JP2000115888A - スピーカ装置 - Google Patents

スピーカ装置

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JP2000115888A
JP2000115888A JP10300385A JP30038598A JP2000115888A JP 2000115888 A JP2000115888 A JP 2000115888A JP 10300385 A JP10300385 A JP 10300385A JP 30038598 A JP30038598 A JP 30038598A JP 2000115888 A JP2000115888 A JP 2000115888A
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frame
coil
heat
magnet
speaker device
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JP10300385A
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Jiro Nakazono
次郎 中園
Shigeru Watanabe
茂 渡辺
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Tohoku Pioneer Corp
Pioneer Corp
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Tohoku Pioneer Corp
Pioneer Electronic Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 駆動用のコイルに直接取り付けることがで
き、従来に比べて放熱効果の優れたスピーカ装置を提供
することを目的とする。 【解決手段】 磁石が取り付けられた振動板と該振動板
を弾性支持するフレームと該フレームに取り付けられる
コイルとを備え、コイルに駆動電流を供給することによ
って振動板を電磁駆動するスピーカ装置であって、フレ
ームは熱伝導性を有する金属材料からなり、コイルはフ
レームに対して直接又は熱伝導性を有する部材を介して
固定されることを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、スピーカ装置に関
し、特にボイスコイルに放熱対策を施したスピーカ装置
に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、スピーカ装置はオーディオ信号
(電気信号)を入力して振動板を機械振動させ、当該振
動板の振動を音響エネルギに変換する、いわゆる電気−
音響変換器である。
【0003】スピーカ装置の代表例であるムービングコ
イル方式のダイナミックスピーカ(動電型スピーカ)を
図5に示す。周知のごとく、ダイナミックスピーカは、
例えば略円錐形状(コーン形状)を有する振動板101
の中央部分の孔に、ボイスコイル102が卷回されたボ
イスコイルボビン103が嵌合固着し、フレーム112
に取り付けられたエッジ108及びダンパ109によっ
て、振動板101、ボイスコイル102、ボイスコイル
ボビン103が一体に弾性支持されることにより振動板
101がダイナミックスピーカの中心軸X方向における
所定の静止位置において支持されると共に、ボイスコイ
ル102及びボイスコイルボビン103が磁石104、
プレート105、ポールヨーク106からなる磁気回路
107の磁気空隙内の所定の静止位置において空間支持
される。
【0004】また、ボイスコイル102はその両端がフ
レーム112に設けられた正負の入力端子110にそれ
ぞれリード線111を介して電気的に接続されていて、
該入力端子110からオーディオ信号が供給されること
により磁気ギャップ内のボイスコイル102がオーディ
オ信号に応じた電磁駆動力を受けて振動板101と共に
ピストン振動方向に沿って前後に駆動する。その結果、
振動板101からオーディオ信号に応じた音響エネルギ
が放射される。
【0005】このように、ダイナミックスピーカは、静
磁界内に空間配置された質量の小さいボイスコイル及び
ボイスコイルボビンが振動板に固着されて軽量の振動系
を構成し、当該ボイスコイルに電気入力を与えることに
よりボイスコイルが電磁駆動して、振動板を前後に振動
させるので、電気−音響変換効率の主要構成要素となる
振動系の付加質量を容易に小さく設定でき、したがって
電気−音響変換効率を高める上で比較的有利である。
【0006】従来のダイナミックスピーカは概略以上の
ように構成され、簡単な構造と音響変換の効率の良さか
らスピーカ装置の主流として広く用いられている。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記ダイナミックスピー
カに代表されるスピーカ装置は、家庭用のオーディオ装
置等に用いられるのみならず、車載用としても用いられ
ることが多く、使用者が臨場感あふれる大音量の再生音
を望むため、スピーカ装置に大入力が供給される場合が
多い。
【0008】通常、ダイナミックスピーカのボイスコイ
ルに供給される電気入力は、その一部がボイスコイルに
流れる駆動電流よって熱エネルギーに変換されてジュー
ル熱となって放熱されて消費され、残りが振動系の駆動
エネルギとなる。
【0009】また、この駆動エネルギによって振動板が
前後に振動され、そのほとんどが振動系の運動エネルギ
に用いられ、最終的には振動系及びその支持体の摩擦熱
として放熱されて消費され、ごく僅かが音響エネルギに
変換されて放射されて消費される。
【0010】つまり、ボイスコイルに加えられた電気入
力はそのほとんどが熱エネルギに変換されて消費され、
音響エネルギに変換される割合はごく僅かである。
【0011】また、ダイナミックスピーカは、その構造
上ボイスコイルが磁気回路の磁気空隙内において高い断
熱性を有する空気中に空間支持されるので、ダイナミッ
クスピーカに大入力が供給された場合にボイスコイルか
ら放熱されたジュール熱は次第に磁気空隙内に蓄積さ
れ、ボイスコイル自体の温度が急激に上昇し過熱状態と
なり、ボイスコイルが断線してしまう場合がある。
【0012】また、ボイスコイルの直流抵抗値は温度上
昇に比例して上昇するので、ボイスコイルの温度上昇に
伴いボイスコイルに流れる駆動電流が減少する。その結
果、ダイナミックスピーカは、大入力に対する駆動電流
値が非線形となりパワーリニアリティ特性が劣化する。
これはとりもなおさず、ダイナミックスピーカが大入力
に対し音質劣化をきたすこととなる。
【0013】このため、ダイナミックスピーカにおいて
大入力に対するパワーリニアリティ特性を向上するため
には、大入力の供給時におけるボイスコイルの過熱対策
が重要な課題となる。
【0014】このため従来では、例えば、ダイナミック
スピーカの磁気回路等にヒートパイプを取り付けてヒー
トパイプの一方端を磁気空隙内のボイスコイルの近傍に
配し、他方端を磁気回路の外部に誘導して配置させるこ
とによって、加熱されたボイスコイルを磁気空隙内の空
気を介してヒートパイプによって放熱したり、磁気回路
に放熱フィンなどのヒートシンクを取り付けることによ
って、加熱されたボイスコイルを磁気空隙内の空気及び
磁気回路を介してヒートシンクによって放熱したりして
大入力時のボイスコイルの過熱をある程度防いでいた。
【0015】しかし、上記ヒートパイプやヒートシンク
は、磁気空隙内で振動するボイスコイルに接触させて直
接吸熱することができない。そのため、ボイスコイルの
吸熱が不充分である。また、電気入力の大きさによって
ボイスコイルの振動の大きさが変化するのでヒートパイ
プの吸熱効率が安定しない。
【0016】本発明は、上述の問題点に鑑みなされたも
のであり、駆動用のコイルに直接取り付けることがで
き、従来に比べて放熱効果の優れたスピーカ装置を提供
することを目的とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明は、
磁石が取り付けられた振動板と該振動板を弾性支持する
フレームと該フレームに取り付けられるコイルとを備
え、コイルに駆動電流を供給することによって振動板を
電磁駆動するスピーカ装置であって、フレームは熱伝導
性を有する金属材料からなり、コイルはフレームに対し
て直接又は熱伝導性を有する部材を介して固定されるこ
とを特徴とする。
【0018】また、請求項2記載の発明は、内周にリン
グ状の磁石が取り付けられた振動板と、該振動板を弾性
支持するフレームと、該フレームに取り付けられ磁石に
挿通するコイルとを備え、コイルに駆動電流を供給する
ことによって振動板を電磁駆動するスピーカ装置であっ
て、フレームは、熱伝導性を有する金属材料からなると
共に底面から立設するポール部を有し、コイルはポール
部に挿通し内周面がポール部に接する状態でポールに固
定されることを特徴とする。
【0019】また、請求項3記載の発明は、請求項1又
は2に記載のスピーカ装置において、フレームはヒート
シンクを有することを特徴とする。
【0020】また、請求項4記載の発明は、請求項1〜
3のいずれかに記載のスピーカ装置において、前記フレ
ームは銅、チタニウム、亜鉛、アルミニウムのいずれか
一、または、それらを含む合金からなることを特徴とす
る。
【0021】
【作用】本発明によれば、電気入力が供給されるコイル
からの放熱を、直接熱伝導性を有するフレームに又は熱
伝導性を有する部材を介してフレームに伝え、フレーム
からスピーカ装置の外部に放熱するようにしたので、コ
イルからの放熱がコイル及びコイル周辺に蓄積されるこ
とがなく、したがって従来に比べて放熱効果が優れてい
る。
【0022】
【発明の実施の形態】次に、本発明の好適な実施の形態
について図をもとに説明する。図1は、本発明の実施形
態におけるスピーカ装置の主要断面構造図である。第1
の実施形態におけるスピーカ装置は、磁界中の駆動コイ
ルに流れる駆動電流によって生じる電磁駆動力を用いた
ムービング磁石駆動(M−M駆動)方式によるスピーカ
装置であり、以下これを説明する。
【0023】図1に示すように、スピーカ装置は、略円
錐形状(コーン形状)を有する振動板1の中央部分の孔
に中心軸Xを中心としたリング状の磁石2の外周面が嵌
合して固着される。
【0024】磁石2は、例えば55〜65MG・Oe程
度もしくはそれ以上の高い磁気エネルギ(B・H積)を
有するネオジウム系金属化合物やサマリウム系金属化合
物などの材料からなるリング状(ここでは円筒形状)の
希土類磁石であり、中心軸Xを中心としたラジアル方向
に磁化されて、内周面側及び外周面側が両磁極に対応す
る。
【0025】磁石2が固着された振動板1は、フレーム
3に取り付けられたエッジ4によって外周縁部が中心軸
X方向において弾性支持されると共に、フレーム3に取
り付けられたダンパ5によって内周縁部が中心軸X方向
において弾性支持される。また、磁石2はその上面がリ
ング状の剛体からなる支持枠6の一方端に同軸に固定さ
れる。さらに、支持枠6の他方端は、フレーム3に取り
付けられたリング状のキャップ7の内周部分に取り付け
られたダンパ8の内周側に固定される。
【0026】以上により、振動板1及び磁石2は、フレ
ーム3に取り付けられたエッジ4及びダンパ5、8によ
ってスピーカ装置の中心軸X方向における所定の静止位
置に弾性支持される。
【0027】また、フレーム3は、例えば銅や亜鉛やチ
タニウムやアルミニウムのいずれかからなるか、また
は、それらを含む合金等の優れた熱伝導性を有する金属
材料からなり、中心軸Xを中心に底面から中心軸X方向
に立設する中空円筒状のポール部3aを有する。
【0028】また、ヒートシンク10は、熱伝導性を有
する部材からなる放熱フィン等によって構成される放熱
器であり、ポール部3aに取り付けられてフレーム3に
固定されることにより、ポール部3a及びフレーム3か
らの熱を伝えて外部空間に放熱する。
【0029】また、駆動コイル9は、絶縁被膜を有する
電線が同方向に複数回巻かれて形成される円筒状のコイ
ルであり、ポール部3aの外径にほぼ等しい内径を有
し、ポール部3aに挿通して底面及び内周面がポール部
3aに接する状態で固定されることによりフレーム3に
固定される。さらに図1に示すように、駆動コイル9の
下部がフレーム3に接触固定される。
【0030】また、駆動コイル9は、リング状の磁石2
の内径よりもやや小さい外径を有するので、上述したよ
うに、スピーカ装置は、磁石2が振動板1と共にエッジ
4及びダンパ5、8によってスピーカ装置の中心軸X方
向における所定の静止位置に弾性支持されると共に、駆
動コイル9がリング状の磁石2に挿通して、駆動コイル
9の外周面と磁石2の内周面とが所定の間隔を有するリ
ング状の空隙を介して対向する。
【0031】駆動コイル9の両端はリード線などにより
引き出されてスピーカ装置の図示せぬ入力端子に接続さ
れる。
【0032】本発明のスピーカ装置は、概略以上のよう
に構成され、入力端子から駆動コイル9に電気入力(オ
ーディオ信号)を供給することにより、電磁駆動力を発
生する駆動コイル9と対向する磁石2がその反作用によ
る力を受けて振動板1と共にピストン振動方向(つま
り、中心軸X方向)に沿って前後に駆動する。その結
果、振動板1からオーディオ信号に応じた音響エネルギ
が放射され、キャップ7に設けられた開口部7aを通し
てスピーカ装置の前面に放射される。
【0033】図2は、第1の実施形態におけるスピーカ
装置の駆動原理を示した図である。同図に示すように、
リング状の磁石2はここでは内周面側がN極であり、外
周面側がS極とする。この場合に磁石2は開磁路を構成
し、磁石2から発せられる磁力線は図に示す矢印の方向
に沿って分布するので、磁石2の内周面側(N極側)と
空隙を介して対向する駆動コイル9の部分は、N極付近
の高い磁束密度(B)を有する磁界中に配され、各電線
が磁力線にほぼ直交するように交差する。
【0034】このような状態で図示せぬ入力端子から駆
動コイル9に電気入力が供給されると磁界中の駆動コイ
ル9の各電線中には図2中紙面に直交する方向の駆動電
流(I)が流れる。
【0035】ここで図2に示すように駆動コイル9の各
電線中に紙面に垂直且つ表側から裏側にいたる方向に駆
動電流が流れた場合、駆動コイル9には図2に示すよう
に紙面上方に電気入力に応じた力が発生する。
【0036】ところが、駆動コイル9は、その内周面が
ポール部3aに接する状態でポール部3aに固定される
ことによりフレーム3に直接固定されるので、磁石2
は、反作用により上記駆動コイル9が発生する力と大き
さが同じで逆の方向の力を受ける。
【0037】上述したように、磁石2は、振動板1と共
にエッジ4及びダンパ5、8によってスピーカ装置の中
心軸X方向における所定の静止位置に弾性支持されてい
るので、上記反作用の力を受けることにより振動板1と
共にこの反作用の力の方向に駆動される。
【0038】また、駆動コイル9の各電線中に紙面に垂
直且つ裏側から表側にいたる方向に駆動電流が流れた場
合は同様にして逆の方向に駆動される。この場合に、磁
石2は、振動板1と共に上記反作用の力がエッジ4及び
ダンパ5、8による弾性力とつりあう位置まで移動し
て、電気入力に応じた振動板1の振幅を得ることができ
る。
【0039】以上により、スピーカ装置は、入力端子か
ら駆動コイル9に供給される電気入力に応じて、磁石2
が振動板1と共にピストン振動方向に沿って駆動され振
動する。
【0040】また、駆動コイル9は、電気入力が供給さ
れて駆動電流が流れた場合に、駆動電流の大きさに応じ
たジュール熱を放熱するが、駆動コイル9の内周面がポ
ール部3aに接する状態で固定されているので、放熱さ
れたジュール熱は優れた熱伝導性を有するポール部3a
によって即座に直接吸熱され、さらにポール部3aに取
り付けられたヒートシンク10に伝えられてヒートシン
ク10から外部空間に放熱される。
【0041】したがって、駆動コイル9は、供給される
電気入力が大きい場合でも駆動コイル9自体の温度が急
激に上昇することがないので直流抵抗値が大きく変化せ
ず、したがって入力の大きさに対する駆動電流値は直線
的に比例する。その結果、スピーカ装置は、大入力に対
するパワーリニアリティ特性が良好となる。
【0042】また、駆動コイル9は、供給される電気入
力が大きい場合でも駆動コイル9にジュール熱が蓄積し
ないので過熱状態にならない。その結果、スピーカ装置
に大入力を供給しても、駆動コイル9または駆動コイル
9に接続される引き出し線は熱による断線を生じること
がない。
【0043】尚、本実施形態においては、駆動コイル9
がポール部3aに接する状態で固定されているが、この
形態に限られることなく、例えば、駆動コイル9とポー
ル部3aの間にマグネットを配して駆動コイル9を貫く
磁束密度を大きくするようにしても良い。この場合、駆
動コイル9の発熱は直接ポール部3aに伝達されなくな
るが、空気中を介することなくポール部3aに伝達され
るので、良好な放熱効果を得ることができる。
【0044】次に、第2の実施形態におけるスピーカ装
置を説明する。図3は、本発明の第2の実施形態におけ
るスピーカ装置の主要断面構造図である。第2の実施形
態におけるスピーカ装置は、励磁コイル(駆動コイル)
を用いた励磁型の磁気回路から得られる交流磁界によっ
て生じる磁気と磁石によって生じる磁気の反発・吸引力
を用いたムービング磁石駆動(M−M駆動)方式による
スピーカ装置であり、以下これを説明する。なお、図3
におけるスピーカ装置の各構成中、先に説明した第1の
実施形態におけるスピーカ装置の構成部分と同等の構成
部分については同一の符号を付している。
【0045】図3に示すように、スピーカ装置は、略円
錐形状(コーン形状)を有する振動板1の中央部分の孔
に中心軸Xを中心としたリング状の磁石11の外周面が
嵌合して固着される。磁石11は、磁石2と同様に、例
えば55〜65MG・Oe程度もしくはそれ以上の高い
磁気エネルギ(B・H積)を有するネオジウム系金属化
合物やサマリウム系金属化合物などの材料からなるリン
グ状の希土類磁石であり、中心軸X方向に磁化されて上
面側及び下面側が両磁極に対応する。
【0046】磁石11が固着された振動板1は、フレー
ム12に取り付けられたエッジ4によって外周縁部が中
心軸X方向において弾性支持されると共に、フレーム1
2に取り付けられたダンパ5及びダンパ13によって内
周縁部が中心軸X方向において弾性支持される。
【0047】また、フレーム12は、フレーム3と同様
に、例えば銅やアルミニウムやそれらを含む合金等の優
れた熱伝導性を有する金属材料からなり、中心軸Xを中
心に底面から中心軸X方向に立設する円筒状のヨーク1
4が固定されている。
【0048】ヨーク14は、熱伝導性を有する軟鉄から
なり、リング状の磁石11の内径よりもやや小さい外径
を有し、図3に示すように円筒中央部分に水平方向に突
出するリング状の凸部14aが形成されていて、中心軸
Xを同軸とする2つの円筒状の駆動コイル15、16が
凸部14aを挟んで上下に配置されている。
【0049】また、ヨーク14は、駆動コイル15、1
6をそれぞれ囲んでリング状の端部14b、14cが形
成されている。端部14b、14cは、凸部14aの上
面、下面とそれぞれ所定の間隔で対向し、それぞれ上下
方向に同じ高さを有するリング状の空隙14d、14e
を形成する。
【0050】一方、駆動コイル15、16は、絶縁被膜
を有する電線がそれぞれ同方向に複数回巻かれて形成さ
れる円筒状のコイルであり、凸部14aを挟んでそれぞ
れヨーク14と接する状態でヨーク14に固定されてい
る。
【0051】したがって、円筒状のヨーク14及び駆動
コイル15、16は、振動板1と共にエッジ4、ダンパ
5及びダンパ13によって弾性支持される磁石11に挿
通した状態でフレーム12に固定されている。また、凸
部14aは、図3に示すように、磁石11の内周面と所
定の空隙を介して対向すると共に、スピーカ装置の初期
状態(つまり、入力端子に電気入力が供給されない状
態)において上記弾性支持される磁石11の上面と下面
の略中間位置に配される。
【0052】ヨーク14及び駆動コイル15、16は、
励磁型の磁気回路を構成し、励磁コイルとしての駆動コ
イル15、16にオーディオ信号に対応する電気入力を
供給することによって、対向する凸部14aと端部14
b、14cとを両極とする交流磁界を空隙14d、14
eに同時に逆方向となるように発生させる。
【0053】また、駆動コイル15、16の各両端はリ
ード線などにより引き出されてスピーカ装置の図示せぬ
入力端子に接続される。
【0054】また、ヒートシンク17は、熱伝導性を有
する部材からなる放熱フィン等によって構成される放熱
器であり、ヨーク14に取り付けられてフレーム12に
固定されることにより、ヨーク14及びフレーム12か
らの熱を伝えて外部空間に放熱する。
【0055】スピーカ装置は、概略以上のように構成さ
れ、入力端子から駆動コイル15、16に電気入力(オ
ーディオ信号)を供給することにより、空隙14d、1
4eに互いに逆方向となる交流磁界による磁気が発生す
るので、凸部14aと空隙を介して対向する磁石11の
磁気がこれに吸引または反発することによって振動板1
と共にピストン振動方向(つまり、中心軸X方向)に沿
って前後に駆動する。その結果、振動板1からオーディ
オ信号に応じた音響エネルギがスピーカ装置の前面に放
射される。
【0056】図4は、第2の実施形態におけるスピーカ
装置の駆動原理を示した図であり、図4中、(a)はス
ピーカ装置の初期状態における磁気回路及び磁石11の
配置状態を示し、(b)は正の電気入力が駆動コイルに
供給された場合の磁気回路及び磁石11の配置状態を示
し、(c)は負の電気入力が駆動コイルに供給された場
合の磁気回路及び磁石11の配置状態を示している。
【0057】なお、図4では、リング状の磁石11は、
ここでは上面側をN極とし下面側をS極とする開磁路を
構成する。また、図4では、駆動コイル15は正の電気
入力が供給された場合に紙面の裏側から表側に向かって
垂直な方向に駆動電流が流れ、負の電気入力が供給され
た場合に紙面の表側から裏側に向かって垂直な方向に駆
動電流が流れるようにその巻き方向が設定されているこ
ととし、駆動コイル16は、正の電気入力が供給された
場合に紙面の裏側から表側に向かって垂直な方向に駆動
電流が流れ、負の電気入力が供給された場合に紙面の裏
側から表側に向かって垂直な方向に駆動電流が流れるよ
うにその巻き方向が設定されていることとする。
【0058】図4(a)において、スピーカ装置の初期
状態において、振動板1を固着する磁石11は、フレー
ム12に取り付けられたエッジ4によって振動板1を介
して弾性支持されると共に、フレーム12に取り付けら
れたダンパ5及びダンパ13によって内周縁部が中心軸
X方向において弾性支持されることにより、その上面と
下面の略中間位置が凸部14aの上面と下面の略中心位
置(図中、面Y)と略一致するように静止保持される。
【0059】次に、スピーカ装置の図示せぬ入力端子か
ら正の電気入力を駆動コイル15、16に供給した場合
は、駆動コイル15、16が励磁されて、ヨーク14内
及び空隙14d、14eに図4(b)に示す方向に沿っ
た磁力線による磁界が発生する。
【0060】つまり、ヨーク14及び駆動コイル15、
16からなる励磁型の磁気回路のヨーク14内及びリン
グ状の空隙14d、14eには、凸部14aをN極側と
し端部14b、14cをそれぞれS極側する磁力線によ
る磁界が発生する。これにより、磁石11の上面(N極
側)は凸部14aと互いに磁気反発し合うと共に端部1
4bと互いに磁気吸引し合う。
【0061】また、磁石11の下面(S極側)は、凸部
14aと互いに磁気吸引し合うと共に端部14cと互い
に磁気反発し合う。その結果、磁石11は、上方(図4
(b)に示す矢印の方向)に駆動される。この場合に、
振動板1は、磁石11と共に上記磁気吸引し合う力及び
磁気反発し合う力がエッジ4及びダンパ5、13による
弾性力とつりあう位置まで移動して、正の電気入力に応
じた振動板1の振幅を得ることができる。
【0062】また、入力端子に負の電気入力を駆動コイ
ル15、16に供給した場合は、駆動コイル15、16
が励磁されて、ヨーク14内及び空隙14d、14eに
図4(c)に示す方向に沿った磁力線による磁界が発生
する。
【0063】つまり、ヨーク14及び駆動コイル15、
16からなる励磁型の磁気回路のヨーク14内及びリン
グ状の空隙14d、14eには、凸部14aをS極側と
し端部14b、14cをそれぞれN極側する磁力線によ
る磁界が発生する。これにより、磁石11の上面(N極
側)は凸部14aと互いに磁気吸引し合うと共に端部1
4bと互いに磁気反発し合う。
【0064】また、磁石11の下面(S極側)は、凸部
14aと互いに磁気反発し合うと共に端部14cと互い
に磁気吸引し合う。その結果、磁石11は、下方(図4
(c)に示す矢印の方向)に駆動される。この場合に、
振動板1は、磁石11と共に上記磁気吸引し合う力及び
磁気反発し合う力がエッジ4及びダンパ5、13による
弾性力とつりあう位置まで移動して、負の電気入力に応
じた振動板1の振幅を得ることができる。
【0065】以上により、スピーカ装置は、入力端子か
ら駆動コイル9に供給される電気入力に応じて、磁石2
が振動板1と共にピストン振動方向に沿って駆動され振
動する。
【0066】また、駆動コイル15、16は、電気入力
が供給されて駆動電流が流れた場合に、駆動電流の大き
さに応じたジュール熱を放熱するが、駆動コイル15、
16が凸部14aを挟んでそれぞれ熱伝導性を有するヨ
ーク14に接する状態で固定されているので、放熱され
たジュール熱はヨーク14によって即座に直接吸熱さ
れ、さらにヨーク14が取り付けられたフレーム12及
びヒートシンク17に伝えられてフレーム12及びヒー
トシンク17から外部空間に放熱される。
【0067】したがって、駆動コイル9は、供給される
電気入力が大きい場合でも駆動コイル15、16自体の
温度が急激に上昇することがないので直流抵抗値が大き
く変化せず、したがって入力の大きさに対する駆動電流
値は直線的に比例する。その結果、スピーカ装置は、大
入力に対するパワーリニアリティ特性が良好となる。
【0068】また、駆動コイル15、16は、供給され
る電気入力が大きい場合でも駆動コイル15、16にジ
ュール熱が蓄積しないので過熱状態にならない。その結
果、スピーカ装置に大入力を供給しても、駆動コイル1
5、16または駆動コイル15、16にそれぞれ接続さ
れる引き出し線は熱による断線を生じることがない。
【0069】なお、上述した第1及び第2の実施形態で
は、振動板を取り付けた磁石は、中心軸Xを中心とする
ラジアル方向に磁化を有する円筒形状の1個の磁石で構
成したが、本発明はこれに限らず、例えば、中心軸Xを
中心とするラジアル方向にそれぞれ磁化される複数に分
割された円弧状または矩形の磁石をリング状に用いて構
成しても良い。
【0070】また、上述した各実施形態では、放熱フィ
ン等の放熱器からなるヒートシンクをフレームに固定す
るようにしたが、ヒートシンクはこれに限らず、例えば
ヒートパイプ等の熱交換器によって構成しても良い。
【0071】
【発明の効果】本発明によれば、電気入力が供給される
コイルからの放熱を、直接熱伝導性を有するフレームに
又は熱伝導性を有する部材を介してフレームに伝え、フ
レームからスピーカ装置の外部に放熱するようにしたの
で、コイルからの放熱がコイル及びコイル周辺に蓄積さ
れることがなく、したがって従来に比べて放熱効果が優
れている。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態におけるスピーカ装置
の主要断面構造図である。
【図2】第1の実施形態におけるスピーカ装置の駆動原
理を示した図である。
【図3】本発明の第2の実施形態におけるスピーカ装置
の主要断面構造図である。
【図4】第2の実施形態におけるスピーカ装置の駆動原
理を示した図である。
【図5】従来のムービングコイル方式のダイナミックス
ピーカ(動電型スピーカ)を示す図である。
【符号の説明】
1・・・・・振動板 2、11・・・・・磁石 3、12・・・・・フレーム 3a・・・・・ポール部 4・・・・・エッジ 5、8、13・・・・・ダンパ 6・・・・・支持枠 7・・・・・キャップ 7a・・・・・開口部 9、15、16・・・・・駆動コイル 10、17・・・・・ヒートシンク 14・・・・・ヨーク 14a・・・・・凸部 14b、14c・・・・・端部 14d、14e・・・・・空隙

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 磁石が取り付けられた振動板と該振動板
    を弾性支持するフレームと該フレームに取り付けられる
    コイルとを備え、前記コイルに駆動電流を供給すること
    によって振動板を電磁駆動するスピーカ装置であって、 前記フレームは熱伝導性を有する金属材料からなり、前
    記コイルは前記フレームに対して直接又は熱伝導性を有
    する部材を介して固定されることを特徴とするスピーカ
    装置。
  2. 【請求項2】 内周にリング状の磁石が取り付けられた
    振動板と、該振動板を弾性支持するフレームと、該フレ
    ームに取り付けられ前記磁石に挿通するコイルとを備
    え、前記コイルに駆動電流を供給することによって振動
    板を電磁駆動するスピーカ装置であって、 前記フレームは、熱伝導性を有する金属材料からなると
    共に底面から立設するポール部を有し、前記コイルは前
    記ポール部に挿通し内周面が前記ポール部に接する状態
    でポールに固定されることを特徴とするスピーカ装置。
  3. 【請求項3】 前記フレームはヒートシンクを有するこ
    とを特徴とする請求項1又は2に記載のスピーカ装置。
  4. 【請求項4】 前記フレームは銅、チタニウム、亜鉛、
    アルミニウムのいずれか一、または、それらを含む合金
    からなることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記
    載のスピーカ装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
FR2830717A1 (fr) * 2001-10-05 2003-04-11 Waterfall Enceinte acoustique constituee d'un boitier dissipateur de chaleur

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