JP2000116293A - 釣り用リールのローラクラッチ - Google Patents

釣り用リールのローラクラッチ

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JP2000116293A
JP2000116293A JP10290695A JP29069598A JP2000116293A JP 2000116293 A JP2000116293 A JP 2000116293A JP 10290695 A JP10290695 A JP 10290695A JP 29069598 A JP29069598 A JP 29069598A JP 2000116293 A JP2000116293 A JP 2000116293A
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Japan
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inner ring
roller clutch
handle shaft
roller
reel
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JP10290695A
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English (en)
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Hitoshi Katayama
仁志 片山
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Shimano Inc
Original Assignee
Shimano Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 釣り用リールのローラクラッチにおいて、ば
ね部材の耐久性を向上させる。 【解決手段】 両軸受リールのローラクラッチ機構73
は、ハンドル軸30と第2カバー14との間に装着さ
れ、ハンドル軸30の回転を一方向のみ許容するための
クラッチであって、ハンドル軸30の外周側に装着され
た筒状の内輪96と、第2カバー14に装着された外輪
97と、複数のローラ98と、複数のばね部材99とを
備えている。外輪97は、内輪96と相対回転自在に配
置され、内周面に周方向に間隔を隔てて凸に湾曲して形
成されかつ一部に内輪の外周面との隙間が徐々に小さく
なる傾斜面97aが形成された複数の凹部97bを有し
ている。複数のローラ98は、凹部97bに傾斜面97
aにくい込み得るように装着されている。板ばね99
は、ローラ98を傾斜面97aにくい込む方向に付勢す
るようにローラ98及び凹部97bに接触して配置され
ている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、特に、釣り用リー
ルの回転部品と固定部品との間に装着され、回転部品の
回転を一方向のみ許容するための釣り用リールのローラ
クラッチに関する。
【0002】
【従来の技術】両軸受リールや片軸受リールやスピニン
グリール等の釣り用リールには、回転部品の回転を一方
向のみ許容するために、ワンウェイクラッチが使用され
ている。この種の釣り用リールに使用されるワンウェイ
クラッチとしてローラクラッチが使用されている。ロー
ラクラッチは爪式のワンウェイクラッチに比べて応答が
速いため、タイムラグを低減できる。
【0003】一般にローラクラッチは、筒状の内輪と、
内輪の外周側に配置された金属製の外輪と、内外輪の間
に装着され周方向に間隔を隔てて複数の収納部が形成さ
れた合成樹脂製のリテーナと、リテーナ内の収納部に所
定距離移動自在に保持された金属製のローラと、リテー
ナ内でローラとの隙間に配置されローラを一方向に付勢
するばね部材とを備えている。内輪遊転形のローラクラ
ッチでは、外輪は、内周面に周方向に間隔を隔てて凸に
湾曲して形成されかつ一部に内輪の外周面との隙間が徐
々に小さくなる傾斜面が形成された複数の凹部を有して
いる。ローラは、リテーナ内で傾斜面にくい込む位置と
傾斜面から離反する位置とに移動自在であり、ばね部材
により傾斜面にくい込む方向に付勢されている。リテー
ナは、内外輪の間に両輪とわずかな隙間をあけて配置さ
れている。両軸受リールの場合、ハンドル軸に内輪が回
転不能に装着され、外輪がリール本体に回転不能に装着
されている。
【0004】このような内輪遊転形のローラクラッチで
は、内輪に連結されたハンドル軸が糸巻取方向に回転す
ると、ローラは、ばね部材の付勢力に抗して傾斜面から
離反する方向に移動し、ハンドル軸の糸巻取方向の回転
が許容される。一方、ハンドル軸が糸繰り出し方向に回
転しようとすると、ローラが傾斜面にくい込む方向に移
動して内輪と外輪との間にくい込む。この結果、内輪と
外輪とがロックされ、ハンドル軸の糸繰り出し方向の回
転が禁止される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】一般に、釣り用リール
に用いられるローラクラッチでは、内輪や外輪にラジア
ル荷重が作用することがある。たとえば、仕掛けに大物
がかかりハンドル軸に曲げ荷重が作用すると、内輪にラ
ジアル荷重(径方向の荷重)が作用する。このようなラ
ジアル荷重が作用したときに糸巻取方向にハンドル軸を
回転させると、内輪及び外輪とわずかな隙間をあけて配
置されたリテーナと内輪又は外輪とが接触し、リテーナ
が変形することがある。リテーナが変形するとばね部材
が圧縮方向と異なる方向に変形してばね部材がへたりや
すくなり、ばね部材の耐久性が低減する。
【0006】本発明の課題は、釣り用リールのローラク
ラッチにおいて、ばね部材の耐久性を向上させることに
ある。
【0007】
【課題を解決するための手段】発明1に係る釣り用リー
ルのローラクラッチは、回転部品と固定部品との間に装
着され、回転部品の回転を一方向のみ許容するためのク
ラッチであって、筒状の内輪と、外輪と、複数のローラ
と、複数のばね部材とを備えている。筒状の内輪は、回
転部品及び固定部品のいずれか一方の外周側に装着され
ている。外輪は、内輪の外周側に微少な隙間をあけて相
対回転自在に配置され、内周面に周方向に間隔を隔てて
凸に湾曲して形成されかつ一部に内輪の外周面との隙間
が徐々に小さくなる傾斜面が形成された複数の凹部を有
し、回転部品及び固定部品のいずれか他方の内周側に装
着されている。複数のローラは、凹部に周方向に移動自
在にかつ傾斜面にくい込み得るように装着されている。
複数のばね部材は、各ローラを傾斜面にくい込む方向に
付勢するようにローラ及び凹部に接触して配置されてい
る。
【0008】このローラクラッチでは、ローラが傾斜面
に接触する方向に回転部品が回転すると、ばね部材の付
勢力も相まってローラが傾斜面で内輪と外輪との間にく
い込み、両輪がロックされ、回転部材の回転が禁止され
る。回転部材が逆方向に回転すると、ばね部材の付勢力
に抗して複数のローラが傾斜面から離反する方向に移動
し、両輪が相対回転自在な状態になり、回転部材の回転
が許容される。このときラジアル荷重が作用しても両輪
がこすれるだけで、ばね部材を収納した外輪が変形しに
くいので、ばね部材がへたるまでは変形しにくい。この
ため、ばね部材のへたりが生じにくくなり、ばね部材の
耐久性を向上させことができる。
【0009】発明2に係る釣り用リールのローラクラッ
チは、発明1に記載のクラッチにおいて、回転部品は両
軸受リールのハンドル軸であり、固定部品は両軸受リー
ルのリール本体であり、内輪はハンドル軸に回転不能に
装着され、外輪はリール本体に回転不能に装着されてい
る。この場合には、ハンドル軸に曲げ荷重が作用してロ
ーラクラッチにラジアル荷重が作用しても、ばね部材の
耐久性を向上させることができる。
【0010】発明3に係る釣り用リールのローラクラッ
チは、発明2に記載のクラッチにおいて、内輪は、ハン
ドル軸に回転不能に装着されたディスク部材に回転不能
に連結されている。この場合には、内輪を直接ハンドル
軸に回転不能に装着しなくても、ディスク部材を介して
内輪をハンドル軸と連動させることができる。
【0011】発明4に係る釣り用リールのローラクラッ
チは、発明1から3のいずれかに記載のクラッチにおい
て、外輪はステンレス焼結金属製である。この場合に
は、外輪の変形がさらに生じにくくなり、また耐食性も
向上する。
【0012】発明5に係る釣り用リールのローラクラッ
チは、発明1から4のいずれかに記載のクラッチにおい
て、ばね部材は、ローラと凹部との間に圧縮状態で配置
された板ばねである。この場合には、狭い収納空間内に
配置できるとともに、ローラへの付勢力を軸方向に均等
に付与しやすくなり、ローラが傾きにくくなる。
【0013】
【発明の実施の形態】図1において、本発明の一実施形
態を採用した両軸受リールは、たとえば、5号の釣り糸
を300m程度巻き付け可能な中型の丸型リールであ
る。丸型リールは、リール本体1と、リール本体1の側
方に配置されたスプール回転用のハンドル組立体2と、
ハンドル組立体2のリール本体1側に配置されたスター
ドラグ3とを備えている。なお、この両軸受リールは、
レベルワインド機構は有していない。
【0014】リール本体1には、スプール15が回転自
在に装着されている。リール本体1は、竿取付脚4を介
して釣り竿RDに装着され得る。リール本体1は、図2
に示すように、所定の間隔をあけて配置された左右1対
の側板10,11と側板10,11を連結する複数の支
持部材12とを有するフレーム5と、フレーム5の両側
方に装着された第1カバー13及び第2カバー14と、
第2カバー14に装着された機構装着板16とを有して
いる。機構装着板16は側板11に接触して配置され、
機構装着板16と第2カバー14との間には、後述する
各種機構を収納するための空間が形成されている。
【0015】フレーム5及び第1カバー13はダイキャ
スト成形により得られ、第2カバー14は金属薄板をプ
レス成形して得られる。1対の側板10,11及び第1
カバー13は、それぞれ側面から見て円形をなしてお
り、外周面はたとえば旋盤等を用いて機械加工されてい
る。第2カバー14及び機構装着板16は、図2及び図
3に示すように、側面から見て円形の一部が径方向に突
出した形状である。第2カバー14には、ハンドル軸3
0(後述)の装着部分を中心に軸方向外方にも膨出した
膨出部14aが形成されている。この膨出部14aのス
プール軸25(後述)の周囲とハンドル軸30(後述)
の周囲とには、それぞれの筒状のボス部14b,14c
がカシメ固定されている。
【0016】支持部材12は、両側板10,11の外周
に沿う形状で両側板10,11と一体で形成された板状
の部材であり、たとえばリール本体1の後部と下部と上
部との3か所で1対の側板10,11を連結している。
このように側板10,11と複数の支持部材12とを一
体で形成することで、リール本体1に大きな荷重が作用
しても撓み等の変形が生じがたく、巻上げ効率の低下が
抑制される。この支持部材12の外周部と側板10,1
1とは一体で、第1カバー13と同様に機械加工されて
いる。
【0017】下部の支持部材12には竿取付脚4が固定
されている。竿取付脚4は、フレーム5の側板10,1
1間の中心位置Fに沿って配置されている。この中心位
置Fは、スプール15の糸巻取部の中心位置でもある。
後部の支持部材12には、リールを釣り竿とともに保持
するための合成樹脂製のサムレスト17が装着されてい
る。
【0018】サムレスト17は、支持部材12の上部と
後部とに接するように形成され、かつ後部が側板10,
11から径方向外方、つまり後方に突出している。サム
レスト17の上面後部は、下方に凸に湾曲しながら傾斜
している。また、サムレスト17の上面後部の左端及び
右端は、後方への突出量が左側にいくにつれて徐々に減
少している。
【0019】このような形状のサムレスト17を設け、
このサムレスト17にたとえば左手の親指を置いて他の
指で釣り竿RDをつかみ釣り竿RDとともにリールを握
ることで、バーチカルジギング時等に釣り竿RDをリー
ルとともに確実に保持できる。
【0020】ハンドル組立体2は、ハンドル軸30の先
端に回転不能に装着されたクランクアーム6と、クラン
クアーム6の一端にクランクアーム6の一端部と直交す
る軸回りに回転自在に装着されたハンドル把手7と、ハ
ンドル把手7をクランクアーム6に回転自在に装着する
ための回転支持部8とを有している。ハンドル組立体2
において、クランクアーム6のハンドル軸30装着部分
が回転支持部8装着部分よりリール本体1から離反して
いる。つまり、ハンドル把手7の基端部の回転平面がク
ランクアーム6のハンドル軸30への固定部分の回転平
面よりリール本体1側に接近している。
【0021】クランクアーム6は、ハンドル軸30の径
方向に延び2カ所で屈曲した平板状の金属製の部材であ
る。クランクアーム6は、図2に示すように、ハンドル
軸30の先端に形成された面取り部30aに回転不能に
係止されており、固定ナット30bによりハンドル軸3
0に着脱自在に固定されている。
【0022】スプール15は、図2に示すように、1対
の側板10,11間に回転自在に配置されている。スプ
ール15は、糸巻胴部15aと、糸巻胴部15aの両端
に一体で形成されたフランジ部15bとを有している。
スプール15の中心にはスプール軸25が貫通して固定
されている。スプール軸25は第1カバー13及び機構
装着板16に軸受26a,26bを介して回転自在に支
持されている。
【0023】機構装着板16と第2カバー14の間の空
間には、ハンドル組立体2からのトルクをスプール15
に伝えるための回転伝達機構20と、回転伝達機構20
内に設けられたクラッチ機構21と、クラッチ機構21
をオンオフ操作するためのクラッチ操作機構22とが配
置されている。
【0024】回転伝達機構20は、スプール15からハ
ンドル組立体2側にトルクが逆に伝達された場合のトル
クを規制するための回転制御機構23を含んでいる。ま
た、側板11の中心部には糸繰り出し方向に自由回転す
るスプール15を制動するための遠心ブレーキ機構24
が配置されている。側板10の外側で第1カバー13内
には、スプール15回転時に発音させる発音機構や根が
かりしたとき等にスプール15を完全にロックして糸切
れしやすくするためのロック機構等が配置されている。
【0025】回転伝達機構20は、一端にハンドル組立
体2が固定されたハンドル軸30と、ハンドル軸30の
他端に回転制御機構23を介して連結されたメインギア
31と、メインギア31に噛み合うピニオンギア32と
を有している。
【0026】ハンドル軸30は、スプール軸25と平行
に配置されており、一端側が機構装着板16に回転自在
に支持されている。メインギア31は、ハンドル軸30
に対して回転自在に装着されており、ハンドル軸30の
一端側に回転制御機構23を介して相対回転不能に連結
することが可能である。メインギア31の内周部には、
リング状の収納空間31dが形成されている。また、メ
インギア31には、係止用の溝31bが収納空間31a
の縁部に2カ所形成されている。このような構成では、
クラッチ機構21がオンされた状態では、ハンドル組立
体2からのトルクがメインギア31及びピニオンギア3
2を介してスプール15に直接伝達される。
【0027】クラッチ機構21は、スプール軸25の外
周部にスライド自在に装着された筒状のピニオンギア3
2と、ピニオンギア32の一部に配置された係合溝32
aとスプール軸25に配置されたピン33とを有してい
る。スプール軸25に沿ってピニオンギア32を摺動さ
せて、係合溝32aをピン33と係合すれば、スプール
軸25とピニオンギア32との間で回転力が伝達され
る。この状態が連結状態(クラッチオン状態)である。
係合溝32aとピン33の係合を外せば、スプール軸2
5とピニオンギア32との間で回転力は伝達されない。
この状態が遮断状態(クラッチオフ状態)である。クラ
ッチオフ状態では、スプール15は自由に回転する。ピ
ニオンギア32は、クラッチ操作機構22により係合溝
32aとピン33とが係合する方向すなわちクラッチオ
ン状態に付勢されている。クラッチ操作機構22は、リ
ール本体1の第2カバー14に連結姿勢と遮断姿勢との
間で揺動自在に装着されたクラッチレバー40を備えて
いる。
【0028】回転制御機構23は、スプール15の糸繰
り出し方向の回転に対して設定したドラグ力を作用させ
るためのドラグ機構72と、ハンドル軸30を糸巻取方
向にのみ回転させる(糸繰り出し方向の回転を禁止す
る)ローラクラッチ機構73と、ハンドル軸30を糸巻
取方向にのみ回転させる爪式のラチェット機構74とを
有している。
【0029】ドラグ機構72は、図3に示すように、ハ
ンドル軸30に螺合するスタードラグ3の操作によりド
ラグ力を調整可能である。ドラグ機構72は、メインギ
ア31と、ローラクラッチ機構73に隣接して配置され
たディスク部材85と、メインギア31とディスク部材
85との間に配置された5枚のドラグディスク80〜8
4と、ローラクラッチ機構73とスタードラグ3との間
に配置された2枚の皿ばね92,93とを有している。
皿ばね92とローラクラッチ機構73との間には、ハン
ドル軸30を回転自在に支持するための軸受90とワッ
シャ91とが配置されている。スタードラグ3と皿ばね
93との間にはワッシャ94が配置されている。
【0030】ドラグディスク80〜82は、メインギア
31内の収納空間31a内に収納される。ドラグディス
ク80は、グラファイト製のリング状の部材であり、円
筒棒状のグラファイト素材を切断して得られる。ドラグ
ディスク80は、メインギア31に対向して配置されて
おりメインギア31に圧接可能である。ドラグディスク
81は、ハンドル軸30に形成された第1角形部30d
に係止される四角形の中心孔81aを有している。この
ため、ドラグディスク81は、ハンドル軸30に対して
回転不能でありドラグディスク80と相対回転可能であ
る。ドラグディスク81はたとえばステンレス合金製で
ある。ドラグディスク82は、グラファイト製のリング
状の部材であり、ドラグディスク80と同様に円筒棒状
のグラファイト素材を切断して得られる。ドラグディス
ク82は、ハンドル軸30に対して回転自在である。
【0031】なお、ハンドル軸30には、第1角形部3
0dの図3左側に間隔を隔てて第2角形部30eが形成
されており、第2角形部30eには鍔部30fも形成さ
れている。この第2角形部30eには、ラチェット機構
74を構成するラチェットホイール74aが回転不能に
装着されており、ラチェットホイール74aとメインギ
ア31との間には、ワッシャ95がラチェットホイール
74aとメインギア31に圧接可能に装着されている。
【0032】ドラグディスク83は、ステンレス合金製
のリング状の部材でありハンドル軸30に対して回転自
在である。ドラグディスク83の周縁部の対向する2カ
所には、メインギア31側に延びる係止片83aが形成
されている。係止片83aは、メインギア31の係止用
の溝31bに係止される。この結果、ドラグディスク8
3は、メインギア31と一体回転する。ドラグディスク
84は、グラファイト製のリング状の部材であり、ドラ
グディスク80と同様に円筒棒状のグラファイト素材を
切断して得られる。ドラグディスク84は、ハンドル軸
30に対して回転自在である。
【0033】ディスク部材85は、ステンレス製のリン
グ状の部材であり、内周部にハンドル軸30の面取り部
30aに回転不能に係止される小判孔85aが形成され
ている。このため、ディスク部材85は、ハンドル軸3
0に対して回転不能である。また、この内周部の対向す
る2カ所には、係止凹部85bが形成されている。この
係止凹部85bには、ローラクラッチ機構73を構成す
る内輪96が回転不能に連結されている。
【0034】ローラクラッチ機構73は、図4及び図5
に示すように、ハンドル軸(回転部品の一例)30の外
周側に装着された内輪96と、内輪96の外周側に微少
な隙間をあけて相対回転自在に配置され内周面に周方向
に間隔を隔てて形成された複数(たとえば6つ)の凹部
97bを有する外輪97と、各凹部97bに周方向に移
動自在に装着された複数のローラ98と、各ローラ98
を一方向に付勢する板ばね99とを備えている。
【0035】内輪96は、薄肉円筒状の金属製の部材で
ある。内輪96は、ハンドル軸30に回転自在にはめ込
まれており、この内輪96の一端には、図3に示すよう
に、係止凹部85bにはめ込まれる1対の係止突起96
aがディスク部材85側に突出している。内輪96の他
端は軸受90に接触している。これにより内輪96は、
ハンドル軸30とともに一体回転するようになってい
る。
【0036】外輪97は、厚肉有底円筒状のたとえばス
テンレス焼結金属製の部材である。外輪97は、第2カ
バー(固定部品の一例)14のボス部14bに回転不能
に装着されている。外輪97の内周面に形成された凹部
97bは、周方向に間隔を隔てて凸に湾曲して形成され
ており、内輪96の外周面との隙間が徐々に小さくなる
傾斜面97aが一側に形成されている。外輪97の外周
面には、周方向に間隔を隔てて複数の係止凸部97cが
形成されている。ボス部14bには、この係止凸部97
cが係合する係止凹部14dが形成されており、これに
より外輪97は、第2カバー14に回転不能に装着され
る。外輪97の開口端には、図5に示すように、金属板
製のリング状の蓋部材100がかしめ固定されている。
この蓋部材100は、ローラ98の抜け止めを行うため
に設けられている。
【0037】各ローラ98は、両端が略半球状に丸めら
れた丸棒状の金属製の部材である。ローラ98の直径
は、凹部97bと内輪96の外周面との最大隙間より小
さく、傾斜面97aと内輪96の外周面との最小隙間よ
り大きい。このため、内輪96の回転によりローラ98
が傾斜面97aにくい込むことができ、内輪96と外輪
97とをロックしてハンドル軸30の逆転を禁止でき
る。ローラ98の一端は外輪97の底部に接触し、他端
は蓋部材100に軽く接触している。
【0038】板ばね99は、なだらかな山形形状に湾曲
した金属製の弾性部材である。板ばね99は、蓋部材1
00の内周側に形成された舌片をプレス成形により折り
曲げるとともに湾曲させて形成されており、蓋部材10
0と一体で形成されている。板ばね99は、ローラ98
を傾斜面97aにくい込む方向に付勢するようにローラ
98及び凹部97bの壁面に接触して配置されている。
板ばね99は、その頂上部分が凹部97bの壁面に当接
し、すそ野部分がローラ98の両端部に接触している。
このため、ローラ98を軸方向に略均一に付勢すること
ができ、ローラ98が傾きにくくなる。このような蓋部
材100に一体形成された板ばね99を用いると、板ば
ね99の組み込みが容易になり、組立工程を短縮でき
る。
【0039】ラチェット機構74は、ハンドル軸30に
回転不能に装着されたラチェットホイール74aとラチ
ェットホイール74aに逆転(糸繰り出し方向の回転)
時に噛み合って逆転を禁止するためのラチェット爪(図
示せず)とを有している。
【0040】なお、ハンドル軸30の逆転を禁止するだ
けであれば、ラチェット機構74のみを設けてローラク
ラッチ機構73を省いてもよい。しかし、ラチェット機
構74は、ラチェット爪がラチェットホイール74aに
噛み合ったり外れたりする動作にある程度の時間がかか
る。釣りの動作に要求される迅速で滑らかな逆転禁止動
作を果たすには、前記のようなローラクラッチ機構73
が好ましく、ローラクラッチ機構73では負担できない
ような過大な力をラチェット機構74で負担することが
有効である。
【0041】皿ばね92、93は、周縁部が接触するよ
うに配置されている。皿ばね92,93は、メインギア
31、各ドラグディスク80〜84及びディスク部材8
5への圧接力を調節するために設けられている。
【0042】次に、リールの動作について説明する。
【0043】釣りを行う前には、スタードラグ3を回転
させてドラグ力を調整する。ドラグ力を調整する場合に
は、ばね秤や目標とする魚と同程度の重さを有する重り
を釣り糸の先端に連結し、連結したはかりや重りを引っ
張って所望のドラグ力が発生するようにスタードラグ3
を回転させる。
【0044】スタードラグ3を図3時計回りに回転させ
ると、ハンドル軸30に螺合するスタードラグ3がリー
ル本体1に近づく方向に軸方向に移動する。これにより
皿ばね92,93が撓んでワッシャ91,軸受90及び
内輪96をハンドル軸30の基端側(図3左側)に押圧
する。すると、メインギア31、各ドラグディスク80
〜84及びディスク部材85の圧接力が高まりドラグ力
が強くなる。逆にスタードラグ3を反時計回りに回転さ
せると、スタードラグ3がハンドル軸30の先端側に移
動し、メインギア31、各ドラグディスク80〜84及
びディスク部材85の圧接力が低まりドラグ力が弱くな
る。
【0045】釣り糸を繰り出す時には、クラッチレバー
40によりクラッチ機構21をクラッチオフ状態にす
る。これによりスプール15が自由回転状態になり、ジ
グ(仕掛け)の自重によりスプール15が糸繰り出し方
向に回転し、釣り糸がスプール15から繰り出される。
ジグが海底に到達するとハンドル組立体2を糸巻取方向
に回転させてバーチカルジギングを開始する。ハンドル
組立体2を糸巻取方向に回転させると図示しないクラッ
チリターン機構によりクラッチオン状態になる。
【0046】バーチカルジギングを行うときには、たと
えば、左の脇に釣り竿RDの図示しない後端部を挟み、
リール本体1の後部に固定されたサムレスト17に左手
の親指を置き、残りの指で釣り竿を掴んでリールと釣り
竿RDとを保持し、左手で釣り竿RDをしゃくりつつ右
手でハンドル組立体2のハンドル把手7をつまみ、高速
でハンドル軸30を回すポンピング動作を繰り返す。
【0047】ハンドル組立体2を糸巻取方向に回転させ
ると、ハンドル組立体2の回転がハンドル軸30からロ
ーラクラッチ機構73、ドラグ機構72を介してメイン
ギア31にそのまま伝達される。このときクラッチ機構
21はオン状態のため、メインギア31の回転はピニオ
ンギア32からスプール15に伝達されて、釣り糸が巻
き上げられる。このとき、ローラクラッチ機構73及び
ラチェット機構74では、回転が糸巻取方向であるので
回転を許容する。すなわち、ローラクラッチ機構73で
は、ハンドル軸30の回転に連動して内輪96が図4の
時計回り(糸巻取方向)に回転し、ローラ98が板ばね
99の付勢力に抗して傾斜面97aから離脱する方向に
移動する。この結果、内輪96が外輪97に対してロッ
クされずハンドル軸30が自由に回転できる。
【0048】魚の引きなどで釣り糸が繰り出される際に
は、スプール15の回転がメインギア31に伝達され、
ドラグ機構72を介してハンドル軸30およびローラク
ラッチ機構73に伝わる。ハンドル軸30が糸繰り出し
方向に回転すると、内輪96もそれに連動して図4反時
計回り(糸繰り出し方向)に回転し、ローラ98が内輪
96の回転と板ばね99の付勢力とにより傾斜面97a
にくい込む方向に移動する。この結果、内輪96が外輪
97に対してロックされ、ハンドル軸30の逆転が禁止
される。魚の引きが弱ければ、スプール15は回転せず
釣り糸が引き出されることもない。そして、魚の引きが
強くなりスプール15の回転力が大きくなると、伝達さ
れる回転力がドラグ機構72の設定されたドラグ力を超
える。すると、ドラグ機構72でメインギア31,ドラ
グディスク80〜84及びディスク部材85の滑りが生
じるので、メインギア31を含むスプール15側は回転
を始める。このとき、スプール15には常にドラグ機構
72から一定の抵抗力すなわちドラグ力が作用する。
【0049】この状態でさらにハンドル組立体2を糸巻
取方向に回転させると、ハンドル軸30に曲げ力が作用
し、ローラクラッチ機構73にラジアル荷重が作用す
る。しかし、ローラクラッチ機構73の外輪97にロー
ラ98が収納されいるので、ラジアル荷重が作用して内
輪96と外輪97とが接触してもこすれるだけである。
そして、板ばね99を収納した外輪97が変形しにくい
ので、板ばね99がへたるまでは変形しにくい。このた
め、板ばね99のへたりが生じにくくなり、板ばね99
の耐久性を向上させことができる。
【0050】〔他の実施形態〕 (a) 前記実施形態では、ローラクラッチ機構を両軸
受リールの回転制御機構に使用したが、本発明はこれに
限定されるものではなく、スピニングリールの逆転防止
機構や片軸受リールの逆転防止機構にも本発明を適用で
きる。
【0051】(b) 前記実施形態では、ばね部材とし
て金属製の板ばねを使用したが、ばね部材として、コイ
ルばねやゴムや合成樹脂製の板ばねなどの他の弾性体を
用いてもよい。
【0052】
【発明の効果】本発明によれば、ラジアル荷重が作用し
ても内外輪がこすれるだけで、ばね部材を収納した外輪
が変形しにくいので、ばね部材がへたるまでは変形しに
くい。このため、ばね部材のへたりが生じにくくなり、
ばね部材の耐久性を向上させことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態を採用した両軸受リールの
斜視図。
【図2】その平面断面図。
【図3】その回転制御機構の分解斜視図。
【図4】ローラクラッチ機構の横断面図。
【図5】ローラクラッチ機構の縦断面図。
【符号の説明】
14 第2カバー 30 ハンドル軸 73 ローラクラッチ機構 96 内輪 97 外輪 97a 傾斜面 97b 凹部 98 ローラ 99 板ばね

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】釣り用リールの回転部品と固定部品との間
    に装着され、前記回転部品の回転を一方向のみ許容する
    ためのローラクラッチであって、前記回転部品及び固定
    部品のいずれか一方の外周側に装着された筒状の内輪
    と、 前記内輪の外周側に微少な隙間をあけて相対回転自在に
    配置され、内周面に周方向に間隔を隔てて凸に湾曲して
    形成されかつ一部に前記内輪の外周面との隙間が徐々に
    小さくなる傾斜面が形成された複数の凹部を有し、前記
    回転部品及び固定部品のいずれか他方の内周側に装着さ
    れた外輪と、 前記凹部に周方向に移動自在にかつ前記傾斜面にくい込
    み得るように装着された複数のローラと、 前記各ローラを前記傾斜面にくい込む方向に付勢するよ
    うに前記ローラ及び凹部に接触して配置された複数のば
    ね部材と、を備えた釣り用リールのローラクラッチ。
  2. 【請求項2】前記回転部品は両軸受リールのハンドル軸
    であり、前記固定部品は前記両軸受リールのリール本体
    であり、前記内輪は前記ハンドル軸に回転不能に装着さ
    れ、前記外輪は前記リール本体に回転不能に装着されて
    いる、請求項1に記載の釣り用リールのローラクラッ
    チ。
  3. 【請求項3】前記内輪は、前記ハンドル軸に回転不能に
    装着されたディスク部材に回転不能に連結されている、
    請求項2に記載の釣り用リールのローラクラッチ。
  4. 【請求項4】前記外輪は、ステンレス焼結金属製であ
    る、請求項1から3のいずれかに記載の釣り用リールの
    ローラクラッチ。
  5. 【請求項5】前記ばね部材は、前記ローラと凹部との間
    に圧縮状態で配置された板ばねである、請求項1から4
    のいずれかに記載の釣り用リールのローラクラッチ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2019024327A (ja) * 2017-07-25 2019-02-21 株式会社シマノ 釣り用リールのローラクラッチ

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JP2019024327A (ja) * 2017-07-25 2019-02-21 株式会社シマノ 釣り用リールのローラクラッチ

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