JP2000135227A - 歯科印象用トレー - Google Patents

歯科印象用トレー

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JP2000135227A
JP2000135227A JP31120998A JP31120998A JP2000135227A JP 2000135227 A JP2000135227 A JP 2000135227A JP 31120998 A JP31120998 A JP 31120998A JP 31120998 A JP31120998 A JP 31120998A JP 2000135227 A JP2000135227 A JP 2000135227A
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tooth
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Masayuki Kobayashi
正幸 小林
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 患者各人の歯列やあごの大小に合わせ易く、
確実に精度良く歯形を写し取り、各人用として使い捨て
可能にする。 【解決手段】 入歯等の歯の治療に際し、歯の形を写し
取る印象材を受容保持するトレー1であって、熱可塑性
プラスチックにより成形し、歯列形状に似た平面視弯曲
状の印象材保持凹部2を形成すべく底壁3、内・外壁
4,5を備え、底壁3又は外側壁5の前歯側壁5Aから
前方に延びるハンドル部6を備え、かつ前記凹部2の少
なくとも内・外側壁4,5に全面にわたって印象材との
相対移動を阻止する多数の印象材保持孔7A,7B,7
Cを具備させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、入歯等の歯の治療
に際し、歯の形を写し取る印象材を受容保持しかつ口腔
内に挿入しうる歯科印象用トレーに関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、入歯等の歯の治療に際して、歯
科では歯の形を写し取る印象材(例えばアルジネート)
を、歯列形状に似た平面視弯曲状の印象材保持凹部を備
えたトレーが使用されている。従来、この種印象用トレ
ーには、金属製で多数の印象材保持孔を備えたもの、或
いは金網製のものがあり、使用後洗浄して幾度となく繰
返し使用されている。そして、前記トレーの大きさは、
人の歯列等の標準的寸法(大・中・小)で、その種類も
少ない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、人の口腔の
大きさ、歯列及びその大きさは、千差万別であり、種類
の少ない標準的な大きさのトレーを用いて各人の歯の形
を写し取るのは、非常に困難であり、しかも、医療用の
ため他人に再使用するのは、細菌感染等の衛生面からも
好ましくなく、使い捨ての要望がなされている。
【0004】本発明は、上述のような実状に鑑みてなさ
れたもので、その目的とするところは、患者各人の歯列
やあごの大小に合わせ易く、かつ確実に精度良く歯形を
写し取ることができ、しかも、各人用として使い捨てが
できる安価な歯科印象用トレーを提供するにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明では、上記目的を
達成するために、次の技術的手段を講じている。即ち、
本発明は、入歯等の歯の治療に際し歯の形を写し取る印
象材を受容保持するトレーであって、熱可塑性プラスチ
ックにより成形され、歯列形状に似た平面視弯曲状の印
象材保持凹部を形成すべく底壁、内・外側壁を備え、前
記底壁又は外側壁の前歯側端から前方に延びるハンドル
部を備え、かつ、前記凹部の少なくとも内・外側壁に全
面にわたって印象材との相対移動を阻止する多数の印象
材保持孔を具備している点に特徴がある。
【0006】この場合、トレーが熱可塑性プラスチック
製であるから、患者の歯列等にトレーを合わせる場合、
トレー全体又は一部分を若干加熱することにより、任意
に変形させて各人の歯列等に容易に合わせることができ
る。しかも、前記印象材受容保持凹部に印象材を入れる
と、該凹部の底壁内外側壁に沿うと同時にこれらに設け
た印象材保持孔に嵌り込み、印象材がトレー凹部に対し
て相対移動不能に一体化される。したがって、歯形を写
し取っている間及び印象材が固化して形成される歯形が
安定した後にもトレーに対して移動せず、精度良く歯形
を写し取ることができる。
【0007】また、トレーがプラスチック製であるか
ら、安価であり、使い捨てをしても、コスト的に十分対
応可能である。なお、前記ハンドル部を延設した前歯側
外側壁に、前記保持孔を設ける場合、機械加工による
か、又は成形金型を三分割形とすることにより簡単に形
成することができる。
【0008】そして、本発明に係るトレーは、前記内外
対向壁に設けた印象材保持孔が、上下方向に長い長孔で
かつ前記凹部内外方向に貫通しているものとするのがこ
のましい。係る構成によれば、トレー成形用金型が簡単
となりその成形加工が容易でかつ安価となる。さらに、
本発明に係るトレーは、前記外側壁の前歯側に設けられ
る印象材保持孔が、凹部底壁又はハンドル部或いは両方
に設けた貫通状に連通している構成とすることにより、
該印象材保持孔を形成するコア部分を凹部底壁外面を形
成する側に一体的に突設することができ、トレー成形金
型を二分割構造として型抜きが可能であり、金型構造を
簡単にして金型製作費を低減させ、コスト低下を図るこ
とができる。
【0009】また、本発明に係るトレーは前記内側壁の
上端縁で囲まれる部分を塞ぐ上壁を備え該上壁に複数の
印象材保持孔を備えている構成とすることにより、上あ
ごの内面の形取りができると共に、歯形を写し取る際の
トレーの安定性が向上し、上歯印象用トレーとして最適
なものとすることが可能である。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基いて説明する。図1〜図6は、本発明に係る印象用
トレー特に下歯印象用トレー1の一実施形態を示してい
る。この下歯印象用トレー1は、熱可塑性プラスチック
により一体成形(射出成形)されたものであり、歯列形
状に似た平面視弯曲状(図1に示すような略U字状)の
印象材保持凹部2(断面略U字状溝形−図5参照)を形
成すべく底壁3、内側壁4及び外側壁5を備え、前記底
壁3の前歯側端3Aから前方(外方)に延びるハンドル
部6を備えている。
【0011】そして、前記内側壁4及び外側壁5は、そ
の後部が順次低くされて上端縁が底壁3上面に達し、か
つ前記凹部2の上側が対向外方に広がるように傾斜され
ており、しかも内・外側壁4,5には全面にわたって印
象材(アルジネート)との相対移動を阻止する、即ち印
象材が前記凹部2内側面に密着して動かないようにする
ための印象材保持孔7A,7B,7Cが内外方向に貫通
状に多数設けられている。また、前記底壁3には、円形
の印象材保持孔8が上下方向に貫通状に多数設けられて
いる。
【0012】前記外側壁5の前歯側壁5Aに設けた印象
材保持孔7Cを除く前記保持孔7A,7Bは、その端部
が底壁3の外端縁を切り欠きしかも上下方向に長い長孔
とされ、前歯側の印象材保持孔7Cは、底壁3からハン
ドル部6の一部にまたがって形成された前後方向に長印
象材保持孔9と連通しかつ上下方向に延びる長孔とされ
ている。
【0013】したがって、前記各印象材保持孔7A,7
B,7C,8,9は、すべて射出成形金型特に図6に示
す2分割金型10,11により、同時成形することがで
きる。即ち、トレー1の全体を構成するキャビティ12
は、上金型10と下金型11により形成され、各保持孔
7A,7B,7C,8,9は、下金型11に設けた突起
部即ちコア部分13,14,15等により形成される。
そして、各コア部分13,14,15にも抜き勾配がつ
けられているので、上下方向に簡単に型抜きすることが
でき、金型構造が至極シンプルなものとなる。なお、図
6中符号16で示しているのは、スプールである。
【0014】また、前記前歯側壁5Aの印象材保持孔7
Cは、底壁3とハンドル部6にまたがって設けた保持孔
9と連通させることで、2分割金型10,11により同
時成形することが可能となる。さらに、前記各保持孔7
A,7Bは、その下端部が底壁3の外端縁を切り欠くこ
とで、2分割金型構造で内・外側壁4,5にきれいな所
要形状の長孔を形成することが可能となる。
【0015】図1〜図5に示す下歯印象用トレー1は、
歯の形を写し取る時、図2に示す状態即ち、底壁3が上
側となる状態で口腔内に挿入され、歯列に被せるように
押し付けられる。上記実施形態によれば、歯の形を写し
取る際、前記凹部2に詰められた印象材は、その一部が
前記各保持孔7A,7B,7C,8,9に嵌まり込んで
トレー1と一体化されるので、トレー1と共に印象材を
歯列に押し付け、印象材が硬化するまでの間は勿論、印
象材が硬化して歯形の写し取りが完了した後において
も、トレー1の凹部2の内面と印象材との相対移動がな
く、正確にかつ精度良く歯形を写し取ることができる。
【0016】なお、患者の歯列等に整合するトレーとす
るために、トレー1の全体又は一部を変形可能な温度ま
で加熱した後、医師又は技工士等が手等で任意に変形さ
せて、患者各人の歯列に合わせながら最良の大きさ及び
形とすることができる。図7〜図10は、本発明に係る
上歯の印象用トレー21の一実施形態を示している。
【0017】この上歯印象用トレー21は、前記トレー
1と同様に、熱可塑性プラスチックにより一体成形(2
分割金型による射出成形)されたものであり、下歯用ト
レー1と異なるところは、内側型4の高さが前歯側から
奥歯側に順次高くされ、かつ内側壁4の上端縁間を塞ぐ
上壁22が設けられ、該上壁22に複数の印象材保持孔
23が設けられている点であり、上あご内面の形を写し
取ることができる外は、下歯印象用トレー1と同等の作
用硬化を奏する。
【0018】なお、図8〜図10において、下歯印象用
トレー1と共通する構成部分については、図1〜図5と
同符号を付し、詳細説明を省略する。本発明は、上記実
施形態に限定されるものではなく、例えば、前記前歯側
壁5Aに設ける印象材保持孔7Cは、他の前記保持孔7
A,7Bとは別に、機械加工により設けることができ、
また、射出成形金型を3分割構造として前記保持孔9を
設けることなく単独に形成することができるなど、適宜
設計変更可能である。
【0019】
【発明の効果】以上のとおり、本発明は、入歯等の歯の
治療に際し歯の形を写し取る印象材を受容保持するトレ
ーであって、熱可塑性プラスチックにより成形され、歯
列形状に似た平面視弯曲状の印象材保持凹部を形成すべ
く底壁、内・外側壁を備え、前記底壁又は外側壁の前歯
側端から前方に延びるハンドル部を備え、かつ、前記凹
部の少なくとも内・外側壁に全面にわたって印象材との
相対移動を阻止する多数の印象材保持孔を具備している
ものであるから、印象材が前記保持凹部の内面に密着す
ると共にその一部が保持凹部に設けた印象材保持孔に嵌
まり込むため、トレーと一体化し、トレーによって印象
材が確実強固に保持され、歯形を精度良く写し取りかつ
維持することができる。
【0020】しかも、トレーは、標準的な寸法のものを
数種類準備しておき、各患者の歯列、あごの大きさに応
じて、トレーを加熱して任意に変形させ、各患者の歯列
等に合ったトレーを容易に得ることができ、作業性を向
上させることができる。さらに、トレー構成材料がプラ
スチックであるから、安価に得ることができ、他人に再
使用することなく使い捨てにも十分対応可能であり、患
者の細菌感染の恐れを一掃して衛生的なものとし、患者
の安心感を高めることができる。
【0021】また、本発明に係るトレーは、前記外側壁
の前歯側に設けられる印象材保持孔が、凹部底壁又はハ
ンドル部或いは両方に設けた貫通状に連通している構成
を採用しているため、トレー成形を2分割金型構造を採
用でき、金型構造及び加工が簡単であり金型加工費を低
減させ、コスト低下を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る下歯印象用トレーの一実施形態を
示す平面図である。
【図2】図1の上面図である。
【図3】図1の右側面図である。
【図4】図1のA−A線断面図である。
【図5】図1の左側面図である。
【図6】同実施形態における成形金型の要部断面図であ
る。
【図7】本発明に係る上歯印象用トレーの一実施形態を
示す平面図である。
【図8】図7の上面図である。
【図9】図7の右側面図である。
【図10】図7の左側面図である。
【符号の説明】
1 下歯印象用トレー 2 印象材保持凹部 3 底壁 4 内側壁 5 外側壁 5A 前歯側壁 6 ハンドル部 7A 印象材保持孔 7B 印象材保持孔 7C 印象材保持孔 8 印象材保持孔 9 印象材保持孔 21 上歯印象用トレー 22 上壁 23 印象材保持孔

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 入歯等の歯の治療に際し歯の形を写し取
    る印象材を受容保持するトレーであって、 熱可塑性プラスチックにより成形され、歯列形状に似た
    平面視弯曲状の印象材保持凹部を形成すべく底壁、内・
    外側壁を備え、前記底壁又は外側壁の前歯側端から前方
    に延びるハンドル部を備え、かつ、前記凹部の少なくと
    も内・外側壁に全面にわたって印象材との相対移動を阻
    止する多数の印象材保持孔を具備していることを特徴と
    する歯科印象用トレー。
  2. 【請求項2】 前記内外対向壁に設けた印象材保持孔
    が、上下方向に長い長孔でかつ前記凹部内外方向に貫通
    していることを特徴とする請求項1に記載の歯科印象用
    トレー。
  3. 【請求項3】 前記外側壁の前歯側に設けられる印象材
    保持孔が、凹部底壁又はハンドル部或いは両方に設けた
    貫通状に連通していることを特徴とする請求項1又は2
    に記載の歯科印象用トレー。
  4. 【請求項4】 前記内側壁の上端縁で囲まれる部分を塞
    ぐ上壁を備え該上壁に複数の印象材保持孔を備えている
    ことを特徴と する請求項1,2又は3に記載の歯科印
    象用トレー。
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