JP2000144238A - 被覆鋼材の焼入れ方法 - Google Patents

被覆鋼材の焼入れ方法

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JP2000144238A
JP2000144238A JP10325617A JP32561798A JP2000144238A JP 2000144238 A JP2000144238 A JP 2000144238A JP 10325617 A JP10325617 A JP 10325617A JP 32561798 A JP32561798 A JP 32561798A JP 2000144238 A JP2000144238 A JP 2000144238A
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quenching
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coating layer
steel sheet
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Noritaka Miyamoto
典孝 宮本
Masazumi Onishi
昌澄 大西
Masahiro Nishio
匡弘 西尾
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Toyota Motor Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】めっき層等の被覆層の損傷を抑制でき、めっき
層などの被覆層の本来の機能を確保するのに有利な被覆
鋼材の焼入れ方法を提供する。 【解決手段】鋼材よりも融点または沸点が低い被覆層を
鋼材に密着させた被覆鋼材を用いる。被覆鋼材を焼入れ
処理するにあたり、焼入れ後の鋼材の基本組織がフェラ
イト及びマルテンサイトの共存組織となるように、焼入
れする。これにより焼入れ処理における鋼材の変態歪み
を抑え、被覆層の剥離等の損傷を抑える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はめっき鋼板等の被覆
鋼材の焼入れ方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、被覆層を鋼材に被覆して形成
した被覆鋼材の焼入れ等に関する技術として、特開平8
−134659号公報、特開平9−165662号公報
とが開示されている。前者の公報によれば、炭素含有量
が0.3%以上の鋼板にニッケルを無電解めっきし、め
っき後に高周波焼入れし、鋼の焼入れとめっき層の析出
硬化とを同時に達成することにしている。この公報の記
載によれば、鋼の炭素含有量は0.3〜0.5重量%が
好ましく、焼入れ加熱温度は850〜900℃が好まし
いとされている。
【0003】また後者の公報によれば、亜鉛めっき浴で
鋼板をめっきしてめっき層を形成した後に、高周波誘導
加熱炉で495〜520℃に加熱して合金化処理を行
い、その後冷却し、めっき層中のFe含有量が8〜12
%となるように合金化処理を行うことにしている。後者
の公報に係る技術は、加熱温度がA1変態点未満と低く
いため、焼入れに関するものではない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】前者の公報に係る方法
によれば、前述したように鋼の炭素含有量は0.3〜
0.5重量%が好ましく、焼入れ加熱温度は850〜9
00℃が好ましいとされており、この炭素含有量を考慮
すれば、図15に示す鉄−炭素系の状態図において、焼
入れ加熱温度はオーステナイト単独相の領域である。従
って、焼入れ処理に基づくマルテンサイト変態化率が高
く、マルテンサイトの体積膨張に伴う変態歪みが大き
い。このように変態歪みが大きいと、鋼板に密着されて
いるめっき層が損傷し易くなる。場合によっては、焼入
れ処理に伴って剥離するおそれがある。めっき層が損傷
すると、めっき層の本来の機能が低下し、防錆性が低下
する。
【0005】更に、めっき層は一般的に鋼材よりも融点
または沸点が低いことから、焼入れ温度への加熱によ
り、鋼板に密着されているめっき層が蒸散する等して損
傷し易くなる。場合によっては、焼入れ処理に伴ってめ
っき層の厚みが大きく減少するおそれがある。本発明は
上記した実情に鑑みなされたものであり、めっき層等の
被覆層の損傷を抑制でき、めっき層などの被覆層の本来
の機能を確保するのに有利な被覆鋼材の焼入れ方法を提
供することを共通課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】第1発明に係る被覆鋼材
の焼入れ方法は、鋼材よりも融点または沸点が低い被覆
層を鋼材に密着させた被覆鋼材を用い、被覆鋼材の少な
くとも一部を焼入れ処理するにあたり、焼入れ後の鋼材
の基本組織がフェライト及びマルテンサイトの共存組織
となるように、焼入れ温度に加熱し、冷却し、焼入れ処
理における鋼材の変態歪みを抑え、被覆層の損傷を抑え
るようにしたことを特徴とするものである。
【0007】第2発明に係る被覆鋼材の焼入れ方法は、
鋼材よりも融点または沸点が低い被覆層を鋼材に密着さ
せた被覆鋼材を用い、被覆鋼材の少なくとも一部を焼入
れ処理するにあたり、被覆層の成分と同系成分を基材と
する補填層で被覆層を被覆し、その後、鋼材を焼入れ温
度に加熱し、冷却し、焼入れ処理に伴う被覆層の減少量
を補填層で補うようにしたことを特徴とするものであ
る。
【0008】
【発明の実施の形態】第1の発明方法及び第2の発明方
法によれば、鋼材に被覆層を密着させて形成した被覆鋼
材を用いる。代表的な被覆層としてはめっき層がある。
めっき層としては、溶融金属に鋼材を浸漬めっきして形
成した形態、電気めっきで形成した形態などを採用でき
る。
【0009】代表的な被覆層の材質としては亜鉛系(純
度が高い亜鉛または亜鉛合金)があるが、場合によって
は、鋼材よりも融点または沸点が低い材料であるスズ
系、アルミ系、鉛系とすることもできる。代表的な鋼材
としては、例えば、車両のボデーを構成する鋼板があ
る。鋼材の炭素含有量は、通常、亜共析鋼系、例えば
0.1〜0.2重量%にできる。鋼材の厚みは適宜選択
できる。
【0010】第1の発明方法によれば、焼入れ後の鋼材
の基本組織がフェライト及びマルテンサイトの共存組織
となるように、焼入れ加熱温度を規定する。フェライト
の面積率は面積率の上限値は例えば80%、70%にで
き、下限値は5%、10%にできる。この場合には、残
部実質的にマルテンサイトにできる。但しこれらに限定
されるものではない。
【0011】具体的な焼入れ加熱温度は、被覆層の材
質、鋼中の炭素含有量などに応じて選択でき、上限値は
860℃,850℃,840℃にでき、下限値は730
℃,740℃,750℃にできる。本発明者が行った試験
によれば、鋼材の母材の硬さが急激に増加する740℃
を焼入れ加熱温度の下限値とすることが好ましい。焼入
れ加熱温度は、マルテンサイト変態膨張を抑えるため、
図15に示す鉄−炭素系の状態図において、オーステナ
イト単独相の領域ではなく、それよりも低い温度領域で
あるフェライトとオーステナイトとの共存領域とするこ
とが好ましい。従って、焼入れ加熱温度の上限値はA3
変態点にでき、下限値はA1変態点にできる。マルテン
サイト変態による膨張量を抑え、変態歪みを抑え、これ
により膨張に起因する被覆層の剥離等の損傷を抑えるた
めである。
【0012】本発明方法に係る加熱の形態は適宜選択で
きるが、誘導加熱、特に、高周波誘導加熱であることが
好ましい。加熱時間を短くでき、結晶粒の粗大化抑制、
酸化膜の生成抑制などに有利であるため、更に、誘導コ
イルに通電する高周波電流の周波数の相違により焼入れ
深さの調整も図り易いため等である。更に、被加熱物の
温度制御が容易にできる。
【0013】本発明方法においては、場合によっては、
レーザビームによる加熱、熱処理炉による加熱などを採
用することもできる。ところで加熱の際に、被覆層が損
傷して被覆層の厚みが減少することがある。被覆層を構
成する成分が融液化あるいは蒸散する等の影響と考えら
れる。この点第2の発明方法によれば、被覆層の成分と
同系成分を基材とする補填層で被覆層を被覆し、その
後、焼入れを行う。補填層は、被覆層の成分と同系成分
を基材とするものである。従って被覆層が亜鉛系である
場合には、補填層は亜鉛系を基材とするものを採用でき
る。同系成分は、粉末粒子の形態でもよく、あるいは、
繊維や線材の形態でもよく、あるいは、金属箔などの薄
いシート材の形態でも良い。シート材の場合には、その
シート材を被覆鋼材の被覆層にスポット溶接で結合した
り、あるいは、シート材を接着材で被覆鋼材の被覆層に
接合したりできる。
【0014】補填層を構成する成分が強磁性体材料でな
い場合には、補填層における誘導加熱効果をあまり期待
できない。この場合には、透磁率が高く誘導加熱効果を
期待できる強磁性材料(例えば鉄粉末粒子や鉄箔などの
鉄成分)を補填層に添加しておき、補填層における誘導
加熱効果を高めることも必要に応じてできる。第2の発
明方法によれば、焼入れ処理に伴ない、補填層の成分を
被覆層に補填し易くなり、被覆層の厚みの減少が抑制さ
れる。場合によっては、焼入れ処理前に比べて、被覆層
の厚みを厚くするにも有利となる。
【0015】上記した第2の発明方法によれば、焼入れ
処理に先だって、被覆鋼材の被覆層に補填層を結合剤で
接着しておいても良く、被覆鋼材の被覆層に補填層を溶
接で固定しておいても良く、あるいは、補填層を構成す
る成分を溶射で直接に被覆鋼材の被覆層に積層して補填
層を形成しても良い。第2の発明方法によれば、焼入れ
加熱温度は850〜950℃にできる。更に、補填層に
よる補填効果を期待できるため、焼入れ処理温度はA3
変態点以上とすることもできる。即ち、鉄−炭素系の状
態図におけるオーステナイト単独相の領域に加熱するこ
ともできる。
【0016】もちろん、第1の発明方法と第2の発明方
法とを併せて実施することもできる。この場合には、被
覆鋼材の被覆層に、被覆層と同じ成分を基材とする補填
層を積層しておく。そして、焼入れ後の鋼材の基本組織
がフェライト及びマルテンサイトの共存組織となるよう
に、フェライト及びオーステナイトの共存組織の領域の
焼入れ温度に加熱する。この場合には、鋼材の変態歪み
も抑制され、更に補填層からの補填も行われるため、め
っき層等の被覆層の厚みを確保するのに一層貢献でき
る。
【0017】第1の発明方法、第2の発明方法において
は、焼入れ処理とは、通常の焼入れ形態が代表的なもの
であるが、Ms点の直上まで急冷した後に空冷してマル
テンサイトを生成するマルクエンチ、Ms点の直下まで
急冷した後にこの温度に保持してマルテンサイトを徐々
に生成するマルテンパーも含む意味である。
【0018】
【実施例】(第1実施例)以下、第1実施例を図1〜図
10を参照して説明する。被覆鋼材として機能するめっ
き鋼板1(図1参照)を用いる。めっき鋼板1は、鋼材
として機能できる平板状の鋼板2と、鋼板2に密着され
た被覆層として機能できる亜鉛系のめっき層3とで構成
されている。めっき層3は、鋼板2の一方の表面及び他
方の表面にそれぞれ密着されている。めっき層3は溶融
亜鉛めっき層であり、平均厚みは約0.01mmであ
る。鋼板2の基本組成は亜共析鋼系であり、重量比で
0.16%の炭素を含む。鋼板の厚みは約1.2mmで
ある。
【0019】本実施例においては、めっき鋼板1に焼入
れ処理を施すにあたり、めっき鋼板1に誘導コイルを接
近させた状態で、誘導コイルに高周波電流(目標周波
数:約400kHz)を流し、交番磁界によりめっき鋼
板1の鋼板2を高周波誘導加熱する。この場合には、公
知のように、透磁率が高い鋼板2を透過する交番磁束に
基づいて誘導電流が流れ、鋼板2が加熱される。めっき
層3は、強磁性材料ではない亜鉛系で構成されているた
め、直接的に誘導加熱されるよりも、主として、鋼板2
からの伝熱で加熱されると推察される。
【0020】本実施例においては、鋼板2の加熱部分の
焼入れ加熱温度は、740〜850℃の領域とする。具
体的には、焼入れ加熱温度は、鋼板2におけるマルテン
サイト変態による膨張量を抑制し、変態歪みを抑制する
ため、鉄−炭素系の状態図において、オーステナイト単
独相の領域ではなく、それよりも低い温度領域であるフ
ェライトとオーステナイトとの共存領域とする。
【0021】上記したように加熱した後に、鋼板2の加
熱部分に冷却水を接触させて急冷し、焼入れを行う。焼
入れ後の鋼板2の基本組織は、フェライト及びマルテン
サイトの共存組織となる。条件によっては残留オーステ
ナイトが存在していることもある。以上説明したように
本実施例では、焼入れ後の鋼板2の基本組織がフェライ
ト及びマルテンサイトの共存組織となるように、フェラ
イトとオーステナイトとの共存領域である焼入れ加熱温
度に鋼板を加熱するため、焼入れ処理時におけるマルテ
ンサイト変態膨張が抑制され、変態歪みが抑制され、変
態歪みに起因するめっき層3の剥離を抑制するのに有利
となる。従ってめっき層3による防錆性を確保するのに
有利となる。
【0022】めっき鋼板1の鋼板2が(亜共析鋼,目標
炭素含有量:0.16重量%)である場合において、本
発明者が試験したところ、図2に示すような結果が得ら
れた。図2の横軸は焼入れ加熱温度を示し、左側の縦軸
の一方は焼入れ後のめっき層3の平均残存厚さ(%)を
示し、右側の縦軸は、焼入れ組織のマクロ的な硬さを示
す通常のビッカース硬度計で測定した鋼板2の母材の硬
さ[Hv]を示す。図2の左側の縦軸において100%
は、焼入れ処理前のめっき層3の厚みを意味する。図2
の特性線Aはめっき層3の平均残存厚さを示す。図2の
特性線Bは鋼板2の母材の硬さを示す。
【0023】特性線Bから理解できるように、焼入れ加
熱温度が約720℃(A1変態点)を超えたあたりか
ら、硬さが高くなり、焼入れ加熱温度が上昇するにつれ
て鋼板2の母材の硬さは高くなったが、焼入れ加熱温度
が1000℃近くなると、硬さはほぼ飽和した。また特
性線Aから理解できるように、焼入れ加熱温度が高温に
なるにつれて、めっき層3の平均残存厚さが次第に低下
した。そして、焼入れ加熱温度が850℃を超えたあた
りから、めっき層3の平均残存厚さは急激に低下する傾
向があった。めっき層3の蒸散等の影響と推察される。
従って、この基本組成をもつめっき鋼板1では、焼入れ
加熱温度の上限は850℃が好ましいといえる。
【0024】焼入れ加熱温度領域が740〜850℃で
あれば、鋼板2の焼入れが可能であり、硬さ220Hv
以上が得られ、且つ、めっき層3の剥離等の損傷も実質
的に認められなかった。変態歪みが小さいためと推察さ
れる。しかし図2から理解できるように、焼入れ加熱温
度領域が710℃未満であれば、めっき層3の平均残存
厚さが厚く維持できるものの、焼入れ不可領域であり、
硬さが低かった。また焼入れ加熱温度領域が850℃を
越えていれば、焼入れ可能であり、硬さが充分得られる
ものの、めっき層の飛散、めっき層3の剥離が認めら
れ、めっき層3の平均残存厚さがかなり薄くなってい
た。焼入れ加熱温度が1000℃を越えると、めっき層
3はほとんど消失する。
【0025】なお文献によれば、亜鉛系合金の融点は鋼
のA1変態点以下の温度であり、400〜500℃とさ
れており、沸点は900〜950℃とされている。図3
〜図10は上記した試験で観察した鋼板2(亜共析鋼,
目標炭素含有量:0.16重量%)の母材の組織の顕微
鏡写真(倍率:400倍,腐食液:ナイタル)と、めっ
き層3の状況の顕微鏡写真(倍率:400倍,腐食液:
ナイタル)を示す。
【0026】図3は焼入れ前の鋼板2の組織を示す。図
4は焼入れ前のめっき層3の状況を示す。図3から理解
できるように、焼入れ前の鋼板2の組織はフェライトが
大部分を占めており、黒色のパーライトはわずかであ
り、この組織は硬さはHv約140であった。この硬度
を引っ張り強度として換算すると、約440MPaとな
る。図4から理解できるように、焼入れ前では、鋼板2
の表面にめっき層3が被覆されている。
【0027】図5は焼入れ加熱温度が760℃である場
合における焼入れ後の鋼板2の組織を示す。図5から理
解できるように、焼入れ後の鋼板2の組織はマルテンサ
イトがかなりの面積率で増加しており、基本組織はフェ
ライトとマルテンサイトとの共存組織となっており、こ
の組織はマクロ硬さがHv約280であった。この硬度
を引っ張り強度として換算すると、約800MPaとな
る。また変態歪みは0.2〜0.3%と少な目となる。
【0028】図6はこの焼入れ加熱温度(760℃)に
おける焼入れ後のめっき層3の状況を示す。図6から理
解できるように、焼入れ加熱温度が760℃である場合
には、焼入れ後であっても、めっき層3が鋼板2の表面
にかなり残存しており、めっき層3の厚みが実用上支障
がない程度確保されている。図7は焼入れ加熱温度が8
23℃である場合における焼入れ後の鋼板2の組織を示
す。図7から理解できるように、この焼入れ加熱温度で
は、焼入れ後の鋼板2の組織はマルテンサイトがかなり
の面積率で増加しており、基本組織はマルテンサイトで
あり、これにフェライトが共存した組織となっており、
この組織はマクロ硬さがHv約375であった。この硬
度を引っ張り強度として換算すると、1100MPaと
なる。また変態歪みは0.2〜0.3%と少な目とな
る。
【0029】図8は焼入れ加熱温度が904℃である場
合における比較例に係る焼入れ後のめっき層3の状況を
示す。904℃は鉄−炭素系の状態図によれば、炭素量
を考慮すれば、A3変態点以上であり、オーステナイト
単独領域となり、従って図8は比較例となる。図8から
理解できるように、この比較例では、変態歪みなどに基
づく、鋼板2の表面にめっき層3にかなりの剥離が認め
られる。
【0030】図9は焼入れ加熱温度が1074℃である
場合における焼入れ後の鋼板2の組織を示す。1074
℃は鉄−炭素系の状態図によれば、炭素量を考慮すれ
ば、A 3変態点以上であり、オーステナイト単独領域と
なり、従って図9は比較例となる。図9から理解できる
ように、比較例に係る焼入れ後の鋼板2の基本組織はマ
ルテンサイトである。この組織はマクロ硬さがHv約4
30あった。この硬度を引っ張り強度として換算する
と、約1200MPaとなる。また変態歪みは約0.5
%を越える大きさとなる。
【0031】図10は焼入れ加熱温度が1074℃であ
る場合における焼入れ後のめっき層の状況を示す。図1
0から理解できるように、この焼入れ加熱温度(107
4℃)では、変態歪みや蒸発などの影響を大きく受け
て、鋼板2の表面にはめっき層3の残存量はほとんどゼ
ロであった。 (第2実施例)図11〜図12を参照して第2実施例を
説明する。第2実施例においては、被覆鋼材として機能
するめっき鋼板1A(図11参照)を用いる。このめっ
き鋼板1Aは、鋼材として機能できる鋼板2Aと、鋼板
2Aの一方の表面及び他方の表面にそれぞれ密着された
被覆層として機能できるめっき層3Aとで構成されてい
る。めっき層3Aは溶融亜鉛めっき層であり、厚みが約
0.01mmである。鋼板2Aの基本組成は共析鋼系で
あり、重量比で0.16%の炭素を含む。鋼板2Aの厚
みは約1.2mmである。
【0032】本実施例においては、めっき鋼板1Aに焼
入れ処理を施す前に、めっき層3Aと同成分を基材とす
る補填層4(厚み:0.01〜0.1mm)を、鋼板2
Aの表裏のめっき層3Aに予め被覆しておく。補填層4
は、亜鉛粉末粒子40(50μmのメッシュをパスした
もの,粒径0.1〜5μm)とこれらを分散させる分散
媒体41との混合材料で形成されている。分散媒体41
は樹脂など(例えば不飽和ポリエステル)である。
【0033】本実施例では図12から理解できるよう
に、ガイド50にそって走行可能な走行装置5に、上記
した混合材料を噴出できる噴出装置51、高周波電流が
通電される誘導コイル52、冷却水を噴出するスプリン
クラー53を装備しておく。そして、めっき鋼板1Aに
沿って走行装置5を矢印X1方向に走行させる。これに
より噴出装置51から上記混合材料1pをめっき鋼板1
Aのめっき層3Aに吹き付け、以てめっき鋼板1Aのめ
っき層3Aに補填層4を被覆する。なお図示はしないも
のの、めっき鋼板1Aの他の表面(つまり裏面側)にも
補填層4を被覆する。
【0034】その後、補填層4が被覆されためっき鋼板
1Aは、誘導コイル52により焼入れ加熱温度に高周波
誘導加熱される。図12において加熱部分を1mとして
示す。焼入れ加熱温度は850〜950℃とする。その
後、スプリンクラー53から冷却水1kが加熱部分に吹
き付けられ、焼入れ処理が行われる。補填層4は、透磁
率が低い亜鉛とこれを分散させる分散媒体とで構成され
ているため、直接的に誘導加熱される度合は、透磁率が
高い鋼板2Aの場合よりも小さいと考えられる。この場
合には、透磁率が高いため効果的に誘導加熱される鋼板
2Aからの伝熱で、補填層4は加熱されると推察され
る。
【0035】焼入れ処理における加熱に伴い、めっき鋼
板1Aのめっき層3Aの亜鉛成分が蒸散などで減少す
る。この点本実施例によれば、焼入れ処理に先立ち、図
11に示すように、めっき鋼板1Aのめっき層3Aに補
填層4を密着しておく。そのため、めっき鋼板1Aのめ
っき層3Aを構成している亜鉛成分が蒸散などで減少す
るようなときであっても、誘導加熱される鋼板2Aから
の熱伝達などで補填層4が溶融し、補填層4の亜鉛成分
がめっき層3Aに補填される。すなわち、めっき層3A
を構成する亜鉛成分の減少量を補填層4の亜鉛成分で補
なうことができる。従って、めっき層3Aの厚みが確保
され、めっき鋼板1Aの防錆性が確保される。
【0036】場合によっては、焼入れ処理前よりも、め
っき層3Aの厚みを厚くすることもできる。本実施例に
おいては図12から理解できるように、走行装置5に噴
出装置51、誘導コイル52、スプリンクラー53が一
体的に装備されているため、走行装置5を走行させれ
ば、補填層4の被覆工程、焼入れ加熱温度に鋼板2Aを
急速加熱する加熱工程、冷却水1kを吹き付けて加熱部
分を急冷する冷却工程を併せて行うことができる利点が
得られる。ロボットなどによって走行装置5を移動させ
ることもできる。
【0037】本発明者は試験を行った。この試験では、
車両のうち、めっき層3Aの厚みが9μmの亜鉛めっき
鋼板で構成されているロッカーインナーパネルの稜線部
分に、補填層4を厚さ10μm積層した。この補填層4
は、0.1〜5μmの亜鉛粉末粒子と、分散媒体および
結合材として機能できる不飽和ポリエステル樹脂との混
合材料を用い、この混合材料を予め刷毛で塗布して補填
層4を形成した。混合材料全体を100重量%としたと
き、亜鉛粉末粒子は80重量%含む。
【0038】この試験では焼入れ領域を850℃の焼入
れ加熱温度に加熱し、冷却し、焼入れ処理を施した。比
較例Bとして、補填層4を被覆しなかったロッカーイン
ナーパネルの稜線部分についても、同様に焼入れ処理を
施した。試験結果を表1に示す。表1に示すように、焼
入れ後のめっき層3Aの厚さは、補填層4が被覆されて
いる場合には10μm残存していた。しかし、補填層4
が被覆されていない比較例Bの場合には、めっき層3A
の厚みがかなり減少しており、5μmであった。本試験
例において、表1から理解できるように、補填層4を被
覆した場合において、焼入れ前のめっき層3Aの厚さよ
りも、焼入れ後のめっき層3Aの厚さが厚かったのは、
めっき層3Aへの亜鉛成分の補填がやや多かったためと
推察される。
【0039】
【表1】 上記した実施例においては、走行装置1の噴出装置51
から混合材料1pをめっき鋼板1Aのめっき層3Aに吹
き付け、補填層4を被覆した後に、直ちに焼入れを行う
が、これに限られるものではなく。例えば、補填層4を
被覆した後に、所定時間放置して補填層4を充分に乾燥
させた後に、焼入れを行なう形態とすることもできる。
【0040】図13は第3実施例を示す。この例では、
補填層4Bは、亜鉛粉末粒子40B及び鉄系粉末粒子4
0Cと、これらを分散させる分散媒体41Bとで構成さ
れている。鉄系粉末粒子40Cは強磁性材料であるた
め、誘導加熱が効果的に行われ、従って補填層4Bを加
熱させ易いと考えられる。図14は第4実施例を示す。
この例では、補填層4Eは、亜鉛を基材とする金属シー
ト材で構成されており、めっき層3Aにスポット溶接な
どで接合されている。図13及び図14に示す実施例に
おいても、めっき層3Aを構成する成分が、融液化ある
いは蒸散するときであっても、補填作用が得られ、めっ
き層3Aの厚みが確保される。従って、防錆性等のめっ
き層3Aによる防錆性を発揮するのに有利となる。
【0041】
【発明の効果】第1発明に係る焼入れ方法によれば、被
覆鋼材の少なくとも一部を焼入れ処理するにあたり、焼
入れ後の鋼材の基本組織がフェライト及びマルテンサイ
トの共存組織となるように、焼入れする。そのため、焼
入れ処理における鋼材のマルテンサイト変態による膨張
量が抑制され、変態歪みが抑制され、被覆層の剥離等の
損傷が抑制される。従って防錆性等の被覆層の本来の機
能を発揮するのに有利となる。
【0042】第2発明に係る焼入れ方法によれば、被覆
鋼材の少なくとも一部を焼入れ処理するにあたり、被覆
層の成分と同系成分を基材とする補填層で被覆層を被覆
し、その後、鋼材を焼入れ温度に加熱し、冷却し、焼入
れ処理に伴う被覆層の減少量を補填層で補うようにして
いる。そのため被覆層を構成する成分が、融液かあるい
は蒸散するときであっても、被覆層の厚みが確保され
る。従って防錆性等の被覆層の本来の機能を発揮するの
に有利となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】めっき層を鋼板に密着させためっき鋼板の要部
の断面図である。
【図2】めっき層の平均残存厚さ及び鋼板の母材硬さ
と、焼入れ加熱温度との関係を示すグラフである。
【図3】焼入れ前の鋼板の組織を示す写真図である。
【図4】焼入れ前のめっき層の状況を示す写真図であ
る。
【図5】焼入れ加熱温度が760℃である場合における
焼入れ後の鋼板の組織を示す写真図である。
【図6】焼入れ加熱温度が760℃である場合における
焼入れ後のめっき層の状況を示す写真図である。
【図7】焼入れ加熱温度が823℃である場合における
焼入れ後の鋼板の組織を示す写真図である。
【図8】焼入れ加熱温度が904℃である場合における
焼入れ後のめっき層の状況を示す写真図である。
【図9】焼入れ加熱温度が1074℃である場合におけ
る焼入れ後の鋼板の組織を示す写真図である。
【図10】焼入れ加熱温度が1074℃である場合にお
ける焼入れ後のめっき層の状況を示す写真図である。
【図11】第2実施例を示し、鋼板に被覆しためっき
層、めっき層に被覆した補填層を模式的に示す要部の断
面図である。
【図12】めっき層に補填層を被覆した状態において焼
入れ処理を行う形態を模式的に示す構成図である。
【図13】第3実施例を示し、鋼板に被覆しためっき
層、めっき層に被覆した補填層を模式的に示す要部の断
面図である。
【図14】第4実施例を示し、鋼板に被覆しためっき
層、めっき層に被覆した補填層を模式的に示す要部の断
面図である。
【図15】鉄−炭素系の要部を示す状態図である。
【符号の説明】
図中、1はめっき鋼板(被覆鋼材)、2は鋼板(鋼
材)、3はめっき層(被覆層)、4は補填層を示す。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成10年12月3日(1998.12.
3)
【手続補正1】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図3
【補正方法】変更
【補正内容】
【図3】
【手続補正2】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図4
【補正方法】変更
【補正内容】
【図4】
【手続補正3】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図5
【補正方法】変更
【補正内容】
【図5】
【手続補正4】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図6
【補正方法】変更
【補正内容】
【図6】
【手続補正5】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図7
【補正方法】変更
【補正内容】
【図7】
【手続補正6】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図8
【補正方法】変更
【補正内容】
【図8】
【手続補正7】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図9
【補正方法】変更
【補正内容】
【図9】
【手続補正8】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図10
【補正方法】変更
【補正内容】
【図10】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 西尾 匡弘 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内 Fターム(参考) 4K022 AA02 AA32 BA02 BA17 BA21 BA25 BA32 DA01 EA01 4K024 AA14 AA17 AA21 AB01 BA02 BB02 BC01 DB01 GA01 4K027 AA05 AA22 AB07 AB28 AB43 AB46 AB47 AB48 AC72

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】鋼材よりも融点または沸点が低い被覆層を
    前記鋼材に密着させた被覆鋼材を用い、 前記被覆鋼材の少なくとも一部を焼入れ処理するにあた
    り、 焼入れ後の前記鋼材の基本組織がフェライト及びマルテ
    ンサイトの共存組織となるように、焼入れ温度に加熱
    し、冷却し、 焼入れ処理における前記鋼材の変態歪みを抑え、前記被
    覆層の損傷を抑えるようにしたことを特徴とする被覆鋼
    材の焼入れ方法。
  2. 【請求項2】請求項1において、前記焼入れ加熱温度は
    740〜850℃であることを特徴とする被覆鋼材の焼
    入れ方法。
  3. 【請求項3】請求項1または2において、前記被覆層は
    亜鉛系であることを特徴とする被覆鋼材の焼入れ方法。
  4. 【請求項4】請求項1〜3のいずれかにおいて、前記加
    熱は高周波誘導加熱であることを特徴とする被覆鋼材の
    焼入れ方法。
  5. 【請求項5】鋼材よりも融点または沸点が低い被覆層を
    前記鋼材に密着させた被覆鋼材を用い、 前記被覆鋼材の少なくとも一部を焼入れ処理するにあた
    り、 前記被覆層の成分と同系成分を基材とする補填層で前記
    被覆層を被覆し、その後、前記鋼材を焼入れ温度に加熱
    し、冷却し、 前記焼入れ処理に伴う前記被覆層の減少量を前記補填層
    で補うようにしたことを特徴とする被覆鋼材の焼入れ方
    法。
  6. 【請求項6】請求項5において、前記被覆層は亜鉛系で
    あることを特徴とする被覆鋼材の焼入れ方法。
  7. 【請求項7】請求項3または6において、前記被覆鋼材
    は、亜鉛または亜鉛合金をめっきしためっき鋼板である
    ことを特徴とする被覆鋼材の焼入れ方法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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US7673485B2 (en) 2001-10-23 2010-03-09 Sumitomo Metal Industries, Ltd. Hot press forming method
KR101149728B1 (ko) 2009-07-21 2012-07-09 부산대학교 산학협력단 차량용 멤버 제작방법
JP2016194132A (ja) * 2015-04-01 2016-11-17 トヨタ自動車東日本株式会社 鋼板の焼入方法

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