JP2000132197A - Celp型音声符号化装置 - Google Patents

Celp型音声符号化装置

Info

Publication number
JP2000132197A
JP2000132197A JP10305740A JP30574098A JP2000132197A JP 2000132197 A JP2000132197 A JP 2000132197A JP 10305740 A JP10305740 A JP 10305740A JP 30574098 A JP30574098 A JP 30574098A JP 2000132197 A JP2000132197 A JP 2000132197A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
pitch
vector
output
codebook
searcher
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP10305740A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3343082B2 (ja
Inventor
Hiroyuki Ebara
宏幸 江原
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Priority to JP30574098A priority Critical patent/JP3343082B2/ja
Application filed by Matsushita Electric Industrial Co Ltd filed Critical Matsushita Electric Industrial Co Ltd
Priority to AU62301/99A priority patent/AU6230199A/en
Priority to AT99949404T priority patent/ATE456127T1/de
Priority to US09/582,039 priority patent/US6804639B1/en
Priority to EP99949404A priority patent/EP1041541B1/en
Priority to PCT/JP1999/005885 priority patent/WO2000025302A1/ja
Priority to CNB998018465A priority patent/CN1139912C/zh
Priority to DE69941947T priority patent/DE69941947D1/de
Publication of JP2000132197A publication Critical patent/JP2000132197A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3343082B2 publication Critical patent/JP3343082B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • GPHYSICS
    • G10MUSICAL INSTRUMENTS; ACOUSTICS
    • G10LSPEECH ANALYSIS TECHNIQUES OR SPEECH SYNTHESIS; SPEECH RECOGNITION; SPEECH OR VOICE PROCESSING TECHNIQUES; SPEECH OR AUDIO CODING OR DECODING
    • G10L19/00Speech or audio signals analysis-synthesis techniques for redundancy reduction, e.g. in vocoders; Coding or decoding of speech or audio signals, using source filter models or psychoacoustic analysis
    • G10L19/04Speech or audio signals analysis-synthesis techniques for redundancy reduction, e.g. in vocoders; Coding or decoding of speech or audio signals, using source filter models or psychoacoustic analysis using predictive techniques
    • G10L19/08Determination or coding of the excitation function; Determination or coding of the long-term prediction parameters

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Signal Processing (AREA)
  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Audiology, Speech & Language Pathology (AREA)
  • Human Computer Interaction (AREA)
  • Computational Linguistics (AREA)
  • Acoustics & Sound (AREA)
  • Multimedia (AREA)
  • Compression, Expansion, Code Conversion, And Decoders (AREA)
  • Transmission And Conversion Of Sensor Element Output (AREA)
  • Transmission Systems Not Characterized By The Medium Used For Transmission (AREA)
  • Peptides Or Proteins (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 サブフレーム間でピッチ情報の差分量子
化を行う音声符号化装置において、ピッチの差分量子化
に悪影響を与えずにピッチ探索(適応符号帳探索)の精
度を向上させること。 【解決手段】 差分量子化を適用しないサブフレームに
おけるピッチの予備選択時に、閾値処理を用いて予備選
択候補数を制限することによって、差分量子化を適用し
ないサブフレームに特化したピッチを予備選択候補とし
て出力しないようにする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、移動通信システム
などにおいて、音声信号を符号化して伝送するCELP
(Code Excited Linear Prediction)型音声符号化装置
に関する。
【0002】
【従来の技術】ディジタル移動通信や音声蓄積の分野に
おいては、電波や記憶媒体の有効利用のために音声情報
を圧縮し、高能率で符号化するための音声符号化装置が
用いられている。中でもCELP(Code Excited Linea
r Prediction:符号励振線形予測符号化)方式をベース
にした方式が中・低ビットレートにおいて広く実用化さ
れている。CELPの技術については、M.R.Schroeder
and B.S.Atal:"Code-Excited Linear Prediction (CEL
P):High-quality Speech at Very Low Bit Rates",Pr
oc.ICASSP-85, 25.1.1, pp.937-940, 1985" に示され
ている。
【0003】CELP型音声符号化方式は、音声をある
一定のフレーム長(5ms〜50ms程度)に区切り、
各フレーム毎に音声の線形予測を行い、フレーム毎の線
形予測による予測残差(励振信号)を既知の波形からな
る適応符号ベクトルと雑音符号ベクトルを用いて符号化
するものである。
【0004】適応符号ベクトルは、過去に生成した駆動
音源ベクトルを格納している適応符号帳から選択されて
使用され、雑音符号ベクトルは、予め用意された定めら
れた数の定められた形状を有するベクトルを格納してい
る雑音符号帳から選択されて使用される。
【0005】特に、雑音符号帳に格納される雑音符号ベ
クトルには、ランダムな雑音系列のベクトルや何本かの
パルスを異なる位置に配置することによって生成される
ベクトルなどが用いられる。特に、後者の代表的な例と
して1996年にITU−Tで国際標準として勧告され
たCS−ACELP(Conjugate Structure and Algebr
aic CELP)が挙げられる。CS−ACELPの技術につ
いては "Recommendation G.729:Coding of Speech at
8 kbit/s using Conjugate-Structure Algebraic-Code-
Excited Linear-Prediction (CS-ACELP)", March 1996
に示されている。
【0006】なお、CS−ACELPでは、雑音符号帳
として代数的符号帳(Algebraic Codebook)を用いてい
る。CS−ACELPの代数的符号帳から生成される雑
音符号ベクトルは、40サンプル(5ms)のサブフレ
ーム中に振幅が−1か+1である4本のインパルスが立
てられたベクトル(4本のパルスが立てられた位置以外
は基本的に全て零)である。振幅の絶対値は1に固定さ
れているので、音源ベクトルを表現するためには、各パ
ルスの位置と極性(正負)のみを表現すれば良い。この
ため、40(サブフレーム長)次元のベクトルとして符
号帳に格納する必要がなく、符号帳格納用のメモリが不
要である。また、振幅が1であるパルスが4本しかベク
トル中に存在しないため、符号帳探索のための演算量を
大幅に削減できるなどの特長を有している。
【0007】また、CS−ACELPでは、第1サブフ
レームのピッチを用いた差分量子化で第2サブフレーム
のピッチを表現することによって適応符号ベクトル情報
を効率的に符号化している。また、ピッチ探索において
は、フレーム単位の開ループピッチ探索によってピッチ
候補を1つに絞り、サブフレーム単位の閉ループピッチ
探索をこのピッチ候補の近傍において行う構成などを採
用しているため、探索に要する演算量の削減も図られて
いる。
【0008】ここで、従来のCS−ACELP符号化装
置を図10を参照して具体的に説明する。図10は、従
来のCS−ACELP音声符号化装置の基本的な構成を
示しており、図10において、入力バッファ1は、入力
ディジタル音声信号を1フレーム分ずつ更新しながら必
要な長さだけバッファリングしてサブフレーム分割器
2、LPC分析器3、及び重み付け合成フィルタ4に必
要なデータを出力する。
【0009】サブフレーム分割器2は、入力バッファ1
から入力した1フレーム分の入力ディジタル信号を2つ
のサブフレームに分割して第1サブフレームの信号を第
1のターゲット算出器5に出力し、第2サブフレームの
信号を第2のターゲット算出器6に出力する。LPC分
析器3は、入力バッファ1から分析に必要なディジタル
音声信号を入力してLPC分析を行い線形予測係数をL
PC量子化器7及び第2のLPC補間器8に出力する。
重み付け合成フィルタ4は、入力バッファ1から入力し
た1フレーム分のディジタル音声信号と第2のLPC補
間器8から出力される線形予測係数a1,a2とを入力
として入力音声信号に聴覚重み付けを行って開ループピ
ッチ探索器9に出力する。
【0010】LPC量子化器7は、LPC分析器3から
出力された線形予測係数を量子化して量子化LPCを第
1のLPC補間器10に出力し、同時に量子化LPCの
符号化データLを復号器に出力する。第2のLPC補間
器8は、LPC分析器3から出力されるLPCを入力と
して第1サブフレームのLPCの補間を行い第1及び第
2サブフレームの未量子化LPCをそれぞれa1,a2
として出力する。第1のLPC補間器10は、LPC量
子化器7から出力された量子化LPCを入力として第1
サブフレームの量子化LPCの補間を行い第1及び第2
サブフレームの量子化LPCをそれぞれqa1,qa2
として出力する。
【0011】第1のターゲット算出器5は、サブフレー
ム分割器2によって分割された第1サブフレームのディ
ジタル音声信号、直前の第2サブフレームにおいて第2
のフィルタ状態更新器11から出力されたフィルタ状態
st1、並びに第1サブフレームの量子化及び未量子化
LPCであるqa1及びa1を入力としてターゲットベ
クトルを算出して第1の閉ループピッチ探索器12、第
1のターゲット更新器13、第1のゲイン符号帳探索器
14、及び第1のフィルタ状態更新器15に出力する。
第2のターゲットベクトル更新器6は、サブフレーム分
割器2から出力された第2サブフレームのディジタル音
声信号、現フレームの第1サブフレームにおける第1の
フィルタ状態更新器15から出力されたフィルタ状態s
t2、並びに第2サブフレームの量子化及び未量子化L
PCであるqa2及びa2を入力としてターゲットベク
トルを算出して第2の閉ループピッチ探索器16、第2
のターゲット更新器17、第2のゲイン符号帳探索器1
8、及び第2のフィルタ状態更新器11に出力する。
【0012】開ループピッチ探索器9は、重み付け合成
フィルタ4から出力された重み付け入力音声信号を入力
としてピッチ周期性の抽出を行い開ループピッチ周期を
第1の閉ループピッチ探索器12に出力する。第1の閉
ループピッチ探索器12は、第1のターゲットベクト
ル、開ループピッチ、適応符号ベクトル候補、及びイン
パルス応答ベクトルをそれぞれ第1のターゲット算出器
5、開ループピッチ探索器9、適応符号帳19、及び第
1のインパルス応答算出器20からそれぞれ入力して開
ループピッチの近傍で閉ループピッチ探索を行い閉ルー
プピッチP1を第2の閉ループピッチ探索器16及び第
1のピッチ周期化フィルタ21及び復号器に出力し、適
応符号ベクトルを第1の音源生成器22に出力し、適応
符号ベクトルに第1のインパルス応答を畳み込んで得ら
れた合成ベクトルを第1のターゲット更新器13、第1
のゲイン符号帳探索器14、及び第1のフィルタ状態更
新器15に出力する。
【0013】第1のターゲット更新器13は、第1のタ
ーゲットベクトル及び第1の適応符号合成ベクトルをそ
れぞれ第1のターゲット算出器5及び第1の閉ループピ
ッチ探索器12から入力して雑音符号帳用のターゲット
ベクトルを算出して第1の雑音符号帳探索器23に出力
する。第1のゲイン符号帳探索器14は、第1のターゲ
ットベクトル、第1の適応符号合成ベクトル、及び第1
の雑音符号合成ベクトルをそれぞれ第1のターゲット算
出器5、第1の閉ループピッチ探索器12、及び第1の
雑音符号帳探索器23からそれぞれ入力してゲイン符号
帳29の中から最適な量子化ゲインを選択して第1の音
源生成器22及び第1のフィルタ状態更新器15に出力
する。
【0014】第1のフィルタ状態更新器15は、第1の
ターゲットベクトル、第1の適応符号合成ベクトル、第
1の雑音符号合成ベクトル、及び第1の量子化ゲインを
それぞれ第1のターゲットベクトル算出器5、第1の閉
ループピッチ探索器12、第1の雑音符号帳探索器2
3、及び第1のゲイン符号帳探索器14からそれぞれ入
力して合成フィルタの状態更新を行いフィルタ状態st
2を出力する。第1のインパルス応答算出器20は、第
1サブフレームの未量子化LPCであるa1及び第1サ
ブフレームの量子化LPCであるqa1を入力とし、聴
覚重みづけフィルタと合成フィルタとを縦続接続したフ
ィルタのインパルス応答を算出して第1の閉ループピッ
チ探索器12及び第1のピッチ周期化フィルタ21に出
力する。
【0015】第1のピッチ周期化フィルタ21は、第1
の閉ループピッチ及び第1のインパルス応答ベクトルを
それぞれ第1の閉ループピッチ探索器12及び第1のイ
ンパルス応答算出器20から入力し、第1のインパルス
応答ベクトルをピッチ周期化して第1の雑音符号帳探索
器23に出力する。第1の雑音符号帳探索器23は、第
1のターゲット更新器13から出力された更新後の第1
のターゲットベクトル、第1のピッチ周期化フィルタ2
1から出力された周期化後の第1のインパルス応答ベク
トル、及び雑音符号帳24から出力される雑音符号ベク
トル候補を入力として、雑音符号帳24の中から最適な
雑音符号ベクトルを選択し、選択した雑音符号ベクトル
を周期化したベクトルを第1の音源生成器22に出力
し、選択した雑音符号ベクトルに周期化した第1のイン
パルス応答ベクトルを畳み込んで得られた合成ベクトル
を第1のゲイン符号帳探索器14及び第1のフィルタ状
態更新器15に出力し、選択した雑音符号ベクトルを表
す符号S1を復号器に出力する。
【0016】雑音符号帳24は、所定の数の所定形状を
有する雑音符号ベクトルを格納し、第1の雑音符号帳探
索器23及び第2の雑音符号帳探索器25に雑音符号ベ
クトルを出力する。
【0017】第1の音源生成器22は、適応符号ベクト
ル、雑音符号ベクトル、及び量子化ゲインを第1の閉ル
ープピッチ探索器12、第1の雑音符号帳探索器23、
及び第1のゲイン符号帳探索器14から入力し、音源ベ
クトルを生成し、生成した音源ベクトルを適応符号帳1
9に出力する。適応符号帳19は、第1の音源生成器2
2及び第2の音源生成器26から交互に出力される音源
ベクトルを入力として、適応符号帳を更新し、適応符号
ベクトル候補を第1の閉ループピッチ探索器12及び第
2の閉ループピッチ探索器16に交互に出力する。ゲイ
ン符号帳29は、予め用意された量子化ゲイン(適応符
号ベクトル成分及び雑音符号ベクトル成分)を格納し、
第1のゲイン符号帳探索器14及び第2のゲイン符号帳
探索器18に出力する。
【0018】第2の閉ループピッチ探索器16は、第2
のターゲットベクトル、第1サブフレームのピッチ、適
応符号ベクトル候補、及びインパルス応答ベクトルをそ
れぞれ第2のターゲット算出器6、第1の閉ループピッ
チ探索器12、適応符号帳19、及び第2のインパルス
応答算出器27からそれぞれ入力して第1サブフレーム
のピッチの近傍で閉ループピッチ探索を行い、閉ループ
ピッチP2を第2のピッチ周期化フィルタ28及び復号
器に出力し、適応符号ベクトルを第2の音源生成器26
に出力し、適応符号ベクトルに第2のインパルス応答を
畳み込んだ合成ベクトルを第2のターゲット更新器1
7、第2のゲイン符号帳探索器18、及び第2のフィル
タ状態更新器11に出力する。
【0019】第2のターゲット更新器17は、第2のタ
ーゲットベクトル及び第2の適応符号合成ベクトルをそ
れぞれ第2のターゲット算出器6及び第2の閉ループピ
ッチ探索器16から入力して雑音符号帳用のターゲット
ベクトルを算出して第2の雑音符号帳探索器25に出力
する。第2のゲイン符号帳探索器18は、第2のターゲ
ットベクトル、第2の適応符号合成ベクトル、及び第2
の雑音符号合成ベクトルをそれぞれ第2のターゲット算
出器6、第2の閉ループピッチ探索器16、及び第2の
雑音符号帳探索器25からそれぞれ入力し、ゲイン符号
帳29の中から最適な量子化ゲインを選択して第2の音
源生成器26及び第2のフィルタ状態更新器11に出力
する。
【0020】第2のフィルタ状態更新器11は、第2の
ターゲットベクトル、第2の適応符号合成ベクトル、第
2の雑音符号合成ベクトル、及び第2の量子化ゲインを
それぞれ第2のターゲットベクトル算出器6、第2の閉
ループピッチ探索器16、第2の雑音符号帳探索器2
5、及び第2のゲイン符号帳探索器18からそれぞれ入
力して合成フィルタの状態更新を行いフィルタ状態st
1を出力する。
【0021】第2のインパルス応答算出器27は、第2
サブフレームの未量子化LPCであるa2及び第2サブ
フレームの量子化LPCであるqa2を入力とし、聴覚
重みづけフィルタと合成フィルタとを縦続接続したフィ
ルタのインパルス応答を算出し、第2の閉ループピッチ
探索器16及び第2のピッチ周期化フィルタ28に出力
する。第2のピッチ周期化フィルタ28は、第2の閉ル
ープピッチ及び第2のインパルス応答ベクトルをそれぞ
れ第2の閉ループピッチ探索器16及び第2のインパル
ス応答算出器27から入力し、第2のインパルス応答ベ
クトルをピッチ周期化して第2の雑音符号帳探索器25
に出力する。
【0022】第2の雑音符号帳探索器25は、第2のタ
ーゲット更新器17から出力された更新後の第2のター
ゲットベクトル、第2のピッチ周期化フィルタ28から
出力された周期化後の第2のインパルス応答ベクトル、
及び雑音符号帳24から出力される雑音符号ベクトル候
補を入力として、雑音符号帳24の中から最適な雑音符
号ベクトルを選択し、選択した雑音符号ベクトルを周期
化して得たベクトルを第2の音源生成器26に出力し、
選択した雑音符号ベクトルに周期化した第2のインパル
ス応答ベクトルを畳み込んで得た合成ベクトルを第2の
ゲイン符号帳探索器18及び第2のフィルタ状態更新器
11に出力し、選択した雑音符号ベクトルを表す符号S
2を復号器にそれぞれ出力する。第2の音源生成器26
は、適応符号ベクトル、雑音符号ベクトル、及び量子化
ゲインをそれぞれ第2の閉ループピッチ探索器16、第
2の雑音符号帳探索器25、及び第2のゲイン符号帳探
索器18から入力し、音源ベクトルを生成し、生成した
音源ベクトルを適応符号帳19に出力する。
【0023】なお、LPC量子化器7から出力されるL
PCデータL、第1の閉ループピッチ探索器12から出
力されるピッチP1、第1の雑音符号帳探索器23から
出力される雑音符号ベクトルデータS1、第1のゲイン
符号帳探索器14から出力されるゲインデータG1、第
2の閉ループピッチ探索器16から出力されるピッチP
2、第2の雑音符号帳探索器25から出力される雑音符
号ベクトルデータS2、及び第2のゲイン符号帳探索器
18から出力されるゲインデータG2は、符号化されビ
ット列として伝送路を介して復号器に出力される。ま
た、第2サブフレームの処理は、第1サブフレームの処
理が全て終わった後に行われ、第2サブフレームのピッ
チは、第1サブフレームのピッチを用いて差分量子化さ
れる。
【0024】以下、上記構成を有するCS−ACELP
音声符号化装置の動作を図10を参照して説明する。ま
ず、図10において、音声信号は、入力バッファ1に入
力される。入力バッファ1は、入力された符号化対象と
なるディジタル音声信号を1フレーム(10ms)単位
で更新し、サブフレーム分割器2、LPC分析器3、及
び重み付け合成フィルタ4に対して必要なバッファリン
グデータを供給する。
【0025】LPC分析器3では、入力バッファ1から
供給されたデータを用いて線形予測分析を行い、線形予
測係数(LPC)を算出し、LPC量子化器7及び第2
のLPC補間器8に出力する。LPC量子化器7では、
LPCをLSP領域に変換して量子化を行い、量子化L
SPを第1のLPC補間器10に出力する。第1のLP
C補間器10では、入力された量子化LSPを第2サブ
フレームの量子化LSPとし、第1サブフレームの量子
化LSPは、直前のフレームの第2サブフレームの量子
化LSPを用いて線形補間によって補間される。
【0026】得られた第1及び第2サブフレームの量子
化LSPは、LPCに変換された後、量子化LPCとし
てそれぞれqa1,qa2として出力される。第2のL
PC補間器8では、入力された未量子化LPCをLSP
に変換した後、第1のLPC補間器10と同様に第1サ
ブフレームのLSPが補間され、第1及び第2サブフレ
ームのLSPが決定された後にLPCに変換され、その
後未量子化LPCとしてそれぞれa1,a2として出力
される。
【0027】重み付け合成フィルタ4では、量子化対象
となるディジタルデータ列を1フレーム分(10ms)
入力バッファ1から入力し、未量子化LPCであるa
1,a2を用いて構成された重み付け合成フィルタ4でフ
ィルタリングすることによって重み付け入力音声信号を
算出し、開ループピッチ探索器9に出力する。
【0028】開ループピッチ探索器9では、過去に生成
した重み付け入力音声信号をバッファリングしており、
新たに生成した重み付け入力音声信号をバッファに付け
加えたデータ列から正規化自己相関関数を求め、これに
基づいて重み付け入力音声信号の周期を抽出する。抽出
された周期は、第1の閉ループピッチ探索器12に出力
される。
【0029】サブフレーム分割器2では、入力バッファ
から符号化対象となる1フレーム分のディジタル信号列
を入力して、これを2つのサブフレームに分割し、第1
サブフレーム(時間的に前のサブフレーム)を第1のタ
ーゲット算出器5に、第2サブフレーム(時間的に後の
サブフレーム)を第2のターゲット算出器6に、それぞ
れ供給する。
【0030】第1のターゲット算出器5では、第1サブ
フレームの量子化LPCであるqa1と未量子化LPC
であるa1とを用いて量子化合成フィルタと重み付け合
成フィルタとを構成し、直前のフレームの第2サブフレ
ームにおいて第2のフィルタ状態更新器11で求められ
たフィルタ状態st1を用いて量子化合成フィルタの零
入力応答を除去した後の重み付け入力音声信号(ターゲ
ットベクトル)を算出し、第1の閉ループピッチ探索器
12、第1のターゲットベクトル更新器13、第1のゲ
イン符号帳探索器14、及び第1のフィルタ状態更新器
15にターゲットベクトルを出力する。
【0031】第1のインパルス応答算出器20では、量
子化LPCであるqa1を用いて構成された量子化合成
フィルタと未量子化LPCであるa1を用いて構成され
た重み付け合成フィルタとを縦続接続したフィルタのイ
ンパルス応答を求め、第1の閉ループピッチ探索器12
及び第1のピッチ周期化フィルタ21に出力する。第1
の閉ループピッチ探索器12では、適応符号帳19の中
から取り出した適応符号ベクトルに第1のインパルス応
答を畳み込むことにより、重み付け合成音声ベクトル
(適応符号帳成分)を算出し、この値と第1のターゲッ
トベクトルとの誤差を最小とする適応符号ベクトルを生
成するピッチを抽出する。この時行われるピッチ探索
は、開ループピッチ探索器9から入力された開ループピ
ッチの近傍についてのみ行われる。
【0032】求められたピッチによって生成される適応
符号ベクトルは、第1の音源生成器22に出力されて音
源ベクトルの生成に用いられ、適応符号ベクトルにイン
パルス応答を畳み込んで生成される第1の適応符号合成
ベクトルは、第1のターゲット更新器13、第1のゲイ
ン符号帳探索器14、及び第1のフィルタ状態更新器1
5に出力される。第1のターゲット更新器13では、第
1のターゲット算出器5の出力である第1のターゲット
ベクトルから、第1の閉ループピッチ探索器12の出力
である第1の適応符号合成ベクトルに最適ゲインを乗じ
たものを減じて第1の雑音符号帳探索用ターゲットベク
トルを算出し、この算出結果を第1の雑音符号帳探索器
23に出力する。
【0033】第1の雑音符号帳探索器23は、雑音符号
帳24の中から取り出した雑音符号ベクトルに第1のピ
ッチ周期化フィルタ21から入力したピッチ周期化後の
第1のインパルス応答を畳み込むことにより、重み付け
合成音声ベクトル(雑音符号帳成分)を算出し、第1の
雑音符号帳用ターゲットベクトルとの誤差を最小とする
雑音符号ベクトルを選び出す。選ばれた雑音符号ベクト
ルはピッチ周期化フィルタによって周期化されて第1の
音源生成器22に出力され音源ベクトルの生成に用いら
れる。また、雑音符号ベクトルにピッチ周期化後のイン
パルス応答を畳み込んで生成される第1の雑音符号合成
ベクトルは、第1のゲイン符号帳探索器14及び第1の
フィルタ状態更新器15に出力される。
【0034】第1のピッチ周期化フィルタ21は、入力
データをx(n),n=0,1,…,39(サブフレー
ム長−1)、ピッチ周期をTとし、周期化ゲインをβと
すると、下記式1に示すように、第1のインパルス応答
算出器20から入力したインパルス応答にフィルタをか
け、第1の雑音符号帳探索器23に出力する。
【0035】 x(n)=x(n)+β×x(n−T),n≧T 式1 このフィルタに用いられるピッチ周期Tは、第1の閉ル
ープピッチ探索器12から入力されるP1である。第1
のゲイン符号帳探索器14は、第1のターゲット算出器
5、第1の閉ループピッチ探索器12、及び第1の雑音
符号帳探索器23から第1のターゲットベクトル、第1
の適応符号合成ベクトル、及び第1の雑音符号合成ベク
トルをそれぞれ入力し、第1のターゲットベクトルと、
第1の適応符号合成ベクトルに量子化適応符号ゲインを
乗じたもの及び第1の雑音符号合成ベクトルに量子化雑
音符号ゲインを乗じたものの和のベクトルとの2乗誤差
が最小となる、量子化適応符号ゲインと量子化雑音符号
ゲインとの組合わせをゲイン符号帳29の中から選択す
る。
【0036】選択された量子化ゲインは、第1の音源生
成器22及び第1のフィルタ状態更新器15に出力さ
れ、音源ベクトルの生成及び合成フィルタの状態更新に
用いられる。第1の音源生成器22は、第1の閉ループ
ピッチ探索器12から入力される適応符号ベクトルと、
第1の雑音符号帳探索器23から入力されるピッチ周期
化後の雑音符号ベクトルとに、第1のゲイン符号帳探索
器14から入力される量子化ゲイン(適応符号帳成分)
及び量子化ゲイン(雑音符号帳成分)をそれぞれ乗じ、
量子化ゲイン乗算後の適応符号ベクトルと雑音符号ベク
トルの加算を行って第1サブフレームの音源ベクトルを
生成する。
【0037】生成された第1サブフレームの音源ベクト
ルは、適応符号帳に出力されて適応符号帳が更新され
る。第1のフィルタ状態更新器15は、量子化合成フィ
ルタ及び重み付け合成フィルタを縦続接続したフィルタ
の状態を更新する。フィルタの状態は、第1のターゲッ
ト算出器5から入力されるターゲットベクトルから、量
子化ゲイン(適応符号帳成分)を乗じた適応符号合成ベ
クトル及び量子化ゲイン(雑音符号帳成分)を乗じた雑
音符号合成ベクトルを、減じることによって求められ
る。求められたフィルタ状態は、st2として出力さ
れ、第2サブフレームのフィルタ状態として用いられ、
第2のターゲット算出器6で使用される。
【0038】第2のターゲット算出器6は、第2サブフ
レームの量子化LPCであるqa2及び未量子化LPC
であるa2を用いて、量子化合成フィルタ及び重み付け
合成フィルタを構成し、第1サブフレームにおいて第1
のフィルタ状態更新器15で求められたフィルタ状態s
t2を用いて量子化合成フィルタの零入力応答を除去し
た後の重み付け入力音声信号(ターゲットベクトル)を
算出し、第2の閉ループピッチ探索器16、第2のター
ゲットベクトル更新器17、第2のゲイン符号帳探索器
25、及び第2のフィルタ状態更新器11に第2のター
ゲットベクトルを出力する。
【0039】第2のインパルス応答算出器27は、量子
化LPCであるqa2を用いて構成された量子化合成フ
ィルタと、未量子化LPCであるa2を用いて構成され
た重み付け合成フィルタとを縦続接続したフィルタのイ
ンパルス応答を求め、第2の閉ループピッチ探索器16
及び第2のピッチ周期化フィルタ28に出力する。第2
の閉ループピッチ探索器16は、適応符号帳19の中か
ら取り出した適応符号ベクトルに第2のインパルス応答
を畳み込むことにより、重み付け合成音声ベクトル(適
応符号帳成分)を算出し、第2のターゲットベクトルと
の誤差を最小とする適応符号ベクトルを生成するピッチ
を抽出する。この時行われるピッチ探索は、第1の閉ル
ープピッチ探索器12から入力される第1サブフレーム
のピッチP1の近傍についてのみ行われる。
【0040】求められたピッチによって生成される適応
符号ベクトルは、第2の音源生成器26に出力されて音
源ベクトルの生成に用いられ、適応符号ベクトルにイン
パルス応答を畳み込んで生成される第2の適応符号合成
ベクトルは、第2のターゲット更新器17、第2のゲイ
ン符号帳探索器18、及び第2のフィルタ状態更新器1
1に出力される。第2のターゲット更新器17は、第2
のターゲット算出器6より出力された第2のターゲット
ベクトルから、第2の閉ループピッチ探索器16より出
力された第2の適応符号合成ベクトルに最適ゲインを乗
じたものを減じて第2の雑音符号帳探索用ターゲットベ
クトルを算出し、第2の雑音符号帳探索器25に出力す
る。
【0041】第2の雑音符号帳探索器25は、雑音符号
帳24の中から取り出した雑音符号ベクトルに、第2の
ピッチ周期化フィルタ28から入力したピッチ周期化後
の第2のインパルス応答を畳み込むことにより、重み付
け合成音声ベクトル(雑音符号帳成分)を算出し、第2
の雑音符号帳用ターゲットベクトルとの誤差を最小とす
る雑音符号ベクトルを選び出す。選ばれた雑音符号ベク
トルは、第2のピッチ周期化フィルタによって周期化さ
れて第2の音源生成器26に出力され、音源ベクトルの
生成に用いられる。
【0042】また、雑音符号ベクトルにピッチ周期化後
のインパルス応答を畳み込んで生成される第2の雑音符
号合成ベクトルは、第2のゲイン符号帳探索器18及び
第2のフィルタ状態更新器11に出力される。第2のピ
ッチ周期化フィルタ28は、入力データをx(n),n
=0,1,…,39(サブフレーム長−1)、ピッチ周
期をTとし、周期化ゲインをβとすると、上記式1に示
すフィルタを第2のインパルス応答算出器27から入力
したインパルス応答にかけ、第2の雑音符号帳探索器2
5に出力する。
【0043】このフィルタに用いられるピッチ周期T
は、第2の開ループピッチ探索器16から入力されるP
2である。第2のゲイン符号帳探索器18は、第2のタ
ーゲット算出器6、第2の閉ループピッチ探索器16、
及び第2の雑音符号帳探索器25から第2のターゲット
ベクトル、第2の適応符号合成ベクトル、及び第2の雑
音符号合成ベクトルをそれぞれ入力し、第2のターゲッ
トベクトルと、第2の適応符号合成ベクトルに量子化適
応符号ゲインを乗じたもの及び第2の雑音符号合成ベク
トルに量子化雑音符号ゲインを乗じたものの和のベクト
ルとの2乗誤差が最小となる、量子化適応符号ゲインと
量子化雑音符号ゲインとの組合わせをゲイン符号帳29
の中から選択する。
【0044】選択された量子化ゲインは、第2の音源生
成器26及び第2のフィルタ状態更新器11に出力さ
れ、音源ベクトルの生成及び合成フィルタの状態更新に
用いられる。第2の音源生成器26は、第2の閉ループ
ピッチ探索器16から入力される適応符号ベクトルと、
第2の雑音符号帳探索器25から入力されるピッチ周期
化後の雑音符号ベクトルとに、第2のゲイン符号帳探索
器18から入力される量子化ゲイン(適応符号帳成分)
及び量子化ゲイン(雑音符号帳成分)をそれぞれ乗じ、
量子化ゲイン乗算後の適応符号ベクトルと雑音符号ベク
トルの加算を行って第2サブフレームの音源ベクトルを
生成する。生成された第2サブフレームの音源ベクトル
は、適応符号帳19に出力されて適応符号帳を更新す
る。
【0045】第2のフィルタ状態更新器11は、量子化
合成フィルタ及び重み付け合成フィルタを縦続接続した
フィルタの状態を更新する。フィルタの状態は、第2の
ターゲット算出器6から入力されるターゲットベクトル
から、量子化ゲイン(適応符号帳成分)を乗じた適応符
号合成ベクトル及び量子化ゲイン(雑音符号帳成分)を
乗じた雑音符号合成ベクトルを、減じることによって求
められる。求められたフィルタ状態はst1として出力
され、次のフレームの第1サブフレームのフィルタ状態
として用いられ、第1のターゲット算出器5で使用され
る。なお、適応符号帳19は、第1の音源生成器22及
び第2の音源生成器26によって生成される音源信号を
時間的に並べてバッファリングしたものであり、閉ルー
プピッチ探索の探索に必要な長さだけ過去に生成した音
源信号を蓄えている。
【0046】適応符号帳の更新はサブフレーム毎に1回
行われ、適応符号帳のバッファを1サブフレーム分シフ
トした後、新たに生成しされた音源信号がバッファの最
後にコピーされる。なお、サブフレーム分割器2によっ
て分割された量子化対象信号のうち、第1サブフレーム
の符号化処理が先に行われ、第1サブフレームの符号化
処理がすべて終わった後に、第2サブフレームの符号化
処理が行われ、第2サブフレームで出力されるピッチP
2は、第1サブフレームで出力されるピッチP1を用い
て差分量子化されて復号器側へ伝送される。
【0047】1フレームの処理が終わると、LPC量子
化器7から出力されるLPCデータL、第1の閉ループ
ピッチ探索器12から出力されるピッチP1、第1の雑
音符号帳探索器23から出力される雑音符号ベクトルデ
ータS1、第1のゲイン符号帳探索器14から出力され
るゲインデータG1、第2の閉ループピッチ探索器16
から出力されるピッチP2、第2の雑音符号帳探索器2
5から出力される雑音符号ベクトルデータS2、及び第
2のゲイン符号帳探索器18から出力されるゲインデー
タG2が符号化され、ビット列として伝送路を介して復
号器に出力される。
【0048】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の音声符号化装置においては、ピッチの候補が開ルー
プピッチ探索によって1候補のみに絞られているため、
最終的に決定されるピッチが必ずしも最適なものでない
という問題を有する。この問題を解決するには、開ルー
プピッチ探索において2候補以上のピッチ候補を出力
し、それらの候補について閉ループピッチ探索を行うこ
とが考えられるが、上記符号化装置ではサブフレーム間
でピッチの差分量子化を行っているため、第1サブフレ
ームにのみ最適なピッチが選択されてしまう問題があ
る。
【0049】本発明はかかる点に鑑みてなされたもので
あり、サブフレーム間でピッチ情報の差分量子化を行う
音声符号化装置において、ピッチの差分量子化に悪影響
を与えずにピッチ探索(適応符号帳探索)の精度を向上
させることを目的とする。
【0050】
【課題を解決するための手段】本発明の骨子は、フレー
ムピッチ探索時に有効なピッチ候補が複数ある場合は複
数のピッチ候補を出力するようにしたものである。すな
わち、本発明は、CELP型音声符号化装置において、
単位フレームを分割して得られるサブフレームのうち、
適応符号帳のピッチが差分量子化されていないサブフレ
ームにおける適応符号帳のピッチの予備選択を行い、少
なくとも1つのピッチ候補を適応的に選択するピッチ候
補選択手段を備えることを特徴とするCELP型音声符
号化装置を提供する。
【0051】
【発明の実施の形態】本発明の第1の態様に係るCEL
P型音声符号化装置は、音声のスペクトル特性を表すパ
ラメータを符号化するパラメータ符号化手段と、過去に
生成した駆動音源ベクトルを格納した適応符号帳を用い
て駆動音源の周期性を符号化する周期性符号化手段と、
予め定められた駆動音源ベクトルを格納する雑音符号帳
を用いて前記適応符号帳では表すことが不可能である駆
動音源成分を符号化する音源成分符号化手段と、を具備
し、前記周期性符号化手段が、単位フレームを分割して
得られるサブフレームのうち、適応符号帳のピッチが差
分量子化されていないサブフレームにおける適応符号帳
のピッチの予備選択を行い、少なくとも1つのピッチ候
補を適応的に選択するピッチ候補選択手段を備える構成
を採る。
【0052】この構成によれば、ピッチ候補の予備選択
時に有力な候補のみを残すので、差分量子化を行わない
サブフレームに特化したピッチが最終的なピッチとして
選択されることを防ぎ、ピッチの差分量子化を有効に使
いつつ、適応符号帳の性能向上を実現できる。
【0053】本発明の第2の態様に係るCELP型音声
符号化装置は、第1の態様において、前記ピッチ候補選
択手段が、過去の重み付け入力音声信号及び新しい重み
付け入力音声信号を用いて正規化自己相関関数を求める
自己相関関数算出手段と、適応符号帳のピッチに応じて
前記自己相関関数を複数のレンジに分類する分類手段
と、それぞれのレンジにおける自己相関関数の最大値及
びその自己相関関数に対応するピッチを探索する複数の
探索手段と、前記複数の探索手段で探索された自己相関
関数から所定の閾値を求める閾値算出手段と、前記複数
の探索手段で探索された自己相関関数のうち前記閾値を
超える自己相関関数に対応するピッチを選択する選択手
段と、を具備する構成を採る。
【0054】この構成によれば、予備選択において、重
み付け処理を行わずに複数のピッチ候補を選択し、その
後のピッチ探索時にピッチを決定するので、2種類以上
のピッチ周期性を有する信号などに対しても、適応符号
帳のうち最適なピッチを選択することができる。また、
自己相関を算出した場合にあまり相関値が高くない候補
を選択してしまうことを防止できるので、差分量子化を
行っているサブフレームのピッチに悪影響を及ぼすこと
がない。
【0055】本発明の第3の態様に係る音声信号送信装
置は、音声信号を電気的信号に変換する音声入力装置
と、前記音声入力信号装置から出力される信号に符号化
処理を行う第1又は第2の態様のCELP型音声符号化
装置と、このCELP型音声符号化装置器から出力され
る符号化信号を送信する送信装置と、を具備する構成を
採る。
【0056】この構成によれば、高性能な音声符号化処
理を行うことができるので、高品質な音声信号を送信す
ることができる。
【0057】本発明の第4の態様に係る音声符号化復号
化装置は、音声のスペクトル特性を表すパラメータの符
号化情報を復号化する手段と、過去に生成した駆動音源
ベクトルを格納した適応符号帳を用いて適応符号ベクト
ルを復号化する手段と、予め定められた駆動音源ベクト
ルを格納する雑音符号帳を用いて雑音符号ベクトルを復
号化する手段と、適応符号帳成分と雑音符号帳成分の振
幅を復号化する手段と、を備えるCELP型音声復号化
装置と、第1又は第2の態様のCELP型音声符号化装
置と、を具備する構成を採る。
【0058】この構成によれば、高性能な音声符号化装
置を符号化装置として用いているため、高品質な音声符
号化復号化を実現できる。
【0059】本発明の第5の態様に係る音声信号送受信
装置は、第4の態様の音声符号化復号化装置と、音声信
号を電気的信号に変換する音声入力装置と、CELP型
音声符号化装置器から出力される符号化信号を送信する
送信装置と、復号化処理された信号を音声信号に変換し
て出力する音声出力装置と、具備する構成を採る。
【0060】この構成によれば、高性能な音声符号化装
置を送信機側に搭載しているため、高品質な音声信号の
送受信を実現できる。
【0061】本発明の第6の態様に係る基地局装置は、
第5の態様の音声信号送受信装置を備えた構成を採り、
本発明の第7の態様に係る通信端末装置は、第5の態様
の音声信号送受信装置を備えた構成を採る。
【0062】これらの構成によれば、ディジタル無線通
信システムにおいて、高品質な音声信号の通信を行うこ
とができる。
【0063】本発明の第8の態様に係るCELP型音声
符号化方法は、音声のスペクトル特性を表すパラメータ
を符号化するパラメータ符号化工程と、過去に生成した
駆動音源ベクトルを格納した適応符号帳を用いて駆動音
源の周期性を符号化する周期性符号化工程と、予め定め
られた駆動音源ベクトルを格納する雑音符号帳を用いて
前記適応符号帳では表すことが不可能である駆動音源成
分を符号化する音源成分符号化工程と、を具備し、前記
周期性符号化工程が、単位フレームを分割して得られる
サブフレームのうち、適応符号帳のピッチが差分量子化
されていないサブフレームにおける適応符号帳のピッチ
の予備選択を行い、少なくとも1つのピッチ候補を適応
的に選択するピッチ候補選択工程を含む。
【0064】この方法によれば、高性能な音声符号化方
法を符号化に用いているため、高品質な音声符号化復号
化を実現できる。
【0065】本発明の第9の態様に係るCELP型音声
符号化方法は、第8の態様において、前記ピッチ候補選
択工程が、過去の重み付け入力音声信号及び新しい重み
付け入力音声信号を用いて正規化自己相関関数を求める
工程と、適応符号帳のピッチに応じて前記自己相関関数
を複数のレンジに分類する工程と、それぞれのレンジに
おける自己相関関数の最大値及びその自己相関関数に対
応するピッチを探索する工程と、探索された自己相関関
数から所定の閾値を求める工程と、探索された自己相関
関数のうち前記閾値を超える自己相関関数に対応するピ
ッチを選択する工程と、を具備する。
【0066】この方法によれば、予備選択において、複
数のピッチ候補を選択することができるので、2種類以
上のピッチ周期性を有する信号に対しても最終的に最適
なピッチを選択することができる。また、自己相関の低
いものは候補として残さないので、差分量子化を行って
いるサブフレームのピッチに悪影響を及ぼさない。
【0067】本発明の第10の態様に係る記録媒体は、
コンピュータに、過去の重み付け入力音声信号及び新し
い重み付け入力音声信号を用いて正規化自己相関関数を
求める手順と、適応符号帳のピッチに応じて前記自己相
関関数を複数のレンジに分類する手順と、それぞれのレ
ンジにおける自己相関関数の最大値及びその自己相関関
数に対応するピッチを探索する手順と、前記探索された
自己相関関数から所定の閾値を求める手順と、前記探索
された自己相関関数のうち前記閾値を超える自己相関関
数に対応するピッチを選択する手順と、を実現させるた
めのプログラムを記録した機械読み取り可能なものであ
る。
【0068】この記録媒体によれば、高性能な音声信号
符号化処理又は音声復号化処理をソフトウェアで実現で
きるため、パーソナルコンピュータなどでこれらの装置
を実現することが可能となる。
【0069】以下、本発明の実施の形態について、添付
図面を参照して詳細に説明する。 (実施の形態1)図1は、本発明の実施の形態1に係る
音声符号化装置の構成を示すブロック図である。図1に
おいて、入力バッファ101は、入力ディジタル音声信
号を1フレーム分づつ更新しながら符号化に必要な長さ
のデータをバッファリングしてサブフレーム分割器10
2及びLPC分析器103と重み付け合成フィルタ10
4に必要なデータを出力する。
【0070】サブフレーム分割器102は、入力バッフ
ァから入力した1フレーム分の入力ディジタル信号を2
つのサブフレームに分割し、第1サブフレームの信号を
第1のターゲット算出器105に出力し、第2サブフレ
ームの信号を第2のターゲット算出器106に出力す
る。LPC分析器103は、入力バッファ101から分
析に必要なディジタル音声信号を入力してLPC分析を
行い、線形予測係数をLPC量子化器107及び第2の
LPC補間器108に出力する。
【0071】重み付け合成フィルタ104は、入力バッ
ファ101から入力した1フレーム分のディジタル音声
信号及び第2のLPC補間器108から出力される線形
予測係数a1,a2を入力し、入力音声信号に聴覚重み
付けを行ってピッチ候補選択器109に出力する。LP
C量子化器107は、LPC分析器103から出力され
た線形予測係数を量子化し、量子化LPCを第1のLP
C補間器110に出力し、同時に量子化LPCの符号化
データLを復号器に出力する。
【0072】第2のLPC補間器108は、LPC分析
器103から出力されるLPCを入力として第1サブフ
レームのLPCの補間を行い、第1及び第2サブフレー
ムのLPCをそれぞれa1,a2として出力する。第1
のLPC補間器110は、LPC量子化器107から出
力された量子化LPCを入力し、第1サブフレームの量
子化LPCの補間を行い、第1及び第2サブフレームの
量子化LPCをそれぞれqa1,qa2として出力す
る。第1のターゲット算出器105は、サブフレーム分
割器102によって分割された第1サブフレームのディ
ジタル音声信号、直前の第2サブフレームにおいて第2
のフィルタ状態更新器111から出力されたフィルタ状
態st1、並びに第1サブフレームの量子化及び未量子
化LPCであるqa1及びa1を入力し、ターゲットベ
クトルを算出して、第1の閉ループピッチ探索器11
2、第1のターゲット更新器113、第1のゲイン符号
帳探索器114、及び第1のフィルタ状態更新器115
に出力する。
【0073】第2のターゲット算出器106は、サブフ
レーム分割器102から出力された第2サブフレームの
ディジタル音声信号、現フレームの第1サブフレームに
おける第1のフィルタ状態更新器115から出力された
フィルタ状態st2、並びに第2サブフレームの量子化
及び未量子化LPCであるqa2及びa2を入力し、タ
ーゲットベクトルを算出して第2の閉ループピッチ探索
器116、第2のターゲット更新器117、第2のゲイ
ン符号帳探索器118、及び第2のフィルタ状態更新器
111に出力する。
【0074】ピッチ候補選択器109は、重み付け合成
フィルタ104から出力された重み付け入力音声信号を
入力し、ピッチ周期性の抽出を行い、ピッチ周期候補を
第1の閉ループピッチ探索器112に出力する。第1の
閉ループピッチ探索器112は、第1のターゲットベク
トル、ピッチ候補、適応符号ベクトル候補、及びインパ
ルス応答ベクトルをそれぞれ第1のターゲットベクトル
算出器105、ピッチ候補選択器109、適応符号帳1
19、及び第1のインパルス応答算出器120からそれ
ぞれ入力して、各ピッチ候補の近傍で閉ループピッチ探
索を行い閉ループピッチを第2の閉ループピッチ探索器
116及び第1のピッチ周期化フィルタ121に出力
し、適応符号ベクトルを第1の音源生成器122に出力
し、適応符号ベクトルに第1のインパルス応答を畳み込
んだ合成ベクトルを第1のターゲット更新器113、第
1のゲイン符号帳探索器114、及び第1のフィルタ状
態更新器115に出力する。
【0075】第1のターゲット更新器113は、第1の
ターゲットベクトル及び第1の適応符号合成ベクトルを
それぞれ第1のターゲット算出器105及び第1の閉ル
ープピッチ探索器112から入力して、雑音符号帳用の
ターゲットベクトルを算出して第1の雑音符号帳探索器
123に出力する。第1のゲイン符号帳探索器114
は、第1のターゲットベクトル、第1の適応符号合成ベ
クトル、及び第1の雑音符号合成ベクトルをそれぞれ第
1のターゲット算出器105、第1の閉ループピッチ探
索器112、及び第1の雑音符号帳探索器123からそ
れぞれ入力して、ゲイン符号帳129の中から最適な量
子化ゲインを選択して第1の音源生成器122及び第1
のフィルタ状態更新器115に出力する。
【0076】第1のフィルタ状態更新器115は、第1
のターゲットベクトル、第1の適応符号合成ベクトル、
第1の雑音符号合成ベクトル、及び第1の量子化ゲイン
をそれぞれ第1のターゲットベクトル算出器105、第
1の閉ループピッチ探索器112、第1の雑音符号帳探
索器123、及び第1のゲイン符号帳探索器114から
それぞれ入力し、合成フィルタの状態更新を行い、フィ
ルタ状態st2を出力する。第1のインパルス応答算出
器120は、第1サブフレームのLPCであるa1及び
第1サブフレームの量子化LPCであるqa1を入力
し、聴覚重みづけフィルタ及び合成フィルタを縦続接続
したフィルタのインパルス応答を算出し、第1の閉ルー
プピッチ探索器112及び第1のピッチ周期化フィルタ
121に出力する。
【0077】第1のピッチ周期化フィルタ121は、第
1の閉ループピッチ及び第1のインパルス応答ベクトル
をそれぞれ第1の閉ループピッチ探索器112及び第1
のインパルス応答算出器120から入力し、第1のイン
パルス応答ベクトルをピッチ周期化して第1の雑音符号
帳探索器123に出力する。第1の雑音符号帳探索器1
23は、第1のターゲット更新器113から出力された
更新後の第1のターゲットベクトル、第1のピッチ周期
化フィルタ121から出力された周期化後の第1のイン
パルス応答ベクトル、及び雑音符号帳124から出力さ
れる雑音符号ベクトル候補を入力し、雑音符号帳124
の中から最適な雑音符号ベクトルを選択し、選択した雑
音符号ベクトルを周期化したベクトルを第1の音源生成
器122に出力し、選択した雑音符号ベクトルに周期化
した第1のインパルス応答ベクトルを畳み込んだ合成ベ
クトルを第1のゲイン符号帳探索器114及び第1のフ
ィルタ状態更新器115に出力し、選択した雑音符号ベ
クトルを表す符号S1を復号器に出力する。
【0078】雑音符号帳124は、予め定められた数の
予め定められた形状を有する雑音符号ベクトルを格納
し、第1の雑音符号帳探索器123及び第2の雑音符号
帳探索器125に雑音符号ベクトルを出力する。第1の
音源生成器122は、適応符号ベクトル、雑音符号ベク
トル、及び量子化ゲインをそれぞれ第1の閉ループピッ
チ探索器112、第1の雑音符号帳探索器123、及び
第1のゲイン符号帳探索器114から入力し、音源ベク
トルを生成し、生成した音源ベクトルを適応符号帳11
9に出力する。
【0079】適応符号帳119は、第1の音源生成器1
22及び第2の音源生成器126から交互に出力される
音源ベクトルを入力し、適応符号帳を更新し、適応符号
ベクトル候補を第1の閉ループピッチ探索器112及び
第2の閉ループピッチ探索器116に交互に出力する。
ゲイン符号帳129は、予め用意された量子化ゲイン
(適応符号ベクトル成分と雑音符号ベクトル成分)を格
納し、第1のゲイン符号帳探索器114及び第2のゲイ
ン符号帳探索器118に出力する。
【0080】第2の閉ループピッチ探索器116は、第
2のターゲットベクトル、第1サブフレームのピッチ、
適応符号ベクトル候補、及びインパルス応答ベクトルを
それぞれ第2のターゲット算出器106、第1の閉ルー
プピッチ探索器112、適応符号帳119、及び第2の
インパルス応答算出器127からそれぞれ入力して、第
1サブフレームのピッチの近傍で閉ループピッチ探索を
行い、閉ループピッチを第2のピッチ周期化フィルタ1
28及び復号器に出力し、適応符号ベクトルを第2の音
源生成器126に出力し、適応符号ベクトルに第2のイ
ンパルス応答を畳み込んだ合成ベクトルを第2のターゲ
ット更新器117、第2のゲイン符号帳探索器118、
及び第2のフィルタ状態更新器111に出力する。
【0081】第2のターゲット更新器117は、第2の
ターゲットベクトル及び第2の適応符号合成ベクトルを
それぞれ第2のターゲット算出器106及び第2の閉ル
ープピッチ探索器116から入力して雑音符号帳用のタ
ーゲットベクトルを算出して、第2の雑音符号帳探索器
125に出力する。第2のゲイン符号帳探索器118
は、第2のターゲットベクトル、第2の適応符号合成ベ
クトル、及び第2の雑音符号合成ベクトルをそれぞれ第
2のターゲット算出器106、第2の閉ループピッチ探
索器116、及び第2の雑音符号帳探索器125からそ
れぞれ入力して、ゲイン符号帳129の中から最適な量
子化ゲインを選択して第2の音源生成器126及び第2
のフィルタ状態更新器111に出力する。
【0082】第2のフィルタ状態更新器111は、第2
のターゲットベクトル、第2の適応符号合成ベクトル、
第2の雑音符号合成ベクトル、及び第2の量子化ゲイン
をそれぞれ第2のターゲット算出器106、第2の閉ル
ープピッチ探索器116、第2の雑音符号帳探索器12
5、及び第2のゲイン符号帳探索器118からそれぞれ
入力して合成フィルタの状態更新を行い、フィルタ状態
st1を出力する。第2のインパルス応答算出器127
は、第2サブフレームのLPCであるa2及び第2サブ
フレームの量子化LPCであるqa2を入力として、聴
覚重みづけフィルタと合成フィルタとを縦続接続したフ
ィルタのインパルス応答を算出し、第2の閉ループピッ
チ探索器116及び第2のピッチ周期化フィルタ128
に出力する。
【0083】第2のピッチ周期化フィルタ128は、第
2の閉ループピッチ及び第2のインパルス応答ベクトル
をそれぞれ第2の閉ループピッチ探索器116及び第2
のインパルス応答算出器127から入力し、第2のイン
パルス応答ベクトルをピッチ周期化して第2の雑音符号
帳探索器125に出力する。第2の雑音符号帳探索器1
25は、第2のターゲット更新器117から出力された
更新後の第2のターゲットベクトル、第2のピッチ周期
化フィルタ128から出力された周期化後の第2のイン
パルス応答ベクトル、及び雑音符号帳124から出力さ
れる雑音符号ベクトル候補を入力として、雑音符号帳1
24の中から最適な雑音符号ベクトルを選択し、選択し
た雑音符号ベクトルを周期化したベクトルを第2の音源
生成器126に出力し、選択した雑音符号ベクトルに周
期化した第2のインパルス応答ベクトルを畳み込んだ合
成ベクトルを第2のゲイン符号帳探索器118及び第2
のフィルタ状態更新器111に出力し、選択した雑音符
号ベクトルを表す符号S2を復号器に出力する。第2の
音源生成器126は、適応符号ベクトル、雑音符号ベク
トル、及び量子化ゲインをそれぞれ第2の閉ループピッ
チ探索器116、第2の雑音符号帳探索器125、及び
第2のゲイン符号帳探索器118から入力し、音源ベク
トルを生成し、生成した音源ベクトルを適応符号帳11
9に出力する。
【0084】なお、LPC量子化器107から出力され
るLPCデータL、第1の閉ループピッチ探索器112
から出力されるピッチP1、第1の雑音符号帳探索器1
23から出力される雑音符号ベクトルデータS1、第1
のゲイン符号帳探索器114から出力されるゲインデー
タG1、第2の閉ループピッチ探索器116から出力さ
れるピッチP2、第2の雑音符号帳探索器125から出
力される雑音符号ベクトルデータS2、及び第2のゲイ
ン符号帳探索器118から出力されるゲインデータG2
は、符号化され、ビット列として伝送路を介して復号器
に出力される。また、第2サブフレームの処理は、第1
サブフレームの処理が全て終わった後に行われ、第2サ
ブフレームのピッチP2は、第1サブフレームのピッチ
P1を用いて差分量子化される。
【0085】以上のように構成された音声符号化装置の
動作を図1から図3を参照して説明する。まず、図1に
おいて、音声信号は入力バッファ101に入力される。
入力バッファ101は、入力された符号化対象となるデ
ィジタル音声信号を1フレーム(10ms)単位で更新
し、サブフレーム分割器102、LPC分析器103、
及び重み付け合成フィルタ104に対して必要なバッフ
ァリングデータを供給する。
【0086】LPC分析器103は、入力バッファ10
1から供給されたデータを用いて線形予測分析を行い、
線形予測係数(LPC)を算出し、LPC量子化器10
7及び第2のLPC補間器108に出力する。LPC量
子化器107は、LPCをLSP領域に変換して量子化
を行い、量子化LSPを第1のLPC補間器110に出
力する。第1のLPC補間器は、入力された量子化LS
Pを第2サブフレームの量子化LSPとし、直前のフレ
ームの第2サブフレームの量子化LSPを用いて第1サ
ブフレームの量子化LSPを線形補間によって補間す
る。
【0087】得られた第1及び第2サブフレームの量子
化LSPは、LPCに変換された後、量子化LPCとし
てそれぞれqa1,qa2として出力される。第2のL
PC補間器108では、入力された未量子化LPCをL
SPに変換した後、第1のLPC補間器110と同様に
第1サブフレームのLSPが補間され、第1及び第2サ
ブフレームのLSPが決定された後、LPCに変換後、
未量子化LPCとしてそれぞれa1,a2として出力さ
れる。
【0088】重み付け合成フィルタ104は、入力バッ
ファ101から量子化対象となるディジタルデータ列を
1フレーム分(10ms)入力し、未量子化LPCであ
るa1,a2を用いて構成された重み付け合成フィルタで
フィルタリングすることによって重み付け入力音声信号
を算出し、ピッチ候補選択器109に出力する。
【0089】ピッチ候補選択器109は、過去に生成し
た重み付け入力音声信号をバッファリングしており、新
たに生成した重み付け入力音声信号をバッファに付け加
えたデータ列から正規化自己相関関数を求め、これに基
づいて重み付け入力音声信号の周期を抽出する。この
時、正規化自己相関関数が大きいものから順に、定めら
れた数以下のピッチ候補が選択される。選択は正規化自
己相関関数を用いて行われ、正規化自己相関関数の最大
値に予め定められた閾値係数(例えば0.7)を乗じた
値以上の正規化自己相関関数を与えるピッチ候補のみが
出力されるように選択が行われる。G.729において
は、開ループピッチ探索時に探索範囲を3つのレンジに
分け、それぞれのレンジの中から1候補ずつ合計3候補
を選択し、この3候補の中から1候補のみを選ぶ手法が
取られているが、この3候補の中から1候補以上3候補
以下の候補を前記選択法によって選択し、閉ループピッ
チ探索器において最終候補を決定する構成にすることが
出来る。選択されたピッチ周期の候補は、第1の閉ルー
プピッチ探索器112に出力される。このピッチ候補選
択器109の構造は、図2を用いて後述する。
【0090】サブフレーム分割器102は、入力バッフ
ァから符号化対象となる1フレーム分のディジタル信号
列を入力して、これを2つのサブフレームに分割し、第
1サブフレーム(時間的に前のサブフレーム)を第1の
ターゲット算出器105に供給し、第2サブフレーム
(時間的に後のサブフレーム)を第2のターゲット算出
器106に供給する。
【0091】第1のターゲット算出器105は、第1サ
ブフレームの量子化LPCであるqa1及び未量子化L
PCであるa1を用いて量子化合成フィルタ及び重み付
け合成フィルタを構成し、直前のフレームの第2サブフ
レームにおいて第2のフィルタ状態更新器111で求め
られたフィルタ状態st1を用いて量子化合成フィルタ
の零入力応答を除去した後の重み付け入力音声信号(タ
ーゲットベクトル)を算出し、第1の閉ループピッチ探
索器112、第1のターゲットベクトル更新器113、
第1のゲイン符号帳探索器114、及び第1のフィルタ
状態更新器115にターゲットベクトルを出力する。
【0092】第1のインパルス応答算出器120は、量
子化LPCであるqa1を用いて構成された量子化合成
フィルタと未量子化LPCであるa1を用いて構成され
た重み付け合成フィルタとを縦続接続したフィルタのイ
ンパルス応答を求め、第1の閉ループピッチ探索器11
2及び第1のピッチ周期化フィルタ121に出力する。
第1の閉ループピッチ探索器112は、適応符号帳11
9の中から取り出した適応符号ベクトルに第1のインパ
ルス応答を畳み込むことにより、重み付け合成音声ベク
トル(適応符号帳成分)を算出し、第1のターゲットベ
クトルとの誤差を最小とする適応符号ベクトルを生成す
るピッチを抽出する。この時行われるピッチ探索は、ピ
ッチ候補選択器109から入力されたピッチ候補の近傍
についてのみ行われる。
【0093】求められたピッチによって生成される適応
符号ベクトルは、第1の音源生成器122に出力されて
音源ベクトルの生成に用いられ、適応符号ベクトルにイ
ンパルス応答を畳み込んで生成される第1の適応符号合
成ベクトルは、第1のターゲット更新器113、第1の
フィルタ状態更新器115、及び第1のゲイン符号帳探
索器114に出力される。第1のターゲット更新器11
3は、第1のターゲット算出器105より出力された第
1のターゲットベクトルから第1の閉ループピッチ探索
器112より出力された第1の適応符号合成ベクトルに
最適ゲインを乗じたものを減じて第1の雑音符号帳探索
用ターゲットベクトルを算出し、第1の雑音符号帳探索
器123に出力する。第1の雑音符号帳探索器123
は、雑音符号帳124の中から取り出した雑音符号ベク
トルに第1のピッチ周期化フィルタ121から入力した
ピッチ周期化後の第1のインパルス応答を畳み込むこと
により、重み付け合成音声ベクトル(雑音符号帳成分)
を算出し、第1の雑音符号帳用ターゲットベクトルとの
誤差を最小とする雑音符号ベクトルを選び出す。
【0094】選ばれた雑音符号ベクトルは、ピッチ周期
化フィルタによって周期化されて第1の音源生成器12
2に出力され、音源ベクトルの生成に用いられる。ま
た、雑音符号ベクトルにピッチ周期化後のインパルス応
答を畳み込んで生成される第1の雑音符号合成ベクトル
は、第1のゲイン符号帳探索器114及び第1のフィル
タ状態更新器115に出力される。第1のピッチ周期化
フィルタ121は、入力データをx(n),n=0,
1,…,39(サブフレーム長−1)、ピッチ周期をT
とし、周期化ゲインをβとすると、上記式1に示される
フィルタを第1のインパルス応答算出器120から入力
したインパルス応答にかけ、第1の雑音符号帳探索器1
23に出力する。このフィルタに用いられるピッチ周期
Tは、第1の閉ループピッチ探索器112から入力され
るP1である。
【0095】また、式1中のβは、直前のサブフレーム
における量子化適応符号ゲイン(ピッチゲイン)であ
る。第1のゲイン符号帳探索器114は、第1のターゲ
ット算出器105、第1の閉ループピッチ探索器11
2、及び第1の雑音符号帳探索器123から第1のター
ゲットベクトル、第1の適応符号合成ベクトル、及び第
1の雑音符号合成ベクトルをそれぞれ入力し、第1のタ
ーゲットベクトルと、第1の適応符号合成ベクトルに量
子化適応符号ゲインを乗じたもの及び第1の雑音符号合
成ベクトルに量子化雑音符号ゲインを乗じたものの和の
ベクトルとの2乗誤差が最小となる、量子化適応符号ゲ
インと量子化雑音符号ゲインとの組合わせをゲイン符号
帳129の中から選択する。
【0096】選択された量子化ゲインは、第1の音源生
成器122及び第1のフィルタ状態更新器115に出力
され、音源ベクトルの生成及び合成フィルタの状態更新
に用いられる。第1の音源生成器122は、第1の閉ル
ープピッチ探索器112から入力される適応符号ベクト
ル、及び第1の雑音符号帳探索器123から入力される
ピッチ周期化後の雑音符号ベクトルに、第1のゲイン符
号帳探索器114から入力される量子化ゲイン(適応符
号帳成分)及び量子化ゲイン(雑音符号帳成分)をそれ
ぞれ乗じ、量子化ゲイン乗算後の適応符号ベクトルと雑
音符号ベクトルの加算を行って第1サブフレームの音源
ベクトルを生成する。
【0097】生成された第1サブフレームの音源ベクト
ルは、適応符号帳に出力されて適応符号帳が更新され
る。第1のフィルタ状態更新器115は、量子化合成フ
ィルタと重み付け合成フィルタを縦続接続したフィルタ
の状態を更新する。フィルタの状態は、第1のターゲッ
ト算出器105から入力されるターゲットベクトルか
ら、第1のゲイン符号帳探索器114より出力される量
子化ゲイン(適応符号帳成分)を乗じた第1の閉ループ
ピッチ探索器112より出力される適応符号合成ベクト
ルと第1のゲイン符号帳探索器114より出力される量
子化ゲイン(雑音符号帳成分)を乗じた第1の雑音符号
帳探索器123より出力される雑音符号合成ベクトルと
を、減じることによって求められる。求められたフィル
タ状態は、st2として出力され、第2サブフレームの
フィルタ状態として用いられ、第2のターゲット算出器
106で使用される。
【0098】第2のターゲット算出器106は、第2サ
ブフレームの量子化LPCであるqa2及び未量子化L
PCであるa2を用いて量子化合成フィルタと重み付け
合成フィルタとを構成し、第1サブフレームにおいて第
1のフィルタ状態更新器115で求められたフィルタ状
態st2を用いて量子化合成フィルタの零入力応答を除
去した後の重み付け入力音声信号(ターゲットベクト
ル)を算出し、第2の閉ループピッチ探索器116、第
2のターゲットベクトル更新器117、第2のゲイン符
号帳探索器118、及び第2のフィルタ状態更新器11
1に第2のターゲットベクトルを出力する。
【0099】第2のインパルス応答算出器127は、量
子化LPCであるqa2を用いて構成された量子化合成
フィルタと未量子化LPCであるa2を用いて構成され
た重み付け合成フィルタとを縦続接続したフィルタのイ
ンパルス応答を求め、第2の閉ループピッチ探索器11
6及び第2のピッチ周期化フィルタ128に出力する。
第2の閉ループピッチ探索器116は、適応符号帳11
9の中から取り出した適応符号ベクトルに第2のインパ
ルス応答を畳み込むことにより、重み付け合成音声ベク
トル(適応符号帳成分)を算出し、第2のターゲットベ
クトルとの誤差を最小とする適応符号ベクトルを生成す
るピッチを抽出する。この時行われるピッチ探索は、第
1の閉ループピッチ探索器112から入力される第1サ
ブフレームのピッチP1の近傍についてのみ行われる。
求められたピッチによって生成される適応符号ベクトル
は、第2の音源生成器126に出力されて音源ベクトル
の生成に用いられ、適応符号ベクトルにインパルス応答
を畳み込んで生成される第2の適応符号合成ベクトル
は、第2のターゲット更新器117、第2のフィルタ状
態更新器111、及び第2のゲイン符号帳探索器118
に出力される。
【0100】第2のターゲット更新器117は、第2の
ターゲット算出器106より出力された第2のターゲッ
トベクトルから第2の閉ループピッチ探索器116より
出力された第2の適応符号合成ベクトルに最適ゲインを
乗じたものを減じて、第2の雑音符号帳探索用ターゲッ
トベクトルを算出し、第2の雑音符号帳探索器125に
出力する。第2の雑音符号帳探索器125は、雑音符号
帳124の中から取り出した雑音符号ベクトルに第2の
ピッチ周期化フィルタ128から入力したピッチ周期化
後の第2のインパルス応答を畳み込むことにより、重み
付け合成音声ベクトル(雑音符号帳成分)を算出し、第
2の雑音符号帳用ターゲットベクトルとの誤差を最小と
する雑音符号ベクトルを選び出す。選ばれた雑音符号ベ
クトルは、第2のピッチ周期フィルタによって周期化さ
れて第2の音源生成器126に出力され音源ベクトルの
生成に用いられる。
【0101】また、雑音符号ベクトルにピッチ周期化後
のインパルス応答を畳み込んで生成される第2の雑音符
号合成ベクトルは、第2のゲイン符号帳探索器118及
び第2のフィルタ状態更新器111に出力される。第2
のピッチ周期化フィルタ128は、入力データをx
(n),n=0,1,…,39(サブフレーム長−
1)、ピッチ周期をTとし、周期化ゲインをβとする
と、上記式1に示されるフィルタを第2のインパルス応
答算出器127から入力したインパルス応答にかけ、第
2の雑音符号帳探索器25に出力する。このフィルタに
用いられるピッチ周期Tは、第2の開ループピッチ探索
器116から入力されるP2である。第2のゲイン符号
帳探索器118は、第2のターゲット算出器106、第
2の閉ループピッチ探索器116、及び第2の雑音符号
帳探索器125から第2のターゲットベクトル、第2の
適応符号合成ベクトル、及び第2の雑音符号合成ベクト
ルをそれぞれ入力し、第2のターゲットベクトルと、第
2の適応符号合成ベクトルに量子化適応符号ゲインを乗
じたもの及び第2の雑音符号合成ベクトルに量子化雑音
符号ゲインを乗じたものの和のベクトルとの2乗誤差が
最小となる、量子化適応符号ゲインと量子化雑音符号ゲ
インとの組合わせをゲイン符号帳129の中から選択す
る。選択された量子化ゲインは、第2の音源生成器12
6及び第2のフィルタ状態更新器111に出力され、音
源ベクトルの生成及び合成フィルタの状態更新に用いら
れる。
【0102】第2の音源生成器126は、第2の閉ルー
プピッチ探索器116から入力される適応符号ベクトル
と、第2の雑音符号帳探索器125から入力されるピッ
チ周期化後の雑音符号ベクトルとに、第2のゲイン符号
帳探索器118から入力される量子化ゲイン(適応符号
帳成分)及び量子化ゲイン(雑音符号帳成分)をそれぞ
れ乗じ、量子化ゲイン乗算後の適応符号ベクトルと雑音
符号ベクトルの加算を行って第2サブフレームの音源ベ
クトルを生成する。生成された第2サブフレームの音源
ベクトルは、適応符号帳に出力されて適応符号帳を更新
する。第2のフィルタ状態更新器111は、量子化合成
フィルタと重み付け合成フィルタを縦続接続したフィル
タの状態を更新する。
【0103】フィルタの状態は、第2のターゲット算出
器106から入力されるターゲットベクトルから、第2
のゲイン符号帳探索器118より出力される量子化ゲイ
ン(適応符号帳成分)を乗じた第2の閉ループピッチ探
索器116より出力される適応符号合成ベクトルと第2
のゲイン符号帳探索器118から出力される量子化ゲイ
ン(雑音符号帳成分)を乗じた第2の雑音符号帳探索器
125から出力される雑音符号合成ベクトルとを、減じ
ることによって求められる。求められたフィルタ状態
は、st1として出力され、次のフレームの第1サブフ
レームのフィルタ状態として用いられ、第1のターゲッ
ト算出器105で使用される。なお、適応符号帳119
は、第1の音源生成器122及び第2の音源生成器12
6によって生成される音源信号を時間的に並べてバッフ
ァリングしたものであり、閉ループピッチ探索の探索に
必要な長さだけ過去に生成した音源信号を蓄えている。
【0104】適応符号帳の更新は、サブフレーム毎に1
回行われ、適応符号帳のバッファを1サブフレーム分シ
フトした後、新たに生成しされた音源信号がバッファの
最後にコピーされる。なお、サブフレーム分割器102
によって分割された量子化対象信号のうち、第1サブフ
レームの符号化処理が先に行われ、第1サブフレームの
符号化処理がすべておわった後に、第2サブフレームの
符号化処理が行われ、第2サブフレームのピッチP2
は、第1サブフレームのピッチP1を用いて差分量子化
されて復号器側へ伝送される。
【0105】1フレームの処理が終わると、LPC量子
化器107から出力されるLPCデータL、第1の閉ル
ープピッチ探索器112から出力されるピッチP1、第
1の雑音符号帳探索器123から出力される雑音符号ベ
クトルデータS1、第1のゲイン符号帳探索器114か
ら出力されるゲインデータG1、第2の閉ループピッチ
探索器116から出力されるピッチP2、第2の雑音符
号帳探索器125から出力される雑音符号ベクトルデー
タS2、及び第2のゲイン符号帳探索器118から出力
されるゲインデータG2が符号化され、ビット列として
伝送路を介して復号器に出力される。
【0106】次に、図2を用いてピッチ候補選択器10
9の詳細について説明する。図2において、正規化自己
相関関数算出器201は、重み付け入力音声信号を入力
として、その正規化自己相関関数を算出し、分類手段で
あるレンジ分割器202に出力する。レンジ分割器20
2は、正規化自己相関関数算出器201から出力された
正規化自己相関関数をピッチラグの値によって3つのレ
ンジに分割し、第1の最大値探索器203、第2の最大
値探索器204、及び第3の最大値探索器205にそれ
ぞれ出力する。
【0107】第1の最大値探索器203は、レンジ分割
機202で分割された第1レンジの自己相関関数を入力
として、その中から正規化自己相関関数の最大値とその
最大値を与えるピッチラグの値を候補選択器207に、
前記自己相関関数の最大値を第4の最大値探索器206
にそれぞれ出力する。第2の最大値探索器204は、レ
ンジ分割器202で分割された第2レンジの自己相関関
数を入力として、その中から正規化自己相関関数の最大
値とその最大値を与えるピッチラグの値を選択器207
に出力し、前記自己相関関数の最大値を第4の最大値探
索器206に出力する。第3の最大値探索器205は、
レンジ分割機202で分割された第3レンジの自己相関
関数を入力として、その中から正規化自己相関関数の最
大値及びその最大値を与えるピッチラグの値を選択器2
07に出力し、前記自己相関関数の最大値を第4の最大
値探索器206に出力する。
【0108】第4の最大値探索器206は、第1の最大
値探索器203、第2の最大値探索器204、及び第3
の最大値探索器205から各レンジにおける正規化自己
相関関数の最大値を入力し、その中での最大値を閾値算
出器208に出力する。閾値算出器208は、第4の最
大値探索器206から出力された正規化自己相関関数の
最大値を入力として、これに閾値定数を乗算して閾値を
算出し、候補選択器207に出力する。候補選択器20
7は、第1の最大値探索器203、第2の最大値探索器
204、及び第3の最大値探索器205から、各レンジ
における正規化自己相関関数の最大値とその最大値を与
えるピッチラグとの値をそれぞれ入力し、閾値算出器2
08から入力した閾値を越える正規化自己相関関数を与
えるピッチラグのみを選択し、そのピッチラグと選択さ
れたピッチラグの個数を出力する。
【0109】従来の開ループピッチ探索器9において
は、候補選択器207に相当するブロックにおいて、複
数のピッチ候補が出力されることはなく、3つのレンジ
で求められた正規化自己相関関数の最大値に重み付けを
行った後、1候補のみを出力していた。この重み付けは
短いピッチラグのレンジが選ばれ易くする重み付けであ
り、倍ピッチ誤り等を避けるためのものである。これ
は、2種類以上のピッチ周期性を持つ信号等に対しては
必ずしも有効に働かない。また、候補数を1つに絞って
しまうため、適応符号帳のピッチラグとして必ずしも最
適なものが出力されない場合がある。
【0110】本発明は、この問題を解決するために重み
付け処理を行わずに複数のピッチ候補を出力し、閉ルー
プピッチ探索時にピッチを決定するようにしたものであ
る。複数のピッチ候補を残す方法として、常に定められ
た個数の候補を残すことも考えられるが、その場合、第
1サブフレームに特化したピッチが最終的に選ばれてし
まい、差分量子化を行っている第2サブフレームのピッ
チに悪影響を及ぼす場合がしばしば生じる。このため、
本発明では、候補選択器207を備えることにより、1
フレーム全体で自己相関を算出した場合にあまり相関値
が高くないような候補は出力しないようにしている。こ
れにより、差分量子化を適用しないサブフレームに特化
したピッチを予備選択候補として出力しないようにして
いる。なお、倍ピッチ誤りを避けるための重み付けを行
う場合は、閉ループピッチ探索で最終ピッチを決定する
ときに行うことが出来る。なお、図2において、レンジ
分割器202は、レンジを3つに分割しているが、それ
以外の数に分割しても良い。
【0111】図3は図2に示すピッチ候補選択器109
の処理内容を示すフロー図である。図3において、ま
ず、ステップ(以下、STと省略する)301におい
て、重み付け入力信号の正規化自己相関関数 ncor[n],
Pmin≦n≦Pmax(Pminはピッチ探索範囲の下限、Pmaxは
ピッチ探索範囲の上限)を算出する。
【0112】次いで、ST302において、第1レンジ
(Pmin≦n≦Pmax1、Pmax1は第1レンジにおけるピッチ
の上限)における正規化自己相関関数の最大値を与える
ピッチラグP1を求める。次いで、ST303におい
て、第2レンジ(Pmax1<n≦Pmax2、Pmax2は第2レン
ジにおけるピッチの上限)における正規化自己相関関数
の最大値を与えるピッチラグP2を求める。次いでST
304において、第3レンジ(Pmax2<n≦Pmax)にお
ける正規化自己相関関数の最大値を与えるピッチラグP
3を求める。なお、ST302、ST303、ST30
4の処理順序は任意である。
【0113】P1、P2、及びP3が求められた後、S
T305においてncor[P1]、ncor[P2]、及びncor[P3]の
中から最大値を選びncor_maxとする。次いで、ST30
6において、ループカウンタiとピッチ候補数カウンタ
ncandをリセットする。次いでST307において、nco
r[Pi]が閾値Th*ncor_max(Thは閾値を設定するための定
数)以上であるかどうかをチェックし、ncor[Pi]が閾値
以上であれば、ST308の処理を行ってPiをピッチ
候補として候補カウンタncandをインクリメントする。n
cor[Pi]が閾値未満であった場合は、ST308をスキ
ップする。ST308の処理の後、ST309におい
て、ループカウンタiがインクリメントされる。ループ
カウンタは、ST308の処理をスキップした場合も同
様にインクリメントされる。
【0114】ST309でループカウンタをインクリメ
ントした後、ST310において、ループカウンタが3
以下であるかどうかチェックし、3以下の場合はST3
07の処理に戻ってループ処理を繰り返し、3つのレン
ジで求められた全ての候補について閾値処理を行う。S
T310において、ループカウンタが3を越えると、3
つのレンジで求められた全ての候補についての閾値処理
が完了するので、ループ処理は終了し、ST311にお
いてピッチ候補数ncand及びピッチ候補pcand[n],0≦
n<ncandが出力され、ピッチ候補選択の処理が終了す
る。
【0115】また、図4は本発明の実施の形態1におけ
る復号化装置を示すブロック図である。以下、図4を参
照してその構成及び動作を説明する。図4において、L
PC復号器401は、符号器側から伝送されたLPCの
情報LからLPCを復号してLPC補間器402に出力
する。LPC補間器402は、LPC復号器401から
出力されたLPCを入力して補間処理の後、第1及び第
2サブフレームの量子化(復号)LPCであるqa1及
びqa2を合成フィルタ411に出力する。適応符号ベ
クトル復号器403は、符号器側から伝送されてきた第
1サブフレーム及び第2サブフレームのピッチ情報P1
及びP2を入力し、ピッチP1,P2に基づいて適応符
号帳404から適応符号ベクトルを取り出して音源生成
器410に出力する。
【0116】適応符号帳404は、音源生成器410か
ら出力された音源ベクトルをサブフレーム毎に更新しな
がらバッファリングし、適応符号ベクトル復号器403
に出力する。雑音符号ベクトル復号器405は、符号器
側から伝送されてきた第1及び第2サブフレームの雑音
符号帳情報S1,S2を入力し、S1,S2に対応する
雑音符号ベクトルを雑音符号帳406から取り出してピ
ッチ周期化フィルタ409に出力する。雑音符号帳40
6は、符号器のものと同一の内容を格納しており、雑音
符号ベクトルを雑音符号ベクトル復号器に出力する。ゲ
イン復号器407は、符号器側から伝送されてきた第1
及び第2サブフレームのゲイン情報G1,G2を入力
し、G1,G2に対応するゲインをゲイン符号帳408
から取り出して量子化ゲインを復号し、音源生成器41
0に出力する。
【0117】ゲイン符号帳408は、符号器のものと同
一の内容を格納しており、量子化ゲインをゲイン復号器
407に出力する。ピッチ周期化フィルタ409は、雑
音符号ベクトル復号器から出力された雑音符号ベクトル
と符号器側から伝送されてきたピッチ情報P1,P2と
を入力として、雑音符号ベクトルをピッチ周期化して音
源生成器410に出力する。音源生成器410は、適応
符号ベクトル、ピッチ周期化された雑音符号ベクトル、
及び復号ゲインをそれぞれ適応符号ベクトル復号器40
3、ピッチ周期化フィルタ409、及びゲイン復号器4
07からそれぞれ入力し、生成した音源ベクトルを合成
フィルタ411及び適応符号帳404に出力する。
【0118】合成フィルタ411は、LPC補間器40
2から出力されたqa1,qa2を用いて合成フィルタ
を構築し、音源生成器410から出力された音源ベクト
ルをフィルタ入力としてフィルタ処理を行い、サブフレ
ームバッファ412に復号音声信号を出力する。サブフ
レームバッファ412は、合成フィルタ411から出力
された復号音声信号を1サブフレーム分蓄積し、フレー
ムバッファ413に出力する。フレームバッファ413
は、サブフレームバッファ412から出力された1サブ
フレーム分の復号音声信号を入力とし、1フレーム(2
サブフレーム)分だけ蓄積し、出力する。
【0119】上記構成を有する復号化装置の動作を図4
を参照しながら説明する。符号器側から伝送されてきた
LPC情報Lは、LPC復号器401によって復号され
る。復号LPCは、LPC補間器402によって符号器
側と同様の補間処理が行われ、第1サブフレームの量子
化LPCであるqa1と第2サブフレームの量子化LP
Cであるqa2とを得る。qa1は第1サブフレームの
合成フィルタを構成するのに用いられ、qa2は第2サ
ブフレームの合成フィルタを構成するのに用いられる。
【0120】符号器側から伝送されてきた第1及び第2
サブフレームのピッチ情報P1,P2は、適応符号ベク
トル復号器403及びピッチ周期化フィルタ409に入
力される。まず、P1を用いて第1サブフレームの適応
符号ベクトルが適応符号帳404から切り出されて復号
適応符号ベクトルとして音源生成器410に出力され
る。符号器側から伝送されてきた第1及び第2サブフレ
ームの雑音符号情報第S1,S2は、雑音符号ベクトル
復号器に入力され、まず、S1を用いて第1サブフレー
ムの雑音符号ベクトルが雑音符号帳406から取り出さ
れてピッチ周期化フィルタ409に出力される。
【0121】ピッチ周期化フィルタ409は、ピッチ周
期P1で雑音符号ベクトルのピッチ周期化を符号器側と
同様に上記式1に基づいて行い、音源生成器410に出
力する。符号器側から伝送されてきたゲイン情報G1,
G2は、ゲイン復号器407に入力され、まず、G1を
用いて第1サブフレームのゲインがゲイン符号帳408
から取り出され適応符号ゲイン及び雑音符号ゲインが復
号されて音源生成器410に出力される。音源生成器4
10は、適応符号ベクトル復号器403から出力された
適応符号ベクトルにゲイン復号器407から出力された
適応符号ゲインとを乗算したベクトルと、ピッチ周期化
フィルタ409から出力されたピッチ周期化後の雑音符
号ベクトル及びゲイン復号器407から出力された雑音
符号ゲインを乗算したベクトルとの加算を行い、合成フ
ィルタに出力する。
【0122】合成フィルタに出力された復号音源ベクト
ルは、同時に適応符号帳404にも出力され、次のサブ
フレームで用いる適応符号帳の一部となる。合成フィル
タ411は、音源生成器410から出力された復号音源
ベクトルを入力としてqa1を用いて構成した合成フィ
ルタを用いて第1サブフレームの復号音声を合成し、サ
ブフレームバッファ412に出力する。次いで、第2サ
ブフレームのピッチ情報P2、雑音符号情報S2、ゲイ
ン情報G2、及び復号LPCであるqa2を用いて同様
の音声復号処理が行われる。最後に、フレームバッファ
413にバッファリングされた2サブフレーム(1フレ
ーム)分の復号音声信号が復号器から出力されて、1フ
レームの音声信号の復号処理が終わる。
【0123】このように上記実施の形態によれば、差分
量子化されるサブフレームを含めた入力データからピッ
チ候補を求める際に、一つ以上の候補を残すことによっ
て(一つの候補のみを残す場合に比べて)より精度の良
いピッチ探索を実現し、かつ、複数個の候補を残しすぎ
ることによって差分量子化しないサブフレームに特化し
たピッチが選択される危険性を回避することができる音
声符号化装置及び音声符号化復号化装置を実現すること
ができる。
【0124】(実施の形態2)図5は本発明の実施の形
態2に係る音声符号化装置の構成を示すブロック図であ
る。この音声符号化装置は、ピッチ候補の選択を重み付
け入力信号ではなく残差信号を用いて行い、雑音符号ベ
クトルのピッチ周期化を行わない構成を有する。
【0125】図5において、入力バッファ501は、入
力ディジタル音声信号を1フレーム分づつ更新しながら
符号化に必要な長さのデータをバッファリングしてサブ
フレーム分割器502、LPC分析器503、及び逆フ
ィルタ504に必要なデータを出力する。サブフレーム
分割器502は、入力バッファ501から入力した1フ
レーム分の入力ディジタル信号を2つのサブフレームに
分割して第1サブフレームの信号を第1のターゲット算
出器505に出力し、第2サブフレームの信号を第2の
ターゲット算出器506に出力する。LPC分析器50
3は、入力バッファ501から分析に必要なディジタル
音声信号を入力してLPC分析を行い、線形予測係数を
LPC量子化器507及び第2のLPC補間器508に
出力する。
【0126】逆フィルタ504は、入力バッファ501
から入力した1フレーム分のディジタル音声信号と第1
のLPC補間器510から出力される線形予測係数qa
1,qa2を入力として入力音声信号の逆フィルタ処理
を行ってピッチ候補選択器509に出力する。LPC量
子化器507は、LPC分析器503から出力された線
形予測係数を量子化して量子化LPCを第1のLPC補
間器510に出力し、同時に量子化LPCの符号化デー
タLを復号器に出力する。第2のLPC補間器508
は、LPC分析器503から出力されるLPCを入力と
して第1サブフレームのLPCの補間を行い、第1及び
第2サブフレームのLPCをそれぞれa1,a2として
出力する。
【0127】第1のLPC補間器510は、LPC量子
化器507から出力された量子化LPCを入力として第
1サブフレームの量子化LPCの補間を行い、第1及び
第2サブフレームの量子化LPCをそれぞれqa1,q
a2として出力する。第1のターゲット算出器505
は、サブフレーム分割器502によって分割された第1
サブフレームのディジタル音声信号、直前の第2サブフ
レームにおいて第2のフィルタ状態更新器511から出
力されたフィルタ状態st1、第1サブフレームの量子
化及び未量子化LPCであるqa1及びa1を入力とし
て第1のターゲットベクトルを算出して第1の閉ループ
ピッチ探索器512、第1の雑音符号帳探索器513、
第1のゲイン符号帳探索器514、及び第1のフィルタ
状態更新器515に出力する。
【0128】第2のターゲットベクトル更新器506
は、サブフレーム分割器502から出力された第2サブ
フレームのディジタル音声信号、現フレームの第1サブ
フレームにおける第1のフィルタ状態更新器515から
出力されたフィルタ状態st2、並びに第2サブフレー
ムの量子化及び未量子化LPCであるqa2及びa2と
を入力として第2のターゲットベクトルを算出して、第
2の閉ループピッチ探索器516、第2の雑音符号帳探
索器517、第2のゲイン符号帳探索器518、及び第
2のフィルタ状態更新器511に出力する。ピッチ候補
選択器509は、逆フィルタ504から出力された残差
信号を入力としてピッチ周期性の抽出を行いピッチ周期
候補を第1の閉ループピッチ探索器512に出力する。
【0129】第1の閉ループピッチ探索器512は、第
1のターゲットベクトル、ピッチ候補、適応符号ベクト
ル候補、及びインパルス応答ベクトルをそれぞれ第1の
ターゲット算出器505、ピッチ候補選択器509、適
応符号帳519、及び第1のインパルス応答算出器52
0からそれぞれ入力して、各ピッチ候補の中から閉ルー
プピッチ探索を行い、閉ループピッチを第2の閉ループ
ピッチ探索器516及び復号器に出力し、適応符号ベク
トルを第1の音源生成器521に出力し、適応符号ベク
トルに第1のインパルス応答を畳み込んだ合成ベクトル
を第1の雑音符号帳探索器513、第1のゲイン符号帳
探索器514、及び第1のフィルタ状態更新器515に
出力する。第1の雑音符号帳探索器513は、第1のタ
ーゲットベクトル、第1の適応符号合成ベクトル、及び
第1のインパルス応答ベクトルをそれぞれ第1のターゲ
ット算出器505、第1の閉ループピッチ探索器51
2、及び第1のインパルス応答ベクトル算出器520か
ら入力し、雑音符号帳522から出力される雑音符号ベ
クトル候補を入力して、雑音符号帳522の中から最適
な雑音符号ベクトルを選択し、選択した雑音符号ベクト
ルを第1の音源生成器521に出力し、選択した雑音符
号ベクトルに第1のインパルス応答ベクトルを畳み込ん
だ合成ベクトルを第1のゲイン符号帳探索器514及び
第1のフィルタ状態更新器515に出力し、選択した雑
音符号ベクトルを表す符号S1を復号器に出力する。
【0130】第1のゲイン符号帳探索器514は、第1
のターゲットベクトル、第1の適応符号合成ベクトル、
及び第1の雑音符号合成ベクトルをそれぞれ第1のター
ゲット算出器505、第1の閉ループピッチ探索器51
2、及び第1の雑音符号帳探索器513からそれぞれ入
力して、ゲイン符号帳523の中から最適な量子化ゲイ
ンを選択して第1の音源生成器521及び第1のフィル
タ状態更新器515に出力する。第1のフィルタ状態更
新器515は、第1のターゲットベクトル、第1の適応
符号合成ベクトル、第1の雑音符号合成ベクトル、及び
第1の量子化ゲインをそれぞれ第1のターゲットベクト
ル算出器505、第1の閉ループピッチ探索器512、
第1の雑音符号帳探索器513、及び第1のゲイン符号
帳探索器514からそれぞれ入力して、合成フィルタの
状態更新を行いフィルタ状態st2を出力する。第1の
インパルス応答算出器520は、第1サブフレームのL
PCであるa1及び第1サブフレームの量子化LPCで
あるqa1を入力として、聴覚重みづけフィルタと合成
フィルタとを縦続接続したフィルタのインパルス応答を
算出し、第1の閉ループピッチ探索器512及び第1の
雑音符号帳探索器513に出力する。
【0131】雑音符号帳522は、予め定められた数の
予め定められた形状を有する雑音符号ベクトルを格納
し、第1の雑音符号帳探索器513及び第2の雑音符号
帳探索器517に雑音符号ベクトルを出力する。第1の
音源生成器521は、適応符号ベクトル、雑音符号ベク
トル、及び量子化ゲインをそれぞれ第1の閉ループピッ
チ探索器512、第1の雑音符号帳探索器513、及び
第1のゲイン符号帳探索器514から入力し、音源ベク
トルを生成し、生成した音源ベクトルを適応符号帳51
9に出力する。
【0132】適応符号帳519は、第1の音源生成器5
21及び第2の音源生成器524から交互に出力される
音源ベクトルを入力として、適応符号帳を更新し、適応
符号ベクトル候補を第1の閉ループピッチ探索器512
及び第2の閉ループピッチ探索器516とに交互に出力
する。ゲイン符号帳523は、予め用意された量子化ゲ
イン(適応符号ベクトル成分と雑音符号ベクトル成分)
を格納し、第1のゲイン符号帳探索器514及び第2の
ゲイン符号帳探索器518に出力する。
【0133】第2の閉ループピッチ探索器516は、第
2のターゲットベクトル、第1サブフレームのピッチ、
適応符号ベクトル候補、及びインパルス応答ベクトルを
それぞれ第2のターゲット算出器506、第1の閉ルー
プピッチ探索器512、適応符号帳519、及び第2の
インパルス応答算出器525からそれぞれ入力して、第
1サブフレームのピッチの近傍で閉ループピッチ探索を
行い、閉ループピッチをP2として復号器に出力し(こ
こで、P2はP1を用いて差分量子化されてから復号器
側へ伝送される)、適応符号ベクトルを第2の音源生成
器524に出力し、適応符号ベクトルに第2のインパル
ス応答を畳み込んだ合成ベクトルを第2の雑音符号帳探
索器517、第2のゲイン符号帳探索器518、及び第
2のフィルタ状態更新器511に出力する。
【0134】第2のゲイン符号帳探索器518は、第2
のターゲットベクトル、第2の適応符号合成ベクトル、
及び第2の雑音符号合成ベクトルをそれぞれ第2のター
ゲット算出器506、第2の閉ループピッチ探索器51
6、及び第2の雑音符号帳探索器517からそれぞれ入
力して、ゲイン符号帳の中から最適な量子化ゲインを選
択して第2の音源生成器524及び第2のフィルタ状態
更新器511に出力する。第2のフィルタ状態更新器5
11は、第2のターゲットベクトル、第2の適応符号合
成ベクトル、第2の雑音符号合成ベクトル、及び第2の
量子化ゲインをそれぞれ第2のターゲットベクトル算出
器506、第2の閉ループピッチ探索器516、第2の
雑音符号帳探索器517、及び第2のゲイン符号帳探索
器518からそれぞれ入力して、合成フィルタの状態更
新を行い、フィルタ状態st1を出力する。
【0135】第2のインパルス応答算出器525は、第
2サブフレームのLPCであるa2及び第2サブフレー
ムの量子化LPCであるqa2を入力として、聴覚重み
づけフィルタと合成フィルタとを縦続接続したフィルタ
のインパルス応答を算出し、第2の閉ループピッチ探索
器516及び第2の雑音符号帳探索器517に出力す
る。第2の雑音符号帳探索器517は、第2のターゲッ
ト算出器506から出力された第2のターゲットベクト
ル及び第2の閉ループピッチ探索器516から出力され
た第2の適応符号合成ベクトル、第2のインパルス応答
算出器525から出力された第2のインパルス応答ベク
トル、及び雑音符号帳522から出力される雑音符号ベ
クトル候補を入力として、雑音符号帳522の中から最
適な雑音符号ベクトルを選択し、選択した雑音符号ベク
トルを第2の音源生成器524に出力し、選択した雑音
符号ベクトルに第2のインパルス応答ベクトルを畳み込
んだ合成ベクトルを第2のゲイン符号帳探索器518及
び第2のフィルタ状態更新器511に出力し、選択した
雑音符号ベクトルを表す符号S2を復号器に出力する。
第2の音源生成器524は、適応符号ベクトル、雑音符
号ベクトル、及び量子化ゲインをそれぞれ第2の閉ルー
プピッチ探索器516、第2の雑音符号帳探索器51
7、及び第2のゲイン符号帳探索器518から入力し、
音源ベクトルを生成し、生成した音源ベクトルを適応符
号帳519に出力する。
【0136】なお、LPC量子化器507から出力され
るLPCデータL、第1の閉ループピッチ探索器512
から出力されるピッチP1、第1の雑音符号帳探索器5
13から出力される雑音符号ベクトルデータS1、第1
のゲイン符号帳探索器514から出力されるゲインデー
タG1、第2の閉ループピッチ探索器516から出力さ
れるピッチP2、第2の雑音符号帳探索器517から出
力される雑音符号ベクトルデータS2、及び第2のゲイ
ン符号帳探索器518から出力されるゲインデータG2
は、符号化されビット列として伝送路を介して復号器に
出力される(P2はP1を用いて差分量子化される)。
また、第2サブフレームの処理は、第1サブフレームの
処理が全て終わった後に行われる。
【0137】上記構成を有する音声符号化装置の動作を
図5から図7を参照して説明する。まず、図5におい
て、音声信号は、入力バッファ501に入力される。入
力バッファ501は、入力された符号化対象となるディ
ジタル音声信号を1フレーム(10ms)単位で更新
し、サブフレーム分割器502、LPC分析器503、
及び逆フィルタ504に対して必要なバッファリングデ
ータを供給する。LPC分析器503は、入力バッファ
501から供給されたデータを用いて線形予測分析を行
い、線形予測係数(LPC)を算出し、LPC量子化器
507及び第2のLPC補間器508に出力する。
【0138】LPC量子化器507は、LPCをLSP
領域に変換して量子化を行い、量子化LSPを第1のL
PC補間器510に出力する。第1のLPC補間器は、
入力された量子化LSPを第2サブフレームの量子化L
SPとし、第1サブフレームの量子化LSPは、直前の
フレームの第2サブフレームの量子化LSPと現フレー
ムの第2サブフレームの量子化LSPとの線形補間によ
って補間して求める。得られた第1及び第2サブフレー
ムの量子化LSPは、LPCに変換された後、量子化L
PCとしてそれぞれqa1,qa2として出力される。
第2のLPC補間器508では、入力された未量子化L
PCをLSPに変換した後、第1のLPC補間器510
と同様に第1サブフレームのLSPが補間され、第1及
び第2サブフレームのLSPが決定された後、LPCに
変換後、未量子化LPCとしてそれぞれa1,a2とし
て出力される。
【0139】逆フィルタ504は、入力バッファ501
から量子化対象となるディジタルデータ列を1フレーム
分(10ms)入力し、量子化LPCであるqa1,q
a2を用いて構成された逆フィルタでフィルタリングす
ることによって残差信号を算出し、ピッチ候補選択器5
09に出力する。ピッチ候補選択器509は、過去に生
成した残差信号をバッファリングしており、新たに生成
した残渣信号をバッファに付け加えたデータ列から正規
化自己相関関数を求め、これに基づいて残差信号の周期
を抽出する。この時、正規化自己相関関数が大きいもの
から順に、定められた数以下のピッチ候補が選択され
る。選択は正規化自己相関関数を用いて行われ、正規化
自己相関関数の最大値に予め定められた閾値係数(例え
ば0.7)を乗じた値以上の正規化自己相関関数を与え
るピッチ候補のみが出力されるように選択が行われる。
選択されたピッチ周期の候補は、第1の閉ループピッチ
探索器512に出力される。このピッチ候補選択器の構
造は図6を用いて後述する。
【0140】サブフレーム分割器502は、入力バッフ
ァから符号化対象となる1フレーム分のディジタル信号
列を入力して、これを2つのサブフレームに分割し、第
1サブフレーム(時間的に前のサブフレーム)を第1の
ターゲット算出器505に供給し、第2サブフレーム
(時間的に後のサブフレーム)を第2のターゲット算出
器506に供給する。
【0141】第1のターゲット算出器505は、第1サ
ブフレームの量子化LPCであるqa1及び未量子化L
PCであるa1を用いて量子化合成フィルタと重み付け
合成フィルタとを構成し、直前のフレームの第2サブフ
レームにおいて第2のフィルタ状態更新器511で求め
られたフィルタ状態st1を用いて量子化合成フィルタ
の零入力応答を除去した後の重み付け入力音声信号(第
1のターゲットベクトル)を算出し、第1の閉ループピ
ッチ探索器512、第1の雑音符号帳探索器513、第
1のゲイン符号帳探索器514、及び第1のフィルタ状
態更新器515に第1のターゲットベクトルを出力す
る。
【0142】第1のインパルス応答算出器520は、量
子化LPCであるqa1を用いて構成された量子化合成
フィルタ及び未量子化LPCであるa1を用いて構成さ
れた重み付け合成フィルタとを縦続接続したフィルタの
インパルス応答を求め、第1の閉ループピッチ探索器5
12及び第1の雑音符号帳探索器513に出力する。第
1の閉ループピッチ探索器512は、適応符号帳519
の中から取り出した適応符号ベクトルに第1のインパル
ス応答を畳み込むことにより、重み付け合成音声ベクト
ル(適応符号帳成分)を算出し、第1のターゲットベク
トルとの誤差を最小とする適応符号ベクトルを生成する
ピッチを抽出する。この時行われるピッチ探索は、ピッ
チ候補選択器509から入力されたピッチ候補を用いて
行われ、ピッチ候補の中から選択される。
【0143】求められたピッチによって生成される適応
符号ベクトルは、第1の音源生成器521に出力されて
音源ベクトルの生成に用いられ、適応符号ベクトルにイ
ンパルス応答を畳み込んで生成される第1の適応符号合
成ベクトルは、第1の雑音符号帳探索器513、第1の
フィルタ状態更新器515、及び第1のゲイン符号帳探
索器514に出力される。第1の雑音符号帳探索器51
3は、雑音符号帳522の中から取り出した雑音符号ベ
クトルに第1のインパルス応答算出器520から入力し
た第1のインパルス応答を畳み込むことにより、重み付
け合成音声ベクトル(雑音符号帳成分)を算出し、第1
の適応符号合成ベクトルと組合わせた場合において、第
1のターゲットベクトルとの誤差を最小とする雑音符号
ベクトルを選び出す。
【0144】選ばれた雑音符号ベクトルは、第1の音源
生成器521に出力され音源ベクトルの生成に用いられ
る。また、雑音符号ベクトルに第1のインパルス応答を
畳み込んで生成される第1の雑音符号合成ベクトルは、
第1のゲイン符号帳探索器514及び第1のフィルタ状
態更新器515に出力される。第1のゲイン符号帳探索
器514は、第1のターゲット算出器505、第1の閉
ループピッチ探索器512、及び第1の雑音符号帳探索
器513から第1のターゲットベクトル、第1の適応符
号合成ベクトル、及び第1の雑音符号合成ベクトルをそ
れぞれ入力し、第1のターゲットベクトルと、第1の適
応符号合成ベクトルに量子化適応符号ゲインを乗じたも
の及び第1の雑音符号合成ベクトルに量子化雑音符号ゲ
インを乗じたものの和のベクトルとの2乗誤差が最小と
なる、量子化適応符号ゲインと量子化雑音符号ゲインと
の組合わせをゲイン符号帳523の中から選択する。
【0145】選択された量子化ゲインは、第1の音源生
成器521及び第1のフィルタ状態更新器515に出力
され、音源ベクトルの生成及び合成フィルタの状態更新
に用いられる。第1の音源生成器521は、第1の閉ル
ープピッチ探索器512から入力される適応符号ベクト
ルと、第1の雑音符号帳探索器514から入力される雑
音符号ベクトルとに、第1のゲイン符号帳探索器514
から入力される量子化ゲイン(適応符号帳成分)及び量
子化ゲイン(雑音符号帳成分)をそれぞれ乗じ、量子化
ゲイン乗算後の適応符号ベクトルと雑音符号ベクトルの
加算を行って第1サブフレームの音源ベクトルを生成す
る。
【0146】生成された第1サブフレームの音源ベクト
ルは、適応符号帳に出力されて適応符号帳を更新する。
第1のフィルタ状態更新器515は、量子化合成フィル
タと重み付け合成フィルタを縦続接続したフィルタの状
態を更新する。フィルタの状態は第1のターゲット算出
器505から入力されるターゲットベクトルから、第1
のゲイン符号帳探索器514より出力された量子化ゲイ
ン(適応符号帳成分)を乗じた第1の閉ループピッチ探
索器512より出力された適応符号合成ベクトルと第1
のゲイン符号帳探索器514より出力された量子化ゲイ
ン(雑音符号帳成分)を乗じた第1の雑音符号帳探索器
513より出力された雑音符号合成ベクトルとを、減じ
ることによって求められる。求められたフィルタ状態
は、st2として出力され、第2サブフレームのフィル
タ状態として第2のターゲット算出器506で使用され
る。
【0147】第2のターゲット算出器506は、第2サ
ブフレームの量子化LPCであるqa2及び未量子化L
PCであるa2を用いて量子化合成フィルタと重み付け
合成フィルタとを構成し、第1サブフレームにおいて第
1のフィルタ状態更新器515で求められたフィルタ状
態st2を用いて量子化合成フィルタの零入力応答を除
去した後の重み付け入力音声信号(第2のターゲットベ
クトル)を算出し、第2の閉ループピッチ探索器51
6、第2の雑音符号帳探索器517、第2のゲイン符号
帳探索器518、及び第2のフィルタ状態更新器511
に第2のターゲットベクトルを出力する。
【0148】第2のインパルス応答算出器525は、量
子化LPCであるqa2を用いて構成された量子化合成
フィルタ及び未量子化LPCであるa2を用いて構成さ
れた重み付け合成フィルタとを縦続接続したフィルタの
インパルス応答を求め、第2の閉ループピッチ探索器5
16及び第2の雑音符号帳探索器517に出力する。第
2の閉ループピッチ探索器516は、適応符号帳519
の中から取り出した適応符号ベクトルに第2のインパル
ス応答を畳み込むことにより、重み付け合成音声ベクト
ル(適応符号帳成分)を算出し、第2のターゲットベク
トルとの誤差を最小とする適応符号ベクトルを生成する
ピッチを抽出する。この時行われるピッチ探索は、第1
の閉ループピッチ探索器512から入力される第1サブ
フレームのピッチP1の近傍についてのみ行われる。
【0149】求められたピッチによって生成される適応
符号ベクトルは、第2の音源生成器524に出力されて
音源ベクトルの生成に用いられ、適応符号ベクトルにイ
ンパルス応答を畳み込んで生成される第2の適応符号合
成ベクトルは、第2の雑音符号帳探索器517、第2の
フィルタ状態更新器511、及び第2のゲイン符号帳探
索器518に出力される。第2の雑音符号帳探索器51
7は、雑音符号帳522の中から取り出した雑音符号ベ
クトルに第2のインパルス応答算出器525から入力し
た第2のインパルス応答を畳み込むことにより、重み付
け合成音声ベクトル(雑音符号帳成分)を算出し、第2
の適応符号合成ベクトルと組合わせた場合において、第
2のターゲットベクトルとの誤差を最小とする雑音符号
ベクトルを選び出す。
【0150】選ばれた雑音符号ベクトルは、第2の音源
生成器524に出力され音源ベクトルの生成に用いられ
る。また、雑音符号ベクトルに第2のインパルス応答を
畳み込んで生成される第2の雑音符号合成ベクトルは、
第2のゲイン符号帳探索器518及び第2のフィルタ状
態更新器511に出力される。第2のゲイン符号帳探索
器518は、第2のターゲット算出器506、第2の閉
ループピッチ探索器516、及び第2の雑音符号帳探索
器517から第2のターゲットベクトル、第2の適応符
号合成ベクトル、及び第2の雑音符号合成ベクトルをそ
れぞれ入力し、第2のターゲットベクトルと、第2の適
応符号合成ベクトルに量子化適応符号ゲインを乗じたも
の及び第2の雑音符号合成ベクトルに量子化雑音符号ゲ
インを乗じたものの和のベクトルとの2乗誤差が最小と
なる、量子化適応符号ゲインと量子化雑音符号ゲインと
の組合わせをゲイン符号帳523の中から選択する。
【0151】選択された量子化ゲインは、第2の音源生
成器524及び第2のフィルタ状態更新器511に出力
され、音源ベクトルの生成及び合成フィルタの状態更新
に用いられる。第2の音源生成器524は、第2の閉ル
ープピッチ探索器516から入力される適応符号ベクト
ルと、第2の雑音符号帳探索器525から入力される雑
音符号ベクトルとに、第2のゲイン符号帳探索器518
から入力される量子化ゲイン(適応符号帳成分)及び量
子化ゲイン(雑音符号帳成分)をそれぞれ乗じ、量子化
ゲイン乗算後の適応符号ベクトル及び雑音符号ベクトル
の加算を行って第2サブフレームの音源ベクトルを生成
する。生成された第2サブフレームの音源ベクトルは、
適応符号帳519に出力されて適応符号帳519を更新
する。
【0152】第2のフィルタ状態更新器511は、量子
化合成フィルタと重み付け合成フィルタを縦続接続した
フィルタの状態を更新する。フィルタの状態は第2のタ
ーゲット算出器506から入力されるターゲットベクト
ルから、第2のゲイン符号帳探索器518より出力され
た量子化ゲイン(適応符号帳成分)を乗じた第2の閉ル
ープピッチ探索器516より出力された適応符号合成ベ
クトルと第2のゲイン符号帳探索器518より出力され
た量子化ゲイン(雑音符号帳成分)を乗じた第2の雑音
符号帳探索器517より出力された雑音符号合成ベクト
ルとを、減じることによって求められる。求められたフ
ィルタ状態は、st1として出力され、次のフレームの
第1サブフレームのフィルタ状態として用いられ、第1
のターゲット算出器505で使用される。
【0153】なお、適応符号帳519は、第1の音源生
成器521及び第2の音源生成器124によって生成さ
れる音源信号を時間的に並べてバッファリングしたもの
であり、閉ループピッチ探索の探索に必要な長さだけ過
去に生成した音源信号を蓄えている。適応符号帳の更新
は、サブフレーム毎に1回行われ、適応符号帳のバッフ
ァを1サブフレーム分シフトした後、新たに生成しされ
た音源信号がバッファの最後にコピーされる。なお、サ
ブフレーム分割器502によって分割された量子化対象
信号のうち、第1サブフレームの符号化処理が先に行わ
れ、第1サブフレームの符号化処理がすべておわった後
に、第2サブフレームの符号化処理が行われ、第2サブ
フレームのピッチP2は、第1サブフレームのピッチP
1を用いて差分量子化される。
【0154】1フレームの処理が終わると、LPC量子
化器507から出力されるLPCデータL、第1の閉ル
ープピッチ探索器512から出力されるピッチP1、第
1の雑音符号帳探索器513から出力される雑音符号ベ
クトルデータS1、第1のゲイン符号帳探索器514か
ら出力されるゲインデータG1、第2の閉ループピッチ
探索器516から出力されるピッチP2、第2の雑音符
号帳探索器517から出力される雑音符号ベクトルデー
タS2、及び第2のゲイン符号帳探索器518から出力
されるゲインデータG2が、符号化されビット列として
伝送路を介して復号器に出力される。
【0155】次に、図6を用いてピッチ候補選択器50
9の詳細について説明する。図6において、正規化自己
相関関数算出器601は、残差信号を入力として、その
正規化自己相関関数を算出し、第1の候補選択器602
に出力する。第1の候補選択器602は、正規化自己相
関関数算出器601から出力された正規化自己相関関数
の中からピッチの探索範囲内において値が大きいものか
ら順に予め定められた数だけ(例えばNCAND個)ピッチ
候補として最大値探索器603及び第2の候補選択器6
05に出力する。
【0156】最大値探索器603は、第1の候補選択器
602から出力された上位NCAND個の正規化自己相関関
数の中から最大値(ピッチ探索範囲内で最大値となる正
規化自己相関関数の値)を閾値算出器604に出力す
る。閾値算出器604は、最大値探索器603から出力
された最大正規化自己相関関数の値に予め定められた閾
値定数Thを乗じて、第2の候補選択器605に出力す
る。第2の候補選択器605は、第1の候補選択器60
2から出力されたNCAND個の候補の中から、閾値算出器
604から出力された閾値を超える正規化自己相関関数
を与えるピッチ候補のみを選択してピッチ候補として出
力する。
【0157】このような本発明の実施の形態に対する従
来のピッチ候補選択器においては、第1の候補選択器6
02から出力されるピッチ候補をそのまま(閉ループピ
ッチ探索器に)出力するのが一般的である。その処理の
フロー図を示したものが図11である。図11におい
て、まず、ST31において、残差信号の正規化自己相
関関数ncor[n](Pmin≦n≦Pmax、Pminはピッチ探索範
囲の下限、Pmaxはピッチ探索範囲の上限)を求め、次い
で、ST32において、ピッチ候補カウンタ(ループカ
ウンタ)iをゼロクリアし、次にST33において、nc
or[n](Pmin≦n≦Pmax)を最大とするnをピッチ候補
Piとして選択し、次にST34において、ncor[Pi]を
最小値MINでクリアしてPiを(i+1)番目のピッチ
候補としてpcand[i]にストアして、ピッチ候補カウンタ
(ループカウンタ)iをインクリメントし、次いで、S
T35において、ピッチ候補カウンタ(ループカウン
タ)iが予め定められている候補数NCANDに達したかど
うかを判定し、NCANDに達していなければST33から
ST35のループ処理を繰り返し、NCANDに達していた
らループ処理を終了してST36の処理に移り、NCAND
個のピッチ候補を出力する。
【0158】しかしながら、このように正規化自己相関
関数が大きくなるものを単に上位NCAND個選択するとい
うような方法であると、それほど正規化自己相関関数が
大きくないものでも下位順位に候補として残る場合があ
る。さらに、このような候補が第1サブフレームに対し
ては相関が高いが、第2サブフレームに対しては相関が
低いという場合がある。この場合、第1サブフレームに
おいて閉ループピッチ探索を行うと、候補選択器602
では(図11で選択されたピッチ候補の中では)順位が
低くても、第1サブフレームにおける閉ループピッチ探
索で、最終的なピッチとして選択される場合がある。こ
のようなピッチは第1サブフレームに特化しているた
め、第2サブフレームのピッチを差分量子化する場合に
は符号化音声品質を大きく劣化させてしまう。
【0159】本発明は、この問題を解決するために複数
のピッチ候補を出力しながらも、第2の候補選択器60
5を備えることにより、1フレーム全体で自己相関を算
出した場合にあまり相関値が高くないような候補を出力
しないようにして、第1サブフレームに特化したピッチ
が第1サブフレームの閉ループピッチ探索時に選ばれる
ことを避けるようにしている。
【0160】図7は図6に示したピッチ候補選択器50
9の処理内容を示すフロー図である。図7において、ま
ず、ST701において、残差信号の正規化自己相関関
数ncor[n],Pmin≦n≦Pmax(Pminはピッチ探索範囲の
下限、Pmaxはピッチ探索範囲の上限)を算出する。次い
で、ST702において、候補数カウンタiを0クリア
する。次に、ST703において、ncor[n]を最大とす
るn(Pmin≦n≦Pmax)を選択してP0とする。次に、
ST704において、ncor[P0]の値をncor_maxに代入し
てからncor[P0]をMIN(最小値)でクリアし、P0を第
1のピッチ候補としてpcand[0]にストアし、候補カウン
タiをインクリメントする。
【0161】次に、ST705において、ST703で
行われた処理と同じ処理を行ってncor[n]を最大とする
n(Pmin≦n≦Pmax)を選択してPiとする。次いで、
ST706において、ncor[Pi]が閾値Th×ncor_max以
上かどうかを判定する。ここで、Thは閾値を設定する
定数である。ST706において、ncor[Pi]が閾値以上
と判定されると、ST707の処理が行われ、ncor[Pi]
はMINでクリアされ、Piが(i+1)番目のピッチ候
補としてpcand[i]にストアされて候補カウンタiがイ
ンクリメントされる。ST707の後、ST708にお
いて、候補カウンタiが予め定められた数(NCAN
D)に達したかどうかが判定され、NCANDに達して
いなければST705の処理に戻り、ST705、ST
706、ST707の候補選択のループ処理を繰り返
す。
【0162】ST708において、ループカウンタiが
NCANDに達していたら、候補選択のループ処理を終
了し、ST709の処理に移行する。また、ST706
において、ncor[Pi]が閾値未満である場合も処理はST
709に移り、候補選択を終了する処理に移行する。S
T709においては、候補カウンタiの値が候補数ncan
にストアされる。最後にST710において、ピッチ候
補pcand[n](0≦n<ncan)とピッチ候補数ncanが出力
される。
【0163】図8は本発明の実施の形態2における復号
化装置を示すブロック図である。以下、図8を参照して
その構成及び動作を説明する。図8において、LPC復
号器801は、符号器側から伝送されたLPCの情報L
からLPCを復号してLPC補間器802に出力する。
LPC補間器802は、LPC復号器801から出力さ
れたLPCを入力して補間処理の後、第1及び第2サブ
フレームの量子化(復号)LPCであるqa1及びqa
2を合成フィルタ810に出力する。
【0164】適応符号ベクトル復号器803は、符号器
側から伝送されてきた第1サブフレーム及び第2サブフ
レームのピッチ情報P1及びP2を入力し、ピッチP
1,P2に基づいて適応符号帳804から適応符号ベク
トルを取り出して音源生成器809に出力する。
【0165】適応符号帳804は、音源生成器809か
ら出力された音源ベクトルをサブフレーム毎に更新しな
がらバッファリングし、適応符号ベクトル復号器に出力
する。雑音符号ベクトル復号器805は、符号器側から
伝送されてきた第1及び第2サブフレームの雑音符号帳
情報S1,S2を入力し、S1,S2に対応する雑音符
号ベクトルを雑音符号帳から取り出して音源生成器80
9に出力する。雑音符号帳806は、符号器側の符号帳
と同一の内容を格納しており、雑音符号ベクトルを雑音
符号ベクトル復号器805に出力する。
【0166】ゲイン復号器807は、符号器側から伝送
されてきた第1及び第2サブフレームのゲイン情報G
1,G2を入力し、G1,G2に対応するゲインをゲイ
ン符号帳808から取り出して量子化ゲインを復号し、
音源生成器809に出力する。ゲイン符号帳808は、
符号器のものと同一の内容を格納しており、量子化ゲイ
ンをゲイン符号器807に出力する。音源生成器809
は、適応符号ベクトル、雑音符号ベクトル、及び復号ゲ
インをそれぞれ適応符号ベクトル復号器803、雑音符
号ベクトル復号器805、及びゲイン復号器807から
それぞれ入力し、生成した音源ベクトルを合成フィルタ
810及び適応符号帳804に出力する。
【0167】合成フィルタ810は、LPC補間器80
2から出力されたqa1,qa2を用いて合成フィルタ
を構築し、音源生成器809から出力された音源ベクト
ルをフィルタ入力としてフィルタ処理を行い、サブフレ
ームバッファ811に復号音声信号を出力する。サブフ
レームバッファ811は、合成フィルタ810から出力
された復号音声信号を1サブフレーム分蓄積し、フレー
ムバッファ812に出力する。フレームバッファ812
は、サブフレームバッファ811から出力された1サブ
フレーム分の復号音声信号を入力とし、1フレーム(2
サブフレーム)分だけ蓄積し、出力する。
【0168】上記構成を有する復号器について、以下に
その動作を図8を参照しながら説明する。符号器側から
伝送されてきたLPC情報Lは、LPC復号器801に
よって復号される。復号LPCは、LPC補間器802
によって符号器側と同様に補間処理が行われ、第1サブ
フレームの量子化LPCであるqa1及び第2サブフレ
ームの量子化LPCであるqa2とを得る。補間処理は
直前のフレームにおいて復号したqa2及び現フレーム
において復号したqa2のLSP領域における直線補間
によってqa1を求める処理である。なお、qa2は伝
送されてきたLPC情報Lから復号されたLPCをその
まま用いる。qa1は第1サブフレームの合成フィルタ
を構成するのに用いられ、qa2は第2サブフレームの
合成フィルタを構成するのに用いられる。
【0169】符号器側から伝送されてきた第1及び第2
サブフレームのピッチ情報P1,P2は適応符号ベクト
ル復号器803に入力される。ここで、P2はP1を用
いて差分量子化されているので、実際に第2サブフレー
ムで用いられるピッチは“P1+P2“によって求めら
れる。
【0170】まず、P1を用いて第1サブフレームの適
応符号ベクトルが適応符号帳804から切り出されて復
号適応符号ベクトルとして音源生成器809に出力され
る。符号器側から伝送されてきた第1及び第2サブフレ
ームの雑音符号情報第S1,S2は、雑音符号ベクトル
復号器に入力され、まず、S1を用いて第1サブフレー
ムの雑音符号ベクトルが雑音符号帳806から取り出さ
れて音源生成器809に出力される。
【0171】符号器側から伝送されてきたゲイン情報G
1,G2は、ゲイン復号器807に入力され、まず、G
1を用いて第1サブフレームのゲインがゲイン符号帳8
08から取り出され適応符号ゲイン及び雑音符号ゲイン
が復号されて音源生成器809に出力される。音源生成
器809は、適応符号ベクトル復号器803から出力さ
れた適応符号ベクトルにゲイン復号器807から出力さ
れた適応符号ゲインとを乗算したベクトルと、雑音符号
ベクトル復号器805から出力された雑音符号ベクトル
とゲイン復号器807から出力された雑音符号ゲインと
を乗算したベクトルとの加算を行い、合成フィルタに出
力する。
【0172】合成フィルタに出力された復号音源ベクト
ルは、同時に適応符号帳804にも出力され、次のサブ
フレームで用いる適応符号帳の一部となる。合成フィル
タ810は、音源生成器809から出力された復号音源
ベクトルを入力としてqa1を用いて構成した合成フィ
ルタを用いて第1サブフレームの復号音声を合成し、サ
ブフレームバッファ811に出力する。サブフレームバ
ッファ811の内容は、フレームバッファ812の前半
にコピーされる。次に、第2サブフレームのピッチ情報
P2(とP1)、雑音符号情報S2、ゲイン情報G2、
及び復号LPCであるqa2を用いて同様の音声復号処
理が行われ、第2サブフレームの復号音声信号がサブフ
レームバッファ811に出力され、フレームバッファ8
12の後半にコピーされる。最後に、フレームバッファ
812にバッファリングされた2サブフレーム(1フレ
ーム)分の復号音声信号が復号器から出力されて、1フ
レームの音声信号の復号処理が終わる。
【0173】なお、本実施の形態においては、ピッチ候
補選択器509においてピッチ候補の選択を行う際の入
力信号を残差信号としているが、実施の形態1における
ピッチ候補選択器109に示したように、重み付け入力
音声信号で行うこともできる。
【0174】このように上記実施の形態によれば、差分
量子化されるサブフレームを含めた入力データからピッ
チ候補を求める際に、一つ以上の候補を残すことによっ
てより精度の良いピッチ探索を実現し、かつ、複数個の
候補を残しすぎることによって差分量子化しないサブフ
レームに特化したピッチが選択される危険性を回避する
ことができる音声符号化装置及び音声符号化復号化装置
を実現することができる。
【0175】(実施の形態3)図9は本発明の実施の形
態1,2のいずれかの音声符号化装置又は音声復号化装
置を備えた音声信号送信機及び受信機を示すブロック図
である。図9において、音声信号入力装置901は、マ
イク等の音声信号を電気的信号に変換してA/D変換器
902に出力する。A/D変換器902は、音声信号入
力装置から出力されたアナログ音声信号をディジタル信
号に変換して音声符号化器903に出力する。
【0176】音声符号化器903は、本発明の実施の形
態1,2の音声符号化装置によって音声符号化を行って
RF変調器904に出力する。RF変調器904は、音
声符号化器903によって符号化された音声情報を電波
等の伝播媒体に載せて送出するための信号に変換し、送
信アンテナ905に出力する。送信アンテナ905は、
RF変調器904から出力された送出信号を電波(RF
信号)として送出する。なお、図中906は送信アンテ
ナ905から送出された電波(RF信号)を示す。
【0177】また、受信アンテナ907は、電波(RF
信号)906を受信してRF変調器908に出力する。
RF復調器908は、受信アンテナ907から入力した
受信信号を符号化された音声信号に変換して音声復号化
器909へ出力する。音声復号化器909は、RF復調
器から出力された符号化された音声信号を入力として本
発明の実施の形態1,2に示す音声復号化装置によって
復号処理を行い、復号音声信号をD/A変換器910に
出力する。D/A変換器910は、音声復号化器909
から復号音声信号を入力してアナログ音声信号に変換
し、音声出力装置911に出力する。スピーカ等の音声
出力装置911は、D/A変換器からアナログ音声信号
を入力して音声を出力する。
【0178】上記構成を有する音声信号送信機及び受信
機について、図9を参照して説明する。まず、音声が音
声入力装置901によって電気的アナログ信号に変換さ
れ、A/D変換器902に出力される。続いて前記アナ
ログ音声信号がA/D変換器902によってディジタル
音声信号に変換され、音声符号化器903に出力され
る。続いて、音声符号化器903は音声符号化処理を行
い、符号化した情報をRF変調器904に出力する。続
いて、RF変調器は符号化された音声信号の情報を変調
・増幅・符号拡散等の電波として送出するための操作を
行い、送信アンテナ905に出力する。最後に、送信ア
ンテナ905から電波(RF信号)906が送出され
る。
【0179】一方、受信機においては、電波(RF信
号)906を受信アンテナ907で受信し、受信信号は
RF復調器908に送られる。RF復調器908は、符
号逆拡散・復調等電波信号を符号化情報に変換するため
の処理を行い、符号化情報を音声復号化器909に出力
する。音声復号化器909は、符号化情報の復号処理を
行ってディジタル復号音声信号をD/A変換器910へ
出力する。D/A変換器910は、音声復号化器909
から出力されたディジタル復号音声信号をアナログ復号
音声信号に変換して音声出力装置911に出力する。最
後に音声出力装置911が電気的アナログ復号音声信号
を復号音声に変換して出力する。
【0180】上記送信機及び受信機は、携帯電話等の移
動通信機器の移動機または基地局装置に利用することが
可能である。なお、情報を伝送する媒体は本実施の形態
に示したような電波に限らず、光信号などを利用するこ
とも可能であり、さらには有線の伝送路を使用すること
も可能である。
【0181】なお、上記実施の形態1及び2に示す音声
符号化装置又は音声復号化装置、並びに上記実施の形態
3に示す送信装置及び受信装置は、磁気ディスク、光磁
気ディスク、ROMカートリッジ等の記録媒体にソフト
ウェアとして記録して実現することも可能であり、その
記録媒体を使用することにより、このような記録媒体を
使用するパーソナルコンピュータ等により音声符号化装
置/復号化装置及び送信装置/受信装置を実現するとが
できる。
【0182】本発明の音声符号化装置及び音声復号化装
置は、ディジタル無線通信システムにおける基地局装置
及び通信端末装置の送信装置や受信装置に適用すること
ができる。
【0183】
【発明の効果】以上説明したように本発明の音声符号化
装置は、入力信号の周期性とピッチ情報を差分量子化す
る複数のサブフレームのピッチを代表でき、かつ適応符
号帳のピッチラグとしても適切なピッチを抽出できる。
本発明においては、複数のピッチ候補を予備選択してか
らサブフレーム毎にピッチの本選択を行う構成におい
て、複数のピッチ候補を予備選択する際に閾値処理によ
って予備選択候補数に制限を加えることにより、ピッチ
周期をサブフレーム間で差分量子化する場合に、音声品
質の劣化を抑えることが可能である。
【0184】また、本発明によれば、上記音声符号化装
置又は音声復号化装置を音声符号化器又は音声復号化器
として備えることにより、より高品質な音声品質を提供
できる送信装置又は受信装置を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1に係る音声符号化装置の
構成を示すブロック図
【図2】上記実施の形態におけるピッチ候補選択器の構
成を示すブロック図
【図3】上記実施の形態におけるピッチ候補選択器の処
理の流れを示すフロー図
【図4】上記実施の形態における音声復号化装置の構成
を示すブロック図
【図5】本発明の実施の形態2に係る音声符号化装置の
構成を示すブロック図
【図6】上記実施の形態におけるピッチ候補選択器の構
成を示すブロック図
【図7】上記実施の形態におけるピッチ候補選択器の処
理の流れを示すフロー図
【図8】上記実施の形態における音声復号化装置の構成
を示すブロック図
【図9】本発明の音声符号化装置を備えた送信装置及び
受信装置の構成を示すブロック図
【図10】従来の音声符号化装置の構成を示すブロック
【図11】従来のピッチ候補選択器の処理の流れを示す
フロー図
【符号の説明】
109 ピッチ候補選択器 201 正規化自己相関関数算出器 202 レンジ分割器 203 第1の最大値探索器 204 第2の最大値探索器 205 第3の最大値探索器 206 第4の最大値探索器 207 候補選択器 208 閾値算出器

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 音声のスペクトル特性を表すパラメータ
    を符号化するパラメータ符号化手段と、過去に生成した
    駆動音源ベクトルを格納した適応符号帳を用いて駆動音
    源の周期性を符号化する周期性符号化手段と、予め定め
    られた駆動音源ベクトルを格納する雑音符号帳を用いて
    前記適応符号帳では表すことが不可能である駆動音源成
    分を符号化する音源成分符号化手段と、を具備し、 前記周期性符号化手段は、単位フレームを分割して得ら
    れるサブフレームのうち、適応符号帳のピッチが差分量
    子化されていないサブフレームにおける適応符号帳のピ
    ッチの予備選択を行い、少なくとも1つのピッチ候補を
    適応的に選択するピッチ候補選択手段を備えることを特
    徴とするCELP型音声符号化装置。
  2. 【請求項2】 前記ピッチ候補選択手段は、過去の重み
    付け入力音声信号及び新しい重み付け入力音声信号を用
    いて正規化自己相関関数を求める自己相関関数算出手段
    と、適応符号帳のピッチに応じて前記自己相関関数を複
    数のレンジに分類する分類手段と、それぞれのレンジに
    おける自己相関関数の最大値及びその自己相関関数に対
    応するピッチを探索する複数の探索手段と、前記複数の
    探索手段で探索された自己相関関数から所定の閾値を求
    める閾値算出手段と、前記複数の探索手段で探索された
    自己相関関数のうち前記閾値を超える自己相関関数に対
    応するピッチを選択する選択手段と、を具備することを
    特徴とする請求項1記載のCELP型音声符号化装置。
  3. 【請求項3】 音声信号を電気的信号に変換する音声入
    力装置と、前記音声入力信号装置から出力される信号に
    符号化処理を行う請求項1又は請求項2記載のCELP
    型音声符号化装置と、このCELP型音声符号化装置器
    から出力される符号化信号を送信する送信装置と、を具
    備することを特徴とする音声信号送信装置。
  4. 【請求項4】 音声のスペクトル特性を表すパラメータ
    の符号化情報を復号化する手段と、過去に生成した駆動
    音源ベクトルを格納した適応符号帳を用いて適応符号ベ
    クトルを復号化する手段と、予め定められた駆動音源ベ
    クトルを格納する雑音符号帳を用いて雑音符号ベクトル
    を復号化する手段と、適応符号帳成分と雑音符号帳成分
    の振幅を復号化する手段と、を備えるCELP型音声復
    号化装置と、請求項1又は請求項2記載のCELP型音
    声符号化装置と、を具備することを特徴とする音声符号
    化復号化装置。
  5. 【請求項5】 請求項4記載の音声符号化復号化装置
    と、音声信号を電気的信号に変換する音声入力装置と、
    CELP型音声符号化装置器から出力される符号化信号
    を送信する送信装置と、復号化処理された信号を音声信
    号に変換して出力する音声出力装置と、具備することを
    特徴とする音声信号送受信装置。
  6. 【請求項6】 請求項5記載の音声信号送受信装置を備
    えたことを特徴とする基地局装置。
  7. 【請求項7】 請求項5記載の音声信号送受信装置を備
    えたことを特徴とする通信端末装置。
  8. 【請求項8】 音声のスペクトル特性を表すパラメータ
    を符号化するパラメータ符号化工程と、過去に生成した
    駆動音源ベクトルを格納した適応符号帳を用いて駆動音
    源の周期性を符号化する周期性符号化工程と、予め定め
    られた駆動音源ベクトルを格納する雑音符号帳を用いて
    前記適応符号帳では表すことが不可能である駆動音源成
    分を符号化する音源成分符号化工程と、を具備し、 前記周期性符号化工程は、単位フレームを分割して得ら
    れるサブフレームのうち、適応符号帳のピッチが差分量
    子化されていないサブフレームにおける適応符号帳のピ
    ッチの予備選択を行い、少なくとも1つのピッチ候補を
    適応的に選択するピッチ候補選択工程を含むことを特徴
    とするCELP型音声符号化方法。
  9. 【請求項9】 前記ピッチ候補選択工程は、過去の重み
    付け入力音声信号及び新しい重み付け入力音声信号を用
    いて正規化自己相関関数を求める工程と、適応符号帳の
    ピッチに応じて前記自己相関関数を複数のレンジに分類
    する工程と、それぞれのレンジにおける自己相関関数の
    最大値及びその自己相関関数に対応するピッチを探索す
    る工程と、探索された自己相関関数から所定の閾値を求
    める工程と、探索された自己相関関数のうち前記閾値を
    超える自己相関関数に対応するピッチを選択する工程
    と、を具備することを特徴とする請求項8記載のCEL
    P型音声符号化方法。
  10. 【請求項10】 コンピュータに、過去の重み付け入力
    音声信号及び新しい重み付け入力音声信号を用いて正規
    化自己相関関数を求める手順と、適応符号帳のピッチに
    応じて前記自己相関関数を複数のレンジに分類する手順
    と、それぞれのレンジにおける自己相関関数の最大値及
    びその自己相関関数に対応するピッチを探索する手順
    と、前記探索された自己相関関数から所定の閾値を求め
    る手順と、前記探索された自己相関関数のうち前記閾値
    を超える自己相関関数に対応するピッチを選択する手順
    と、を実現させるためのプログラムを記録した機械読み
    取り可能な記録媒体。
JP30574098A 1998-10-27 1998-10-27 Celp型音声符号化装置 Expired - Fee Related JP3343082B2 (ja)

Priority Applications (8)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP30574098A JP3343082B2 (ja) 1998-10-27 1998-10-27 Celp型音声符号化装置
AT99949404T ATE456127T1 (de) 1998-10-27 1999-10-26 Celp sprachkodierer
US09/582,039 US6804639B1 (en) 1998-10-27 1999-10-26 Celp voice encoder
EP99949404A EP1041541B1 (en) 1998-10-27 1999-10-26 Celp voice encoder
AU62301/99A AU6230199A (en) 1998-10-27 1999-10-26 Celp voice encoder
PCT/JP1999/005885 WO2000025302A1 (fr) 1998-10-27 1999-10-26 Codeur vocal plec
CNB998018465A CN1139912C (zh) 1998-10-27 1999-10-26 码激励线性预测编码型语音编码装置
DE69941947T DE69941947D1 (de) 1998-10-27 1999-10-26 Celp sprachkodierer

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP30574098A JP3343082B2 (ja) 1998-10-27 1998-10-27 Celp型音声符号化装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2000132197A true JP2000132197A (ja) 2000-05-12
JP3343082B2 JP3343082B2 (ja) 2002-11-11

Family

ID=17948780

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP30574098A Expired - Fee Related JP3343082B2 (ja) 1998-10-27 1998-10-27 Celp型音声符号化装置

Country Status (8)

Country Link
US (1) US6804639B1 (ja)
EP (1) EP1041541B1 (ja)
JP (1) JP3343082B2 (ja)
CN (1) CN1139912C (ja)
AT (1) ATE456127T1 (ja)
AU (1) AU6230199A (ja)
DE (1) DE69941947D1 (ja)
WO (1) WO2000025302A1 (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2006001218A1 (ja) * 2004-06-25 2006-01-05 Matsushita Electric Industrial Co., Ltd. 音声符号化装置、音声復号化装置、およびこれらの方法
JP2010181890A (ja) * 1998-08-24 2010-08-19 Mindspeed Technologies Inc 音声符号化用開ループピッチ処理

Families Citing this family (14)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6782360B1 (en) * 1999-09-22 2004-08-24 Mindspeed Technologies, Inc. Gain quantization for a CELP speech coder
KR100463417B1 (ko) * 2002-10-10 2004-12-23 한국전자통신연구원 상관함수의 최대값과 그의 후보값의 비를 이용한 피치검출 방법 및 그 장치
TWI225637B (en) * 2003-06-09 2004-12-21 Ali Corp Method for calculation a pitch period estimation of speech signals with variable step size
EP1513137A1 (en) * 2003-08-22 2005-03-09 MicronasNIT LCC, Novi Sad Institute of Information Technologies Speech processing system and method with multi-pulse excitation
DE102005000828A1 (de) * 2005-01-05 2006-07-13 Siemens Ag Verfahren zum Codieren eines analogen Signals
WO2006096099A1 (en) * 2005-03-09 2006-09-14 Telefonaktiebolaget Lm Ericsson (Publ) Low-complexity code excited linear prediction encoding
CN101395661B (zh) * 2006-03-07 2013-02-06 艾利森电话股份有限公司 音频编码和解码的方法和设备
US7752038B2 (en) * 2006-10-13 2010-07-06 Nokia Corporation Pitch lag estimation
WO2008072736A1 (ja) * 2006-12-15 2008-06-19 Panasonic Corporation 適応音源ベクトル量子化装置および適応音源ベクトル量子化方法
CA2972808C (en) 2008-07-10 2018-12-18 Voiceage Corporation Multi-reference lpc filter quantization and inverse quantization device and method
US9123328B2 (en) * 2012-09-26 2015-09-01 Google Technology Holdings LLC Apparatus and method for audio frame loss recovery
CN103137135B (zh) * 2013-01-22 2015-05-06 深圳广晟信源技术有限公司 Lpc系数量化方法和装置及多编码核音频编码方法和设备
US10878831B2 (en) * 2017-01-12 2020-12-29 Qualcomm Incorporated Characteristic-based speech codebook selection
CN112151045B (zh) * 2019-06-29 2024-06-04 华为技术有限公司 一种立体声编码方法、立体声解码方法和装置

Family Cites Families (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US4696038A (en) * 1983-04-13 1987-09-22 Texas Instruments Incorporated Voice messaging system with unified pitch and voice tracking
DE69232202T2 (de) * 1991-06-11 2002-07-25 Qualcomm, Inc. Vocoder mit veraendlicher bitrate
JP2800599B2 (ja) * 1992-10-15 1998-09-21 日本電気株式会社 基本周期符号化装置
JP2658816B2 (ja) 1993-08-26 1997-09-30 日本電気株式会社 音声のピッチ符号化装置
JPH0830299A (ja) 1994-07-19 1996-02-02 Nec Corp 音声符号化装置
US5664055A (en) * 1995-06-07 1997-09-02 Lucent Technologies Inc. CS-ACELP speech compression system with adaptive pitch prediction filter gain based on a measure of periodicity
US5778335A (en) * 1996-02-26 1998-07-07 The Regents Of The University Of California Method and apparatus for efficient multiband celp wideband speech and music coding and decoding
EP1071081B1 (en) * 1996-11-07 2002-05-08 Matsushita Electric Industrial Co., Ltd. Vector quantization codebook generation method
US6493665B1 (en) * 1998-08-24 2002-12-10 Conexant Systems, Inc. Speech classification and parameter weighting used in codebook search
US6188980B1 (en) * 1998-08-24 2001-02-13 Conexant Systems, Inc. Synchronized encoder-decoder frame concealment using speech coding parameters including line spectral frequencies and filter coefficients

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010181890A (ja) * 1998-08-24 2010-08-19 Mindspeed Technologies Inc 音声符号化用開ループピッチ処理
WO2006001218A1 (ja) * 2004-06-25 2006-01-05 Matsushita Electric Industrial Co., Ltd. 音声符号化装置、音声復号化装置、およびこれらの方法
JP2006011091A (ja) * 2004-06-25 2006-01-12 Matsushita Electric Ind Co Ltd 音声符号化装置、音声復号化装置、およびこれらの方法
US7840402B2 (en) 2004-06-25 2010-11-23 Panasonic Corporation Audio encoding device, audio decoding device, and method thereof

Also Published As

Publication number Publication date
DE69941947D1 (de) 2010-03-11
CN1287658A (zh) 2001-03-14
ATE456127T1 (de) 2010-02-15
AU6230199A (en) 2000-05-15
EP1041541A4 (en) 2005-07-20
EP1041541A1 (en) 2000-10-04
US6804639B1 (en) 2004-10-12
CN1139912C (zh) 2004-02-25
EP1041541B1 (en) 2010-01-20
WO2000025302A1 (fr) 2000-05-04
JP3343082B2 (ja) 2002-11-11

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4005359B2 (ja) 音声符号化及び音声復号化装置
JP3346765B2 (ja) 音声復号化方法及び音声復号化装置
JP3343082B2 (ja) Celp型音声符号化装置
WO2001052241A1 (en) Multi-mode voice encoding device and decoding device
US9972325B2 (en) System and method for mixed codebook excitation for speech coding
JPH08272395A (ja) 音声符号化装置
JP3746067B2 (ja) 音声復号化方法及び音声復号化装置
JPH09160596A (ja) 音声符号化装置
JPH0771045B2 (ja) 音声符号化方法、音声復号方法、およびこれらを使用した通信方法
JP3199142B2 (ja) 音声の励振信号符号化方法および装置
JP2003044099A (ja) ピッチ周期探索範囲設定装置及びピッチ周期探索装置
JP3579276B2 (ja) 音声符号化/復号化方法
JPH1063300A (ja) 音声復号化装置及び音声符号化装置
JP3490325B2 (ja) 音声信号符号化方法、復号方法およびその符号化器、復号器
JP4295372B2 (ja) 音声符号化装置
KR100341398B1 (ko) 씨이엘피형 보코더의 코드북 검색 방법
JP3299099B2 (ja) 音声符号化装置
JPH08234795A (ja) 音声符号化装置
JP2002073097A (ja) Celp型音声符号化装置とcelp型音声復号化装置及び音声符号化方法と音声復号化方法
JPH0519796A (ja) 音声の励振信号符号化・復号化方法
JP3292227B2 (ja) 符号励振線形予測音声符号化方法及びその復号化方法
JP3954716B2 (ja) 音源信号符号化装置、音源信号復号化装置及びそれらの方法、並びに記録媒体
JP3984048B2 (ja) 音声/音響信号の符号化方法及び電子装置
JP3099836B2 (ja) 音声の励振周期符号化方法
JP2003015699A (ja) 固定音源符号帳並びにそれを用いた音声符号化装置及び音声復号化装置

Legal Events

Date Code Title Description
FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20070823

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080823

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080823

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090823

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090823

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100823

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110823

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110823

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120823

Year of fee payment: 10

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130823

Year of fee payment: 11

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313113

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313113

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees