JP2000120980A - 高温ダクトの接続構造 - Google Patents

高温ダクトの接続構造

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JP2000120980A JP10291613A JP29161398A JP2000120980A JP 2000120980 A JP2000120980 A JP 2000120980A JP 10291613 A JP10291613 A JP 10291613A JP 29161398 A JP29161398 A JP 29161398A JP 2000120980 A JP2000120980 A JP 2000120980A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、ダクトの接続部分での熱応力の低
減を図り、変形、破損を防止するとともに、安価に保温
断熱方式の異なるダクトを接続する高温ダクトの接続構
造を提供することにある。 【解決手段】 本発明の接続構造は、保温断熱方式の異
なるダクトを接続する場合に、異なる保温断熱方式のダ
クト11,15の端部を互いにオーバーラップさせて接
続している。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高温ダクトの接続
構造に関するもので、異なる保温断熱方式を採用したダ
クト同士の接続構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】高温ダクトの場合、ダクトプレートとし
て高級材料(Cr−Mo材、SUS材)を用いて外面に
保温材を添設するか、もしくは、通常の炭素鋼を用いて
内面に保温材を添設する保温断熱方式が採られる。これ
らの保温断熱方式は、流体の流速、ダクトサイズ、発生
する熱応力、トータルコスト、伸縮継手等の耐熱温度が
低いものを組み込む場合の部材温度等に応じて適宜選定
される。高温ダクトを使用する例としては、図3に示し
たようなガスタービン1から排熱回収ボイラ2に高温流
体を導くダクト3がある。この場合には、ガスタービン
1から排出された高温の排ガスがダクト3を経て排熱回
収ボイラ2に入り、ここで高温の排ガスによって内部に
配置されている伝熱管4内の流体から蒸気を発生させ
る。なお、蒸気は図示していない蒸気タービンへと送ら
れ、蒸気タービンによって発電がなされる。このような
高温ガスのダクト3では、保温断熱方式が異なるダクト
が互いに接続されて使用される場合がある。その場合、
それらの異なる保温断熱方式のダクト3a,3bは、図
4に示したように、互いを突き合わせるようにして接続
される。なお、図4において、符号Dはダクト結合部分
を示している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記従来の
高温ダクトの接続構造では、保温断熱方式の違いから、
図5に示したように、接続部分に大きな温度勾配による
熱応力が生じ、その熱応力によってダクト3の変形、破
損につながる虞れがある。そこで、従来では接続部分の
補強、部材の大型化等によってこれに対処していたが、
熱応力による変形はさらに大きくなり、その効果は必ず
しも十分ではなかった。
【0004】そこで、本発明の目的は、ダクトの接続部
分での熱応力の低減を図り、変形、破損を防止するとと
もに、安価に保温断熱方式の異なるダクトを接続するこ
とが可能な高温ダクトの接続構造を提供することにあ
る。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の高温ダクトの接
続構造では、保温断熱方式の異なるダクトを接続する場
合に、異なる保温断熱方式のダクトの端部を互いにオー
バラップさせて接続している。そして、ダクトをオーバ
ーラップさせる構造としては、ダクトプレートをテーパ
ー状に形成し、各保温断熱材のダクトプレートに接する
面をテーパー状に形成する。または、ダクトプレートを
同一面上に形成し、オーバーラップする部分の各保温断
熱材のダクトプレートに接する面と反対の面をテーパー
状に形成して、オーバーラップする部分の保温断熱材の
厚みを滑らかに変化させたり、ダクトプレートを同一面
上に形成し、オーバーラップする部分の各保温断熱材の
ダクトプレートに接する面と反対の面を階段状に形成し
て、オーバーラップする部分の保温断熱材の厚みの変化
を小さくしたり、保温断熱材の厚みの変化は急だが、ダ
クトプレートを挟んで保温断熱材をオーバーラップさせ
る構造がある。そして、オーバーラップさせる部分は、
ダクトブロック同志の結合位置と異なる場所に設けるこ
ともできる。
【0006】この発明によれば、ダクトの接続部分での
熱応力の低減が図れる。したがって、ダクトの変形,破
損が防止され、しかも補強材等の特別な対処が必要なく
安価に実現できる。
【0007】
【発明の実施の形態】図1は、本発明の実施の形態に係
る保温断熱方式の異なる高温ダクトの接続構造例を示し
ている。図1(a)に示した高温ダクトの接続構造で
は、接続部においてダクトプレート10をテーパー状
(ダクトの断面が円形の場合には円錐台形状,ダクトの
断面が角形の場合には角錐台形状)に形成している。そ
して、一方のダクト11は、ダクトプレート10の外面
に保温断熱材12を配置し、該保温断熱材12をダクト
プレート10から外方へ突設させたピン13によって位
置決めし、該ピン13に係合させた止め金14によって
ダクトプレート10に保持されている。また、他方のダ
クト15は、ダクトプレート10の内面に保温断熱材1
6を配置し、さらに保温断熱材16の内面に耐熱鋼プレ
ート17を配置し、該耐熱鋼プレート17および保温断
熱材16をダクトプレート10から内方へ突設させたピ
ン18によって位置決めし、該ピン18に係合させた止
め金19によってダクトプレート10に保持されてい
る。したがって、この接続構造では、オーバーラップす
る部分の保温断熱材の厚みの変化を滑らかにした構造と
なっている。またこの接続構造は、ダクト内径がほぼ同
一もしくは一定の拡大、縮小をしているダクト10、1
5を接続する場合に好適である。この接続構造では、ダ
クト内径を必要な寸法とする様に、断熱材16、ダクト
プレート10を加工することが好ましい。
【0008】また、図1(c)に示した高温ダクトの接
続構造は、特に熱応力が大きくなる場合やダクトプレー
ト構造を単純化したい場合に好適な構造で、同一形状
(径および形が同一)もしくは同一の変化(径および形
が滑らかに、かつ一定の変化率で変化)でダクトプレー
ト10を配置している。そして、ダクトプレート10の
外面に添設させた一方のダクト11の保温断熱材12の
外面をテーパ状に形成し、ダクトプレート10の内面に
添設させた他方のダクト15の保温断熱材16の内面を
テーパ状に形成し、それらのテーパー部がダクトプレー
ト10を挟んで重なり合うように配置している。したが
って、この接続構造では、オーバーラップする部分の保
温断熱材の厚みの変化を滑らかにした構造となってい
る。なお、この構造の場合は、両ダクト11,15の内
周面を連設するために、内面保温施工部分を押える耐熱
鋼プレート17を折り曲げる必要がある。
【0009】また、図1(c)に示した高温ダクトの接
続構造は、特に熱応力が大きくなる場合やダクトプレー
ト構造を単純化したい場合に好適な構造で、同一形状
(径および形が同一)もしくは同一の変化(径および形
が滑らかに、かつ一定の変化率で変化)でダクトプレー
ト10を配置し、ダクトプレート10の外面に添設させ
た一方のダクト11の保温断熱材12の外面を階段状に
形成し、ダクトプレート10の内面に添設させた他方の
ダクト15の保温断熱材16の内面を階段状に形成し、
それらの階段状部がダクトプレート10を挟んで重なり
合うように配置している。この構造は、薄いマット状の
保温断熱材を用いて保温断熱施工をする場合に、テーパ
ー状の加工を行うことなく、保温断熱材の厚みの変化を
小さくすることができ、施工が容易となる。
【0010】また、図1(d)に示した高温ダクトの接
続構造は、異なる径のダクト11,15に好適な構造
で、同一形状のダクトプレート10を配置し、ダクトプ
レート10の外面に添設させた一方のダクト11の保温
断熱材12と、ダクトプレート10の内面に添設させた
他方のダクト15の保温断熱材16とをダクトプレート
10を挟んで重なり合うように配置している。この接続
構造は、保温断熱材12,16の厚みをそのまま維持し
ながらダクトプレート10に直接オーバーラップさせて
いる。この接続構造は構造施工を極端に簡素化したい場
合や、内部流体温度と外気温度の差が小さく熱応力の発
生が小さい場合に好適である。
【0011】なお、上記図1(b)〜(d)の接続構造
の場合にも、各保温断熱材12,16および耐熱鋼プレ
ート17が、ピン13,18および止め金14,19に
よってダクトプレート10に保持されている。なお、上
記図1(b)〜(d)の接続構造の場合にも、各保温断
熱材12、16および耐熱鋼プレート17が、ピン1
3、18および止め金14、19によってダクトプレー
ト10に保持されている。
【0012】図2は、図1(a)に示した高温ダクトの
接続構造における熱応力特性を示した図であり、この図
からも明らかなように、本発明の接続構造では、熱応力
の低減がみられる。
【0013】なお、一般的にダクトは複数のブロックに
分割して製作されるが、本発明の接続構造を、ブロック
の接続部分以外の部分に設けるようにすれば、熱応力の
発生をさらに抑えることができる。また、本発明の接続
構造は、図3における排熱回収ボイラ2の胴部Bに適用
してもよく、発電設備以外の高温ダクトに適用すること
もできる。
【0014】
【発明の効果】上記したように、本発明に係る高温ダク
トの接続構造では、オーバーラップ構造を採用している
ので、従来構造の接続部分に発生する熱応力の低減が図
れる。したがって、ダクトの接続部で発生する熱応力が
ダクト材の許容応力を越えた場合のダクトの変形、破損
を防止することができる。また、本発明に係る高温ダク
トの接続構造では、従来のように、熱応力に対抗させて
大きな部材を使用したり大型の補強構造等を採用したり
する必要はなく、コストダウンを図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る保温断熱方式の異な
る高温ダクトの接続構造例を概念的に示したもので、
(a)はダクトプレートをテーパー状に形成した接続構
造の断面図、(b)は保温断熱材をテーパー状に形成し
た接続構造の断面図、(c)は保温断熱材を階段状に形
成した接続構造の断面図、(d)はダクトプレートを挟
んで保温断熱材を重ねて配置した接続構造の断面図であ
る。
【図2】本発明に係る高温ダクトの接続構造における熱
応力特性を示した図である。
【図3】高温ダクトの接続構造が適用される発電設備の
一部を示した概念図である。
【図4】従来の高温ダクトの接続構造を示した概念的な
断面図である。
【図5】図4に示した高温ダクトの接続構造における熱
応力特性を示した図である。
【符号の説明】
10 ダクトプレート 11 一方のダクト 12 保温断熱材 13 ピン 14 止め金 15 他方のダクト 16 保温断熱材 17 耐熱鋼プレート 18 ピン 19 止め金
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成11年3月2日(1999.3.2)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0008
【補正方法】変更
【補正内容】
【0008】また、図1(b)に示した高温ダクトの接
続構造は、特に熱応力が大きくなる場合やダクトプレー
ト構造を単純化したい場合に好適な構造で、同一形状
(径および形が同一)もしくは同一の変化(径および形
が滑らかに、かつ一定の変化率で変化)でダクトプレー
ト10を配置している。そして、ダクトプレート10の
外面に添設させた一方のダクト11の保温断熱材12の
外面をテーパ状に形成し、ダクトプレート10の内面に
添設させた他方のダクト15の保温断熱材16の内面を
テーパ状に形成し、それらのテーパー部がダクトプレー
ト10を挟んで重なり合うように配置している。したが
って、この接続構造では、オーバーラップする部分の保
温断熱材の厚みの変化を滑らかにした構造となってい
る。なお、この構造の場合は、両ダクト11,15の内
周面を連設するために、内面保温施工部分を押える耐熱
鋼プレート17を折り曲げる必要がある。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0010
【補正方法】変更
【補正内容】
【0010】また、図1(d)に示した高温ダクトの接
続構造は、同一形状のダクトプレート10を配置し、ダ
クトプレート10の外面に添設させた一方のダクト11
の保温断熱材12と、ダクトプレート10の内面に添設
させた他方のダクト15の保温断熱材16とをダクトプ
レート10を挟んで重なり合うように配置している。こ
の接続構造は、保温断熱材12,16の厚みをそのまま
維持しながらダクトプレート10に直接オーバーラップ
させている。この接続構造は構造施工を極端に簡素化し
たい場合や、内部流体温度と外気温度の差が小さく熱応
力の発生が小さい場合に好適である。
【手続補正3】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図1
【補正方法】変更
【補正内容】
【図1】
【手続補正4】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図4
【補正方法】変更
【補正内容】
【図4】
【手続補正5】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図5
【補正方法】変更
【補正内容】
【図5】

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 保温断熱方式の異なるダクトを接続する
    接続構造において、異なる保温断熱方式のダクトの端部
    を保温断熱材の厚みの変化を滑らかにする、又は変化を
    小さくするように互いにオーバラップさせて接続したこ
    とを特徴とする高温ダクトの接続構造。
  2. 【請求項2】 前記ダクトの端部を互いにオーバーラッ
    プさせる構造は、ダクトプレートをテーパー状に形成
    し、各保温断熱材のダクトプレートに接する面をテーパ
    ー状に形成した構造であることを特徴とする請求項1に
    記載の高温ダクトの接続構造。
  3. 【請求項3】 前記ダクトの端部を互いにオーバーラッ
    プさせる構造は、ダクトプレートを同一断面形状にし、
    各保温断熱材のダクトプレートに接する面と反対の面を
    テーパー状に形成した構造であることを特徴とする請求
    項1に記載の高温ダクトの接続構造。
  4. 【請求項4】 前記ダクトの端部を互いにオーバーラッ
    プさせる構造は、ダクトプレートを同一断面形状にし、
    各保温断熱材のダクトプレートに接する面と反対の面を
    階段状に形成した構造であることを特徴とする請求項1
    に記載の高温ダクトの接続構造。
  5. 【請求項5】 前記ダクトの端部を互いにオーバーラッ
    プさせる構造は、各保温断熱材の厚みを滑らかに変化さ
    せる又は、変化を小さくする又は、維持した状態で、ダ
    クトプレートを挟んでオーバーラップさせた構造である
    ことを特徴とする請求項1に記載の高温ダクトの接続構
    造。
  6. 【請求項6】 請求項2から5のいずれか2つの組み合
    わせ構造によりダクト端部を互いにオーバーラップさせ
    る構造であることを特徴とする請求項1に記載の高温ダ
    クトの接続構造。
  7. 【請求項7】 請求項1から6のいずれか1に記載のオ
    ーバーラップさせる部分は、ダクトブロック同士の結合
    位置と異なる場所に設けたことを特徴とする高温ダクト
    の接続構造。
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