JP2000101475A - スライディングコリレータ及びマッチドフィルタ及びcdma受信機 - Google Patents

スライディングコリレータ及びマッチドフィルタ及びcdma受信機

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JP2000101475A
JP2000101475A JP27262398A JP27262398A JP2000101475A JP 2000101475 A JP2000101475 A JP 2000101475A JP 27262398 A JP27262398 A JP 27262398A JP 27262398 A JP27262398 A JP 27262398A JP 2000101475 A JP2000101475 A JP 2000101475A
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multiplier
phase
signal
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switch
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JP27262398A
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Ichiro Imaizumi
市郎 今泉
Hiroshi Higuchi
浩 樋口
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Kokusai Electric Corp
Original Assignee
Kokusai Electric Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 通常のオペアンプを使用してアナログ演算処
理を行うことにより、簡単且つ小規模な構成で、更に消
費電力を抑えることができるスライディングコリレータ
及びマッチドフィルタ及びCDMA受信機を提供する。 【解決手段】 差動アンプ60及び乗算器用スイッチ2
0の制御によりCDMA変調されたアナログの入力信号
にPN符号を乗算し、情報保持用静電容量50に乗算結
果を保持し、加算用スイッチ40の制御によって1シン
ボル分の保持結果を加算して相関出力を得る手段であ
り、前記加算演算後に加算結果のリフレッシュを行うス
ライディングコリレータ及びマッチドフィルタ及びCD
MA受信機である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、移動体通信や無線
LAN等におけるスペクトラム拡散通信システムの受信
機側で用いられるスライディングコリレータ及びマッチ
ドフィルタ及びCDMA受信機に係り、特に簡単且つ小
規模な構成で、更に消費電力を低減できるスライディン
グコリレータ及びマッチドフィルタ及びCDMA受信機
に関する。
【0002】
【従来の技術】一般的にスペクトラム拡散(Spread Spe
ctrum:SS)通信システムでは、送信側で送信データ
に対して狭帯域変調(1次変調)と拡散変調(2次変
調)の2段階の変調を行ってデータを送信し、受信側で
は、受信データに対して逆拡散を行って1次変調信号に
戻してから、通常の検波回路でベースバンド信号の再生
を行うようになっている。
【0003】そして、従来スぺクトラム拡散された受信
信号の逆拡散回路としては、同期捕捉を行い以降検出さ
れた同期位相で相関を取るために、論理回路で構成され
たスライディングコリレータが用いられていた。スライ
ディングコリレータは、1ビットの相関器を用いて局発
符号系列を1ビットずつシフトさせ毎回受信符号系列と
の相関を求めるものであり、符号系列長だけのビット数
について相関を求めれば、相関がピークとなる同期位相
が求められ同期捕捉が行われるというものである。
【0004】ここで、従来の逆拡散回路の1つであるス
ライディングコリレータについて図7を使って説明す
る。図7は、従来のスライディングコリレータの一部分
の構成ブロック図である。
【0005】従来のスライディングコリレータの相関出
力取得部分は、AD変換器1と、乗算器2′と、PNコ
ードレジスタ3と、加算器4′とから構成されていた。
【0006】AD変換器1は、符号分割多重(Code Div
ision Multiple Access :CDMA)変調されて送信さ
れ、アンテナ(図示せず)で受信されたアナログ信号
を、デジタル信号に変換する高精度のアナログ/デジタ
ル変換器である。
【0007】PNコードレジスタ3は、送信側でCDM
A変調に用いられたのと同じ拡散符号であるPN(Pseu
do random Noise )符号(コード)を出力するレジスタ
である。
【0008】乗算器2′は、AD変換器1から出力され
るデジタルの受信データに、PNコードレジスタ3から
出力されるPNコードを乗積する乗算器である。
【0009】加算器4′は、乗算器2′から出力される
乗算結果を、1シンボル期間累積加算して積分値を相関
出力として出力するものである。ここで、乗算結果を累
積加算するために、加算器4′からの出力はフィードバ
ックされて、遅延器等(図示せず)で1ビット分だけ遅
延させたものが加算器4′に入力され、加算器4′で乗
算器2′からの出力と加算されることによって累積加算
が行われるようになっている。
【0010】従来のスライディングコリレータの動作
は、アンテナで受信された受信データのアナログ信号が
AD変換器1でデジタル信号に変換され、PNコードレ
ジスタ3から出力されるPNコードと乗算器2′で乗算
され、加算器4′で累積加算されて、1シンボル分の加
算結果が相関信号として出力される。そして、乗算器
2′における乗算のタイミングを1チップずらして位相
を変化させながら乗算、累計加算が繰り返され、相関出
力がピークとなる同期位相が検出されるようになってい
る。
【0011】この逆拡散回路としてスライディングコリ
レータを用いる構成は、比較的簡単でゲート数も少なく
消費電力も少ないが、受信したアナログ信号をデジタル
信号に変換する高精度のアナログ/デジタル変換器(A
D変換器1)が不可欠であり、総合の消費電力の増大を
もたらすという問題点があり、更に、相関出力が得られ
るまでに、(1シンボル分の累積加算時間×1シンボル
内のチップ数)の時間がかかってしまうという問題点が
あった。
【0012】この時間に関する問題点を解決する方法と
してマッチドフィルタ(整合フィルタ、若しくはMatche
d Filter:MF)がある。マッチドフィルタは、位相を
ずらした場合の相関を一斉に取ることによって1シンボ
ル時間内に同期捕捉を行うものである。
【0013】しかし、一般的なマッチドフィルタでは、
一斉に位相をずらした場合の相関を取るために、例えば
上記説明したスライディングコリレータに対して、1シ
ンボル内のチップ数倍のゲートが必要となり、ゲート規
模が増大し、消費電力の増大を招き、移動端末用には使
用が困難である。
【0014】これらの対策として、アナログ/デジタル
変換器を用いず、直接アナログ信号のまま復調を行うマ
ッチドフィルタが、特開平9−46231号「マッチド
フィルタ回路」等で提案されている。
【0015】ここで、従来の逆拡散回路の別の例である
マッチドフィルタについて、図8を用いて説明する。図
8は、従来のマッチドフィルタの構成例を示すブロック
図である。従来のマッチドフィルタは、拡散符号である
PN符号(コード)を出力するPNコードレジスタ3
と、CDMA変調されているアナログの入力信号を順次
取り込んで保持する複数のサンプル・ホールド回路(S
/H)5′と、各サンプル・ホールド回路5′で保持さ
れた電位に対してPNコードレジスタ3からのPN符号
を乗算する乗算器2″と、乗算器2″からの出力を一斉
に加算する加算器4″とから構成されている。
【0016】尚、特開平9−46231号の提案では、
消費電力を低減する目的から、サンプル・ホールド回路
5にいわゆるニューロオペアンプが使用されている。ニ
ューロオペアンプについては、特開平6−45839号
「演算増幅器」等に提案されている他、'97ISSC
C Digest of Technical Paper TP6.5 Page100 にも記
載されている。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
デジタル方式のスライディングコリレータでは、AD変
換器1による消費電力が大きく、更に、相関出力が得ら
れるまでの時間がかかるという問題点があった。
【0018】また、特開平9−46231号に提案され
ている従来のアナログ方式のマッチドフィルタでは、消
費電力はデジタル方式に比べ格段に少ない(約十分の
一)が、しかしアナログ型の演算回路においては、ニュ
ーロオペアンプを用いているために、それを構成するイ
ンバータ自体及び演算、キャパシタンスにおける電荷残
留によりオフセット電圧が生じ、多数のアンプ間のオフ
セット誤差が大きく、出力精度が劣化するという問題点
があった。
【0019】本発明は上記実情に鑑みて為されたもの
で、通常のオペアンプを使用してアナログ演算処理を行
うことにより、簡単且つ小規模な構成で、更に消費電力
を抑えることができるスライディングコリレータ及びマ
ッチドフィルタ及びCDMA受信機を提供することを目
的としている。
【0020】
【課題を解決するための手段】上記従来例の問題点を解
決するための請求項1記載の発明は、スライディングコ
リレータにおいて、符号分割多重方式で変調されたアナ
ログ信号を入力し、前記アナログ信号の正相信号と、前
記アナログ信号の逆相信号とを出力する正相逆相発生ア
ンプと、前記正相逆相発生アンプから出力される正相信
号及び逆相信号と拡散符号とを時系列にタイミングをず
らしながら乗算する乗算器と、前記乗算器の結果を保持
する複数のサンプルホールド回路と、定められた期間終
了毎に全ての前記サンプルホールド回路の値を加算する
加算器であって、該加算器は1シンボル期間終了後の加
算演算後に少なくとも1回、加算結果をリフレッシュす
るリフレッシュ回路を備えたことを特徴としており、ア
ナログ信号のまま相関出力を得ることができる。
【0021】上記従来例の問題点を解決するための請求
項2記載の発明は、スライディングコリレータにおい
て、符号分割多重方式で変調されたアナログ信号を数値
のデジタル信号に変換するA/D変換器と、前記デジタ
ル信号と拡散符号とを時系列にタイミングをずらしなが
ら乗算する乗算器と、前記乗算器の結果を保持する複数
のサンプルホールド回路と、定められた期間終了毎に全
ての前記サンプルホールド回路の値を加算する加算器で
あって、該加算器は1シンボル期間終了後の加算演算後
に少なくとも1回、加算結果をリフレッシュするリフレ
ッシュ回路を備えたことを特徴としており、デジタル信
号に変換後、簡単な構成で相関出力を得ることができ
る。
【0022】上記従来例の問題点を解決するための請求
項3記載の発明は、請求項1又は請求項2記載のスライ
ディングコリレータにおいて、乗算器が、拡散符号を構
成する各符号の値に応じてアナログ信号の正相信号又は
逆相信号或いはデジタル信号を選択して出力する1シン
ボル期間のチップ数の乗算器用スイッチを有する乗算器
であることを特徴としており、複数のスイッチで乗算器
を構成できる。
【0023】上記従来例の問題点を解決するための請求
項4記載の発明は、請求項1又は請求項2記載のスライ
ディングコリレータにおいて、サンプルホールド回路
が、請求項3記載の乗算器の各乗算器用スイッチに接続
された静電容量であることを特徴としており、単純な静
電容量でサンプル・ホールド回路を構成できる。
【0024】上記従来例の問題点を解決するための請求
項5記載の発明は、請求項1又は請求項2記載のスライ
ディングコリレータにおいて、加算器が、請求項4記載
の静電容量を一斉に導通させる前記静電容量と対になる
加算器用スイッチであることを特徴としており、単純な
スイッチで加算器を構成できる。
【0025】上記従来例の問題点を解決するための請求
項6記載の発明は、マッチドフィルタにおいて、請求項
3乃至請求項5記載の乗算器用スイッチ及び静電容量及
び加算器用スイッチの組を1シンボル期間のチップ数分
設けたものを基本コリレータブロックとし、請求項1記
載の正相逆相発生アンプ又は請求項2記載のA/D変換
器と、1シンボル期間のチップ数以上の前記基本コリレ
ータブロックを有することを特徴としており、1つの簡
単な構成のアンプと複数のスイッチ及び静電容量とでマ
ッチドフィルタを構成でき、小規模化し且つ消費電力を
低減できる。
【0026】上記従来例の問題点を解決するための請求
項7記載の発明は、CDMA受信機において、逆拡散回
路として請求項1又は請求項2又請求項3又は請求項4
又は請求項5記載のスライディングコリレータ若しくは
請求項6記載のマッチドフィルタを用いることを特徴と
しており、1つの簡単な構成のアンプ又は簡単な構成の
A/D変換器と複数のスイッチ及び静電容量とで逆拡散
回路を構成でき、復調器を小規模化し且つ消費電力を低
減できる。
【0027】
【発明の実施の形態】請求項に係る発明について、その
実施の形態を図面を参照しながら説明する。本発明に係
るスライディングコリレータ及びマッチドフィルタ及び
CDMA受信機は、CDMA変調されたアナログの入力
信号にPN符号を乗算してから保持し、1シンボル分の
保持結果を加算して相関出力を取得し、乗算のタイミン
グをずらしながら相関出力の取得を1シンボル分繰り返
して相関ピークを検出するものであり、前記の1シンボ
ル分の保持結果を加算して相関出力を取得した後にリフ
レッシュ回路によるリフレッシュ信号を加えることで、
バッファアンプの入力側に寄生する容量(配線の寄生容
量やバッファアンプに入力される入力容量などのいわゆ
る、みなし容量)の残留電荷(加算演算結果)を排除す
るので、簡単な構成の1つのアンプと複数のスイッチ及
び静電容量を用いるだけの簡単且つ小規模な構成で、更
に消費電力を低減できるものである。
【0028】まず、本発明に係るスライディングコリレ
ータの概略構成について図1を使って説明する。図1
は、本発明に係るスライディングコリレータの一部分の
概略構成ブロック図である。尚、図8と同様の構成をと
る部分については同一の符号を付して説明する。
【0029】本発明のスライディングコリレータにおけ
る相関出力を取得する部分の概略構成は、図1に示すよ
うに、CDMA変調されたアナログ入力から正相及び逆
相の信号を発生する正相逆相発生アンプ6と、CDMA
変調の拡散符号であるPN符号を記憶しているPNコー
ドレジスタ3と、正相逆相発生アンプ6からの出力を用
いてアナログ入力信号とPN符号の値を乗算する乗算器
2と、その乗算器2の結果を保持する複数のサンプルホ
ールド回路(S/H)5と、定められた期間(一般的に
は1シンボル期間)終了後、すべてのサンプルホールド
回路5の値を加算する加算器4と、前記加算後にリフレ
ッシュ信号を与えて加算器4の寄生容量の残留電荷を排
除するリフレッシュ回路7から構成されている。
【0030】次に、本発明の基本となる第1のスライデ
ィングコリレータの相関出力取得部分の具体的な回路構
成について、図2を使って説明する。図2は、本発明の
第1のスライディングコリレータの相関出力取得部分の
回路図である。
【0031】本発明の基本となる第1のスライディング
コリレータの相関出力取得部分の具体的な回路構成は、
図2に示すように、PNコードレジスタ3と、差動アン
プ60と、複数の乗算器用スイッチ20と、複数の情報
保持用静電容量50と、複数の加算用スイッチ40と、
リフレッシュ回路70と、リフレッシュ用スイッチ8
と、バッファアンプ41と、クロック発生回路11と乗
算用スイッチ制御回路12と加算用スイッチ制御回路1
3を具備するスイッチ制御回路ブロック15とから構成
されている。
【0032】次に、本発明の第1のスライディングコリ
レータの各部について具体的に説明する。PNコードレ
ジスタ3は、従来と同様に、送信側でCDMA変調の拡
散符号として使用されたPN符号(コード)を、予め記
憶しているものであり、後述するクロック発生回路11
からのクロックでPNコードを後述する乗算用スイッチ
制御回路12に出力するようになっている。
【0033】差動アンプ60は、正相逆相発生アンプ6
を実現するもので、受信したCDMA変調のアナログ信
号を取り込んで、入力したアナログ信号に関する正相信
号及び逆相信号を生成して出力するものである。具体的
に差動アンプ60は、受信したCDMA変調アナログ入
力信号を一方に入力し、受信したアナログ入力信号の直
流(DC)レベルと同一の直流レベル電圧(DC電圧)
を他方に入力し、正相信号として入力したアナログ信号
をそのままの電位で出力し、逆相信号として入力したア
ナログ信号を上記DC電圧のレベルで折り返した電位を
出力するようになっている。
【0034】逆相信号の具体例として、例えばDC電圧
レベルが1.5Vとすれば、アナログ信号の電位が2.
5Vの場合には、逆相信号として0.5Vを出力し、ア
ナログ信号の電位が0.5Vの場合には、逆相信号とし
て2.5Vを出力するようになっている。
【0035】ここで、DC電圧のレベルは、アナログ信
号の中心電位レベル(おおよそアナログ信号の最大値と
最小値との中心電圧)とすればよい。また、この差動ア
ンプ60は、増幅が目的ではないので、ゲインは1程度
でよく、また、正確に1とする必然性もないので、製造
面では作り易く、且つ制御面からいっても制御が簡単で
あるという利点がある。
【0036】乗算器用スイッチ20は、アナログ入力信
号とPNコードとの乗算を実現するためのスイッチで、
PNコード長(正確には1シンボルのチップ数n)分だ
け並列に設置する。(図2では、乗算器用スイッチ20
-1〜20-nで、説明の関係から仮にn=128として説
明する。)
【0037】そして、乗算器用スイッチ20は、通常は
開放状態にあって、後述する乗算用スイッチ制御回路1
2の制御に従って、乗算器用スイッチ20-1〜20-nの
順で1チップずつずらしたタイミングで、PNコードレ
ジスタ3に記憶されたPNコードの値(「0」又は
「1」)に従って、正相又は逆相の差動アンプ60出力
を取り込むようになっている。
【0038】つまり、例えばPNコードが「100…」
であれば、第1チップのタイミングで、乗算器用スイッ
チ20-1が正相側(a)に切り替わって正相出力を取り
込み、第2チップのタイミングで、乗算器用スイッチ2
0-1は開放され、乗算器用スイッチ20-2が逆相側
(b)に切り替わって逆相出力を取り込み、第3チップ
のタイミングで、乗算器用スイッチ20-2は開放され、
乗算器用スイッチ20-3が逆相側(b)に切り替わって
逆相出力を取り込み、…と動作し、乗算器用スイッチ2
0-nまで1チップ毎に切り替わりながら、PNコードに
従って正相又は逆相出力を取り込むようになっている。
【0039】そして、スライディングコリレータにおい
ては、1シンボル分の取り込みが終了すると、次は相関
を取る位相を変化させるために、1チップずらしたタイ
ミングで乗算を行うので、第2回目は1チップ分休んで
から、再度、乗算器用スイッチ20-1〜20-nの順で1
チップずつずらしたタイミングで、PNコードの値に従
って、正相又は逆相の差動アンプ60出力を取り込むよ
うになっている。
【0040】リフレッシュ回路70は、この1チップ分
休んでいる間にリフレッシュ用スイッチ8によりバッフ
ァアンプ41に寄生する容量や入力容量などのいわゆる
みなし容量の残留電荷を排除する。具体的なリフレッシ
ュ回路の例としては図10に示すように、通常MOSト
ランジスタ(MOSTr)とインバータにより構成で
き、例えば図10(a)では制御信号が0Vの時にx
x'間にてスイッチON状態、また、図10(b)では
制御信号が5Vの時にxx'間にてスイッチON状態と
することができ、この5Vの場合ではリフレッシュ信号
は基準電圧である5V電圧を一定時間与えてリフレッシ
ュを行うことができる、というものである。
【0041】情報保持用静電容量50は、アナログ入力
信号とPNコードとの乗算結果を保持するもので、乗算
器用スイッチ20と対になるようにPNコード長分だけ
並列に設置する。(図2では、情報保持用静電容量50
-1〜50-nで、n=128として説明する。)
【0042】ここで、各情報保持用静電容量50-1〜5
0-nは、容量値が等しい事だけが必要な条件であり、そ
の絶対値の大きさは問題にならないので製造し易い利点
がある。また、乗算器用スイッチ20の入力側までの寄
生容量値及び加算用スイッチ40の出力側の寄生容量値
はまちまちでよいので、配線の自由度は大きく、LSI
内のレイアウトを行い易いメリットがある。
【0043】情報保持用静電容量50は、後述する加算
用スイッチ40が、当初開放状態にあり、前述した乗算
器用スイッチ20の動作によって、1チップずつずらし
たタイミングで、アナログ入力信号とPNコードとの乗
算結果が情報保持用静電容量50-1〜50-nの順に保持
されるようになっている。
【0044】加算用スイッチ40は、情報保持用静電容
量50に保持された乗算結果を加算するためのスイッチ
で、乗算器用スイッチ20と対になるようにPNコード
長分だけ並列に設置する。そして、加算用スイッチ40
は、後述する加算用スイッチ制御回路13の制御に従っ
て、当初開放状態にあり、アナログ入力信号とPNコー
ドとの乗算結果が情報保持用静電容量50-nまで保持さ
れたタイミングで、一斉に閉状態にして、情報保持用静
電容量50-1〜50-nに保持された情報を加算する事に
なり、この電位が相関結果として出力される。
【0045】クロック発生回路11は、装置全体のクロ
ックを制御するメインクロックを取り込んで、メインク
ロックから乗算器用スイッチ20の切り替えタイミング
のクロック及びPNコードレジスタ3におけるPNコー
ド発生タイミングのクロックを発生して乗算用スイッチ
制御回路12及びPNコードレジスタ3に供給し、更に
加算用スイッチ40の切り替えタイミングのクロックを
発生して加算用スイッチ制御回路13に供給するもので
ある。
【0046】乗算用スイッチ制御回路12は、乗算器用
スイッチ20-1〜20-nの切り替え制御を行うもので、
クロック発生回路11から供給される乗算器用スイッチ
20の切り替えタイミングのクロックに従って、PNコ
ードレジスタ3から出力されるPNコードの値に従って
乗算器用スイッチ20-1〜20-nを順次切り替えるよう
になっている。
【0047】加算用スイッチ制御回路13は、加算用ス
イッチ40-1〜40-nの切り替え制御を行うもので、ク
ロック発生回路11から供給される加算用スイッチ40
の切り替えタイミングのクロックに従って、加算用スイ
ッチ40-1〜40-nを一斉に切り替えるようになってい
る。
【0048】次に、本発明の第1のスライディングコリ
レータの動作について、図2を使って説明する。本発明
の第1のスライディングコリレータは、送信側において
時系列のPN符号で拡散されたCDMA変調のアナログ
信号が、受信されてベースバンド信号に変換されて差動
アンプ60の一方に入力され、他方にはしきい値となる
直流レベル電圧が入力され、差動アンプ60で入力され
たしきい値を中心にして正相と逆相のアナログ信号が出
力される。
【0049】そして、乗算用スイッチ制御回路12の制
御に従って、乗算器用スイッチ20-1〜20-nが1チッ
プ間隔で順次、PNコードレジスタ3に記憶されたPN
符号に従って正相又は逆相の信号の側に切り替えられ
て、アナログ入力信号とPNコードとの乗算が行われ、
乗算結果が情報保持用静電容量50-1〜50-nに保持さ
れる。
【0050】そして、最後の情報保持用静電容量50-n
に保持された次のチップタイミングで、加算用スイッチ
制御回路13の制御に従って、各加算用スイッチ40が
一斉に閉じられて、情報保持用静電容量50-1〜50-n
に保持された情報が加算されて、バッファアンプ41で
増幅して相関出力が得られる。相関出力が得られると、
次回の相関出力を得るために予めバッファアンプ41を
リフレッシュし寄生容量などの余分な容量を排除してお
く必要があり、そのため相関出力が得られたことを示す
信号をリフレッシュ用スイッチ8に与え(図示せず)、
リフレッシュ回路70により基準電圧を少なくとも1回
与えることでリフレッシュされる。
【0051】ここで、リフレッシュ回路70の動作につ
いての、寄生容量や配線入力容量などのみなし容量につ
いて説明する。まず、加算の演算結果の電圧をVb0と
すると、加算用スイッチを開いたときにバッファアンプ
の入力ノードに加算演算結果として電荷qb0が存在す
る。これを式で表すと図9(a)で表される式となる。
【0052】また、各サンプルホールドのホールド電圧
をVkとすると、サンプルホールドが全て終了し、加算
用スイッチを閉じる前の時点では各情報保持用静電容量
に電荷qkが存在する。これを式で表すと図9(b)で
表される式となる。
【0053】したがって、加算用スイッチを閉じた後の
電荷の総和qsは、図9(c)で表される式となる。
【0054】上記より、加算用スイッチを閉じた後のバ
ッファアンプの入力電圧Vb1は、図9(d)の式で表
される。
【0055】この図9(d)の式より、演算比精度はC
b・Vb0だけ悪くなることがわかる。
【0056】図2のコリレータ回路には、バッファアン
プ入力ノードのリフレッシュ用スイッチ8が設けられて
いる。加算用スイッチを閉じる前にこのリフレッシュ用
スイッチを閉じて、開くことにより、バッファアンプの
入力ノードは電源電圧の1/2の電圧であるリフレッシ
ュ基準電圧となる。本回路においては、リフレッシュ基
準電圧を基準"0"として演算する回路であるので、加算
用スイッチを閉じる前にバッファアンプの入力ノードを
リフレッシュ基準電圧とすることにより、前記の図9
(d)式の演算比精度劣化成分は、Cb・Vb0を"0"
とすることができ、演算比精度が改善される。
【0057】このような上述した回路を、スライディン
グコリレータとして使用する場合は、同期捕捉のため
に、乗算器用スイッチ20-1〜20-nにおける正相又は
逆相信号の取り込みタイミング(位相)を1チップずら
して、同様の動作を実施し、これを1シンボル数回(例
えば、128回)繰り返し、相関出力のピークを得た位
相を特定して同期捕捉を行い、このPN符号とアナログ
信号の位相関係を記憶し、以降は記憶された位相で相関
器(コリレータ)として動作し、逆拡散を行うようにな
っている。
【0058】本発明の第1のスライディングコリレータ
は、基本的に1段のアンプ(差動アンプ60)と複数の
スイッチ及び静電容量でその機能を達成できるので、極
めて低消費電力で実現できる効果がある。
【0059】また、サンプルホールド回路5を構成する
情報保持用静電容量50-1〜50-nの容量は、各容量値
が等しければその大きさは問題にならないので作成し易
く、更に乗算器用スイッチ20の入力側までの寄生容量
値及び加算用スイッチ40の出力側の寄生容量値はまち
まちでよいので、配線の自由度は大きく、LSI内のレ
イアウトを行い易い効果がある。
【0060】しかし、上記説明した本発明の第1のスラ
イディングコリレータでは、同期位相検出(同期捕捉)
のために、1チップずつタイミングをずらしながらPN
符号長の回数分(例えば128回)だけ相関を取ってか
ら、相関出力のピークを検出しなければならず、ピーク
を得るまでに時間がかかった。
【0061】そこで、第1のスライディングコリレータ
を用いて、短時間で相関ピークを得て同期捕捉を行うこ
とができる第2のスライディングコリレータについて、
図3を使って説明する。図3は、本発明の第2のスライ
ディングコリレータの相関出力取得部分の概略構成ブロ
ック図である。
【0062】本発明の第2のスライディングコリレータ
は、図2に示した第1のスライディングコリレータにお
ける点線で囲んだ部分を基本コリレータブロック10と
して、この基本コリレータブロック10を複数(図3で
は3つ)設けたものである。
【0063】第2のスライディングコリレータでは、基
本コリレータブロック10-1及び基本コリレータブロッ
ク10-2及び基本コリレータブロック10-3において、
各々1番目の乗算器用スイッチ20-1で取り込みを始め
るタイミングを1チップずつずらして、ほぼ同時に相関
を取る動作を行い、各基本コリレータブロック10で最
後の乗算器用スイッチ20-nでの取り込みが終了したな
ら、次は4チップずらしたタイミングで第2回目の取り
込みを開始するようになっている。
【0064】その結果、例えばPN符号長が128の場
合、第1のスライディングコリレータでは128回の乗
算値の取り込みを繰り返さないと相関出力のピークを得
ることができなかったが、第2のスライディングコリレ
ータで基本コリレータブロック10を3つ設けた場合
は、1/3の回数で相関出力のピークを得ることができ
る。
【0065】また、相関ピークが得られた後コリレータ
として使用する場合にも、基本コリレータブロック10
を複数用意してあるので、ピークとなった位相を中心に
前後にずれた位相で常に相関を取るようにすれば、位相
のずれがどの方向に向かっているかの判断ができ、刻々
位相を調整すること(同期追跡)が可能になり、常によ
い状態の相関出力を得ることができる。
【0066】第2のスライディングコリレータの場合、
基本コリレータブロック10は複数設けても差動アンプ
60は1つで良いし、バッファアンプ41についても、
各基本コリレータブロック10からの出力を時系列に切
り替えてバッファアンプ41に入力するようにすればバ
ッファアンプ41も1つでよく、消費電力は増大しな
い。つまり、第2のスライディングコリレータは、消費
電力を増大することなく、高速に同期捕捉を行うことが
でき、且つ常時位相調整を行って同期追跡も可能とな
り、高精度の相関出力を得ることができる効果がある。
【0067】次に、第1のスライディングコリレータを
用いたマッチドフィルタについて、図4を用いて説明す
る。図4は、本発明のマッチドフィルタの概略構成図で
ある。本発明のマッチドフィルタは、上記説明した第1
のスライディングコリレータの基本コリレータブロック
10を、PNコード長(例えば、128チップ数)だけ
並べ、それぞれのPN符号の位相あるいはアナログ入力
の取り込み位相を1チップずつずらして実施すればよ
い。相関出力のピークが得られるまでの時間は通常のマ
ッチドフィルタと同じである。
【0068】さらにマッチドフィルタの動作が完了し、
位相関係が明確になれば、すでに述べたようにマッチド
フィルタを構成している基本コリレータブロック10の
中の複数本(せいぜい3本)を使用すればよく、不要な
本数は休ませることができ、消費電力の低減が簡単に達
成できる。
【0069】また、複数パス(いわゆる遅延波)に対す
る対応も、自由に基本コリレータブロック10の数(パ
ス数の3倍程度)を選ぶことにより、従来のマッチドフ
ィルタに比べ大幅に消費電力を低減できる。
【0070】尚、オーバーサンプリング及び、I相,Q
相各々に対する処理等は、上記コリレータ、スライディ
ングコリレータ、マッチドフィルタを複数個ならべて処
理をすれば達成できることは明らかである。
【0071】次に、本発明のマッチドフィルタの詳細な
回路構成例について図5を使って説明する。図5は、本
発明のマッチドフィルタの回路構成例を示す回路図であ
る。図5に示したマッチドフィルタの特徴は、乗算器用
スイッチ20′とサンプルホールド(S/H)用スイッ
チ51とを別々に設けて構成している点である。
【0072】これは、マッチドフィルタとして使用する
場合には、1シンボル期間内のPN符号は変化しなくて
良いので、PN符号の「0」、「1」に従って乗算器用
スイッチ20′-1〜20′-nまでを固定的に正相又は逆
相の側に接続しておいて、常時アナログ入力信号と各P
N符号との乗算結果を出力している状態にする。
【0073】そして、スイッチ制御回路ブロック15内
の乗算用スイッチ制御回路12によって、サンプル・ホ
ールド用スイッチ51-1〜51-nを1チップずつずらし
たタイミングで接続していって、アナログ入力信号とP
Nコードとの乗算結果を情報保持用静電容量50-1〜5
0-nに保持するようになっている。また、図2説明と同
様にバッファアンプ41の寄生容量の排除のためにリフ
レッシュ回路70及びリフレッシュ用スイッチ8を設
け、相関出力を出力した後にリフレッシュの為の基準電
圧を与えるものである。
【0074】図5のマッチドフィルタでは、乗算器用ス
イッチ20′の切り替え制御が不要なので、制御回路
(論理回路)の低消費電力化につながる。
【0075】次に、本発明のマッチドフィルタのレイア
ウトイメージについて図6を使って説明する。図6は、
図5に示したマッチドフィルタの基本コリレータブロッ
ク10′部分のレイアウトイメージを示す回路図であ
る。図6では、縦方向の1列が基本コリレータブロック
10′に相当し、基本コリレータブロック10′が1シ
ンボルのチップ数分(n個)設けられている。
【0076】スライディングコリレータとして使用する
場合にも同様のレイアウトであるが、基本コリレータブ
ロック10の数分の縦列を設ければよい。
【0077】スライディングコリレータとして使用する
場合には、取り込むタイミングを1チップ分(基本コリ
レータブロック10を複数段設ける場合には複数チップ
分)ずつ遅らせていくので、その間に加算演算を行え
ば、その次の取り込み動作を次々に実施していく事がで
きる。
【0078】しかし、マッチドフィルタとして使用する
場合には、次々と信号を取り込まなければならないた
め、加算の時間を確保できないので、その対策として、
最初の取り込みのサンプルホールド用スイッチ51及び
情報保持用静電容量50及び加算用スイッチ40を2回
路用意し、各々を切り替えて用いることによって、加算
をしている時間にも情報の取り込みを行える様にしてい
る。図6に示した選択回路は、1番目のサンプルホール
ド用スイッチ51及び情報保持用静電容量50及び加算
用スイッチ40から成るサンプルホールド回路を1シン
ボル毎に切り替えるための回路である。
【0079】本発明のスライディングコリレータ及びマ
ッチドフィルタの基本コリレータブロック10部分のレ
イアウトは、サンプルホールド用静電容量(メモリーセ
ル)とそのスイッチを碁盤の目のように並べる構成にな
っており、ちょうどDRAMのようなレイアウトとな
り、DRAMのレイアウトパターンの転用をはかる事が
できる効果もある。
【0080】尚、本発明のスライディングコリレータ及
びマッチドフィルタにおいて、差動アンプ60は必ずし
もその必要があるわけではなく、アナログ入力信号を反
転(逆相化)する反転回路(インバータ回路)を使用し
て同じ機能を果たせることは明白である。
【0081】また、別の実施の形態として、図1を用い
て説明した実施の形態における正相逆相発生アンプ6の
代わりに、A/D変換器を用いるようにしてもよい。
【0082】ここで用いるA/D変換器の例として、第
1のA/D変換器は、予めしきい値としての直流レベル
電圧を設定しておき、受信したアナログ入力信号がしき
い値より大きい場合は+側で{1}(例えば2.5V)
を出力し、受信したアナログ入力信号がしきい値より小
さい場合は−側で{−1}(例えば0.5V)を出力す
ることによって、アナログ信号を2種類の値を持つデジ
タル信号に変換して出力するようになっている。
【0083】そして、乗算器スイッチ20では、PNコ
ードの値に応じて例えばPNコードが「1」の場合にA
/D変換器からの出力を取り込み、PNコードが「0」
の場合には、A/D変換器からの出力を取り込まないよ
うになっている。
【0084】また、第2のA/D変換器としては、しき
い値帯に幅を持たせ、予め高い方のしきい値(第1のし
きい値)と低い方のしきい値(第2のしきい値)を設定
しておき、受信したアナログ入力信号が第1のしきい値
より大きい場合は例えば2.5Vを出力し、受信したア
ナログ入力信号が第2のしきい値より小さい場合は例え
ば0.5Vを出力し、受信したアナログ入力信号が第1
のしきい値と第2のしきい値の間である場合は例えば
1.5Vを出力することによって、アナログ信号を3種
類の値を持つデジタル信号に変換して出力するようにな
っている。
【0085】本発明の実施の形態のスライディングコリ
レータ及びマッチドフィルタによれば、1段のアンプ
(差動アンプ60)でアナログ入力信号の正相と逆相信
号を生成し、後は乗算器用スイッチ20及び加算用スイ
ッチ40の切り替え制御でアナログ入力信号とPN符号
の乗算及び加算を行うので、極めて小さい消費電力でコ
リレータなどを構成できる効果がある。また、これによ
り小規模、小電力が必須条件となる移動体端末用のLS
I開発に採用可能である。
【0086】また、差動アンプ60の代わりにA/D変
換器を用いても、簡単な仕組みのA/D変換器で差動ア
ンプ60と同様の効果が得られる。
【0087】また、マッチドフィルタをLSIで構成し
ておけば、初期の同期をマッチドフィルタで探り、それ
以降はその一部の構成要素のみを動作させてコリレータ
動作を行うことにより、さらに低消費電力化を可能にす
る効果がある。
【0088】また、本発明のスライディングコリレータ
及びマッチドフィルタを構成するLSIのレイアウト
が、DRAMのようにサンプルホールド用静電容量と複
数のスイッチを碁盤の目のように並べる構成になってお
り、DRAMのレイアウトパターンの転用をはかる事が
できる効果がある。
【0089】そして、本発明のスライディングコリレー
タ又はマッチドフィルタをCDMA受信機の復調回路に
おける逆拡散回路として使用すれば、簡単な構成で小規
模で且つ消費電力を低減したCDMA受信機が実現で
き、小型化、低消費電力が肝要な移動端末に適用できる
効果がある。
【0090】
【発明の効果】請求項1記載の発明によれば、正相逆相
発生アンプが符号分割多重方式で変調されたアナログ信
号から正相信号と逆相信号とを生成して出力し、乗算器
が正相信号と逆相信号とを用いてアナログ信号と拡散符
号とを時系列にタイミングをずらしながら乗算し、複数
のサンプルホールド回路が乗算器の結果を保持し、加算
器が定められた期間毎にリフレッシュ動作を行い、この
定められた期間終了毎に全てのサンプルホールド回路の
値を加算するスライディングコリレータとしているの
で、アナログ信号のまま相関出力を得ることによって、
アナログ/デジタル変換器を不要にして消費電力を低減
できる効果がある。
【0091】請求項2記載の発明によれば、A/D変換
器が符号分割多重方式で変調されたアナログ信号を乗算
器数値のデジタル信号に変換し、乗算器がデジタル信号
と拡散符号とを時系列にタイミングをずらしながら乗算
し、複数のサンプルホールド回路が乗算器の結果を保持
し、加算器が定められた期間毎にリフレッシュ動作を行
い、この定められた期間終了毎に全てのサンプルホール
ド回路の値を加算するスライディングコリレータとして
いるので、簡単なデジタル信号から簡単な構成で相関出
力を得ることができる効果がある。
【0092】請求項3記載の発明によれば、乗算器が、
1シンボル期間のチップ数の乗算器用スイッチで拡散符
号を構成する各符号の値に応じて正相信号又は逆相信号
或いはデジタル信号を選択して出力する請求項1又は請
求項2記載のスライディングコリレータとしているの
で、複数のスイッチで乗算器を構成でき、小規模化し且
つ消費電力を低減できる。
【0093】請求項4記載の発明によれば、サンプルホ
ールド回路が、請求項3記載の乗算器の各乗算器用スイ
ッチに接続された静電容量であることを特徴とする請求
項1又は請求項2記載のスライディングコリレータとし
ているので、単純な静電容量でサンプルホールド回路を
構成でき、小規模化し且つ消費電力を低減できる。
【0094】請求項5記載の発明によれば、加算器が、
請求項4記載の静電容量を一斉に導通させる静電容量と
対になる加算器用スイッチである請求項1又は請求項2
記載のスライディングコリレータとしているので、単純
なスイッチで加算器を構成でき、小規模化し且つ消費電
力を低減できる。
【0095】請求項6記載の発明によれば、乗算器用ス
イッチ及び静電容量及び加算器用スイッチの対を1シン
ボル期間のチップ数分設けたものを基本コリレータブロ
ックとして、正相逆相発生アンプ又はA/D変換器と、
1シンボル期間のチップ数以上の基本コリレータブロッ
クを有するマッチドフィルタとしているので、1つの簡
単な構成のアンプと複数のスイッチ及び静電容量とでマ
ッチドフィルタを構成でき、小規模化し且つ消費電力を
低減できる効果がある。
【0096】請求項7記載の発明によれば、逆拡散回路
として請求項1又は請求項2又は請求項3又は請求項4
又は請求項5記載のスライディングコリレータ若しくは
請求項6記載のマッチドフィルタを用いるCDMA受信
機としているので、1つの簡単な構成のアンプ又はA/
D変換器と複数のスイッチ及び静電容量とで逆拡散回路
を構成でき、CDMA受信機を小規模化し且つ消費電力
を低減できる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るスライディングコリレータの一部
分の概略構成ブロックである。
【図2】本発明の第1のスライディングコリレータの相
関出力取得部分の回路図である。
【図3】本発明の第2のスライディングコリレータの相
関出力取得部分の概略構成ブロックである。
【図4】本発明のマッチドフィルタの概略構成図であ
る。
【図5】本発明のマッチドフィルタの回路構成例を示す
回路図ある。
【図6】図5に示したマッチドフィルタの基本コリレー
タブロック部分のレイアウトイメージを示す回路図であ
る。
【図7】従来のスライディングコリレータの一部分の構
成ブロックである。
【図8】従来のマッチドフィルタの構成例を示すブロッ
ク図である。
【図9】演算比の式(a)(b)(c)(d)を示す。
【図10】リフレッシュ回路の具体例(a)(b)を示
す図である。
【符号の説明】
1…AD変換器、2,2'、2"…乗算器、3…PNコー
ドレジスタ、4,4"…加算器、5,5'…サンプルホー
ルド回路、6…正相逆相発生アンプ、10,10"…基
本コリレータブロック、11…クロック発生回路、12
…乗算用スイッチ制御回路、13…加算用スイッチ制御
回路、15…スイッチ制御回路ブロック、20,20"
…乗算器用スイッチ、40…加算用スイッチ、41…バ
ッファアンプ、50…情報保持用静電容量、51…サン
プルホールド用スイッチ、60…差動アンプ、7,70
…リフレッシュ回路、8…リフレッシュ用スイッチ

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 符号分割多重方式で変調されたアナログ
    信号を入力し、前記アナログ信号の正相信号と、前記ア
    ナログ信号の逆相信号とを出力する正相逆相発生アンプ
    と、前記正相逆相発生アンプから出力される正相信号及
    び逆相信号と拡散符号とを時系列にタイミングをずらし
    ながら乗算する乗算器と、前記乗算器の結果を保持する
    複数のサンプルホールド回路と、定められた期間終了毎
    に全ての前記サンプルホールド回路の値を加算する加算
    器であって、該加算器は1シンボル期間終了後の加算演
    算後に少なくとも1回、加算結果をリフレッシュするリ
    フレッシュ回路を備えたことを特徴とするスライディン
    グコリレータ。
  2. 【請求項2】 符号分割多重方式で変調されたアナログ
    信号を数値のデジタル信号に変換するA/D変換器と、
    前記デジタル信号と拡散符号とを時系列にタイミングを
    ずらしながら乗算する乗算器と、前記乗算器の結果を保
    持する複数のサンプルホールド回路と、定められた期間
    終了毎に全ての前記サンプルホールド回路の値を加算す
    る加算器であって、該加算器は1シンボル期間終了後の
    加算演算後に少なくとも1回、加算結果をリフレッシュ
    するリフレッシュ回路を備えたことを特徴とするスライ
    ディングコリレータ。
  3. 【請求項3】 乗算器が、拡散符号を構成する各符号の
    値に応じてアナログ信号の正相信号又は逆相信号或いは
    デジタル信号を選択して出力する1シンボル期間のチッ
    プ数の乗算器用スイッチを有する乗算器であることを特
    徴とする請求項1又は請求項2記載のスライディングコ
    リレータ。
  4. 【請求項4】 サンプルホールド回路が、請求項3記載
    の乗算器の各乗算器用スイッチに接続された静電容量で
    あることを特徴とする請求項1又は請求項2記載のスラ
    イディングコリレータ。
  5. 【請求項5】 加算器が、請求項4記載の静電容量を一
    斉に導通させる前記静電容量と対になる加算器用スイッ
    チであることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の
    スライディングコリレータ。
  6. 【請求項6】 請求項3乃至請求項5記載の乗算器用ス
    イッチ及び静電容量及び加算器用スイッチの組を1シン
    ボル期間のチップ数分設けたものを基本コリレータブロ
    ックとし、請求項1記載の正相逆相発生アンプ又は請求
    項2記載のA/D変換器と、1シンボル期間のチップ数
    以上の前記基本コリレータブロックを有することを特徴
    とするマッチドフィルタ。
  7. 【請求項7】 逆拡散回路として請求項1又は請求項2
    又は請求項3又は請求項4又は請求項5記載のスライデ
    ィングコリレータ若しくは請求項6記載のマッチドフィ
    ルタを用いてCDMA信号を受信復調することを特徴と
    するCDMA受信機。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100385802B1 (ko) * 1999-02-09 2003-06-02 마츠시타 덴끼 산교 가부시키가이샤 Cdma 수신 장치 및 cdma 수신 방법

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100385802B1 (ko) * 1999-02-09 2003-06-02 마츠시타 덴끼 산교 가부시키가이샤 Cdma 수신 장치 및 cdma 수신 방법

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