JP2000121830A - 光制御素子、その製造装置、及びその製造方法 - Google Patents

光制御素子、その製造装置、及びその製造方法

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JP2000121830A
JP2000121830A JP10292080A JP29208098A JP2000121830A JP 2000121830 A JP2000121830 A JP 2000121830A JP 10292080 A JP10292080 A JP 10292080A JP 29208098 A JP29208098 A JP 29208098A JP 2000121830 A JP2000121830 A JP 2000121830A
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resin layer
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control element
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JP10292080A
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Michisuke Edamatsu
通介 枝松
Yasuo Hiromoto
泰夫 広本
Yasuko Hayashi
泰子 林
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Mitsubishi Rayon Co Ltd
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Mitsubishi Rayon Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 素子の表面と裏面のみならず側面をも光の入
射、出射に利用することが出来、光が通過した際に光量
が激減することなく、寸法が小さい光制御素子、その製
造装置、及び製造方法を提供する。 【解決手段】 透明な樹脂層Aの両面が透明な樹脂層C
によって挟まれた積層構造を有する外表面が平滑な樹脂
シートであって、該シートの厚み方向をy、巾方向を
x、長さ方向をzとした場合に、xy平面で表示される
断面において、樹脂層Aと樹脂層Cとの境界面が凹凸形
状を有しており、各積層海面の凹凸形状のピッチ及びx
方向における位相が同一であり、かつ、樹脂層A中に多
数の透明薄片Dが配向分散せしめられている光制御素
子。該樹脂層Aを樹脂層Aと樹脂層Bとが交互に積層さ
れた複数層の積層体に置き換えることができる。さら
に、これらの光制御素子を製造するための装置及び方法
を開示している。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光制御シートなど
の光制御素子、その製造装置、及びその製造方法に関
し、特に光の進行方向及び偏光出射を制御するための拡
散性を有する光制御樹脂材料による光制御シートなどの
光制御素子、その製造装置、及びその製造方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】樹脂シートに拡散性が付与されたシート
として、今まで透明樹脂に光拡散剤を添加したり、表面
に凹凸を付けるなどしたものが知られている。
【0003】また、光の方向を制御させた拡散性を有す
る光制御樹脂材料としては、これらの形状がレンズであ
ったり、プリズム形状をしたものがある。
【0004】また、偏光素子としては、ニコル、グラン
トムソン等の複屈折型、パイルオブプレート、偏光ビー
ムスプリッター等の反射型、電気石、偏光フィルム等の
二色性型が知られている。
【0005】一方、光制御素子として、所定の屈折率を
有する透明樹脂により出来た平坦な表面を有する導光体
の中に、異なる屈折率を有する多数の透明薄片を、所定
の角度に配列分散せしめたものが提案されている(特開
平7−333440号公報)。そしてこの光制御素子の
製造方法及び装置として、所定の屈折率を有する透明樹
脂を溶融し、その中に、この透明樹脂の有する屈折率と
異なる屈折率を有する透明薄片を多数混入し、樹脂が溶
融したこの混合体を、長方形または平行四辺形からなる
複数のパーテーションを設けたノズルを介して押出成形
することにより、該透明薄片の配向を所望のものとする
製造方法、及びそのために用いる装置が提案されている
(特開平7−333440号公報)。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、従来の拡散
性を有する光制御素子は、その表面形状を利用するため
表面が平坦ではなく、このためこれらの素子を複合化す
る場合、密着しにくいという欠点があった。さらに、素
子の表面と裏面の2面しか利用できないという欠点があ
り、また、偏光素子としてはいずれも光量が半分近くに
減ってしまったり、素子としての寸法が大きいという欠
陥を有していた。
【0007】また、特開平7−333440号公報に開
示されている光制御素子の製造装置は、パーテーション
の加工が複雑であり、ダイ製作費の点で不利という問題
があった。
【0008】従って、第一の本発明は、複数の素子を複
合化する場合に密着しやすいように表面が平坦で、素子
の表面と裏面のみならず側面をも光の入射、出射に利用
することが出来、光が通過した際に光量が激減すること
なく、寸法が小さい光制御素子を提供することを目的と
する。
【0009】また、第二の本発明は、透明樹脂よりなる
表面平滑な樹脂層A中及び樹脂層B中に、好ましくはこ
れらの樹脂の有する屈折率と異なる屈折率を有する多数
の透明薄片Dを所望の形態に配列分散せしめた光制御素
子を、押出成形法を採用し、簡単な装置を用いて極めて
簡便に製造するための装置及び方法を提供することを課
題とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】前記の課題は、以下に示
す本発明の光制御素子、その製造装置、及びその製造方
法によって達成される。
【0011】すなわち本発明の要旨とするところは、
(1)透明な樹脂層Aの両面が透明な樹脂層Cによって
挟まれた積層構造を有する外表面が平滑な樹脂シートで
あって、該シートの厚み方向をy、巾方向をx、長さ方
向をzとした場合に、xy平面で表示される断面におい
て樹脂層Aと樹脂層Cとの境界面が凹凸形状を有してお
り、かつ、該樹脂シートはx方向の点x 、xn+1
n+2、...(nは任意の整数)においてそれぞれ
形成されるyz平面をそれぞれx面、xn+1面、x
n+2面、...と表した場合に、x面,x
n+1面,xn+2面、・・・・で区切られた区間にお
いて、該樹脂シートの一方の面をy、他方の面をy
としたとき、該x面とxn+1面との間ではx面か
らxn+1面方向についてみると、樹脂層A中に多数の
透明薄片Dが、 y面からy面に向かって右上がり
に、その表面が該シートの表面に対して所定角度α(0
<α<90度)を有するよう配向分散しており、それに
隣接する該xn+1面とxn+2面との間ではxn+1
面からxn+2面方向についてみると、樹脂層A中に多
数の透明薄片Dが、 y面からy面に向かって右下
がりに、その表面が該シートの表面に対して所定角度−
β(0<β<90度)を有するよう配向分散しており、
多数の透明薄片Dのかかる配向分散の構造が、任意のx
面とxn+1面との間の樹脂層Aとそれに隣接するx
n+1面とxn+2面との間の樹脂層Aで上記のように
繰り返されており、樹脂層Cは透明薄片Dを含有せず、
xy平面で表示される断面における樹脂層Aと樹脂層
Cとの凹凸形状の境界面が該シートの表面に対してなす
角度も、 x面とxn+1面との間ではα、 xn+1
面とxn+2面との間では−βで、かかる境界面のシー
トの表面に対してなす角度が、x面とxn+1面との
間とxn+1面とx +2面との間とで上記のように繰
り返されていることを特徴とする光制御素子、(2)前
記透明薄片Dの屈折率が前記樹脂層A用の樹脂の屈折率
と異なることを特徴とする、上記(1)に記載の光制御
素子、(3)前記樹脂層A用樹脂と樹脂層C用樹脂とし
て同一種類の樹脂を用いたことを特徴とする、上記
(1)乃至(2)のいずれか1項に記載の光制御素子、
(4) 前記樹脂層A用樹脂と樹脂層C用樹脂として屈
折率の異なる樹脂を用いたことを特徴とする、上記
(1)乃至(2)のいずれか1項に記載の光制御素子、
(5) 透明な樹脂層Aと透明な樹脂層Bが交互に積層
された複数層の積層体の両面が、透明な樹脂層Cによっ
て挟まれた積層構造を有する外表面が平滑な樹脂シート
であって、該シートの厚み方向をy、巾方向をx、長さ
方向をzとした場合に、xy平面で表示される断面にお
いて該積層体と樹脂層Cとの境界面が凹凸形状をなして
おり、かつ、該樹脂シートはx方向の点x
n+1、xn+ 、...(nは任意の整数)におい
てそれぞれ形成されるyz平面をそれぞれx面、x
n+1面、xn+2面、...と表した場合に、x
面,xn+1面,xn+2面、・・・・で区切られた
区間において、該樹脂シートの一方の面をy、他方の
面をyとしたとき、該x面とxn+1面との間では
面からxn+1面方向についてみると、樹脂層A及
び樹脂層Bよりなる積層体中に多数の透明薄片Dが、
面からy面に向かって右上がりに、その表面が該
シートの表面に対して所定角度α(0<α<90度)を
有するよう配向分散しており、それに隣接する該x
n+1面とxn+2面との間ではxn+1面からx
n+2面方向についてみると、樹脂層A及び樹脂層Bよ
りなる積層体中に多数の透明薄片Dが、 y面からy
面に向かって右下がりに、その表面が該シートの表面
に対して所定角度−β(0<β<90度)を有するよう
配向分散しており、多数の透明薄片Dのかかる配向分散
の構造が、任意のx面とxn+1面との間の積層体と
それに隣接するxn+1面とxn+2面との間の積層体
で上記のように繰り返されており、樹脂層Cは透明薄片
Dを含有せず、 xy平面で表示される断面における積
層体と樹脂層Cとの凹凸形状の境界面が該シートの表面
に対してなす角度も、 x面とxn+1面との間では
α、 xn+1面とxn+2面との間では−βで、かか
る境界面のシートの表面に対してなす角度が、x面と
n+ 面との間とxn+1面とxn+2面との間とで
上記のように繰り返されていることを特徴とする光制御
素子、(6) 透明薄片Dの屈折率が樹脂層A用の樹脂
及び樹脂層B用の樹脂の屈折率と異なることを特徴とす
る、上記(5)に記載の光制御素子、(7) 前記樹脂
層A用樹脂、樹脂層B用樹脂、及び樹脂層C用樹脂とし
て同一種類の樹脂を用いたことを特徴とする、上記
(5)乃至(6)のいずれか1項に記載の光制御素子、
(8) 前記樹脂層A用樹脂、樹脂層B用樹脂、及び樹
脂層C用樹脂として屈折率の異なる樹脂を用いたことを
特徴とする、上記(5)乃至(6)のいずれか1項に記
載の光制御素子、(9)上記(1)乃至(8)のいずれ
か1項に記載の光制御素子の製造のための装置であっ
て、 X方向に所定の巾、Y方向に所定の厚み、及びZ
方向に所定の長さを有し、Z方向の一端に第1複合樹脂
流形成部(22)を、他端に複合樹脂流出口(23)
を、その間に第2複合樹脂流形成部(24)を有する複
合樹脂流路(21)が配され、該第1複合樹脂流形成部
(22)において、樹脂層A用樹脂をZ方向に向かって
流入させるための、X方向に延びるスリット状の吐出口
(31)が設けられ、該樹脂層A用樹脂の吐出口(3
1)を含むXZ平面の両側から該第1複合樹脂流形成部
(22)に向けて樹脂層A用樹脂又は樹脂層B用樹脂を
流入させるための、スリット状の吐出口(35、36)
が、該第1複合樹脂流形成部(22)と該第2複合樹脂
流形成部(24)の間に少なくとも一対が備えられ、該
樹脂層A用樹脂の吐出口(31)を含むXZ平面の両側
から該第2複合樹脂流形成部(24)に向けて樹脂層C
用樹脂を流入させるための吐出口(41、42)が備え
られ、該吐出口(41、42)のXZ断面における形状
は、Z方向の高さが大きい部分Ln及びRnと、Z方向
の高さが小さい部分(零を含む)Lm及びRmとが交互
に配置された形状を有してなる装置、(10) 前記複
合樹脂流出口(23)に複合樹脂流の巾と厚みの少なく
とも一方を縮小するための流路縮小口金(25)を設け
たことを特徴とする、上記(9)に記載の装置、(1
1)上記(9)又は(10)に記載の装置を用いて上記
(5)乃至(8)のいずれか1項に記載の光制御素子を
製造する方法であって、前記吐出口(31)から樹脂層
A用樹脂を、また前記吐出口(35、36)から樹脂層
B用樹脂を、さらに前記吐出口(41、42)から樹脂
層C用樹脂をそれぞれ吐出させる時、該樹脂層A用樹脂
中及び該樹脂層B用樹脂中に、多数の透明薄片Dを混入
せしめて吐出させて複合樹脂流を形成し、前記複合樹脂
流出口(23)から溶融状態のシート状物を押し出し、
該シート状物を少なくとも一対の成形ロール間に挟み込
んで、シート状物の少なくとも一方の面と該成形ロール
間に溶融樹脂の溜まりを形成して押出板成形することを
特徴とする光制御素子の製造方法、(12)上記(9)
又は(10)に記載の装置を用いて上記(1)乃至
(4)のいずれか1項に記載の光制御素子を製造する方
法であって、前記吐出口(31)及び前記吐出口(3
5、36)から樹脂層A用樹脂を、さらに前記吐出口
(41、42)から樹脂層C用樹脂をそれぞれ吐出させ
る時、該樹脂層A用樹脂中に、多数の透明薄片Dを混入
せしめて吐出させて複合樹脂流を形成し、前記複合樹脂
流出口(23)から溶融状態のシート状物を押し出し、
該シート状物を少なくとも一対の成形ロール間に挟み込
んで、シート状物の少なくとも一方の面と該成形ロール
間に溶融樹脂の溜まりを形成して押出板成形することを
特徴とする光制御素子の製造方法、(13)上記(1)
乃至(8)のいずれか1項に記載の光制御素子の、偏光
素子としての使用、(14)前記偏光素子が偏光フイル
ムである上記(13)に記載の使用、(15)前記偏光
素子が偏光拡散板である上記(13)に記載の使用、
(16)前記偏光素子が偏光出射が可能な導光板である
上記(13)に記載の使用、(17)上記(15)に記
載の偏光拡散板としての光制御素子の使用であって、該
偏光拡散板のXZ面に面光源を設置した面光源素子とし
ての使用、(18)上記(16)に記載の導光板として
の光制御素子の使用であって、該導光板の裏面に反射材
を設置して、且つ該導光板のYZ面に光源を設置した面
光源素子としての使用、にある。
【0012】本発明の光制御素子は、上記構成を有する
ので、透明薄片Dの配列の態様により、入射光の分配、
偏光としての取り出しを相当自由に制御することが出来
る。また、本発明の装置及び方法を用いることにより、
素子の表面状態及び厚みが均一で、透明薄片Dが所望の
角度に配列され、かつ均一性が十分な光制御素子を、極
めて簡単に製造することができる。
【0013】
【発明の実施の形態】まず、本発明の光制御素子につい
て述べる。
【0014】本発明の光制御素子は、上記に説明したよ
うな構成を有するので、透明薄片Dの配列の態様によ
り、入射光の分配や、それを偏光として取り出すことを
相当自由に制御することが出来る。
【0015】以下、本発明を図面を参照しながら好まし
い実施の態様について説明する。図1、図2、図3及び
図17は、それぞれ本発明の光制御素子の一例を示す断
面図であり、シートの厚み方向をy、巾方向をx、長さ
方向をzとした場合に、z方向に直角なxy面の部分断
面図である。図17では、樹脂シートは透明な樹脂層A
の両側が透明な樹脂層Cによって挟まれた積層構造をな
している。図に示すように、xy平面で表示される断面
において樹脂層Aと樹脂層Cとの境界面が凹凸形状を有
しており、かつ、樹脂シートはx方向の点x、x
n+1、xn+2、...(nは任意の整数)において
それぞれ形成されるyz平面をそれぞれx面、x
n+1面、xn+2面、...と表した場合に、x
面,xn+1面,xn+2面、・・・・で区切られた
区間において、樹脂シートの一方の面をy、他方の面
をyとしたとき、x面とx n+1面との間ではx
面からxn+1面方向についてみると、樹脂層A中に多
数の透明薄片Dが、 y面からy面に向かって右上
がりに、その表面がシートの表面に対して所定角度α
(0<α<90度)を有するよう配向分散しており、そ
れに隣接する該xn+1面とxn+2面との間ではx
n+1面からxn+2面方向についてみると、樹脂層A
中に多数の透明薄片Dが、 y面からy面に向かっ
て右下がりに、その表面がシートの表面に対して所定角
度−β(0<β<90度)を有するよう配向分散してお
り、多数の透明薄片Dのこのような配向分散の構造が、
任意のx面とxn+1面との間の樹脂層Aとそれに隣
接するx +1面とxn+2面との間の樹脂層Aで上記
のように繰り返されており、樹脂層Cは透明薄片Dを含
有せず、 xy平面で表示される断面における樹脂層A
と樹脂層Cとの凹凸形状の境界面が該シートの表面に対
してなす角度も、 x面とx n+1面との間ではα、
n+1面とxn+2面との間では−βで、このような
境界面のシートの表面に対してなす角度が、x面とx
n+1面との間とx +1面とxn+2面との間とで上
記のように繰り返されている構造になっている。
【0016】角度αと角度βは等しい値とすることもで
き、異なる値とすることもできる。代表的な例は角度α
と角度βが等しいものである。
【0017】図1では、透明な樹脂層Aの両面が透明な
樹脂層Cによって挟まれた積層構造を形成していて、x
y平面で表示される断面において、樹脂層Aと樹脂層C
との境界面が凹凸形状をなしており、かつ樹脂層A中に
多数の透明薄片Dが配向分散されている。透明薄片Dは
図示する如く樹脂層Aと樹脂層Cとの凹凸形状の境界面
がシート表面に対してなす角度と同じ角度で配向分散し
ている。凹凸形状の境界面の凹部又は凸部の先端は必ず
しも鋭角状でなくてもよく、図に示すように若干丸みを
帯びた形状とすることもできる。
【0018】図2では透明な樹脂層Aと透明な樹脂層B
が積層された複数層の積層体の両面が、透明な樹脂層C
によって挟まれた積層構造を形成していて、 xy平面
で表示される断面において、積層体と樹脂層Cとの境界
面が凹凸形状をなしており、かつ樹脂層A及びB中に多
数の透明薄片Dが配向分散されている。
【0019】図3は本発明のさらに別の一例を示すもの
であり、図1の構成において、樹脂層A、Cに同一樹脂
を用いた場合である。
【0020】上記の光制御素子は、透明樹脂材料により
形成される板状のシート中に透明薄片Dを多数混入せし
め、その配向、分散の態様を一定のものとしている。
【0021】本発明の光制御素子において、樹脂層A用
樹脂としては、極めて広範な熱可塑性樹脂が使用可能で
あり、透明性を有する樹脂であれば特に制限はない。例
えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリ塩化ビニル、
ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリメチルメタクリ
レートに代表される各種のアクリル系樹脂、非晶質ポリ
オレフィン、ポリアミド、ポリメチルペンテン、アリル
樹脂、セルロース樹脂、シリコン樹脂、これらの共重合
樹脂もしくはブレンド樹脂等が挙げられる。視界制御シ
ート、光拡散板等のように、透明性、耐候性等が特に要
求される用途に使用される場合はアクリル系樹脂が好ま
しく、特にポリメチルメタクリレートが最も好ましい材
料といえる。
【0022】樹脂層B用樹脂としては、前記樹脂層A用
の樹脂と同様のものを使用出来るが、樹脂層Aの樹脂と
の密着性及び樹脂層C用樹脂との密着性を勘案して選ば
れる。樹脂層Aの樹脂と同じ樹脂を用いることも出来る
し、樹脂層Aの樹脂と屈折率の異なる樹脂を用いること
も出来る。
【0023】樹脂層C用樹脂としては、前記樹脂層A用
の樹脂と同様のものを使用出来るが、樹脂層Aの樹脂と
の密着性及び樹脂層B用樹脂との密着性を勘案して選ば
れる。樹脂層A又は樹脂層Bの樹脂と同じ樹脂を用いる
ことも出来るし、樹脂層A又は樹脂層Bの樹脂と屈折率
の異なる樹脂を用いることも出来る。
【0024】樹脂層A、B、及びC用樹脂の組み合わせ
は、目的に応じて適宜選択され、光拡散性を付与する場
合は、屈折率差を考慮することが好ましい。また各樹脂
層間の密着性はシートの生産性に影響を及ぼすので、上
記のごとく各樹脂間の密着性を勘案することが好まし
い。
【0025】かかる材料により形成される光制御素子の
中に、配向分散される透明薄片Dとしては、塩基性炭酸
鉛単結晶、雲母、無機ガラス、またはこれらを金属酸化
物で被覆したもの等を用いることができる。かかる透明
薄片Dの寸法は、長辺が1〜1000μm程度であり、
短辺が0.5〜900μm程度であり、厚さが短辺の1
/2〜1/200程度が適当である。これらのなかでも
塩基性炭酸鉛結晶と無機ガラスが好ましく、その厚さは
約0.1μm、巾は約15μm程度のものが適当である。
【0026】透明薄片の表面を金属酸化物で被覆する代
わりに、透明薄片の少なくとも1つの面に光反射層また
は光吸収層を積層したものを用いることも出来る。
【0027】図4は本発明の光制御素子をp波とs波の
分離のための偏光素子として用いている様子を示す部分
断面図である。この例では、p波とs波を含む入射光の
うち、p波が素子の反対面から出射し、s波が側面から
出射する様子が示されている。このようにp波が素子の
反対面から出射するためには、入射光中のp波が透明薄
片Dを透過する必要があり、そのためには、透明薄片D
の素子表面に対する配向角度をブリュースター角(Brews
ter angle)に設定しておく必要がある。かかる構成は、
従来の偏光フィルムに替わって、図5に示す液晶表示装
置に用いることが出来る。
【0028】図5は本発明の光制御素子を偏光拡散板と
して液晶表示装置(54)に用いた例を示す部分断面図
である。図示しないバックライトから出射された光が、
本発明の光制御素子(偏光拡散板)(50)を通って液
晶(51)に与えられ、偏光フィルム(52)を介して
外部に出射される。
【0029】図6は本発明の光制御素子を偏光出射が可
能なエッジライト導光板として用いている様子を示す部
分断面図であり、素子の端面から入射した光は、図示の
如くs波のみが出射面より出射される。このようにs波
が透明薄片Dで反射するためには、その配向角度をブリ
ュースター角に設定しておく必要がある。
【0030】図7は図6で説明した本発明の光制御素子
を液晶表示装置(54)の導光板に用いた例を示す部分
断面図である。
【0031】次に、本発明の製造装置、及び製造方法に
ついて述べる。
【0032】本発明の光制御素子は、以下に説明する本
発明の装置、及び方法により製造可能である。
【0033】本発明において、樹脂シートのx方向、y
方向、及びz方向が互いになす角度は直角である。ま
た、本発明の製造方法に適用する装置に関するX方向、
Y方向及びZ方向が互いなす角度も直角である。押出方
向はZ方向であり、これは樹脂シートのz方向に一致す
る。
【0034】本発明の製造装置及び方法は、共押出の装
置方法を採用するものであり、後で述べる複合樹脂流形
成部で形成された複合樹脂流は、複合樹脂流出口から押
出され、成形ロール群により面付け、艶付けが行なわれ
る。
【0035】図8は、樹脂層A用樹脂、樹脂層B用樹
脂、及び樹脂層C用樹脂を吐出するそれぞれのノズル
(31;35,36;41,42)が組込まれた装置の
要部を示す断面図である。
【0036】図9は、図8におけるI−I線方向からの斜
視図である。
【0037】図10は、図8におけるII−II線の矢視断
面図である。この図の例の場合は、吐出口(41、4
2)のLn及びLmと、Rn及びRmは、図示の如く、
互い違いに配されている。図8乃至10において、樹脂
層A用樹脂の吐出口(31)を含むXZ平面の両側から
第1複合樹脂流形成部(22)に向けて樹脂層B用樹脂
を流入させるための、スリット状の吐出口(35、3
6)が、第1複合樹脂流形成部(22)と第2複合樹脂
流形成部(24)の間に少なくとも一対備えられ、樹脂
層A用樹脂の吐出口(31)を含むXZ平面の両側から
第2複合樹脂流形成部(24)に向けて樹脂層C用樹脂
を流入させるためのスリット状の吐出口(41、42)
が備えられていて、該吐出口(41、42)のXZ断面
における形状において、それぞれのZ方向の高さが大き
い部分がLn及びRnで、Z方向の高さが小さい部分が
Lm及びRmである。尚、2つの吐出口(41、42)
の内、Lはレフト、Rはライトの吐出口を示す意味で用
いてある。
【0038】図11は、図10におけるIII−III線の矢
視断面図(XZ断面)である。この図は、吐出口(4
2)のXZ断面における形状について、Z方向の高さが
大きい部分RnとZ方向の高さが小さい部分Rmとが、
交互に配置されている様子を示している。吐出口(4
1)についても同様である。
【0039】図12は、樹脂シート製造時における図8
のII−II線の矢視断面図であり、この位置における
樹脂層Aと樹脂層Bとの積層体と吐出口(41、42)
との配置関係を示している。
【0040】図13は、吐出口(41、42)から流入
する樹脂層C用の樹脂によって、図12の積層体が矢印
の方向に変形し樹脂層の境界面に凹凸形状が形成される
ことを説明するための図である。即ちこの図13は、図
12における吐出口(41、42)と、この位置より下
流側の複合樹脂流出口(23)における樹脂層Aと樹脂
層Bとの積層体を合成した図であって、現実には存在し
ない状態を示す図である。
【0041】図14は、複合樹脂流出口(23)に流路
縮小口金(25)を装着した模式断面図である。
【0042】図15は、成形ロール(10)部のYZ断
面図である。
【0043】図16は、吐出口(35、36)を2段
(35,35';36,36')に設けた場合の要部断面
図である。
【0044】図8において、樹脂層A用樹脂の吐出口
(31)はスリット状をなしている。透明薄片Dを配向
させるためには、吐出口(31)内で透明薄片Dを壁面
XZ面に沿ってXZ面に平行に流動させてやることが肝
要であり、そのためには吐出口(31)の形状は、X方
向の長さに対するY方向の長さの比(以下、この比を
‘細長比’と略称する)が小さいことが好ましい。本発
明では吐出口(31)をスリット状とし、前記細長比
は、シートの巾を考慮しても少なくとも概ね1/100
以下にとることができ、これによって、樹脂層A用樹脂
中に混入された透明薄片Dは、吐出口(31)内のXZ
面に沿って、その平面側をXZ面に平行にして流れやす
くなる。
【0045】樹脂層B用樹脂及び樹脂層A用樹脂のいず
れかが吐出される吐出口(35,35';36,36')
もまた吐出口(31)と同様なスリット状をなしてお
り、前述と同様の効果が得られ、透明薄片Dは吐出口
(35,35';36,36')のX方向の壁面XY面に
沿って配向しつつ流れる。
【0046】こうして、それぞれの吐出口から吐出され
た樹脂層A用樹脂と樹脂層B用樹脂は、第1複合樹脂流
形成部(22,22')において複合化され、図12に
示すような積層状態が形成され、透明薄片DはX方向に
平行に配向がなされる。
【0047】図8〜11において、吐出口(41)の部
分Ln、Lm、及び吐出口(42)の部分Rn、Rmの
X方向における相対的な位置関係はずれている(つま
り、位置が一致していない)。第2複合樹脂流形成部
(24)においては、吐出口(41)と吐出口(42)
との相対的な配置関係のずれにより、吐出口(41、4
2)から吐出された樹脂層C用樹脂は図10の矢印の方
向に流れ、流れ方向にそれぞれ集合体としての流線束が
形成される。この樹脂層C用樹脂の両流線束は、樹脂層
A用樹脂及び樹脂層B用樹脂の積層構造に作用して剪断
変形作用を及ぼし、図13に示す如く、その断面が三角
状、折れ線状の凹凸積層界面が形成される。樹脂層間を
横断する方向への拡散は生じず、従って樹脂層A、及び
B中に混入された透明薄片Dは、この剪断変形作用によ
って配向が行われ、図2に示すように、凹凸積層界面の
方向に沿って配列されることになる。上記の本発明の装
置及び方法に関する説明では、樹脂層A用樹脂と樹脂層
B用樹脂とを積層する例を述べているが、樹脂層B用樹
脂を使用しない場合も、上記と同様な装置を用いて樹脂
層B用樹脂の吐出口(35、36)から樹脂層A用樹脂
を吐出させたり、吐出口(35、36)が設けられてい
ない装置を使用する等の方法で実施することができ、こ
の場合には図17,図1に示す構造の、本発明の光制御
素子が得られる。尚、これは、以下の説明においても全
く同様である。
【0048】本発明の方法で、樹脂層C用樹脂による流
動の剪断変形の作用を効果的に得るには、吐出口(4
1、42)の相対的な位置関係、吐出口(41、42)
の部分Ln、部分RnのX方向の長さ(流出巾)、Z方
向の長さ(流出高)等の装置要因のほか、溶融樹脂の流
出速度比や溶融樹脂粘度比等の条件を調節することによ
り、さらに有効に剪断変形作用を得ることが可能とな
り、これにより、効果的に透明薄片Dを所望の形態に配
向分散させることができる。またこれらにより凹凸の高
さ等も調節することができる。
【0049】流出角、すなわち巾方向(X方向)に対す
る吐出口(41、42)の傾き角度φは、自由にとるこ
とができ、これによって積層界面の凹凸形状、断面の示
す折れ線の形状を変えることができ、従って透明薄片D
の配向の角度を調節することが可能である。
【0050】図14では、複合流出口(23)に流路縮
小口金(25)が装着されている。この装置を用いるこ
とにより樹脂流路の巾、厚み、又は巾と厚みを狭めるこ
とができる。これにより積層界面の凹凸のピッチPを小
さくし、従って、透明薄片Dの隣り合う距離をさらに小
さくすると共に、配向の度合いをさらに均一化すること
ができるので、光制御素子としてさらに有用なものが得
られる。また、透明薄片Dの配向角度を調節することが
できるので、一層有用である。
【0051】図15に示すように、複合樹脂流は複合樹
脂流出口(23)から溶融状態のシート状物として押し
出された後、少なくとも一対の成形ロール(10)間に
挟み込まれて、シート状物の少なくとも一方の面と成形
ロール(10)間に溶融樹脂の溜まりを形成して押出板
に成形される。こうして成形ロール(10)により面付
けされ、艶つけされたシートは、厚みが均一で、表面に
筋、凹凸、うねり、小皺等がなく、光制御素子として極
めて好適である。
【0052】本発明は、図16に示すように、樹脂層B
用樹脂の吐出口(35、36)を複数段(複数対、3
5,35';36,36')設けることもできる。これに
より図13における積層構造中の透明薄片Dをさらに均
一に配向することができ、より配向状態が制御された光
制御素子を得ることができる。
【0053】
【実施例】以下実施例により本発明をさらに具体的に説
明するが、本発明はこれらの実施例によって限定される
ものではない。
【0054】〔実施例1〕樹脂層A用樹脂としてポリメ
チルメタクリレート(三菱レイヨン製、アクリペットM
D、屈折率1.49)を用い、樹脂層A用樹脂中に透明
薄片D(外径約15μm、厚み約0.1μmのほぼ円形状
の無機ガラス、屈折率1.52)を0.1重量%充填し
混練して分散させたものを用意した。樹脂層C用樹脂と
してポリカーボネート(三菱瓦斯化学製、ユーピロンH
−3000、屈折率1.59)を用意した。
【0055】図8、図9、図10、図11、図15に示
す構造の装置を用いて、下記の押出板成形を行った。
【0056】吐出口(31)のスリット形状のX方向長
さを300mm、Y方向長さを2mmとし、 吐出口(3
5、36)のスリットは塞ぎ、吐出口(41、42)の
凹凸のピッチPを2mmとし、Lm及びRmの高さはそれ
ぞれ0mm、Ln及びRnの高さはそれぞれ1mmと
し、 Lm及びRmの巾はそれぞれ1mm、Ln及びR
nの巾はそれぞれ1mmとした。吐出口(41、42)
の流出角φは90度とした。
【0057】第1樹脂流形成部(22)のX方向の巾は
300mm、Y方向の巾は2mmとし、第2樹脂流形成部
(24)のX方向の巾は300mm、Y方向の巾は2mmとし
た。
【0058】この装置を用いて賦形温度を250℃とし
て押出成形し、3mm厚×300mm巾のシートを作成し
た。
【0059】得られたシートの断面を顕微鏡で観察する
と、図1に示すように、樹脂層Aと樹脂層Cで形成され
る積層界面は頂角γ約45度の三角形状をなし、凹凸ピ
ッチPは約2mmに形成されており、また、透明薄片Dは
図1に示す如く、凹凸形状の境界面がシート表面に対し
てなす角度と同じ角度で樹脂層A中に配列分散してい
た。
【0060】〔実施例2〕樹脂層A用樹脂としてポリメ
チルメタクリレート(三菱レイヨン製、アクリペットM
D)を、また樹脂層B用樹脂としてポリカーボネート
(三菱瓦斯化学製、ユーピロンH−3000)を用い、
樹脂層A用樹脂及び樹脂層B用樹脂中に透明薄片D(外
径約15μm、厚み約0.1μmのほぼ円形状の無機ガラ
ス)を0.1重量%充填し混練して分散させたものを用
意した。樹脂層C用樹脂としてポリメチルメタクリレー
ト(同上)を用意した。
【0061】図8、図9、図10、図11、図15に示
す構造の装置を用いて、下記の押出板成形を行った。
【0062】吐出口(31)のスリット形状のX方向長
さを300mm、Y方向長さを1mmとし、吐出口(35、
36)のスリット形状のX方向の長さを300mm、Z方
向長さを0.5mmとし、吐出口(41、42)の凹凸の
ピッチPを2mmとし、Lm及びRmの高さはそれぞれ0
mm、Ln及びRnの高さはそれぞれ1mmとし、Lm
及びRmの巾はそれぞれ1mm、Ln及びRnの巾はそ
れぞれ1mmとした。吐出口(41、42)の流出角φ
は90度とした。
【0063】第1樹脂流形成部(22)のX方向の巾は
300mm、Y方向の巾は2mmとし、第2樹脂流形成部
(24)のX方向の巾は300mm、Y方向の巾は2mmとし
た。
【0064】この装置を用いて賦形温度を250℃とし
て押出成形し、3mm厚×300mm巾のシートを作成し
た。
【0065】得られたシートの断面を顕微鏡で観察する
と、図2に示すように、樹脂層A、樹脂層B、樹脂層C
で形成される積層界面は頂角γ約45度の三角形状をな
し、凹凸ピッチPは約2mmに形成されており、また、透
明薄片Dは図2に示す如く、凹凸形状の境界面がシート
表面に対してなす角度と同じ角度で、樹脂層A、樹脂層
B中に配列分散していた。
【0066】〔実施例3〕樹脂層C用樹脂としてポリカ
ーボネートの代わりにポリメチルメタクリレート(同
上)を用いた他は、実施例1と同様の方法でシートを作
成した。
【0067】得られたシートの断面を顕微鏡で観察する
と、図3に示すように、頂角γ約45度の透明薄片Dの
配向分散体が概ね三角形状をなして形成されており、分
散体が形成する集合体の凹凸ピッチPは約2mm、また、
透明薄片Dは図3に示す如く、仮想する凹凸形状の境界
面がシート表面に対してなす角度と同じ角度で、樹脂層
A中に配列分散していた。
【0068】〔実施例4〕図10の流路縮小口金(2
5)を用いた他は実施例3と同様の方法で光制御素子を
作成した。流路縮小口金(24)はX方向(シートの巾
方向)とY方向(シートの厚み方向)を1/2に縮小し
た。
【0069】得られたシートの断面を顕微鏡で観察する
と、図3に示すように、頂角γ約45度の透明薄片Dの
配向分散体の集合体が概ね三角形状をなして形成されて
おり、集合体の凹凸ピッチPは約1mm、また、透明薄片
Dは実施例3のシートよりもさらに密に均一に配向分散
していた。
【0070】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の光制御シ
ートによれば、多数の透明薄片Dが表面が平滑なシート
中に所望の形態に配向分散されているので、この角度を
任意に設定することにより、種々の入射光に対して所望
の特性の光制御を行うことが出来る。特に表面が平滑で
あるため、他の光学部品との密着が容易であり、光の入
射、出射にシートの表面、裏面のみならず、端面部をも
利用することが出来る。さらに、光量の透過減衰が小さ
く、寸法も任意に小さくし、小型のものを容易に提供し
うる。
【0071】本発明の装置及び製法を用いることによ
り、シート表面状態及び厚みが均一で、透明薄片が所望
の角度に配向され、かつ均一性が十分な光制御素子が、
極めて簡単な方法により製造出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の光制御素子の一例を示すxy断面図で
ある。
【図2】本発明の光制御素子の別の一例を示すxy断面
図である。
【図3】本発明の光制御素子のさらに別の一例を示すx
y断面図である。
【図4】本発明の光制御素子をp波とs波の分離のため
の偏光素子として用いている様子を示す部分断面図であ
る。
【図5】本発明の光制御素子を偏光拡散板として液晶表
示装置に用いた例を示す部分断面図である。
【図6】本発明の光制御素子を偏光出射が可能な導光板
として用いている様子を示す部分断面図である。
【図7】図6で説明した本発明の光制御素子を液晶表示
装置の導光板に用いた例を示す部分断面図である。
【図8】樹脂層A用樹脂、樹脂層B用樹脂、及び樹脂層
C用樹脂を吐出するそれぞれのノズルが組込まれた装置
の要部を示す断面図である。
【図9】図8におけるI−I線方向からの斜視図である。
【図10】図8におけるII−II線の矢視断面図である。
【図11】図10におけるIII−III線の矢視断面図(X
Z断面)である。
【図12】樹脂シート製造時における図8のII−II
線の矢視断面図である。
【図13】図12における吐出口(41、42)と、こ
の位置より下流側の複合樹脂流出口(23)における樹
脂積層体を合成した図である。
【図14】複合樹脂流出口(23)に流路縮小口金(2
5)を装着した図である。
【図15】成形ロール部のYZ断面図である。
【図16】吐出口(35、36)を2段に設けた場合の
要部断面図である。
【図17】本発明の光制御素子のさらに別の一例を示す
xy断面図である。
【符号の説明】
A 樹脂層 B 樹脂層 C 樹脂層 D 透明薄片 10 成形ロール群 21 複合樹脂流路 22、22' 第1複合樹脂流形成部 23 複合樹脂流出口 24 第2複合樹脂流形成部 25 流路縮小口金 31 樹脂層A用樹脂吐出口 35、35'、36、36' 樹脂層B用樹脂吐出口 41、42 樹脂層C用樹脂吐出口 p 光制御素子の積層界面の凹凸ピッチ γ 光制御素子の積層界面の凹凸の頂角 φ 吐出口(41、42)の流出角 α 透明薄片又は樹脂層間の境界面がシート
の表面に対してなす角度 50 光制御素子 51 液晶 52 偏光フイルム 53 反射材 54 液晶表示装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 林 泰子 神奈川県川崎市多摩区登戸3816番地 三菱 レイヨン株式会社東京技術・情報センター 内 Fターム(参考) 2H049 BA05 BA43 BA44 BA47 BB06 BB42 BB63 BC02 4F100 AA08 AA17 AC05 AG00 AK01A AK01B AK01C AK01D AK25 BA03 BA04 BA05 BA06 BA07 BA10B BA10C BA14 EK00 GB90 JN01A JN01B JN01C JN01D JN18D

Claims (18)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 透明な樹脂層Aの両面が透明な樹脂層C
    によって挟まれた積層構造を有する外表面が平滑な樹脂
    シートであって、該シートの厚み方向をy、巾方向を
    x、長さ方向をzとした場合に、xy平面で表示される
    断面において樹脂層Aと樹脂層Cとの境界面が凹凸形状
    を有しており、かつ、該樹脂シートはx方向の点x
    n+1、xn+2、...(nは任意の整数)におい
    てそれぞれ形成されるyz平面をそれぞれx面、x
    n+1面、xn+2面、...と表した場合に、x
    面,xn+1面,xn+2面、・・・・で区切られた
    区間において、該樹脂シートの一方の面をy、他方の
    面をyとしたとき、該x面とxn+1面との間では
    面からxn+1面方向についてみると、樹脂層A中
    に多数の透明薄片Dが、 y面からy面に向かって
    右上がりに、その表面が該シートの表面に対して所定角
    度α(0<α<90度)を有するよう配向分散してお
    り、それに隣接する該xn+1面とxn+2面との間で
    はxn+1面からx +2面方向についてみると、樹脂
    層A中に多数の透明薄片Dが、 y面からy面に向か
    って右下がりに、その表面が該シートの表面に対して所
    定角度−β(0<β<90度)を有するよう配向分散し
    ており、多数の透明薄片Dのかかる配向分散の構造が、
    任意のx面とxn+1面との間の樹脂層Aとそれに隣
    接するx n+1面とxn+2面との間の樹脂層Aで上記
    のように繰り返されており、樹脂層Cは透明薄片Dを含
    有せず、 xy平面で表示される断面における樹脂層A
    と樹脂層Cとの凹凸形状の境界面が該シートの表面に対
    してなす角度も、 x面とxn+1面との間ではα、
    n+1面とxn+2面との間では−βで、かかる境界
    面のシートの表面に対してなす角度が、x面とx
    n+1面との間とxn+ 面とxn+2面との間とで上
    記のように繰り返されていることを特徴とする光制御素
    子。
  2. 【請求項2】 前記透明薄片Dの屈折率が前記樹脂層A
    用の樹脂の屈折率と異なることを特徴とする、請求項1
    に記載の光制御素子。
  3. 【請求項3】 前記樹脂層A用樹脂と樹脂層C用樹脂と
    して同一種類の樹脂を用いたことを特徴とする、請求項
    1乃至2のいずれか1項に記載の光制御素子。
  4. 【請求項4】 前記樹脂層A用樹脂と樹脂層C用樹脂と
    して屈折率の異なる樹脂を用いたことを特徴とする、請
    求項1乃至2のいずれか1項に記載の光制御素子。
  5. 【請求項5】 透明な樹脂層Aと透明な樹脂層Bが交互
    に積層された複数層の積層体の両面が、透明な樹脂層C
    によって挟まれた積層構造を有する外表面が平滑な樹脂
    シートであって、該シートの厚み方向をy、巾方向を
    x、長さ方向をzとした場合に、xy平面で表示される
    断面において該積層体と樹脂層Cとの境界面が凹凸形状
    をなしており、かつ、該樹脂シートはx方向の点x
    n+1、xn+2、...(nは任意の整数)におい
    てそれぞれ形成されるyz平面をそれぞれx面、x
    n+1面、xn+2面、...と表した場合に、x
    面,x n+1面,xn+2面、・・・・で区切られた
    区間において、該樹脂シートの一方の面をy、他方の
    面をyとしたとき、該x面とxn+1面との間では
    面からxn+1面方向についてみると、樹脂層A及
    び樹脂層Bよりなる積層体中に多数の透明薄片Dが、
    面からy面に向かって右上がりに、その表面が該
    シートの表面に対して所定角度α(0<α<90度)を
    有するよう配向分散しており、それに隣接する該x
    n+1面とxn+2面との間ではxn+1面からx
    n+2面方向についてみると、樹脂層A及び樹脂層Bよ
    りなる積層体中に多数の透明薄片Dが、 y面からy
    面に向かって右下がりに、その表面が該シートの表面
    に対して所定角度−β(0<β<90度)を有するよう
    配向分散しており、多数の透明薄片Dのかかる配向分散
    の構造が、任意のx面とxn+1面との間の積層体と
    それに隣接するxn+1面とxn+2面との間の積層体
    で上記のように繰り返されており、樹脂層Cは透明薄片
    Dを含有せず、 xy平面で表示される断面における積
    層体と樹脂層Cとの凹凸形状の境界面が該シートの表面
    に対してなす角度も、 x面とxn+1面との間では
    α、 xn+1面とxn+2面との間では−βで、かか
    る境界面のシートの表面に対してなす角度が、x面と
    n+1面との間とxn+1面とxn+2面との間とで
    上記のように繰り返されていることを特徴とする光制御
    素子。
  6. 【請求項6】 透明薄片Dの屈折率が樹脂層A用の樹脂
    及び樹脂層B用の樹脂の屈折率と異なることを特徴とす
    る請求項5に記載の光制御素子。
  7. 【請求項7】 前記樹脂層A用樹脂、樹脂層B用樹脂、
    及び樹脂層C用樹脂として同一種類の樹脂を用いたこと
    を特徴とする、請求項5乃至6のいずれか1項に記載の
    光制御素子。
  8. 【請求項8】 前記樹脂層A用樹脂、樹脂層B用樹脂、
    及び樹脂層C用樹脂として屈折率の異なる樹脂を用いた
    ことを特徴とする、請求項5乃至6のいずれか1項に記
    載の光制御素子。
  9. 【請求項9】 前記請求項1乃至8のいずれか1項に記
    載の光制御素子の製造のための装置であって、X方向に
    所定の巾、Y方向に所定の厚み、及びZ方向に所定の長
    さを有し、Z方向の一端に第1複合樹脂流形成部(2
    2)を、他端に複合樹脂流出口(23)を、その間に第
    2複合樹脂流形成部(24)を有する複合樹脂流路(2
    1)が配され、該第1複合樹脂流形成部(22)におい
    て、樹脂層A用樹脂をZ方向に向かって流入させるため
    の、X方向に延びるスリット状の吐出口(31)が設け
    られ、該樹脂層A用樹脂の吐出口(31)を含むXZ平
    面の両側から該第1複合樹脂流形成部(22)に向けて
    樹脂層A用樹脂又は樹脂層B用樹脂を流入させるため
    の、スリット状の吐出口(35、36)が、該第1複合
    樹脂流形成部(22)と該第2複合樹脂流形成部(2
    4)の間に少なくとも一対が備えられ、該樹脂層A用樹
    脂の吐出口(31)を含むXZ平面の両側から該第2複
    合樹脂流形成部(24)に向けて樹脂層C用樹脂を流入
    させるための吐出口(41、42)が備えられ、該吐出
    口(41、42)のXZ断面における形状は、Z方向の
    高さが大きい部分Ln及びRnと、Z方向の高さが小さ
    い部分(零を含む)Lm及びRmとが交互に配置された
    形状を有してなる装置。
  10. 【請求項10】 前記複合樹脂流出口(23)に複合樹
    脂流の巾と厚みの少なくとも一方を縮小するための流路
    縮小口金(25)を設けたことを特徴とする、請求項9
    に記載の装置。
  11. 【請求項11】 請求項9又は10に記載の装置を用い
    て請求項5乃至8のいずれか1項に記載の光制御素子を
    製造する方法であって、前記吐出口(31)から樹脂層
    A用樹脂を、また前記吐出口(35、36)から樹脂層
    B用樹脂を、さらに前記吐出口(41、42)から樹脂
    層C用樹脂をそれぞれ吐出させる時、該樹脂層A用樹脂
    中及び該樹脂層B用樹脂中に、多数の透明薄片Dを混入
    せしめて吐出させて複合樹脂流を形成し、前記複合樹脂
    流出口(23)から溶融状態のシート状物を押し出し、
    該シート状物を少なくとも一対の成形ロール間に挟み込
    んで、シート状物の少なくとも一方の面と該成形ロール
    間に溶融樹脂の溜まりを形成して押出板成形することを
    特徴とする光制御素子の製造方法。
  12. 【請求項12】 請求項9又は10に記載の装置を用い
    て請求項1乃至4のいずれか1項に記載の光制御素子を
    製造する方法であって、前記吐出口(31)及び前記吐
    出口(35、36)から樹脂層A用樹脂を、さらに前記
    吐出口(41、42)から樹脂層C用樹脂をそれぞれ吐
    出させる時、該樹脂層A用樹脂中に、多数の透明薄片D
    を混入せしめて吐出させて複合樹脂流を形成し、前記複
    合樹脂流出口(23)から溶融状態のシート状物を押し
    出し、該シート状物を少なくとも一対の成形ロール間に
    挟み込んで、シート状物の少なくとも一方の面と該成形
    ロール間に溶融樹脂の溜まりを形成して押出板成形する
    ことを特徴とする光制御素子の製造方法。
  13. 【請求項13】 請求項1乃至8のいずれか1項に記載
    の光制御素子の、偏光素子としての使用。
  14. 【請求項14】 前記偏光素子が偏光フイルムである請
    求項13に記載の使用。
  15. 【請求項15】 前記偏光素子が偏光拡散板である請求
    項13に記載の使用。
  16. 【請求項16】 前記偏光素子が偏光出射が可能な導光
    板である請求項13に記載の使用。
  17. 【請求項17】 請求項15に記載の偏光拡散板として
    の光制御素子の使用であって、該偏光拡散板のXZ面に
    面光源を設置した面光源素子としての使用。
  18. 【請求項18】 請求項16に記載の導光板としての光
    制御素子の使用であって、該導光板の裏面に反射材を設
    置して、且つ該導光板のYZ面に光源を設置した面光源
    素子としての使用。
JP10292080A 1998-10-14 1998-10-14 光制御素子、その製造装置、及びその製造方法 Pending JP2000121830A (ja)

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