JP2000140946A - ベンディングロールによるパイプ成形装置、成形方法及びパイプ - Google Patents

ベンディングロールによるパイプ成形装置、成形方法及びパイプ

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JP2000140946A JP31320698A JP31320698A JP2000140946A JP 2000140946 A JP2000140946 A JP 2000140946A JP 31320698 A JP31320698 A JP 31320698A JP 31320698 A JP31320698 A JP 31320698A JP 2000140946 A JP2000140946 A JP 2000140946A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ベンディングロールによる成形中の上ロール
にかかる荷重を低減し、上ロールの撓みを抑制して、長
手方向中央部で発生する口開きを抑制し、パイプ形状の
良好な高強度厚肉長尺材を製造する。 【解決手段】 下ロール32の間隔Lを上ロール34の
直径Dwuと下ロール32の直径Dwlの和より広く設定す
ると共に、上ロール34の下ロール32に対する締め込
み量Sを、下ロールの半径Rwlより大きく設定して、材
料を成形する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ベンディングロー
ルによるパイプ成形装置、成形方法及びパイプに係り、
特に、高強度厚肉長尺材の製造に用いるのに好適な、板
材の一方側に配設される複数のロール(例えば下ロー
ル)と、該複数のロールの中間の板材に関して反対側に
配設される対向ロール(例えば上ロール)を備えた、ベ
ンディングロールによるパイプ成形装置、該パイプ成形
装置を用いたパイプ成形方法、及び、これらの成形装置
又は成形方法により成形されたパイプに関する。
【0002】
【従来の技術】パイプ等の鋼管の製造に際して、大量生
産が行われる際には、パイプ外径が比較的小さい場合に
は電縫鋼管ミルが用いられ、パイプ外径が比較的大きい
場合にはUOEミルが用いられている。
【0003】一方、少量生産の分野では、パイプ板厚が
厚い場合には、図1に示す如く、板材10をプレスベン
ダ20の曲げ型22と押し型24の間に挟んでプレスを
多数回(例えば50回以上)繰り返すことによって曲げ
る方法が採られ、一方、パイプ板厚が薄い場合には、例
えば図2に3本ロールのピラミッド型ロールベンダ30
を例示する如く、板材10の下側に配設され、モータ
(図示省略)により駆動される一対の下ロール32と、
該下ロール32の中間の板材10の上側に配設され、締
め込み量Sが調整可能とされた上ロール34とからなる
3本のベンディングロールで、板材10を送りながら、
曲率半径ρで連続的に曲げていく方法が行われている。
【0004】このベンディングロールによるパイプ製造
は、具体的には、図3に例示する如く、例えばガスや酸
素プラズマ切断方式のフレームプレーナ40による切断
・開先加工を行い、次いで、ベンディングロールで曲が
らない板端部を予め曲げておくため、例えば油圧プレス
42による端曲げ加工を行い、次いで、例えば図2に示
したような3本のロールがピラミッド型に配置されたロ
ールベンダ30によるロール曲げ加工を行い、次いで、
内外面溶接装置46により仮付け溶接、内面溶接及び外
面溶接を行い、次いで、端面加工機(図示省略)により
端面切削を行い、ショットブラスト装置(図示省略)に
よるショットブラスト処理を経て、試験・検査に送られ
る。なお、ロール曲げ加工(又は仮付溶接後)の次工程
に、真円度を向上させるために曲げ矯正加工を挿入する
場合もある。曲げ矯正加工もロール曲げ加工とほぼ同様
の加工である。
【0005】このベンディングロールによるパイプ製造
は、上ロール34の締め込み量Sの調整で製品の外径を
容易に変更可能であるため、多種少量生産が可能で、且
つ、UOEミル等に比較して設備費が安い等、種々の利
点を有している。
【0006】しかしながら、ベンディングロールは、特
に上ロール34の撓み抑制が難しいため、図4に示す如
く、製造されるパイプ12の中央部で、口開き12Aが
発生し易く、負荷が大きく、ロールが撓み易い高強度厚
肉長尺材のパイプが製造できないという問題点を有して
いる。
【0007】これは、上ロール34が両端部の軸受のみ
で支えられていること、及び、上ロール34のロール外
径Dwuが、幾何学的関係で製品のパイプ内径より小さく
ないといけないため、製品のパイプ径によって制限され
ることに依存している。なお、下ロール32は、その外
側に何点かの補強用バックアップロールを設けることが
でき、下ロールの撓みは抑制可能である。
【0008】一方、前記プレスベンダによるパイプ製造
方法によれば、ロールベンダによるパイプ製造方法に比
べて、厚肉パイプが製造可能であるが、プレスを多数回
繰り返さなければならないため、生産性が低く、コスト
が高くなるという問題点を有していた。
【0009】前記ロールベンダによるパイプ製造方法の
問題点を解消するものとして、特開昭53−12856
2に、図5に示す如く、上ロール34の上方より、上バ
ックアップロール35を介して、バックアップビーム3
6で圧力を加えながら成形することが提案されている。
図において、33は、下ロール32の撓みを抑制する下
バックアップロールである。
【0010】この方法によれば、上ロール34の撓みも
減少し、その結果、口開きが抑制されるため、高強度厚
肉長尺材のパイプを容易に製造することが可能となる。
【0011】又、パイプ径に合わせて、より大きな直径
の上ロールを用いて、上ロールの撓みを防止することに
よって、高強度厚肉長尺材のパイプを製造可能にするこ
ともできる。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、これら
の方法では、大径パイプの製造は可能であるが、小径パ
イプの製造は難しい。何故ならば、小径パイプの製造で
は、バックアップビーム36を使用するだけのスペース
が、上ロール34とパイプ12の間にない上、上ロール
34のロール外径Dwuが、製品(12)のパイプ内径に
よって制限されるため、小径の上ロール34を単独で用
いなければならない。その結果、小径パイプの製造で
は、上ロールの撓みを抑制することができず、口開きが
発生したり、あるいは、上ロールの曲げによる許容限界
を越えてしまう恐れがあった。
【0013】本発明は、前記従来の問題点を解消するべ
くなされたもので、ロールの曲げ許容限の範囲内で、パ
イプ長手方向中央部で発生する口開きを小さくして、パ
イプ形状を向上させることを課題とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明は、板材の一方側
に配設される複数のロールと、該複数のロールの中間の
板材に関して反対側に配設される対向ロールを備えた、
ベンディングロールによるパイプ成形装置において、前
記複数のロールの間隔を、対向ロールの直径と複数側ロ
ールの直径の和より広く設定可能とするためのロール間
隔設定手段と、前記複数側ロールに対する対向ロールの
相対的な締め込み量を、複数側ロールの半径より大きく
設定可能とするための締め込み量設定手段とを備えるこ
とにより、前記課題を解決したものである。
【0015】又、前記パイプ成形装置を用いて、前記複
数のロールの間隔を対向ロールの直径と複数側ロールの
直径の和より広く設定すると共に、前記締め込み量を、
複数側ロールの半径より大きく設定して、材料を成形す
ることにより、前記課題を解決したものである。
【0016】図2に示した、複数側ロールである下ロー
ル間隔Lを一定にして、ベンディングロールでパイプを
成形した場合の、締め込み量Sと、対向ロールである上
ロール荷重との関係を調査した結果を図6に示す。調査
対象の下ロール32の直径Dwlは350mm、上ロール
34の直径Dwuは400mmである。図中に○印で示す
如く、従来のように、下ロール間隔Lが下ロール直径と
上ロール直径の和750mmより狭い600mmの場
合、常に荷重は高いが、図中に●印で示す如く、下ロー
ル間隔Lを下ロール直径と上ロール直径の和750mm
より広い800mmに広げると、荷重は減少する。下ロ
ール間隔Lが広く、且つ、締め込み量Sが下ロール半径
Rwl=175mmより増大すると、更に荷重が減少して
いる。この状況を図7に示す。
【0017】下ロール間隔Lを広げると荷重が減少する
のは、図7(a)に示すように、曲げに必要なモーメン
トを発生させる場合のモーメント長Mが増大し、その
分、下ロールの荷重が減少し、その結果、上ロールの荷
重も減少することとなるためである。
【0018】一方、下ロール間隔Lが広く、且つ、締め
込み量Sが増大すると、更に荷重が減るのは、全く新し
い知見であり、図7(b)に示すように、上ロール34
が下ロール32の間に落ち込むことで、下ロール荷重の
負荷方向が変化することが要因であると考えられる。即
ち、下ロールの荷重自体は減少していないが、荷重の負
荷方向角度θが小さくなるため、上ロールにかかる荷重
が減少することになる。
【0019】下ロール荷重の負荷方向角度θが小さくな
る条件、即ち、上ロールが下ロール間に落ち込むような
幾何学的関係が成立するために必要な条件は、次のとお
りである。
【0020】上ロール34が下ロール32の間に落ち
込むためには、下ロール間隔Lが、上ロール34の直径
Dwuと下ロール32の直径Dwlの和より広くなければな
らない。
【0021】上ロール34が下ロール32の間に落ち
込む状況を具体的に考えると、上ロール34の締め込み
量Sが、下ロール32の半径Rwlより大きくなければな
らない。
【0022】しかしながら、上ロールの締め込み量Sと
下ロール間隔Lと、上・下ロール34、32に接して成
形されるパイプ12のパイプ径DP の間には、幾何学的
関係が成立するため、パイプ径DP を指定すると、上ロ
ールの締め込み量Sと下ロール間隔Lには一定の関係が
生じ、各々個別に設定することはできない。即ち、各パ
イプ径DP に対して、上記の2条件を同時に満たすため
には、下ロール間隔Lが変更可能である必要がある。こ
の場合、下ロール間隔Lは、必ずしも連続的に設定可能
である必要はない。即ち、下ロール32の組み替えによ
って、上記の2条件を満たせるように下ロール間隔Lを
調整できれば、当然、本発明の範囲内に含まれる。
【0023】上記の条件が満たされると、上ロール34
にかかる荷重が大幅に軽減できるため、上ロール34の
撓みも抑制される。その結果、バックアップビームや大
径の上ロールが使用できない小径のパイプに対しても、
口開きが抑制され、例えば板厚20mm以上、管長5m
以上、強度40kgf/mm2 以上の高強度厚肉長尺材
のパイプを製造できるようになる。
【0024】本発明は、又、前記パイプ成形装置を用い
て、前記複数のロールの間隔を、常に対向ロールの直径
と複数側ロールの直径の和より広く設定すると共に、前
記締め込み量を、最終的には、複数側ロールの半径より
大きく設定できるように、パスの進行に合わせてロール
間隔を狭めながら、材料を成形するようにして、前記課
題を解決したものである。
【0025】更に、前半パスでは、前記締め込み量を、
複数側ロールの半径より大きな所定の位置まで締め込ん
でいき、後半パスでは、前記ロール間隔を狭めていっ
て、材料を成形するようにして、前記課題を解決したも
のである。
【0026】複数側ロールである下ロール間隔Lを一定
にして、ベンディングロールでパイプを成形した場合
の、各パスのパイプ径DP と荷重との関係を調査した結
果を図8に示す。下ロール間隔Lが狭い場合、パスが進
んでパイプ径が小さくなるほど、対向ロールである上ロ
ールの荷重は高くなり、図中に○印で示す下ロール間隔
600mmの場合は製造不可能である。下ロール間隔L
を、図中に△印で示す如く、800mmに広げると、下
ロール間隔が狭い場合に比べて、荷重は減少する。又、
この場合はパスが進んでパイプ径が小さくなると、急激
に荷重が減少する。更に、下ロール間隔Lを、図中に□
印で示す如く、1000mmまで広げると、途中パスで
の荷重は下がるものの、最終径まで成形することはでき
ない。
【0027】即ち、パイプ径が大きい状態での前半パス
では、図7(a)に示した如く、下ロール間隔Lを広げ
ると曲げに必要なモーメントを発生させる場合のモーメ
ント長Mが増加するために、その分、下ロールの荷重が
減少し、その結果、上ロールの荷重も減少する。
【0028】一方、パイプ径が小さい状態での後半パス
では、図7(b)に示したように、下ロール間隔Lを適
当な長さに広げると、上ロール34が下ロール32の間
に落ち込むことで、下ロール荷重の負荷方向が変化し
て、荷重が大幅に減少する。即ち、下ロール32の荷重
自体は減少していないが、荷重の負荷方向角度θが小さ
くなるため、上ロールにかかる荷重は減少することとな
る。下ロール間隔Lを広げ過ぎると、パイプ12が下ロ
ール32間に完全に落ち込み、その後の成形ができなく
なる。
【0029】最終的には、上ロールの締め込み量Sを、
下ロールの半径Rwlより大きく設定できるようにすれ
ば、最終の下ロール荷重の負荷方向角度θが小さくな
る。即ち、上ロールが下ロール間に落ち込むような幾何
学的関係が成立するため、口開き量の抑制が可能であ
る。しかしながら、これだけでは、上記の荷重低減メカ
ニズムが働かない途中パスでの高荷重によるロールの撓
みによる上ロールの許容限界オーバーを避けることはで
きない。
【0030】しかしながら、途中パスまではパイプ径が
大きいので、下ロール間隔Lをより広く設定しても、下
ロール間にパイプが完全に落ち込むことがない。即ち、
パイプ径の大きい途中パスまでは、大きな下ロール間隔
Lにしておいて荷重を低減すると共に、最終パスに近付
いて下ロール荷重の負荷方向角度θが小さくなるに従っ
て、下ロール間隔Lを狭めていくことで、常に荷重を低
減することが可能である。
【0031】具体的には、各パスでの下ロール間隔と上
ロール締め込み量を、次のように設定することが考えら
れる。
【0032】即ち、まず設定可能な最大量で下ロール間
隔Lを設定する。前半パスでは、この広い下ロール間隔
Lで上ロール34を締め込んでいき、最終の締め込み量
S(上ロールが下ロールの間に落ち込む必要があるた
め、下ロール半径Rwlより大きい)に設定されるまで、
パイプ径を小さくしていく。後半パスでは、上記の締め
込み量Sにおいて、下ロール間隔Lを狭めていってパイ
プ径を小さくして、成形を完了させる。
【0033】この方法によれば、確実に下ロール間隔L
の広いことによる荷重低減効果と、下ロール荷重の負荷
方向角度θが小さくなることによる荷重低減効果の両方
を補完的に利用可能になるため、常に低荷重の成形が可
能となる。
【0034】このようにして、バックアップビームや大
径の上ロールが使用できない小径のパイプに対しても、
上ロールの許容限の範囲内で成形でき、且つ口開きが抑
制できるため、高強度厚肉長尺材のパイプを製造できる
ようになる。本発明によるパイプ成形装置及び成形方法
は、当然、大径のパイプ製造にも適用可能であり、その
場合、バックアップビームは不要であり、上ロールの変
更もせずに成形できるため、設備の簡略化と作業能率の
向上を図ることができる。
【0035】なお、前記説明では、2本の駆動用下ロー
ルと1本の締め込み用上ロールで構成される対称なピラ
ミッド型の3本ロールのロールベンダを例にとって説明
していたが、ロールベンダの構成は、これに限定され
ず、上ロールがオフセットされた非対称配置であった
り、例えば図2に示した、下ロール32から離れた位置
に、下ロールがもう一本追加された4本ロール等、3本
以上の下ロールを含んだり、上下逆であったり、又は、
複数側ロールと対向ロールが、板材の上下でなく左右に
配置されているロールベンダにも、本発明は適用でき
る。
【0036】又、複数側ロールの直径も同じである必要
はなく、異なる場合は、そのいずれか一方又は両者の平
均を基準とすることができる。
【0037】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実
施形態を詳細に説明する。
【0038】本実施形態に係るパイプ成形装置は、図9
(正面図)及び図10(側面図)に示す如く、2本の下
ロール32と、該下ロール32の中間に配設される上ロ
ール34を備えたパイプ成形装置において、前記下ロー
ル32の間隔Lを、上ロール34の直径Dwuと下ロール
32の直径Dwlの和より広く設定可能とするための下ロ
ール間隔設定用駆動モータ50と、前記上ロール34の
下ロール32に対する締め込み量Sを、下ロール32の
半径Rwlより大きく設定可能とするための油圧圧下装置
52とを備えている。図において、54は、上ロール3
4に加わる荷重を検出するためのロードセル、56は、
スピンドル58を介して下ロール32を駆動するための
下ロール駆動モータである。
【0039】本発明によりパスの進行に合わせて、上ロ
ールの締め込み量と下ロール間隔を変更していった時の
両者の関係の例を図11乃至図13に示す。図11は、
前半パスで上ロールを締め込み、後半パスで下ロール間
隔を変更していったものである。図12は、上ロール締
め込みと下ロール間隔変更を交互に行ったものである。
図13は、図11のスケジュールで、設定変更時に上ロ
ールを開放後、下ロール間隔を変更し、上ロールを元の
位置に戻すようにして変更した例である。
【0040】
【実施例】板厚30mm、幅6000mmの高張力鋼板
を、それぞれの径に対応した長さに切断すると共に、図
3に示したような油圧プレス42で先後端部を円弧状に
成形した後、本発明に係るロールベンダ30で、径50
0mmと700mmのパイプを製造した。なお、ベンデ
ィングロールの上ロール直径Dwuは400mm、下ロー
ル直径Dwlは350mmである。
【0041】前記ロールベンダ30を用いて、下ロー
ル間隔Lを600mmで成形した比較例1、下ロール
間隔Lを800mmで締め込み量Sを160mm未満で
成形した比較例2、下ロール間隔Lを800〜120
0mmで変更して、締め込み量Sを180mm以上で成
形した本発明法1の3種類の各々について、成形後の口
開き量を図14(パイプ直径700mmの場合)及び図
15(パイプ直径500mmの場合)に比較して示す。
【0042】比較例1では、成形時の荷重が大きいた
め、直径500mm、700mmのパイプのいずれも、
端部に対して中央部の口開き量が80mmと大きく、成
品とならなかった。
【0043】又、比較例2では、直径700mmのパイ
プでは、比較例1に比べて下ロール間隔Lが広いため、
荷重が小さく、その結果、中央部と端部の口開き量の差
は40mmと小さくなるものの、成品形状としては不適
切であった。一方、直径500mmのパイプでは、16
0mmの締め込み量Sでは不足であり、端部、中央部共
100mm以上の大きな口開きが生じ、全く成品になら
なかった。
【0044】一方、本発明法1の場合、直径500m
m、700mmのパイプ共、適正な下ロール間隔Lが設
定されているため、締め込み量Sを大きくとれ、荷重が
大幅に低減して成形できた。その結果、中央部の口開き
量が10mm未満となり、パイプ形状が良好で、成品と
することが可能となった。
【0045】次に、板厚40mm、幅6000mmの高
張力鋼板を、径に対応した長さに切断すると共に、プレ
スで先後端部を円弧状に成形した後、ロールベンダによ
り、次に示す3種類の方法で直径500mmのパイプを
製造した。なお、ベンディングロールの上ロール直径D
wuは400mm、下ロール直径Dwlは350mmであ
る。
【0046】下ロール間隔Lを600mmで成形した
比較例3、下ロール間隔Lを1000mmで成形した
比較例4、下ロール間隔Lを最初1000mmで、締
め込み量Sを180mm以上で成形し、その後、下ロー
ル間隔Lを狭めていって成形した本発明法2の3種類に
ついて、各パスでの荷重値を図16に示す。
【0047】比較例3(○印)では、成形時の荷重が大
きいため、1パス目で所定の曲げが得られない上、その
後、全く成形できなかった。又、比較例4(□印)で
は、比較例3に比べて下ロール間隔Lが広いため、荷重
が小さく、各パスで所定の曲げが得られているものの、
850mm以下ではパイプが下ロール間に完全に落ち込
み、成形不能となった。一方、本発明法2(■印)の場
合、前半パスでは比較例4と同じで荷重が小さく、各パ
スで所定の曲げが得られている。後半パスでも、下ロー
ル間隔Lを狭めて成形しているため、パイプが下ロール
間に完全に落ち込むことはなく、低荷重のまま、最終の
径まで成形することが可能となった。低荷重で成形が完
了したことで、中央部の口開き量も10mm未満とな
り、良好なパイプ形状で成品とすることが可能となっ
た。
【0048】なお、前記説明においては、いずれも、本
発明が鋼管の製造に適用されていたが、本発明の適用対
象はこれに限定されず、鋼以外の金属、例えば、銅、ア
ルミニウム、チタニウム、真鍮などのパイプの製造にも
同様に適用できることは明らかである。
【0049】又、上ロール締め込みや下ロール間隔変更
も、油圧圧下やモータ駆動に限定されず、締め込みロー
ルや駆動ロールも、それぞれ上ロールや下ロールに限定
されない。
【0050】
【発明の効果】本発明によれば、ベンディングロールに
よる成形中の対向ロールにかかる荷重を低減し、対向ロ
ールの撓みを抑制することが可能であるので、ロールの
許容範囲内で常に成形でき、長手方向の中央部で発生す
る口開きも抑制でき、寸法精度の優れた、良好なパイプ
形状の高強度厚肉長尺材を製造することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来のプレスベンダによる鋼管の製造方法を説
明するための正面図
【図2】ロールベンダによる鋼管の製造方法を説明する
ための正面図
【図3】ロールベンダによる鋼管製造工程を説明するた
めの斜視図
【図4】従来のロールベンダによる製造でパイプに発生
した口開きを示す斜視図
【図5】口開きを解消するべく特開昭53−12856
2で提案された方法を示す正面図
【図6】本発明の原理を説明するための締め込み量と上
ロール荷重の関係の例を示す線図
【図7】同じく下ロール間隔を広げた状態、及び、広い
下ロール間隔で上ロールを締め込んだ状態を示す正面図
【図8】同じく出側製品パイプ径と上ロール荷重の関係
の例を示す線図
【図9】本発明に係るパイプ成形装置の実施形態を示す
正面図
【図10】同じく側面図
【図11】本発明の実施形態における上ロール締め込み
量と下ロール間隔との変更手順の一例を示す線図
【図12】同じく他の例を示す線図
【図13】同じく更に他の例を示す線図
【図14】比較例と本発明法によりパイプ径700mm
のパイプを製造した際の口開き量を比較して示す線図
【図15】同じくパイプ径500mmのパイプを製造し
た際の口開き量を比較して示す線図
【図16】同じく出側製品パイプ径と上ロール荷重の関
係の例を示す線図
【符号の説明】
10…板材 12…パイプ 12A…口開き 30…ロールベンダ 32…下ロール Dwl…下ロール直径 Rwl…下ロール半径 L…下ロール間隔 34…上ロール Dwu…上ロール直径 S…締め込み量 DP …パイプ径 50…下ロール間隔設定用駆動モータ 52…油圧圧下装置 54…ロードセル 56…下ロール駆動モータ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 阿部 英夫 千葉県千葉市中央区川崎町1番地 川崎製 鉄株式会社技術研究所内 (72)発明者 大工園 義治 千葉県千葉市中央区川崎町1番地 川崎製 鉄株式会社技術研究所内 (72)発明者 江見 晋吾 千葉県千葉市中央区新浜町1番地 川鉄鋼 管株式会社内 (72)発明者 冨沢 信夫 千葉県千葉市中央区新浜町1番地 川鉄鋼 管株式会社内 Fターム(参考) 4E028 CB01 CB02 4E063 AA01 BB03 EA20 JA03 MA02

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】板材の一方側に配設される複数のロール
    と、該複数のロールの中間の板材に関して反対側に配設
    される対向ロールを備えた、ベンディングロールによる
    パイプ成形装置において、 前記複数のロールの間隔を、対向ロールの直径と複数側
    ロールの直径の和より広く設定可能とするためのロール
    間隔設定手段と、 前記複数側ロールに対する対向ロールの相対的な締め込
    み量を、複数側ロールの半径より大きく設定可能とする
    ための締め込み量設定手段と、 を備えたことを特徴とする、ベンディングロールによる
    パイプ成形装置。
  2. 【請求項2】請求項1に記載のパイプ成形装置を用い
    て、前記複数のロールの間隔を対向ロールの直径と複数
    側ロールの直径の和より広く設定すると共に、前記締め
    込み量を、複数側ロールの半径より大きく設定して、材
    料を成形することを特徴とする、ベンディングロールに
    よるパイプ成形方法。
  3. 【請求項3】請求項1に記載のパイプ成形装置を用い
    て、前記複数のロールの間隔を、常に対向ロールの直径
    と複数側ロールの直径の和より広く設定すると共に、前
    記締め込み量を、最終的には、複数側ロールの半径より
    大きく設定できるように、パスの進行に合わせてロール
    間隔を狭めながら、材料を成形することを特徴とする、
    ベンディングロールによるパイプ成形方法。
  4. 【請求項4】前半パスでは、前記締め込み量を、複数側
    ロールの半径より大きな所定の位置まで締め込んでい
    き、後半パスでは、前記ロール間隔を狭めていって、材
    料を成形することを特徴とする、請求項3に記載のベン
    ディングロールによるパイプ成形方法。
  5. 【請求項5】請求項1に記載のパイプ成形装置を用いて
    成形されたパイプ。
  6. 【請求項6】請求項2乃至4のいずれか一項に記載のパ
    イプ成形方法により成形されたパイプ。
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CN112139312A (zh) * 2020-09-14 2020-12-29 贵州航天天马机电科技有限公司 一种铝合金半圆管仿形一次成形设备及方法

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