JP2000139156A - 刈り払い装置及び刈り払い方法 - Google Patents

刈り払い装置及び刈り払い方法

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JP2000139156A
JP2000139156A JP10312518A JP31251898A JP2000139156A JP 2000139156 A JP2000139156 A JP 2000139156A JP 10312518 A JP10312518 A JP 10312518A JP 31251898 A JP31251898 A JP 31251898A JP 2000139156 A JP2000139156 A JP 2000139156A
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Japan
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mowing
robot arm
work vehicle
mower
arm
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JP10312518A
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Takeshi Imoto
武 井本
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Kochi Prefecture
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 山林、果樹園、公園等の下草、草等の刈り払
い作業を行う部分の機械化、自動化に応える刈り払い装
置及び刈り払い方法を提供する。 【解決手段】 本発明にかかる刈り払い装置は、作業車
と、基端が前記作業車に据えつけられたロボットアーム
と、このロボットアームの先端に取り付けられた刈り払
い具とを備え、前記ロボットアームは、アーム要素とア
ーム要素同士を屈曲可能に連結する関節からなる屈曲可
能な構造を有して、前記刈り払い具を前後、上下できる
ようになっていることを特徴とし、この刈り払い装置を
用いた刈り払い方法は、第1に、上記ロボットアームに
対し、前記刈り払い具を前記作業車を中心にして旋回さ
せる動作と前後方向に等ピッチずつ移動させる動作をさ
せることにより、扇形領域内の刈り払い作業を行わせる
ことを特徴とし、第2に、非接触式検知システムで刈り
払い具を刈り払い位置に案内することを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、刈り払い装置およ
び刈り払い方法に関し、詳しくは、山林、果樹園、公園
等における下草、草等の刈り払い作業を行うための装置
と、この装置を用いて刈り払い作業を行う方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来、山林、果樹園、公園等における下
草、草等の刈り払い作業は、刈り払い具が装着された作
業具を作業者が手に持って操作していたが、このような
刈り払い作業は、作業者に過大な負担を掛ける上に、近
時、作業者不足の問題を生じてきている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】そのため、国内に膨大
な山林面積を抱える我が国においては、これらの問題の
解消が急がれている。本出願人は、このような事情に鑑
みて、刈り払い作業を機械化することにより山林作業者
等の負担を軽減することを考え、さらに、人力による以
上の能率向上をも考えて、刈り払い作業の機械化、自動
化を検討した。その過程で、まず、傾斜地走行に適した
作業車の開発を行った。
【0004】刈り払い作業の完全な機械化は、作業車と
は別に、刈り払い作業を行う部分の機械化をも必要とす
る。そこで、本発明の課題は、この刈り払い作業を行う
部分の機械化、自動化に応える刈り払い装置及び刈り払
い方法を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者は、刈り払い作
業を行う部分の機械化を検討する過程で、この部分は、
比較的長いブーム・アームを利用するのが有利であるこ
と、刈り払い作業の自動化のために作業車や刈り払い作
業具を非接触式検知システムで案内するのが有利である
ことを着想し、刈り払い具に回転動力を伝達するための
具体的機構についても工夫を凝らし、さらに、刈り払い
具の効率の良い動作制御についても検討、実験を重ね
て、本発明を完成した。
【0006】したがって、本発明にかかる刈り払い装置
は、山林、果樹園、公園等の下草、草等を刈り払いする
装置であって、作業車と、基端が前記作業車に据えつけ
られたロボットアームと、このロボットアームの先端に
取り付けられた刈り払い具とを備え、前記ロボットアー
ムは、アーム要素とアーム要素同士を屈曲可能に連結す
る関節からなる屈曲可能な構造を有して、前記刈り払い
具を前後、上下できるようになっていることを特徴とす
る。
【0007】また、本発明にかかる刈り払い方法は、上
記の刈り払い装置を用いて下草、草等を刈り払いする方
法であって、第1に、上記ロボットアームに対し、前記
刈り払い具を前記作業車を中心にして旋回させる動作と
前後方向に等ピッチずつ移動させる動作をさせることに
より、扇形領域内の刈り払い作業を行わせることを特徴
とし、第2に、非接触式検知システムで刈り払い具を刈
り払い位置に案内することを特徴とし、前記案内は、
岩、根株、有用樹木等の障害物が存在していて刈り払い
を避ける必要のある一定領域内に前記刈り払い具が侵入
しないように案内することをも含む。
【0008】
【発明の実施形態】以下に、本発明の実施形態を図面に
基づき詳しく説明する。 −刈り払い装置− 図1の一実施形態に見るように、本発明にかかる刈り払
い装置Mは、屈曲自在なロボットアーム10と、このロ
ボットアーム10を搭載する作業車20と、前記ロボッ
トアーム10によって操作される刈り払い具30とを備
えている。
【0009】ロボットアーム10は、2本のアーム要素
11、12とアーム要素を図示(実線矢印1)のごとく
屈曲可能に連結する関節13とを有する、いわゆるブー
ム・アーム機構を備えている。図中、14はロボットア
ーム10に対し関節13での屈曲を行わせる油圧シリン
ダ機構である。アーム要素の数と関節の数はもっと多く
でもよい。関節は、アーム要素相互間の屈曲のみでな
く、回転や伸縮などの運動を可能にすることが出きれば
より好ましい。このように、運動の自由度が高い関節を
備えていたり、関節の数が多いほど、ロボットアームの
動作範囲が広くなり、スムーズな動作が可能になる。ロ
ボットアーム10の駆動力は、駆動源15から、油圧の
ほか、空気圧や電気の形で、モータ、ピストン機構、ギ
ア機構、カム機構などの動作機構を介してロボットアー
ム10の油圧シリンダ機構14に供給される。
【0010】ロボットアーム10の基端101は、図
1、2の実線矢印2に見るような水平旋回と実線矢印3
に見るような垂直旋回とができる状態で作業車20の上
面に据え付けられている。ロボットアーム10の基端
が、このように水平、垂直旋回自在となっておれば、ロ
ボットアーム10を作業車20の周囲の任意の方向に伸
ばして刈り払い作業を行うことが可能になる。ロボット
アーム10の基端は作業車20の上面に設けられた台2
9に据えつけられている。この台29は、その据付面
(上面)の傾き角度を変えることが出来るようになって
いて、作業面の傾斜角度が水平面から例えば図1の実線
に見るような傾斜面になったときは、その据付面(上
面)の傾き角度を図1に見るように変えて、その据付面
(上面)を作業地の傾斜面に対し面平行になるようにす
る。これによって、ロボットアーム10の刈り払い動作
等に必要な旋回動作が、台29の据付面(上面)から見
て常に水平旋回動作となり、旋回動作が容易かつ正確と
なる。
【0011】作業車20は、その車体21を、その三方
に配置した走行車輪22a〜22cにより地面Eの3点
で支持させるようにするので、幾何学的に安定した状態
で車体21を支持させることができるからである。地面
Eの傾斜角度、凹凸やうねりの有無に関わらず、常に安
定した支持と走行が可能になる。車体21は、ガソリン
や軽油で稼働されるエンジンや発電機(図示省略)や制
御盤等を備えている。制御盤212は無線操作器(図示
省略)との間で無線通信を行い、無線操作器からの指令
に基づいて、作業車20の各種機構を作動制御する。各
走行車輪22a〜22cは車体21に設けられた支持部
23下端の保持部24に回転可能に保持されており、保
持部24に備えた油圧モータ(図示せず)で回転駆動さ
れる。支持部23は、油圧シリンダ機構からなる伸縮脚
231を備え、各走行車輪22a〜22cを昇降させる
ことができる。保持部24は、油圧駆動されるロータリ
アクチュエータ25を介して支持部23の下端に取り付
けられており、ロータリアクチュエータ25の動作によ
って横旋回し、各走行車輪22a〜22cの走行方向を
変える。走行車輪22cの支持部23は、その上端が車
体21に対し縦旋回可能に支持されており、図1に2点
鎖線で示すように、地面Eの傾斜角度に応じて車体21
に対するその開き角度を調節する。
【0012】作業車20は、走行車輪22a〜22cの
走行方向を、図2または図3のように直交する2方向に
切り換えるなど、各走行車輪22a〜22cの走行方向
を適切に設定することで、傾斜に沿って滑り落ちたり車
体21が傾いたりすることを確実に防止して、傾斜地に
おける走行を容易にすることができるのである。すなわ
ち、作業車20は、平坦地を走行したり、傾斜地を登り
降りしたりするときには、図3に示すように、走行車輪
22cを先頭にし、一対の走行車輪22a、22bが後
方で平行となった状態で走行するようにする。この姿勢
により、安定な走行と自由な操向が可能となる。なお、
傾斜地では、走行車輪22cが山側に配置され、走行車
輪22a、22bが谷側に配置される。傾斜地において
各種の作業を行うとき、あるいは、傾斜地の同じ高度で
水平方向に移動する、いわゆる等高線移動を行うときに
は、図1、2に示すように、各走行車輪22a〜22c
の向きを揃えて走行する。各走行車輪22a〜22cの
向きを図1、2に示すようにしておけば作業車20が傾
斜に沿って滑り落ちることが防止できる。傾斜地の途中
であっても安定した状態で停車して各種の作業を行うこ
とができる。
【0013】作業車としては、ほかに、山林等を走行可
能であれば農業用等の作業車が用いられても差し支えな
い。作業車の走行手段としては、ほかに、図4に示すよ
うな無限軌道22dやクローラなどが採用されても良
い。作業車20は、図4に示すように、作業者Jが搭乗
して操縦を行うものであってもよいし、無線または有線
で遠隔操作するものであってもよい。さらに、予め入力
されたプログラムに従い、自動的に走行させ、刈り払い
作業を行わせることもできる。
【0014】ロボットアーム10の先端に取り付けられ
た刈り払い具30は、下草や草を刈る場合は丸のこ刃、
レシプロ刃、回転バリカン刃などが使用されるが、公園
などの枝払い等の場合はいわゆる挟みなどであっても良
い。ロボットアーム10の先端102には、このような
刈り払い具30に駆動力を供給する油圧モータ、空気圧
モータ、電気モータ等の駆動源(図示省略)を備えてい
ることもできる。しかし、刈り払い具30の取り付け部
分の位置に駆動源を設置すると、ロボットアームの先端
が重くなり、ロボットアーム10を丈夫に構成する必要
があるので、ロボットアーム10の重量が大きくなる。
そこで、例えば、図4に見るように、ロボットアーム1
0の関節13の位置に油圧モータ等の駆動源31を設置
する等、駆動源31は、ロボットアーム10の据え付け
位置になるべく近く設置するのが好ましいし、作業車2
0上に設置するようにしても良い。図4において、32
は油圧モータによる回転駆動を刈り払い具30に伝達す
るための回転伝達手段(フレキシブルシャフトやスプラ
イン軸など)であり、33は後述するアタッチメント取
付部161の揺動、旋回に必要な動力をロボットアーム
10の先端102に伝達するための正逆回転伝達手段
(フレキシブルシャフトなど)の一つであり、この回転
駆動は油圧モータ34によりなされる。図4において、
15は油圧モータ31を駆動するための油圧ポンプであ
る。油圧ポンプ15は例えばガソリンエンジンで駆動さ
れる。
【0015】駆動源31からの駆動力を刈り払い具30
に伝達する手段は、前述のようなフレキシブルシャフト
等、ロボットアーム10の外部に設けられた回転伝達手
段32であっても良いが、図5に示すように、ロボット
アーム10内の回転軸111、121を通じて機械的
に、回転駆動力を刈り払い具30に伝達するようにする
と、ロボットアーム10の先端が駆動源31で重くなる
ことが防がれ、ロボットアーム10全体の軽量化を図る
ことが出きる。すなわち、ロボットアーム10は、図5
の(a)に見るように、そのアーム要素11、12内に
アーム要素の長さ方向に沿う回転軸111、121を有
するとともに、その関節13内に二つのアーム要素1
1、12の各回転軸111、121を同期回転可能に接
続するユニバーサルジョイント131を有する。図中、
112、122、132は関節13部分に設けられた軸
受である。ユニバーサルジョイント131は、図5の
(a)では1次傘歯車131a、中間傘歯車131b、
2次傘歯車131cからなる傘歯機構であるが、関節1
3の図5の(b)に矢印4で示す屈曲性やその他の動作
を損なわないで回転駆動力を伝達できる限り、傘歯機構
以外の機構であっても良い。
【0016】作業車20から供給される駆動力は、刈り
払い具30に供給されるまでの段階で増速および/また
は減速される必要があることが多い。このような場合
は、ユニバーサルジョイント131がこの増速および/
または減速を可能とするようになっていると便利であ
る。例えば、林業用の刈り払い具30は、その回転数が
8000rpm 程度必要であり、油圧モータの最大回転数
6000rpm 程度では一般に不足である。上記図5にに
示す傘歯機構では、2次傘歯車131cが1次傘歯車1
31aよりも小さな径であって、2次側の増速が可能と
なっている。ユニバーサルジョイント131のこの増速
機構により、刈り払い具30に伝達する回転数を100
00rpm 程度に上げることができる。
【0017】作業車20からの回転駆動をロボットアー
ム10内の回転軸111に伝える駆動連結機構は、ロボ
ットアーム10を作業車20に据え付けたり、作業車2
0から外したりする場合を考慮して、連結とその解除が
可能になっている必要がある。また、ロボットアーム1
0内に伝えられた回転駆動を刈り払い具30の駆動軸3
5に伝える駆動連結機構も、刈り払い具30をロボット
アーム10の先端に取り付けたり、先端から取り外した
りする場合を考慮して、連結とその解除が可能になって
いる必要がある。そこで、これらの駆動連結機構は、例
えば図6の(a)に見るように、駆動側の軸26(3
2)の先端に四角形のホゾ穴261(321)を形成し
ておき、他方、受動側の軸111(35)の基端にはこ
のホゾ穴に挿入する断面四角形のホゾ111a(35
1)を形成しておいて、これらホゾ111a(351)
とホゾ穴261(321)のかみ合いで回転の伝達と連
結・解除を可能とさせておく。ホゾと穴は上述と逆の側
に設けても良い。回転の伝達と連結・解除はホゾと穴以
外の機構によってもよい。これをロボットアーム10に
ついて述べると、作業車20から供給される回転駆動力
を受けるためのロボットアーム基端101に臨む回転軸
111の基端は、作業車20の駆動軸26から供給され
る回転駆動力を受けるための上記図6の(a)に見る駆
動連結機構からなる基端側動力伝達部を有するととも
に、ロボットアーム先端102に臨む回転軸の先端もそ
の回転駆動力を刈り払い具30の回転駆動軸35に供給
するための上記図6の(a)に見る駆動連結機構からな
る先端側動力伝達部を有するのである。
【0018】ロボットアーム10の先端102には図
1、4に見るように、刈り払い具30の着脱自在なアタ
ッチメント取付部16が設けられている。アタッチメン
ト取付部の細部の構造は、刈り払い具の構造に合わせて
異ならせても良いが、刈り払い具30をユニット化して
おくと、取付構造も動力供給機構も共通にしておくこと
ができ、一つの取付部に複数種類の刈り払い具を交換自
在に取り付けることが可能になる。このアタッチメント
取付部16の具体的な取付構造は、ネジ締め構造、嵌め
込み構造、金具締結構造などであって良く、特に限定す
る訳ではないが、締め込みと緩めで取り付け取り外しで
きるリング締め構造であると、刈り払い具の着脱を簡単
に行うことができるので、好ましい。
【0019】図6の(b)はこのようなリング締め構造
の一例を示している。図7の(a)はこのアタッチメン
ト取付部16をロボットアーム10との関係で示してい
る。図6の(b)は刈り払い具30がレシプロ刃である
場合を示すのに対し、図7の(a)は図1の場合と同
様、刈り払い具30が回転丸のこ刃である場合を示す。
アタッチメント取付部16は、刈り払い具ユニット40
に設けられた取付筒41を受け入れる締めリング161
をその取付筒162に対し回転可能に設けている。刈り
払い具ユニット側の取付筒41をアタッチメント取付部
側の取付筒162に押しつけておいて締めリング161
の外ネジを刈り払い具ユニット側の取付筒41の内ネジ
に噛み合わせて締めつけると、両取付筒41、162が
強固に連結される。ネジ連結であるから、この連結の解
除も容易である。
【0020】図4、7に見るように、油圧モータ31に
はその回転駆動力をアタッチメント取付部16に伝達す
るフレキシブルシャフト32が設けられている。この回
転駆動伝達手段について少し述べれば、アタッチメント
取付部16が後述のように、前後揺動、左右揺動そして
左右旋回するので、アタッチメント取付部16がこのよ
うな複雑な動きをしても常に円滑に駆動伝達できるよう
なフレキシブルシャフト32が設けられているのであ
る。刈り払い具30の回転駆動は一方向のみであるの
で、フレキシブルシャフトに代えてスプライン軸を用い
ることもできるが、アタッチメント取付部16の前後揺
動、左右揺動そして左右旋回は正逆方向であるので、そ
の回転駆動伝達手段33はスプライン軸を使用せずフレ
キシブルシャフトを使用するのが良い。
【0021】アーム要素12における関節13の近傍に
設置された油圧モータ31の回転駆動力は、図7の
(a)に見るようにフレキシブルシャフト32によって
アタッチメント取付部16に伝達され、アタッチメント
取付部16内において、図6の(b)に見るように、フ
レキシブルシャフト32から刈り払い具駆動軸35に伝
達される。この場合に、この駆動伝達機構が連結・解除
可能になっていることは図6の(a)に基づき前述し
た。この回転駆動がなされるときに刈り払い具ユニット
40が共回りすることのないよう、刈り払い具ユニット
の取付筒41の上端に設けられたピン42がアタッチメ
ント取付部の取付筒162の穴163に挿入されてい
る。図6の(b)の例ではレシプロ刃が使用されている
ので、刈り払い具ユニット40内には小径歯車43とこ
れに噛み合う大径歯車44からなる減速機構が設けられ
ている。
【0022】アタッチメント取付部16が、ロボットア
ーム10の先端において、図7の(a)に2点鎖線で示
すように前後方向に揺動可能であり、図7の(b)に2
点鎖線で示すように左右方向に揺動可能であると、図1
の実線と鎖線に見るように、作業地Eの傾斜面の傾斜角
度が変わる場合においても、ロボットアーム10の第2
アーム要素12の屈曲角度と刈り払い具30の揺動角度
を適宜に変更調節することにより、刈り払い具30の面
をその場合の傾斜面に対し常に平行にすることができ、
刈り払い具30を常に高い効率でかつ、安定した刈り上
がりで作業させることが出来て、好ましい。アタッチメ
ント取付部16が、ロボットアーム10の先端におい
て、図7の(c)に扇形軌跡で示すように刈り払い具3
0の回転軸心に垂直な面内で左右に旋回可能であると、
刈り払い具30がバリカン式刈り払い刃30(B)であ
っても、刃先を、刈り払い時のロボットアーム10の動
作方向に常に向けることができ、使用可能となる。図7
の(a)、(b)は刈り払い具30が回転丸のこ刃30
(A)である場合を示す。
【0023】図7中、3本のフレキシブルシャフト33
(a,b,c)はこのような前後・左右の揺動動作と左
右旋回動作を可能とさせる回転駆動力を別々に設けられ
た3つの油圧モータ34(a,b,c)からアタッチメ
ント取付部16にそれぞれ伝える駆動伝達部(パワート
レイン)である。第1のフレキシブルシャフト33
(a)はその正逆方向の水平回転力を傘歯車36a,3
6bを介して垂直回転力に変えてアタッチメント取付部
16を前後揺動させる。第2のフレキシブルシャフト3
3(b)もその正逆方向の水平回転力を傘歯車37a,
37bを介して垂直回転力に変えてアタッチメント取付
部16を左右揺動させる。第3のフレキシブルシャフト
33(c)はその正逆方向の水平回転力をそのまま第1
水平回転歯車38aから第2水平回転歯車38bに伝え
てアタッチメント取付部16を左右旋回させる。このと
き、フレキシブルシャフト33(c)の水平回転力を直
接に水平回転歯車38bに伝えないのは、第2水平回転
歯車38bの回転中心をアタッチメント取付部16内の
刈り払い具回転駆動軸32の回転中心と一致させるた
め、第2水平回転歯車38bの回転中心を筒状空間に
し、ここに刈り払い具回転駆動軸32を通す必要がある
からである。
【0024】刈り払い具回転駆動軸32は、回転速度が
早いので、余り屈曲しない方がよい。そこで、アタッチ
メント取付部16を前後・左右揺動をにゆとりを持たせ
るため、図7の(a)中のハッチング部分で伸縮可能に
し、この伸縮で前述のフレキシブル性を発揮させてい
る。ロボットアーム10に、各アーム要素11、12と
関節13の動作状態や刈り払い具30の位置や姿勢を検
知するセンサ(図7(a)の50など)を備えておき、
センサで検知された情報を作業車20に装備された制御
部で演算処理して、刈り払い具30による刈り払い動作
を正確に制御することができる。
【0025】−刈り払い作業− 上記の刈り払い装置を用いて下草、草等を選択的に刈り
払いする。具体的には、作業車を停車させた状態あるい
は走行させながら、ロボットアームの先端に取り付けら
れた刈り払い具を駆動させるのである。この場合、非接
触式検知システムで刈り払い具を刈り払い位置に案内す
ることにすれば、刈り払い作業の自動化を図ることがで
きる。その際に、前記案内は、岩、根株、有用樹木等の
障害物が存在していて刈り払いを避ける必要のある一定
領域内に前記刈り払い具が侵入しないように案内するこ
とをも含む。岩や根株に刈り払い具が当たって破損する
ことを防ぐためであり、また、山林等で成育中の有用樹
木や苗木を誤って刈り払うことのないようにするためで
あるが、勿論、作業者が目視で確認しながら作業車やロ
ボットアームを操作することにしても良い。
【0026】前述の岩石、根株、有用樹木等の障害物の
回避動作を自動的に行う方法を以下に説明する。図7
(a)と図8に見るように、刈り払い装置のロボットア
ーム10の先端102やアタッチメント取付部16には
磁気センサなどの標識点検知センサ50を設置しておく
とともに、岩石、根株、有用樹木等が存在していて刈り
払い具が侵入することを避ける必要のある一定領域内に
マーカ51を予め配置しておく。このマーカ51は予め
位置情報を持っている標識点となる。マーカ51は、有
用樹木等に接触させて取り付けておいてもよいし、有用
樹木等に隣接する地面上に設置しておいてもよい。標識
検知センサ50は、刈り払い具30がマーカ51に近
接したときに検知信号を出力したり、マーカ51からの
距離に対応する強さの信号を出力したりして、マーカ5
1を検知したことを知らせる。検知機構としては、磁気
を利用するもの、電波や音波、超音波、光線を利用する
ものなど、各種の物体検知センサと同様の機構構造が採
用できる。
【0027】下草や草を刈る場合は、刈り払い具30を
地面から適切な距離だけ浮かせた状態にしておく。そこ
で、図8に見るように、アタッチメント取付部16に接
地センサ52を備えておき、接地センサ52の情報に基
づきロボットアーム10の動作を制御して、刈り払い具
30と地面Eとの距離を適切に制御するようにする。接
地センサ52は機械的接触や音波や電磁気などを利用し
て地面との間の距離を検知する。
【0028】前記非接触式検知システムは、特に限定す
る訳ではないが、人工衛星を用いて方位信号を発信し、
位置が予め正確に計測された固定点において前記方位信
号を受信する基地局と移動点において前記方位信号を受
信する移動局とを有する測位システムであって、前記移
動局は前記刈り払い装置上に配置される第1受信アンテ
ナと前記障害物が存在する一定領域内に配置される第2
受信アンテナを有し、コンピュータの記憶回路に前記第
2受信アンテナの位置座標を予め記憶させておき、前記
方位信号を受けて得られた前記刈り払い装置の現在位置
座標と直前位置座標とから前記刈り払い装置の進行軌跡
を予測し、前記記憶されている第2受信アンテナの位置
座標と前記予測された進行軌跡の比較に基づき、前記進
行軌跡内における前記障害物の有無を認識するようにす
る、第1の非接触式検知システムであっても良いし、ま
た、磁界強度検出プローブを前記刈り払い装置上に備え
るとともに、前記プローブが検出する磁界強度を入力す
る演算回路をも備え、前記演算回路に磁界強度のしきい
値を設けておいて、時々刻々得られる前記磁界強度の値
を前記しきい値と比較することにより、磁力を発生する
マーカの有無と位置を認識するシステムであり、前記一
定領域内に予め前記マーカを配置しておく、第2の非接
触式検知システムであっても良い。第1の非接触式検知
システムでは、前記移動局が非接触式の標識点検知セン
サを搭載するとともに、前記作業車の走行ルートおよび
/または刈り払いルート上には予め計測された位置情報
をもつ標識点が配置されており、前記標識点検知センサ
が前記標識点を検知したときに位置情報の補正が加わる
ようになっていることが好ましいし、第2の非接触式検
知システムでは、前記磁界強度検出プローブを1軸上に
2個備えるとともに、前記各プローブが検出する磁界強
度のX成分とY成分を成分ごとにそれぞれ差し引く差分
回路をも備え、この差分回路が時々刻々出力する差分値
が前記演算回路に入力されてX成分、Y成分ごとに前記
しきい値との比較がなされるようにすることが好まし
い。
【0029】以下に、上記第1の非接触式検知システム
(GPS方式による測位方法)を用いた走行方式を具体
的に説明する。GPS方式による測位方法は、少なくと
も4つの衛星から発信される電波のうちのL1 帯(17
75.42Mz)の暗号(C/Aコード;発信時刻、自
己の軌道情報、他の全ての衛星の軌道情報を含む)を解
読し、各衛星と受信機の間の擬似距離(電波速度×(到
達時刻−発信時刻))を計算して、受信点の位置を求め
る単独測位方法であり、GPS衛星の数が多くなるほど
位置精度が上がる。衛星の配置状態や到達時刻測定の方
式などに基づく位置精度の劣化を補うため、例えば、G
PS方式の1種であるディフアレンシヤルGPSでは、
C/Aコードで計測した位置情報を補正情報としてもう
1 台の受信機に伝送し、両方のGPS受信機の各誤差の
差に基づきシステム誤差を打ち消す方法を採っている。
C/Aコード情報に関する擬装誤差を除くために、1秒
間隔で発信されるC/Aコードを定点で10〜30秒間
受信し受信点の位置座標を統計処理して平均値をとるよ
うにすることもある。L1 帯の搬送波を2個のGPS受
信機で同時に受信してその位相波の計測により高い精度
の計測結果を得ることもでき、この場合のデータ処理に
は、2個の受信データをもとに後処理する方法と上述と
同様に連続して移動測定をするRTK(リアルタイム・
キネマティック・システム)法がある。以上の結果、得
られる位置情報は20cm程度の精度を有することにな
る。
【0030】有用樹木、苗木、岩などの障害物を誤って
刈り払いさせないためには、座標位置の測定精度は20
cm以下にしておくのが良いので、本発明にかかる刈り払
い方法では、障害物の回避システムとしては、上述の統
計処理し平均値を用いる方法やRTK法を採用するのが
良い。しかも、これらの場合においても、さらに、標識
点において位置補正する方法を加える。そうすれば位置
精度がさらに高まるからある。この位置補正により位置
精度がさらに高まる理由は次のとおりである。すなわ
ち、衛星の配置状態は時間的にみて急な変化は無いの
で、衛星位置の誤差は地上の広い範囲で同一に影響する
と考えてよい。そのため、測定時刻がほぼ同時刻で、し
かも50m以内の狭い範囲の各測定点では、衛星位置の
誤差は殆ど同値となる。そこで、標識点における現測定
値(ディファレンシャルGPSでは統計処理後の測定
値)と登録値との間で位置補正を行えば、正確な座標を
示すことが出来る。
【0031】図9は固定点に設置した私設のGPS受信
機から移動体上のGPS受信機に誤差データをリアルタ
イムに伝送するシステム(ディファレンシャルGPSリ
アルタイム測位システム)を示している。本発明にかか
る刈り払い方法の一実施形態では、この図に見るよう
に、予め正確に計測された固定点に、GPS受信アンテ
ナ61aとGPS受信機62aと送信制御装置63aと
パソコン64aを設置して、基地局60Aを構成する。
移動局60Bは刈り払い作業時に使用する第1受信アン
テナ61aと準備段階で使用する第2受信アンテナ61
bとの2種類の受信アンテナを備えている。第1受信ア
ンテナ61aは作業車20上に搭載されたGPS受信ア
ンテナであり、第2受信アンテナ61bは有用樹木、苗
木、岩などの障害物Wの近くや作業車20を移動させる
走行ルートDに沿って配置した標識点Hに配置されたG
PS受信アンテナである。移動局60Bは他に、GPS
受信機62bと受信制御装置63bと位置表示・登録用
パソコン64bを必要とするが、これらは第1受信アン
テナ61aと第2受信アンテナ61bで共通に使用さ
れ、作業車20に搭載されている。作業車20は勿論、
刈り払い具30を持つロボットアーム10も搭載してい
る。
【0032】刈り払い作業を開始する前に予め、障害物
W、標識点Hに関する位置座標を移動局60Bのパソコ
ン64bに登録し、障害物・標識点座標マップを作成し
ておく。すなわち、衛星65からの信号は二つのGPS
受信アンテナ61a、61bで同時に受信する。基地局
60Aはそのパソコン64aで受信信号に基づき計測し
た値と、正確に計測して得られている固定点の値との差
を誤差補正用データとして計算し、その計算結果を送信
制御装置63aで作業車20上の受信制御装置63bに
リアルタイムで伝送する。作業車20上の位置表示・登
録用パソコン64bは、送られてきた誤差を含むデータ
を補正するとともに、第2受信アンテナ61bが所定時
間、受信することにより得られた複数の位置データをも
統計処理して、得られた位置データの精度を高めるよう
にした上で、第2受信アンテナ61b(障害物Wや標識
点Hの位置に対応)の位置座標情報として登録する。第
2受信アンテナ61bは、障害物Wや標識点Hの数に合
わせて多数準備しておき各障害物W、標識点Hの位置に
予め設置しても良いが、1本で済ますのであれば、この
1本の第2受信アンテナ61bを、作業者や作業車が各
障害物W、標識点Hの位置に順次運び、1か所ずつ位置
座標情報を得てゆくようにしても良い。このようにし
て、障害物・標識点の座標マップを作成する。なお、標
識点は、衛星の配置状態によって生じる誤差解消のため
に現地の走行ルート上の各所に設けておき、前述の障害
物・標識点座標マップに付け加えてもよい。
【0033】つぎに、刈り払い動作に入るが、この場
合、作業車20は、第2受信アンテナ61bに代えて第
1受信アンテナ61aを用いるほかは、上述と同様にし
て自己の位置座標情報を得ることができる。そして、前
述のようにして得た走行ルート標識点座標を使用して自
動走行することもできる。作業車20は刈り払い動作と
位置変更のための走行動作を交互に繰り返す。作業車2
0は、刈り払いのため前進し、一旦停止したとき、現在
の座標を計測する。作業車20がどの方向を向いている
かを示す姿勢情報は、作業車20の各車輪22a〜22
cが備えている回転数センサ(図示省略)や作業車20
が搭載しているジヤイロ(図示省略)等からの走行情報
をもとに演算処理すれば求めることができるが、GPS
方式による方位角センサーを用いて求めてもよい。
【0034】自動走行方式を採る場合は作業車20の走
行ルートおよび/または刈り払いルートが予め定められ
ているので、作業車20が現在の標識点H(この点は予
め計測された位置情報を持っている)の直上に来たとき
には、GPS上の自己座標と障害物・標識点座標マツプ
上に登録されている座標とから補正値が自動的に求めら
れる。そこで、新しい標識点Hが次に現れるまでは現在
読み取ったGPS座標に上述の補正値を加味して測定精
度を向上させるようにしても良い。もっとも、作業車2
0が現在の標識点Hの直上に来たことを示すために、磁
気、電界、光等を利用した各種センサーを用いることが
あっても良い。
【0035】走行ルートDについては、作業車20が各
標識点Hを順次たどることで予め想定したルートに沿い
走行する本線走行ルートのほか、刈り払い等の作業領域
における、本線走行ルートから枝分かれした支線ルー
ト、例えば、定めたピッチ(微細距離)を往復させる走
行ルートもある。障害物Wや標識点Hの位置座標と作業
車20の現在位置座標とが上記のように得られており、
作業車20の姿勢も判明しているので、刈り払い作業時
には、作業車(移動局)20上の表示・登録パソコン6
4bが、これらの条件から、ロボットアーム10の旋回
中心を先ず定め、ロボットアーム10が旋回したときに
障害物Wに接触するか否かの幾何学的な演算処理を行
い、その演算結果をもとに、障害物Wを回避させるよう
ロボットアーム10の動作制御を行う。
【0036】なお、作業車20を自動走行させない実施
形態では上記標識点Hを設置することが必要でなくな
る。図10は第2の非接触式検知システムを示してい
る。この検知システムは以下の原理に基づき構成されて
いる。すなわち、図10の(a)に見るように、磁極
N、Sを持つ磁石の回りにはN極から出てS極に帰る磁
力線が放射状に作られ、これによって磁気の場ができ
る。前記磁石の磁極の方向をZ軸方向として、前記磁石
の近傍に磁気センサを、Z軸方向に対し直交するように
して置き、磁石の磁束密度について、Z軸方向に直交す
るX軸方向の成分とY軸方向の成分を測定する。この測
定結果から計算により、前記磁石のX,Yの座標位置を
求めることが出来る。2個の磁界プローブを同軸上に設
置して、これらにより上述のようにして得られた各X軸
方向の成分と各Y軸方向の成分の差分値に基づき、前述
の計算を行うと、地磁気や近辺の金属体等により一様に
歪みをもった静磁界による悪影響を除去することができ
る。通常では、1個の磁気センサにおける検出距離は高
々15cm停まりであるが、この方法によって検出距離は
40cm程度まで大きく拡大させることが可能となる。し
たがって、第2の非接触式検知システムでは、図10の
(b)に見るように、刈り払い装置上に設けた1軸(図
ではX軸)上に2個の磁界強度検出プローブ70a、7
0bを設置しておき、各プローブ70a、70bが検出
する磁界強度のX成分とY成分をそれぞれ差し引く差分
回路(図示省略)と、この差分回路が出力する差分値の
演算回路(図示省略)によって、前述の計算を行う。こ
のとき、前記演算回路に磁界強度のしきい値を設けてお
いて、時々刻々得られる前記差分値を前記しきい値と比
較(例えば、X成分の差分値、Y成分の差分値とのそれ
ぞれの絶対値の和と、しきい値との比較)することによ
り、磁力を発生するマーカ51の有無を、又、Y成分の
差分値とX成分の差分値との比からマーカ51の存在す
る方向を探り、更にX,Y成分の絶対値の和の値とから
マーカ51の位置を正確に認識するのである。前記一定
領域内には、前記磁石に相当するマーカ51を予め配置
しておけば良い。
【0037】刈り払い作業の際に、ロボットアームの動
作により、刈り払い具を、作業車を中心にして周方向に
旋回させる段階と前後方向に等ピッチだけ移動させる段
階とを組み合わせて、後述のように、扇形領域の刈り払
い作業を行うようにすれば、刈り払い作業が効率的に行
える。このような扇形領域の刈り払い作業工程と作業車
を一定距離だけ走行させる工程とを交互に繰り返すこと
で、広い範囲の作業地全体を効率良く刈り払いすること
ができる。この扇形領域の刈り払い作業を、予めプログ
ラムされたロボットアームの動作によって行いながら、
扇形領域内でマーカが検知されたときに、刈り払い具の
移動経路を変更するとともに、前記扇形領域の設定を変
更するようにすれば、有用樹木を確実に回避しながら効
率的な刈り払い作業が行える。
【0038】以下に、本発明にかかる刈り払い装置、方
法による、具体的な動作を説明する。 〔刈り払い動作〕図1に見るように、アタッチメント取
付部16に回転円盤式の刈り払い具30を取り付けて、
油圧モータ31によって高速で回転させ、地面Eから少
し上方の位置で雑草S等を刈り取る。その間、アタッチ
メント取付部16が接地センサ(図示省略)で地面Eか
らの距離を非接触で検知し、これによって得られた情報
に基づき、刈り払い具30が地面Eに対して常に一定の
高さに位置するよう、ロボットアーム10が動作する。
刈り払い具30の面が地面Eに対して平行となるように
アタッチメント取付部16が左右横旋回するか、または
前後旋回する。 〔障害物の回避動作〕刈り払い作業を行うときに、図1
に示すように、作業地Eに苗木等の障害物Wがあるとき
は、刈り払い具30がこれを刈り払わないよう、ロボッ
トアーム10に動作させる必要がある。そこで、マーカ
51を障害物Wに隣接させるか担わせる一方、アタッチ
メント取付部16には磁気センサ50(図1では省略。
図7、8参照)を備えておく。磁気センサ50はマーカ
51からの距離によって異なる検知信号を出す。すなわ
ち、作業車20自体かロボットアーム10先端が、マー
カ51に近づくほど強い信号を出力したり、マーカ51
に一定の距離まで近づいたときに警報信号を出力したり
させる。これらの信号により、作業車20の走行動作や
ロボットアーム10の刈り払い動作を制御して、刈り払
い具30が障害物Wを刈り払わないようにする。 〔扇形動作と扇形領域の刈り払い〕図11に示すよう
に、作業車20からロボットアーム10の先端を伸ば
し、この先端に備えた刈り払い具30を、左方向(また
は右方向)に旋回した後、等ピッチで少し前進させ、右
方向(または左方向)に旋回させる。すなわち、刈り払
い具30を図11に矢印線で示す経路に沿って移動させ
る。このような扇形動作で刈り払いを行うと、刈り払い
作業が効率的となる。図11中、80は刈り払い具30
により刈り払いが行われる領域を示す。
【0039】以下に、この扇形動作を詳しく述べる。作
業車20を中心にして、まず、P1点からP2 点へとロ
ボットアーム10を反時計回りに旋回させつつ、刈り払
い具30による刈り払い作業を行う。刈り払い具30が
一定の角度範囲で旋回を行いP2 点に到達すれば、ロボ
ットアーム10の旋回を一旦止め、ロボットアーム10
の先端を前方に少し伸ばしP3 点まで移動させたあと、
時計方向に一定の距離だけ旋回させ、刈り払いつつ、P
4 点まで移動させる。ここで、再び、ロボットアーム1
0の先端を前方に少し伸ばしP5 点まで移動させたあ
と、反時計方向に一定の距離だけ旋回させ、刈り払いつ
つ移動させる。このような動作を繰り返せば、全体が扇
形をなす領域の刈り払い作業が行えるのである。刈り払
い具30の前後方向の移動距離(P2 −P3 )は、刈り
払い具30の刈り払い範囲の直径と同じ程度か、少し短
い程度に設定しておく。このようにすれば、刈り残しが
生じることなく効率的な刈り払い作業が行えるのであ
る。
【0040】この扇形動作によれば、苗木などの障害物
Wを回避することも容易である。すなわち、扇形をなす
刈り払い領域にマーカ51(障害物W)が存在してい
る。マーカ51の周囲には、刈り払い具30(実際には
標識点検知センサ50。図7、8参照)がその領域に入
ったときに標識点検知信号を出力する検知領域Rが設定
されている。刈り払い具30が、P1 →P2 へと反時計
回りに旋回し、P2 →P 3 へと前進し、P3 から元の方
向(時計回り)に旋回したとき、この検知領域Rに侵入
する(P4 点)と、旋回運動を直ちに中止し、所定のピ
ッチだけ前進(P 4 →P5 )して、反時計回りの旋回動
作を行う(P5 →)。その後は、次のマーカ51が検知
されない限り、前記した時計回り、反時計回りの旋回と
前進とを繰り返す。
【0041】上記は、作業車20が一定の位置に停止し
た状態での動作の説明であったが、作業車20自体の位
置を図12に示すように、M1 →M3 へと断続的に走行
移動させるとともに、それぞれの位置M1 、M3 で前記
したような扇形領域F1 〜F 3 での刈り払い作業を行え
ば、作業地の全体に対して確実かつ効率的な刈り払い作
業が可能になる。各段階での扇形領域F1 〜F3 に少し
ずつ重なりを持たせることで、同じ場所を複数回刈り払
い具30が通過して確実な刈り払い作業が行える。図1
2中、110はロボットアームのストロークを示す。
【0042】この扇形動作を利用した刈り払い作業の具
体例を以下に説明する。すなわち、ロボットアームを左
右に一定角度で左右旋回させながら、作業車を徐々に前
進させると、ロボットアーム先端の刈り払い具の軌跡は
扇形を描き、図13に見るように、第1扇形領域(AD
1 3 )内の下草を刈り払う。このとき、刈り払い具
の先端が上記第1扇形領域の外円弧上の点D1 にある苗
木2に近づくと旋回動作を一旦停止し、以後はこの点D
1 を対立一終点とする第2扇形領域(A1 12 4)
内の下草を刈り払う。先と同様に、刈り払い具の先端が
上記第2扇形領域の外円弧上の点D2 にある苗木3に近
づくと旋回動作を一旦停止したあと、旋回範囲を絞って
前進しつつ左右旋回し、以後はこの点D2 を対立一終点
とする第3扇形領域(A2 2 BC2)内の下草を刈り払
う。このあと、刈り払い具の先端は一旦大幅に下がり、
右移動したあと、再び前進しつつ左右旋回して、点
1 、D3 を対立両終点とする細長い第4扇形領域(D
1 3 1 C) 内の下草を刈り払う。ここで、刈り払い
具の先端が再度下がり、左移動したあと、再び前進しつ
つ左右旋回して、点D2 、D4 を対立両終点とする第5
扇形領域(D2 4 36)内の下草を刈り払い、苗木
4の存在する点D5 の位置から旋回範囲を絞って前進、
左右旋回し、点A3 、D5 を対立両終点とする第6扇形
領域(A3 5 2 3)内の下草を刈り払い、最後にも
う一度、一旦下がり右移動したあと前進しつつ左右旋回
して、残った第7扇形領域(D5 6 3 1)内の下草
を刈り払い、作業を終了する。
【0043】このように、扇形領域の刈り払い作業を、
作業領域を順次ずらしながら実行することで、一定範囲
の作業地全体にわたって下草Sの刈り払い作業を、苗木
等の障害物Wを誤って刈り払うことなく、しかも、刈り
残すことなく、自動的に行うことができる。 〔その他の動作〕作業車20の走行方向M1 →M3 を、
傾斜地の傾斜方向と直交する方向、すなわち等高線方向
に設定すれば、作業車20の安定した走行が可能である
とともに、ロボットアーム10を移動させての刈り払い
作業時にも作業車20の姿勢が安定する。このような等
高線方向の移動による刈り払い作業を、傾斜方向に間隔
をあけて平行に繰り返せば、傾斜地全体の刈り払い作業
が行える。
【0044】
【発明の効果】本発明にかかる、刈り払い装置および刈
り払い方法は、ロボットアームの先端に取り付けられた
刈り払い具の位置を自在に変更しながら刈り払い作業を
行うので、山林等における傾斜地や複雑な地形の作業地
であっても、有用樹木等を回避しながら、確実で能率的
な刈り払い作業が行える。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる刈り払い装置の一実施例に関す
る使用状態を表す側面図
【図2】同上の平面図
【図3】図1の別の平面図
【図4】図1とは別の作業車を使用した実施例に関する
使用状態を表す側面図
【図5】ロボットアームの関節におけるユニバーサルジ
ョイント構造を示す断面図(a)と側面図(b)
【図6】連結とその解除可能な回転駆動伝達機構(動力
伝達部)を示す斜視図(a)と、刈り払い具ユニットの
アタッチメント取付部へのリング締め式取付構造を示す
断面図(b)
【図7】図4に示した作業車の刈り払い具取付部分を示
す側面図(a)、正面部分断面図(b)および平面部分
断面図(c)
【図8】ロボットアーム先端の刈り払い具がマークに近
づく様子を示す側面図
【図9】GPS方式の非接触式検知システムを示す概念
【図10】磁気方式の検知原理を示す説明図(a)とこ
の原理を用いた非接触式検知システムを示す概念図
(b)
【図11】ロボットアームの扇形動作を説明する概念図
【図12】ロボットアームの扇形動作の応用例を示す概
念図
【図13】扇形領域の刈り払い作業例を示す説明図
【符号の説明】
10 ロボットアーム 11、12 アーム要素 13 関節 16 アタッチメント取付部 20 作業車 30 刈り払い具 50 標識点検知センサ 51 マーカ(標識点) 111、121 回転軸 131 ユニバーサルジョイント

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】山林、果樹園、公園等の下草、草等を刈り
    払いする装置であって、作業車と、基端が前記作業車に
    据えつけられたロボットアームと、このロボットアーム
    の先端に取り付けられた刈り払い具とを備え、前記ロボ
    ットアームは、アーム要素とアーム要素同士を屈曲可能
    に連結する関節からなる屈曲可能な構造を有して前記刈
    り払い具を前後、上下できるとともに、自らは水平旋回
    可能になっていることを特徴とする刈り払い装置。
  2. 【請求項2】前記刈り払い具が、前記ロボットアームに
    対し、前後揺動と左右揺動と左右旋回可能に取り付けら
    れている、請求項1に記載の刈り払い装置。
  3. 【請求項3】前記ロボットアームの先端はリング締め構
    造を備えたアタッチメント取付部を備え、前記刈り払い
    具は、各種構造を有する刃がユニット化されていて前記
    アタッチメント取付部に取り付け、取り外し自在となっ
    ており、かつ、前記アタッチメント取付部と刈り払い具
    ユニットの間にはアッチメント取付部から刈り払い具へ
    の動力伝達機構が設けられていて、この動力伝達機構
    が、前記刈り払い具ユニットのアタッチメント取付部へ
    の取り付け、取り外しと同時に自らの連結と連結解除も
    なされるようになっている、請求項1または2に記載の
    刈り払い装置。
  4. 【請求項4】前記ロボットアームは、そのアーム要素内
    にアーム要素の長さ方向に沿う回転軸を有するととも
    に、その関節内に二つのアーム要素の各回転軸を同期回
    転可能に接続するユニバーサルジョイントを有し、前記
    ロボットアーム基端に臨む回転軸端部に前記作業車から
    供給される駆動力を受けるための基端側動力伝達部を有
    するとともに、前記ロボットアーム先端に臨む回転軸端
    部に回転軸の回転力を前記刈り払い具に供給するための
    先端側動力伝達部を有する、請求項1から3までのいず
    れかに記載の刈り払い装置。
  5. 【請求項5】前記作業車から供給される駆動力は前記刈
    り払い具に供給されるまでの段階で増速および/または
    減速されるようになっていて、前記ユニバーサルジョイ
    ントがこの増速および/または減速を可能とする機構を
    も備えている、請求項4に記載の刈り払い装置。
  6. 【請求項6】請求項1から5までのいずれかに記載の刈
    り払い装置を用いて下草、草等を刈り払いする方法であ
    って、前記ロボットアームに対し、前記刈り払い具を前
    記作業車を中心にして旋回させる動作と前後方向に等ピ
    ッチずつ移動させる動作をさせることにより、扇形領域
    内の刈り払い作業を行わせることを特徴とする、刈り払
    い方法。
  7. 【請求項7】請求項1から5までのいずれかに記載の刈
    り払い装置を用いて下草、草等を選択的に刈り払いする
    方法であって、非接触式検知システムで刈り払い具を刈
    り払い位置に案内することを特徴とし、前記案内は、
    岩、根株、有用樹木等の障害物が存在していて刈り払い
    を避ける必要のある一定領域内に前記刈り払い具が侵入
    しないように案内することをも含む、刈り払い方法。
  8. 【請求項8】前記非接触式検知システムは、人工衛星を
    用いて方位信号を発信し、位置が予め正確に計測された
    固定点において前記方位信号を受信する基地局と移動点
    において前記方位信号を受信する移動局とを有する測位
    システムであって、前記移動局は前記刈り払い装置上に
    配置される第1受信アンテナと前記障害物が存在する一
    定領域内に配置される第2受信アンテナを有し、コンピ
    ュータの記憶回路に前記第2受信アンテナの位置座標を
    予め記憶させておき、前記方位信号を受けて得られた前
    記刈り払い装置の現在位置座標と直前位置座標から前記
    刈り払い装置の進行軌跡を予測し、前記記憶されている
    第2受信アンテナの位置座標と前記予測された進行軌跡
    の比較に基づき、前記進行軌跡内における前記障害物の
    有無を認識するようにする、請求項7に記載の刈り払い
    方法。
  9. 【請求項9】前記移動局が非接触式の標識点検知センサ
    を搭載するとともに、前記作業車の走行ルートおよび/
    または刈り払いルート上には予め計測された位置情報を
    もつ標識点が配置されており、前記標識点検知センサが
    前記標識点を検知したときに位置情報の補正が加わるよ
    うになっている、請求項8に記載の刈り払い方法。
  10. 【請求項10】前記非接触式検知システムが、磁界強度
    検出プローブを前記刈り払い装置上に備えるとともに、
    前記プローブが検出する磁界強度を入力する演算回路を
    も備え、前記演算回路に磁界強度のしきい値を設けてお
    いて、時々刻々得られる前記磁界強度の値を前記しきい
    値と比較することにより、磁力を発生するマーカの有無
    と位置を認識するシステムであり、前記一定領域内に予
    め前記マーカを配置しておく、請求項7に記載の刈り払
    い方法。
  11. 【請求項11】前記磁界強度検出プローブを1軸上に2
    個備えるとともに、前記各プローブが検出する磁界強度
    のX成分とY成分を成分ごとにそれぞれ差し引く差分回
    路をも備え、この差分回路が時々刻々出力する差分値が
    前記演算回路に入力されてX成分、Y成分ごとに前記し
    きい値との比較がなされる、請求項10に記載の刈り払
    い方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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