JP2000133283A - 固体高分子型燃料電池及びそのシステム - Google Patents

固体高分子型燃料電池及びそのシステム

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JP2000133283A
JP2000133283A JP10298883A JP29888398A JP2000133283A JP 2000133283 A JP2000133283 A JP 2000133283A JP 10298883 A JP10298883 A JP 10298883A JP 29888398 A JP29888398 A JP 29888398A JP 2000133283 A JP2000133283 A JP 2000133283A
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catalyst
electrode
fuel cell
solid polymer
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Hiroshi Tomosawa
洋 知沢
Tsutomu Aoki
努 青木
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Toshiba Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 触媒担持量を最小限度に抑えつつ触媒の電気
化学的金属表面積を十分に確保することによって、三相
界面の適正化を図り、低コストで高性能な固体高分子型
燃料電池を提供する。 【解決手段】 固体高分子電解質膜3の両側にアノード
電極1a及びカソード電極1bからなる一対のガス拡散
電極が配置され、各電極1a、1bの固体高分子電解質
膜3に接する面に触媒層2a、2bが形成されている。
触媒層2a、2bには白金または白金にルテニウムを含
有させた触媒が含有されており、この触媒と、固体高分
子電解質膜3と連続する電解質との接触面積が、電極1
cm2当たり0.005m2 以上とされている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、固体高分子型燃料
電池及び固体高分子型燃料電池システムに関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】燃料電池は、水素等の燃料と空気等の酸
化剤を電気化学的に反応させることにより、燃料の持つ
化学エネルギーを直接電気エネルギーに変換する装置で
ある。燃料電池は電解質の違い等により様々なタイプの
ものに分類されるが、その一つとして電解質に固体高分
子電解質膜を用いた固体高分子型燃料電池が知られてい
る。この固体高分子型燃料電池はコンパクトな構造で高
出力密度を得ることができ、しかも簡略なシステムで運
転が可能である。そのため、宇宙用や車両用などの電源
として高い関心が寄せられており、その運転を実行する
燃料電池システムと併せて、研究、開発が積極的に進め
られている。
【0003】ここで、図5を参照して従来の固体高分子
型燃料電池について具体的に説明する。固体高分子型燃
料電池にはイオン伝導性とガス分離機能を有する固体高
分子電解質膜3が設けられいる。この電解質膜3を挟持
するようにしてアノード電極1a、カソード電極1bか
らなる一対のガス拡散電極が配置されている。各電極1
a、1bにおいて電解質膜3に接する面には、白金等の
貴金属からなる触媒を含有した触媒層2a、2bが形成
されている。これらの電極1a、1b、触媒層2a、2
b及び電解質膜3から単電池4が構成される。この単電
池4を挟むようにガス不透過性のセパレータ5が配置さ
れている。セパレータ5には反応ガス供給用の溝が形成
されている。
【0004】以上のような固体高分子型燃料電池ではア
ノード電極1a側に水素等の燃料ガスを、カソード電極
1b側に空気等の酸化剤ガスをそれぞれ供給することに
よって電気化学反応であるガス電極反応が発生し、単電
池4ごとに起電力が生じる。ただし、単電池4の起電力
は高々1V程度と低い。そのため、セパレータ5を介し
て単電池4を複数積層して単電池積層体6とし、電池ス
タックとして使用している。また、前記のガス電極反応
は発熱反応なので、単電池積層体6ごとに冷媒を流通さ
せた冷却板7が挿入されており、この冷却板7の働きに
より余剰な熱を除去するように構成されている。
【0005】さらに、系外へのガスリークはガス利用率
の低下や水素等の可燃ガスによる爆発の危険性がある。
そのため、固体高分子電解質膜3とセパレータ5との間
にはシール剤8が設置され、ガスシールがなされてい
る。また、カソード電極1bではガス電極反応に伴い水
を生成するが、電極反応部に水が凝縮するとガス拡散性
が悪化する。そこで、この凝縮水は未反応ガスと共に電
池外に排出されるようになっている。
【0006】ところで、燃料電池におけるガス電極反応
は、反応ガス、電解質及び電極という三相が接する三相
界面で進行するので、電池性能を向上させるためには三
相界面の適正化を図らなくてはならない。特に、電極の
触媒層と電解質膜との最適な接合は、両者の接触面積を
増大させて触媒の活性を高める上で重要な要因である。
【0007】具体的には、触媒層を有する電極と固体高
分子電解質膜とを接合する場合、電解質膜のガラス転移
温度以上で、電解質膜に電極を加熱圧着することによっ
て電解質膜の一部を触媒層に溶融させ、触媒層と電解質
膜とのネットワークを三次元化する。これにより、触媒
層に含有される触媒に対し固体高分子電解質膜と連続す
る電解質が三次元的に接触することになり、触媒層と電
解質膜とが二次元的にしか接触していない場合に比べ
て、触媒と電解質との接触面積を大幅に増やすことがで
きる。このときの触媒と電解質との接触面積は、通常、
サイクリックボルタンメトリーによって得られた水素吸
脱着電気量から触媒の電気化学的金属表面積として算出
することができる。つまり、触媒と電解質との接触面積
が触媒の電気化学的金属表面積となり、前記接触面積が
増大すれば触媒の電気化学的金属表面積も増加すること
になる。
【0008】しかしながら、固体高分子電解質膜あるい
は触媒の性質、もしくは固体高分子型燃料電池システム
の運転条件や燃料ガスの種類等の条件によって、触媒の
電気化学的表面積が低下することがある。例えば、固体
高分子電解質膜にはフッ素系イオン交換膜であるパーフ
ルオロスルホン酸膜を用いるが、このような固体高分子
電解質膜は分子中に水素イオンの交換基を持ち、飽和含
水することによりイオン伝導性物質として機能する。そ
のため、電解質膜を絶えず湿潤状態に維持しなくてはな
らない。したがって、運転条件が変化して反応ガスの相
対湿度が減少すると、固体高分子電解質膜が乾燥して電
解質性能が低下し、触媒の電気化学的金属表面積が低下
する。また、燃料ガスとして、メタノール等の炭化水素
を、水素を含むガスに改質したガスを用いることがある
が、この場合、改質ガス中に含まれるCOがアノード電
極側の触媒を被毒するので、同様に触媒の電気化学的金
属表面積が低下する。
【0009】以上のように、COを含むガスを燃料ガス
に使用する、あるいは固体高分子電解質膜を乾燥状態に
保持する等、触媒の電気化学的表面積を低減させる条件
で燃料電池システムの運転を行う場合、触媒の電気化学
的表面積の減少が触媒の活性を低下させる。したがっ
て、三相界面の適正度が低くなり、電池性能の劣化を招
くおそれがある。このような不具合を防ぐために従来で
は、触媒層における触媒の担持量を増加させ、触媒の幾
何学的な表面積を増大させて電気化学的表面積を確保し
ている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、以上の
従来技術には次のような問題点があった。すなわち、触
媒には通常、白金等の高価な貴金属を用いている。その
ため、触媒担持量が増大すると、コストが増加して経済
的に不利となった。そこで、触媒担持量を最小限度に抑
えつつ、適正な三相界面を確保し得る触媒の電気化学的
表面積を明確に規定することが強く望まれていた。ま
た、触媒担持量だけではなく、反応ガスの相対湿度の低
下やアノード電極のCO被毒といった触媒の電気化学的
表面積を低下させる因子に関しても、触媒の電気化学的
金属表面積および電池特性がどのように変化しているか
を正確に捉えることが求められていた。さらには、十分
な触媒の電気化学的表面積を確保するための条件を規定
した上で、この条件で固体高分子型燃料電池を効率良く
運転することができる固体高分子型燃料電池システムが
待たれていた。
【0011】本発明は、このような事情に鑑みて提案さ
れたものであり、その主たる目的は、触媒担持量を最小
限度に抑えつつ触媒の電気化学的金属表面積を十分に確
保することによって、三相界面の適正化を図り、低コス
トで高性能な固体高分子型燃料電池を提供することにあ
る。また、本発明の他の目的は、このような固体高分子
型燃料電池を効率良く運転することができる固体高分子
型燃料電池システムを提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1の発明は、イオン伝導性を有する固体高分
子電解質膜を設け、その両側にアノード電極およびカソ
ード電極からなる一対のガス拡散電極を配置し、各ガス
拡散電極の前記固体高分子電解質膜に接する面に触媒層
を形成した固体高分子型燃料電池において、前記触媒層
は貴金属からなる触媒を含有し、この触媒と、前記固体
高分子電解質膜と連続する電解質との接触面積を、前記
電極1cm2 当たり0.005m2 以上とすることを特
徴としている。
【0013】このような請求項1の発明では、触媒層の
触媒と、固体高分子電解質膜と連続な電解質との接触面
積を、電極1cm2 当たり0.005m2 以上と規定す
ることによって、最小限度の触媒担持量で、触媒の電気
化学的表面積を十分に確保することができる。したがっ
て、電極の三相界面が適正になり、低コストで燃料電池
の性能を向上させることができる。
【0014】請求項2の発明は、請求項1記載の固体高
分子型燃料電池において、前記触媒層はフッ素樹脂を含
有し、このフッ素樹脂の含有率を前記触媒層に対する重
量百分率で30%以下にすることを特徴とする。
【0015】請求項3の発明は、請求項1または2記載
の固体高分子型燃料電池において、前記固体高分子電解
質膜近傍の平均相対湿度をp%とし、前記触媒層におけ
る前記貴金属と前記固体高分子電解質膜と連続な電解質
との電極1cm2 当たりの接触面積をSm2 とすると
き、S及びpの値が、
【数3】 S ≧0.005/(1−0.0045×(100−p)) 40 ≦ p ≦ 100 を満たすことを特徴としている。
【0016】請求項4の発明は、請求項1、2または3
記載の固体高分子型燃料電池において、前記触媒層は少
なくとも白金を含有する微粒子からなり、前記固体高分
子電解質膜近傍の平均相対湿度をp%とし、前記電極1
cm2 当たりの前記触媒層における白金含有量をMmg
とするとき、M及びpの値が、
【数4】 M ≧0.2/(1−0.0045×(100−p)) 40 ≦ p ≦ 100 を満たすことを特徴としている。
【0017】請求項5の発明は、請求項4記載の固体高
分子型燃料電池において、前記白金の微粒子の粒子径を
60μm以下にすることを特徴とする。
【0018】以上の構成を有する請求項2、3、4およ
び5の発明では、フッ素樹脂の含有率、固体高分子電解
質膜近傍の平均相対湿度、触媒層の白金含有量もしくは
白金微粒子の粒子径を規定することにより、触媒層の触
媒と、固体高分子電解質膜と連続な電解質との接触面積
を、電極1cm2 当たり0.005m2 以上とすること
ができる。したがって、触媒の電気化学的金属表面積を
十分に確保でき、上記請求項1と同様、電極の三相界面
が適正になり、低コストで燃料電池の性能を向上させる
ことができる。
【0019】請求項6の発明は、請求項1乃至請求項5
のいずれか一つに記載の固体高分子型燃料電池を用いた
固体高分子型燃料電池システムであって、ガス拡散電極
に反応ガスを供給する反応ガス供給系と、前記反応ガス
を加湿する加湿器と、この加湿器を通過した反応ガスの
相対湿度を測定する相対湿度センサと、前記相対湿度セ
ンサの入力値が40%以上となるように前記加湿器を制
御する制御手段とを備えたことを特徴とする。このよう
な請求項6の発明では、制御手段が常に反応ガスの相対
湿度を40%以上に制御するため、固体高分子電解質膜
近傍の平均相対湿度は40%以上になり、低コストで且
つ高性能な固体高分子型燃料電池を安定して運転するこ
とができる。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態の一例
について、図面を参照して具体的に説明する。なお、図
5に示した従来の固体高分子型燃料電池と同一の部材に
関しては同一の符号を記し、説明を省略する。
【0021】(1)第1の実施の形態…請求項1対応 (構成)第1の実施の形態では、固体高分子電解質膜3
(例えばGore社製GORE-SELECT、厚さ30μm)と、これ
を挟持するアノード電極1a及びカソード電極1bと
が、温度150℃、線圧10kgf/cmの条件下で、
ローラーにより接合されている。また、触媒層2a、2
bの触媒には白金または白金にルテニウムを含有させた
もの(重量比でPt:Ru=1:1)を使用しており、
白金含有量を0.3〜1.2mg/cm2 にしている。
第1の実施の形態は、このような触媒と、固体高分子電
解質膜3と連続する電解質との接触面積が、電極1cm
2 当たり0.005m2 以上であることに特徴がある。
【0022】前述したように、触媒と電解質との接触面
積は、サイクリックボルタンメトリーによって得られた
水素吸脱着電気量から触媒の電気化学的金属表面積とし
て算出することができる。そこで、アノード電極1a及
びカソード電極1bの近傍に電極1a、1bと液絡した
参照電極を配置し、水素を供給すると共に、両電極1
a、1bに窒素を供給して、温度80℃、窒素ガスの相
対湿度を40〜100%の条件で、それぞれサイクリッ
クボルタンメトリーにより触媒の電気化学的白金表面積
を測定した。この結果、電極1cm2 当たり0.005
〜0.017m2の電気化学的白金表面積を持つ試料が
得られた。
【0023】(作用・効果)以上の構成を有する固体高
分子型燃料電池について、電気化学的白金表面積を求め
た際の温度、窒素ガスの相対湿度が等しい条件におい
て、アノード電極1aに水素(水素ガス利用率70
%)、カソード電極1bに空気(空気利用率40%)を
それぞれ供給し、電流密度を1.00A/cm2 となる
ように設定して発電を行いセル電圧を測定した。
【0024】また、第1の実施の形態に係る電極1a、
1bの性能と、電極1cm2 当たりの電気化学的白金表
面積が0.005m2 以下となる電極の性能とを比較す
るため、触媒中の白金含有量を系統的に変えた試料、反
応ガスの相対湿度を系統的に変えた試験条件、及びアノ
ード電極1aに供給する水素中のCO濃度を系統的に変
えた試験条件において、同様にセル電圧並びに電気化学
的白金表面積を測定した。ここで、アノード電極1aに
供給する水素中のCO濃度を系統的に変えた場合の電気
化学的白金表面積は、セル電圧を測定した際の水素中の
CO濃度と等しいCOを含む窒素を相対湿度が100%
となるようにアノード電極1aに供給し、サイクリック
ボルタンメトリーを測定した。得られたボルタングラム
から水素吸着電気量を導出し、白金表面積1cm2 当た
りの水素吸着電気量には実験により得られた210μC
を用いて電気化学的白金表面積を算出した。
【0025】図1のグラフは、触媒中の白金含有量を系
統的に変えた試料(実線)、反応ガスの相対湿度を系統
的に変えた試験条件(一点鎖線)、並びにアノード電極
1aに供給する水素中のC0濃度を系統的に変えた試験
条件(点線)において、電気化学的白金表面積とセル電
圧の関係を示している。いずれの場合も電気化学的白金
表面積が電極1cm2 当たり0.005m2 以上の領域
であるならば、触媒中の白金含有量、反応ガスの相対湿
度及び水素中のC0濃度の変化に伴い電気化学的白金表
面積が減少しても、セル電圧が急激に低下することはな
い。
【0026】すなわち、第1の実施の形態においては電
気化学的白金表面積を電極1cm2当たり0.005m
2 以上に規定したことにより、触媒中の白金含有量、反
応ガスの相対湿度及び水素中のC0濃度の変化に関係な
く、電極の三相界面を適正にすることができる。このよ
うな第1の実施の形態によれば、電池性能を向上させる
と同時に、触媒担持量を抑えたり、緩やかな条件で運転
を実施するなどして運転コストの削減を図ることがで
き、経済的に有利である。
【0027】(2)第2の実施の形態…請求項2対応 (構成)第2の実施の形態では、電極1cm2 当たり
0.005m2 以上の電気化学的白金表面積を持つ試料
において、触媒層2a、2bがフッ素樹脂であるポリテ
トラフルオロエチレンを含有し、その含有率を前記触媒
層2a、2bに対する重量百分率で30%以下にしたこ
とを特徴としている。
【0028】(作用・効果)図2のグラフは、触媒層2
a、2b中のポリテトラフルオロエチレン(PTFE)
含有量と電気化学的白金表面積の関係を示している。す
なわち、ポリテトラフルオロエチレンの含有量が触媒層
2a、2bの重量比で30%以上のある場合は、電気化
学的白金表面積は電極1cm2 当たり0.005m2
ら低下する。これに対して、第2の実施の形態ではポリ
テトラフルオロエチレンの含有量を触媒層2a、2bの
重量比で30%以下にしているので、電気化学的白金表
面積が電極1cm2 当たり0.005m2 から低下する
ことがない。したがって、上記第1の実施の形態と同
様、電極の三相界面が適正になり、低コストで高性能な
固体高分子型燃料電池を得ることができる。
【0029】(3)第3の実施の形態…請求項3対応 (構成)第3の実施の形態では、固体高分子電解質膜3
近傍の平均相対湿度を100%としたとき、電極1cm
2 当たりの触媒と固体高分子電解質膜3と連続する電解
質との接触面積が電極1cm2 当たり0.007m2
上であることを構成上の特徴とする。
【0030】(作用・効果)図3のグラフは、電気化学
的白金表面積の相対湿度依存性を示すものである。この
グラフでは固体高分子電解質膜3近傍の平均相対湿度が
100%としたときの電気化学的白金表面積を100と
している。相対湿度を100%から減少させると、40
%以上の領域では電気化学的白金表面積の減少は徐々に
進行するが、40%以下の領域の入ると電気化学的白金
表面積が急激に減少する。そのため内部抵抗も急激に増
大し、電池電圧が低下して発電が不可能となった。
【0031】相対湿度が40%以上100%以下の領域
では、相対湿度が100%のときの電気化学的白金表面
積をSm2 、相対湿度をp%としたとき、40%以上の
領域における電気化学的白金表面積S(p)m2 は、
【数5】 S(p)=S×(1−0.0045×(100−p)) となる。
【0032】すなわち、電気化学的白金表面積を電極1
cm2 当たり0.005m2 以上とするためには、
【数6】 S ≧0.005/(1−0.0045×(100−p)) …(1) とすればよい。
【0033】第3の実施の形態に係る電極は、相対湿度
が100%のときの電気化学的白金表面積が電極1cm
2 当たり0.007m2 以上である電極であり、相対湿
度が40%となるような条件においても上記の式(1)
を満足する。このような電極について、電極の近傍に参
照電極を配置し、相対湿度が40%となる条件でサイク
リックボルタンメトリーによる触媒の電気化学的白金表
面積を測定したところ、電極1cm2 当たり0.005
2 以上の電気化学的白金表面積を持つ試料が得られ
る。この電極について第1の実施の形態と同様な発電試
験を行ったが、良好な特性が得られた。
【0034】つまり、第3の実施の形態のように、相対
湿度が100%のときの電気化学的白金表面積が電極1
cm2 当たり0.007m2 であれば、相対湿度を40
%まで低下させても、電気化学的白金表面積は電極1c
2 当たり0.005m2 以上を確保することができ
る。したがって、上記第1の実施の形態と同様、電極の
三相界面が適正になって、低コスト及び高性能な固体高
分子型燃料電池が得られる。
【0035】(4)第4の実施の形態…請求項4及び5
対応 (構成)第4の実施の形態では、白金含有量が電極1c
2 当たり0.3〜1.2mg、白金微粒子の平均粒子
径が60μm以下であることを特徴としている。
【0036】(作用・効果)図4は、白金単体(白金粒
子径30μm 以下)および、白金にルテニウムを含有さ
せた触媒(白金粒子径60μm)を用いた第4の実施の
形態の電極における触媒層の白金含有量と電気化学的白
金表面積との関係、および比較例として白金含有量が電
極1cm2 当たり0.1〜0.3mgの電極における触
媒層の白金含有量と電気化学的白金表面積との関係を連
続的に示したグラフである。このグラフから明らかなよ
うに、電気化学的白金表面積は、単体または合金といっ
た触媒の組成に依存するのではなく、白金含有量に依存
していることがわかる。
【0037】そこで、上記第3の実施の形態において記
述した触媒の電気化学的白金表面積を、白金含有量に置
き換えることが可能である。電気化学的白金表面積を電
極1cm2 当たり0.005m2 以上にするためには、
図4を参照すると白金含有量を電極1cm2 当たり0.
2mg以上とすればよいから、前述した式(1)を次の
ような式(2)に置き換えることができる。すなわち、
【数7】 M ≧0.2/(1−0.0045×(100−p)) …(2) 40≦p≦100 となる。
【0038】第4の実施の形態に係る電極は触媒層2
a、2bの白金含有量が電極1cm2当たり0.3mg
以上である電極であり、相対湿度が40%となるような
条件においても上記の式(2)式を満足する。このよう
な電極について、電極の近傍に参照電極を配置し、相対
湿度が40%となる条件でサイクリックボルタンメトリ
ーによる触媒の電気化学的白金表面積を測定したとこ
ろ、電極1cm2 当たり0.005m2 以上の電気化学
的白金表面積を持つ試料が得られる。この電極について
第1の実施の形態と同様な発電試験を行ったが、良好な
特性が得られた。すなわち、第4の実施の形態のよう
に、白金含有量が電極1cm2 当たり0.3〜1.2m
gであれば、相対湿度を40%まで低下させても、電極
1cm2 当たり0.005m2 以上の電気化学的白金表
面積を持つ電極を得ることができる。したがって、電極
の三相界面が適正になり、このような電極を用いること
により、電池性能の向上及びコストの削減に寄与するこ
とができる。
【0039】(5)第5の実施の形態…請求項6対応 (構成)図5は第5の実施の形態の構成を示す図であ
る。第5の実施の形態は前記第3の実施の形態に係る電
極を持つ電池部10が使用された固体高分子型燃料電池
システムであり、この電池部10に対して反応ガスを供
給する反応ガス供給系15が設置されている。反応ガス
供給系15には反応ガスを加湿する加湿器13、及び加
湿器13を通過した反応ガスの相対湿度を測定する相対
湿度センサ11が順次配設されている。加湿器13には
ヒーター14が取付けられており、このヒーター14及
び前記相対湿度センサ11には温度コントローラ12が
接続されている。温度コントローラ12は相対湿度セン
サの測定値を入力し、運転温度80℃において反応ガス
の相対湿度が40%以上となるようにヒーター14の出
力を制御するように構成されている。
【0040】(作用・効果)以上のような第5の実施の
形態では、制御手段である温度コントローラ12が常に
反応ガスの相対湿度を40%以上となるようにヒーター
14の出力を制御するので、固体高分子電解質膜3近傍
の平均相対湿度は40%以上になる。電池部10の電極
は、第3の実施の形態で用いた電極と同様な仕様である
ため、相対湿度が40%以上のとき、電気化学的白金表
面積は電極1cm2 当たり0.005m2 以上となる。
すなわち、第5の実施の形態によれば、電気化学的白金
表面積が十分な大きさを持つような条件で、高性能な固
体高分子型燃料電池を安定して運転することができる。
【0041】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
固体高分子型燃料電池用電極について、運転条件、CO
被毒、触媒担持量等の因子により触媒の電気化学的金属
表面積および電池特性がどのように変化しているかを捉
え、電池特性を低下させないために、必要な電気化学的
金属表面積を電極1cm2 当たり0.005m2 以上規
定したことにより、触媒担持量を最小限度に抑えつつ触
媒の電気化学的金属表面積を十分に確保することがで
き、三相界面の適正化を図って、低コストで高性能な固
体高分子型燃料電池を得ることができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態において電気化学的
白金表面積とセル電圧との関係を示すグラフ
【図2】本発明の第2の実施の形態においてポリテトラ
フルオロエチレン(PTFE)含有量と電気化学的白金
表面積の関係を示すグラフ
【図3】本発明の第3の実施の形態において電気化学的
白金表面積の相対湿度依存性を示すグラフ
【図4】本発明の第4の実施の形態において触媒層の白
金含有量と電気化学的白金表面積との関係を示すグラフ
【図5】本発明の第5の実施の形態を示す構成図
【図6】従来の固体高分子型燃料電池の断面図
【符号の説明】
1a…アノード電極 1b…カソード電極 2a,2b…触媒層 3…固体高分子電解質膜 4…単電池 5…セパレータ 6…単電池積層体 7…冷却板 8…シール材 10…電池部 11…相対湿度センサ 12…温度コントローラ 13…加湿器 14…ヒーター 15…反応ガス供給系
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 5H018 AA02 AA06 AS02 AS03 BB00 EE02 EE03 EE19 HH00 HH01 HH02 5H026 AA02 AA06 EE02 EE19 HH00 HH01 HH02 5H027 AA02 AA06 KK00 MM09

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 イオン伝導性を有する固体高分子電解質
    膜を設け、その両側にアノード電極およびカソード電極
    からなる一対のガス拡散電極を配置し、各ガス拡散電極
    の前記固体高分子電解質膜に接する面に触媒層を形成し
    た固体高分子型燃料電池において、 前記触媒層は貴金属からなる触媒を含有し、 この触媒と、前記固体高分子電解質膜と連続する電解質
    との接触面積を、前記電極1cm2 当たり0.005m
    2 以上とすることを特徴とする固体高分子型燃料電池。
  2. 【請求項2】 前記触媒層はフッ素樹脂を含有し、 このフッ素樹脂の含有率を前記触媒層に対する重量百分
    率で30%以下にすることを特徴とする請求項1記載の
    固体高分子型燃料電池。
  3. 【請求項3】 前記固体高分子電解質膜近傍の平均相対
    湿度をp%とし、前記電極1cm2 当たりの前記触媒と
    前記電解質との接触面積をSm2 とするとき、S及びp
    の値が、 【数1】 S ≧0.005/(1−0.0045×(100−p)) 40 ≦ p ≦ 100 を満たすことを特徴とする請求項1または2記載の固体
    高分子型燃料電池。
  4. 【請求項4】 前記触媒層は少なくとも白金を含有する
    微粒子からなり、前記固体高分子電解質膜近傍の平均相
    対湿度をp%とし、前記電極1cm2 当たりの前記触媒
    層における白金含有量をMmgとするとき、M及びpの
    値が、 【数2】 M ≧0.2/(1−0.0045×(100−p)) 40 ≦ p ≦ 100 を満たすことを特徴とする請求項1、2または3記載の
    固体高分子型燃料電池。
  5. 【請求項5】 前記白金の微粒子の粒子径を60μm以
    下にすることを特徴とする請求項4記載の固体高分子型
    燃料電池。
  6. 【請求項6】 請求項1乃至請求項5のいずれか一つに
    記載の固体高分子型燃料電池を用いた固体高分子型燃料
    電池システムであって、 前記ガス拡散電極を有する電池部に対して反応ガスを供
    給する反応ガス供給系と、 前記反応ガスを加湿する加湿器と、 この加湿器を通過した反応ガスの相対湿度を測定する相
    対湿度センサと、 前記相対湿度センサの入力値が40%以上となるように
    前記加湿器を制御する制御手段とを備えたことを特徴と
    する固体高分子型燃料電池システム。
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