ピストンの上下運動に
よりストロークを可変させて冷却力を調節するリニアオ
シレーティングモータ10と、ゲート駆動信号に従って交
流電源を断続させることにより前記リニアオシレーティ
ングモータ10に印加される電力を制御する電気回路部20
と、入力される温度情報に従うストローク指令値と前記
リニアオシレーティングモータ10に印加されるストロー
ク電圧により推定されるストロークとが一致するように
制御してタイマー駆動信号を前記電気回路部20に提供す
る制御部30と、を備えて構成されていた。
【0004】そして、前記制御部30は、温度情報を受け
て対応のストローク指令値を決定して出力するストロー
ク指令値決定器31と、前記リニアオシレーティングモー
タ10に供給される各ストローク電圧V0〜V3を受けてスト
ローク値を推定して出力するセンサーレスストローク推
定器32と、該センサーレスストローク推定器32により推
定されたストロークが前記ストローク指令値決定器31に
より決定されたストローク指令値に適切に推定するよう
に制御してタイマー指令値を出力するストローク制御器
33と、入力される電圧波形からゼロクロスポイントを検
出してゼロクロス信号を出力するゼロクロス検出器34
と、該ゼロクロス検出器34からゼロクロス信号が出力さ
れる時点で、前記ストローク制御器33により推定された
推定値に従ってゲート駆動信号を提供するタイマー35
と、を備えて構成されていた。
【0005】以下、このように構成された従来のリニア
コンプレッサーの動作について図面にそって説明する。
先ず、図20(A )に示したような220Vの電源電圧が電源
電圧端から供給されると、該電源電圧は図19に示す電気
回路部20の電流感知用抵抗R 、トライアックTr及びキャ
パシタC を経由してリニアオシレーティングモータ10に
供給され、よって、該リニアオシレーティングモータ10
に電流が流れるようになる。次いで、前記リニアオシレ
ーティングモータ10のピストン11が往復運動を行い、該
ピストン11の往復行程距離であるストロークを可変させ
て冷蔵庫またはエアコンの冷却力を調節する。
【0006】このとき、使用者が冷蔵庫またはエアコン
の温度を設定すると、該設定された温度情報は制御部30
のストローク指令値決定器31に入力され、該ストローク
指令値決定器31は設定温度に該当するストローク指令値
を決定してストローク制御器33に提供する。同時に、セ
ンサーレスストローク推定器32は前記リニアオシレーテ
ィングモータ10に電流を供給する前記電気回路部20から
電源電圧端と電流感知用抵抗R 間の電圧V0、前記電流感
知用抵抗R とトライアックTr間の電圧V1、該トライアッ
クTrから前記リニアオシレーティングモータ10に供給さ
れる電圧V2及び前記キャパシタC を経由して前記リニア
オシレーティングモータ10に供給される電圧V3をそれぞ
れ受けてストローク情報及び電流情報を推定し、該推定
されたストローク情報及び電流情報を前記ストローク制
御器33に伝送する。
【0007】よって、前記ストローク制御器33は前記ス
トローク指令値決定器31により決定されたストローク指
令値と推定されたストローク値とが同様になるように制
御を行って得られたタイマー指令値をタイマー35に伝送
する。このとき、ゼロクロス検出器34は前記電気回路部
20内の電源電圧端と電流感知用抵抗R 間の電圧V0または
前記電源電圧端から前記キャパシタC を経由する以前の
電圧V4を受けてゼロクロスポイントを検出してゼロクロ
ス信号をタイマー35に提供する。
【0008】次いで、前記タイマー35のスタート端子に
ゼロクロス信号が入力されると、前記ストローク制御器
33から提供されるタイマー指令値に従って、前記タイマ
ー35は図20(C )に示したような時間t1を設定する。次
いで、このように設定された時間t1になると、前記タイ
マー35はゲート駆動信号を図19の電気回路部20のトライ
アックTrのゲートG に出力する。このとき、図20(C )
に示したようにt1が小さいと、ゲート駆動信号がゼロク
ロス時点から短く設定されるため、図20(D )に示した
ように多量の電流が流れるが、一方、図20(E )に示し
たようにt1が大きいと、ゲート駆動信号がゼロクロス時
点から遠く設定されるため、図20(F )に示したように
少量の電流が流れるようになる。
【0009】このようにゲート駆動信号が前記電気回路
部20のトライアックTrのゲートGに出力されると、該ト
ライアックTrがターンオンされて前記リニアオシレーテ
ィングモータ10に電流が供給され、よって、該リニアオ
シレーティングモータ10のピストン11が上下運動を行っ
て冷蔵庫またはエアコンなどの冷却力を調節する。この
とき、入力電流を周期関数として加えると、前記ピスト
ン11の働きも同様の周期を有するが、吸入圧及び吐出圧
によって多様な形態に表れる。
【0010】その1 例においては、図22に示したよう
に、前記ピストン11の周期をT とすると、ストロークは
1 周期内での最大変位を表すため、以下のように定義さ
れる。 s (k )=max (xp(t ))、(k −1/2 )T ≦t <
(k +1/2 )T ここで、xp(t )はセンサーレスによる推定値であるた
め、実際値とは誤差e(k )=x(k )−xp(t )が存在す
る可能性がある。
【0011】なお、リニアオシレーティングモータ10を
図21に示したような逆起電力のあるR −L 回路で模型化
するとき、ピストンの働きを表す理論的根拠は次のよう
な2つの非線形連立微分方程式で説明することができ
る。[機械式運動方程式]
【0012】
【数1】
【0013】[電気的等価方程式]
【0014】
【数2】
【0015】上式中、x :ピストンの変位、i :モータ
に流れる電流、m :ピストンの質量、C :ダンピング係
数、k :等価的スプリング常数、Fp:ピストンが与える
力、α:逆起電力常数、L :等価的インダクタンス係
数、R :等価的抵抗、r :電流大きさ感知用抵抗(r <
<R )、V :外部電圧、をそれぞれ示している。上式に
おいて、Fpは吸入側と吐出側間の圧力差による力を表す
が、図23に示したように、圧縮機が吸入、圧縮及び吐出
過程を経由しながら時々刻々変化する。よって、電圧V
が大きくなると、上式(2 )の右辺が大きくなって左辺
の電流も大きくなり、また、電流が大きくなると、上式
(1 )の右辺が大きくなって左辺のピストンの変位も大
きくなる。即ち、ピストンの行程距離は印加電圧により
変化されるため、半導体スイッチング素子であるトライ
アックを使用すると印加電圧をスイッチング調節するこ
とができるので、同一効果が得られる。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】然るに、このような従
来のリニアコンプレッサーにおいては、ストロークが境
界面(吐出バルブ面)に到達するとき、図24に示したよ
うにピストンの動作が不安定になるときが度々ある。即
ち、ピストンが吐出バルブに非常に近接して衝突する地
点では動作が不安定になる。
【0017】なお、リニアコンプレッサーでは共振点で
の効率が最も良好で、騒音も小さく発生する。ところ
が、図24に示したように、前記共振点でピストンの動作
が不安定になる場合が度々発生する。このようにピスト
ンの動作が不安定になる条件及び原因はまだ明らかでは
ないが、アクチュエータのヒステリシス特性に起因する
ものと推測され、このような特性は実験及び前記式(1
)及び(2 )に基づいたシミュレーションにより確認
されている。
【0018】このようにピストンの動作が不安定になる
と、入力電力が揺れて冷却力も揺れるため、リニアコン
プレッサーを採用した冷蔵庫またはエアコンには好まし
くないものとされるが、このように共振点で不安定現象
が発生することを利用すると、却って最適運転点を検出
することが可能になる。また、従来のリニアコンプレッ
サーにおいては、クリアランスボリュームを正確に制御
すべきであるが、複雑なセンサーレスストローク推定器
回路における各部品の特性偏差または圧縮機内の主要部
品の偏差により、同一ストローク下でも所望の冷却力か
ら深刻な偏差が発生するという不都合な点があった。
【0019】本発明は、このような従来の課題に鑑みて
なされたもので、ピストンの不安定な動作が発生しない
ように制御し、不安定な動作が発生した場合も自動的に
基準ストロークを自己修正することにより異常診断及び
知能的制御を行い得るリニアコンプレッサーの制御装置
及びその運転制御方法を提供することを目的とする。そ
して、本発明の他の目的は、リニアコンプレッサーの吐
出側及び吸入側の圧力(Pd、Ps)によって共振不安定が
存在する領域及び存在しない領域があり、このように共
振不安定領域が存在するか否かによって区間別に区別し
てリニアコンプレッサーの運転を制御し得るリニアコン
プレッサーの制御装置及びその運転制御方法を提供しよ
うとする。
【0020】さらに、本発明のその他の目的は、リニア
コンプレッサーの共振不安定領域が存在する区間で共振
不安定領域を探索し、該共振不安定を回避することによ
り最適の運転を行い得るリニアコンプレッサーの制御装
置及びその運転制御方法を提供しようとする。また、本
発明のその他の目的は、センサーレス回路の各部品の偏
差及び圧縮機内の主要部品の偏差を自動的に補正して機
構部及び制御部を最適にして均一な冷却能力を発生し得
るリニアコンプレッサーの偏差自動補正装置を提供しよ
うとする。
【0021】
【課題を解決するための手段】このような目的を達成す
るため、本発明に係るリニアコンプレッサーの制御装置
においては、ゲート駆動信号に従って交流電源を断続さ
せることにより、ストロークを可変させて冷却力を調節
するリニアオシレーティングモータに印加される電力を
制御する電気回路部と、温度情報に従うストローク指令
値と前記モータに印加されるストローク電圧により追従
されたストロークとを一致させるためのゲート駆動信号
を前記電気回路部に提供する制御部とを備えたリニアコ
ンプレッサーの制御装置において、前記制御部は、入力
される温度情報による冷却モードを決定して出力する冷
却モード決定器と、前記リニアオシレーティングモータ
に供給されるストローク電圧を受けてストローク値及び
電流情報を推定し、該推定されたストローク値及び電流
情報を出力するセンサーレスストローク推定器と、該セ
ンサーレスストローク推定器から出力されるストローク
値及び電流情報を利用して不安定が発生したかをモニタ
リングし、該モニタリング情報を出力する不安定モニタ
部と、該不安定モニタ部から出力される安定か否かにつ
いての情報及び前記冷却モード決定器により決定された
冷却モードから総合的状況を考慮して最適ストローク指
令値を決定するストローク指令値決定器と、前記センサ
ーレスストローク推定器により推定されたストロークが
前記ストローク指令値決定器により決定されたストロー
ク指令値に適切に推定されるように制御し、それに従う
タイマー指令値を出力するストローク制御器と、入力さ
れる電圧波形からゼロクロスポイントを検出し、それに
対応するゼロクロス信号を出力するゼロクロス検出器
と、該ゼロクロス検出器から出力されるゼロクロス信号
が出力される時点に、前記ストローク制御器により推定
された推定値に従ってゲート駆動信号を提供するタイマ
ーと、を備えて構成されている。
【0022】そして、本発明に係るリニアコンプレッサ
ーの運転制御方法においては、冷却モード指令値に対応
するストローク指令値を設定する第1 段階と、タイマー
が駆動か否かをチェックする第2 段階と、タイマーが未
駆動状態であるとき、現在ストロークの不安定状態をチ
ェックする第3 段階と、不安定状態であるとき、前記設
定されたストローク指令値を所定値だけ低下させて所定
時間運転し、安定状態であるとき、前記設定されたスト
ローク指令値で運転する第4 段階と、前記第2段階でタ
イマーが駆動状態であるとき、該当時間が経過すると現
在駆動中のストローク指令値を本来のストローク指令値
に復帰させて運転する第5 段階と、を順次行うようにな
っている。
【0023】さらに、本発明に係るリニアコンプレッサ
ーの運転制御方法においては、冷却モード指令値に対応
するストローク指令値を設定する第1 段階と、現在スト
ロークが安定状態であるか、不安定状態であるかをチェ
ックする第2 段階と、不安定状態であるとき、前記第1
段階で設定されたストローク指令値を所定値だけ低下さ
せて所定時間運転する第3 段階と、安定状態であると
き、タイマーが駆動か否かをチェックする第4 段階と、
タイマーが未駆動状態であるとき、前記第1 段階で設定
されたストローク指令値を出力するが、タイマーが駆動
状態であるとき、該当時間が経過すると現在駆動中のス
トローク指令値を本来のストローク指令値に復帰させて
運転する第5 段階と、を順次行うようになっている。
【0024】また、本発明に係るリニアコンプレッサー
の偏差自動補正装置においては、ゲート駆動信号に従っ
て交流電源を断続させることにより、ストロークを可変
させて冷却力を調節するリニアオシレーティングモータ
に印加される電力を制御する電気回路部と、温度情報に
従うストローク指令値と前記モータに印加されるストロ
ーク電圧により追従されたストロークとを一致させるた
めのゲート駆動信号を前記電気回路部に提供する制御部
とを備えたリニアコンプレッサーの偏差自動補正装置に
おいて、前記制御部は、前記リニアオシレーティングモ
ータに供給されるストローク電圧を受けてストローク値
及び電流情報を推定して出力するセンサーレスストロー
ク推定器と、該センサーレスストローク推定器から出力
される情報を受けて現在の状態が安定状態であるか、不
安定状態であるかをモニタリングする不安定モニタ部
と、該不安定モニタ部から不安定情報が提供されると、
前記センサーレスストローク推定器から推定されたスト
ローク値からチューニングポイントを決定して出力する
チューニングポイント決定器と、該チューニングポイン
ト決定器により決定されたチューニングポイント及び外
部からの温度情報を利用してストローク指令値を決定す
るストローク指令値決定器と、前記センサーレスストロ
ーク推定器により推定されたストロークが前記ストロー
ク指令値決定器により決定されたストローク指令値に適
切に推定されるように制御し、それに従うタイマー指令
値を出力するストローク制御器と、入力される電圧波形
からゼロクロスポイントを検出し、それに対応するゼロ
クロス信号を出力するゼロクロス検出器と、該ゼロクロ
ス検出器から出力されるゼロクロス信号が出力される時
点に、前記ストローク制御器により推定された推定値に
従ってゲート駆動信号を提供するタイマーと、を備えて
構成されている。
【0025】更に、本発明に係るリニアコンプレッサー
の偏差自動補正装置において、前記ストローク指令値決
定器は、入力される温度情報に従って起動状態であるか
冷却状態であるかを判断し、チューニングモード及び冷
却モード中の何れか1 つを選択する冷却モード決定器
と、該冷却モード決定器の出力に従って該当のモードに
スイッチングする第1 スイッチと、前記冷却モード決定
器が起動モードであると判断した場合、チューニングを
行うためのストローク指令値を出力するチューニングモ
ード制御器と、前記冷却モード決定器が冷却モードであ
ると判断し、更に現在のストロークが不安定状態である
場合、第1 、第2 、... 第n 冷却モードに従うストロー
ク指令値を相対座標値を利用して補正し、該補正された
ストローク指令値を出力する冷却モード制御部と、前記
チューニングモード制御器及び前記冷却モード制御部か
らそれぞれ出力されるストローク指令値を前記ストロー
ク制御器に提供する第2 スイッチと、を備えて構成され
ている。
【0026】そして、本発明に係るリニアコンプレッサ
ーの偏差自動補正装置において、前記チューニングポイ
ント決定器は、センサーレスストローク推定器により推
定されたストロークを段階的に増加させながらスキャニ
ングを行ってチューニングポイントを決定することを特
徴とする。さらに、本発明に係るリニアコンプレッサー
の偏差自動補正装置において、前記チューニングポイン
ト決定器は、センサーレスストローク推定器により推定
されたストロークを緩慢なRAMP関数を使用してスキャニ
ングを行ってチューニングポイントを決定することを特
徴とする。
【0027】また、本発明に係るリニアコンプレッサー
の運転制御方法において、コンプレッサーの吐出側及び
吸入側の圧力(Pd、Ps)または外気温度に基づいて共振
不安定領域が存在する区間と共振不安定領域が存在しな
い区間とを設定して、共振不安定領域が存在しない区間
では、低いか或いは高い一定ストローク電圧で制御する
が、一方、共振不安定領域が存在する区間では、共振不
安定領域を探索して前記共振不安定領域のすぐ上部にス
トローク電圧を維持させて運転することを特徴とする。
【0028】更に、本発明に係るリニアコンプレッサー
の運転制御方法において、コンプレッサーの吐出側及び
吸入側の圧力(Pd、Ps)が所定圧力以下である区間と、
前記両圧力が所定圧力以上である区間と、を共振不安定
領域が存在しない区間に設定し、前記両区間間の区間を
共振不安定領域が存在する区間に設定することを特徴と
する。
【0029】そして、本発明に係るリニアコンプレッサ
ーの運転制御方法において、コンプレッサーの外気温度
が所定温度以下の低温区間とコンプレッサーの外気温度
が所定温度以上の高温区間とを共振不安定領域が存在し
ない区間に設定し、前記両温度間の温度区間を共振不安
定領域が存在する区間に設定することを特徴とする。さ
らに、本発明に係るリニアコンプレッサーの運転制御方
法において、共振不安定領域が存在しない区間では高い
か或いは低い一定のストローク電圧で制御し、共振不安
定領域が存在する区間では最適運転点を探索してストロ
ーク電圧を変動させて制御することを特徴とする。
【0030】また、本発明に係るリニアコンプレッサー
の運転制御方法において、共振不安定領域が存在する区
間では、ストローク値をストローク電圧の下限点から所
定電圧値ずつ増加させながら不安定領域を探索し、不安
定領域を検出すると、更に所定電圧値を増加させてスト
ロークを不安定領域に接近した上部で一定に維持させ、
所定時間が経過すると、ストローク電圧値を所定値ずつ
減少させ、不安定領域が検出されると、再びストローク
値を増加させて最適の運転点が常に不安定領域に接近し
た上部に位置するように制御することを特徴とする。
【0031】更に、本発明に係るリニアコンプレッサー
の運転制御方法において、ストローク値がゼロ値から下
限点に到達するまでは、単純に加速させて探索時間を減
少させることを特徴とする。そして、本発明に係るリニ
アコンプレッサーの運転制御方法において、所定ストロ
ーク電圧または変動ストローク電圧で制御中異常状態が
発生すると、ストロークを小さく運転させ、正常状態に
なると再び以前のストロークに復帰させることを特徴と
する。
【0032】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て図面を用いて説明する。本発明に係るリニアコンプレ
ッサーの制御装置30においては、図1に示したように、
入力される温度情報に従う冷却モードを決定して出力す
る冷却モード決定器37と、リニアオシレーティングモー
タに供給される各ストローク電圧V0〜V3を受けてストロ
ーク値及び電流情報を推定し、該推定されたストローク
値及び電流情報を出力するセンサーレスストローク推定
器32と、該センサーレスストローク推定器32から出力さ
れるストローク値及び電流情報を利用して不安定が発生
するかをモニタリングし、該モニタリングした情報を出
力する不安定モニタ部36と、該不安定モニタ部36から出
力される不安定か否かに対するモニタリング情報及び前
記冷却モード決定器37により決定された冷却モードから
総合的状況を考慮して適切なストローク指令値を決定す
るストローク指令値決定器31と、前記センサーレススト
ローク推定器32により推定されたストロークが前記スト
ローク指令値決定器により決定されたストローク指令値
に適切に推定されるように制御してタイマー指令値を出
力するストローク制御器33と、入力される電圧波形から
ゼロクロスポイントを検出してゼロクロス信号を出力す
るゼロクロス検出器34と、該ゼロクロス検出器34から出
力されるゼロクロス信号が出力される時点に、前記スト
ローク制御器33により推定された推定値に従ってゲート
駆動信号を提供するタイマー35と、を備えて構成され、
その他のリニアオシレーティングモータ10及び電気回路
部20は従来同様に構成されている。
【0033】以下、このように構成された本発明に係る
リニアコンプレッサーの制御装置の運転制御方法の1 実
施形態について説明する。先ず、電源電圧端から出力さ
れた電源電圧が電気回路部20の電流感知用抵抗R、トラ
イアックTr及びキャパシタC を経由してリニアオシレー
ティングモータ10に供給されると、該リニアオシレーテ
ィングモータ10に電流が流れて、該リニアオシレーティ
ングモータ10のピストン11が往復運動を行い、ストロー
クを可変させて冷蔵庫またはエアコンの冷却力を調節す
る。このとき、使用者が冷蔵庫またはエアコンの温度を
設定すると、該設定された温度情報は制御部30の冷却モ
ード決定器37に入力されて設定温度に対応する冷却モー
ドが決定され、該決定された冷却モードはストローク指
令値決定器31に提供される。
【0034】同時に、センサーレスストローク推定器32
は前記リニアオシレーティングモータ10に電流を供給さ
れる各ストローク電圧V0〜V4、即ち、電気回路部20から
電源電圧端と電流感知用抵抗R 間の電圧V0、前記電流感
知用抵抗R とトライアックTr間の電圧V1、前記トライア
ックTrから前記リニアオシレーティングモータ10に供給
される電圧V2、前記電源電圧端からキャパシタC を経由
する以前の電圧V4及び前記キャパシタC を経由して前記
リニアオシレーティングモータ10に供給される電圧V3を
受けてストローク値及び電流情報を推定し、該推定され
たストローク値及び電流情報を不安定モニタ部36に伝送
する。次いで、前記不安定モニタ部36は前記センサーレ
スストローク推定器32により推定されたストローク情報
を利用して不安定状態であるかまたは安定状態であるか
を認識する。
【0035】ここで、前記不安定モニタ部36の動作に対
し、図2 及び図3 に基づいて以下に説明する。先ず、前
記不安定モニタ部36は前記センサーレスストローク推定
器32から提供されるストローク情報からストローク(s
(k ))を、図2 に示したように、所定幅(W )だけリ
ードし(S91 )、該ストローク値から最大値(Swmax(k
))及び最小値(Swmin(k ))を求める(S92 )。
【0036】(Swmax(k ))=max {s (k )、s (k-
1 )、... 、s (k-w+1 )} (Swmin(k ))=min {s (k )、s (k-1 )、... 、
s (k-w+1 )} 次いで、ストロークの最大値と最小値との差(Swmax(k
)−Swmin(k ))を計算して、該計算された誤差と既
設定された基準値THD とを比較し(S93 )、比較結果、
前記誤差が前記基準値THD よりも大きいとき不安定状態
であると認識するが(S94 )、前記基準値よりも小さい
とき安定状態であると認識した後(S95 )、次のストロ
ークをリードする。
【0037】このような方法により前記不安定モニタ部
36ではストロークが安定状態であるか不安定状態である
かを判断し、該判断された情報をストローク指令値決定
器31に伝送し、該ストローク指令値決定器31は前記冷却
モード決定器37により決定された冷却モード及び前記不
安定モニタ部36によりモニタリングされた情報を利用し
て最も適切なストローク指令値を決定してストローク制
御器33に伝送する。
【0038】ここで、前記ストローク指令値決定器31の
ストローク指令値決定過程の第1 実施形態に対し、図4
に基づいて説明する。先ず、ストローク指令値決定器31
は前記冷却モード決定器37により決定された冷却モード
の指令値(ref M )をリードする(S101)。このとき、
もし、前記冷却モードがM1、M2及びM3の3 タイプである
と、それぞれのモードに対応するように定められたスト
ローク基準値はs1、s2及びs3の3 種類となる。
【0039】次いで、前記段階(S101)でリードした冷
却モード指令値(ref M )に対応するストローク指令値
(ref s )をメモリ(tmp s )からリードして設定する
(S102)。次いで、タイマー35が駆動しているかをチェ
ックする(S103)。ここで、前記タイマー35の役割は、
ストロークが不安定状態にあるとき、所定時間の間回避
するための時間をカウントすることである。
【0040】次いで、前記段階(S103)でタイマー35が
駆動してないと、現在のストロークが不安定状態である
かをチェックし(S104)、その結果、不安定状態である
と前記タイマー35を駆動させて所定時間の間回避させた
後(S105)、前記冷却モード指令値(ref M )に対応す
るストローク指令値(ref s )を一層低い値を有するス
トローク指令値に変更させる(S106)。例えば、冷却モ
ード指令値(ref 2M)に対応するストローク指令値(re
f 2s)に設定された状態が不安定状態であると、ref 2s
−Δに変更させる。
【0041】一方、前記段階(S103)で前記タイマー35
が駆動していると、カウントを継続して行い、該当の時
間が経過すると本来のストローク指令値(ref s )に復
帰する(S107)。このように前記ストローク指令値決定
器31は冷却モード指令値に従うストローク指令値を設定
して運転するが、不安定状態が発生するとストローク指
令値を低くしてストローク値を変更させ、このように変
更されたストローク指令値で所定時間運転して、所定時
間が経過すると本来のストローク値に復帰する。
【0042】また、前記ストローク指令値決定器31のス
トローク指令値決定過程の第2 実施形態においては、図
5 に示したように、先ず、前記ストローク指令値決定器
31は、前記冷却モード決定器37により決定された冷却モ
ードの指令値(ref M)をリードする(S201)。次いで、
前記段階(S201)でリードされた冷却モード指令値(re
f M )に対応するストローク指令値(ref s )をメモリ
(tmp s )からリードして設定した後(S202)、現在の
ストローク値が安定状態であるかまたは不安定状態であ
るかをチェックする(S203)。
【0043】もし、前記段階(S203)で不安定状態であ
ると、所定時間回避するためにタイマー35を駆動させ
(S204)、前記設定されたストローク指令値(ref s )
を所定値(Δ)だけ低下させたストローク指令値(ref
s −Δ)に変更させて(S205)、該変更されたストロー
ク指令値を出力する(S206)。一方、前記段階(S203)
で安定状態であるとき、前記タイマー35が駆動している
かを更にチェックし(S206)、タイマーが駆動してない
とき、メモリ(tmp s)に貯蔵されてたストローク指令
値をそのまま利用するが(S207)、タイマーが駆動して
いるとき、該当の時間まで待機してから終了した後、本
来のストローク指令値(ref s )に復帰し、該復帰した
ストローク指令値を出力する(S208)。
【0044】このような動作を行って得られたストロー
ク指令値をストローク制御器33に提供すると、該ストロ
ーク制御器33は前記ストローク指令値と前記センサーレ
スストローク推定器32により推定された指令値とが一致
するように制御してタイマー指令値を前記タイマー35に
出力する。このとき、ゼロクロス検出器34は前記電気回
路部20からV0またはV4の電圧をリードしてゼロクロスポ
イントを検出して前記タイマー35のスタート端子に提供
する。
【0045】次いで、前記タイマー35はスタート端子に
入力されるゼロクロスポイントを始点に、前記ストロー
ク指令値決定器31から出力されるストローク指令値を利
用してゲート駆動信号を前記電気回路部20のトライアッ
クTrのゲート端子Gに出力する。従って、前記トライア
ックTrがターンオンされて前記リニアオシレーティング
モータ10に電流が供給され、よって、該リニアオシレー
ティングモータ10のピストンが上下運動を行って冷蔵庫
またはエアコンの冷却力を調節するようになる。
【0046】以下、本発明の他の目的であるリニアコン
プレッサーの偏差自動補正装置に対し、図6 を用いて説
明する。一般に、冷却力偏差を発生する要因としては制
御的要因及び機構的要因が挙げられ、前記制御的要因は
回路によるもので、図1 のセンサーレスストローク推定
器32を図9 に示したようにアナログ回路で構成すると、
CS、C1及びC2のようなキャパシタの特性偏差はストロー
クの認識の誤差を引き起こす。
【0047】また、前記図6 をブロックダイアグラムで
表示した図10に示したように、キャパシタ値は伝達関数
に密接に関係している。即ち、部品偏差がないときの電
流ストロークと電圧ストローク間の伝達関数をそれぞれ
G1、G2とすると、入力側を[電流、電圧]というベクト
ルに定義するときの伝達関数はG =[G1、G2]となる。
従って、キャパシタの偏差ΔCS、ΔC1及びΔC2は伝達関
数の偏差ΔC =[ΔC1、ΔC2]を誘発するため、ストロ
ークの認識の誤差を引き起こす。
【0048】そして、ΔG >0 であるときは、実際のス
トローク値よりも大きい値に認識されるため、指令値に
適切に追従するようにストローク制御を閉ループ制御で
行う場合は、ストロークが実際の値よりも小さくなり、
同じように、ΔG <0 であるときは、フィードバック制
御によってストロークが実際の値よりも大きくなるの
で、このような偏差を低減させる必要がある。
【0049】また、前記機構的偏差による冷却力偏差は
リニアオシレーティングモータ10を制御するときに発生
するもので、図8 に基づいて以下に詳しく説明する。先
ず、図8 (A )は吐出バルブ面が正常状態(O )である
場合、図8 (B )は吐出バルブ面が正常状態より上方
(X )に上がった場合、及び図8 (C )は吐出バルブ面
が正常状態より下方(X )に下がった場合、をそれぞれ
示したものである。
【0050】これらの場合、吐出バルブ面までの距離が
変化すると、同一ストローク下でも圧縮比が変化して冷
却力が変化する。このように吐出バルブ面までの距離偏
差を発生させる要因としては、加工誤差及び組立誤差な
どがある。一方、図8 (D )はピストン運動の中心(O
)が正常位置にある場合、図8 (E )はピストン運動
の中心が正常位置より下方(X )に下がった場合及び図
8 (F )はピストン運動の中心が正常位置より上方(X
)に上がった場合、をそれぞれ示したものである。
【0051】これらのような場合、機構部スプリングの
誤差による永久磁石の位置偏差はピストン運動の中心の
偏差を誘発させるため、同一ストローク下でも圧縮比が
変化して冷却力が変化する。従って、上記のような偏差
下でも機構部と制御部とを巧くマッチングさせるために
は、図8 (B )及び(E )の場合は、より大きいストロ
ーク指令値が必要で、ΔG <0 の条件が好ましく、一
方、図8 (C )及び(F )の場合は、より小さいストロ
ーク指令値が必要で、ΔG >0 の条件が好ましい。
【0052】もし、前記センサーレスストローク推定器
32の回路がΔG >0 である制御部と、機構部の偏差が図
8 (B )及び(E )を有する場合と、が組合されると、
誤差の大きい場合、冷蔵庫またはエアコンの冷却能力が
殆ど出ない場合もある。また、前記センサーレスストロ
ーク推定器32の回路がΔG <0 である制御部と、機構部
の偏差が図8 (C )及び(F )を有する場合と、が組み
合わされると、誤差の大きい場合、過度な電流が流れる
か、ピストンがバルブに激突して冷蔵庫またはエアコン
の圧縮機が壊れたり、寿命が短縮される恐れがある。
【0053】従って、上述したような偏差が存在すると
き、それらの偏差を巧く自動的に補正するように自己チ
ューニングまたは自己マッチングを行うべきである。そ
こで、本発明に係るリニアコンプレッサーの偏差自動補
正装置においては、図6 に示したように、リニアオシレ
ーティングモータに供給されるストローク電圧を受けて
ストローク値及び電流情報を推定して出力するセンサー
レスストローク推定器32と、該センサーレスストローク
推定器32から出力される情報を受けて現在の状態が安定
状態であるか、不安定状態であるかをモニタリングする
不安定モニタ部36と、該不安定モニタ部36から不安定情
報が提供されると、前記センサーレスストローク推定器
32から推定されたストローク値からチューニングポイン
トを決定して出力するチューニングポイント決定器38
と、該チューニングポイント決定器38により決定された
チューニングポイント及び外部からの温度情報を利用し
てストローク指令値を決定するストローク指令値決定器
31と、前記センサーレスストローク推定器32により推定
されたストロークが前記ストローク指令値決定器31によ
り決定されたストローク指令値に適切に推定されるよう
に制御し、それに従うタイマー指令値を出力するストロ
ーク制御器33と、入力される電圧波形からゼロクロスポ
イントを検出し、それに対応するゼロクロス信号を出力
するゼロクロス検出器34と、該ゼロクロス検出器34から
出力されるゼロクロス信号が出力される時点に、前記ス
トローク制御器33により推定された推定値に従ってゲー
ト駆動信号を提供するタイマー35と、を備えて構成さ
れ、その他のリニアオシレーティングモータ10及び電気
回路部20は従来同様に構成されている。
【0054】そして、このように構成された本発明に係
るリニアコンプレッサーの偏差自動補正装置の動作につ
いて図面に基づいて以下に説明する。先ず、電源電圧端
から出力された220Vの電源電圧は電気回路部20の電流感
知用抵抗R 、トライアックTr及びキャパシタC を経由し
てリニアオシレーティングモータ10に供給され、よっ
て、該リニアオシレーティングモータ10に電流が流れる
ようになる。次いで、前記リニアオシレーティングモー
タ10のピストン11が往復運動を行いストロークを可変さ
せ、よって、冷蔵庫またはエアコンの冷力が調節され
る。このとき、センサーレスストローク推定器32は前記
リニアオシレーティングモータ10に供給される各ストロ
ーク電圧V0〜V3を前記電気回路部20からリードし、該リ
ードされた電圧を利用してストローク値及び電流情報を
推定して、該推定されたストローク情報及び電流情報を
不安定モニタ部36、チューニングポイント決定器38及び
ストローク制御器33にそれぞれ伝送する。
【0055】次いで、前記不安定モニタ部36は前記セン
サーレスストローク推定器32により推定されたストロー
ク情報を利用して現在の状態が不安定状態であるかまた
は安定状態であるかをチェックする。図2 及び図3 に基
づいて以下に詳しく説明する。先ず、前記不安定モニタ
部36は前記センサーレスストローク推定器32から提供さ
れるストローク情報から図2 に示したように所定幅(W
)のストローク(s(k))をリード(S91 )し、該スト
ローク値から最大値(Swmax(k ))及び最小値(Swmin
(k ))を求める(S92 )。
【0056】ここで、最大値(Swmax(k ))及び最小値
(Swmin(k ))は次式により求められる。 (Swmax(k ))=max {{s (k )、s (k-1 )、...
、s (k-w+1 )}} (Swmin(k ))=min {{s (k )、s (k-1 )、...
、s (k-w+1 )}} 次いで、ストロークの最大値と最小値との差(Swmax(k
)−Swmin(k ))を計算して、該計算された誤差と既
設定された基準値THD とを比較し(S93 )、比較結果、
前記誤差が前記基準値THD よりも大きいとき不安定であ
ると認識するが(S95 )、前記基準値よりも小さいとき
安定であると認識し(S94 )、次の所定区間を設定した
後(S96 )、前記段階(S91 )に復帰し前記過程を反復
して行う。
【0057】このような方法により前記不安定モニタ部
36ではストロークが安定状態であるか不安定状態である
かを判断し、該判断された情報をチューニングポイント
決定器38に伝送し、該チューニングポイント決定器38は
前記不安定モニタ部36によりモニタリングされた情報が
不安定状態であるとき、図11に示したように、前記セン
サーレスストローク推定器32により推定されたストロー
クの下限値LBからスキャニングを開始する。即ち、スト
ロークの低い帯域では部品偏差があるとしても不安定点
が存在しないため、スキャニング速度を高めるために下
限値LBからスキャニングを開始して、上限値までは速く
断速及び加速を行う。
【0058】なお、帯域検査の確実性のためにはストロ
ーク指令値をゆっくり上げることが重要であるため、ス
テップ(step)増加で増加させるか、または、図12に示
したように、RAMP関数を使用する。以上のような方法に
よりスキャニングを行って不安定が発生する区間のスト
ローク値を感知し、該感知された不安定ストロークを前
記ストローク指令値決定器31に提供する。
【0059】次いで、該ストローク指令値決定器31は前
記チューニングポイント決定器38から伝送された不安定
ストロークに、外部から入力される温度情報に従う冷却
モードの相対座標により決定される相対値を加算してス
トローク指令値としてストローク制御器33に出力する。
一方、前記不安定モニタ部36によりモニタリングされた
結果が安定状態である場合、前記チューニングポイント
決定器38は前記センサーレスストローク推定器32により
推定されたストロークを前記ストローク指令値決定器31
に提供しない。よって、前記ストローク指令値決定器31
は安定状態及び不安定状態によるストローク値を出力す
る。
【0060】ここで、前記ストローク指令値決定器31の
動作について図7 に基づいて説明する。先ず、冷却モー
ド決定器37は外部から入力された温度情報を受けて起動
モードであるか、冷却モードであるかを判断して出力す
る。もし、前記冷却モード決定器37により判断された結
果が起動モードであると、第1 スイッチSW1 はチューニ
ングモード制御器31B にスイッチングされ、該チューニ
ングモード制御器31B は前記リニアオシレーティングモ
ータ10を駆動させるためのストローク指令値(ref _s
)をref _s =f(t)に決定して第2 スイッチSW2 を介
してストローク制御器33に提供する。
【0061】一方、前記冷却モード決定器37により判断
された結果が冷却モードであるとき、外部から入力され
る温度情報に基づいて該当の冷却モードを決定し、よっ
て、前記第1 スイッチSW1 を介して前記冷却モード決定
器37と前記冷却モード制御部31C 中の該当の冷却モード
制御器C1〜CMとが連結される。次いで、前記各冷却モー
ド制御器C1〜CMは、図13に示したように、ストロークが
安定した状態では絶対座標方法によるストローク指令値
を出力するが、ストロークが不安定な状態では相対座標
方法によるストローク指令値を出力する。即ち、不安定
状態ではチューニングポイント決定器38から提供される
不安定ストロークSCに相対座標による冷却モードの臨界
値d を加算して得たストローク指令値を前記第2 スイッ
チSW2 を介して前記ストローク制御器33に出力する。
【0062】即ち、図13に示したように、前記各冷却モ
ード制御器C1〜CMは安定または不安定状態によって、絶
対座標方法及び相対座標方法に基づいてストローク指令
値を決定してストローク制御器33に出力する。次いで、
前記ストローク制御器33は前記ストローク指令値決定器
31により決定されたストローク指令値と推定されたスト
ローク値とが同一になるように制御し、このように制御
されて得られたタイマー指令値を前記タイマー35に伝送
する。このとき、ゼロクロス検出器34は前記電気回路部
20内の電源電圧端と電流感知用抵抗R 間の電圧V0、また
は前記電源電圧端からキャパシタC を経由する以前の電
圧V4を受けてゼロクロスポイントを検出して前記タイマ
ー35のスタート端子に提供する。
【0063】次いで、前記タイマー35は前記ストローク
制御器33により提供されるタイマー指令値に従ってゲー
ト駆動信号を設定し、前記電気回路部20のトライアック
Trのゲート端子Gに提供する。すると、前記トライアッ
クTrがターンオンされてリニアオシレーティングモータ
10に電流が供給され、よって、リニアオシレーティング
モータ10のピストンが上下運動を行って冷蔵庫またはエ
アコンの冷却力を調節するようになっている。
【0064】そして、本発明に係るリニアコンプレッサ
ーの運転制御方法の別の実施形態について以下に説明す
る。リニアコンプレッサーを運転するとき、共振不安定
領域が存在する領域と存在しない領域とを区分する理由
は次のようになる。本発明に係るリニアコンプレッサー
の運転制御方法に従ってストロークを増加させながら共
振不安定が発生する点を先ず検出した後、該共振不安定
点を回避して運転しようとするとき、もし、共振不安定
がない領域で共振不安定領域を探索するためにストロー
クを継続して増加させると、共振不安定点が発生しない
のでストロークを上限点まで上昇させ、よって、吐出バ
ルブに損傷を与えるなど危険になる。よって、共振不安
定領域が存在する区間と存在しない区間とを区分して運
転する。
【0065】そこで、リニアコンプレッサーの共振不安
定が発生する領域を区分するためには圧力を検知するの
が一般的で、このような圧力検知方法としては、直接検
知方法と、圧力を推定することができる温度を利用した
検知方法とが挙げられ、例えば、図14(A )は、コンプ
レッサーの吐出側及び吸入側の圧力を直接検知して、ま
た、図14(B )は、外気温度により圧力を推定して、リ
ニアコンプレッサーの共振不安定領域の存在有無を表し
た図面である。
【0066】即ち、図14(A )は、吐出側及び吸入側の
圧力(Pd、Ps)によって共振不安定領域が存在する区間
と存在しない区間とを区分して示した図で、図面の左側
の下方端及び右側の上方端の斜線で埋められた区間は共
振不安定領域が存在しない区間で、斜線のない中間部分
は共振不安定領域が存在する区間である。言い換える
と、前記斜線で埋められた区間は吐出側及び吸入側の圧
力が所定圧力以下に低い区間(S1)と、両方側の圧力が
所定圧力以上に高い区間(S3)であって、図14(B )の
外気温度が非常に低い場合(S1)と非常に高い場合(S
3)とに該当する。即ち、吐出側及び吸入側の圧力が低
い場合は外気温度が低い場合であって、リニアコンプレ
ッサーのピストンの中心点が吸入側に移動して冷却力が
小さく必要な区間であるため、ピストンのストロークを
小さくして運転させるようになる。
【0067】一方、吐出側及び吸入側の圧力が高い場合
は外気温度が高い場合であって、リニアコンプレッサー
のピストンの中心点が吐出側に移動して冷却力が大きく
必要な区間であるため、ピストンのストロークを大きく
して運転させるようになる。ところが、吐出側及び吸入
側の圧力が低圧と高圧間に置かれて共振不安定領域が発
生する区間では、最適運転点を探索して運転するように
なるが詳しくは後述する。
【0068】また、リニアコンプレッサーが適用された
冷蔵庫などのドアがオープンされたり、冷却器に霜が付
いて熱交換が巧く行われない場合などのように、吸入側
の圧力(Ps)が非常に低下するときは、ピストンの中心点
が吸入側に移動するため、ストロークを小さくして運転
させ、正常状態になると以前のストロークに復帰させ
る。
【0069】一方、図14(B )は、外気温度による共振
不安定領域の存在の有無を示した図で、前記図14(A )
がリニアコンプレッサーの吐出側及び吸入側の圧力を直
接検出することによって共振不安定領域の存在の有無を
決定するのに対し、図14(B)はリニアコンプレッサー
の外気温度を検出することによって共振不安定領域の有
無を決定するようになっている。上述したように共振不
安定領域の存在の有無を決定するためには、リニアコン
プレッサーの吐出側及び吸入側の圧力を検出した方がさ
らに理想的であるが、一層容易な方法として外気温度を
検出して同一効果を導出している。
【0070】即ち、図14(B )において、外気温度の低
い(t1以下)区間(S1)と、外気温度が高い(t2以上)
区間(S3)は、前記図14(A )の両方側の圧力が非常に
低いか非常に高い場合に該当する区間であって、共振不
安定領域が発生しない。一方、図14(B )において外気
温度が中間(t1とt2間)である区間は、前記図14(A)
の両方側の圧力が適切な場合に該当する区間であって、
共振不安定領域が存在する。
【0071】そして、このように共振不安定領域が存在
する区間において共振不安定領域を探索し、該不安定領
域を回避して運転するための最適運転点の探索及び運転
アルゴリズムにおいては、図15に示したように、前記セ
ンサーレスストローク推定器32により推定されたストロ
ークの下限点V1から共振不安定領域を探索するためのス
キャニングを開始する。これはストロークの低い地域で
は部品偏差があるとしても不安定領域が存在しないの
で、スキャニングを速く行うためである。よって、開始
点V0から下限点V1までは速く単純加速して、ストローク
が下限点V1に到着すると、t1の時間単位でストロークを
Δs1ずつ増加させながら不安定領域が存在するかを探索
し、不安定領域を探索するとストロークをΔs1だけ増加
させた後、このときのストロークを維持させる。これ
は、不安定領域に接近した上部では騒音が最も低いこと
が実験的に確認されているからである。
【0072】ところが、このような不安定領域は時間の
経過に連れて移動する傾向があり、よって、最適ストロ
ークを維持するためにはこのような不安定領域の移動を
継続追跡して随時変化する不安定領域に接近した上部に
ストロークを維持させることが重要である。そのため
に、所定時間(t2)が経過するまで継続して現在のスト
ロークで不安定領域が発生するかを探索し、その結果、
現在のストロークに不安定領域が存在すると、再びスト
ロークをΔs1だけ増加させ、このような過程を不安定領
域を離れるまで反復して行う。
【0073】次いで、不安定領域のすぐ上部にストロー
クを維持させたまま所定時間(t2)が経過しても不安定
領域が発生しないと、ストロークをΔs2だけ減少させて
不安定領域が存在するかを探索して、不安定領域が検出
されると、再びストロークをΔs1だけ増加させてストロ
ークを不安定領域のすぐ上部に維持させる。併し、スト
ロークをΔs2だけ減少させても不安定領域が検出されな
いと、不安定領域がかなり下向移動したと判断して継続
してt2の時間単位でストローク値をΔs2ずつ減少させ
る。このようにして不安定点を検出すると、ストローク
をΔs1だけ上昇させて不安定点のすぐ上部にストローク
を位置させて最適の運転状態を維持させる。
【0074】上記過程を図16のフローチャートに基づい
て詳しく説明する。先ず、運転を開始すると、リニアコ
ンプレッサーの前記センサーレスストローク推定器32が
ストローク電圧を判読する(S900)。上述したように、
コンプレッサーの運転区間には共振不安定領域が存在し
ない区間もあるため、このような区間まで共振不安定領
域を探索するためにスキャニングを行うことは時間の無
駄である。よって、前記センサーレスストローク推定器
32により推定されたストロークの下限点V1から共振不安
定領域の探索を開始し、そのために、現在のストローク
電圧が下限点V1以上であるかを判断して(S905)、スト
ローク電圧が前記下限点V1に到達してないと共振不安定
領域が存在するかを検索せずに、ストローク電圧を継続
増加させてスキャニング速度を上昇させる(S910)。
【0075】次いで、ストローク電圧が単純加速区間を
経過して下限点V1に到達すると、不安定領域が存在する
かを検索して(S915)、不安定領域が検出されないと
き、不安定領域が現在のストローク電圧よりも上部に存
在すると判断してストローク電圧をΔs1だけ増加させた
後(S920)、再び不安定領域が存在するかを探索する
(S915)。このような過程を反復して不安定領域の存在
を検出するまで継続してストローク電圧を増加させる。
【0076】しかし、前記段階(S915)で不安定領域を
検出すると、ストローク電圧をΔs1だけ増加させた後
(S925)、不安定領域を検査して(S930)、不安定領域
がまた検出されると、ストローク電圧を更にΔs1だけ増
加させる(S935)。その後、不安定領域が存在するか否
かを更に検査し、このような過程を不安定領域が検出さ
れない区間まで反復して行う。次いで、前記段階(S93
0)で不安定領域が検出されないとき、そのときのスト
ローク電圧を維持させて運転する(S940)。このように
してストローク電圧は不安定領域のすぐ上部に存在する
ため、安定的かつ効率的な低騒音運転が可能になる。
【0077】ところが、コンプレッサーの運転中に不安
定領域が随時変動するため、最適運転を行うためには、
不安定領域を継続推定し、該不安定領域のすぐ上部にス
トロークが位置するように制御することが必要である。
そのために、前記段階(S940)でストローク電圧を一定
に維持しながら現在のストローク電圧で不安定領域が存
在するかを検出する。即ち、現在は不安定領域よりもΔ
s1だけ上昇した状態で運転しているため、不安定領域が
またΔs1だけ上昇したかを検出する。このとき、時間を
t2に設定し、該設定された時間が経過するまで継続して
不安定か否かを検出し、t2の時間内に不安定領域が存在
すると再びストロークをΔs1だけ増加させ(S935)、t2
の時間の間不安定領域が発生しないとき、不安定領域が
既に検出された点から下方に下がった可能性を鑑みてス
トロークをΔs2だけ減少させる(S960)。
【0078】このようにストロークをΔs2だけ減少させ
た後、不安定領域が存在するかを再び検出し(S930)、
不安定領域が存在するとき、所定時間(t2)が経過して
も不安定領域が下方移動してないと判断してストローク
をΔs1だけ上昇させた後(S935)、再びこの過程を反復
して不安定領域のすぐ上部にストロークが位置するよう
に調整する。
【0079】一方、ストロークをΔs2だけ減少させた
後、不安定領域を検出した結果、不安定領域が存在しな
いと、不安定領域が下方移動していると判断し、そのと
きのストロークを維持しながら所定時間(t2)が経過す
るまで不安定領域が上昇したかを判断して、所定時間
(t2)内に不安定領域が検出されるとストロークを上昇
させて不安定領域を回避させるが、所定時間(t2)内に
不安定領域が検出されないと不安定領域が下方移動して
いる可能性を鑑みて再びストロークをΔs2だけ減少させ
て運転する(S960)。このような過程を反復して行うこ
とにより、リニアコンプレッサーのストロークが常に不
安定領域のすぐ上部に位置されるため、安定的で低騒音
の運転が可能になる。
【0080】なお、リニアコンプレッサーの運転中、不
安定領域の発生可否によって区間別に運転するアルゴリ
ズムにおいては、図17に示したように、先ず、最適運転
を行うために外気温度をリードする(S1100 )。このよ
うに外気温度をリードする理由は、コンプレッサーの吐
出側及び吸入側の圧力(Pd、Ps)を推定するためで、こ
の段階では前記吐出側及び吸入側の圧力を直接検出して
も構わない。
【0081】次いで、前記段階(S1100 )で外気温度を
リードするため、不安定領域が発生しない区間(S1、S
3)と不安定領域が発生する区間(S2)とが区分され(S
1150、図16参照)、その結果、外気温度の低い(t1以下
の温度)区間(S1)では不安定領域が発生しないため、
一定ストローク電圧(V1)に制御して運転し(S120
0)、また、外気温度が高い(t2以上の温度)区間(S
3)でも不安定領域が発生しないため、一定ストローク
電圧(V3)に制御して運転するようになる(S1250 )。
一方、外気温度が中間(t1とt2間の温度)である区間
(S2)では、前記図16に示された最適運転点の探索及び
運転アルゴリズムにより運転される。
【0082】このように共振不安定領域の存在するか否
かを検出して区間別に区分してコンプレッサーを運転す
るため、不安定領域を回避して運転することが可能にな
り、よって、正常運転の際に安定的で低騒音の運転を行
うことができる。しかし、冷蔵庫の場合、正常運転中に
ドアが開放されたり、冷却器に霜が付いて熱交換が巧く
行われないときは、冷却器の温度が急に低くなって運転
が不安定になったり騒音が発生するという異常状態が発
生する。このように異常状態が発生すると、吸入側の圧
力(Ps)が非常に低下してコンプレッサーのピストンの中
心点が吸入側に移動するため、ストロークを小さくして
運転させた後、正常状態になると以前のストロークに復
帰させる。
【0083】図18に基づいて詳しく説明すると、先ず、
外気温度によって区間別(S1、S2、S3)にストロークを
制御する(S1500 )。このように制御を行いながら冷蔵
庫のドアが開放されているかを判断して(S1500 )、冷
蔵庫のドアが開放されてないと次の段階に進行して冷却
器の温度が極低温であるかを検出する。しかし、前記段
階(S1550 )で冷蔵庫のドアが開放されていると判断さ
れると、以前のストローク制御がどの区間で行われてい
るかに拘わらず、ストロークを小さくして、即ち、V1に
運転する(S1600 )。その後、冷蔵庫のドアが開放され
ているかの可否を継続して検出し(S1550 )、このよう
な検出過程を冷蔵庫のドアが閉まるまで反復する。
【0084】次いで、冷蔵庫のドアが閉まると、冷却器
などに霜が付いて熱交換が行われないことにより冷却器
の温度が極低温、例えば、-35 ℃以下に低下したかを検
出し(S1650 )、その結果、冷却器に問題がないと、即
ち、冷却器の温度が設定値以上であると異常状況が終了
したと判断して本来のストローク制御状態に復帰する
(S1500 )。
【0085】併し、前記段階(S1650 )で冷却器に問題
が発生して熱交換が行われないと、以前のストローク制
御状態に関係なくストロークをV1に小さくして運転させ
(S1600 )、その後、前記各段階(S1550 及びS1650 )
を反復して異常状態が終了したかを判断し、異常状態が
終了すると、ストロークを本来の状態に復帰させて区間
別(S1、S2及びS3)に運転させる(S1500 )。
【0086】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係るリニ
アコンプレッサーの制御装置及びその運転制御方法並び
にその偏差自動補正装置においては、センサーレススト
ローク推定器のような制御回路の部品偏差、コンプレッ
サー機械部品の特性偏差及び組立偏差などによる不安定
状態が発生するとき、相対座標値を利用してコンプレッ
サーの偏差を自動補正し、また、冷却モードによるスト
ローク指令値で運転して現在のストロークが不安定状態
であるときは、ストローク指令値を所定値だけ低下させ
て所定時間運転し、所定時間が経過すると、本来のスト
ローク値で運転するため、不安定状態を回避することが
可能で、また、冷却モードによるストローク指令値で運
転してコンプレッサーの吐出側及び吸入側の圧力若しく
は外気温度によって共振不安定領域が存在する区間を探
索し、共振不安定領域が存在する区間では共振不安定領
域を回避するため、リニアコンプレッサーの最適運転を
行い得るという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るリニアコンプレッサーの制御装置
を示したブロック図である。
【図2】図1 の不安定モニタ部におけるピストンの運動
周期を示した波形図である。
【図3】図1 の不安定モニタ部のモニタリング過程を示
したフローチャートである。
【図4】図1 のストローク指令値決定器において、スト
ローク指令値の決定過程の第1実施形態を示したフロー
チャートである。
【図5】図1 のストローク指令値決定器において、スト
ローク指令値の決定過程の第2実施形態を示したフロー
チャートである。
【図6】本発明に係るリニアコンプレッサーの偏差自動
補正装置を示したブロック図である。
【図7】図6 のストローク指令値決定器を示したブロッ
ク図である。
【図8】図6 のリニアオシレーティングモータにおい
て、吐出バルブ面の移動状態及びピストンの運動中心の
移動状態によるストローク偏差を示した周期波形図であ
る。
【図9】図6 のセンサーレスストローク推定器を示した
回路図である。
【図10】図6 のセンサーレスストローク推定器を示し
たブロックダイアグラムである。
【図11】図6 のチューニングポイント決定器におい
て、不安定状態が発生する区間を感知する過程を示した
説明図である。
【図12】図6 のチューニングポイント決定器におい
て、不安定状態が発生する区間をRAMP関数を利用して感
知する過程を示した説明図である。
【図13】冷却モードによる絶対座標値及び相対座標値
を示したテーブルである。
【図14】(A )はリニアコンプレッサーの吸入側及び
吐出側の圧力を検知する場合、(B )は外気温度により
圧力を推定する場合、それぞれのリニアコンプレッサー
の共振不安定領域の存在の有無を示した図である。
【図15】リニアコンプレッサーの最適運転点の探索及
び運転アルゴリズムを示した説明図である。
【図16】リニアコンプレッサーの最適運転点の探索及
び運転アルゴリズムを示したフローチャートである。
【図17】リニアコンプレッサーの不安定領域が存在す
るか否かによって区間別に運転するアルゴリズムを示し
たフローチャートである。
【図18】リニアコンプレッサーの運転中、異常状態が
発生したときの運転アルゴリズムを示したフローチャー
トである。
【図19】従来のリニアコンプレッサーを示したブロッ
ク図である。
【図20】図19の各部の信号を示した波形図である。
【図21】図19において、リニアオシレーティングモー
タを逆起電力のあるR −L 回路で模型化したときの等価
回路図である。
【図22】図19において、吸入及び吐出圧によるピスト
ンの運動周期を示した波形図である。
【図23】図19において、吸入、圧縮及び吐出過程を経
由しながら非線形に変化するピストンに与えられるパワ
ー(Fp)を示した波形図である。
【図24】図19において、吸入及び吐出圧によるピスト
ンの運動周期に対して不安定な場合と安定な場合とをそ
れぞれ示した波形図である。
【符号の説明】
10…リニアオシレーティングモータ 20…電気回路部 30…制御部 31…ストローク指令値決定器 32…センサーレスストローク推定器 33…ストローク制御器 34…ゼロクロス検出部 35…タイマー 36…不安定モニタ部 37…冷却モード決定器 38…チューニングポイント決定器 S1、S3…共振不安定領域が存在しない区間 S2…共振不安定領域が存在する区間 Pd…吐出側圧力 Ps…吸入側圧力 Δs1…ストローク電圧増加圧 Δs2…ストローク電圧減少圧 V1…下限点ストローク電圧 V2…上限点ストローク電圧 V3…不安定領域のストローク電圧
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (31)優先権主張番号 46589/1999 (32)優先日 平成11年10月26日(1999.10.26) (33)優先権主張国 韓国(KR)

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ゲート駆動信号に従って交流電源を断続
    させることにより、ストロークを可変させて冷却力を調
    節するリニアオシレーティングモータに印加される電力
    を制御する電気回路部と、温度情報に従うストローク指
    令値と前記モータに印加されるストローク電圧により追
    従されたストロークとを一致させるためのゲート駆動信
    号を前記電気回路部に提供する制御部とを備えたリニア
    コンプレッサーの制御装置において、 前記制御部は、 入力される温度情報による冷却モードを決定して出力す
    る冷却モード決定器と、 前記リニアオシレーティングモータに供給されるストロ
    ーク電圧を受けてストローク値及び電流情報を推定し、
    該推定されたストローク値及び電流情報を出力するセン
    サーレスストローク推定器と、 該センサーレスストローク推定器から出力されるストロ
    ーク値及び電流情報を利用して不安定が発生したか否か
    をモニタリングし、該モニタリング情報を出力する不安
    定モニタ部と、 該不安定モニタ部から出力される安定か否かについての
    情報及び前記冷却モード決定器により決定された冷却モ
    ードから総合的状況を考慮して最適ストローク指令値を
    決定するストローク指令値決定器と、 前記センサーレスストローク推定器により推定されたス
    トロークが前記ストローク指令値決定器により決定され
    たストローク指令値に適切に推定されるように制御し、
    それに従ってタイマー指令値を出力するストローク制御
    器と、 入力される電圧波形からゼロクロスポイントを検出し、
    それに対応するゼロクロス信号を出力するゼロクロス検
    出器と、 該ゼロクロス検出器から出力されるゼロクロス信号が出
    力される時点に、前記ストローク制御器により推定され
    た推定値に従ってゲート駆動信号を提供するタイマー
    と、 を備えて構成されたことを特徴とするリニアコンプレッ
    サーの制御装置。
  2. 【請求項2】 冷却モード指令値に対応するストローク
    指令値を設定する第1 段階と、 タイマーが駆動か否かをチェックする第2 段階と、 タイマーが未駆動状態であるとき、現在ストロークの不
    安定状態をチェックする第3 段階と、 不安定状態であるとき、前記設定されたストローク指令
    値を所定値だけ低下させて所定時間運転し、安定状態で
    あるとき、前記設定されたストローク指令値で運転する
    第4 段階と、 前記第2 段階でタイマーが駆動状態であるとき、該当時
    間が経過すると現在駆動中のストローク指令値を本来の
    ストローク指令値に復帰させて運転する第5 段階と、 を順次行うことを特徴とするリニアコンプレッサーの運
    転制御方法。
  3. 【請求項3】 冷却モード指令値に対応するストローク
    指令値を設定する第1 段階と、 現在のストロークが安定状態であるか、不安定状態であ
    るかをチェックする第2 段階と、 不安定状態であるとき、前記第1 段階で設定されたスト
    ローク指令値を所定値だけ低下させて所定時間運転する
    第3 段階と、 安定状態であるとき、タイマーが駆動か否かをチェック
    する第4 段階と、 タイマーが未駆動状態であるとき、前記第1 段階で設定
    されたストローク指令値を出力し、タイマーが駆動状態
    であるとき、該当時間が経過すると現在駆動中のストロ
    ーク指令値を本来のストローク指令値に復帰させて運転
    する第5 段階と、 を順次行うことを特徴とするリニアコンプレッサーの運
    転制御方法。
  4. 【請求項4】 ゲート駆動信号に従って交流電源を断続
    させることにより、ストロークを可変させて冷却力を調
    節するリニアオシレーティングモータに印加される電力
    を制御する電気回路部と、温度情報に従うストローク指
    令値と前記モータに印加されるストローク電圧により追
    従されたストロークとを一致させるためのゲート駆動信
    号を前記電気回路部に提供する制御部とを備えたリニア
    コンプレッサーの偏差自動補正装置において、 前記制御部は、 前記リニアオシレーティングモータに供給されるストロ
    ーク電圧を受けてストローク値及び電流情報を推定して
    出力するセンサーレスストローク推定器と、 該センサーレスストローク推定器から出力される情報を
    受けて現在の状態が安定状態であるか、不安定状態であ
    るかをモニタリングする不安定モニタ部と、 該不安定モニタ部から不安定情報が提供されると、前記
    センサーレスストローク推定器から推定されたストロー
    ク値からチューニングポイントを決定して出力するチュ
    ーニングポイント決定器と、 該チューニングポイント決定器により決定されたチュー
    ニングポイント及び外部からの温度情報を利用してスト
    ローク指令値を決定するストローク指令値決定器と、 前記センサーレスストローク推定器により推定されたス
    トロークが前記ストローク指令値決定器により決定され
    たストローク指令値に適切に推定されるように制御し、
    それに従うタイマー指令値を出力するストローク制御器
    と、 入力される電圧波形からゼロクロスポイントを検出し、
    それに対応するゼロクロス信号を出力するゼロクロス検
    出器と、 該ゼロクロス検出器から出力されるゼロクロス信号が出
    力される時点に、前記ストローク制御器により推定され
    た推定値に従ってゲート駆動信号を提供するタイマー
    と、を備えて構成されたことを特徴とするリニアコンプ
    レッサーの偏差自動補正装置。
  5. 【請求項5】 前記ストローク指令値決定器は、 入力される温度情報に従って起動状態であるか冷却状態
    であるかを判断し、チューニングモード及び冷却モード
    中の何れか1 つを選択する冷却モード決定器と、 該冷却モード決定器の出力に従って該当するモードにス
    イッチングする第1 スイッチと、 前記冷却モード決定器が起動モードであると判断した場
    合、チューニングを行うためのストローク指令値を出力
    するチューニングモード制御器と、 前記冷却モード決定器が冷却モードであると判断し、更
    に現在のストロークが不安定状態である場合、第1 、第
    2 、... 第n 冷却モードに従うストローク指令値を相対
    座標値を利用して補正し、該補正されたストローク指令
    値を出力する冷却モード制御部と、 前記チューニングモード制御器及び前記冷却モード制御
    部からそれぞれ出力されるストローク指令値を前記スト
    ローク制御器に提供する第2 スイッチと、を備えて構成
    されることを特徴とする請求項4 記載のリニアコンプレ
    ッサーの偏差自動補正装置。
  6. 【請求項6】 前記チューニングポイント決定器は、前
    記センサーレスストローク推定器により推定されたスト
    ロークを段階的に増加させながらスキャニングを行って
    チューニングポイントを決定することを特徴とする請求
    項4 記載のリニアコンプレッサーの偏差自動補正装置。
  7. 【請求項7】 前記チューニングポイント決定器は、前
    記センサーレスストローク推定器により推定されたスト
    ロークを緩慢なRAMP関数を使用してスキャニングを行っ
    てチューニングポイントを決定することを特徴とする請
    求項4 記載のリニアコンプレッサーの偏差自動補正装
    置。
  8. 【請求項8】 リニアコンプレッサーの吐出側及び吸入
    側の圧力(Pd、Ps)または外気温度に基づいて共振不安
    定領域が存在する区間と共振不安定領域が存在しない区
    間とを設定して、共振不安定領域が存在しない区間で
    は、低いか或いは高い一定ストローク電圧で制御する
    が、一方、共振不安定領域が存在する区間では、共振不
    安定領域を探索して前記共振不安定領域のすぐ上部にス
    トローク電圧を維持させて運転することを特徴とするリ
    ニアコンプレッサーの運転制御方法。
  9. 【請求項9】 リニアコンプレッサーの吐出側及び吸入
    側の圧力(Pd、Ps)が所定圧力以下である区間と、前記
    両圧力が所定圧力以上である区間と、を共振不安定領域
    が存在しない区間に設定し、前記両区間間の区間を共振
    不安定領域が存在する区間に設定することを特徴とする
    請求項8 記載のリニアコンプレッサーの運転制御方法。
  10. 【請求項10】 リニアコンプレッサーの外気温度が所
    定温度以下の低温区間とリニアコンプレッサーの外気温
    度が所定温度以上の高温区間とを共振不安定領域が存在
    しない区間に設定し、前記両温度間の温度区間を共振不
    安定領域が存在する区間に設定することを特徴とする請
    求項8 記載のリニアコンプレッサーの運転制御方法。
  11. 【請求項11】 共振不安定領域が存在しない区間では
    高いか或いは低い一定のストローク電圧で制御し、共振
    不安定領域が存在する区間では最適運転点を探索しスト
    ローク電圧を変動させて制御することを特徴とする請求
    項8 〜10の何れか1 つに記載のリニアコンプレッサーの
    運転制御方法。
  12. 【請求項12】 共振不安定領域が存在する区間では、
    ストローク値をストローク電圧の下限点から所定電圧値
    ずつ増加させながら不安定領域を探索し、不安定領域を
    検出すると、更に所定電圧値を増加させてストロークを
    不安定領域の上部で一定に維持させ、所定時間が経過す
    ると、ストローク電圧値を所定値ずつ減少させ、不安定
    領域が検出されると、再びストローク値を増加させて最
    適の運転点が常に不安定領域の上部に位置するように制
    御することを特徴とする請求項10記載のリニアコンプレ
    ッサーの運転制御方法。
  13. 【請求項13】 ストローク値がゼロ値から下限点に到
    達するまでは、単純に加速させて探索時間を減少させる
    ことを特徴とする請求項12記載のリニアコンプレッサー
    の運転制御方法。
  14. 【請求項14】 所定ストローク電圧または変動ストロ
    ーク電圧で制御中に異常状態が発生すると、ストローク
    を小さく運転させ、正常状態になると再び以前のストロ
    ークに復帰させることを特徴とする請求項11記載のリニ
    アコンプレッサーの運転制御方法。
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