JP2000119993A - 機能紙およびその製造方法 - Google Patents
機能紙およびその製造方法Info
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Abstract
性や耐水性、強度、特に高い湿潤強度を持ち、機能化薬
剤の保持性が高く、さらに加熱による紙の水分低下や紙
質の劣化のない機能紙およびその製造方法を提供するこ
とを目的とする。 【解決手段】一般式(1)で表されるシランカップリン
グ剤の一種或いは数種を、予め、紙中に添加分散させて
おき、大気圧下でのプラズマ放電によるエネルギーに
て、重合させることを特徴とする機能紙の製造方法であ
る。 R1n −Si−(OR2)4-n …(1) (式中、R1は水素原子、水酸基、アルキル基、アルコ
キシ基、ビニル基、エポキシ含有基、アミノ含有基のい
ずれかであり、R2は、水素原子、メチル基、エチル基
のいずれかであり、nは、0〜3の整数である)
Description
潤強度、撥水性、耐水性に優れる機能紙およびその製造
方法に関する。
いる現代において、紙素材は再生紙としてのリサイクル
性を持ち、また、焼却処理も容易な優れた素材の一つと
言える。従来、金属やガラス、プラスチック等が用いら
れていた用途に、紙素材が取って代わるケースが少なく
ない。その結果、紙に対して、従来、以上の高い機能が
要求されるようになっている。その機能の一例を挙げれ
ば、強度や風合、印刷適性、耐水性、撥水性、吸水性、
耐油性、耐熱性、耐熱水性等であり、特にパッケージ分
野の液体容器や紙箱、段ボール等の紙容器について、高
い撥水性や耐熱水性、湿潤強度が求めれている。
りできており、構成単位となるセルロースは親水性で、
さらに繊維間の毛細管作用により水や油を吸収しやすい
素材である。従来から、印刷インキの滲み込み防止や、
紙カップ、牛乳パック等の軽耐水(?)の目的で、パル
プ繊維の親水性表面を疎水性コロイド物質で包み、吸水
性を遮断するサイズ剤が抄紙時に内添されている。サイ
ズ剤としてはロジン系やアルキルケテンダイマー、アル
ケニルコハク酸無水物等が一般的に用いられる。しか
し、長時間水中に浸漬した後の湿潤強度は、乾燥時の強
度の数%でしかない。
絡み合って影響するものであるが、一般に、単繊維自体
の強度、繊維の絡み合いによる摩擦強度、繊維間の接着
強度の三要素に集約されると言われている。そのため、
パルプ材料の選定やパルプの叩解が先ず、影響するが、
濾水性や生産性を保つため、紙力増強剤を内添して繊維
間の接着強度を向上させるのが一般的である。従来の紙
力増強剤の中には、メラミン・ホルムアルデヒド樹脂、
ポリアミノアミドエピクロルヒドリン樹脂、ポリエチレ
ン・イミンのように乾燥強度だけでなく、湿潤時の強度
も向上させる薬剤もある。しかし、その湿潤強度は乾燥
強度の10%程度であり、高い耐水性を求められる用途
では、従来のガラス瓶や金属缶、プラスチック容器から
切り替えることができないのが現状である。
ルプ繊維間の空隙を埋め、撥水性を高めた耐水紙が、撥
水段ボール等の用途に、従来から使用されている。しか
し、多量のワックスを含浸することは再生紙としてのリ
サイクル性を損ね、近年の環境意識の高まりから、ワッ
クス含浸紙は市場から敬遠されるようになっている。
は、有機溶剤や熱水への浸漬により、樹脂成分が溶出
し、機能が低下してしまう。したがって、後工程や使用
条件が制限されることになる。本発明者らは鋭意研究の
結果、SiO2 のシロキサンネットワークを形成したシ
ラン系薬剤含浸紙は溶剤や熱水抽出されにくく、機能が
低下しにくいことを発見した。特開平10−18349
6号公報に記されるようなポリシラン化合物含浸紙は、
強度や耐水性、特に湿潤強度に優れ、「JISP811
3 紙および板紙の引張り強さ試験方法」に従って測定
した紙の引張り強度に対する、常温の蒸留水に浸漬後、
同様に測定した湿潤引張強度の比が20%以上で、ま
た、有機溶剤或いは熱水に浸漬しても機能劣化が少な
い。また、該ポリシラン含浸紙は、再生紙としてリサイ
クルが可能である。
工程において、酸触媒を加えた上で高い熱量を与え、脱
水重合によりシロキサンのネットワークを形成し機能を
発現しているため、その性能は熱量に依存するととも
に、微量ながら触媒の残存の問題がある。紙に高い熱量
がかかると、紙の平衡水分も奪われ、水分低下による紙
質の劣化を招き、後加工工程における印刷ピッチずれや
容器成形時の不良率アップといった問題を引き起こして
いる。また、触媒の添加量は微量ではあるが、最近、焼
却時の環境ホルモンの排出の問題がクローズアップされ
ており、触媒を添加しないでシロキサンのネットワーク
を形成し、機能を発現させる製造法の出現が要望されて
いる。
理技術の開発が著しい。従来、安定な低温プラズマは低
圧下でないと発生できないと考えられていたが、電極の
少なくとも一方の表面を誘電体で覆い、ヘリウム雰囲気
に置換することで、大気圧下でグロー放電プラズマを発
生する技術等が開発されている。また、極めて短いパル
ス幅の直流パルス高電圧を電極に印荷することで、放電
距離が長く、放電が一部に集中しにくいコロナ放電を発
生させる技術も開発されている。これらの大気圧プラズ
マ放電処理技術は、プラスチックや紙、繊維、粉体等の
表面処理に応用されている。
される表面改質紙類は、含フッ素化合物と不活性ガスの
混合ガスを用いて上記大気圧グロー放電プラズマ処理し
た紙類であるが、紙表面は疎水化され、撥水性は向上す
るが、湿潤強度まで向上するものではない。前述した紙
の強度の構成要素である繊維間の接着強度を向上させる
ためには水に不溶で剛直な、ある程度の高分子量の物質
が繊維間の接着部に付着する必要がある。しかし、該表
面改質紙類は紙の表面層に含フッ素官能基が導入されて
いるのみで、繊維間の接着を強化するものではない。
放電処理方法では、特定波形の高電圧パルスによるコロ
ナ放電を発生させ、樹脂成形品を表面処理する方法が示
されているが、特開平4−328135号に示されたシ
ステムは印加電圧に特徴を有し、放電が長く伸びること
から電極間隔を広げられ、三次元成形物の表面処理に適
するものである。しかし、紙等のウエブの表面処理には
電極間隔を広げる必要はなく、従来から高周波電圧を印
荷したコロナ放電が用いられており、高電圧パルスによ
るコロナ放電はこれまで利用されてこなかった。
性であるリサイクル性や易焼却性を保持したまま、撥水
性や耐水性、強度、特に高い湿潤強度を持ち、機能化薬
剤の保持性が高く、さらに加熱による紙の水分低下や紙
質の劣化のない、触媒添加が不要な機能紙およびその製
造方法を提供することを課題とする。
するために考えられたものであり、請求項1の発明は、
予め、紙中に添加分散させておいたモノマー成分を、大
気圧下での低温プラズマ放電によるエネルギーにより重
合させることを特徴とする機能紙の製造方法である。請
求項2の発明は、一般式(1)で表されるシランカップ
リング剤の一種或いは数種を、予め、紙中に添加分散さ
せておき、大気圧下でのプラズマ放電によるエネルギー
にて、重合させることを特徴とする機能紙の製造方法で
ある。 R1n −Si−(OR2)4-n …(1) (式中、R1は水素原子、水酸基、アルキル基、アルコ
キシ基、ビニル基、エポキシ含有基、アミノ含有基のい
ずれかであり、R2は水素原子、メチル基、エチル基の
いずれかであり、nは0〜3の整数である) 請求項3の発明は、直流パルスの高電圧を電極間に印加
することにより発生させたコロナ放電プラズマによるエ
ネルギーにて、予め、紙中に添加分散させておいたモノ
マー成分を重合させることを特徴とする上記請求項1又
は請求項2記載の機能紙の製造方法である。請求項4の
発明は、請求項1乃至請求項3の何れかに記載示される
機能紙の製造方法において、触媒を加えることなく、重
合することを特徴とする機能紙の製造方法である。請求
項5の発明は、上記請求項1乃至請求項3の何れかに記
載の製造方法により製造されたことを特徴とする機能紙
である。
て詳しく説明する。先ず、機能化するための添加薬剤
は、紙中に均一に分散している必要がある。添加方法と
しては内添、含浸、塗布、吹付け等が挙げられるが、い
ずれの手法でも紙中に均一に分散するためには、添加薬
剤は低分子量の物質であることが望ましい。しかし、機
能紙として高い湿潤強度を得るためには、パルプ繊維間
の接着強度を向上させるに足る高分子量の物質でないと
ならない。したがって、本発明は紙中にモノマー成分を
内添、含浸、塗布、吹付け等の手法により均一に添加分
散後、触媒を添加することなく大気圧下での低温プラズ
マ放電によるエネルギーにて重合し、撥水性、耐熱水
性、湿潤強度等の機能性を発現するものである。
下で加熱重合あるいは熱硬化により高分子化させて機能
化することは従来技術として前記しているが、加熱によ
る紙水分率の低下が問題となっており、触媒の添加は環
境ホルモンの問題を引き起こすという懸念がある。しか
し、本発明の機能紙の製造方法および機能紙は低温プラ
ズマのエネルギーにより重合させているため、触媒を添
加しないことにより紙の平衡水分の変化も少なく抑える
ことができる。
ズマ放電のエネルギーにより重合し、撥水性を付与し、
湿潤強度を向上させるものであれば、特に限定されるも
のではないが、残留モノマーの溶出による悪影響を考え
ると、シラン系の材料は有害性が低く、SiO2 の状態
では剛直で、耐熱性が高く、有機溶剤による溶出もない
ことから特に好ましい。
基)は加水分解してSi−OHとなり、Si−ORとの
脱アルコール反応によりSi−O−Siとなる。Siに
−OR基が1つ以上配位したシランカップリング剤は加
水分解してSiO2 のシロキサンネットワークを形成す
る。該シランカップリング剤がアルキル基、アルコキシ
基、ビニル基、エポキシ含有基を有するとさらに疎水性
が向上し、特にエポキシシクロヘキシル基、グリシドオ
キシプロピル基等のエポキシ基を有すると湿潤強度の向
上が大きい。また、アミノ基を有するとパルプ繊維への
定着が極めて良好となる。さらに数種のシランカップリ
ング剤を混合使用することで、より高い機能を付与する
ことが可能である。上記シロキサン結合の形成にはアル
コールが脱離することから、大気圧プラズマ処理後、紙
の水分に影響を与えない温度でエージング処理すること
で、より効果の高い機能紙が得られる。
せ、プラズマ放電のエネルギーでSiO2 のシロキサン
ネットワークを形成して機能化した機能紙は、少ない薬
剤添加量で、高い撥水性や湿潤強度が得られることか
ら、再生紙としてリサイクルすることが可能である。
大気圧下で発生する低温プラズマ放電に限定される。低
圧系プラズマでは、生産性が低いだけではなく、紙が低
圧雰囲気に曝されることによる水分率の低下や、紙中に
添加したモノマー成分の飛散等の問題があるためであ
る。しかし、大気圧下で安定な低温プラズマを発生させ
るには条件が限定される。特開平5−9897号に示さ
れる大気圧グロー放電プラズマでは、ヘリウム等の不活
性ガスを主体とした雰囲気に限定される。紙の内部に分
散したモノマー成分を重合させるためには、紙の内部ま
で充分なエネルギーを与える必要があり、紙の内部の空
隙をヘリウム等の不活性ガスを主体としたガスで置換す
る必要がある。
し、プラズマを発生可能であるが、通常の高周波電圧を
電極に印加して発生させたコロナ放電は放電が集中しや
すく、放電集中による熱のダメージを与えることなく紙
の内部まで充分なエネルギーを与えることが難しい。し
かし、放電が長く伸びることから従来、成形物の表面処
理に利用されていた直流パルスの高電圧を電極間に印加
して発生させたコロナ放電プラズマは、放電集中による
熱のダメージが少なく、紙のようなポーラスな材料の内
部まで効果的にプラズマのエネルギーを伝え、紙内部の
モノマー成分を重合することが可能であることを本発明
者らは発見した。
は、表面を誘電体で覆ったアース電極と対向する放電極
に、電圧が50KV以上でパルス幅が10μ秒以下の極
短波長の高電圧直流パルスを、1秒間に500回以上、
印加することにより発生させたコロナ放電プラズマ中
に、予め、モノマー成分を添加分散させた紙を曝すこと
によりモノマー成分を重合させ、本発明の機能紙を得
る。該電気回路では高電圧のため、球ギャプスイッチに
よりパルスを形成することが望ましい。該コロナ放電プ
ラズマは空気中で放電可能であり、紙中に分散したアル
コキシシランの加水分解反応を触媒なしで進行させる。
また、空気中に反応ガスを添加し、紙表面に吹き付けな
がらコロナ放電させても構わない。
機能化されたことを特徴とし、木材パルプ、非木材パル
プ、古紙からなるいずれの紙であっても構わず、洋紙、
板紙、モールド等その形態も問わない。
る。 (実施例1)3−グリシドキシプロピルトリエトキシシ
ラン(サイラエースS510 チッソ社製)を酢酸エチ
ルにて10%に希釈し、濾紙を浸漬して含浸させた。室
温乾燥後、大気圧グロー放電プラズマ処理を行ない、実
施例1の機能紙を得た。但し、大気圧グロー放電プラズ
マ処理では、上記含浸紙の片面側を排気手段を設けて陰
圧雰囲気となるように誘電体部材で構成し、その状態で
放電電極間の大気圧グロー放電プラズマ中に曝した。つ
まり、含浸紙のパルプ繊維間の空隙を雰囲気ガスで置換
しながら大気圧グロー放電プラズマ処理を行なった。5
KHz、5KVの交流電圧を印荷し、雰囲気はヘリウム
95%、酸素5%の混合ガスとし、処理時間は30秒と
した。得られた機能紙の含水分率は、原紙の水分率に対
して10%以内の変化率であった。その後、40℃にて
3日間エージングし、JIS P8111に基いて20
℃65%RH環境下で24時間以上、調湿した。
り強さ試験方法」に従って引張り強さを測定し、さらに
該機能紙を20℃の蒸留水に1時間浸漬し、湿潤状態の
まま同様にして引張り強さを測定した。これらの強度比
(湿潤状態での引張り強さ/調湿状態での引張り強さ×
100;以下 wet/dry と表記)を算出したと
ころ、21%であった。さらに該機能紙を酢酸エチルに
1時間浸漬し、同様にwet/dryを測定したとこ
ろ、20%で大きな低下は見られなかった。また、該機
能紙は再生紙としてリサイクル可能であった。
ロヘキシル)エチルトリメトキシシラン(サイラエース
S530 チッソ社製)を酢酸エチルにて10%に希釈
し、濾紙を浸漬して含浸させた。室温乾燥後、直流パル
スの高電圧を電極間に印加することにより発生させたコ
ロナ放電プラズマ処理を行ない、実施例2の機能紙を得
た。パルス電圧60KV、パルス幅2μ秒の直流パルス
を1秒間に1500回印加し、処理時間は10秒とし
た。得られた機能紙の含水分率は、原紙の水分率に対し
て10%以内の変化率であった。その後、40℃にて3
日間エージングし、JIS P8111に基いて20℃
65%RH環境下で24時間以上、調湿した。
張り強さ試験方法」に従って引張り強さを測定し、さら
に該機能紙を20℃の蒸留水に1時間浸漬し、湿潤状態
のまま、同様にして引張り強さを測定した。wet/d
ryを算出したところ、25%であった。さらに、該機
能紙を酢酸エチルに1時間浸漬し、同様にwet/dr
yを測定したところ、22%で大きな低下は見られなか
った。また、該機能紙は再生紙としてリサイクル可能で
あった。
(D031A チッソ社製)とN−(2−アミノエチ
ル)3−アミノプロピルトリメトキシシラン(サイラエ
ースS320 チッソ社製)とをモル比2:1で混合
し、イソプロピルアルコールにて希釈し内添薬剤を調整
した。針葉樹晒しクラフトパルプ(叩解度400cs
f)のパルプスラリー中に、SiO2 濃度で乾燥パルプ
重量の2重量%の内添薬剤を添加攪拌し、手漉き角形抄
紙機を用いて抄紙を行ない、プレス、乾燥工程を経て坪
量60g/m 2 の試験紙を作成した。さらに直流パルス
の高電圧を電極間に印加することにより発生させたコロ
ナ放電プラズマ処理を行ない、実施例3の機能紙を得
た。パルス電圧60KV、パルス幅2μ秒の直流パルス
を1秒間に1000回印加し、処理時間は6秒とした。
得られた機能紙の含水分率は、コロナ放電プラズマ処理
前と比較して10%以内の変化率であった。該機能紙
と、同様に抄造した無添加の試験紙を40℃にて3日間
エージングし、JIS P8111に基いて20℃65
%RH環境下で24時間以上、調湿した。
S P8113 紙および板紙の引張り強さ試験方法」
に従って引張り強さを測定し、さらに該機能紙を20℃
の蒸留水に1時間浸漬し、湿潤状態のまま、同様にして
引張り強さを測定した。該機能紙の湿潤状態での引張り
強さと無添加の試験紙の調湿状態での引張り強さの比
(wet/dry)を算出したところ、28%であっ
た。さらに該機能紙を酢酸エチルに1時間浸漬し、同様
にwet/dryを測定したところ、26%で大きな低
下は見られなかった。また、該機能紙は再生紙としてリ
サイクル可能であった。
リエトキシシラン(サイラエースS510 チッソ社
製)を酢酸エチルにて10%に希釈し、濾紙を浸漬して
含浸させた。室温乾燥後、30KHz、2KWのコロナ
放電処理を行ない、比較例1の機能紙を得た。処理時間
は10秒とした。得られた機能紙の含水分率は、原紙の
水分率に対して10%以内の変化率であったが、表面に
点状の焦げ痕が付いた。その後、40℃にて3日間エー
ジングし、JIS P8111に基づいて20℃65%
RH環境下で24時間以上、調湿した。
張り強さ試験方法」に従って引張り強さを測定し、さら
に該機能紙を20℃の蒸留水に1時間浸漬し、湿潤状態
のまま、同様にして引張り強さを測定した。wet/d
ryを算出したところ17%であった。
ガス雰囲気下で、周波数15KHz、30W/cm2 の
電力を電極に印加し、グロー放電プラズマを発生させ、
該プラズマ雰囲気下に3分間濾紙を曝して比較例2の機
能紙を得た。その後、40℃にて3日間エージングし、
JIS P8111に基いて20℃65%RH環境下で
24時間以上調湿して、「JIS P8113 紙およ
び板紙の引張り強さ試験方法」に従って引張り強さを測
定し、さらに該機能紙を20℃の蒸留水に1時間浸漬
し、湿潤状態のまま、同様にして引張り強さを測定し
た。wet/dryを算出したところ、4%であった。
リエトキシシラン(サイラエースS510 チッソ社
製)を酢酸エチルにて10%に希釈し、濾紙を浸漬して
含浸させ、室温乾燥して比較例3の機能紙を得た。その
後、40℃にて3日間エージングし、JISP8111
に基いて20℃65%RH環境下で24時間以上、調湿
した。
張り強さ試験方法」に従って引張り強さを測定し、さら
に該含浸紙を20℃の蒸留水に1時間浸漬し、湿潤状態
のまま、同様にして引張り強さを測定した。wet/d
ryを算出したところ、3%であった。
クロヘキシル)エチルトリメトキシシラン(サイラエー
スS530 チッソ社製)を123gとSnCl2 の
0.003mol/gメタノール溶液0.08gを混合
し、平均分子量50000のポリシラン化合物を得、こ
れをIPA492gで希釈し、トルエンスルホン酸の5
0%IPA溶液を酸触媒として10g加え、含浸液とし
た。濾紙をこの含浸液に浸漬して含浸させ、150℃で
1分間乾燥させ、比較例4の機能紙を得た。得られた機
能紙の含水分率は、原紙の水分率の20%にまで低下し
ていた。
ナールLR209 三菱レーヨン社製)を酢酸エチルに
て固形分10%に希釈し、濾紙を浸漬して含浸させ、室
温乾燥して比較例4の機能紙を得た。その後、40℃に
て3日間エージングし、JIS P8111に基いて2
0℃65%RH環境下で24時間以上、調湿した。
張り強さ試験方法」に従って引張り強さを測定し、さら
に該機能紙を20℃の蒸留水に1時間浸漬し、湿潤状態
のまま、同様にして引張り強さを測定した。wet/d
ryを算出したところ、16%であった。さらに該機能
紙を酢酸エチルに1時間浸漬し、同様にwet/dry
を測定したところ、5%と大きく低下していた。
13 紙および板紙の引張り強さ試験方法」に従い測定
した紙の湿潤引張り強度は、調湿時の引張り強さの約2
0%以上を示し、撥水性にも優れる。また、高温で加熱
されていないことから平衡水分を保っており、調湿処理
を経ることなく印刷等の次工程に回しても水分低下によ
るトラブルが発生しない。また、放電集中による熱のダ
メージもなく、紙中のモノマー成分は充分に硬化重合し
ているため、溶剤や熱水に抽出されて機能低下すること
がない。さらに少量の薬剤添加で効果的に機能を発揮し
ているため、再生紙としてリサイクルすることも可能で
ある。
境ホルモンの排出のおそれがない。
Claims (5)
- 【請求項1】予め、紙中に添加分散させておいたモノマ
ー成分を、大気圧下での低温プラズマ放電によるエネル
ギーにより重合させることを特徴とする機能紙の製造方
法。 - 【請求項2】一般式(1)で表されるシランカップリン
グ剤の一種或いは数種を、予め、紙中に添加分散させて
おき、大気圧下でのプラズマ放電によるエネルギーに
て、重合させることを特徴とする機能紙の製造方法。 R1n −Si−(OR2)4-n …(1) (式中、R1は水素原子、水酸基、アルキル基、アルコ
キシ基、ビニル基、エポキシ含有基、アミノ含有基のい
ずれかであり、R2は水素原子、メチル基、エチル基の
いずれかであり、nは、0〜3の整数である) - 【請求項3】直流パルスの高電圧を電極間に印加するこ
とにより発生させたコロナ放電プラズマによるエネルギ
ーにて、予め、紙中に添加分散させておいたモノマー成
分を重合させることを特徴とする上記請求項1又は請求
項2記載の機能紙の製造方法。 - 【請求項4】請求項1乃至請求項3の何れかに記載され
た機能紙の製造方法において、触媒を加えることなく、
モノマー成分を重合することを特徴とする機能紙の製造
方法。 - 【請求項5】上記請求項1乃至請求項4の何れかに記載
の製造方法により製造されたことを特徴とする機能紙。
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