JP2000133508A - 永久磁石用希土類系合金粉末の製造方法、該製造方法に使用される処理容器ならびに永久磁石の製造方法 - Google Patents

永久磁石用希土類系合金粉末の製造方法、該製造方法に使用される処理容器ならびに永久磁石の製造方法

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JP2000133508A
JP2000133508A JP10306634A JP30663498A JP2000133508A JP 2000133508 A JP2000133508 A JP 2000133508A JP 10306634 A JP10306634 A JP 10306634A JP 30663498 A JP30663498 A JP 30663498A JP 2000133508 A JP2000133508 A JP 2000133508A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 多量の合金粉末を均質な磁気特性を有するよ
うに処理し、高い保磁力を有する永久磁石用希土類系合
金粉末を提供する。 【解決手段】 R−T−(M)−B系合金粉末(RはY
を含む希土類元素、TはFeまたはFeとCoとの混合
物、Mは添加元素、Bはボロン)に対して水素雰囲気熱
処理を行う。その際、対向間隔dが30mm以下になる
ように配置された一対の側面部と、一対の側面部の一端
を相互に連結する底面部と、底面部に対向する位置に形
成した開口部とを備えた処理容器100内に合金粉末を
充填して水素雰囲気熱処理を実行する。各処理容器10
0はスペーサ103を介して15mm以上離された状態
で架台170上に搭載される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、永久磁石用希土類
系合金粉末および希土類系合金永久磁石の製造方法に関
する。特に、各種モータ、アクチュエータ等に適した希
土類系ボンド磁石ならびに焼結磁石に用いられる希土類
系合金粉末の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】希土類系永久磁石用合金粉末の水素処理
法には、HDDR(Hydrogenation-Disproportionation
-Desorption-Recombination)処理法と呼ばれるものが
ある。「HDDR」は、水素化(Hydrogenation)、不均
化(Disproportionation)、脱水素化(Desorption)、およ
び再結合(Recombination)を順次実行するプロセスを意
味している。本願明細書では、このような「HDDR処
理」を「水素雰囲気熱処理」と呼ぶことにする。この水
素雰囲気熱処理は、R−T−(M)−B系原料合金(R
はYを含む希土類元素、TはFeまたはFeとCoとの
混合物、Mは添加元素、Bはボロン)のインゴットまた
は粉末をH2ガス雰囲気またはH2ガスと不活性ガスとの
混合雰囲気中で温度500℃〜1000℃に保持し、そ
れによって上記合金のインゴットまたは粉末に水素を吸
蔵させた後、H2分圧13Pa以下の真空雰囲気または
2分圧13Pa以下の不活性ガス雰囲気になるまで温
度500℃〜1000℃で脱水素処理し、次いで冷却す
ることによって合金磁石粉末を得る方法を意味するもの
とする。
【0003】水素雰囲気熱処理法によって希土類系永久
磁石用合金粉末を製造する方法は、例えば特開平1−1
32106号公報に開示されている。水素雰囲気熱処理
法で製造されたR−T−(M)−B系合金磁石粉末は大
きな保磁力を有しており、組成および処理条件の選択に
よっては磁気的な異方性を有する。このような性質を有
するのは、金属組織が実質的に0.1〜1μmの非常に
微細な結晶の集合体となるためである。より詳細には、
上記水素雰囲気熱処理によって得られる極微細結晶の粒
径が正方晶R214B系化合物の単磁区臨界粒径に近い
ために高い保磁力を発揮し、しかも、極微細結晶粒が結
晶方位をある程度そろえて集合しているためである。
【0004】特開平2−4901号公報には、水素雰囲
気熱処理法に用いられ得る種々のヒートパターンが開示
されている。この公報では、原料合金に対して水素雰囲
気熱処理の前に均一化熱処理を行うことも提案されてい
る。
【0005】特開平3−146608号公報および特開
平4−17604号公報には、水素雰囲気熱処理中の温
度変化が磁性合金粉末の磁気的性質に影響すること、お
よび、この温度変化が水素雰囲気熱処理中に生じる化学
反応の反応熱に起因することを指摘している。これらの
公報は、このような温度変化を最小にするために蓄熱材
を混入して水素雰囲気熱処理を行うことを提案してい
る。
【0006】特開平5−163510号公報では、処理
設備の操業能率を低下させる蓄熱材を用いることなく、
温度変化を50℃以内に抑えることができる処理炉の構
造が提案されている。
【0007】特開平7−188713号公報には、多量
処理時の温度変化等による磁気特性の変動を回避するた
め、原料合金を少量ずつに分割してそれぞれ小型反応器
に充填し、それらに同時に加熱および水素ガスの供給・
排出等の操作を加えて磁気特性の均質化と処理量増加を
同時に達成しようとする試みが示されている。
【0008】一方、発明者は種々の検討を行った結果、
水素雰囲気熱処理によって得られた磁粉の磁気特性を高
め、さらに安定に量産性よく製造するためには、単純に
原料の実温度変化の制御だけでは困難であること、特に
高い磁気的異方性を有する磁粉を得るためには水素化処
理の過程における中間生成物相を規定する必要があるこ
とを見いだした(特開平7−54003号公報および特
開平9−256001号公報等)。特開平7−5400
3号公報および特開平9−256001号公報が開示し
ているように、水素雰囲気中での加熱および高温保持に
よって生成する中間生成物が、R水素化物相、T−B化
合物相、T相、およびR214B相の少なくとも4相を
示し、R214B相の磁化容易方向がある程度そろって
いることが高い磁気異方性を有する磁粉を得るには必要
である。これを実現するため、水素雰囲気での昇温速度
を600℃〜750℃の温度域において10℃/mim
〜200℃/mimとし、750℃〜900℃の温度範
囲で15分〜8時間保持する。
【0009】本願発明者は、脱水素処理において雰囲気
の総圧を100Pa〜50kPaの範囲に保持し、脱水
素反応の速度を適切に制御することによって、処理量に
依存することなく高い保磁力および大きな磁気異方性を
達成できることを見いだし、そのことを特開平7−54
003号公報に開示している。かかる発明によって、高
性能の合金磁粉が多量に得ることが可能になった。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、水素雰
囲気熱処理に使用する処理容器(以下、「処理容器」と
称する)の部位によって残留磁化の程度が低い粉末や保
磁力の小さな粉末が混在するという問題が生じることを
本願発明者は見いだした。このような磁気特性に劣る粉
末が僅かでも混在すると、処理容器に含まれる合金磁粉
全体の平均的な磁気特性が低下することとなる。本来は
高いポテンシャルを備えた合金磁粉であっても、その中
に劣特性の磁粉が混入してしまうと、全体の磁気特性を
低下させた状態で使用するか、または、特性の優れた磁
粉を選別して使用せざるを得なくなる。このことは、合
金磁粉の量産化をはかる上で大きな支障となる。
【0011】磁気特性のばらつきは、水素化・分解反応
および水素放出・再結晶化反応の際の反応速度や、その
反応に伴う温度変化を原因として生じると考えられる。
すなわち、反応速度が局所的に変化すると、その影響で
温度も局所的に変化するため、これら複数の原因が複合
して磁気特性にばらつきが生じると考えられる。
【0012】蓄熱材を用いる方法や、雰囲気制御によっ
て反応速度を調整する方法によっては、上記磁気特性の
ばらつきを解消することは困難である。また、反応の均
質化を目的として、原料合金粉末を薄く拡げて処理する
方法では、雰囲気中の酸素、水分等の不純物、炉材から
持ち込まれる不純物、さらに原料合金中の希土類元素成
分の揮発等によって、合金磁粉の磁気特性、特に処理時
に表層部に位置した合金磁粉の磁気特性が低下してしま
うことになる。
【0013】本発明は斯かる諸点に鑑みてなされたもの
であり、その主な目的は、多量の合金粉末を均質な磁気
特性を有するように処理する永久磁石用希土類系合金粉
末の製造方法を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明による永久磁石用
希土類系合金粉末の製造方法は、R−T−(M)−B系
合金粉末(RはYを含む希土類元素、TはFeまたはF
eとCoとの混合物、Mは添加元素、Bはボロン)に対
して水素雰囲気熱処理を行う永久磁石用希土類系合金粉
末の製造方法であって、対向間隔dが30mm以下にな
るように配置された複数の側面部と、前記複数の側面部
の一端を相互に連結する底面部と、前記底面部に対向す
る位置に形成した開口部とを備えた処理容器内に前記合
金粉末を充填する工程と、前記処理容器内の前記合金粉
末に対して前記水素雰囲気熱処理を実行する工程とを包
含する。
【0015】本発明による他の永久磁石用希土類系合金
粉末の製造方法は、R−T−B系合金粉末(RはYを含
む希土類元素、TはFeまたはFeとCoとの混合物、
Bはボロン)に対して水素雰囲気熱処理を行う永久磁石
用希土類系合金粉末の製造方法であって、対向間隔dが
30mm以下になるように配置された複数の側面部と、
前記複数の側面部の一端を相互に連結する底面部と、前
記底面部に対向する位置に形成した開口部とを備えた処
理容器内に前記合金粉末を充填する工程と、前記処理容
器内の前記合金粉末に対して前記水素雰囲気熱処理を実
行する工程とを包含する。
【0016】本願明細書において、R−T−(M)−B
系合金粉末は、元素Mが添加されていない粉末をも包含
するものとする。
【0017】前記処理容器に充填した前記合金粉末の充
填深さは100mm以下であることが好ましい。
【0018】前記処理容器を15mm以上離して複数個
配列して前記水素雰囲気熱処理を実行することが好まし
い。
【0019】好ましい実施形態では、前記水素雰囲気熱
処理を実行する工程は、前記R−T−(M)−B系原料
合金粉末に対して水素化および不均化を行う第1処理工
程と、前記R−T−(M)−B系原料合金粉末に対して
脱水素化および再結合を行う第2処理工程とを包含す
る。
【0020】前記第1処理工程は、少なくともH2ガス
を含む雰囲気中で前記R−T−(M)−B系原料合金粉
末を温度500℃〜1000℃に保持し、それによって
前記R−T−(M)−B系原料合金粉末に水素を吸蔵さ
せる工程を含み、前記第2処理工程は、H2分圧13P
a以下の状態で前記R−T−(M)−B系原料合金を温
度500℃〜1000℃に保持し、それによって前記R
−T−(M)−B系原料合金粉末に対する脱水素処理を
行う工程を含むことが好ましい。
【0021】本発明による水素雰囲気熱処理のための処
理容器は、永久磁石用希土類系合金粉末の水素雰囲気熱
処理に用いられる処理容器であって、対向間隔dが30
mm以下になるように配置された複数の側面部と、前記
複数の側面部の一端を相互に連結する底面部と、前記底
面部に対向する位置に形成した開口部とを備え、950
℃以下の温度で水素脆性を示さない材料から形成されて
いる。
【0022】本発明による永久磁石の製造方法は、R−
T−(M)−B系合金粉末(RはYを含む希土類元素、
TはFeまたはFeとCoとの混合物、Mは添加元素、
Bはボロン)を作製する工程と、対向間隔dが30mm
以下になるように配置された複数の側面部と、前記複数
の側面部の一端を相互に連結する底面部と、前記底面部
に対向する位置に形成した開口部とを備えた処理容器内
に前記合金粉末を充填する工程と、前記処理容器内の前
記合金粉末に対して水素雰囲気熱処理を実行する工程
と、前記合金粉末を用いて磁石を作製する工程とを包含
する。
【0023】
【発明の実施の形態】本発明者は、金属またはその化合
物と雰囲気ガスとの不均化反応を制御するには、ミクロ
な界面層部分での雰囲気ガスの分子または原子の濃度や
吸着状態が直接に「反応速度」および/または「不均化
反応に伴う温度変化」に影響するとの観点から、磁気特
性ばらつき低減のための処理条件を種々検討した。その
結果、原料合金粉末を充填する処理容器の形状およびサ
イズを適正化し、さらには処理容器の配列を適正化する
ことによって均質で高い磁気特性を有する磁粉を製造し
得ることを見出した。
【0024】より詳細には、本発明者は通常の矩形処理
容器を用いて処理を行った水素雰囲気熱処理磁粉の磁気
特性を処理容器内の位置毎に詳細に調査した。その結
果、以下の現象を見いだした。
【0025】1.処理容器内に充填した水素雰囲気熱処
理磁粉の最表層部では、処理雰囲気中の不純物等に起因
して固有保磁力(Intrinsic coercivity: HCJ)および
残留磁化(Magnetization: Jr)がともに低いというこ
と。
【0026】2.処理容器の内壁面に沿った部分では、
固有保磁力は高いが残留磁化が低いということ。
【0027】3.処理容器の中央部分では、固有保磁力
は低いが、残留磁化が高いということ。
【0028】固有保磁力および残留磁化の水素化時間依
存性を図1に示し、固有保磁力および残留磁化の脱水素
化時間依存性を図2に示す。なお、図中のJは、外部磁
界Hex=1.2MAm-1における磁化を示している。
【0029】図1からわかるように、水素化時間が増大
するに伴って固有保磁力が増加する一方、残留磁化が低
下する領域が存在している。このような領域では、水素
化反応の進展が固有保磁力を相対的に増加させ、残留磁
化を低下させる。上記2および3は、処理容器の内壁面
に沿った部分では水素化反応が進み、処理容器の中央部
分ではその反応の進行が相対的に遅れていることを意味
している。従って、処理時間を調整することによって処
理容器内の粉末全体における平均的磁気特性を最適化し
ようとすると、処理容器壁面の近傍においても、また、
処理容器の中央部においても、固有保磁力および残留磁
化の両方が充分に高い粉末を作製することはできない。
【0030】本発明者は、水素と粉末との間で生じる反
応が処理容器の壁面近傍で促進される(壁面効果)と考
え、種々の壁面間隔(対向間隔d)を持つ処理容器を用
いて水素雰囲気熱処理を試みた。そして処理容器内の位
置毎に充填磁粉の磁気特性を評価し、それによって壁面
効果を実質的に全ての粉末に及ぼし得るように処理容器
の形状およびサイズを適正化した。
【0031】さらに、処理容器の深さおよび処理容器内
の原料充填深さを種々に変えて深さ方向の位置毎の磁気
特性を評価することによって、原料充填深さも適正化
し、同時に処理容器最表層部における磁気特性劣部分の
影響を最小にすることを可能にした。
【0032】以下、本発明による処理容器形状および寸
法の限定理由を詳細に説明する。
【0033】水素雰囲気熱処理法においては、固相−気
相間の反応が重要である。この処理を大量に効率よく行
うためには、反応ガスである水素ガスをいかに均一に供
給し、さらに均一に放出させるかが最大のポイントとな
る。
【0034】本発明者の観察結果によれば、充填磁粉と
雰囲気との間での水素ガスの出入りは、処理容器壁面に
沿って行われる場合が最も速やかである。そのため、壁
面に近い位置にある原料合金粉末に対しては、処理容器
外部からの処理条件制御が容易である。これに対して、
壁面から離れた部分では水素ガスを介して原料合金粉末
が相互に干渉し合うため、外部から適切な温度・水素分
圧に制御することは困難である。
【0035】そこで、本発明では対向間隔dが30mm
以下の側面を持つ処理容器を用いて水素雰囲気熱処理を
行う。対向間隔dを30mm以下に制限する理由は、対
向間隔dが30mmを超えると、壁面から離れた中央部
での水素化反応速度が低下し、その結果、処理容器中央
に位置する磁粉の保磁力が低下し、水素雰囲気熱処理磁
粉全体の磁気特性が劣化するからである。
【0036】本発明では処理容器開口部の長辺方向の寸
法を規定していない。これは、短辺寸法(対向間隔d)
の制限によって、処理容器の壁面効果が全ての部位に及
び、どの位置においても十分均質な磁粉が得られるため
である。従って、処理容器の長辺方向の寸法は取り扱い
の容易さによって適宜決定することになる。
【0037】実験によれば、合金粉末の充填深さが10
0mmを超えると、上記「壁面効果」をもってしても処
理容器の底部において均質な水素雰囲気熱処理を達成す
ることが困難になることがわかった。このため、合金粉
末の充填深さは100mm以下であることが好ましい。
【0038】また、本発明では壁面効果にとって重要な
働きを示している容器側面部どうしを15mm以上離し
て複数の処理容器を配置する。その理由は、当該処理容
器の相互間隔が15mm未満であると、隣接処理容器間
で雰囲気の水素ガスを通じて干渉が生じる結果、中央付
近に配置された処理容器で処理された磁粉の保磁力が小
さくなり、処理磁粉全体を混合したときの全体の磁気特
性、特に減磁曲線の角形性が低下してしまうからであ
る。
【0039】本発明の処理容器は、室温以上950℃以
下の温度範囲で水素脆性を示さない材料から形成されて
いることが好ましい。950℃を上限とする理由は以下
の通りである。
【0040】水素雰囲気熱処理の温度は原料合金の組成
によって異なるが、約900℃以下である。しかし、原
料合金が水素を吸収する際に大きな反応熱が放出される
ため、一時的ではあるが、原料合金の温度が設定された
処理温度より50℃も高くなることがある。このため、
950℃以下で脆化しない材料から処理容器を形成して
おけば設定温度を900℃にまで上昇させても大きな問
題は生じない。なお、ここで、水素脆性を示さないと
は、材料への水素の進入、放出の繰り返しにより脆化が
起こりにくいことをいう。実用的には、高Ni、Cr系
のステンレス、Ni基超合金が好ましいと考えられる。
具体的には、例えば、SUS310S、インコネル、ハ
ステロイ等が本発明の処理容器材料に適している。コス
トは増加するが、MoおよびW等の材料を用いてもよ
い。なお、本発明の処理容器の材料が上記材料に限定さ
れないことは言うまでもない。
【0041】以下、本発明の実施例を説明する。
【0042】(実施例1)実施例では、Nd12.5Fe
75.0Co5.9Ga0.5Zr0.16.0(各組成は原子%)の
合金鋳塊を原料合金として用いた。この原料合金に対し
て、Ar雰囲気中で1100℃、36ks(=36×1
000秒)の均質化熱処理をした。この均質化処理は、
平均結晶粒径を約100μm以上に粗大化させるために
行う。均質化処理済みの原料合金を0.2MPaの水素
雰囲気で10.8ks保持して脆化させ、300μmの
ふるいを通して原料粉末を得た。なお、上記合金鋳塊の
代わりに合金薄片を用いても良い。また、スタンプミル
などを用いて原料合金を粉砕してもよい。
【0043】こうして得た原料粉末を、図3(a)〜
(f)に示すような1mm厚のSUS310S板から作
製した種々の処理容器内に約45mmの深さになるまで
充填し、水素雰囲気熱処理を行った。処理容器として
は、容器深さを50mmとし、開口部の長手方向寸法を
70mmと一定にしながら、開口幅(壁面の対向間隔
d)を種々の値に設定した容器を用いた。図3(e)お
よび(f)は、比較例を示している。
【0044】水素雰囲気熱処理は、以下の条件で行っ
た。
【0045】まず、水素圧力が0.15MPaの水素雰
囲気にて昇温速度を15℃/mimとして820℃まで
昇温し、この温度で7.2ks保持した。次に、温度お
よび炉内総圧を維持したままArガスで5分間炉内の水
素ガスを置換した後、温度を維持したままArガスを5
l/mimの流量で導入しつつロータリーポンプにより
炉内を排気した。このとき、バルブ開度を調整すること
によって最終的に炉内の総圧力を5kPaでバランスさ
せた。この状態を1.8ks間保持し、その間に原料粉
末内の水素ガスを放出させた。
【0046】このようにして得られた磁粉の磁気特性を
図4に示す。図4は、固有保磁力HCJ、残留磁化Jr、
および外部磁界Hex=1.2MAm-1における飽和磁化
Jの開口幅(壁面の対向間隔d)依存性を示している。
図4からわかるように、開口幅(壁面の対向間隔d)が
30mmを越えて大きくなると、固有保磁力HCJが急激
に低下する。
【0047】(実施例2)本実施例では、実施例1で用
いた原料合金粉末と同組成の原料合金粉末を用いた。開
口幅(対向間隔d)20mm、深さ50mm、長さ
(L)70mmの処理容器に200gの原料粉末を充填
し、開口幅(対向間隔d)20mm、深さ50mm、長
さ(L)250mmの処理容器に700gの原料粉末を
充填した。水素雰囲気熱処理は実施例1の処理条件と同
じ条件で行った。
【0048】図5は、本実施例2で使用した処理容器の
1つを示している。
【0049】図6は、水素雰囲気熱処理後の各処理容器
から得られた磁粉の減磁曲線(Demagetization Curve)
を示している。図6からわかるように、壁面の対向間隔
dが20mmであれば、長手方向の開口サイズ(L)に
関係なく、好ましい磁気特性が確保される。
【0050】(実施例3)本実施例でも、実施例1で用
いた原料合金粉末と同組成の原料合金粉末を用いた。開
口幅(対向間隔d)20mm、長さ70mm、深さ12
0mmの処理容器に450gの原料合金粉末を充填し、
実施例1の水素雰囲気熱処理条件と同一の条件で水素雰
囲気熱処理を行った。処理後の処理容器内磁粉を深さ方
向に6分割し、深さ方向の磁気特性の分布を測定した。
その結果を図7に示す。図7では、処理容器の内壁面と
底面との間の角部に近い位置(Corner)で水素雰囲気熱
処理を受けた磁粉について三角印でデータポイントを示
し、処理容器の中央部(Center)で水素雰囲気熱処理を
受けた磁粉について白丸印でデータポイントを示してい
る。充填深さが100mmを越えると、固有保磁力HCJ
および残留磁化Jrが急激に低下することが図7からわ
かる。
【0051】(実施例4)実施例1に用いたものと同じ
原料合金粉末を、開口幅(対向間隔d)25mm、長さ
100mm、深さ70mmの処理容器に500g充填
し、実施例1と同じ条件で水素雰囲気熱処理を行った。
このとき得られた磁粉の磁気特性を、処理容器内の6点
について減磁曲線で比較した。この結果を図8に示す。
図8からわかるように、位置6、位置3、位置5、位置
4、位置2、および位置1の順番で固有保磁力が低下し
ている。しかし、何れの位置でも優れた磁気特性が得ら
れており、壁面効果が処理容器の中央部や底部にまで及
んでいることがわかる。
【0052】(比較例1)実施例1に用いたものと同じ
原料合金粉末を、開口幅(対向間隔d)70mm、長さ
250mm、深さ25mmの処理容器に1kg充填し、
実施例1と同じ条件で水素雰囲気熱処理を行った。比較
例1で使用された処理容器を図9に示す。このとき得ら
れた磁粉の磁気特性を、処理容器内の3点についての減
磁曲線で比較した。その結果を図10に示す。図10か
ら明らかなように、処理容器内の各部で粉末の磁気特性
は劣化している。
【0053】(実施例5)実施例1に用いたものと同じ
原料合金粉末を、開口幅(対向間隔d)15mm、長さ
70mm、深さ50mmの処理容器に150g充填した
ものを、30mm幅のスペーサーを挟んで図11に示す
ように複数個配列した状態で炉内に設置した。水素雰囲
気熱処理は実施例1の処理条件と同じ条件で行った。2
つの処理容器について、このとき得られた磁粉の磁気特
性を評価した。この結果を図12に減磁曲線で示す。何
れも、良好な磁気特性を示している。
【0054】(比較例2)実施例5に示した原料粉末を
充填した原料処理容器を、図13に示すように、間隔d
=15mmで対向している容器側面部が隣接するように
隙間なく配列して炉内に設置した。水素雰囲気熱処理は
実施例5と同じ条件で行った。このときの磁気特性の評
価結果を図14に減磁曲線で示す。図14から明らかな
ように、中央部分に配置された処理容器内の磁粉の磁気
特性は劣化している。中央部分では水素の消費量に対す
る供給量の割合が低下し、そのせいで水素化および/ま
たは脱水素化反応が不十分になるものと考えられる。
【0055】(実施例6)本実施例では、Nd12.5Fe
72.0Co8.6Ga0.8Zr0.16.0(各組成は原子%)の
合金鋳塊を原料合金として用いる。この原料合金に対し
て、Ar雰囲気中で1080℃、36ksの均質化熱処
理をした。均質化処理済みの原料合金を0.2MPaの
水素雰囲気で7.2ks保持して脆化させ、150μm
のふるいを通して原料粉末を得た。
【0056】この原料合金粉末を、1mm厚のSUS3
10S板から作製した処理容器に900g充填した。当
該処理容器は、開口部25mm×250mm、深さ50
mmの大きさを有している。この処理容器を4個、図1
5に示すように間隔dで対向する壁面どうしが種々の間
隔Xmmで隣接するように炉内で配列し、水素雰囲気熱
処理を行った。水素雰囲気熱処理は、以下の条件で行っ
た。
【0057】水素圧力0.20MPaの水素雰囲気にて
昇温速度15℃/mimで850℃まで昇温する工程、
この温度で7.2ks保持する工程、温度および炉内総
圧を維持したままArガスで5分間炉内の水素ガスを置
換する工程、温度を維持したままArガスを5l/mi
mの流量で導入しつつロータリーポンプにて炉内を排気
し、バルブ開度の調整で最終的に炉内総圧2kPaでバ
ランスさせる工程、このまま3.6ksで保持し、原料
粉末内の水素ガスを放出させる工程を順次実行した。こ
うして得られた磁粉の磁気特性を図16に減磁曲線で示
す。図16からわかるように、処理容器間隔Xが15m
m以上の場合に良好な磁気特性が得られる。図16中、
X=0mm、5mm、および10mmの各条件のもとで
得られた曲線は比較例のものである。
【0058】(実施例7)下記表1に、3種類の合金鋳
塊(原料No.1〜3)の組成およびそれぞれの均質化
処理条件を示す。
【0059】
【表1】
【0060】表1に示される各条件のもとで均質化処理
を施した合金鋳塊を、0.2MPaの水素雰囲気にて
7.2ksで保持して脆化させた後、150μmのふる
いを通してそれぞれ原料粉末を得た。この原料粉末を1
mm厚のSUS310S板から作製した処理容器に90
0g充填した。当該処理容器は、開口部25mm×25
0mm、深さ50mmの大きさを有している。この処理
容器を、図17に示すように30mm幅のスペーサー1
03を一組の水平支持材102に配置した架台170に
5個並べ、それぞれの組成に応じた処理条件で水素雰囲
気熱処理を行った。図17において、処理容器には参照
番号「100」を付加している。
【0061】得られた総量4.5kgの磁粉の磁気特性
を表2に示す。なお、表2中には水素雰囲気熱処理条件
をも示している。
【0062】
【表2】
【0063】表2では、各試料についてJr(残留磁
化)、HcJ(固有保磁力)、およびHkの測定値を記載
している。Hkは、減磁曲線の角形性を示す指標であ
り、磁化の大きさが残留磁化Jrの90%を示すときの
外部磁界強度の絶対値で表される。なお、原料No.2
の組成および処理条件は、磁気的に等方性となることを
狙ったものである。何れも優れた磁気特性を示してい
る。
【0064】(実施例8)本実施例で用いた3種類の合
金鋳塊(原料No.1〜3)の組成およびそれぞれの均
質化処理条件は表1に示すとおりである。この均質化処
理済みの合金を、0.2MPaの水素雰囲気にて7.2
ksで保持して脆化させ、150μmのふるいを通して
それぞれ原料粉末とした。
【0065】この原料粉末を、1mm厚のSUS310
S板から作製した処理容器に900g充填した。当該処
理容器は、開口部25mm×250mm、深さ50mm
の大きさを有している。この処理容器12個を図18に
示す架台180上に配置した。架台180は、垂直支持
部材104a、水平支持部材104bおよび104cに
よって処理容器を3段に積めるように構成したものであ
る。水平支持部材104b上には30mm幅のスペーサ
ー105が設けられており、各処理容器100に30m
mの間隔を与えている。このようにして処理容器100
を搭載した架台180を2組用意し、処理容器100の
幅の狭い側面が相互に接するように炉内に装填した後、
それぞれの組成に応じた処理条件で水素雰囲気熱処理を
行った。得られた総量21.6kgの磁粉の磁気特性を
表3に示す。なお、表3中には、水素雰囲気熱処理条件
も示してある。
【0066】
【表3】
【0067】表3でも、各試料についてJr、HcJ、お
よびHkの測定値を記載している。本実施例でも実施例
7の磁気特性と同様の優れた磁気特性を示す磁粉が得ら
れた。
【0068】(実施例9)本実施例で用いた3種類の合
金鋳塊(原料No.1〜3)の組成およびそれぞれの均
質化処理条件は表1に示すとおりである。この均質化処
理済みの合金を、0.2MPaの水素雰囲気にて7.2
ksで保持して脆化させ、150μmのふるいを通して
それぞれ原料粉末とした。
【0069】この原料粉末を、1mm厚のSUS310
S板から作製した処理容器に900g充填した。当該処
理容器は、開口部25mm×250mm、深さ50mm
の大きさを有している。この処理容器100を、図19
に示すように架台190に搭載した。架台190は、処
理容器100の間隔が25mmとなるように配列された
スライダレール106を有しており、このスライダレー
ル106を垂直支持部材104a、水平支持部材104
bおよび104cが支持している。12個の処理容器1
00を架台190上に載せ、炉内に装填し、それぞれの
組成に応じた処理条件で水素雰囲気熱処理を行った。得
られた総量10.8kgの磁粉の磁気特性を表4に示
す。なお、表4中には、水素雰囲気熱処理条件も示して
ある。
【0070】
【表4】
【0071】表4でも、各試料についてJr、HcJ、お
よびHkの測定値を記載している。本実施例でも実施例
7の磁気特性と同様の優れた磁気特性を示す磁粉が得ら
れた。
【0072】(比較例3)この比較例に用いた3種類の
合金鋳塊(原料No.1〜3)の組成およびそれぞれの
均質化処理条件は表1に示すとおりである。均質化処理
済みの合金を0.2MPaの水素雰囲気にて7.2ks
で保持して脆化させ、150μmのふるいを通してそれ
ぞれ原料粉末とした。
【0073】この原料粉末を、1mm厚のSUS310
S板から作製した処理容器に1kg充填した。当該処理
容器は、開口部25mm×250mm、深さ50mmの
大きさを有している。この処理容器12個を、例えば図
13に示すように、炉内に容器側面部が対向する方向で
隙間無く並べ、それぞれ組成に応じた条件で原料磁粉総
量10.8kgの水素雰囲気熱処理を行った。得られた
磁粉の磁気特性を水素雰囲気熱処理条件と共に表5に示
す。
【0074】
【表5】
【0075】表5でも、各試料についてJr、HcJ、お
よびHkの測定値を記載している。本比較例の磁気特性
は実施例の磁気特性に比べて劣化していることがわか
る。特に、HcJおよびHkの値が大きく低下している。
【0076】(比較例4)この比較例に用いた3種類の
合金鋳塊の組成およびそれぞれの均質化処理条件は表1
に示すとおりである。均質化処理済みの合金を0.2M
Paの水素雰囲気にて7.2ksのあいだ保持して脆化
させた後、150μmのふるいを通して、それぞれ原料
粉末とした。
【0077】この原料粉末を1mm厚のSUS310S
板から作製した処理容器に1kg充填した。当該処理容
器は、開口部サイズ70mm×250mm、深さ25m
mの大きさを有している。この処理容器を12個用意
し、炉内に上下2段に並べ、それぞれ組成に応じた条件
で原料磁粉総量12kgの水素雰囲気熱処理を行った。
なお、上段と下段の間には、雰囲気ガスの流路を確保す
るため、スノコ状の40mm厚のスペーサーを挟んだ。
得られた磁粉の磁気特性を水素雰囲気熱処理条件と共に
表6に示す。
【0078】
【表6】
【0079】表6でも、各試料についてJr、HcJ、お
よびHkの測定値を記載している。本比較例の磁気特性
も実施例の磁気特性に比べて劣化していることがわか
る。
【0080】上記の各実施例では、例えばNd12.5Fe
75.0Co5.9Ga0.5Zr0.16.0(各組成は原子%)を
原料合金として用いた。しかし、本発明の用途はこの材
料に限定されず、広くR−T−(M)−B系合金粉末
(RはYを含む希土類元素、TはFeまたはFeとCo
との混合物、Mは添加元素、Bはボロン)に適用でき
る。
【0081】本発明では、希土類元素Rとして、Y、L
a、Ca、Pr、Nd、Sm、Gd、Tb、Dy、H
o、Er、Tm、Luの少なくとも一種類の元素を含有
する原料を用いる。充分な磁化を得るには、希土類元素
Rのうちの50at%以上がPrまたはNdの何れかま
たは両方によって占められることが好ましい。
【0082】希土類元素Rが10at%以下では、α−
Fe相の析出によって保磁力が低下する。また、希土類
元素Rが20at%を超えると、目的とする正方晶Nd
2Fe14B型化合物以外にRリッチの第2相が多く析出
し、磁化が低下する。このため、希土類元素Rは全体の
10〜20at%の範囲内にあることが好ましい。
【0083】Tは鉄族元素であって、FeおよびCoを
含む。Tが67at%未満の場合、保磁力および磁化と
もに低い第2相が析出するため磁気特性が劣化する。T
が85at%を超えると、α−Fe相の析出によって保
磁力が低下し、また角型性も低下する。このため、Tの
含有量は67〜85at%の範囲内にあることが好まし
い。
【0084】なお、TはFeのみから構成されていても
良いが、Coの添加によってキュリー温度が上昇し、耐
熱性が向上する。Tの50at%以上はFeで占められ
ることが好ましい。Feの割合が50at%を下回る
と、Nd2Fe14B型化合物の飽和磁化そのものが減少
するからである。
【0085】Bは、正方晶Nd2Fe14B型結晶構造を
安定的に析出するために必須である。Bの添加量が4a
t%未満ではR217相が析出するため保磁力が低下
し、減磁曲線の角型性が著しく損なわれる。また、Bの
添加量が10at%を超えると、磁化の小さな第2相が
析出してしまう。従って、Bの含有量は4〜10at%
の範囲であることが好ましい。
【0086】粉末の磁気的な異方性をより高めるために
は他の添加元素Mを付与する。添加元素Mとしては、A
l、Ti、V、Cr、Ni、Ga、Zr、Nb、Mo、
In、Sn、Hf、Ta、Wからなる群から選択された
少なくとも1種類の元素が好適に使用される。このよう
な添加元素Mは、全く添加されなくても良い。添加する
場合は、添加量を10at%以下にすることが好まし
い。添加量が10at%を超えると、強磁性ではなく第
2相が析出して磁化が低下するからである。なお、磁気
的に等方性の磁粉を得るには添加元素Mは不要だが、固
有保磁力を高めるためにAl、Cu、Ga等を添加して
もよい。
【0087】次に、図20から図25を参照しながら、
本発明における水素雰囲気熱処理に好適に用いられる熱
処理装置を説明する。
【0088】図20は、典型的な電気炉の水平縦断面を
模式的に示している。この電気炉内では、例えば図17
に示すような架台170を炉床201上に配置し、その
架台170に複数の処理容器100を配列する。処理容
器100およびヒータ202は、断熱材203によって
囲まれた空間に位置している。電気炉の内部は、ガス導
入口204を介して外部から水素ガス等の供給を受け、
電気炉内部の雰囲気ガスはガス放出口(真空排気口)2
05を介して排気される。処理容器100の出し入れ
は、電気炉端部分に設けられた開閉蓋206を開放した
状態で実行される。水素雰囲気熱処理は、この開閉蓋2
06を閉じた状態で内部の雰囲気ガスの種類および圧力
を制御しながら実行される。
【0089】電気炉の胴体部分207は円筒形状であ
り、水冷可能な構成を有している。ヒータ202の出力
と冷却水の流量を調整することによって熱処理時の昇温
/降温レートが制御される。
【0090】図21は、図20の電気炉内において処理
容器の配置を変化させた状態を示している。
【0091】図22は、他の電気炉の水平縦断面を模式
的に示している。この電気炉は外熱炉であり、水素雰囲
気熱処理が行われる空間の外部(炉心管の外部)にヒー
タ202を配置している。ヒータ202は断熱材203
によって覆われている。炉心管208の内部には炉床レ
ール209が置かれており、この炉床レール209上を
滑らせるようにして処理容器100の出し入れを行うこ
とができる。
【0092】図23および図24は、図22の電気炉内
において処理容器の配置を変化させた状態を示してい
る。
【0093】図25は、内熱タイプの縦型炉の水平断面
を示している。この電気炉は、垂直に支持された円筒状
の水冷胴210内に、円筒状のヒータ212と、そのヒ
ータ212を囲む断熱材211とを配置している。ヒー
タ212に囲まれた空間内には均熱筒213が挿入さ
れ、均熱筒213の内部で水素雰囲気熱処理が実行され
る。処理容器100は、環状構造を有するものが同心円
上に配置され、環状架台200に支持されている。
【0094】次に、図26から図29を参照しながら本
発明による処理容器の他の実施形態を説明する。本発明
による処理用容器は、処理容器内のどの部分も処理容器
の壁面から15mm以内に位置するように構成されてい
る点に特徴を有している。図26から図29は何れも本
発明による処理容器の上面図を示している。
【0095】図26(a)〜(d)は、対向間隔dが3
0mm以下となる一対の側面部を有する複数の小容器部
分が相互に連結し、それによってひとつの処理容器を構
成している。
【0096】図27(a)〜(f)は、処理容器を構成
する矩形の小容器部分の数が比較的に多い例を示してい
る。
【0097】図28(a)および(b)は、対向間隔d
を規定する側面部が湾曲している例を示し、図28
(a)および(c)は、対向間隔が場所に応じて変化し
ている例を示している。対向間隔が変化している場合、
対向間隔の最大値が30mm以下になるように設計され
ている。
【0098】図29(a)は、間隔dで対向している一
対の側面部の端部が曲面によって相互連結され、ひと続
きの面によって側面部の全体が形成されている例を示し
ている。図29(b)は、間隔dで対向している側面部
の各々がひと続きの面から形成されている例を示してい
る。図29(c)は、処理容器を構成する矩形部が中央
部から分放射状に延びている例を示している。本願明細
書では、このような形状の処理容器も「対向間隔dが3
0mm以下になるように配置された複数の側面部」を有
しているものと定義する。
【0099】以上の例で示したように、処理容器内のど
の部分も処理容器の壁面から15mm以内に位置するよ
うに構成されていれば、どのような平面形状を有してい
ても本発明の効果を得ることができる。
【0100】以上説明してきた永久磁石用希土類系合金
粉末の製造方法によって作製した粉末を用いれば、その
後の公知のプロセスを経て高い性能のボンド磁石や焼結
磁石を安価に作製することができる。
【0101】
【発明の効果】本発明によれば、多量のR−T−(M)
−B系合金粉末に対して水素雰囲気熱処理を施しても処
理容器内の処理位置によって合金粉末の磁気特性が変動
することがほとんどない。水素雰囲気熱処理後の処理容
器内に磁気特性の劣る粉末が混在しないため、合金粉末
全体の平均的な磁気特性を本来の高いレベルに維持する
ことができる。このことは、ネオジム鉄ボロン磁粉末に
代表されるR−T−(M)−B系合金粉末および当該粉
末を用いて作製した永久磁石の量産化に大いに寄与す
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】固有保磁力および残留磁化の水素化時間依存性
を示すグラフであり、縦軸に固有保磁力(Intrinsic co
ercivity: HCJ)および磁化(Magnetization: Jr、
J)を示し、横軸に水素化時間(Hydrogenation time)
を示している。横軸右方向に時間は増大する。
【図2】固有保磁力および残留磁化の脱水素化時間依存
性を示すグラフであり、縦軸に固有保磁力(Intrinsic
coercivity: HCJ)および磁化(Magnetization: Jr、
J)を示し、横軸に脱水素化時間(Dehydrogenation ti
me)を示している。横軸右方向に時間は増大する。
【図3】(a)から(f)は、実施例1で使用された種
々の対向間隔dを有する各処理容器を表す斜視図であ
る。
【図4】実施例1により得られる磁気特性を示すグラフ
であり、縦軸に固有保磁力(Intrinsic coercivity: H
CJ)および磁化(Magnetization: Jr、J)を示し、横
軸に処理容器開口幅(The Width of Container: 単位m
m)を示している。
【図5】実施例2で使用された処理容器の1つを表す斜
視図である。
【図6】実施例2により得られる減磁曲線を示すグラフ
であり、縦軸に磁化(Magnetization: J、単位T(テ
スラ))を示し、横軸に外部磁界(Magnetic Feild、 He
x)を示している。
【図7】実施例3により得られる磁気特性を示すグラフ
であり、縦軸に固有保磁力(Intrinsic coercivity: H
CJ)および磁化(Magnetization: Jr、J)を示し、横
軸に表面からの距離(Depth from Sruface: 単位mm)を
示している。
【図8】実施例4により得られる磁気特性を示すグラフ
であり、縦軸に磁化(Magnetization: J: 単位T(テ
スラ))を示し、横軸に外部磁界(Magnetic Feild、 He
x)を示している。る。
【図9】比較例1で使用された処理容器を表す斜視図で
ある。
【図10】比較例1により得られる磁気特性を示すグラ
フであり、縦軸に磁化(Magnetization: J: 単位T
(テスラ))を示し、横軸に外部磁界(Magnetic Feil
d、 Hex)を示している。
【図11】実施例5で使用された処理容器配列を表す斜
視図である。
【図12】実施例5により得られる磁気特性を示すグラ
フであり、縦軸に磁化(Magnetization: J: 単位T
(テスラ))を示し、横軸に外部磁界(Magnetic Feil
d、 Hex)を示している。
【図13】比較例2で使用された処理容器配列を表す斜
視図である。
【図14】比較例2により得られる減磁曲線を示すグラ
フであり、縦軸に磁化(Magnetization: J: 単位T
(テスラ))を示し、横軸に外部磁界(Magnetic Feil
d、 Hex)を示している。
【図15】実施例6で使用された処理容器配列を表す斜
視図である。
【図16】実施例6により得られる減磁曲線を示すグラ
フであり、縦軸に磁化(Magnetization: J: 単位T
(テスラ))を示し、横軸に外部磁界(Magnetic Feil
d、 Hex)を示している。
【図17】実施例7で使用された処理容器配列を表す斜
視図である。
【図18】実施例8で使用された処理容器配列を表す斜
視図である。
【図19】実施例9で使用された処理容器配列を表す斜
視図である。
【図20】本発明に好適に使用される電気炉の水平縦断
面図である。
【図21】図20の処理容器の配置とは異なる配置にし
た電気炉の水平縦断面図である。
【図22】本発明に好適に使用される他の電気炉の水平
縦断面である。
【図23】図22の処理容器の配置とは異なる配置にし
た電気炉の水平縦断面図である。
【図24】図22の処理容器の配置とは異なる配置にし
た電気炉の水平縦断面図である。
【図25】本発明に好適に使用される内熱タイプの縦型
炉の水平断面である。
【図26】(a)〜(d)は、対向間隔dが30mm以
下となる一対の側面部を有する複数の小容器部分が相互
に連結し、それによってひとつの処理容器を構成してい
る例を示す平面図である。
【図27】図27(a)〜(f)は、処理容器を構成す
る矩形の小容器部分の数が比較的に多い例を示す平面図
である。
【図28】(a)および(b)は、対向間隔dを規定す
る側面部が湾曲している処理容器の例を示し、(c)
は、対向間隔dが場所に応じて変化している処理容器の
例を示す平面図である。
【図29】(a)は、間隔dで対向している一対の側面
部の端部が曲面によって相互連結され、ひと続きの面に
よって側面部の全体が形成されている処理容器の例を示
し、(b)は、間隔dで対向している一対の側面部の各
々がひと続きの面から形成されている処理容器の例を示
し、(c)は、処理容器を構成する矩形部が中央部から
分放射状に延びている例を示す平面図である。
【符号の説明】
100 処理容器 102 水平支持部材 103 スペーサ 104a 垂直支持部材 104b 水平支持部材 104c 水平支持部材 105 スペーサ 106 スライダレール 170 架台 180 架台 190 架台 200 環状架台 201 炉床 202 ヒータ 203 断熱材 204 ガス導入口 205 ガス放出口(真空排気口) 206 開閉蓋 207 電気炉の胴体部分 208 炉心管 209 炉床レール 210 円筒状の水冷胴 211 断熱材 212 ヒータ 213 均熱筒
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H01F 41/02 H01F 41/02 G

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 R−T−(M)−B系合金粉末(RはY
    を含む希土類元素、TはFeまたはFeとCoとの混合
    物、Mは添加元素、Bはボロン)に対して水素雰囲気熱
    処理を行う永久磁石用希土類系合金粉末の製造方法であ
    って、 対向間隔dが30mm以下になるように配置された複数
    の側面部と、前記複数の側面部の一端を相互に連結する
    底面部と、前記底面部に対向する位置に形成した開口部
    とを備えた処理容器内に前記合金粉末を充填する工程
    と、 前記処理容器内の前記合金粉末に対して前記水素雰囲気
    熱処理を実行する工程と、を包含する永久磁石用希土類
    系合金粉末の製造方法。
  2. 【請求項2】 前記処理容器に充填した前記合金粉末の
    充填深さが100mm以下であることを特徴とする請求
    項1に記載の永久磁石用希土類系合金粉末の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記処理容器を15mm以上離して複数
    個配列して前記水素雰囲気熱処理を実行する請求項1ま
    たは2に記載の永久磁石用希土類系合金粉末の製造方
    法。
  4. 【請求項4】 前記水素雰囲気熱処理を実行する工程
    は、前記R−T−(M)−B系原料合金粉末に対して水
    素化および不均化を行う第1処理工程と、前記R−T−
    (M)−B系原料合金粉末に対して脱水素化および再結
    合を行う第2処理工程とを包含する請求項1から3の何
    れかひとつに記載の永久磁石用希土類系合金粉末の製造
    方法。
  5. 【請求項5】 前記第1処理工程は、少なくともH2
    スを含む雰囲気中で前記R−T−(M)−B系原料合金
    粉末を温度500℃〜1000℃に保持し、それによっ
    て前記R−T−(M)−B系原料合金粉末に水素を吸蔵
    させる工程を含み、 前記第2処理工程は、H2分圧13Pa以下の状態で前
    記R−T−(M)−B系原料合金を温度500℃〜10
    00℃に保持し、それによって前記R−T−(M)−B
    系原料合金粉末に対する脱水素処理を行う工程を含む請
    求項4に記載の永久磁石用希土類系合金粉末の製造方
    法。
  6. 【請求項6】 永久磁石用希土類系合金粉末の水素雰囲
    気熱処理に用いられる処理容器であって、 対向間隔dが30mm以下になるように配置された複数
    の側面部と、前記複数の側面部の一端を相互に連結する
    底面部と、前記底面部に対向する位置に形成した開口部
    とを備え、950℃以下の温度で水素脆性を示さない材
    料から形成されている水素雰囲気熱処理用処理容器。
  7. 【請求項7】 R−T−(M)−B系合金粉末(RはY
    を含む希土類元素、TはFeまたはFeとCoとの混合
    物、Mは添加元素、Bはボロン)を作製する工程と、 対向間隔dが30mm以下になるように配置された複数
    の側面部と、前記複数の側面部の一端を相互に連結する
    底面部と、前記底面部に対向する位置に形成した開口部
    とを備えた処理容器内に前記合金粉末を充填する工程
    と、 前記処理容器内の前記合金粉末に対して水素雰囲気熱処
    理を実行する工程と、 前記合金粉末を用いて磁石を作製する工程と、を包含す
    る永久磁石の製造方法。
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