JP2000140134A - 粒子線治療設備のガントリ装置 - Google Patents

粒子線治療設備のガントリ装置

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JP2000140134A
JP2000140134A JP10367545A JP36754598A JP2000140134A JP 2000140134 A JP2000140134 A JP 2000140134A JP 10367545 A JP10367545 A JP 10367545A JP 36754598 A JP36754598 A JP 36754598A JP 2000140134 A JP2000140134 A JP 2000140134A
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rotating frame
frame
support frame
particle beam
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Kenichi Komori
賢一 古守
Yoshiharu Abe
喜治 安倍
Tsutomu Hoshii
勤 星井
Naoto Tsuji
直人 辻
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IHI Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 回転フレームを芯ズレなく正確に狙いの位相
位置まで回転させ、陽子線の照射誤差を減少する。 【解決手段】 本発明に係る粒子線治療設備のガントリ
装置1は、回転フレーム2のフロントリング3に旋回環
17を取り付け、この旋回環17をフロント支持フレー
ム18を介して床F上に固定支持している。旋回環17
によりフロントリング3が3軸方向に拘束される。回転
フレーム2は前後傾可能である。回転フレーム2のリア
リング4はリア支持フレーム19のローラ26上に載置
される。回転フレーム2はフロント支持フレーム18の
2本の脚部27と、リア支持フレーム19とにより3点
支持される。回転フレーム2はギヤ駆動される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、医療設備としての
粒子線治療設備に適用されるガントリ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、陽子線を人体に照射し、人体内部
の癌細胞を陽子線で焼くという陽子線治療なる癌治療方
法の研究が盛んである(特開平6-319813号公報等参
照)。これには、X線治療に代表される従来の治療方法
に比べ、手術後の副作用が少ないという利点がある。即
ち、従来の治療方法の場合、波動エネルギを利用するた
め、ビームが人体内部の癌細胞に到達する前にその表層
部まで焼いてしまう欠点がある。しかし、陽子線治療の
場合、質量エネルギを利用するため、表層部は単にその
まま通過し、内部の癌細胞のみ焼くことができる。質量
体としては陽子のほか重粒子を用いることが考えられて
いる。
【0003】かかる治療設備は陽子線を高速まで加速す
る必要があるため比較的大型となる。ここで、かかる治
療設備においては、患者に 360°の任意の位置から陽子
線を照射するため、陽子線発射ノズルを回転させるため
のガントリ装置が設けられる。
【0004】図11は従来のガントリ装置の基本構造を
示す。ガントリ装置71においては回転フレーム72が
設けられ、回転フレーム72に図示しない陽子線発射ノ
ズルが取り付けられる。回転フレーム72の中心位置に
患者がベッドに横たわった状態で挿入され、回転フレー
ム72が適宜の位置まで回転され、ノズルから陽子線が
発射されるようになっている。
【0005】回転フレーム72は最大直径約10m、重量
約80tに及ぶ大型のものである。このため、回転フレー
ム72は複数のローラ73上に載置され、下方から回転
自在に支持されるようになっている。回転フレーム72
はフロントリング74、リアリング75、及びこれらを
連結する複数の連結ビーム76から主に構成され、これ
に剛性を高めるための強化メンバやノズル取付用のサブ
フレーム等が追加される(いずれも図示せず)。回転フ
レーム72はフロントリング74とリアリング75とが
各2ヶ所で支持される4点支持とされる。回転フレーム
72の駆動方式はフリクションドライブ方式である。即
ち、フロント側ローラ73をモータで駆動し、その駆動
力をローラとフロントリングとの摩擦を利用して伝達す
るようにしている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、陽子線の照
射は狙った位置に正確に行わなければならない。その照
射誤差は通常1mm以内と厳格である。しかし、従来の構
造だと以下の問題があるため照射誤差が大きくなり易
い。
【0007】即ち、一つは、回転フレームがフロント及
びリア側ローラに載っているだけで、軸方向に拘束され
ていないため、回転中軸方向にズレ易く、これにより陽
子線発射ノズルもズレてしまう問題がある。なお、図示
しない地震用サポートが回転フレームの前後に設けら
れ、地震時に回転フレームがローラからズレ落ちぬよう
になっているが、回転フレームに抵抗を与えぬよう、サ
ポートと回転フレームとの間に若干のクリアランスが設
けられるため、このクリアランス分のズレが生じてしま
う。
【0008】また、他の一つは、回転フレームが4点支
持されるため、ローラ上での位置が決まりにくく、回転
が安定しないで芯ズレが生じ易い、また据付けも困難と
いう問題がある。特に据付けを容易にするため、各ロー
ラの高さ位置を油圧ジャッキで微調節できるようにした
ものもあるが、前述した最大直径約10m、重量約80tと
いう物に対してはあまり現実的ではない。特に、回転フ
レームを製作したもののその据付け、調整に時間がかか
り、工期に半年や1年以上を要している例も少なくな
い。
【0009】また、他の一つは、回転フレームがフリク
ションドライブされるため滑りが生じ易く、回転フレー
ムを狙った位相位置に停止し難く、急な加減速も行えな
い問題がある。
【0010】また、他の一つは、回転フレームの基本構
造が、フロントリングとリアリングとを複数の直線状ビ
ームで単に連結したものに過ぎないため、剛性が低く、
例えばフロントリングが駆動されたときに捩れてしま
い、芯が決まらない問題がある。
【0011】本発明の目的は、回転フレームを芯ズレな
く正確に狙いの位相位置まで回転させ、陽子線の照射誤
差を減少できる粒子線治療設備のガントリ装置を提供す
ることにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明に係る粒子線治療
設備のガントリ装置は、回転フレームのフロントリング
に旋回環を取り付け、この旋回環を床上に支持するよう
にしたものである。
【0013】ここで、上記旋回環がフロント支持フレー
ムを介して床上に支持され、上記旋回環が、上記フロン
トリングに固定される内輪と、上記フロント支持フレー
ムに固定される外輪と、これら内外輪間に介在されこれ
ら内外輪をラジアル方向及びスラスト方向に支持する複
数のローラとから構成されるのが好ましい。
【0014】また、上記フロント支持フレームが、上記
回転フレームを前後傾させるための回動部を有するのが
好ましい。
【0015】また、上記回転フレームのリアリングを床
上に載置状態で支持するリア支持フレームが設けられ、
このリア支持フレームが、上記リアリングを載置させる
ローラを有するのが好ましい。
【0016】また、上記フロント支持フレームが2本の
脚部を有し、上記リア支持フレームが一つ設けられ、こ
れら2本の脚部と一つのリア支持フレームとにより上記
回転フレームが3点支持されるのが好ましい。
【0017】また、上記フロント支持フレームに患者用
ベッドが取り付けられるのが好ましい。
【0018】また、本発明に係る粒子線治療設備のガン
トリ装置は、回転フレームをそのフロント部で2点支持
し、リア部で1点支持するようにしたものである。
【0019】また、本発明に係る粒子線治療設備のガン
トリ装置は、回転フレームをギヤ駆動するためのギヤ駆
動装置を設けたものである。
【0020】ここで、上記ギヤ駆動装置が上記回転フレ
ームのフロントリングを駆動するものであるのが好まし
い。
【0021】また、上記ギヤ駆動装置が少なくとも二つ
のモータを有し、これらモータが互いに逆転方向に駆動
されてそのトルク差により上記回転フレームを回転駆動
するものであるのが好ましい。
【0022】また、本発明に係る粒子線治療設備のガン
トリ装置は、回転フレームのフロントリングとリアリン
グとをトラス構造体により連結したものである。
【0023】
【発明の実施の形態】以下、本発明の好適な実施の形態
を添付図面に基づいて詳述する。
【0024】図1乃至図3は本発明に係るガントリ装置
を示し、図2はフロント側から見たときの正面図、図1
は左側面図、図3はリア側から見たときの背面図であ
る。
【0025】図示するように、かかるガントリ装置1に
おいては、床上の所定高さ位置に回転自在に支持される
回転フレーム2が設けられる。回転フレーム2は前端の
フロントリング3、後端のリアリング4、及びこれらを
連結するトラス構造体5から一体に構成され、従来より
大幅に剛性が高められている。かかる回転フレーム2と
従来との基本構造の違いは図9、図10に示す如きであ
る。
【0026】トラス構造体5は複数の管材6を繋ぎ材と
しての複数の連結球7でトラス状に組み合わせて構成さ
れる。またトラス構造体5は、フロントリング3及びリ
アリング4を円周方向所定間隔で直線的に連結する軸方
向ビーム8と、軸方向ビーム8の中間位置を外周側から
取り囲む8角環状に形成された中間外周ビーム9と、軸
方向ビーム8及び各リング3,4の繋ぎ位置から中間外
周ビーム9まで半径方向外側に延出するフロント側スポ
ークビーム10及びリア側スポークビーム11とから主
に構成される。なお中間外周ビーム9の前方に同一形状
のフロント側外周ビーム12が設けられ、中間外周ビー
ム9と連結ビーム13で連結されている。
【0027】この回転フレーム2に、陽子線搬送装置1
4や陽子線発射ノズル15が取り付けられる。陽子線の
供給源はガントリ装置1から遠く離れた場所にあり、こ
こから陽子線が徐々に加速されて陽子線搬送装置14に
送られる。陽子線搬送装置14は所謂コークスクリュタ
イプとされ、回転フレーム2の中心に沿って後方から送
られてきた陽子線ビームBを、半径方向外側に曲げ(図
1)、円周方向に90°曲げ(図2)、陽子線発射ノズル
15に送るようになっている。患者Pはベッドに横たわ
った状態で回転フレーム2の中心にフロント側から挿入
される。この患者Pを挿入する処理室16は、フロント
リング3及びリアリング4の間に断面8角形の隔壁で仕
切られて構成される。仮想線で示す円Cは、陽子線搬送
装置14を含んだ回転フレーム2の占有スペースを示
し、その直径は約10mである。
【0028】回転フレーム2は、その中心が床F上の所
定高さ位置にくるよう設置される。そして回転フレーム
2は、そのフロントリング3が旋回環17及びフロント
支持フレーム18で、リアリング4がリア支持フレーム
19で、それぞれ下方から支持されるようになってい
る。フロント支持フレーム18及びリア支持フレーム1
9はそれぞれ床Fに固定される。
【0029】フロントリング3、旋回環17及びフロン
ト支持フレーム18の取付部は図4に示す構造となって
いる。先ず、旋回環17は、巨大なボールベアリングの
ようなもので、フロントリング3の外周部にボルト20
で固定される内輪21と、フロント支持フレーム18に
ボルト22で固定される外輪23と、これら内外輪2
1,23間に介在され、これら内外輪21,23をラジ
アル方向及びスラスト方向に支持する複数のローラ2
4,25とから構成される。内輪21は円環状に形成さ
れてフロントリング3の外周部に嵌合された後、ボルト
20で固定される。また、外輪23も円環状に形成され
てフロント支持フレーム18の内周部に嵌合された後、
ボルト22で固定される。ここで図2に示すように、フ
ロント支持フレーム18は、フロントリング3の半分の
高さ位置において上下に分割可能で、それぞれ外輪23
を上下から包み込むようにして嵌合させる。
【0030】内輪21及び外輪23には全周方向に沿う
凸部42及び凹部43が設けられる。そして凸部42の
外周側に多数のラジアル支持用ローラ24が全周配さ
れ、内外輪21,23のラジアル方向の相対移動が禁止
される。ただし、当然ながら内外輪21,23の相対回
転は許容される。次に、凸部42の前後側にスラスト支
持のためのローラ25が配され、内外輪21,23のス
ラストないし前後方向の相対移動が禁止される。当然、
これによっても内外輪21,23の相対回転は許容され
る。
【0031】こうして内外輪21,23は、回転方向の
み相対移動が許容され、3軸方向には相対移動が規制さ
れるようになる。これはつまり、フロントリング3が固
定系に対し回転のみ許容され、3軸方向には拘束される
ことを意味する。
【0032】ここで図2に示すように、フロント支持フ
レーム18は、旋回環17を囲繞する外輪支持部26
と、外輪支持部26の下方に位置されて装置幅方向に離
間された2本の脚部27と、脚部27の下方に位置され
て床Fに固定されるベース部28とから構成され、脚部
27がベース部28から起立される。これら脚部27に
よりフロントリング3は床F上に2点支持される。
【0033】脚部27は途中で2分割され、装置幅方向
に沿うピン29で回動自在に接続される。これにより脚
部27の上部27aが固定側となる下部27bに対して
前後傾可能となり、回転フレーム2が前後傾可能とな
る。このように脚部27のピン接続部が本発明の回動部
をなす。ただし回転フレーム2は左右方向には傾動しな
い。回動部はこれに限らず、例えば脚部27を分割せず
ベース部28とピン接続し、これを回動部としてもよ
い。
【0034】図3に示すように、リア支持フレーム19
は、床Fに固定されるベース部30と、ベース部30の
上部に位置され、ベース部30にピン31で接続される
揺動可能なメインヨーク32と、メインヨーク32の両
腕の先端部にそれぞれピン33で接続され、メインヨー
ク32の上部に位置される揺動可能な一対のサブヨーク
34と、各サブヨーク34にピン35を介して回転自在
に取り付けられ、サブヨーク34から僅かに上方に突出
されてリアリング4を載置させる各一対、計4個のロー
ラ36とから構成される。
【0035】ピン31,33は装置軸方向(図3の紙面
厚さ方向)に延出される。これによりメインヨーク32
及びサブヨーク34がリアリング4の外周面方向(軸方
向と垂直な方向)に沿って揺動できるようになる。ロー
ラ36上に回転フレーム2のリアリング4を載せると、
メインヨーク32及びサブヨーク34が適宜揺動し、リ
アリング4が4個のローラ36のなす谷部に落ち込み、
各ローラ36に均等に接触するようになる。こうしてリ
アリング4が下方から回転自在に支持され、その自重で
定位置に保持される。なおリアリング4はローラ36に
よって軸方向に拘束されない。
【0036】回転フレーム2のリア部の荷重はピン31
に集中してからベース部30、床Fへと伝達される。こ
の意味で、回転フレーム2はリアリング4ないしリア部
が1点支持される。こうして回転フレーム2はフロント
部と合わせて計3点支持されるようになる。なお以上の
支持方法を模式的に図6、図7に示す。図6は左側面
図、図7は背面図で、図7の如くリア部は1点支持とな
り、図8に示す従来の2点支持と異なる。CI はアイソ
センタを示す。
【0037】次に回転フレーム2の回転駆動部について
説明する。図1、図2、図4に示すように、ここでは回
転フレーム2のフロントリング3を駆動するためのギヤ
駆動装置37が設けられる。ギヤ駆動装置37は、フロ
ント支持フレーム18の前面部に固定され装置幅方向に
離間された二つのモータ(減速機を含む)38と、各モ
ータ38の回転軸39にそれぞれ取り付けられた二つの
ドライブギヤ40と、これらドライブギヤ40に歯合さ
れ、旋回環17の内輪21に全周刻設されたドリブンギ
ヤ41とから構成される。モータ38は回転軸39を後
方に向けて配置される。旋回環17においては内輪21
の前部が外輪23より突出され、その前部外周側にドリ
ブンギヤ41が刻設されている。
【0038】図5に示すように、ここでは二つのモータ
38が互いに逆転方向に駆動され、そのトルク差により
回転フレーム2が回転駆動されるようになっている。一
般にギヤ駆動方式を採用すると、ギヤ歯合部にバックラ
ッシュBが生じ、回転位置決めが正確に行えなくなるの
で、これを防止するためこのような駆動方式を採用した
ものである。図示するように、左側のドライブギヤ40
が反時計回りにトルクTA で回転され、右側のドライブ
ギヤ40が時計回りにトルクTB で回転され、TA >T
B だとすると、これらトルク差TA −TB がドリブンギ
ヤ41に伝達され、このトルク差TA −TB でドリブン
ギヤ41が時計回りに回転駆動されるようになる。両ド
ライブギヤ40がドリブンギヤ41を離反方向に押すの
で、両歯合部でのバックラッシュBが打ち消され、正確
な回転位置決めが達成できる。なおモータ数は3以上で
もよい。かかるモータのトルク差で回転フレームを駆動
するからである。
【0039】次に、本実施形態の作用を説明する。
【0040】本実施形態によれば、回転フレーム2を軸
方向に拘束し、回転フレーム2の軸方向のズレを防止で
きる。即ち、フロントリング3に旋回環17を取り付
け、旋回環17を床上に固定支持するようにしたので、
フロントリング3を軸方向(前後方向)のみならず、高
さ方向、左右方向にも拘束でき、これにより回転フレー
ム2の位置ズレ、芯ズレを完全に防止することができ
る。なお、回転フレーム2は前後傾可能だが、自重が極
めて大きいため据付後に前後傾することはない。よって
地震時にも安全性は保たれる。
【0041】また、本実施形態によれば、回転フレーム
2を3点支持したので、据付け時に位置決めし易く、回
転が安定し、回転中の芯ズレも防止できる。特に本実施
形態では据付けが大変容易である。即ち、フロントリン
グ3とフロント支持フレーム18とを旋回環17を介し
て連結し、後はリアリング4をリア支持フレーム19の
ローラ36上に載せるだけでよい。するとフロント支持
フレーム18に対するリア支持フレーム19の設置位置
の狂いが、脚部27の回動(回転フレーム2の前後傾)
と、メインヨーク32及びサブヨーク34の揺動とによ
り吸収され、常に安定した3点支持を実現できるように
なる。
【0042】なお、回転フレーム2の中心線は必ずしも
厳密に水平線と合わせる必要はなく、据付状態において
僅かに前後傾していても構わない。要は手術中の数時間
の間、回転フレーム2が芯ズレせず、正確に1回転でき
ればよいのである。
【0043】また、本実施形態によれば、回転フレーム
2をギヤ駆動したので、回転駆動時の滑りを防止し、回
転フレーム2を狙った位相位置に確実に停止できると共
に、急な加減速も可能となる。また前述したように、バ
ックラッシュに起因する回転位相ズレも防止できる。な
お、旋回環17の内輪21を利用してドリブンギヤ41
を設けたので、フロントリング3に何等加工をしないで
済む。
【0044】また、フロントリング3及びリアリング4
をトラス構造体5で連結したので、回転フレーム2の特
に捩り剛性が大幅に強化され、フロントリング3を駆動
したときの回転フレーム2の捩り変形、芯ズレが防止で
きる。なおかかる回転フレーム2の場合、捩り剛性を従
来に比べ30%増大することができた。この回転フレーム
2の設計にはFEM 解析が有効に用いられている。
【0045】ところで、患者に陽子線を照射する際、患
者はベッドに寝かせられた状態でベッドごと回転フレー
ムの中心、特にアイソセンタ位置に挿入される。しかし
従来は図14に示すように、ベッド80が、回転フレー
ム72と別の系である床(構造物)81側に取り付けら
れていたため、患者83と陽子線照射ノズル82との相
対位置が狂い易く、良好な照射精度を得ることが難しか
った。
【0046】即ち、陽子線治療においてはアイソセンタ
の位置を常に高精度で再現することが重要だが、従来の
回転フレーム72だと床81に対し位置がズレ易く、こ
れが困難だった。これだとベッド80を床81に対し一
定位置に位置付けたとしても、回転フレーム72の位置
ズレにより、患者83に対する陽子線照射ノズル82の
相対位置がズレてしまう。
【0047】このような回転フレーム72ないしアイソ
センタの位置ズレの原因としては、回転フレーム72を
支持するローラ73(図11参照)の摩耗、回転フレー
ム72がローラ73上で摩擦伝動されることに伴う軸方
向のズレ、地盤沈下等が考えられる。このように従来は
回転フレーム72の位置再現性が良好でなく、患者用ベ
ッド80の位置を回転フレーム72の位置ズレに合わせ
て頻繁に微調整しなければならなかった。患者用ベッド
80には通常これを昇降移動、水平移動及び旋回移動さ
せるためのアクチュエータ84が装備されている。よっ
て患者用ベッド80の位置調整は可能だが、当初からこ
れを予定するのは適当でない。
【0048】これに対し本装置では、フロント支持フレ
ームが回転フレームと同一系をなすので、これを利用し
て、患者用ベッドをフロント支持フレームに取り付ける
ことができる。具体的には図12及び図13に示すよう
に、患者用ベッド85は、アクチュエータ86及びベッ
ド支持フレーム87を介してフロント支持フレーム18
に取り付けられる。アクチュエータ86はベッド85を
昇降移動、水平移動及び旋回移動可能に下方から支持す
る。ベッド支持フレーム87はアクチュエータ86を載
置状態で支持し、フロント支持フレーム18の前面部に
一体的に固定される。ベッド支持フレーム87は、アク
チュエータ86の載置部をなす左右に延びた板状部88
と、板状部88を左右両端で下方から支持する一対の支
持部89(図13のハッチング部分)とから一体にな
る。板状部88はモータ38の上方に位置されてこれを
覆う。支持部89はフロント支持フレーム18の脚部2
7に沿って配置され、脚部27の上部27aの上方の位
置に、且つモータ38の左右外側の位置に固定される。
なお前記実施形態と同一の構成については図中同一符号
を付し説明を省略する。
【0049】フロント支持フレーム18と回転フレーム
2とが旋回環17を介して接続されるので、フロント支
持フレーム18と回転フレーム2とは回転方向を除き、
相対位置のズレがなく、これらは同一系をなす。よって
フロント支持フレーム18に患者用ベッド85を取り付
けることで、地盤沈下等により回転フレーム2が位置ズ
レしたとしても、これに追従してフロント支持フレーム
18及びベッド85がズレ、回転フレーム2とベッド8
5との相対位置の同一性が保証される。ここでフロント
支持フレーム18は脚部27のピン29を境に前後傾可
能だが、ベッド85は回転フレーム2が取り付けられる
のと同一側、つまりピン29の上部側に設けられる。従
って、フロント支持フレーム18の前後傾に合わせてベ
ッド85も前後傾することになり、結局ベッド85と回
転フレーム2との相対位置のズレはない。
【0050】これによって、患者と陽子線発射ノズル1
5との相対位置のズレをなくすことができ、照射精度を
大幅に向上できる。またベッド85の位置調整の頻度も
大幅に低減でき、再現性も良好となる。
【0051】なお、本発明の実施形態は他にも種々考え
られる。また本発明は陽子線のほか重粒子線等、他の粒
子線治療設備にも適用可能である。
【0052】
【発明の効果】以上要するに本発明によれば、回転フレ
ームを芯ズレなく正確に狙いの位相位置まで回転させ、
陽子線の照射誤差を減少できるという、優れた効果が発
揮される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るガントリ装置の実施形態を示し、
図2の左側面図である。
【図2】本発明に係るガントリ装置の実施形態を示し、
正面図である。
【図3】本発明に係るガントリ装置の実施形態を示し、
図2の背面図である。
【図4】フロントリング、旋回環及びフロント支持フレ
ームの取付部を示す左縦断側面図である。
【図5】回転フレームの駆動方法を説明するための図で
ある。
【図6】回転フレームの支持方法を模式的に示す左側面
図である。
【図7】回転フレームのリアリングの支持方法を模式的
に示す背面図である。
【図8】従来の回転フレームのリアリングの支持方法を
模式的に示す背面図である。
【図9】本発明に係るガントリ装置の回転フレームの基
本構造を示す斜視図である。
【図10】従来のガントリ装置の回転フレームの基本構
造を示す斜視図である。
【図11】従来のガントリ装置の基本構造を示す斜視図
である。
【図12】本発明に係るガントリ装置の別の実施形態を
示し、図13の左側面図である。
【図13】本発明に係るガントリ装置の別の実施形態を
示し、正面図である。
【図14】従来の患者用ベッドの取付方法を示す斜視図
である。
【符号の説明】
1 ガントリ装置 2 回転フレーム 3 フロントリング 4 リアリング 5 トラス構造体 17 旋回環 18 フロント支持フレーム 19 リア支持フレーム 21 内輪 23 外輪 24,25 ローラ 26 ローラ 27 脚部 29 ピン 37 ギヤ駆動装置 38 モータ 85 患者用ベッド F 床 TA −TB トルク差
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 星井 勤 東京都江東区毛利一丁目19番10号 石川島 播磨重工業株式会社江東事務所内 (72)発明者 辻 直人 東京都江東区毛利一丁目19番10号 石川島 播磨重工業株式会社江東事務所内 Fターム(参考) 4C082 AA01 AC05 AE03 AG54 AL01

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 回転フレームのフロントリングに旋回環
    を取り付け、該旋回環を床上に支持するようにしたこと
    を特徴とする粒子線治療設備のガントリ装置。
  2. 【請求項2】 上記旋回環がフロント支持フレームを介
    して床上に支持され、上記旋回環が、上記フロントリン
    グに固定される内輪と、上記フロント支持フレームに固
    定される外輪と、これら内外輪間に介在されこれら内外
    輪をラジアル方向及びスラスト方向に支持する複数のロ
    ーラとから構成される請求項1記載の粒子線治療設備の
    ガントリ装置。
  3. 【請求項3】 上記フロント支持フレームが、上記回転
    フレームを前後傾させるための回動部を有する請求項2
    記載の粒子線治療設備のガントリ装置。
  4. 【請求項4】 上記回転フレームのリアリングを床上に
    載置状態で支持するリア支持フレームが設けられ、該リ
    ア支持フレームが、上記リアリングを載置させるローラ
    を有する請求項2又は3記載の粒子線治療設備のガント
    リ装置。
  5. 【請求項5】 上記フロント支持フレームが2本の脚部
    を有し、上記リア支持フレームが一つ設けられ、これら
    2本の脚部と一つのリア支持フレームとにより上記回転
    フレームが3点支持される請求項4記載の粒子線治療設
    備のガントリ装置。
  6. 【請求項6】 上記フロント支持フレームに患者用ベッ
    ドが取り付けられる請求項2乃至5いずれかに記載の粒
    子線治療設備のガントリ装置。
  7. 【請求項7】 回転フレームをそのフロント部で2点支
    持し、リア部で1点支持するようにしたことを特徴とす
    る粒子線治療設備のガントリ装置。
  8. 【請求項8】 回転フレームをギヤ駆動するためのギヤ
    駆動装置を設けたことを特徴とする粒子線治療設備のガ
    ントリ装置。
  9. 【請求項9】 上記ギヤ駆動装置が上記回転フレームの
    フロントリングを駆動するものである請求項8記載の粒
    子線治療設備のガントリ装置。
  10. 【請求項10】 上記ギヤ駆動装置が少なくとも二つの
    モータを有し、これらモータが互いに逆転方向に駆動さ
    れてそのトルク差により上記回転フレームを回転駆動す
    るものである請求項8又は9記載の粒子線治療設備のガ
    ントリ装置。
  11. 【請求項11】 回転フレームのフロントリングとリア
    リングとをトラス構造体により連結したことを特徴とす
    る粒子線治療設備のガントリ装置。
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