JP2000105350A - 三次元立体像表示方法および三次元立体像表示装置および三次元立体像表示システムおよび三次元像表示方法および三次元像表示装置 - Google Patents

三次元立体像表示方法および三次元立体像表示装置および三次元立体像表示システムおよび三次元像表示方法および三次元像表示装置

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JP2000105350A
JP2000105350A JP10276737A JP27673798A JP2000105350A JP 2000105350 A JP2000105350 A JP 2000105350A JP 10276737 A JP10276737 A JP 10276737A JP 27673798 A JP27673798 A JP 27673798A JP 2000105350 A JP2000105350 A JP 2000105350A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 像歪みのない立体像を三次元空間内に描像可
能な三次元立体像表示方法と三次元立体像表示装置を提
供する。 【解決手段】 三次元空間を有する直方体DP1内に呈
色(発光、発色、着色)材を分散し、二次元レーザ光と
帯状レーザ光とライン状レーザ光のうち任意の二本のレ
ーザ光ビームBm11、Bm12を用い、異なる光路で
直方体DP1内を照射し、選択的に交差部分を呈色させ
ることで立体動像または立体静止像を描像する。レーザ
光出射から交差部分までの距離差で生じる、交差位置に
係る像歪みを、具備する光路制御手段Cp2が反射角の
微調整により補正する。また精細度制御手段Cp5が、
精細度を調整して表示領域寸法を所望値にするか、表示
領域寸法を調整して精細度を所望値にする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、三次元立体像表示
方法および三次元立体像表示装置および三次元立体像表
示システムおよび三次元像表示方法および三次元像表示
装置に関し、とりわけ表示が三次元空間内に立体として
なされる表示方法および表示装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】画像あるいは物体の形状の三次元的な表
示を希求する技術として、従来技術に一貫する基本概念
は、物体の立体像を平面の画面上へ画像として表示する
ものであった。したがって、立体像の表示を行う従来の
各種の技術は、いずれも二次元の表示画面を有する表示
機器、すなわち二次元ディスプレイ装置として例えばブ
ラウン管による装置や液晶表示パネルに代表されるフラ
ットパネルディスプレイ装置などに適用されるものであ
り、これにより疑似的な三次元画像を二次元平面上で表
示させるという共通点があった。
【0003】たとえば、従来の三次元CG(コンピュー
タ・グラヒックス)では斜視図的表示のために、シャド
ウ(陰影)を施した画面を、二次元の表示画面を有する
表示機器へ表示して、観察者に立体を想起させることを
原理としている。
【0004】したがって、前記のシャドウ処理をはじ
め、グラデーションという段階的な色濃度の変化や、ヒ
ドンライン(陰線や陰面の消去)技術などのCGにかか
わる技術は、すべて前記の疑似的な三次元画像を二次元
平面上で表示させる原理を前提とするものであった。
【0005】さらに、投影の原点、すなわち視点位置か
らの画像を形成させるという構成も、あわせて前記の疑
似的な三次元画像を二次元平面上で表示させる原理を前
提とするものであった。
【0006】一方、上記のCG系の方法とは別の原理と
して、観察者の視覚特性を利用して両眼の視差に基づき
立体画像を想念させる、たとえばステレオグラムに代表
される技術が種々提案され、試みられている。
【0007】さらに、ホログラフィー技術による三次元
画像表示も、観察者の視覚特性に基づき立体画像を想念
させる技術として種々提案され、また一部実用化されて
いる。
【0008】しかしながら、これら視覚特性を利用する
原理も前記のように観察者に立体像を疑似体験させるこ
とを大前提とするものであり、よって実際には真に立体
表示がなされる技術ではなかった。すなわち、従来の3
D(3―Dimension)画像と称せられ、実用化
されてきた立体画像の表示方法および表示装置は、二次
元的な平面画面上に擬似的な三次元画像を表示するもの
であり、従って真の三次元立体像を三次元空間領域に形
成させる構成のものではなかった。
【0009】このため、現在、表示対象である客体の実
際のフォルムや立体構造、さらに量感などを伝達するの
に最良の方法として、三次元空間領域内に立体像を現実
に形成させる表示方法および装置が要求されるに至って
いる。さらに、その動像の表示が要求されている。この
ような構成を実現できると、夫々異なる位置に在って視
点が異なる複数の観察者が同時に、該立体像を各視点か
ら観察することが可能になる。しかも静止像だけでな
く、動像で観察することが可能になる。
【0010】ところで、このような三次元立体像表示方
法については、これまで三次元像を形成する微小部分を
着色または発光状態として実際に三次元空間内に分布さ
せることによる、疑似的ではない三次元画像を具現する
ための数種類の原理的な提案がなされてきた。
【0011】このような技術として開示され、あるいは
知られているものとして、例えば以下のものがある。 a:奥行き標本化式(VARI FOCAL MIRR
OR式、摂動面利用式、HALF MIRROR式、回
転円筒式など)b:表示面積層式 c:体積表示式
【0012】このうち、奥行き標本化式は構成上、ファ
ントムイメージ発生が顕著であり、応用範囲が限定され
るという問題があり、また表示面積層式は従来のフラッ
トパネルディスプレイにおけると同様に、視野角度が限
定されるという問題があった。
【0013】一方、体積表示式に分類される技術とし
て、例えば特開平5ー2248608号公報で開示され
た内容によれば、レーザ光により高エネルギ状態に励起
されたガス状の蛍光発光体が低エネルギ状態に戻る際に
放出する可視領域の蛍光によって三次元空間内に輝点を
形成させ、この輝点を三次元空間内で掃引することによ
り立体像を三次元空間領域に形成させるとされる。
【0014】そして三次元立体像の表示部として、カリ
ウム系ガスが封入された透明容器を用い、それぞれ波長
が異なる二本の赤外レーザ光を照射して交差点にあるガ
スを二段階に励起して蛍光を発光させるものとされる。
【0015】さらに、レーザ光の機械的掃引構成によら
ず、多数のレーザダイオードを二次元配列したレーザダ
イオードアレイか、面発光型レーザデバイスを二基、直
角に配置して照射し、レーザダイオードを順に駆動する
ことにより輝点を移動する提案であった。
【0016】また別の提案によれば、固体状のフッ化ガ
ラス内に希土類元素を封入して、二本のライン状レーザ
光を照射し、この照射による二段階励起TSTFで高エ
ネルギ準位に励起された希土類元素が、低エネルギ準位
に戻る際に放出する可視領域の蛍光(fluoresc
ence)によって三次元空間内に輝点を形成させ、こ
の輝点を三次元空間内でベクトル掃引することによりワ
イヤフレーム像を三次元空間領域に形成させ、かつ該ワ
イヤフレーム像を時間的に遷移させることにより立体動
像を形成させるとされる。(Science Vol2
73、Aug1966、pp1185〜1189)
【0017】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記の
ような二次元配列レーザダイオードアレイを光源とする
構成では、各直交軸ごとの輝点の線密度が、配列された
レーザダイオードの線密度に対応して固定されるから、
よって形成される像の精細度が固定されることになり、
精細度を可変とする機能を有するものではなかった。
【0018】さらに、像が表示される領域の寸法も、配
列されたレーザダイオード素子数に対応して固定される
から、よって例えば像を形成する輝点の線密度を維持し
つつ、且つ像の表示領域を変更可能にする機能を備える
ものではなかった。
【0019】また、二本のライン状レーザ光ビームの交
差点によりワイヤフレーム像を三次元空間領域に形成さ
せる構成では、ワイヤフレーム間の面を塗りつぶし描像
するには両方のライン状レーザ光ビームの多数回の反復
が必要となり、より大きい走査速度(より短い走査周
期)を実現する走査機構が両方のライン状レーザ光ビー
ムにつき夫々必要となって、動像を表示するには実用的
でないという問題があった。
【0020】更に、小寸法の光源と、大寸法の表示領域
内の各位置との距離が均一でないことにより発生する、
照射位置に係る(または交差位置に係る)像歪みを解決
する方途がなかった。加えて原理上の制約から、光源と
表示領域間の距離が大きく構成されているゆえに、表示
領域の寸法が小型である一方、装置全体の容積が大きく
なる欠点があった。このため像の表示領域を大とし、且
つ一方において光源と表示領域間の距離を短縮すること
により、表示領域を広く維持しつつ装置全体の容積の縮
小を図ると、描像に歪みが生じるという問題があった。
【0021】本発明は、前記のような従来技術における
問題点を解決するためなされたもので、像の精細度を可
変にでき、また像の表示領域が可変であり、しかも像の
表示領域が大きく、さらに像の歪みが小さく、掃引機構
が簡素であり、装置全体の小型化が可能な上、且つ全ゆ
る角度からの立体像観察を可能とする、三次元立体像表
示方法および三次元立体像表示装置および三次元立体像
表示システムおよび三次元像表示方法および三次元像表
示装置を提供することを目的とするものである。
【0022】
【課題を解決するための手段】以下、本発明の原理と骨
子を説明し、ついで使用する用語の定義を行い、さらに
本発明の手段を説明する。
【0023】本発明は、波長の異なる少なくとも二本の
レーザ光、または同一波長の少なくとも二本のレーザ光
を、光路を制御する手段によって空間上の所望の領域に
同一時間に交差させることで、該領域に存在する、像形
成物質である呈色材を照射することにより、光化学反応
を生起せしめて呈色(発光または着色)させ、これらレ
ーザ光ビームの光路を制御して、交差させるとともに、
交差位置に係る像歪みを補正し、さらに交差位置を所望
方向に、精細度を制御する手段によって制御された所望
距離だけ掃引することにより、掃引下にある呈色材を次
々に呈色させて、所望の精細度の三次元立体像を所望の
寸法の表示領域へ形成させる原理を以て第一の骨子とす
るものである。
【0024】または本発明は、波長の異なる少なくとも
二本のレーザ光、または同一波長の少なくとも二本のレ
ーザ光を、光路を制御する手段によって空間上の所望の
領域に同一時間に交差させることで、該領域に存在する
呈色材を照射することにより、呈色材の電子を高いエネ
ルギ準位へ励起させ、該励起電子が低エネルギ準位へ戻
る際のエネルギー差に相当する波長の光放出により呈色
させ、これらレーザ光ビームの光路を制御して、交差さ
せるとともに、交差位置に係る像歪みを補正し、さらに
交差位置を所望方向に、精細度を制御する手段の制御下
で所望距離だけ掃引することにより、掃引下にある呈色
材を次々に呈色させて、所望の精細度の三次元立体像を
所望の寸法の表示領域へ形成させる原理を以て第二の骨
子とするものである。
【0025】本発明では、発光または着色現象と、さら
に、透明または半透明での屈折現象を総称して、呈色と
定義する。したがって本発明では、発光体や着色体およ
び、屈折率を有する透明体または半透明体を含めて呈色
材と定義する。
【0026】ここで、三次元立体像を形成させる立体像
単位は、従来の平面画像について定義された平面像単位
である画素またはピクセルとは異なり、三次元の拡がり
を有するものであるから、従来の画素またはピクセルを
単位として適用するのは適切ではない。また、従来の三
次元CG等で用いられているボクセルという画像単位
も、平面画像表示上での疑似三次元構成において主とし
て適用されてきた単位であるから、やはり本発明の構成
において適用するのは適切ではない。このように、本発
明におけるような三次元立体像を形成させる立体像単位
を表現する用語は、従来において適切なものがなかっ
た。
【0027】そこで本発明では、三次元の拡がりを有す
る立体像単位を、キュビセル(Cubc)として定義す
る。すなわち、三次元の微小基本領域を以て、キュビセ
ル(Cubic cell:キュービック・セルの意)
として定義する。したがって、本発明に係る三次元立体
像は、三次元の拡がりを有する像単位であるキュビセル
の複数個の集合で以て形成される。
【0028】そして、本発明に係る三次元立体像表示装
置は、三次元の拡がりを有する像単位であるキュビセル
を複数個、空間的に形成させる構成とするものである。
したがって、時間的に遷移する動像を描像する場合は、
三次元の拡がりを有する像単位であるキュビセルを複数
個、空間的および時間的に形成させる構成となる。
【0029】つぎに、前記の立体像単位であるキュビセ
ルを、情報量として扱う際の構成につき説明する。そも
そもキュビセルは、三次元立体像の表示上での像単位で
あり、物体各部分の表示に関わる情報(たとえば各部分
の輝度および色情報)を有するが、従来におけるような
疑似三次元表示とは異なり、各キュビセルは真に三次元
的な拡がりを有して、原像である現実の三次元物体の各
構成部分と一対一の対応をするものである。
【0030】したがって、立体像単位であるキュビセル
に、情報量として、現実の三次元物体の各構成部分の表
示に関わる情報以外の属性を持たせるように拡張させる
ことが可能である。すなわち、拡張されたキュビセル
は、輝度および色のデータを備える以外に、たとえば屈
折率、粗さ等の表面状態や加工状態、材質、硬度、密
度、重量、価格などの属性データが付与され、よって各
キュビセルの拡張された情報はデータベースとして情報
処理可能な構成とすることができる。
【0031】更に、このようにしてキュビセルの集合で
構成された、1個の三次元立体像を、本発明ではキュビ
ット(Cubit:Cubic unitの意)と定義
する。
【0032】つぎに、本発明に適用されるレーザ光ビー
ムにつき定義する。レーザ光ビームは、半導体レーザダ
イオードや固体レーザ素子あるいは気体レーザ放射源か
ら放射されるレーザ光のビームであり、また該ビームの
光強度を情報信号に基づいて変調することが可能であ
る。
【0033】本発明に適用されるレーザ光ビームには、
少なくともライン状レーザ光ビーム、帯状レーザ光ビー
ム、二次元レーザ光ビームがある。
【0034】ライン状レーザ光ビームは、点光源から放
射され、進行方向に垂直な断面が点状またはスポット状
のビームである。点光源からの出力が情報信号に基づい
て光強度変調されている場合は、同一時間において進行
方向上のどの位置での垂直断面スポット上にも同じ情報
信号が載っている。本発明ではこれを点光源から放射さ
れるライン状レーザ光ビームと記述する。
【0035】帯状レーザ光ビームは、線光源から放射さ
れ、進行方向に垂直な断面が線状のビームである。線光
源は、たとえば1次元方向に並設された複数のレーザ発
振要素の集合として実現され、構成部分である各レーザ
発振要素の出力がそれぞれ独立して光強度変調されるこ
とにより、各情報が光強度として載せられたレーザ光ビ
ームが複数本、進行方向と直角に並び、よって進行方向
に帯状面を形成する。したがって、同一時間において帯
状レーザ光ビーム進行方向上のどの位置での垂直断面に
も同じ情報列が載っている。したがって時間経過ととも
に各レーザ発振要素の変調信号の更新がなされると、帯
状レーザ光ビームに載った各情報全体が更新される。本
発明ではこれを線光源から放射される帯状レーザ光ビー
ムと記述する。
【0036】二次元レーザ光ビームは、二次元光源から
放射され、進行方向に垂直に面状の拡がりを有するレー
ザ光ビームである。二次元光源は、たとえば2次元方向
に配設されたレーザ発振要素の集合として実現され、構
成部分である各レーザ発振要素の出力がそれぞれ独立し
て光強度変調されることにより、面状の拡がりに沿って
情報が光強度として載せられている。かつ同一時間にお
いてレーザ光ビーム進行方向上のどの位置での垂直断面
にも同じ情報が載っている。したがって時間経過ととも
に各レーザ発振要素の変調信号の更新がなされると、二
次元レーザ光ビームに載った各情報全体が更新される。
本発明ではこれを面光源から放射される二次元レーザ光
ビームと記述する。
【0037】本発明では、立体像表示体に至る複数のレ
ーザ光ビームの少なくとも一本は、三次元立体像信号に
よってその光強度が変調されている。このような、レー
ザ素子の出力の変調またはレーザ光ビームの光強度の変
調を、ここでは光強度変調として定義する。
【0038】つぎに、本発明に適用されるレーザ光ビー
ムの掃引につき定義する。本発明においては前記のよう
に、発光状態または着色状態を以て呈色と称するものと
し、しかも少なくとも2本のレーザ光ビームの照射によ
って電子励起されて呈色し、または光化学反応を起こし
て呈色する材質を呈色材として、この呈色材が分散配設
された立体像表示体中の一領域、たとえば点や線分や面
を選択的に呈色させるために、少なくとも2本のレーザ
光ビームを着目領域において交差するように照射し、且
つこの交差を掃引して像を形成させる。
【0039】ここで、少なくとも2本のレーザ光ビーム
の進行方向である光路方向が、立体像表示体中において
直交状態を維持して掃引されるものを直交掃引と定義
し、また、少なくとも2本のレーザ光ビームの光路方向
が、立体像表示体中において非直交状態を維持して掃引
されるものを非直交掃引と定義する。
【0040】さらに、掃引面の形成につき、以下の二種
類を定義する。本発明の立体像表示にあって、立体像表
示体中に形成される三次元の表示領域を二次元描像層の
重ね合わせで構成するものとし、よってレーザ光ビーム
を掃引して該各二次元描像層を形成させ、さらにこの二
次元描像層の形成操作を反復することにより、複数の二
次元描像層を重ねて三次元の表示領域を形成させるもの
を、レイヤー掃引(または層状掃引)と定義する。
【0041】すなわち、キュビセルが複数個、連続した
列が複数本、時系列的に並べられた平面像を形成させる
信号の組を1レイヤーとして、複数レイヤーを時系列的
に重ねて配列して1キュビットを構成させる。このレイ
ヤー掃引では、立体像が含まれる三次元の表示領域全体
を掃引するものである。また、このレイヤー掃引は、前
記の直交掃引によっても、また非直交掃引によっても実
現できる。
【0042】一方、レーザ光ビームによって像形成部分
のみを選択的に掃引するものをベクトル掃引と定義す
る。すなわち、このベクトル掃引は、表示される立体像
を、線分や曲線を用いた外郭線や稜線により表示し、こ
の外郭線や稜線の表示を時系列的に連ねるようにして描
像するものであり、したがって表示される立体像以外の
表示領域は掃引されない。また、立体像の面の描像に
は、線分や曲線を複数本、並べることにより表示する。
【0043】すなわち、ベクトル掃引では三次元掃引の
始端と終端間に形成された複数個のキュビセルから成る
ベクトルを複数個、立体像の外殻または稜線に沿うよう
時系列的に並べて、1キュビットを構成させる。
【0044】このベクトル掃引は、たとえば像の外郭線
または外郭面のみを表示するワイヤフレーム像の形成に
適し、前記の直交掃引または非直交掃引のいずれによっ
ても実現できる。
【0045】次に、交差位置に係る像歪み、の定義を説
明する。一般的に、光源から像が表示される各位置まで
の距離はそれぞれの位置ごとに異なっている。このよう
に、像が表示される位置が端部と中央部とでは光源から
の距離が異なるから、光源から出射するレーザ光ビーム
が同じ角度だけ振られても、レーザ光ビームの掃引面上
の単位時間内の移動距離は位置によって変わることにな
る。
【0046】この結果、端部側の位置へ形成されるキュ
ビセルの寸法が、中央部側へ形成されるキュビセルの寸
法よりも大となり、このため均一なキュビセル寸法にな
らず、像に歪みが生じる原因となる。本発明ではこの歪
みを、交差位置に係る像歪み、として定義する。
【0047】つぎに、三次元立体像を構成させる三次元
立体像信号について説明する。従来の平面画像表示にお
いては、二次元的に例えばライン走査することにより二
次元の平面画像を表示するから、よって信号は一次元の
ライン像(ラスター)の信号を複数個、時系列的に並べ
て構成させている。または平面画像表示のベクトル走査
では二次元走査の始端と終端に係る信号を複数個、時系
列的に並べて構成させるものであった。
【0048】これに対して本発明の前記レイヤー掃引に
よる立体像表示に適用される三次元立体像信号は、一次
元の像の信号が複数個、時系列的に連なって二次元描像
を形成させる信号の組となり、さらに該信号の組が複数
組、時系列的に連なって構成される。
【0049】また本発明の前記ベクトル掃引による立体
像表示に適用される三次元立体像信号は、各稜線や各外
殻線の信号が複数個、時系列的に連ねられて構成され
る。
【0050】つぎに、時間的に動きのある三次元立体像
の表示信号を説明する。従来、平面画像表示において時
間的に動きのある二次元平面像の表示は、所謂、動画像
という言葉によって表現されてきた。これは単位時間内
に複数枚の二次元平面像を更新しつつ逐次表示すること
により、遷移する動きのある画像を形成させるものであ
った。
【0051】一方、本発明の立体像表示において時間的
に遷移する、動きのある三次元立体像を表示させるに
は、単位時間内に複数個の三次元立体像(すなわち複数
個のキュビット)を更新しつつ逐次表示することによ
り、動きのある三次元立体像を形成させる。これを、従
来の平面画像表示における動画像に対応するものとし
て、立体動像、または簡素に、動像として定義する。し
たがって、立体動像の表示信号は、個々の三次元立体像
の表示信号(1キュビットの表示信号)を複数個、時系
列的に並べて構成させることになる。
【0052】以下、本発明に係る手段を述べる。
【0053】前記原理に基づいて前記従来技術の課題を
解決するため、本発明に係る三次元立体像表示方法は、
少なくとも、表示対象である立体の各部分の位置情報を
含むデータを編成する過程と、前記編成されたデータを
伝送する過程と、前記伝送されたデータを受理して、該
データに基づき、三次元方向に拡がる表示体内に立体像
を描像する過程とを含んで成り、且つ、前記データは、
前記表示対象である立体の各部分の位置情報に加えて前
記各部分の属性情報を含み、且つ前記属性情報は、色
調、濃淡、光沢、屈折率、材質、密度、重量の少なくと
もいずれか一つの情報を含むことを特徴とする。
【0054】前記の方法によれば、データの編成から伝
送をへてデータ受理と描像表示に至るまでの、三次元方
向に拡がる表示体内に立体像を描像するための一貫した
過程が成立する。
【0055】しかもデータには位置情報に加えて属性情
報が含まれるから、立体像の輪郭や形状の表示にとどま
らず、各部分の色調や濃淡はもとより、その光沢をはじ
め、各部分の屈折率などの再現がなされる。すなわち、
属性情報が三次元方向に拡がる空間内に再現可能にな
る。
【0056】あるいは、前記の三次元立体像表示方法
が、前記データの伝送過程に先立って前記データに圧縮
処理を施す過程と、前記圧縮データの受理後に復元処理
を施す過程とを備える場合は、三次元位置情報やその各
部分の属性情報が載せられることで膨大となるデータ量
が圧縮によって減少され、よってとりわけデータ伝送方
法を簡略化される。
【0057】あるいは、前記の三次元立体像表示方法
が、少なくとも前記データの編成過程後または前記デー
タの圧縮過程後に該データを少なくとも記録または再生
する過程を備える場合は、データの編成時期と該データ
の再生時期が独立することになり、任意の時期において
データの編成がなされるとともに記録がなされ、また任
意の時期においてデータの編成側においてこの記録再生
により伝送がなされ、一方、データの受理側においてこ
の再生されたデータに基づく描像表示がなされるか、ま
たはデータの受理側での再度記録がなされる。
【0058】しかも、データの圧縮後での該圧縮データ
の記録によって、三次元位置情報やその各部分の属性情
報が載せられることで膨大となるデータ量が圧縮によっ
て減少され、記録に要する時間が短縮される。
【0059】本発明に係る三次元立体像表示システム
は、少なくとも、表示対象である立体を構成する各部分
の位置情報を含むデータを編成する手段と、前記編成さ
れたデータを伝送する手段と、前記伝送されたデータを
受理して、該データに基づき、三次元方向に拡がる表示
体内に立体像を描像する手段とを備え、且つ、前記デー
タは、前記表示対象である立体の各部分の位置情報に加
えて前記各部分の属性情報を含み、且つ前記属性情報
は、色調、濃淡、光沢、屈折率、材質、密度、重量の少
なくともいずれか一つの情報を含むことを特徴とする。
【0060】前記の構成によれば、データの編成手段か
ら伝送手段をへてデータ受理と描像表示の手段に至るま
での、三次元方向に拡がる表示体内に立体像を描像する
ための一貫した手段が提供される。
【0061】しかもデータには位置情報に加えて属性情
報が含まれるから、立体像の輪郭や形状の表示にとどま
らず、各部分の色調や濃淡はもとより、その光沢をはじ
め、各部分の屈折率などの再現がなされる。すなわち、
三次元方向に拡がる空間内に属性情報を再現する装置が
実現される。
【0062】あるいは、前記の三次元立体像表示システ
ムが、前記データの伝送手段の実行に先立って前記デー
タに圧縮を施す手段と、前記圧縮データの受理後に復元
処理を施す手段とを備える場合は、三次元位置情報やそ
の各部分の属性情報が載せられることで膨大となるデー
タ量が圧縮によって減少され、よってとりわけデータ伝
送手段の簡略化がなされる。
【0063】あるいは、前記の三次元立体像表示システ
ムが、少なくとも前記データの編成手段または前記デー
タの圧縮手段の実行後に該データを少なくとも記録また
は再生する手段を備える場合は、データの編成時期と該
データの再生時期が独立し、よって任意の時期において
データ編成と記録がなされ、また任意の時期においてデ
ータ編成手段による該記録の再生と伝送がなされ、一
方、データ受理側でこの再生データに基づき直ちに描像
表示するか、または再度記録がなされる。
【0064】しかも、データの圧縮後に該圧縮データが
記録されることによって、三次元位置情報やその各部分
の属性情報が載せられることで膨大となるデータ量の減
少が圧縮によってなされ、記録手段の構成が簡素化され
るとともに、記録に要する時間短縮がなされる。
【0065】本発明に係る三次元立体像表示方法は、出
射光が光路方向にラインを形成する少なくとも二本のラ
イン状レーザ光ビームを用い、該ライン状レーザ光ビー
ムのうち少なくとも一本を、立体を構成する各部分の位
置情報を含む三次元立体像信号に基づいて光強度変調
し、前記各ライン状レーザ光ビームの光路を制御して、
前記各ライン状レーザ光ビームの交差点が、立体像表示
体内部の所望の位置を照射するとともに、該各交差点に
おける前記両レーザ光ビームが張る最小角度θを 86°≦θ≦90° の範囲内とし、且つ、該交差点における光エネルギによ
り、前記立体像表示体の内部に三次元方向に分布されて
いる気体または液体または固体、またはこれらの組み合
わせで構成された呈色材を照射して発色または着色さ
せ、ついで前記各レーザ光ビームのうちの少なくとも一
本の光路を制御して、交差位置に係る像歪みを補正し、
ついで前記各レーザ光ビームの光路を掃引して、前記交
差点を三軸直交座標の第一軸方向に連続掃引し、該掃引
後に第二軸方向に所定距離だけ掃引の後、第一軸方向に
連続掃引し、上記操作を反復して一層の掃引面を形成さ
せ、ついで前記交差点を第三軸方向に所定距離だけ掃引
の後、前記操作を反復してつぎの一層の掃引面を形成さ
せ、以上の反復により複数の掃引面が層状に重ねられた
立体像表示領域を形成することを特徴とする。
【0066】前記の方法によれば、二本のライン状レー
ザ光ビームの採用により、三軸方向の高精細度の立体像
描像がなされる。さらに、三軸方向へ直交掃引すること
で、立体像表示体内の任意の位置のアクセスが高精度で
なされる。また、複数の掃引面が層状に重ねられた立体
像表示領域の形成により、複雑な形状の像や、表示され
るべき像が複数個、独立して存在し、立体像表示体中に
離れて分散して存在する場合などでも一定の時間で描像
がなされる。
【0067】あるいは、前記三次元立体像表示方法が、
前記各レーザ光ビームの前記交差点を三軸直交座標の第
一軸方向に連続して反復掃引するとともに、同時に第二
軸方向に連続掃引し、且つ前記第一軸方向の一回の掃引
に対応した前記第二軸方向の掃引を所定距離だけおこな
い、よって一層の掃引面を形成させ、該掃引面形成につ
いで前記交差点を第三軸方向に所定距離だけ掃引の後、
第一軸方向および第二軸方向に同時に前記連続掃引を反
復してつぎの一層の掃引面を形成させ、以上の反復によ
り複数の掃引面が層状に重ねられた立体像表示領域を形
成する場合は、ライン状レーザ光ビームの採用で三軸方
向の高精細度の立体像の描像がなされ、第一軸方向への
連続掃引と同時に第二軸方向への連続掃引がなされるこ
とで、掃引動作が連続になり、掃引が簡素化される。
【0068】あるいは、前記の三次元立体像表示方法が
前記各レーザ光ビームの光路を掃引して、前記交差点を
三軸直交座標の第一軸方向および第二軸方向および第三
軸方向に同時に夫々所定距離だけ連続掃引し、前記掃引
を反復して一層の掃引面を形成させ、さらに前記の操作
の反復により複数の掃引面が層状に重ねられた立体像表
示領域を形成する場合は、ライン状レーザ光ビームの採
用で三軸方向の高精細度の立体像の描像がなされ、第一
軸方向への連続掃引と同時に第二軸方向および第三軸方
向への連続掃引がなされることで、掃引動作すべてが連
続になり、よって掃引がさらに簡素化される。
【0069】あるいは、前記の三次元立体像表示方法
が、像の繰返し周期が異なる三次元立体像信号が適用さ
れる際において、該三次元立体像信号の繰返し周期に対
応して前記第一軸方向、第二軸方向、第三軸方向への前
記所定掃引距離のうち少なくとも一つの距離を変更する
ことにより、形成される前記立体像表示領域の寸法を所
望値とするか、または三次元立体像信号の繰返し周期に
対応して、前記形成される前記立体像表示領域の寸法を
変更することにより、前記各軸方向への前記所定掃引距
離を所望値とするものである場合は、繰り返し周期の長
い三次元立体像信号や、繰り返し周期の短い三次元立体
像信号が入力された際に、その周期に応じて掃引距離が
変更され、所定の表示領域に描像がなされて、形成され
る立体像表示領域の寸法が所望値となる。
【0070】または、繰り返し周期の長い三次元立体像
信号や、繰り返し周期の短い三次元立体像信号が入力さ
れた際に、その周期に応じて立体像表示領域の寸法が変
更され、所定掃引距離で描画がなされて、描像の精細度
が所望値となる。
【0071】本発明に係る三次元立体像表示装置は、少
なくとも一基のレーザ発振器および、前記レーザ発振器
を駆動させる駆動回路を備え、進行方向の異なる少なく
とも二本のレーザ光ビームを発射する光源と、前記少な
くとも一基のレーザ発振器の出力を、立体を構成する各
部分の位置情報を含む三次元立体像信号に基づいて光強
度変調するか、または前記少なくとも二本のレーザ光ビ
ームの少なくとも一本の光強度を前記三次元立体像信号
に基づいて変調する変調手段と、前記各レーザ光ビーム
の光路の交差部分によって内部が照射され、該交差部分
に照射されることで発色または着色する気体または液体
または固体、またはこれらの組み合わせで構成された呈
色材が三次元方向に分布された立体像表示体と、前記少
なくとも二本のレーザ光ビームの各光路を制御して、前
記各レーザ光ビームを前記立体像表示体中の所望の位置
において交差させるとともに、前記交差位置を移動させ
る掃引機能を備える光路制御手段とを備え、且つ、前記
少なくとも二本のレーザ光ビームは、夫々の出射光が光
路方向にラインを形成する第一のライン状レーザ光ビー
ムと第二のライン状レーザ光ビームを含んで構成され、
前記変調手段は前記両レーザ光ビーム中の少なくとも一
方を、前記三次元立体像信号に基づいて光強度変調し、
前記光路制御手段は、前記両レーザ光ビームの光路を制
御して前記両レーザ光ビームが前記立体像表示体中の前
記各交差位置において張る最小角度θを 86°≦θ≦90° の範囲内に制御し、且つ前記光路制御手段は前記各レー
ザ光ビームのうちの少なくとも一本の光路を制御して、
前記交差位置に係る像歪みを補正し、さらに前記交差位
置を三軸直交座標の第一軸方向に連続掃引し、該掃引後
に第二軸方向に所定距離だけ掃引の後、第一軸方向に連
続掃引し、上記操作を反復して掃引面を一層形成させ、
ついで前記交差位置を第三軸方向に所定距離だけ掃引の
後、前記操作を反復して掃引面を一層形成させ、以上の
反復により複数の掃引面が層状に重ねられた立体像表示
領域を形成する構成としたことを特徴とする。
【0072】前記の構成によれば、ライン状レーザ光ビ
ームの採用によって三軸方向の高精細度の立体像の描像
がなされる。さらに、三軸方向へ直交掃引する構成に、
立体像表示体内の任意の位置のアクセスが高精度でなさ
れ、掃引機構が簡素化される。 その上、複数の掃引面
が層状に重ねられた立体像表示領域を形成することによ
り、複雑な形状の像や、表示されるべき像が複数個、独
立して存在し、立体像表示体中に離れて分散して存在す
る場合などでも描像時間が一定になる。
【0073】あるいは、前記構成が前記各レーザ光ビー
ムの前記交差点を三軸直交座標の第一軸方向に連続して
反復掃引するとともに、同時に第二軸方向に連続掃引
し、且つ前記第一軸方向の一回の掃引に対応した前記第
二軸方向の掃引距離を所定距離となし、よって一層の掃
引面を形成させ、ついで前記交差点を第三軸方向に所定
距離だけ掃引の後、第一軸方向および第二軸方向に同時
に連続掃引してつぎの一層の掃引面を形成させ、以上の
反復により複数の掃引面が層状に重ねられた立体像表示
領域を形成する構成である場合は、ライン状レーザ光ビ
ームを用いることにより三軸方向の高精細度の立体像の
描像がなされる上、第一軸方向への連続掃引と同時に第
二軸方向に連続掃引されることで、掃引機構の動作が連
続になり、よって少なくとも第一軸方向と第二軸方向へ
の掃引機構が簡素化される。
【0074】あるいは、前記三次元立体像表示装置が前
記各レーザ光ビームの前記交差点を三軸直交座標の第一
軸方向および第二軸方向および第三軸方向に同時に夫々
所定距離だけ連続掃引し、前記掃引を反復して一層の掃
引面を形成させ、さらに前記の操作の反復により複数の
掃引面が層状に重ねられた立体像表示領域を形成する構
成である場合は、ライン状レーザ光ビームを用いること
により三軸方向の高精細度の立体像の描像がなされる
上、第一軸方向への連続掃引と同時に第二軸方向および
第三軸方向に連続掃引がなされて掃引機構の動作がすべ
て連続になり、掃引機構がさらに簡素化される。
【0075】あるいは、前記三次元立体像表示装置が精
細度制御手段を備え、該精細度制御手段は、像の繰返し
周期が異なる複数の三次元立体像信号の内のいずれかが
前記三次元立体像信号として適用される場合に、該三次
元立体像信号の種類を特定する信号または同期信号の周
期に基づき像の繰返し周期を検出するとともに、該像の
繰返し周期及び前記立体像表示体の寸法に対応して、前
記第一軸方向、第二軸方向、第三軸方向への前記所定掃
引距離のうち少なくとも一つの距離を変更することによ
り、形成される前記立体像表示領域の寸法を所望値とす
るか、または三次元立体像信号の繰返し周期に対応し
て、前記立体像表示体内に形成される前記立体像表示領
域の寸法を変更することにより、前記各軸方向への前記
所定掃引距離を所望値とする場合は、繰り返し周期の長
い三次元立体像信号や、繰り返し周期の短い三次元立体
像信号が入力された際に、その周期に応じて掃引距離が
変更され、所定の表示領域に描像がなされて、形成され
る立体像表示領域の寸法が所望値となる。
【0076】または、繰り返し周期の長い三次元立体像
信号や、繰り返し周期の短い三次元立体像信号が入力さ
れた際に、その周期に応じて立体像表示領域の寸法が変
更されることにより、所定掃引距離で描画がなされ、よ
って描像の精細度が所望値となる。
【0077】または本発明に係る三次元立体像表示方法
は、夫々の出射光が光路方向にラインを形成する少なく
とも二本のライン状レーザ光ビームを用い、該ライン状
レーザ光ビームのうち少なくとも一本を、表示対象であ
る立体の表面または稜線に沿った位置情報によって構成
された三次元立体像信号に基づいて光強度変調し、前記
各ライン状レーザ光ビームの光路を制御して、前記各ラ
イン状レーザ光ビームの交差点が、立体像表示体内部の
所望の位置を照射するとともに、該各交差点における前
記両レーザ光ビームが張る最小角度θを 86°≦θ≦90° の範囲内とし、且つ、該交差点により、前記立体像表示
体の内部に三次元方向に分布されている気体または液体
または固体、またはこれらの組み合わせで構成された呈
色材を照射して発色または着色させ、さらに前記各レー
ザ光ビームのうちの少なくとも一本の光路を制御して、
交差位置に係る像歪みを補正し、ついで前記各レーザ光
ビームの交差点を前記三次元立体像信号に基づき所定掃
引距離だけ掃引して、前記交差点において発色または着
色する前記呈色材が、表示対象である立体の表面または
稜線に沿う立体像の表示領域を前記立体像表示体内に形
成させ、前記三次元立体像信号の繰返し周期が異なる場
合に、該三次元立体像信号の繰返し周期に対応して前記
所定掃引距離を変更することにより、形成される前記立
体像の表示領域の寸法を所望値とするか、または前記三
次元立体像信号の繰返し周期に対応して、前記形成され
る前記立体像の表示領域の寸法を変更することにより、
前記所定掃引距離を所望値とすることを特徴とする。
【0078】前記の方法によれば、ライン状レーザ光ビ
ームの採用により、高精細度の立体像の描像がなされ
る。さらに、表示対象の立体の表面または稜線に沿って
掃引がなされるから、立体像表示体内の全ての位置の掃
引の必要がなくなり、描像時間が短縮される。
【0079】さらに、周期の長い三次元立体像信号や、
繰り返し周期の短い三次元立体像信号が入力された際
に、その周期に応じて掃引距離が変更されることによ
り、形成される立体像の寸法が所望値となる。
【0080】または、周期の長い三次元立体像信号や、
繰り返し周期の短い三次元立体像信号が入力された際
に、その周期に応じて立体像が表示される領域の寸法が
変更されることにより、所定掃引距離の描画がなされ、
よって描像の精細度が所望値となる。
【0081】または本発明に係る三次元立体像表示装置
は、少なくとも一基のレーザ発振器および、前記レーザ
発振器を駆動させる駆動回路を備え、進行方向の異なる
少なくとも二本のレーザ光ビームを発射する光源と、前
記少なくとも一基のレーザ発振器の出力を、表示対象で
ある立体の表面または稜線に沿った位置情報によって構
成された三次元立体像信号に基づいて光強度変調する
か、または前記少なくとも二本のレーザ光ビームの少な
くとも一本の光強度を前記三次元立体像信号に基づいて
変調する変調手段と、前記各レーザ光ビームの光路の交
差部分によって内部が照射され、該交差部分に照射され
ることで発色または着色する気体または液体または固
体、またはこれらの組み合わせで構成された呈色材が三
次元方向に分布された立体像表示体と、前記少なくとも
二本のレーザ光ビームの各光路を制御して、前記各レー
ザ光ビームを前記立体像表示体中の所望の位置において
交差させるとともに、前記交差位置を移動させる掃引機
能を備える光路制御手段と、を備え、且つ、前記少なく
とも二本のレーザ光ビームは、それぞれ出射光が光路方
向にラインを形成する第一のライン状レーザ光ビームと
第二のライン状レーザ光ビームを含んで構成され、前記
変調手段は前記両ライン状レーザ光ビーム中の少なくと
も一方を、前記三次元立体像信号に基づいて光強度変調
し、前記光路制御手段は、前記両ライン状レーザ光ビー
ムの光路を制御して前記両レーザ光ビームが前記立体像
表示体中の前記各交差位置において張る最小角度θを 86°≦θ≦90° の範囲内に制御し、且つ前記光路制御手段が前記各レー
ザ光ビームのうちの少なくとも一本の光路を制御して、
前記交差位置に係る像歪みを補正し、さらに前記交差位
置を前記三次元立体像信号に基づき所定掃引距離だけ掃
引することにより、前記交差位置において発色または着
色する前記呈色材が、表示対象である立体の表面または
稜線に沿う立体像の表示領域を前記立体像表示体内に形
成させるとともに、前記三次元立体像信号の繰返し周期
が異なる場合に、該三次元立体像信号の繰返し周期に対
応して前記所定掃引距離を変更することにより、形成さ
れる前記立体像の表示領域の寸法を所望値とするか、ま
たは前記三次元立体像信号の繰返し周期に対応して、前
記形成される前記立体像の表示領域の寸法を変更するこ
とにより、前記所定掃引距離を所望値とする精細度制御
手段を備える構成としたことを特徴とする。
【0082】前記の構成によれば、ライン状レーザ光ビ
ームの採用により、高精細度の立体像の描像がなされ
る。さらに、表示対象の立体の表面または稜線に沿って
掃引がなされるから、立体像表示体内の全ての位置の掃
引の必要がなくなり、描像時間が短縮される。
【0083】さらに、周期の長い三次元立体像信号や、
繰り返し周期の短い三次元立体像信号が入力された際
に、その周期に応じて掃引距離が変更されることによ
り、形成される立体像の寸法が所望値となる。
【0084】または、周期の長い三次元立体像信号や、
繰り返し周期の短い三次元立体像信号が入力された際
に、その周期に応じて立体像が表示される領域の寸法が
変更されることにより、所定掃引距離の描画がなされ、
よって描像の精細度が所望値となる。
【0085】または本発明に係る三次元立体像表示方法
は、少なくとも二本のライン状レーザ光ビームを用い、
該ライン状レーザ光ビームのうち少なくとも一本を、立
体を構成する各部分の位置情報を含む三次元立体像信号
に基づいて光強度変調し、前記各ライン状レーザ光ビー
ムの光路を制御して、前記各ライン状レーザ光ビームの
交差点が、立体像表示体内部の所望の位置を照射すると
ともに、各交差点における前記両レーザ光ビームが張る
最小角度のうちの少なくとも一部の最小角度θを θ<86° の範囲内とし、且つ、該交差点により、前記立体像表示
体の内部に三次元方向に分布されている気体または液体
または固体、またはこれらの組み合わせで構成された呈
色材を照射して発色または着色させ、ついで前記各レー
ザ光ビームのうちの少なくとも一本の光路を制御して、
交差位置に係る像歪みを補正し、さらに前記各レーザ光
ビームの光路を掃引して、前記交差点を三軸直交座標の
第一軸方向に連続掃引し、該掃引後に第二軸方向に所定
距離だけ掃引の後、第一軸方向に連続掃引し、上記操作
を反復して一層の掃引面を形成させ、ついで前記交差点
を第三軸方向に所定距離だけ掃引の後、前記操作を反復
してつぎの一層の掃引面を形成させ、以上の反復により
複数の掃引面が層状に重ねられた立体像表示領域を形成
することを特徴とする。
【0086】前記の方法によれば、ライン状レーザ光ビ
ームの採用で、三軸方向の高精細度の立体像の描像がな
される。さらに、非直交で掃引がなされるから、各ライ
ン状レーザ光ビームが同じ側から照射され、各ライン状
レーザ光ビームに邪魔されない広い位置から、立体像の
観察がなされる。
【0087】また三軸方向へ掃引されることで、立体像
表示体内の任意の位置のアクセスが高精度でなされる。
その上、複数の掃引面が層状に重ねられた立体像表示領
域を形成することにより、複雑な形状の像や、表示され
るべき像が複数個、独立して存在し、立体像表示体中に
離れて分散して存在する場合などでも描像時間が一定に
なる。
【0088】あるいは、前記の三次元立体像表示方法が
前記各レーザ光ビームの前記交差点を三軸直交座標の第
一軸方向に連続して反復掃引するとともに、同時に第二
軸方向に連続掃引し、且つ前記第一軸方向の一回の掃引
に対応した前記第二軸方向の掃引を所定距離だけおこな
い、よって一層の掃引面を形成させ、該掃引面形成につ
いで前記交差点を第三軸方向に所定距離だけ掃引の後、
第一軸方向および第二軸方向に同時に前記連続掃引を反
復してつぎの一層の掃引面を形成させ、以上の反復によ
り複数の掃引面が層状に重ねられた立体像表示領域を形
成するものである場合は、前記請求項17の作用に加え
て、第一軸方向への連続掃引と同時に第二軸方向に連続
掃引されることにより、掃引が簡素化される。
【0089】あるいは、前記三次元立体像表示方法が前
記各レーザ光ビームの光路を掃引して、前記交差点を三
軸直交座標の第一軸方向および第二軸方向および第三軸
方向に同時に夫々所定距離だけ連続掃引し、前記掃引を
反復して一層の掃引面を形成させ、さらに前記の操作の
反復により複数の掃引面が層状に重ねられた立体像表示
領域を形成するものである場合は、第一軸方向への連続
掃引と同時に第二軸方向および第三軸方向に連続掃引さ
れることにより、掃引がさらに簡素化される。
【0090】あるいは、前記三次元立体像表示方法が、
像の繰返し周期の異なる三次元立体像信号が適用される
際において、該三次元立体像信号の繰返し周期に対応し
て、前記第一軸方向、第二軸方向、第三軸方向への前記
所定掃引距離のうち少なくとも一つの距離を変更するこ
とにより、形成される前記立体像表示領域の寸法を所望
値とするか、または三次元立体像信号の繰返し周期に対
応して、前記形成される前記立体像表示領域の寸法を変
更することにより、前記各軸方向への前記所定掃引距離
を所望値とする場合は、繰り返し周期の長い三次元立体
像信号や、繰り返し周期の短い三次元立体像信号が入力
された際に、その周期に応じて掃引距離が変更され、所
定の表示領域に描像がなされて、形成される立体像表示
領域の寸法が所望値となる。
【0091】または、繰り返し周期の長い三次元立体像
信号や、繰り返し周期の短い三次元立体像信号が入力さ
れた際に、その周期に応じて立体像表示領域の寸法が変
更され、所定掃引距離で描画がなされて、描像の精細度
が所望値となる。
【0092】または本発明に係る三次元立体像表示装置
は、少なくとも一基のレーザ発振器および、前記レーザ
発振器を駆動させる駆動回路を備え、進行方向の異なる
少なくとも二本のレーザ光ビームを発射する光源と、前
記少なくとも一基のレーザ発振器の出力を、立体を構成
する各部分の位置情報を含む三次元立体像信号に基づい
て光強度変調するか、または前記少なくとも二本のレー
ザ光ビームの少なくとも一本の光強度を前記三次元立体
像信号に基づいて変調する変調手段と、前記各レーザ光
ビームの光路の交差部分によって内部が照射され、該交
差部分に照射されることで発色または着色する気体また
は液体または固体、またはこれらの組み合わせで構成さ
れた呈色材が三次元方向に分布された立体像表示体と、
前記少なくとも二本のレーザ光ビームの各光路を制御し
て、前記各レーザ光ビームを前記立体像表示体中の所望
の位置において交差させるとともに、前記交差位置を移
動させる掃引機能を備える光路制御手段とを備え、且
つ、前記少なくとも二本のレーザ光ビームは、夫々の出
射光が光路方向にラインを形成する第一のライン状レー
ザ光ビームと第二のライン状レーザ光ビームを含んで構
成され、前記変調手段は前記両レーザ光ビーム中の少な
くとも一方を、前記三次元立体像信号に基づいて光強度
変調し、前記光路制御手段は、前記両レーザ光ビームの
光路を制御して前記両レーザ光ビームが前記立体像表示
体中の前記各交差位置において張る最小角度のうちの少
なくとも一部の最小角度θを θ<86° の範囲内とし、且つ前記光路制御手段は前記各レーザ光
ビームのうちの少なくとも一本の光路を制御して、交差
位置に係る像歪みを補正し、さらに前記交差位置を三軸
直交座標の第一軸方向に連続掃引し、該掃引後に第二軸
方向に所定距離だけ掃引の後、第一軸方向に連続掃引
し、上記操作を反復して掃引面を一層形成させ、ついで
前記交差位置を第三軸方向に所定距離だけ掃引の後、前
記操作を反復して掃引面を一層形成させ、以上の反復に
より複数の掃引面が層状に重ねられた立体像表示領域を
形成する構成としたことを特徴とする。
【0093】前記の構成によれば、ライン状レーザ光ビ
ームの採用で三軸方向の高精細度の立体像の描像がなさ
れる。さらに、非直交で掃引されることにより、各ライ
ン状レーザ光ビームの障害がない位置が広くなり、描像
された立体像の観察可能位置が広くなる。
【0094】また三軸方向へ掃引されることで、立体像
表示体内の任意の位置のアクセスが高精度でなされる。
その上、複数の掃引面が層状に重ねられた立体像表示領
域が形成されることにより、複雑な形状の像や、表示さ
れるべき像が複数個、独立して存在し、立体像表示体中
に離れて分散して存在する場合などでも描像時間が一定
になる。
【0095】あるいは、前記三次元立体像表示装置が前
記各レーザ光ビームの前記交差点を三軸直交座標の第一
軸方向に連続して反復掃引するとともに、同時に第二軸
方向に連続掃引し、且つ前記第一軸方向の一回の掃引に
対応した前記第二軸方向の掃引距離を所定距離となし、
よって一層の掃引面を形成させ、ついで前記交差点を第
三軸方向に所定距離だけ掃引の後、第一軸方向および第
二軸方向に同時に連続掃引してつぎの一層の掃引面を形
成させ、以上の反復により複数の掃引面が層状に重ねら
れた立体像表示領域を形成する構成である場合は、第一
軸方向への連続掃引と同時に第二軸方向への連続掃引が
なされることにより、掃引機構の簡素化がなされる。
【0096】あるいは、前記三次元立体像表示装置が前
記各レーザ光ビームの前記交差点を三軸直交座標の第一
軸方向および第二軸方向および第三軸方向に同時に夫々
所定距離だけ連続掃引し、前記掃引を反復して一層の掃
引面を形成させ、さらに前記の操作の反復により複数の
掃引面が層状に重ねられた立体像表示領域を形成する構
成である場合は、第一軸方向への連続掃引と同時に第二
軸方向および第三軸方向への連続掃引がなされることに
より、さらに掃引機構の簡素化がなされる。
【0097】あるいは、前記の三次元立体像表示装置が
精細度制御手段を備え、該精細度制御手段は、像の繰返
し周期が異なる複数の三次元立体像信号の内のいずれか
が前記三次元立体像信号として適用される際において、
該三次元立体像信号の種類を特定する信号または同期信
号の周期に基づき像の繰返し周期を検出するとともに、
該像の繰返し周期及び前記立体像表示体の寸法に対応し
て、前記第一軸方向、第二軸方向、第三軸方向への前記
所定掃引距離のうち少なくとも一つの距離を変更するこ
とにより、形成される前記立体像表示領域の寸法を所望
値とするか、または三次元立体像信号の繰返し周期に対
応して、前記立体像表示体内に形成される前記立体像表
示領域の寸法を変更することにより、前記各軸方向への
前記所定掃引距離を所望値とする構成とする場合は、繰
り返し周期の長い三次元立体像信号や、繰り返し周期の
短い三次元立体像信号が入力された際に、その周期に応
じて掃引距離が変更されることにより、所定の表示領域
への描像がなされ、よって形成される立体像表示領域の
寸法が所望値となる。
【0098】または、繰り返し周期の長い三次元立体像
信号や、繰り返し周期の短い三次元立体像信号が入力さ
れた際に、その周期に応じて立体像表示領域の寸法が変
更されることにより、所定掃引距離で描画がなされ、よ
って描像の精細度が所望値となる。
【0099】または本発明に係る三次元立体像表示方法
は、夫々の出射光が光路方向にラインを形成する少なく
とも二本のライン状レーザ光ビームを用い、該ライン状
レーザ光ビームのうち少なくとも一本を、表示対象であ
る立体の表面または稜線に沿った位置情報によって構成
された三次元立体像信号に基づいて光強度変調し、前記
各ライン状レーザ光ビームの光路を制御して、前記各ラ
イン状レーザ光ビームを交差させ、該交差点が、立体像
表示体内部の所望の位置を照射するとともに、該各交差
点における前記両レーザ光ビームが張る最小角度のうち
の少なくとも一部の最小角度θを θ<
86°の範囲内とし、且つ、前記交差により、前記立体
像表示体の内部に三次元方向に分布されている気体また
は液体または固体、またはこれらの組み合わせで構成さ
れた呈色材を照射して発色または着色させ、ついで前記
各レーザ光ビームのうちの少なくとも一本の光路を制御
して、前記交差位置に係る像歪みを補正し、さらに前記
各レーザ光ビームの交差点を前記三次元立体像信号に基
づき所定掃引距離だけ掃引して、前記交差点において発
色または着色する前記呈色材が、表示対象である立体の
表面または稜線に沿う立体像の表示領域を前記立体像表
示体内に形成させ、前記三次元立体像信号の繰返し周期
が異なる場合に、該三次元立体像信号の繰返し周期に対
応して前記所定掃引距離を変更することにより、形成さ
れる前記立体像の表示領域の寸法を所望値とするか、ま
たは前記三次元立体像信号の繰返し周期に対応して、前
記形成される前記立体像の表示領域の寸法を変更するこ
とにより、前記所定掃引距離を所望値とすることを特徴
とする。
【0100】前記の方法によれば、ライン状レーザ光ビ
ームが採用されることにより、高精細度の立体像の描像
がなされる。さらに非直交で掃引がなされるから、各ラ
イン状レーザ光ビームを同じ側から照射がなされ、よっ
て描像された立体像の観察位置が広くなる。
【0101】さらに、立体の表面または稜線に沿った掃
引がなされるから、立体像表示体内の全ての位置を掃引
する必要がなく、描像時間が短縮される。
【0102】さらに、周期の長い三次元立体像信号や、
繰り返し周期の短い三次元立体像信号が入力されると、
その周期に応じて掃引距離が変更され、よって形成され
る立体像の寸法が所望値となる。
【0103】または、周期の長い三次元立体像信号や、
繰り返し周期の短い三次元立体像信号が入力されると、
その周期に応じて立体像が表示される領域の寸法が変更
されて所定掃引距離での描画がなされ、よって描像の精
細度が所望値となる。
【0104】または本発明に係る三次元立体像表示装置
は、少なくとも一基のレーザ発振器および、前記レーザ
発振器を駆動させる駆動回路を備え、進行方向の異なる
少なくとも二本のレーザ光ビームを発射する光源と、前
記少なくとも一基のレーザ発振器の出力を、表示対象で
ある立体の表面または稜線に沿った位置情報によって構
成された三次元立体像信号に基づいて光強度変調する
か、または前記少なくとも二本のレーザ光ビームの少な
くとも一本の光強度を前記三次元立体像信号に基づいて
変調する変調手段と、前記各レーザ光ビームの光路の交
差部分によって内部が照射され、該交差部分に照射され
ることで発色または着色する気体または液体または固
体、またはこれらの組み合わせで構成された呈色材が三
次元方向に分布された立体像表示体と、前記少なくとも
二本のレーザ光ビームの各光路を制御して、前記各レー
ザ光ビームを前記立体像表示体中の所望の位置において
交差させるとともに、前記交差位置を移動させる掃引機
能を備える光路制御手段とを備え、且つ、前記少なくと
も二本のレーザ光ビームは、夫々の出射光が光路方向に
ラインを形成する第一のライン状レーザ光ビームと第二
のライン状レーザ光ビームを含んで構成され、前記変調
手段は前記両ライン状レーザ光ビーム中の少なくとも一
方を、前記三次元立体像信号に基づいて光強度変調し、
前記光路制御手段は、前記両ライン状レーザ光ビームの
光路を制御して前記両レーザ光ビームが前記立体像表示
体中の前記各交差位置において張る最小角度のうちの少
なくとも一部の最小角度θを θ<86° の範囲内とし、且つ前記光路制御手段が前記各レーザ光
ビームのうちの少なくとも一本の光路を制御して、交差
位置に係る像歪みを補正し、さらに前記交差位置を前記
三次元立体像信号に基づき掃引することにより、前記交
差位置において発色または着色する前記呈色材が、表示
対象である立体の表面または稜線に沿う像を前記立体像
表示体内に形成させ、さらに前記三次元立体像信号の繰
返し周期が異なる場合に、該三次元立体像信号の繰返し
周期に対応して前記所定掃引距離を変更することによ
り、形成される前記立体像の表示領域の寸法を一定とす
るか、または前記三次元立体像信号の繰返し周期に対応
して、前記形成される前記立体像の表示領域の寸法を変
更することにより、前記所定掃引距離を一定とする精細
度制御手段を備える構成としたことを特徴とする。
【0105】前記の構成によれば、ライン状レーザ光ビ
ームが採用されることにより、高精細度の立体像の描像
がなされる。さらに非直交で掃引がなされるから、各ラ
イン状レーザ光ビームの光源等が立体像表示体の同じ面
側に集中して設置されることにより、光源等の障害がな
く広い位置からの描像された立体像の観察がなされる。
【0106】さらに、立体の表面または稜線に沿った掃
引がなされるから、立体像表示体内の全ての位置を掃引
する必要がなく、描像時間が短縮される。
【0107】さらに、周期の長い三次元立体像信号や、
繰り返し周期の短い三次元立体像信号が入力されると、
その周期に応じて掃引距離が変更され、よって形成され
る立体像の寸法が所望値となる。
【0108】または、周期の長い三次元立体像信号や、
繰り返し周期の短い三次元立体像信号が入力されると、
その周期に応じて立体像が表示される領域の寸法が変更
されて所定掃引距離での描画がなされ、よって描像の精
細度が所望値となる。
【0109】または本発明に係る三次元立体像表示方法
は、出射光の光路方向断面が一次元方向に拡がりを有す
る一本の帯状レーザ光ビーム及び、出射光が光路方向に
ラインを形成する一本のライン状レーザ光ビームを少な
くとも用い、該各レーザ光ビームのうち少なくとも一本
を、立体を構成する各部分の位置情報を含む三次元立体
像信号に基づいて光強度変調し、前記各レーザ光ビーム
の光路を制御して、前記ライン状レーザ光ビームが、前
記帯状レーザ光ビームによって光路方向に形成される帯
状平面と同一平面上にあり、且つ該帯状レーザ光ビーム
を貫いて交差するようにし、前記交差部分が、三次元方
向に拡がりを有する立体像表示体の内部の所望の各位置
を照射するとともに、該各交差部分における光エネルギ
により、前記立体像表示体の内部に三次元方向に分布さ
れている気体または液体または固体、またはこれらの組
み合わせで構成された呈色材を照射して発色または着色
させ、ついで前記各レーザ光ビームのうちの少なくとも
一本の光路を制御して、交差位置に係る像歪みを補正
し、さらに前記交差部分を前記帯状レーザ光ビームの光
路方向と、さらに該光路方向及び前記ライン状レーザ光
ビームの光路方向または光路と逆方向に対し直角方向
に、夫々所定距離だけ掃引して多層の掃引面を形成さ
せ、よって複数の掃引面が層状に重ねられた立体像表示
領域を前記立体像表示体の内部に形成させることを特徴
とする。
【0110】前記の方法によれば、帯状レーザ光ビーム
が適用されることにより、このレーザ光ビームの掃引は
一軸方向のみとなり、よって掃引が簡素化される。
【0111】また、ライン状レーザ光ビームが帯状レー
ザ光ビームによって光路方向に形成される帯状平面と同
一平面上にあり、且つ帯状レーザ光ビームを貫いて交差
する構成となるから、このレーザ光ビームの掃引は二軸
方向のみとなり、よって掃引が簡素化される。
【0112】さらに、直交三軸方向へ位置設定する構成
であるから、立体像表示体内の任意の位置のアクセスが
高精度でなされる。
【0113】また、複数の掃引面が層状に重ねられた立
体像表示領域を形成することにより、複雑な形状の像
や、表示されるべき像が複数個、独立して立体像表示体
中に離れて分散して存在する場合などでも、描像時間が
一定になる。
【0114】あるいは、前記の三次元立体像表示方法
が、像の繰返し周期の異なる三次元立体像信号が適用さ
れる際において、該三次元立体像信号の繰返し周期に対
応して、前記帯状レーザ光ビームの光路方向への所定掃
引距離と、さらに該光路方向及び前記ライン状レーザ光
ビームの光路方向または光路と逆方向に対し直角方向へ
の所定掃引距離のうち、少なくとも一方を変更すること
により、形成される前記立体像表示領域の寸法を所望値
とするか、または三次元立体像信号の繰返し周期に対応
して、前記形成される前記立体像表示領域の寸法を変更
することにより、前記各所定掃引距離の少なくとも一方
を所望値とする場合は、繰り返し周期の長い三次元立体
像信号や、繰り返し周期の短い三次元立体像信号が入力
された際に、その周期に応じて掃引距離が変更され、所
定の表示領域に描像がなされて、形成される立体像表示
領域の寸法が所望値となる。
【0115】または、繰り返し周期の長い三次元立体像
信号や、繰り返し周期の短い三次元立体像信号が入力さ
れた際に、その周期に応じて立体像表示領域の寸法が変
更され、所定掃引距離で描画がなされて、描像の精細度
が所望値となる。
【0116】または本発明に係る三次元立体像表示装置
は、少なくとも一基のレーザ発振器および、前記レーザ
発振器を駆動させる駆動回路を備え、進行方向の異なる
少なくとも二本のレーザ光ビームを発射する光源と、前
記少なくとも一基のレーザ発振器の出力を、立体を構成
する各部分の位置情報を含む三次元立体像信号に基づい
て光強度変調するか、または前記少なくとも二本のレー
ザ光ビームの少なくとも一本の光強度を前記三次元立体
像信号に基づいて変調する変調手段と、前記各レーザ光
ビームの光路の交差部分によって内部が照射され、該交
差部分に照射されることで発色または着色する気体また
は液体または固体、またはこれらの組み合わせで構成さ
れた呈色材が三次元方向に分布された立体像表示体と、
前記少なくとも二本のレーザ光ビームの各光路を制御し
て、前記各レーザ光ビームを前記立体像表示体中の所望
の位置において交差させるとともに、前記交差位置を移
動させる掃引機能を備える光路制御手段とを備え、且
つ、前記少なくとも二本のレーザ光ビームは、出射光の
光路方向断面が一次元方向に拡がりを有する帯状レーザ
光ビームと、出射光が光路方向にラインを形成するライ
ン状レーザ光ビームを含んで構成され、前記変調手段は
前記両レーザ光ビーム中の少なくとも一方を、前記三次
元立体像信号に基づいて光強度変調し、前記光路制御手
段は、前記各レーザ光ビームのうちの少なくとも一本の
光路を制御して、交差位置に係る像歪みを補正し、さら
に前記各レーザ光ビームの光路を制御して、前記ライン
状レーザ光ビームが、前記帯状レーザ光ビームによって
光路方向に形成される帯状平面と同一平面上にあり、且
つ該帯状レーザ光ビームを貫いて交差するよう制御する
とともに、前記交差部分を前記帯状レーザ光ビームの光
路方向と、さらに該光路方向及び前記ライン状レーザ光
ビームの光路方向または光路と逆方向に対し直角方向に
夫々所定距離だけ掃引して複数の掃引面を形成させ、よ
って複数の掃引面が層状に重ねられた立体像表示領域を
前記立体像表示体の内部に形成させる構成としたことを
特徴とする。
【0117】前記の構成によれば、帯状レーザ光ビーム
を用いることにより、このレーザ光ビームの掃引は一軸
方向へ限定され、よって光路制御手段の掃引機構の簡素
化がなされる。
【0118】また、ライン状レーザ光ビームが帯状レー
ザ光ビームによって光路方向に形成される帯状平面と同
一平面上にあり、且つ帯状レーザ光ビームを貫いて交差
する構成となるから、このレーザ光ビームの掃引は二軸
方向へ限定され、よって光路制御手段の掃引機構の簡素
化がなされる。
【0119】さらに、直交三軸方向へ位置設定される構
成であるから、立体像表示体内の任意の位置のアクセス
が高精度でなされる。
【0120】また、複数の掃引面が層状に重ねられて立
体像表示領域が形成されることにより、表示されるべき
像が複数個、立体像表示体中に離れて分散して存在する
場合などでも描像時間が一定になる。
【0121】あるいは前記の三次元立体像表示装置が精
細度制御手段を備え、該精細度制御手段は、像の繰返し
周期が異なる複数の三次元立体像信号の内のいずれかが
前記三次元立体像信号として適用される際において、該
三次元立体像信号の種類を特定する信号または同期信号
の周期に基づき像の繰返し周期を検出するとともに、該
像の繰返し周期及び前記立体像表示体の寸法に対応し
て、前記帯状レーザ光ビームの光路方向への所定掃引距
離と、該光路方向及び前記ライン状レーザ光ビームの光
路方向または光路と逆方向に対し直角方向への所定掃引
距離のうち少なくとも一方を変更することにより、形成
される前記立体像表示領域の寸法を所望値とするか、ま
たは三次元立体像信号の繰返し周期に対応して、前記立
体像表示体内に形成される前記立体像表示領域の寸法を
変更することにより、前記所定掃引距離のうち少なくと
も一つを所望値とする構成にする場合は、繰り返し周期
の長い三次元立体像信号や、繰り返し周期の短い三次元
立体像信号が入力された際に、その周期に応じて掃引距
離が変更され、所定の表示領域に描像がなされて、形成
される立体像表示領域の寸法が所望値となる。
【0122】または、繰り返し周期の長い三次元立体像
信号や、繰り返し周期の短い三次元立体像信号が入力さ
れた際に、その周期に応じて立体像表示領域の寸法が変
更されることにより、所定掃引距離で描画がなされ、よ
って描像の精細度が所望値となる。
【0123】または本発明に係る三次元立体像表示方法
は、出射光の光路方向断面が一次元方向に拡がりを有す
る一本の帯状レーザ光ビーム及び、出射光が光路方向に
ラインを形成する一本のライン状レーザ光ビームを少な
くとも用い、該各レーザ光ビームのうち少なくとも一本
を、立体を構成する各部分の位置情報を含む三次元立体
像信号に基づいて光強度変調し、前記各レーザ光ビーム
の光路を制御して、前記ライン状レーザ光ビームが、前
記帯状レーザ光ビームによって光路方向に形成される帯
状平面と鉛直方向に該帯状レーザ光ビームを貫いて交差
するようにし、前記交差点が、三次元方向に拡がりを有
する立体像表示体の内部の所望の各位置を照射するとと
もに、該各交差部分における光エネルギにより、前記立
体像表示体の内部に三次元方向に分布されている気体ま
たは液体または固体、またはこれらの組み合わせで構成
された呈色材を照射して発色または着色させ、ついで前
記各レーザ光ビームのうちの少なくとも一本の光路を制
御して、交差位置に係る像歪みを補正し、さらに前記交
差点を前記帯状レーザ光ビームを横切る方向に掃引して
一次元像を形成し、前記交差点を少なくとも前記帯状レ
ーザ光ビームの光路方向に所定距離だけ移動後に、また
は移動させつつ前記掃引を反復して前記一次元像の集合
で成る一層の掃引面を形成させ、且つ前記交差点を前記
帯状レーザ光ビームの帯状平面と鉛直方向に所定距離だ
け移動後に、または移動させつつ前記掃引を反復して前
記掃引面の集合で成る立体表示領域を前記立体像表示体
の内部に形成させることを特徴とする。
【0124】前記の方法によれば、帯状レーザ光ビーム
が適用されることにより、このレーザ光ビームの掃引は
一軸方向のみとなり、よって掃引が簡素化される。
【0125】さらに、直交三軸方向へ位置設定する構成
であるから、立体像表示体内の任意の位置のアクセスが
高精度でなされる。
【0126】また、複数の掃引面が層状に重ねられた立
体像表示領域を形成することにより、複雑な形状の像
や、表示されるべき像が複数個、独立して立体像表示体
中に離れて分散して存在する場合などでも、描像時間が
一定になる。
【0127】あるいは、前記の三次元立体像表示方法
が、像の繰返し周期の異なる三次元立体像信号が適用さ
れる際において、該三次元立体像信号の繰返し周期に対
応して前記帯状レーザ光ビームの光路方向への所定移動
距離と、前記帯状レーザ光ビームの帯状平面と鉛直方向
への所定移動距離のうち少なくとも一方を変更すること
により、形成される前記立体像表示領域の寸法を所望値
とするか、または三次元立体像信号の繰返し周期に対応
して、前記形成される前記立体像表示領域の寸法を変更
することにより、前記各所定移動距離の少なくとも一方
を所望値とする場合は、繰り返し周期の長い三次元立体
像信号や、繰り返し周期の短い三次元立体像信号が入力
された際に、その周期に応じて掃引距離が変更され、所
定の表示領域に描像がなされて、形成される立体像表示
領域の寸法が所望値となる。
【0128】または、繰り返し周期の長い三次元立体像
信号や、繰り返し周期の短い三次元立体像信号が入力さ
れた際に、その周期に応じて立体像表示領域の寸法が変
更され、所定掃引距離で描画がなされて、描像の精細度
が所望値となる。
【0129】または本発明に係る三次元立体像表示装置
は、少なくとも一基のレーザ発振器および、前記レーザ
発振器を駆動させる駆動回路を備え、進行方向の異なる
少なくとも二本のレーザ光ビームを発射する光源と、前
記少なくとも一基のレーザ発振器の出力を、立体を構成
する各部分の位置情報を含む三次元立体像信号に基づい
て光強度変調するか、または前記少なくとも二本のレー
ザ光ビームの少なくとも一本の光強度を前記三次元立体
像信号に基づいて変調する変調手段と、前記各レーザ光
ビームの光路の交差部分によって内部が照射され、該交
差部分に照射されることで発色または着色する気体また
は液体または固体、またはこれらの組み合わせで構成さ
れた呈色材が三次元方向に分布された立体像表示体と、
前記少なくとも二本のレーザ光ビームの各光路を制御し
て、前記各レーザ光ビームを前記立体像表示体中の所望
の位置において交差させるとともに、前記交差位置を移
動させる掃引機能を備える光路制御手段とを備え、且
つ、前記少なくとも二本のレーザ光ビームは、出射光の
光路方向断面が一次元方向に拡がりを有する帯状レーザ
光ビームと、出射光が光路方向にラインを形成するライ
ン状レーザ光ビームを含んで構成され、前記変調手段は
前記両レーザ光ビーム中の少なくとも一方を、前記三次
元立体像信号に基づいて光強度変調し、前記光路制御手
段は、前記各レーザ光ビームのうちの少なくとも一本の
光路を制御して、交差位置に係る像歪みを補正し、さら
に前記各レーザ光ビームの光路を制御して、前記ライン
状レーザ光ビームが、前記帯状レーザ光ビームによって
光路方向に形成される帯状平面に鉛直に該帯状レーザ光
ビームを貫いて交差するよう制御するとともに、前記交
差点を前記帯状レーザ光ビームを横切る方向に掃引して
一次元像を形成させ、前記交差点を少なくとも前記帯状
レーザ光ビームの光路方向に所定距離だけ移動後に、ま
たは移動させつつ前記掃引を反復して前記一次元像の集
合で成る一層の掃引面を形成させ、且つ前記交差点を前
記帯状レーザ光ビームの帯状平面と鉛直方向に所定距離
だけ移動後に、または移動させつつ前記掃引を反復して
前記掃引面の集合で成る立体表示領域を前記立体像表示
体の内部に形成させる構成としたことを特徴とする。
【0130】前記の構成によれば、帯状レーザ光ビーム
を用いることにより、このレーザ光ビームの掃引は一軸
方向へ限定され、よって光路制御手段の掃引機構の簡素
化がなされる。
【0131】さらに、直交三軸方向へ位置設定される構
成であるから、立体像表示体内の任意の位置のアクセス
が高精度でなされる。
【0132】また、複数の掃引面が層状に重ねられて立
体像表示領域が形成されることにより、表示されるべき
像が複数個、立体像表示体中に離れて分散して存在する
場合などでも描像時間が一定になる。
【0133】あるいは、前記の三次元立体像表示装置構
成が精細度制御手段を備え、該精細度制御手段は、像の
繰返し周期が異なる複数の三次元立体像信号の内のいず
れかが前記三次元立体像信号として適用される場合に、
該三次元立体像信号の種類を特定する信号または同期信
号の周期に基づき像の繰返し周期を検出するとともに、
該像の繰返し周期及び前記立体像表示体の寸法に対応し
て、前記帯状レーザ光ビームの光路方向への前記所定移
動距離と、前記帯状レーザ光ビームの帯状平面と鉛直方
向への前記所定移動距離のうち少なくとも一方を変更す
ることにより、形成される前記立体像表示領域の寸法を
所望値とするか、または三次元立体像信号の繰返し周期
に対応して、前記立体像表示体内に形成される前記立体
像表示領域の寸法を変更することにより、前記所定移動
距離のうち少なくとも一方を所望値とする構成とする場
合は、繰り返し周期の長い三次元立体像信号や、繰り返
し周期の短い三次元立体像信号が入力された際に、その
周期に応じて掃引距離が変更され、所定の表示領域に描
像がなされて、形成される立体像表示領域の寸法が所望
値となる。
【0134】または、繰り返し周期の長い三次元立体像
信号や、繰り返し周期の短い三次元立体像信号が入力さ
れた際に、その周期に応じて立体像表示領域の寸法が変
更されることにより、所定掃引距離で描画がなされ、よ
って描像の精細度が所望値となる。
【0135】または本発明に係る三次元立体像表示方法
は、出射光の光路方向断面が一次元方向に拡がりを有す
る一本の帯状レーザ光ビーム及び、出射光が光路方向に
ラインを形成する一本のライン状レーザ光ビームを少な
くとも用い、該各レーザ光ビームのうち少なくとも一本
を、表示対象である立体の表面または稜線に沿った三次
元立体像信号に基づいて光強度変調し、前記各レーザ光
ビームの光路を制御して、前記ライン状レーザ光ビーム
が、前記帯状レーザ光ビームによって光路方向に形成さ
れる帯状平面と鉛直方向に該帯状レーザ光ビームを貫い
て交差するようにし、前記交差部分が、三次元方向に拡
がりを有する立体像表示体の内部の所望の各位置を照射
するとともに、該各交差部分における光エネルギによ
り、前記立体像表示体の内部に三次元方向に分布されて
いる気体または液体または固体、またはこれらの組み合
わせで構成された呈色材を照射して発色または着色さ
せ、ついで前記各レーザ光ビームのうちの少なくとも一
本の光路を制御して、交差位置に係る像歪みを補正し、
さらに前記各レーザ光ビームの交差点を前記三次元立体
像信号に基づき所定掃引距離だけ掃引して、前記交差点
において発色または着色する前記呈色材が、表示対象で
ある立体の表面または稜線に沿う立体像の表示領域を前
記立体像表示体内に形成させ、前記三次元立体像信号の
繰返し周期が異なる場合に、該三次元立体像信号の繰返
し周期に対応して前記所定掃引距離を変更することによ
り、形成される前記立体像の表示領域の寸法を所望値と
するか、または前記三次元立体像信号の繰返し周期に対
応して、前記形成される前記立体像の表示領域の寸法を
変更することにより、前記所定掃引距離を所望値とする
ことを特徴とする。
【0136】前記の方法によれば、帯状レーザ光ビーム
は断面である一次元方向に同時に像を形成するから、し
たがって帯状レーザ光ビームは一軸方向への掃引のみが
なされ、その掃引周期が長くなることにより掃引が簡素
化される。またライン状レーザ光ビームが直交すること
により、高精細度の立体像の描像がなされる。
【0137】さらに、立体の表面または稜線に沿う掃引
により、立体像のみにつき掃引が実行され、立体像表示
体内の全ての位置を掃引する必要がなく、よって描像時
間が短縮される。
【0138】さらに、周期の長い三次元立体像信号や、
繰り返し周期の短い三次元立体像信号が入力された際
に、その周期に応じて掃引距離が変更されることによ
り、形成される立体像の寸法が所望値となる。
【0139】または、周期の長い三次元立体像信号や、
繰り返し周期の短い三次元立体像信号が入力された際
に、その周期に応じて立体像が表示される領域の寸法が
変更されることにより、所定掃引距離で描画がなされ、
よって描像の精細度が所望値となる。
【0140】または本発明に係る三次元立体像表示装置
は、少なくとも一基のレーザ発振器および、前記レーザ
発振器を駆動させる駆動回路を備え、進行方向の異なる
少なくとも二本のレーザ光ビームを発射する光源と、前
記少なくとも一基のレーザ発振器の出力を、表示対象で
ある立体の表面または稜線に沿った位置情報によって構
成された三次元立体像信号に基づいて光強度変調する
か、または前記少なくとも二本のレーザ光ビームの少な
くとも一本の光強度を前記三次元立体像信号に基づいて
変調する変調手段と、前記各レーザ光ビームの光路の交
差部分によって内部が照射され、該交差部分に照射され
ることで発色または着色する気体または液体または固
体、またはこれらの組み合わせで構成された呈色材が三
次元方向に分布された立体像表示体と、前記少なくとも
二本のレーザ光ビームの各光路を制御して、前記各レー
ザ光ビームを前記立体像表示体中の所望の位置において
交差させるとともに、前記交差位置を移動させる掃引機
能を備える光路制御手段と、を備え、且つ、前記少なく
とも二本のレーザ光ビームは、出射光の光路方向断面が
一次元方向に拡がりを有する帯状レーザ光ビームと、出
射光が光路方向にラインを形成するライン状レーザ光ビ
ームを含んで構成され、前記光路制御手段は、前記両レ
ーザ光ビームの光路を制御して前記ライン状レーザ光ビ
ームが、前記帯状レーザ光ビームによって光路方向に形
成される帯状平面と鉛直方向に該帯状レーザ光ビームを
貫いて交差するよう制御し、且つ前記光路制御手段が前
記各レーザ光ビームのうちの少なくとも一本の光路を制
御して、交差位置に係る像歪みを補正し、さらに前記交
差位置を前記三次元立体像信号に基づき所定掃引距離だ
け掃引することにより、前記交差位置において発色また
は着色する前記呈色材が、表示対象である立体の表面ま
たは稜線に沿う立体像の表示領域を前記立体像表示体内
に形成させ、さらに前記三次元立体像信号の繰返し周期
が異なる場合に、該三次元立体像信号の解像の繰返し周
期に対応して前記所定掃引距離を変更することにより、
形成される前記立体像の表示領域の寸法を所望値とする
か、または前記三次元立体像信号の繰返し周期に対応し
て、前記形成される前記立体像の表示領域の寸法を変更
することにより、前記所定掃引距離を所望値とする精細
度制御手段を備える構成としたことを特徴とする。
【0141】前記の構成によれば、帯状レーザ光ビーム
は断面である一次元方向に同時に像を形成するから、し
たがって光路制御手段により帯状レーザ光ビームの一軸
方向への掃引がなされ、その掃引周期が長くなることに
より掃引機構が簡素化される。またライン状レーザ光ビ
ームが直交することにより、高精細度の立体像の描像が
なされる。
【0142】さらに、立体の表面または稜線に沿う掃引
により、立体像のみにつき掃引が実行され、立体像表示
体内の全ての位置の掃引の必要がなく、よって描像時間
が短縮される。
【0143】さらに、周期の長い三次元立体像信号や、
繰り返し周期の短い三次元立体像信号が入力された際
に、精細度制御手段によりその周期に応じて掃引距離が
変更され、よって形成される立体像の寸法が所望値とな
る。
【0144】または、周期の長い三次元立体像信号や、
繰り返し周期の短い三次元立体像信号が入力された際
に、精細度制御手段によりその周期に応じて立体像が表
示される領域の寸法が変更され、よって所定掃引距離で
描画がなされて描像の精細度が所望値となる。
【0145】または本発明に係る三次元立体像表示方法
は、出射光の光路方向断面が一次元方向に拡がりを有す
る一本の帯状レーザ光ビーム及び、出射光が光路方向に
ラインを形成する一本のライン状レーザ光ビームを少な
くとも用い、該各レーザ光ビームのうち少なくとも一本
を、立体を構成する各部分の位置情報を含む三次元立体
像信号に基づいて光強度変調し、前記各レーザ光ビーム
の光路を制御して、前記ライン状レーザ光ビームが、前
記帯状レーザ光ビームによって光路方向に形成される帯
状平面に θ<86° の範囲にある角度θで交差するようにし、前記交差点
が、三次元方向に拡がりを有する立体像表示体の内部の
所望の各位置を照射するとともに、該各交差点における
光エネルギにより、前記立体像表示体の内部に三次元方
向に分布されている気体または液体または固体、または
これらの組み合わせで構成された呈色材を照射して発色
または着色させ、ついで前記各レーザ光ビームのうちの
少なくとも一本の光路を制御して、交差位置に係る像歪
みを補正し、さらに前記交差点を前記帯状レーザ光ビー
ムを横切る方向に掃引して一次元像を形成し、前記交差
点を少なくとも前記帯状レーザ光ビームの光路方向に所
定距離だけ移動後に、または移動させつつ前記掃引を反
復して前記一次元像の集合で成る一層の掃引面を形成さ
せ、且つ前記交差点を前記帯状レーザ光ビームの帯状平
面と鉛直方向に所定距離だけ移動後に、または移動させ
つつ前記掃引を反復して前記掃引面の集合で成る立体表
示領域を前記立体像表示体の内部に形成させることを特
徴とする。
【0146】前記の方法によれば、帯状レーザ光ビーム
及びライン状レーザ光ビームが所定距離だけ移動され、
または移動しつつ掃引されることにより、三軸方向の高
精細度の立体像の描像がなされる。
【0147】また、帯状レーザ光ビームは断面である一
次元方向に同時に像を形成するから、帯状レーザ光ビー
ムは一軸方向へのみ掃引され、よってその掃引周期が長
くなることで掃引が簡素化される。
【0148】さらに、非直交で掃引する構成であるか
ら、各レーザ光ビームが同じ側から照射され、よって広
い位置からの、描像された立体像の観察がなされる。
【0149】また、直交三軸方向へ位置設定されるか
ら、立体像表示体内の任意の位置のアクセスが高精度で
なされる。さらに、複数の掃引面が層状に重ねられた立
体像表示領域が形成されることにより、複雑な形状の像
や、表示されるべき像が複数個、独立して立体像表示体
中に離れて分散して存在する場合などでも、描像時間が
一定になる。
【0150】あるいは、前記の三次元立体像表示方法
が、像の繰返し周期の異なる三次元立体像信号が適用さ
れる際において、該三次元立体像信号の繰返し周期に対
応して、前記帯状レーザ光ビームの光路方向への所定移
動距離と、前記帯状レーザ光ビームの帯状平面と鉛直方
向への所定移動距離のうち少なくとも一方を変更するこ
とにより、形成される前記立体像表示領域の寸法を所望
値とするか、または三次元立体像信号の繰返し周期に対
応して、前記形成される前記立体像表示領域の寸法を変
更することにより、前記各所定移動距離の少なくとも一
方を所望値とするものである場合は、繰り返し周期の長
い三次元立体像信号や、繰り返し周期の短い三次元立体
像信号が入力された際に、その周期に応じて掃引距離が
変更され、所定の表示領域に描像がなされて、形成され
る立体像表示領域の寸法が所望値となる。
【0151】または、繰り返し周期の長い三次元立体像
信号や、繰り返し周期の短い三次元立体像信号が入力さ
れた際に、その周期に応じて立体像表示領域の寸法が変
更され、所定掃引距離で描画がなされて、描像の精細度
が所望値となる。
【0152】または本発明に係る三次元立体像表示装置
は、少なくとも一基のレーザ発振器および、前記レーザ
発振器を駆動させる駆動回路を備え、進行方向の異なる
少なくとも二本のレーザ光ビームを発射する光源と、前
記少なくとも一基のレーザ発振器の出力を、立体を構成
する各部分の位置情報を含む三次元立体像信号に基づい
て光強度変調するか、または前記少なくとも二本のレー
ザ光ビームの少なくとも一本の光強度を前記三次元立体
像信号に基づいて変調する変調手段と、前記各レーザ光
ビームの光路の交差部分によって内部が照射され、該交
差部分に照射されることで発色または着色する気体また
は液体または固体、またはこれらの組み合わせで構成さ
れた呈色材が三次元方向に分布された立体像表示体と、
前記少なくとも二本のレーザ光ビームの各光路を制御し
て、前記各レーザ光ビームを前記立体像表示体中の所望
の位置において交差させるとともに、前記交差位置を移
動させる掃引機能を備える光路制御手段とを備え、且
つ、前記少なくとも二本のレーザ光ビームは、出射光の
光路方向断面が一次元方向に拡がりを有する帯状レーザ
光ビームと、出射光が光路方向にラインを形成するライ
ン状レーザ光ビームを含んで構成され、前記変調手段は
前記両レーザ光ビーム中の少なくとも一方を、前記三次
元立体像信号に基づいて光強度変調し、前記光路制御手
段は、前記各レーザ光ビームのうちの少なくとも一本の
光路を制御して、交差位置に係る像歪みを補正し、さら
に前記各レーザ光ビームの光路を制御して、前記ライン
状レーザ光ビームが、前記帯状レーザ光ビームによって
光路方向に形成される帯状平面に θ<86° の範囲にある角度θで交差するよう制御するとともに、
前記交差点を前記帯状レーザ光ビームを横切る方向に掃
引して一次元像を形成させ、前記交差点を少なくとも前
記帯状レーザ光ビームの光路方向に所定距離だけ移動後
に、または移動させつつ前記掃引を反復して前記一次元
像の集合で成る一層の掃引面を形成させ、且つ前記交差
点を前記帯状レーザ光ビームの帯状平面と鉛直方向に所
定距離だけ移動後に、または移動させつつ前記掃引を反
復して前記掃引面の集合で成る立体表示領域を前記立体
像表示体の内部に形成させる構成としたことを特徴とす
る。
【0153】前記の構成によれば、光路制御手段によっ
て帯状レーザ光ビームとライン状レーザ光ビームが掃引
されることで、三軸方向の高精細度の立体像の描像がな
される。また、帯状レーザ光ビームは断面である一次元
方向に同時に像を形成するから、帯状レーザ光ビームは
一軸方向への掃引のみがなされ、その掃引周期が長くな
ることで光路制御手段の掃引機構が簡素化される。
【0154】さらに、二本のレーザ光ビームが非直交の
状態として光路制御手段により掃引されるから、各レー
ザ光ビームの光源等が立体像表示体の同じ面側に集中し
て設置され、よって光源等の障害がない広い位置から
の、描像された立体像の観察がなされる。
【0155】また光路制御手段によって直交三軸方向へ
位置設定されるから、立体像表示体内の任意の位置のア
クセスが高精度でなされる。また、複数の掃引面が層状
に重ねられた立体像表示領域が形成されることで、複雑
な形状の像や、表示されるべき像が複数個、独立して立
体像表示体中に離れて分散して存在する場合などでも描
像時間が一定なる。
【0156】あるいは、前記の三次元立体像表示装置が
精細度制御手段を備え、該精細度制御手段は、像の繰返
し周期が異なる複数の三次元立体像信号の内のいずれか
が前記三次元立体像信号として適用される場合に、該三
次元立体像信号の種類を特定する信号または同期信号の
周期に基づき像の繰返し周期を検出するとともに、該像
の繰返し周期及び前記立体像表示体の寸法に対応して、
前記帯状レーザ光ビームの光路方向への前記所定移動距
離と、前記帯状レーザ光ビームの帯状平面と鉛直方向へ
の前記所定移動距離のうち少なくとも一方を変更するこ
とにより、形成される前記立体像表示領域の寸法を所望
値とするか、または三次元立体像信号の繰返し周期に対
応して、前記立体像表示体内に形成される前記立体像表
示領域の寸法を変更することにより、前記所定移動距離
のうち少なくとも一方を所望値とする構成とする場合
は、繰り返し周期の長い三次元立体像信号や、繰り返し
周期の短い三次元立体像信号が入力された際に、その周
期に応じて掃引距離が変更され、所定の表示領域に描像
がなされて、形成される立体像表示領域の寸法が所望値
となる。
【0157】または、繰り返し周期の長い三次元立体像
信号や、繰り返し周期の短い三次元立体像信号が入力さ
れた際に、その周期に応じて立体像表示領域の寸法が変
更されることにより、所定掃引距離で描画がなされ、よ
って描像の精細度が所望値となる。
【0158】または本発明に係る三次元立体像表示方法
は、出射光の光路方向断面が一次元方向に拡がりを有す
る一本の帯状レーザ光ビーム及び、出射光が光路方向に
ラインを形成する一本のライン状レーザ光ビームを少な
くとも用い、該各レーザ光ビームのうち少なくとも一本
を、表示対象である立体の表面または稜線に沿った三次
元立体像信号に基づいて光強度変調し、前記各レーザ光
ビームの光路を制御して、前記ライン状レーザ光ビーム
が、前記帯状レーザ光ビームによって光路方向に形成さ
れる帯状平面に θ<86° の範囲にある角度θで交差するようにし、前記交差点
が、三次元方向に拡がりを有する立体像表示体の内部の
所望の各位置を照射するとともに、該各交差点における
光エネルギにより、前記立体像表示体の内部に三次元方
向に分布されている気体または液体または固体、または
これらの組み合わせで構成された呈色材を照射して発色
または着色させ、ついで前記各レーザ光ビームのうちの
少なくとも一本の光路を制御して、交差位置に係る像歪
みを補正し、さらに前記各レーザ光ビームの交差点を前
記三次元立体像信号に基づき所定掃引距離だけ掃引し
て、前記交差点において発色または着色する前記呈色材
が、表示対象である立体の表面または稜線に沿う立体像
の表示領域を前記立体像表示体内に形成させ、前記三次
元立体像信号の繰返し周期が異なる場合に、該三次元立
体像信号の繰返し周期に対応して前記所定掃引距離を変
更することにより、形成される前記立体像の表示領域の
寸法を所望値とするか、または前記三次元立体像信号の
繰返し周期に対応して、前記形成される前記立体像の表
示領域の寸法を変更することにより、前記所定掃引距離
を所望値とすることを特徴とする。
【0159】前記の方法によれば、帯状レーザ光ビーム
とライン状レーザ光ビームが所定掃引距離だけ掃引され
ることで、高精細度の立体像の描像がなされる。さら
に、非直交で掃引されるから、各レーザ光ビームが一つ
の方向から集中して出射され、よって光源等の障害がな
く広い位置からの描像された立体像の観察がなされる。
また、各レーザ光ビームを三軸方向に平行に整列させる
必要がないから、掃引が簡素化される。
【0160】さらに、立体の表面または稜線に沿って掃
引されるから、掃引は立体像のみにつき実行されればよ
く、よって立体像表示体内の全ての位置の掃引の必要が
なくなり、描像時間が短縮される。
【0161】さらに、周期の長い三次元立体像信号や、
繰り返し周期の短い三次元立体像信号が入力された際
に、その周期に応じて掃引距離が変更されるから、形成
される立体像の寸法が所望値となる。
【0162】または、周期の長い三次元立体像信号や、
繰り返し周期の短い三次元立体像信号が入力された際
に、その周期に応じて立体像が表示される領域の寸法が
変更されるから、所定掃引距離で描画がなされ、よって
描像の精細度が所望値となる。
【0163】または本発明に係る三次元立体像表示装置
は、少なくとも一基のレーザ発振器および、前記レーザ
発振器を駆動させる駆動回路を備え、進行方向の異なる
少なくとも二本のレーザ光ビームを発射する光源と、前
記少なくとも一基のレーザ発振器の出力を、表示対象で
ある立体の表面または稜線に沿った位置情報によって構
成された三次元立体像信号に基づいて光強度変調する
か、または前記少なくとも二本のレーザ光ビームの少な
くとも一本の光強度を前記三次元立体像信号に基づいて
変調する変調手段と、前記各レーザ光ビームの光路の交
差部分によって内部が照射され、該交差部分に照射され
ることで発色または着色する気体または液体または固
体、またはこれらの組み合わせで構成された呈色材が三
次元方向に分布された立体像表示体と、前記少なくとも
二本のレーザ光ビームの各光路を制御して、前記各レー
ザ光ビームを前記立体像表示体中の所望の位置において
交差させるとともに、前記交差位置を移動させる掃引機
能を備える光路制御手段と、を備え、且つ、前記少なく
とも二本のレーザ光ビームは、出射光の光路方向断面が
一次元方向に拡がりを有する帯状レーザ光ビームと、出
射光が光路方向にラインを形成するライン状レーザ光ビ
ームを含んで構成され、前記光路制御手段は、前記両レ
ーザ光ビームの光路を制御して前記ライン状レーザ光ビ
ームが、前記帯状レーザ光ビームによって光路方向に形
成される帯状平面に θ<86° の範囲にある角度θで交差するよう制御し、且つ前記光
路制御手段が前記各レーザ光ビームのうちの少なくとも
一本の光路を制御して、交差位置に係る像歪みを補正
し、さらに前記交差位置を前記三次元立体像信号に基づ
き所定掃引距離だけ掃引することにより、前記交差位置
において発色または着色する前記呈色材が、表示対象で
ある立体の表面または稜線に沿う立体像の表示領域を前
記立体像表示体内に形成させ、さらに前記三次元立体像
信号の繰返し周期が異なる場合に、該三次元立体像信号
の解像の繰返し周期に対応して前記所定掃引距離を変更
することにより、形成される前記立体像の表示領域の寸
法を所望値とするか、または前記三次元立体像信号の繰
返し周期に対応して、前記形成される前記立体像の表示
領域の寸法を変更することにより、前記所定掃引距離を
所望値とする精細度制御手段を備える構成としたことを
特徴とする。
【0164】前記の構成によれば、帯状レーザ光ビーム
とライン状レーザ光ビームが所定掃引距離だけ掃引され
ることで、高精細度の立体像の描像がなされる。さら
に、非直交で掃引されるから、各レーザ光ビームの光源
等が立体像表示体の同じ面側に集中して設置され、よっ
て光源等の障害がなく広い位置からの描像された立体像
の観察がなされる。また、各レーザ光ビームを三軸方向
に平行に整列させる必要がないから、光学系が簡素化さ
れる。
【0165】さらに、立体の表面または稜線に沿って掃
引されるから、掃引は立体像のみにつき実行されればよ
く、よって立体像表示体内の全ての位置の掃引の必要が
なくなり、描像時間が短縮される。
【0166】さらに、周期の長い三次元立体像信号や、
繰り返し周期の短い三次元立体像信号が入力された際
に、その周期に応じて掃引距離が変更されるから、形成
される立体像の寸法が所望値となる。
【0167】または、周期の長い三次元立体像信号や、
繰り返し周期の短い三次元立体像信号が入力された際
に、その周期に応じて立体像が表示される領域の寸法が
変更されるから、所定掃引距離で描画がなされ、よって
描像の精細度が所望値となる。
【0168】または本発明に係る三次元立体像表示方法
は、出射光の光路方向断面が一次元方向に拡がりを有す
る少なくとも二本の帯状レーザ光ビームを用い、該各レ
ーザ光ビームのうち少なくとも一本を、立体を構成する
各部分の位置情報を含む三次元立体像信号に基づいて光
強度変調し、前記各レーザ光ビームの光路を制御して、
前記二本の帯状レーザ光ビームの光路が 86°≦θ≦90° の範囲にある角度θで交差するようにし、前記交差部分
が、三次元方向に拡がりを有する立体像表示体の内部の
所望の各位置を照射するとともに、該各交差部分におけ
る光エネルギにより、前記立体像表示体の内部に三次元
方向に分布されている気体または液体または固体、また
はこれらの組み合わせで構成された呈色材を照射して発
色または着色させ、ついで前記各レーザ光ビームのうち
の少なくとも一本の光路を制御して、交差位置に係る像
歪みを補正し、さらに前記交差部分を三軸直交座標の一
軸として該交差部分を他の二本の軸方向のうちの少なく
とも一本の軸方向に所定距離だけ掃引して複数の掃引面
を形成させ、よって複数の掃引面が層状に重ねられた立
体像表示領域を前記立体像表示体の内部に形成させるこ
とを特徴とする。
【0169】前記の方法によれば、各帯状レーザ光ビー
ムは、断面である一次元方向に同時に像を形成するか
ら、各帯状レーザ光ビームの該方向への掃引が省略さ
れ、よって各帯状レーザ光ビームの掃引すべき軸方向の
削減がなされる。この結果、掃引周期が長くなり、掃引
の簡素化がなされる。
【0170】このように、二本の帯状レーザ光ビームの
交差部分が所定距離だけ掃引されることによって直交三
軸方向の位置設定がなされ、立体像表示体内の任意の位
置のアクセスが高精度でなされる。
【0171】さらに、複数の掃引面が層状に重ねられた
立体像表示領域の形成により、複雑な形状の像や、表示
されるべき像が複数個、独立して立体像表示体中に離れ
て分散して存在する場合などでも、描像時間が一定にな
る。
【0172】あるいは、前記の三次元立体像表示方法
が、像の繰返し周期の異なる三次元立体像信号が適用さ
れる際において、該三次元立体像信号の繰返し周期に対
応して、前記交差部分を前記二本の軸方向に夫々掃引す
る前記所定掃引距離のうち少なくとも一方を変更するこ
とにより、形成される前記立体像表示領域の寸法を所望
値とするか、または三次元立体像信号の繰返し周期に対
応して、前記形成される前記立体像表示領域の寸法を変
更することにより、前記各所定掃引距離の少なくとも一
方を所望値とするものである場合は、繰り返し周期の長
い三次元立体像信号や、繰り返し周期の短い三次元立体
像信号が入力された際に、その周期に応じて掃引距離が
変更され、所定の表示領域に描像がなされて、形成され
る立体像表示領域の寸法が所望値となる。
【0173】または、繰り返し周期の長い三次元立体像
信号や、繰り返し周期の短い三次元立体像信号が入力さ
れた際に、その周期に応じて立体像表示領域の寸法が変
更され、所定掃引距離で描画がなされて、描像の精細度
が所望値となる。
【0174】または本発明に係る三次元立体像表示装置
は、少なくとも一基のレーザ発振器および、前記レーザ
発振器を駆動させる駆動回路を備え、進行方向の異なる
少なくとも二本のレーザ光ビームを発射する光源と、前
記少なくとも一基のレーザ発振器の出力を、立体を構成
する各部分の位置情報を含む三次元立体像信号に基づい
て光強度変調するか、または前記少なくとも二本のレー
ザ光ビームの少なくとも一本の光強度を前記三次元立体
像信号に基づいて変調する変調手段と、前記各レーザ光
ビームの光路の交差部分によって内部が照射され、該交
差部分に照射されることで発色または着色する気体また
は液体または固体、またはこれらの組み合わせで構成さ
れた呈色材が三次元方向に分布された立体像表示体と、
前記少なくとも二本のレーザ光ビームの各光路を制御し
て、前記各レーザ光ビームを前記立体像表示体中の所望
の位置において交差させるとともに、前記交差位置を移
動させる掃引機能を備える光路制御手段とを備え、且
つ、前記レーザ光ビームは各々の出射光の光路方向断面
が一次元方向に拡がりを有する少なくとも二本の帯状レ
ーザ光ビームを含んで構成され、前記変調手段は前記両
レーザ光ビーム中の少なくとも一方を、前記三次元立体
像信号に基づいて光強度変調し、前記光路制御手段は、
前記各レーザ光ビームのうちの少なくとも一本の光路を
制御して、交差位置に係る像歪みを補正し、且つ前記各
レーザ光ビームの光路を制御して、前記二本の帯状レー
ザ光ビームが 86°≦θ≦90° の範囲にある角度θで交差するよう制御し、且つ前記交
差部分を三軸直交座標の一軸として該交差部分を他の二
本の軸方向のうちの少なくとも一本の軸方向に所定距離
だけ掃引して複数の掃引面を形成させ、よって複数の掃
引面が層状に重ねられた立体像表示領域を前記立体像表
示体の内部に形成させる構成としたことを特徴とする。
【0175】前記の構成によれば、各帯状レーザ光ビー
ムはその断面である一次元方向に同時に像を形成するか
ら、各帯状レーザ光ビームの該方向への掃引が省略さ
れ、よって各帯状レーザ光ビームの掃引すべき軸方向が
削減される。この結果、掃引周期が長くなり、光路制御
手段の掃引機構が簡素化される。
【0176】このように、二本の帯状レーザ光ビームの
交差部分を所定距離だけ掃引して直交三軸方向の位置設
定がなされるから、立体像表示体内の任意の位置のアク
セスが高精度でなされる。
【0177】さらに、複数の掃引面が層状に重ねられた
立体像表示領域が形成されることにより、複雑な形状の
像や、表示されるべき像が複数個、独立して立体像表示
体中に離れて分散して存在する場合などであっても、描
像時間が一定になる。
【0178】あるいは、前記の三次元立体像表示装置が
精細度制御手段を備え、該精細度制御手段は、像の繰返
し周期が異なる複数の三次元立体像信号の内のいずれか
が前記三次元立体像信号として適用される場合に、該三
次元立体像信号の種類を特定する信号または同期信号の
周期に基づき像の繰返し周期を検出するとともに、該像
の繰返し周期及び前記立体像表示体の寸法に対応して、
前記交差部分を前記二本の軸方向に夫々掃引する前記所
定掃引距離のうち少なくとも一方を変更することによ
り、形成される前記立体像表示領域の寸法を所望値とす
るか、または三次元立体像信号の繰返し周期に対応し
て、前記立体像表示体内に形成される前記立体像表示領
域の寸法を変更することにより、前記所定掃引距離のう
ち少なくとも一方を所望値とする構成の場合は、繰り返
し周期の長い三次元立体像信号や、繰り返し周期の短い
三次元立体像信号が入力された際に、その周期に応じて
掃引距離が変更され、所定の表示領域に描像がなされ
て、形成される立体像表示領域の寸法が所望値となる。
【0179】または、繰り返し周期の長い三次元立体像
信号や、繰り返し周期の短い三次元立体像信号が入力さ
れた際に、その周期に応じて立体像表示領域の寸法が変
更されることにより、所定掃引距離で描画がなされ、よ
って描像の精細度が所望値となる。
【0180】または本発明に係る三次元立体像表示方法
は、各々の出射光の光路方向断面が一次元方向に拡がり
を有する少なくとも二本の帯状レーザ光ビームを用い、
該各レーザ光ビームのうち少なくとも一本を、立体を構
成する各部分の位置情報を含む三次元立体像信号に基づ
いて光強度変調し、前記各レーザ光ビームの光路を制御
して、前記二本の帯状レーザ光ビームの光路が θ<86° の範囲にある角度θで交差するようにし、前記交差部分
が、三次元方向に拡がりを有する立体像表示体の内部の
所望の各位置を照射するとともに、該各交差部分におけ
る光エネルギにより、前記立体像表示体の内部に三次元
方向に分布されている気体または液体または固体、また
はこれらの組み合わせで構成された呈色材を照射して発
色または着色させ、ついで前記各レーザ光ビームのうち
の少なくとも一本の光路を制御して、交差位置に係る像
歪みを補正し、さらに前記交差部分を三軸直交座標の一
軸として該交差部分を他の二本の軸方向のうちの少なく
とも一本の軸方向に所定距離だけ掃引して複数の掃引面
を形成させ、よって複数の掃引面が層状に重ねられた立
体像表示領域を前記立体像表示体の内部に形成させるこ
とを特徴とする。
【0181】前記の方法によれば、各帯状レーザ光ビー
ムは断面である一次元方向に同時に像を形成するから、
各帯状レーザ光ビームの該方向への掃引が省略され、よ
って各帯状レーザ光ビームの掃引すべき軸方向が削減さ
れる。この結果、掃引周期が長くなり、光路制御手段の
掃引機構が簡素化される。
【0182】また、光路制御手段は二本の帯状レーザ光
ビームを所定距離だけ移動し、または移動させつつ掃引
するから、三軸方向の高精細度の立体像の描像がなされ
【0183】さらに、各レーザ光ビームは非直交で掃引
されるから、各レーザ光ビームは同じ側から照射され、
よって描像された立体像の観察が広い位置からなされ
る。
【0184】また、直交三軸方向へ位置設定されことに
より、立体像表示体内の任意の位置のアクセスが高精度
でなされる。
【0185】さらに、複数の掃引面が層状に重ねられた
立体像表示領域の形成がなされることにより、複雑な形
状の像や、表示されるべき像が複数個、独立して存在
し、立体像表示体中に離れて分散して存在する場合など
でも描像時間が一定になる。
【0186】あるいは、前記の三次元立体像表示方法
が、像の繰返し周期の異なる三次元立体像信号が適用さ
れる際において、該三次元立体像信号の繰返し周期に対
応して、前記交差部分を前記二本の軸方向に夫々掃引す
る前記所定掃引距離のうち少なくとも一方を変更するこ
とにより、形成される前記立体像表示領域の寸法を所望
値とするか、または三次元立体像信号の繰返し周期に対
応して、前記形成される前記立体像表示領域の寸法を変
更することにより、前記各所定掃引距離の少なくとも一
方を所望値とするものである場合は、繰り返し周期の長
い三次元立体像信号や、繰り返し周期の短い三次元立体
像信号が入力された際に、その周期に応じて掃引距離が
変更され、所定の表示領域に描像がなされて、形成され
る立体像表示領域の寸法が所望値となる。
【0187】または、繰り返し周期の長い三次元立体像
信号や、繰り返し周期の短い三次元立体像信号が入力さ
れた際に、その周期に応じて立体像表示領域の寸法が変
更され、所定掃引距離で描画がなされて、描像の精細度
が所望値となる。
【0188】または本発明に係る三次元立体像表示装置
は、少なくとも一基のレーザ発振器および、前記レーザ
発振器を駆動させる駆動回路を備え、進行方向の異なる
少なくとも二本のレーザ光ビームを発射する光源と、前
記少なくとも一基のレーザ発振器の出力を、立体を構成
する各部分の位置情報を含む三次元立体像信号に基づい
て光強度変調するか、または前記少なくとも二本のレー
ザ光ビームの少なくとも一本の光強度を前記三次元立体
像信号に基づいて変調する変調手段と、前記各レーザ光
ビームの光路の交差部分によって内部が照射され、該交
差部分に照射されることで発色または着色する気体また
は液体または固体、またはこれらの組み合わせで構成さ
れた呈色材が三次元方向に分布された立体像表示体と、
前記少なくとも二本のレーザ光ビームの各光路を制御し
て、前記各レーザ光ビームを前記立体像表示体中の所望
の位置において交差させるとともに、前記交差位置を移
動させる掃引機能を備える光路制御手段とを備え、且
つ、前記レーザ光ビームは各々の出射光の光路方向断面
が一次元方向に拡がりを有する少なくとも二本の帯状レ
ーザ光ビームを含んで構成され、前記変調手段は前記両
レーザ光ビーム中の少なくとも一方を、前記三次元立体
像信号に基づいて光強度変調し、前記光路制御手段は、
前記各レーザ光ビームの光路を制御して、前記二本の帯
状レーザ光ビームが θ<86° の範囲にある角度θで交差するよう制御し、且つ前記交
差部分を三軸直交座標の一軸として該交差部分を他の二
本の軸方向のうちの少なくとも一本の軸方向に所定距離
だけ掃引して複数の掃引面を形成させ、よって複数の掃
引面が層状に重ねられた立体像表示領域を前記立体像表
示体の内部に形成させる構成としたことを特徴とする。
【0189】前記の構成によれば、各帯状レーザ光ビー
ムは断面である一次元方向に同時に像を形成するから、
各帯状レーザ光ビームの該方向への掃引が省略され、よ
って各帯状レーザ光ビームの掃引すべき軸方向が削減さ
れる。この結果、掃引周期が長くなり、光路制御手段の
掃引機構が簡素化される。
【0190】また、光路制御手段は二本の帯状レーザ光
ビームを所定距離だけ移動し、または移動させつつ掃引
するから、三軸方向の高精細度の立体像の描像がなされ
る。
【0191】さらに、各レーザ光ビームは非直交で掃引
されるから、各レーザ光ビームは同じ側から照射され、
よって描像された立体像の観察が広い位置からなされ
る。
【0192】また、直交三軸方向へ位置設定されことに
より、立体像表示体内の任意の位置のアクセスが高精度
でなされる。
【0193】さらに、複数の掃引面が層状に重ねられた
立体像表示領域の形成がなされることにより、複雑な形
状の像や、表示されるべき像が複数個、独立して存在
し、立体像表示体中に離れて分散して存在する場合など
でも描像時間が一定になる。
【0194】あるいは、前記の三次元立体像表示装置が
精細度制御手段を備え、該精細度制御手段は、像の繰返
し周期が異なる複数の三次元立体像信号の内のいずれか
が前記三次元立体像信号として適用される場合に、該三
次元立体像信号の種類を特定する信号または同期信号の
周期に基づき像の繰返し周期を検出するとともに、該像
の繰返し周期及び前記立体像表示体の寸法に対応して、
前記交差部分を前記二本の軸方向に夫々掃引する前記所
定掃引距離のうち少なくとも一方を変更することによ
り、形成される前記立体像表示領域の寸法を所望値とす
るか、または三次元立体像信号の繰返し周期に対応し
て、前記立体像表示体内に形成される前記立体像表示領
域の寸法を変更することにより、前記各所定掃引距離の
うち少なくとも一方を所望値とする構成の場合は、繰り
返し周期の長い三次元立体像信号や、繰り返し周期の短
い三次元立体像信号が入力された際に、その周期に応じ
て掃引距離が変更され、所定の表示領域に描像がなされ
て、形成される立体像表示領域の寸法が所望値となる。
【0195】または、繰り返し周期の長い三次元立体像
信号や、繰り返し周期の短い三次元立体像信号が入力さ
れた際に、その周期に応じて立体像表示領域の寸法が変
更されることにより、所定掃引距離で描画がなされ、よ
って描像の精細度が所望値となる。
【0196】または本発明に係る三次元立体像表示方法
は、出射光の光路方向断面が二次元方向に拡がりを有す
る一本の二次元レーザ光ビームと、出射光の光路方向断
面が一次元方向に拡がりを有する一本の帯状レーザ光ビ
ームとを少なくとも用い、該各レーザ光ビームのうち少
なくとも一本を、立体を構成する各部分の位置情報を含
む三次元立体像信号に基づいて光強度変調し、前記各レ
ーザ光ビームの光路を制御して、前記帯状レーザ光ビー
ムが前記二次元レーザ光ビームの光路方向に垂直な平面
上にあって、前記二次元レーザ光ビームと交差するよう
にし、前記交差部分が、三次元方向に拡がりを有する立
体像表示体の内部の所望の各位置を照射するとともに、
該各交差部分における光エネルギにより、前記立体像表
示体の内部に三次元方向に分布されている気体または液
体または固体、またはこれらの組み合わせで構成された
呈色材を照射して発色または着色させ、ついで前記帯状
レーザ光ビームの光路を制御して、交差位置に係る像歪
みを補正し、さらに前記交差部分を三軸直交座標の二軸
上の平面として該交差部分を他の一本の軸方向に所定距
離だけ掃引して複数の掃引面を形成させ、よって複数の
掃引面が層状に重ねられた立体像表示領域を前記立体像
表示体の内部に形成させることを特徴とする。
【0197】前記の方法によれば、二次元レーザ光ビー
ムは断面である二次元平面上に同時に像を形成するか
ら、描像時に二次元レーザ光ビームは時間経過に伴う像
の更新のみを為し、よって二次元レーザ光ビーム自体は
空間的に掃引がなされない。一方、帯状レーザ光ビーム
によって、その断面である一次元方向に同時に像の形成
がなされるとともに、該像が光路方向に帯状に拡がり、
これが二次元レーザ光ビームと交差して面状の像を形成
させるから、帯状レーザ光ビームは一軸方向へのみ掃引
される。この結果、その掃引周期が長くなる。
【0198】さらに、上記のように帯状レーザ光ビーム
を所定距離だけ掃引することによって直交三軸方向の位
置設定がなされるから、立体像表示体内の任意の位置の
アクセスが高精度でなされる。
【0199】また、複数の掃引面が層状に重ねられた立
体像表示領域が形成さることにより、複雑な形状の像
や、表示されるべき像が複数個、独立して立体像表示体
中に離れて分散存在する場合などでも、描像時間が一定
になる。
【0200】あるいは、前記の三次元立体像表示方法
が、像の繰返し周期の異なる三次元立体像信号が適用さ
れる際において、該三次元立体像信号の繰返し周期に対
応して、前記交差部分を前記一本の軸方向に掃引する前
記所定掃引距離を変更することにより、形成される前記
立体像表示領域の寸法を所望値とするか、または三次元
立体像信号の繰返し周期に対応して、前記形成される前
記立体像表示領域の寸法を変更することにより、前記所
定掃引距離を所望値とする場合は、繰り返し周期の長い
三次元立体像信号や、繰り返し周期の短い三次元立体像
信号が入力された際に、その周期に応じて掃引距離が変
更され、所定の表示領域に描像がなされて、形成される
立体像表示領域の寸法が所望値となる。
【0201】または、繰り返し周期の長い三次元立体像
信号や、繰り返し周期の短い三次元立体像信号が入力さ
れた際に、その周期に応じて立体像表示領域の寸法が変
更され、所定掃引距離で描画がなされて、描像の精細度
が所望値となる。
【0202】または本発明に係る三次元立体像表示装置
は、少なくとも一基のレーザ発振器および、前記レーザ
発振器を駆動させる駆動回路を備え、進行方向の異なる
少なくとも二本のレーザ光ビームを発射する光源と、前
記少なくとも一基のレーザ発振器の出力を、立体を構成
する各部分の位置情報を含む三次元立体像信号に基づい
て光強度変調するか、または前記少なくとも二本のレー
ザ光ビームの少なくとも一本の光強度を前記三次元立体
像信号に基づいて変調する変調手段と、前記各レーザ光
ビームの光路の交差部分によって内部が照射され、該交
差部分に照射されることで発色または着色する気体また
は液体または固体、またはこれらの組み合わせで構成さ
れた呈色材が三次元方向に分布された立体像表示体と、
前記少なくとも二本のレーザ光ビームの各光路を制御し
て、前記各レーザ光ビームを前記立体像表示体中の所望
の位置において交差させるとともに、前記交差位置を移
動させる掃引機能を備える光路制御手段とを備え、且
つ、前記レーザ光ビームは出射光の光路方向断面が二次
元方向に拡がりを有する一本の二次元レーザ光ビーム
と、一本の帯状レーザ光ビームとを少なくとも含んで構
成され、前記変調手段は前記両レーザ光ビーム中の少な
くとも一方を、前記三次元立体像信号に基づいて光強度
変調し、前記光路制御手段は、前記帯状レーザ光ビーム
の光路を制御して、交差位置に係る像歪みを補正し、さ
らに前記各レーザ光ビームの光路を制御して、前記帯状
レーザ光ビームが前記二次元レーザ光ビームの光路方向
に垂直な平面上にあって、前記二次元レーザ光ビームと
交差させるとともに、前記交差部分を三軸直交座標の二
軸上の平面として該交差部分を他の一本の軸方向に所定
距離だけ掃引して複数の掃引面を形成させ、よって複数
の掃引面が層状に重ねられた立体像表示領域を前記立体
像表示体の内部に形成させる構成としたことを特徴とす
る。
【0203】前記の構成によれば、二次元レーザ光ビー
ムは断面である二次元平面上に同時に像を形成するか
ら、描像時に二次元レーザ光ビームは時間経過に伴う像
の更新のみを為し、よって二次元レーザ光ビーム自体は
空間的に掃引されない。一方、帯状レーザ光ビームによ
りその断面である一次元方向に同時に像が形成され、且
つ該像が光路方向に帯状に拡がり、これが二次元レーザ
光ビームと交差して面状の像を形成させるから、帯状レ
ーザ光ビームの掃引は一軸方向へのみなされ、よってそ
の掃引周期が長くなる。
【0204】さらに、上記のように帯状レーザ光ビーム
が所定距離だけ掃引されることで直交三軸方向の位置設
定がなされるから、立体像表示体内の任意の位置のアク
セスが高精度でなされる。
【0205】また、複数の掃引面が層状に重なった立体
像表示領域が形成されることにより、複雑な形状の像
や、表示されるべき像が複数個、独立して立体像表示体
中に離れて分散存在する場合などでも、描像時間が一定
となる。
【0206】あるいは前記の構成が精細度制御手段を備
え、該精細度制御手段は、像の繰返し周期が異なる複数
の三次元立体像信号の内のいずれかが前記三次元立体像
信号として適用される場合に、該三次元立体像信号の種
類を特定する信号または同期信号の周期に基づき像の繰
返し周期を検出するとともに、該像の繰返し周期及び前
記立体像表示体の寸法に対応して、前記交差部分を前記
一本の軸方向に掃引する前記所定掃引距離を変更するこ
とにより、形成される前記立体像表示領域の寸法を所望
値とするか、または三次元立体像信号の繰返し周期に対
応して、前記立体像表示体内に形成される前記立体像表
示領域の寸法を変更することにより、前記所定掃引距離
を所望値とする場合は、繰り返し周期の長い三次元立体
像信号や、繰り返し周期の短い三次元立体像信号が入力
された際に、その周期に応じて掃引距離が変更され、所
定の表示領域に描像がなされて、形成される立体像表示
領域の寸法が所望値となる。
【0207】または、繰り返し周期の長い三次元立体像
信号や、繰り返し周期の短い三次元立体像信号が入力さ
れた際に、その周期に応じて立体像表示領域の寸法が変
更されることにより、所定掃引距離で描画がなされ、よ
って描像の精細度が所望値となる。
【0208】または本発明に係る三次元立体像表示方法
は、出射光の光路方向断面が二次元方向に拡がりを有す
る一本の二次元レーザ光ビームと、出射光が光路方向に
沿ってラインとなる一本のライン状レーザ光ビームを少
なくとも用い、該各レーザ光ビームのうち少なくとも一
本を、立体を構成する各部分の位置情報を含む三次元立
体像信号に基づいて光強度変調し、前記各レーザ光ビー
ムの光路を制御して、前記ライン状レーザ光ビームが前
記二次元レーザ光ビームを貫いて交差するようにし、
前記交差部分が、三次元方向に拡がりを有する立体像表
示体の内部の所望の各位置を照射するとともに、該各交
差部分における光エネルギにより、前記立体像表示体の
内部に三次元方向に分布されている気体または液体また
は固体、またはこれらの組み合わせで構成された呈色材
を照射して発色または着色させ、ついで前記ライン状レ
ーザ光ビームの光路を制御して、交差位置に係る像歪み
を補正し、且つ前記交差部分を前記ライン状レーザ光ビ
ームの光路方向に直交する方向へ掃引して掃引面を形成
させ、さらに前記掃引面から所定距離だけ離れて次の掃
引面を形成させ、前記の反復により複数の掃引面が層状
に重ねられた立体像表示領域を前記立体像表示体の内部
に形成させることを特徴とする。
【0209】前記の方法によれば、二次元レーザ光ビー
ムによりその断面である二次元方向に同時に像が形成さ
れるから、二次元レーザ光ビームは時間経過に伴う像の
更新のみをなし、よって二次元レーザ光ビーム自体は空
間的に掃引されない。一方、ライン状レーザ光ビームは
二次元レーザ光ビームを貫いて交差するから、ライン状
レーザ光ビームは二軸方向への掃引のみがなされ、よっ
てその掃引周期が長くなる。
【0210】さらに、ライン状レーザ光ビームの所定距
離だけの掃引によって直交三軸方向の位置設定がなされ
るから、立体像表示体内の任意の位置のアクセスが高精
度でなされる。
【0211】また、複数の掃引面が層状に重なった立体
像表示領域の形成により、複雑な形状の像や、表示され
るべき像が複数個、独立して立体像表示体中に離れて分
散存在する場合などでも、描像時間が一定になる。
【0212】あるいは、前記の三次元立体像表示方法
が、像の繰返し周期の異なる三次元立体像信号が適用さ
れる際において、該三次元立体像信号の繰返し周期に対
応して、前記所定距離を変更することにより、形成され
る前記立体像表示領域の寸法を所望値とするか、または
三次元立体像信号の繰返し周期に対応して、前記形成さ
れる前記立体像表示領域の寸法を変更することにより、
前記所定距離を所望値とするものである場合は、繰り返
し周期の長い三次元立体像信号や、繰り返し周期の短い
三次元立体像信号が入力された際に、その周期に応じて
掃引距離が変更され、所定の表示領域に描像がなされ
て、形成される立体像表示領域の寸法が所望値となる。
【0213】または、繰り返し周期の長い三次元立体像
信号や、繰り返し周期の短い三次元立体像信号が入力さ
れた際に、その周期に応じて立体像表示領域の寸法が変
更され、所定掃引距離で描画がなされて、描像の精細度
が所望値となる。
【0214】または本発明に係る三次元立体像表示装置
は、少なくとも一基のレーザ発振器および、前記レーザ
発振器を駆動させる駆動回路を備え、進行方向の異なる
少なくとも二本のレーザ光ビームを発射する光源と、前
記少なくとも一基のレーザ発振器の出力を、立体を構成
する各部分の位置情報を含む三次元立体像信号に基づい
て光強度変調するか、または前記少なくとも二本のレー
ザ光ビームの少なくとも一本の光強度を前記三次元立体
像信号に基づいて変調する変調手段と、前記各レーザ光
ビームの光路の交差部分によって内部が照射され、該交
差部分に照射されることで発色または着色する気体また
は液体または固体、またはこれらの組み合わせで構成さ
れた呈色材が三次元方向に分布された立体像表示体と、
前記少なくとも二本のレーザ光ビームの各光路を制御し
て、前記各レーザ光ビームを前記立体像表示体中の所望
の位置において交差させるとともに、前記交差位置を移
動させる掃引機能を備える光路制御手段とを備え、且
つ、前記レーザ光ビームは出射光の光路方向断面が二次
元方向に拡がりを有する一本の二次元レーザ光ビーム
と、出射光が光路方向に沿ってラインとなる一本のライ
ン状レーザ光ビームとを少なくとも含んで構成され、前
記変調手段は前記両レーザ光ビーム中の少なくとも一方
を、前記三次元立体像信号に基づいて光強度変調し、前
記光路制御手段は、前記ライン状レーザ光ビームの光路
を制御して、交差位置に係る像歪みを補正し、さらに前
記各レーザ光ビームの光路を制御して、前記ライン状レ
ーザ光ビームが前記二次元レーザ光ビームを貫いて交差
し、且つ前記交差部分を前記ライン状レーザ光ビームの
光路方向に直交する方向へ掃引して掃引面を形成させ、
さらに前記掃引面から所定距離だけ離れて次の掃引面を
形成させ、前記の反復により複数の掃引面が層状に重ね
られた立体像表示領域を前記立体像表示体の内部に形成
させる構成としたことを特徴とする。
【0215】前記の構成によれば、二次元レーザ光ビー
ムによりその断面である二次元方向に同時に像が形成さ
れるから、二次元レーザ光ビームは時間経過に伴う像の
更新のみをなし、よって二次元レーザ光ビーム自体は空
間的に掃引されない。一方、ライン状レーザ光ビームは
二次元レーザ光ビームを貫いて交差するから、ライン状
レーザ光ビームは光路制御手段により二軸方向への掃引
のみがなされ、よってその掃引周期が長くなる。
【0216】さらに、光路制御手段によるライン状レー
ザ光ビームの所定距離だけの掃引によって直交三軸方向
の位置設定がなされるから、立体像表示体内の任意の位
置のアクセスが高精度でなされる。
【0217】また、複数の掃引面が層状に重なった立体
像表示領域の形成により、複雑な形状の像や、表示され
るべき像が複数個、独立して立体像表示体中に離れて分
散存在する場合などでも、描像時間が一定になる。
【0218】あるいは、前記の三次元立体像表示装置が
精細度制御手段を備え、該精細度制御手段は、像の繰返
し周期が異なる複数の三次元立体像信号の内のいずれか
が前記三次元立体像信号として適用される場合に、該三
次元立体像信号の種類を特定する信号または同期信号の
周期に基づき像の繰返し周期を検出するとともに、該像
の繰返し周期及び前記立体像表示体の寸法に対応して、
前記掃引面間の前記所定距離を変更することにより、形
成される前記立体像表示領域の寸法を所望値とするか、
または三次元立体像信号の繰返し周期に対応して、前記
立体像表示体内に形成される前記立体像表示領域の寸法
を変更することにより、前記掃引面間の前記所定距離を
所望値とする構成の場合は、繰り返し周期の長い三次元
立体像信号や、繰り返し周期の短い三次元立体像信号が
入力された際に、その周期に応じて掃引距離が変更さ
れ、所定の表示領域に描像がなされて、形成される立体
像表示領域の寸法が所望値となる。
【0219】または、繰り返し周期の長い三次元立体像
信号や、繰り返し周期の短い三次元立体像信号が入力さ
れた際に、その周期に応じて立体像表示領域の寸法が変
更されることにより、所定掃引距離で描画がなされ、よ
って描像の精細度が所望値となる。
【0220】または本発明に係る三次元立体像表示方法
は、出射光の光路方向断面が二次元方向に拡がりを有す
る一本の二次元レーザ光ビームと、出射光が光路方向に
沿ってラインとなる一本のライン状レーザ光ビームを少
なくとも用い、該各レーザ光ビームのうち少なくとも一
本を、表示対象である立体の表面または稜線に沿った三
次元立体像信号に基づいて光強度変調し、前記各レーザ
光ビームの光路を制御して、前記ライン状レーザ光ビー
ムが前記二次元レーザ光ビームを貫いて交差するように
し、 前記交差部分が、三次元方向に拡がりを有する立
体像表示体の内部の所望の各位置を照射するとともに、
該各交差部分における光エネルギにより、前記立体像表
示体の内部に三次元方向に分布されている気体または液
体または固体、またはこれらの組み合わせで構成された
呈色材を照射して発色または着色させ、ついで前記ライ
ン状レーザ光ビームの光路を制御して、交差位置に係る
像歪みを補正し、且つ前記交差部分を前記三次元立体像
信号に基づき所定掃引距離だけ掃引して、前記交差部分
において発色または着色する前記呈色材が、表示対象で
ある立体の表面または稜線に沿う立体像の表示領域を前
記立体像表示体内に形成させ、前記三次元立体像信号の
繰返し周期が異なる場合に、該三次元立体像信号の繰返
し周期に対応して前記所定掃引距離を変更することによ
り、形成される前記立体像の表示領域の寸法を所望値と
するか、または前記三次元立体像信号の繰返し周期に対
応して、前記形成される前記立体像の表示領域の寸法を
変更することにより、前記所定掃引距離を所望値とする
ことを特徴とする。
【0221】前記の方法によれば、ライン状レーザ光ビ
ームによる交差と所定掃引距離だけの掃引によって、直
交する二次元レーザ光ビームの二次元断面の像が呈色さ
れ、よって高精細度の立体像の描像がなされる。
【0222】さらに、立体の表面または稜線に沿って掃
引がなされるから、立体像のみにつき掃引が実行され、
よって立体像表示体内の全ての位置の掃引の必要がない
ゆえ描像時間が短縮される。
【0223】さらに、周期の長い三次元立体像信号や、
繰り返し周期の短い三次元立体像信号が入力された際
に、その周期に応じて掃引距離の変更がなされ、よって
形成される立体像の寸法が所望値となる。
【0224】または、周期の長い三次元立体像信号や、
繰り返し周期の短い三次元立体像信号が入力された際
に、その周期に応じて立体像が表示される領域の寸法の
変更がなされ、よって所定掃引距離で描画がなされて、
描像の精細度が所望値となる。
【0225】または本発明に係る三次元立体像表示装置
は、少なくとも一基のレーザ発振器および、前記レーザ
発振器を駆動させる駆動回路を備え、進行方向の異なる
少なくとも二本のレーザ光ビームを発射する光源と、前
記少なくとも一基のレーザ発振器の出力を、表示対象で
ある立体の表面または稜線に沿った位置情報によって構
成された三次元立体像信号に基づいて光強度変調する
か、または前記少なくとも二本のレーザ光ビームの少な
くとも一本の光強度を前記三次元立体像信号に基づいて
変調する変調手段と、前記各レーザ光ビームの光路の交
差部分によって内部が照射され、該交差部分に照射され
ることで発色または着色する気体または液体または固
体、またはこれらの組み合わせで構成された呈色材が三
次元方向に分布された立体像表示体と、前記少なくとも
二本のレーザ光ビームの各光路を制御して、前記各レー
ザ光ビームを前記立体像表示体中の所望の位置において
交差させるとともに、前記交差位置を移動させる掃引機
能を備える光路制御手段とを備え、且つ、前記少なくと
も二本のレーザ光ビームは、出射光の光路方向断面が二
次元方向に拡がりを有する一本の二次元レーザ光ビーム
と、出射光が光路方向に沿ってラインとなる一本のライ
ン状レーザ光ビームを含んで構成され、前記光路制御手
段は、前記ライン状レーザ光ビームの光路を制御して、
交差位置に係る像歪みを補正し、且つ前記ライン状レー
ザ光ビームが前記二次元レーザ光ビームを貫いて交差す
るよう前記両レーザ光ビームの光路を制御し、且つ前記
交差部分を前記三次元立体像信号に基づき所定掃引距離
だけ掃引することにより、前記交差部分において発色ま
たは着色する前記呈色材が、表示対象である立体の表面
または稜線に沿う立体像の表示領域を前記立体像表示体
内に形成させ、さらに前記三次元立体像信号の繰返し周
期が異なる場合に、該三次元立体像信号の解像の繰返し
周期に対応して前記所定掃引距離を変更することによ
り、形成される前記立体像の表示領域の寸法を所望値と
するか、または前記三次元立体像信号の繰返し周期に対
応して、前記形成される前記立体像の表示領域の寸法を
変更することにより、前記所定掃引距離を所望値とする
精細度制御手段を備える構成としたことを特徴とする。
【0226】前記の構成によれば、光路制御手段によっ
て、ライン状レーザ光ビームによる交差と所定掃引距離
の掃引がなされ、よって直交する二次元レーザ光ビーム
の二次元断面の像を呈色させることにより、高精細度の
立体像の描像がなされる。
【0227】さらに、立体の表面または稜線に沿って掃
引がなされるから、光路制御手段は掃引を立体像のみに
つき実行し、よって立体像表示体内の全ての位置の掃引
の必要がないゆえ描像時間が短縮される。
【0228】さらに、周期の長い三次元立体像信号や、
繰り返し周期の短い三次元立体像信号が入力された際
に、その周期に応じて精細度制御手段による掃引距離の
変更がなされ、よって形成される立体像の寸法が所望値
となる。
【0229】または、周期の長い三次元立体像信号や、
繰り返し周期の短い三次元立体像信号が入力された際
に、その周期に応じて精細度制御手段による、立体像が
表示される領域の寸法の変更がなされ、よって所定掃引
距離で描画がなされて、描像の精細度が所望値となる。
【0230】本発明に係る三次元像表示方法は、三次元
拡がりを有する立体像表示体内に三次元拡がりを有する
立体像をレーザ光ビームの照射によって描像するととも
に、該立体像表示体の背面に配設した二次元ディスプレ
イ装置によって画像を表示させることにより、前記立体
像に前記画像を重畳して表示させることを特徴とする。
【0231】前記の方法によれば、描像されるべき対象
が、速い動きをする立体による部分と、遠景による背景
などの動きが顕著でない部分とから成る場合に、立体像
表示体には速い動きの立体のみが立体像として表示さ
れ、一方、二次元ディスプレイ装置には動きが顕著でな
い部分が画像として表示され、よって分割表示がなさ
れ、しかも立体像の背面に画像が位置することにより、
立体像表示体の前面側からは立体像に画像が重畳されて
表示される。
【0232】あるいは、前記立体像の描像方法が、前記
の三次元立体像表示方法である場合は、立体像表示体に
表示される立体像の精細度調整がなされ、よって二次元
ディスプレイ装置に表示される画像の解像度との均衡が
なされる。
【0233】または本発明に係る三次元像表示装置は、
レーザ光ビームに照射されることで発色または着色する
気体または液体または固体、またはこれらの組み合わせ
で構成された呈色材が三次元方向に分布された立体像表
示体を備える三次元立体像表示装置の背面に、二次元の
表示画面を有して通電により画像表示する二次元ディス
プレイ装置を配設し、前記立体像表示体により表示され
る立体像の背面に前記二次元ディスプレイ装置により表
示される画像を重畳させる構成としたことを特徴とす
る。
【0234】前記の構成によれば、描像されるべき対象
が、速い動きをする立体による部分と、遠景による背景
などの動きが顕著でない部分とから成る場合に、立体像
表示体には速い動きの立体のみが立体像として表示さ
れ、一方、二次元ディスプレイ装置には動きが顕著でな
い部分が画像として表示され、よって分割表示がなさ
れ、しかも三次元立体像表示装置の背面に二次元ディス
プレイ装置が位置することにより、三次元立体像表示装
置の前面側からは立体像に画像が重畳されて表示され
る。
【0235】あるいは、前記三次元立体像表示装置が、
前記の三次元立体像表示装置である場合は、立体像表示
体に表示される立体像の精細度調整がなされ、よって二
次元ディスプレイ装置に表示される画像の解像度との均
衡がなされる。
【0236】
【発明の実施の形態】以下、この発明の好適な実施形態
を添付図を参照して詳細に説明する。なお、以下に述べ
る実施形態は、この発明の本質的な構成と作用を示すた
めの好適な例の一部であり、したがって技術構成上好ま
しい種々の限定が付されている場合があるが、この発明
の範囲は、以下の説明において特にこの発明を限定する
旨の記載がない限り、これらの形態に限られるものでは
ない。
【0237】本発明の第1実施形態に係る三次元立体像
表示装置は、ライン状レーザ光ビームを二本、直交状態
で交差させ、交差部分を反復してレイヤー掃引すること
により、掃引面の積層による三次元立体像の描像をなす
構成である。
【0238】図1は、本発明の第1実施形態に係る三次
元立体像表示装置の要部の模式的な斜視図である。図2
は、その機能ブロック図である。図3は、本発明の第1
実施形態に係る三次元立体像表示装置の立体像表示体内
における三次元立体像の描像原理を説明する図である。
図4は、キュビット構成の例を示す図である。つぎに図
5は、本実施形態の三次元立体像表示装置に適用される
三次元立体像信号の例を示すタイミングチャートであ
る。また図6は、動作タイミングチャートである。
【0239】図1および図2に示されるように、本発明
の第1実施形態に係る三次元立体像表示装置ORIIN
1は、立体像が内部に形成される立体像表示体DP1、
二本のレーザ光ビームを発射する光源Cp1、発射され
た二本のレーザ光ビームの光路を管理するとともに交差
位置に係る像歪みを除去する光路制御手段Cp2、少な
くとも一本のレーザ光ビームの光強度を像信号により変
調するレーザ光強度変調手段Cp3、入力された像信号
を処理する信号処理部Cp4、立体像表示体DP1内に
形成される立体像の精細度を制御するか、または表示領
域の寸法を制御する精細度制御手段Cp5、立体像表示
体DP1内を照らす照明部Cp6、電源回路129を備
えて構成されている。
【0240】立体像表示体DP1は、図3に示されるよ
うに透明な直方体形状であり、その内部に立体像Vg1
が描像される。なお本発明では、直方体の有する8個の
頂点のうちの任意の頂点を原点Oとして、原点Oから伸
びる三軸直交方向を、説明上、それぞれf軸、d軸、h
軸として記載する。この記載ではf軸は間口(fron
tage)、d軸は奥行き(depth)、h軸は高さ
(height)を意味するが、これは説明上の便宜的
なものであって、立体像Vg1の観察は間口に対応した
面側から為されるのみでなく、他の全ての面からも、さ
らに全ての角度から観察可能である。したがって、本発
明では視野角度が限定されることがない。さらに、立体
像表示体DP1は図示されている直方体形状に限定され
ることなく、三次元方向に拡がりを有するものであれば
形状を問わない。
【0241】また立体像表示体DP1は、2面づつ対に
なった3組の面から成るが、これらの面のうち、fd平
面に平行で原点O側にある面をfd+、fd平面に平行
で原点Oから遠い側にある面をfd−、fh平面に平行
で原点O側にある面をfh+、fh平面に平行で原点O
から遠い側にある面をfh−、dh平面に平行で原点O
側にある面をdh+、dh平面に平行で原点Oから遠い
側にある面をdh−とする。
【0242】立体像表示体DP1は、透明な直方体コン
テナ中に気体状の呈色材Cmが封入されているか、また
は、透明な液体状あるいは固体状のマトリクス材Mxが
充填され、このマトリクス材Mx中に、透明な液体状あ
るいは固体状の呈色材(コア材)Cmが一様分散されて
いる。すなわち、気体または液体または固体、またはこ
れらの組み合わせで構成された呈色材が三次元方向に一
様分散されている。コンテナを構成する材質には、ガラ
ス、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、硬質スチレ
ン樹脂などが好ましい。またマトリクス材Mxが固体の
場合はコンテナは不要である。
【0243】分散された呈色材Cmのうち、光源Cp1
から発射され、光路制御手段Cp2によって光路が制御
された二本のレーザ光ビーム、即ち第1ライン光ビーム
Bm11と第2ライン光ビームBm12との交差部分
(ターゲットポイント)TPにある呈色材Cmが、両レ
ーザ光ビームBm11とBm12により同時に照射を受
けると、所定の色に呈色する。前述したように、本発明
においては発色または着色する状態を呈色としている。
なお呈色原理については後述する。
【0244】両レーザ光ビームはそれぞれライン状であ
るが、レーザ光ビーム夫々に数ミクロン程度の太さがあ
るから、交差部分は数ミクロン程度の三次元拡がりを有
する。しかも交差部分は掃引によって微小時間で掃引方
向へ移動するから、この間に照射を受けて呈色する呈色
材の集合は掃引方向へ更に拡がり、このようにして単位
時間内に呈色された呈色材が含まれる微小領域が、キュ
ビセルCubcを形成する。
【0245】したがって、キュビセルCubcの形状と
寸法はレーザ光ビーム交差部分の形状、掃引方向と掃引
速度によって決定される。よって、とりわけ形状は不定
形となるが、図3ではキュビセルCubcを等価的に、
Δf、Δd、Δhを三辺とする直方体で表示している。
【0246】呈色材Cmがサブミクロン程度の微粒子ま
たは、平均径が数十ナノメートル乃至数ナノメートル程
度の超微粒子で構成される場合は、1個のキュビセルC
ubc内に多数の呈色材Cmが存在する。また、呈色材
Cmがイオン打ち込み等で構成される場合は、1個のキ
ュビセルCubc内にさらに多くの呈色材Cmが存在す
る。
【0247】前記のようにして両レーザ光ビームBm1
1、Bm12の交差部分TPの掃引方向へキュビセルC
ubcが続々と形成され、キュビセルCubcの列によ
るキュビセル・ラインが形成される。さらに掃引方向を
移動させて掃引を反復することで、次のキュビセル・ラ
インが形成され、この反復で多数のキュビセル・ライン
から成る層状のレイヤーLyが形成される。さらに、レ
イヤーLyが複数層、重ねられて表示領域が構成され、
この表示領域内に立体像Vg1が形成される。
【0248】二本のライン状レーザ光ビームを発射する
光源Cp1は、レーザダイオード駆動増幅器Ampと、
このレーザダイオード駆動増幅器Ampからの出力で駆
動され、所定の波長のライン状の光ビーム(ライン光ビ
ーム)Bfを出射する、点光源であるレーザダイオード
(レーザ発振器)Ldp1を少なくとも一基備えて構成
される。さらに、ライン光ビームBfが入射されると非
線形効果により二倍の周波数のライン光ビームBsを出
射する光第2高調波発生器SHGを含んで構成される。
このようにして生成された、進行方向の異なる少なくと
も二本のライン光ビームBfとBsは、光路制御手段C
p2へ入射される。
【0249】後述するD/A変換器123によりアナロ
グ変換された三次元立体像信号は、レーザ光強度変調手
段Cp3で変調され、レーザダイオード駆動増幅器Am
pへ入力される。この結果、レーザダイオードLdp1
の出力が三次元立体像信号で変調され、レーザダイオー
ドLdp1からのライン光ビームBfは三次元立体像信
号によって光強度変調されたものとなる。
【0250】ここで、レーザダイオードLdp1を2基
用いて、それぞれのレーザ光ビームに基づきライン光ビ
ームBfとライン光ビームBsを形成させる場合は、少
なくとも一方のレーザダイオードを三次元立体像信号に
よって変調するようにできる。
【0251】さらに、レーザダイオードLdp1の出力
を一定として、レーザ光強度変調手段Cp3を後述する
外付けの、光ビーム自体に光強度変調を施す非線形光学
系の変調器を適用するものであってもよい。
【0252】光路制御手段Cp2は、少なくとも二本の
レーザ光ビームの各光路を制御して、各レーザ光ビーム
を立体像表示体中の所望の位置において交差させるとと
もに、この交差位置を移動させる掃引機能を備える。
【0253】具体的には、光路制御手段Cp2は、ライ
ン光ビームBsの掃引を制御する第1ライン光ビーム掃
引制御回路126、図2に示されるように第1ライン光
ビーム掃引制御回路126からの制御信号126aによ
り駆動されるアクチュエータAct11、アクチュエー
タAct11によりd軸中心に回動する平面状(ガルバ
ノ型)の反射鏡Gv111、さらに第1ライン光ビーム
掃引制御回路126からの制御信号126bにより駆動
されるアクチュエータAct12、アクチュエータAc
t12によりf軸を回動中心として角度が変化するガル
バノ型の反射鏡Gv112を備える。また、第1集束光
学系Lz11を備える。
【0254】レーザダイオードLdp1の位置を第1集
束光学系Lz11の焦点上に置くようにすると、第1集
束光学系Lz11を出た第1ライン光ビームBm11は
平行光となる。
【0255】第1ライン光ビームBm11は、立体像表
示体DP1の面fh+から立体像表示体DP1内に入射
する。したがって第1集束光学系Lz11等の機構部品
は主として面fh+側に配設される。
【0256】さらに光路制御手段Cp2は、ライン光ビ
ームBfの掃引を制御する第2ライン光ビーム掃引制御
回路127、図2に示されるように第2ライン光ビーム
掃引制御回路127からの制御信号127aにより駆動
されるアクチュエータAct21、アクチュエータAc
t21によりh軸中心に回動する平面状(ガルバノ型)
の反射鏡Gv121、さらに第2ライン光ビーム掃引制
御回路127からの制御信号127bにより駆動される
アクチュエータAct22、アクチュエータAct22
によりf軸を回動中心として角度が変化するガルバノ型
の反射鏡Gv122を備える。また、第2集束光学系L
z12を備える。さらに、ハーフミラーHfmやフルミ
ラーFmrを備える。
【0257】なお、反射鏡Gv111に代えて回転ミラ
ーユニットRMU111を使用することもできる。同様
に、反射鏡Gv121に代えて回転ミラーユニットRM
U121を使用することもできる。
【0258】レーザダイオードLdp1の位置を第2集
束光学系Lz12の焦点上に置くようにすると、第2集
束光学系Lz12を出た第2ライン光ビームBm12は
平行光となる。
【0259】第2ライン光ビームBm12は、立体像表
示体DP1の面fd−から立体像表示体DP1内に入射
する。したがって第2集束光学系Lz12等の機構部品
は主として面fd−側に配設される。
【0260】図1に示されるように、ハーフミラーHf
mを経て分離され、光第2高調波発生器SHGをへて半
波長となり、f軸方向に光路をとるライン光ビームBs
は、d軸中心に回動する反射鏡Gv111で反射され
て、fh平面上で振れる。このfh平面上で振れた反射
光ビームが、f軸中心に回動する反射鏡Gv112で反
射され、さらにレンズによる第1集束光学系Lz11を
経て、fd平面上でf軸方向へ振れ、かつd軸方向へ直
進する第1ライン光ビームBm11となり、立体像表示
体DP1内に入射する。
【0261】反射鏡Gv111の回動に伴い、第1ライ
ン光ビームBm11はf軸方向へ掃引され、しかもこの
掃引は反復される。
【0262】ここで反射鏡Gv112がf軸中心に回動
して角度を変えると、第1ライン光ビームBm11はh
軸方向へ掃引される。よって以上の動作の反復により、
第1ライン光ビームBm11は立体像表示体DP1内の
所定三次元領域を掃引することになる。
【0263】一方、ハーフミラーHfmやフルミラーF
mrで反射された結果f軸方向に光路をとるライン光ビ
ームBfは、h軸中心に回動する反射鏡Gv121で反
射されて、fd平面上で振れる。
【0264】このfd平面上で振れた反射光ビームが、
f軸を軸として回動可能な反射鏡Gv122で反射さ
れ、さらに第2集束光学系Lz12を経て、fd平面上
でd軸方向へ振れ、かつh軸方向へ直進する第2ライン
光ビームBm12となる。
【0265】反射鏡Gv121の回転に伴い、第2ライ
ン光ビームBm12はf軸方向へ掃引され、しかもこの
掃引は反復される。
【0266】ここで反射鏡Gv122がf軸中心に回動
して角度を変えると、第2ライン光ビームBm12はd
軸方向へ掃引される。よって以上の動作の反復により、
第2ライン光ビームBm12は立体像表示体DP1内の
所定三次元領域を掃引することになる。
【0267】前記で、第1ライン光ビームBm11と第
2ライン光ビームBm12が同じf座標、同じd座標、
同じh座標を有するように光路を制御すると、両方が一
点で交差し、その交差点TPがキュビセルCubcを形
成させる。光路制御手段Cp2は、この交差点TPを三
次元方向に移動させるよう、第1ライン光ビームBm1
1と第2ライン光ビームBm12の光路を制御する。
【0268】ここで光路制御手段Cp2は、両レーザ光
ビームが立体像表示体中の各交差点において張る最小角
度θを 86°≦θ≦90° の範囲内に制御するものとする。具体的には、両レーザ
光ビームが上記θの範囲内で交差するよう、第1ライン
光ビーム掃引制御回路126と第2ライン光ビーム掃引
制御回路127が各アクチュエータに制御信号を送る。
【0269】さらに第1ライン光ビーム掃引制御回路1
26と第2ライン光ビーム掃引制御回路127のうちの
少なくとも一方は、立体像表示体DP1内に形成される
立体像に発生する、前記交差位置に係る像歪みの補正処
理の機能を備える。
【0270】この像歪み補正は以下の原理に基づいてい
る。各反射鏡から立体像表示体DP1の各位置までの距
離はそれぞれの位置ごとに異なる。したがって、反射鏡
から光源までの距離が一定であっても、光源から立体像
表示体DP1の各位置までの距離はそれぞれの位置ごと
に異なることになる。
【0271】一方、反射鏡が単位時間あたり等角度でレ
ーザ光ビームを反射して掃引すると、反射レーザ光ビー
ムの軌跡は該回転(回動)角度方向に拡がる扇状面とな
って各集束光学系に至り、帯状軌跡となる。一方、レー
ザ光ビームは単位時間あたり等角度で振られるが、前記
のように距離が位置ごとに異なるから、この結果、回転
(回動)角度が均一であっても、掃引面の端部と中央部
とでは、掃引面上の単位時間内の移動距離が等しくなら
ず、端部側の移動距離が中央部側の移動距離に比べて大
となる。
【0272】これは、反射鏡からの距離が大である位
置、すなわち掃引面上で端部側の位置へ形成されるキュ
ビセルの寸法が、中央部側へ形成されるキュビセルの寸
法よりも大となることであり、このため均一なキュビセ
ル寸法にならず、前述した交差位置に係る像歪みが生じ
る原因となる。
【0273】そこで、反射鏡の回転(回動)角度を端部
掃引時には小とし、中央部掃引時には大とするよう調整
して動作することにより、この交差位置に係る像歪みを
補正することができる。
【0274】したがって、レーザ光ビームの交差位置が
立体像表示領域の端部側にあるときの反射鏡の回動速度
を小とすることにより、端部側における交差部分の単位
時間あたりの移動距離が所定値になるようにし、一方、
レーザ光ビームの交差位置が立体像表示領域の中央部側
にあるときの反射鏡の回動速度を大とすることにより、
中央部側における交差部分の単位時間あたりの移動距離
が同じ所定値になるように、反射鏡の動作を制御する。
【0275】具体的には、第1ライン光ビーム掃引制御
回路126と第2ライン光ビーム掃引制御回路127
が、回動角速度を変動させるための例えば非線形波形の
制御信号を各アクチュエータに送る構成とする。
【0276】f軸方向の歪補正は、第1ライン光ビーム
掃引制御回路126が制御信号126aをアクチュエー
タAct11へ送るとともに、第2ライン光ビーム掃引
制御回路127が制御信号127aをアクチュエータA
ct21へ送ることにより為される。
【0277】d軸方向の歪補正は、第2ライン光ビーム
掃引制御回路127が制御信号127bをアクチュエー
タAct22へ送ることにより為される。
【0278】さらにh軸方向の歪補正は、第1ライン光
ビーム掃引制御回路126が制御信号126bをアクチ
ュエータAct12へ送ることにより為される。
【0279】前記により、交差位置に係る像歪みが補正
される。この機能は通常の立体像表示体寸法の構成に有
効であるばかりでなく、とりわけ立体像表示体寸法が大
であり、しかも装置全体の容積を縮小させた三次元立体
像表示装置における交差位置に係る像歪み補正に有効で
ある。
【0280】つぎに、掃引レートにつき説明する。三次
元表示領域の各軸方向に並ぶキュビセル数を各240と
すると、レイヤー掃引では、全部のキュビセル240×
240×240=13、824、000個に亘る掃引が
必要である。表示体の一端から他端までを以って一回の
主掃引とすると、全部のキュビセルを掃引するには、2
40×240=57、600回の主掃引が必要となる。
【0281】立体静止像を表示させる場合、呈色状態が
長時間維持されるバイナリ効果を有する呈色材を適用す
る場合はリフレッシュ書き換えの必要がないが、呈色状
態が長時間維持されない材料ではリフレッシュ書き換え
が必要となる。リフレッシュ書き換えをする構成の場合
は、残光時間が長いりん光体の呈色材の適用が好まし
い。
【0282】リフレッシュ書き換えを1秒に1回のレー
トとする場合、レーザ光ビームの機械的掃引では主掃引
用の反射鏡Gv111、Gv121によって57、60
0回/秒の回動がなされる。また副掃引用の反射鏡Gv
112、Gv122は、240回/秒の回動がなされ
る。これは1秒に1回のリフレッシュレートの場合であ
るが、呈色材の残光特性によってリフレッシュレートは
最適に設定可能である。
【0283】つぎに、上記の反射鏡につき説明する。本
発明では、立体像表示体中での単位時間あたりの所望の
掃引距離、または移動距離を得るために、自ら回動軸ま
たは揺動軸を有する反射鏡を用い、この反射鏡の回動角
または揺動角を制御し、さらに回動角速度(単位時間あ
たりの回動角度)または揺動角速度を制御する構成とす
る。この構成により、反射光の光路を調節して立体像表
示体中の各位置に形成されるキュビセルの寸法を均一と
し、よって交差位置に係る像歪みを極小にできる。
【0284】さらに、立体像表示体中に形成されるキュ
ビセルの寸法を所望値に制御でき、よって精細度を所望
値に制御できる。あるいは、立体像表示体中の表示範囲
を所望の範囲に調整することが可能になる。
【0285】さらに本発明では、立体像表示体中での単
位時間あたりの所望の掃引距離、または移動距離を得る
ために、回動角の絶対値の制御または回動角速度の制御
が可能な反射鏡と、単位時間あたりの回転数の制御が可
能な回転型反射鏡との組み合わせで構成することもでき
る。この構成により、交差位置に係る像歪みを極小にで
き、また立体像表示体中に形成されるキュビセルの寸法
を所望値に制御でき、よって精細度を所望値に制御でき
る。あるいは、立体像表示体中の表示範囲を所望の範囲
に調整することが可能になる。
【0286】この表示範囲調整機能はとりわけ、表示立
体像の精細度の調整において有効となる。たとえば、入
力される三次元立体像信号が、より少ない像データで構
成された信号系の場合に、このまま立体像表示体全体に
表示させると、表示像の基本単位となるキュビセルの寸
法が大になって粗い表示像となるが、本発明の構成によ
り反射鏡と立体像表示体間の距離を短距離に調節するこ
とで、表示範囲をより狭くし、よってキュビセルの寸法
を小さくして高い精細度を確保することができる。
【0287】また、利用の都合上、表示領域を所望寸法
に限定する必要がある場合も、上記の構成によって有効
に制御可能となる。
【0288】また、反射鏡がガルバノミラーに代表され
る平面鏡の場合は、平面鏡が電磁的手段等に基づいたア
クチェータによって回動または揺動し、回動角または揺
動角の自在な調節のみならず、回動角または揺動角の保
持が可能となる。したがって、連続的な回動または揺動
のみならず、例えばパルス駆動による離散的な回動また
は揺動が容易になる。
【0289】前記の離散的な回動または揺動によって、
反射光の掃引と停止の組み合わせが可能になる。すなわ
ち、或る期間だけ掃引し、ついでその位置に或る期間だ
け停止させ、この後さらに掃引を続行させる動作が可能
になる。
【0290】したがって、反射光自体の光強度が変調に
より時間的に更新される特性を利用して、反射鏡が停止
中に反射光の進行方向に時間的に変化更新される像を形
成させることが可能になる。しかも像の更新周期の短
い、すなわち短変調周期の信号が載ったレーザ光ビーム
を第一の照射光とし、このレーザ光ビームに第二の照射
光であるレーザ光ビームを交差させるとともに、前記短
変調周期に対応させて交差位置を所望の短い距離だけ移
動させることによって、反射光の進行方向形成像を高精
細度とすることが容易に可能になる。
【0291】ここで、平面鏡と立体像表示体間の距離を
調節可能に構成することも可能である。この構成によ
り、立体像表示体中の表示範囲を所望の範囲に調整する
ことが可能になる。この表示範囲の調整機能は、表示立
体像の精細度の調整において有効となる。すなわち、入
力される三次元立体像信号が、より少ない像データで構
成された信号系の場合に、このまま立体像表示体全体に
表示させると、表示像の基本単位となるキュビセルの寸
法が大になって粗い表示像となるが、本発明の構成によ
り反射鏡である平面鏡と立体像表示体間の距離を短距離
に調節することで、表示範囲をより狭くし、よってキュ
ビセルの寸法を小さくして高い精細度を確保することが
できる。
【0292】つぎに、上記の平面状の反射鏡に代えて適
用可能な回転反射鏡につき詳説する。回転型反射鏡は、
回転軸に鉛直方向断面が正多角形たとえば正3角形、正
4角形、正8角形、正25角形などであり、正N角形断
面の構成では夫々が同寸法の短冊状のN枚の反射鏡がそ
れぞれ本体の半径方向に鉛直に、隣接して配設されてい
る。このような回転型反射鏡に、所定の方向からレーザ
光ビームを入射させる場合には、回転型反射鏡の回転角
度によって決まる1枚の反射鏡にだけレーザ光ビームが
入射するように、光学系を調整する。しかも回転にとも
ない、レーザ光ビームに対するこの反射鏡の角度が徐々
に変化するから、この反射鏡によって反射されたレーザ
光ビームの進行方向も徐々に変化する。この結果、1枚
の反射鏡にレーザ光ビームが入射を開始した際の反射光
と、この反射鏡へのレーザ光ビームの入射が終わる際の
反射光との張る角度が、1枚の反射鏡についての反射光
掃引角度となる。このように、1枚の反射鏡によって1
回の反射光掃引が為され、正N角形断面の構成の回転型
反射鏡の1回転でN回の反射光掃引が為される。
【0293】1枚の反射鏡についての反射光掃引角度
は、回転型反射鏡を構成する鏡の数によって決まり、よ
って該角度は回転型反射鏡本体の直径、すなわち回転軸
から反射鏡までの距離には依存しない。一方、掃引され
た反射光の拡がり距離は、反射鏡からの距離に依存す
る。そして、この掃引された反射光の拡がり距離は、立
体像表示体中で所望方向へのレーザ光ビームの掃引距
離、またはレーザ光ビームの移動距離となる。且つ、他
のレーザ光ビームと交差する場合は、該交差部分の掃引
距離、または移動距離となる。
【0294】さらに、単位時間あたりの上記の各掃引距
離、または移動距離は、掃引速度あるいは移動速度に依
存する。且つ、該掃引速度あるいは移動速度は、回転型
反射鏡の回転角速度すなわち回転型反射鏡の単位時間あ
たりの回転数によって決まる。
【0295】また本発明では、回転型反射鏡と立体像表
示体間の距離を調節可能に構成することもできる。この
構成によっても、立体像表示体中の表示範囲を所望の範
囲に調整することが可能になる。
【0296】ここで、反射鏡と立体像表示体間の距離調
節は、反射鏡と立体像表示体の少なくともいずれかを移
動させる自動移動機構によって自動調節可能な構成にす
ることが好ましいが、手動で調節可能な構成にすること
も可能である。自動移動機構による構成の場合、入力さ
れる三次元立体像信号から同期信号を検出して該同期信
号の周期から精細度制御手段が精細度を割り出し、自動
移動機構を制御して反射鏡と立体像表示体の少なくとも
いずれかを必要な距離だけ移動させる構成となる。
【0297】レーザ光強度変調手段Cp3は、少なくと
も一基のレーザ発振器の出力を三次元立体像信号に基づ
いて光強度変調するか、または二本のレーザ光ビームの
少なくとも一本の光強度を三次元立体像信号に基づいて
変調する。光強度変調は、光の強度を変調信号に応じて
変化させる変調であり、三次元立体像信号入力によっ
て、例えば半導体レーザを直接駆動して変調波を得る。
これは半導体レーザの駆動電流を直接変調することでで
きる。あるいは、ニオブ酸リチウム(LiNbO3)の
結晶を用いた外付けの変調器でも実現できる。
【0298】信号処理部Cp4は、入力された三次元立
体像信号を形成するデータおよび同期信号、あるいは場
合によってこれらに加え、三次元立体像が動像か静止像
か、さらに動像データの場合に像繰り返し周期などの種
別を同定するための信号が載った入力信号に基づき、少
なくとも一基のレーザ発振器からの出力を光強度変調す
るための変調信号をレーザ光強度変調手段Cp3に送
り、また光路制御手段Cp2へ同期信号を送り、さらに
精細度制御手段Cp5へ信号の種別情報か、同期信号の
周期情報を送るものであり、信号入力端子Is、符号化
/復号化手段121、キュビットメモリ122、D/A
変換器123、記録手段124、種別・同期信号抽出回
路125などを備えて成る。キュビットメモリ122
は、1個の立体像を示すキュビットの構成データを、キ
ュビット単位で格納可能なメモリである。
【0299】信号入力端子Isから入力されるか、また
は記録手段124から再生された符号化されている三次
元立体像信号は、符号化/復号化手段121により復号
化処理がなされ、D/A変換器123によりアナログ信
号に変換される。なお、この復合化処理においてキュビ
ットメモリ122がワーキングメモリとして利用され
る。
【0300】なお、信号入力端子Isから入力された三
次元立体像信号が符号化されていない場合は、符号化/
復号化手段121による復号化処理はスキップされる。
また、このとき入力された三次元立体像信号を符号化/
復号化手段121により符号化処理して、記録手段12
4へ記録することもできる。
【0301】前記D/A変換器123により変換された
信号は、三次元立体像信号としてレーザ光強度変調手段
Cp3に入力される。
【0302】一方、前記D/A変換器123により変換
された信号は、種別・同期信号抽出回路125にも入力
され、抽出された同期信号は第1ライン光ビーム掃引制
御回路126と第2ライン光ビーム掃引制御回路127
へ送られる。また、三次元立体像信号の種別を同定する
ための信号は、精細度制御手段Cp5へ送られる。
【0303】精細度制御手段Cp5は、立体像表示体D
P1内に形成される立体像の精細度を制御するか、また
は表示領域の寸法を制御するものである。すなわち、精
細度制御手段Cp5は、異なる像の繰返し周期をそれぞ
れ有して種別が異なる複数の三次元立体像信号の内のい
ずれかが三次元立体像信号として適用される場合に、こ
の三次元立体像信号に搭載された、種別を特定する信号
または同期信号の周期に基づき種別を特定するか、像の
繰返し周期を検出するとともに、像の繰返し周期及び立
体像表示体の寸法に対応して、第一軸方向、第二軸方
向、第三軸方向への所定掃引距離のうち少なくとも一つ
の距離を変更することにより、形成される立体像表示領
域の寸法を、入力などによって指定された所望値とする
か、または三次元立体像信号の繰返し周期に対応して、
立体像表示体内に形成される立体像表示領域の寸法を変
更することにより、各軸方向への所定掃引距離を、入力
などによって指定された所望値とする。
【0304】照明部Cp6は、立体像表示体DP1内を
照らすものであり、電源回路129に接続された照明燈
Lampによって構成される。この照明部Cp6は、立
体像表示体DP1内の呈色材として、例えばレーザ光照
射により光化学反応を起こして分子構造が変わることで
外殻電子の状態が変化し、赤外光や可視光などのの照射
によって着色するようなフォトクロミック材が適用され
た、三次元立体像表示装置に具備されるものである。例
えばスピロベンゾピランを呈色材として用いると、レー
ザ光照射により光化学反応が進行した部分は、可視光線
による照明下で赤色に呈色する。
【0305】つぎに、呈色原理および呈色材につき説明
する。本発明では、発色現象と着色現象を含めて呈色と
定義する。発色は、呈色材が自ら発光するものであり、
電子の励起および緩和に伴って放射される可視光によっ
て呈色する。また着色は、外部光の照射によって特定の
波長の光を選択的に反射して呈色するものである。
【0306】本発明においては、空間的に分布した呈色
材のうち、着目する位置にある呈色材のみを選択的に呈
色させるために、光路が異なる複数本のレーザ光ビーム
を用いて着目する位置においてこれらを交差させ、これ
ら複数本のレーザ光ビームの有する各エネルギによる作
用、または交差部分での和周波混合を利用して該位置に
ある呈色材を呈色させる構成としている。したがって、
本発明で適用可能な呈色原理および呈色材は、複数本の
レーザ光ビームに作用するものでなければならない。
【0307】そこで本発明で適用可能な呈色原理および
呈色材には、以下の種類がある。 a)電子励起・緩和発光型 レーザ光ビームの照射により電子が高いエネルギ準位に
励起され、次いでこのエネルギ緩和過程で可視光を放出
するものであり、よってこの場合の呈色は可視光の発光
となる。 a−1 多段階励起方式 複数のレーザ光ビームの照射により、電子が少なくとも
一つの中間段階のエネルギ準位を順に経て高いエネルギ
準位に多段階励起され、次いでこのエネルギ緩和過程で
可視領域の光を放出して発光する原理によるもので、複
数のレーザ光ビームの各々が各段階の励起に寄与する。
【0308】このうち、とりわけ立体像の表示に適する
ものが、異なる波長の二本のレーザ光ビームにより原
子、分子、またはイオンが励起される二波長二段階励起
方式(TSTF)である。二波長のレーザ光ビームで二
段階の励起後に緩和による可視光を発光する材料として
は、カリウム系の気体や、希土類元素テルビウムやEr
をフッ化ガラス中にドープした特殊ガラス等が知られて
いる。
【0309】したがって異なる波長の二本のレーザ光ビ
ームを異なった光路から交差させると、交差部分にある
二段階励起型の呈色材のみが両レーザ光ビームの照射を
受けて二段階励起し、発光する。
【0310】a−2 和周波混合方式 複数の異なる波長のレーザ光ビームの夫々単独では励起
されないが、混合により発生する和周波レーザ光によっ
て励起され、緩和により可視光を発光するもので、例え
ば平均粒径が数ナノメートル級のシリコン超微粒子材料
(Si−UFP)や酸化シリコン超微粒子材料、さらに
酸化チタン系超微粒子材料等が知られている。
【0311】したがって例えば異なる波長の二本のレー
ザ光ビームを異なった光路から交差させると、交差部分
においてのみ両波の和周波混合がなされ、その位置にあ
る呈色材のみが生成された和周波レーザ光ビームの照射
を受けて励起し、発光する。
【0312】シリコン超微粒子材料(Si−UFP)や
酸化シリコン超微粒子材料は、表面の水素処理等によっ
て、赤色から紫色までの各色に発光する。従って、例え
ばこれら表面処理等が施されたSi−UFPや酸化シリ
コン超微粒子によって、三原色の発光材が具現される。
【0313】b)光化学反応型 赤外または遠赤外領域、あるいは紫外領域のレーザ光ビ
ームの照射により開環反応などの光化学反応が進行して
分子構造が変化するものであり、この結果、可視光下で
着色するか、あるいはこの分子構造が変化後のレーザ光
ビーム照射で発光する。よってこの場合の呈色は可視光
の発光または着色となる。ここで、異なる波長の多光
子、たとえば異なる波長の2光子により光化学反応が進
行するものと、同一波長の多光子、たとえば同一波長の
2光子により光化学反応が進行するものがある。
【0314】このような光化学反応型の呈色材として
は、ニトロスピロベンゾピラン等が知られている。ニト
ロスピロベンゾピランは、それぞれ波長が1064nm
と532nmの二本のレーザ光ビームで同時に照射する
と、二波長二光子吸収により開環反応のためのエネルギ
が得られてフォトメロシアニンが生成され、このフォト
メロシアニンによって可視光下で鮮明な青色ないし青紫
色に着色する。
【0315】また、上記のフォトメロシアニンはさら
に、532nmのレーザ光ビームの照射で励起される
と、赤い蛍光を発する。ここで照射するレーザ光ビーム
は、波長532nmのレーザ光のビームか、または波長
1064nmのレーザ光のビームを二本、同時に照射す
るようにしてもよい。
【0316】本発明では、上記の電子励起・緩和発光型
および光化学反応型の、いずれの原理も適用可能であ
る。また、材質として気体呈色材、液体呈色材、固体呈
色材のいずれか、またはこれらの任意な混成によるもの
が使用可能である。
【0317】図4は、レイヤー掃引によるキュビット構
成の例を示す図である。また図5は、適用される三次元
立体像信号のタイミングチャートである。
【0318】レイヤー掃引による立体像表示に適用され
る三次元立体像信号は、図5に示されるように、振幅変
調像信号s11、s12、s13等s1Nまでの、N個
の一次元の像の信号がそれぞれ期間h1d1、h1d
2、h1d3、‥‥、h1dNで、水平同期信号Hの属
する期間h1d1r、h1d2r、‥‥等を挟んで時系
列的に連なって、二次元描像を形成させる第1レイヤー
Ly1の信号となり、ついで垂直同期信号Vの属する期
間h2rを挟んで、振幅変調像信号s21、s22、s
23等のN個の一次元の像の信号がそれぞれ期間h2d
1、h2d2、h2d3等で、水平同期信号Hの属する
期間h2d1r、h2d2r、‥‥等を挟んで時系列的
に連なって、二次元描像を形成させる第2レイヤーの信
号となり、このようにして振幅変調像信号sNNを有す
る第NレイヤーLyNまで、N層のレイヤーの信号が時
系列的に連なって第1キュビットCubit#1の信号
を構成する。
【0319】さらに、第1キュビットCubit#1の
信号に続き、原点O復帰同期信号Rが属する原点復帰期
間rtORを挟んで、第2キュビットCubit#2の
信号が時系列的に連なり、このようにしてレイヤー掃引
による立体像表示に適用される三次元立体像信号が構成
される。この三次元立体像信号は、図2に示される信号
処理部123からの出力信号として具現される。
【0320】以下、図4および図5に基づき、さらに図
1を参照して、キュビットの構成と、キュビットの形成
動作を詳細に説明する。
【0321】図1に示される第1ライン光ビームBm1
1と第2ライン光ビームBm12の光路制御により、先
ず原点Oにある両光ビームの交差位置を三軸直交座標の
f軸(第一軸:フロンテージ方向)方向に始端O(f=
0)から末端P2(f=fN)まで連続掃引する。この
期間が前記期間h1d1となる。期間h1d1中は、本
構成では交差位置がd方向とh方向に移動しない。
【0322】このf方向への掃引が、バンド幅(帯域)
を有して像信号でアナログ振幅変調されたレーザ光に基
づき為される場合は、表示体中の呈色材が連続的にf方
向に照射されて、f方向に連続的にキュビセルの列が形
成され、キュビセル・ラインh1d1’となる。なお各
キュビセルのf方向寸法の下限は、帯域幅に依存する。
但し、入力される三次元立体像信号が元来、有限の画素
数の撮像機が撮像した信号に基づき構成されるから、連
続的な振幅変調がなされていても、実質的には該撮像側
の画素数に対応した離散値が載っていることになる。
【0323】キュビセル・ラインh1d1’形成後、両
レーザ光ビームの交差位置は期間h1d1rでf方向に
復帰しつつ、同時にd軸(第二軸)方向にεd(所定距
離)だけ掃引されて点P301に移動し、ついで前記同
様に期間h1d2で第一軸方向に点P302まで連続掃
引されてキュビセル・ラインh1d2’が形成される。
この期間h1d2中は、交差位置がd方向とh方向に移
動しない。この後、交差位置は期間h1d2rでf方向
に復帰しつつ、同時にd軸(第二軸)方向にεd(所定
距離)だけ掃引されて点P303に移動し、ついで前記
同様に第一軸方向に点P304まで連続掃引されてキュ
ビセル・ラインh1d3’が形成される。
【0324】前記のようにして、両レーザ光ビームの交
差位置を掃引することにより、点P3からP4に至るキ
ュビセル・ラインh1dN’が形成されると、これらキ
ュビセル・ラインh1d1’〜h1dN’から成る第1
レイヤーLy1が生成される。
【0325】ついで、両レーザ光ビームの交差位置は期
間h2rで原点方向に復帰しつつ、同時にh軸(第三
軸)方向にεLy(所定距離)だけ掃引されて点P5に
移動し、つぎに点P5から点P6に至るキュビセル・ラ
インh2d1’を形成後、期間h2d1rで復帰し、以
下前記同様の掃引を反復して第2レイヤーLy2が生成
される。以下、同様にしてレイヤーが順次生成され、キ
ュビセル・ラインhNdN’を含む第NレイヤーLyN
が生成されると、第1キュビットCubitが形成され
たことになる。
【0326】1キュビットCubitが形成されると、
両レーザ光ビームの交差位置は期間rtORで原点Oに
復帰し、第2キュビットCubit形成のための掃引が
始まる。
【0327】前記のように、図4のキュビットは、各レ
イヤーがfd平面に平行となり、また各キュビセル・ラ
インはf軸に平行となる構成である。この構成のキュビ
ットを具現するためには、光路制御による両レーザ光ビ
ームの光路変更を連続的ではなく、停止期間と移動期間
とが連なる間欠動作をさせる必要がある。
【0328】図6は、装置動作のタイミングチャートで
ある。同図および図2に基づいて本実施形態の装置の動
作を説明する。期間h1d1において、制御信号126
bと127bにしたがい反射鏡Gv112と反射鏡Gv
122は停止している。よって両レーザ光ビームの交差
位置は、d、h両軸方向へは掃引されない。一方、制御
信号126aにしたがう回転ミラーユニットRMU11
1の回転により、第1ライン光ビームBm11はf軸方
向にf=0からf=fNまで掃引され、また制御信号1
27aにしたがう回転ミラーユニットRMU121の回
転により、第2ライン光ビームBm12もf軸方向にf
=0からf=fNまで掃引される。この結果、交差点が
連続してキュビセルCubcを形成させ、これがキュビ
セルラインとなる。
【0329】f=fNまで掃引ののち、期間h1d1r
で、回転ミラーユニットRMU111と回転ミラーユニ
ットRMU121の回転に伴い次のサブミラーへ移行す
ることで、両レーザ光ビームの交差位置はf軸方向にf
=fNからf=0まで戻るが、これとともに、制御信号
127bにしたがい反射鏡Gv122がf軸中心に脈動
して角度を変えると、第2ライン光ビームBm12はd
軸方向へεdだけ掃引される。この間、h軸方向へは掃
引されない。
【0330】上記のようなf軸方向にf=0からf=f
Nまで掃引と、その後のf軸方向にf=fNからf=0
まで掃引ならびにd軸方向へεdだけの掃引が反復さ
れ、d軸方向への移動がd=dNに至ると、レイヤーL
y1が形成される。ついで、帰線期間h2rでf=0、
d=0へ戻ると同時に、制御信号126bにしたがい反
射鏡Gv112がf軸中心に脈動して角度を変えると、
h軸方向へεLyだけ掃引される。
【0331】前記を反復して順にレイヤーLy2からレ
イヤーLynまで形成させると、h軸方向への移動がh
=hNに至り、キュビットが形成される。この後、両レ
ーザ光ビームの交差位置は期間rtORにおいて原点O
へ復帰し、以降、つぎのキュビットの形成過程が進行す
る。
【0332】図7は、本発明に係る三次元立体像表示装
置に適用される光源Cp1要部の構成例の説明図であ
る。この構成による光源は、1基のレーザ発振器Ldp
を用いて、出力されるビームをビームスプリッタBsp
で二分割し、一方のビームBm1はそのまま使用し、他
方のビームは二倍高調波変換素子SHGを経て二分の一
の波長のビームBm2とする。この構成により、例えば
Nd/YAGレーザ発振器を1基用いて、波長が106
4nmのビームと、波長が532nmのビームとの二本
のコヒーレントなビームが得られる。
【0333】図8は、本発明に係る三次元立体像表示装
置に適用される光源の別の構成例の説明図である。この
構成による光源は、2基のレーザ発振器Ldp1、Ld
p2を用い、それぞれフルミラーFmr1、Fmr2に
より光路が制御された二本のビームを得るものである。
このように、本発明に係る三次元立体像表示装置には図
7、図8いずれの構成の光源も適用可能である。
【0334】図9は、図1に示される三次元立体像表示
装置に適用される光路制御手段Cp2の要部である、ガ
ルバノミラーユニットの斜視図である。ガルバノミラー
ユニットGMUは、三軸方向をf、d、hとして、回動
軸がd軸方向のガルバノ型の反射鏡Gv11と、回動軸
がf軸方向のガルバノ型の反射鏡Gv12を備える。さ
らに各反射鏡Gv11、Gv12は、図示されないアク
チュエータによって駆動される。
【0335】f軸方向から入射した光ビームBf1が、
回動する反射鏡Gv11により反射してfh平面上で振
られ、この光ビームBh1がついで回動する反射鏡Gv
11により反射して、光路方向断面がfh方向に拡がる
光ビームBm1が出力される。
【0336】図10は、本発明に係る三次元立体像表示
装置に適用される光路制御手段のさらに別の例である回
転ミラーユニットの要部斜視図である。回転ミラーユニ
ットRMUは、モータM11によってd軸中心に回転す
るポリゴンミラーPgm11と、モータM12によって
f軸中心に回転するポリゴンミラーPgm12を備え
る。
【0337】ポリゴンミラーPgm11、Pgm12は
それぞれ複数の短冊状のサブミラーsmr11、smr
12から構成されている。
【0338】f軸方向から入射した光ビームBf1が、
回転するポリゴンミラーPgm11の1枚のサブミラー
smr11により反射してfh平面上で振られ、この光
ビームBh1’がついで回転するポリゴンミラーPgm
12の1枚のサブミラーsmr12により反射して、光
路方向断面がfh方向に拡がる光ビームBm1’が出力
される。
【0339】図11は、本実施形態に係る三次元立体像
表示装置ORIIN1におけるキュビット構成の別の例
を示す図である。原点Oにある両光ビームの交差位置を
三軸直交座標のf軸およびd軸方向に、始端Oから末端
P1301まで連続掃引する。この期間が前記期間h1
d1となる。期間h1d1中は、本構成では交差位置が
h方向に移動しない。
【0340】このfおよびd方向への同時掃引が、バン
ド幅(帯域)を有して像信号でアナログ振幅変調された
レーザ光に基づき為される場合は、表示体中の呈色材が
連続的にfd方向に照射されて、fd方向に連続的にキ
ュビセルの列が形成され、キュビセル・ラインh1d
1’となる。但し、入力される三次元立体像信号が元
来、有限の画素数の撮像機が撮像した信号に基づき構成
されるから、連続的な振幅変調がなされていても、実質
的には該撮像側の画素数に対応した離散値となり、これ
に対応してキュビセルが生成されることになる。
【0341】キュビセル・ラインh1d1’形成後、両
レーザ光ビームの交差位置は期間h1d1rで点P13
01からf方向に復帰しつつ、同時にd軸方向に掃引さ
れて点P1302に至る。ここで、原点O〜点P130
2間の距離がεd(所定距離)となるよう、掃引速度が
決められる。ついで点P1302から、前記同様に期間
h1d2でfd方向に点P1303まで連続掃引されて
キュビセル・ラインh1d2’が形成される。この期間
h1d2中は、交差位置がh方向に移動しない。
【0342】前記のようにして、両レーザ光ビームの交
差位置を掃引することにより、点P4に至るキュビセル
・ラインh1dN’が形成されると、これらキュビセル
・ラインh1d1’〜h1dN’から成る第1レイヤー
Ly1が生成される。
【0343】ついで、両レーザ光ビームの交差位置は期
間h2rで原点方向に復帰しつつ、同時にh軸(第三
軸)方向にεLy(所定距離)だけ掃引されて点P13
21に移動し、点P1321から始まるキュビセル・ラ
イン形成を反復して第2レイヤーLy2が生成される。
以下、同様にしてレイヤーが順次生成され、キュビセル
・ラインhNd1’、hNd2’を含む第NレイヤーL
yNが生成されると、ひとつのキュビットCubitが
形成されたことになる。
【0344】1キュビットCubitが形成されると、
両レーザ光ビームの交差位置は原点Oに復帰し、つぎの
キュビットCubit形成のための掃引が始まる。
【0345】前記のように、図11のキュビットは、各
レイヤーがfd平面に平行となり、また各キュビセル・
ラインはf軸、d軸に角度を有する構成である。この構
成のキュビットを具現するためには、光路制御による両
レーザ光ビームのf軸、d軸方向の光路変更を連続的に
し、一方、h方向の光路変更は停止期間と移動期間とが
連なる間欠動作をさせる。
【0346】このように、ライン状レーザ光ビームを用
いて上記のように掃引することで、三軸各方向に高精細
度の立体像の描像が可能になる上、第一軸方向への連続
掃引と同時に第二軸方向に連続掃引することで、掃引機
構の動作を連続にでき、よって少なくとも第一軸方向と
第二軸方向への掃引機構の脈動動作を排除できて、掃引
機構を簡素化できるという利点がある。
【0347】図12は、本実施形態に係る三次元立体像
表示装置ORIIN1におけるキュビット構成のさらに
別の例を示す図である。原点Oにある両光ビームの交差
位置を三軸直交座標の全軸方向、すなわちf軸およびd
軸およびh軸方向に、始端Oから末端P1401まで連
続掃引する。この期間が前記期間h1d1となる。期間
h1d1中は、本構成では交差位置がf、d、h方向す
べてに移動する。
【0348】この掃引により、表示体中の呈色材が連続
的にfdh方向に照射されて、fdh方向に連続的にキ
ュビセルの列が形成され、キュビセル・ラインh1d
1’となる。
【0349】キュビセル・ラインh1d1’形成後、両
レーザ光ビームの交差位置は期間h1d1rで点P14
01からf方向に復帰しつつ、同時にd軸方向とh軸方
向に掃引されて点P1402に至る。ここで、原点O〜
点P1402間のd軸方向距離がεd(所定距離)とな
るよう、掃引速度が決められる。ついで点P1402か
ら、前記同様に期間h1d2でfdh方向に点P140
3まで連続掃引されてキュビセル・ラインh1d2’が
形成される。この期間h1d2中は、交差位置がf、
d、h方向すべてに移動する。
【0350】前記のようにして、両レーザ光ビームの交
差位置を掃引することにより、点P1404に至るキュ
ビセル・ラインh1dN’が形成されると、これらキュ
ビセル・ラインh1d1’〜h1dN’から成る、傾斜
した第1レイヤーLy1が生成される。
【0351】ついで、両レーザ光ビームの交差位置は期
間h2rでf=0、d=0方向に復帰しつつ、同時にh
軸方向にも移動して点P1421に移動する。このとき
原点Oから点P1421に至る距離がεLy(所定距
離)になるよう、掃引制御がなされる。
【0352】以下、点P1421から始まるキュビセル
・ライン形成を反復して第2レイヤーLy2が生成さ
れ、同様にしてレイヤーが順次生成され、ひとつのキュ
ビットCubitが形成されたことになる。
【0353】1キュビットCubitが形成されると、
両レーザ光ビームの交差位置は原点Oに復帰し、つぎの
キュビットCubit形成のための掃引が始まる。
【0354】前記のように、図12のキュビットは、各
レイヤーがfdh各軸から傾斜し、また各キュビセル・
ラインもfdh軸に角度を有する構成となる。この構成
のキュビットを具現するためには、光路制御による両レ
ーザ光ビームのf軸、d軸およびh軸方向の光路変更を
連続的にする。
【0355】したがって、ライン状レーザ光ビームを用
いて前記のように掃引することにより、三軸各方向の高
精細度の立体像の描像が可能になる上、第一軸方向への
連続掃引と同時に第二軸方向および第三軸方向に連続掃
引することで、掃引機構の動作をすべて連続にでき、よ
って掃引機構の動作をすべて連続にできることで、掃引
機構をさらに簡素化できるという利点がある。とりわ
け、掃引機構の間欠動作によるバックラッシュを小さく
でき、安定した像を得ることが可能になる。
【0356】つぎに、精細度制御手段Cp5の動作を説
明する。精細度制御手段Cp5は、種別・同期信号抽出
回路125から供給される種別・同期信号及び、外から
の指定値として入力された、精細度や表示領域の寸法の
所望値Stdに基づき、交差部分の適切なf方向の単位
掃引移動距離εf、d方向の単位掃引移動距離εd、h
方向の単位掃引移動距離εLyを算出し、εfとεLy
が載った制御信号130aを第1ライン光ビーム掃引制
御回路126に、εfとεdが載った制御信号130b
を第2ライン光ビーム掃引制御回路127へ送出する。
【0357】第1ライン光ビーム掃引制御回路126
は、このεfとεLyが載った制御信号130aを受け
て、εfに基づきf軸方向の掃引開始角度や反射鏡Gv
111の回動速度を制御する信号126aをアクチュエ
ータAct11へ送る。さらにεLyに基づきh軸方向
の掃引開始角度や反射鏡Gv112の回動速度を制御す
る信号126bをアクチュエータAct12へ送る。
【0358】さらに、第2ライン光ビーム掃引制御回路
127は、このεfとεdが載った制御信号130bを
受けて、εfに基づきf軸方向の掃引開始角度や反射鏡
Gv121の回動速度を制御する信号127aをアクチ
ュエータAct21へ送る。さらにεdに基づきd軸方
向の掃引開始角度や反射鏡Gv122の回動速度を制御
する信号127bをアクチュエータAct22へ送る。
【0359】この結果、繰り返し周期の長い動像の三次
元立体像信号や、繰り返し周期の短い動像の三次元立体
像信号が入力された際に、その周期に応じて掃引距離を
変更することにより、所定の表示領域に描像することが
でき、よって形成される立体像表示領域の寸法を所望値
とすることができる。
【0360】または、繰り返し周期の長い動像の三次元
立体像信号や、繰り返し周期の短い動像の三次元立体像
信号が入力された際に、その周期に応じて立体像表示領
域の寸法を変更することにより、所定の単位掃引距離で
描画でき、よって描像の精細度を所望値とすることがで
きる。
【0361】上記から明らかなように本実施形態におい
ては、精細度制御手段Cp5と光路制御手段Cp2によ
って、前記各軸方向の単位移動距離εd、εLyを所望
の距離に制御可能であるから、同一の立体像表示体を用
いる場合に、描像の精細度または立体像表示領域を所望
のものに調節することができる。この機能は、キュビッ
トの構成を問わず実現できる。
【0362】これにより、本実施形態によれば三軸方向
の高精細度かつ像歪みのない立体像の描像が可能にな
り、さらに三軸方向へ直交掃引する構成であるから、立
体像表示体内の任意の位置のアクセスが高精度でなさ
れ、表示像への信頼度が向上する上、掃引機構が簡素化
できるという効果がある。
【0363】その上、複数の掃引面が層状に重ねられた
立体像表示領域を形成することにより、複雑な形状の像
や、表示されるべき像が複数個、独立して存在し、立体
像表示体中に離れて分散して存在する場合などでも描像
時間を一定にできるという効果が得られる。
【0364】本実施形態に係る三次元立体像表示装置の
用途は、立体静止像が適用される分野にとりわけ適して
いる。
【0365】特に適する用途としては、第一に、臨床医
学や基礎医学分野のうちでもとりわけ検査・治療分野に
おける、従来平面画像表示されていた断層像に代わる立
体断層静止像の形成、例えばX線CTやポジトロンCT
断層の立体静止像の表示がある。
【0366】用途分野の第二は、教育分野とりわけ各教
科・科目の学習課程における教材の三次元立体像表示で
あり、特に理科、図工、数学での教材のマルチメディア
技術にもとづく各種の立体像表示に有効である。とりわ
け、立体静止像表示に適する。
【0367】第三の用途分野としては、服飾や自動車を
はじめとするデザイン工程でのデザイン・イメージの三
次元静止像としての表示、さらに建築設計における三次
元パース像(静止像)の作成や、三次元レイアウト表示
がある。
【0368】第四の用途分野としては、マルチメディア
・エンターテインメント分野として、大・小劇場やコン
サートホールにおける大型立体像の表示、アーケードゲ
ームにおける立体像表示がある。
【0369】第五の用途分野は生産現場であり、設計工
程での部品設計における三次元静止像表示や、生産工程
での工業用CT検査の立体静止像表示などに適する。
【0370】さらに、他の用途分野としては、学術研究
分野でのシミュレーション結果の三次元静止像表示や、
あるいは芸術、美術の制作過程におけるデザイン・イメ
ージの三次元静止像または、これら作品自体の三次元静
止像として表示・展示、すなわち粘土や合成樹脂、木
材、金属などの材質を用いた造形に代わり、三次元立体
像表示装置で再現される作品の表示・展示がある。さら
に、三次元立体像表示装置をショーウインドウとして使
用し、商品の三次元立体像を、動像や静止像で表示させ
る、所謂バーチャルショーウインドウといった商業用途
にも好適である。
【0371】図13は、本発明に係る三次元立体像表示
システム構成例のブロック図である。同図に示されるよ
うに、本発明に係る三次元立体像表示システムORN1
1は、表示対象である立体を構成する各部分の位置情報
を含むデータを編成する手段である三次元立体像信号生
成系ORN111と、前記編成されたデータを伝送する
手段である伝送系ORN112と、伝送されたデータを
受理して、該データに基づき、三次元方向に拡がる表示
体内に立体像を描像する手段である立体像表示系ORN
113とを備えて成る。
【0372】三次元立体像信号生成系ORN111は、
表示対象である立体を撮像する立体撮像手段1111
と、立体撮像手段1111から入力された信号に基づい
て三次元立体像信号を形成するデータを編集・生成する
3次元像データ生成手段1112と、3次元像データ圧
縮及びエラーコードのエンコーダ1113を備える。3
次元像データ圧縮及びエラーコードのエンコーダ111
3では、伝送や記録に適した形式で像データの符号化や
変換がなされる。
【0373】前記に加え、さらに三次元CGデータに基
づき三次元立体像信号を形成するデータに変換するコン
バータ1114を備えた構成とすることもできる。
【0374】また、前記に加えさらに、三次元立体像信
号を形成するデータの記録手段1115を備えた構成と
することもできる。記録手段1115は、3次元像デー
タ圧縮及びエラーコードのエンコーダ1113により符
号化や変換がなされた三次元立体像信号を形成するデー
タを記録するほか、3次元像データ生成手段1112や
コンバータ1114からのデータを直接、記録すること
も可能である。 なお、記録手段1115はデータの記
録機能および再生機能を備える。
【0375】ここで、前記三次元立体像信号を形成する
データには、表示対象である立体の各部分の位置情報に
加えて各部分の属性情報、たとえば色調、濃淡、光沢、
屈折率、材質、密度、重量などの情報が含まれる。
【0376】このようにして、属性情報を含んだ三次元
立体像信号を形成するデータが、エンコーディングされ
て三次元立体像信号生成系ORN111から放出され、
伝送系ORN112を経て伝送される。
【0377】立体像表示系ORN113は、伝送系OR
N112から受理した三次元立体像信号に基づき復号と
エラー補正を行なうデータ復号/エラー補正手段113
1と、データ復号/エラー補正手段1131から受けた
三次元立体像信号に基づきレーザ発振器を光強度変調し
て駆動させる変調/駆動手段1132と、変調/駆動手
段1132の制御下でレーザ光ビームを発するレーザダ
イオードLdpと、レーザダイオードLdpが出射した
レーザ光ビームの光路を制御する光路制御手段1134
と、光路制御手段1134によって光路制御された複数
本のレーザ光ビームの交差によるエネルギで呈色材を呈
色させることで描像する立体像表示体DP113を備え
て構成される。
【0378】前記に加えさらに、像データの記録手段1
135を備えた構成とすることもできる。記録手段11
35は、データ復号/エラー補正手段1131から受け
た三次元立体像信号が記録可能のほか、伝送系ORN1
12から受理した三次元立体像信号を直接、記録可能に
構成される。
【0379】前記のように、本三次元立体像表示システ
ムORN11では、三次元立体像信号を形成するデータ
の伝送手段の実行に先立ってデータに圧縮を施す手段
と、圧縮データの受理後に復元処理を施す手段とを備え
る構成とする。図14は、本三次元立体像表示システム
ORN11における、このような信号処理の例の概念図
である。
【0380】同図は、一例として、ある時間におけるキ
ュビットCubit#Nを構成する三次元分布のキュビ
セルCubc間の空間的圧縮、すなわちインナー・キュ
ビットによる処理と、別の時間におけるキュビットCu
bit#N+1間での時間差的圧縮、すなわちインター
・キュビットによる処理を概念的に示すものである。
【0381】ところで、従来の二次元平面画像や疑似三
次元画像に適用されてきたデータ圧縮原理により処理さ
れたデータには、符号化時の量子化テーブル、動きベク
トルといった符号化情報など種々の情報があり、これら
を符号化ストリームに添付して伝送し、このようにして
像圧縮データを機器間で授受してきた。
【0382】一方、三次元立体像の表示においては、た
とえば三次元立体像信号を形成するデータを三次元空間
方向および時間方向に分割した複数のクラスタ間での、
鏡像処理やたたみこみ演算により生成される複数の像デ
ータストリームを並列に符号化し、また並列に復号化す
るといった、平面画像においてMPEG方式が果たす機
能を凌駕するような符号化/復号化アルゴリズムが、こ
うした三次元立体像信号を形成するデータ圧縮・伝送技
術として新たに適用される必要があることは論をまたな
い。
【0383】このように、本発明では三次元位置情報や
その各部分の属性情報が載せられることで膨大となるデ
ータ量を、従来の二次元平面画像の圧縮原理や疑似三次
元画像に適用されてきたデータ圧縮原理に代えた、真の
三次元立体像信号を形成するデータの空間的/時間的圧
縮原理を新規に適用することによって減少させることが
でき、よってとりわけデータ伝送手段を簡略化すること
ができる。
【0384】前記のように、本発明に係る三次元立体像
表示システムORN11によれば、三次元方向に拡がる
表示体内に立体像を描像するための手段を、データの編
成手段から伝送手段をへてデータ受理と描像表示の手段
に至るまで、一貫して提供することができる。
【0385】すなわち、三次元立体像表示システムOR
N11によって、属性情報までも三次元方向に拡がる空
間内に再現する一貫した装置群を実現することが可能に
なるという効果を奏する。
【0386】しかも三次元立体像信号を形成するデータ
には位置情報に加えて属性情報を含むから、立体像の輪
郭や形状の表示にとどまらず、各部分の色調や濃淡はも
とより、その光沢をはじめ、各部分の屈折率までも再現
することが可能になる。
【0387】たとえば立体像表示体DP113内に分散
配設される呈色材に、光エネルギなどを付与することに
より屈折率が変化する非線形光学材料を適用することに
より、光照射により像信号に応じて着目部分の屈折率を
変化させることが可能となる。
【0388】例えば表示対象立体として、空気よりも光
屈折率が大のレンズを備えるカメラを描像する場合、従
来のステレオグラムなどの疑似的な三次元立体像表示装
置では、レンズの屈折率まで再現されることはなかっ
た。
【0389】一方、本発明に係る三次元立体像表示シス
テムORN11によれば、立体像表示体DP113内に
描像されるカメラのレンズ部分が、非線形光学材料によ
る呈色材によって屈折率まで再現されることになり、こ
の結果、描像された立体像においてレンズの背面部分が
実際にレンズ作用で拡大または縮小して観察されること
になる。こうした効果は、従来の三次元立体像表示シス
テムでは実現されることがなかった。
【0390】前記のような光屈折率の変化は、立体像の
描像再現において効果的であるばかりか、一般的な展示
デスプレイにおいても、特殊な効果を生みだす上でとり
わけ効果的となる。
【0391】以上は、属性を特に光屈折率に限って説明
したが、光屈折率に限られることなく、他の属性につい
ても類似の効果を具現することができる。
【0392】つぎに、記録手段の機能と動作につき説明
する。三次元立体像表示システムORN11は、前記の
ように三次元立体像信号生成系ORN111に記録手段
1115が、また立体像表示系ORN113に記録手段
1135が、それぞれ具備されている。これら記録手段
1115と記録手段1135は、少なくとも一方が具備
された構成でもよい。
【0393】これら記録手段1115、1135の機能
によって、データの編成時期と該データの再生時期を独
立させることができ、よって任意の時期においてデータ
の編成を実行するとともにこれを記録し、また任意の時
期においてデータの編成手段がこの記録を再生して伝送
し、一方、データの受理側がこの再生されたデータに基
づき直ちに描像表示するか、またはデータの受理側で再
度記録することが可能になる。なおデータとは、三次元
立体像信号を形成するデータを略したものであり、以下
同様である。
【0394】しかも、データの圧縮後に該圧縮データを
記録することによって、三次元位置情報やその各部分の
属性情報が載せられることで膨大となるデータ量を圧縮
によって減少させることができるから、記録手段の構成
が簡素化されるばかりか、記録に要する時間を短縮する
ことができる。
【0395】本実施形態に係る三次元立体像表示システ
ムの特に適する用途としては、第一に、臨床医学や基礎
医学分野のうちでもとりわけ検査・治療分野における、
従来平面画像表示されていた断層像に代わる立体断層静
止像の形成、例えばX線CTやポジトロンCT断層の立
体静止像の表示がある。
【0396】用途分野の第二は、教育分野とりわけ各教
科・科目の学習課程における教材の三次元立体像表示で
あり、特に理科、図工、数学での教材のマルチメディア
技術にもとづく各種の立体像表示に有効である。とりわ
け、本実施形態の構成は立体静止像表示に適する。
【0397】第三の用途分野としては、服飾や自動車を
はじめとするデザイン工程でのデザイン・イメージの三
次元静止像としての表示、さらに建築設計における三次
元パース像(静止像)の作成や、三次元レイアウト表示
がある。
【0398】第四の用途分野としては、マルチメディア
・エンターテインメント分野として、大・小劇場やコン
サートホールにおける大型立体像の表示、アーケードゲ
ームにおける立体像表示がある。
【0399】第五の用途分野は生産現場であり、設計工
程での部品設計における三次元静止像表示や、生産工程
での工業用CT検査の立体静止像表示などに適する。
【0400】さらに、他の用途分野としては、学術研究
分野でのシミュレーション結果の三次元静止像表示や、
あるいは芸術、美術の制作過程におけるデザイン・イメ
ージの三次元静止像または、これら作品自体の三次元静
止像として表示・展示、すなわち粘土や合成樹脂、木
材、金属などの材質を用いた造形に代わり、三次元立体
像表示装置で再現される作品の表示・展示がある。さら
に、三次元立体像表示装置をショーウインドウとして使
用し、商品の三次元立体像を、動像や静止像で表示させ
る、所謂バーチャルショーウインドウといった商業用途
にも好適である。
【0401】本発明の第2実施形態に係る三次元立体像
表示装置は、ライン状レーザ光ビームを二本、直交状態
で交差させ、交差部分をベクトル掃引することにより、
立体の表面または稜線の連結による三次元立体像の描像
をなす構成である。
【0402】図15は、本発明の第2実施形態に係る三
次元立体像表示装置の要部斜視図である。図16は、そ
の機能ブロック図である。さらに図17は、その動作タ
イミングチャートである。
【0403】図15および図16に示されるように、本
発明の第2実施形態に係る三次元立体像表示装置ORI
IN2は、立体像Vg2が内部に形成される立体像表示
体DP2と、二基のレーザ発振器Ldp21、Ldp2
2および、その駆動回路Amp21、Amp22を備
え、それぞれ出射光が光路方向にラインを形成するとと
もに光路方向の異なる第一のライン状レーザ光ビームB
m21と第二のライン状レーザ光ビームBm22を発射
する光源Cp21と、発射された二本のレーザ光ビーム
Bm21、Bm22の光路を管理して立体像表示体DP
2中の所望の位置において交差させ、且つ交差位置に係
る像歪みを制御するとともに、この交差位置を移動させ
る掃引機能を備える光路制御手段Cp22と、二基のレ
ーザ発振器Ldp21、Ldp22のうち少なくとも一
基の出力か、または両ライン状レーザ光ビームBm2
1、Bm22の少なくとも一方を、表示対象である立体
の表面または稜線に沿った位置情報によって構成された
三次元立体像信号に基づいて光強度変調するレーザ光強
度変調手段Cp23と、入力された像信号を処理する信
号処理部Cp24と、立体像表示体DP2内に形成され
る立体像Vg2の精細度を制御するか、または表示領域
の寸法を制御する精細度制御手段Cp25と、立体像表
示体DP2内を照らす照明部Cp26と、さらに電源回
路229を備えて構成されている。
【0404】立体像表示体DP2は、三軸方向寸法が
F、D、Hの透明な直方体であり、両ライン状レーザ光
ビームBm21、Bm22の光路の交差部分によって内
部が照射され、該交差部分に照射されることで発色また
は着色する気体または液体または固体、またはこれらの
組み合わせで構成された呈色材が内部に三次元方向に一
様分散され、交差部分の集合として立体像Vg2が描像
される。ただし立体像表示体DP2は図示されているよ
うな直方体形状に限定されることなく、三次元方向に拡
がりを有するものであれば形状を問わない。
【0405】光源Cp21から発射され、光路制御手段
Cp22によって光路が制御された第1ライン光ビーム
Bm21と第2ライン光ビームBm22との交差部分に
ある呈色材が、両レーザ光ビームBm21とBm22に
より同時に照射を受けることによって、所定の色に呈色
する。
【0406】両レーザ光ビームはそれぞれ数ミクロン乃
至数十ミクロン程度の太さがあるから、交差部分は数ミ
クロン乃至数十ミクロン程度の径の断面を有する立体ス
ポットとなる。しかも交差部分は掃引によって微小時間
で掃引方向へ移動するから、この間に照射を受けて呈色
する呈色材の集合は掃引方向へ更に拡がり、このように
して呈色された呈色材が含まれる微小領域キュビセルC
ubcの列によって、キュビセル・ラインが形成され
る。
【0407】さらに掃引方向を移動させて掃引を反復す
ることで、次のキュビセル・ラインが形成され、この反
復で多数のキュビセル・ラインから成る立体像Vg2が
形成される。
【0408】レーザ光強度変調手段Cp23へ入力され
る三次元立体像信号は、表示対象である立体の表面また
は稜線に沿って形成されており、この三次元立体像信号
で変調された駆動電流が、レーザダイオード駆動増幅器
Amp21またはAmp22の少なくとも一方へ入力さ
れる。この結果、レーザダイオードLdp21またはL
dp22の少なくとも一方の出力が三次元立体像信号で
変調され、三次元立体像信号によって光強度変調された
ライン光ビームが発射される。
【0409】光路制御手段Cp2は、ライン状レーザ光
ビームBm21の掃引を制御する第1ライン光ビーム掃
引制御回路226、第1ライン光ビーム掃引制御回路2
26からの制御信号226aにより駆動されるアクチュ
エータAct211、アクチュエータAct211によ
りd軸を回動中心として角度が変化する反射鏡Gv21
1、さらに第1ライン光ビーム掃引制御回路226から
の制御信号226bにより駆動されるアクチュエータA
ct212、アクチュエータAct212によりf軸を
回動中心として角度が変化する反射鏡Gv212を備え
る。また、第1集束光学系Lz21を備える。
【0410】さらに光路制御手段Cp2は、ライン状レ
ーザ光ビームBm22の掃引を制御する第2ライン光ビ
ーム掃引制御回路227、第2ライン光ビーム掃引制御
回路227からの制御信号227aにより駆動されるア
クチュエータAct221、アクチュエータAct22
1によりh軸を回動中心として角度が変化する反射鏡G
v221、さらに第2ライン光ビーム掃引制御回路22
7からの制御信号227bにより駆動されるアクチュエ
ータAct222、アクチュエータAct222により
f軸を回動中心として角度が変化する反射鏡Gv222
を備える。また、第2集束光学系Lz22を備える。
【0411】図15に示されるように、レーザ発振器L
dp21から発射されf軸方向に光路をとるライン状レ
ーザ光ビームは、d軸中心に回動する反射鏡Gv211
で反射されて、fh平面上で振れる。このfh平面上で
振れた反射光ビームが、f軸を軸として回動可能な反射
鏡Gv212で反射され、さらに第1集束光学系Lz2
1を経ることにより、fd平面上でf軸方向へ振れ、か
つd軸方向へ直進するビームとなり、立体像表示体DP
2内に入射する。
【0412】一方、反射鏡Gv212がf軸中心に回動
して角度を変えると、ライン光ビームBm21はh軸方
向へ掃引される。よって以上の動作により、ライン光ビ
ームBm21は立体像表示体DP2内の位置(f、h)
をd軸方向に掃引することになる。
【0413】このようにライン光ビームBm21は、立
体像表示体DP2の面fh+から立体像表示体DP2内
に入射する。したがって第1集束光学系Lz21等の機
構部品は主として面fh+側に配設される。
【0414】一方、レーザ発振器Ldp22から発射さ
れf軸方向に光路をとるライン状レーザ光ビームは、h
軸中心に回動する反射鏡Gv221で反射されて、fd
平面上で振れる。このfd平面上で振れた反射光ビーム
が、f軸を軸として回動可能な反射鏡Gv222で反射
され、さらに第2集束光学系Lz22を経ることによ
り、fh平面上でf軸方向へ振れ、かつh軸方向へ直進
するビームとなり、立体像表示体DP2内に入射する。
【0415】一方、反射鏡Gv222がf軸中心に回動
して角度を変えると、ライン光ビームBm22はd軸方
向へ掃引される。よって以上の動作により、ライン光ビ
ームBm22は立体像表示体DP2内の位置(f、d)
をh軸方向に掃引することになる。
【0416】このようにライン光ビームBm22は、立
体像表示体DP2の面fd−から立体像表示体DP2内
に入射する。したがって第2集束光学系Lz22等の機
構部品は主として面fd−側に配設される。
【0417】前記で、ライン光ビームBm21とライン
光ビームBm22が同じ座標位置(f、d、h)を通過
するように光路を制御すると、両方が一点で交差し、そ
の交差点がキュビセルCubcを形成させる。光路制御
手段Cp22は、三次元立体像信号にしたがい、第1ラ
イン光ビームBm21と第2ライン光ビームBm22の
光路を制御して交差点を移動させると、立体像Vg2が
立体像表示体DP2内に形成される。
【0418】たとえばライン光ビームBm21は、第1
集束光学系Lz21上で点P21’から点P22’へ移
動し、ついで点P22’から点P23’へ移動し、つい
で点P23’から点P21’へ移動するよう制御され
る。
【0419】一方ライン光ビームBm22は、第2集束
光学系Lz22上で点P21’’から点P22’’へ移
動し、ついで点P22’’から点P23’’へ移動し、
ついで点P23’’から点P21’’へ移動するよう制
御される。
【0420】この結果、立体像表示体DP2内に点P2
1〜点P22〜点P23〜点P21を結ぶ立体像Vg2
が形成される。
【0421】ここで光路制御手段Cp22は、両レーザ
光ビームが立体像表示体DP2中の各交差点において張
る最小角度θを 86°≦θ≦90° の範囲内に制御するものとする。具体的には、両レーザ
光ビームBm21、Bm22が上記θの範囲内で交差す
るよう、第1ライン光ビーム掃引制御回路226と第2
ライン光ビーム掃引制御回路227が各アクチュエータ
に制御信号を送る。
【0422】さらに第1ライン光ビーム掃引制御回路2
26と第2ライン光ビーム掃引制御回路227のうちの
少なくとも一方は、立体像表示体DP2内に形成される
立体像に発生する、前記交差位置に係る像歪みの補正処
理の機能を備える。
【0423】すなわち、レーザ光ビームの交差位置が立
体像表示領域の端部側にあるときの反射鏡の回動速度を
小とすることにより、端部側における交差部分の単位時
間あたりの移動距離が所定値になるようにし、一方、レ
ーザ光ビームの交差位置が立体像表示領域の中央部側に
あるときの反射鏡の回動速度を大とすることにより、中
央部側における交差部分の単位時間あたりの移動距離が
同じ所定値になるように、反射鏡の動作を制御する。
【0424】具体的には、第1ライン光ビーム掃引制御
回路226と第2ライン光ビーム掃引制御回路227
が、回動角速度を変動させるための例えば非線形波形の
制御信号を各アクチュエータに送る構成とする。
【0425】f軸方向の歪補正は、第1ライン光ビーム
掃引制御回路226が制御信号126aをアクチュエー
タAct211へ送るとともに、第2ライン光ビーム掃
引制御回路227が制御信号227aをアクチュエータ
Act221へ送ることにより為される。
【0426】d軸方向の歪補正は、第2ライン光ビーム
掃引制御回路227が制御信号227bをアクチュエー
タAct222へ送ることにより為される。
【0427】さらにh軸方向の歪補正は、第1ライン光
ビーム掃引制御回路226が制御信号226bをアクチ
ュエータAct212へ送ることにより為される。
【0428】前記により、立体像表示体DP2中の各位
置に形成されるキュビセルの寸法を均一とし、よって交
差位置に係る像歪みが補正される。この機能は通常の立
体像表示体DP2寸法の構成に有効であるばかりでな
く、とりわけ立体像表示体DP2寸法が大であり、しか
も立体像表示体DP2と周辺機構部品の距離を小さくし
て装置全体の容積を縮小させた三次元立体像表示装置に
おける、交差位置に係る像歪み補正に有効である。
【0429】さらに、立体像表示体中に形成されるキュ
ビセルの寸法を所望値に、かつ上記のように寸法を均一
に制御でき、よって精細度を所望値に制御できる。ある
いは、利用の都合上、表示領域を所望寸法に限定する必
要がある場合も、上記の構成によってキュビセルの寸法
を縮小し、かつ均一寸法に制御することで、立体像表示
体中の表示範囲を所望の範囲に調整することが可能にな
る。
【0430】つぎに、掃引レートにつき説明する。三次
元表示領域の各軸方向に並んで形成可能なキュビセル数
を各240とすると、240×240×240=13、
824、000個のキュビセル形成が可能である。本実
施形態における掃引はベクトル掃引であるから、全部の
キュビセルを掃引する必要はなく、立体を構成している
稜線や外郭線に沿うキュビセルのみを形成させるよう、
稜線や外郭線に沿った掃引を行なう。
【0431】したがって単位時間あたりの掃引回数つま
り掃引レートは、描像される稜線や外郭線の数に依存す
る。立体静止像を表示させる場合、呈色状態が長時間維
持されるバイナリ効果を有する呈色材を適用する場合は
リフレッシュ書き換えの必要がないが、呈色状態が長時
間維持されない材料ではリフレッシュ書き換えが必要と
なる。リフレッシュ書き換えをする構成の場合は、残光
時間が長いりん光体の呈色材の適用が好ましい。
【0432】信号処理部Cp24は、入力された三次元
立体像信号を形成するデータおよび同期信号、あるいは
場合によってこれらに加え、種別を同定するための信号
が載った入力信号に基づき、レーザ発振器からの出力を
光強度変調するための変調信号をレーザ光強度変調手段
Cp23に送り、また光路制御手段Cp22へ同期信号
を送り、さらに精細度制御手段Cp25へ信号の種別情
報か、同期信号の周期情報を送るものであり、信号入力
端子Is、符号化/復号化手段221、キュビットメモ
リ222、D/A変換器223、記録手段224、種別
・同期信号抽出回路225などを備えて成る。
【0433】なお、 信号入力端子Isから種別・同期
信号抽出回路225に至る各部の機能と動作は前記実施
形態におけると略同様である。
【0434】D/A変換器223により変換された信号
は、種別・同期信号抽出回路225において、同期信号
と、三次元立体像信号の種別を同定するための信号が抽
出され、同期信号は少なくとも第1ライン光ビーム掃引
制御回路226と第2ライン光ビーム掃引制御回路22
7へ送られる。また、三次元立体像信号の種別を同定す
るための信号は、精細度制御手段Cp25へ送られる。
【0435】精細度制御手段Cp25は、立体像表示体
DP2内に形成される立体像の精細度を制御するか、ま
たは表示領域の寸法を制御するものである。以下、精細
度制御手段Cp25の構成と動作を説明する。
【0436】精細度制御手段Cp25は、種別・同期信
号抽出回路225から供給される種別・同期信号225
c及び、外から入力された、精細度や表示領域の寸法の
所望値Stdに基づき、交差部分の必要なf方向単位掃
引移動距離εf、d方向単位掃引移動距離εd、h方向
単位掃引移動距離εhを算出し、εfとεhが載った制
御信号230aを第1ライン光ビーム掃引制御回路22
6に、εfとεdが載った制御信号230bを第2ライ
ン光ビーム掃引制御回路227へ送出するよう構成され
ている。
【0437】この結果、繰り返し周期の長い三次元立体
像信号や、繰り返し周期の短い三次元立体像信号といっ
た、異なる像繰返し周期をそれぞれ有して種別が異なる
複数の三次元立体像信号の内のいずれかが適用された場
合に、種別を特定する信号または同期信号の周期に基づ
き種別を特定するか、像の繰返し周期が検出されると、
この像の繰返し周期及び立体像表示体の寸法ならびに、
精細度や表示領域の寸法の所望値Stdに対応して、
f、d、h三軸方向への所定掃引距離εf、εd、εh
のうち少なくとも一つの距離を変更することにより、所
定の表示領域に描像することができ、よって形成される
立体像表示領域の寸法を所望値とすることができる。
【0438】または、周期に応じて立体像表示領域の寸
法を変更することにより、所定掃引距離で描画でき、よ
って描像の精細度を所望値とすることができる。
【0439】照明部Cp26は、立体像表示体DP2内
を照らすものであり、その機能と動作は前記実施形態に
おけると略同様である。
【0440】図17は、装置動作のタイミングチャート
である。同図および図2に基づいて本実施形態の装置の
動作を説明する。期間t1〜t2において、ライン光ビ
ームBm21はf軸方向にf=f1からf=f2まで掃
引され、一方h軸方向にh=h1からh=h2まで掃引
される。
【0441】同期間においてライン光ビームBm22
は、f軸方向にf=f1からf=f2まで掃引され、一
方d軸方向にd=d1からd=d2まで掃引される。
【0442】この結果、交差点が連続してキュビセルC
ubcを形成させ、これがキュビセルラインとなる。な
お上記掃引において、前記のように交差位置に係る像歪
みの補正がなされている。
【0443】前記を反復して順にキュビセルラインを形
成させ、時間t4においてベクトル掃引による1個の立
体像が形成される。以降、つぎのキュビットの形成過程
が進行する。
【0444】上記から明らかなように本実施形態におい
ては、精細度制御手段Cp5と光路制御手段Cp2によ
って、前記各軸方向の単位移動距離εd、εLyを所望
の距離に制御可能であるから、同一の立体像表示体を用
いる場合に、描像の精細度を所望のものに調節すること
ができる。この機能は、キュビットの構成を問わず実現
できる。
【0445】これにより、本実施形態によれば三軸方向
の高精細度かつ像歪みのない立体像の描像が可能にな
り、さらに三軸方向へ直交掃引する構成であるから、立
体像表示体内の任意の位置のアクセスが高精度でなさ
れ、表示像への信頼度が向上する上、掃引機構が簡素化
できるという効果がある。
【0446】また光路制御手段が、表示領域を大にし、
且つ光源と表示領域間の距離を短縮する際に生じる像の
歪みを補正することによって、立体像表示体寸法が大で
あり、しかも装置全体の容積を縮小させた三次元立体像
表示装置を実現することができる。
【0447】さらに、立体の表面または稜線に沿って掃
引する構成であるから、立体像表示体内の全ての位置を
掃引する必要がなく、描像時間を短縮できるという効果
があり、動像の描像表示に有利である。
【0448】さらに、周期の長い立体動像信号や、繰り
返し周期の短い立体動像信号が入力された際に、その周
期に応じて掃引距離を変更することにより、形成される
立体動像の寸法を所望値とすることができる。
【0449】または、周期の長い立体動像信号や、繰り
返し周期の短い立体動像信号が入力された際に、その周
期に応じて立体動像が表示される領域の寸法を変更する
ことにより、所定掃引距離で描画でき、よって描像の精
細度を所望値とすることができる。
【0450】本実施形態に係る三次元立体像表示装置の
特に適する用途としては、第一に、臨床医学や基礎医学
分野のうちでもとりわけ検査・治療分野における、従来
平面画像表示されていた断層像に代わる立体断層静止像
の形成、例えばX線CTやポジトロンCT断層の立体静
止像の表示がある。
【0451】用途分野の第二は、教育分野とりわけ各教
科・科目の学習課程における教材の三次元立体像表示で
あり、特に理科、図工、数学での教材のマルチメディア
技術にもとづく各種の立体像表示に有効である。とりわ
け、本実施形態の構成は立体静止像表示に適する。
【0452】第三の用途分野としては、服飾や自動車を
はじめとするデザイン工程でのデザイン・イメージの三
次元静止像としての表示、さらに建築設計における三次
元パース像(静止像)の作成や、三次元レイアウト表示
がある。
【0453】第四の用途分野としては、マルチメディア
・エンターテインメント分野として、大・小劇場やコン
サートホールにおける大型立体像の表示、アーケードゲ
ームにおける立体像表示がある。
【0454】第五の用途分野は生産現場であり、設計工
程での部品設計における三次元静止像表示や、生産工程
での工業用CT検査の立体静止像表示などに適する。
【0455】さらに、他の用途分野としては、学術研究
分野でのシミュレーション結果の三次元静止像表示や、
あるいは芸術、美術の制作過程におけるデザイン・イメ
ージの三次元静止像または、これら作品自体の三次元静
止像として表示・展示、すなわち粘土や合成樹脂、木
材、金属などの材質を用いた造形に代わり、三次元立体
像表示装置で再現される作品の表示・展示がある。さら
に、三次元立体像表示装置をショーウインドウとして使
用し、商品の三次元立体像を、動像や静止像で表示させ
る、所謂バーチャルショーウインドウといった商業用途
にも好適である。
【0456】本発明の第3実施形態に係る三次元立体像
表示装置は、ライン状レーザ光ビームを二本、非直交状
態で交差させ、交差部分を反復してレイヤー掃引するこ
とにより、掃引面の積層による三次元立体像の描像をな
す構成である。
【0457】図18は、本発明の第3実施形態に係る三
次元立体像表示装置の原理を説明する図である。図19
は、本発明の第3実施形態に係る三次元立体像表示装置
の要部斜視図である。
【0458】図19に示されるように、本発明の第3実
施形態に係る三次元立体像表示装置ORIIN3は、立
体像が内部に形成される立体像表示体DP3、発振周波
数の異なる二基のレーザ発振器Ldp31、Ldp32
および、その駆動回路を備え、それぞれ出射光が光路方
向にラインを形成するとともに光路方向の異なる第一の
ライン状レーザ光ビームBm31と第二のライン状レー
ザ光ビームBm32を発射する光源Cp31、発射され
た二本のレーザ光ビームBm31とBm32の光路を管
理して立体像表示体DP3中の所望の位置において交差
させ、且つ交差位置に係る像歪みを制御するとともに、
この交差位置を移動させる掃引機能を備える光路制御手
段Cp32、少なくとも一基のレーザ発振器の出力か、
または両ライン状レーザ光ビーム中の少なくとも一方
を、三次元立体像信号に基づいて光強度変調するレーザ
光強度変調手段Cp33、入力された像信号SGを処理
する信号処理部Cp34、立体像表示体DP3内に形成
される立体像の精細度を制御するか、または表示領域の
寸法を制御する精細度制御手段Cp35を備えて構成さ
れている。
【0459】立体像表示体DP3は、透明な直方体であ
り、各レーザ光ビームの光路の交差部分によって内部が
照射され、該交差部分に照射されることで発色または着
色する気体または液体または固体、またはこれらの組み
合わせで構成された呈色材が内部に三次元方向に一様分
散され、交差部分の集合として立体像Vg3が描像され
る。ただし立体像表示体DP3は図示されているような
直方体形状に限定されることなく、三次元方向に拡がり
を有するものであれば形状を問わない。
【0460】光源Cp31から発射され、光路制御手段
Cp32によって光路が制御されたライン光ビームBm
31とライン光ビームBm32との交差部分にある呈色
材が、両レーザ光ビームBm31とBm32により同時
に照射を受けることによって、所定の色に呈色する。
【0461】両レーザ光ビームはそれぞれ数ミクロン乃
至数十ミクロン程度の太さがあるから、交差部分は数ミ
クロン乃至数十ミクロン程度の径の断面を有する立体ス
ポット状となる。しかもこの交差部分は掃引によって微
小時間で掃引方向へ移動するから、この間に照射を受け
て呈色する呈色材の集合は掃引方向へ更に拡がり、この
ようにして単位時間内に呈色された呈色材が含まれる微
小領域キュビセルCubcの列によって、キュビセル・
ラインが形成される。
【0462】さらに位置を移動させて掃引を反復するこ
とで、次のキュビセル・ラインが形成され、この反復で
多数のキュビセル・ラインから成る層状のレイヤーLy
iが形成される。さらに、レイヤーLyiが複数層、重
ねられて表示領域が構成され、この表示領域内に立体像
Vg3が形成される。
【0463】レーザダイオードLdp31はレーザ光強
度変調手段Cp33により三次元立体像信号で変調さ
れ、よってレーザダイオードLdp31から発射される
ライン光ビームは三次元立体像信号によって光強度変調
されたものとなる。なおこの変調は、少なくともいずれ
か一方のレーザダイオードでなされるよう構成される。
【0464】光路制御手段Cp2は、二本のレーザ光ビ
ームの各光路を制御して、各レーザ光ビームを立体像表
示体DP3中の所望の位置において交差させるととも
に、この交差位置を三次元立体像信号に基づき所定掃引
距離だけ掃引することにより、交差位置において発色ま
たは着色する呈色材が、表示対象である立体の像を立体
像表示体DP3内に形成させる、掃引機能を備える。
【0465】光路制御手段Cp32は、二基の反射鏡ユ
ニットGMU31、GMU32を備え、反射鏡ユニット
GMU31は少なくとも一基の回動自在の反射鏡M31
を内蔵し、また反射鏡ユニットGMU32は少なくとも
一基の回動自在の反射鏡M32を内蔵する。さらに各々
のユニットは、反射鏡の回動手段やライン光ビーム掃引
制御回路(いずれも図示されない)を備える。
【0466】反射鏡ユニットGMU31から放出される
ライン光ビームBm31は、反射鏡M31により偏向さ
れて、途中にレンズを経由することなく立体像表示体D
P3内の各位置へ達する。同様に、反射鏡ユニットGM
U32から放出されるライン光ビームBm32は、反射
鏡M32により偏向されて、途中にレンズを経由するこ
となく立体像表示体DP3内の各位置へ達する。
【0467】ここで、両ライン光ビームBm31とBm
32は、それぞれ異なる発射位置から、いずれも立体像
表示体DP3の面fh+をへて立体像表示体DP3内に
入射するようにする。したがって反射鏡ユニットGMU
31、GMU32等の機構部品は主として面fh+側に
配設される。
【0468】また光路制御手段Cp32は、両ライン光
ビームBm31とBm32の光路を制御して両レーザ光
ビームが立体像表示体DP3中の各交差点において張る
最小角度のうちの少なくとも一部の最小角度θを θ<86° の範囲内に制御するものとする。すなわち非直交掃引を
行なう。
【0469】前記で、ライン光ビームBm31とライン
光ビームBm32が同じ(f、d、h)座標を有するよ
うに光路を制御すると、両方が一点で交差し、その交差
点がキュビセルCubcを形成させる。光路制御手段C
p32は、この交差点を三次元方向に移動させるよう、
ライン光ビームBm31とライン光ビームBm32の光
路を制御する。
【0470】このとき光路制御手段Cp32は同時に、
反射鏡から到達位置までの距離が変動することにより発
生する、前記交差位置に係る像歪みの補正処理の機能を
備える。すなわち、レーザ光ビームの交差位置が立体像
表示領域の端部側にあるときの反射鏡の回動速度を小と
することにより、端部側における交差部分の単位時間あ
たりの移動距離が所定値になるようにし、一方、レーザ
光ビームの交差位置が立体像表示領域の中央部側にある
ときの反射鏡の回動速度を大とすることにより、中央部
側における交差部分の単位時間あたりの移動距離が同じ
所定値になるように、反射鏡の動作を制御する。
【0471】この、交差位置に係る像歪み補正機能は、
通常の立体像表示体寸法の構成に有効であるばかりでな
く、とりわけ立体像表示体寸法が大であり、しかも装置
全体の容積を縮小させた三次元立体像表示装置における
交差位置に係る像歪み補正に有効である。
【0472】とりわけ、本実施形態のような非直交掃引
の場合は、レーザ光ビームが立体像表示体DP3の各軸
方向に角度を有して入射されるから、前記のレーヤー掃
引の場合に比して掃引面間においても到達距離が変化す
る。したがって、この構成の場合、掃引面内に対する補
正に加えて、掃引面間についての補正を加えた補正動作
を行なう。この構成により、反射光の光路を調節して立
体像表示体中の各位置に形成されるキュビセルの寸法を
均一とし、よって交差位置に係る像歪みを極小にでき
る。
【0473】精細度制御手段Cp35は、立体像表示体
DP3内に形成される立体像の精細度を制御するか、ま
たは表示領域の寸法を制御するものである。すなわち、
精細度制御手段Cp5は、異なる像の繰返し周期をそれ
ぞれ有して種別が異なる複数の三次元立体像信号の内の
いずれかが三次元立体像信号として適用される場合に、
この三次元立体像信号に搭載された、種別を特定する信
号または同期信号の周期に基づき種別を特定するか、像
の繰返し周期を検出するとともに、像の繰返し周期及び
立体像表示体の寸法に対応して、第一軸方向、第二軸方
向、第三軸方向への所定掃引距離のうち少なくとも一つ
の距離を変更することにより、形成される立体像表示領
域の寸法を所望値とするか、または三次元立体像信号の
繰返し周期に対応して、立体像表示体内に形成される立
体像表示領域の寸法を変更することにより、各軸方向へ
の所定掃引距離を、入力などによって指定された所望値
とする。
【0474】この結果、繰り返し周期の長い動像の三次
元立体像信号や、繰り返し周期の短い動像の三次元立体
像信号が入力された際に、その周期に応じて掃引距離を
変更することにより、所定の表示領域に描像することが
でき、よって立体像表示体DP3中に形成される立体像
表示領域の寸法を所望値とすることができる。
【0475】または、繰り返し周期の長い動像の三次元
立体像信号や、繰り返し周期の短い動像の三次元立体像
信号が入力された際に、その周期に応じて立体像表示領
域の寸法を変更することにより、所定掃引距離で描画で
き、立体像表示体DP3中に形成されるキュビセルの寸
法を所望値に制御でき、よって精細度を所望値に制御で
きる。
【0476】また、反射鏡がガルバノミラーに代表され
る平面鏡の場合は、平面鏡が電磁的手段等に基づいたア
クチェータによって回動または揺動し、回動角または揺
動角の自在な調節のみならず、回動角または揺動角の保
持が可能となる。したがって、連続的な回動または揺動
のみならず、例えばパルス駆動による離散的な回動また
は揺動が容易になる。
【0477】前記の離散的な回動または揺動によって、
反射光の掃引と停止の組み合わせが可能になる。すなわ
ち、或る期間だけ掃引し、ついでその位置に或る期間だ
け停止させ、この後さらに掃引を続行させる動作が可能
になる。
【0478】前記の機能によって、本実施形態の三次元
立体像表示装置ORIIN3は以下のように動作する。
光路制御手段Cp32は交差位置を三軸直交座標の第一
軸(f軸)方向に連続掃引してキュビセルラインviを
形成させ、該掃引後に第二軸(d軸)方向に所定距離だ
け掃引の後、再度第一軸方向に連続掃引し、上記操作を
反復して掃引面lyiを一層形成させ、ついで交差位置
を第三軸(h軸)方向に所定距離だけ掃引の後、前記操
作を反復して掃引面をさらに一層形成させ、以上の反復
により複数の掃引面が層状に重ねられた立体像表示領域
を形成するものである。
【0479】または、両レーザ光ビームBm31、Bm
32の交差点を三軸直交座標のf、d両軸方向に同時に
夫々所定距離だけ連続掃引し、この反復によって一層の
掃引面を形成させ、ついで交差点をh軸方向に所定距離
だけ掃引の後、f、d両軸方向に同時に夫々所定距離だ
け連続掃引してつぎの一層の掃引面を形成させ、ついで
交差点をh軸方向に所定距離だけ掃引し、さらに前記操
作の反復により複数の掃引面が層状に重ねられた立体像
表示領域を形成するように構成することもできる。この
構成によれば、f、d両軸方向への間欠的な回動を排除
できて、掃引機構を簡素化できるという利点がある。
【0480】または、両レーザ光ビームBm31、Bm
32の交差点を三軸直交座標のf、d、h軸方向に同時
に夫々所定距離だけ連続掃引し、この掃引を反復して一
層の掃引面を形成させ、さらに前記操作の反復により複
数の掃引面が層状に重ねられた立体像表示領域を形成す
るように構成することもできる。この構成によれば、掃
引動作をすべて連続にでき、よって掃引機構をさらに簡
素化できるという利点がある。
【0481】つぎに、掃引レートにつき説明する。三次
元表示領域の各軸方向に並ぶキュビセル数を各240と
すると、レイヤー掃引では、全部のキュビセル240×
240×240=13、824、000個が形成され
る。したがって各レーザ光ビームは240×240=5
7、600回の掃引がなされる。
【0482】立体静止像を表示させる場合、呈色状態が
長時間維持されるバイナリ効果を有する呈色材を適用す
る場合はリフレッシュ書き換えの必要がないが、呈色状
態が長時間維持されない材料ではリフレッシュ書き換え
が必要となる。リフレッシュ書き換えをする構成の場合
は、残光時間が長いりん光体の呈色材の適用が好まし
い。
【0483】上記の構成により、本実施形態によれば三
軸方向の高精細度かつ像歪みのない立体像の描像が可能
になり、さらに三軸方向へ直交掃引する構成であるか
ら、立体像表示体内の任意の位置のアクセスが高精度で
なされ、表示像への信頼度が向上する上、掃引機構が簡
素化できるという効果がある。
【0484】その上、複数の掃引面が層状に重ねられた
立体像表示領域を形成することにより、複雑な形状の像
や、表示されるべき像が複数個、独立して存在し、立体
像表示体中に離れて分散して存在する場合などでも描像
時間を一定にできるという効果が得られる。
【0485】しかも一側面側から集中して照射する構成
であるから、機構に邪魔されることなく凡ゆる面側から
立体像の観察ができる。
【0486】本実施形態に係る三次元立体像表示装置の
特に適する用途の第一は医療分野であり、検査・治療分
野における立体断層静止像の形成、例えばX線CTやポ
ジトロンCT断層の立体静止像の表示に適する。
【0487】用途分野の第二は、教育分野とりわけ教材
の三次元立体像表示であり、特に理科、図工、数学の教
材の各種立体像表示に有効である。
【0488】第三の用途分野としては、自動車などをデ
ザインする工程でのデザイン・イメージの三次元静止像
表示、さらに建築設計における三次元パース像の作成が
ある。
【0489】第四の用途分野としては、マルチメディア
・エンターテインメント分野として、大・小劇場やコン
サートホールにおける大型立体像の表示、アーケードゲ
ームにおける立体像表示がある。
【0490】第五の用途分野は生産現場であり、設計工
程での部品設計における三次元静止像表示や、生産工程
での工業用CT検査の立体静止像表示などに適する。
【0491】さらに、他の用途分野としては、シミュレ
ーション結果の三次元静止像表示や、あるいは芸術、美
術の制作過程におけるデザイン・イメージの三次元静止
像の表示・展示がある。さらに、三次元立体像表示装置
をショーウインドウとして使用し、商品の三次元立体像
を、動像や静止像で表示させる、所謂バーチャルショー
ウインドウといった商業用途にも好適である。
【0492】本発明の第4実施形態に係る三次元立体像
表示装置は、ライン状レーザ光ビームを二本、非直交状
態で交差させ、交差部分をベクトル掃引することによ
り、立体の表面または稜線の連結等による三次元立体像
の描像をなす構成である。
【0493】図20は、本発明の第4実施形態に係る三
次元立体像表示装置の要部斜視図である。
【0494】同図に示されるように、本発明の第4実施
形態に係る三次元立体像表示装置ORIIN4は、立体
像が内部に形成される立体像表示体DP4、発振周波数
の異なる二基のレーザ発振器Ldp41、Ldp42お
よび、その駆動回路を備え、それぞれ出射光が光路方向
にラインを形成するとともに光路方向の異なる第一のラ
イン状レーザ光ビームBm41と第二のライン状レーザ
光ビームBm42を発射する光源Cp41、発射された
二本のレーザ光ビームBm41とBm42の光路を管理
して立体像表示体DP4中の所望の位置において交差さ
せ、且つ交差位置に係る像歪みを制御するとともに、こ
の交差位置を移動させる掃引機能を備える光路制御手段
Cp42、少なくとも一基のレーザ発振器の出力か、ま
たは両ライン状レーザ光ビーム中の少なくとも一方を、
三次元立体像信号に基づいて光強度変調するレーザ光強
度変調手段Cp43、入力された像信号SGを処理する
信号処理部Cp44、立体像表示体DP4内に形成され
る立体像の精細度を制御するか、または表示領域の寸法
を制御する精細度制御手段Cp45を備えて構成されて
いる。
【0495】立体像表示体DP4は、透明な直方体であ
り、各レーザ光ビームの光路の交差部分によって内部が
照射され、該交差部分に照射されることで発色または着
色する気体または液体または固体、またはこれらの組み
合わせで構成された呈色材が内部に三次元方向に一様分
散され、交差部分の集合として立体像Vg4が描像され
る。ただし立体像表示体DP4は図示されているような
直方体形状に限定されることなく、三次元方向に拡がり
を有するものであれば形状を問わない。
【0496】光源Cp41から発射され、光路制御手段
Cp42によって光路が制御されたライン光ビームBm
41とライン光ビームBm42との交差部分にある呈色
材が、両レーザ光ビームBm41とBm42により同時
に照射を受けることによって、所定の色に呈色する。
【0497】両レーザ光ビームはそれぞれ数ミクロン乃
至数十ミクロン程度の太さがあるから、交差部分は数ミ
クロン乃至数十ミクロン程度の径の断面を有する立体ス
ポット状となる。しかもこの交差部分は掃引によって微
小時間で掃引方向へ移動するから、この間に照射を受け
て呈色する呈色材の集合は掃引方向へ更に拡がり、この
ようにして単位時間内に呈色された呈色材が含まれる微
小領域キュビセルCubcの列によって、キュビセル・
ラインが形成される。
【0498】レーザ光強度変調手段Cp43へ入力され
る三次元立体像信号は、表示対象である立体の表面また
は稜線に沿った位置情報を含んで構成されており、この
三次元立体像信号で変調された駆動電流が、それぞれの
レーザダイオード駆動増幅器の少なくとも一方へ入力さ
れる。この結果、レーザダイオードLdp41またはL
dp42の少なくとも一方の出力が三次元立体像信号で
変調され、三次元立体像信号によって光強度変調された
ライン光ビームが発射される。
【0499】光路制御手段Cp42は、二本のレーザ光
ビームの各光路を制御して、各レーザ光ビームを立体像
表示体DP4中の所望の位置において交差させるととも
に、この交差位置を三次元立体像信号に基づき所定掃引
距離だけ順次掃引することにより、交差位置において呈
色材を順次発色または着色させて一連のキュビセル・ラ
インを形成させ、この複数のキュビセル・ラインから成
る立体像Vg4を立体像表示体DP4内に形成させる。
【0500】光路制御手段Cp42は、二基の反射鏡ユ
ニットGMU41、GMU42を備え、反射鏡ユニット
GMU41は少なくとも一基の回動自在の反射鏡M41
を内蔵し、また反射鏡ユニットGMU42は少なくとも
一基の回動自在の反射鏡M42を内蔵する。さらに各々
のユニットは、反射鏡の回動手段やライン光ビーム掃引
制御回路(いずれも図示されない)を備える。
【0501】反射鏡ユニットGMU41から放出される
ライン光ビームBm41は、反射鏡M41により偏向さ
れて、途中にレンズを経由することなく立体像表示体D
P4内の各位置へ達する。同様に、反射鏡ユニットGM
U42から放出されるライン光ビームBm42は、反射
鏡M42により偏向されて、途中にレンズを経由するこ
となく立体像表示体DP4内の各位置へ達する。
【0502】ここで、両ライン光ビームBm41とBm
42は、それぞれ異なる発射位置から、いずれも立体像
表示体DP4の面fh+をへて立体像表示体DP4内に
入射するようにする。したがって反射鏡ユニットGMU
41、GMU42等の機構部品は主として面fh+側に
配設される。
【0503】また光路制御手段Cp42は、両ライン光
ビームBm41とBm42の光路を制御して両レーザ光
ビームが立体像表示体DP4中の各交差点において張る
最小角度のうちの少なくとも一部の最小角度θを θ<86° の範囲内に制御するものとする。すなわち非直交掃引を
行なう。
【0504】前記で、ライン光ビームBm41とライン
光ビームBm42が同じ(f、d、h)座標を有するよ
うに光路を制御すると、両方が一点で交差し、その交差
点がキュビセルCubcを形成させる。光路制御手段C
p42は、三次元立体像信号にしたがい、ライン光ビー
ムBm41とライン光ビームBm42の光路を制御して
交差点を移動させると、立体像Vg4が立体像表示体D
P4内に形成される。
【0505】たとえばライン光ビームBm41とライン
光ビームBm42は、同時に点P41から点P42へ移
動し、ついで点P42から点P43へ移動し、ついで点
P43から点P41へ移動するよう制御される。
【0506】この結果、立体像表示体DP4内に点P4
1〜点P42〜点P43〜点P41を結ぶ立体像Vg4
が形成される。
【0507】このとき光路制御手段Cp42は同時に、
反射鏡から到達位置までの距離が変動することにより発
生する、前記交差位置に係る像歪みを補正処理する機能
を備える。すなわち、レーザ光ビームの交差位置が立体
像表示領域の端部側にあるときの反射鏡の回動速度を小
とすることにより、端部側における交差部分の単位時間
あたりの移動距離が所定値になるようにし、一方、レー
ザ光ビームの交差位置が立体像表示領域の中央部側にあ
るときの反射鏡の回動速度を大とすることにより、中央
部側における交差部分の単位時間あたりの移動距離が同
じ所定値になるように、反射鏡の動作を制御する。
【0508】この、交差位置に係る像歪み補正機能は、
通常の立体像表示体寸法の構成に有効であるばかりでな
く、とりわけ立体像表示体寸法が大であり、しかも各反
射鏡ユニットを立体像表示体に近接させた構成により全
体の容積を縮小させた三次元立体像表示装置における、
交差位置に係る像歪み補正に有効である。
【0509】この構成により、反射光の光路を調節して
立体像表示体中の各位置に形成されるキュビセルの寸法
を均一とし、よって交差位置に係る像歪みが補正され
る。この機能は通常の寸法の立体像表示体DP4に有効
であるばかりでなく、とりわけ立体像表示体DP4の寸
法が大であり、しかも立体像表示体DP4と周辺機構部
品の距離を小さくして装置全体の容積を縮小させた三次
元立体像表示装置における、交差位置に係る像歪み補正
に有効である。
【0510】精細度制御手段Cp45は、立体像表示体
DP4内に形成される立体像の精細度を制御するか、ま
たは表示領域の寸法を制御するものである。すなわち、
精細度制御手段Cp45は、異なる像の繰返し周期をそ
れぞれ有して種別が異なる複数の三次元立体像信号の内
のいずれかが三次元立体像信号として適用される場合
に、この三次元立体像信号に搭載された、種別を特定す
る信号または同期信号の周期に基づき種別を特定する
か、像の繰返し周期を検出するとともに、像の繰返し周
期及び立体像表示体の寸法に対応して、f軸方向、d軸
方向、h軸方向への所定掃引距離のうち少なくとも一つ
の距離を変更することにより、形成される立体像表示領
域の寸法を所望値とするか、または三次元立体像信号の
繰返し周期に対応して、立体像表示体内に形成される立
体像表示領域の寸法を変更することにより、各軸方向へ
の所定掃引距離を、入力などによって指定された所望値
とする。
【0511】この結果、繰り返し周期の長い三次元立体
像信号や、繰り返し周期の短い三次元立体像信号が入力
された際に、その周期に応じて掃引距離を変更すること
により、キュビセルの寸法を拡大または縮小させ、かつ
前記のように均一寸法に制御して、所望の表示領域内に
描像することができ、よって立体像表示体DP4中に形
成される立体像表示領域の寸法を所望値とすることがで
きる。
【0512】または、繰り返し周期の長い三次元立体像
信号や、繰り返し周期の短い三次元立体像信号が入力さ
れた際に、その周期に応じて立体像表示領域の寸法を変
更することにより、所定掃引距離で描画でき、立体像表
示体DP4中に形成されるキュビセルの寸法を所望値
に、かつ前記のように寸法を均一に制御でき、よって精
細度を所望値に制御できる。
【0513】つぎに、掃引レートにつき説明する。三次
元表示領域の各軸方向に並んで形成可能なキュビセル数
を各240とすると、240×240×240=13、
824、000個のキュビセル形成が可能である。本実
施形態における掃引はベクトル掃引であるから、全部の
キュビセルを掃引する必要はなく、立体を構成している
稜線や外郭線に沿うキュビセルのみを形成させるよう、
稜線や外郭線に沿った掃引を行なう。
【0514】したがって単位時間あたりの掃引回数つま
り掃引レートは、描像される稜線や外郭線の数に依存す
るが、立体の表面または稜線に沿って掃引する構成であ
るから、立体像表示体内の全ての位置を掃引する必要が
ないので描像時間を短縮でき、よって動像の描像表示に
有利である。
【0515】また立体静止像を表示させる場合、呈色状
態が長時間維持されるバイナリ効果を有する呈色材を適
用する場合はリフレッシュ書き換えの必要がないが、呈
色状態が長時間維持されない材料ではリフレッシュ書き
換えが必要となる。リフレッシュ書き換えをする構成の
場合は、残光時間が長いりん光体の呈色材の適用が好ま
しい。
【0516】本実施形態によれば、高精細度の、且つ像
歪みのない立体像の描像が可能になる。さらに、非直交
で掃引する構成であるから、各ライン状レーザ光ビーム
の光源等を立体像表示体の同じ面側に集中して設置で
き、よって光源等の障害がなく広い位置からの描像され
た立体像の観察が可能となる。
【0517】また表示領域を大にし、且つ光源と表示領
域間の距離を短縮する際に生じる像の歪みを補正するこ
とによって、立体像表示体寸法が大であり、しかも装置
全体の容積を縮小させた三次元立体像表示装置を実現す
ることができる。
【0518】さらに、周期の長い三次元立体像信号や、
繰り返し周期の短い三次元立体像信号が入力された際
に、その周期に応じて掃引距離を変更することにより、
形成される立体像の寸法を所望値とすることができる。
【0519】または、周期の長い三次元立体像信号や、
繰り返し周期の短い三次元立体像信号が入力された際
に、その周期に応じて立体像が表示される領域の寸法を
変更することにより、所定掃引距離で描画でき、よって
描像の精細度を所望値とすることができる。
【0520】本実施形態に係る三次元立体像表示装置の
特に適する用途としては、第一に、臨床医学や基礎医学
分野のうちでもとりわけ検査・治療分野における、従来
平面画像表示されていた断層像に代わる立体断層静止像
の形成、例えばX線CTやポジトロンCT断層の立体静
止像の表示がある。
【0521】用途分野の第二は、教育分野とりわけ各教
科・科目の学習課程における教材の三次元立体像表示で
あり、特に理科、図工、数学での教材のマルチメディア
技術にもとづく各種の立体像表示に有効である。とりわ
け、本実施形態の構成は立体静止像表示に適する。
【0522】第三の用途分野としては、服飾や自動車を
はじめとするデザイン工程でのデザイン・イメージの三
次元静止像としての表示、さらに建築設計における三次
元パース像(静止像)の作成や、三次元レイアウト表示
がある。
【0523】第四の用途分野としては、マルチメディア
・エンターテインメント分野として、大・小劇場やコン
サートホールにおける大型立体像の表示、アーケードゲ
ームにおける立体像表示がある。
【0524】第五の用途分野は生産現場であり、設計工
程での部品設計における三次元静止像表示や、生産工程
での工業用CT検査の立体静止像表示などに適する。
【0525】さらに、他の用途分野としては、学術研究
分野でのシミュレーション結果の三次元静止像表示や、
あるいは芸術、美術の制作過程におけるデザイン・イメ
ージの三次元静止像または、これら作品自体の三次元静
止像として表示・展示、すなわち粘土や合成樹脂、木
材、金属などの材質を用いた造形に代わり、三次元立体
像表示装置で再現される作品の表示・展示がある。さら
に、三次元立体像表示装置をショーウインドウとして使
用し、商品の三次元立体像を、動像や静止像で表示させ
る、所謂バーチャルショーウインドウといった商業用途
にも好適である。
【0526】本発明の第5実施形態に係る三次元立体像
表示装置は、帯状レーザ光ビームとライン状レーザ光ビ
ームを直交状態で交差させ、交差部分を反復してレイヤ
ー掃引することにより、掃引面の積層による三次元立体
像の描像をなす構成であり、とりわけライン状レーザ光
ビームが帯状レーザ光ビームと同じ平面上にあって帯状
レーザ光ビームを貫く構成となる。
【0527】図21は、本発明の第5実施形態に係る三
次元立体像表示装置の要部正面図である。また図22
は、その要部上面図である。さらに図23は、その機能
ブロック図である。
【0528】図21乃至図23に示されるように、本発
明の第5実施形態に係る三次元立体像表示装置ORII
N5は、立体像が内部に形成される立体像表示体DP
5、出射光の光路方向断面が一次元方向に拡がりを有す
る帯状レーザ光ビームBm51を発射するレーザダイオ
ードLdp51、出射光が光路方向にラインを形成する
ライン状レーザ光ビームBm52を発射するレーザダイ
オードLdp52、発射された二本のレーザ光ビームの
光路を管理するとともに交差位置に係る像歪みを除去す
る光路制御手段Cp52、少なくとも一本のレーザ光ビ
ームの光強度を像信号により変調するレーザ光強度変調
手段Cp53、入力された像信号を処理する信号処理部
Cp54、立体像表示体DP5内に形成される立体像の
精細度を制御するか、または表示領域の寸法を制御する
精細度制御手段Cp55、立体像表示体DP5内を照ら
す照明部Cp56、電源回路559を備えて構成されて
いる。
【0529】立体像表示体DP5は透明な直方体形状で
あり、その内部に気体または液体または固体、またはこ
れらの組み合わせで構成された呈色材が三次元方向に一
様分散され、立体像が描像される。さらに、立体像表示
体DP5は図示されている直方体形状に限定されること
なく、三次元方向に拡がりを有するものであれば形状を
問わない。
【0530】また立体像表示体DP5は、2面づつ対に
なった3組の面から成るが、これらの面のうち、fh平
面に平行で原点O側にある面をfh+、dh平面に平行
で原点Oから遠い側にある面をdh−とする。
【0531】帯状レーザ光ビームBm51を発射するレ
ーザダイオードLdp51と、ライン状レーザ光ビーム
Bm52を発射するレーザダイオードLdp52は、そ
れぞれレーザダイオード駆動増幅器Amp51、Amp
52によって駆動され、これらレーザダイオードと駆動
増幅器が光源Cp51を構成している。
【0532】三次元立体像信号は、後述するD/A変換
器553によりアナログ変換され、レーザ光強度変調手
段Cp53で変調され、レーザダイオード駆動増幅器A
mp1、Amp52の少なくとも一方へ入力される。こ
の結果、レーザダイオードLdp1とLdp52の少な
くとも一方が三次元立体像信号で変調され、出力される
レーザダイオードからのライン光ビームは三次元立体像
信号によって光強度変調されたものとなる。
【0533】光路制御手段Cp52は、レーザ光ビーム
Bm51、Bm52の各光路を制御して、両レーザ光ビ
ームを立体像表示体中の所望の位置において交差させる
とともに、この交差位置を移動させる掃引機能を備え
る。
【0534】具体的には、光路制御手段Cp52は、帯
状レーザ光ビームBm51の掃引を制御する第1帯状光
ビーム掃引制御回路556、第1帯状光ビーム掃引制御
回路556からの制御信号により駆動されるモータM5
1、モータM51によりf軸中心に回転する回転多面鏡
ユニットRMU51、さらに第1帯状光ビーム掃引制御
回路556からの制御信号により駆動されるアクチュエ
ータAct51、アクチュエータAct51によりf軸
中心に回動する平面状(ガルバノ型)の反射鏡Gv51
を備える。また、第1集束光学系Lz51を備える。
【0535】さらに光路制御手段Cp52は、ライン状
レーザ光ビームBm52の掃引を制御する第2ライン光
ビーム掃引制御回路557、第2ライン光ビーム掃引制
御回路557からの制御信号により駆動されるアクチュ
エータAct52、アクチュエータAct52によりf
軸中心に回動する平面状(ガルバノ型)の反射鏡Gv5
2、さらに第2ライン光ビーム掃引制御回路557から
の制御信号により駆動されるモータM52、モータM5
2によりh軸中心に回転する回転多面鏡ユニットRMU
52を備える。また、第2集束光学系Lz52を備え
る。
【0536】図21に示されるように、d軸方向に光路
をとる帯状レーザ光ビームBm51は、f軸中心に回転
する回転多面鏡ユニットRMU51で反射されて、dh
平面上で振れる。このdh平面上で振れた反射光ビーム
が、f軸中心に回動する反射鏡Gv51で反射され、さ
らにレンズによる第1集束光学系Lz51を経て、立体
像表示体DP5内に入射し、d軸方向へ直進する帯状レ
ーザ光ビームBm51aとなる。
【0537】レーザダイオードLdp51の位置を第1
集束光学系Lz51の焦点上に置くようにすると、第1
集束光学系Lz51を出て立体像表示体DP5内に入っ
た帯状レーザ光ビームBm51aは平行光となる。
【0538】帯状レーザ光ビームBm51は、立体像表
示体DP5の面fh+から立体像表示体DP5内に入射
する。したがって第1集束光学系Lz51等の機構部品
は主として面fh+側に配設される。
【0539】回転多面鏡ユニットRMU51の回転に伴
い、立体像表示体DP5内の帯状レーザ光ビームBm5
1aはh軸方向へ掃引され、立体像表示体DP5内の所
定三次元領域を掃引することになる。
【0540】ここで反射鏡Gv51がf軸中心に回動し
て角度を変えることにより、前記h軸方向の交差位置に
係る像歪みの補正処理がなされる。
【0541】一方、h軸方向に光路をとるライン状レー
ザ光ビームBm52は、f軸中心に回動する反射鏡Gv
52で反射されて、dh平面上で振れる。
【0542】このdh平面上で振れた反射光ビームが、
h軸中心に回転する回転多面鏡ユニットRMU52で反
射掃引され、さらに第2集束光学系Lz52を経て、立
体像表示体DP5の面dh−から立体像表示体DP5内
に入射し、f軸方向へ直進しつつ、d軸方向およびh軸
方向に掃引されるライン状レーザ光ビームBm52aと
なる。
【0543】レーザダイオードLd52の位置を第2集
束光学系Lz52の焦点上に置くようにすると、第2集
束光学系Lz52を出て立体像表示体DP5内に入射し
たライン状レーザ光ビームBm52はf軸に平行光とな
る。
【0544】ライン状レーザ光ビームBm52は、立体
像表示体DP5の面dh−から立体像表示体DP5内に
入射する。したがって第2集束光学系Lz52等の機構
部品は主として面dh−側に配設される。
【0545】回転多面鏡ユニットRMU52の回転に伴
い、ライン状レーザ光ビームBm52はd軸方向へ掃引
され、しかもこの掃引は反復される。
【0546】ここで反射鏡Gv52がf軸中心に回動し
て角度を変えることにより、ライン状レーザ光ビームB
m52はh軸方向へ掃引されるが、同時に角度が微調整
されることによって、前記h軸方向の交差位置に係る像
歪みの補正処理がなされる。よって以上の動作の反復に
より、ライン状レーザ光ビームBm52は立体像表示体
DP5内の所定三次元領域を掃引することになる。
【0547】なお、上記のように立体像表示体DP5内
の帯状レーザ光ビームBm51aとライン状レーザ光ビ
ームBm52aは、前記h軸方向の交差位置に係る像歪
みの補正処理がなされ、これらの制御は第1帯状光ビー
ム掃引制御回路556と第2ライン光ビーム掃引制御回
路557が行なうが、交差位置に係る像歪み補正の原理
および動作は前記実施形態におけると同様である。
【0548】この交差位置に係る像歪み補正機能は、通
常の立体像表示体寸法の構成に有効であるばかりでな
く、とりわけ立体像表示体寸法が大であり、しかも装置
全体の容積を縮小させた三次元立体像表示装置における
交差位置に係る像歪み補正に有効である。
【0549】上記のように光路制御手段Cp52は、各
レーザ光ビームBm51とBm52の光路を制御して、
立体像表示体DP5内の交差位置に係る像歪みを補正
し、さらに各レーザ光ビームBm51とBm52の光路
を制御して、立体像表示体DP5内におけるライン状レ
ーザ光ビームBm52aが、帯状レーザ光ビームBm5
1aによって光路方向(d軸方向)に形成される帯状平
面と同一平面上にあり、しかもこの帯状レーザ光ビーム
Bm51aを貫いて交差するよう制御する。この交差部
分は、f軸方向に伸びるキュビセル・ラインL5とな
る。
【0550】ついで、この交差部分であるキュビセル・
ラインL5を、d軸方向およびh軸方向へ掃引して複数
のレイヤー層を形成させる。
【0551】ここで、本実施形態については、キュビセ
ル・ラインL5をd軸方向およびh軸方向へ掃引するに
つき二種類の方式が可能である。第1の方式は、キュビ
セル・ラインL5をd軸方向およびh軸方向へ同時に掃
引するものであり、第2の方式は、キュビセル・ライン
L5をh軸位置を暫く固定してd軸方向のみ掃引し、つ
いでキュビセル・ラインL5のh軸位置を移動ののち新
h軸位置を暫く固定してd軸方向のみ掃引するものであ
る。
【0552】以下、両方式を説明する。どちらの方式に
おいても、線光源であるレーザダイオードLdp51か
らは帯状レーザ光ビーム光Bm51が発射され、光学系
Lz51を経ることによって立体像表示体DP5内では
常に直交座標のf軸方向へ帯状拡がりを有してd軸方向
に進行する状態にされる。すなわち、立体像表示体DP
5内の帯状レーザ光ビームBm51aは常にfd平面に
平行となる。
【0553】一方、帯状レーザ光ビームBm51aの光
強度が三次元立体像信号に応じて変化する場合、ライン
状レーザ光ビームBm52aが、帯状レーザ光ビームB
m51aの進行方向と直交する方向から入射し、帯状レ
ーザ光ビームBm51aに重なるように(すなわちfd
面に平行に)照射されると、帯状レーザ光ビームBm5
1aがライン状レーザ光ビームBm52aによって貫通
される部分はf軸に平行な線分となり、よってこの貫通
線分上で両レーザ光ビームのエネルギーが加算される結
果、この貫通線分に位置する呈色材が励起され呈色す
る。この呈色は帯状レーザ光ビームBm51に載る三次
元立体像信号に対応して発生するから、f軸方向に線状
に像が形成される。これが1本のキュビセル・ラインL
5となる。
【0554】第1の方式では、帯状レーザ光ビームBm
51aが光路制御系Cp52によってh軸方向に連続掃
引され、同時にライン状レーザ光ビームBm52aが、
光路制御系Cp52によってd軸方向およびh軸方向に
連続掃引される。この結果、キュビセル・ラインL5は
時間経過とともにd軸方向およびh軸方向に同時に移動
することになり、その軌跡によって多数のキュビセル・
ラインが順次形成される。一方、帯状レーザ光ビームB
m51aの光強度は前記のように三次元立体像信号に基
づき刻々と更新されるから、順次形成されるキュビセル
・ラインの軌跡が立体像の一部分を刻々と形成してい
く。
【0555】以上のようにしてライン状レーザ光ビーム
Bm52aがd軸方向末端部まで連続掃引されると、三
次元立体像信号が載った1層のレイヤーLyiが形成さ
れる。このレイヤーLyiはf軸に平行かつfd平面に
傾斜し、そのf軸方向の精細度は線光源の発光素子密度
によって決まり、またd軸方向の精細度は、帯状レーザ
光ビームBm51aに載る三次元立体像信号の更新頻度
とライン状レーザ光ビームBm52aの単位時間あたり
のd軸方向掃引距離εdによって決まる。
【0556】上記のようにして1層のレイヤーLyiが
形成されると、ライン状レーザ光ビームBm52aはd
軸方向始端部まで帰線するが、この帰線期間中にもライ
ン状レーザ光ビームBm52aのh軸方向掃引は継続さ
れているから、この帰線期間終了時にはd軸方向始端部
においてh軸方向に当初の位置からεLyだけ下った新
しいh軸位置となる。
【0557】一方、前記の帰線期間中にも帯状レーザ光
ビームBm51aのh軸方向掃引は継続され、しかもこ
の帰線期間終了時にh軸方向に当初の位置からεLyだ
け下った新しいh軸位置となるよう、光路制御系Cp5
2によって制御される。
【0558】ついで次の1層のレイヤーLyiの形成過
程が開始され、上記の掃引が続行される。このようにh
軸方向の精細度は、h軸方向掃引距離εLyによって決
まる。
【0559】以下、同様にしてh軸方向末端部まで複数
のレイヤーLyiが順次形成され、1キュビットの立体
像が形成される。
【0560】一方、第2の方式では、前記同様、帯状レ
ーザ光ビームBm51aは常にfd平面に平行となる
が、ここで光路制御系Cp52は帯状レーザ光ビームB
m51aのh軸位置を暫くの固定期間だけ固定させる。
一方、帯状レーザ光ビームBm51aに光強度として載
る三次元立体像信号は、この固定期間中に刻々と更新さ
れる。
【0561】前記の状態において、点光源Ldp52か
ら発射されライン状レーザ光ビームBm52が、帯状レ
ーザ光ビームBm51の進行方向と直交する方向から入
射し、帯状レーザ光ビームBm51に重なるように(す
なわちfd面に平行に)照射されると、f軸方向に1本
のキュビセル・ラインが形成される。
【0562】ついでライン状レーザ光ビームBm52
は、この固定期間中に光路制御系Cp52によってd軸
方向に連続掃引されるから、キュビセル・ラインは時間
経過とともにd軸方向にのみ移動することになり、その
軌跡によって多数のキュビセル・ラインが順次形成され
る。一方、帯状レーザ光ビームBm51aの光強度は前
記のように三次元立体像信号に基づき刻々と更新される
から、順次形成されるキュビセル・ラインの軌跡が立体
像の一部分を刻々と形成していく。
【0563】以上のようにしてライン状レーザ光ビーム
Bm52aがd軸方向末端部まで連続掃引されると、こ
の固定期間が終了するとともに、三次元立体像信号が載
った1層のレイヤーLyiが形成される。このレイヤー
Lyiはfd平面に平行であり、そのf軸方向の精細度
は線光源の発光素子数密度によって決まるが、d軸方向
の精細度は、帯状レーザ光ビームBm51aに載る三次
元立体像信号の更新頻度とライン状レーザ光ビームBm
52aの単位時間あたりのd軸方向掃引距離εdによっ
て決まる。
【0564】上記のようにして1層のレイヤーLyiが
形成されると、光路制御系Cp52は帯状レーザ光ビー
ムBm51aをh軸方向へ距離εLyだけ移動させて新
しいh軸位置に固定するとともに、ライン状レーザ光ビ
ームBm52aを新しいh軸位置のd軸方向始端部まで
帰線させる。
【0565】ついで次の固定期間が開始され、上記の掃
引が続行され、つぎの1層のレイヤーLyiの形成過程
が開始される。したがってh軸方向の精細度は、h軸方
向掃引距離εLyによって決まる。
【0566】以下、同様にしてh軸方向末端部まで複数
のレイヤーLyiが順次形成され、1キュビットの立体
像が形成される。
【0567】この第2の方式は、反射鏡にガルバノミラ
ーに代表される平面鏡を適用することで実現できる。こ
のような平面鏡の場合は、微細な回動角または揺動角の
調節のみならず、回動角または揺動角の保持が可能であ
り、またパルス駆動等による離散的な回動または揺動が
容易である。この機能により、或る期間だけ掃引し、つ
いでその位置に或る期間だけ停止させ、この後さらに掃
引を続行させる動作が可能になる。
【0568】前記のように、第1方式および第2方式と
もに、f軸方向の精細度は線光源のレーザダイオードア
レイの線密度に依存し、d軸方向の精細度は、三次元立
体像信号の更新頻度とライン状レーザ光ビームBm52
aのd軸方向への単位時間あたりの掃引距離εdによっ
て決まり、またh軸方向の精細度は帯状レーザ光ビーム
Bm51およびライン状レーザ光ビームBm52のh軸
方向への掃引距離εLyによって決まる。光路制御手段
Cp52は、前記第1方式または第2方式のいずれにも
対応可能な構成とすることができる。
【0569】上記のように立体像表示体DP5内の帯状
レーザ光ビームBm51aは、断面であるf軸方向に同
時に像を形成しつつd軸方向へ進行するから、fd平面
に帯状を形成する。さらに光源からの光強度が変化する
と、瞬時に帯状面が更新される。したがって光路制御手
段Cp52は、帯状レーザ光ビームBm51aの掃引に
あたり、これをh軸方向へ掃引するのみでよい。すなわ
ち、形成される帯状面をh軸方向へ掃引しつつ光強度更
新がなされてfd平面から傾斜するレイヤー層が一層形
成されると更にh軸方向へ掃引されるか、または、形成
される帯状面をh軸位置に固定した状態で光強度更新が
なされてfd平面に平行なレイヤー層が一層形成される
とh軸方向へ掃引されるか、のいずれかとなる。従っ
て、帯状レーザ光ビームBm51aの掃引周期を長くで
き、よって掃引の簡素化が可能になる。
【0570】また、ライン状レーザ光ビームBm52a
が帯状レーザ光ビームBm51aによって光路方向に形
成される帯状面と同一平面上にあり、且つ帯状レーザ光
ビームBm51aをf軸方向に貫いて交差する構成とな
るから、したがって光路制御手段Cp52は、このライ
ン状レーザ光ビームBm52aをd軸またはh軸方向へ
掃引するのみでよい。すなわち、帯状レーザ光ビームB
m51aによって形成される帯状面に沿って、または帯
状面の移動に沿って、d軸またはh軸方向へのみ掃引す
ればよい。
【0571】よって掃引機構を簡素に構成できる。従っ
てとりわけ、動像の描像と表示に適する。さらに、交差
位置に係る像歪みのない立体像の描像が可能になり、ま
た三軸方向へ直交掃引する構成であるから、立体像表示
体内の任意の位置のアクセスが高精度でなされ、表示像
への信頼度が向上する上、掃引機構が簡素化できるとい
う効果がある。
【0572】その上、複数の掃引面が層状に重ねられた
立体像表示領域を形成することにより、複雑な形状の像
や、表示されるべき像が複数個、独立して存在し、立体
像表示体中に離れて分散して存在する場合などでも描像
時間を一定にできるという効果が得られる。
【0573】つぎに、掃引レートにつき説明する。三次
元表示領域の各軸方向に並ぶキュビセル数を各240と
すると、レイヤー掃引では、全部のキュビセル240×
240×240=13、824、000個に亘る掃引が
必要である。表示体の一端から多端までを以って一回の
主掃引とすると、全部のキュビセルを形成するには、帯
状レーザ光ビームBm51aは1回の掃引のみでよい。
またライン状レーザ光ビームBm52aは240回の掃
引でよい。
【0574】この結果、1秒間あたり30キュビセルの
更新レートの動像表示では、帯状レーザ光ビームBm5
1aは30回/秒の掃引レートでよく、またライン状レ
ーザ光ビームBm52aは7200回/秒の掃引レート
が必要となる。
【0575】つぎに信号処理部Cp54につき説明す
る。信号処理部Cp54は、入力された三次元立体像信
号を形成するデータおよび同期信号、あるいは場合によ
ってこれらに加え、種別を同定するための信号が載った
入力信号に基づき、少なくとも一基のレーザ発振器から
の出力を光強度変調するための変調信号をレーザ光強度
変調手段Cp53に送り、また光路制御手段Cp52へ
同期信号を送り、さらに精細度制御手段Cp55へ信号
の種別情報か、同期信号の周期情報を送るものであり、
信号入力端子Is、符号化/復号化手段551、キュビ
ットメモリ552、D/A変換器553、記録手段55
4、種別・同期信号抽出回路555などを備えて成る。
【0576】信号入力端子Isから入力されるか、また
は記録手段554から再生された符号化されている三次
元立体像信号は、符号化/復号化手段551により復号
化処理がなされ、D/A変換器553によりアナログ信
号に変換される。
【0577】なお、信号入力端子Isから入力された三
次元立体像信号が符号化されていない場合は、符号化/
復号化手段551による復号化処理はスキップされる。
また、このとき入力された三次元立体像信号を符号化/
復号化手段551により符号化処理して、記録手段55
4へ記録することもできる。
【0578】D/A変換器553により変換された信号
は、三次元立体像信号としてレーザ光強度変調手段Cp
53に入力される。
【0579】一方、D/A変換器553により変換され
た信号は、種別・同期信号抽出回路555にも入力さ
れ、抽出された同期信号は第1帯状光ビーム掃引制御回
路556と第2ライン光ビーム掃引制御回路557へ送
られる。また、三次元立体像信号の種別を同定するため
の信号は、精細度制御手段Cp55へ送られる。
【0580】照明部Cp56は、立体像表示体DP5内
を照らすものであり、電源回路559に接続された照明
燈によって構成される。この照明部Cp6は、立体像表
示体DP5内の呈色材として、例えば赤外光や可視光な
どの照射によって着色するフォトクロミック材などが適
用された場合に、とりわけ有効である。
【0581】なお本実施形態では、他の実施形態と同様
に呈色原理として前記の電子励起・緩和発光型および光
化学反応型の、いずれの原理も適用可能である。また、
呈色材として気体呈色材、液体呈色材、固体呈色材のい
ずれか、またはこれらの任意な混成によるものが使用可
能である。
【0582】つぎに、精細度制御手段Cp55を説明す
る。精細度制御手段Cp55は、立体像表示体DP5内
に形成される立体像の精細度を制御するか、または表示
領域の寸法を制御するものである。すなわち、精細度制
御手段Cp55は、異なる像の繰返し周期をそれぞれ有
して種別が異なる複数の三次元立体像信号の内のいずれ
かが三次元立体像信号として適用される場合に、この三
次元立体像信号に搭載された、種別を特定する信号また
は同期信号の周期に基づき種別を特定するか、像の繰返
し周期を検出するとともに、像の繰返し周期及び立体像
表示体DP5の寸法に対応して、h軸への所定掃引距離
を変更することにより、形成される立体像表示領域の寸
法を、入力などによって指定された所望値とするか、ま
たは三次元立体像信号の繰返し周期に対応して、立体像
表示体DP5内に形成される立体像表示領域の寸法を変
更することにより、h軸方向への所定掃引距離を、入力
などによって指定された所望値とするよう構成され、具
体的にはストアードプログラム形式のマイクロコンピュ
ータによって実現される。
【0583】つぎに、精細度制御手段Cp55の動作を
説明する。精細度制御手段Cp55は、種別・同期信号
抽出回路555から供給される種別・同期信号及び、外
からの指定値として入力された、精細度や表示領域の寸
法の所望値Stdに基づき、交差部分の適切なh方向掃
引移動距離εLyを算出し、εLyを制御信号560a
として第1帯状光ビーム掃引制御回路556および第2
ライン光ビーム掃引制御回路557へ送出する。
【0584】この結果、繰り返し周期の長い三次元立体
像信号や、繰り返し周期の短い三次元立体像信号が入力
された際に、その周期に応じて掃引距離を変更すること
により、所定の表示領域に描像することができ、よって
形成される立体像表示領域の寸法を所望値とすることが
できる。
【0585】または、繰り返し周期の長い三次元立体像
信号や、繰り返し周期の短い三次元立体像信号が入力さ
れた際に、その周期に応じて立体像表示領域の寸法を変
更することにより、所定掃引距離で描画でき、よって描
像の精細度を所望値とすることができる。
【0586】上記から明らかなように本実施形態におい
ては、精細度制御手段Cp55と光路制御手段Cp52
によって、h軸方向の移動距離εLyを所望の距離に制
御可能であるから、同一の立体像表示体を用いる場合
に、描像の精細度を所望のものに調節することができ
る。この機能は、キュビットの構成を問わず実現でき
る。
【0587】また上記の構成では、回転多面鏡ユニット
RMU52を用いてライン状レーザ光ビームBm52を
掃引するものであったが、回転多面鏡ユニットRMU5
2に代わり回動角度の調整が可能な平面鏡を適用するこ
とによって、帯状レーザ光ビームの光路方向(d軸方
向)への単位掃引距離εdを可変とすることができる。
これにより、h軸方向に加えてd軸方向の描像の精細度
を所望値とする構成にすることができる。あるいはd軸
方向の立体像表示領域の寸法を所望値とする構成にする
ことができる。
【0588】本実施形態に係る三次元立体像表示装置の
用途は、立体動像および立体静止像に亘り、うちでも以
下に示す各種の立体動像が表示される分野にとりわけ適
している。 a テレビジョン放送の受信側における立体動像の表示 b 医療分野における従来平面画像表示されていた断層
像の立体動像形成、たとえばX線CTやポジトロンCT
断層の立体動像、手術中の患部および周辺のリアルタイ
ム立体動像、 c 建築設計における三次元レイアウトの動像表示や、
動像による三次元パース像の作成 d 生産工程での例えばマイクロ部品など、従来では顕
微鏡作業となっていた実装作業における三次元拡大動像
表示 e 自動車をはじめとするデザイン工程でのデザイン・
イメージの三次元動像CFやドラマ、映画、ゲームの立
体動像表示 f ショーウインドウとして、商品の三次元の立体動像
を表示させる、所謂バーチャルショーウインドウといっ
た商業用途
【0589】以上の立体動像に加え、別の用途として以
下のような立体静止像の表示がある。
【0590】立体静止像表示の特に適する用途として
は、第一に、臨床医学や基礎医学分野のうちでもとりわ
け検査・治療分野における、従来平面画像表示されてい
た断層像に代わる立体断層静止像の形成、例えばX線C
TやポジトロンCT断層の立体静止像の表示がある。
【0591】用途分野の第二は、教育分野とりわけ各教
科・科目の学習課程における教材の三次元立体像表示で
あり、特に理科、図工、数学での教材のマルチメディア
技術にもとづく各種の立体像表示に有効である。とりわ
け、本実施形態の構成は立体静止像表示に適する。
【0592】第三の用途分野としては、服飾や自動車を
はじめとするデザイン工程でのデザイン・イメージの三
次元静止像としての表示、さらに建築設計における三次
元パース像(静止像)の作成や、三次元レイアウト表示
がある。
【0593】第四の用途分野としては、マルチメディア
・エンターテインメント分野として、大・小劇場やコン
サートホールにおける大型立体像の表示、アーケードゲ
ームにおける立体像表示がある。
【0594】第五の用途分野は生産現場であり、設計工
程での部品設計における三次元静止像表示や、生産工程
での工業用CT検査の立体静止像表示などに適する。
【0595】さらに、他の用途分野としては、学術研究
分野でのシミュレーション結果の三次元静止像表示や、
あるいは芸術、美術の制作過程におけるデザイン・イメ
ージの三次元静止像または、これら作品自体の三次元静
止像として表示・展示、すなわち粘土や合成樹脂、木
材、金属などの材質を用いた造形に代わり、三次元立体
像表示装置で再現される作品の表示・展示がある。さら
に、三次元立体像表示装置をショーウインドウとして使
用し、商品の三次元立体静止像を表示させるバーチャル
ショーウインドウといった商業用途にも好適である。
【0596】本発明の第6実施形態に係る三次元立体像
表示装置は、帯状レーザ光ビームとライン状レーザ光ビ
ームを直交状態で交差させ、交差部分を反復してレイヤ
ー掃引することにより、掃引面の積層による三次元立体
像の描像をなす構成であり、とりわけライン状レーザ光
ビームが帯状レーザ光ビームのなす平面に角度を有して
貫く構成である。
【0597】図24は、本発明の第6実施形態に係る三
次元立体像表示装置の要部正面図である。また図25
は、その要部上面図である。
【0598】図24および図25に示されるように、本
発明の第6実施形態に係る三次元立体像表示装置ORI
IN6は、立体像が内部に形成される立体像表示体DP
6、出射光が光路方向にラインを形成するライン状レー
ザ光ビームBm61を発射するレーザダイオードLdp
61、出射光の光路方向断面が一次元方向に拡がりを有
する帯状レーザ光ビームBm62を発射するレーザダイ
オードLdp62、発射された二本のレーザ光ビームの
光路を管理するとともに交差位置に係る像歪みを除去す
る光路制御手段Cp62、少なくとも一本のレーザ光ビ
ームの光強度を像信号により変調するレーザ光強度変調
手段Cp63、入力された像信号を処理する信号処理部
Cp64、立体像表示体DP6内に形成される立体像の
精細度を制御するか、または表示領域の寸法を制御する
精細度制御手段Cp65を備えて構成されている。
【0599】立体像表示体DP6は透明な直方体形状で
あり、その内部に気体または液体または固体、またはこ
れらの組み合わせで構成された呈色材が三次元方向に一
様分散され、立体像が描像される。さらに、立体像表示
体DP6は図示されている直方体形状に限定されること
なく、三次元方向に拡がりを有するものであれば形状を
問わない。
【0600】また立体像表示体DP6は、2面づつ対に
なった3組の面から成るが、これらの面のうち、fh平
面に平行で原点O側にある面をfh+、fd平面に平行
で原点Oから遠い側にある面をfd−とする。
【0601】ライン状レーザ光ビームBm61を発射す
るレーザダイオードLdp61と、帯状レーザ光ビーム
Bm62を発射するレーザダイオードLdp62は、そ
れぞれ図示されないレーザダイオード駆動増幅器によっ
て駆動され、これらレーザダイオードと駆動増幅器が光
源Cp61を構成している。
【0602】信号処理部Cp64は、入力された三次元
立体像信号を形成するデータSGおよび同期信号、ある
いは場合によってこれらに加え、種別を同定するための
信号が載った入力信号に基づき、少なくとも一基のレー
ザ発振器からの出力を光強度変調するための変調信号を
レーザ光強度変調手段Cp63に送り、また光路制御手
段Cp62へ同期信号を送り、さらに精細度制御手段C
p65へ信号の種別情報か、同期信号の周期情報を送る
ものである。
【0603】レーザ光強度変調手段Cp63は、三次元
立体像信号で変調された電流を両レーザダイオード駆動
増幅器の少なくとも一方へ入力する。この結果、レーザ
ダイオードLdp61とLdp62の少なくとも一方が
三次元立体像信号で変調され、レーザダイオードから出
力されるライン光ビームは三次元立体像信号によって光
強度変調されたものとなる。
【0604】光路制御手段Cp62は、レーザ光ビーム
Bm61、Bm62の各光路を制御して、両レーザ光ビ
ームを立体像表示体中の所望の位置において交差させる
とともに、この交差位置を移動させる掃引機能を備え
る。
【0605】具体的には、光路制御手段Cp62は、ラ
イン状レーザ光ビームBm61の掃引を制御する掃引制
御手段611、掃引制御手段611からの制御信号によ
り駆動されるアクチュエータAct61、アクチュエー
タAct61によりf軸中心に回動する平面状(ガルバ
ノ型)の反射鏡Gv61、さらに掃引制御手段611か
らの制御信号により駆動されるモータM61、モータM
61によりh軸中心に回転する回転多面鏡ユニットRM
U61を備える。また、第1集束光学系Lz61を備え
る。
【0606】ライン状レーザ光ビームBm61は、立体
像表示体DP6の面fh+から立体像表示体DP6内に
入射する。したがって第1集束光学系Lz61等の機構
部品は主として面fh+側に配設される。
【0607】また第1集束光学系Lz61を出て立体像
表示体DP6内に入射したライン状レーザ光ビームBm
61aをd軸に平行光とするため、レーザダイオードL
d61は第1集束光学系Lz61の焦点上に配置され
る。
【0608】さらに光路制御手段Cp62は、帯状レー
ザ光ビームBm62の掃引を制御する掃引制御手段61
2、掃引制御手段612からの制御信号により駆動され
るアクチュエータAct62、アクチュエータAct6
2によりf軸中心に回動する平面状(ガルバノ型)の反
射鏡Gv62を備える。また、第2集束光学系Lz62
を備える。
【0609】帯状レーザ光ビームBm62は、立体像表
示体DP6の面fd−から立体像表示体DP6内に入射
する。したがって第2集束光学系Lz62等の機構部品
は主として面fd−側に配設される。
【0610】また第2集束光学系Lz62を出て立体像
表示体DP6内に入った帯状レーザ光ビームBm62a
をh軸に平行光とするため、レーザダイオードLdp6
2が第2集束光学系Lz62の焦点上に配置される。
【0611】次に動作を説明する。両図に示されるよう
に、h軸方向に光路をとるライン状レーザ光ビームBm
61は、f軸中心に回動する反射鏡Gv61で反射され
て、dh平面上で振れる。
【0612】このdh平面上で振れた反射光ビームが、
h軸中心に回転する回転多面鏡ユニットRMU61で反
射掃引され、さらに第1集束光学系Lz61を経て、立
体像表示体DP6の面fh+から立体像表示体DP6内
に入射し、d軸方向へ直進しつつ、f軸方向およびh軸
方向に掃引されるライン状レーザ光ビームBm61aと
なる。
【0613】一方、d軸方向に光路をとる帯状レーザ光
ビームBm62は、f軸中心に回動する反射鏡Gv62
で反射されてdh平面上で振れ、さらにレンズによる第
2集束光学系Lz62を経て、立体像表示体DP6内に
入射し、h軸方向へ直進する帯状レーザ光ビームBm6
2aとなる。
【0614】これらライン状レーザ光ビームBm61a
と帯状レーザ光ビームBm62aとが交差する点P6に
ある呈色材が呈色可能となる。
【0615】ここで回転多面鏡ユニットRMU61の回
転に伴い、立体像表示体DP6内のライン状レーザ光ビ
ームBm61aはf軸方向へ掃引され、交差する点P6
がf軸方向へ掃引されてキュビセル・ラインv61が形
成される。
【0616】ついで反射鏡Gv61がf軸中心に回動し
て角度を変えることにより、ライン状レーザ光ビームB
m61aはh軸方向へ距離εLyだけ掃引されてライン
状レーザ光ビームBm61bとなり、f軸方向への掃引
が反復されてつぎのキュビセル・ラインが形成される。
以下、この掃引は反復され、fh平面に平行なレイヤー
層が1層形成される。
【0617】また反射鏡Gv61が、掃引制御手段61
1の制御によりf軸中心に回動して角度を微調整するこ
とにより、前記h軸方向の交差位置に係る像歪みの補正
処理がなされる。
【0618】上記レイヤー層の形成後に、反射鏡Gv6
2が回動して帯状レーザ光ビームBm62aをd軸方向
に掃引する。この結果、d軸方向に掃引距離εdだけ離
れた位置に帯状レーザ光ビームBm62bが生成され
る。ついで帯状レーザ光ビームBm62bにライン状レ
ーザ光ビームBm61aが交差し、交差部分がf軸およ
びh軸方向に掃引されて次のレイヤー層を生成させる。
【0619】上記において反射鏡Gv62が、掃引制御
手段612の制御によりf軸中心に回動して角度を微調
整することにより、前記d軸方向の交差位置に係る像歪
みの補正処理がなされる。
【0620】なお、上記の交差位置に係る像歪み補正の
原理および動作は前記実施形態におけると同様である この交差位置に係る像歪み補正機能は、通常の立体像表
示体寸法の構成に有効であるばかりでなく、とりわけ立
体像表示体寸法が大であり、しかも装置全体の容積を縮
小させた三次元立体像表示装置における交差位置に係る
像歪み補正に有効である。
【0621】上記のように光路制御手段Cp62は、各
レーザ光ビームBm61とBm62の光路を制御して、
立体像表示体DP6内の交差位置に係る像歪みを補正
し、さらに立体像表示体DP6内におけるライン状レー
ザ光ビームBm61aが、帯状レーザ光ビームBm62
aによって光路方向(h軸方向)に形成される帯状平面
と直角(d軸方向)に、この帯状レーザ光ビームBm6
2aを貫いて交差するよう制御する。
【0622】また本実施形態では、f軸方向の精細度は
レーザダイオードLdp62の発光部の密度に依存し、
d軸方向の精細度は、三次元立体像信号の更新周期と帯
状レーザ光ビームBm62aのd軸方向への単位時間あ
たりの掃引距離εdによって決まり、またh軸方向の精
細度はライン状レーザ光ビームBm61のh軸方向への
掃引距離εLyによって決まる。
【0623】上記のように立体像表示体DP6内の帯状
レーザ光ビームBm62aは、断面であるf軸方向に同
時に像を形成しつつh軸方向へ進行するから、fh平面
に帯状を形成する。さらに光源からの光強度が変化する
と、瞬時に帯状面が更新される。したがって光路制御手
段Cp62は、帯状レーザ光ビームBm62aの掃引に
あたり、これをd軸方向へ掃引するのみでよい。従っ
て、帯状レーザ光ビームBm62aの掃引周期を長くで
き、よって掃引の簡素化が可能になる。
【0624】また、ライン状レーザ光ビームBm61a
が帯状レーザ光ビームBm62aによって光路方向に形
成される帯状面をd軸方向に貫いて交差する構成となる
から、したがって光路制御手段Cp62は、このライン
状レーザ光ビームBm61aをf軸およびh軸方向へ掃
引するのみでよい。
【0625】よって掃引機構を簡素に構成できる。従っ
てとりわけ、動像の描像と表示に適する。さらに、交差
位置に係る像歪みのない立体像の描像が可能になり、ま
た三軸方向へ直交掃引する構成であるから、立体像表示
体内の任意の位置のアクセスが高精度でなされ、表示像
への信頼度が向上する上、掃引機構が簡素化できるとい
う効果がある。
【0626】その上、複数の掃引面が層状に重ねられた
立体像表示領域を形成することにより、複雑な形状の像
や、表示されるべき像が複数個、独立して存在し、立体
像表示体中に離れて分散して存在する場合などでも描像
時間を一定にできるという効果が得られる。
【0627】つぎに、掃引レートにつき説明する。三次
元表示領域の各軸方向に並ぶキュビセル数を各240と
すると、レイヤー掃引では、全部のキュビセル240×
240×240=13、824、000個に亘る掃引が
必要である。表示体の一端から多端までを以って一回の
主掃引とすると、全部のキュビセルを形成するには、帯
状レーザ光ビームBmaはd軸方向に1回の掃引のみで
よい。一方、ライン状レーザ光ビームBm61aはf軸
方向に240×240回の掃引、またh軸方向に240
回の掃引がなされる。
【0628】つぎに、精細度制御手段Cp65を説明す
る。精細度制御手段Cp65は、立体像表示体DP6内
に形成される立体像の精細度を制御するか、または表示
領域の寸法を制御するものである。すなわち、精細度制
御手段Cp65は、異なる像の繰返し周期をそれぞれ有
して種別が異なる複数の三次元立体像信号の内のいずれ
かが三次元立体像信号として適用される場合に、この三
次元立体像信号に搭載された、種別を特定する信号また
は同期信号の周期に基づき種別を特定するか、像の繰返
し周期を検出するとともに、像の繰返し周期及び立体像
表示体DP6の寸法に対応して、d軸およびh軸への所
定掃引距離を変更することにより、形成される立体像表
示領域の寸法を、入力などによって指定された所望値と
するか、または三次元立体像信号の繰返し周期に対応し
て、立体像表示体DP6内に形成される立体像表示領域
の寸法を変更することにより、h軸方向への所定掃引距
離を、入力などによって指定された所望値とするよう構
成され、具体的にはストアードプログラム形式のマイク
ロコンピュータによって実現される。
【0629】つぎに、精細度制御手段Cp65の動作を
説明する。精細度制御手段Cp65は、信号処理部Cp
64から供給される種別・同期信号及び、外からの指定
値として入力された、精細度や表示領域の寸法の所望値
Stdに基づき、交差部分の適切なh方向単位掃引移動
距離εLyとd方向単位掃引移動距離εdを算出し、ε
Lyの載った制御信号65bとして掃引制御手段611
へ送出し、εdの載った制御信号65aとして掃引制御
手段612へ送出する。
【0630】この結果、繰り返し周期の長い三次元立体
像信号や、繰り返し周期の短い三次元立体像信号が入力
された際に、その周期に応じて単位掃引移動距離εLy
または単位掃引移動距離εdを変更することにより、所
定の表示領域に描像することができ、よって形成される
立体像表示領域の寸法を所望値とすることができる。
【0631】または、繰り返し周期の長い三次元立体像
信号や、繰り返し周期の短い三次元立体像信号が入力さ
れた際に、その周期に応じて立体像表示領域の寸法を変
更することにより、所定の単位掃引移動距離εLyまた
は単位掃引移動距離εdで描画でき、よって描像の精細
度を所望値とすることができる。
【0632】本実施形態に係る三次元立体像表示装置の
特に適する用途に医療分野があり、たとえば検査・治療
分野における立体断層静止像の形成、例えばX線CTや
ポジトロンCT断層の立体静止像の表示に適する。
【0633】また別の用途は、教育分野とりわけ教材の
三次元立体像表示であり、特に理科、図工、数学の教材
の各種立体像表示に有効である。
【0634】さらに、自動車などをデザインする工程で
のデザイン・イメージの三次元静止像表示、建築設計に
おける三次元パース像の作成に適する。
【0635】さらに、生産現場においても有効に適用可
能であり、設計工程での部品設計における三次元静止像
表示や、生産工程での工業用CT検査の立体静止像表示
などに適する。
【0636】さらに、他の用途分野としては、シミュレ
ーション結果の三次元静止像表示や、あるいは芸術、美
術の制作過程におけるデザイン・イメージの三次元静止
像の表示・展示がある。さらに、三次元立体像表示装置
をショーウインドウとして使用し、商品の三次元立体静
止像を表示させる、所謂バーチャルショーウインドウと
いった商業用途にも好適である。
【0637】本発明の第7実施形態に係る三次元立体像
表示装置は、帯状レーザ光ビームとライン状レーザ光ビ
ームを直交状態で交差させ、交差部分をベクトル掃引す
ることにより、立体の表面または稜線の連結による三次
元立体像の描像をなす構成である。
【0638】図26は、本発明の第7実施形態に係る三
次元立体像表示装置の要部正面図である。また図27
は、その要部上面図である。
【0639】図26および図27に示されるように、本
発明の第7実施形態に係る三次元立体像表示装置ORI
IN7は、立体像が内部に形成される立体像表示体DP
7と、二基のレーザ発振器Ldp71、Ldp72およ
び、その駆動回路を備え、それぞれ出射光が光路方向に
ラインとなるライン状レーザ光ビームBm71および、
出射光が光路方向に帯状面を形成する帯状レーザ光ビー
ムBm72とを発射する光源Cp71と、発射された二
本のレーザ光ビームBm71、Bm72の光路を管理し
て立体像表示体DP7中の所望の位置において交差さ
せ、且つ交差位置に係る像歪みを制御するとともに、こ
の交差位置を移動させる掃引機能を備える光路制御手段
Cp72と、二基のレーザ発振器Ldp71、Ldp7
2のうち少なくとも一基の出力か、または両レーザ光ビ
ームBm71、Bm72の少なくとも一方を、表示対象
である立体の表面または稜線に沿った位置情報によって
構成された三次元立体像信号に基づいて光強度変調する
レーザ光強度変調手段Cp73と、入力された像信号を
処理する信号処理部Cp74と、立体像表示体DP7内
に形成される立体像の精細度を制御するか、または表示
領域の寸法を制御する精細度制御手段Cp75を備えて
構成されている。
【0640】立体像表示体DP2は、透明な直方体であ
り、両レーザ光ビームBm71、Bm72の光路の交差
部分によって内部が照射され、該交差部分に照射される
ことで発色または着色する気体または液体または固体、
またはこれらの組み合わせで構成された呈色材が内部に
三次元方向に一様分散され、交差部分の集合として立体
像が描像される。ただし立体像表示体DP2は図示され
ているような直方体形状に限定されることなく、三次元
方向に拡がりを有するものであれば形状を問わない。
【0641】光源Cp71から発射され、光路制御手段
Cp72によって光路が制御されたライン光ビームBm
71と帯状レーザ光ビームBm72との交差部分にある
呈色材が、両レーザ光ビームBm71とBm72により
同時に照射を受けることによって、所定の色に呈色す
る。
【0642】両レーザ光ビームはそれぞれ数ミクロン乃
至数十ミクロン程度の太さがあるから、交差部分は数ミ
クロン乃至数十ミクロン程度の径の断面を有する立体ス
ポットとなる。しかも交差部分は掃引によって微小時間
で掃引方向へ移動するから、この間に照射を受けて呈色
する呈色材の集合は掃引方向へ更に拡がり、このように
して呈色された呈色材が含まれる微小領域キュビセルの
列によって、キュビセル・ラインが形成される。
【0643】さらに掃引方向を三次元立体像信号に基づ
いて移動させて掃引を反復することで、次のキュビセル
・ラインが形成され、この反復で多数のキュビセル・ラ
インから成るが形成される。
【0644】信号処理部Cp74は、入力された三次元
立体像信号を形成するデータおよび同期信号、あるいは
種別を同定するための信号が載った入力信号に基づき、
レーザ発振器からの出力を光強度変調するための変調信
号をレーザ光強度変調手段Cp73に送り、また光路制
御手段Cp72へ同期信号を送り、さらに精細度制御手
段Cp75へ信号の種別情報か、同期信号の周期情報を
送る。
【0645】レーザ光強度変調手段Cp73へ入力され
る三次元立体像信号は、表示対象である立体の表面また
は稜線に沿って形成されており、この三次元立体像信号
で変調された駆動電流によりレーザダイオードLdp7
1またはLdp72の少なくとも一方の出力が三次元立
体像信号で変調され、三次元立体像信号によって光強度
変調された光ビームが発射される。
【0646】光路制御手段Cp72は、ライン状レーザ
光ビームBm71の掃引を制御する図示されない第1ラ
イン光ビーム掃引制御回路により駆動されるアクチュエ
ータAct711、アクチュエータAct711により
h軸を回動中心として角度が変化する反射鏡Gv71
1、さらに第1ライン光ビーム掃引制御回路により駆動
されるアクチュエータAct712、アクチュエータA
ct712によりf軸を回動中心として角度が変化する
反射鏡Gv712を備える。また、第1集束光学系Lz
71を備える。
【0647】さらに光路制御手段Cp72は、帯状レー
ザ光ビームBm72の掃引を制御する図示されない第2
ライン光ビーム掃引制御回路により駆動されるアクチュ
エータAct72、アクチュエータAct72によりf
軸を回動中心として角度が変化する反射鏡Gv72を備
える。また、第2集束光学系Lz72を備える。
【0648】両図に示されるように、レーザ発振器Ld
p71から発射されd軸方向に光路をとるライン状レー
ザ光ビームは、h軸中心に回動する反射鏡Gv711で
反射されて、fh平面上で振れる。このfh平面上で振
れた反射光ビームが、f軸を軸として回動可能な反射鏡
Gv712で反射され、さらに第1集束光学系Lz71
を経ることにより、fh両軸方向へ振れ、かつd軸方向
へ直進するビームとなり、立体像表示体DP7内に入射
する。
【0649】このようにライン状レーザ光ビームBm7
1は、立体像表示体DP7の面fh+から立体像表示体
DP7内に入射する。したがって第1集束光学系Lz7
1等の機構部品は主として面fh+側に配設される。
【0650】一方、レーザ発振器Ldp72から発射さ
れd軸方向に光路をとる帯状レーザ光ビームBm72
は、f軸中心に回動する反射鏡Gv72で反射されて、
dh平面上で振れる。このdh平面上で振れた反射光ビ
ームが第2集束光学系Lz72を経ることによりh軸に
平行な帯状レーザ光ビームとなり、立体像表示体DP7
内に、h軸方向に立ち上がる状態で入射する。ここで反
射鏡Gv72がf軸中心に回動して角度を変えることに
より、帯状レーザ光ビームBm72はd軸方向へ掃引さ
れる。
【0651】このように帯状レーザ光ビームBm72
は、立体像表示体DP7の面fd−から立体像表示体D
P7内に入射する。したがって第2集束光学系Lz72
等の機構部品は主として面fd−側に配設される。
【0652】前記の結果、立体像表示体DP7内でライ
ン光ビームBm71が帯状レーザ光ビームBm72と直
交するが、両レーザ光ビームが同じ座標位置(f、d、
h)を通過するように光路を制御すると、両方が一点で
交差し、その交差点がキュビセルを形成させる。光路制
御手段Cp72は、三次元立体像信号にしたがい、両レ
ーザ光ビームの光路を制御して交差点を移動させると、
立体像が立体像表示体DP7内に形成される。
【0653】たとえば、反射角度の制御により光路が変
化したライン光ビームBm71aは点P71を通過す
る。ここで同時に、反射角度の制御により光路が変化し
た帯状レーザ光ビームBm72aが同じ点P71を通過
するように光路制御手段Cp72がすることにより、点
P71が呈色してキュビセルが形成される。
【0654】ついで光路制御手段Cp72は反射角度の
制御により、ライン光ビームBm71aを点P72まで
連続掃引してライン光ビームBm71bとし、また同時
に帯状レーザ光ビームBm72aを点P72まで連続掃
引して帯状レーザ光ビームBm72bとすると、点P7
1から点P72までが呈色して、キュビセルの列である
キュビセル・ラインが形成される。このキュビセル・ラ
インが立体像の一部を描像している。
【0655】以下、同様に点P72〜点P73〜点P7
1と順にベクトル掃引することにより、稜線からなるワ
イヤーフレーム像として立体像が描像される。
【0656】さらに光路制御手段Cp72は、立体像表
示体DP7内に形成される立体像に発生する、前記交差
位置に係る像歪みの補正処理の機能を備える。
【0657】すなわち、レーザ光ビームの交差位置が立
体像表示領域の端部側にあるときの反射鏡の回動速度を
小とすることにより、端部側における交差部分の単位時
間あたりの移動距離が所定値になるようにし、一方、レ
ーザ光ビームの交差位置が立体像表示領域の中央部側に
あるときの反射鏡の回動速度を大とすることにより、中
央部側における交差部分の単位時間あたりの移動距離が
同じ所定値になるように、反射鏡の動作を制御する。
【0658】f軸方向の歪補正は、アクチュエータAc
t711へ送る電流を制御することにより、反射鏡Gv
711の回動角度を微調整することにより為される。
【0659】d軸方向の歪補正は、アクチュエータAc
t72へ送る電流を制御することにより、反射鏡Gv7
2の回動角度を微調整することにより為される。
【0660】さらにh軸方向の歪補正は、アクチュエー
タAct712へ送る電流を制御することにより、反射
鏡Gv712の回動角度を微調整することにより為され
る。
【0661】前記により、立体像表示体DP7中の各位
置に形成されるキュビセルの寸法を均一とし、よって交
差位置に係る像歪みが補正される。この機能は通常の立
体像表示体DP7寸法の構成に有効であるばかりでな
く、とりわけ立体像表示体DP7寸法が大であり、しか
も立体像表示体DP7と周辺機構部品の距離を小さくし
て装置全体の容積を縮小させた三次元立体像表示装置に
おける、交差位置に係る像歪み補正に有効である。
【0662】つぎに、掃引レートにつき説明する。三次
元表示領域の各軸方向に並んで形成可能なキュビセル数
を各240とすると、240×240×240=13、
824、000個のキュビセル形成が可能である。本実
施形態における掃引はベクトル掃引であるから、全部の
キュビセルを掃引する必要はなく、立体を構成している
稜線や外郭線に沿うキュビセルのみを形成させるよう、
稜線や外郭線に沿った掃引を行なう。
【0663】したがって単位時間あたりの掃引回数つま
り掃引レートは、描像される稜線や外郭線の数に依存す
る。立体静止像を表示させる場合、呈色状態が長時間維
持されるバイナリ効果を有する呈色材を適用する場合は
リフレッシュ書き換えの必要がないが、呈色状態が長時
間維持されない材料ではリフレッシュ書き換えが必要と
なる。リフレッシュ書き換えをする構成の場合は、残光
時間が長いりん光体の呈色材の適用が好ましい。
【0664】精細度制御手段Cp75は、立体像表示体
DP7内に形成される立体像の精細度を制御するか、ま
たは表示領域の寸法を制御するものである。以下、精細
度制御手段Cp75の構成と動作を説明する。
【0665】精細度制御手段Cp75は、信号処理部C
p74から供給される種別・同期信号及び、外から入力
された、精細度や表示領域の寸法の所望値Stdに基づ
き、交差部分の必要なf方向単位掃引移動距離εf、d
方向単位掃引移動距離εd、h方向単位掃引移動距離ε
hを算出し、εfが載った制御信号をアクチュエータA
ct711へ送り、εdが載った制御信号をアクチュエ
ータAct72へ送り、εhが載った制御信号をアクチ
ュエータAct712へ送出するよう構成されている。
【0666】この結果、繰り返し周期の長い三次元立体
像信号や、繰り返し周期の短い三次元立体像信号といっ
た、異なる像繰返し周期をそれぞれ有して種別が異なる
複数の三次元立体像信号の内のいずれかが適用された場
合に、種別を特定する信号または同期信号の周期に基づ
き種別を特定するか、像の繰返し周期が検出されると、
この像の繰返し周期及び立体像表示体の寸法ならびに、
精細度や表示領域の寸法の所望値Stdに対応して、
f、d、h三軸方向への単位掃引距離εf、εd、εh
のうち少なくとも一つの距離を変更することにより、所
定の表示領域に描像することができ、よって形成される
立体像表示領域の寸法を所望値とすることができる。
【0667】または、周期に応じて立体像表示領域の寸
法を変更することにより、所定掃引距離で描画でき、よ
って描像の精細度を所望値とすることができる。
【0668】前記のように、立体像表示体中に形成され
るキュビセルの寸法を所望値に、かつ上記のように寸法
を均一に制御でき、よって精細度を所望値に制御でき
る。あるいは、利用の都合上、表示領域を所望寸法に限
定する必要がある場合も、上記の構成によってキュビセ
ルの寸法を縮小し、かつ均一寸法に制御することで、立
体像表示体中の表示範囲を所望の範囲に調整することが
可能になる。
【0669】さらに、立体の表面または稜線に沿って掃
引する構成であるから、立体像表示体内の全ての位置を
掃引する必要がなく、描像時間を短縮できるという効果
があり、動像の描像表示に有利である。
【0670】本実施形態に係る三次元立体像表示装置の
特に適する用途としては、第一に、臨床医学や基礎医学
分野のうちでもとりわけ検査・治療分野における、従来
平面画像表示されていた断層像に代わる立体断層静止像
の形成、例えばX線CT断層の立体静止像の表示があ
る。
【0671】用途分野の第二は、教育分野とりわけ各教
科・科目の学習課程における教材の三次元立体像表示で
あり、特に理科、図工、数学での教材のマルチメディア
技術にもとづく各種の立体像表示に有効である。とりわ
け、本実施形態の構成は立体静止像表示に適する。
【0672】第三の用途分野としては、服飾や自動車を
はじめとするデザイン工程でのデザイン・イメージの三
次元静止像としての表示、さらに建築設計における三次
元パース像(静止像)の作成や、三次元レイアウト表示
がある。
【0673】第四の用途分野としては、マルチメディア
・エンターテインメント分野として、大・小劇場やコン
サートホールにおける大型立体像の表示、アーケードゲ
ームにおける立体像表示がある。
【0674】第五の用途分野は生産現場であり、設計工
程での部品設計における三次元静止像表示や、生産工程
での工業用CT検査の立体静止像表示などに適する。
【0675】さらに、他の用途分野としては、学術研究
分野でのシミュレーション結果の三次元静止像表示や、
あるいは芸術、美術の制作過程におけるデザイン・イメ
ージの三次元静止像または、これら作品自体の三次元静
止像として表示・展示、すなわち粘土や合成樹脂、木
材、金属などの材質を用いた造形に代わり、三次元立体
像表示装置で再現される作品の表示・展示がある。さら
に、三次元立体像表示装置をショーウインドウとして使
用し、商品の三次元立体像を、動像や静止像で表示させ
る、所謂バーチャルショーウインドウといった商業用途
にも好適である。
【0676】本発明の第8実施形態に係る三次元立体像
表示装置は、帯状レーザ光ビームとライン状レーザ光ビ
ームを非直交状態で交差させ、交差部分を反復してレイ
ヤー掃引することにより、掃引面の積層による三次元立
体像の描像をなす構成である。
【0677】図28は、本発明の第8実施形態に係る三
次元立体像表示装置の要部正面図である。また図29
は、その要部上面図である。
【0678】両図に示されるように、本発明の第8実施
形態に係る三次元立体像表示装置ORIIN8は、立体
像が内部に形成される立体像表示体DP8、それぞれ発
振周波数の異なる一基の点光源レーザダイオードLdp
81と一基の線光源レーザダイオードLdp82およ
び、それらの駆動回路を備え、それぞれ光路方向が異な
り、出射光が光路方向にラインを形成するライン状レー
ザ光ビームBm81と、出射光の光路方向断面が一次元
方向に拡がりを有する帯状レーザ光ビームBm82とを
発射する光源Cp81、発射された二本のレーザ光ビー
ムBm81とBm82の光路を管理して立体像表示体D
P8中の所望の位置において交差させ、且つ交差位置に
係る像歪みを制御するとともに、この交差位置を移動さ
せる掃引機能を備える光路制御手段Cp82、少なくと
も一基のレーザダイオードの出力か、または両レーザ光
ビーム中の少なくとも一方を、三次元立体像信号に基づ
いて光強度変調するレーザ光強度変調手段Cp83、入
力された像信号SGを処理する信号処理部Cp84、立
体像表示体DP8内に形成される立体像の精細度を制御
するか、または表示領域の寸法を制御する精細度制御手
段Cp85を備えて構成されている。
【0679】立体像表示体DP8は、透明な直方体であ
り、各レーザ光ビームの光路の交差部分によって内部が
照射され、該交差部分に照射されることで発色または着
色する気体または液体または固体、またはこれらの組み
合わせで構成された呈色材が内部に三次元方向に一様分
散され、交差部分の集合として立体像が描像される。た
だし立体像表示体DP8は図示されているような直方体
形状に限定されることなく、三次元方向に拡がりを有す
るものであれば形状を問わない。
【0680】光源Cp81から発射され、光路制御手段
Cp82によって光路が制御されたライン状レーザ光ビ
ームBm81と帯状レーザ光ビームBm82との交差部
分にある呈色材が、両レーザ光ビームBm81とBm8
2により同時に照射を受けることによって、所定の色に
呈色する。
【0681】両レーザ光ビームはそれぞれ数ミクロン乃
至数十ミクロン程度の太さがあるから、交差部分は数ミ
クロン乃至数十ミクロン程度の径の断面を有する立体ス
ポット状となる。しかもこの交差部分は掃引によって微
小時間で掃引方向へ移動するから、この間に照射を受け
て呈色する呈色材の集合は掃引方向へ更に拡がり、この
ようにして単位時間内に呈色された呈色材が含まれる微
小領域キュビセルCubcの列によって、キュビセル・
ラインが形成される。
【0682】とりわけ、帯状レーザ光ビームBm82は
ビームの断面形状が線分であるから、ライン状レーザ光
ビームBm81をこの断面に沿って交差させることによ
り、キュビセル・ラインが容易に形成される。
【0683】レーザ光強度変調手段Cp83へ入力され
る三次元立体像信号で変調された駆動電流が、それぞれ
のレーザダイオード駆動増幅器の少なくとも一方へ入力
される。この結果、レーザダイオードLdp81または
Ldp82の少なくとも一方の出力が三次元立体像信号
で変調され、三次元立体像信号によって光強度変調され
たレーザ光ビームが発射される。
【0684】光路制御手段Cp82は、二本のレーザ光
ビームの各光路を制御して、各レーザ光ビームを立体像
表示体DP8中の所望の位置において交差させるととも
に、この交差位置を三次元立体像信号に基づき所定掃引
距離だけ順次掃引することにより、交差位置において呈
色材を順次発色または着色させて一連のキュビセル・ラ
インを形成させ、この複数のキュビセル・ラインから成
るレイヤー層Ly8を立体像表示体DP8内に形成させ
る。
【0685】光路制御手段Cp82は、二組のレーザ光
偏向機構を備える。第一組のレーザ光偏向機構はライン
状レーザ光ビームBm81の光路を制御するもので、ア
クチュエータAct811により回動する反射鏡Gv8
11と、アクチュエータAct82により回動する反射
鏡Gv82と、図示されない掃引制御回路を備える。
【0686】レーザダイオードLdp81から放出され
るライン状レーザ光ビームBm81は、反射鏡Gv81
1および反射鏡Gv812によりこの順に偏向されて、
途中にレンズを経由することなく立体像表示体DP8内
の各位置へ達する。
【0687】ここで、図示されるようなライン状レーザ
光ビームBm81を立体像表示体DP8の面fh+をへ
て立体像表示体DP8内に入射する構成とする場合は、
第一組のレーザ光偏向機構等の機構部品は主として面f
h+側に配設される。
【0688】一方、第二組のレーザ光偏向機構は帯状レ
ーザ光ビームBm82の光路を制御するもので、アクチ
ュエータAct82により回動する反射鏡Gv82と、
図示されない掃引制御回路を備える。
【0689】レーザダイオードLdp82から放出され
る帯状レーザ光ビームBm82は、反射鏡Gv82によ
り偏向されて、途中にレンズを経由することなく立体像
表示体DP8内の各位置へ達する。
【0690】ここで、図示されるような帯状レーザ光ビ
ームBm82を立体像表示体DP8の面fd−をへて立
体像表示体DP8内に入射する構成とする場合は、第二
組のレーザ光偏向機構等の機構部品は主として面fd−
側に配設される。
【0691】前記の構成と異なる、ライン状レーザ光ビ
ームBm81と帯状レーザ光ビームBm82を立体像表
示体DP8の同一面から入射させる構成も可能である。
これにより機構部分に邪魔されることなく、立体像表示
体DP8の各面側からの立体像の観察が可能になる。
【0692】また光路制御手段Cp82は、両レーザ光
ビームBm81とBm82の光路を制御して両レーザ光
ビームが立体像表示体DP8中の各交差点において張る
最小角度のうちの少なくとも一部の最小角度θを θ<86° の範囲内に制御するものとする。すなわち非直交掃引を
行なう。
【0693】前記で、ライン状レーザ光ビームBm81
と帯状レーザ光ビームBm82が同じ(f、d、h)座
標を有するように光路を制御すると、両方が一点(たと
えば図28中の点P8)で交差し、その交差点がキュビ
セルを形成させる。光路制御手段Cp82が三次元立体
像信号にしたがい、ライン状レーザ光ビームBm81と
帯状レーザ光ビームBm82の光路を制御して交差点を
移動させると、この間に照射を受けて呈色する呈色材の
集合は掃引方向へ更に拡がり、このようにして単位時間
内に呈色された呈色材が含まれる微小領域キュビセルC
ubcの列によって、キュビセル・ラインv81が形成
される。
【0694】さらに位置を移動させて掃引を反復するこ
とで、次のキュビセル・ラインが形成され、この反復で
多数のキュビセル・ラインから成る層状のレイヤーLy
8が形成される。さらに、レイヤーLy8が複数層、重
ねられて表示領域が構成され、この表示領域内に立体像
が形成される。
【0695】ここで本実施形態の構成によれば、f軸に
平行なキュビセルラインv81を描像する際には帯状レ
ーザ光ビームの掃引を省略できるから、掃引機構を簡素
化することができる。
【0696】光路制御手段Cp82は同時に、反射鏡か
ら到達位置までの距離が変動することにより発生する、
前記交差位置に係る像歪みを補正処理する機能を備え
る。すなわち、レーザ光ビームの交差位置が立体像表示
領域の端部側にあるときの反射鏡の回動速度を小とする
ことにより、端部側における交差部分の単位時間あたり
の移動距離が所定値になるようにし、一方、レーザ光ビ
ームの交差位置が立体像表示領域の中央部側にあるとき
の反射鏡の回動速度を大とすることにより、中央部側に
おける交差部分の単位時間あたりの移動距離が同じ所定
値になるように、反射鏡の動作を制御する。
【0697】この構成により、反射光の光路を調節して
立体像表示体中の各位置に形成されるキュビセルの寸法
を均一とし、よって交差位置に係る像歪みが補正され
る。この機能は通常の寸法の立体像表示体DP8に有効
であるばかりでなく、とりわけ立体像表示体DP8の寸
法が大であり、しかも立体像表示体DP8と周辺機構部
品の距離を小さくして装置全体の容積を縮小させた三次
元立体像表示装置における、交差位置に係る像歪み補正
に有効である。
【0698】とりわけ、本実施形態のような非直交掃引
の場合は、レーザ光ビームが立体像表示体DP8の各軸
方向に角度を有して入射されるから、前記のレーヤー掃
引の場合に比して掃引面間においても到達距離が変化す
る。したがって、この構成の場合、掃引面内に対する補
正に加えて、掃引面間についての補正を加えた補正動作
を行なう。この構成により、反射光の光路を調節して立
体像表示体中の各位置に形成されるキュビセルの寸法を
均一とし、よって交差位置に係る像歪みを極小にでき
る。
【0699】前記の機能によって、本実施形態の三次元
立体像表示装置ORIIN8は以下のように動作する。
光路制御手段Cp82は、帯状レーザ光ビームBm82
の光路を制御して立体像表示体DP8の面fh+と交わ
るビームBm82aとし、一方、ライン状レーザ光ビー
ムBm81の光路を制御して前記のビームBm82aと
面fh+とが交わる部分に交差させつつf軸方向になぞ
り、このように交差位置をf軸方向に連続掃引して1本
のキュビセルラインを形成させる。
【0700】前記のライン状レーザ光ビームBm81に
よるf軸方向への掃引中、帯状レーザ光ビームBm82
を静止させることによって、f軸に平行なキュビセルラ
インが形成される。
【0701】この1本のキュビセルライン形成ののち、
次のキュビセルラインを形成させるべく、反射鏡Gv8
2を微少回動させてd軸方向に振れた帯状レーザ光ビー
ムBm82bとし、一方、ライン状レーザ光ビームBm
81の光路を制御してビームBm81bとし、前記掃引
を反復して2本目のキュビセルラインv81を形成させ
る。
【0702】ここで2本目のキュビセルラインv81
は、1本目のキュビセルラインとh軸方向は同一位置に
あり、d軸方向に所定距離のεdだけ振れるように、二
基のアクチュエータAct812、Act82が駆動さ
れ、またキュビセルラインv81を単位時間あたり所定
距離εfだけ掃引するようにアクチュエータAct81
1が駆動される。
【0703】このようにしてライン状レーザ光ビームB
m81cと帯状レーザ光ビームBm82cによりd軸方
向端部においてキュビセルラインが形成されると、第1
のレイヤー層が生成され、ついで両レーザ光ビームは元
に戻って第2のレイヤー層の生成過程に入る。
【0704】ここで、第2のレイヤー層が第1のレイヤ
ー層からh軸方向に所定距離のεhだけ振れるように、
二基のアクチュエータAct812、Act82が駆動
される。以上の反復により複数のレイヤー層(掃引面)
が層状に重ねられた立体像表示領域が形成される。
【0705】また、精細度制御手段Cp85は、立体像
表示体DP8内に形成される立体像の精細度を制御する
か、または表示領域の寸法を制御する機能を具備してい
る。すなわち、精細度制御手段Cp85は、通常はf軸
方向、d軸方向、h軸方向への所定掃引距離εf、ε
d、εhなどを出力するが、異なる像の繰返し周期をそ
れぞれ有して種別が異なる複数の三次元立体像信号の内
のいずれかが三次元立体像信号として適用される場合
に、この三次元立体像信号に搭載された、種別を特定す
る信号または同期信号の周期に基づき種別を特定する
か、像の繰返し周期を検出するとともに、像の繰返し周
期及び立体像表示体の寸法に対応して、f軸方向、d軸
方向、h軸方向への所定掃引距離εf、εd、εhのう
ち少なくとも一つの距離を変更することにより、形成さ
れる立体像表示領域の寸法を所望値とするか、または三
次元立体像像信号の繰返し周期に対応して、立体像表示
体内に形成される立体像表示領域の寸法を変更すること
により、各軸方向への所定掃引距離を、入力などによっ
て指定された所望値とする。
【0706】この結果、繰り返し周期の長い三次元立体
像信号や、繰り返し周期の短い三次元立体像信号が入力
された際に、その周期に応じて単位時間あたりの掃引距
離を変更することにより、キュビセルの寸法を拡大また
は縮小させ、かつ前記のように均一寸法に制御して、所
望の表示領域内に描像することができ、よって立体像表
示体DP8中に形成される立体像表示領域の寸法を所望
値とすることができる。
【0707】または、繰り返し周期の長い三次元立体像
信号や、繰り返し周期の短い三次元立体像信号が入力さ
れた際に、その周期に応じて立体像表示領域の寸法を変
更することにより、単位時間あたりの所定掃引距離で描
画でき、立体像表示体DP8中に形成されるキュビセル
の寸法を所望値に、かつ前記のように寸法を均一に制御
でき、よって精細度を所望値に制御できる。
【0708】つぎに、掃引レートにつき説明する。三次
元表示領域の各軸方向に並ぶキュビセル数を各240と
すると、レイヤー掃引では、全部のキュビセル240×
240×240=13、824、000個が形成され
る。したがって1キュビセルを形成するのにライン状レ
ーザ光ビームBm81は240×240=57、600
回の掃引がなされる。一方、帯状レーザ光ビームBm8
2は240回の掃引がなされる。
【0709】立体静止像を表示させる場合、呈色状態が
長時間維持されるバイナリ効果を有する呈色材を適用す
る場合はリフレッシュ書き換えの必要がないが、呈色状
態が長時間維持されない材料ではリフレッシュ書き換え
が必要となる。リフレッシュ書き換えをする構成の場合
は、残光時間が長いりん光体の呈色材の適用が好まし
い。
【0710】本実施形態によれば、高精細度の、且つ像
歪みのない立体像の描像が可能になる。さらに、非直交
で掃引する構成であるから、各レーザ光ビームの光源等
を立体像表示体の同じ面側に集中して設置することもで
き、よって光源等の障害がなく広い位置からの描像され
た立体像の観察が可能となる。
【0711】さらに座標軸に平行なキュビセルラインを
描像する際に、帯状レーザ光ビームの掃引が簡略化さ
れ、よって掃引機構を簡素化できる。
【0712】また表示領域を大にし、且つ光源と表示領
域間の距離を短縮する際に生じる像の歪みを補正するこ
とによって、立体像表示体寸法が大であり、しかも装置
全体の容積を縮小させた三次元立体像表示装置を実現す
ることができる。
【0713】さらに、前述したように周期の長い三次元
立体像信号や、繰り返し周期の短い三次元立体像信号が
入力された際に、その周期に応じて掃引距離を変更する
ことにより、形成される立体像の寸法を所望値とするこ
とができ、または、周期の長い三次元立体像信号や、繰
り返し周期の短い三次元立体像信号が入力された際に、
その周期に応じて立体像が表示される領域の寸法を変更
することにより、所定掃引距離で描画でき、よって描像
の精細度を所望値とすることができる。
【0714】その上、複数の掃引面が層状に重ねられた
立体像表示領域を形成することにより、複雑な形状の像
や、表示されるべき像が複数個、独立して存在し、立体
像表示体中に離れて分散して存在する場合などでも描像
時間を一定にできるという効果が得られる。
【0715】本実施形態に係る三次元立体像表示装置の
特に適する用途に医療分野があり、たとえば検査・治療
分野における立体断層静止像の形成、例えばX線CTや
ポジトロンCT断層の立体静止像の表示に適する。
【0716】また別の用途は、教育分野とりわけ教材の
三次元立体像表示であり、特に理科、図工、数学の教材
の各種立体像表示に有効である。
【0717】さらに、自動車などをデザインする工程で
のデザイン・イメージの三次元静止像表示、さらに建築
設計における三次元パース像の作成に適する。
【0718】この外、マルチメディア・エンターテイン
メント分野として、大・小劇場やコンサートホールにお
ける大型立体像の表示、アーケードゲームにおける立体
像表示がある。
【0719】さらに、生産現場においても有効に適用可
能であり、設計工程での部品設計における三次元静止像
表示や、生産工程での工業用CT検査の立体静止像表示
などに適する。
【0720】さらに、他の用途分野としては、シミュレ
ーション結果の三次元静止像表示や、あるいは芸術、美
術の制作過程におけるデザイン・イメージの三次元静止
像の表示・展示がある。さらに、三次元立体像表示装置
をショーウインドウとして使用し、商品の三次元立体像
を、動像や静止像で表示させる、所謂バーチャルショー
ウインドウといった商業用途にも好適である。
【0721】本発明の第9実施形態に係る三次元立体像
表示装置は、帯状レーザ光ビームとライン状レーザ光ビ
ームを非直交状態で交差させ、交差部分をベクトル掃引
することにより、立体の表面または稜線の連結による三
次元立体像の描像をなす構成である。
【0722】図30は、本発明の第9実施形態に係る三
次元立体像表示装置の要部正面図である。また図31
は、その要部上面図である。
【0723】両図に示されるように、本発明の第9実施
形態に係る三次元立体像表示装置ORIIN9は、立体
像が内部に形成される立体像表示体DP9、それぞれ発
振周波数の異なる一基の点光源レーザダイオードLdp
91と一基の線光源レーザダイオードLdp92およ
び、それらの駆動回路を備え、それぞれ光路方向が異な
り、出射光が光路方向にラインを形成するライン状レー
ザ光ビームBm91と、出射光の光路方向断面が一次元
方向に拡がりを有する帯状レーザ光ビームBm92とを
発射する光源Cp91、発射された二本のレーザ光ビー
ムBm91とBm92の光路を管理して立体像表示体D
P9中の所望の位置において交差させ、且つ交差位置に
係る像歪みを制御するとともに、この交差位置を移動さ
せる掃引機能を備える光路制御手段Cp92、少なくと
も一基のレーザダイオードの出力か、または両レーザ光
ビーム中の少なくとも一方を、三次元立体像信号に基づ
いて光強度変調するレーザ光強度変調手段Cp93、入
力された像信号SGを処理する信号処理部Cp94、立
体像表示体DP9内に形成される立体像の精細度を制御
するか、または表示領域の寸法を制御する精細度制御手
段Cp95を備えて構成されている。
【0724】立体像表示体DP9は、透明な直方体であ
り、各レーザ光ビームの光路の交差部分によって内部が
照射され、該交差部分に照射されることで発色または着
色する気体または液体または固体、またはこれらの組み
合わせで構成された呈色材が内部に三次元方向に一様分
散され、交差部分の集合として立体像Vg9が描像され
る。ただし立体像表示体DP9は図示されているような
直方体形状に限定されることなく、三次元方向に拡がり
を有するものであれば形状を問わない。
【0725】光源Cp91から発射され、光路制御手段
Cp92によって光路が制御されたライン状レーザ光ビ
ームBm91と帯状レーザ光ビームBm92との交差部
分にある呈色材が、両レーザ光ビームBm91とBm9
2により同時に照射を受けることによって、所定の色に
呈色する。
【0726】両レーザ光ビームはそれぞれ数ミクロン乃
至数十ミクロン程度の太さがあるから、交差部分は数ミ
クロン乃至数十ミクロン程度の径の断面を有する立体ス
ポット状となる。しかもこの交差部分は掃引によって微
小時間で掃引方向へ移動するから、この間に照射を受け
て呈色する呈色材の集合は掃引方向へ更に拡がり、この
ようにして単位時間内に呈色された呈色材が含まれる微
小領域キュビセルCubcの列によって、キュビセル・
ラインが形成される。
【0727】とりわけ、帯状レーザ光ビームBm92は
ビームの断面形状が線分であるから、ライン状レーザ光
ビームBm91をこの断面に沿って交差させることによ
り、キュビセル・ラインが容易に形成される。
【0728】レーザ光強度変調手段Cp93へ入力され
る三次元立体像信号は、表示対象である立体の表面また
は稜線に沿った位置情報を含んで構成されており、この
三次元立体像信号で変調された駆動電流が、それぞれの
レーザダイオード駆動増幅器の少なくとも一方へ入力さ
れる。この結果、レーザダイオードLdp91またはL
dp92の少なくとも一方の出力が三次元立体像信号で
変調され、三次元立体像信号によって光強度変調された
レーザ光ビームが発射される。
【0729】光路制御手段Cp92は、二本のレーザ光
ビームの各光路を制御して、各レーザ光ビームを立体像
表示体DP9中の所望の位置において交差させるととも
に、この交差位置を三次元立体像信号に基づき所定掃引
距離だけ順次掃引することにより、交差位置において呈
色材を順次発色または着色させて一連のキュビセル・ラ
インを形成させ、この複数のキュビセル・ラインから成
る立体像Vg9を立体像表示体DP9内に形成させる。
【0730】光路制御手段Cp92は、二組のレーザ光
偏向機構を備える。第一組のレーザ光偏向機構はライン
状レーザ光ビームBm91の光路を制御するもので、ア
クチュエータAct911により回動する反射鏡Gv9
11と、アクチュエータAct912により回動する反
射鏡Gv912と、図示されない掃引制御回路を備え
る。
【0731】レーザダイオードLdp91から放出され
るライン状レーザ光ビームBm91は、反射鏡Gv91
1および反射鏡Gv912によりこの順に偏向されて、
途中にレンズを経由することなく立体像表示体DP9内
の各位置へ達する。
【0732】ここで、図示されるようなライン状レーザ
光ビームBm91を立体像表示体DP9の面fh+をへ
て立体像表示体DP9内に入射する構成とする場合は、
第一組のレーザ光偏向機構等の機構部品は主として面f
h+側に配設される。
【0733】一方、第二組のレーザ光偏向機構は帯状レ
ーザ光ビームBm92の光路を制御するもので、アクチ
ュエータAct92により回動する反射鏡Gv92と、
図示されない掃引制御回路を備える。
【0734】レーザダイオードLdp92から放出され
る帯状レーザ光ビームBm92は、反射鏡Gv92によ
り偏向されて、途中にレンズを経由することなく立体像
表示体DP9内の各位置へ達する。
【0735】ここで、図示されるような帯状レーザ光ビ
ームBm92を立体像表示体DP9の面fd−をへて立
体像表示体DP9内に入射する構成とする場合は、第二
組のレーザ光偏向機構等の機構部品は主として面fd−
側に配設される。
【0736】前記の構成と異なる、ライン状レーザ光ビ
ームBm91と帯状レーザ光ビームBm92を立体像表
示体DP9の同一面から入射させる構成も可能である。
これにより機構部分に邪魔されることなく、立体像表示
体DP9の各面側からの立体像の観察が可能になる。
【0737】前記で、ライン状レーザ光ビームBm91
と帯状レーザ光ビームBm92が同じ(f、d、h)座
標を有するように光路を制御すると、両方が一点で交差
し、その交差点がキュビセルCubcを形成させる。光
路制御手段Cp92が三次元立体像信号にしたがい、ラ
イン状レーザ光ビームBm91と帯状レーザ光ビームB
m92の光路を制御して交差点を移動させると、立体像
Vg9が立体像表示体DP9内に形成される。
【0738】たとえばライン状レーザ光ビームBm91
と帯状レーザ光ビームBm92は、同時に点P91から
点P92へ移動し、ついで点P92から点P93へ移動
し、ついで点P93から点P91へ移動するよう制御さ
れる。
【0739】この結果、立体像表示体DP9内に点P9
1〜点P92〜点P93〜点P91を結ぶ立体像Vg9
が形成される。
【0740】ここで本実施形態の構成によれば、立体像
を構成する各稜線のうち、座標軸f、d、hに平行な稜
線を描像する際には帯状レーザ光ビームの掃引を省略で
きるから、掃引機構を簡素化することができる。
【0741】光路制御手段Cp92は同時に、反射鏡か
ら到達位置までの距離が変動することにより発生する、
前記交差位置に係る像歪みを補正処理する機能を備え
る。すなわち、レーザ光ビームの交差位置が立体像表示
領域の端部側にあるときの反射鏡の回動速度を小とする
ことにより、端部側における交差部分の単位時間あたり
の移動距離が所定値になるようにし、一方、レーザ光ビ
ームの交差位置が立体像表示領域の中央部側にあるとき
の反射鏡の回動速度を大とすることにより、中央部側に
おける交差部分の単位時間あたりの移動距離が同じ所定
値になるように、反射鏡の動作を制御する。
【0742】この構成により、反射光の光路を調節して
立体像表示体中の各位置に形成されるキュビセルの寸法
を均一とし、よって交差位置に係る像歪みが補正され
る。この機能は通常の寸法の立体像表示体DP9に有効
であるばかりでなく、とりわけ立体像表示体DP9の寸
法が大であり、しかも立体像表示体DP9と周辺機構部
品の距離を小さくして装置全体の容積を縮小させた三次
元立体像表示装置における、交差位置に係る像歪み補正
に有効である。
【0743】精細度制御手段Cp95は、立体像表示体
DP9内に形成される立体像の精細度を制御するか、ま
たは表示領域の寸法を制御するものである。すなわち、
精細度制御手段Cp95は、異なる像の繰返し周期をそ
れぞれ有して種別が異なる複数の三次元立体像信号の内
のいずれかが三次元立体像信号として適用される場合
に、この三次元立体像信号に搭載された、種別を特定す
る信号または同期信号の周期に基づき種別を特定する
か、像の繰返し周期を検出するとともに、像の繰返し周
期及び立体像表示体の寸法に対応して、f軸方向、d軸
方向、h軸方向への単位時間あたりの所定掃引距離のう
ち少なくとも一つの距離を変更することにより、形成さ
れる立体像表示領域の寸法を所望値とするか、または三
次元立体像信号の繰返し周期に対応して、立体像表示体
内に形成される立体像表示領域の寸法を変更することに
より、各軸方向への所定掃引距離を、入力などによって
指定された所望値とする。
【0744】この結果、繰り返し周期の長い三次元立体
像信号や、繰り返し周期の短い三次元立体像信号が入力
された際に、その周期に応じて単位時間あたりの掃引距
離を変更することにより、キュビセルの寸法を拡大また
は縮小させ、かつ前記のように均一寸法に制御して、所
望の表示領域内に描像することができ、よって立体像表
示体DP9中に形成される立体像表示領域の寸法を所望
値とすることができる。
【0745】または、繰り返し周期の長い三次元立体像
信号や、繰り返し周期の短い三次元立体像信号が入力さ
れた際に、その周期に応じて立体像表示領域の寸法を変
更することにより、単位時間あたりの所定掃引距離で描
画でき、立体像表示体DP9中に形成されるキュビセル
の寸法を所望値に、かつ前記のように寸法を均一に制御
でき、よって精細度を所望値に制御できる。
【0746】つぎに、掃引レートにつき説明する。三次
元表示領域の各軸方向に並んで形成可能なキュビセル数
を各240とすると、240×240×240=13、
824、000個のキュビセル形成が可能である。本実
施形態における掃引はベクトル掃引であるから、全部の
キュビセルを掃引する必要はなく、立体を構成している
稜線や外郭線に沿うキュビセルのみを形成させるよう、
稜線や外郭線に沿った掃引を行なう。
【0747】したがって単位時間あたりの掃引回数つま
り掃引レートは、描像される稜線や外郭線の数に依存す
るが、立体の表面または稜線に沿って掃引する構成であ
るから、立体像表示体内の全ての位置を掃引する必要が
ないので描像時間を短縮でき、よって動像の描像表示に
有利である。
【0748】また立体静止像を表示させる場合、呈色状
態が長時間維持されるバイナリ効果を有する呈色材を適
用する場合はリフレッシュ書き換えの必要がないが、呈
色状態が長時間維持されない材料ではリフレッシュ書き
換えが必要となる。リフレッシュ書き換えをする構成の
場合は、残光時間が長いりん光体の呈色材の適用が好ま
しい。
【0749】本実施形態によれば、高精細度の、且つ像
歪みのない立体像の描像が可能になる。さらに、非直交
で掃引する構成であるから、各レーザ光ビームの光源等
を立体像表示体の同じ面側に集中して設置することもで
き、よって光源等の障害がなく広い位置からの描像され
た立体像の観察が可能となる。
【0750】さらに、各レーザ光ビームを三軸方向に平
行に整列させる必要がなく、よって光学系を簡素化でき
る。しかも立体像を構成する各稜線のうち、座標軸に平
行な稜線を描像する際に、帯状レーザ光ビームの掃引が
簡略化され、よって掃引機構を簡素化できる。
【0751】また表示領域を大にし、且つ光源と表示領
域間の距離を短縮する際に生じる像の歪みを補正するこ
とによって、立体像表示体寸法が大であり、しかも装置
全体の容積を縮小させた三次元立体像表示装置を実現す
ることができる。
【0752】さらに、周期の長い三次元立体像信号や、
繰り返し周期の短い三次元立体像信号が入力された際
に、その周期に応じて掃引距離を変更することにより、
形成される立体像の寸法を所望値とすることができる。
【0753】または、周期の長い三次元立体像信号や、
繰り返し周期の短い三次元立体像信号が入力された際
に、その周期に応じて立体像が表示される領域の寸法を
変更することにより、所定掃引距離で描画でき、よって
描像の精細度を所望値とすることができる。
【0754】本実施形態に係る三次元立体像表示装置の
特に適する用途としては、第一に、臨床医学や基礎医学
分野のうちでもとりわけ検査・治療分野における、従来
平面画像表示されていた断層像に代わる立体断層静止像
の形成、例えばX線CTやポジトロンCT断層の立体静
止像の表示がある。
【0755】用途分野の第二は、教育分野とりわけ各教
科・科目の学習課程における教材の三次元立体像表示で
あり、特に理科、図工、数学での教材のマルチメディア
技術にもとづく各種の立体像表示に有効である。とりわ
け、本実施形態の構成は立体静止像表示に適する。
【0756】第三の用途分野としては、服飾や自動車を
はじめとするデザイン工程でのデザイン・イメージの三
次元静止像としての表示、さらに建築設計における三次
元パース像(静止像)の作成や、三次元レイアウト表示
がある。
【0757】第四の用途分野としては、マルチメディア
・エンターテインメント分野として、大・小劇場やコン
サートホールにおける大型立体像の表示、アーケードゲ
ームにおける立体像表示がある。
【0758】第五の用途分野は生産現場であり、設計工
程での部品設計における三次元静止像表示や、生産工程
での工業用CT検査の立体静止像表示などに適する。
【0759】さらに、他の用途分野としては、学術研究
分野でのシミュレーション結果の三次元静止像表示や、
あるいは芸術、美術の制作過程におけるデザイン・イメ
ージの三次元静止像または、これら作品自体の三次元静
止像として表示・展示、すなわち粘土や合成樹脂、木
材、金属などの材質を用いた造形に代わり、三次元立体
像表示装置で再現される作品の表示・展示がある。さら
に、三次元立体像表示装置をショーウインドウとして使
用し、商品の三次元立体像を、動像や静止像で表示させ
る、所謂バーチャルショーウインドウといった商業用途
にも好適である。
【0760】本発明の第10実施形態に係る三次元立体
像表示装置は、二本の帯状レーザ光ビームを直交状態で
交差させ、交差部分を反復してレイヤー掃引することに
より、掃引面の積層による三次元立体像の描像をなす構
成である。
【0761】図32は、本発明の第10実施形態に係る
三次元立体像表示装置の要部斜視図である。図33は、
その機能ブロック図である。また図34は、本実施形態
の三次元立体像表示装置における信号構成の説明図であ
る。図35は、本実施形態におけるキュビット構成の例
を示す図である。図36は、本実施形態に係る三次元立
体像表示装置の動作タイミングチャートである。図37
は、本実施形態におけるキュビット構成の別の例を示す
図である。
【0762】図32および図33に示されるように、本
発明の第10実施形態に係る三次元立体像表示装置OR
IIN10は、立体像Vg10が内部に形成される立体
像表示体DP10、二本の帯状レーザ光ビームを発射す
る線光源Cp101、発射された二本の帯状レーザ光ビ
ーム(または帯状光ビーム)の光路を管理する光路制御
手段Cp102、少なくとも一本の帯状レーザ光ビーム
の光強度を像信号により変調するレーザ光強度変調手段
Cp103、入力された像信号を処理する信号処理部C
p104、立体像表示体DP10内に形成される立体像
Vg10の精細度を制御するか、または表示領域の寸法
を制御する精細度制御手段Cp105、立体像表示体D
P10内を照らす照明部Cp106、電源回路1010
を備えて構成されている。
【0763】立体像表示体DP10は透明な直方体形状
であり、その内部に気体または液体または固体、または
これらの組み合わせで構成された呈色材がf、d、h軸
の三次元方向に一様分散され、これら呈色材の呈色によ
り立体像が描像される。
【0764】本実施形態においても他の実施形態と同様
に、呈色原理として前記の電子励起・緩和発光型および
光化学反応型の、いずれの原理も適用可能である。ま
た、呈色材として気体呈色材、液体呈色材、固体呈色材
のいずれか、またはこれらの任意な混成によるものが使
用可能である。
【0765】さらに、立体像表示体DP10は図示され
ている直方体形状に限定されることなく、三次元方向に
拡がりを有するものであれば形状を問わない。
【0766】また立体像表示体DP10は、2面づつ対
になった3組の面から成るが、これらの面のうち、fh
平面に平行で原点O側にある面をfh+、fd平面に平
行で原点Oから遠い側にある面をfd−とする。立体像
表示体DP10の内部にレイヤーLyが複数層、重ねら
れて表示領域が構成され、この表示領域内に立体像Vg
10が形成される。
【0767】二本の帯状レーザ光ビームを発射する光源
Cp101は、二基のレーザダイオード駆動増幅器Am
p101、Amp102と、これらのレーザダイオード
駆動増幅器からの出力で駆動され、それぞれ所定の波長
の帯状レーザ光ビームを出射する、第1線光源であるレ
ーザダイオードLdp101と第2線光源であるレーザ
ダイオードLdp102を備えて構成される。このよう
にして生成された第1帯状レーザ光ビームBm101と
第2帯状レーザ光ビームBm102は、光路制御手段C
p102へ入射され、異なった光路で立体像表示体DP
10内に導入される。
【0768】レーザ光強度変調手段Cp103は、後述
するD/A変換器1003によりアナログ変換された三
次元立体像信号で変調された電流をレーザダイオード駆
動増幅器Amp101、Amp102へ入力する。この
結果、レーザダイオードLdp101、Ldp102の
出力が三次元立体像信号で変調され、これらレーザダイ
オードからの帯状レーザ光ビームBm101、Bm10
2は三次元立体像信号によって光強度変調されたものと
なる。ここで、一方のレーザダイオードのみを三次元立
体像信号によって変調するようにもできる。
【0769】さらに、レーザダイオードLdp101、
Ldp102の出力を一定として、レーザ光強度変調手
段Cp103を外付けの、光ビーム自体に光強度変調を
施す非線形光学系の変調器を適用するものであってもよ
い。
【0770】信号処理部Cp104は、信号入力端子I
s、符号化/復号化手段1001、キュビットメモリ1
002、D/A変換器1003、記録手段1004、種
別・同期信号抽出回路1005などを備えて成る。
【0771】信号処理部Cp104は、入力された三次
元立体像信号を形成するデータおよび同期信号、あるい
は場合によってこれらに加え、種別を同定するための信
号が載った入力信号に基づき、少なくとも一基のレーザ
発振器からの出力を光強度変調するための変調信号をレ
ーザ光強度変調手段Cp103に送り、また光路制御手
段Cp102へ同期信号を送り、さらに精細度制御手段
Cp105へ信号の種別情報か、同期信号の周期情報を
送る。
【0772】信号入力端子Isから入力されるか、また
は記録手段1004から再生された符号化されている三
次元立体像信号は、符号化/復号化手段1001により
復号化処理がなされ、D/A変換器1003によりアナ
ログ信号に変換される。なお、この復合化処理において
キュビットメモリ1002がワーキングメモリとして利
用される。
【0773】なお、信号入力端子Isから入力された三
次元立体像信号が符号化されていない場合は、符号化/
復号化手段1001による復号化処理はスキップされ
る。また、このとき入力された三次元立体像信号を符号
化/復号化手段1001により符号化処理して、記録手
段1004へ記録することもできる。
【0774】前記D/A変換器1003により変換され
た信号は、三次元立体像信号としてレーザ光強度変調手
段Cp103に入力される。
【0775】一方、前記D/A変換器1003により変
換された信号は、種別・同期信号抽出回路1005にも
入力され、抽出された同期信号は第1帯状光ビーム掃引
制御回路1006と第2帯状光ビーム掃引制御回路10
07へ送られる。また、三次元立体像信号の種別を同定
するための信号と同期信号は、精細度制御手段Cp10
5へ送られる。
【0776】光路制御手段Cp102は、二本の帯状レ
ーザ光ビームBm101、Bm102の各光路を制御し
て、各帯状レーザ光ビームを立体像表示体中の所望の位
置において交差させるとともに、この交差位置を移動さ
せる掃引機能を備える。
【0777】具体的には、光路制御手段Cp102は、
レーザダイオードLdp101からの帯状レーザ光ビー
ムBm101を制御する第1帯状光ビーム掃引制御回路
1006、この第1帯状光ビーム掃引制御回路1006
からの制御信号1006aにより駆動されるアクチュエ
ータAct101、アクチュエータAct101により
f軸中心に回転する反射鏡Gv101を備える。また、
第1集束光学系Lz101を備える。
【0778】レーザダイオードLdp101の位置を第
1集束光学系Lz101の焦点上に置くようにすると、
第1集束光学系Lz101を出た第1帯状レーザ光ビー
ムBm101は平行光となり、立体像表示体DP10の
面fh+から立体像表示体DP10内に入射する。した
がって第1集束光学系Lz101や反射鏡Gv101や
アクチュエータAct101等の機構部品は主として面
fh+側に配設される。
【0779】さらに光路制御手段Cp102は、レーザ
ダイオードLdp102からの帯状レーザ光ビームBm
102を制御する第2帯状光ビーム掃引制御回路100
7、この第2帯状光ビーム掃引制御回路1007からの
制御信号1007aにより駆動されるモータM102、
モータM102によりf軸中心に回転する回転多面鏡ユ
ニットRMU102、さらに制御信号1007bにより
駆動されるアクチュエータAct102、アクチュエー
タAct102によりf軸中心に回転する反射鏡Gv1
02を備える。また、第2集束光学系Lz102を備え
る。
【0780】レーザダイオードLdp102の位置を第
2集束光学系Lz102の焦点上に置くようにすると、
第2集束光学系Lz102を出た第2帯状レーザ光ビー
ムBm102は平行光となり、立体像表示体DP10の
面fd−から立体像表示体DP10内に入射する。した
がって第2集束光学系Lz102や回転多面鏡ユニット
RMU102等の機構部品は主として面fd−側に配設
される。
【0781】以下、動作を説明する。図32に示される
ように、第1帯状レーザ光ビームBm101は、f軸中
心に回動する反射鏡Gv101で反射されて、dh平面
上で振れる。この振れた反射光ビームが、レンズによる
第1集束光学系Lz101を経て、d軸方向へ直進して
立体像表示体DP10内に入射し、第1帯状レーザ光ビ
ームBm101aとなる。
【0782】反射鏡Gv101の回転に伴い、立体像表
示体DP10内の第1帯状レーザ光ビームBm101a
はh軸方向へ掃引される。よってh軸方向への1回の掃
引により、第1帯状レーザ光ビームBm101aは立体
像表示体DP10内の所定三次元領域を掃引することに
なる。
【0783】一方、第2帯状レーザ光ビームBm102
は、f軸中心に回転する回転多面鏡ユニットRMU10
2で反射され、さらに反射鏡Gv102で反射され、レ
ンズによる第2集束光学系Lz102を経て立体像表示
体DP10内に入射し、h軸方向へ直進する第2帯状レ
ーザ光ビームBm102aとなる。
【0784】反射鏡Gv102の回転に伴い、立体像表
示体DP10内の第2帯状レーザ光ビームBm102a
はd軸方向へ掃引される。よってd軸方向への1回の掃
引により、第2帯状レーザ光ビームBm102aは立体
像表示体DP10内の所定三次元領域を掃引することに
なる。
【0785】前記で、第1帯状レーザ光ビームBm10
1aと第2帯状レーザ光ビームBm102aが同じ
(f、d、h)座標を有するように光路を制御すると、
両方が交差してf軸方向に伸びる線分を形成する。
【0786】このとき光路制御手段Cp102は、立体
像表示体DP10内で第1帯状レーザ光ビームBm10
1aと第2帯状レーザ光ビームBm102aが各交差部
分において張る最小角度θを 86°≦θ≦90° の範囲内に制御するものとする。
【0787】この交差部分がf軸方向に伸びるキュビセ
ルラインhjdjを一挙に形成させる。光路制御手段C
p102は、この交差部分をd軸およびh軸方向に移動
させるよう、第1帯状レーザ光ビームBm101aと第
2帯状レーザ光ビームBm102aの光路を制御する。
【0788】キュビセルラインhjdjの掃引方向と順
序により、二種の表示領域形成方式がある。その第1は
キュビセルラインhjdjをd軸方向に主掃引し、h軸
方向に副掃引するもので、fd平面に平行なレイヤー層
が形成される。その第2はキュビセルラインhjdjを
h軸方向に主掃引し、d軸方向に副掃引するもので、f
h平面に平行なレイヤー層が形成される。いずれの方式
でも同様の描像が為されるが、主掃引回数が副掃引回数
よりも多いので掃引機構の構成が異なる。
【0789】本実施形態は第1の方式を採用し、第2帯
状レーザ光ビームBm102aをd軸方向に主掃引し、
第1帯状レーザ光ビームBm101aをh軸方向に副掃
引する。これにより、fd平面に平行なレイヤー層が積
層された表示領域が形成される。
【0790】さらに光路制御手段Cp102は、立体像
表示体DP10内に形成される立体像に発生する像歪み
の補正処理の機能を備える。
【0791】光路制御手段Cp102には回転または回
動する反射鏡が適用されるが、この反射鏡から立体像表
示体DP10の各位置までの距離はそれぞれの位置ごと
に異なる。したがって、反射鏡から光源までの距離が一
定であっても、光源から立体像表示体DP10の各位置
までの距離はそれぞれの位置ごとに異なることになる。
【0792】一方、反射鏡が単位時間あたり等角度でレ
ーザ光ビームを掃引すると、レーザ光ビームの軌跡は該
回転(回動)角度方向に拡がる扇状面となり、一方、立
体像表示体DP10内に形成される掃引面(描像平面)
はこの扇状面を横断して形成される。
【0793】この結果、回転(回動)角度が等しい角度
であっても、掃引面の端部と中央部とでは、掃引面上の
移動距離が等しくならず、端部側の単位時間内の移動距
離が中央部側の移動距離に比べて大となる。
【0794】これは、反射鏡からの距離が大である位
置、すなわち掃引面上で端部側の位置へ形成されるキュ
ビセルの寸法が、中央部側へ形成されるキュビセルの寸
法よりも大となることであり、このため均一なキュビセ
ル寸法にならず、像に歪みが生じる原因となる。
【0795】そこで光路制御手段Cp102は、反射鏡
の回転(回動)角度を端部掃引時には小とし、中央部掃
引時には大とするよう調整することにより、この交差位
置に係る像歪みを補正するように動作する。
【0796】この交差位置に係る像歪みは、表示領域を
大にし、且つ光源と表示領域間の距離を短縮する際にと
りわけ顕著に生じるが、光路制御手段Cp102が上記
のように像の歪みを補正することによって、立体像表示
体寸法が大であり、しかも装置全体の容積を縮小させた
三次元立体像表示装置を実現することができる。
【0797】ここで本実施形態の三次元立体像表示装置
における三次元立体像信号の構成を、図34に基づき説
明する。同図に示されるように、この例では第1帯状レ
ーザ光ビームBm101が三次元立体像信号により振幅
変調されており、第2帯状レーザ光ビームBm102の
光強度は一定である。
【0798】第1帯状レーザ光ビームBm101は等価
的に並列する複数本のライン状レーザ光ビームとして示
される。時間t11において、第1帯状レーザ光ビーム
Bm101の一端の光強度はLG11(t11)であ
り、この強度が期間h1d1だけ保持される。時間t1
2における周期では、変調により光強度はLG11(t
12)となり、この強度が期間h1d1だけ保持され
る。以下、時間経過に伴って光強度は変化する。
【0799】これに隣接する位置における光強度は、時
間t11においてLG12(t11)であり、この強度
が期間h2d1だけ保持される。これが時間t12にお
ける周期では、変調により光強度はLG12(t12)
となり、この強度が期間h2d1だけ保持される。以
下、時間経過に伴って光強度は変化する。同様に、他端
位置における光強度は、時間t11においてLG1N
(t11)であり、この強度が期間h1d1だけ保持さ
れる。これが時間t12における周期では、変調により
光強度はLG1N(t12)となり、この強度が期間h
2d1だけ保持される。以下、時間経過に伴って光強度
は変化する。
【0800】第2帯状レーザ光ビームBm102も、等
価的に並列する複数本のライン状レーザ光ビームとして
示されるが、変調が施されていないから、一定の光強度
LG12(t11)、LG12(t12)を示す。
【0801】したがって、両帯状レーザ光ビームの交差
部分は帯の幅方向にライン状に形成され、該交差部分の
長軸方向の各位置は、時間軸上の各周期毎に異なる光強
度を示すことになる。したがって、この周期内に掃引さ
れる距離が、キュビセルの一方向の寸法を決定する。
【0802】図35は、本実施形態のレイヤー掃引によ
るキュビット構成の例を示す図である。立体像表示体の
原点Oを通りf軸方向にある稜線上に両帯状光ビームを
交差させて交差部分を形成させ、さらにこの交差部分を
d軸方向にεdだけ掃引することにより、キュビセルラ
インh1d1’が形成される。キュビセルラインh1d
1’を構成する各キュビセルCubcのf方向寸法Δf
は、線光源を構成する各レーザダイオード素子の寸法に
依存する。また各キュビセルCubcのh方向寸法Δh
は、両帯状光ビームの交差部分のh方向寸法となる。一
方、各キュビセルCubcのd方向寸法Δdは、前記ε
dであるが、三次元立体像信号により変調された第1帯
状レーザ光ビームBm101の、像の変調周期にも依存
する。
【0803】第1帯状レーザ光ビームBm101は、反
射鏡Gv101の回動により連続的にh方向に移動する
から、次の変調周期で形成されるキュビセルラインh1
d2’はh方向にずれた位置に形成される。このように
して順にキュビセルラインがh1dN’まで形成される
ことにより生成されるレイヤーLy1は、fd平面から
傾斜する。
【0804】この後、帰線期間Rb1でさらにh軸方向
へ移動しつつ面fh+まで戻り、キュビセルラインh2
d1’を形成するが、ここでキュビセルラインh1d
1’〜h2d1’間のh軸方向距離が所望または指定の
距離εLyとなるように、掃引速度が制御される。
【0805】以下、同様にしてレイヤーが順次生成さ
れ、キュビセル・ラインhNdN’を含む第Nレイヤー
LyNが生成されると、ひとつのキュビットCubit
が形成されたことになる。
【0806】1キュビットCubitが形成されると、
両レーザ光ビームの交差位置は再度、原点Oを含む位置
に復帰し、つぎのキュビットCubit形成のための掃
引が始まる。
【0807】前記のように、図35のキュビットは、各
レイヤーがfd平面に対して傾斜し、また各キュビセル
・ラインはf軸に平行となる構成である。この構成のキ
ュビットを具現するためには、光路制御による両レーザ
光ビームの光路変更を、停止期間と移動期間とが連なる
間欠動作ではなく、連続的になす必要がある。
【0808】図36は、装置動作のタイミングチャート
である。同図および図33に基づいて、本実施形態の装
置の動作を説明する。期間h1d1において、第1帯状
レーザ光ビーム掃引制御回路1006と第2帯状レーザ
光ビーム掃引制御回路1007からの制御信号にしたが
い、反射鏡Gv101は第1帯状レーザ光ビームBm1
01をh軸方向に、回転多面鏡ユニットRMU102と
反射鏡Gv102は第2帯状レーザ光ビームBm102
をd軸方向に連続掃引している。
【0809】f軸方向へは、交差部分がライン状に形成
されており、該交差部分の長手方向の各位置の光強度が
異なっている。この状態でd軸およびh軸方向に掃引さ
れると、該交差部分の長手方向の各位置においてキュビ
セルCubcが生成し、よって形成された複数のキュビ
セルが長手方向に並ぶキュビセル・ラインが生成され
る。
【0810】ついで続く期間h1d1に入ると、像変調
の周期が次の周期となり、交差部分の長手方向の各位置
の光強度が変化する。この状態でd軸およびh軸方向に
掃引されることにより、次のキュビセル・ラインが生成
される。この間、反射鏡Gv101と回転多面鏡ユニッ
トRMU102と反射鏡Gv102はそれぞれの所定の
回転速度または回動速度で等速回転または回動を続行し
ている。また、この間、第2帯状レーザ光ビームBm1
02は回転多面鏡ユニットRMU102の同一の鏡面に
よる反射が続行されている。
【0811】上記のようにして期間h1dNまで進む
と、第1層のレイヤーLy1が生成されるが、ここで第
2帯状レーザ光ビームBm102が回転多面鏡ユニット
RMU102の鏡面の端部を越えて、期間Rb1で隣接
の鏡面に移るが、この期間Rb1に反射光は元のd=0
の位置まで戻り、ついで隣接の鏡面による反射による掃
引が進行する。一方、この間も第1帯状レーザ光ビーム
Bm101は反射鏡Gv101による反射が続行されて
いて、h軸方向に漸次移動を続けている。
【0812】前記のようにして第N層のレイヤーLyN
が生成されると、第1キュビットCubit#1が描像
され、ここで第2帯状レーザ光ビームBm102が回転
多面鏡ユニットRMU102の鏡面の端部を越えて隣接
の鏡面に移るが、同時に反射鏡Gv101が期間OR1
で元の角度まで戻る。この期間OR1に反射光は元のh
=0の位置まで戻り、ついで反射鏡Gv101による掃
引が進行する。この後、第2キュビットCubit#2
の生成過程が進行する。
【0813】本実施形態のレイヤー掃引によるキュビッ
ト構成の他の例を、図37に示す。立体像表示体の原点
Oを通りf軸方向にある稜線上に両帯状光ビームを交差
させて交差部分を形成させ、さらにこの交差部分をh軸
方向にεhだけ掃引することにより、キュビセルライン
h1d1’が形成される。
【0814】キュビセルラインh1d1’を構成する各
キュビセルCubcのf方向寸法Δfは、線光源を構成
する各レーザダイオード素子の寸法に依存する。また各
キュビセルCubcのd方向寸法Δdは、両帯状光ビー
ムの交差部分のd方向寸法となる。一方、各キュビセル
Cubcのh方向寸法Δhはεhであるが、三次元立体
像信号により変調された第1帯状レーザ光ビームBm1
01の、像の変調周期にも依存する。
【0815】ここで第2帯状レーザ光ビームBm102
をd方向へ間欠的に移動させる構成の場合、第2帯状レ
ーザ光ビームBm102は現在のd方向位置に停止して
いるから、次の変調周期で形成されるキュビセルライン
h2d1’は同じd方向位置に形成される。このように
して順にキュビセルラインがhNd1’まで形成される
ことにより生成されるレイヤーLy1は、fh平面に平
行になる。
【0816】この後、帰線期間Rb1でd軸方向へ移動
しつつ面fd+まで戻り、キュビセルラインh1d2’
を形成するが、ここでキュビセルラインh1d1’〜h
1d2’間のd軸方向距離が所望または指定の距離εd
となるように、掃引速度が制御される。
【0817】以下、同様にしてfh平面に平行なレイヤ
ーが順次生成され、キュビセル・ラインhNdN’を含
む第NレイヤーLyNが生成されると、ひとつのキュビ
ットCubitが形成されたことになる。
【0818】1キュビットCubitが形成されると、
両レーザ光ビームの交差位置は再度、原点Oを含む位置
に復帰し、つぎのキュビットCubit形成のための掃
引が始まる。
【0819】つぎに掃引レートにつき説明する。三次元
表示領域の各軸方向に並ぶキュビセル数を各240とす
ると、帯状レーザ光ビームはその光路に直角方向上に一
軸方向の全キュビセル(この場合、240個)を一挙に
形成させるから、レイヤー掃引では、1キュビットの像
を形成するのに第1帯状レーザ光ビームBm101はh
軸方向に1回の掃引がなされる。
【0820】一方、第2帯状レーザ光ビームBm102
は、d軸方向への掃引を240回反復して第1帯状レー
ザ光ビームBm101との交差部分を移動させる。これ
によって、1キュビットの像が形成される。
【0821】1秒間30キュビットの立体動像を描像す
る場合、回転多面鏡ユニットRMU102を25面構成
の多面鏡とすると、240×30÷25=288rps
=17280rpmの回転がなされることになる。
【0822】つぎに精細度につき説明する。本実施形態
における精細度は、f軸方向の精細度が光源の線密度に
よって決まり、d軸方向の精細度が像の変調周期とd軸
方向掃引速度(単位時間あたり掃引距離εd)に依存
し、h軸方向の精細度がh軸方向掃引速度(単位時間あ
たり掃引距離εh)によって決まる。
【0823】精細度制御手段Cp105は、立体像表示
体DP10内に形成される立体像の精細度を制御する
か、または表示領域の寸法を制御するものであり、キュ
ビセル・ライン更新周期決定手段1011、第2帯状ビ
ーム掃引速度変更手段1012、キュビット更新周期決
定手段1021、第1帯状ビーム掃引速度変更手段10
22を備えて成る。
【0824】これによれば、異なる像の繰返し周期をそ
れぞれ有して種別が異なる複数の三次元立体像信号の内
のいずれかが三次元立体像信号として適用される場合
に、この三次元立体像信号に搭載された、種別を特定す
る信号または同期信号の周期に基づき種別を特定する
か、像の繰返し周期を検出するとともに、像の繰返し周
期及び立体像表示体の寸法に対応して、f、d、h軸方
向それぞれへの単位時間あたり掃引距離のうち少なくと
も一つの距離を変更することにより、形成される立体像
表示領域の寸法を所望値とするか、または三次元立体像
信号の繰返し周期に対応して、立体像表示体内に形成さ
れる立体像表示領域の寸法を変更することにより、各軸
方向への所定掃引距離を所望値とする。
【0825】つぎに、精細度制御手段Cp105の動作
を説明する。精細度制御手段Cp105は、種別・同期
信号抽出回路1005から供給される種別・同期信号S
S10及び、外から入力された、精細度や表示領域の寸
法の所望値Stdに基づき、キュビセル・ライン更新周
期決定手段1011とキュビット更新周期決定手段10
21が交差部分のd方向の単位掃引距離εd、h方向の
単位掃引距離εLyを算出し、ついで第2帯状ビーム掃
引速度変更手段1012と第1帯状ビーム掃引速度変更
手段1022が、算出結果に基づき、εdが載った制御
信号を第2帯状光ビーム掃引制御回路1007へ、εL
yが載った制御信号を第1帯状光ビーム掃引制御回路1
006へ夫々送出する。
【0826】この結果、繰り返し周期の長い三次元立体
像信号や、繰り返し周期の短い三次元立体像信号が入力
された際に、その周期に応じて掃引距離を変更すること
により、所定の表示領域に描像することができ、よって
形成される立体像表示領域の寸法を所望値とすることが
できる。
【0827】または、繰り返し周期の長い三次元立体像
信号や、繰り返し周期の短い三次元立体像信号が入力さ
れた際に、その周期に応じて立体像表示領域の寸法を変
更することにより、所定掃引距離で描画でき、よって描
像の精細度を所望値とすることができる。
【0828】前記のように、本実施形態によれば三軸方
向の高精細度の立体像の描像が可能になり、さらに三軸
方向へ直交掃引する構成であるから、立体像表示体内の
任意の位置のアクセスが高精度でなされ、表示像への信
頼度が向上する上、掃引機構が簡素化できるという効果
がある。
【0829】その上、複数の掃引面が層状に重ねられた
立体像表示領域を形成することにより、複雑な形状の像
や、表示されるべき像が複数個、独立して存在し、立体
像表示体中に離れて分散して存在する場合などでも描像
時間を一定にできるという効果が得られる。
【0830】また、各帯状レーザ光ビームは、断面であ
る一次元方向に同時に像を形成するから、各帯状レーザ
光ビームの該方向への掃引を省略することができ、よっ
て各帯状レーザ光ビームの掃引すべき軸方向を削減する
ことができる。この結果、掃引周期を長くでき、よって
光路制御手段の掃引機構を簡素化できる。従ってとりわ
け、動像の描像と表示に適する。
【0831】なお照明部Cp106は、立体像表示体D
P10内を照らすものであり、電源回路1010に接続
された照明燈によって構成される。この照明燈は、たと
えば照射により分子構造が変わって可視光において蛍光
を発するような呈色材を用いた場合に適用される。
【0832】本実施形態に係る三次元立体像表示装置の
特に適する用途は、以下に示す各種の立体動像である。 a テレビジョン放送の受信側における立体動像の表示 b 医療分野における従来平面画像表示されていた断層
像の立体動像形成、たとえばX線CTやポジトロンCT
断層の立体動像、超音波診断の立体動像、手術中の患部
および周辺のリアルタイム立体動像、 c 建築設計における三次元レイアウトの動像表示や、
動像による三次元パース像の作成 d 生産工程での例えばマイクロ部品など、従来では顕
微鏡作業となっていた実装作業における三次元拡大動像
表示 e 自動車をはじめとするデザイン工程でのデザイン・
イメージの三次元動像CFやドラマ、映画、ゲームの立
体動像表示 f ショーウインドウとして使用し、商品の三次元立体
像を動像で表示させるバーチャルショーウインドウとい
った商業用途
【0833】以上の立体動像に加えて、さらに以下のよ
うな立体静止像の用途がある。
【0834】第一に、臨床医学や基礎医学分野のうちで
もとりわけ検査・治療分野における、従来平面画像表示
されていた断層像に代わる立体断層静止像の形成、例え
ばX線CTの立体静止像の表示がある。
【0835】用途分野の第二は、教育分野とりわけ各教
科・科目の学習課程における教材の三次元立体像表示で
あり、特に理科、図工、数学での教材のマルチメディア
技術にもとづく各種の立体静止像表示に有効である。
【0836】第三の用途分野としては、服飾や自動車を
はじめとするデザイン工程でのデザイン・イメージの三
次元静止像としての表示、さらに建築設計における三次
元パース像(静止像)の作成や、三次元レイアウト表示
がある。
【0837】第四の用途分野としては、マルチメディア
・エンターテインメント分野として、大・小劇場やコン
サートホールにおける大型立体像の表示、アーケードゲ
ームにおける立体像表示がある。
【0838】第五の用途分野は生産現場であり、設計工
程での部品設計における三次元静止像表示や、生産工程
での工業用CT検査の立体静止像表示などに適する。
【0839】さらに、他の用途分野としては、学術研究
分野でのシミュレーション結果の三次元静止像表示や、
あるいは芸術、美術の制作過程におけるデザイン・イメ
ージの三次元静止像または、これら作品自体の三次元静
止像として表示・展示、すなわち粘土や合成樹脂、木
材、金属などの材質を用いた造形に代わり、三次元立体
像表示装置で再現される作品の表示・展示がある。さら
に、三次元立体像表示装置をショーウインドウとして使
用し、商品の三次元立体像を静止像で表示させる、所謂
バーチャルショーウインドウといった商業用途にも好適
である。
【0840】本発明の第11実施形態に係る三次元立体
像表示装置は、二本の帯状レーザ光ビームを非直交状態
で交差させ、交差部分を反復してレイヤー掃引すること
により、掃引面の積層による三次元立体像の描像をなす
構成である。
【0841】図38は、本発明の第11実施形態に係る
三次元立体像表示装置の要部斜視図である。図39は、
一部分に変更を加えた要部による動作説明図である。
【0842】図38に示されるように、本発明の第11
実施形態に係る三次元立体像表示装置ORIIN11
は、立体像Vg11が内部に形成される立体像表示体D
P11、それぞれ発振周波数の異なる、出射光の光路方
向断面が一次元方向に拡がりを有する帯状レーザ光ビー
ムBm111を発射する線光源レーザダイオードLdp
111、出射光の光路方向断面が一次元方向に拡がりを
有する帯状レーザ光ビームBm112を発射する線光源
レーザダイオードLdp112を備える。
【0843】さらに、帯状レーザ光ビームBm111を
反射してその光路を制御する第1ポリゴンミラーPgm
111と第1揺動ミラーWgr111および駆動手段で
あるモータおよび揺動機構Wgm111、帯状レーザ光
ビームBm112を反射してその光路を制御する第2ポ
リゴンミラーPgm112と第2揺動ミラーWgr11
2および駆動手段であるモータM112および揺動機構
Wgm112を備える。
【0844】上記に加え、少なくとも一基のレーザダイ
オードの出力か、または両レーザ光ビーム中の少なくと
も一方を、三次元立体像信号に基づいて光強度変調する
レーザ光強度変調手段、入力された像信号を処理する信
号処理部Cp114、立体像表示体DP11内に形成さ
れる立体像の精細度を制御するか、または表示領域の寸
法を制御する精細度制御手段Cp115を備えて構成さ
れている。
【0845】立体像表示体DP11は、コンテナDP1
1Aを有する透明な直方体であり、内部には各レーザ光
ビームの光路の交差部分によって内部が照射され、該交
差部分に照射されることで発色または着色する気体また
は液体または固体、またはこれらの組み合わせで構成さ
れた呈色材(コア材)Cmがマトリクス材Mx中に一様
分散され、交差部分の集合として立体像Vg11が描像
される。
【0846】とりわけ、両帯状レーザ光ビームBm11
1とBm112はビームの断面形状が線分であるから、
交差部分が線分となり、キュビセル・ラインCL11が
瞬時に形成される。
【0847】レーザ光強度変調手段によって、レーザダ
イオードLdp111またはLdp112の少なくとも
一方の出力が三次元立体像信号で変調され、三次元立体
像信号によって光強度変調されたレーザ光ビームが発射
される。
【0848】前記の各ポリゴンミラーや揺動ミラーは、
発射された二本のレーザ光ビームBm111とBm11
22の光路を制御して立体像表示体DP11中の所望の
位置において交差させ、且つ交差位置に係る像歪みを制
御するとともに、この交差位置を所定掃引距離だけ順次
掃引することにより、交差位置において呈色材を順次発
色または着色させて一連のキュビセル・ラインを形成さ
せ、この複数のキュビセル・ラインから成るレイヤー層
を立体像表示体DP11内に形成させる。さらに位置を
移動させて掃引を反復することで、レイヤー層が複数
層、重ねられて表示領域が構成され、この表示領域内に
立体像Vg11が形成される。
【0849】また、両レーザ光ビームBm111とBm
112の光路を制御して両レーザ光ビームが立体像表示
体DP11中の各交差部分において張る最小角度のうち
の少なくとも一部の最小角度θを θ<86° の範囲内に制御するものとする。すなわち非直交掃引を
行なう。
【0850】レーザダイオードLdp111から放出さ
れる帯状レーザ光ビームBm111は、第1ポリゴンミ
ラーPgm111と第1揺動ミラーWgr111により
この順に偏向されて、途中にレンズを経由することなく
立体像表示体DP11内の各位置へ達する。この偏向に
より、帯状レーザ光ビームBm111は第1円筒掃引面
Sf111を形成することになる。
【0851】ここで、図示されるように帯状レーザ光ビ
ームBm111を立体像表示体DP11の面fd−から
立体像表示体DP11内に入射する構成とする場合は、
関連の機構部品は主として面fd−側に配設される。
【0852】一方、レーザダイオードLdp112から
放出される帯状レーザ光ビームBm112は、第2ポリ
ゴンミラーPgm112と第2揺動ミラーWgr112
によりこの順に偏向されて、途中にレンズを経由するこ
となく立体像表示体DP11内の各位置へ達する。この
偏向により、帯状レーザ光ビームBm112は第2円筒
掃引面Sf112を形成することになる。
【0853】ここで、図示されるように帯状レーザ光ビ
ームBm112を立体像表示体DP11の面fd−から
立体像表示体DP11内に入射する構成とする場合は、
関連の機構部品は主として面fd−側に配設される。
【0854】これにより機構部分に邪魔されることな
く、立体像表示体DP11の各面側からの立体像の観察
が可能になる。
【0855】また前記の構成と異なる、両帯状レーザ光
ビームを立体像表示体DP11の異なる面から入射させ
る構成も可能である。
【0856】また、線光源として図39に示されるよう
に1基のレーザダイオードLdp111’のみで構成
し、分岐ののち高調波素子SHGを経由させて波長の異
なる2本の帯状レーザ光ビームを得る構成とすることも
できる。さらにランプから構成された照明手段Cp11
6を具備する構成とすることもできる。
【0857】本実施形態の構成では、反射鏡から到達位
置までの距離が変動することにより発生する、交差位置
に係る像歪みを補正処理する機能を備える。すなわち、
レーザ光ビームの交差位置が立体像表示領域の端部側に
あって距離が大であるときは、反射鏡の回動速度を小と
することにより、端部側における交差部分の単位時間あ
たりの移動距離が所定値になるようにし、一方、レーザ
光ビームの交差位置が立体像表示領域の中央部側にあっ
て距離が小であるときは、反射鏡の回動速度を大とする
ことにより、中央部側における交差部分の単位時間あた
りの移動距離が同じ所定値になるように、反射鏡の動作
を制御する。
【0858】この構成により、反射光の光路を調節して
立体像表示体中の各位置に形成されるキュビセルの寸法
を均一とし、よって交差位置に係る像歪みが補正され
る。この機能は通常の寸法の立体像表示体DP11に有
効であるばかりでなく、とりわけ立体像表示体DP11
の寸法が大であり、しかも立体像表示体DP11と周辺
機構部品の距離を小さくして装置全体の容積を縮小させ
た三次元立体像表示装置における、交差位置に係る像歪
み補正に有効である。
【0859】さらに、とりわけ本実施形態のような非直
交掃引の場合は、レーザ光ビームが立体像表示体DP1
1の各軸方向に角度を有して入射されるから、直交掃引
の場合と異なり掃引面が前記の円筒掃引となり、よって
円筒掃引の曲率とレイヤー層の直線との収差が像歪みを
発生させる。これを本発明では収差に係る像歪みと称す
る。
【0860】本実施形態の構成では、この収差に係る像
歪みの補正が有効に実施される。たとえば本実施形態の
三次元立体像表示装置ORIIN11は、以下のように
動作して収差に係る像歪みの補正をする。
【0861】第1ポリゴンミラーPgm111と第1揺
動ミラーWgr111は、帯状レーザ光ビームBm11
1の光路を制御して立体像表示体DP11内に入射する
ようにし、一方、第2ポリゴンミラーPgm112と第
2揺動ミラーWgr112は帯状レーザ光ビームBm1
12の光路を制御して立体像表示体DP11内に入射す
るようにし、且つ両帯状ビームが所望の位置TP111
で交差して、d軸方向に伸張する1本のキュビセル・ラ
インCL11を形成するように制御する。
【0862】ついで第1ポリゴンミラーPgm111と
第1揺動ミラーWgr111は、角度を連続的に変えて
帯状レーザ光ビームBm111を掃引し、TP111と
同じh軸位置でf軸方向にある位置TP112を通過す
るまで移動させる。
【0863】同様に第2ポリゴンミラーPgm112と
第1揺動ミラーWgr112は、角度を連続的に変えて
帯状レーザ光ビームBm112を掃引し、同じ位置TP
112を通過するまで移動させる。
【0864】これにより、両帯状レーザ光ビームの交差
部分が位置TP111から位置TP112まで移動し、
この間に複数のキュビセル・ラインが形成される。各ポ
リゴンミラーと揺動ミラーの角速度を制御することによ
り、f軸方向への単位時間の掃引距離を所定のεfにす
る。
【0865】このとき、角度の微調整がなされないと、
図39に示されるように帯状レーザ光ビームBm111
はθ111’だけ振れる。同様に角度の微調整がなされ
ないと、帯状レーザ光ビームBm112はθ112’だ
け振れる。この結果、両帯状レーザ光ビームの交差部分
は目的とする位置TP112よりも上方の位置TP10
2’に発生することになり、位置TP112〜TP10
2’が収差となって像が歪む。
【0866】そこで第1揺動ミラーWgr111は、角
度の微調整φ111またはφ111’を行う。この結
果、帯状レーザ光ビームBm111は修正された角度θ
111だけ振れて、位置TP112を通過する。
【0867】同様に第2揺動ミラーWgr112は、角
度の微調整φ112またはφ112’を行う。この結
果、帯状レーザ光ビームBm112は修正された角度θ
112だけ振れて、位置TP112を通過する。このよ
うにして収差が補正され、位置TP112にキュビセル
・ラインが形成されて歪みのない像が描像される。
【0868】前記f軸方向への掃引が継続され、レイヤ
ー層が1層形成されると、両帯状レーザ光ビームの光路
が変更されてh軸方向に所定の掃引距離εLyだけ移動
した位置から次のレイヤー層の形成過程が進行する。以
上の反復により複数のレイヤー層が層状に重ねられた立
体像表示領域が形成される。
【0869】また、精細度制御手段Cp115は、立体
像表示体DP11内に形成される立体像の精細度を制御
するか、または表示領域の寸法を制御する機能を具備し
ている。すなわち、精細度制御手段Cp115は、通常
はf軸方向、h軸方向への所定の単位掃引距離εf、ε
Lyなどを出力するが、異なる像の繰返し周期をそれぞ
れ有して種別が異なる複数の三次元立体像信号の内のい
ずれかが三次元立体像信号として適用される場合に、こ
の三次元立体像信号に搭載された、種別を特定する信号
または同期信号の周期に基づき種別を特定するか、像の
繰返し周期を検出するとともに、像の繰返し周期及び立
体像表示体の寸法に対応して、f軸方向、h軸方向への
所定の単位掃引距離εf、εLyのうち少なくとも一つ
の距離を変更することにより、形成される立体像表示領
域の寸法を所望値とするか、または三次元立体像信号の
繰返し周期に対応して、立体像表示体内に形成される立
体像表示領域の寸法を変更することにより、各軸方向へ
の所定掃引距離を、入力などによって指定された所望値
とする。
【0870】この結果、繰り返し周期の長い三次元立体
像信号や、繰り返し周期の短い三次元立体像信号が入力
された際に、その周期に応じて単位時間あたりの掃引距
離を変更することにより、キュビセルの寸法を拡大また
は縮小させ、かつ前記のように均一寸法に制御して、所
望の表示領域内に描像することができ、よって立体像表
示体DP11中に形成される立体像表示領域の寸法を所
望値とすることができる。
【0871】または、繰り返し周期の長い三次元立体像
信号や、繰り返し周期の短い三次元立体像信号が入力さ
れた際に、その周期に応じて立体像表示領域の寸法を変
更することにより、単位時間あたりの所定掃引距離で描
画でき、立体像表示体DP11中に形成されるキュビセ
ルの寸法を所望値に、かつ前記のように寸法を均一に制
御でき、よって精細度を所望値に制御できる。
【0872】つぎに、掃引レートにつき説明する。三次
元表示領域の各軸方向に並ぶキュビセル数を各240と
すると、レイヤー掃引では、全部のキュビセル240×
240×240個が形成される。したがって1キュビッ
トを形成するのにライン状レーザ光ビームBm81は2
40×240=57、600回の掃引がなされる。一
方、帯状レーザ光ビームBm82は240回の掃引がな
される。
【0873】立体静止像を表示させる場合、呈色状態が
長時間維持されるバイナリ効果を有する呈色材を適用す
る場合はリフレッシュ書き換えの必要がないが、呈色状
態が長時間維持されない材料ではリフレッシュ書き換え
が必要となる。リフレッシュ書き換えをする構成の場合
は、残光時間が長いりん光体の呈色材の適用が好まし
い。
【0874】本実施形態によれば、二本の帯状レーザ光
ビームを所定距離だけ移動し、または移動させつつ掃引
するとともに、交差位置に係る像歪みを補正し、且つ収
差に係る像歪みを補正することにより、三軸方向の高精
細度の、しかも像歪みのない良質の立体像の描像が可能
になる。
【0875】さらに、各レーザ光ビームを非直交の角度
を有して掃引する構成であるから、各レーザ光ビームの
光源等を立体像表示体の同じ面側に集中して設置するこ
とで各レーザ光ビームを同じ側から照射でき、よって光
源等の障害がなく広い位置からの描像された立体像の観
察が可能となる。
【0876】また表示領域を大にし、且つ光源と表示領
域間の距離を短縮する際に生じる像の歪みを補正するこ
とによって、立体像表示体寸法が大であり、しかも装置
全体の容積を縮小させた三次元立体像表示装置を実現す
ることができる。
【0877】また、複数の掃引面が層状に重ねられた立
体像表示領域を形成することにより、複雑な形状の像
や、表示されるべき像が複数個、独立して存在し、立体
像表示体中に離れて分散して存在する場合などでも描像
時間を一定にできるという効果が得られる。
【0878】本実施形態に係る三次元立体像表示装置の
適する用途として、前記実施形態において示された各種
の立体動像に加え、別の用途として以下のような立体静
止像の表示がある。
【0879】第一に、臨床医学や基礎医学分野のうちで
もとりわけ検査・治療分野における、従来平面画像表示
されていた断層像に代わる立体断層静止像の形成、例え
ばX線CTやポジトロンCT断層の立体静止像の表示が
ある。
【0880】立体静止像の用途分野の第二は、教育分野
とりわけ各教科・科目の学習課程における教材の三次元
立体像表示であり、特に理科、図工、数学での教材のマ
ルチメディア技術にもとづく各種の立体像表示に有効で
ある。とりわけ、本実施形態の構成は立体静止像表示に
適する。
【0881】立体静止像の第三の用途分野としては、服
飾や自動車をはじめとするデザイン工程でのデザイン・
イメージの三次元静止像としての表示、さらに建築設計
における三次元パース像(静止像)の作成や、三次元レ
イアウト表示がある。
【0882】立体静止像の第四の用途分野としては、マ
ルチメディア・エンターテインメント分野として、大・
小劇場やコンサートホールにおける大型立体像の表示、
アーケードゲームにおける立体像表示がある。
【0883】立体静止像の第五の用途分野は生産現場で
あり、設計工程での部品設計における三次元静止像表示
や、生産工程での工業用CT検査の立体静止像表示など
に適する。さらに、三次元立体像表示装置をショーウイ
ンドウとして使用し、商品の三次元立体静止像を表示さ
せる、所謂バーチャルショーウインドウといった商業用
途にも好適である。
【0884】本発明の第12実施形態に係る三次元立体
像表示装置は、二次元レーザ光ビームと帯状レーザ光ビ
ームを直交状態で交差させてレイヤー層を形成し、交差
部分を反復して掃引することにより、レイヤー層の積層
による三次元立体像の描像をなす構成である。
【0885】図40は、本発明の第12実施形態に係る
三次元立体像表示装置の要部斜視図である。図41は、
その機能ブロック図である。さらに図42は、本実施形
態の動作タイミングチャートである。
【0886】図40および図41に示されるように、本
発明の第12実施形態に係る三次元立体像表示装置OR
IIN12は、立体像が内部に形成される立体像表示体
DP12、出射光の光路方向断面が二次元方向に拡がり
を有する二次元レーザ光ビームBm121を発射する面
発光型レーザ素子Ldp121、出射光の光路方向断面
が一次元方向に拡がりを有する帯状レーザ光ビームBm
122を発射する線光源としてのレーザダイオードLd
p122、2次元レーザ光ビームBm121を反射し、
この反射光を三次元立体像信号により変調された反射光
にする反射光パターン制御手段Cp123、発射された
二本のレーザ光ビームの光路を管理するとともに交差位
置に係る像歪みを除去する光路制御手段Cp122、入
力された像信号を処理する信号処理部Cp124、立体
像表示体DP12内に形成される立体像の精細度を制御
するか、または表示領域の寸法を制御する精細度制御手
段Cp125、立体像表示体DP12内を照らす照明部
Cp126、電源回路1210を備えて構成されてい
る。
【0887】立体像表示体DP12は透明な直方体形状
であり、その内部に気体または液体または固体、または
これらの組み合わせで構成された呈色材が三次元方向に
一様分散され、これら呈色材の呈色により立体像が描像
される。
【0888】本実施形態においても他の実施形態と同様
に、呈色原理として前記の電子励起・緩和発光型および
光化学反応型の、いずれの原理も適用可能である。ま
た、呈色材として気体呈色材、液体呈色材、固体呈色材
のいずれか、またはこれらの任意な混成によるものが使
用可能である。
【0889】さらに、立体像表示体DP12は図示され
ている直方体形状に限定されることなく、三次元方向に
拡がりを有するものであれば形状を問わない。
【0890】また立体像表示体DP12は、2面づつ対
になった3組の面から成るが、これらの面のうち、fh
平面に平行で原点O側にある面をfh+、fd平面に平
行で原点Oから遠い側にある面をfd−とする。
【0891】2次元レーザ光ビームBm121を発射す
る面発光型レーザ素子Ldp121と、帯状レーザ光ビ
ームBm122を発射するレーザダイオードLdp12
2は、それぞれレーザダイオード駆動増幅器Amp12
1、Amp122によって駆動され、これらレーザダイ
オードと駆動増幅器が光源Cp121を構成している。
【0892】レーザダイオード駆動増幅器Amp12
1、Amp122は、後述するD/A変換器1203に
よりアナログ変換された三次元立体像信号が入力される
期間中、作動して、いずれも夫々の一様の光強度となる
よう面発光型レーザ素子Ldp121とレーザダイオー
ドLdp122の作動を制御する。
【0893】反射光パターン制御手段Cp123は、デ
ジタル型マイクロミラー素子DMDと、その駆動制御回
路と、ビームスプリッタBSから構成される。デジタル
型マイクロミラー素子DMDは、矩形チップ形状の光反
射型デバイスであり、基板上に2次元配列された各単位
セルの真上に微小ミラーを半導体製造技術を用いて形成
し、全微小ミラーを均一な光強度の2次元レーザ光ビー
ムBm121により均一に照らし、一方、駆動制御回路
が各単位セルに、三次元立体像信号に対応した駆動信号
をそれぞれ印加することによって静電気の反発力により
各微小ミラーを傾斜させることにより、反射光の方向を
各微小ミラー毎に変化させ、このうちの所定方向のみの
反射光によって立体像パターン光を形成させる。
【0894】さらに各微小ミラーの単位時間内の傾斜回
数を像信号に対応させて変化させることにより、強度の
異なる反射光とする。あるいはデユーティ比を変化させ
ることにより、強度の異なる反射光とする。
【0895】これにより、デジタル型マイクロミラー素
子DMDによって反射された2次元レーザ光ビームBm
121は、三次元立体像信号によって光強度変調された
ものとなる。なお配置される微小ミラーの個数構成とし
ては、たとえばf軸方向に240個、h軸方向に240
個などがある。
【0896】つぎに信号処理部Cp124につき説明す
る。信号処理部Cp124は、入力された三次元立体像
信号を形成するデータおよび同期信号、あるいは場合に
よってこれらに加え、三次元立体像信号を形成するデー
タの種別を同定するための信号が載った入力信号に基づ
き、2次元レーザ光ビームBm121を光反射によって
光強度変調するための変調信号を反射光パターン制御手
段Cp123に送り、また光源Ldp121へ作動信号
を送り、光路制御手段Cp122へ同期信号を送り、さ
らに精細度制御手段Cp125へ信号の種別情報か、同
期信号の周期情報を送るものであり、信号入力端子I
s、符号化/復号化手段1201、キュビットメモリ1
202、D/A変換器1203、記録手段1204、種
別・同期信号抽出回路1205などを備えて成る。
【0897】信号入力端子Isから入力されるか、また
は記録手段1204から再生された符号化されている三
次元立体像信号は、符号化/復号化手段1201により
復号化処理がなされ、D/A変換器1203によりアナ
ログ信号に変換される。
【0898】なお、信号入力端子Isから入力された三
次元立体像信号が符号化されていない場合は、符号化/
復号化手段1201による復号化処理はスキップされ
る。また、このとき入力された三次元立体像信号を符号
化/復号化手段1201により符号化処理して、記録手
段1204へ記録することもできる。
【0899】D/A変換器1203により変換された三
次元立体像信号は、種別・同期信号抽出回路1205に
入力されるほか、変調信号として反射光パターン制御手
段Cp123へ、また作動信号として光源Cp121へ
夫々入力される。
【0900】種別・同期信号抽出回路1205によって
抽出された同期信号は、帯状光ビーム掃引制御回路12
06へ送られる。また、三次元立体像信号の種別を同定
するための信号は、種別・同期信号抽出回路1205か
ら精細度制御手段Cp1205へ送られる。
【0901】照明部Cp126は、立体像表示体DP1
2内を照らすものであり、電源回路1210に接続され
た照明燈によって構成される。この照明部Cp126
は、立体像表示体DP12内の呈色材として、例えば赤
外光や可視光などの照射によって着色するフォトクロミ
ック材などが適用された場合に有効である。
【0902】以下、光路制御手段Cp122の構成を説
明する。光路制御手段Cp122は、2次元レーザ光ビ
ームBm121と帯状レーザ光ビームBm122の各光
路を制御して、両レーザ光ビームを立体像表示体DP1
2中の所望の位置において交差させるとともに、この交
差位置を移動させる掃引機能を備える。
【0903】具体的には、光路制御手段Cp122は、
デジタル型マイクロミラー素子DMDによって反射され
た2次元レーザ光ビームBm121を立体像表示体DP
12内へ平行光として入射させるための、いずれもレン
ズから成る第1集束光学系Lz1211とLz1212
を備える。
【0904】ここで立体像表示体DP12内に入る2次
元レーザ光ビームBm121が平行光となるように、面
発光型レーザ素子Ldp121、デジタル型マイクロミ
ラー素子DMDの位置、および第1集束光学系Lz12
11とLz1212の焦点位置が調整される。
【0905】なお2次元レーザ光ビームBm121を立
体像表示体DP12の面fh+から入射させるべく、第
1集束光学系Lz1211やLz1212等の機構部品
は主として面fh+側に配設される。
【0906】また光路制御手段Cp122は、帯状レー
ザ光ビームBm122の掃引を制御する帯状光ビーム掃
引制御回路1206、帯状光ビーム掃引制御回路120
6からの制御信号1206aにより駆動される揺動アク
チュエータAct122、揺動アクチュエータAct1
22によりf軸方向を中心軸に揺動する平面状(ガルバ
ノ型)の揺動反射鏡SW122を備える。また、シリン
ドリカルレンズから成る第2集束光学系Lz122を備
える。
【0907】ここで第2集束光学系Lz122を経て立
体像表示体DP12内に入る帯状レーザ光ビームBm1
22が、立体像表示体DP12内においてh軸方向へ立
ち上がる帯状の平行光となるように、第2集束光学系L
z122の焦点上にレーザダイオードLd122が配置
される。
【0908】なお帯状レーザ光ビームBm122を立体
像表示体DP12の面fd−から入射させるべく、第2
集束光学系Lz122等の機構部品は主として面fd−
側に配設される。
【0909】つぎに動作を説明すると、図40に示され
るように、面発光型レーザ素子Ldp121から発射さ
れf軸方向に光路をとる均一な光強度の2次元レーザ光
ビームBm121は、ビームスプリッタBSで分離され
てデジタル型マイクロミラー素子DMDに至り、前記の
ように微小ミラーによって反射される。ここで各微小ミ
ラーは駆動制御回路により制御されることにより、三次
元立体像信号に基づいてその角度を変え、または単位時
間あたりの振動数を変化させる。この結果、反射光は三
次元立体像信号に基づき光強度変調されたものとなる。
【0910】このようにして、fh両軸方向に拡がる2
次元レーザ光ビームBm121が立体像表示体DP12
の面fh+から立体像表示体DP12内に入射して、d
軸方向に立体像表示体DP12内を貫くが、この2次元
レーザ光ビームBm121の光強度は三次元立体像信号
の更新にしたがい更新周期τで刻々と更新され変化する
ことになる。
【0911】一方、レーザダイオードLdp122から
発射されd軸方向に光路をとる帯状レーザ光ビームBm
122は、帯状光ビーム掃引制御回路1206の制御下
でf軸中心に揺動する揺動反射鏡SW122で反射され
て、dh平面上で振れる。
【0912】このdh平面上で振れた反射光ビームが、
第2集束光学系Lz122を経て、立体像表示体DP1
2の面fd−から立体像表示体DP12内に入射して、
h軸方向へ立ち上がる帯状レーザ光ビームBm122と
なる。
【0913】このh軸方向へ立ち上がる帯状レーザ光ビ
ームBm122は、d軸方向に進む前記2次元レーザ光
ビームBm121をh軸方向へ貫き、これにより両レー
ザ光ビームの交差部分はfh平面に平行な面状となり、
この面上に位置する呈色材が両レーザ光ビームの作用で
呈色する。
【0914】この状態で揺動反射鏡SW122が帯状光
ビーム掃引制御回路1206の制御下で揺動すると、立
体像表示体DP12内の帯状レーザ光ビームBm122
はd軸方向へ連続掃引されるが、三次元立体像信号の更
新周期τに距離εdだけ連続掃引されると、これにより
d軸方向寸法がεdのキュビセルCbcが2次元方向に
所定数並んだ、図40に示されるレイヤー層Ly12j
が1層生成される。ここでキュビセルCbcのf軸方向
の個数およびh軸方向の個数は、デジタル型マイクロミ
ラー素子DMDを構成する微小ミラーの両軸方向個数
(例えば240×240個)に依存する。
【0915】上記の連続掃引が続行されるにつれ、レイ
ヤー層Ly12jがd軸方向に順次生成され、これら複
数のレイヤー層Ly12jの集合として立体像表示領域
が形成され、立体像Vg12はこの立体像表示領域内に
描像される。
【0916】さらに、揺動反射鏡SW122が帯状光ビ
ーム掃引制御回路1206の制御下でf軸中心に揺動し
て角度を微細調整することにより、帯状レーザ光ビーム
Bm122に対するd軸方向の交差位置に係る像歪みの
補正処理がなされる。この交差位置に係る像歪みの補正
処理の制御は、帯状光ビーム掃引制御回路1206が行
なうが、像歪み補正の原理は前記実施形態におけると同
様である。
【0917】この交差位置に係る像歪み補正機能は、通
常の立体像表示体寸法の構成に有効であるばかりでな
く、とりわけ立体像表示体寸法が大であり、しかも光路
制御手段を含む装置全体の容積を縮小させた三次元立体
像表示装置における交差位置に係る像歪み補正に有効で
ある。
【0918】上記のように光路制御手段Cp122は、
帯状レーザ光ビームの光路を制御して、立体像表示体D
P12内のd軸方向交差位置に係る像歪みを補正し、さ
らに帯状レーザ光ビームの光路を制御して、帯状レーザ
光ビームを二次元レーザ光ビームの光路方向に垂直な平
面上にあって、二次元レーザ光ビームと交差させるとと
もに、fh平面に平行な面として生成された交差部分を
d軸方向に所定距離だけ掃引して複数のレイヤー層(ま
たは掃引面)を形成させることにより、1キュビットの
立体像を形成させるよう制御する。
【0919】つぎに、掃引レートにつき説明する。三次
元表示領域の各軸方向に並ぶキュビセル数を例えば各2
40とすると、1キュビットは240×240×240
=13、824、000個のキュビセルから構成され
る。レイヤー掃引により全部のキュビセルを形成して1
キュビットとする場合、2次元レーザ光ビームBm12
1については機械的掃引の必要はなく、光強度変調が為
されるだけで良い。
【0920】一方、立体像表示体DP12のd軸方向の
一端から多端までを以って一回のd軸方向機械的掃引と
すると、帯状レーザ光ビームBm122は1キュビット
生成させるのに1回の掃引のみで良い。
【0921】このように、2次元レーザ光ビームBm1
21は断面である二次元のfh平面上に同時に像を形成
するから、描像時に2次元レーザ光ビームBm121は
時間経過に伴う像の更新を為すのみでよく、よって光路
制御手段Cp122は2次元レーザ光ビームBm121
自体を空間的に掃引する必要がない。一方、帯状レーザ
光ビームBm122は光路方向に帯状に拡がり、これが
2次元レーザ光ビームBm121と交差して面状の像を
一挙に形成させるから、光路制御手段Cp122は帯状
レーザ光ビームBm122だけを、しかも一軸方向(d
軸)へのみ掃引すればよく、よってその掃引周期を長く
でき、以上の結果として掃引を大幅に簡素化できる。
【0922】したがって、像の更新周期が短い動像の描
像表示がとりわけ容易になるという顕著な効果がある。
【0923】たとえば1秒間あたり30キュビットの更
新レートの動像表示の場合では、帯状レーザ光ビームB
m122は30回/秒の機械的掃引レートで良く、また
上記のように2次元レーザ光ビームBm121には機械
的掃引を施す必要がない。
【0924】このように、本実施形態では帯状レーザ光
ビームBm122の掃引周期を長くでき、よって掃引機
構を簡素に構成できる。従ってとりわけ動像の描像と表
示に適する。
【0925】ついで、本実施形態の精細度について説明
する。前記のように、f軸方向とh軸方向の精細度はデ
ジタル型マイクロミラー素子DMDを構成する微小ミラ
ーの両軸方向の個数(例えば240×240個)に依存
する。またd軸方向の精細度は、帯状レーザ光ビームB
m122のd軸方向への単位時間あたりの掃引距離εd
によって決まる。これは、立体像表示体DP12内の2
次元レーザ光ビームBm121の進行速度が帯状レーザ
光ビームBm122の機械的掃引速度よりも極端に速い
ことに依る。さらに、各軸方向の限界精細度は、使用さ
れる呈色材の個々の寸法となる。
【0926】上記の構成の結果、2次元拡がりのレーザ
光ビームと帯状のレーザ光ビームの直交によりレイヤー
層が一挙に生成されるから、極めて高効率で像形成が為
される。しかもレーザ光ビームの機械的掃引は帯状レー
ザ光ビームBm122に対してのみ行う構成であるか
ら、表示像への信頼度が向上する上、掃引機構が簡素化
できるという効果がある。
【0927】さらに帯状レーザ光ビームBm122の掃
引に揺動反射鏡SW122を用いることにより、d軸方
向の交差位置に係る像歪み調整が容易にでき、よって像
歪みのない良質の立体像の描像が可能になる。
【0928】その上、表示領域の全体に拡がるレイヤー
層が複数層重ねられた立体像表示領域を形成することに
より、複雑な形状の像や、表示されるべき像が複数個、
独立して存在し、立体像表示体中に離れて分散して存在
する場合などでも描像時間を一定にできるという効果が
得られる。
【0929】動像の表示における動作を図42に基づい
て説明すると、単位時間τの期間、2次元レーザ光ビー
ムBm121はfh両方向に拡がるビームを立体像表示
体DP12内へ入射させ、しかも光速で進行するから立
体像表示体DP12内は瞬時に2次元レーザ光ビームB
m121で満たされる。
【0930】2次元レーザ光ビームBm121の光強度
は三次元立体像信号によって変調され、しかも時間的に
刻々と連続更新されるが、前述したように三次元立体像
信号の形成過程で有限の画素数の撮像機によって撮像さ
れることにより、また伝送過程で時間軸にシリアルに構
成されることもあって、実質的にはある周期毎に更新さ
れる離散構成となっている。
【0931】この三次元立体像信号の実質的な更新周期
を単位時間τとして、単位時間τの期間、帯状レーザ光
ビームBm122がd軸方向に単位掃引距離εdだけ掃
引されると、呈色材によって呈色されたレイヤー層Ly
121が生成される。
【0932】続く次の単位時間τに移ると、三次元立体
像信号は実質的に更新され、この単位時間τの期間、帯
状レーザ光ビームBm122がd軸方向に引き続き単位
掃引距離εdだけ掃引され、レイヤー層Ly122が生
成される。
【0933】以下同様にしてレイヤー層Ly12Nが生
成されると、第1のキュビットCubit#1が形成さ
れ、帰線期間のあと引き続き第2のキュビットCubi
t#2の形成過程に移る。
【0934】つぎに、精細度制御手段Cp125を説明
する。精細度制御手段Cp125は、立体像表示体DP
12内に形成される立体像の精細度を制御するか、また
は表示領域の寸法を制御するものである。すなわち、精
細度制御手段Cp125は、動像の繰返し周期がそれぞ
れ異なる種別の複数の三次元立体像信号が適用される場
合に、この三次元立体像信号に搭載された、種別を特定
する信号または同期信号の周期に基づき種別を特定する
か、動像の繰返し周期を検出するとともに、像の繰返し
周期及び立体像表示体DP12の寸法に対応して、d軸
方向への単位時間あたりの所定掃引距離を変更すること
により、形成される立体像表示領域の寸法を、入力など
によって指定された所望値とするか、または立体像表示
体DP12内に形成される立体像表示領域の寸法を変更
することにより、d軸方向への単位時間あたりの所定掃
引距離を、入力などによって指定された所望値とするよ
う構成される。上記の機能は具体的にはストアードプロ
グラム形式のマイクロコンピュータ等によって具現され
る。
【0935】つぎに、精細度制御手段Cp125の動作
を説明する。精細度制御手段Cp125は、種別・同期
信号抽出回路1205から供給される種別・同期信号及
び、外からの指定値として入力された、精細度や表示領
域の寸法の所望値Stdに基づき、交差部分の適切なd
方向単位時間の掃引移動距離εdを算出し、εdを制御
信号1207aとして帯状光ビーム掃引制御回路120
6へ送出する。
【0936】この結果、繰り返し周期の長い動像の三次
元立体像信号や、繰り返し周期の短い動像の三次元立体
像信号が入力された際に、その周期に応じて掃引距離を
変更することにより、所定の表示領域に描像することが
でき、よって形成される立体像表示領域の寸法を所望値
とすることができる。
【0937】または、繰り返し周期の長い動像の三次元
立体像信号や、繰り返し周期の短い動像の三次元立体像
信号が入力された際に、その周期に応じて立体像表示領
域の寸法を変更することにより、所定の単位時間あたり
掃引距離で描画でき、よって描像の精細度を所望値とす
ることができる。
【0938】上記から明らかなように本実施形態におい
ては、精細度制御手段Cp125と光路制御手段Cp1
22によって、d軸方向の単位移動距離εdを所望の距
離に制御可能であるから、同一の立体像表示体DP12
を用いる場合に、表示領域または描像の精細度を所望の
ものに調節することができる。
【0939】本実施形態に係る三次元立体像表示装置の
適する用途のひとつとして、以下に示す各種の立体動像
がある。 a テレビジョン放送の受信側における立体動像の表示 b 医療分野における従来平面画像表示されていた断層
像の立体動像形成、たとえばX線CTやポジトロンCT
断層の立体動像、手術中の患部および周辺のリアルタイ
ム立体動像、 c 建築設計における三次元レイアウトの動像表示や、
動像による三次元パース像の作成 d 生産工程での例えばマイクロ部品など、従来では顕
微鏡作業となっていた実装作業における三次元拡大動像
表示 e 自動車をはじめとするデザイン工程でのデザイン・
イメージの三次元動像CFやドラマ、映画、ゲームの立
体動像表示 f ショーウインドウとして使用し、商品の三次元立体
像を、動像で表示させる商業用途
【0940】以上の立体動像に加え、別の用途として以
下のような立体静止像の表示がある。
【0941】第一に、臨床医学や基礎医学分野のうちで
もとりわけ検査・治療分野における、従来平面画像表示
されていた断層像に代わる立体断層静止像の形成、例え
ばX線CTやポジトロンCT断層の立体静止像の表示が
ある。
【0942】立体静止像の用途分野の第二は、教育分野
とりわけ各教科・科目の学習課程における教材の三次元
立体像表示であり、特に理科、図工、数学での教材のマ
ルチメディア技術にもとづく各種の立体像表示に有効で
ある。とりわけ、本実施形態の構成は立体静止像表示に
適する。
【0943】立体静止像の第三の用途分野としては、服
飾や自動車をはじめとするデザイン工程でのデザイン・
イメージの三次元静止像としての表示、さらに建築設計
における三次元パース像(静止像)の作成や、三次元レ
イアウト表示がある。
【0944】立体静止像の第四の用途分野としては、マ
ルチメディア・エンターテインメント分野として、大・
小劇場やコンサートホールにおける大型立体像の表示、
アーケードゲームにおける立体像表示がある。
【0945】立体静止像の第五の用途分野は生産現場で
あり、設計工程での部品設計における三次元静止像表示
や、生産工程での工業用CT検査の立体静止像表示など
に適する。
【0946】さらに、立体静止像の他の用途分野として
は、学術研究分野でのシミュレーション結果の三次元静
止像表示や、あるいは芸術、美術の制作過程におけるデ
ザイン・イメージの三次元静止像または、これら作品自
体の三次元静止像として表示・展示、すなわち粘土や合
成樹脂、木材、金属などの材質を用いた造形に代わり、
三次元立体像表示装置で再現される作品の表示・展示が
ある。さらに、三次元立体像表示装置をショーウインド
ウとして使用し、商品の三次元立体静止像を表示させ
る、所謂バーチャルショーウインドウといった商業用途
にも好適である。
【0947】本発明の第13実施形態に係る三次元立体
像表示装置は、二次元レーザ光ビームとライン状レーザ
光ビームを直交状態で交差させ、交差部分を反復してレ
イヤー掃引することにより、掃引面の積層による三次元
立体像の描像をなす構成である。
【0948】図43は、本発明の第13実施形態に係る
三次元立体像表示装置の要部斜視図である。図44は、
その動作タイミングチャートである。
【0949】図43に示されるように、本発明の第13
実施形態に係る三次元立体像表示装置ORIIN13
は、立体像が内部に形成される立体像表示体DP13、
出射光の光路方向断面が二次元方向に拡がりを有する二
次元レーザ光ビームを発射する光源Cp1311、出射
光が光路方向に直線状となるライン状レーザ光ビームを
発射する光源Cp1312、光源Cp1311からの2
次元レーザ光ビームを反射し、この反射光を三次元立体
像信号により変調された2次元レーザ光ビームBm13
1にする反射光パターン制御手段Cp133、発射され
た二本のレーザ光ビームの光路を管理するとともに交差
位置に係る像歪みを除去する光路制御手段Cp132、
入力された像信号を処理する信号処理部Cp134、立
体像表示体DP13内に形成される立体像の精細度を制
御するか、または表示領域の寸法を制御する精細度制御
手段Cp135を備えて構成されている。
【0950】立体像表示体DP13は透明な直方体形状
であり、その内部に一様分散された呈色材や、その呈色
原理などは前記実施形態におけると同様である。
【0951】また立体像表示体DP13は、2面づつ対
になった3組の面から成るが、これらの面のうち、fh
平面に平行で原点O側にある面をfh+、fd平面に平
行で原点Oから遠い側にある面をfd−とする。
【0952】光源Cp1311は、面発光型レーザ素子
とレーザダイオード駆動増幅器を備え、光源Cp131
2は点光源であるレーザダイオードとレーザダイオード
駆動増幅器を備える。
【0953】また反射光パターン制御手段Cp133
は、デジタル型マイクロミラー素子と、その駆動制御回
路と、ビームスプリッタを備え、それぞれの構成は前記
実施形態におけると同様である。
【0954】信号処理部Cp134は、入力された三次
元立体像信号を形成するデータおよび同期信号、あるい
は三次元立体像信号を形成するデータの種別を同定する
ための信号が載った入力信号に基づき、2次元レーザ光
ビームBm131を光反射によって光強度変調するため
の変調信号を反射光パターン制御手段Cp133に送
り、また光源Cp1311、Cp1312へ作動信号を
送り、光路制御手段Cp132へ同期信号を送り、さら
に精細度制御手段Cp135へ信号の種別情報か、同期
信号の周期情報を送るものである。
【0955】光路制御手段Cp132は、2次元レーザ
光ビームBm131と、ライン状レーザ光ビームBm1
32の各光路を制御して、両レーザ光ビームを立体像表
示体DP13中の所望の位置において交差させるととも
に、この交差位置を移動させる掃引機能を備えるもの
で、いずれも図示されない反射機構と該反射機構の制御
回路、および、デジタル型マイクロミラー素子によって
反射された2次元レーザ光ビームBm131を立体像表
示体DP13内へ平行光として入射させるためのレンズ
から成る第1集束光学系Lz131と、ライン状レーザ
光ビームBm132を立体像表示体DP13内において
h軸方向へ立ち上がる平行光とするための第2集束光学
系Lz132を備える。
【0956】なお2次元レーザ光ビームBm131を立
体像表示体DP13の面fh+から入射させるべく、第
1集束光学系Lz131等の機構部品は主として面fh
+側に配設される。
【0957】またライン状レーザ光ビームBm132を
立体像表示体DP13の面fd−から入射させるべく、
第2集束光学系Lz132等の機構部品は主として面f
d−側に配設される。
【0958】つぎに動作を説明すると、三次元立体像信
号に基づき光強度変調されたfh両軸方向に拡がる2次
元レーザ光ビームBm131は、立体像表示体DP13
の面fh+から立体像表示体DP13内に入射して、d
軸方向に立体像表示体DP13内を貫くが、この2次元
レーザ光ビームBm131の光強度は三次元立体像信号
の更新にしたがい更新周期で刻々と更新され変化する。
【0959】一方、光源Cp1312から発射され、光
路制御手段Cp132によってfd両軸方向に振られた
ライン状レーザ光ビームBm132は、第2集束光学系
Lz132を経て、立体像表示体DP13の面fd−か
ら立体像表示体DP13内に入射して、h軸方向へ立ち
上がる。
【0960】このh軸方向へ立ち上がるライン状レーザ
光ビームBm132は、d軸方向に進む前記2次元レー
ザ光ビームBm131をh軸方向へ貫き、これにより両
レーザ光ビームの交差部分はh軸に平行な線分状とな
り、この線分上に位置する呈色材が両レーザ光ビームの
作用で呈色する。
【0961】この状態で光路制御手段Cp132がライ
ン状レーザ光ビームBm132をf軸方向に掃引してB
m132’にすると、h軸に平行なキュビセル・ライン
CbL131が生成される。このようにして連続掃引す
ると、h軸に平行なキュビセル・ラインCbL131、
CbL132などが続々と生成され、fh平面に平行な
レイヤー層Ly131が形成される。ここで、レイヤー
層Ly131を構成するキュビセルのf軸方向の個数お
よびh軸方向の個数は、デジタル型マイクロミラー素子
を構成する微小ミラーの両軸方向個数(例えば240×
240個)に依存する。
【0962】このようにしてレイヤー層Ly131が生
成されると、光路制御手段Cp132はライン状レーザ
光ビームBm132をf軸方向の原点O側へ戻すととも
に、d軸方向へ単位掃引距離εdだけ掃引し、新しい位
置から前記の掃引を繰り返すことにより、レイヤー層L
y132が生成される。
【0963】上記の連続掃引が続行されるにつれ、レイ
ヤー層がd軸方向に順次生成され、これら複数のレイヤ
ー層の集合として立体像表示領域が形成され、立体像は
この立体像表示領域内に描像される。
【0964】前記の掃引において、光路制御手段Cp1
32は前述したように掃引角度を微調整して、d軸方向
の交差位置に係る像歪みの補正処理をする。この交差位
置に係る像歪みの補正処理の原理は前記実施形態におけ
ると同様である。
【0965】この交差位置に係る像歪み補正機能は、通
常の立体像表示体寸法の構成に有効であるばかりでな
く、とりわけ立体像表示体寸法が大であり、しかも光路
制御手段を含む装置全体の容積を縮小させた三次元立体
像表示装置における交差位置に係る像歪み補正に有効で
ある。
【0966】上記のように光路制御手段Cp132は、
ライン状レーザ光ビームBm132が二次元レーザ光ビ
ームBm131を貫いて交差し、且つ交差部分をライン
状レーザ光ビームBm132の光路方向(h軸方向)に
直交する方向(f軸方向)へ掃引してレイヤー層を形成
させ、さらにこのレイヤー層からd軸方向へ所定距離ε
dだけ離れて次のレイヤー層を形成させ、前記の反復に
より複数のレイヤー層が重ねられた立体像表示領域を立
体像表示体の内部に形成させることにより、1キュビッ
トの立体像を形成させるよう制御する。
【0967】つぎに、掃引レートにつき説明する。三次
元表示領域の各軸方向に並ぶキュビセル数を例えば各2
40とすると、1キュビットは240×240×240
=13、824、000個のキュビセルから構成され
る。レイヤー掃引により全部のキュビセルを形成して1
キュビットとする場合、2次元レーザ光ビームBm13
1については機械的掃引の必要はなく、光強度変調が為
されるだけで良い。
【0968】一方、立体像表示体DP13のf軸または
d軸方向の一端から多端までを以って一回のf軸方向ま
たはd軸方向機械的掃引とすると、ライン状レーザ光ビ
ームBm132は1キュビット生成させるのに、f軸方
向に240回、d軸方向に1回の掃引となる。
【0969】このように、2次元レーザ光ビームBm1
31は断面である二次元のfh平面上に同時に像を形成
するから、描像時に2次元レーザ光ビームBm131は
時間経過に伴う像の更新が施されるのみでよく、よって
光路制御手段Cp132は2次元レーザ光ビームBm1
31自体を空間的に掃引する必要がない。一方、ライン
状レーザ光ビームBm132は二次元レーザ光ビームB
m131を貫いて交差して線状の像を形成させるから、
光路制御手段Cp132はライン状レーザ光ビームBm
132だけを、しかも二軸方向(f軸とd軸)へのみ掃
引すればよく、よってその掃引周期を長くでき、以上の
結果として掃引を簡素化できる。
【0970】ついで、本実施形態の精細度について説明
する。前記のように、f軸方向とh軸方向の精細度はデ
ジタル型マイクロミラー素子を構成する微小ミラーの両
軸方向の個数(例えば240×240個)に依存する。
またd軸方向の精細度は、ライン状レーザ光ビームBm
132のd軸方向への単位時間あたりの掃引距離εdに
よって決まる。
【0971】上記の構成の結果、2次元拡がりのレーザ
光ビームとライン状レーザ光ビームの直交により、ライ
ン状レーザ光ビームの一軸方向掃引でレイヤー層が生成
されるから、高効率で像形成が為される。しかもレーザ
光ビームの機械的掃引はライン状レーザ光ビームBm1
32に対してのみ行う構成であるから、表示像への信頼
度が向上する上、掃引機構が簡素化できるという効果が
ある。
【0972】さらに光路制御手段Cp132により、d
軸方向の交差位置に係る像歪み調整がなされ、よって像
歪みのない良質の立体像の描像が可能になる。
【0973】その上、表示領域の全体に拡がるレイヤー
層が複数層重ねられた立体像表示領域を形成することに
より、複雑な形状の像や、表示されるべき像が複数個、
独立して存在し、立体像表示体中に離れて分散して存在
する場合などでも描像時間を一定にできるという効果が
得られる。
【0974】動像の表示における動作を図44に基づい
て説明すると、単位時間τの期間、2次元レーザ光ビー
ムBm131はfh両方向に拡がるビームを立体像表示
体DP13内へ入射させ、しかも高速で進行するから立
体像表示体DP13内は瞬時に2次元レーザ光ビームB
m131で満たされる。
【0975】2次元レーザ光ビームBm131の光強度
は三次元立体像信号によって変調され、しかも時間的に
刻々と連続更新されるが、前述したように三次元立体像
信号の形成過程で有限の画素数の撮像機によって撮像さ
れることにより、また伝送過程で時間軸にシリアルに構
成されることもあって、実質的にはある周期毎に更新さ
れる離散構成となっている。
【0976】この三次元立体像信号の実質的な更新周期
を単位時間τとして、単位時間τの期間、ライン状レー
ザ光ビームBm132がf軸方向に位置f0からfNま
で掃引されると、呈色材によって呈色された第1レイヤ
ー層Ly1が生成される。このあと水平帰線期間で帰還
するが、この帰還と同時に、d軸方向へεdだけ掃引さ
れる。なお、この構成ではd軸方向への掃引が間欠的で
あるが、前述した実施形態におけると同様に、d軸方向
へ連続掃引する構成とすることもできる。
【0977】続く次の単位時間τに移ると、三次元立体
像信号は実質的に更新され、この単位時間τの期間、ラ
イン状レーザ光ビームBm132には前記の掃引がなさ
れ、単位掃引距離εdだけ離れた第2レイヤー層Ly2
が生成される。
【0978】以下同様にして第Nレイヤー層LyNが生
成されると、第1のキュビットCubit#1が形成さ
れ、原点帰線期間のあと引き続き第2のキュビットCu
bit#2の形成過程に移る。
【0979】つぎに、精細度制御手段Cp135を説明
する。精細度制御手段Cp135は、立体像表示体DP
13内に形成される立体像の精細度を制御するか、また
は表示領域の寸法を制御するものである。すなわち、精
細度制御手段Cp135は、動像の繰返し周期がそれぞ
れ異なる種別の複数の三次元立体像信号が適用される場
合に、この三次元立体像信号に搭載された、種別を特定
する信号または同期信号の周期に基づき種別を特定する
か、動像の繰返し周期を検出するとともに、像の繰返し
周期及び立体像表示体DP13の寸法に対応して、d軸
方向への単位時間あたりの掃引距離εdを変更すること
により、形成される立体像表示領域の寸法を、入力St
dなどによって指定された所望値とするか、または立体
像表示体DP13内に形成される立体像表示領域の寸法
を変更することにより、d軸方向への単位時間あたりの
掃引距離εdを、入力Stdなどによって指定された所
望値とするよう構成される。上記の機能は具体的にはス
トアードプログラム形式のマイクロコンピュータ等によ
って具現される。
【0980】つぎに、精細度制御手段Cp135の動作
を説明する。精細度制御手段Cp135は、信号処理手
段Cp134から供給される種別・同期信号及び、指定
値として入力された、精細度や表示領域の寸法の所望値
Stdに基づき、交差部分の適切なd方向の単位時間掃
引移動距離εdを算出し、εdを光路制御手段Cp13
2へ送出する。
【0981】この結果、繰り返し周期の長い動像の三次
元立体像信号や、繰り返し周期の短い動像の三次元立体
像信号が入力された際に、その周期に応じて掃引距離を
変更することにより、所定の表示領域に描像することが
でき、よって形成される立体像表示領域の寸法を所望値
とすることができる。
【0982】または、繰り返し周期の長い動像の三次元
立体像信号や、繰り返し周期の短い動像の三次元立体像
信号が入力された際に、その周期に応じて立体像表示領
域の寸法を変更することにより、所定の単位時間あたり
掃引距離で描画でき、よって描像の精細度を所望値とす
ることができる。
【0983】上記から明らかなように本実施形態におい
ては、精細度制御手段Cp135と光路制御手段Cp1
32によって、d軸方向の単位移動距離εdを所望の距
離に制御可能であるから、同一の立体像表示体DP13
を用いる場合に、表示領域または描像の精細度を所望の
ものに調節することができる。
【0984】本実施形態に係る三次元立体像表示装置の
適する用途のひとつとして、以下に示す各種の立体動像
がある。 a テレビジョン放送の受信側における立体動像の表示 b 医療分野における従来平面画像表示されていた断層
像の立体動像形成、たとえばX線CTやポジトロンCT
断層の立体動像、手術中の患部および周辺のリアルタイ
ム立体動像、 c 建築設計における三次元レイアウトの動像表示や、
動像による三次元パース像の作成 d 生産工程での例えばマイクロ部品など、従来では顕
微鏡作業となっていた実装作業における三次元拡大動像
表示 e 自動車をはじめとするデザイン工程でのデザイン・
イメージの三次元動像CFやドラマ、映画、ゲームの立
体動像表示 f バーチャルショーウインドウとして、商品の三次元
立体像を動像で表示させる商業用途
【0985】以上の立体動像に加え、さらに三次元の立
体静止像表示の用途として医療分野があり、たとえば検
査・治療分野における立体断層静止像の形成、例えばX
線CTやポジトロンCT断層の立体静止像の表示に適す
る。
【0986】また別の用途は、教育分野とりわけ教材の
三次元立体像表示であり、特に理科、図工、数学の教材
の各種立体像表示に有効である。
【0987】さらに、自動車などをデザインする工程で
のデザイン・イメージの三次元静止像表示、さらに建築
設計における三次元パース像の作成に適する。
【0988】この外、マルチメディア・エンターテイン
メント分野として、大・小劇場やコンサートホールにお
ける大型立体像の表示、アーケードゲームにおける立体
像表示がある。
【0989】さらに、生産現場においても有効に適用可
能であり、設計工程での部品設計における三次元静止像
表示や、生産工程での工業用CT検査の立体静止像表示
などに適する。
【0990】さらに、他の用途分野としては、シミュレ
ーション結果の三次元静止像表示や、あるいは芸術、美
術の制作過程におけるデザイン・イメージの三次元静止
像の表示・展示がある。さらに、三次元立体像表示装置
をショーウインドウとして使用し、商品の三次元立体像
を静止像で表示させる、所謂バーチャルショーウインド
ウといった商業用途にも好適である。
【0991】本発明の第14実施形態に係る三次元立体
像表示装置は、二次元レーザ光ビームとライン状レーザ
光ビームを直交状態で交差させ、交差部分をベクトル掃
引することにより、立体の表面または稜線の連結による
三次元立体像の描像をなす構成である。
【0992】図45は、本発明の第14実施形態に係る
三次元立体像表示装置の要部斜視図である。図46は、
本実施形態の動作タイミングチャートである。
【0993】図45に示されるように、本発明の第14
実施形態に係る三次元立体像表示装置ORIIN14
は、立体像が内部に形成される立体像表示体DP14、
出射光の光路方向断面が二次元方向に拡がりを有する二
次元レーザ光ビームを発射する光源Cp1411、出射
光が光路方向に直線状となるライン状レーザ光ビームを
発射する光源Cp1412、光源Cp1411からの2
次元レーザ光ビームを反射し、この反射光を三次元立体
像信号により変調された2次元レーザ光ビームBm14
1にする反射光パターン制御手段Cp1431、三次元
立体像信号により光源Cp1412の出力を変調する変
調手段Cp1432、発射された二本のレーザ光ビーム
の光路を管理するとともに交差位置に係る像歪みを除去
する光路制御手段Cp142、入力された像信号を処理
する信号処理部Cp144、立体像表示体DP14内に
形成される立体像の精細度を制御するか、または表示領
域の寸法を制御する精細度制御手段Cp145を備えて
構成されている。
【0994】立体像表示体DP14は透明な直方体形状
であり、その内部に一様分散された呈色材や、その呈色
原理などは前記実施形態におけると同様である。
【0995】また立体像表示体DP14は、2面づつ対
になった3組の面から成るが、これらの面のうち、fh
平面に平行で原点O側にある面をfh+、fd平面に平
行で原点Oから遠い側にある面をfd−とする。
【0996】光源Cp1411は、面発光型レーザ素子
とレーザダイオード駆動増幅器を備え、光源Cp141
2は点光源であるレーザダイオードとレーザダイオード
駆動増幅器を備える。
【0997】また反射光パターン制御手段Cp1431
は、デジタル型マイクロミラー素子と、その駆動制御回
路と、ビームスプリッタを備え、それぞれの構成は前記
実施形態におけると同様である。
【0998】変調手段Cp1432は、レーザダイオー
ド駆動増幅器を介してレーザダイオード出力を変調す
る。
【0999】信号処理部Cp144は、入力された三次
元立体像信号を形成するデータおよび同期信号、あるい
は三次元立体像信号を形成するデータの種別を同定する
ための信号が載った入力信号に基づき、2次元レーザ光
ビームBm141を光反射によって光強度変調するため
の変調信号を反射光パターン制御手段Cp1431に送
り、変調信号を変調手段Cp1432へ送り、また光源
Cp1411、Cp1412へ作動信号を送り、光路制
御手段Cp142へ同期信号を送り、さらに精細度制御
手段Cp145へ信号の種別情報か、同期信号の周期情
報を送るものである。
【1000】光路制御手段Cp142は、2次元レーザ
光ビームBm141と、ライン状レーザ光ビームBm1
42の各光路を制御して、両レーザ光ビームを立体像表
示体DP14中の所望の位置において交差させるととも
に、この交差位置を移動させる掃引機能を備えるもの
で、いずれも図示されない反射機構と該反射機構の制御
回路、および、デジタル型マイクロミラー素子によって
反射された2次元レーザ光ビームBm141を立体像表
示体DP14内へ平行光として入射させるためのレンズ
から成る第1集束光学系Lz141と、ライン状レーザ
光ビームBm142を立体像表示体DP14内において
h軸方向へ立ち上がる平行光とするための第2集束光学
系Lz142を備える。
【1001】なお2次元レーザ光ビームBm141を立
体像表示体DP14の面fh+から入射させるべく、第
1集束光学系Lz141等の機構部品は主として面fh
+側に配設される。
【1002】またライン状レーザ光ビームBm142を
立体像表示体DP14の面fd−から入射させるべく、
第2集束光学系Lz142等の機構部品は主として面f
d−側に配設される。
【1003】つぎに動作を説明すると、三次元立体像信
号に基づき光強度変調されたfh両軸方向に拡がる2次
元レーザ光ビームBm141は、立体像表示体DP14
の面fh+から立体像表示体DP14内に入射して、d
軸方向に立体像表示体DP14内を貫くが、この2次元
レーザ光ビームBm141の光強度は三次元立体像信号
の更新にしたがい更新周期で刻々と更新され変化する。
【1004】一方、光源Cp1412から光強度が変調
されて発射され、光路制御手段Cp142によってfd
両軸方向に振られたライン状レーザ光ビームBm142
は、第2集束光学系Lz142を経て、立体像表示体D
P14の面fd−から立体像表示体DP14内に入射し
て、h軸方向へ立ち上がる。
【1005】このh軸方向へ立ち上がるライン状レーザ
光ビームBm142は、d軸方向に進む前記2次元レー
ザ光ビームBm141をh軸方向へ貫き、これにより両
レーザ光ビームの交差部分はh軸に平行な線分状とな
り、この線分上に位置する呈色材が両レーザ光ビームの
作用で呈色可能となる。
【1006】たとえば、ある時間において2次元レーザ
光ビームBm141の、立体像表示体DP14内の点P
t141を通過する部分の光強度が高く、かつこの点P
t141を通過するライン状レーザ光ビームBm142
の光強度が高いと、このレイヤー層π1上の点Pt14
1が呈色する。
【1007】2次元レーザ光ビームBm141は、三次
元立体像信号にしたがい短期間で光強度が更新される。
同様に、ライン状レーザ光ビームBm142の光強度も
三次元立体像信号にしたがい短期間で更新される。
【1008】光路制御手段Cp142は、この短期間で
ライン状レーザ光ビームBm142をfd両軸方向に掃
引する。これにより、レイヤー層π1の近傍に形成され
るレイヤー層上の、点Pt141の近傍に相当した点が
呈色し、よって短いキュビセル・ラインが形成される。
【1009】このようにして、光路制御手段Cp142
がライン状レーザ光ビームBm142を、レイヤー層π
2上の点Pt142まで掃引すると、呈色するキュビセ
ル・ラインが点Pt142まで伸張し、これにより描画
すべき立体像の稜線または外郭の一部分v1が形成され
る。
【1010】ついで上記の連続掃引が点Pt142から
レイヤー層π3上の点Pt143までなされると立体像
の稜線または外郭の一部分v2が形成され、さらに同様
に点Pt143から前記点Pt141まで掃引される
と、立体像の稜線または外郭の一部分v3が形成され、
よってこれらv1、v2、v3から立体像が描像され
る。
【1011】また前記の掃引において、光路制御手段C
p142は前述したようにライン状レーザ光ビームBm
142の出射角度を微調整して、d軸方向の交差位置に
係る像歪みの補正処理をする。この交差位置に係る像歪
みの補正処理の原理は前記実施形態におけると同様であ
る。この機能により像歪みのない良質の立体像の描像が
可能になる。
【1012】この交差位置に係る像歪み補正機能は、通
常の立体像表示体寸法の構成に有効であるばかりでな
く、とりわけ立体像表示体寸法が大であり、しかも光路
制御手段を含む装置全体の容積を縮小させた三次元立体
像表示装置における交差位置に係る像歪み補正に有効で
ある。
【1013】上記のように光路制御手段Cp142は、
ライン状レーザ光ビームBm132が二次元レーザ光ビ
ームBm131を貫いて交差するよう両レーザ光ビーム
の光路を制御し、且つ交差部分を三次元立体像信号に基
づき所定掃引距離だけ掃引することにより、この交差部
分において発色または着色する呈色材が、表示対象であ
る立体の表面または稜線に沿う三次元立体像を形成させ
るよう制御する。
【1014】つぎに、掃引レートにつき説明する。三次
元表示領域の各軸方向に並ぶキュビセル数を例えば各2
40とすると、1キュビットは240×240×240
=13、824、000個のキュビセルから構成され
る。2次元レーザ光ビームBm141については機械的
掃引の必要はなく、光強度変調が為されるだけで良い。
【1015】一方、ライン状レーザ光ビームBm142
は前記のように三次元立体像信号に基づき稜線に沿って
ベクトル掃引されるから、レイヤー掃引に比して掃引回
数を少なくすることができる。よってその掃引周期を長
くでき、以上の結果として掃引を簡素化できる。
【1016】ついで、本実施形態の精細度について説明
する。前記のように、f軸方向とh軸方向の精細度はデ
ジタル型マイクロミラー素子を構成する微小ミラーの両
軸方向の個数(例えば240×240個)に依存する。
またd軸方向の精細度は、ライン状レーザ光ビームBm
142のd軸方向への単位時間あたりの掃引距離εdに
よって決まる。
【1017】図46は、動作のタイミングチャートであ
る。ライン状レーザ光ビームBm142は、d軸方向へ
d1からd2まで、且つf軸方向へf1からf2まで掃
引されると、キュビセルが続々と形成され、キュビセル
・ラインv1が生成される。
【1018】ついでライン状レーザ光ビームBm142
は、d軸方向へd2からd3まで、且つf軸方向へf2
からf3まで掃引されると、キュビセルが続々と形成さ
れ、キュビセル・ラインv2が生成される。
【1019】ついでライン状レーザ光ビームBm142
は、d軸方向へd3からd1まで、且つf軸方向へf3
からf1まで掃引されると、キュビセルが続々と形成さ
れ、キュビセル・ラインv3が生成される。なお上記掃
引において、前記のように交差位置に係る像歪みの補正
がなされている。
【1020】これにより、第1キュビットCubit#
1が形成され、引き続き第2キュビットCubit#2
の形成過程に移る。
【1021】つぎに、精細度制御手段Cp145を説明
する。精細度制御手段Cp145は、立体像表示体DP
14内に形成される立体像の精細度を制御するか、また
は表示領域の寸法を制御するものである。すなわち、精
細度制御手段Cp145は、動像の繰返し周期がそれぞ
れ異なる種別の複数の三次元立体像信号が適用される場
合に、この三次元立体像信号に搭載された、種別を特定
する信号または同期信号の周期に基づき種別を特定する
か、動像の繰返し周期を検出するとともに、像の繰返し
周期及び立体像表示体DP14の寸法に対応して、d軸
方向への単位時間あたりの掃引距離εdを変更すること
により、形成される立体像表示領域の寸法を、入力St
dなどによって指定された所望値とするか、または立体
像表示体DP14内に形成される立体像表示領域の寸法
を変更することにより、d軸方向への単位時間あたりの
掃引距離εdを、入力Stdなどによって指定された所
望値とするよう構成される。上記の機能は具体的にはス
トアードプログラム形式のマイクロコンピュータ等によ
って具現される。
【1022】つぎに、精細度制御手段Cp145の動作
を説明する。精細度制御手段Cp145は、信号処理手
段Cp144から供給される種別・同期信号及び、指定
値として入力された、精細度や表示領域の寸法の所望値
Stdに基づき、交差部分の適切なd方向の単位時間掃
引移動距離εdを算出し、εdを光路制御手段Cp14
2へ送出する。
【1023】この結果、繰り返し周期の長い動像の三次
元立体像信号や、繰り返し周期の短い動像の三次元立体
像信号が入力された際に、その周期に応じて掃引距離を
変更することにより、所定の表示領域に描像することが
でき、よって形成される立体像表示領域の寸法を所望値
とすることができる。
【1024】または、繰り返し周期の長い動像の三次元
立体像信号や、繰り返し周期の短い動像の三次元立体像
信号が入力された際に、その周期に応じて立体像表示領
域の寸法を変更することにより、所定の単位時間あたり
掃引距離で描画でき、よって描像の精細度を所望値とす
ることができる。
【1025】上記から明らかなように本実施形態におい
ては、精細度制御手段Cp145と光路制御手段Cp1
42によって、d軸方向の単位移動距離εdを制御可能
であるから、同一の立体像表示体DP14を用いる場合
に、表示領域または描像の精細度を所望のものに調節す
ることができる。
【1026】さらに、立体の表面または稜線に沿って掃
引する構成であるから、光路制御手段Cp142は掃引
を立体像のみにつき実行すればよく、よって立体像表示
体内の全ての位置を掃引する必要がないゆえ描像時間を
短縮できるという効果があり、動像の描像表示に有利で
ある。
【1027】本実施形態に係る三次元立体像表示装置の
特に適する用途は、教育分野とりわけ教材の三次元立体
像表示であり、特に理科、図工、数学の教材の各種立体
像表示に有効である。
【1028】さらに、自動車などをデザインする工程で
のデザイン・イメージのワイヤフレーム静止像表示、さ
らに建築設計における三次元パース像の作成に適する。
【1029】さらに、生産現場においても有効に適用可
能であり、設計工程での部品設計における三次元静止像
表示などに適する。さらに、三次元立体像表示装置をシ
ョーウインドウとして使用し、商品の三次元立体像を、
動像や静止像で表示させる、所謂バーチャルショーウイ
ンドウといった商業用途にも好適である。
【1030】図47は、本発明の第15実施形態に係る
三次元像表示装置の要部斜視図である。同図に示される
ように、本実施形態に係る三次元像表示装置ORIIN
15は、立体像表示体を備える三次元立体像表示装置
と、この三次元立体像表示装置に隣接して背面に配設さ
れた二次元ディスプレイ装置を備えて構成される。
【1031】立体像表示体は、四角錐の一部分の形状の
透明中空コンテナ内に、レーザ光ビームに照射されるこ
とで発色または着色する気体または液体または固体、ま
たはこれらの組み合わせで構成された呈色材が三次元方
向に分布されている。
【1032】とりわけ呈色材が固体物質で構成される場
合は、この固体物質自体がコンテナを兼ねるように構成
することができる。
【1033】三次元方向に分布された呈色材は、レーザ
光ビームにより選択的に照射されることによって該部分
が呈色すなわち発色または着色し、この呈色部分の集合
として立体像が立体像表示体内に形成される。
【1034】一方、二次元ディスプレイ装置は二次元の
表示画面を有するCRT装置や、液晶パネルあるいはプ
ラズマディスプレイパネル等のフラットパネルディスプ
レイ装置であり、この二次元の表示画面は通電により画
像を表示する。この画像は、平面画像以外にも、例えば
ステレオグラムあるいはホログラム等による疑似三次元
画像が可能である。
【1035】描像されるべき対象の像信号は、速い動き
をする立体による部分に関する第一像信号と、遠景によ
る背景などの動きが顕著でない部分に関する第二像信号
とに分割され、第一像信号は三次元立体像表示装置へ供
給され、一方、第二信号は二次元ディスプレイ装置へ供
給される。
【1036】これにより、第一像信号による立体像は三
次元立体像表示装置の立体像表示体へ表示され、一方、
第二像信号による画像は二次元ディスプレイ装置の二次
元表示画面へ表示される。
【1037】これにより、速い動きをする立体部分だけ
を立体像表示体に描像することで、立体像表示体の描像
を限定的にでき、立体像表示体全体の描像が不必要とな
るから、描像周期を短縮できて、動像をより円滑に、ま
たより高い精細度で表示することが可能になる。
【1038】一方、遠景による背景などの動きが顕著で
ない部分の二次元ディスプレイ装置への表示は、従来の
平面画像または従来の疑似三次元画像で差し支えないか
ら、これによって信号の伝送帯域の節約がなされる。
【1039】このように分割表示とした上に、しかも三
次元立体像表示装置の背面に二次元ディスプレイ装置を
配置することで、三次元立体像表示装置の前面側では立
体像に画像が重畳して表示されるようにできる。このよ
うに、立体の特に速い動きに対応する三次元像表示が可
能になる。
【1040】また、三次元立体像表示装置として前記各
実施形態の三次元立体像表示装置を適用することによ
り、三次元立体像表示装置に表示する立体像の精細度調
整ができ、よって二次元ディスプレイ装置に表示する画
像の解像度との均衡をとった三次元像表示が可能にな
る。
【1041】本実施形態に係る三次元立体像表示装置の
特に適する用途としては、第一に、臨床医学や基礎医学
分野のうちでもとりわけ検査・治療分野における、従来
平面画像表示されていた断層像に代わる立体断層静止像
の形成、例えばX線CTやポジトロンCT断層の立体静
止像の表示がある。
【1042】用途分野の第二は、教育分野とりわけ各教
科・科目の学習課程における教材の三次元立体像表示で
あり、特に理科、図工、数学での教材のマルチメディア
技術にもとづく各種の立体像表示に有効である。とりわ
け、本実施形態の構成は立体静止像表示に適する。
【1043】第三の用途分野としては、服飾や自動車を
はじめとするデザイン工程でのデザイン・イメージの三
次元静止像としての表示、さらに建築設計における三次
元パース像(静止像)の作成や、三次元レイアウト表示
がある。
【1044】第四の用途分野としては、マルチメディア
・エンターテインメント分野として、大・小劇場やコン
サートホールにおける大型立体像の表示、アーケードゲ
ームにおける立体像表示がある。
【1045】第五の用途分野は生産現場であり、設計工
程での部品設計における三次元静止像表示や、生産工程
での工業用CT検査の立体静止像表示などに適する。
【1046】さらに、他の用途分野としては、学術研究
分野でのシミュレーション結果の三次元静止像表示や、
あるいは芸術、美術の制作過程におけるデザイン・イメ
ージの三次元静止像または、これら作品自体の三次元静
止像として表示・展示、すなわち粘土や合成樹脂、木
材、金属などの材質を用いた造形に代わり、三次元立体
像表示装置で再現される作品の表示・展示がある。さら
に、三次元立体像表示装置をショーウインドウとして使
用し、商品の三次元立体像を、動像や静止像で表示させ
る、所謂バーチャルショーウインドウといった商業用途
にも好適である。
【1047】なお、前記各実施形態では直交座標系を適
用した構成としたが、直交座標系による掃引以外にも、
球面座標系掃引や、円筒座標系掃引や極座標系掃引など
が適用可能である。同様に、立体像表示体も直方体や立
方体形状以外に、球形や円筒形をはじめ、任意の不定形
状の立体像表示体を適用することができる。
【1048】また、掃引過程のレーザ光ビームが観察さ
れないようにするために、各レーザ光の波長は共に可視
領域外であることが望ましいが、これに限定される必要
はない。
【1049】さらに、本発明の三次元立体像表示装置、
または三次元像表示装置によるカラー表示構成につき説
明する。カラー表示構成においては呈色材に例えば夫々
特定の波長のレーザ光照射で三原色の呈色が可能なもの
を適用し、これら呈色材を立体像表示体中に分散させ
る。一方、光源には出射光の波長が可変のレーザ発振器
を用いるか、または夫々の呈色が可能な複数の波長の光
をそれぞれ出射する光源を複数基用いて、夫々の光源か
らの出射光が、各色に対応した呈色材を夫々照射するこ
とにより、カラー表示構成とすることが可能になる。
【1050】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明の請求項1
に係る三次元立体像表示方法は、立体の各部分の位置情
報を含むデータの編成過程と、編成データの伝送過程
と、伝送データを受理して、該データに基づき、三次元
方向に拡がる表示体内に立体像を描像する過程とを含
み、且つ前記データは位置情報に加えて各部分の色調、
濃淡、光沢、屈折率、材質、密度、重量の少なくともい
ずれかを属性情報を含むものであるから、したがって三
次元方向に拡がる表示体内に立体像を描像するための過
程を、データの編成から伝送をへてデータ受理と描像表
示に至るまで、一貫して提供することができる。
【1051】しかもデータには位置情報に加えて属性情
報を含むから、立体像の輪郭や形状の表示にとどまら
ず、各部分の色調や濃淡はもとより、その光沢をはじ
め、各部分の屈折率まで再現することが可能になる。
【1052】すなわち、本発明の請求項1に係る三次元
立体像表示方法によって、属性情報までも三次元方向に
拡がる空間内に再現することが可能になるという効果を
奏する。
【1053】本発明の請求項2に係る三次元立体像表示
方法は、請求項1記載のものであって、データの伝送過
程に先立ってデータに圧縮処理を施す過程と、圧縮デー
タの受理後に復元処理を施す過程とを備えた構成とする
ものであるから、三次元位置情報やその各部分の属性情
報が載せられることで膨大となるデータ量を圧縮によっ
て減少させることができ、よってとりわけデータ伝送方
法を簡略化することができる。
【1054】本発明の請求項3に係る三次元立体像表示
方法は、請求項1または2記載のものであって、少なく
ともデータの編成過程後またはデータの圧縮過程後に該
データを少なくとも記録する過程を備えるものであるか
ら、データの編成時期と該データの再生時期を独立させ
ることにより、任意の時期においてデータの編成を実行
するとともにこれを記録し、また任意の時期においてデ
ータの編成側がこの記録を再生して伝送し、一方、デー
タの受理側がこの再生されたデータに基づき直ちに描像
表示するか、またはデータの受理側で再度記録すること
が可能になる。
【1055】しかも、データの圧縮後に該圧縮データを
記録することによって、三次元位置情報やその各部分の
属性情報が載せられることで膨大となるデータ量を圧縮
によって減少させることができるから、記録に要する時
間短縮が可能になるという効果がある。
【1056】本発明の請求項4に係る三次元立体像表示
システムは、立体を構成する各部分の位置情報を含むデ
ータの編成手段と、編成されたデータの伝送手段と、伝
送されたデータを受理し、該データに基づき三次元方向
に拡がる表示体内に立体像を描像する手段とを備え、且
つ該データは立体各部分の位置情報に加えて、各部分の
色調、濃淡、光沢、屈折率、材質、密度、重量の少なく
ともいずれか一つの情報を属性情報を含むものである。
【1057】したがって、したがって三次元方向に拡が
る表示体内に立体像を描像するための手段を、データの
編成手段から伝送手段をへてデータ受理と描像表示の手
段に至るまで、一貫して提供することができる。
【1058】しかもデータには位置情報に加えて属性情
報を含むから、立体像の輪郭や形状の表示にとどまら
ず、各部分の色調や濃淡はもとより、その光沢をはじ
め、各部分の屈折率までも再現することが可能になる。
【1059】すなわち、本発明の請求項4に係る三次元
立体像表示システムによって、属性情報までも三次元方
向に拡がる空間内に再現する一貫した装置群を実現する
ことが可能になるという効果を奏する。
【1060】本発明の請求項5に係る三次元立体像表示
システムは、請求項4記載のものであって、データの伝
送手段の実行に先立ってデータに圧縮を施す手段と、圧
縮データの受理後に復元処理を施す手段とを備えるもの
であるから、三次元位置情報やその各部分の属性情報が
載せられることで膨大となるデータ量を圧縮によって減
少させることができ、よってとりわけデータ伝送手段を
簡略化することができる。
【1061】本発明の請求項6に係る三次元立体像表示
システムは、請求項4または5記載のものであって、少
なくともデータの編成手段またはデータの圧縮手段の実
行後に該データを少なくとも記録する手段を備えて構成
されるものであるから、記録手段の効果によってデータ
の編成時期と該データの再生時期を独立させることがで
き、よって任意の時期においてデータの編成を実行する
とともにこれを記録し、また任意の時期においてデータ
の編成手段がこの記録を再生して伝送し、一方、データ
の受理側がこの再生されたデータに基づき直ちに描像表
示するか、またはデータの受理側で再度記録することが
可能になる。
【1062】しかも、データの圧縮後に該圧縮データを
記録することによって、三次元位置情報やその各部分の
属性情報が載せられることで膨大となるデータ量を圧縮
によって減少させることができるから、記録手段の構成
を簡素化できるばかりか、記録に要する時間短縮が可能
になるという効果がある。
【1063】本発明の請求項7に係る三次元立体像表示
方法は、少なくとも一本が三次元立体像信号に基づいて
光強度変調された二本のライン状レーザ光ビームを用
い、各ライン状レーザ光ビームの光路を制御して、それ
らの交差点が立体像表示体内の所望位置を照射するとと
もに、該各交差点における両レーザ光ビームが張る最小
角度θを 86°≦θ≦90° の範囲内とし、交差点の呈色材を照射して呈色させ、ま
た交差位置に係る像歪みを補正し、各レーザ光ビームの
光路を掃引して交差点を第一軸方向に連続掃引し、該掃
引後に第二軸方向に所定距離だけ掃引の後、第一軸方向
に連続掃引し、上記操作を反復して一層の掃引面を形成
させ、ついで交差点を第三軸方向に所定距離だけ掃引の
後、前記操作を反復してつぎの一層の掃引面を形成さ
せ、以上の反復により複数の掃引面が層状に重ねられた
立体像表示領域を形成するものである。
【1064】したがって、ライン状レーザ光ビームを用
いることにより、三軸方向の高精細度の、且つ像歪みの
ない立体像の描像が可能になる。とりわけ、静止像の描
像と表示に適する。さらに、三軸方向へ直交掃引する構
成であるから、立体像表示体内の任意の位置のアクセス
が高精度でなされ、表示像への信頼度が向上するという
効果がある。その上、複数の掃引面が層状に重ねられた
立体像表示領域を形成することにより、複雑な形状の像
や、表示されるべき像が複数個、独立して存在し、立体
像表示体中に離れて分散して存在する場合などでも描像
時間を一定にできるという効果が得られる。
【1065】本発明の請求項8に係る三次元立体像表示
方法は、請求項7記載のものであって、各レーザ光ビー
ムの交差点を三軸直交座標の第一軸方向に連続して反復
掃引するとともに、同時に第二軸方向に連続掃引し、且
つ第一軸方向の一回の掃引に対応した第二軸方向の掃引
を所定距離だけおこない、よって一層の掃引面を形成さ
せ、該掃引面形成についで交差点を第三軸方向に所定距
離だけ掃引の後、第一軸方向および第二軸方向に同時に
連続掃引を反復してつぎの一層の掃引面を形成させ、以
上の反復により複数の掃引面が層状に重ねられた立体像
表示領域を形成するものである。
【1066】したがって、ライン状レーザ光ビームを用
いることにより、三軸方向の高精細度の立体像の描像が
可能になる上、第一軸方向への連続掃引と同時に第二軸
方向に連続掃引することで、掃引動作を連続にでき、よ
って少なくとも第一軸方向と第二軸方向への脈動動作を
排除できて、掃引を簡素化できるという利点がある。
【1067】本発明の請求項9に係る三次元立体像表示
方法は、請求項7記載のものであって、各レーザ光ビー
ムの光路を掃引して、交差点を三軸直交座標の第一軸方
向および第二軸方向および第三軸方向に同時に夫々所定
距離だけ連続掃引し、この掃引を反復して一層の掃引面
を形成させ、さらに前記操作の反復により複数の掃引面
が層状に重ねられた立体像表示領域を形成するものであ
る。
【1068】したがって、ライン状レーザ光ビームを用
いることにより、三軸方向の高精細度の立体像の描像が
可能になる上、第一軸方向への連続掃引と同時に第二軸
方向およb第三軸方向に連続掃引することで、掃引動作
をすべて連続にでき、よって掃引をさらに簡素化できる
という利点がある。
【1069】本発明の請求項10に係る三次元立体像表
示方法は、請求項7乃至9記載のものであって、像の繰
返し周期が異なる複数の三次元立体像信号の内のいずれ
かが三次元立体像信号として適用される場合に、該三次
元立体像信号の繰返し周期に対応して、第一軸方向、第
二軸方向、第三軸方向への所定掃引距離のうち少なくと
も一つの距離を変更することにより、形成される立体像
表示領域の寸法を所望値とするか、または三次元立体像
信号の繰返し周期に対応して、形成される立体像表示領
域の寸法を変更することにより、各軸方向への前記所定
掃引距離を所望値とするものである。
【1070】この結果、繰り返し周期の長い三次元立体
像信号や、繰り返し周期の短い三次元立体像信号が入力
された際に、その周期に応じて掃引距離を変更すること
により、所定の表示領域に描像することができ、よって
形成される立体像表示領域の寸法を所望値とすることが
できる。
【1071】または、繰り返し周期の長い三次元立体像
信号や、繰り返し周期の短い三次元立体像信号が入力さ
れた際に、その周期に応じて立体像表示領域の寸法を変
更することにより、所定掃引距離で描画でき、よって描
像の精細度を所望値とすることができる。
【1072】本発明の請求項11に係る三次元立体像表
示装置は、レーザ発振器とその駆動回路を備え、二本の
ライン状レーザ光ビームを発射する光源と、三次元立体
像信号に基づいてレーザ発振器の出力か、または少なく
とも一本のレーザ光ビームの光強度を変調する変調手段
と、呈色材が三次元方向に分布された立体像表示体と、
光路を制御して両レーザ光ビームが立体像表示体中の各
交差位置において張る最小角度θを 86°≦θ≦90° の範囲内に制御するとともに、交差位置に係る像歪みを
補正し、且つ交差位置の掃引機能を備える光路制御手段
とを備え、且つ光路制御手段は交差位置を三軸直交座標
の第一軸方向に連続掃引し、該掃引後に第二軸方向に所
定距離だけ掃引の後、第一軸方向に連続掃引し、上記操
作を反復して掃引面を一層形成させ、ついで交差位置を
第三軸方向に所定距離だけ掃引の後、前記操作を反復し
て掃引面を一層形成させ、以上の反復により複数の掃引
面が層状に重ねられた立体像表示領域を形成する構成と
する。
【1073】この結果、ライン状レーザ光ビームを用い
ることにより、三軸方向の高精細度の立体像の描像が可
能になる。とりわけ、静止像の描像と表示に適する。さ
らに、三軸方向へ直交掃引する構成であるから、立体像
表示体内の任意の位置のアクセスが高精度でなされ、表
示像への信頼度が向上する上、像歪みの補正が可能な掃
引機構が簡素化できるという効果がある。その上、複数
の掃引面が層状に重ねられた立体像表示領域を形成する
ことにより、複雑な形状の像や、表示されるべき像が複
数個、独立して存在し、立体像表示体中に離れて分散し
て存在する場合などでも描像時間を一定にできるという
効果が得られる。
【1074】本発明の請求項12に係る三次元立体像表
示装置は、請求項11記載のものであって、各レーザ光
ビームの交差点を三軸直交座標の第一軸方向に連続して
反復掃引するとともに、同時に第二軸方向に連続掃引
し、且つ第一軸方向の一回の掃引に対応した第二軸方向
の掃引距離を所定距離となし、よって一層の掃引面を形
成させ、ついで交差点を第三軸方向に所定距離だけ掃引
の後、第一軸方向および第二軸方向に同時に連続掃引し
てつぎの一層の掃引面を形成させ、以上の反復により複
数の掃引面が層状に重ねられた立体像表示領域を形成す
る構成である。
【1075】この結果、ライン状レーザ光ビームを用い
ることにより、三軸方向の高精細度の立体像の描像が可
能になる上、第一軸方向への連続掃引と同時に第二軸方
向に連続掃引することで、掃引機構の動作を連続にで
き、よって少なくとも第一軸方向と第二軸方向への掃引
機構の脈動動作を排除できて、掃引機構を簡素化できる
という利点がある。
【1076】本発明の請求項13に係る三次元立体像表
示装置は、請求項11記載のものであって、各レーザ光
ビームの交差点を三軸直交座標の第一軸方向および第二
軸方向および第三軸方向に同時に夫々所定距離だけ連続
掃引し、この掃引を反復して一層の掃引面を形成させ、
さらに前記の操作の反復により複数の掃引面が層状に重
ねられた立体像表示領域を形成する構成である。
【1077】従って、ライン状レーザ光ビームを用いる
ことにより、三軸方向の高精細度の立体像の描像が可能
になる上、第一軸方向への連続掃引と同時に第二軸方向
およb第三軸方向に連続掃引することで、掃引機構の動
作をすべて連続にでき、よって掃引機構の動作をすべて
連続にできることで、掃引機構をさらに簡素化できると
いう利点がある。とりわけ、掃引機構の間欠動作による
バックラッシュを小さくでき、安定した像を得ることが
可能になる。
【1078】本発明の請求項14に係る三次元立体像表
示装置は、請求項11乃至13記載のものであって三次
元立体像信号の種類を特定する信号または同期信号の周
期に基づき像の繰返し周期を検出し、該像の繰返し周期
及び立体像表示体の寸法に対応して第一軸方向、第二軸
方向、第三軸方向への所定掃引距離のうち少なくとも一
つの距離を変更することにより、形成される立体像表示
領域の寸法を所望値とするか、または三次元立体像信号
の繰返し周期に対応して立体像表示体内に形成される立
体像表示領域の寸法を変更することにより、各軸方向へ
の所定掃引距離を所望値とする精細度制御手段を備え
る。
【1079】この結果、繰り返し周期の長い三次元立体
像信号や、繰り返し周期の短い三次元立体像信号が入力
された際に、その周期に応じて掃引距離を変更すること
により、所定の表示領域に描像することができ、よって
形成される立体像表示領域の寸法を所望値とすることが
できる。
【1080】または、繰り返し周期の長い三次元立体像
信号や、繰り返し周期の短い三次元立体像信号が入力さ
れた際に、その周期に応じて立体像表示領域の寸法を変
更することにより、所定掃引距離で描画でき、よって描
像の精細度を所望値とすることができる。
【1081】本発明の請求項15に係る三次元立体像表
示方法は、二本のライン状レーザ光ビームを用い、少な
くとも一本を立体の表面または稜線に沿った三次元立体
像信号に基づいて光強度変調し、光路制御によりレーザ
光ビームの交差点における両レーザ光ビームが張る最小
角度θを 86°≦θ≦90° の範囲内に制御しつつ所定掃引距離だけ掃引し、また交
差位置に係る像歪みを補正し、照射により交差点上の呈
色材を呈色させて立体像の表示領域を立体像表示体内に
形成させ、三次元立体像信号の繰返し周期が異なる場合
に、三次元立体像信号の繰返し周期に対応して所定掃引
距離を変更することにより、三次元立体像の表示領域の
寸法を所望値とするか、または三次元立体像信号の繰返
し周期に対応して立体像の表示領域の寸法を変更するこ
とにより、所定掃引距離を所望値とするものである。
【1082】この結果、ライン状レーザ光ビームを用
い、しかも直交させることにより、高精細度の、且つ像
歪みのない立体像の描像が可能になる。さらに、立体の
表面または稜線に沿って掃引する構成であるから、掃引
は立体像のみにつき実行すればよく、よって立体像表示
体内の全ての位置を掃引する必要がないゆえ描像時間を
短縮できるという効果があり、動像の描像表示に有利で
ある。
【1083】さらに、周期の長い三次元立体像信号や、
繰り返し周期の短い三次元立体像信号が入力された際
に、その周期に応じて掃引距離を変更することにより、
形成される立体像の寸法を所望値とすることができる。
【1084】または、周期の長い三次元立体像信号や、
繰り返し周期の短い三次元立体像信号が入力された際
に、その周期に応じて立体像が表示される領域の寸法を
変更することにより、所定掃引距離で描画でき、よって
描像の精細度を所望値とすることができる。
【1085】本発明の請求項16に係る三次元立体像表
示装置は、レーザ発振器とその駆動回路を備え、二本の
ライン状レーザ光ビームを発射する光源と、表示対象立
体の表面または稜線に沿った三次元立体像信号に基づい
てレーザ発振器の出力か、または少なくとも一本のレー
ザ光ビームの光強度を変調する変調手段と、呈色材が三
次元方向に分布された立体像表示体と、光路制御により
両レーザ光ビームが前記立体像表示体中の前記各交差位
置において張る最小角度θを 86°≦θ≦90° の範囲内に制御しつつ所定掃引距離だけ掃引し、また交
差位置に係る像歪みを補正し、照射により交差点上の呈
色材を呈色させて三次元立体像の表示領域を立体像表示
体内に形成させる光路制御手段と、三次元立体像信号の
繰返し周期が異なる場合に、三次元立体像信号の繰返し
周期に対応して所定掃引距離を変更することにより、立
体像の表示領域の寸法を所望値とするか、または三次元
立体像信号の繰返し周期に対応して三次元立体像の表示
領域の寸法を変更することにより、所定掃引距離を所望
値とする精細度制御手段を備えるものである。
【1086】この結果、ライン状レーザ光ビームを用
い、しかも直交させることにより、高精細度の、且つ像
歪みのない三次元立体像の描像が可能になる。さらに、
立体の表面または稜線に沿って掃引する構成であるか
ら、光路制御手段は掃引を立体像のみにつき実行すれば
よく、よって立体像表示体内の全ての位置を掃引する必
要がないゆえ描像時間を短縮できるという効果があり、
動像の描像表示に有利である。
【1087】さらに、周期の長い三次元立体像信号や、
繰り返し周期の短い三次元立体像信号が入力された際
に、その周期に応じて精細度制御手段が掃引距離を変更
することにより、形成される三次元立体像の寸法を所望
値とすることができる。
【1088】または、周期の長い三次元立体像信号や、
繰り返し周期の短い三次元立体像信号が入力された際
に、精細度制御手段がその周期に応じて三次元立体像が
表示される領域の寸法を変更することにより、所定掃引
距離で描画でき、よって描像の精細度を所望値とするこ
とができる。
【1089】本発明の請求項17に係る三次元立体像表
示方法は、二本のライン状レーザ光ビームを用い、少な
くとも一本を三次元立体像信号に基づいて光強度変調
し、光路を制御してライン状レーザ光ビームの交差点に
おける両レーザ光ビームが張る最小角度のうちの少なく
とも一部の最小角度θを θ<86° の範囲内とし、また交差位置に係る像歪みを補正し、交
差点上の呈色材を照射して呈色させ、ついで各レーザ光
ビームの光路を掃引して、交差点を三軸直交座標の第一
軸方向に連続掃引し、該掃引後に第二軸方向に所定距離
だけ掃引の後、第一軸方向に連続掃引し、上記操作を反
復して一層の掃引面を形成させ、ついで交差点を第三軸
方向に所定距離だけ掃引の後、前記操作を反復してつぎ
の一層の掃引面を形成させ、以上の反復により複数の掃
引面が層状に重ねられた立体像表示領域を形成するもの
である。
【1090】この結果、ライン状レーザ光ビームを用い
ることにより、三軸方向の高精細度の、且つ像歪みのな
い三次元立体像の描像が可能になる。とりわけ、静止像
の描像と表示に適する。さらに、非直交で掃引する構成
であるから、各ライン状レーザ光ビームを同じ側から照
射でき、描像された三次元立体像の観察が広い位置から
可能となる。
【1091】また三軸方向へ掃引する構成であるから、
立体像表示体内の任意の位置のアクセスが高精度でなさ
れ、表示像への信頼度が向上するという効果がある。そ
の上、複数の掃引面が層状に重ねられた立体像表示領域
を形成することにより、複雑な形状の像や、表示される
べき像が複数個、独立して存在し、立体像表示体中に離
れて分散して存在する場合などでも描像時間を一定にで
きるという効果が得られる。
【1092】本発明の請求項18に係る三次元立体像表
示方法は、請求項17記載のものであって、各レーザ光
ビームの交差点を三軸直交座標の第一軸方向に連続して
反復掃引するとともに、同時に第二軸方向に連続掃引
し、且つ第一軸方向の一回の掃引に対応した第二軸方向
の掃引を所定距離だけおこない、よって一層の掃引面を
形成させ、該掃引面形成についで交差点を第三軸方向に
所定距離だけ掃引の後、第一軸方向および第二軸方向に
同時に連続掃引を反復してつぎの一層の掃引面を形成さ
せ、以上の反復により複数の掃引面が層状に重ねられた
立体像表示領域を形成するものである。
【1093】したがって、請求項17の効果で述べた三
軸方向の高精細度の立体像の描像や、広い位置からの立
体像の観察や、高精度アクセスや、描像時間を一定にで
きるという効果に加えて、第一軸方向への連続掃引と同
時に第二軸方向に連続掃引することで、掃引動作を連続
にでき、よって少なくとも第一軸方向と第二軸方向への
脈動動作を排除できて、掃引を簡素化できるという利点
がある。
【1094】本発明の請求項19に係る三次元立体像表
示方法は、請求項17記載のものであって、各レーザ光
ビームの光路を掃引して、交差点を三軸直交座標の第一
軸方向および第二軸方向および第三軸方向に同時に夫々
所定距離だけ連続掃引し、この掃引を反復して一層の掃
引面を形成させ、さらに前記の操作の反復により複数の
掃引面が層状に重ねられた立体像表示領域を形成するも
のである。
【1095】この結果、請求項17の効果で述べた三軸
方向の高精細度の立体像の描像や、広い位置からの立体
像の観察や、高精度アクセスや、描像時間を一定にでき
るという効果に加えて、第一軸方向への連続掃引と同時
に第二軸方向および第三軸方向に連続掃引することで、
掃引動作をすべて連続にでき、よって掃引をさらに簡素
化できるという利点がある。
【1096】本発明の請求項20に係る三次元立体像表
示方法は、請求項17乃至19記載のものであって、像
の繰返し周期が異なる三次元立体像信号が適用される場
合に、該三次元立体像信号の繰返し周期に対応して第一
軸方向、第二軸方向、第三軸方向への所定掃引距離のう
ち少なくとも一つの距離を変更することにより、形成さ
れる立体像表示領域の寸法を所望値とするか、または三
次元立体像信号の繰返し周期に対応して、形成される立
体像表示領域の寸法を変更することにより、各軸方向へ
の所定掃引距離を所望値とするものである。
【1097】この結果、請求項17〜19で述べた効果
に加えて、繰り返し周期の長い三次元立体像信号や、繰
り返し周期の短い三次元立体像信号が入力された際に、
その周期に応じて掃引距離を変更することにより、所定
の表示領域に描像することができ、よって形成される立
体像表示領域の寸法を所望値とすることができる。
【1098】または、繰り返し周期の長い三次元立体像
信号や、繰り返し周期の短い三次元立体像信号が入力さ
れた際に、その周期に応じて立体像表示領域の寸法を変
更することにより、所定掃引距離で描画でき、よって描
像の精細度を所望値とすることができる。
【1099】本発明の請求項21に係る三次元立体像表
示装置は、レーザ発振器とその駆動回路を備え、二本の
ライン状レーザ光ビームを発射する光源と、三次元立体
像信号に基づいてレーザ発振器の出力か、または少なく
とも一本のレーザ光ビームの光強度を変調する変調手段
と、呈色材が三次元方向に分布された立体像表示体と、
光路を制御して両レーザ光ビームが立体像表示体中の各
交差位置において張る最小角度のうちの少なくとも一部
の最小角度θをθ<86°の範囲内としつつ交差位置を
移動させ、また交差位置に係る像歪みを補正する掃引機
能を備える光路制御手段とを備え、光路制御手段は交差
位置を三軸直交座標の第一軸方向に連続掃引し、該掃引
後に第二軸方向に所定距離だけ掃引の後、第一軸方向に
連続掃引し、上記操作を反復して掃引面を一層形成さ
せ、ついで交差位置を第三軸方向に所定距離だけ掃引の
後、前記操作を反復して掃引面を一層形成させ、以上の
反復により複数の掃引面が層状に重ねられた立体像表示
領域を形成する構成である。
【1100】前記のようにライン状レーザ光ビームを用
いて光路制御手段が掃引することにより、三軸方向の高
精細度の、且つ像歪みのない立体像の描像が可能にな
る。とりわけ、静止像の描像と表示に適する。さらに、
二本のライン状レーザ光ビームを非直交の状態として光
路制御手段が掃引する構成であるから、各ライン状レー
ザ光ビームの光源等を立体像表示体の同じ面側に集中し
て設置でき、よって光源等の障害がなく広い位置からの
描像された立体像の観察が可能となる。
【1101】また光路制御手段が三軸方向へ掃引する構
成であるから、立体像表示体内の任意の位置のアクセス
が高精度ででき、表示像への信頼度が向上するという効
果がある。その上、複数の掃引面が層状に重ねられた立
体像表示領域を形成することにより、複雑な形状の像
や、表示されるべき像が複数個、独立して存在し、立体
像表示体中に離れて分散して存在する場合などでも描像
時間を一定にできるという効果が得られる。
【1102】本発明の請求項22に係る三次元立体像表
示装置は、請求項21記載のものであって、各レーザ光
ビームの交差点を三軸直交座標の第一軸方向に連続して
反復掃引するとともに、同時に第二軸方向に連続掃引
し、且つ第一軸方向の一回の掃引に対応した第二軸方向
の掃引距離を所定距離となし、よって一層の掃引面を形
成させ、ついで交差点を第三軸方向に所定距離だけ掃引
の後、第一軸方向および第二軸方向に同時に連続掃引し
てつぎの一層の掃引面を形成させ、以上の反復により複
数の掃引面が層状に重ねられた立体像表示領域を形成す
るものである。
【1103】この結果、請求項21の効果で述べた三軸
方向の高精細度の立体像の描像や、広い位置からの立体
像の観察や、高精度アクセスや、描像時間を一定にでき
るという効果に加えて、第一軸方向への連続掃引と同時
に第二軸方向に連続掃引することで、掃引動作を連続に
でき、よって少なくとも第一軸方向と第二軸方向への脈
動動作を排除できて、掃引機構を簡素化できるという利
点がある。
【1104】本発明の請求項23に係る三次元立体像表
示装置は、請求項21記載のものであって、各レーザ光
ビームの交差点を三軸直交座標の第一軸方向および第二
軸方向および第三軸方向に同時に夫々所定距離だけ連続
掃引し、この掃引を反復して一層の掃引面を形成させ、
さらに前記の操作の反復により複数の掃引面が層状に重
ねられた立体像表示領域を形成する構成である。
【1105】これにより、請求項21の効果で述べた三
軸方向の高精細度の立体像の描像や、広い位置からの立
体像の観察や、高精度アクセスや、描像時間を一定にで
きるという効果に加えて、第一軸方向への連続掃引と同
時に第二軸方向および第三軸方向に連続掃引すること
で、掃引動作をすべて連続にでき、よって掃引機構をさ
らに簡素化できるという利点がある。
【1106】本発明の請求項24に係る三次元立体像表
示装置は、請求項21乃至23記載のものであって、三
次元立体像信号の種類を特定する信号または同期信号の
周期に基づき像の繰返し周期を検出し、該像の繰返し周
期及び立体像表示体の寸法に対応して第一軸方向、第二
軸方向、第三軸方向への所定掃引距離のうち少なくとも
一つの距離を変更することにより、形成される立体像表
示領域の寸法を所望値とするか、または三次元立体像信
号の繰返し周期に対応して立体像表示体内に形成される
立体像表示領域の寸法を変更することにより、各軸方向
への所定掃引距離を所望値とする精細度制御手段を備え
る。
【1107】これにより、請求項21〜23で述べた効
果に加えて、繰り返し周期の長い三次元立体像信号や、
繰り返し周期の短い三次元立体像信号が入力された際
に、その周期に応じて掃引距離を変更することにより、
所定の表示領域に描像することができ、よって形成され
る立体像表示領域の寸法を所望値とすることができる。
【1108】または、繰り返し周期の長い三次元立体像
信号や、繰り返し周期の短い三次元立体像信号が入力さ
れた際に、その周期に応じて立体像表示領域の寸法を変
更することにより、所定掃引距離で描画でき、よって描
像の精細度を所望値とすることができる。
【1109】本発明の請求項25に係る三次元立体像表
示方法は、二本のライン状レーザ光ビームを用い、少な
くとも一本を立体の表面または稜線に沿った三次元立体
像信号に基づいて光強度変調し、光路制御によりレーザ
光ビームの交差点における両レーザ光ビームが張る張る
最小角度のうちの少なくとも一部の最小角度θを θ<86° の範囲内に制御しつつ所定掃引距離だけ掃引し、また交
差位置に係る像歪みを補正し、照射により交差点上の呈
色材を呈色させて立体像の表示領域を立体像表示体内に
形成させ、三次元立体像信号の繰返し周期が異なる場合
に、三次元立体像信号の繰返し周期に対応して所定掃引
距離を変更することにより、三次元立体像の表示領域の
寸法を所望値とするか、または三次元立体像信号の繰返
し周期に対応して三次元立体像の表示領域の寸法を変更
することにより、所定掃引距離を所望値とするものであ
る。
【1110】この結果、ライン状レーザ光ビームを用い
ることで、高精細度の、且つ像歪みのない立体像の描像
が可能になる。さらに非直交で掃引する構成であるか
ら、各ライン状レーザ光ビームを同じ側から照射でき、
よって描像された三次元立体像の観察位置を広くするこ
とが可能となる。また、各ライン状レーザ光ビームを三
軸方向に平行に整列させる必要がなく、よって光学系を
簡素化できる。
【1111】さらに、立体の表面または稜線に沿って掃
引する構成であるから、掃引は三次元立体像のみにつき
実行すればよく、よって立体像表示体内の全ての位置を
掃引する必要がないゆえ描像時間を短縮できるという効
果があり、動像の描像表示に有利である。
【1112】さらに、周期の長い三次元立体像信号や、
繰り返し周期の短い三次元立体像信号が入力された際
に、その周期に応じて掃引距離を変更することにより、
形成される立体像の寸法を所望値とすることができる。
【1113】または、周期の長い三次元立体像信号や、
繰り返し周期の短い三次元立体像信号が入力された際
に、その周期に応じて三次元立体像が表示される領域の
寸法を変更することにより、所定掃引距離で描画でき、
よって描像の精細度を所望値とすることができる。
【1114】本発明の請求項26に係る三次元立体像表
示装置は、レーザ発振器とその駆動回路を備え、二本の
ライン状レーザ光ビームを発射する光源と、表示対象立
体の表面または稜線に沿った三次元立体像信号に基づい
てレーザ発振器の出力か、または少なくとも一本のレー
ザ光ビームの光強度を変調する変調手段と、呈色材が三
次元方向に分布された立体像表示体と、光路制御により
両レーザ光ビームが前記立体像表示体中の前記各交差位
置において張る最小角度のうちの少なくとも一部の最小
角度θを θ<86° の範囲内に制御しつつ所定掃引距離だけ掃引し、また交
差位置に係る像歪みを補正し、照射により交差点上の呈
色材を呈色させて三次元立体像の表示領域を立体像表示
体内に形成させる光路制御手段と、三次元立体像信号の
繰返し周期が異なる場合に、三次元立体像信号の繰返し
周期に対応して所定掃引距離を変更することにより、三
次元立体像の表示領域の寸法を所望値とするか、または
三次元立体像信号の繰返し周期に対応して立体像の表示
領域の寸法を変更することにより、所定掃引距離を所望
値とする精細度制御手段を備えるものである。
【1115】この結果、ライン状レーザ光ビームを用い
ることで、高精細度の、且つ像歪みのない三次元立体像
の描像が可能になる。さらに、非直交で掃引する構成で
あるから、各ライン状レーザ光ビームの光源等を立体像
表示体の同じ面側に集中して設置でき、よって光源等の
障害がなく広い位置からの描像された三次元立体像の観
察が可能となる。また、各ライン状レーザ光ビームを三
軸方向に平行に整列させる必要がなく、よって光学系を
簡素化できる。
【1116】さらに、立体の表面または稜線に沿って掃
引する構成であるから、掃引は三次元立体像のみにつき
実行すればよく、よって立体像表示体内の全ての位置を
掃引する必要がないゆえ描像時間を短縮できるという効
果があり、動像の描像表示に有利である。
【1117】さらに、周期の長い三次元立体像信号や、
繰り返し周期の短い三次元立体像信号が入力された際
に、その周期に応じて掃引距離を変更することにより、
形成される三次元立体像の寸法を所望値とすることがで
きる。
【1118】または、周期の長い三次元立体像信号や、
繰り返し周期の短い三次元立体像信号が入力された際
に、その周期に応じて三次元立体像が表示される領域の
寸法を変更することにより、所定掃引距離で描画でき、
よって描像の精細度を所望値とすることができる。
【1119】本発明の請求項27に係る三次元立体像表
示方法は、帯状レーザ光ビーム及びライン状レーザ光ビ
ームを直交させ、少なくとも一方を三次元立体像信号に
基づいて光強度変調し、各レーザ光ビームの光路を制御
して、ライン状レーザ光ビームが帯状レーザ光ビームに
よって光路方向に形成される帯状平面と同一平面上にあ
り、且つ帯状レーザ光ビームを貫いて交差するように
し、また交差位置に係る像歪みを補正し、交差部分が呈
色材を照射して発色または着色させ、ついで交差部分を
帯状レーザ光ビームの光路方向と、さらに該光路方向及
びライン状レーザ光ビームの光路方向または光路と逆方
向に対し直角方向に、夫々所定距離だけ掃引して多層の
掃引面を形成させ、よって複数の掃引面が層状に重ねら
れた立体像表示領域を前記立体像表示体の内部に形成さ
せるものである。
【1120】したがって、帯状レーザ光ビームは断面で
ある一次元方向に同時に像を形成するから、帯状レーザ
光ビームは一軸方向への掃引のみでよく、その掃引周期
を長くでき、よって掃引を簡素化できる。
【1121】また、ライン状レーザ光ビームが帯状レー
ザ光ビームによって光路方向に形成される帯状平面と同
一平面上にあり、且つ帯状レーザ光ビームを貫いて交差
する構成となるから、このレーザ光ビームは二軸方向へ
の掃引のみでよく、よって掃引の簡素化が可能になる。
従ってとりわけ、動像の描像と表示に適する。
【1122】このように、直交三軸方向へ位置設定する
構成であるから、立体像表示体内の任意の位置のアクセ
スが高精度でなされ、表示像への信頼度が向上し、且つ
像歪みのない表示ができるという効果がある。
【1123】その上、複数の掃引面が層状に重ねられた
立体像表示領域を形成することにより、複雑な形状の像
や、表示されるべき像が複数個、独立して存在し、立体
像表示体中に離れて分散して存在する場合などでも描像
時間を一定にできるという効果が得られる。
【1124】本発明の請求項28に係る三次元立体像表
示方法は、請求項27記載のものであって、像の繰返し
周期が異なる三次元立体像信号が適用される場合に、該
三次元立体像信号の繰返し周期に対応して、帯状レーザ
光ビームの光路方向への所定掃引距離と、さらに該光路
方向及びライン状レーザ光ビームの光路方向または光路
と逆方向に対し直角方向への所定掃引距離のうち、少な
くとも一方を変更することにより、形成される立体像表
示領域の寸法を所望値とするか、または三次元立体像信
号の繰返し周期に対応して、形成される立体像表示領域
の寸法を変更することにより、各所定掃引距離の少なく
とも一方を所望値とするものである。
【1125】これにより、繰り返し周期の長い三次元立
体像信号や、繰り返し周期の短い三次元立体像信号が入
力された際に、その周期に応じて掃引距離を変更するこ
とにより、所定の表示領域に描像することができ、よっ
て形成される立体像表示領域の寸法を所望値とすること
ができる。
【1126】または、繰り返し周期の長い三次元立体像
信号や、繰り返し周期の短い三次元立体像信号が入力さ
れた際に、その周期に応じて立体像表示領域の寸法を変
更することにより、所定掃引距離で描画でき、よって描
像の精細度を所望値とすることができる。
【1127】本発明の請求項29に係る三次元立体像表
示装置は、レーザ発振器とその駆動回路を備え、帯状レ
ーザ光ビームとライン状レーザ光ビームを発射する光源
と、三次元立体像信号に基づいてレーザ発振器の出力
か、または少なくとも一方のレーザ光ビームの光強度を
変調する変調手段と、呈色材が三次元方向に分布された
立体像表示体と、各レーザ光ビームの光路を制御して立
体像表示体中の所望の位置において交差させ、交差位置
を掃引し、且つ交差位置に係る像歪みを補正する機能の
光路制御手段とを備え、光路制御手段は、ライン状レー
ザ光ビームが帯状レーザ光ビームによって光路方向に形
成される帯状平面と同一平面上にあり、且つ帯状レーザ
光ビームを貫いて交差するよう制御するとともに、交差
部分を帯状レーザ光ビームの光路方向と、さらに該光路
方向及びライン状レーザ光ビームの光路方向または光路
と逆方向に対し直角方向に、夫々所定距離だけ掃引して
複数の掃引面を形成させ、よって複数の掃引面が層状に
重ねられた立体像表示領域を立体像表示体の内部に形成
させる構成である。
【1128】帯状レーザ光ビームは断面である一次元方
向に同時に像を形成するから、したがって帯状レーザ光
ビームは一軸方向への掃引のみでよく、その掃引周期を
長くでき、よって掃引の簡素化が可能になる。
【1129】また、ライン状レーザ光ビームが帯状レー
ザ光ビームによって光路方向に形成される帯状平面と同
一平面上にあり、且つ帯状レーザ光ビームを貫いて交差
する構成となるから、このレーザ光ビームは二軸方向へ
の掃引のみでよく、よって掃引機構を簡素に構成でき
る。従ってとりわけ、動像の描像と表示に適する。
【1130】このように、直交三軸方向へ位置設定する
構成であるから、立体像表示体内の任意の位置のアクセ
スが高精度でなされ、表示像への信頼度が向上する上、
像歪みのない表示ができるという効果がある。
【1131】その上、複数の掃引面が層状に重ねられた
立体像表示領域を形成することにより、複雑な形状の像
や、表示されるべき像が複数個、独立して存在し、立体
像表示体中に離れて分散して存在する場合などでも描像
時間を一定にできるという効果が得られる。
【1132】本発明の請求項30に係る三次元立体像表
示装置は、請求項29記載のものであって、三次元立体
像信号の種類を特定する信号または同期信号の周期に基
づき像の繰返し周期を検出し、該像の繰返し周期及び立
体像表示体の寸法に対応して帯状レーザ光ビームの光路
方向への所定掃引距離と、該光路方向及びライン状レー
ザ光ビームの光路方向または光路と逆方向に対し直角方
向への所定掃引距離のうち、少なくとも一方を変更する
ことにより、形成される立体像表示領域の寸法を所望値
とするか、または三次元立体像信号の繰返し周期に対応
して、立体像表示体内に形成される立体像表示領域の寸
法を変更することにより、所定掃引距離のうち少なくと
も一つを所望値とする精細度制御手段を備える。
【1133】この結果、繰り返し周期の長い三次元立体
像信号や、繰り返し周期の短い三次元立体像信号が入力
された際に、その周期に応じて精細度制御手段が掃引距
離を変更することにより、所定の表示領域に描像するこ
とができ、よって形成される立体像表示領域の寸法を所
望値とすることができる。
【1134】または、繰り返し周期の長い三次元立体像
信号や、繰り返し周期の短い三次元立体像信号が入力さ
れた際に、その周期に応じて精細度制御手段が立体像表
示領域の寸法を変更することにより、所定掃引距離で描
画でき、よって描像の精細度を所望値とすることができ
る。
【1135】本発明の請求項31に係る三次元立体像表
示方法は、帯状レーザ光ビーム及びライン状レーザ光ビ
ームを直交させ、少なくとも一方を三次元立体像信号に
基づいて光強度変調し、光路制御によりライン状レーザ
光ビームが帯状レーザ光ビームによって光路方向に形成
される帯状平面と鉛直方向に該帯状レーザ光ビームを貫
いて交差するようにし、また交差位置に係る像歪みを補
正し、該交差点上の呈色材を照射して呈色させ、ついで
交差点を帯状レーザ光ビームを横切る方向に掃引して一
次元像を形成し、交差点を少なくとも帯状レーザ光ビー
ムの光路方向に所定距離だけ移動後に、または移動させ
つつ掃引を反復して一次元像の集合で成る一層の掃引面
を形成させ、且つ交差点を帯状レーザ光ビームの帯状平
面と鉛直方向に所定距離だけ移動後に、または移動させ
つつ掃引を反復して掃引面の集合で成る立体表示領域を
立体像表示体の内部に形成させるものである。
【1136】したがって、帯状レーザ光ビームは断面で
ある一次元方向に同時に像を形成するから、帯状レーザ
光ビームは一軸方向への掃引のみでよく、その掃引周期
を長くでき、よって掃引の簡素化が可能になる。
【1137】このように、直交三軸方向へ位置設定する
構成であるから、立体像表示体内の任意の位置のアクセ
スが高精度でなされ、表示像への信頼度が向上する上、
像歪みのない表示ができるという効果がある。
【1138】その上、複数の掃引面が層状に重ねられた
立体像表示領域を形成することにより、複雑な形状の像
や、表示されるべき像が複数個、独立して存在し、立体
像表示体中に離れて分散して存在する場合などでも描像
時間を一定にできるという効果が得られる。
【1139】本発明の請求項32に係る三次元立体像表
示方法は、請求項31記載のものであって、像の繰返し
周期が異なる三次元立体像信号が適用される場合に、該
三次元立体像信号の繰返し周期に対応して帯状レーザ光
ビームの光路方向への所定移動距離と、帯状レーザ光ビ
ームの帯状平面と鉛直方向への所定移動距離のうち少な
くとも一方を変更することにより、形成される前記立体
像表示領域の寸法を所望値とするか、または三次元立体
像信号の繰返し周期に対応して、形成される立体像表示
領域の寸法を変更することにより、各所定移動距離の少
なくとも一方を所望値とするものである。
【1140】したがって、繰り返し周期の長い三次元立
体像信号や、繰り返し周期の短い三次元立体像信号が入
力された際に、その周期に応じて掃引距離を変更するこ
とにより、所定の表示領域に描像することができ、よっ
て形成される立体像表示領域の寸法を所望値とすること
ができる。
【1141】または、繰り返し周期の長い三次元立体像
信号や、繰り返し周期の短い三次元立体像信号が入力さ
れた際に、その周期に応じて立体像表示領域の寸法を変
更することにより、所定掃引距離で描画でき、よって描
像の精細度を所望値とすることができる。
【1142】本発明の請求項33に係る三次元立体像表
示装置は、レーザ発振器とその駆動回路を備え、帯状レ
ーザ光ビームとライン状レーザ光ビームを発射する光源
と、三次元立体像信号に基づいてレーザ発振器の出力
か、または少なくとも一方レーザ光ビームの光強度を変
調する変調手段と、呈色材が三次元方向に分布された立
体像表示体と、各レーザ光ビームの光路を制御して、ラ
イン状レーザ光ビームが帯状レーザ光ビームによって光
路方向に形成される帯状平面に鉛直に該帯状レーザ光ビ
ームを貫いて交差するよう制御するとともに、交差点を
帯状レーザ光ビームを横切る方向に掃引して一次元像を
形成させ、交差点を少なくとも帯状レーザ光ビームの光
路方向に所定距離だけ移動後に、または移動させつつ掃
引を反復して一次元像の集合で成る一層の掃引面を形成
させ、且つ交差点を帯状レーザ光ビームの帯状平面と鉛
直方向に所定距離だけ移動後に、または移動させつつ掃
引を反復して掃引面の集合で成る立体表示領域を立体像
表示体の内部に形成させ、且つ交差位置に係る像歪みを
補正する光路制御手段を備えるものである。
【1143】したがって、帯状レーザ光ビームは断面で
ある一次元方向に同時に像を形成するから、帯状レーザ
光ビームは一軸方向への掃引のみでよく、その掃引周期
を長くでき、よって光路制御手段の掃引機構の簡素化が
可能になる。
【1144】このように、直交三軸方向へ位置設定する
構成であるから、立体像表示体内の任意の位置のアクセ
スが高精度でなされ、表示像への信頼度が向上する上、
像歪みのない表示ができるという効果がある。
【1145】その上、複数の掃引面が層状に重ねられた
立体像表示領域を形成することにより、複雑な形状の像
や、表示されるべき像が複数個、独立して存在し、立体
像表示体中に離れて分散して存在する場合などでも描像
時間を一定にできるという効果が得られる。
【1146】本発明の請求項34に係る三次元立体像表
示装置は、請求項33記載のものであって、三次元立体
像信号の種類を特定する信号または同期信号の周期に基
づき像の繰返し周期を検出し、該像の繰返し周期及び立
体像表示体の寸法に対応して、帯状レーザ光ビームの光
路方向への所定移動距離と、帯状レーザ光ビームの帯状
平面と鉛直方向への所定移動距離とのうち少なくとも一
方を変更することにより、形成される立体像表示領域の
寸法を所望値とするか、または三次元立体像信号の繰返
し周期に対応して立体像表示体内に形成される立体像表
示領域の寸法を変更することにより、所定移動距離のう
ち少なくとも一方を所望値とする精細度制御手段を備え
るものである。
【1147】この結果、繰り返し周期の長い三次元立体
像信号や、繰り返し周期の短い三次元立体像信号が入力
された際に、その周期に応じて精細度制御手段が掃引距
離を変更することにより、所定の表示領域に描像するこ
とができ、よって形成される立体像表示領域の寸法を所
望値とすることができる。
【1148】または、繰り返し周期の長い三次元立体像
信号や、繰り返し周期の短い三次元立体像信号が入力さ
れた際に、その周期に応じて精細度制御手段が立体像表
示領域の寸法を変更することにより、所定掃引距離で描
画でき、よって描像の精細度を所望値とすることができ
る。
【1149】本発明の請求項35に係る三次元立体像表
示方法は、帯状レーザ光ビーム及びライン状レーザ光ビ
ームを少なくとも用い、少なくとも一方を立体の表面ま
たは稜線に沿った三次元立体像信号に基づいて光強度変
調し、光路制御によりライン状レーザ光ビームが帯状レ
ーザ光ビームによって光路方向に形成される帯状平面と
鉛直方向に該帯状レーザ光ビームを貫いて交差するよう
にし、照射により交差部分上の呈色材を呈色させつつ所
定掃引距離だけ掃引して立体像の表示領域を立体像表示
体内に形成させ、また交差位置に係る像歪みを補正し、
三次元立体像信号の繰返し周期が異なる場合に、三次元
立体像信号の繰返し周期に対応して所定掃引距離を変更
することにより、三次元立体像の表示領域の寸法を所望
値とするか、または三次元立体像信号の繰返し周期に対
応して三次元立体像の表示領域の寸法を変更することに
より、所定掃引距離を所望値とするものである。
【1150】帯状レーザ光ビームは断面である一次元方
向に同時に像を形成するから、したがって帯状レーザ光
ビームは一軸方向への掃引のみでよく、その掃引周期を
長くでき、よって掃引を簡素化できる。またライン状レ
ーザ光ビームを用い、しかも直交させることにより、高
精細度の、且つ像歪みのない立体像の描像が可能にな
る。
【1151】さらに、立体の表面または稜線に沿って掃
引する構成であるから、掃引は立体像のみにつき実行す
ればよく、よって立体像表示体内の全ての位置を掃引す
る必要がないゆえ描像時間を短縮できるという効果があ
り、動像の描像表示に有利である。
【1152】さらに、周期の長い三次元立体像信号や、
繰り返し周期の短い三次元立体像信号が入力された際
に、その周期に応じて掃引距離を変更することにより、
形成される三次元立体像の寸法を所望値とすることがで
きる。
【1153】または、周期の長い三次元立体像信号や、
繰り返し周期の短い三次元立体像信号が入力された際
に、その周期に応じて三次元立体像が表示される領域の
寸法を変更することにより、所定掃引距離で描画でき、
よって描像の精細度を所望値とすることができる。
【1154】本発明の請求項36に係る三次元立体像表
示装置は、レーザ発振器とその駆動回路を備え、帯状レ
ーザ光ビームとライン状レーザ光ビームを発射する光源
と、表示対象立体の表面または稜線に沿った三次元立体
像信号に基づいてレーザ発振器の出力か、または少なく
とも一方のレーザ光ビームの光強度を変調する変調手段
と、呈色材が三次元方向に分布された立体像表示体と、
光路制御によりライン状レーザ光ビームが帯状レーザ光
ビームによって光路方向に形成される帯状平面と鉛直方
向に該帯状レーザ光ビームを貫いて交差するようにし、
照射により交差部分上の呈色材を呈色させつつ所定掃引
距離だけ掃引して立体像の表示領域を立体像表示体内に
形成させ、また交差位置に係る像歪みを補正する光路制
御手段とを備え、さらに三次元立体像信号の繰返し周期
が異なる場合に、三次元立体像信号の繰返し周期に対応
して所定掃引距離を変更することにより、三次元立体像
の表示領域の寸法を所望値とするか、または三次元立体
像信号の繰返し周期に対応して三次元立体像の表示領域
の寸法を変更することにより、所定掃引距離を所望値と
する精細度制御手段を備えるものである。
【1155】帯状レーザ光ビームは断面である一次元方
向に同時に像を形成するから、したがって帯状レーザ光
ビームは一軸方向への掃引のみでよく、その掃引周期を
長くでき、よって光路制御手段の掃引機構を簡素化でき
る。また、ライン状レーザ光ビームを用い、しかも直交
させることにより、高精細度の、且つ像歪みのない立体
像の描像が可能になる。
【1156】さらに、立体の表面または稜線に沿って掃
引する構成であるから、光路制御手段は掃引を立体像の
みにつき実行すればよく、よって立体像表示体内の全て
の位置を掃引する必要がないゆえ描像時間を短縮できる
という効果があり、動像の描像表示に有利である。
【1157】さらに、周期の長い三次元立体像信号や、
繰り返し周期の短い三次元立体像信号が入力された際
に、その周期に応じて精細度制御手段が掃引距離を変更
することにより、形成される三次元立体像の寸法を所望
値とすることができる。
【1158】または、周期の長い三次元立体像信号や、
繰り返し周期の短い三次元立体像信号が入力された際
に、精細度制御手段がその周期に応じて三次元立体像が
表示される領域の寸法を変更することにより、所定掃引
距離で描画でき、よって描像の精細度を所望値とするこ
とができる。
【1159】本発明の請求項37に係る三次元立体像表
示方法は、帯状レーザ光ビーム及びライン状レーザ光ビ
ームを用い、少なくとも一方を三次元立体像信号に基づ
いて光強度変調し、ライン状レーザ光ビームが帯状レー
ザ光ビームによって光路方向に形成される帯状平面に θ<86° の範囲にある角度θで交差するよう光路制御し、照射に
より交差点上の呈色材を呈色させ、また交差位置に係る
像歪みを補正し、ついで交差点を帯状レーザ光ビームを
横切る方向に掃引して一次元像を形成し、交差点を少な
くとも帯状レーザ光ビームの光路方向に所定距離だけ移
動後に、または移動させつつ掃引を反復して一次元像の
集合で成る一層の掃引面を形成させ、且つ交差点を帯状
レーザ光ビームの帯状平面と鉛直方向に所定距離だけ移
動後に、または移動させつつ掃引を反復して掃引面の集
合で成る立体表示領域を立体像表示体の内部に形成させ
るものである。
【1160】この結果、帯状レーザ光ビーム及びライン
状レーザ光ビームを所定距離だけ移動し、または移動さ
せつつ掃引することにより、三軸方向の高精細度の、且
つ像歪みのない立体像の描像が可能になる。
【1161】また、帯状レーザ光ビームは断面である一
次元方向に同時に像を形成するから、帯状レーザ光ビー
ムは一軸方向への掃引のみでよく、その掃引周期を長く
でき、よって掃引を簡素化できる。
【1162】さらに、非直交で掃引する構成であるか
ら、各レーザ光ビームを同じ側から照射でき、描像され
た立体像の観察が広い位置から可能となる。
【1163】また、直交三軸方向へ位置設定する構成で
あるから、立体像表示体内の任意の位置のアクセスが高
精度でなされ、立体像の表示精度が向上するという効果
がある。
【1164】その上、複数の掃引面が層状に重ねられた
立体像表示領域を形成することにより、複雑な形状の像
や、表示されるべき像が複数個、独立して存在し、立体
像表示体中に離れて分散して存在する場合などでも描像
時間を一定にできるという効果が得られる。
【1165】本発明の請求項38に係る三次元立体像表
示方法は、請求項37記載のものであって、像の繰返し
周期が異なる三次元立体像信号が適用される場合に、該
三次元立体像信号の繰返し周期に対応して帯状レーザ光
ビームの光路方向への所定移動距離と、帯状レーザ光ビ
ームの帯状平面と鉛直方向への所定移動距離のうち少な
くとも一方を変更することにより、形成される立体像表
示領域の寸法を所望値とするか、または三次元立体像信
号の繰返し周期に対応して、形成される立体像表示領域
の寸法を変更することにより、各所定移動距離の少なく
とも一方を所望値とするものである。
【1166】この結果、請求項37で述べた効果に加え
て、繰り返し周期の長い三次元立体像信号や、繰り返し
周期の短い三次元立体像信号が入力された際に、その周
期に応じて掃引距離を変更することにより、所定の表示
領域に描像することができ、よって形成される立体像表
示領域の寸法を所望値とすることができる。
【1167】または、繰り返し周期の長い三次元立体像
信号や、繰り返し周期の短い三次元立体像信号が入力さ
れた際に、その周期に応じて立体像表示領域の寸法を変
更することにより、所定掃引距離で描画でき、よって描
像の精細度を所望値とすることができる。
【1168】本発明の請求項39に係る三次元立体像表
示装置は、レーザ発振器とその駆動回路を備え、帯状レ
ーザ光ビームとライン状レーザ光ビームを発射する光源
と、三次元立体像信号に基づいてレーザ発振器の出力
か、または少なくとも一方のレーザ光ビームの光強度を
変調する変調手段と、呈色材が三次元方向に分布された
立体像表示体と、ライン状レーザ光ビームが、帯状レー
ザ光ビームによって光路方向に形成される帯状平面に θ<86° の範囲にある角度θで交差するよう光路制御するととも
に、交差点を帯状レーザ光ビームを横切る方向に掃引し
て一次元像を形成させ、交差点を少なくとも帯状レーザ
光ビームの光路方向に所定距離だけ移動後に、または移
動させつつ掃引を反復して一次元像の集合で成る一層の
掃引面を形成させ、且つ交差点を帯状レーザ光ビームの
帯状平面と鉛直方向に所定距離だけ移動後に、または移
動させつつ掃引を反復して掃引面の集合で成る立体表示
領域を立体像表示体の内部に形成させ、且つ交差位置に
係る像歪みを補正する光路制御手段とを備える。
【1169】光路制御手段が前記のように帯状レーザ光
ビームとライン状レーザ光ビームを掃引することによ
り、三軸方向の高精細度の、且つ像歪みのない立体像の
描像が可能になる。また、帯状レーザ光ビームは断面で
ある一次元方向に同時に像を形成するから、帯状レーザ
光ビームは一軸方向への掃引のみでよく、その掃引周期
を長くでき、よって光路制御手段の掃引機構を簡素化で
きる。
【1170】さらに、二本のレーザ光ビームを非直交の
状態として光路制御手段が掃引する構成であるから、各
レーザ光ビームの光源等を立体像表示体の同じ面側に集
中して設置でき、よって光源等の障害がなく広い位置か
らの描像された立体像の観察が可能となる。
【1171】また光路制御手段によって直交三軸方向へ
位置設定する構成であるから、立体像表示体内の任意の
位置のアクセスが高精度ででき、立体像の表示精度が向
上するという効果がある。その上、複数の掃引面が層状
に重ねられた立体像表示領域を形成することにより、複
雑な形状の像や、表示されるべき像が複数個、独立して
存在し、立体像表示体中に離れて分散して存在する場合
などでも描像時間を一定にできるという効果が得られ
る。
【1172】本発明の請求項40に係る三次元立体像表
示装置は、請求項39記載のものであって、三次元立体
像信号の種類を特定する信号または同期信号の周期に基
づき像の繰返し周期を検出し、該像の繰返し周期及び立
体像表示体の寸法に対応して帯状レーザ光ビームの光路
方向への所定移動距離と、帯状レーザ光ビームの帯状平
面と鉛直方向への所定移動距離のうち少なくとも一方を
変更することにより、形成される立体像表示領域の寸法
を所望値とするか、または三次元立体像信号の繰返し周
期に対応して、立体像表示体内に形成される立体像表示
領域の寸法を変更することにより、所定移動距離のうち
少なくとも一方を所望値とする精細度制御手段を備える
ものである。
【1173】この結果、繰り返し周期の長い三次元立体
像信号や、繰り返し周期の短い三次元立体像信号が入力
された際に、その周期に応じて精細度制御手段が掃引距
離を変更することにより、所定の表示領域に描像するこ
とができ、よって形成される立体像表示領域の寸法を所
望値とすることができる。
【1174】または、繰り返し周期の長い三次元立体像
信号や、繰り返し周期の短い三次元立体像信号が入力さ
れた際に、その周期に応じて精細度制御手段が立体像表
示領域の寸法を変更することにより、所定掃引距離で描
画でき、よって描像の精細度を所望値とすることができ
る。
【1175】本発明の請求項41に係る三次元立体像表
示方法は、帯状レーザ光ビーム及びライン状レーザ光ビ
ームを用い、少なくとも何れか一本を、立体の表面また
は稜線に沿った三次元立体像信号に基づいて光強度変調
し、ライン状レーザ光ビームが帯状レーザ光ビームによ
って光路方向に形成される帯状平面に θ<86° の範囲にある角度θで交差するよう光路を制御し、交差
点が呈色材を照射して呈色させ、また交差位置に係る像
歪みを補正し、交差点を三次元立体像信号に基づき所定
掃引距離だけ掃引して、表面または稜線に沿う立体像の
表示領域を立体像表示体内に形成させ、三次元立体像信
号の繰返し周期に対応して所定掃引距離を変更すること
により、三次元立体像の表示領域の寸法を所望値とする
か、または三次元立体像信号の繰返し周期に対応して三
次元立体像の表示領域の寸法を変更することにより、所
定掃引距離を所望値とする。
【1176】この結果、帯状レーザ光ビーム及びライン
状レーザ光ビームを所定掃引距離だけ掃引することで、
高精細度の、且つ像歪みのない三次元立体像の描像が可
能になる。また、帯状レーザ光ビームは断面である一次
元方向に同時に像を形成するから、帯状レーザ光ビーム
は一軸方向への掃引のみでよく、その掃引周期を長くで
き、よって掃引を簡素化できる。
【1177】さらに非直交で掃引する構成であるから、
各レーザ光ビームを同じ側から照射でき、よって描像さ
れた三次元立体像の観察位置を広くすることが可能とな
る。また、各レーザ光ビームを三軸方向に平行に整列さ
せる必要がなく、よって光学系を簡素化できる。
【1178】さらに、立体の表面または稜線に沿って掃
引する構成であるから、掃引は三次元立体像のみにつき
実行すればよく、よって立体像表示体内の全ての位置を
掃引する必要がないゆえ描像時間を短縮できるという効
果があり、動像の描像表示に有利である。
【1179】さらに、周期の長い三次元立体像信号や、
繰り返し周期の短い三次元立体像信号が入力された際
に、その周期に応じて掃引距離を変更することにより、
形成される立体像の寸法を所望値とすることができる。
【1180】または、周期の長い三次元立体像信号や、
繰り返し周期の短い三次元立体像信号が入力された際
に、その周期に応じて三次元立体像が表示される領域の
寸法を変更することにより、所定掃引距離で描画でき、
よって描像の精細度を所望値とすることができる。
【1181】本発明の請求項42に係る三次元立体像表
示装置は、レーザ発振器とその駆動回路を備え、帯状レ
ーザ光ビームとライン状レーザ光ビームを発射する光源
と、表示対象である立体の表面または稜線に沿った三次
元立体像信号に基づいてレーザ発振器の出力か、または
少なくとも一本のレーザ光ビームの光強度を変調する変
調手段と、呈色材が三次元方向に分布された立体像表示
体と、光路制御によりライン状レーザ光ビームが帯状レ
ーザ光ビームによって光路方向に形成される帯状平面に θ<86° の範囲にある角度θで交差するよう制御するとともに、
交差位置を所定掃引距離だけ掃引し、また交差位置に係
る像歪みを補正する機能の光路制御手段とを備え、さら
に三次元立体像信号の繰返し周期に対応して所定掃引距
離を変更することにより、形成される三次元立体像の表
示領域の寸法を所望値とするか、または三次元立体像信
号の繰返し周期に対応して、形成される三次元立体像の
表示領域の寸法を変更することにより、所定掃引距離を
所望値とする精細度制御手段を備える構成である。
【1182】この結果、帯状レーザ光ビームとライン状
レーザ光ビームを所定掃引距離だけ掃引することで、高
精細度の、且つ像歪みのない立体像の描像が可能にな
る。また、帯状レーザ光ビームは断面である一次元方向
に同時に像を形成するから、帯状レーザ光ビームは一軸
方向への掃引のみでよく、その掃引周期を長くでき、よ
って光路制御手段の掃引機構を簡素化できる。
【1183】さらに、非直交で掃引する構成であるか
ら、各レーザ光ビームの光源等を立体像表示体の同じ面
側に集中して設置でき、よって光源等の障害がなく広い
位置からの描像された三次元立体像の観察が可能とな
る。また、各レーザ光ビームを三軸方向に平行に整列さ
せる必要がなく、よって光学系を簡素化できる。
【1184】さらに、立体の表面または稜線に沿って掃
引する構成であるから、掃引は三次元立体像のみにつき
実行すればよく、よって立体像表示体内の全ての位置を
掃引する必要がないゆえ描像時間を短縮できるという効
果があり、動像の描像表示に有利である。
【1185】さらに、周期の長い三次元立体像信号や、
繰り返し周期の短い三次元立体像信号が入力された際
に、その周期に応じて掃引距離を変更することにより、
形成される三次元立体像の寸法を所望値とすることがで
きる。
【1186】または、周期の長い三次元立体像信号や、
繰り返し周期の短い三次元立体像信号が入力された際
に、その周期に応じて三次元立体像が表示される領域の
寸法を変更することにより、所定掃引距離で描画でき、
よって描像の精細度を所望値とすることができる。
【1187】本発明の請求項43に係る三次元立体像表
示方法は、二本の帯状レーザ光ビームを用い、少なくと
も一本を三次元立体像信号に基づいて光強度変調し、二
本の帯状レーザ光ビームの光路が 86°≦θ≦90° の範囲にある角度θで交差するようにし、また交差位置
に係る像歪みを補正し、ついで三軸直交座標の一軸方向
に形成された交差部分を他の二軸方向のうちの少なくと
も一本の軸方向に所定距離だけ掃引して複数の掃引面を
形成させ、よって複数の掃引面が層状に重ねられた立体
像表示領域を立体像表示体の内部に形成させるものであ
る。
【1188】各帯状レーザ光ビームは、断面である一次
元方向に同時に像を形成するから、各帯状レーザ光ビー
ムの該方向への掃引を省略することができ、よって各帯
状レーザ光ビームの掃引すべき軸方向の数を削減するこ
とができる。この結果、掃引周期を長くでき、よって掃
引の簡素化が可能になる。従ってとりわけ、動像の描像
と表示に適する。
【1189】このように、二本の帯状レーザ光ビームの
交差部分を所定距離だけ掃引することによって直交三軸
方向の位置設定をする構成であるから、立体像表示体内
の任意の位置のアクセスが高精度でなされ、表示像への
信頼度が向上する上、像歪みのない表示ができるという
効果がある。
【1190】その上、複数の掃引面が層状に重ねられた
立体像表示領域を形成することにより、複雑な形状の像
や、表示されるべき像が複数個、独立して立体像表示体
中に離れて分散して存在する場合などでも描像時間を一
定にできるという効果が得られる。
【1191】本発明の請求項44に係る三次元立体像表
示方法は、請求項43記載のものであって、像の繰返し
周期が異なる三次元立体像信号が適用される場合に、該
三次元立体像信号の繰返し周期に対応して、交差部分を
二軸方向の少なくとも一本の軸方向に掃引する夫々所定
掃引距離のうち少なくとも一方を変更することにより、
形成される立体像表示領域の寸法を所望値とするか、ま
たは三次元立体像信号の繰返し周期に対応して、形成さ
れる立体像表示領域の寸法を変更することにより、各所
定掃引距離の少なくとも一方を所望値とするものであ
る。
【1192】これにより、繰り返し周期の長い三次元立
体像信号や、繰り返し周期の短い三次元立体像信号が入
力された際に、その周期に応じて掃引距離を変更するこ
とにより、所定の表示領域に描像することができ、よっ
て形成される立体像表示領域の寸法を所望値とすること
ができる。
【1193】または、繰り返し周期の長い三次元立体像
信号や、繰り返し周期の短い三次元立体像信号が入力さ
れた際に、その周期に応じて立体像表示領域の寸法を変
更することにより、所定掃引距離で描画でき、よって描
像の精細度を所望値とすることができる。
【1194】本発明の請求項45に係る三次元立体像表
示装置は、レーザ発振器とその駆動回路を備え、二本の
帯状レーザ光ビームを発射する光源と、三次元立体像信
号に基づいてレーザ発振器の出力を光強度変調するか、
または少なくとも一本のレーザ光ビームの光強度を変調
する変調手段と、呈色材が三次元方向に分布された立体
像表示体と、光路制御により二本の帯状レーザ光ビーム
が 86°≦θ≦90° の範囲にある角度θで交差するよう制御するとともに、
交差位置を掃引し、また交差位置に係る像歪みを補正す
る機能の光路制御手段とを備え、且つ三軸直交座標の一
軸方向に形成された交差部分を他の二軸方向のうちの少
なくとも一本の軸方向に所定距離だけ掃引して複数の掃
引面を形成させ、よって複数の掃引面が層状に重ねられ
た立体像表示領域を立体像表示体の内部に形成させる構
成とする。
【1195】各帯状レーザ光ビームは、断面である一次
元方向に同時に像を形成するから、各帯状レーザ光ビー
ムの該方向への掃引を省略することができ、よって各帯
状レーザ光ビームの掃引すべき軸方向を削減することが
できる。この結果、掃引周期を長くでき、よって光路制
御手段の掃引機構を簡素化できる。従ってとりわけ、動
像の描像と表示に適する。
【1196】このように、二本の帯状レーザ光ビームの
交差部分を所定距離だけ掃引することによって直交三軸
方向の位置設定をする構成であるから、立体像表示体内
の任意の位置のアクセスが高精度でなされ、表示像への
信頼度が向上する上、像歪みのない表示ができるという
効果がある。
【1197】その上、複数の掃引面が層状に重ねられた
立体像表示領域を形成することにより、複雑な形状の像
や、表示されるべき像が複数個、独立して立体像表示体
中に離れて分散して存在する場合などでも描像時間を一
定にできるという効果が得られる。
【1198】本発明の請求項46に係る三次元立体像表
示装置は、請求項45記載のものであって、三次元立体
像信号の種類を特定する信号または同期信号の周期に基
づき像の繰返し周期を検出し、該像の繰返し周期及び立
体像表示体の寸法に対応して、交差部分を二軸方向の少
なくとも一本の軸方向に掃引する夫々所定掃引距離のう
ち少なくとも一方を変更することにより、形成される立
体像表示領域の寸法を所望値とするか、または三次元立
体像信号の繰返し周期に対応して、立体像表示体内に形
成される立体像表示領域の寸法を変更することにより、
所定掃引距離のうち少なくとも一方を所望値とする精細
度制御手段を備える。
【1199】これにより、繰り返し周期の長い三次元立
体像信号や、繰り返し周期の短い三次元立体像信号が入
力された際に、その周期に応じて精細度制御手段が掃引
距離を変更することにより、所定の表示領域に描像する
ことができ、よって形成される立体像表示領域の寸法を
所望値とすることができる。
【1200】または、繰り返し周期の長い三次元立体像
信号や、繰り返し周期の短い三次元立体像信号が入力さ
れた際に、その周期に応じて精細度制御手段が立体像表
示領域の寸法を変更することにより、所定掃引距離で描
画でき、よって描像の精細度を所望値とすることができ
る。
【1201】本発明の請求項47に係る三次元立体像表
示方法は、二本の帯状レーザ光ビームを用い、少なくと
も一本を三次元立体像信号に基づいて光強度変調し、二
本の帯状レーザ光ビームの光路が θ<86° の範囲にある角度θで交差するようにし、また交差位置
に係る像歪みを補正し、ついで三軸直交座標の一軸方向
に形成される交差部分を他の二軸方向のうちの少なくと
も一本の軸方向に所定距離だけ掃引して複数の掃引面を
形成させ、よって複数の掃引面が層状に重ねられた立体
像表示領域を立体像表示体の内部に形成させるものであ
る。
【1202】各帯状レーザ光ビームは、断面である一次
元方向に同時に像を形成するから、各帯状レーザ光ビー
ムの該方向への掃引を省略することができ、よって各帯
状レーザ光ビームの掃引すべき軸方向を削減することが
できる。この結果、掃引周期を長くでき、よって掃引の
簡素化が可能になる。従ってとりわけ、動像の描像と表
示に適する。
【1203】また、二本の帯状レーザ光ビームを所定距
離だけ移動し、または移動させつつ掃引することによ
り、三軸方向の高精細度の、且つ像歪みのない立体像の
描像が可能になる。
【1204】さらに、非直交で掃引する構成であるか
ら、各レーザ光ビームを同じ側から照射でき、描像され
た立体像の観察が広い位置から可能となる。
【1205】また、直交三軸方向へ位置設定する構成で
あるから、立体像表示体内の任意の位置のアクセスが高
精度でなされ、表示像への信頼度が向上するという効果
がある。
【1206】その上、複数の掃引面が層状に重ねられた
立体像表示領域を形成することにより、複雑な形状の像
や、表示されるべき像が複数個、独立して存在し、立体
像表示体中に離れて分散して存在する場合などでも描像
時間を一定にできるという効果が得られる。
【1207】本発明の請求項48に係る三次元立体像表
示方法は、請求項47記載のものであって、像の繰返し
周期が異なる三次元立体像信号が適用される場合に、こ
の三次元立体像信号の繰返し周期に対応して、交差部分
を二軸方向の少なくとも一本の軸方向に掃引する夫々所
定掃引距離のうち少なくとも一方を変更することによ
り、形成される立体像表示領域の寸法を所望値とする
か、または三次元立体像信号の繰返し周期に対応して、
形成される立体像表示領域の寸法を変更することによ
り、各所定掃引距離の少なくとも一方を所望値とするも
のである。
【1208】この結果、請求項47で述べた効果に加え
て、繰り返し周期の長い三次元立体像信号や、繰り返し
周期の短い三次元立体像信号が入力された際に、その周
期に応じて掃引距離を変更することにより、所定の表示
領域に描像することができ、よって形成される立体像表
示領域の寸法を所望値とすることができる。
【1209】または、繰り返し周期の長い三次元立体像
信号や、繰り返し周期の短い三次元立体像信号が入力さ
れた際に、その周期に応じて立体像表示領域の寸法を変
更することにより、所定掃引距離で描画でき、よって描
像の精細度を所望値とすることができる。
【1210】本発明の請求項49に係る三次元立体像表
示装置は、レーザ発振器とその駆動回路を備え、二本の
帯状レーザ光ビームを発射する光源と、三次元立体像信
号に基づいてレーザ発振器の出力を光強度変調するか、
または何れか一本のレーザ光ビームの光強度を変調する
変調手段と、呈色材が三次元方向に分布された立体像表
示体と、光路制御により二本の帯状レーザ光ビームが θ<86° の範囲にある角度θで交差するよう制御するとともに交
差位置を掃引し、且つ交差位置に係る像歪みを補正す機
能の光路制御手段とを備え、且つ一軸方向に形成の交差
部分を他の二軸方向のうちの少なくとも一本の軸方向に
所定距離だけ掃引して複数の掃引面を形成させ、よって
複数の掃引面が層状に重ねられた立体像表示領域を立体
像表示体の内部に形成させる構成である。
【1211】各帯状レーザ光ビームは、断面である一次
元方向に同時に像を形成するから、光路制御手段は各帯
状レーザ光ビームの該方向への掃引を省略することがで
き、よって各帯状レーザ光ビームの掃引すべき軸方向を
削減することができる。この結果、掃引周期を長くで
き、よって光路制御手段の掃引機構の簡素化が可能にな
る。従ってとりわけ、動像の描像と表示に適する。
【1212】また、光路制御手段が二本の帯状レーザ光
ビームを所定距離だけ移動し、または移動させつつ掃引
することにより、三軸方向の高精細度の、且つ像歪みの
ない立体像の描像が可能になる。
【1213】さらに、光路制御手段は各レーザ光ビーム
を非直交で掃引する構成であるから、各レーザ光ビーム
を同じ側から照射でき、描像された立体像の観察が広い
位置から可能となる。
【1214】また、光路制御手段は直交三軸方向へ位置
設定する構成であるから、立体像表示体内の任意の位置
のアクセスが高精度でなされ、立体像の表示精度が向上
するという効果がある。
【1215】その上、複数の掃引面が層状に重ねられた
立体像表示領域を形成することにより、複雑な形状の像
や、表示されるべき像が複数個、独立して存在し、立体
像表示体中に離れて分散して存在する場合などでも描像
時間を一定にできるという効果が得られる。
【1216】本発明の請求項50に係る三次元立体像表
示装置は、請求項49記載のものであって、三次元立体
像信号の種類を特定する信号または同期信号の周期に基
づき像の繰返し周期を検出し、像の繰返し周期及び立体
像表示体の寸法に対応して、交差部分を二軸方向の少な
くとも一本の軸方向に掃引する夫々所定掃引距離のうち
少なくとも一方を変更することにより、形成される立体
像表示領域の寸法を所望値とするか、または三次元立体
像信号の繰返し周期に対応して、立体像表示体内に形成
される立体像表示領域の寸法を変更することにより、各
所定掃引距離のうち少なくとも一方を所望値とする精細
度制御手段を備える。
【1217】この結果、繰り返し周期の長い三次元立体
像信号や、繰り返し周期の短い三次元立体像信号が入力
された際に、その周期に応じて精細度制御手段が掃引距
離を変更することにより、所定の表示領域に描像するこ
とができ、よって形成される立体像表示領域の寸法を所
望値とすることができる。
【1218】または、繰り返し周期の長い三次元立体像
信号や、繰り返し周期の短い三次元立体像信号が入力さ
れた際に、その周期に応じて精細度制御手段が立体像表
示領域の寸法を変更することにより、所定掃引距離で描
画でき、よって描像の精細度を所望値とすることができ
る。
【1219】本発明の請求項51に係る三次元立体像表
示方法は、二次元レーザ光ビームと帯状レーザ光ビーム
を直交させ、少なくとも何れかを三次元立体像信号に基
づいて光強度変調し、また交差位置に係る像歪みを補正
し、帯状レーザ光ビームが二次元レーザ光ビームの光路
方向に垂直な平面上にあって二次元レーザ光ビームと交
差するようにし、ついで二軸上の平面として形成される
交差部分を他の一軸方向に所定距離だけ掃引して複数の
掃引面を形成させ、よって複数の掃引面が層状に重ねら
れた立体像表示領域を立体像表示体の内部に形成させる
ものである。
【1220】二次元レーザ光ビームは断面である二次元
平面上に同時に像を形成するから、描像時に二次元レー
ザ光ビームは時間経過に伴う像の更新を為すのみでよ
く、よって二次元レーザ光ビーム自体を空間的に掃引す
る必要がない。一方、帯状レーザ光ビームは断面である
一次元方向に同時に像を形成するとともに、該像が光路
方向に帯状に拡がり、これが二次元レーザ光ビームと交
差して面状の像を形成させるから、帯状レーザ光ビーム
は一軸方向への掃引のみでよく、よってその掃引周期を
長くでき、以上の結果として掃引を大幅に簡素化でき
る。
【1221】したがって、像の更新周期が短い動像の描
像表示がとりわけ容易になるという顕著な効果がある。
【1222】さらに、上記のように帯状レーザ光ビーム
を所定距離だけ掃引することによって直交三軸方向の位
置設定をする構成であるから、立体像表示体内の任意の
位置のアクセスが高精度でなされ、表示像への信頼度が
向上する上、像歪みのない表示ができるという効果があ
る。
【1223】その上、複数の掃引面が層状に重ねられた
立体像表示領域を形成することにより、複雑な形状の像
や、表示されるべき像が複数個、独立して立体像表示体
中に離れて分散して存在する場合などでも、描像時間を
一定にできるという効果が併せ得られる。
【1224】本発明の請求項52に係る三次元立体像表
示方法は、請求項51記載のものであって、像の繰返し
周期が異なる三次元立体像信号が適用される場合に、そ
の像の繰返し周期に対応して交差部分の所定掃引距離を
変更することにより、立体像表示領域の寸法を所望値と
するか、または三次元立体像信号の繰返し周期に対応し
て立体像表示領域の寸法を変更することにより所定掃引
距離を所望値とするものである。
【1225】これにより、繰り返し周期の長い三次元立
体像信号や、繰り返し周期の短い三次元立体像信号が入
力された際に、その周期に応じて掃引距離を変更するこ
とにより、所定の表示領域に描像することができ、よっ
て形成される立体像表示領域の寸法を所望値とすること
ができる。
【1226】または、繰り返し周期の長い三次元立体像
信号や、繰り返し周期の短い三次元立体像信号が入力さ
れた際に、その周期に応じて立体像表示領域の寸法を変
更することにより、所定掃引距離で描画でき、よって描
像の精細度を所望値とすることができる。
【1227】本発明の請求項53に係る三次元立体像表
示装置は、レーザ発振器およびその駆動回路を備え、二
次元レーザ光ビームと帯状レーザ光ビームを発射する光
源と、三次元立体像信号に基づいてレーザ発振器の出力
を光強度変調するか、またはレーザ光ビームの光強度を
変調する変調手段と、呈色材が三次元方向に分布された
立体像表示体と、各レーザ光ビームの交差と掃引および
交差位置に係る像歪み補正機能の光路制御手段とを備
え、この光路制御手段は帯状レーザ光ビームを二次元レ
ーザ光ビームの光路方向に垂直な平面上にあって二次元
レーザ光ビームと交差させるとともに、二軸方向に平面
を形成する交差部分を他の一本の軸方向に所定距離だけ
掃引し、よって複数の掃引面が層状に重ねられた立体像
表示領域を立体像表示体の内部に形成させる構成であ
る。
【1228】二次元レーザ光ビームは断面である二次元
平面上に同時に像を形成するから、描像時に二次元レー
ザ光ビームは時間経過に伴う像の更新を為すのみでよ
く、よって光路制御手段は二次元レーザ光ビーム自体を
空間的に掃引する必要がない。一方、帯状レーザ光ビー
ムは断面である一次元方向に同時に像を形成するととも
に、該像が光路方向に帯状に拡がり、これが二次元レー
ザ光ビームと交差して面状の像を形成させるから、光路
制御手段は帯状レーザ光ビームを一軸方向へのみ掃引す
ればよく、よってその掃引周期を長くでき、以上の結果
として掃引を大幅に簡素化できる。
【1229】したがって、像の更新周期が短い動像の描
像表示がとりわけ容易になるという顕著な効果がある。
【1230】さらに、上記のように光路制御手段は帯状
レーザ光ビームを所定距離だけ掃引することによって直
交三軸方向の位置設定をする構成であるから、立体像表
示体内の任意の位置のアクセスが高精度でなされ、立体
像の表示精度が向上する上、像歪みのない表示ができる
という効果がある。
【1231】その上、複数の掃引面が層状に重ねられた
立体像表示領域を形成することにより、複雑な形状の像
や、表示されるべき像が複数個、独立して立体像表示体
中に離れて分散して存在する場合などでも、描像時間を
一定にできるという効果が併せ得られる。
【1232】本発明の請求項54に係る三次元立体像表
示装置は、請求項53記載のものであって、三次元立体
像信号の種類を特定する信号または同期信号の周期に基
づき検出した像の繰返し周期と、立体像表示体の寸法に
対応して、交差部分を一本の軸方向に掃引する所定掃引
距離を変更することで立体像表示領域の寸法を所望値と
するか、または像の繰返し周期に対応して立体像表示領
域の寸法を変更することにより、所定掃引距離を所望値
とする精細度制御手段を備えるものである。
【1233】これにより、繰り返し周期の長い三次元立
体像信号や、繰り返し周期の短い三次元立体像信号が入
力された際に、その周期に応じて精細度制御手段が掃引
距離を変更することにより、所定の表示領域に描像する
ことができ、よって形成される立体像表示領域の寸法を
所望値とすることができる。
【1234】これにより、繰り返し周期の長い三次元立
体像信号や、繰り返し周期の短い三次元立体像信号が入
力された際に、その周期に応じて精細度制御手段が掃引
距離を変更することにより、所定の表示領域に描像する
ことができ、よって形成される立体像表示領域の寸法を
所望値とすることができる。
【1235】または、繰り返し周期の長い三次元立体像
信号や、繰り返し周期の短い三次元立体像信号が入力さ
れた際に、その周期に応じて精細度制御手段が立体像表
示領域の寸法を変更することにより、所定掃引距離で描
画でき、よって描像の精細度を所望値とすることができ
る。
【1236】本発明の請求項55に係る三次元立体像表
示方法は、二次元レーザ光ビームとライン状レーザ光ビ
ームの少なくともいずれかを三次元立体像信号に基づい
て光強度変調し、ライン状レーザ光ビームが二次元レー
ザ光ビームを貫いて交差するよう光路を制御し、また交
差位置に係る像歪みを補正し、交差部分をライン状レー
ザ光ビームの光路方向に直交する方向へ掃引して掃引面
を形成させ、さらにこの掃引面から所定距離だけ離れて
次の掃引面を形成させ、前記の反復により複数の掃引面
が層状に重ねられた立体像表示領域を形成させるもので
ある。
【1237】二次元レーザ光ビームは断面である二次元
方向に同時に像を形成するから、二次元レーザ光ビーム
は時間経過に伴う像の更新を為すのみでよく、よって二
次元レーザ光ビーム自体を空間的に掃引する必要がな
い。一方、ライン状レーザ光ビームは二次元レーザ光ビ
ームを貫いて交差するから、ライン状レーザ光ビームは
二軸方向への掃引のみでよく、よってその掃引周期を長
くでき、以上の結果として掃引を大幅に簡素化できる。
【1238】さらに、上記のようにライン状レーザ光ビ
ームを所定距離だけ掃引することによって直交三軸方向
の位置設定をする構成であるから、立体像表示体内の任
意の位置のアクセスが高精度でなされ、立体像の表示精
度が向上する上、像歪みのない表示ができるという効果
がある。
【1239】その上、複数の掃引面が層状に重ねられた
立体像表示領域を形成することにより、複雑な形状の像
や、表示されるべき像が複数個、独立して立体像表示体
中に離れて分散して存在する場合などでも、描像時間を
一定にできるという効果が併せ得られる。
【1240】本発明の請求項56に係る三次元立体像表
示方法は、請求項55記載のものであって、像の繰返し
周期が異なる三次元立体像信号が適用される場合に、三
次元立体像信号の繰返し周期に対応して所定距離を変更
することにより、形成される立体像表示領域の寸法を所
望値とするか、または三次元立体像信号の繰返し周期に
対応して、形成される立体像表示領域の寸法を変更する
ことにより、所定掃引距離を所望値とするものである。
【1241】これにより、繰り返し周期の長い三次元立
体像信号や、繰り返し周期の短い三次元立体像信号が入
力された際に、その周期に応じて掃引距離を変更するこ
とにより、所定の表示領域に描像することができ、よっ
て形成される立体像表示領域の寸法を所望値とすること
ができる。
【1242】または、繰り返し周期の長い三次元立体像
信号や、繰り返し周期の短い三次元立体像信号が入力さ
れた際に、その周期に応じて立体像表示領域の寸法を変
更することにより、所定掃引距離で描画でき、よって描
像の精細度を所望値とすることができる。
【1243】本発明の請求項57に係る三次元立体像表
示装置は、レーザ発振器および、その駆動回路を備え、
二次元レーザ光ビームとライン状レーザ光ビームを発射
する光源と、三次元立体像信号に基づいてレーザ発振器
の出力か、または少なくとも何れかのレーザ光ビームの
光強度を変調する変調手段と、呈色材が三次元方向に分
布された立体像表示体と、光路を制御して交差させ、ま
た交差位置に係る像歪みを補正し、且つ交差位置の掃引
機能を備える光路制御手段とを備え、該光路制御手段は
ライン状レーザ光ビームが二次元レーザ光ビームを貫い
て交差するようにし、且つ交差部分をライン状レーザ光
ビームの光路方向に直交する方向へ掃引して掃引面を形
成させ、さらに該掃引面から所定距離だけ離れて次の掃
引面を形成させ、前記の反復により複数の掃引面が層状
に重ねられた立体像表示領域を形成させる構成である。
【1244】二次元レーザ光ビームは断面である二次元
方向に同時に像を形成するから、二次元レーザ光ビーム
は時間経過に伴う像の更新を為すのみでよく、よって二
次元レーザ光ビーム自体を空間的に掃引する必要がな
い。一方、ライン状レーザ光ビームは二次元レーザ光ビ
ームを貫いて交差するから、ライン状レーザ光ビームは
二軸方向への掃引のみでよく、よってその掃引周期を長
くでき、以上の結果として光路制御手段の掃引機構を大
幅に簡素化できる。
【1245】さらに、上記のように光路制御手段は帯状
レーザ光ビームを所定距離だけ掃引することによって直
交三軸方向の位置設定をする構成であるから、立体像表
示体内の任意の位置のアクセスが高精度でなされ、立体
像の表示精度が向上する上、且つ像歪みのない表示がで
きるという効果がある。
【1246】その上、複数の掃引面が層状に重ねられた
立体像表示領域を形成することにより、複雑な形状の像
や、表示されるべき像が複数個、独立して立体像表示体
中に離れて分散して存在する場合などでも、描像時間を
一定にできるという効果が併せ得られる。
【1247】本発明の請求項58に係る三次元立体像表
示装置は、請求項57記載のものであって、三次元立体
像信号の種類を特定する信号または同期信号の周期に基
づき像の繰返し周期を検出するとともに、該像の繰返し
周期及び立体像表示体の寸法に対応して、掃引面間の所
定距離を変更することにより、形成される立体像表示領
域の寸法を所望値とするか、または三次元立体像信号の
繰返し周期に対応して、立体像表示体内に形成される立
体像表示領域の寸法を変更することにより、掃引面間の
所定距離を所望値とする精細度制御手段を備える。
【1248】これにより、繰り返し周期の長い三次元立
体像信号や、繰り返し周期の短い三次元立体像信号が入
力された際に、その周期に応じて精細度制御手段が掃引
距離を変更することにより、所定の表示領域に描像する
ことができ、よって形成される立体像表示領域の寸法を
所望値とすることができる。
【1249】または、繰り返し周期の長い三次元立体像
信号や、繰り返し周期の短い三次元立体像信号が入力さ
れた際に、その周期に応じて精細度制御手段が立体像表
示領域の寸法を変更することにより、所定掃引距離で描
画でき、よって描像の精細度を所望値とすることができ
る。
【1250】本発明の請求項59に係る三次元立体像表
示方法は、二次元レーザ光ビームとライン状レーザ光ビ
ームを用い、少なくとも一本を、表示対象である立体の
表面または稜線に沿った三次元立体像信号に基づいて光
強度変調し、ライン状レーザ光ビームが二次元レーザ光
ビームを貫いて交差するようにし、また交差位置に係る
像歪みを補正し、この交差部分を三次元立体像信号に基
づき所定掃引距離だけ掃引して、交差部分の呈色材が、
表示対象である立体の表面または稜線に沿う三次元立体
像の表示領域を立体像表示体内に形成させ、且つ三次元
立体像信号の繰返し周期に対応して所定掃引距離を変更
することにより、形成される三次元立体像の表示領域の
寸法を所望値とするか、または三次元立体像信号の繰返
し周期に対応して三次元立体像の表示領域の寸法を変更
することにより、所定掃引距離を所望値とするものであ
る。
【1251】二次元レーザ光ビームは断面である二次元
方向に同時に像を形成するから、二次元レーザ光ビーム
は時間経過に伴う像の更新を為すのみでよく、よって二
次元レーザ光ビーム自体を空間的に掃引する必要がな
い。一方、ライン状レーザ光ビームは二次元レーザ光ビ
ームを貫いて交差するから、ライン状レーザ光ビームは
二軸方向への掃引のみでよく、よってその掃引周期を長
くでき、以上の結果として掃引を大幅に簡素化できる。
【1252】この結果、二次元レーザ光ビームの二次元
断面の像を、直交するライン状レーザ光ビームによる交
差と所定掃引距離だけの掃引によって呈色させることに
より、高精細度の、且つ像歪みのない三次元立体像の描
像が可能になる。
【1253】さらに、立体の表面または稜線に沿って掃
引する構成であるから、光路制御手段は掃引を三次元立
体像のみにつき実行すればよく、よって立体像表示体内
の全ての位置を掃引する必要がないゆえ描像時間を短縮
できるという効果があり、動像の描像表示に有利であ
る。
【1254】さらに、周期の長い三次元立体像信号や、
繰り返し周期の短い三次元立体像信号が入力された際
に、その周期に応じて精細度制御手段が掃引距離を変更
することにより、形成される三次元立体像の寸法を所望
値とすることができる。
【1255】または、周期の長い三次元立体像信号や、
繰り返し周期の短い三次元立体像信号が入力された際
に、精細度制御手段がその周期に応じて三次元立体像が
表示される領域の寸法を変更することにより、所定掃引
距離で描画でき、よって描像の精細度を所望値とするこ
とができる。
【1256】本発明の請求項60に係る三次元立体像表
示装置は、レーザ発振器とその駆動回路を備え、二次元
レーザ光ビームとライン状レーザ光ビームを発射する光
源と、表示対象である立体の表面または稜線に沿った位
置情報によって構成された三次元立体像信号に基づいて
レーザ発振器の出力を光強度変調するか、または少なく
とも何れかのレーザ光ビームの光強度を変調する変調手
段と、光路制御によりライン状レーザ光ビームを二次元
レーザ光ビームを貫いて交差させ、且つ交差部分を三次
元立体像信号に基づき所定掃引距離だけ掃引することに
より、呈色材が表示対象である立体の表面または稜線に
沿う三次元立体像の表示領域を立体像表示体内に形成さ
せ、また交差位置に係る像歪みを補正する光路制御手段
とを備え、さらに三次元立体像信号の繰返し周期に対応
して所定掃引距離を変更することで、表示領域の寸法を
所望値とするか、または三次元立体像信号の繰返し周期
に対応して表示領域の寸法を変更することにより、所定
掃引距離を所望値とする精細度制御手段を備える構成で
ある。
【1257】二次元レーザ光ビームは断面である二次元
方向に同時に像を形成するから、二次元レーザ光ビーム
は時間経過に伴う像の更新を為すのみでよく、よって二
次元レーザ光ビーム自体を空間的に掃引する必要がな
い。一方、ライン状レーザ光ビームは二次元レーザ光ビ
ームを貫いて交差するから、ライン状レーザ光ビームは
二軸方向への掃引のみでよく、よってその掃引周期を長
くでき、以上の結果として光路制御手段の掃引機構を大
幅に簡素化できる。
【1258】この結果、光路制御手段が直交するライン
状レーザ光ビームによる交差と所定掃引距離だけの掃引
によって、二次元レーザ光ビームの二次元断面の像を呈
色させることにより、高精細度の、且つ像歪みのない立
体像の描像が可能になる。さらに、立体の表面または稜
線に沿って掃引する構成であるから、光路制御手段は掃
引を立体像のみにつき実行すればよく、よって立体像表
示体内の全ての位置を掃引する必要がないゆえ描像時間
を短縮できるという効果があり、動像の描像表示に有利
である。
【1259】さらに、周期の長い三次元立体像信号や、
繰り返し周期の短い三次元立体像信号が入力された際
に、その周期に応じて精細度制御手段が掃引距離を変更
することにより、形成される三次元立体像の寸法を所望
値とすることができる。
【1260】または、周期の長い三次元立体像信号や、
繰り返し周期の短い三次元立体像信号が入力された際
に、精細度制御手段がその周期に応じて三次元立体像が
表示される領域の寸法を変更することにより、所定掃引
距離で描画でき、よって描像の精細度を所望値とするこ
とができる。
【1261】本発明の請求項61に係る三次元像表示方
法は、三次元拡がりを有する立体像表示体内に三次元拡
がりを有する三次元立体像をレーザ光ビームの照射によ
って描像するとともに、該立体像表示体の背面に配設し
た二次元ディスプレイ装置に画像を表示させることによ
り、三次元立体像に画像を重畳して表示させるものであ
る。
【1262】これにより、描像されるべき対象を、速い
動きをする立体による部分と、遠景による背景などの動
きが顕著でない部分とに分割し、速い動きの立体を立体
像表示体にのみ三次元立体像として表示し、一方、動き
が顕著でない部分を二次元ディスプレイ装置にのみ表示
して分割表示し、しかも三次元立体像の背面に画像を位
置させるから、立体像表示体の前面側には三次元立体像
に画像が重畳されて表示され、且つ速い動きをする立体
部分だけを立体像表示体に描像するから、立体の速い動
きに対応することができる。
【1263】本発明の請求項62に係る三次元像表示方
法は、請求項61記載のものであって、前記立体像の描
像方法は、請求項1、2、3、7、8、9、10、1
5、17、18、19、20、25、27、28、3
1、32、35、37、38、41、43、44、4
7、48、51、52、55、56または59記載の三
次元立体像表示方法とするものであるから、立体像表示
体に表示される三次元立体像の精細度調整が可能にな
り、よって二次元ディスプレイ装置に表示される画像の
解像度との均衡を容易に実現できる。
【1264】本発明の請求項63に係る三次元像表示装
置は、レーザ光ビームに照射されることで発色または着
色する気体または液体または固体、またはこれらの組み
合わせで構成された呈色材が三次元方向に分布された立
体像表示体を備える三次元立体像表示装置の背面に、二
次元の表示画面を有して通電により画像表示する二次元
ディスプレイ装置を配設し、立体像表示体により表示さ
れる三次元立体像の背面に二次元ディスプレイ装置によ
り表示される画像を重畳させる構成である。
【1265】これにより、描像されるべき対象を、速い
動きをする立体による部分と、遠景による背景などの動
きが顕著でない部分とに分割し、速い動きの三次元立体
像を三次元立体像表示装置の立体像表示体にのみ表示
し、一方、動きが顕著でない部分を二次元ディスプレイ
装置にのみ表示して分割表示し、しかも三次元立体像表
示装置の背面に二次元ディスプレイ装置を配置すること
で、三次元立体像表示装置の前面側では三次元立体像に
画像が重畳して表示されるようにできる。このように、
速い動きをする立体部分だけを立体像表示体に描像する
から、立体の速い動きに対応する三次元像表示が可能に
なる。
【1266】本発明の請求項64に係る三次元像表示装
置は、請求項63記載のものであって、三次元立体像表
示装置は請求項4、5、6、11、12、13、14、
16、21、22、23、24、26、29、30、3
3、34、36、39、40、42、45、46、4
9、50、53、54、57、58または60記載の三
次元立体像表示装置とするものであるから、三次元立体
像表示装置に表示する三次元立体像の精細度調整がで
き、よって二次元ディスプレイ装置に表示する画像の解
像度との均衡をとった三次元像表示が可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態に係る三次元立体像表示
装置の要部斜視図である。
【図2】本発明の第1実施形態に係る三次元立体像表示
装置の機能ブロック図である。
【図3】本発明の第1実施形態に係る三次元立体像表示
装置の表示原理の説明図である。
【図4】本発明の第1実施形態に係る三次元立体像表示
装置におけるキュビット構成の例を示す図である。
【図5】本発明の第1実施形態に係る三次元立体像表示
装置に適用される三次元立体像信号の例を示すタイミン
グチャートである。
【図6】本発明の第1実施形態に係る三次元立体像表示
装置の動作タイミングチャートである。
【図7】本発明に係る三次元立体像表示装置に適用され
る光源の構成例の説明図である。
【図8】本発明に係る三次元立体像表示装置に適用され
る光源の別の構成例の説明図である。
【図9】本発明に係る三次元立体像表示装置に適用され
る光路制御手段の例の要部斜視図である。
【図10】本発明に係る三次元立体像表示装置に適用さ
れる光路制御手段の別の例の要部斜視図である。
【図11】本発明の第1実施形態に係る三次元立体像表
示装置におけるキュビット構成の別の例を示す図であ
る。
【図12】本発明の第1実施形態に係る三次元立体像表
示装置におけるキュビット構成のさらに別の例を示す図
である。
【図13】本発明に係る三次元立体像表示システム構成
例のブロック図である。
【図14】本発明に係る三次元立体像表示システムにお
ける信号処理の例の概念図である。
【図15】本発明の第2実施形態に係る三次元立体像表
示装置の要部斜視図である。
【図16】本発明の第2実施形態に係る三次元立体像表
示装置の機能ブロック図である。
【図17】本発明の第2実施形態に係る三次元立体像表
示装置の動作タイミングチャートである。
【図18】本発明の第3実施形態に係る三次元立体像表
示装置の原理を説明する図である。
【図19】本発明の第3実施形態に係る三次元立体像表
示装置の要部斜視図である。
【図20】本発明の第4実施形態に係る三次元立体像表
示装置の要部斜視図である。
【図21】本発明の第5実施形態に係る三次元立体像表
示装置の要部正面図である。
【図22】本発明の第5実施形態に係る三次元立体像表
示装置の要部上面図である。
【図23】本発明の第5実施形態に係る三次元立体像表
示装置の機能ブロック図である。
【図24】本発明の第6実施形態に係る三次元立体像表
示装置の要部正面図である。
【図25】本発明の第6実施形態に係る三次元立体像表
示装置の要部上面図である。
【図26】本発明の第7実施形態に係る三次元立体像表
示装置の要部正面図である。
【図27】本発明の第7実施形態に係る三次元立体像表
示装置の要部上面図である。
【図28】本発明の第8実施形態に係る三次元立体像表
示装置の要部正面図である。
【図29】本発明の第8実施形態に係る三次元立体像表
示装置の要部上面図である。
【図30】本発明の第9実施形態に係る三次元立体像表
示装置の要部正面図である。
【図31】本発明の第9実施形態に係る三次元立体像表
示装置の要部上面図である。
【図32】本発明の第10実施形態に係る三次元立体像
表示装置の要部斜視図である。
【図33】本発明の第10実施形態に係る三次元立体像
表示装置の機能ブロック図である。
【図34】本発明の第10実施形態に係る三次元立体像
表示装置における信号構成の説明図である。
【図35】本発明の第10実施形態に係る三次元立体像
表示装置におけるキュビット構成の例を示す図である。
【図36】本発明の第10実施形態に係る三次元立体像
表示装置の動作タイミングチャートである。
【図37】本発明の第10実施形態に係る三次元立体像
表示装置におけるキュビット構成の別の例を示す図であ
る。
【図38】本発明の第11実施形態に係る三次元立体像
表示装置の要部斜視図である。
【図39】本発明の第11実施形態に係る三次元立体像
表示装置の要部動作の説明図である。
【図40】本発明の第12実施形態に係る三次元立体像
表示装置の要部斜視図である。
【図41】本発明の第12実施形態に係る三次元立体像
表示装置の機能ブロック図である。
【図42】本発明の第12実施形態に係る三次元立体像
表示装置の動作タイミングチャートである。
【図43】本発明の第13実施形態に係る三次元立体像
表示装置の要部斜視図である。
【図44】本発明の第13実施形態に係る三次元立体像
表示装置の動作タイミングチャートである。
【図45】本発明の第14実施形態に係る三次元立体像
表示装置の要部斜視図である。
【図46】本発明の第14実施形態に係る三次元立体像
表示装置の動作タイミングチャートである。
【図47】本発明の第15実施形態に係る三次元像表示
装置の要部斜視図である。
【符号の説明】
ORIIN1……三次元立体像表示装置、Cp1……光
源、Cp2……光路制御手段、Cp3……レーザ光強度
変調手段、Cp4……信号処理部、Cp5……精細度制
御手段、Cp6……照明部、121……符号化/復号化
手段、122……キュビットメモリ、123……D/A
変換器、124……記録手段、125……種別・同期信
号抽出回路、126……第1ライン光ビーム掃引制御回
路、127……第2ライン光ビーム掃引制御回路、12
9……電源回路、Act1……アクチュエータ、Act
2……アクチュエータ、Amp……レーザダイオード駆
動増幅器、Bf……ライン光ビーム、Bs……ライン光
ビーム、Bm11……第1ライン光ビーム、Bm12…
…第2ライン光ビーム、Cubc……キュビセル、DP
1……立体像表示体、Gv112……反射鏡、Gv12
2……反射鏡、Is……信号入力端子、Lamp……ラ
ンプ、Ldp1……レーザダイオード、Lz11……第
1集束光学系、Lz12……第2集束光学系、M11…
…モータ、M12……モータ、RMU111……回転ミ
ラーユニット、RMU121……回転ミラーユニット、
SHG……光第2高調波発生器、Std……所望値、f
……三軸直交座標系の第1軸、d……三軸直交座標系の
第2軸、h……三軸直交座標系の第3軸、TP……ター
ゲットポイント(交差部分)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H01S 3/101 H01S 3/101 5G435 H04N 13/04 H04N 13/04 Fターム(参考) 2H059 AA35 AC06 5C061 AA06 AA20 AB01 AB08 AB11 AB12 AB14 AB16 AB17 5C080 AA18 BB08 CC02 CC03 DD01 DD07 DD22 EE29 EE30 FF14 GG02 GG09 JJ01 JJ02 JJ04 JJ06 5C094 AA02 AA15 AA45 AA55 AA56 BA15 BA16 BA21 BA99 CA21 DA08 DA20 ED20 GA10 5F072 AB13 JJ20 MM03 MM12 QQ02 RR03 5G435 AA01 AA18 BB01 BB11 BB17 CC11 CC12 DD02 DD04 DD09 DD18 EE11 EE30 FF02 FF11 FF12 FF15 GG23 GG24 GG26 GG46

Claims (64)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも、表示対象である立体の各部
    分の位置情報を含むデータを編成する過程と、 前記編成されたデータを伝送する過程と、 前記伝送されたデータを受理して、該データに基づき、
    三次元方向に拡がる表示体内に立体像を描像する過程
    と、 を含んで成り、 且つ、前記データは、前記表示対象である立体の各部分
    の位置情報に加えて前記各部分の属性情報を含み、 且つ、前記属性情報は、色調、濃淡、光沢、屈折率、材
    質、密度、重量の少なくともいずれか一つの情報を含む
    ことを特徴とする三次元立体像表示方法。
  2. 【請求項2】 前記の三次元立体像表示方法であって、
    前記データの伝送過程に先立って前記データに圧縮処理
    を施す過程と、前記圧縮データの受理後に復元処理を施
    す過程とを備えることを特徴とする請求項1記載の三次
    元立体像表示方法。
  3. 【請求項3】 前記の三次元立体像表示方法であって、
    前記データの少なくとも編成過程後または前記データの
    圧縮過程後に該データを記録または再生する過程を備え
    ることを特徴とする請求項1または2記載の三次元立体
    像表示方法。
  4. 【請求項4】 少なくとも、表示対象である立体を構成
    する各部分の位置情報を含むデータを編成する手段と、 前記編成されたデータを伝送する手段と、 前記伝送されたデータを受理して、該データに基づき、
    三次元方向に拡がる表示体内に立体像を描像する手段
    と、 を備え、 且つ、前記データは、前記表示対象である立体の各部分
    の位置情報に加えて前記各部分の属性情報を含み、 且つ、前記属性情報は、色調、濃淡、光沢、屈折率、材
    質、密度、重量の少なくともいずれか一つの情報を含む
    ことを特徴とする三次元立体像表示システム。
  5. 【請求項5】 前記の三次元立体像表示システムであっ
    て、前記データの伝送手段の実行に先立って前記データ
    に圧縮を施す手段と、前記圧縮データの受理後に復元処
    理を施す手段とを備えることを特徴とする請求項4記載
    の三次元立体像表示システム。
  6. 【請求項6】 前記の三次元立体像表示システムであっ
    て、少なくとも前記データの編成手段または前記データ
    の圧縮手段の実行後に該データを記録または再生する手
    段を備えることを特徴とする請求項4または5記載の三
    次元立体像表示システム。
  7. 【請求項7】 出射光が光路方向にラインを形成する少
    なくとも二本のライン状レーザ光ビームを用い、該ライ
    ン状レーザ光ビームのうち少なくとも一本を、立体を構
    成する各部分の位置情報を含む三次元立体像信号に基づ
    いて光強度変調し、 前記各ライン状レーザ光ビームの光路を制御して、前記
    各ライン状レーザ光ビームの交差点が、立体像表示体内
    部の所望の位置を照射するとともに、該各交差点におけ
    る前記両レーザ光ビームが張る最小角度θを 86°≦θ≦90° の範囲内とし、 且つ、該交差点における光エネルギにより、前記立体像
    表示体の内部に三次元方向に分布されている気体または
    液体または固体、またはこれらの組み合わせで構成され
    た呈色材を照射して発色または着色させ、 ついで前記各レーザ光ビームのうちの少なくとも一本の
    光路を制御して、交差位置に係る像歪みを補正し、 ついで前記各レーザ光ビームの光路を掃引して、前記交
    差点を三軸直交座標の第一軸方向に連続掃引し、該掃引
    後に第二軸方向に所定距離だけ掃引の後、第一軸方向に
    連続掃引し、上記操作を反復して一層の掃引面を形成さ
    せ、ついで前記交差点を第三軸方向に所定距離だけ掃引
    の後、前記操作を反復してつぎの一層の掃引面を形成さ
    せ、以上の反復により複数の掃引面が層状に重ねられた
    立体像表示領域を形成することを特徴とする三次元立体
    像表示方法。
  8. 【請求項8】 前記各レーザ光ビームの前記交差点を三
    軸直交座標の第一軸方向に連続して反復掃引するととも
    に、同時に第二軸方向に連続掃引し、且つ前記第一軸方
    向の一回の掃引に対応した前記第二軸方向の掃引を所定
    距離だけおこない、よって一層の掃引面を形成させ、該
    掃引面形成についで前記交差点を第三軸方向に所定距離
    だけ掃引の後、第一軸方向および第二軸方向に同時に前
    記連続掃引を反復してつぎの一層の掃引面を形成させ、
    以上の反復により複数の掃引面が層状に重ねられた立体
    像表示領域を形成することを特徴とする請求項7記載の
    三次元立体像表示方法。
  9. 【請求項9】 前記各レーザ光ビームの光路を掃引し
    て、前記交差点を三軸直交座標の第一軸方向および第二
    軸方向および第三軸方向に同時に夫々所定距離だけ連続
    掃引し、前記掃引を反復して一層の掃引面を形成させ、
    さらに前記の操作の反復により複数の掃引面が層状に重
    ねられた立体像表示領域を形成することを特徴とする請
    求項7記載の三次元立体像表示方法。
  10. 【請求項10】 像の繰返し周期が異なる三次元立体像
    信号が適用される場合に、 該三次元立体像信号の繰返し周期に対応して、前記第一
    軸方向、第二軸方向、第三軸方向への前記所定掃引距離
    のうち少なくとも一つの距離を変更することにより、形
    成される前記立体像表示領域の寸法を一定とするか、 または三次元立体像信号の繰返し周期に対応して、前記
    形成される前記立体像表示領域の寸法を変更することに
    より、前記各軸方向への前記所定掃引距離を一定とする
    ことを特徴とする請求項7乃至9記載の三次元立体像表
    示方法。
  11. 【請求項11】 少なくとも一基のレーザ発振器およ
    び、前記レーザ発振器を駆動させる駆動回路を備え、進
    行方向の異なる少なくとも二本のレーザ光ビームを発射
    する光源と、 前記少なくとも一基のレーザ発振器の出力を、立体を構
    成する各部分の位置情報を含む三次元立体像信号に基づ
    いて光強度変調するか、または前記少なくとも二本のレ
    ーザ光ビームの少なくとも一本の光強度を前記三次元立
    体像信号に基づいて変調する変調手段と、 前記各レーザ光ビームの光路の交差部分によって内部が
    照射され、該交差部分に照射されることで発色または着
    色する気体または液体または固体、またはこれらの組み
    合わせで構成された呈色材が三次元方向に分布された立
    体像表示体と、 前記少なくとも二本のレーザ光ビームの各光路を制御し
    て、前記各レーザ光ビームを前記立体像表示体中の所望
    の位置において交差させるとともに、前記交差位置を移
    動させる掃引機能を備える光路制御手段と、を備え、 且つ、前記少なくとも二本のレーザ光ビームは、夫々の
    出射光が光路方向にラインを形成する第一のライン状レ
    ーザ光ビームと第二のライン状レーザ光ビームを含んで
    構成され、前記変調手段は前記両レーザ光ビーム中の少
    なくとも一方を、前記三次元立体像信号に基づいて光強
    度変調し、 前記光路制御手段は、前記両レーザ光ビームの光路を制
    御して前記両レーザ光ビームが前記立体像表示体中の前
    記各交差位置において張る最小角度θを 86°≦θ≦90° の範囲内に制御し、 且つ前記光路制御手段は前記各レーザ光ビームのうちの
    少なくとも一本の光路を制御して、前記交差位置に係る
    像歪みを補正し、 さらに前記交差位置を三軸直交座標
    の第一軸方向に連続掃引し、該掃引後に第二軸方向に所
    定距離だけ掃引の後、第一軸方向に連続掃引し、上記操
    作を反復して掃引面を一層形成させ、ついで前記交差位
    置を第三軸方向に所定距離だけ掃引の後、前記操作を反
    復して掃引面を一層形成させ、以上の反復により複数の
    掃引面が層状に重ねられた立体像表示領域を形成する構
    成としたことを特徴とする三次元立体像表示装置。
  12. 【請求項12】 前記各レーザ光ビームの前記交差点を
    三軸直交座標の第一軸方向に連続して反復掃引するとと
    もに、同時に第二軸方向に連続掃引し、且つ前記第一軸
    方向の一回の掃引に対応した前記第二軸方向の掃引距離
    を所定距離となし、よって一層の掃引面を形成させ、つ
    いで前記交差点を第三軸方向に所定距離だけ掃引の後、
    第一軸方向および第二軸方向に同時に連続掃引してつぎ
    の一層の掃引面を形成させ、以上の反復により複数の掃
    引面が層状に重ねられた立体像表示領域を形成する構成
    としたことを特徴とする請求項11記載の三次元立体像
    表示方装置。
  13. 【請求項13】 前記各レーザ光ビームの前記交差点を
    三軸直交座標の第一軸方向および第二軸方向および第三
    軸方向に同時に夫々所定距離だけ連続掃引し、前記掃引
    を反復して一層の掃引面を形成させ、さらに前記の操作
    の反復により複数の掃引面が層状に重ねられた立体像表
    示領域を形成する構成としたことを特徴とする請求項1
    1記載の三次元立体像表示方装置。
  14. 【請求項14】 精細度制御手段を備え、該精細度制御
    手段は、像の繰返し周期が異なる複数の三次元立体像信
    号の内のいずれかが前記三次元立体像信号として適用さ
    れる場合に、 該三次元立体像信号の種類を特定する信号または同期信
    号の周期に基づき像の繰返し周期を検出するとともに、 該像の繰返し周期及び前記立体像表示体の寸法に対応し
    て、前記第一軸方向、第二軸方向、第三軸方向への前記
    所定掃引距離のうち少なくとも一つの距離を変更するこ
    とにより、形成される前記立体像表示領域の寸法を一定
    とするか、 または三次元立体像信号の繰返し周期に対応して、前記
    立体像表示体内に形成される前記立体像表示領域の寸法
    を変更することにより、前記各軸方向への前記所定掃引
    距離を一定とする構成としたことを特徴とする請求項1
    1乃至13記載の三次元立体像表示装置。
  15. 【請求項15】 夫々の出射光が光路方向にラインを形
    成する少なくとも二本のライン状レーザ光ビームを用
    い、該ライン状レーザ光ビームのうち少なくとも一本
    を、表示対象である立体の表面または稜線に沿った位置
    情報によって構成された三次元立体像信号に基づいて光
    強度変調し、 前記各ライン状レーザ光ビームの光路を制御して、前記
    各ライン状レーザ光ビームの交差点が、立体像表示体内
    部の所望の位置を照射するとともに、該各交差点におけ
    る前記両レーザ光ビームが張る最小角度θを 86°≦θ≦90° の範囲内とし、 且つ、該交差点により、前記立体像表示体の内部に三次
    元方向に分布されている気体または液体または固体、ま
    たはこれらの組み合わせで構成された呈色材を照射して
    発色または着色させ、 さらに前記各レーザ光ビームのうちの少なくとも一本の
    光路を制御して、交差位置に係る像歪みを補正し、 ついで前記各レーザ光ビームの前記交差点を前記三次元
    立体像信号に基づき所定掃引距離だけ掃引して、前記交
    差点において発色または着色する前記呈色材が、表示対
    象である立体の表面または稜線に沿う立体像の表示領域
    を前記立体像表示体内に形成させ、 前記三次元立体像信号の繰返し周期が異なる場合に、該
    三次元立体像信号の繰返し周期に対応して前記所定掃引
    距離を変更することにより、形成される前記立体像の表
    示領域の寸法を一定とするか、 または前記三次元立体像信号の繰返し周期に対応して、
    前記形成される前記立体像の表示領域の寸法を変更する
    ことにより、前記所定掃引距離を一定とすることを特徴
    とする三次元立体像表示方法。
  16. 【請求項16】 少なくとも一基のレーザ発振器およ
    び、前記レーザ発振器を駆動させる駆動回路を備え、進
    行方向の異なる少なくとも二本のレーザ光ビームを発射
    する光源と、 前記少なくとも一基のレーザ発振器の出力を、表示対象
    である立体の表面または稜線に沿った位置情報によって
    構成された三次元立体像信号に基づいて光強度変調する
    か、または前記少なくとも二本のレーザ光ビームの少な
    くとも一本の光強度を前記三次元立体像信号に基づいて
    変調する変調手段と、 前記各レーザ光ビームの光路の交差部分によって内部が
    照射され、該交差部分に照射されることで発色または着
    色する気体または液体または固体、またはこれらの組み
    合わせで構成された呈色材が三次元方向に分布された立
    体像表示体と、 前記少なくとも二本のレーザ光ビームの各光路を制御し
    て、前記各レーザ光ビームを前記立体像表示体中の所望
    の位置において交差させるとともに、前記交差位置を移
    動させる掃引機能を備える光路制御手段と、を備え、 且つ、前記少なくとも二本のレーザ光ビームは、それぞ
    れ出射光が光路方向にラインを形成する第一のライン状
    レーザ光ビームと第二のライン状レーザ光ビームを含ん
    で構成され、前記変調手段は前記両ライン状レーザ光ビ
    ーム中の少なくとも一方を、前記三次元立体像信号に基
    づいて光強度変調し、 前記光路制御手段は、前記両ライン状レーザ光ビームの
    光路を制御して前記両レーザ光ビームが前記立体像表示
    体中の前記各交差位置において張る最小角度θを 86°≦θ≦90° の範囲内に制御し、 且つ前記光路制御手段が前記各レーザ光ビームのうちの
    少なくとも一本の光路を制御して、前記交差位置に係る
    像歪みを補正し、 さらに前記交差位置を前記三次元立
    体像信号に基づき所定掃引距離だけ掃引することによ
    り、前記交差位置において発色または着色する前記呈色
    材が、表示対象である立体の表面または稜線に沿う立体
    像の表示領域を前記立体像表示体内に形成させるととも
    に、 前記三次元立体像信号の繰返し周期が異なる場合
    に、該三次元立体像信号の繰返し周期に対応して前記所
    定掃引距離を変更することにより、形成される前記立体
    像の表示領域の寸法を一定とするか、 または前記三次元立体像信号の繰返し周期に対応して、
    前記形成される前記立体像の表示領域の寸法を変更する
    ことにより、前記所定掃引距離を一定とする精細度制御
    手段を備える構成としたことを特徴とする三次元立体像
    表示装置。
  17. 【請求項17】 少なくとも二本のライン状レーザ光ビ
    ームを用い、該ライン状レーザ光ビームのうち少なくと
    も一本を、立体を構成する各部分の位置情報を含む三次
    元立体像信号に基づいて光強度変調し、 前記各ライン状レーザ光ビームの光路を制御して、前記
    各ライン状レーザ光ビームの交差点が、立体像表示体内
    部の所望の位置を照射するとともに、各交差点における
    前記両レーザ光ビームが張る最小角度のうちの少なくと
    も一部の最小角度θを θ<86° の範囲内とし、 且つ、該交差点により、前記立体像表示体の内部に三次
    元方向に分布されている気体または液体または固体、ま
    たはこれらの組み合わせで構成された呈色材を照射して
    発色または着色させ、 ついで前記各レーザ光ビームのうちの少なくとも一本の
    光路を制御して、交差位置に係る像歪みを補正し、 さらに前記各レーザ光ビームの光路を掃引して、前記交
    差点を三軸直交座標の第一軸方向に連続掃引し、該掃引
    後に第二軸方向に所定距離だけ掃引の後、第一軸方向に
    連続掃引し、上記操作を反復して一層の掃引面を形成さ
    せ、ついで前記交差点を第三軸方向に所定距離だけ掃引
    の後、前記操作を反復してつぎの一層の掃引面を形成さ
    せ、以上の反復により複数の掃引面が層状に重ねられた
    立体像表示領域を形成することを特徴とする三次元立体
    像表示方法。
  18. 【請求項18】 前記各レーザ光ビームの前記交差点を
    三軸直交座標の第一軸方向に連続して反復掃引するとと
    もに、同時に第二軸方向に連続掃引し、且つ前記第一軸
    方向の一回の掃引に対応した前記第二軸方向の掃引を所
    定距離だけおこない、よって一層の掃引面を形成させ、
    該掃引面形成についで前記交差点を第三軸方向に所定距
    離だけ掃引の後、第一軸方向および第二軸方向に同時に
    前記連続掃引を反復してつぎの一層の掃引面を形成さ
    せ、以上の反復により複数の掃引面が層状に重ねられた
    立体像表示領域を形成することを特徴とする請求項17
    記載の三次元立体像表示方法。
  19. 【請求項19】 前記各レーザ光ビームの光路を掃引し
    て、前記交差点を三軸直交座標の第一軸方向および第二
    軸方向および第三軸方向に同時に夫々所定距離だけ連続
    掃引し、前記掃引を反復して一層の掃引面を形成させ、
    さらに前記の操作の反復により複数の掃引面が層状に重
    ねられた立体像表示領域を形成することを特徴とする請
    求項17記載の三次元立体像表示方法。
  20. 【請求項20】 像の繰返し周期が異なる三次元立体像
    信号が適用される場合に、 該三次元立体像信号の繰返し周期に対応して、前記第一
    軸方向、第二軸方向、第三軸方向への前記所定掃引距離
    のうち少なくとも一つの距離を変更することにより、形
    成される前記立体像表示領域の寸法を一定とするか、 または三次元立体像信号の繰返し周期に対応して、前記
    形成される前記立体像表示領域の寸法を変更することに
    より、前記各軸方向への前記所定掃引距離を一定とする
    ことを特徴とする請求項17乃至19記載の三次元立体
    像表示方法。
  21. 【請求項21】 少なくとも一基のレーザ発振器およ
    び、前記レーザ発振器を駆動させる駆動回路を備え、進
    行方向の異なる少なくとも二本のレーザ光ビームを発射
    する光源と、 前記少なくとも一基のレーザ発振器の出力を、立体を構
    成する各部分の位置情報を含む三次元立体像信号に基づ
    いて光強度変調するか、または前記少なくとも二本のレ
    ーザ光ビームの少なくとも一本の光強度を前記三次元立
    体像信号に基づいて変調する変調手段と、 前記各レーザ光ビームの光路の交差部分によって内部が
    照射され、該交差部分に照射されることで発色または着
    色する気体または液体または固体、またはこれらの組み
    合わせで構成された呈色材が三次元方向に分布された立
    体像表示体と、 前記少なくとも二本のレーザ光ビームの各光路を制御し
    て、前記各レーザ光ビームを前記立体像表示体中の所望
    の位置において交差させるとともに、前記交差位置を移
    動させる掃引機能を備える光路制御手段と、を備え、 且つ、前記少なくとも二本のレーザ光ビームは、夫々の
    出射光が光路方向にラインを形成する第一のライン状レ
    ーザ光ビームと第二のライン状レーザ光ビームを含んで
    構成され、前記変調手段は前記両レーザ光ビーム中の少
    なくとも一方を、前記三次元立体像信号に基づいて光強
    度変調し、 前記光路制御手段は、前記両レーザ光ビームの光路を制
    御して前記両レーザ光ビームが前記立体像表示体中の前
    記各交差位置において張る最小角度のうちの少なくとも
    一部の最小角度θを θ<86° の範囲内とし、 且つ前記光路制御手段は前記各レーザ光ビームのうちの
    少なくとも一本の光路を制御して、交差位置に係る像歪
    みを補正し、 さらに前記交差位置を三軸直交座標の第一軸方向に連続
    掃引し、該掃引後に第二軸方向に所定距離だけ掃引の
    後、第一軸方向に連続掃引し、上記操作を反復して掃引
    面を一層形成させ、ついで前記交差位置を第三軸方向に
    所定距離だけ掃引の後、前記操作を反復して掃引面を一
    層形成させ、以上の反復により複数の掃引面が層状に重
    ねられた立体像表示領域を形成する構成としたことを特
    徴とする三次元立体像表示装置。
  22. 【請求項22】 前記各レーザ光ビームの前記交差点を
    三軸直交座標の第一軸方向に連続して反復掃引するとと
    もに、同時に第二軸方向に連続掃引し、且つ前記第一軸
    方向の一回の掃引に対応した前記第二軸方向の掃引距離
    を所定距離となし、よって一層の掃引面を形成させ、つ
    いで前記交差点を第三軸方向に所定距離だけ掃引の後、
    第一軸方向および第二軸方向に同時に連続掃引してつぎ
    の一層の掃引面を形成させ、以上の反復により複数の掃
    引面が層状に重ねられた立体像表示領域を形成する構成
    としたことを特徴とする請求項21記載の三次元立体像
    表示方装置。
  23. 【請求項23】 前記各レーザ光ビームの前記交差点を
    三軸直交座標の第一軸方向および第二軸方向および第三
    軸方向に同時に夫々所定距離だけ連続掃引し、前記掃引
    を反復して一層の掃引面を形成させ、さらに前記の操作
    の反復により複数の掃引面が層状に重ねられた立体像表
    示領域を形成する構成としたことを特徴とする請求項2
    1記載の三次元立体像表示方装置。
  24. 【請求項24】 精細度制御手段を備え、該精細度制御
    手段は、像の繰返し周期が異なる複数の三次元立体像信
    号の内のいずれかが前記三次元立体像信号として適用さ
    れる場合に、 該三次元立体像信号の種類を特定する信号または同期信
    号の周期に基づき像の繰返し周期を検出するとともに、 該像の繰返し周期及び前記立体像表示体の寸法に対応し
    て、前記第一軸方向、第二軸方向、第三軸方向への前記
    所定掃引距離のうち少なくとも一つの距離を変更するこ
    とにより、形成される前記立体像表示領域の寸法を一定
    とするか、 または三次元立体像信号の繰返し周期に対応して、前記
    立体像表示体内に形成される前記立体像表示領域の寸法
    を変更することにより、前記各軸方向への前記所定掃引
    距離を一定とする構成としたことを特徴とする請求項2
    1乃至23記載の三次元立体像表示装置。
  25. 【請求項25】 夫々の出射光が光路方向にラインを形
    成する少なくとも二本のライン状レーザ光ビームを用
    い、該ライン状レーザ光ビームのうち少なくとも一本
    を、表示対象である立体の表面または稜線に沿った位置
    情報によって構成された三次元立体像信号に基づいて光
    強度変調し、 前記各ライン状レーザ光ビームの光路を制御して、前記
    各ライン状レーザ光ビームを交差させ、該交差点が、立
    体像表示体内部の所望の位置を照射するとともに、該各
    交差点における前記両レーザ光ビームが張る最小角度の
    うちの少なくとも一部の最小角度θを θ<86° の範囲内とし、 且つ、前記交差により、前記立体像表示体の内部に三次
    元方向に分布されている気体または液体または固体、ま
    たはこれらの組み合わせで構成された呈色材を照射して
    発色または着色させ、 ついで前記各レーザ光ビームのうちの少なくとも一本の
    光路を制御して、前記交差位置に係る像歪みを補正し、 さらに前記各レーザ光ビームの交差点を前記三次元立体
    像信号に基づき所定掃引距離だけ掃引して、前記交差点
    において発色または着色する前記呈色材が、表示対象で
    ある立体の表面または稜線に沿う立体像の表示領域を前
    記立体像表示体内に形成させ、 前記三次元立体像信号の繰返し周期が異なる場合に、該
    三次元立体像信号の繰返し周期に対応して前記所定掃引
    距離を変更することにより、形成される前記立体像の表
    示領域の寸法を一定とするか、 または前記三次元立体像信号の繰返し周期に対応して、
    前記形成される前記立体像の表示領域の寸法を変更する
    ことにより、前記所定掃引距離を一定とすることを特徴
    とする三次元立体像表示方法。
  26. 【請求項26】 少なくとも一基のレーザ発振器およ
    び、前記レーザ発振器を駆動させる駆動回路を備え、進
    行方向の異なる少なくとも二本のレーザ光ビームを発射
    する光源と、 前記少なくとも一基のレーザ発振器の出力を、表示対象
    である立体の表面または稜線に沿った位置情報によって
    構成された三次元立体像信号に基づいて光強度変調する
    か、または前記少なくとも二本のレーザ光ビームの少な
    くとも一本の光強度を前記三次元立体像信号に基づいて
    変調する変調手段と、 前記各レーザ光ビームの光路の交差部分によって内部が
    照射され、該交差部分に照射されることで発色または着
    色する気体または液体または固体、またはこれらの組み
    合わせで構成された呈色材が三次元方向に分布された立
    体像表示体と、 前記少なくとも二本のレーザ光ビームの各光路を制御し
    て、前記各レーザ光ビームを前記立体像表示体中の所望
    の位置において交差させるとともに、前記交差位置を移
    動させる掃引機能を備える光路制御手段と、を備え、 且つ、前記少なくとも二本のレーザ光ビームは、夫々の
    出射光が光路方向にラインを形成する第一のライン状レ
    ーザ光ビームと第二のライン状レーザ光ビームを含んで
    構成され、前記変調手段は前記両ライン状レーザ光ビー
    ム中の少なくとも一方を、前記三次元立体像信号に基づ
    いて光強度変調し、 前記光路制御手段は、前記両ライン状レーザ光ビームの
    光路を制御して前記両レーザ光ビームが前記立体像表示
    体中の前記各交差位置において張る最小角度のうちの少
    なくとも一部の最小角度θを θ<86° の範囲内とし、 且つ前記光路制御手段が前記各レーザ光ビームのうちの
    少なくとも一本の光路を制御して、交差位置に係る像歪
    みを補正し、 さらに前記交差位置を前記三次元立体像信号に基づき所
    定掃引距離だけ掃引することにより、前記交差位置にお
    いて発色または着色する前記呈色材が、表示対象である
    立体の表面または稜線に沿う立体像の表示領域を前記立
    体像表示体内に形成させ、 さらに前記三次元立体像信号の繰返し周期が異なる場合
    に、該三次元立体像信号の繰返し周期に対応して前記所
    定掃引距離を変更することにより、形成される前記立体
    像の表示領域の寸法を一定とするか、 または前記三次元立体像信号の繰返し周期に対応して、
    前記形成される前記立体像の表示領域の寸法を変更する
    ことにより、前記所定掃引距離を一定とする精細度制御
    手段を備える構成としたことを特徴とする三次元立体像
    表示装置。
  27. 【請求項27】 出射光の光路方向断面が一次元方向に
    拡がりを有する一本の帯状レーザ光ビーム及び、出射光
    が光路方向にラインを形成する一本のライン状レーザ光
    ビームを少なくとも用い、該各レーザ光ビームのうち少
    なくとも一本を、立体を構成する各部分の位置情報を含
    む三次元立体像信号に基づいて光強度変調し、 前記各レーザ光ビームの光路を制御して、前記ライン状
    レーザ光ビームが、前記帯状レーザ光ビームによって光
    路方向に形成される帯状平面と同一平面上にあり、且つ
    該帯状レーザ光ビームを貫いて交差するようにし、 前記交差部分が、三次元方向に拡がりを有する立体像表
    示体の内部の所望の各位置を照射するとともに、該各交
    差部分における光エネルギにより、前記立体像表示体の
    内部に三次元方向に分布されている気体または液体また
    は固体、またはこれらの組み合わせで構成された呈色材
    を照射して発色または着色させ、 ついで前記各レーザ光ビームのうちの少なくとも一本の
    光路を制御して、交差位置に係る像歪みを補正し、 さらに前記交差部分を前記帯状レーザ光ビームの光路方
    向と、さらに該光路方向及び前記ライン状レーザ光ビー
    ムの光路方向または光路と逆方向に対し直角方向に、夫
    々所定距離だけ掃引して多層の掃引面を形成させ、 よって複数の掃引面が層状に重ねられた立体像表示領域
    を前記立体像表示体の内部に形成させることを特徴とす
    る三次元立体像表示方法。
  28. 【請求項28】 像の繰返し周期が異なる三次元立体像
    信号が適用される場合に、 該三次元立体像信号の繰返し周期に対応して、前記帯状
    レーザ光ビームの光路方向への所定掃引距離と、さらに
    該光路方向及び前記ライン状レーザ光ビームの光路方向
    または光路と逆方向に対し直角方向への所定掃引距離の
    うち、少なくとも一方を変更することにより、形成され
    る前記立体像表示領域の寸法を一定とするか、 または三次元立体像信号の繰返し周期に対応して、前記
    形成される前記立体像表示領域の寸法を変更することに
    より、前記各所定掃引距離の少なくとも一方を一定とす
    ることを特徴とする請求項27記載の三次元立体像表示
    方法。
  29. 【請求項29】 少なくとも一基のレーザ発振器およ
    び、前記レーザ発振器を駆動させる駆動回路を備え、進
    行方向の異なる少なくとも二本のレーザ光ビームを発射
    する光源と、 前記少なくとも一基のレーザ発振器の出力を、立体を構
    成する各部分の位置情報を含む三次元立体像信号に基づ
    いて光強度変調するか、または前記少なくとも二本のレ
    ーザ光ビームの少なくとも一本の光強度を前記三次元立
    体像信号に基づいて変調する変調手段と、 前記各レーザ光ビームの光路の交差部分によって内部が
    照射され、該交差部分に照射されることで発色または着
    色する気体または液体または固体、またはこれらの組み
    合わせで構成された呈色材が三次元方向に分布された立
    体像表示体と、 前記少なくとも二本のレーザ光ビームの各光路を制御し
    て、前記各レーザ光ビームを前記立体像表示体中の所望
    の位置において交差させるとともに、前記交差位置を移
    動させる掃引機能を備える光路制御手段と、を備え、 且つ、前記少なくとも二本のレーザ光ビームは、出射光
    の光路方向断面が一次元方向に拡がりを有する帯状レー
    ザ光ビームと、出射光が光路方向にラインを形成するラ
    イン状レーザ光ビームを含んで構成され、前記変調手段
    は前記両レーザ光ビーム中の少なくとも一方を、前記三
    次元立体像信号に基づいて光強度変調し、 前記光路制御手段は、前記各レーザ光ビームのうちの少
    なくとも一本の光路を制御して、交差位置に係る像歪み
    を補正し、 さらに前記各レーザ光ビームの光路を制御して、前記ラ
    イン状レーザ光ビームが、前記帯状レーザ光ビームによ
    って光路方向に形成される帯状平面と同一平面上にあ
    り、且つ該帯状レーザ光ビームを貫いて交差するよう制
    御するとともに、前記交差部分を前記帯状レーザ光ビー
    ムの光路方向と、さらに該帯状レーザ光ビームの光路方
    向に直角且つ前記ライン状レーザ光ビームの光路方向ま
    たは光路と逆方向に対し直角方向に、夫々所定距離だけ
    掃引して複数の掃引面を形成させ、 よって複数の掃引面が層状に重ねられた立体像表示領域
    を前記立体像表示体の内部に形成させる構成としたこと
    を特徴とする三次元立体像表示装置。
  30. 【請求項30】 精細度制御手段を備え、該精細度制御
    手段は、像の繰返し周期が異なる複数の三次元立体像信
    号の内のいずれかが前記三次元立体像信号として適用さ
    れる場合に、 該三次元立体像信号の種類を特定する信号または同期信
    号の周期に基づき像の繰返し周期を検出するとともに、 該像の繰返し周期及び前記立体像表示体の寸法に対応し
    て、前記帯状レーザ光ビームの光路方向への所定掃引距
    離と、該帯状レーザ光ビームの光路方向に直角で且つ前
    記ライン状レーザ光ビームの光路方向または光路と逆方
    向に対し直角方向への所定掃引距離とのうち少なくとも
    一方を変更することにより、形成される前記立体像表示
    領域の寸法を一定とするか、 または三次元立体像信号の繰返し周期に対応して、前記
    立体像表示体内に形成される前記立体像表示領域の寸法
    を変更することにより、前記所定掃引距離のうち少なく
    とも一つを一定とする構成としたことを特徴とする請求
    項29記載の三次元立体像表示装置。
  31. 【請求項31】 出射光の光路方向断面が一次元方向に
    拡がりを有する一本の帯状レーザ光ビーム及び、出射光
    が光路方向にラインを形成する一本のライン状レーザ光
    ビームを少なくとも用い、該各レーザ光ビームのうち少
    なくとも一本を、立体を構成する各部分の位置情報を含
    む三次元立体像信号に基づいて光強度変調し、 前記各レーザ光ビームの光路を制御して、前記ライン状
    レーザ光ビームが、前記帯状レーザ光ビームによって光
    路方向に形成される帯状平面と鉛直方向に該帯状レーザ
    光ビームを貫いて交差するようにし、 前記交差点が、三次元方向に拡がりを有する立体像表示
    体の内部の所望の各位置を照射するとともに、該各交差
    部分における光エネルギにより、前記立体像表示体の内
    部に三次元方向に分布されている気体または液体または
    固体、またはこれらの組み合わせで構成された呈色材を
    照射して発色または着色させ、 ついで前記各レーザ光ビームのうちの少なくとも一本の
    光路を制御して、交差位置に係る像歪みを補正し、 さらに前記交差点を前記帯状レーザ光ビームを横切る方
    向に掃引して一次元像を形成し、前記交差点を少なくと
    も前記帯状レーザ光ビームの光路方向に所定距離だけ移
    動後に、または移動させつつ前記掃引を反復して前記一
    次元像の集合で成る一層の掃引面を形成させ、且つ前記
    交差点を前記帯状レーザ光ビームの帯状平面と鉛直方向
    に所定距離だけ移動後に、または移動させつつ前記掃引
    を反復して前記掃引面の集合で成る立体表示領域を前記
    立体像表示体の内部に形成させることを特徴とする三次
    元立体像表示方法。
  32. 【請求項32】 像の繰返し周期が異なる三次元立体像
    信号が適用される場合に、該三次元立体像信号の繰返し
    周期に対応して、前記帯状レーザ光ビームの光路方向へ
    の所定移動距離と、前記帯状レーザ光ビームの帯状平面
    と鉛直方向への所定移動距離のうち少なくとも一方を変
    更することにより、形成される前記立体像表示領域の寸
    法を一定とするか、 または三次元立体像信号の繰返し周期に対応して、前記
    形成される前記立体像表示領域の寸法を変更することに
    より、前記各所定移動距離の少なくとも一方を一定とす
    ることを特徴とする請求項31記載の三次元立体像表示
    方法。
  33. 【請求項33】 少なくとも一基のレーザ発振器およ
    び、前記レーザ発振器を駆動させる駆動回路を備え、進
    行方向の異なる少なくとも二本のレーザ光ビームを発射
    する光源と、 前記少なくとも一基のレーザ発振器の出力を、立体を構
    成する各部分の位置情報を含む三次元立体像信号に基づ
    いて光強度変調するか、または前記少なくとも二本のレ
    ーザ光ビームの少なくとも一本の光強度を前記三次元立
    体像信号に基づいて変調する変調手段と、 前記各レーザ光ビームの光路の交差部分によって内部が
    照射され、該交差部分に照射されることで発色または着
    色する気体または液体または固体、またはこれらの組み
    合わせで構成された呈色材が三次元方向に分布された立
    体像表示体と、 前記少なくとも二本のレーザ光ビームの各光路を制御し
    て、前記各レーザ光ビームを前記立体像表示体中の所望
    の位置において交差させるとともに、前記交差位置を移
    動させる掃引機能を備える光路制御手段と、 を備え、 且つ、前記少なくとも二本のレーザ光ビームは、出射光
    の光路方向断面が一次元方向に拡がりを有する帯状レー
    ザ光ビームと、出射光が光路方向にラインを形成するラ
    イン状レーザ光ビームを含んで構成され、前記変調手段
    は前記両レーザ光ビーム中の少なくとも一方を、前記三
    次元立体像信号に基づいて光強度変調し、 前記光路制御手段は、前記各レーザ光ビームのうちの少
    なくとも一本の光路を制御して、交差位置に係る像歪み
    を補正し、 さらに前記各レーザ光ビームの光路を制御して、前記ラ
    イン状レーザ光ビームが、前記帯状レーザ光ビームによ
    って光路方向に形成される帯状平面に鉛直に該帯状レー
    ザ光ビームを貫いて交差するよう制御するとともに、 前記交差点を前記帯状レーザ光ビームを横切る方向に掃
    引して一次元像を形成させ、前記交差点を少なくとも前
    記帯状レーザ光ビームの光路方向に所定距離だけ移動後
    に、または移動させつつ前記掃引を反復して前記一次元
    像の集合で成る一層の掃引面を形成させ、且つ前記交差
    点を前記帯状レーザ光ビームの帯状平面と鉛直方向に所
    定距離だけ移動後に、または移動させつつ前記掃引を反
    復して前記掃引面の集合で成る立体表示領域を前記立体
    像表示体の内部に形成させる構成としたことを特徴とす
    る三次元立体像表示装置。
  34. 【請求項34】 精細度制御手段を備え、該精細度制御
    手段は、像の繰返し周期が異なる複数の三次元立体像信
    号の内のいずれかが前記三次元立体像信号として適用さ
    れる場合に、 該三次元立体像信号の種類を特定する信号または同期信
    号の周期に基づき像の繰返し周期を検出するとともに、 該像の繰返し周期及び前記立体像表示体の寸法に対応し
    て、前記帯状レーザ光ビームの光路方向への前記所定移
    動距離と、前記帯状レーザ光ビームの帯状平面と鉛直方
    向への前記所定移動距離のうち少なくとも一方を変更す
    ることにより、形成される前記立体像表示領域の寸法を
    一定とするか、 または三次元立体像信号の繰返し周期に対応して、前記
    立体像表示体内に形成される前記立体像表示領域の寸法
    を変更することにより、前記所定移動距離のうち少なく
    とも一方を一定とする構成としたことを特徴とする請求
    項33記載の三次元立体像表示装置。
  35. 【請求項35】 出射光の光路方向断面が一次元方向に
    拡がりを有する一本の帯状レーザ光ビーム及び、出射光
    が光路方向にラインを形成する一本のライン状レーザ光
    ビームを少なくとも用い、該各レーザ光ビームのうち少
    なくとも一本を、表示対象である立体の表面または稜線
    に沿った三次元立体像信号に基づいて光強度変調し、 前記各レーザ光ビームの光路を制御して、前記ライン状
    レーザ光ビームが、前記帯状レーザ光ビームによって光
    路方向に形成される帯状平面と鉛直方向に該帯状レーザ
    光ビームを貫いて交差するようにし、 前記交差部分が、三次元方向に拡がりを有する立体像表
    示体の内部の所望の各位置を照射するとともに、該各交
    差部分における光エネルギにより、前記立体像表示体の
    内部に三次元方向に分布されている気体または液体また
    は固体、またはこれらの組み合わせで構成された呈色材
    を照射して発色または着色させ、 ついで前記各レーザ光ビームのうちの少なくとも一本の
    光路を制御して、交差位置に係る像歪みを補正し、 さらに前記各レーザ光ビームの交差点を前記三次元立体
    像信号に基づき所定掃引距離だけ掃引して、前記交差点
    において発色または着色する前記呈色材が、表示対象で
    ある立体の表面または稜線に沿う立体像の表示領域を前
    記立体像表示体内に形成させ、 前記三次元立体像信号の繰返し周期が異なる場合に、該
    三次元立体像信号の繰返し周期に対応して前記所定掃引
    距離を変更することにより、形成される前記立体像の表
    示領域の寸法を一定とするか、 または前記三次元立体像信号の繰返し周期に対応して、
    前記形成される前記立体像の表示領域の寸法を変更する
    ことにより、前記所定掃引距離を一定とすることを特徴
    とする三次元立体像表示方法。
  36. 【請求項36】 少なくとも一基のレーザ発振器およ
    び、前記レーザ発振器を駆動させる駆動回路を備え、進
    行方向の異なる少なくとも二本のレーザ光ビームを発射
    する光源と、 前記少なくとも一基のレーザ発振器の出力を、表示対象
    である立体の表面または稜線に沿った位置情報によって
    構成された三次元立体像信号に基づいて光強度変調する
    か、または前記少なくとも二本のレーザ光ビームの少な
    くとも一本の光強度を前記三次元立体像信号に基づいて
    変調する変調手段と、 前記各レーザ光ビームの光路の交差部分によって内部が
    照射され、該交差部分に照射されることで発色または着
    色する気体または液体または固体、またはこれらの組み
    合わせで構成された呈色材が三次元方向に分布された立
    体像表示体と、 前記少なくとも二本のレーザ光ビームの各光路を制御し
    て、前記各レーザ光ビームを前記立体像表示体中の所望
    の位置において交差させるとともに、前記交差位置を移
    動させる掃引機能を備える光路制御手段と、を備え、 且つ、前記少なくとも二本のレーザ光ビームは、出射光
    の光路方向断面が一次元方向に拡がりを有する帯状レー
    ザ光ビームと、出射光が光路方向にラインを形成するラ
    イン状レーザ光ビームを含んで構成され、 前記光路制御手段は、前記両レーザ光ビームの光路を制
    御して前記ライン状レーザ光ビームが、前記帯状レーザ
    光ビームによって光路方向に形成される帯状平面と鉛直
    方向に該帯状レーザ光ビームを貫いて交差するよう制御
    し、 且つ前記光路制御手段が前記各レーザ光ビームのうちの
    少なくとも一本の光路を制御して、交差位置に係る像歪
    みを補正し、 さらに前記交差位置を前記三次元立体像信号に基づき所
    定掃引距離だけ掃引することにより、前記交差位置にお
    いて発色または着色する前記呈色材が、表示対象である
    立体の表面または稜線に沿う立体像の表示領域を前記立
    体像表示体内に形成させ、 さらに前記三次元立体像信号の繰返し周期が異なる場合
    に、該三次元立体像信号の解像の繰返し周期に対応して
    前記所定掃引距離を変更することにより、形成される前
    記立体像の表示領域の寸法を一定とするか、 または前記三次元立体像信号の繰返し周期に対応して、
    前記形成される前記立体像の表示領域の寸法を変更する
    ことにより、前記所定掃引距離を一定とする精細度制御
    手段を備える構成としたことを特徴とする三次元立体像
    表示装置。
  37. 【請求項37】 出射光の光路方向断面が一次元方向に
    拡がりを有する一本の帯状レーザ光ビーム及び、出射光
    が光路方向にラインを形成する一本のライン状レーザ光
    ビームを少なくとも用い、該各レーザ光ビームのうち少
    なくとも一本を、立体を構成する各部分の位置情報を含
    む三次元立体像信号に基づいて光強度変調し、 前記各レーザ光ビームの光路を制御して、前記ライン状
    レーザ光ビームが、前記帯状レーザ光ビームによって光
    路方向に形成される帯状平面に θ<86° の範囲にある角度θで交差するようにし、 前記交差点が、三次元方向に拡がりを有する立体像表示
    体の内部の所望の各位置を照射するとともに、該各交差
    点における光エネルギにより、前記立体像表示体の内部
    に三次元方向に分布されている気体または液体または固
    体、またはこれらの組み合わせで構成された呈色材を照
    射して発色または着色させ、 ついで前記各レーザ光ビームのうちの少なくとも一本の
    光路を制御して、交差位置に係る像歪みを補正し、 さらに前記交差点を前記帯状レーザ光ビームを横切る方
    向に掃引して一次元像を形成し、前記交差点を少なくと
    も前記帯状レーザ光ビームの光路方向に所定距離だけ移
    動後に、または移動させつつ前記掃引を反復して前記一
    次元像の集合で成る一層の掃引面を形成させ、且つ前記
    交差点を前記帯状レーザ光ビームの帯状平面と鉛直方向
    に所定距離だけ移動後に、または移動させつつ前記掃引
    を反復して前記掃引面の集合で成る立体表示領域を前記
    立体像表示体の内部に形成させることを特徴とする三次
    元立体像表示方法。
  38. 【請求項38】 像の繰返し周期が異なる三次元立体像
    信号が適用される場合に、該三次元立体像信号の繰返し
    周期に対応して、前記帯状レーザ光ビームの光路方向へ
    の所定移動距離と、前記帯状レーザ光ビームの帯状平面
    と鉛直方向への所定移動距離のうち少なくとも一方を変
    更することにより、形成される前記立体像表示領域の寸
    法を一定とするか、 または三次元立体像信号の繰返し周期に対応して、前記
    形成される前記立体像表示領域の寸法を変更することに
    より、前記各所定移動距離の少なくとも一方を一定とす
    ることを特徴とする請求項37記載の三次元立体像表示
    方法。
  39. 【請求項39】 少なくとも一基のレーザ発振器およ
    び、前記レーザ発振器を駆動させる駆動回路を備え、進
    行方向の異なる少なくとも二本のレーザ光ビームを発射
    する光源と、 前記少なくとも一基のレーザ発振器の出力を、立体を構
    成する各部分の位置情報を含む三次元立体像信号に基づ
    いて光強度変調するか、または前記少なくとも二本のレ
    ーザ光ビームの少なくとも一本の光強度を前記三次元立
    体像信号に基づいて変調する変調手段と、 前記各レーザ光ビームの光路の交差部分によって内部が
    照射され、該交差部分に照射されることで発色または着
    色する気体または液体または固体、またはこれらの組み
    合わせで構成された呈色材が三次元方向に分布された立
    体像表示体と、 前記少なくとも二本のレーザ光ビームの各光路を制御し
    て、前記各レーザ光ビームを前記立体像表示体中の所望
    の位置において交差させるとともに、前記交差位置を移
    動させる掃引機能を備える光路制御手段と、を備え、 且つ、前記少なくとも二本のレーザ光ビームは、出射光
    の光路方向断面が一次元方向に拡がりを有する帯状レー
    ザ光ビームと、出射光が光路方向にラインを形成するラ
    イン状レーザ光ビームを含んで構成され、前記変調手段
    は前記両レーザ光ビーム中の少なくとも一方を、前記三
    次元立体像信号に基づいて光強度変調し、 前記光路制御手段は、前記各レーザ光ビームのうちの少
    なくとも一本の光路を制御して、交差位置に係る像歪み
    を補正し、 さらに前記各レーザ光ビームの光路を制御して、前記ラ
    イン状レーザ光ビームが、前記帯状レーザ光ビームによ
    って光路方向に形成される帯状平面に θ<86° の範囲にある角度θで交差するよう制御するとともに、 前記交差点を前記帯状レーザ光ビームを横切る方向に掃
    引して一次元像を形成させ、前記交差点を少なくとも前
    記帯状レーザ光ビームの光路方向に所定距離だけ移動後
    に、または移動させつつ前記掃引を反復して前記一次元
    像の集合で成る一層の掃引面を形成させ、且つ前記交差
    点を前記帯状レーザ光ビームの帯状平面と鉛直方向に所
    定距離だけ移動後に、または移動させつつ前記掃引を反
    復して前記掃引面の集合で成る立体表示領域を前記立体
    像表示体の内部に形成させる構成としたことを特徴とす
    る三次元立体像表示装置。
  40. 【請求項40】 精細度制御手段を備え、該精細度制御
    手段は、像の繰返し周期が異なる複数の三次元立体像信
    号の内のいずれかが前記三次元立体像信号として適用さ
    れる場合に、 該三次元立体像信号の種類を特定する信号または同期信
    号の周期に基づき像の繰返し周期を検出するとともに、 該像の繰返し周期及び前記立体像表示体の寸法に対応し
    て、前記帯状レーザ光ビームの光路方向への前記所定移
    動距離と、前記帯状レーザ光ビームの帯状平面と鉛直方
    向への前記所定移動距離のうち少なくとも一方を変更す
    ることにより、形成される前記立体像表示領域の寸法を
    一定とするか、 または三次元立体像信号の繰返し周期に対応して、前記
    立体像表示体内に形成される前記立体像表示領域の寸法
    を変更することにより、前記所定移動距離のうち少なく
    とも一方を一定とする構成としたことを特徴とする請求
    項39記載の三次元立体像表示装置。
  41. 【請求項41】 出射光の光路方向断面が一次元方向に
    拡がりを有する一本の帯状レーザ光ビーム及び、出射光
    が光路方向にラインを形成する一本のライン状レーザ光
    ビームを少なくとも用い、該各レーザ光ビームのうち少
    なくとも一本を、表示対象である立体の表面または稜線
    に沿った三次元立体像信号に基づいて光強度変調し、 前記各レーザ光ビームの光路を制御して、前記ライン状
    レーザ光ビームが、前記帯状レーザ光ビームによって光
    路方向に形成される帯状平面に θ<86° の範囲にある角度θで交差するようにし、 前記交差点が、三次元方向に拡がりを有する立体像表示
    体の内部の所望の各位置を照射するとともに、該各交差
    点における光エネルギにより、前記立体像表示体の内部
    に三次元方向に分布されている気体または液体または固
    体、またはこれらの組み合わせで構成された呈色材を照
    射して発色または着色させ、 ついで前記各レーザ光ビームのうちの少なくとも一本の
    光路を制御して、交差位置に係る像歪みを補正し、 さらに前記各レーザ光ビームの交差点を前記三次元立体
    像信号に基づき所定掃引距離だけ掃引して、前記交差点
    において発色または着色する前記呈色材が、表示対象で
    ある立体の表面または稜線に沿う立体像の表示領域を前
    記立体像表示体内に形成させ、 前記三次元立体像信号の繰返し周期が異なる場合に、該
    三次元立体像信号の繰返し周期に対応して前記所定掃引
    距離を変更することにより、形成される前記立体像の表
    示領域の寸法を一定とするか、 または前記三次元立体像信号の繰返し周期に対応して、
    前記形成される前記立体像の表示領域の寸法を変更する
    ことにより、前記所定掃引距離を一定とすることを特徴
    とする三次元立体像表示方法。
  42. 【請求項42】 少なくとも一基のレーザ発振器およ
    び、前記レーザ発振器を駆動させる駆動回路を備え、進
    行方向の異なる少なくとも二本のレーザ光ビームを発射
    する光源と、 前記少なくとも一基のレーザ発振器の出力を、表示対象
    である立体の表面または稜線に沿った位置情報によって
    構成された三次元立体像信号に基づいて光強度変調する
    か、または前記少なくとも二本のレーザ光ビームの少な
    くとも一本の光強度を前記三次元立体像信号に基づいて
    変調する変調手段と、 前記各レーザ光ビームの光路の交差部分によって内部が
    照射され、該交差部分に照射されることで発色または着
    色する気体または液体または固体、またはこれらの組み
    合わせで構成された呈色材が三次元方向に分布された立
    体像表示体と、 前記少なくとも二本のレーザ光ビームの各光路を制御し
    て、前記各レーザ光ビームを前記立体像表示体中の所望
    の位置において交差させるとともに、前記交差位置を移
    動させる掃引機能を備える光路制御手段と、を備え、 且つ、前記少なくとも二本のレーザ光ビームは、出射光
    の光路方向断面が一次元方向に拡がりを有する帯状レー
    ザ光ビームと、出射光が光路方向にラインを形成するラ
    イン状レーザ光ビームを含んで構成され、 前記光路制御手段は、前記両レーザ光ビームの光路を制
    御して前記ライン状レーザ光ビームが、前記帯状レーザ
    光ビームによって光路方向に形成される帯状平面に θ<86° の範囲にある角度θで交差するよう制御し、 且つ前記光路制御手段が前記各レーザ光ビームのうちの
    少なくとも一本の光路を制御して、交差位置に係る像歪
    みを補正し、 さらに前記交差位置を前記三次元立体像信号に基づき所
    定掃引距離だけ掃引することにより、前記交差位置にお
    いて発色または着色する前記呈色材が、表示対象である
    立体の表面または稜線に沿う立体像の表示領域を前記立
    体像表示体内に形成させ、 さらに前記三次元立体像信号の繰返し周期が異なる場合
    に、該三次元立体像信号の解像の繰返し周期に対応して
    前記所定掃引距離を変更することにより、形成される前
    記立体像の表示領域の寸法を一定とするか、 または前記三次元立体像信号の繰返し周期に対応して、
    前記形成される前記立体像の表示領域の寸法を変更する
    ことにより、前記所定掃引距離を一定とする精細度制御
    手段を備える構成としたことを特徴とする三次元立体像
    表示装置。
  43. 【請求項43】 出射光の光路方向断面が一次元方向に
    拡がりを有する少なくとも二本の帯状レーザ光ビームを
    用い、該各レーザ光ビームのうち少なくとも一本を、立
    体を構成する各部分の位置情報を含む三次元立体像信号
    に基づいて光強度変調し、 前記各レーザ光ビームの光路を制御して、前記二本の帯
    状レーザ光ビームの光路が 86°≦θ≦90° の範囲にある角度θで交差するようにし、 前記交差部分が、三次元方向に拡がりを有する立体像表
    示体の内部の所望の各位置を照射するとともに、該各交
    差部分における光エネルギにより、前記立体像表示体の
    内部に三次元方向に分布されている気体または液体また
    は固体、またはこれらの組み合わせで構成された呈色材
    を照射して発色または着色させ、 ついで前記各レーザ光ビームのうちの少なくとも一本の
    光路を制御して、交差位置に係る像歪みを補正し、 さらに前記交差部分を三軸直交座標の一軸として該交差
    部分を他の二本の軸方向のうちの少なくとも一本の軸方
    向に所定距離だけ掃引して複数の掃引面を形成させ、 よって複数の掃引面が層状に重ねられた立体像表示領域
    を前記立体像表示体の内部に形成させることを特徴とす
    る三次元立体像表示方法。
  44. 【請求項44】 像の繰返し周期が異なる三次元立体像
    信号が適用される場合に、 該三次元立体像信号の繰返し周期に対応して、前記交差
    部分を前記二本の軸方向の少なくとも一本の軸方向に掃
    引する夫々所定掃引距離のうち少なくとも一方を変更す
    ることにより、形成される前記立体像表示領域の寸法を
    一定とするか、 または三次元立体像信号の繰返し周期に対応して、前記
    形成される前記立体像表示領域の寸法を変更することに
    より、前記各所定掃引距離の少なくとも一方を一定とす
    ることを特徴とする請求項43記載の三次元立体像表示
    方法。
  45. 【請求項45】 少なくとも一基のレーザ発振器およ
    び、前記レーザ発振器を駆動させる駆動回路を備え、進
    行方向の異なる少なくとも二本のレーザ光ビームを発射
    する光源と、 前記少なくとも一基のレーザ発振器の出力を、立体を構
    成する各部分の位置情報を含む三次元立体像信号に基づ
    いて光強度変調するか、または前記少なくとも二本のレ
    ーザ光ビームの少なくとも一本の光強度を前記三次元立
    体像信号に基づいて変調する変調手段と、 前記各レーザ光ビームの光路の交差部分によって内部が
    照射され、該交差部分に照射されることで発色または着
    色する気体または液体または固体、またはこれらの組み
    合わせで構成された呈色材が三次元方向に分布された立
    体像表示体と、 前記少なくとも二本のレーザ光ビームの各光路を制御し
    て、前記各レーザ光ビームを前記立体像表示体中の所望
    の位置において交差させるとともに、前記交差位置を移
    動させる掃引機能を備える光路制御手段と、を備え、 且つ、前記レーザ光ビームは各々の出射光の光路方向断
    面が一次元方向に拡がりを有する少なくとも二本の帯状
    レーザ光ビームを含んで構成され、前記変調手段は前記
    両レーザ光ビーム中の少なくとも一方を、前記三次元立
    体像信号に基づいて光強度変調し、 前記光路制御手段は、前記各レーザ光ビームのうちの少
    なくとも一本の光路を制御して、交差位置に係る像歪み
    を補正し、 且つ前記各レーザ光ビームの光路を制御して、前記二本
    の帯状レーザ光ビームが 86°≦θ≦90° の範囲にある角度θで交差するよう制御し、 且つ前記交差部分を三軸直交座標の一軸として該交差部
    分を他の二本の軸方向のうちの少なくとも一本の軸方向
    に所定距離だけ掃引して複数の掃引面を形成させ、 よって複数の掃引面が層状に重ねられた立体像表示領域
    を前記立体像表示体の内部に形成させる構成としたこと
    を特徴とする三次元立体像表示装置。
  46. 【請求項46】 精細度制御手段を備え、該精細度制御
    手段は、像の繰返し周期が異なる複数の三次元立体像信
    号の内のいずれかが前記三次元立体像信号として適用さ
    れる場合に、 該三次元立体像信号の種類を特定する信号または同期信
    号の周期に基づき像の繰返し周期を検出するとともに、 該像の繰返し周期及び前記立体像表示体の寸法に対応し
    て、前記交差部分を前記二本の軸方向の少なくとも一本
    の軸方向に掃引する夫々所定掃引距離のうち少なくとも
    一方を変更することにより、形成される前記立体像表示
    領域の寸法を一定とするか、 または三次元立体像信号の繰返し周期に対応して、前記
    立体像表示体内に形成される前記立体像表示領域の寸法
    を変更することにより、前記所定掃引距離のうち少なく
    とも一方を一定とする構成としたことを特徴とする請求
    項45記載の三次元立体像表示装置。
  47. 【請求項47】 各々の出射光の光路方向断面が一次元
    方向に拡がりを有する少なくとも二本の帯状レーザ光ビ
    ームを用い、該各レーザ光ビームのうち少なくとも一本
    を、立体を構成する各部分の位置情報を含む三次元立体
    像信号に基づいて光強度変調し、 前記各レーザ光ビームの光路を制御して、前記二本の帯
    状レーザ光ビームの光路が θ<86° の範囲にある角度θで交差するようにし、 前記交差部分が、三次元方向に拡がりを有する立体像表
    示体の内部の所望の各位置を照射するとともに、該各交
    差部分における光エネルギにより、前記立体像表示体の
    内部に三次元方向に分布されている気体または液体また
    は固体、またはこれらの組み合わせで構成された呈色材
    を照射して発色または着色させ、 ついで前記各レーザ光ビームのうちの少なくとも一本の
    光路を制御して、交差位置に係る像歪みを補正し、 さらに前記交差部分を三軸直交座標の一軸として該交差
    部分を他の二本の軸方向のうちの少なくとも一本の軸方
    向に所定距離だけ掃引して複数の掃引面を形成させ、 よって複数の掃引面が層状に重ねられた立体像表示領域
    を前記立体像表示体の内部に形成させることを特徴とす
    る三次元立体像表示方法。
  48. 【請求項48】 像の繰返し周期が異なる三次元立体像
    信号が適用される場合に、 該三次元立体像信号の繰返し周期に対応して、前記交差
    部分を前記二本の軸方向の少なくとも一本の軸方向に掃
    引する夫々所定掃引距離のうち少なくとも一方を変更す
    ることにより、形成される前記立体像表示領域の寸法を
    一定とするか、 または三次元立体像信号の繰返し周期に対応して、前記
    形成される前記立体像表示領域の寸法を変更することに
    より、前記各所定掃引距離の少なくとも一方を一定とす
    ることを特徴とする請求項47記載の三次元立体像表示
    方法。
  49. 【請求項49】 少なくとも一基のレーザ発振器およ
    び、前記レーザ発振器を駆動させる駆動回路を備え、進
    行方向の異なる少なくとも二本のレーザ光ビームを発射
    する光源と、 前記少なくとも一基のレーザ発振器の出力を、立体を構
    成する各部分の位置情報を含む三次元立体像信号に基づ
    いて光強度変調するか、または前記少なくとも二本のレ
    ーザ光ビームの少なくとも一本の光強度を前記三次元立
    体像信号に基づいて変調する変調手段と、 前記各レーザ光ビームの光路の交差部分によって内部が
    照射され、該交差部分に照射されることで発色または着
    色する気体または液体または固体、またはこれらの組み
    合わせで構成された呈色材が三次元方向に分布された立
    体像表示体と、 前記少なくとも二本のレーザ光ビームの各光路を制御し
    て、前記各レーザ光ビームを前記立体像表示体中の所望
    の位置において交差させるとともに、前記交差位置を移
    動させる掃引機能を備える光路制御手段と、を備え、 且つ、前記レーザ光ビームは各々の出射光の光路方向断
    面が一次元方向に拡がりを有する少なくとも二本の帯状
    レーザ光ビームを含んで構成され、前記変調手段は前記
    両レーザ光ビーム中の少なくとも一方を、前記三次元立
    体像信号に基づいて光強度変調し、 前記光路制御手段は、前記各レーザ光ビームのうちの少
    なくとも一本の光路を制御して、交差位置に係る像歪み
    を補正し、 且つ前記各レーザ光ビームの光路を制御して、前記二本
    の帯状レーザ光ビームが θ<86° の範囲にある角度θで交差するよう制御し、 且つ前記交差部分を三軸直交座標の一軸として該交差部
    分を他の二本の軸方向のうちの少なくとも一本の軸方向
    に所定距離だけ掃引して複数の掃引面を形成させ、 よって複数の掃引面が層状に重ねられた立体像表示領域
    を前記立体像表示体の内部に形成させる構成としたこと
    を特徴とする三次元立体像表示装置。
  50. 【請求項50】 精細度制御手段を備え、該精細度制御
    手段は、像の繰返し周期が異なる複数の三次元立体像信
    号の内のいずれかが前記三次元立体像信号として適用さ
    れる場合に、 該三次元立体像信号の種類を特定する信号または同期信
    号の周期に基づき像の繰返し周期を検出するとともに、 該像の繰返し周期及び前記立体像表示体の寸法に対応し
    て、前記交差部分を前記二本の軸方向の少なくとも一本
    の軸方向に掃引する夫々所定掃引距離のうち少なくとも
    一方を変更することにより、形成される前記立体像表示
    領域の寸法を所望値とするか、 または三次元立体像信号の繰返し周期に対応して、前記
    立体像表示体内に形成される前記立体像表示領域の寸法
    を変更することにより、前記各所定掃引距離のうち少な
    くとも一方を所望値とする構成としたことを特徴とする
    請求項49記載の三次元立体像表示装置。
  51. 【請求項51】 出射光の光路方向断面が二次元方向に
    拡がりを有する一本の二次元レーザ光ビームと、出射光
    の光路方向断面が一次元方向に拡がりを有する一本の帯
    状レーザ光ビームとを少なくとも用い、該各レーザ光ビ
    ームのうち少なくとも一本を、立体を構成する各部分の
    位置情報を含む三次元立体像信号に基づいて光強度変調
    し、 前記各レーザ光ビームの光路を制御して、前記帯状レー
    ザ光ビームが前記二次元レーザ光ビームの光路方向に垂
    直な平面上にあって、前記二次元レーザ光ビームと交差
    するようにし、 前記交差部分が、三次元方向に拡がりを有する立体像表
    示体の内部の所望の各位置を照射するとともに、該各交
    差部分における光エネルギにより、前記立体像表示体の
    内部に三次元方向に分布されている気体または液体また
    は固体、またはこれらの組み合わせで構成された呈色材
    を照射して発色または着色させ、 ついで前記帯状レーザ光ビームの光路を制御して、交差
    位置に係る像歪みを補正し、 さらに前記交差部分を三軸直交座標の二軸上の平面とし
    て該交差部分を他の一本の軸方向に所定距離だけ掃引し
    て複数の掃引面を形成させ、 よって複数の掃引面が層状に重ねられた立体像表示領域
    を前記立体像表示体の内部に形成させることを特徴とす
    る三次元立体像表示方法。
  52. 【請求項52】 像の繰返し周期が異なる三次元立体像
    信号が適用される場合に、 該三次元立体像信号の繰返し周期に対応して、前記交差
    部分を前記一本の軸方向に掃引する前記所定掃引距離を
    変更することにより、形成される前記立体像表示領域の
    寸法を所望値とするか、 または三次元立体像信号の繰返し周期に対応して、前記
    形成される前記立体像表示領域の寸法を変更することに
    より、前記所定掃引距離を所望値とすることを特徴とす
    る請求項51記載の三次元立体像表示方法。
  53. 【請求項53】 少なくとも一基のレーザ発振器およ
    び、前記レーザ発振器を駆動させる駆動回路を備え、進
    行方向の異なる少なくとも二本のレーザ光ビームを発射
    する光源と、 前記少なくとも一基のレーザ発振器の出力を、立体を構
    成する各部分の位置情報を含む三次元立体像信号に基づ
    いて光強度変調するか、または前記少なくとも二本のレ
    ーザ光ビームの少なくとも一本の光強度を前記三次元立
    体像信号に基づいて変調する変調手段と、 前記各レーザ光ビームの光路の交差部分によって内部が
    照射され、該交差部分に照射されることで発色または着
    色する気体または液体または固体、またはこれらの組み
    合わせで構成された呈色材が三次元方向に分布された立
    体像表示体と、 前記少なくとも二本のレーザ光ビームの各光路を制御し
    て、前記各レーザ光ビームを前記立体像表示体中の所望
    の位置において交差させるとともに、前記交差位置を移
    動させる掃引機能を備える光路制御手段と、を備え、 且つ、前記レーザ光ビームは出射光の光路方向断面が二
    次元方向に拡がりを有する一本の二次元レーザ光ビーム
    と、一本の帯状レーザ光ビームとを少なくとも含んで構
    成され、前記変調手段は前記両レーザ光ビーム中の少な
    くとも一方を、前記三次元立体像信号に基づいて光強度
    変調し、 前記光路制御手段は、前記帯状レーザ光ビームの光路を
    制御して、交差位置に係る像歪みを補正し、 さらに前記各レーザ光ビームの光路を制御して、前記帯
    状レーザ光ビームが前記二次元レーザ光ビームの光路方
    向に垂直な平面上にあって、前記二次元レーザ光ビーム
    と交差させるとともに、前記交差部分を三軸直交座標の
    二軸上の平面として該交差部分を他の一本の軸方向に所
    定距離だけ掃引して複数の掃引面を形成させ、 よって複数の掃引面が層状に重ねられた立体像表示領域
    を前記立体像表示体の内部に形成させる構成としたこと
    を特徴とする三次元立体像表示装置。
  54. 【請求項54】 精細度制御手段を備え、該精細度制御
    手段は、像の繰返し周期が異なる複数の三次元立体像信
    号の内のいずれかが前記三次元立体像信号として適用さ
    れる場合に、 該三次元立体像信号の種類を特定する信号または同期信
    号の周期に基づき像の繰返し周期を検出するとともに、 該像の繰返し周期及び前記立体像表示体の寸法に対応し
    て、前記交差部分を前記一本の軸方向に掃引する前記所
    定掃引距離を変更することにより、形成される前記立体
    像表示領域の寸法を所望値とするか、 または三次元立体像信号の繰返し周期に対応して、前記
    立体像表示体内に形成される前記立体像表示領域の寸法
    を変更することにより、前記所定掃引距離を所望値とす
    る構成としたことを特徴とする請求項53記載の三次元
    立体像表示装置。
  55. 【請求項55】 出射光の光路方向断面が二次元方向に
    拡がりを有する一本の二次元レーザ光ビームと、出射光
    が光路方向に沿ってラインとなる一本のライン状レーザ
    光ビームを少なくとも用い、該各レーザ光ビームのうち
    少なくとも一本を、立体を構成する各部分の位置情報を
    含む三次元立体像信号に基づいて光強度変調し、 前記各レーザ光ビームの光路を制御して、前記ライン状
    レーザ光ビームが前記二次元レーザ光ビームを貫いて交
    差するようにし、 前記交差部分が、三次元方向に拡が
    りを有する立体像表示体の内部の所望の各位置を照射す
    るとともに、該各交差部分における光エネルギにより、
    前記立体像表示体の内部に三次元方向に分布されている
    気体または液体または固体、またはこれらの組み合わせ
    で構成された呈色材を照射して発色または着色させ、 ついで前記ライン状レーザ光ビームの光路を制御して、
    交差位置に係る像歪みを補正し、 且つ前記交差部分を前記ライン状レーザ光ビームの光路
    方向に直交する方向へ掃引して掃引面を形成させ、さら
    に前記掃引面から所定距離だけ離れて次の掃引面を形成
    させ、前記の反復により複数の掃引面が層状に重ねられ
    た立体像表示領域を前記立体像表示体の内部に形成させ
    ることを特徴とする三次元立体像表示方法。
  56. 【請求項56】 像の繰返し周期が異なる三次元立体像
    信号が適用される場合に、 該三次元立体像信号の繰返し周期に対応して、前記所定
    距離を変更することにより、形成される前記立体像表示
    領域の寸法を所望値とするか、 または三次元立体像信号の繰返し周期に対応して、前記
    形成される前記立体像表示領域の寸法を変更することに
    より、前記所定距離を所望値とすることを特徴とする請
    求項55記載の三次元立体像表示方法。
  57. 【請求項57】 少なくとも一基のレーザ発振器およ
    び、前記レーザ発振器を駆動させる駆動回路を備え、進
    行方向の異なる少なくとも二本のレーザ光ビームを発射
    する光源と、 前記少なくとも一基のレーザ発振器の出力を、立体を構
    成する各部分の位置情報を含む三次元立体像信号に基づ
    いて光強度変調するか、または前記少なくとも二本のレ
    ーザ光ビームの少なくとも一本の光強度を前記三次元立
    体像信号に基づいて変調する変調手段と、 前記各レーザ光ビームの光路の交差部分によって内部が
    照射され、該交差部分に照射されることで発色または着
    色する気体または液体または固体、またはこれらの組み
    合わせで構成された呈色材が三次元方向に分布された立
    体像表示体と、 前記少なくとも二本のレーザ光ビームの各光路を制御し
    て、前記各レーザ光ビームを前記立体像表示体中の所望
    の位置において交差させるとともに、前記交差位置を移
    動させる掃引機能を備える光路制御手段と、を備え、 且つ、前記レーザ光ビームは出射光の光路方向断面が二
    次元方向に拡がりを有する一本の二次元レーザ光ビーム
    と、出射光が光路方向に沿ってラインとなる一本のライ
    ン状レーザ光ビームとを少なくとも含んで構成され、前
    記変調手段は前記両レーザ光ビーム中の少なくとも一方
    を、前記三次元立体像信号に基づいて光強度変調し、 前記光路制御手段は、前記ライン状レーザ光ビームの光
    路を制御して、交差位置に係る像歪みを補正し、 さらに前記各レーザ光ビームの光路を制御して、前記ラ
    イン状レーザ光ビームが前記二次元レーザ光ビームを貫
    いて交差し、且つ前記交差部分を前記ライン状レーザ光
    ビームの光路方向に直交する方向へ掃引して掃引面を形
    成させ、さらに前記掃引面から所定距離だけ離れて次の
    掃引面を形成させ、前記の反復により複数の掃引面が層
    状に重ねられた立体像表示領域を前記立体像表示体の内
    部に形成させる構成としたことを特徴とする三次元立体
    像表示装置。
  58. 【請求項58】 精細度制御手段を備え、該精細度制御
    手段は、像の繰返し周期が異なる複数の三次元立体像信
    号の内のいずれかが前記三次元立体像信号として適用さ
    れる場合に、 該三次元立体像信号の種類を特定する信号または同期信
    号の周期に基づき像の繰返し周期を検出するとともに、 該像の繰返し周期及び前記立体像表示体の寸法に対応し
    て、前記掃引面間の前記所定距離を変更することによ
    り、形成される前記立体像表示領域の寸法を所望値とす
    るか、 または三次元立体像信号の繰返し周期に対応して、前記
    立体像表示体内に形成される前記立体像表示領域の寸法
    を変更することにより、前記掃引面間の前記所定距離を
    所望値とする構成としたことを特徴とする請求項57記
    載の三次元立体像表示装置。
  59. 【請求項59】 出射光の光路方向断面が二次元方向に
    拡がりを有する一本の二次元レーザ光ビームと、出射光
    が光路方向に沿ってラインとなる一本のライン状レーザ
    光ビームを少なくとも用い、該各レーザ光ビームのうち
    少なくとも一本を、表示対象である立体の表面または稜
    線に沿った三次元立体像信号に基づいて光強度変調し、 前記各レーザ光ビームの光路を制御して、前記ライン状
    レーザ光ビームが前記二次元レーザ光ビームを貫いて交
    差するようにし、 前記交差部分が、三次元方向に拡が
    りを有する立体像表示体の内部の所望の各位置を照射す
    るとともに、該各交差部分における光エネルギにより、
    前記立体像表示体の内部に三次元方向に分布されている
    気体または液体または固体、またはこれらの組み合わせ
    で構成された呈色材を照射して発色または着色させ、 ついで前記ライン状レーザ光ビームの光路を制御して、
    交差位置に係る像歪みを補正し、 且つ前記交差部分を前記三次元立体像信号に基づき所定
    掃引距離だけ掃引して、前記交差部分において発色また
    は着色する前記呈色材が、表示対象である立体の表面ま
    たは稜線に沿う立体像の表示領域を前記立体像表示体内
    に形成させ、 前記三次元立体像信号の繰返し周期が異なる場合に、該
    三次元立体像信号の繰返し周期に対応して前記所定掃引
    距離を変更することにより、形成される前記立体像の表
    示領域の寸法を所望値とするか、 または前記三次元立体像信号の繰返し周期に対応して、
    前記形成される前記立体像の表示領域の寸法を変更する
    ことにより、前記所定掃引距離を所望値とすることを特
    徴とする三次元立体像表示方法。
  60. 【請求項60】 少なくとも一基のレーザ発振器およ
    び、前記レーザ発振器を駆動させる駆動回路を備え、進
    行方向の異なる少なくとも二本のレーザ光ビームを発射
    する光源と、 前記少なくとも一基のレーザ発振器の出力を、表示対象
    である立体の表面または稜線に沿った位置情報によって
    構成された三次元立体像信号に基づいて光強度変調する
    か、または前記少なくとも二本のレーザ光ビームの少な
    くとも一本の光強度を前記三次元立体像信号に基づいて
    変調する変調手段と、 前記各レーザ光ビームの光路の交差部分によって内部が
    照射され、該交差部分に照射されることで発色または着
    色する気体または液体または固体、またはこれらの組み
    合わせで構成された呈色材が三次元方向に分布された立
    体像表示体と、 前記少なくとも二本のレーザ光ビームの各光路を制御し
    て、前記各レーザ光ビームを前記立体像表示体中の所望
    の位置において交差させるとともに、前記交差位置を移
    動させる掃引機能を備える光路制御手段と、を備え、 且つ、前記少なくとも二本のレーザ光ビームは、出射光
    の光路方向断面が二次元方向に拡がりを有する一本の二
    次元レーザ光ビームと、出射光が光路方向に沿ってライ
    ンとなる一本のライン状レーザ光ビームを含んで構成さ
    れ、 前記光路制御手段は、前記ライン状レーザ光ビームの光
    路を制御して、交差位置に係る像歪みを補正し、 且つ前記ライン状レーザ光ビームが前記二次元レーザ光
    ビームを貫いて交差するよう前記両レーザ光ビームの光
    路を制御し、且つ前記交差部分を前記三次元立体像信号
    に基づき所定掃引距離だけ掃引することにより、前記交
    差部分において発色または着色する前記呈色材が、表示
    対象である立体の表面または稜線に沿う立体像の表示領
    域を前記立体像表示体内に形成させ、 さらに前記三次元立体像信号の繰返し周期が異なる場合
    に、該三次元立体像信号の繰返し周期に対応して前記所
    定掃引距離を変更することにより、形成される前記立体
    像の表示領域の寸法を所望値とするか、 または前記三次元立体像信号の繰返し周期に対応して、
    前記形成される前記立体像の表示領域の寸法を変更する
    ことにより、前記所定掃引距離を所望値とする精細度制
    御手段を備える構成としたことを特徴とする三次元立体
    像表示装置。
  61. 【請求項61】 三次元拡がりを有する立体像表示体内
    に三次元拡がりを有する立体像をレーザ光ビームの照射
    によって描像するとともに、該立体像表示体の背面に配
    設した二次元ディスプレイ装置に画像を表示させること
    により、前記立体像に前記画像を重畳して表示させるこ
    とを特徴とする三次元像表示方法。
  62. 【請求項62】 前記三次元立体像の描像方法は、請求
    項1、2、3、7、8、9、10、15、17、18、
    19、20、25、27、28、31、32、35、3
    7、38、41、43、44、47、48、51、5
    2、55、56または59記載の三次元立体像表示方法
    であることを特徴とする請求項61記載の三次元像表示
    方法。
  63. 【請求項63】 レーザ光ビームに照射されることで発
    色または着色する気体または液体または固体、またはこ
    れらの組み合わせで構成された呈色材が三次元方向に分
    布された立体像表示体を備える三次元立体像表示装置の
    背面に、二次元の表示画面を有して通電により画像表示
    する二次元ディスプレイ装置を配設し、前記立体像表示
    体により表示される立体像の背面に前記二次元ディスプ
    レイ装置により表示される画像を重畳させる構成とした
    ことを特徴とする三次元像表示装置。
  64. 【請求項64】 前記三次元立体像表示装置は、請求項
    4、5、6、11、12、13、14、16、21、2
    2、23、24、26、29、30、33、34、3
    6、39、40、42、45、46、49、50、5
    3、54、57、58または60記載の三次元立体像表
    示装置であることを特徴とする請求項63記載の三次元
    像表示装置。
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