JP2000121591A - バイオセンサ - Google Patents

バイオセンサ

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JP2000121591A
JP2000121591A JP10306324A JP30632498A JP2000121591A JP 2000121591 A JP2000121591 A JP 2000121591A JP 10306324 A JP10306324 A JP 10306324A JP 30632498 A JP30632498 A JP 30632498A JP 2000121591 A JP2000121591 A JP 2000121591A
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biosensor
negative pressure
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JP10306324A
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English (en)
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Satoshi Nakajima
聡 中嶋
Kota Fukumura
耕太 福村
Yusaku Sakota
勇策 迫田
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Omron Corp
Original Assignee
Omron Corp
Omron Tateisi Electronics Co
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Abstract

(57)【要約】 【課題】従来に比べて適正に試料を試薬層へ供給するこ
とができるバイオセンサを提供すること。 【解決手段】本発明のバイオセンサ10は、絶縁性基板
1と、この絶縁性基板1の上面に形成された作用極4と
参照極5とを含む電極系と、この電極系の上面に形成さ
れる試薬層7と、この試薬層7が露出する内部空間12
を形成するように試薬層7を覆う内部空間形成部8とを
備え、内部空間12へ試料を供給するための試料導入口
13が設けられ、内部空間12が試料導入口11のみを
介して外部と通じており、試料導入口11から内部空間
12へ向かう負圧を生じさせる負圧発生手段9を有す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、被測定試料中の特
定成分を分析・定量するためのバイオセンサに関する。
【0002】
【従来の技術】血液等の生体試料中の特性成分の定量に
おいては、尿のように大量の被測定試料が得られるもの
とは異なり、微量で測定できることが要求される。これ
を実現するものとして、例えば、特公平6−58338
号公報に開示されているバイオセンサが挙げられる。こ
のバイオセンサは、電極部と試薬層を有する基板上に、
試薬層が内部空間(空隙)において露出する状態で試薬層
を覆う部材を設け、この内部空間に導通する測定導入口
と気体排出口とが設けられている。測定導入口は、液体
の被測定試料(試料)が接触した場合に、その試料を毛細
管現象によって内部空間中の試薬層へ導入する。気体排
出口は、試料が測定導入口から内部空間に流入した場合
に、内部空間に存する気体を排出する。このようにし
て、試料中の特定成分を、微量な量で定量することを可
能としていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た従来におけるバイオセンサには以下の問題があった。
即ち、上記したように、試料を内部空間へ導入するため
に毛細管現象を利用しているので、試料が内部空間中の
試薬層に適正な量だけ供給される前に試料の導入が止ま
ってしまうことがあった。この場合には、試薬層への試
料の供給が不十分であるので、適正な定量結果が得られ
ないこととなっていた。
【0004】また、場合によっては、試料が内部空間に
過剰に導入されてしまい、試料が気体排出口から流出す
る可能性があった。これは、衛生上好ましいことではな
く、また、バイオセンサが接続される測定装置に試料が
流入し測定装置が故障する可能性があった。
【0005】本発明は、上記問題に鑑みなされたもので
あり、従来に比べて試料を適性に試薬層へ供給すること
ができ、且つ衛生的で測定装置の故障の可能性をなくす
ことができるバイオセンサを提供することを課題とす
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、上述した課題
を解決するために以下の構成を採用する。すなわち、請
求項1の発明は、絶縁性基板と、この絶縁性基板の上面
に形成された作用極と参照極とを含む電極系と、この電
極系の上面に形成される試薬層と、この試薬層が露出す
る内部空間を形成するように前記試薬層を覆う内部空間
形成部とを備えたバイオセンサにおいて、前記内部空間
へ試料を供給するための試料導入口が設けられ、前記内
部空間が前記試料導入口のみを介して外部と通じてお
り、前記試料導入口から前記内部空間へ向かう負圧を生
じさせる負圧発生手段を有することを特徴とする。
【0007】請求項1の発明によると、負圧発生手段に
よって試料導入口から内部空間へ向かう負圧が発生す
る。このとき、試料導入口に試料を近づければ、内部空
間に生じる負圧によって、試料が内部空間へ強制的に導
入される。従って、従来の毛細管現象を用いる試料導入
方法よりも適正に試料を試薬層に供給することが可能と
なる。
【0008】請求項2の発明は、請求項1記載の負圧発
生手段が、前記内部空間の体積又は容積を変化させるこ
とによって前記負圧を生じさせることで特定したもので
ある。
【0009】請求項2の発明によれば、負圧発生手段が
内部空間の体積又は容積を増加させる際に負圧が発生す
る。このとき、試料を試料導入口に近づければ、試料が
内部空間に導入され、試薬層に供給される。
【0010】請求項3の発明は、請求項1記載の負圧発
生手段が、前記内部空間の内部圧を変化させることによ
って前記負圧を生じさせることで特定したものである。
【0011】請求項3の発明によれば、前記負圧発生手
段が内部空間の内部圧を減圧した際に負圧が発生する。
このとき、試料を試料導入口に近づければ、試料が内部
空間に導入され、試薬層に供給される。
【0012】請求項4の発明は、請求項2記載の負圧発
生手段が、前記内部空間形成部の少なくとも一部を伸縮
自在の部材で形成することによって構成されていること
で特定したものである。
【0013】請求項4の発明によると、負圧発生手段を
押圧することによって内部空間の体積又は容積が減少す
る。その後、押圧力を解放すると、負圧発生手段が元の
状態に戻る。このとき、内部空間に負圧が発生し、試料
導入口に近づけられた試料が内部空間へ導入され、試薬
層に供給される。
【0014】請求項4の発明において、伸縮自在の部材
は、例えば可撓性を有する部材で構成することができ
る。伸縮自在の部材は、収縮された場合に自己復元力に
よって収縮前の状態に自動的に戻るものが好ましい。ま
た、内部空間形成部の全体が、伸縮自在の部材で構成さ
れていても良い。
【0015】請求項5の発明は、請求項2記載の負圧発
生手段が、前記内部空間に挿入されこの内部空間の壁面
に沿って摺動可能なピストン部材からなることで特定し
たものである。
【0016】請求項5の発明によると、ピストン部材の
往復運動に応じて内部空間の体積又は容積が変化する。
このため、ピストン部材が後退する場合に、試料導入口
に試料を近づければ、内部空間に生じる負圧によって試
料が内部空間に導入され、試薬層に供給される。
【0017】請求項6の発明は、請求項2記載の負圧発
生手段が、内部が中空でこの内部が前記内部空間と連通
するように設けられた伸縮自在な部材からなることで特
定したものである。
【0018】請求項6の発明によると、伸縮部を収縮さ
せた後に伸張させることで内部空間の内部圧が減圧す
る。このとき、試料を試料導入口に試料を近づければ、
試料が内部空間に導入され、試薬層に供給される。
【0019】請求項7の発明は、請求項3記載の負圧発
生手段が、内部空間中に配置された可燃性物質と、この
可燃性物質を加熱する加熱手段とからなることで特定し
たものである。
【0020】請求項7の発明によると、加熱手段が可燃
性物質を加熱することによって可燃性物質が酸化し、こ
の際に内部空間の酸素が消費される。これによって、内
部空間の内部圧が減圧する。このとき、試料を試料導入
口に近づければ、試料が内部空間に導入され、試薬層に
供給される。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実
施形態によるバイオセンサを説明する。
【0022】〔実施形態1〕図1〜3は、本発明の実施
形態1によるバイオセンサ10の構成図であり、図1
は、バイオセンサ10の分解斜視図であり、図2は、バ
イオセンサ10の外観構成図であり、図3は、図2に示
した仮想平面Xでの側断面図である。図1〜3に示すバ
イオセンサ10は、血糖値を定量するためのグルコース
センサである。
【0023】図1〜図3において、バイオセンサ10
は、以下のように構成されている。即ち、ポリエチレン
テレフタレートやガラスエポキシ系樹脂等の絶縁性基板
(20mm×6mm、厚さ0.3mm)1が用意され、こ
の絶縁性基板1の上面に、リード部2及び作用極4と、
リード部3及び参照極5とが、カーボンペーストをスク
リーン印刷法で印刷し硬化させることによって、夫々一
体に形成されている。これらの作用極4と参照極5とで
電極系が構成されている。
【0024】絶縁性基板1のほぼ中心付近には、熱硬化
型絶縁ペーストを印刷することによって絶縁膜6が形成
されており、各リード部2,3の一部が被覆されてい
る。これによって、各リード部2,3の露出している部
分が、血糖値を定量するための測定装置(図示せず)と電
気的に接続される接続端子部をなしている。
【0025】また、作用極4及び参照極5の上面には、
その一部を覆うように試薬層7が形成されている。試薬
層7は、酵素たるグルコースオキシダ―ゼ0.5Uと電
子伝達物質たるへキサシアノ鉄(III)酸カリウム0.
2g、グルタルアルデヒド0.01g、及び牛血清アル
プミン(22%溶液)5mL(リットル)の混合溶液10μ
Lを作用極4及び参照極5の表面を覆うように滴下し常
温常湿で放置することによって形成されている。
【0026】そして、絶縁膜6及び試薬層7の上面に、
カバー8が設けられている。図2に示すように、カバー
8は、凹部13を有しており、カバー8が絶縁膜6及び
試薬層7の上面に取り付けられることによって、凹部1
3の内面と絶縁膜6及び試薬層7の各上面とで囲まれた
内部空間(空隙)12が形成されている。これによって、
試薬層7が内部空間12中で露出した状態となってい
る。凹部13の端面が、内部空間12と外部とを導通し
被測定試料たる血液試料(試料)を内部空間12へ導入す
るための試料導入口11をなしている。このように、内
部空間12は、試料導入口11を除いて密閉されてい
る。
【0027】また、カバー8の上面には、押圧部9が設
けられている。押圧部9は、カバー8の上面の一部(図
1においてハッチングを入れた部分)が自己復元可能な
可撓性を有する部材で形成されることによって構成され
ており、押圧部9が押圧されると、図3(b)に示すよう
に、押圧部9が凹んで内部空間12の体積(容積)が減少
する。その後、押圧部9の押圧を止めると、押圧部9が
元の状態に戻り(図3(a)参照)、このとき試料導入口1
1から内部空間12へ向かう負圧が生じるようになって
いる。
【0028】なお、カバー8は、押圧部9がシリコン樹
脂や天然ゴムを用いて構成されており、その他の部分が
ポリプロピレンやスチロ―ル樹脂等で構成されている。
もっとも、カバー8及び押圧部9の材質は、バイオセン
サ10の使用環境,目的,又はコスト等に応じて適宜選
択可能である。
【0029】上述したカバー8が本発明の内部空間形成
部に相当し、押圧部9が本発明の負圧発生手段に相当す
る。
【0030】図4は、図1〜3に示したパイオセンサ1
0を用いて血糖値(グルコース濃度)の定量を行う場合の
フロー図であり、図5は、血糖値の測定アルゴリズムの
時間経過を示す図である。以下、図4及び図5を用いて
測定手順を説明する。
【0031】最初に、バイオセンサ10の一端側(リー
ド部2,3側)を、図示せぬ血糖値の測定装置にセットす
ることによって、バイオセンサ10と測定装置とを電気
的に接続する。この状態で測定装置の電源を投入する。
すると、リード部2,3を通じて作用極4と参照極5と
の間に試料検知電圧V1(V1=0.1V)が印加される
(ステップS01)。
【0032】次に、バイオセンサ10の押圧部9の上面
を指等で押圧し、内部空間10の体積を減少させる(ス
テップS02:図3(b)参照)。この状態で、指を針で
刺すこと等によって血滴をつくり、試料導入口11に近
づけた後(ステップS03)、押圧部9への押圧を解放す
る(ステップS04)。すると、押圧部9が元の状態に戻
る(図3(a)参照)。この際に、試料導入口11から内部
空間12へ向かう負圧が生じ、血滴(血液)が、血液試料
として、試料導入口11から内部空間12へ強制的に導
入される。
【0033】血液が内部空間12へ流入すると、血液が
直ちに試薬層7を溶解し、試薬層7中の酵素による反応
が開始される。本実施形態では、試薬層7中のへキサシ
アノ鉄(III)酸カリウムが還元され、ヘキサシアノ鉄
(II)酸カリウムヘの変化を開始する。
【0034】その後、図示せぬ測定装置は、酵素反応が
開始してから25秒後に電極印加電圧をへキサシアノ鉄
(II)酸カリウム酸化電位(V2=0,5V)に変更し
(ステップS05)、電圧を変更してから30秒後の酸化
電流量を測定する(ステップS06)。酸化電流量は、ヘ
キサシアノ鉄(II)酸カリウムの量と酵素反応量と基質
量(血液中のグルコース量)に順次比例し、これによっ
て、グルコース濃度を測定することができる。そして、
図示せぬ測定装置が、グルコース濃度の測定結果を図示
せぬ表示装置に表示する(ステップS07)。
【0035】上述したバイオセンサ10によると、カバ
ー8に押圧部9が設けられ、この押圧部9の押圧によっ
て内部空間12の体積が変更可能となっている。このた
め、内部空間12中の試薬層7に十分な量の血液試料を
強制的に供給することができる。このため、毛細管現象
を利用して試料を導入する従来のバイオセンサに比べて
適正に血糖値の定量を行うことができる。
【0036】また、簡易な構造のカバー8を絶縁性基板
1に取り付けることでバイオセンサ10を構成できるの
で、その製造が容易であり、他の実施形態2〜4に比べ
てコストを抑えることができる利点がある。
【0037】〔実施形態2〕図6は、本発明の実施形態
2によるパイオセンサ20たるコレステロールセンサの
の三面図であり、図6(A)は正面図であり、図6(B)は
図6(A)のA−A線に沿って切断した場合における側面
図であり、図6(C)は図6(A)のB−B線に沿って切断
した場合における平面図である。
【0038】図6において、バイオセンサ20は、以下
のように構成されている。即ち、ボリエチレンテレフタ
レートやガラスエポキシ系樹脂等の絶縁性基板(45m
m×15mm、厚さ0.3mm)21が用意されてい
る。この絶縁性基板21は、先端部の幅が他端部の幅よ
りも狭く形成されている。この絶縁性基板21の上面に
は、実施形態1と同様の手法を用いて各リード部22,
23及び作用極24と参照極25とからなる電極系が形
成され、且つ絶縁膜26が実施形態1と同様にして形成
されている。
【0039】また、絶縁性基板21の先端側に形成され
た作用極24及び参照極25の上面には、試薬層27が
形成されている。試薬層27は、酵素たるコレステロー
ルオキシダ―ゼ1.0Uと電子伝達物質のへキサシアノ
鉄(III)酸カリウム0.2g、グルタルアルデヒド
0.02g、およぴ牛血清アルブミン(22%溶液)7m
Lの混合溶液20μLを電極系11の表面を覆うように
滴下し、乾燥させることによって形成されている。
【0040】絶縁性基板21の先端側の上面には、略端
面コの字型カバー28aが、絶縁性基板21の側面と面
一となる状態で設けられている。試薬層27は、カバー
28aの内部にて露出した状態となっている。また、カ
バー28aが絶縁性基板21に取り付けられることによ
って、バイオセンサ20の先端部に試料導入口29が形
成されている。
【0041】また、絶縁性基板21の上面には、カバー
28aと接続された端面コの字型のカバー28bが、絶
縁性基板21の側面と面一となる状態で設けられてい
る。これによって、各カバー28a,28bの内壁面と
絶縁性基板21の上面とで囲まれた内部空間(空隙)32
が形成されている。また、カバー28bには、バイオセ
ンサ20の末端側からピストン31が挿入されており、
内部空間32は、試料導入口29を除いてほぼ密閉され
た状態となっている。
【0042】ピストン31は、カバー28bの内壁面及
び絶縁膜26の上面で形成されるシリンダに沿って摺動
するようになっており、ピストン31が前進すると、内
部空間32の体積(容積)が減少し、ピストン31が後退
すると、内部空間32の体積が増加する。
【0043】なお、カバー28a,28bの材質として
は、ポリプロピレンやポリエチレン等を適宜選択するこ
とができる。また、本実施形態では、カバー28aとカ
バー28bとは、一体に形成されている。
【0044】上記したカバー28a,28bが、本発明
の内部空間形成部に相当し、ピストン31が、本発明の
負圧発生手段及びピストン部材に相当する。
【0045】図7は、図6に示したバイオセンサ20を
用いてコレステロールの定量を行う場合のフロー図であ
り、図8は、コレステロールの測定アルゴリズムの時間
経過を示す図である。以下、図7及び図8を用いて測定
手順を説明する。
【0046】最初に、実施形態1と同様の手法を用いて
バイオセンサ20と図示せぬコレステロールの測定装置
とを電気的に接続する。この状態で測定装置の電源を投
入し、作用極24と参照極25との間に試料検知電圧V
1(V1=0.05V)を印加する(ステップS21)。
【0047】次に、ピストン31を押すことによって、
内部空間32の体積(容積)を減少させた後(ステップS
22)、実施形態1と同様の手法で血液を試料導入口2
9に近づけ(接触させ)る(ステップS23)。そして、ピ
ストン31を引く(ステップS24)。すると、試料導入
口29から内部空間32へ向かう負圧が発生し、血液が
試料導入口29から内部空間32に吸引され、血液が試
料として内部空間32中の試薬層27に供給される。
【0048】試料が試薬層27に供給されると、試料が
直ちに試薬層27を溶解し、酵素反応が開始され、電極
反応電流が検出される。本実施形態では、コレステロー
ルオキシダーゼとヘキサシアノ鉄(III)酸カリウムを
主成分とするので、へキサシアノ鉄(III)酸カリウム
は還元されてへキサシアノ鉄(II)酸カリウムヘの変化
を開始する。
【0049】図示せぬ測定装置は、酵素反応が始まって
から25秒後に電極印加電圧を反応電圧V2(V2=
0.5V)に変更し(ステップS25)、反応電圧V2を
印加してから30秒後の酸化電流量を測定する(ステッ
プS26)。酸化電流量は、ヘキサシアノ鉄(II)酸カ
リウム量と酵素反応量と基質量(血液中のコレステロー
ル量)に順次比例し、これに基づいて測定装置は、試料
中のコレステロール濃度を測定する。その後、測定装置
は、コレステロール濃度の測定(定量)結果を図示せぬ表
示装置に表示する。
【0050】実施形態2によるバイオセンサ20の効果
は、実施形態1によるバイオセンサ10の効果とほぼ同
様であるが、ピストン31の調整により、バイオセンサ
10よりも試薬層27に供給する試料の量を調整しやす
い利点がある。即ち、バイオセンサ20の使用者が試料
(血液等)を目視しながら必要量採取することができるた
め、他の実施形態1,3,4に比べて確実性・信頼性に優
れるという利点がある。
【0051】〔実施形態3〕図9は、本発明の実施形態
3によるパイオセンサ30たる乳酸センサの三面図であ
る。図9(A)は正面図であり、図9(B)は側面図であ
り、図9(C)は平面図である。実施形態3によるバイオ
センサ30は、実施形態2によるバイオセンサ20と共
通の構成を有するので、同一の構成については同一の符
号を付して説明を省略し、異なる構成について説明す
る。
【0052】図9において、試薬層27は、酵素たる乳
酸オキシダーゼ1.0Uと電子伝達物質たるへキサシア
ノ鉄(III)酸カリウム0,2g、グルタルアルデヒド
0.02g、およぴ牛血清アルブミン(22%溶液)7m
Lの混合溶液20μLからなる。
【0053】また、絶縁性基板21の上面には、カバー
35aがバイオセンサ20(図6参照)のカバー28aと
同様の手法で設けられており、カバー35bがカバー2
8bと同様の手法で設けられている。これによって、試
料導入口29と内部空間32とが形成されている。カバ
ー35bは、以下の点でカバー28bと異なっている。
【0054】即ち、カバー35bは、バイオセンサ30
の末端側の端面が閉じられている。また、その上面に
は、周面が蛇腹状に形成されたスポイト部36が設けら
れている。スポイト部36は、内部が中空となってお
り、スポイト部36の内部は、内部空間32と連通して
いる。
【0055】スポイト部36は、その上面に対する押圧
力の付与・解放に応じて伸縮自在となっており、これに
応じて内部空間32の内部圧を変更する。即ち、スポイ
ト部36が押圧してスポイト部36を収縮させた後に、
スポイト部36を伸張させる(元の状態に戻す)と、内部
空間32の内部圧が減圧し、試料導入口29に負圧が発
生する。
【0056】従って、乳酸値を測定する場合に、スポイ
ト部36を収縮させた後に、血液(試料)を試料導入口2
9に近づけ(又は接触させ)、スポイト部36を伸張させ
れば、内部空間32に生じる負圧によって試料導入口2
9から試料が吸入され、試薬層27に供給される。な
お、スポイト部36は、その上面が押圧されることによ
って収縮し、その押圧力を解放すると自己復元力によっ
て伸張し押圧前の状態に戻るようになっていていても良
い。
【0057】なお、バイオセンサ30を用いた乳酸値の
測定手順は、実施形態1及び実施形態2にて説明した測
定手順とほぼ同様であるので説明を省略する。スポイト
部36は、本実施形態ではポリエチレンで形成されてい
るが、他の合成樹脂等の最適な材料を適宜選択すること
ができる。
【0058】実施形態3によるバイオセンサ30の効果
は、実施形態1にて説明した効果とほぼ同様である。ま
た、スポイト部36に蛇腹状の構造を採用することによ
り、指等で押しやすい構造を容易に実現できるので、実
施形態1,2に比べて使いやすいという利点がある。
【0059】〔実施形態4〕図10は、本発明の実施形
態4によるパイオセンサ40たるグルコースセンサの例
を示す三面図である。図10(A)は正面図であり、図1
0(B)はA−A線に沿った側断面図であり、図10(C)
は平面図である。実施形態4によるバイオセンサ40
は、実施形態2によるバイオセンサ20と共通の構成を
有するので、同一の構成については同一の符号を付して
説明を省略し、異なる構成について説明する。
【0060】図10において、絶縁性基板21は、例え
ぱテフロン樹脂やガラスエポキシ樹脂等を用いて実施形
態2,3とほぼ同様の形状に形成されている。また、各
リード部22,23及び作用極24と参照極25とから
なる電極系は、白金を用いたスパッタリング法によっ
て、絶縁性基板21の上面に、実施形態2,3と同様の
パターンで形成されている。
【0061】試薬層27は、酵素たるグルコースオキシ
ダーゼ0.5Uと電子伝達物質たるヘキサシアノ鉄(I
II)酸カリウム0.2g、グルタルアルデヒド0.0
1g、およぴ牛血清アルプミン(22%溶液)5mLの混
合溶液7μLからなる。
【0062】また、絶縁性基板21の上面には、カバー
45aが、バイオセンサ20(図6参照)のカバー28a
と同様の手法で設けられており、カバー45bがカバー
28bと同様の手法で設けられている。これによって、
試料導入口29と内部空間32とが形成されており、内
部空間32は、試料導入口29を除いて密閉されてい
る。なお、カバー45a,45bの材質には、テフロン
樹脂やフッ素樹脂等を適宜選択して用いることができ
る。
【0063】内部空間32において、カバー45aの内
部空間とカバー45bの内部空間との連通部位には、仕
切部材46が配置されている。仕切部材46は、ガラス
ウールや濾紙等で構成されており、気体は自由に通過さ
せるが液体は吸収するようになっている。これによっ
て、試料導入口29から流入した試料がカバー45bの
内部空間へ流入することが防止される。
【0064】また、カバー45bの内部空間32には、
マグネシウムリボン49が配置されている。このマグネ
シウムリボン49は、カバー45bの両側面を貫通し両
端部が外部に配置されたニクロム線48によって、内部
空間32の空中に支持されている。ニクロム線48の両
端部は、夫々リード線50,51と接続されている。各
リード線50,51は、図示せぬ測定装置の電源に接続
される。
【0065】上記したバイオセンサ40を用いたグルコ
ース濃度の測定手順は、以下の通りである。即ち、最初
に、バイオセンサ40の各リード部22,23を図示せ
ぬ血糖値の測定装置と電気的に接続するとともに、各リ
ード線50,51を測定装置と電気的に接続する。
【0066】その後、測定装置の電源を投入し、作用極
4と参照極5との間に電位V1(Vl=0.1V)を印加
する。次に、被測定試料として、例えば尿を用意し、試
料導入口29に近づける。次に、各リード線50,51
を通じてニクロム線48のに所定電圧を印加する。する
と、ニクロム線48に保持されたマグネシウムリボン4
9が加熱され、酸化(燃焼)する。このマグネシウムリボ
ン49の酸化によって、内部空間32内の酸素が消費さ
れるので、内部空間32内が減圧され、試料導入口29
から内部空間へ向かう負圧が生じる。これによって、尿
が試料として試料導入口29から試薬層27へ強制的に
導かれる。
【0067】試料が試薬層27に供給されると、試料が
試薬層27を溶解して酵素反応が直ちに開始され、電極
反応電流が検出される。その後、測定装置は、酵素反応
が開始してから25秒後に電極印加電位をヘキサシアノ
鉄(II)酸カリウム酸化電位V2(V2=0.5V)に変
更し、電圧変更後30秒後の酸化電流量を測定する。酸
化電流量は、へキサシアノ鉄(II)酸カリウム量と酵
素反応量と基質量(尿中のグルコース量)に順次比例する
ので、これに基づいて、グルコース濃度が測定される。
【0068】実施形態4によるバイオセンサ40の効果
は、実施形態1にて説明した効果に加え、負圧を発生さ
せるプロセスを電気的に行うことができるので、負圧発
生プロセスを自動化することができる。このため、他の
実施形態1〜3に比べてバイオセンサ40の使用者の手
を煩わせないで済むという利点がある。
【0069】
【発明の効果】本発明によるバイオセンサによれば、必
要な量の試料を確実に内部空間内へ導入することができ
るため、試薬層に対する試料の供給が不十分であるため
に不適正な測定結果が得られてしまう等の問題を解消で
きる。
【0070】また、内部空間は、試料導入口のみを介し
て外部と通じているので、従来のように、試料が気体排
出口から流出することによる問題を回避することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態1によるバイオセンサの構成
【図2】本発明の実施形態1によるバイオセンサの構成
【図3】本発明の実施形態1によるバイオセンサの構成
【図4】図1〜図3に示したバイオセンサを用いたグル
コース濃度の測定手順を示すフロー図
【図5】図4に示した測定アルゴリズムの時間経過を示
す図
【図6】本発明の実施形態2によるバイオセンサの構成
【図7】図6に示したバイオセンサを用いたコレステロ
ール濃度の測定手順を示すフロー図
【図8】図7に示した測定アルゴリズムの時間経過を示
す図
【図9】本発明の実施形態3によるバイオセンサの構成
【図10】本発明の実施形態4によるバイオセンサの構
成図
【符号の説明】
1 絶縁性基板 2 リード部 3 リード部 4 作用極 5 参照極 6 絶縁膜 7 試薬層 8 カバー(内部空間形成部) 9 押圧部(負圧発生手段) 10 バイオセンサ 11 試料導入口 12 内部空間 13 凹部 20 バイオセンサ 21 絶縁性基板 22 リード部 23 リード部 24 作用極 25 参照極 26 絶縁膜 27 試薬層 28a カバー(内部空間形成部) 28b カバー(内部空間形成部) 29 試料導入口 30 バイオセンサ 31 ピストン(負圧発生手段,ピストン部材) 32 内部空間 35a カバー(内部空間形成部) 35b カバー(内部空間形成部) 36 スポイト部(負圧発生手段) 40 バイオセンサ 45a カバー(内部空間形成部) 45b カバー(内部空間形成部) 46 仕切部材 48 ニクロム線(加熱手段) 49 マグネシウムリボン(可燃性物質) 50 リード線 51 リード線
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G01N 33/66 G01N 27/30 353Q 353Z (72)発明者 迫田 勇策 京都府京都市右京区山ノ内山ノ下町24番地 株式会社オムロンライフサイエンス研究所 内 Fターム(参考) 2G045 AA13 AA25 BB50 CA25 DA04 DA31 DA69 FB01 FB05 HA09 HA14 4B063 QA01 QA19 QQ68 QQ70 QR03 QR72 QR82 QS36 QX05

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】絶縁性基板と、この絶縁性基板の上面に形
    成された作用極と参照極とを含む電極系と、この電極系
    の上面に形成される試薬層と、この試薬層が露出する内
    部空間を形成するように前記試薬層を覆う内部空間形成
    部とを備えたバイオセンサにおいて、 前記内部空間へ試料を供給するための試料導入口が設け
    られ、前記内部空間が前記試料導入口のみを介して外部
    と通じており、前記試料導入口から前記内部空間へ向か
    う負圧を生じさせる負圧発生手段を有することを特徴と
    するバイオセンサ。
  2. 【請求項2】前記負圧発生手段が、前記内部空間の体積
    又は容積を変化させることによって前記負圧を生じさせ
    ることを特徴とする請求項1記載のバイオセンサ。
  3. 【請求項3】前記負圧発生手段が、前記内部空間の内部
    圧を減圧することによって前記負圧を生じさせることを
    特徴とする請求項1記載のバイオセンサ。
  4. 【請求項4】前記負圧発生手段が、前記内部空間形成部
    の少なくとも一部を伸縮自在に形成することによって構
    成されていることを特徴とする請求項2記載のバイオセ
    ンサ。
  5. 【請求項5】前記負圧発生手段が、前記内部空間に挿入
    されこの内部空間の壁面に沿って摺動可能なピストン部
    材からなることを特徴とする請求項2記載のバイオセン
    サ。
  6. 【請求項6】前記負圧発生手段が、内部が中空でこの内
    部が前記内部空間と連通するように設けられた伸縮自在
    な部材からなることを特徴とする請求項3記載のバイオ
    センサ。
  7. 【請求項7】前記負圧発生手段が、内部空間中に配置さ
    れた可燃性物質と、この可燃性物質を加熱する加熱手段
    とからなることを特徴とする請求項3記載のバイオセン
    サ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPWO2003006980A1 (ja) * 2001-07-13 2004-11-04 アークレイ株式会社 分析用具、分析用具を備えた濃度測定装置用の穿刺要素一体装着体、および体液採取用具

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