JP2000121355A - 測距装置 - Google Patents

測距装置

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JP2000121355A
JP2000121355A JP10296422A JP29642298A JP2000121355A JP 2000121355 A JP2000121355 A JP 2000121355A JP 10296422 A JP10296422 A JP 10296422A JP 29642298 A JP29642298 A JP 29642298A JP 2000121355 A JP2000121355 A JP 2000121355A
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distance
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Hitoshi Nomura
仁 野村
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Nikon Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、物体(特に動体)までの距離を測
定する測距装置に関し、測距に要する計算量を低減し、
かつ、背景の状況にかかわらず、物体(主に動体)まで
の距離を確実に測定することを目的とする。 【解決手段】 所定の基線長だけ離して設定された少な
くとも2つの受光ポイントでそれぞれ撮影を行い、受光
ポイントごとに、時間軸方向の画像差から被写界中の動
体を示す動体画像信号を生成する動体検出部(12)
と、受光ポイントごとの動体画像信号を取り込み、これ
ら動体画像信号間のパターンマッチングに基づいて動体
画像のパターンずれを算出する相関演算部(15)と、
相関演算部により算出されたパターンずれに基づいて、
動体までの距離を算出する距離演算部(16)とを備え
て、測距装置を構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、物体(特に動体)
までの距離を測定する測距装置に関する。特に、本発明
は、複数の受光ポイントで動体画像信号を生成し、これ
ら動体画像信号間の視差に基づいて物体までの距離を測
定する技術に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、両眼視差に基づいて物体まで
の距離を測定する測距装置が、よく知られている。例え
ば、特開平5−231822号公報には、2つの受光ポ
イントで撮影した画像間でパターンマッチングを行って
視差(パターンずれ)を求め、この視差に基づいて物体
までの距離を算出する技術が記載されている。また、特
開平8−178637号公報には、画像内の輝度差から
輪郭情報を検出する人工網膜素子を左右に配置し、左右
の輪郭情報の視差に基づいて物体までの距離を算出する
技術が記載されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、CCDカメ
ラの画素数は、通常、数万画素から数百万画素である。
また、1画素当たりの階調を256階調(8ビット)と
すると、画像1画面分の情報量は、数百kビットから数
Mビットとなる。前者の従来技術(特開平5−2318
22号公報)では、このような膨大な情報量についてパ
ターンマッチングの処理を行う。そのため、計算量が極
端に多いという問題点があった。
【0004】その上、これだけの情報量のパターンマッ
チングには、当然ながら多くのメモリや高性能な情報処
理装置が必須となり、測距装置が大型かつ高価格になる
という問題点があった。さらに、左右の撮像画像には、
物体のほかに背景画像も含まれる。そのため、物体まで
の距離を測定するつもりで、背景までの距離を誤って測
定してしまうという問題点もあった。
【0005】一方、後者の従来技術(特開平8−178
637号公報)においても、画像内の輝度差から求めた
輪郭情報から、背景と物体とを区別することはできな
い。そのため、後者の従来技術においても、物体までの
距離を測定するつもりで、背景までの距離を誤って測定
してしまうという上記問題点を解決することはできな
い。ちなみに、後者の従来技術(特開平8−17863
7号公報)には、予め物体のない背景画像の輪郭情報を
記憶し、「その背景画像の輪郭情報」と「物体を含む画
像の輪郭情報」との相関行列から、物体までの距離や移
動角度を算出するという事柄も記載されている。一応、
このような相関行列の非相関要素から、「物体位置にお
ける背景画像の輪郭」と「物体の輪郭」とが重畳した輪
郭情報を生成することまでは可能である。しかしなが
ら、このような相関行列のみから、背景と物体とを明確
に区別し、その物体までの距離や移動角度を算出できる
とは到底考えられない。
【0006】そこで、請求項1〜6に記載の発明では、
少ない計算量で、物体(主に動体)までの距離を確実に
測定することが可能な測距装置を提供することを目的と
する。特に、請求項2、3に記載の発明では、測距のた
めの計算量をより軽減することが可能な測距装置を提供
することを目的とする。請求項4に記載の発明では、動
体の測距に限らず、静止体の測距も可能な測距装置を提
供することを目的とする。請求項5に記載の発明では、
物体のサイズを算出することが可能な測距装置を提供す
ることを目的とする。請求項6に記載の発明では、動体
検出部(後述)を小型化し、かつ動体検出のための計算
処理を不要とした測距装置を提供することを目的とす
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】(請求項1)請求項1に
記載の発明は、所定の基線長だけ離して設定された少な
くとも2つの受光ポイントでそれぞれ撮影を行い、受光
ポイントごとに、時間軸方向の画像差を示す動体画像信
号を生成する動体検出部と、受光ポイントごとの動体画
像信号を取り込み、これら動体画像信号間のパターンマ
ッチングに基づいて動体画像のパターンずれを算出する
相関演算部と、相関演算部により算出されたパターンず
れに基づいて、動体までの距離を算出する距離演算部と
を備えて、測距装置を構成する。
【0008】上記構成の動体検出部では、それぞれの受
光ポイントごとに、時間軸方向の画像差に基づく動体画
像信号を生成する。この動体画像信号には、背景などの
静止画像は含まれず、動体の画像が主として含まれる。
相関演算部は、これらの動体画像信号間でパターンマッ
チングを行う。この場合、相関演算部は、主たる動体箇
所に限ってパターンマッチングの処理を行えばよく、画
像情報の全般にわたってパターンマッチングを行う従来
技術に比べて、計算量は確実に低減する。また、この相
関演算部は、背景の含まれない動体画像信号間でパター
ンマッチングを行うため、背景を誤って測距するなどの
不具合は生じない。そのため、背景の状況にかかわら
ず、物体(主に動体)までの距離を確実に測定すること
が可能となる。
【0009】(請求項2)請求項2に記載の発明は、請
求項1に記載の測距装置において、動体検出部で生成さ
れる動体画像信号は、動体の有無を画素単位に示す二値
信号であり、相関演算部で実施されるパターンマッチン
グは、画素位置をずらしながら動体画像信号間で二値の
論理演算を実行して一致度を求め、その一致度から動体
画像が最も一致するずらし量を探索する処理であること
を特徴とする。
【0010】このような構成では、動体検出部は、動体
の有無を画素単位に示す二値の動体画像信号を生成す
る。この場合、微妙な輝度差からなる動体の平坦部は、
二値化の過程で、動体画像信号からほとんど欠落する。
そのため、このように生成される動体画像信号には、主
として動体の輪郭(エッジ)部のみが含まれる。したが
って、パターンマッチングにあたっては、動体画像の中
のさらに輪郭部に限って処理を行えばよく、パターンマ
ッチングの計算量は一段と軽減される。また、相関演算
部は、画像の一致度を求める際に、二値の論理演算を使
用する。一般的に、このような二値の論理演算は、中間
階調を含む画像信号の演算処理に比べ、単純かつ高速に
実行できる。したがって、パターンマッチングの処理は
顕著に高速化される。
【0011】(請求項3)請求項3に記載の発明は、所
定の基線長だけ離して設定された少なくとも2つの受光
ポイントでそれぞれ撮影を行い、受光ポイントごとに、
時間軸方向の画像差を示す動体画像信号を生成する動体
検出部と、各受光ポイントの動体画像信号ごとに画像の
重心位置を求め、これら重心位置の間隔を算出する重心
演算部と、重心演算部により算出された重心位置の間隔
に基づいて、動体までの距離を算出する距離演算部とを
備えたことを特徴とする。
【0012】一般に、従来技術の画像や輪郭情報には、
物体以外(例えば背景など)の画像情報が大量に含まれ
る。そのため、この種の画像や輪郭情報から単純に重心
位置を求めても、物体についての重心位置を正確に求め
ることはできない。このような理由から、重心位置の間
隔から視差を求めるという本発明の技術を、従来技術に
そのまま応用することはできない。一方、本発明の動体
画像信号には、背景などの静止画像が含まれない。その
ため、背景画像の影響を受けずに、動体画像の重心位置
を正確に求めることができる。したがって、本発明で
は、画像の重心位置を求めるという簡易な演算処理を使
用して、物体(主に動体)を測距することができる。
【0013】(請求項4)請求項4に記載の発明は、請
求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の測距装置
において、動体検出部の視野を動かす駆動機構を備え、
被写界中の静止体を動体として検出することを特徴とす
る。このような構成では、動体の測距のみならず、被写
界中の静止体までも測距することが可能となる。
【0014】(請求項5)請求項5に記載の発明は、請
求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載の測距装置
において、距離演算部において算出した動体までの距離
と、動体画像信号の動体画像の大きさとに基づいて、動
体の大きさを算出する寸法算出部を備えたことを特徴と
する。このような構成では、上記の寸法算出部を設けた
ことにより、動体の大きさを即座に算出することが可能
となる。
【0015】(請求項6)請求項6に記載の発明は、請
求項1ないし請求項5のいずれか1項に記載の測距装置
において、動体検出部は、光像を結像する光学系と動き
検出用固体撮像装置とを有し、動き検出用固体撮像装置
は、受光面上にマトリックス配列され、入射光に応じた
画素出力を生成する複数の受光部と、複数の受光部の列
毎に設けられた垂直読み出し線と、複数の受光部の特定
行を順次に選択しつつ、該特定行の受光部から過去保持
した前コマの画素出力と、該特定行の受光部から新規に
保持した現コマの画素出力とを、垂直読み出し線へ逐次
出力する垂直転送回路と、垂直読み出し線ごとに設けら
れ、垂直読み出し線を介して時分割に転送される前コマ
の画素出力と現コマの画素出力とを演算するコマ間演算
回路と、垂直読み出し線ごとに出力されるコマ間演算回
路の演算結果を水平転送し、動体画像信号として出力す
る水平転送回路とを有して構成されることを特徴とす
る。このような動き検出用固体撮像装置は、画素出力の
転送期間中に動体画像信号の生成を完了する。そのた
め、動体画像信号の生成用に画像処理回路を別途設ける
必要がなく、測距装置を単純かつ小型に構成することが
可能となる。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、図面に基づいて本発明にお
ける実施の形態を説明する。
【0017】<第1の実施形態>第1の実施形態は、請
求項1,2,6に記載の発明に対応する実施形態であ
る。図1は、第1の実施形態における測距装置10の構
成ブロック図である。図1において、測距装置10には
動体検出部12が設けられる。この動体検出部12に
は、基線長Lだけ光軸を離して2つの光学系13a,1
3bが配置される。これらの光学系13a,13bの各
結像面には、2つの動き検出用固体撮像装置14a,1
4bがそれぞれ配置される。
【0018】これらの動き検出用固体撮像装置14a,
14bから出力される動体画像信号IL,IRは、相関
演算部15に与えられる。この相関演算部15によるパ
ターンずれの演算結果は、距離演算部16に与えられ
る。次に、上述した動き検出用固体撮像装置14a,1
4bの内部回路について、詳細に説明する。
【0019】(動き検出用固体撮像装置14a,14b
の内部回路)図2は、動き検出用固体撮像装置14a,
14bの内部回路を示す図である。図2において、動き
検出用固体撮像装置14a,14bには、単位画素1
が、n行m列にマトリックス配列される。これらの単位
画素1の出力は、垂直列ごとに共通接続され、m本分の
垂直読み出し線2を形成する。
【0020】また、動き検出用固体撮像装置14a,1
4bには、垂直転送のタイミングを決定するための垂直
走査回路3が配置される。この垂直走査回路3からは、
1行目の単位画素1に対し3種類の制御パルスφTG
1,φPX1,φRG1がそれぞれ供給される。同様に
して、残りの2〜n行目の単位画素1に対しても、垂直
走査回路3から出力される3種類の制御パルスφTG2
〜n,φPX2〜n,φRG2〜nがそれぞれ供給され
る。
【0021】上記のm本分の垂直読み出し線2には、バ
イアス電流を供給するための電流源4と異値検出回路6
とがそれぞれ接続される。これらm個の異値検出回路6
の標本制御端子には、制御パルスφSAが供給される。
このような制御パルスφSAは、例えば垂直走査回路3
などから出力される。また、m個の異値検出回路6のそ
れぞれの出力端子は、シフトレジスタ9のパラレル入力
Q1〜Qmにそれぞれ接続される。このシフトレジスタ
9には、パラレルデータの取り込みタイミングを決定す
るための制御パルスφLDと、シリアル転送の転送クロ
ックφCKとを入力するための端子が設けられる。この
シフトレジスタ9のシリアル出力は、動体画像信号とし
て動き検出用固体撮像装置14a,14bの外部へ出力
される。
【0022】(単位画素1の回路構成)次に、図2に基
づいて、1行1列目に位置する単位画素1について、具
体的な回路構成を説明する。なお、その他の単位画素1
についても、制御パルスの添え字が異なるだけで、1行
1列目の単位画素1と回路構成は同様である。まず、こ
の単位画素1には、ホトダイオードPDが設けられる。
このホトダイオードPDのアノードは、電荷転送用のM
OSスイッチQTを介して、接合型電界効果トランジス
タからなる増幅素子QAのゲートに接続される。この電
荷転送用のMOSスイッチQTのゲートには、垂直走査
回路3から出力される制御パルスφTG1が供給され
る。
【0023】また、増幅素子QAのゲートは、信号電荷
リセット用のMOSスイッチQPを介して、一定のリセ
ット電位VRDに保たれた配線層に接続される。このM
OSスイッチQPのゲートには、垂直走査回路3から出
力される制御パルスφRG1が供給される。一方、この
増幅素子QAのソースは、垂直転送用のMOSスイッチ
QXを介して垂直読み出し線2に接続される。このMO
SスイッチQXのゲートには、垂直走査回路3から出力
される制御パルスφPX1が供給される。
【0024】(異値検出回路6の回路構成)次に、垂直
読み出し線2の1列目に設けられた異値検出回路6につ
いて、具体的な回路構成を説明する。なお、2列目以降
の異値検出回路6についても、出力信号の添え字が異な
るだけで、1列目の異値検出回路6と回路構成は同様で
ある。図3は、異値検出回路6の回路構成を示す図であ
る。
【0025】図3において、垂直読み出し線2に対し、
2つのコンデンサCA,CBの一端側がそれぞれ接続さ
れる。このコンデンサCAの他端側は、第1のインバー
タINV1の入力端子に接続される。さらに、コンデン
サCAの他端側には、MOSスイッチQB1を介して、
閾値を決定するための電圧VR1(=Vth−ΔV)が
供給される。このMOSスイッチQB1のゲートには、
制御パルスφSAが供給される。
【0026】なお、ここでの電圧Vthは、インバータ
INV1,INV2の閾値電圧に相当する電圧である。
また、電圧ΔVは、画素出力間の差異が有意なものか否
かを決定する際の閾値に相当する電圧である。一方、コ
ンデンサCBの他端側は、第2のインバータINV2の
入力端子に接続される。さらに、コンデンサCBの他端
側には、MOSスイッチQB2を介して、閾値を決定す
るための電圧VR2(=Vth+ΔV)が供給される。
このMOSスイッチQB2のゲートには、制御パルスφ
SAが供給される。
【0027】上記の第1のインバータINV1の出力
は、NAND回路NAの一方の入力端子に入力される。
また、第2のインバータINV2の出力は、第3のイン
バータINV3を介して反転された後、NAND回路N
Aの他方の入力端子に入力される。このNAND回路N
Aの出力は、シフトレジスタ9のパラレル入力端子Q1
に供給される。
【0028】(本発明と第1の実施形態との対応関係)
ここで、本発明と第1の実施形態との対応関係について
説明する。まず、請求項1,2に記載の発明と第1の実
施形態との対応関係については、動体検出部は動体検出
部12に対応し、相関演算部は相関演算部15に対応
し、距離演算部は距離演算部16に対応し、受光ポイン
トは光学系13a,13bの各主点(principal poin
t)に対応する。
【0029】また、請求項6に記載の発明と第1の実施
形態との対応関係については、光学系は光学系13a,
13bに対応し、動き検出用固体撮像装置は動き検出用
固体撮像装置14a,14bに対応し、受光部はホトダ
イオードPDに対応し、垂直読み出し線は垂直読み出し
線2に対応し、垂直転送回路は「垂直走査回路3,増幅
素子QA,垂直転送用のMOSスイッチQX,電荷転送
用のMOSスイッチQTおよび信号電荷リセット用のM
OSスイッチQP」に対応し、コマ間演算回路は異値検
出回路6に対応し、水平転送回路はシフトレジスタ9に
対応する。
【0030】(動き検出用固体撮像装置14a,14b
の撮像動作)以下、第1の実施形態全体の動作説明に先
だち、動き検出用固体撮像装置14a,14bの動作を
予め説明する。図4は、動き検出用固体撮像装置14
a,14bの転送動作を説明するタイミングチャートで
ある。なお、本図では、i行目の垂直転送動作について
示す。
【0031】まず、図4に示す期間t11のタイミング
において、垂直走査回路3は、制御パルスφPXiをロ
ーレベルに保持し、かつ制御パルスφSAをハイレベル
に立ち上げる。この制御パルスφPXiの立ち下げによ
り、i行目のMOSスイッチQXが導通する。このと
き、増幅素子QAのゲート領域には、前回のフレーム読
み出しに際して蓄積された信号電荷が保持されている。
したがって、増幅素子QAからなるソースホロワ回路
は、この前コマi行目に相当する画素出力Vold を垂直
読み出し線2上に出力する。
【0032】一方このとき、異値検出回路6側では、制
御パルスφSAの立ち上げにより、MOSスイッチQB
1,QB2が導通する。そのため、コンデンサCA,C
Bを通る充電経路がそれぞれ形成される。その結果、コ
ンデンサCAの両端には、(Vold−Vth+ΔV)の
電圧が充電される。
【0033】一方、コンデンサCBの両端には、(Vol
d−Vth−ΔV)の電圧が充電される。この期間t1
1の終了間際に、制御パルスφSAが立ち下げられる。
そのため、コンデンサCA,CBの他端側は再びフロー
ティング状態となる。その結果、コンデンサCA,CB
は、上記の両端電圧をそれぞれ保持する。
【0034】次に、図4に示す期間t12のタイミング
において、垂直走査回路3は、制御パルスφRGiをロ
ーレベルに立ち下げる。すると、i行目の単位画素1で
は、MOSスイッチQPが導通し、増幅素子QAのゲー
ト領域に保持されていた前コマの信号電荷が排出され
る。その結果、ゲート領域は、配線層を介してリセット
電圧VRDに初期化される。
【0035】この期間t12の終了間際、制御パルスφ
RGiがハイレベルに戻される。その結果、MOSスイ
ッチQPが遮断され、増幅素子QAのゲート領域はフロ
ーティング状態のまま、リセット時の電圧を保持する。
次に、図4に示す期間t13のタイミングにおいて、制
御パルスφTGiがローレベルに立ち下げられる。する
と、i行目の単位画素1において、MOSスイッチQT
が導通し、i行目のホトダイオードPDに蓄積された現
コマの信号電荷が、増幅素子QAのゲート領域に転送さ
れる。
【0036】この期間t13の終了間際、制御パルスφ
TGiがハイレベルに戻される。その結果、MOSスイ
ッチQTが遮断され、増幅素子QAのゲート領域はフロ
ーティング状態のまま、転送された信号電荷に応じて電
位が上昇した状態を保持する。この期間t13のタイミ
ングにおいても、制御パルスφPXiは依然ローレベル
である。そのため、垂直読み出し線2からは、増幅素子
QAのソースホロワ回路を介して現コマかつi行目の画
素出力Vnow が新たに出力される。
【0037】そのため、異値検出回路6側のコンデンサ
CAの他端側には、(Vnow −Vold +Vth−ΔV)
の電圧が現れる。また、コンデンサCBの他端側には、
(Vnow −Vold +Vth+ΔV)の電圧が現れる。こ
れらの電圧は、インバータINV1,INV2を介し
て、閾値電圧Vthを境に反転される。
【0038】以上のような電圧関係により、フレーム間
の画素出力差(Vnow−Vold)がΔVを上回ると、イン
バータINV1はローレベルを出力する。一方、フレー
ム間の画素出力差(Vnow−Vold)がΔVを下回ると、
インバータINV1はハイレベルを出力する。このイン
バータINV1の論理出力は、NAND回路NAの一方
の端子に入力される。
【0039】また、フレーム間の画素出力差(Vnow−
Vold)が(−ΔV)を上回ると、インバータINV2
はローレベルを出力する。一方、フレーム間の画素出力
差(Vnow−Vold)が(−ΔV)を下回ると、インバー
タINV2はハイレベルを出力する。このインバータI
NV2の論理出力は、インバータINV3を介して反転
された後、NAND回路NAの他方の端子に入力され
る。
【0040】その結果、NAND回路NAからは、フレ
ーム間の画素出力差(Vnow−Vold)の値が(−ΔV)
〜ΔVの許容範囲内にある場合、ローレベルが出力され
る。また、フレーム間の画素出力差(Vnow−Vold)の
値が(−ΔV)〜ΔVの許容範囲外にある場合、ハイレ
ベルが出力される。このような動作により、NAND回
路NAからは、フレーム間に差があるか否か(動体か否
か)を画素単位に示す2値化信号が出力される。
【0041】続いて期間t14のタイミングにおいて、
制御パルスφLDがハイレベルに立ち上げられる。その
結果、m個のNAND回路NAからそれぞれに出力され
る2値化信号は、シフトレジスタ9のパラレル入力端子
Q1〜Qmから一括して取り込まれ、シフトレジスタ9
の内部値D1〜Dmとしてそれぞれ保持される。次に、
期間t15のタイミングにおいて、シフトレジスタ9に
転送パルスφCKが順次与えられる。この転送パルスφ
CKの立ち上がりに同期して、シフトレジスタ9のシリ
アル出力からは、内部値D1〜Dmが順次に出力され
る。以上説明したような一連の信号読み出し処理を、各
水平行について繰り返すことにより、シフトレジスタ9
からは動体画像信号が順次出力される。
【0042】(第1の実施形態の全体動作)図5は、第
1の実施形態の全体動作を説明するための流れ図であ
る。以下、これらの動作ステップに従って、第1の実施
形態における全体動作を説明する。まず、相関演算部1
5は、パターンマッチングの演算に使用する変数群を下
記のように初期化する(図5S0)。
【0043】i=1 k=0 S(1)=S(2)=・・・=S(n)=0 D(1)=D(2)=・・・=D(n)=0 ところで、動体検出部12側では、2つの光学系13
a,13bにより、左右一対の光像が結像する。動き検
出用固体撮像装置14a,14bは、上記した撮像動作
に従って、これら左右一対の光像を個別に撮像し、左右
の動体画像信号IL,IRをそれぞれ生成する。
【0044】図6は、このように生成される動体画像信
号IL,IRを示す説明図である。図6に示されるよう
に、動体画像信号IL,IRには、動体(図6中のM)
の輪郭情報のみが二値化信号として含まれ、静止体(図
6中のS)などの画像情報は一切含まれない。相関演算
部15は、これらの動体画像信号IL,IRをほぼ同時
刻に取り込み、それぞれ記憶する(図5S1)。
【0045】ここで、相関演算部15は、左右の動体画
像信号IL,IRからi行目のデータを読み出す(図5
S2)。相関演算部15は、この左右の動体画像信号I
L,IRのi行目について、下記の[式1]を計算し、
ずらし量kにおける相関指数C(i,k)を求める(図5
S3)。
【0046】 ただし、上式中のIL(i,j)は、左側の動体画像信号
ILのi行j列目の画素値を示し、IR(i,j+k)は、
右側の動体画像信号IRのi行(j+k)列目の画素値を示
す。また、「∩」は、二値の論理積演算を示す。
【0047】相関演算部15は、このように求めた相関
指数C(i,k)を、i行目の相関指数の最大値S(i)
と比較する(図5S4)。ここで、相関指数C(i,k)
が最大値S(i)よりも大きい場合(図5S4のYES
側)、相関演算部15は、最大値S(i)の値を相関指
数C(i,k)に置き換えた後、i行目のずれ量D(i)
にずらし量kの値を記録する(図5S5)。このような
動作の後、相関演算部15は、ステップS6に動作を移
行する。
【0048】一方、相関指数C(i,k)が最大値S
(i)よりも小さい場合(図5S4のNO側)、相関演
算部15は、ステップS5の動作を行わず、ステップS
6に動作を移行する。次のステップS6では、相関演算
部15が、ずらし量kの値を閾値判定する(図5S
6)。
【0049】このような判断の結果、ずらし量kが所定
のずらし量kmax未満の場合、相関演算部15は、ずら
し量kを1だけ増やした後(図5S7)、ステップS3
に動作を戻す。なお、ここで使用するずらし量kmax
は、測距可能な最至近距離を一義的に決定する値であ
り、例えば、測距装置10の設計仕様や、光学系13
a,13bの有効撮影画角の重なり具合などに基づいて
予め設定される。
【0050】一方、ずらし量kがこのずらし量kmaxに
等しい場合、相関演算部15は、i行目について相関指
数C(i,k)を全て求めたと判断し、ステップS8に動
作を移行する。次のステップS8では、相関演算部15
が、行数iの閾値判定を行う(図5S8)。
【0051】このような判断の結果、行数iが動き検出
用固体撮像装置14a,14bの垂直画素数n未満の場
合、相関演算部15は、行数iの値を1だけ増やし、か
つ、ずらし量kの値をゼロに戻した後(図5S9)、ス
テップS2に動作を戻す。一方、行数iが動き検出用固
体撮像装置14a,14bの垂直画素数nに等しい場
合、相関演算部15は、全行についてパターンマッチン
グ処理が完了したと判断する。
【0052】このようにパターンマッチング処理を完了
した場合、相関演算部15は、下記の[式2]を用い
て、左右の動体画像間におけるパターンずれ量dを求め
る(図5S10)。 ただし、上式中のΔPは、動き検出用固体撮像装置14
a,14bの1画素分の水平幅である。
【0053】図7は、このように求めたパターンずれ量
dと物体との幾何学的関係を示した図である。図7にお
いて、動体Mからの光は、光学系13a,13bの主点
をそれぞれ通過して、受光面上の水平位置XL,XRに
それぞれ結像する。上記したパターンずれ量dは、水平
位置XL,XRの相対間隔|XR−XL|に該当する。
このとき、パターンずれ量d、像距離f、基線長L、お
よび動体までの距離γの間には、以下のような相似関係
式が成立する。なお、下式において、像距離fに代えて
光学系13a,13bの焦点距離を使用しても実用上は
かまわない。
【0054】γ=f・L/d ・・・[式3] 距離演算部16は、上記のステップS10で求めたパタ
ーンずれ量dを[式3]に代入して、動体までの距離γ
を算出する(図5S11)。
【0055】(第1の実施形態の効果など)以上説明し
たように、第1の実施形態では、動体画像信号IL,I
R間でパターンマッチングを行う。このような処理で
は、動体画像について演算処理を行えばよく、パターン
マッチングに要する計算量を確実に軽減することができ
る。また、このような動体画像信号IL,IRには、背
景などのような静止部分が含まれない。したがって、背
景を誤って測距するなどの不具合を回避しつつ、物体
(主に動体)を確実に測距することができる。
【0056】さらに、第1の実施形態では、動体の輪郭
部のみからなる二値の動体画像信号IL,IRを使用す
る。したがって、パターンマッチングにあたって、動体
画像の中のさらに輪郭部について計算処理を行えばよ
く、計算量をさらに一段と軽減することができる。その
上、動体画像信号は、二値化されているため情報量が極
端に少ない。したがって、動体画像信号を記憶するため
のメモリ容量を節約することもできる。
【0057】また、第1の実施形態では、二値の論理積
演算を用いて相関指数C(i,k)を計算する。したがっ
て、中間階調を含む画像信号の比較処理などに比べ、計
算処理を簡易かつ高速に実行することが可能となる。さ
らに、第1の実施形態では、動き検出用固体撮像装置1
4a,14bが、画素出力の転送期間中に動体画像信号
IL,IRの生成を完了する。そのため、動体画像信号
を生成するための複雑な処理回路を別途設ける必要がな
く、測距装置全体を単純かつ小型に構成することが可能
となる。
【0058】また、第1の実施形態では、垂直読み出し
線2上に異値検出回路6を設けて、垂直転送中に動体検
出を行っている。通常、この種の固体撮像装置では、垂
直転送側の動作が低速に行われ、水平転送側の動作が高
速に行われる。そのため、上記のような構成では、動体
検出という比較的複雑な処理を垂直転送中に余裕を持っ
て行うことが可能となる。また、その結果得られた単純
な二値化信号を高速に水平転送することも可能となる。
このように、本実施形態では、動体画像信号の生成動作
を転送動作の緩急に合わせて合理的に行っている。その
ため、さらなる処理の高速化を容易に実現することも可
能となる。
【0059】さらに、第1の実施形態では、アナログ画
像信号を外部に引き回す必要がない。したがって、外部
雑音の影響を受けにくく、高精度な測距が可能となる。
また、第1の実施形態では、[式2]に示すように、相
関指数の最大値S(i)を重み係数に使用して、パター
ンずれ量dを求めている。そのため、S(i)の値がゼ
ロの行(動体画像の存在しない行)については、パター
ンずれ量dの計算処理から的確に除外される。したがっ
て、動体画像が限られた行にのみ存在するようなケース
においても、パターンずれ量dを正確かつ合理的に算出
することができる。なお、上述した第1の実施形態で
は、動体画像の一致度を相関指数C(i,k)から判定し
ているが、本発明はこれに限定されるものではない。例
えば、下記の[式4]に示される残差Z(i,k)から、
左右の動体画像の一致度を判定してもよい。
【0060】さらに、上述した第1の実施形態では、
[式2]を用いてパターンずれ量dを算出しているが、
これに限定されるものではない。例えば、動体画像がほ
ぼ全ての行にわたって存在するような場合、下記の[式
5]のような単純な平均式を用いて、左右の動体画像間
のパターンずれ量dを求めてもよい。
【0061】 また、上述した第1の実施形態では、増幅素子QAとし
て接合型電界効果トランジスタを使用しているが、これ
に限定されるものではない。一般的には、増幅機能を有
する素子を増幅素子QAとして用いることができる。例
えば、MOSトランジスタやバイポーラトランジスタを
使用してもよいし、これらの素子を混在使用した機能素
子を用いてもよい。また、これらの素子のゲートやベー
スに発生する寄生容量に信号電荷を保持してもよいし、
これらの素子のゲートやベースに、信号電荷を保持する
ためのコンデンサなどを補助的に設けてもよい。
【0062】さらに、上述した第1の実施形態では、垂
直転送用のMOSスイッチQXを用いて行選択を行って
いるが、これに限定されるものではない。例えば、増幅
素子のゲート(ベース)にコンデンサを設け、このコン
デンサの他端側の電圧を上下させることにより増幅素子
をオンオフさせて、行選択を行ってもよい。また、上述
した第1の実施形態では、フォトダイオードPDで生じ
た信号電荷を、増幅素子QAの制御領域に直接転送する
場合を説明したが、本発明はこれに限定されるものでは
ない。例えば、信号電荷を拡散領域に一旦転送し保持し
た後、その拡散領域の電位を信号線を介してMOSトラ
ンジスタのゲートで検出しても良い。このような画素の
例としては、例えば、文献『Active Pixel Sensors:Are
CCD's Dinosaurs?』, Fossum E. R., Proceeding of S
PIE: Charge-CoupledDevice and Solid State Optical
Sensors 3, Vol.1900, pp2-14 (1993)に記されたもの
がある。次に、別の実施形態について説明する。
【0063】<第2の実施形態>第2の実施形態は、請
求項3,6に記載の発明に対応する実施形態である。図
8は、第2の実施形態における測距装置20の構成ブロ
ック図である。第2の実施形態における構成上の特徴点
は、第1の実施形態(図1)の相関演算部15に代え
て、重心演算部25を設けた点である。
【0064】図9は、第2の実施形態の動作を説明する
ための流れ図である。以下、図9に示す各ステップに沿
って、第2の実施形態の動作を説明する。まず、重心演
算部25は、重心計算に使用する変数iを「1」に初期
化する(図9S0)。続いて、重心演算部25は、動き
検出用固体撮像装置14a,14bから動体画像信号I
L,IRをほぼ同時刻に取り込み、それぞれ記憶する
(図9S1)。
【0065】ここで、重心演算部25は、左右の動体画
像信号IL,IRからi行目のデータを読み出す(図9
S2)。重心演算部25は、この左右の動体画像信号I
L,IRのi行目について、下記の[式6],[式7]
を計算し、i行目の重心位置WL(i),WR(i)を
求める(図9S3)。
【0066】 次に、重心演算部25は、行数iの閾値判定を行う(図
9S4)。このような判断の結果、行数iが動き検出用
固体撮像装置14a,14bの垂直画素数n未満の場
合、重心演算部25は、行数iの値を1だけ増やして
(図9S5)、ステップS2に動作を戻す。一方、行数
iが動き検出用固体撮像装置14a,14bの垂直画素
数nに等しい場合、重心演算部25は、全行について重
心位置の計算が完了したと判断する。このように重心位
置の計算を完了した後、重心演算部25は、下記の[式
8]を用いて、各行ごとの重心間隔G(i)を求める
(図9S6)。
【0067】 G(i)=ΔP・|WL(i)−WR(i)| ・・・[式8] ただし、上式中のΔPは、動き検出用固体撮像装置14
a,14bの1画素分の水平幅である。次に、重心演算
部25は、各行ごとの重心間隔G(i)の中から、有意
な値のみを選別して平均化し、パターンずれ量dとす
る。距離演算部16は、このように求めたパターンずれ
量dに基づいて、上記の[式3]を計算し、動体までの
距離γを求める(図9S7)。
【0068】(第2の実施形態の効果など)以上説明し
たように、第2の実施形態においても、第1の実施形態
と同様の効果を得ることができる。また特に、第2の実
施形態に特有な効果としては、重心位置の計算からパタ
ーンずれ量を求めているので、パターンマッチングのよ
うな繰り返し計算に比べて、格段に計算量を少なくでき
る点である。次に、別の実施形態について説明する。
【0069】<第3の実施形態>第3の実施形態は、請
求項1,2,4,6に記載する発明に対応した実施形態
である。図10は、第3の実施形態の構成を示すブロッ
ク図である。第3の実施形態における構成上の特徴点
は、第1の実施形態(図1)の構成に、動体検出部12
を振動させる駆動機構27を付加した点である。このよ
うな駆動機構27としては、セラミック振動子などの圧
電素子が使用できる。
【0070】このような駆動機構27の作用により、動
き検出用固体撮像装置14a,14bの受光面に結像す
る一対の光像は、常に振動する。そのため、動体画像信
号IL,IR中には、動体のみならず、被写界中の静止
体も含まれる。したがって、第3の実施形態では、被写
界中の静止体についても、測距を行うことが可能とな
る。
【0071】なお、第3の実施形態では、動体検出部1
2を全体的に振動させているが、これに限定されるもの
ではない。一般的には、動体検出部12の視野を動かせ
ばよいので、例えば、光学系13a,13bのみを動か
したり、動き検出用固体撮像装置14a,14bのみを
動かしてもよい。また、増倍率や像倍率や収差を時間変
化させて視野を等価的に動かすような光学系を設けても
よい。次に、別の実施形態について説明する。
【0072】<第4の実施形態>第4の実施形態は、請
求項1,2,5,6に記載する発明に対応した実施形態
である。図11は、第4の実施形態の構成を示すブロッ
ク図である。第4の実施形態における構成上の特徴点
は、第1の実施形態(図1)の構成に、サイズ検出部2
8および速度検出部29を付加した点である。この速度
検出部29では、距離演算部16で算出される時刻tの
距離γ(t)を刻々と取り込み、下記の[式9]を用い
て物体の接近速度V(t)を求める。
【0073】 V(t)=[γ(t)−γ(t+Δt)]/Δt ・・・[式9] また、サイズ検出部28では、動体画像信号ILから、
動体の輪郭部分を囲む矩形を求め、この矩形が受光面上
で占めるサイズ「x1×y1」を算出する。サイズ検出
部28は、この受光面上のサイズ「x1×y1」を、下
記の[式10],[式11]に代入して、動体のサイズ
「x×y」を求める。
【0074】 x=x1・(γ/f) ・・・[式10] y=y1・(γ/f) ・・・[式11] 例えば、像距離f=3mm,距離γ=3mとし、受光面
上で矩形が占める画素数を「70画素×170画素」と
し、画素サイズを「10μm×10μm」とすると、上
記の[式10],[式11]から、動体のサイズは「7
0cm×170cm」となる。このように、第4の実施
形態では、動体のサイズを検出することができる。した
がって、本実施形態の測距装置を侵入監視装置などに応
用することにより、侵入物が人間なのか小動物(ネズミ
や猫など)なのかを、的確に判別することが可能とな
る。
【0075】<実施形態の補足事項>なお、上述した第
1〜4の実施形態では、受光ポイントが2箇所の場合に
ついて説明したが、本発明はこれに限定されるものでは
ない。例えば、受光ポイントを3箇所以上設けてもよ
い。この場合は、3箇所以上の受光ポイント間で複数通
りのパターンずれ量dを求めることができるので、光学
系の収差などの誤差要因を除去して、距離γをより高精
度に算出することが可能となる。
【0076】また、上述した第1〜4の実施形態では、
動き検出用固体撮像装置14a,14bを使用して動体
画像信号IL,IRを生成しているが、本発明はこれに
限定されるものではない。例えば、構成は複雑になる
が、図12に示すように、CCDやCMOSセンサなど
の汎用的な撮像素子34a,34bを使用することもで
きる。この場合、撮像素子34a,34bからのアナロ
グ画像信号は、A/D変換器35a,35bを介してデ
ィジタル化された後、画像メモリ36a,36b,37
a,37bに2フレーム分ずつ記録される。画像処理回
路38a,38bは、これら2フレーム分の画像信号を
それぞれ比較して、一対の動体画像信号IL,IRを生
成する。
【0077】さらに、上述した第1〜4の実施形態で
は、画素単位に動体の有無を「1」/「0」で表す正論
理の動体画像信号を生成しているが、これに限定される
ものではない。動体の有無を「0」/「1」で表す負論
理の動体画像信号を生成しても勿論かまわない。また、
上述した第1〜4の実施形態では、二値の動体画像信号
を生成しているが、これに限定されるものではない。例
えば、後続する演算処理は一段と複雑になるが、多値も
しくはアナログの動体画像信号を生成しても勿論かまわ
ない。
【0078】さらに、上述した第1〜4の実施形態で
は、説明の都合上、相関演算部15,距離演算部16,
重心演算部25などを別体に構成しているが、これに限
定されるものではない。例えば、コンピュータなどの演
算装置を使用して、これらを一体に構成しても勿論かま
わない。また、上述した第3,4の実施形態では、相関
演算部15を使用しているが、これに限定されるもので
はない。この相関演算部15に代えて、第2の実施形態
で述べた重心演算部25を使用しても勿論かまわない。
【0079】さらに、上述した第3の実施形態では、2
つの撮像機構を設けているが、本発明は、これに限定さ
れるものではない。例えば、図13に示すように、1つ
の撮像機構43を、駆動機構46によりスライド移動さ
せてもよい。この場合、撮像機構43は、各受光ポイン
トを通過する度に、動体画像信号を順次生成する。特
に、このような構成では、撮像機構43の数を増やすこ
となく、受光ポイントの数や間隔を自由自在に変更する
ことが可能となる。
【0080】
【発明の効果】(請求項1)請求項1に記載の測距装置
では、受光ポイントごとに生成した動体画像信号間でパ
ターンマッチングの処理を行う。このような処理では、
動体箇所について演算処理を行えばよく、被写界全体の
情報量を全て処理する必要がない。したがって、パター
ンマッチングに要する計算量を軽減することができる。
また、このような動体画像信号には、背景などのような
静止部分が含まれない。したがって、背景を誤って測距
するなどの不具合を未然に防ぎ、物体(主に動体)を確
実に測距することが可能となる。
【0081】(請求項2)請求項2に記載の測距装置で
は、動体の有無を画素単位に示す二値の動体画像信号を
使用する。このような動体画像信号には、微妙な輝度差
からなる動体の平坦部がほとんど欠落し、動体の輪郭部
のみが主として含まれる。したがって、パターンマッチ
ングにあたって、動体画像の中のさらに輪郭部について
計算処理を行えばよく、計算量を一段と軽減することが
可能となる。また、二値の論理演算を用いて画像の一致
度を算出するので、中間階調を含む画像信号の演算処理
に比べ、パターンマッチングを簡易かつ高速に実行する
ことができる。
【0082】(請求項3)請求項3に記載の測距装置で
は、動体画像信号の重心間隔から距離を算出する。この
種の重心間隔を求める処理は、パターンマッチングのよ
うな一致探索を繰り返す演算処理に比べ、少ない計算量
で高速実行することができる。また、背景などの静止画
像を含まない動体画像信号を扱うため、背景を誤って測
距するなどの不具合を未然に防ぎ、物体(主に動体)を
確実に測距することが可能となる。
【0083】(請求項4)請求項4に記載の測距装置で
は、駆動機構を設けて動体検出部の視野を動かすことに
より、被写界中の静止体を動体として検出する。したが
って、本測距装置では、動体の測距のみならず、静止体
の測距までも可能となる。
【0084】(請求項5)請求項5に記載の測距装置で
は、距離演算部において算出した動体までの距離と、動
体画像信号の動体画像の大きさとに基づいて、動体の大
きさを算出する。そのため、動体の大きさから侵入物が
人間か小動物かを判別するなど、本測距装置の実用的な
応用範囲が格段に広がる。
【0085】(請求項6)請求項6に記載の測距装置で
は、撮像機構における画素転送中に「動体画像信号の生
成」を完了する。そのため、動体画像信号を生成するた
めの複雑な画像処理回路を別途設ける必要がない。した
がって、測距装置全体を単純かつ小型に構成することが
可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施形態における測距装置10の構成ブ
ロック図である。
【図2】動き検出用固体撮像装置14a,14bの内部
回路を示す図である。
【図3】異値検出回路6の回路構成を示す図である。
【図4】動き検出用固体撮像装置14a,14bの垂直
転送動作を説明するタイミングチャートである。
【図5】第1の実施形態の全体動作を説明するための流
れ図である。
【図6】動体画像信号IL,IRの一例を示す説明図で
ある。
【図7】測距の原理を説明する図である。
【図8】第2の実施形態の構成を示すブロック図であ
る。
【図9】第2の実施形態の動作を説明するための流れ図
である。
【図10】第3の実施形態の構成を示すブロック図であ
る。
【図11】第4の実施形態の構成を示すブロック図であ
る。
【図12】汎用的な撮像素子を使用した動体検出部の一
構成例を示す図である。
【図13】単一の撮像機構を使用した動体検出部の一構
成例を示す図である。
【符号の説明】
1 単位画素 2 垂直読み出し線 3 垂直走査回路 6 異値検出回路 9 シフトレジスタ 10 測距装置 12 動体検出部 13a,13b 光学系 14a,14b 動き検出用固体撮像装置 15 相関演算部 16 距離演算部 25 重心演算部 27 駆動機構 28 サイズ検出部 29 速度検出部 43 撮像機構 46 駆動機構 PD ホトダイオード QT 電荷転送用のMOSスイッチ QA 増幅素子 QP 信号電荷リセット用のMOSスイッチ QX 垂直転送用のMOSスイッチ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2F065 AA03 AA06 AA09 AA17 AA24 AA51 BB15 CC16 DD02 DD06 FF01 FF05 FF09 FF67 GG10 HH17 JJ03 JJ18 JJ26 KK02 NN12 PP02 QQ08 QQ12 QQ21 QQ24 QQ32 QQ38 UU05 2F112 AC03 AC06 5B057 CH14 DA07 DB03 DB08 DC02 DC03 DC06 DC32 5L096 AA07 AA09 CA05 CA08 FA34 FA60 FA64 FA66 HA03 HA08 LA15 9A001 BB02 BB04 DD15 EE04 GZ04 GZ10 HH21 HH24 HH30 JJ77 KK37 KK56

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 所定の基線長だけ離して設定された少な
    くとも2つの受光ポイントでそれぞれ撮影を行い、前記
    受光ポイントごとに、時間軸方向の画像差を示す動体画
    像信号を生成する動体検出部と、 前記受光ポイントごとの動体画像信号を取り込み、これ
    ら動体画像信号間のパターンマッチングに基づいて動体
    画像のパターンずれを算出する相関演算部と、 前記相関演算部により算出された前記パターンずれに基
    づいて、前記動体までの距離を算出する距離演算部とを
    備えたことを特徴とする測距装置。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の測距装置において、 前記動体検出部で生成される動体画像信号は、動体の有
    無を画素単位に示す二値信号であり、 前記相関演算部で実施されるパターンマッチングは、画
    素位置をずらしながら動体画像信号間で二値の論理演算
    を実行して一致度を求め、その一致度から前記動体画像
    が最も一致するずらし量を探索する処理であることを特
    徴とする測距装置。
  3. 【請求項3】 所定の基線長だけ離して設定された少な
    くとも2つの受光ポイントでそれぞれ撮影を行い、前記
    受光ポイントごとに、時間軸方向の画像差を示す動体画
    像信号を生成する動体検出部と、 各受光ポイントの動体画像信号ごとに画像の重心位置を
    求め、これら重心位置の間隔を算出する重心演算部と、 前記重心演算部により算出された前記重心位置の間隔に
    基づいて、前記動体までの距離を算出する距離演算部と
    を備えたことを特徴とする測距装置。
  4. 【請求項4】 請求項1ないし請求項3のいずれか1項
    に記載の測距装置において、 前記動体検出部の視野を動かす駆動機構を備え、 被写界中の静止体を動体として検出することを特徴とす
    る測距装置。
  5. 【請求項5】 請求項1ないし請求項4のいずれか1項
    に記載の測距装置において、 前記距離演算部において算出した前記動体までの距離
    と、前記動体画像信号の動体画像の大きさとに基づい
    て、前記動体の大きさを算出する寸法算出部を備えたこ
    とを特徴とする測距装置。
  6. 【請求項6】 請求項1ないし請求項5のいずれか1項
    に記載の測距装置において、 前記動体検出部は、光像を結像する光学系と動き検出用
    固体撮像装置とを有し、 前記動き検出用固体撮像装置は、 受光面上にマトリックス配列され、入射光に応じた画素
    出力を生成する複数の受光部と、 前記複数の受光部の列ごとに設けられた垂直読み出し線
    と、 前記複数の受光部の特定行を順次に選択しつつ、該特定
    行の受光部から過去保持した前コマの画素出力と、該特
    定行の受光部から新規に保持した現コマの画素出力と
    を、前記垂直読み出し線へ逐次出力する垂直転送回路
    と、 前記垂直読み出し線ごとに設けられ、前記垂直読み出し
    線を介して時分割に転送される前コマの画素出力と現コ
    マの画素出力とを演算するコマ間演算回路と、 前記垂直読み出し線ごとに出力される前記コマ間演算回
    路の演算結果を水平転送し、前記動体画像信号として出
    力する水平転送回路とを有して構成されることを特徴と
    する測距装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN108106569A (zh) * 2017-11-28 2018-06-01 北京天地玛珂电液控制系统有限公司 一种基于视觉的综采工作面直线度检测方法和系统
CN112577436A (zh) * 2019-09-27 2021-03-30 成都道成设备工程有限责任公司 一种绞合光缆节距在线测量的方法和系统

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