JP2000144605A - レールの電気絶縁カバー - Google Patents

レールの電気絶縁カバー

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JP2000144605A
JP2000144605A JP10316435A JP31643598A JP2000144605A JP 2000144605 A JP2000144605 A JP 2000144605A JP 10316435 A JP10316435 A JP 10316435A JP 31643598 A JP31643598 A JP 31643598A JP 2000144605 A JP2000144605 A JP 2000144605A
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Japan
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rail
insulating cover
electric insulating
plate
iron
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JP10316435A
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English (en)
Inventor
Masato Nagashima
雅登 永島
Yasushi Kubota
恭嗣 久保田
Tomomi Funada
智巳 船田
Toru Kamiyama
徹 上山
Hideyuki Yamada
英行 山田
Souichirou Ueda
奏一朗 上田
Masaki Hara
正樹 原
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Navitas Co Ltd
Nippon Steel Corp
Mutsubushi Rubber Co Ltd
Central Japan Railway Co
Original Assignee
Navitas Co Ltd
Nippon Steel Corp
Mutsubushi Rubber Co Ltd
Central Japan Railway Co
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 鉄まくらぎ線路における信号電流の漏出、並
びに、鉄まくらぎ敷設時のレール間の電気短絡事故を防
止する。 【解決手段】 長さを鉄まくらぎの幅より長くし、レー
ルフランジの上部側の外縁に堰壁を設け、かつ、レール
フランジの下部側の両端に水切壁を設けて、レールに降
った雨、或いは台風によってレールに降った海水の飛沫
等が鉄まくらぎに流下しないようにしてなる一体式電気
絶縁カバー。 【効果】 降雨や台風による海水の飛沫に対する電気絶
縁性に優れると共に、鉄まくらぎ敷設時の電気絶縁段取
り及びその片付け作業が省ける。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、鉄まくらぎを用い
た鉄道のレール締結装置に使用するものであり、該締結
装置における信号電流等の漏電を防止するレールの電気
絶縁カバーに関するものである。
【0002】
【従来の技術】鉄道を構成するレールは、踏切開閉遮断
機を操作するための信号電流その他列車走行に関する制
御電流を流すための導電の役割をも果たしている。鉄ま
くらぎを用いた鉄道における従来のレール締結装置は、
鉄まくらぎとレールフランジとの間、及びレールフラン
ジ上面に電気絶縁板を敷設し、レールフランジ上面に敷
設したその電気絶縁板を鋼製レールクリップを用いて押
圧し、或いはボルトの締結力で押圧することによりレー
ルを締結する方式が採用されている。従って、レールを
流れる信号電流はそのレールが前者および後者の電気絶
縁板によって鉄まくらぎから、電気的に絶縁されている
ため、鉄まくらぎを介してバラストへ漏出したり、隣り
合うレールと短絡したりしない。
【0003】信号電流等の漏出防止性能を更に向上させ
るために、レールフランジの両端高さと同一の側壁を介
して、鉄まくらぎとレールフランジと間の電気絶縁板
と、レールフランジ上面に設けた電気絶縁板とを連続さ
せた一体形の電気絶縁カバーが、実開昭59−1440
01号公報、及び実開昭59−144002号公報に開
示されている。
【0004】従来のレール用一体形電気絶縁カバーに
は、図9の断面図に示したように、基板24、側板25
及び傾斜上面板23からなり、レールフランジの両端が
位置するような隅部に、縦長溝20が具備されており、
縦長溝20は、そのレール用一体形電気絶縁カバーをレ
ールに装着する際、レールフランジの上面に敷設される
傾斜上面板が開き易くするために設けられている。
【0005】そのレール用一体形電気絶縁カバーを組み
付けた線路は、降雨時に縦長溝20内に雨水が侵入し溜
るので、雨が止んだ後、しばらくの間はレールが乾いて
も列車が走行する際、縦長溝20内の溜水が染み出し、
その流出した雨水がレール締結装置を濡らしてバラスト
表面に付着している雨水と連結する。その雨水の連結に
よって、レールを流れる信号電流はバラストへ流出する
という問題が生じる。
【0006】また、カーブしている線路は、列車が円滑
に走行できるように、外側レールが内側レールより高く
なっている。このため、列車がカーブした線路を走行す
る度毎に、レールが車輪から下方へ押されるため、レー
ルフランジ横に位置する電気絶縁材は繰返し押圧され
る。その電気絶縁材が護謨等の弾性体で構成されている
ため、その押圧部が劣化、摩耗することにより、ひび割
れし、そのひび割れに雨水が浸透し、レールと鉄まくら
ぎが短絡するという問題が発生すると共に、その摩耗の
ためレール精度が狂う原因となるという問題があった。
【0007】前述の事情により、鉄まくらぎを用いた鉄
道は、木製まくらぎやコンクリートまくらぎを用いた鉄
道と同様に、レール、鉄まくらぎ及び、レールと鉄まく
らぎとの締結装置の各々の全表面が雨で濡れたり、前述
の溜水の染み出しによって濡れるため、前述のひび割れ
へ雨水が浸透することにより、レールを流れる信号電流
がレール外へ漏洩し、そのレール中を流れる信号電流は
到達距離が長くなる程に弱くなるという問題があった。
【0008】鉄まくらぎを用いた鉄道は、信号電流の漏
出は、まくらぎそのものが、電気良導体であるというこ
とで、殊更に漏電し易いように誤解されて、その普及が
阻害されるという問題があった。
【0009】一方、鉄まくらぎを用いた鉄道は、木製ま
くらぎやコンクリートまくらぎよりも耐久性に優れてい
る。そこで、降雨時において、或いは台風によって生じ
る海水飛沫の到来時において、雨や海水に起因する信号
電流の漏出を妨げる技術の出現が関係者の間で熱望され
ていた。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記要望を
充足するものであって、鉄まくらぎを用いた鉄道のレー
ル締結装置において、レールを流れる信号電流が漏出し
ないようにするレールの電気絶縁カバーを提供すること
を目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明は、 1.レールフランジ(4)に嵌合し、鉄まくらぎ(2)
とレールフランジ(4)間に挟持され、中央上部が解放
された電気絶縁カバー(3)であって、鉄まくらぎの幅
より長い幅を有する基板(8)と、基板からほぼ直立す
る側板(11)と、側板と連設しレールフランジ(4)
上面と当接する傾斜上面板(9)とからなり、前記基板
にはその幅方向下面の両外縁に水切壁(10)を設け、
前記側板の両端縁にも前記水切壁(10)に連続する堰
壁(22)を設置しすると共に、前記傾斜上面板(9)
の外縁に堰壁(7)を前記堰壁(22)と連続して設た
ことを特徴とするレールの電気絶縁カバーである。上記
電気絶縁カバー(3)は、弾性体、特に、護謨或いはナ
イロンで成形されていることが好ましい。また、 2.前記電気絶縁カバーにおいて、その側板(11)中
に、電気絶縁カバー(3)より硬質の補強板(17)を
埋設したことを特徴とするレールの電気絶縁カバーであ
る。そして、上記補強板(17)が側板(11)の幅に
ほぼ相当する長さの連続した一体物であること、また、
その補強板(17)は硬質合成樹脂で形成されているこ
とが好ましい。
【0012】このように本発明を構成することにより、
レールに流れる雨水を鉄まくらぎと接触しないように、
その雨水の流路を定めることによって、更には、レール
フランジの端部に位置する側壁内に硬質の埋込板を埋設
し、列車走行時のレールの振動を緩和することによっ
て、レール中を流れる信号電流の漏出を防止するもので
ある。
【0013】
【発明の実施の形態】以下に本発明をさらに詳細に説明
する。本発明は、鉄まくらぎとレールフランジとの間に
そのレールフランジに嵌合して介設される電気絶縁カバ
ーにおいて、レールフランジ上面に接して設けた電気絶
縁カバーの傾斜状面板外縁に、レールに降った雨が鋼製
レールクリップ等のレール締結具側へ流れ込むことがで
きない高さの堰壁を設け、レールフランジ下面に介設さ
れる電気絶縁カバー基板の幅方向(すなわちレール長さ
方向)の両端部間の長さが、鉄まくらぎの幅より長く、
この鉄まくらぎの幅端から離れる位置の基板下側に突出
した水切壁を設けると共に、電気絶縁カバーの両側の側
板両端に、前記堰壁と水切壁に連続した堰壁を設ける。
【0014】堰壁や水切壁を構成する電気絶縁材は、護
謨又はナイロン等の弾性体で形成されており、これら
は、降った雨を表面張力により丸める機能を有するか
ら、瞬時に落下させる。その電気絶縁カバーの材質が護
謨である場合には、スチレン・ブタジエンゴム(SB
R),クロロプレンゴム(CR)又はエチレン・プロピ
レンゴム(EPDM)などを用い、ナイロンである場合
には繊維強化されたものを用いる。
【0015】さらに、レールフランジの端部に位置する
側板内に硬質の押込板を埋設し、列車走行時のレールの
振動を緩和することによって、電気絶縁カバーにひび割
れが生じることを防止し、雨水が浸透して電流の短絡を
可能とするひび割れを無くする。
【0016】以上の如く、本発明の電気絶縁カバーは、
降雨時によって生じるレールを流れる信号電流の流出を
防止するものである。本発明は、レール1に降り注ぐ雨
の排水を極めて簡易な方法で2系統に分離させること
を、鋭意努力して知見し、これまで不可能とされていた
降雨によって生じる信号電流の漏出を阻止ならしめてい
る。
【0017】本発明の電気絶縁カバーにおけるレールフ
ランジの下面に介設される電気絶縁基板に設けた水切壁
は、この電気絶縁カバーをレールに取り付ける際、その
電気絶縁カバーを、レール長手方向と直角方向に、反レ
ールフランジ側に弾性湾曲変形することができる壁高さ
にしている。このため、本発明の電気絶縁カバーはレー
ルフランジの下方から容易にレールフランジの任意の位
置に嵌合させることができる(嵌合方法は図6に基づい
て後述している。)。従って、既設まくらぎを撤去し
て、そこに鉄まくらぎを敷設する場合においては、本発
明の電気絶縁カバーを、その鉄まくらぎが締結されるレ
ールの位置に容易に取り付けることができる。
【0018】
【実施例】以下本発明を図に示す実施例に基づいて詳細
に説明する。図1は本発明の電気絶縁カバーをレールに
取り付けた状態の実施例を斜視図で示したもので、電気
絶縁カバー3は、レール1と鉄まくらぎ2の間に挟持さ
れ、かつ、レールフランジ4の表面に被せられ、レール
クリップ5を介してレール1に組み付けられている。
【0019】レールクリップ5は、その片側軸が鉄まく
らぎ2に固着されている台座6に係止され、他側軸が台
座6を押圧することにより、中央軸がレールフランジ4
の上面にある電気絶縁カバー3の傾斜上面板9をその上
側表面に設けた当金21を介して押圧し、傾斜上面板9
の下に所在するレールフランジ4を、電気絶縁カバー3
の基板8を介して鉄まくらぎ2に締結している。
【0020】図2乃至図4は本発明のエチレン・プロピ
レンゴム(EPDM)で成形された電気絶縁カバー3を
示すもので、基板8と、側板11と、傾斜上面板9とか
らなっている。基板8はレールフランジ4の底面と鉄ま
くらぎ2との間に介在するものであり、その幅方向の長
さは鉄まくらぎの幅長さより大きく構成しており、該基
板8下面の幅方向両端縁の全域に、前記下面より突出す
る水切壁10が設けられている。図1に示したように、
電気絶縁カバー3をレール1に組み付けて鉄まくらぎ2
に締結した場合、各々の水切壁10、10は鉄まくらぎ
2の幅方向両端から離れている。
【0021】また、側板11は、レールフランジ4の側
面に当接される位置、すなわち基板8のレール1の幅方
向に相当するの両側に、基板8よりほぼ垂直に立設連結
され、傾斜上面板9は、レールフランジ4の上面を被覆
し当接するごとく各側板11より屈折傾斜させて連結さ
れ、かつ、各傾斜上面板9における周縁及び各側板11
のレール1の長手方向端部には、各板9、11の表面よ
り突出する堰壁7及び堰壁22を連設している。
【0022】レール1のヘッド13、ウエブ12、レー
ルフランジ4に降った雨は、図1に示したように低い方
へ流れ、鉄まくらぎ2の存在する部分においては、レー
ルフランジ4の上面に電気絶縁カバー3の堰壁7がある
ため、堰壁7に沿ってレール長手方向の両端へ流れ、次
いで堰壁22に沿って流れ、さらに堰壁22に連続する
水切壁10を伝ってバラスト15へ落下する。以下この
ように流下する雨水を「A」という。
【0023】また、電気絶縁カバー3の傾斜上面板9の
上面に降った雨は、その上面を伝って鉄まくらぎ2へ流
下する。以下この流下する雨水を「B」というが、その
流下する雨水Bは傾斜上面板9の外側縁にある堰壁7、
側板11の両端にある堰壁22、基板8の下側両端にあ
る水切壁10のために雨水Aと合流することなくバラス
ト15へ落下したり、鉄まくらぎ2の上面に流下する。
【0024】更に、堰壁7上に降った雨は、堰壁7がエ
チレン・プロピレンゴム(EPDM)で構成されている
ため、降った雨は表面張力により丸まって、瞬時に堰壁
7から落下し、雨水Aと雨水Bとは合流しない。そし
て、レールフランジ4の下面とバラスト15表面の間に
隙間があるため、雨水Aと雨水Bは合流することなく独
立してバラスト15の上面へ落下する。
【0025】浸水した状態でない限り、雨水Aはレール
フランジ4とバラスト15の上面の間を連続しないか
ら、レール1を流れる信号電流は雨水Aを伝ってバラス
ト15の上面を濡らしている雨水へ流出しない。以上の
事由により、レール1中を流れる信号電流は雨水を介し
てバラスト15の上面へ流出しない。尚、図1中の矢印
は雨水の流れ方向を表す。
【0026】図5に示しているように、水切壁10の下
端中央に溝16を設けると、雨水Aと雨水Bの各々の水
切性が更に良くなって、電気絶縁性はより向上する。
【0027】線路を列車が通過する際、レール1が振動
するので、電気絶縁カバー3の堰壁7、堰壁22および
水切壁10の表面張力現象による水玉の転がりが促進さ
れるので、信号電流の漏出がより少なくなる。
【0028】図6は、電気絶縁カバー3を鉄まくらぎ2
の上面に取り付ける手順を示したもので、同図(a)に
示す電気絶縁カバー3は、同図(b)に示すように、そ
の片側の傾斜上面板9で形成されている空隙に、鉄まく
らぎ2が位置する部分のレールフランジ4を嵌合した
後、他側の傾斜上面板9で形成される空隙に、基板8を
少し曲げてその空隙を広げ、レールフランジ4の他側を
その空隙に嵌め込むことによって電気絶縁カバー3をレ
ールフランジ4の所要位置に組み付ける。所要位置に組
み付けられたレール1を、図(d)に示すように鉄まく
らぎ2の台座6間に載置してから、図1に示すようにレ
ールクリップ5で、レール1を鉄まくらぎ2に締結す
る。
【0029】電気絶縁カバー3の取付作業は、水切壁1
0と鉄まくらぎ2の端とに間隙があるため、鉄まくらぎ
2に対するレール1の長さ方向の取付位置は精度を要し
ないから、従来の電気絶縁カバーのそれよりも簡易にな
る。
【0030】線路に敷設されている既設まくらぎを新し
い鉄まくらぎ2に取り替える場合、先ず、取り替えられ
る既設まくらぎの周辺のバラスト15を除去し、その
後、その既設まくらぎをレール下からそのレールに対し
直角方向に引出し、次いで、新しい鉄まくらぎ2を、そ
の既設まくらぎのあった位置に、レール下からそのレー
ルに対し直角方向に挿入するという作業を行なう。
【0031】かかる作業を行なう場合、新しい鉄まくら
ぎ2を挿入する際、或いは、前述の引出す既設まくらぎ
が鉄まくらぎであるときは、その鉄まくらぎが対向レー
ル1、1の双方に同時に接触すると、レールを流れてい
る信号電流が短絡し、信号の制御が乱れ、列車の運行に
重大な支障をきたす。
【0032】このような事由から、その鉄まくらぎが対
抗レール1、1に接触しないようにするため、その鉄ま
くらぎの引出しや挿入の作業は、その鉄まくらぎと締結
されるレール1、1の所定の位置にウエス等の電気絶縁
材を予め巻き付けた後、行なわれていた。この鉄まくら
ぎの引出しや挿入作業は、炎天下や寒風下の野外作業或
いは夜間作業であることが多く、このような作業環境下
で行なうレール1、1へのウエス等の電気絶縁材の巻き
付けやその除去作業は、作業者にとって大変煩わしく長
時間を要する。
【0033】しかし、本発明の電気絶縁カバー3を、鉄
まくらぎの引出しや挿入作業を行なう前に、予め、レー
ル1、1の所定の位置に装着しておくだけで、レール
1、1へのウエス等の電気絶縁材の巻き付けやその除去
作業が不要となり、前述の接触を予防できることとなっ
た。
【0034】図9は、従来のレール用一体形電気絶縁カ
バーの断面側面図を示したものであるが、この電気絶縁
カバーは、レールに組み付ける際、レールフランジの側
面に当接する部分の付け根を折り曲げることによって、
傾斜上面板23をレールフランジの上面に当接できるよ
うにするために、基盤24の両端に縦長溝20を設けて
あり、また、この電気絶縁カバーは鉄まくらぎより短
い。従って、カーブしているレールに従来の前述の電気
絶縁カバーが使用された場合、降雨により縦長溝20内
に侵入して溜った雨水は、列車通過時の車輪荷重によっ
てレールフランジの側面が下方に微少ながら下がるため
に、縦長溝20が圧迫されて流出し、鉄まくらぎに流下
する。
【0035】このため、流出したその雨水はレールと鉄
まくらぎを連続して濡らすことなり、レールと鉄まくら
ぎは電気的に短絡する現象が生じる。また、レールフラ
ンジの側面が下方に微少ながら下がる現象が繰り返され
ることによって、レールフランジの当接部が劣化により
摩耗・ひび割れし、その摩耗・ひび割れ部に雨水が侵入
して前述と同様にレールと鉄まくらぎは電気的に短絡す
る現象が生じる。
【0036】しかしながら、レール用一体形電気絶縁カ
バーにおいて、縦長溝20を無くし、かつ、その電気絶
縁カバーの長さを鉄まくらぎの幅よりも長くすれば、図
7に示すような列車がカーブを通過する際、従来に比し
て、電気絶縁カバーの側壁に掛かる単位面積当りの荷重
が小さくなり、摩耗・ひび割れが生じなくなる。従っ
て、雨水の侵入に起因する電気的に短絡する現象が生じ
ない。もし、摩耗・ひび割れが生じて、溜った雨水が流
下するようなことが生じたとしても、その雨水は鉄まく
らぎの外側に流下するため、雨水の侵入に起因する電気
的に短絡する現象が生じない。
【0037】更に、図7に示すように列車がカーブを通
過する際、従来に比して、電気絶縁カバーの側板に掛か
る単位面積当りの荷重が小さくなるため、レールの据付
精度の狂いが生じにくくなる。さらに本発明において
は、列車車輪からレールが押されて生じるレールの振動
は、側板11の中に合成樹脂等の硬質の補強板17を埋
設して(図7、図8)、列車車輪からレール1が押され
て生じる側板11の変形を減少することにより、レール
の振動を更に緩和することができる。
【0038】その補強板17は、側板11の長さにほぼ
相当する長さの連続した一体物として、側板11中にレ
ールフランジと平行に埋設される構造とするのが好まし
い。また補強板17は、電気絶縁カバーの材質との接合
面を劣化させない種類のものとするのが良く、従って、
その電気絶縁カバーの材質と同系統の硬質合成樹脂を用
いるのが望ましい。
【0039】
【発明の効果】本発明の電気絶縁カバーを木製まくらぎ
やコンクリートまくらぎを用いた線路に使用した場合
は、レールに伝わって流れ落ちる雨水Aが、雨水で濡れ
ているバラストとの間を連続しない限り、鉄まくらぎを
用いた線路に電気絶縁カバーを使用した時と同様に、降
雨時における電気絶縁性に優れる。
【0040】また、台風によって生じた飛沫海水が線路
に到来した場合も、原理的には雨が飛沫海水に入れ替わ
っただけであるから、前述の降雨の場合と同様な理由で
電気絶縁性に優れる。
【0041】更には、列車内で発生する冷房機のドレン
水や洗面所の排水が線路に流出した場合においても、前
述の降雨の場合と同様な理由で電気絶縁性に優れる。そ
して、本発明の電気絶縁カバーは、前述の説明の如く、
レールへの取付作業は非常に簡易である。従って、本発
明の電気絶縁カバー3は、鉄まくらぎを用いた線路に限
らず、木製まくらぎやコンクリートまくらぎをも用いた
全ての鉄道に使用できるから、降雨時における信号機器
全体の信頼性を向上させることができる。
【0042】また、カーブしているレールの据付精度
は、狂い易すく、列車の脱線事故を未然に防ぐために、
特に注意して整備・精度監視がされているものであるこ
とから、本発明の電気絶縁カバー3は列車の安全運行に
対し絶大な寄与をすることとなる。以上説明した通り、
本発明の電気絶縁カバー3によってもたらされる効果は
極めて大きい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の電気絶縁カバーを、鉄まくらぎを用い
た鉄道レールに組み付けた実施例を示す斜視図。
【図2】本発明電気絶縁カバーの実施例を示す平面図。
【図3】本発明電気絶縁カバーの一部を断面にした実施
例を示す側面図。
【図4】本発明電気絶縁カバーの実施例を示す正面図。
【図5】本発明電気絶縁カバーの別の実施例を示す正面
図。
【図6】(a),(b),(c),(d)は本発明の電
気絶縁カバーを鉄まくらぎに組み付ける手順を示す説明
図。
【図7】列車がカーブを通過する際、補強板を埋設した
本発明電気絶縁カバーの組付状況を示す説明図。
【図8】補強板を埋設した本発明電気絶縁カバーの一部
を断面にした実施例を示す側面図。
【図9】従来の電気絶縁カバーを示す断面側面図。
【符号の説明】
A‥‥‥雨水 B‥‥‥雨水 1‥‥‥レール 2‥‥‥鉄まくらぎ 3‥‥‥電気絶縁カバー 4‥‥‥レールフランジ 5‥‥‥レールクリップ 6‥‥‥台座 7‥‥‥堰壁 8‥‥‥基板 9‥‥‥傾斜面 10‥‥‥水切壁 11‥‥‥側板 12‥‥‥ウエブ 13‥‥‥ヘッド 15‥‥‥バラスト 16‥‥‥凹部 17‥‥‥補強板 18‥‥‥車輪 20‥‥‥縦長溝 21‥‥‥当金 22‥‥‥堰壁 23‥‥‥傾斜上面板 24‥‥‥基盤 25‥‥‥側板
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (71)出願人 000252207 六菱ゴム株式会社 兵庫県神戸市長田区若松町9丁目1番30号 (72)発明者 永島 雅登 北九州市八幡東区川淵町9−27 太平工業 株式会社八幡支店内 (72)発明者 久保田 恭嗣 名古屋市中川区長良町1−1 東海旅客鉄 道株式会社技術部技術開発センター内 (72)発明者 船田 智巳 名古屋市中川区長良町1−1 東海旅客鉄 道株式会社技術部技術開発センター内 (72)発明者 上山 徹 東京都千代田区大手町2−6−3 新日本 製鐵株式会社内 (72)発明者 山田 英行 君津市君津1番地 新日本製鐵株式会社君 津製鐵所内 (72)発明者 上田 奏一朗 神戸市長田区若松町9−1−30 六菱ゴム 株式会社技術部内 (72)発明者 原 正樹 神戸市長田区若松町9−1−30 六菱ゴム 株式会社技術部内 Fターム(参考) 2D056 AD07

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 レールフランジ(4)に嵌合し、鉄まく
    らぎ(2)とレールフランジ(4)間に挟持され、中央
    上部が解放された電気絶縁カバー(3)であって、鉄ま
    くらぎの幅より長い幅を有する基板(8)と、基板から
    ほぼ直立する側板(11)と、側板と連設しレールフラ
    ンジ(4)上面と当接する傾斜上面板(9)とからな
    り、前記基板にはその幅方向下面の両外縁に水切壁(1
    0)を設け、前記側板の両端縁にも前記水切壁(10)
    に連続する堰壁(22)を設置しすると共に、前記傾斜
    上面板(9)の外縁に堰壁(7)を前記堰壁(22)と
    連続して設たことを特徴とするレールの電気絶縁カバ
    ー。
  2. 【請求項2】 電気絶縁カバー(3)が弾性体で形成さ
    れたことを特徴とする請求項1に記載のレールの電気絶
    縁カバー。
  3. 【請求項3】 弾性体が護謨或いはナイロンであること
    を特徴とする請求項2に記載のレールの電気絶縁カバ
    ー。
  4. 【請求項4】 側板(11)中に、電気絶縁カバー
    (3)より硬質の補強板(17)を埋設したことを特徴
    とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載のレールの
    電気絶縁カバー。
  5. 【請求項5】 補強板(17)が側板(11)の幅にほ
    ぼ相当する長さの連続した一体物であることを特徴とす
    る請求項4に記載のレールの電気絶縁カバー。
  6. 【請求項6】 補強板(17)が硬質合成樹脂であるこ
    とを特徴とする請求項5に記載のレールの電気絶縁カバ
    ー。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN102094368A (zh) * 2010-12-17 2011-06-15 中国西电电气股份有限公司 一种电动平车轨道及施工方法
CN116623477A (zh) * 2023-03-31 2023-08-22 北京首铁创联科技有限责任公司 一种组合式可更换绝缘隔离系统

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