JP2000127146A - コンクリート切断装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】一定幅のコンクリート面を切断除去して凹溝を
形成するためのコンクリート切断装置に関し、同時に２
本の切り目を切断でき、特にトンネルの天井面や建造物
の側壁などに凹溝を形成するのに適するコンクリート切
断装置を実現する。 【解決手段】２枚の円板状の回転カッターを平行に設
け、それぞれ同時に回転可能に駆動源に連結してなり、
前記の２枚の回転カッターで切断された領域に衝撃を加
えるための削岩ハンマーを、前記の２枚の回転カッター
を保持している本体に設けてなる構造をしている。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、コンクリート面を切断
する装置に関する。さらに詳しくは、一定幅のコンクリ
ート面を切断除去して凹溝を形成するためのコンクリー
ト切断装置に関する。

【０００２】

【従来の技術と発明が解決しようとする課題】道路など
のコンクリート面を剥離して凹溝を形成する場合は、回
転カッターで２回に渡って一定間隔に切り目を入れた
後、両切り目の間を削岩ハンマーで割って取り除くこと
が行なわれている。

【０００３】また、トンネルの補修工事を行なう場合に
も、同様な凹溝を一定間隔に多数形成し、湧き水を該凹
溝に集めて排水することが行なわれている。この場合
も、回転カッターを手に持って手動で天井面や側壁に切
り目を１本ずつ切断しているため、作業性が悪く、危険
でもある。

【０００４】本発明の技術的課題は、このような問題に
着目し、同時に２本の切り目を切断でき、特にトンネル
の天井面や建造物の側壁などに凹溝を形成するのに適す
るコンクリート切断装置を実現することにある。

【０００５】

【課題を解決するための手段】本発明の技術的課題は次
のような手段によって解決される。請求項１は、２枚の
円板状の回転カッターを平行に設け、それぞれ同時に回
転可能に駆動源に連結してなるコンクリート切断装置で
ある。

【０００６】このように、２枚の円板状の回転カッター
を平行に設け、同時に回転駆動される構造なため、コン
クリート面に一度に２本の切り目を切断でき、作業効率
が向上する。

【０００７】請求項２は、請求項１記載の２枚の回転カ
ッターで切断された領域に衝撃を加えるための削岩ハン
マーを、前記の２枚の回転カッターを保持している本体
に設けてなるコンクリート切断装置である。

【０００８】このように、２枚の回転カッターで切断さ
れた領域に衝撃を加えるための削岩ハンマーを備えてい
るので、２本の切り目を切断した直後にコンクリート面
を破砕して剥離でき、凹溝の形成が効率的に行なえる。

【０００９】請求項３は、請求項１または請求項２に記
載の本体に、前記の回転カッターによる切り込み深さを
制限するストッパー手段を設けてなるコンクリート切断
装置である。

【００１０】このように、ストッパー手段によって、回
転カッターによる切り込み深さを制限できるので、人間
が勘で切り込み深さを決める場合に比べて、自動的にか
つ一定の深さまで切断できる。

【００１１】請求項４は、請求項１、請求項２または請
求項３に記載の本体が被切断面側に弾圧されるように、
弾圧手段を設けてあるコンクリート切断装置である。

【００１２】このように、２枚の回転カッターを保持し
ている本体が、弾圧手段によって被切断面側に弾圧され
る構造になっているため、従来のように回転カッターを
手動で押しつける必要がなく、自動化が可能となり、作
業性が向上する。また、安全でもある。

【００１３】請求項５は、請求項１から請求項４中のい
ずれかの項に記載の本体を上下揺動させる上下揺動アー
ムが、高所作業車のブームを利用して支持されているコ
ンクリート切断装置である。

【００１４】このように、２枚の回転カッターの本体を
上下揺動させる上下揺動アームが、高所作業車のブーム
を利用して支持されているため、ブームを操作すること
によって、トンネルの天井などの被切断面に回転カッタ
ーをセットするだけでよく、あとは上下揺動アームが回
転下降することによって、回転カッターが自動的に被切
断面に沿って下降しながら切断が行なわれる。

【００１５】

【発明の実施の形態】次に本発明によるコンクリート切
断装置が実際上どのように具体化されるか実施形態を説
明する。図１は本発明によるコンクリート切断装置の全
容を示す斜視図である。１は高所作業車のブームであ
り、その先端に固定されている鉛直軸２でマウント３が
支持されている。

【００１６】そして、マウント３にバケット４が取り付
けられており、またマウント３の円筒部にアーム軸５が
挿入されている。アーム軸５の上端のブラケット６に水
平軸７で上下揺動アーム８が支持され、上下揺動アーム
８の先端の水平軸９で退避アーム１０のブラケット１１
が連結されている。

【００１７】前記のブラケット６と上下揺動アーム８と
の間に油圧シリンダー１２も取り付けて、油圧が上下揺
動アーム８を押上げ、油圧を解除すると、回動下降する
構造になっている。

【００１８】退避アーム１０の先端には、水平軸１３を
介して、コンクリートカッターのカッターユニットＵの
本体１４を取り付けてある。カッターユニットＵは、図
２に示すように、前記本体に左右一対のサイドフレーム
１５ａ、１５ｂが固定されており、片方のサイドフレー
ム１５ａに固定されたアームＡの先端に円板状の回転カ
ッターＣ１が支持されており、他方のサイドフレーム１
５ｂに固定されたアーム（Ａ）の先端に円板状の回転カ
ッターＣ１が支持されている。

【００１９】したがって、２枚の回転カッターＣ１、Ｃ
２は互いに平行となる。そして、両サイドフレーム１５
ａ、１５ｂ間において、根元側に２個のプーリＰ１、Ｐ
２が軸支され、プーリ軸は、本体に支持されているモー
タＭの軸と連結されている。

【００２０】片方の回転カッターＣ１の軸に固定されて
いるプーリと前記のプーリＰ１との間が、ベルトＶ１で
連結され、他方の回転カッターＣ２の軸に固定されてい
るプーリと前記のプーリＰ２との間が、ベルトＶ２で連
結されている。したがって、モータＭによって、両方の
回転カッターＣ１、Ｃ２が同時に回転駆動され、一度に
平行な２本の切り目をコンクリート面に切断できる。

【００２１】なお、モータ側プーリＰ１、Ｐ２と回転カ
ッター軸のプーリとの間は、図１に例示するように３段
のベルトＶ１１、Ｖ１２、Ｖ１２で、あるいは２段のベ
ルトで連結してもよい。

【００２２】前記の退避アーム１０のブラケット１１に
は、軸１６によって操作レバー１７と揺動レバー１８が
支持されており、揺動レバー１８の先端に、取り付けア
ーム１９を介して、削岩機２０が固定されている。２１
は削岩機先端の削岩ハンマーである。

【００２３】なお、揺動レバー１８に対して取り付けア
ーム１９を矢印ａ１方向に移動させて位置調節でき、ま
た間に緩衝ゴム２２を挟んである。

【００２４】前記の削岩ハンマー２１は、２枚の回転カ
ッターＣ１、Ｃ２で切断された条の間の位置を打撃でき
る位置に配置されている。

【００２５】前記の一対のサイドフレーム１５ａ、１５
ｂから突出したブラケットに回動軸２３が支持され、該
回動軸２３に車輪２４、２５が支持されている。また、
車輪２４、２５間の位置で軸２３が挿通されている筒体
２６にΩ字状のリング２７が支持されており、このリン
グ２７の先端に、車輪２８、２９が取り付けられてい
る。

【００２６】そして、リング２７の先端に支持されてい
るナット状の支持筒３０に、サイドフレーム１５ａ、１
５ｂの上側の本体１４に支持された調整ボルト３１が挿
通されている。そして、ナット３２と蝶ナット３３との
間に前記支持筒３０を挟むことで、各車輪２４、２５、
２８、２９の突出量を変化させることによって、回転カ
ッターＣ１、Ｃ２の被切断コンクリートへの切り込み量
を調節できる。したがって、各車輪２４、２５、２８、
２９によって、回転カッターによる切り込み深さを制限
するストッパーの役目をする。

【００２７】図３は、この装置を使用して、トンネルの
天井壁から側壁にわたって凹溝を形成する状態を示す側
面図である。前記の油圧シリンダー１２のピストンロッ
ドを延ばしてカッターユニットＵを上昇させ、２枚の回
転カッターＣ１、Ｃ２を位置決めした状態で、該油圧シ
リンダー１２の油圧を解除すると、カッターユニットＵ
は自重で徐々に下降する。

【００２８】同時に、モータＭによって回転カッターＣ
１、Ｃ２が回転駆動されるため、同時に間隔をおいて２
箇所が条状に切断される。なお、冷却水の給水ノズルは
省かれている。

【００２９】また、コンクリート面が間隔をおいて切断
された後、削岩ハンマー２１が作動して、コンクリート
面を破砕するため、凹部が形成される。なお、削岩機２
０の操作は、手動で操作レバー１７６を矢印ａ２方向に
移動させることで行なわれる。

【００３０】図３において、鎖線で示す位置までカッタ
ーユニットＵが自重で徐々に下降することによって切断
が行なわれる。このとき、カッターユニットＵが自重で
回転カッターＣ１、Ｃ２が被切断面に押しつけられる
が、ストラット３４や圧縮スプリングを用いると、より
確実に押しつけることができる。

【００３１】なお、鎖線で示すように、回転カッターＣ
１、Ｃ２が下端まで下降すると、高所作業車を次の位置
に移動させて、ブーム１を上昇させ、回転カッターＣ
１、Ｃ２を上側の所定位置に位置決めし、再度カッター
ユニットＵを下降させながら切断を行なう。

【００３２】

【発明の効果】請求項１によると、２枚の円板状の回転
カッターを平行に設け、同時に回転駆動される構造なた
め、コンクリート面に一度に２本の切り目を切断でき、
作業効率が向上する。

【００３３】請求項２によると、２枚の回転カッターで
切断された領域に衝撃を加えるための削岩ハンマーを備
えているので、２本の切り目を切断した直後にコンクリ
ート面を破砕して剥離でき、凹溝の形成が効率的に行な
える。

【００３４】請求項３によると、ストッパー手段によっ
て、回転カッターによる切り込み深さを制限できるの
で、人間が勘で切り込み深さを決める場合に比べて、自
動的にかつ一定の深さまで切断できる。

【００３５】請求項４によると、２枚の回転カッターを
保持している本体が、弾圧手段によって被切断面側に弾
圧される構造になっているため、従来のように回転カッ
ターを手動で押しつける必要がなく、自動化が可能とな
り、作業性が向上する。また、安全でもある。

【００３６】請求項５によると、２枚の回転カッターの
本体を上下揺動させる上下揺動アームが、高所作業車の
ブームを利用して支持されているため、ブームを操作す
ることによって、トンネルの天井などの被切断面に回転
カッターをセットするだけでよく、あとは上下揺動アー
ムが回転下降することによって、回転カッターが自動的
に被切断面に沿って下降しながら切断が行なわれる。

【図面の簡単な説明】

【図１】 本発明によるコンクリート切断装置の全容を
示す斜視図である。

【図２】 コンクリートカッターユニット部を示す斜視
図である。

【図３】 本発明装置を使用して、トンネルの天井壁か
ら側壁にわたって凹溝を形成する状態を示す側面図であ
る。

【符号の説明】

１ 高所作業車のブーム ３ マウント ４ バケット ８ 上下揺動アーム １０ 退避アーム Ｃ１、Ｃ２ 回転カッター ２０ 削岩機 ２１ 削岩ハンマー ２４、２５、２８、２９ ストッパー用の車輪

Claims (5)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 ２枚の円板状の回転カッターを平行に設
   け、それぞれ同時に回転可能に駆動源に連結してなるこ
   とを特徴とするコンクリート切断装置。
2. 【請求項２】 前記の２枚の回転カッターで切断された
   領域に衝撃を加えるための削岩ハンマーを、前記の２枚
   の回転カッターを保持している本体に設けてなることを
   特徴とする請求項１記載のコンクリート切断装置。
3. 【請求項３】 前記の本体に、前記の回転カッターによ
   る切り込み深さを制限するストッパー手段を設けてなる
   ことを特徴とする請求項１または請求項２に記載のコン
   クリート切断装置。
4. 【請求項４】 前記の本体が被切断面側に弾圧されるよ
   うに、弾圧手段を設けてあることを特徴とする請求項
   １、請求項２または請求項２に記載のコンクリート切断
   装置。
5. 【請求項５】 前記の本体を上下揺動アームさせる上下
   揺動アームを、高所作業車のブームを利用して支持して
   なることを特徴とする請求項１から請求項４中のいずれ
   かの項に記載のコンクリート切断装置。