JP2000141257A - スカラ型ロボットの制御装置 - Google Patents

スカラ型ロボットの制御装置

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JP2000141257A
JP2000141257A JP10319063A JP31906398A JP2000141257A JP 2000141257 A JP2000141257 A JP 2000141257A JP 10319063 A JP10319063 A JP 10319063A JP 31906398 A JP31906398 A JP 31906398A JP 2000141257 A JP2000141257 A JP 2000141257A
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stroke
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 垂直軸の軸受の安全率を満足しながらロボッ
トの移動速度を高めることができるようにする。 【解決手段】 ロボットの制御装置は水平アーム及び垂
直軸を移動することにより垂直軸の下端に設けられたチ
ャッキングハンドによりチャッキングしたワークを所定
位置に搬送する。この場合、水平アームが旋回すると、
垂直軸の軸受にはモーメントが作用するものの、ロボッ
トの制御装置は、垂直軸が軸受から下方に突出したスト
ロークLに対応した所定の関数で求められる最高速度制
限値でロボットの動作速度を制御する。この場合、所定
の関数とは、ストロークLにかかわらず垂直軸の軸受に
作用するラジアル荷重が一定となるような関数であるの
で、ストロークLにかかわらず垂直軸の軸受の安全率が
一定となり、ロボットの動作速度を高めることができ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、垂直軸を軸受によ
り垂直移動及び回動可能に水平軸に支持し、上記各軸の
回動及び移動を制御する制御手段を備えたスカラ型ロボ
ットの制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】スカラ型ロボットでは、水平アームの先
端に垂直軸を軸受により垂直移動可能に支持し、水平ア
ームの旋回動作と垂直軸の垂直移動動作とを組合せるこ
とにより垂直軸の下端に装着されたチャッキングハンド
などを三次元的に移動するようにしている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、チャッキン
グハンドによりワークをチャッキングした状態で旋回移
動した場合、ワークには水平方向に大きな遠心力が作用
する。このような遠心力は垂直軸の軸受にモーメントと
して集中的に作用するので、軸受に過度のラジアル荷重
が作用して軸受の寿命が低下するという事情がある。
【0004】この場合、垂直軸のストロークが大きい
程、軸受には大きなモーメントが作用して軸受の安全率
が低下してしまうことから、図9に示すように垂直軸の
ストロークに比例してロボットの速度を低下するように
制御することが行われていた。従って、垂直軸のストロ
ークが大きくなる程、ロボットの速度が低下するので、
垂直軸を支持する軸受にかかるラジアル荷重を抑制して
軸受の寿命を長くすることができる。
【0005】しかしながら、このような制御では、垂直
軸のストロークが大きくなる程、軸受の安全率が過大と
なっていることが判明した。このことは、ロボットの移
動速度が不必要に制限されていることを意味しているの
で、ロボットの効率的な動作速度が得られないという欠
点がある。
【0006】本発明は上記事情に鑑みてなされたもの
で、その目的は、垂直軸の軸受の安全率を満足しながら
移動速度を高めることができるスカラ型ロボットの制御
装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明によれ
ば、制御手段は、水平軸を旋回すると共に垂直軸を垂直
移動することにより垂直軸を三次元的に移動すると共に
垂直軸を回動する。
【0008】ここで、ロボットの動作状態では垂直軸の
軸受には垂直軸に作用する遠心力に伴うモーメントが作
用する。この場合、図9に示すように垂直軸のストロー
クと比例するようにロボットの動作速度を低下した場合
には、垂直軸のストロークに従って軸受の安全率が過大
となっていることが判明した。この場合、垂直軸の軸受
の安全率が一定となるようにロボットの動作速度を制御
するには、ストロークの平方根の逆数を変数とする所定
の関数で制御すればよいことが分った。
【0009】そこで、制御手段は、各軸の速度をストロ
ークの平方根の逆数を変数とする所定の関数で制御する
ので、軸受の安全率を満足しながらロボットの動作速度
を高めることができる。
【0010】請求項2の発明によれば、制御手段は、所
定の関数で求めた速度がロボットに規定された最高速度
を上回るような場合は、各軸の速度を最高速度で制御す
るので、垂直軸のストロークにかかわらずロボットを最
高速度で動作することができる。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施の形態を図
1乃至図8を参照して説明する。図3はスカラ型ロボッ
トを斜視して示している。この図3において、スカラ型
ロボット1は、主軸2に第1の水平アーム3を旋回可能
に支持すると共に、その第1の水平アーム3の先端部に
第2の水平アーム4を旋回可能に支持し、さらに第2の
水平アーム4の先端部に垂直軸5を垂直移動可能に支持
して構成されている。この垂直軸5の下端には負荷取付
部6が一体に設けられており、その負荷取付部6にチャ
ッキングハンド、真空チャックなどを装着するようにな
っている。尚、負荷取付部6は図示しないモータにより
回動可能に設けられている。また、垂直軸5に平行に空
圧シリンダ7が設けられており、その空圧シリンダ7に
より垂直軸5に作用する負荷重量をバランスさせるよう
にしている。
【0012】図4はロボット1の電気的構成を概略的に
示している。この図4において、ロボット1には水平ア
ーム3,4及び垂直軸5の移動位置などを検出する回転
角センサ8が設けられており、制御装置9(制御手段に
相当)は、回転角センサ8が検出した回転角に基づいて
アーム駆動装置10を制御することによりチャッキング
ハンドによりチャッキングしたワークを所定位置に搬送
すると共に、現在の動作状態を入力装置を兼ねた表示装
置11に表示するようになっている(図3参照)。
【0013】図5は上述したロボット1を模式的に示し
ている。また、図6は図5に示したロボット1の負荷取
付部6に取付けられた負荷12に水平方向に作用する力
の作用関係を示している。この図6において、ロボット
1の垂直軸5が水平アーム3,4の旋回運動によって移
動する際に作用する水平方向の力は遠心力と慣性力との
合成力である。この場合、第1の水平アーム3及び第2
の水平アーム4が直線的な位置関係となったときに負荷
取付部6に取付けられた負荷12に作用する遠心力及び
慣性力が最大となる。
【0014】つまり、第1のアーム3が主軸2を中心と
して旋回するのに伴って負荷12に生じる遠心力と第2
の水平アーム4が第1の水平アーム3を中心として旋回
するのに伴って負荷12に生じる遠心力との合成遠心力
Fが次式に示すように作用し、その合成遠心力Fが最大
となる条件が第1,第2の水平アーム3,4が直線的な
位置関係となる場合である。また、第1のアーム3が主
軸2を中心として加速度的に旋回するのに伴って負荷1
2に生じる慣性力と第2の水平アーム4が第1の水平ア
ーム3を中心として加速度的に旋回するのに伴って負荷
12に生じる慣性力との合成慣性力Mが次式に示すよう
に作用し、その合成慣性力Mが最大となる条件が第1,
第2の水平アーム3,4が直線的な位置関係となる場合
である。従って、負荷12に水平方向に作用する力Pは
次式のように表すことができる。尚、図中のr1 は第1
の水平アーム3の長さを示し、r2 は第2の水平アーム
4の長さを示している。
【0015】
【数1】
【0016】ところで、垂直軸5の負荷取付部6に取付
けられる負荷12の重心は垂直軸5の軸中心から水平方
向に偏心して位置しているのが一般的であるので、図7
に示すように垂直軸5が加速度的に上下動する状態(ロ
ボット1の動作ではこのような状態が一般である)で
は、垂直軸5の軸受13には上述のようにして求めた負
荷12に作用する水平方向合成力Pによる曲げモーメン
トと負荷12が加速度的に上下動するのに応じて生じる
曲げモーメントとの合成曲げモーメントRが次式に示す
ように作用する。この図中において、Δxは垂直軸5が
最上位置に位置したときの軸受13の中心から負荷取付
部6の下端までの距離、Lは垂直軸5が軸受13から下
方に突出したストロークを示し、lは負荷取付部6の下
端から負荷12の重心までの距離を示し、Sは垂直軸5
の軸中心から負荷12の重心までの距離を示し、Qは垂
直軸5の垂直移動動作により生じる力を示している。
【0017】
【数2】
【0018】ここで、制御装置9は、ロボット1の動作
速度を制御する際は速度を最高速度に対する比率で示さ
れる動作速度SPで制御するので、速度及び加速度を実
際の制御で使用する動作速度SPで表すと、
【数3】 となる。従って、負荷12に作用する水平方向の合成力
Pは、
【数4】 と表すことができる。ここで、数4において、
【数5】 とおくと、
【数6】 と表すことができるので、定数をCとすると、水平方向
の合成力Pは、
【数7】 となる。
【0019】ところで、実際の垂直軸5は、図8に示す
ようにスプラインシャフト14とラックスプライン15
とを並列状態に連結し、ラックスプライン15をモータ
16による歯車17の回転により上下動することにより
スプラインシャフト14を上下動するように構成されて
いる。この場合、スプラインシャフト14は上側シャフ
ト軸受18及び下側シャフト軸受19の二点で支持され
ていると共に、ラックスプライン15は上側ラック軸受
20及び下側ラック軸受21の二点で支持されている。
【0020】従って、上述したように負荷12に作用す
る曲げモーメントRは、2個のシャフト軸受18,19
及び2個のラック軸受20,21で分担して受けること
になる。この場合、スプラインシャフト14とラックス
プライン15との断面積比は2対1であるので、シャフ
ト軸受18,19は曲げモーメントRの2/3を分担し
て受け、ラック軸受20,21は曲げモーメントRの1
/3を分担して受けていることになる。このことは、シ
ャフト軸受18,19は水平合成力Pの2/3を分担し
て受けると共に、ラック軸受20,21は水平合成力P
の1/3を分担して受けることを意味している。
【0021】さて、スプラインシャフト14に作用する
曲げモーメント2R/3は上側シャフト軸受14と下側
シャフト軸受19との中間を中心として作用するので、
下側シャフト軸受19には負荷12に作用する水平方向
合成力Pと反対方向の力が作用し、上側シャフト軸受1
8には負荷12に作用する水平方向合成力Pと同一方向
の力が作用する。つまり、下側シャフト軸受19に作用
する水平方向力であるラジアル荷重f1は、上側シャフ
ト軸受18に作用する水平方向力であるラジアル荷重f
2と水平方向合成力2P/3との合力となるので、下側
シャフト軸受19の安全率を考慮すればよいことにな
る。
【0022】この場合、下側シャフト軸受19に作用す
る水平方向の力と曲げモーメントは、上側シャフト軸受
18の中心と下側シャフト軸受19の中心との間の距離
は50mmであるので、垂直軸5が最上位置に位置した
状態で上側シャフト軸受18の中心から負荷取付部6の
下端までの距離をΔxとすると、
【数8】 と表すことができる。従って、下側シャフト軸受19に
作用するラジアル荷重f1は、
【数9】 となる。
【0023】一方、ラックスプライン15に作用する曲
げモーメントR/3は上側ラック軸受20と下側ラック
軸受21との中間を中心として作用するので、下側ラッ
ク軸受21には負荷12に作用する水平方向合成力Pと
反対方向の力が作用し、上側ラック軸受20には負荷1
2に作用する水平方向合成力Pと同一方向の力が作用す
る。つまり、下側ラック軸受21に作用する水平方向力
であるラジアル荷重f3は、上側ラック軸受20に作用
する水平方向力であるラジアル荷重f4と水平方向合成
力P/3との合力となるので、下側ラック軸受21の安
全率を考慮すればよいことになる。
【0024】この場合、下側ラック軸受21に作用する
力は、上側ラック軸受20の中心と下側ラック軸受21
の中心との間の距離は65mm、シャフト軸受14とラ
ック軸受15との間の距離は53.59mmであるの
で、垂直軸5が最上位置に位置した状態で上側シャフト
軸受20の中心から負荷取付部6の下端までの距離をΔ
yとすると、
【数10】 と表すことができる。従って、下側ラック軸受21に作
用するラジアル荷重f3は、
【数11】 となる。ここで、本実施の形態のロボット1の仕様は、
【数12】 と規定されているので、下側シャフト軸受19に作用す
るラジアル荷重f1は、
【数13】 と表すことができる。この式に数7を代入すると、
【数14】 と表すことができる。
【0025】さて、下側シャフト軸受19の安全率を一
定とした場合のロボット1の動作速度SPと垂直軸5の
ストロークLとの関係を導くと、CD を下側シャフト軸
受19に作用する定格荷重、Dを定数とすると、
【数15】 と表すことができる。
【0026】従って、ロボット1の動作速度SPは、
【数16】 となる。
【0027】この数式から、ロボット1の動作速度SP
を垂直軸5のストロークLの平方根の逆数を変数とする
所定の関数式で制御することによりストロークLにかか
わらず下側シャフト軸受19の安全率を一定とすること
ができることが分る。
【0028】このようにして求めたストロークLと速度
との関係を、ストロークLが100mmのときの安全率
を基準に求めて図1に示した。制御装置9は、この図1
で示された速度の関数に基づいて垂直軸5の速度を制御
する。また、図2は、図1で示した関係のときのトロー
クLと安全率との関係を示している。
【0029】尚、同様にして、下側ラック軸受15の安
全率を一定としたときのロボット1の動作速度SPと垂
直軸5のストロークLとの関係を次式のように導くこと
ができる。
【0030】
【数17】
【0031】従って、上記各関係式を満足するようにロ
ボット1の動作速度SPを制御することにより、垂直軸
5のストロークLにかかわらず各軸受19,21の安全
率を一定とすることができる。
【0032】このような実施の形態によれば、図1で示
した垂直軸5のストロークLの平方根の逆数を変数とす
る所定の関数式でロボット1の動作速度SPを制御する
ことにより、ストロークL(L≧100)にかかわらず
下側シャフト軸受19及び下側ラック軸受21の安全率
を一定とすることができるので、ストロークに比例して
ロボットの動作速度を小さく制御することにより軸受の
安全率が過大となる従来例のものと違って、軸受18〜
21の安全率が低下してしまうことなくロボット1の動
作速度を高めることができる。
【0033】この場合、垂直軸5のストロークLに基づ
いて求めたロボット1の動作速度がロボット1に設定さ
れている最高速度を上回るような場合は、ロボット1を
最高速度で動作させるようにしたので、ストロークLに
かかわらず軸受18〜21の安全率を満足しながらロボ
ット1の動作速度を高めることができる。
【0034】しかも、このように優れた効果を奏する構
成は、ストロークLとロボット1の動作速度SPとのデ
ータテーブルを修正するだけで対応することができるの
で、コストが高くなることなく容易に実施することがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態における最高速度と最高
速度制限値との関係を示す図
【図2】ストロークLと軸受の安全率との関係を示す図
【図3】ロボットの全体を示す斜視図
【図4】ロボットの電気的構成を示すブロック図
【図5】ロボットを模式的に示す側面図
【図6】垂直軸に水平方向に作用する力関係を示すアー
ムの模式図
【図7】垂直軸と負荷の重心との距離関係を示す側面図
【図8】垂直軸の詳細を模式的に示す側面図
【図9】従来例を示す図1相当図
【符号の説明】
1はロボット、3,4は水平アーム(水平軸)、5は垂
直軸、9は制御装置(制御手段)、12は負荷、14は
スプラインシャフト、15はラックスプライン、18,
19はシャフト軸受、20,21はラック軸受である。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 垂直軸を軸受により垂直移動及び回動可
    能に水平軸に支持し、上記各軸の回動及び移動を制御す
    る制御手段を備えたスカラ型ロボットの制御装置におい
    て、 前記制御手段は、前記各軸の速度を前記垂直軸が前記軸
    受から下方に突出したストロークの平方根の逆数を変数
    とする所定の関数で制御することを特徴とするスカラ型
    ロボットの制御装置。
  2. 【請求項2】 前記制御手段は、前記所定の関数で求め
    られた速度が最高速度を上回るような場合は前記各軸の
    速度を最高速度で制御することを特徴とする請求項1記
    載のスカラ型ロボットの制御装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2009023048A (ja) * 2007-07-19 2009-02-05 Yaskawa Electric Corp ワーク搬送装置
CN108144775A (zh) * 2018-02-23 2018-06-12 广西科技大学 一种汽车顶棚海绵块的自动喷胶装置

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