JP2000111733A - 光線偏向装置、光線描画装置ならびに画像表示装置 - Google Patents

光線偏向装置、光線描画装置ならびに画像表示装置

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JP2000111733A
JP2000111733A JP28305898A JP28305898A JP2000111733A JP 2000111733 A JP2000111733 A JP 2000111733A JP 28305898 A JP28305898 A JP 28305898A JP 28305898 A JP28305898 A JP 28305898A JP 2000111733 A JP2000111733 A JP 2000111733A
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diffractive optical
light
image
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English (en)
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Vasquez Y Montier Sergio
バスケス ワイ モンティエール セルジオ
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Hoya Corp
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  • Mechanical Light Control Or Optical Switches (AREA)
  • Diffracting Gratings Or Hologram Optical Elements (AREA)
  • Devices For Indicating Variable Information By Combining Individual Elements (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 極く小さな動きにより光線を大きく偏向させ
る光線偏向装置を提供し、さらに静止画像情報を閲覧す
るのに適し紙媒体に匹敵するような見やすい低消費電力
のフラットディスプレイを提供する。 【解決手段】 凸レンズ機能回折光学素子31と凹レン
ズ機能回折光学素子32からなる相補的な回折光学素子
対を備え、その回折光学素子を相対的に移動することに
より入射光線8の光軸を所望の方向に偏向させる光線偏
向装置3、およびレーザ光で相転移を起こす画像表示板
5の面上に上記光線偏向装置3を用いてレーザ光8を走
査させて任意の画像を描画して表示するようにした画像
表示装置1。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光線特にレーザビ
ームの進行方向を任意の方向に偏向するための技術に関
し、具体的には光線偏向装置および、光線を2次元状に
偏向走査して光線による描画を行うための光線描画装
置、ならびに画像表示板上の光線の照射位置を走査する
ことにより画像形成を行い画像を表示する画像表示装
置、特にフラットパネルディスプレイに関する。
【0002】
【従来の技術】たとえばレーザなど、光線を走査して空
中あるいはスクリーンに画像を表示して見る者の目を楽
しませる装置がある。このような装置は野外イベントや
ステージコンサートなどで好んで利用されている。特に
音楽と連動して激しく飛翔するレーザ光はコンサートの
感動を増倍する効果があり多用されている。
【0003】また、レーザビームプリンターなどに使用
されるレーザ光線走査装置は、ポリゴンミラーやガルバ
ノスキャナーなどにレーザ光源で発生するレーザ光を入
射させて2次元的に偏向させて放射するようになってい
る。こうした従来装置では、ポリゴンミラーの回転やガ
ルバノスキャナーの周期に同期させてレーザ光の発光を
制御することにより画像情報の表現をするため、精密な
駆動装置と高度な制御装置を備える必要があり、また比
較的大型の光学系を必要とする。
【0004】また、画像情報をリフレッシュして表示す
る従来のCRTや液晶表示装置などに代わる新しいフラ
ットパネルディスプレイとして、液晶物質など、レーザ
による加熱や光キャリヤ生成によって反射率及び透過率
の変化を伴う相転移を生じる材料を利用した画像表示板
を用いた、コントラストが大きく紙媒体に近い視認性を
持つ画像表示装置が開発されている。たとえば、本願出
願人の出願に係る特願平10−111972号に開示さ
れた発明はその1例である。
【0005】特願平10−111972号記載の発明
は、図8に示すような構成を有する画像表示装置であ
る。画像表示板は、レーザ光を照射した部分が熱のため
相転移を起こして白濁する画像記録層を挟んで透明電極
層が設けられ、さらにこれらを支持体で挟んで、レーザ
光を照射する後方面に可視光線吸収層を形成したもの
で、前方から見ると白濁部分が背景と際立った明度を有
するので、鮮明で見やすい画像表示ができる。なお、透
明電極層に電圧を印加することにより記録された画像を
消去することができるので、画像を繰り返し書き換える
ことができる。
【0006】画像表示装置は、上記の画像表示板と画像
表示板上に画像情報に基づいた描画を行う画像描画装置
から構成されている。画像描画装置は集光装置を搭載し
たテーブルをXY面上で摺動可能とするステージを備え
ている。このステージは画像表示板と平行に設置され、
集光装置は書込光を画像表示板の面にほぼ垂直に照射す
るように調整されている。アルゴンレーザ、ヘリウムレ
ーザ、半導体レーザ、YAGレーザなど、レーザ装置か
ら光ファイバで導いたレーザ光を上記集光装置を介して
画像表示板の後方から照射することにより、画像表示板
に画像を描く。
【0007】上記テーブルは、コントローラによりX方
向に所定距離ずつ歩進しながら各段毎にY方向に移動し
て、画像表示板の全面を走査する。またコントローラは
テーブルの動きと同期して、画像信号、文字信号、コー
ド信号、線画信号など画像情報に従ってレーザ装置から
放射されるレーザの強度を制御し、照射位置における明
暗を調整することにより画像表示板上の画像表示を行
う。文字、コード、線画などのデジタル的な画像の表示
は書き込み光のオンオフ制御により行うことができる。
【0008】特願平10−111972号記載の画像表
示装置は、従来の液晶ライトバルブ方式のディスプレイ
のように画像を常時リフレッシュする必要がなく、また
相転移部分が周囲から際立っていて見やすいため、紙媒
体に印刷した時に近い視覚を与える利点がある。また、
比較的軽量な部品を駆動して画像描画し、電圧の印加に
より消去して、素早く書き直すことができるので、消費
電力が小さく高解像度で高コントラストのディスプレイ
を得ることができる。
【0009】しかし、上記テーブルは画像表示板の裏面
全面に亘って走査しなければならないから、移動距離が
大きく画面全体に描画するために係る時間も長くなる。
また、テーブルが動くための空間が必要なため画像表示
装置の厚さは余り小さくすることができない。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明が解決
しようとする課題は、極く小さな動きにより光線を大き
く偏向させる新しい光線偏向装置を提供し、さらにこの
光線偏向装置を用いることにより小型で制御が容易な光
線走査装置を提供するとともに、さらにこれを光線を照
射することにより画像形成する画像表示板と組み合わせ
て、特に静止画像情報を閲覧するのに適し、紙媒体と比
較し得るような見やすいフラットな低消費電力の画像表
示装置を提供することである。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、本発明の光線偏向装置は、収束用回折光学素子およ
び拡散用回折光学素子からなる少なくとも1対の相補的
な回折光学素子対を含む複数の回折光学素子を備え、こ
れら回折光学素子が入射光線の光軸に沿って配置され、
相補的回折光学素子対の回折光学素子が有する光軸を相
対的に移動することにより入射光線の光軸を所望の方向
に偏向させることを特徴とする。相補的な回折光学素子
対は、凸レンズ機能素子とこれと共焦の関係を有する位
置に配置され光軸に対して垂直に移動できる凹レンズ機
能素子で構成することがより好ましい。
【0012】回折光学素子(DOE)は、周期的な屈折
率分布と入射電磁波の相互作用により波長に依存した方
向に出射する電子波の向きを決めるようにした光学素子
で、レンズ機能、分岐・合波機能、光強度分布変換機
能、波長フィルター機能などを持たせることができる。
回折光学素子は、球面収差が小さく回折限界に近い結像
能力を持ち、平面構造を有し、数μmから数mmの大き
さの軽量な微小光学素子として形成することができる。
【0013】回折光学素子を用いたレンズ機能の特徴
は、屈折材料に比べ分散の符号が逆で絶対値が2桁近く
大きい点である。たとえば、フレネルレンズの鋸状断面
を2Nレベルの階段状位相レベルでデジタル的に近似し
て効率化を図ったバイナリゾーンプレートでは、きわめ
て小さい半径を持つ同心円状の帯輪により大きな屈折を
起こさせることができる。また、回折光学素子は任意形
状の複数の素子領域に分割することができる。
【0014】焦点距離の短い薄板状の回折光学素子を入
射光路上に複数配置して、光学素子の光軸をわずかに平
行移動すると、入射光は大きくその光路を偏向する。偏
向量は光軸の移動と対応するので、小型素子の位置を制
御することにより所望の光線照射方向を選択したり変化
させたりできる光線偏向装置になる。なお、レーザ光の
空中走査や光線描画などに使用する場合に、ビームの径
が拡大しないようにするためには平行光線を収束するポ
ジティブな回折光学素子と拡散するネガティブな回折光
学素子を対として使用して、いわゆるガリレオ型光学系
を構成することが好ましい。
【0015】特に、焦点距離fpのポジティブ回折光学
素子と焦点距離fnのネガティブ回折光学素子を対とし
て近接した位置に配置する場合は、入射光束の径Dと出
射光束の径dが、D/d=fp/fnという関係を持
つ。このとき、相補的な1対の回折光学素子が同じ焦点
距離を持つようにすればこの光学系を通過した後にも光
束の径は変化しないことになる。また、入射側の光学素
子の光軸に対して出射側の光学素子の光軸を軸に垂直な
方向に平行移動すると、入射側光学素子の光軸に沿って
入射して出射側光学素子を出射する光線の方向は大きく
偏向する。
【0016】さらに、2つの素子の焦点が同じ位置にあ
る共焦関係に配置した上で、出射側回折光学素子の光軸
を垂直方向に移動すると、光線の偏向角θは、光軸の移
動量をxs、出射側光学素子の焦点距離fとして、 θ=arctan(xs/f) という関係式で表される。従って、回折光学素子の焦点
距離を極く小さくすることで、数10μm変位させるだ
けで偏向角を80度程度にすることも比較的容易に実現
できる。なお、回折光学素子を極く薄い板状に形成して
2つの素子を接近して配置すると、共焦関係を保持した
状態で入射側と出射側の回折光学素子の焦点距離をほぼ
等しくすることができる。
【0017】このように、本発明の光線偏向装置は、極
く小さい回折光学素子を極く僅かに移動させるだけで大
きな偏向角を得ることができるので、駆動機構も小さな
出力で小さなストロークを有するものを利用することが
できる。たとえば、圧電素子を利用した駆動素子などを
用いて簡単な制御機構により極めて高速な駆動が可能と
なる。また、光源が連続光を放射するものであっても連
続的な画像を投影することができ、光線偏向装置と光源
を同期して制御する複雑な制御機構を必要としない。
【0018】なお、本発明の光線偏向装置における複数
の回折光学素子の各々の光軸を互いに平行に保った状態
で相対的に移動させることにより、入射光線の光軸を所
望の方向に偏向させるようにしてもよい。回折光学素子
として1次元的方向に回折するものを複数組み合わせて
2次元的方向に偏向させるようにしてもよく、この場合
にも素子の光軸は相互に平行状態を保ったまま移動させ
ることが制御を単純化するために有効である。
【0019】上記課題を解決するため、本発明の光線描
画装置は、光線を発生する光源と、上記光線偏向装置の
いずれかを少なくとも1式備え、光源で発生した光線を
光線偏向装置に入射し、光線偏向装置を制御して入射光
線を所望の方向に偏向させることによって、光線を2次
元に走査させて光線描画を行うことを特徴とする。
【0020】本発明の光線描画装置によれば、任意の画
像情報に従って2次元的に照射位置を決めることができ
る。光線偏向装置を中心として160度程度の開度で照
射位置を選択できるようにした装置を提供すれば、光線
描画装置と描画面の距離が短くても十分大きな画面に描
画することができる。また、連続光を放出する光源を使
用して連続的な画像を光線描画するので、制御方法と制
御装置が極めて簡易になる。
【0021】上記課題を解決するため、本発明の画像表
示装置は、光線を照射することにより画像形成する画像
表示板と、光線を発生する光源と、上記いずれかの光線
偏向装置とを備え、光線偏向装置を画像情報に従って制
御し光源で発生した光線を所望の方向に偏向させ、光線
で画像表示板上を走査して画像形成を行うことにより画
像情報の表示を行うことを特徴とする。
【0022】本発明の画像表示装置は、上記した通り、
偏向角が極めて大きくかつ極めて小型で制御しやすい光
線偏向装置を利用するものであるから、装置全体の厚さ
が小さくなり、大画面ディスプレイを構成することがで
きる。また、レーザによる加熱や光キャリヤ生成による
相転移で画像を生じ、電圧の印加で画像を消去できる材
料を利用した画像表示板を用い、光線偏向装置でレーザ
光の光路を制御して画像表示するようにすれば、コント
ラストが大きく紙媒体に近い視認性を持つ高速で書き換
え可能なフラットディスプレイとすることができる。な
お、複数の光線偏向装置を備えて画像表示領域を分割す
るようにすれば、画像表示装置の厚さをより小さくした
り表示画面を大きくすることができる。
【0023】本発明の画像表示装置はさらに、画像表示
板の光線が入射する側に画像表示板に近接して回折光学
素子などからなる補正光学系を配置し、この補正光学系
を通過した光線が画像表示板の受光領域全域において画
像表示板の位置で収束するようにしてもよい。
【0024】回折光学素子板であるバイナリゾーンプレ
ート(BZP)を用いれば、1点から放射状に広がって
プレートに入射する光線を、それぞれの入射位置におい
て光学軸に平行に偏向させて収束させるようにすること
が可能である。また、この収束位置までの距離をプレー
ト全面にわたって等しくなるように設計することも可能
である。
【0025】なお、大きく偏向させられた光線が照射面
に入射するときは、その照射面における光線の照射面は
楕円形状になり、この楕円の長短軸比は偏向角が大きく
なる程大きくなる。このように照射エネルギーの密度が
入射位置によって変化する。このような照射エネルギー
密度の偏りを補正するため、楕円形状の光線を偏向する
ときに光線の光軸に垂直な方向と平行な方向で収束率を
変えて円に近い断面形状に補正する補正光学系を照射面
部分に設置することが好ましい。このような補正光学系
として回折光学素子が使用でき、たとえば軸外し型バイ
ナリゾーンプレートをこのように設計することが可能で
ある。このような補正光学系を使用することにより、画
面全面に亘って均質なコントラストが得られるフラット
ディスプレイとなる。
【0026】
【発明の実施の形態】以下、本発明について実施例に基
づき図面を参照して詳細に説明する。図1は本発明の画
像表示装置の1実施例の概略構成図、図2は本実施例に
おける光線偏向装置の動作原理を示す線図、図3は光線
描画装置を表すブロック図、図4は本実施例における画
像表示板の部分を示す一部拡大断面図、図5および図6
は本実施例に用いる補正光学系の作用を表す概念図、図
7は本実施例における画像描画状況を表示する概念図で
ある。
【0027】
【実施例】本実施例の画像表示装置1は、図1に示すよ
うに、光源2と光線偏向装置3と補正光学系4と画像表
示板5、および収納筐体6からなる。
【0028】本実施例の光線偏向装置3は、第1の回折
光学素子31と第2の回折光学素子32が共働して作用
することにより入射光を偏向して放出するものである。
第1の回折光学素子31に焦点距離fpの凸レンズ機能
を有するポジティブ回折光学素子(以下pDOEと表す
こともある)を、また第2の回折光学素子32に焦点距
離fnの凹レンズ機能を有するネガティブ回折光学素子
(以下nDOEと表すこともある)を組み合わせてい
る。
【0029】pDOE31の光軸に沿って入射する平行
光線はpDOEを透過しその焦点Fpに向かって収束し
ようとするが、nDOE32を透過して拡散する。この
とき、pDOE31とnDOE32の光軸が直線上にあ
りnDOE32の焦点FnとpDOE31の焦点Fpが同
じ位置にあれば、nDOE32を出射する光線は平行光
線となり、入射光の幅Dと出射光の幅dの間には D/d=fp/fn なる関係式が成立する。また、pDOE31とnDOE
32の距離をLとすればfp=L+fnとなるが、回折光
学素子は極く薄く、互いに近接して配設することができ
るから距離Lは極く小さくなって、出射光の幅dは入射
光の幅Dと殆ど変化しないようにすることができる。
【0030】さらに、光線偏向装置の回折光学系をレン
ズ光学系で等価的に表した図2から明らかなように、n
DOE32の光軸をpDOE31の光軸に対して垂直に
xsだけ移動させると、pDOE31の光軸上の光線は
nDOE32に垂直に入射するので、nDOE32を透
過した後は一方の焦点Fnを通る直線上を走行するよう
になる。このようにして光線が偏向され、その偏向角θ
は θ=arctan(xs/fn) で表される。したがって、nDOE32の焦点距離fn
が小さいほど僅かな移動量xsで大きな偏向角を得るこ
とができる。たとえば、焦点距離fnが0.2mmなら
ばnDOE32の光軸を1.1mm移動しただけで偏向
角が80度になる。
【0031】ネガティブ回折光学素子32は、小型軽量
に形成することができ、これを駆動制御することは簡単
である。たとえば、積層型圧電素子を利用した小型のア
クチュエータなどによっても高速精密に位置調整をする
ことができる。このように、回折光学素子を組み合わせ
ることにより偏向角が極めて大きくしかも簡単な駆動機
構で高速走査できる光線偏向装置を形成することができ
る。
【0032】図3は、光線描画装置を表すブロック図で
ある。光線描画装置は光源装置2と光偏向装置3とスク
リーン7から構成される。光源装置2から放出される光
ビーム8は光偏向装置3に入射する。光偏向装置3の第
1の回折光学素子31の中心軸部に入射した光ビーム8
は、第1回折光学素子31と第2の回折光学素子32が
共働して作用することにより偏向されてスクリーン7に
投射される。偏向角度θは第1回折光学素子31と第2
回折光学素子32の光軸の変位量xにより決定される。
【0033】第2の回折光学素子32にはアクチュエー
タ33が接続されていて、描画すべき画像情報に従って
第2の回折光学素子32を第1の回折光学素子31に対
して相対的に変位させる。変位は2次元的に与えること
ができるので、光ビーム8によりスクリーン7上に2次
元画像を描画することができる。
【0034】図4は本実施例の画像表示装置に用いられ
る補正光学系4と画像表示板5の一部を拡大して示す一
部拡大断面図である。画像表示板5は、図8の従来例に
用いた画像表示板と同じ構成を有し、人が見る表面側か
ら順に、前方支持体51、前方透明電極層52、画像記
録層53、後方透明電極層54、後方支持体55、可視
光吸収層56が形成されている。また、補正光学系4
が、画像表示板5の可視光吸収層56の表面と平行に僅
かな間隔をおいて配設されている。
【0035】画像記録層53はレーザ光を照射すること
により相転移が生じて濁度が変化する液晶物質を充填し
た層である。この液晶物質は、レーザ光により相転移す
るとその状態を維持し、その後に前方透明電極層52と
後方透明電極層54の間に所定の電圧を印加すると、相
が元に戻り再度書き込みが可能になる性質を持ってい
る。画像記録層53の相転移を起こさせるレーザ光8
は、半導体レーザ、アルゴンレーザ、ヘリウムレーザ、
YAGレーザなど、可視光吸収層56を透過する可視光
以外の成分を含むようなレーザが使用される。
【0036】補正光学系4は、図5に示すように、1点
から放射状に広がってプレートに入射する光線を、それ
ぞれの入射位置において光学軸に平行に偏向させて収束
させるような特性を有する回折光学素子板である。収束
位置までの距離をプレート全面にわたって等しくなるよ
うに設計されている。このような特性はいわゆるバイナ
リゾーンプレート(BZP)により達成できる。補正光
学系4は、レーザ光8を画像表示板5の面に垂直な方向
に偏向し、可視光吸収層56を透過して画像記録層53
にビームウエイストが位置するように構成されている。
【0037】なお、本発明の光線偏向装置3により偏向
させられた平行光線は、出射後も光線偏向装置3の出射
面に平行な断面が入射平行光線と相似の形状を有する。
しかし、レーザ光8は拡散角を有するため、光線偏向装
置3で偏向させられたレーザ光8が補正光学系4に照射
するときの照射面は楕円形状になり、この楕円の長短軸
比は偏向角が大きくなる程大きくなる。したがって、照
射エネルギーの密度は入射位置によって変化する。
【0038】このような照射エネルギー密度の偏りを補
正するため、図6に示すように、補正光学系4に照射す
るときの楕円形状の光線Bを偏向するときに光線の光軸
に垂直な方向Xと平行な方向Yで収束率を変えて、画像
記録層53の位置における照射断面Cを円に近い形状に
補正するような回折光学素子板4を用いる。楕円の長短
軸長は放射中心Oからの距離rにより異なるので、収束
率も距離rの関数として設計されている。補正光学系4
を使用することにより、画面全面に亘って均質なコント
ラストが得られるフラットディスプレイとなる。
【0039】可視光吸収層56は画像表示板5の前面か
ら入射する光を吸収して暗色画面を形成する。画像記録
層53のレーザ光8を照射した部分57が熱のため相転
移を起こして白濁すると、白濁部分57が可視光吸収層
56の呈する暗色背景と際立った明度を有するので、鮮
明で見やすい画像表示ができる。なお、透明電極層5
2、54に電圧を印加すると記録された画像が消去され
るので、画像を書き換えることができる。
【0040】図7は、光源2、光線偏向装置3、補正光
学系4、画像表示板5によって画像情報に従った画像表
示する様子を模式的に表した図面である。光源2は、例
えば半導体レーザ装置など小型のレーザ発生装置で、画
像表示板5の画像記録層に照射して相転移等を生じさせ
る書き込み光8を発生する。光線偏向装置3は、回折光
学素子の位置を調整して、レーザ光8を補正光学系4の
面上に走査し、レーザ照射点の軌跡9を描く。補正光学
系4の面に照射されたレーザ光8はここで偏向されて画
像表示板5の画像記録層に到達し、照射位置で相転移を
起こさせることにより、画像表示板5の前方から見える
ような画像を表示する。
【0041】コントローラ10は、記憶装置11から画
像情報を取得して、画像情報の位置情報に従って光線偏
向装置3の回折光学素子の位置制御を行い、所望の軌跡
を描く。また、画像情報の濃度情報に従って光源2のレ
ーザ光強度を位置情報と同期制御し、画像記録層内の相
転移量を調整することにより、描画線の太さあるいは濃
さとして反映させる。さらに、新たな画像表示を行うと
きには画像表示板5の透明電極層に電圧を印加し描画さ
れた画像を消去する。なお、光源2の出力は画像情報が
連続している限り断続する必要がない。このため、従来
のレーザビーム走査方式ではポリゴンミラーの回転に同
期してレーザ照射を制御するようにしていたのと比較す
ると、制御方式が各段に簡単になっている。
【0042】収納筐体6は光源2、光線偏向装置3、補
正光学系4、画像表示板5を所定の位置に固定して光学
的関係を保持すると共に装置の外形に美観を与える機能
を有する。なお、本実施例における画像表示装置は、特
別の雰囲気状態を要求するような部材を使用しないの
で、収納筐体6の構造も簡単なものでよく、造形上の可
能性も大きい。
【0043】本実施例の画像表示装置は、偏向能力の大
きな光線偏向装置を用いて構成するため、表示画面に対
して奥行きの小さい小型で軽量な画像表示装置とするこ
とができる。また、光線を走査させるために駆動する部
材が極めて軽量であり、しかも駆動しなければならない
ストロークも小さいため、簡単な駆動機構を用いた高速
描画が可能である。さらに、従来の液晶表示装置などの
ように表示をリフレッシュするものでないため、電子書
籍やHTML文書など静止画像情報を閲覧する場合に不
要なエネルギー消費を排除することができる。また、目
の残像効果に頼らないため、紙に印刷したものと同様に
人の視覚に負担をかけない画像表示が可能である。
【0044】なお、上記説明した実施例では光線を偏向
させるため駆動する回折光学素子として、2次元的に偏
向するように設計されたものを用いたが、1次元的に偏
向する素子を2枚組み合わせて用いることもできる。1
次元素子の組み合わせを用いる場合は、走査を水平方向
と垂直方向で独立に制御することができるので駆動機構
がより簡単になる利益がある。また、テレビ放送信号な
ど画面を水平と垂直別々に走査する方式の信号をより直
接的に利用することができる。
【0045】また、光線偏向装置を複数備えて画像表示
板の表示を分割して担当するように構成しても良い。こ
うすることにより、大面積画像表示が可能となり、また
画像表示装置の奥行きを小さくすることが可能となる。
なお、複数の光線偏向装置を備える場合に、光源装置か
ら放射された光を光学系で分割して用いるようにしても
よいが、それぞれ独立に光源装置を設けても良い。独立
した光源を用いる方が描画の自由度が高く、画像表示性
能が高くなる利点がある。
【0046】
【発明の効果】以上説明した通り、本発明の光線偏向装
置は、極く小さな動きにより光線を大きく偏向させるの
で、これを組み込んで小型で制御が容易な光線走査装置
を構成し、レーザディスプレイやプリンタを小型化、高
速化することができる。また、本発明の画像表示装置に
より、特に静止画像情報を閲覧するのに適し、紙媒体と
比較し得るような見やすい低消費電力のフラットディス
プレーを構成することができる。
【0047】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の画像表示装置の1実施例の概略構成図
である。
【図2】本実施例における光線偏向装置の動作原理を示
す線図である。
【図3】本実施例における光線描画装置を表すブロック
図である。
【図4】本実施例における画像表示板の部分を示す一部
拡大断面図である。
【図5】本実施例に用いる補正光学系の作用を表す概念
図である。
【図6】本実施例に用いる補正光学系の別の作用を表す
概念図である。
【図7】本実施例における画像描画状況を表示する概念
図である。
【図8】従来の画像表示装置の一例を示す概念図であ
る。
【符号の説明】
1 画像表示装置 2 光源 3 光線偏向装置 31、32 回折光学素子 33 アクチュエータ 4 補正光学系 5 画像表示板 51、55 支持体 52、54 透明電極層 53 画像記録層 56 可視光吸収層 57 レーザ光照射部分 6 収納筐体 7 スクリーン 8 光ビーム 9 レーザ照射点の軌跡 10 コントローラ 11 記憶装置

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 収束用回折光学素子および拡散用回折光
    学素子からなる少なくとも1対の相補的な回折光学素子
    対を含む複数の回折光学素子を備えた光線偏向装置であ
    って、前記複数の回折光学素子が入射光線の光軸に沿っ
    て該入射光線が通過するように配置され、前記相補的回
    折光学素子対の回折光学素子の各々が有する光軸を相対
    的に移動することにより前記入射光線の光軸を所望の方
    向に偏向させることを特徴とする光線偏向装置。
  2. 【請求項2】 前記1対の相補的な回折光学素子対が1
    個の凸レンズ機能素子とこれと共焦の位置に配置され光
    軸に対して垂直方向に移動できる凹レンズ機能素子から
    なることを特徴とする請求項1記載の光線偏向装置。
  3. 【請求項3】 前記複数の回折光学素子の各々の光軸を
    互いに平行に保った状態で相対的に移動させることを特
    徴とする請求項1または2記載の光線偏向装置。
  4. 【請求項4】 光線を発生する光源と、前記請求項1か
    ら3のいずれかに記載の光線偏向装置とを備え、該光線
    偏向装置を制御して前記光源で発生した光線を所望の方
    向に偏向させることによって、前記光線を2次元に走査
    させて光線描画を行うことを特徴とする光線描画装置。
  5. 【請求項5】 光線を照射することにより画像形成する
    画像表示板と、前記光線を発生する光源と、請求項1か
    ら3のいずれかに記載の光線偏向装置の少なくとも1式
    とを備え、前記光線偏向装置を画像情報に従って制御し
    前記光源で発生した光線を所望の方向に偏向させ、該光
    線で前記画像表示板上を走査して画像形成を行うことに
    より画像情報の表示を行う画像表示装置。
  6. 【請求項6】 前記光線偏向装置と前記画像表示板との
    間に、該画像表示板に近接して補正光学系を配置し、前
    記光線偏向装置の1個を通って該補正光学系を通過した
    光線が前記画像表示板の受光領域全域において該画像表
    示板上で収束するようにしたことを特徴とする請求項5
    記載の画像表示装置。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012508641A (ja) * 2008-11-14 2012-04-12 コーニンクレッカ フィリップス エレクトロニクス エヌ ヴィ 光学プローブ

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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