JP2000121158A - 貯湯型電気温水器 - Google Patents

貯湯型電気温水器

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JP2000121158A
JP2000121158A JP29809098A JP29809098A JP2000121158A JP 2000121158 A JP2000121158 A JP 2000121158A JP 29809098 A JP29809098 A JP 29809098A JP 29809098 A JP29809098 A JP 29809098A JP 2000121158 A JP2000121158 A JP 2000121158A
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water storage
latent heat
water
tank
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JP29809098A
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Takeshi Fukumori
健 福森
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Sekisui Chemical Co Ltd
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Sekisui Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 貯湯タンク内の水を急速に加熱して短時間で
湯を取り出すことができるとともに、一定の熱量を貯め
るに足る貯溜タンク容量の小型化を図ること。 【解決手段】 即熱式の貯湯型電気温水器において、貯
湯タンク1の貯湯部2に潜熱蓄熱材17を充填してなる
もの。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明が属する技術分野】本発明は、貯湯型電気温水器
に係り、特に貯湯タンク内の水を急速に加熱し、短時間
で湯を取り出すに好適な貯湯型電気温水器に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、特開平7-301458号公報に記載の如
く、貯湯部と加熱部を分離板で区切った上下のそれぞれ
に設け、加熱部の下部には給水口を備え、貯湯部の上部
には給湯口を備えてなる貯湯タンクと、貯湯タンクの加
熱部内に配置されるヒーターと、貯湯タンクの加熱部で
加熱された熱湯を貯湯部の上部に導く導湯管と、貯湯タ
ンクの貯湯部の下部と加熱部の下部とを連通する導水管
と、導湯管に介装され、加熱部の湯温が設定温度以上に
なったときに開き、設定温度未満のときには閉じる温度
感知開閉弁を有してなる貯湯型電気温水器が提案されて
いる。
【0003】この従来の電気温水器によれば、加熱部内
の水だけをヒーターで加熱することにより、短時間で加
熱部内の湯温を上昇させることができ、加熱部内の熱湯
が所定温度に達すると温度感知開閉弁が開くので、加熱
部内の熱湯が導湯管を通って貯湯タンクの上部に導か
れ、この熱湯とタンク内の水との温度差に基づく密度差
(比重差)により、この熱湯を水と混ぜることなく分離
した状態で貯湯部の上部に貯え、取り出しできる。即
ち、最初に加熱部内の水を沸き上げれば、直ちに熱湯を
取り出すことができ、短時間に熱湯を給湯できる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従来の上述した電気温
水器は、即熱機能を有するので、従来の一般的な電気温
水器より優れているものの、例えば一般家庭で使用され
る熱量を貯めるに足る貯湯タンク容量は従来の一般的な
電気温水器とほぼ同じでかなり大きい。従って、上述し
た電気温水器を一般家庭に設置する場合、ガス給湯器等
に比してかなり大型で、設置場所の確保に困難がある。
【0005】本発明の課題は、貯湯タンク内の水を急速
に加熱して短時間で湯を取り出すことができるととも
に、一定の熱量を貯めるに足る貯溜タンク容量の小型化
を図ることにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の本発明
は、貯湯部と加熱部を分離板で区切った上下のそれぞれ
に設け、加熱部の下部には給水口を備え、貯湯部の上部
には給湯口を備えてなる貯湯タンクと、貯湯タンクの加
熱部内に配置されるヒーターと、貯湯タンクの加熱部で
加熱された熱湯を貯湯部の上部に導く導湯管と、貯湯タ
ンクの貯湯部の下部と加熱部の下部とを連通する導水管
と、導湯管に介装され、加熱部の湯温が設定温度以上に
なったときに開き、設定温度未満のときには閉じる温度
感知開閉弁を有してなる貯湯型電気温水器において、貯
湯タンクの貯湯部に潜熱蓄熱材を充填させるようにした
ものである。
【0007】請求項2に記載の本発明は、請求項1記載
の本発明において更に、前記貯湯タンクの貯湯部の天頂
部側に潜熱蓄熱材を充填しない空間を設けてなるように
したものである。
【0008】請求項3に記載の本発明は、請求項1又は
2記載の本発明において更に、前記潜熱蓄熱材として、
融点の異なる複数種類の潜熱蓄熱材を用いてなるように
したものである。
【0009】尚、請求項1、2、3のそれぞれで、充填
する潜熱蓄熱材は、前記設定温度より若干低い融点を持
つ材料が好ましい、また潜熱蓄熱材は、その周囲に水
(お湯)が充満される、例えば球のような塊状である。
【0010】また、請求項2では、必ず潜熱蓄熱材の上
層に湯層が存在するようにする。このときの潜熱蓄熱材
の量は特に限定はなく、必要な湯量と装置の大きさによ
って決まる。
【0011】また、請求項3の複数種類の潜熱蓄熱材
は、各々を均一に混ぜて充填しても、種類毎に層状に充
填しても良い。そして、例えば季節毎(例えば夏季と冬
季)で前記設定温度を変えるとき、各設定温度のそれぞ
れに対して当該設定温度より若干低い融点を持つ潜熱蓄
熱材を存在せしめるものである。
【0012】
【作用】請求項1の本発明によれば下記〜の作用が
ある。電気温水器の作動の最初の段階で、まず加熱部
内の水のみがヒーターで加熱され、短時間に加熱部内の
温度を上昇させる。湯温が設定温度に達すると温度感知
開閉弁が開き、加熱部内の熱湯が導湯管を通って、貯湯
タンクの上部に導かれる。この熱湯はタンク内の水とは
温度差が大きく、密度差があるので、水と混じることな
く分離した状態で貯湯部内上部に蓄えられる。熱湯が導
湯管内を上昇した後は、加熱部内に貯湯部内下部の水が
導水管を通って進入するので、再び温度感知開閉弁は閉
じられ、加熱部内の水が設定温度に達するまでヒーター
で加熱される。以後は、この繰り返しで全水量が短時間
で熱湯に沸き上げられる。この過程において、貯湯タン
ク上部に蓄えられた水は、貯湯部内に充填された潜熱蓄
熱材と接し、その結果、熱湯と潜熱蓄熱材の間で熱交換
が行なわれる。この熱交換は熱湯の温度と潜熱蓄熱材の
温度が等しくなるまで続く。潜熱蓄熱材の融点は、熱湯
温度よりも若干低めに設定されているので、最終的には
潜熱蓄熱材は全量融解し、融解潜熱として大量の熱量が
蓄えられることになる。
【0013】使用者がお湯を使う場合、貯湯タンク上
部の熱湯が給湯管から流れ出る。その際、本体下部の給
水管から同量の水が加熱部に流入し、その分だけ加熱部
から導水管を通って、貯湯タンクに流入する。一度に大
量の湯を使う場合、貯湯タンク内の熱湯量では足りない
可能性があるが、導水管から流入した水は周りの潜熱蓄
熱材から熱を奪い、上昇していくに従い熱湯に変わる。
即ち、潜熱蓄熱材に蓄えられた熱量分だけのお湯を瞬時
に作ることができる。
【0014】潜熱蓄熱材を充填することにより、タン
ク単位体積当たりに蓄えられる熱量が大きくなり、その
結果、一定の熱量を貯めるに必要とされる貯湯タンク容
量、即ち装置全体サイズを小さくすることができる。
【0015】請求項2の本発明によれば下記の作用が
ある。請求項1と同様に短時間でお湯が沸き、潜熱蓄
熱材には大量の熱量が蓄えられる。その結果、貯湯式電
気温水器として必要な湯量分の熱量を本発明で蓄える場
合、従来の電気温水器よりも少ない容量で済み、結果、
本体の小型化につながる。また、貯湯部の天頂部に必ず
湯層ができるので、追い沸き時には、潜熱蓄熱材に熱湯
の熱量が奪われることなく、熱湯を有効に使用すること
ができる。
【0016】請求項3の本発明によれば下記の作用が
ある。請求項1と同様に短時間でお湯が沸き、潜熱蓄
熱材には大量の熱量が蓄えられる。その結果、貯湯式電
気温水器として必要な湯量分の熱量を本発明で蓄える場
合、従来の電気温水器よりも少ない容量で済み、結果、
本体の小型化につながる。また、潜熱として蓄える温度
が一種類だけでないので、同じ装置で数種類の貯湯温度
を設定することができる。即ち、高温T1 (例えば90
℃)の設定温度であっても中温T2 (例えば70℃)の設
定温度の場合であっても、必ず一種類の潜熱蓄熱材に潜
熱として熱量が蓄えられる。その結果、夏季と冬季とで
設定温度を変えることができ、最適な必要熱量を蓄える
ことができ、効率的である。
【0017】
【発明の実施の形態】図1は第1実施形態の電気温水器
を示す断面図、図2は貯湯タンクの加熱部から貯湯部に
熱湯が供給された状態を示す断面図、図3は貯湯タンク
の貯湯部で潜熱蓄熱材に蓄熱された状態を示す断面図、
図4は貯湯タンクの貯湯部の全域で潜熱蓄熱材に蓄熱さ
れた状態を示す断面図、図5は加熱サイクルと湯使用状
況のタイムチャートを示す説明図、図6は第2実施形態
の電気温水器を示す断面図、図7は第2実施形態の変形
例を示す断面図、図8は第3実施形態の電気温水器を示
す断面図、図9は第3実施形態の変形例を示す断面図で
ある。
【0018】(第1実施形態)(図1〜図5) 電気温水器において、貯湯タンク1はその外周を保温用
断熱材5で覆われ、本体ケース4の中に収容されてい
る。貯湯タンク1は円筒状の圧力容器であり、該貯湯タ
ンク1の下部に設けられている分離板6によって貯湯部
2と加熱部3とを上下に区切り形成している。加熱部3
には加熱部3の内部の水を加熱するヒーター16が配置
されている。また、加熱部3の底部の給水口12には逆
止弁19を介装した給水用給水管11が接続されてい
る。加熱部3の内部で給水口12のすぐ真上には、給水
管11から給水される給水流を緩やかにする整流器13
が設置されている。貯湯部2内の下部と加熱部3の下部
との間には導水管9が配置されている。貯湯部2内で導
水管9の上部には貯湯部2に給水される給水流を緩やか
にする整流器10が設置されている。また、導水管9を
給水口12の真上に配置することもでき、この場合、整
流器13をなくすこともできる。
【0019】また、貯湯タンク1内の分離板6には加熱
部3内の熱湯を貯湯部2の上方に送湯する導湯管7が接
合されており、この導湯管7は貯湯部2の天頂部近くま
で延在されている。貯湯部2の天頂部には給湯口15が
設けられ、給湯口15には給湯管14が接続されて貯湯
部2の湯を給湯栓18へ送湯できるようになっている。
また、導湯管7の下端部は分離板6より加熱部3の側に
突出し、その突出下端部に温度感知開閉弁8が設けられ
ている。尚、分離板6に温度感知開閉弁8を取付け、該
温度感知開閉弁8に導湯管7を取付けても良い。いずれ
にしても、温度感知開閉弁8を通って熱湯が導湯管7に
送られる構成にする。温度感知開閉弁8は加熱部3内の
湯温を感知して設定温度T1 (例えば90℃)で開弁し、
それ未満の温度で閉弁する。本実施形態の図1では、分
離板6の下面と温度感知開閉弁8との間の空間は貯湯部
2と加熱部3とをエア断熱するためのエア溜りとなって
いるが、分離板6自体に断熱性の高い部材を用いること
で、このエア溜りをなくすことができる。
【0020】更に、貯湯タンク1では、貯湯部2の内部
の全域に渡り、塊状の潜熱蓄熱材17が充填されてい
る。潜熱蓄熱材17は導湯管7の上端部及び導水管9の
上端部の水の出入口を塞がないように充填する。この潜
熱蓄熱材17は前記温度感知開閉弁8の設定温度T1
(例えば90℃)より低い温度T3 (例えば80℃)の融点
を持つ材料を用いる。また、潜熱蓄熱材17は周囲の水
(湯)と混ざり合うことのないように、不水溶性の容
器、例えばカプセルのようなものに内包されているのが
好ましい。しかし、潜熱蓄熱材17が水に溶けない物質
であれば、材料そのものを塊状に加工したものを用いて
も良い。いずれにしても、温水器の性格上、潜熱蓄熱材
17及びそれを包む容器の材質は、不水溶性で、人体に
悪影響を及ぼさない物質が好ましい。個々の潜熱蓄熱材
17の大きさは特に規定しないが、あまり大きすぎると
周りの湯との接触面積が少なくなり、その結果、湯と潜
熱蓄熱材17との熱交換性が悪くなる。また、小さすぎ
ると湯水と一緒に貯湯部から流れ出てしまうので、各出
入口に細かいフィルターを設けなければならない。
【0021】また、貯湯タンク1の貯湯部2に潜熱蓄熱
材17を充填するので、貯湯タンク1の単位体積当たり
の蓄熱量が水だけを用いて湯として蓄えるよりも大きく
なる。故に、貯湯タンク1を小さくすることができる。
詳しくは後述するが、例えば、潜熱蓄熱材17としてBa
(OH)2・8H2O(融点78℃、融解潜熱64kcal/kg)を用いた
場合、潜熱蓄熱材17の貯湯部2における充填率を50%
(貯湯部2の全容積の1/2 )とすると、貯湯タンク1は
潜熱蓄熱材17を充填しない従来の電気温水器に比べて
約60%の容量があれば良い。
【0022】更に、図示しないが、サーモスタットや漏
電遮断器等が取付けられ、温度制御や安全性を保つよう
に配慮されている。
【0023】以下、電気温水器の使用態様について説明
する。 (1) まず、給水管11を通じ給水口12より給水された
水は、加熱部3に入り、温度感知開閉弁8の上面まで水
面が上がると加熱部が満水となる。このとき、空のとき
にあった空気を逃すためのエア抜き孔を温度感知開閉弁
8に付けておき、エアを導湯管7を通って上方へ逃すよ
うにする。また、加熱部3に給水すると同時に、水は導
水管9を通って貯湯部2に入り、やがて貯湯部2が満水
になる。これで、貯湯タンク1全体が満水になる。空の
ときにあった空気は、給湯管14を通って抜ける。
【0024】(2) その後、ヒーター16で加熱すると、
加熱部3内の水は熱湯となり、設定温度になると温度感
知開閉弁8が開き、熱湯は貯湯タンク1内の水との比重
差によって導湯管7を上昇し、貯湯部2の上部に蓄えら
れる。この熱湯は貯湯部2内の水とは温度差が大きく密
度差があり、水と混じることなく分離した状態で貯湯部
2の上部に貯められる(図2の状態、熱湯温度T1 )。
これと同時に、貯湯部2の下部の水が導水管9を通り、
加熱部3の下部より進入してくる。進入した水が温度感
知開閉弁8に達すると、その温度を感知し、温度感知開
閉弁8が閉じる。また、貯湯部2の上部の熱湯は、その
周囲の潜熱蓄熱材17と互いに同温度となるまで熱交換
して温度T1'の蓄熱層を形成する(図3の状態、温度T
1'(<T 1 ))。以後はこのサイクルを繰り返し、貯湯
部2内に新たな熱湯を蓄え、同時にこの熱湯の周囲の潜
熱蓄熱材17に熱湯を蓄えて新たな蓄熱層を形成してい
き、貯湯部2には蓄熱層A、B、C(図4)を順に形成
していくものとなる。このとき、潜熱蓄熱材17の融解
温度は熱湯温度よりも低く設定されているので、最終的
には、潜熱蓄熱材17が全て相変化し、潜熱として熱を
蓄えることになる。尚、この加熱サイクルは、基本的に
は電気料金の安い深夜電力時間帯(例えば23時〜 7時)
にのみ行なうことが望ましいが、貯湯タンク1内の湯全
量が、使用上必要な温度より下がった場合は、その都度
加熱する。この場合、加熱する湯量は予め設定した量だ
けで良く、全量焚き上げる必要はない。加熱サイクルと
湯使用状況のタイムチャートの例を図5に示す。
【0025】(3) 次に、湯を使用した場合について説明
する。例えば、貯湯部2内の湯の1/3 程度の湯量を使用
した場合、貯湯部2の上部の熱湯が給湯管14を通って
流出し、代わりに加熱部3内の湯が導水管9を通って貯
湯部2の天頂部に上昇する。また、給水管11より加熱
部3と貯湯部2の下部に水が流入する。そして、貯湯部
2の下部に流入した水は、その周囲の潜熱蓄熱材17と
互いに同温度になるまで熱交換を行なう。
【0026】(4) また、貯湯タンク1内の湯の全量を一
度に使った場合について述べる。貯湯タンク1内の湯が
給湯管14を通って給湯された場合、給水管より加熱部
3に流入した水は、導水管9を通って貯湯部2にも流入
する。貯湯部2に流入した水は、潜熱蓄熱材17が蓄え
ている熱を奪い、お湯に変わる。その際の湯温は、潜熱
蓄熱材17の容量と潜熱量によって決まるが、貯湯部2
全体に潜熱蓄熱材17を充填した場合であれば、最低で
も45℃程度の湯が得られるので、一般に使用するのは問
題ない。
【0027】その後、湯を使い続け、温度センサ20が
検出する貯湯部2の天頂部の湯温が所定温度T2 (例え
ば40℃)になると、使用上必要な湯が足りなくなった
(湯切れ)と判断し、加熱のサイクルに入る。このと
き、深夜電力時間帯でなければ、前述したように全量を
焚き上げる必要はなく、予め決められた量だけ湯を焚き
上げ、貯湯部2の上部に熱湯が貯まる。そして、深夜電
力時間帯になると、全量焚き上げの加熱サイクルに入
る。
【0028】従って、本実施形態によれば、以下の作用
がある。 電気温水器の作動の最初の段階で、まず加熱部3内の
水のみがヒーター16で加熱され、短時間に加熱部3内
の温度を上昇させる。湯温が設定温度に達すると温度感
知開閉弁8が開き、加熱部3内の熱湯が導湯管7を通っ
て、貯湯タンク1の上部に導かれる。この熱湯はタンク
内の水とは温度差が大きく、密度差があるので、水と混
じることなく分離した状態で貯湯部2内上部に蓄えられ
る。熱湯が導湯管7内を上昇した後は、加熱部3内に貯
湯部2内下部の水が導水管9を通って進入するので、再
び温度感知開閉弁8は閉じられ、加熱部3内の水が設定
温度に達するまでヒーター16で加熱される。以後は、
この繰り返しで全水量が短時間で熱湯に沸き上げられ
る。この過程において、貯湯タンク1上部に貯えられた
水は、貯湯部2内に充填された潜熱蓄熱材17と接し、
その結果、熱湯と潜熱蓄熱材17の間で熱交換が行なわ
れる。この熱交換は熱湯の温度と潜熱蓄熱材17の温度
が等しくなるまで続く。潜熱蓄熱材17の融点は、熱湯
温度よりも若干低めに設定されているので、最終的には
潜熱蓄熱材17は全量融解し、融解潜熱として大量の熱
量が蓄えられることになる。
【0029】使用者がお湯を使う場合、貯湯タンク1
上部の熱湯が給湯管14から流れ出る。その際、本体下
部の給水管11から同量の水が加熱部3に流入し、その
分だけ加熱部3から導水管9を通って、貯湯タンク1に
流入する。一度に大量の湯を使う場合、貯湯タンク1内
の熱湯量では足りない可能性があるが、導水管9から流
入した水は周りの潜熱蓄熱材17から熱を奪い、上昇し
ていくに従い熱湯に変わる。即ち、潜熱蓄熱材17に蓄
えられた熱量分だけのお湯を瞬時に作ることができる。
【0030】潜熱蓄熱材17を充填することにより、
タンク単位体積当たりに蓄えられる熱量が大きくなり、
その結果、一定の熱量を貯めるに必要とされる貯湯タン
ク1容量、即ち装置全体サイズを小さくすることができ
る。
【0031】(第2実施形態)(図6、図7) 図6の第2実施形態は、潜熱蓄熱材17を貯湯部2の中
間層に配した実施形態である。基本的な構成、加熱サイ
クルは上記第1実施形態におけると同様である。但し、
貯湯タンク1の貯湯部2の天頂部側に潜熱蓄熱材を充填
しない空間(スペース)を設けてある。潜熱蓄熱材17
は貯湯部2の中間層に 2枚の仕切板21、22に挟まれ
て充填されている。この仕切板21、22は水が通れる
ように、パンチングメタルなどの穴が空いた材料を用い
る。また、潜熱蓄熱材17の充填量が第1実施形態に比
べて少ないので、その分だけ貯湯タンク1の容量は大き
くなる。しかし、図6のように、中間層に潜熱蓄熱材1
7を設けることにより、貯湯部2の上部には加熱過程の
際、常に設定温度T1 の熱湯が貯えられることになり、
何時でも熱湯が使用可能状態となる。また、湯を使用し
た際、貯湯部2の下部から水が流入してくるが、中間層
に充填された潜熱蓄熱材17の層を通過するときに潜熱
蓄熱材17から熱を奪いお湯に変わり、貯湯部上部に到
達する。故に、貯湯部2全体に潜熱蓄熱材17を充填す
る第1実施形態におけるよりも、貯湯部2内での温度層
がはっきりと分かれるようになるので、貯湯部2内での
湯温による自然対流が起こりにくい利点がある。また、
湯切れの際にも、加熱部3で加熱された熱湯が、貯湯部
2上部で潜熱蓄熱材と熱交換することなく、設定温度T
1 のまま保持されることになる。
【0032】従って、本実施形態によれば、第1実施形
態と同様に短時間でお湯が沸き、潜熱蓄熱材17には大
量の熱量が蓄えられる。その結果、貯湯式電気温水器と
して必要な湯量分の熱量を本発明で蓄える場合、従来の
電気温水器よりも少ない容量で済み、結果、本体の小型
化につながる。また、貯湯部2の天頂部に必ず湯層がで
きるので、追い沸き時には、潜熱蓄熱材17に熱湯の熱
量が奪われることなく、熱湯を有効に使用することがで
きる。
【0033】即ち、第2実施形態によれば、常に高温の
お湯が貯湯部2の上部に貯えられることになり、効率良
く装置を運転することができる。
【0034】図7は、潜熱蓄熱材17を貯湯部2の下層
に配した変形例である。
【0035】(第3実施形態)(図8、図9) 図8の第3実施形態は、貯湯部2に潜熱蓄熱材のうち、
上部に融点が低い潜熱蓄熱材17A(融点:TC 、例え
ば60℃)、下部に融点が高い潜熱蓄熱材17B(融点:
H 例えば80℃)を充填した。これにより、夏期など、
市水温度が高く、使用温度域の湯を得るために市水と混
合する熱湯の温度が冬季に比べて低くてすむ場合、貯湯
タンク1内の湯温を冬季に比べて低く設定することがで
きる。即ち、第1実施形態、第2実施形態では、充填し
た潜熱蓄熱材が一種類であるので、その融点としては冬
季などに必要な高い熱湯温度(例えば、90℃)に対応し
た潜熱蓄熱材(例えば、融点80℃)が必要であったた
め、それ以下の湯温に設定した場合、潜熱蓄熱材17の
潜熱が使えないので蓄熱量として不足が生じる場合があ
った。しかるに、熱湯の設定温度を低く(例えば、70
℃)した場合には、融点が高い潜熱蓄熱材17Bではそ
の顕熱分しか蓄熱できないが、融点が低い潜熱蓄熱材1
7Aではその潜熱量を蓄熱することができる。当然、設
定温度を高く(例えば、90℃)に設定した場合は、両方
の潜熱量を用いて蓄熱できる。この場合、高温に保つた
めの蓄熱量は、第1実施形態や第2実施形態に比べて小
さくなるが、潜熱蓄熱材17A、17Bの材料の種類や
量の選定、貯湯タンク1の大きさによって対応できる。
【0036】従って、第3実施形態では、第1実施形態
と同様に短時間でお湯が沸き、潜熱蓄熱材17A、17
Bには大量の熱量が蓄えられる。その結果、貯湯式電気
温水器として必要な湯量分の熱量を本発明で蓄える場
合、従来の電気温水器よりも少ない容量で済み、結果、
本体の小型化につながる。また、潜熱として蓄える温度
が一種類だけでないので、同じ装置で数種類の貯湯温度
を設定することができる。即ち、高温T1 (例えば90
℃)の設定温度であっても中温T2 (例えば70℃)の設
定温度の場合であっても、必ず一種類の潜熱蓄熱材17
A、17Bに潜熱として熱量が蓄えられる。その結果、
夏期と冬季とで設定温度を変えることができ、最適な必
要熱量を蓄えることができ、効率的である。
【0037】即ち、第3実施形態によれば、異なる設定
温度で貯湯した場合でも、有効に潜熱蓄熱を行なうこと
ができる。
【0038】図9は、貯湯部2の中間層に潜熱蓄熱材1
7A、17Bを配した変形例である。
【0039】
【実施例】第1実施形態(請求項1)、第2実施形態
(請求項2)、第3実施形態(請求項3)のそれぞれに
係る電気温水器で採用した蓄熱材の例と、その場合の貯
湯タンクの容量を従来の潜熱蓄熱材を用いない電気温水
器と比較した結果を表1に示す。比較条件として、一般
家庭で40〜45℃の湯を利用するために、90℃(設定温
度)で貯湯する場合の必要な熱量(従来品で380 Lとす
る)を貯める貯湯タンク容量を算出した。
【0040】
【表1】
【0041】以上、本発明の実施の形態を図面により詳
述したが、本発明の具体的な構成はこの実施の形態に限
られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の
設計の変更等があっても本発明に含まれる。
【0042】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、貯湯タン
ク内の水を急速に加熱して短時間で湯を取り出すことが
できるとともに、一定の熱量を貯めるに足る貯溜タンク
容量の小型化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は第1実施形態の電気温水器を示す断面図
である。
【図2】図2は貯湯タンクの加熱部から貯湯部に熱湯が
供給された状態を示す断面図である。
【図3】図3は貯湯タンクの貯湯部で潜熱蓄熱材に蓄熱
された状態を示す断面図である。
【図4】図4は貯湯タンクの貯湯部の全域で潜熱蓄熱材
に蓄熱された状態を示す断面図である。
【図5】図5は加熱サイクルと湯使用状況のタイムチャ
ートを示す説明図である。
【図6】図6は第2実施形態の電気温水器を示す断面図
である。
【図7】図7は第2実施形態の変形例を示す断面図であ
る。
【図8】図8は第3実施形態の電気温水器を示す断面図
である。
【図9】図9は第3実施形態の変形例を示す断面図であ
る。
【符号の説明】
1 貯湯タンク 2 貯湯部 3 加熱部 6 分離板 7 導湯管 8 温度感知開閉弁 9 導水管 12 給水口 15 給湯口 16 ヒーター 17、17A、17B 潜熱蓄熱材

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 貯湯部と加熱部を分離板で区切った上下
    のそれぞれに設け、加熱部の下部には給水口を備え、貯
    湯部の上部には給湯口を備えてなる貯湯タンクと、 貯湯タンクの加熱部内に配置されるヒーターと、 貯湯タンクの加熱部で加熱された熱湯を貯湯部の上部に
    導く導湯管と、 貯湯タンクの貯湯部の下部と加熱部の下部とを連通する
    導水管と、 導湯管に介装され、加熱部の湯温が設定温度以上になっ
    たときに開き、設定温度未満のときには閉じる温度感知
    開閉弁を有してなる貯湯型電気温水器において、 貯湯タンクの貯湯部に潜熱蓄熱材を充填させたことを特
    徴とする貯湯型電気温水器。
  2. 【請求項2】 前記貯湯タンクの貯湯部の天頂部側に潜
    熱蓄熱材を充填しない空間を設けてなる請求項1記載の
    貯湯型電気温水器。
  3. 【請求項3】 前記潜熱蓄熱材として、融点の異なる複
    数種類の潜熱蓄熱材を用いてなる請求項1又は2記載の
    貯湯型電気温水器。
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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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