JP2000100596A - 除電方法及び除電装置 - Google Patents

除電方法及び除電装置

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JP2000100596A JP10265090A JP26509098A JP2000100596A JP 2000100596 A JP2000100596 A JP 2000100596A JP 10265090 A JP10265090 A JP 10265090A JP 26509098 A JP26509098 A JP 26509098A JP 2000100596 A JP2000100596 A JP 2000100596A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 放電電極に高電圧を印加する電源側に、イオ
ンバランスのための工夫を特にしなくとも、除電対象物
から見て、正負のイオンをイオンバランスしながら照射
されているのと同等の効果があり、また必要以上の過剰
なイオン照射を簡単に防止して、除電ムラを少なくでき
るとともに、過剰イオンで周辺を帯電させることも簡単
に防止できるようにする。 【解決手段】 放電電極2と放電用接地電極3との間の
放電で生成された正負のイオンを、接地された又はバイ
アスをかけられたメッシュ状電極4を通して除電対象物
6に当てる。放電電極2の後方からファン5により送風
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、正負イオンのイオ
ンバランスを図った除電方法及び除電装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、除電性の向上のために、正負イオ
ンのイオンバランスを図る方法としては、例えば、 実公平7−4797号公報に開示されているよう
に、直流除電器において、プラス・マイナスの倍電圧整
流回路の段数をプラス側とマイナス側とで変えることに
より、プラス側放電電極へ印加されるプラス高電圧とマ
イナス側放電電極に印加されるマイナス高電圧とに差を
もたせるもの、 特開平7−249497号公報に開示されているよ
うに、交流除電器において、昇圧トランスの一次側電流
及び正負電圧のレベルのバランスを調整するもの、 特開平9−97700号公報に開示されているよう
に、交流除電器において、昇圧トランスの一次側の負の
ピーク値の一定レベル以上の期間、一次電流の昇圧トラ
ンスへの供給をカットすることにより、二次側の電流の
負のピーク値を適量低下させるもの、などが提案されて
いる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】これらの従来技術は、
いずれも放電電極に印加される電圧を変えることで、生
成される正負のイオンが等量になることを意図している
が、生成される正負のイオン量は放電印加電圧のみに依
存している訳ではなく、周囲条件などによっても変動す
るので、放電印加電圧を調整したからと言って、正負の
イオンが、除電対象物(帯電体)に実際に等量照射され
るとは限らない。
【0004】また、除電対象物は、正負の両極性が複雑
に帯電し、部分的には正負いずれかの電位が高い状態に
なっていることが多いが、除電対象物に正負のイオンを
たとえ等量照射しても、部分的に見ると、その部分の除
電に必要な量以上のイオンを過剰に照射される結果とな
り、除電対象物全体では見掛上除電されたようでも、子
細には、除電ムラになっていたり逆帯電を招いているこ
とが多い。
【0005】更に、除電対象物の除電に利用されなかっ
た過剰のイオンが、除電対象物以外の周辺を帯電させる
問題もある。
【0006】本発明の目的は、従来のこのような問題点
に鑑み、放電電極に高電圧を印加する電源側に、イオン
バランスのための工夫を特にしなくとも、除電対象物か
ら見て、正負のイオンをイオンバランスしながら照射さ
れているのと同等の効果があり、また必要以上の過剰な
イオン照射を簡単に防止して、除電ムラを少なくできる
とともに、過剰イオンで周辺を帯電させることも簡単に
防止できる除電方法及び除電装置を提供することにあ
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明による除電方法の
第1の形態は、放電用電極による放電で生成された正負
のイオンを、接地されたメッシュ状電極を通して除電対
象物に当てる。
【0008】本発明による除電方法の第2の形態は、放
電用電極による放電で生成された正負のイオンを、バイ
アスがかけられたメッシュ状電極を通して除電対象物に
当てる。
【0009】これらいずれの形態の場合にも、放電用電
極の後方から送風して、放電用電極による放電で生成さ
れた正負のイオンを強制的に吹き出すとよい。
【0010】本発明による除電装置は、正負のイオンを
生成する放電用電極と、その前方に配置して接地された
メッシュ状電極と、放電用電極の後方から送風して正負
のイオンをエアーと共にメッシュ状電極側に吹き出すフ
ァンとを備えてなる。メッシュ状電極は、接地せずにバ
イアスをかけてもよい。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態について
説明する。
【0012】図1において、電極ホルダ1には、多針状
又は鋸歯状の放電電極2が支持され、これと所定の間隔
Aをおいてその前方に放電用接地電極3が配置され、更
にその前方に間隔Aよりも大きい間隔B(A<B)をお
いてメッシュ状電極4が配置され、また電極ホルダ1の
後方にはファン5が配置されている。放電用接地電極3
は板状又は棒状或いは線状の金属導体で、接地されてい
る。メッシュ状電極4は金属網で、これも接地されてい
る。
【0013】放電電極2には、電極ホルダ1に保持され
た高電圧電源又は外部の高電圧電源から交流高電圧又は
正負の直流高電圧を印加され、放電用接地電極3との間
の放電により正負のイオンが生成される。このとき生成
されるイオンは、正負等量である必要はない。
【0014】生成された正負のイオンは、ファン5の送
風によってエアーと共にメッシュ状電極4の網目を通
る。このとき、一部のイオンは、接地されているメッシ
ュ状電極4に吸収されるが、安定した正負のイオンは、
メッシュ状電極4の網目を通過してエアーと共に除電対
象物(帯電体)6に吹き付けられるとともに、帯電して
いる除電対象物6の異極性の電位により引き寄せられ
て、これを除電する。
【0015】メッシュ状電極4を通過して、それと除電
対象物6との間を浮遊する一部のイオンもメッシュ状電
極4に吸収される。その通過した後に吸収されるイオ
ン、及び通過時に吸収されるイオンは、除電対象物6に
とって過剰なイオンであるので、除電対象物6の帯電部
分を除電するに必要なイオンのみが除電対象物6の電荷
と中和反応することとなる。この場合、電極4は平面的
な広がりがあるメッシュ状であるため、それに吸収され
るイオンの量は、除電対象物6の帯電電位の部分的な差
に応じて部分的に異なるので、帯電している除電対象物
6の除電に作用する正負のイオンは、除電対象物6自体
の電荷との間で、正負のイオンバランスが部分的にも
(帯電状況に応じて)自然にとれていることになる。そ
の結果、除電対象物6は、元の帯電状況の如何を問わ
ず、ムラなくしかも逆帯電することなく綺麗に除電され
る。
【0016】なお、上記の例ではメッシュ状電極4を接
地したが、例えば除電対象物6の帯電極性や電位が事前
に分かっていたり、それを検知するようにした場合に
は、メッシュ状電極4にバイアスをかけるようにする
と、有効である。
【0017】
【発明の効果】以上説明したように本発明は、放電用電
極による放電で生成された正負のイオンを、接地された
又はバイアスをかけられたメッシュ状電極を通して除電
対象物に当てるので、過剰なイオンを、除電対象物の帯
電状況に応じてメッシュ状電極にて吸収できる。その結
果、帯電している除電対象物の除電に作用する正負のイ
オンは、除電対象物自体の電荷との間で、正負のイオン
バランスが部分的にも自然にとれていることになるた
め、除電対象物の元の帯電状況の如何を問わず、ムラな
くしかも逆帯電させることなく綺麗に除電できる。
【0018】また、除電対象物の除電に利用されなかっ
た過剰のイオンが、除電対象物以外の周辺を帯電させる
問題も解消される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態を示す説明図である。
【符号の説明】
1 電極ホルダ 2 放電電極 3 放電用接地電極 4 メッシュ状電極 5 ファン 6 除電対象物
【手続補正書】
【提出日】平成11年7月29日(1999.7.2
9)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正内容】
【書類名】 明細書
【発明の名称】 除電方法及び除電装置
【特許請求の範囲】
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、正負イオンのイオ
ンバランスを図った除電方法及び除電装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、除電性の向上のために、正負イオ
ンのイオンバランスを図る方法としては、例えば、 実公平7−4797号公報に開示されているよう
に、直流除電器において、プラス・マイナスの倍電圧整
流回路の段数をプラス側とマイナス側とで変えることに
より、プラス側放電電極へ印加されるプラス高電圧とマ
イナス側放電電極に印加されるマイナス高電圧とに差を
もたせるもの、 特開平7−249497号公報に開示されているよ
うに、交流除電器において、昇圧トランスの一次側電流
及び正負電圧のレベルのバランスを調整するもの、 特開平9−97700号公報に開示されているよう
に、交流除電器において、昇圧トランスの一次側の負の
ピーク値の一定レベル以上の期間、一次電流の昇圧トラ
ンスへの供給をカットすることにより、二次側の電流の
負のピーク値を適量低下させるもの、などが提案されて
いる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】これらの従来技術は、
いずれも放電電極に印加される電圧を変えることで、生
成される正負のイオンが等量になることを意図している
が、生成される正負のイオン量は放電印加電圧のみに依
存している訳ではなく、周囲条件などによっても変動す
るので、放電印加電圧を調整したからと言って、正負の
イオンが、除電対象物(帯電体)に実際に等量照射され
るとは限らない。
【0004】また、除電対象物は、正負の両極性が複雑
に帯電し、部分的には正負いずれかの電位が高い状態に
なっていることが多いが、除電対象物に正負のイオンを
たとえ等量照射しても、部分的に見ると、その部分の除
電に必要な量以上のイオンを過剰に照射される結果とな
り、除電対象物全体では見掛上除電されたようでも、子
細には、除電ムラになっていたり逆帯電を招いているこ
とが多い。
【0005】更に、除電対象物の除電に利用されなかっ
た過剰のイオンが、除電対象物以外の周辺を帯電させる
問題もある。
【0006】本発明の目的は、従来のこのような問題点
に鑑み、放電電極に高電圧を印加する電源側に、イオン
バランスのための工夫を特にしなくとも、除電対象物か
ら見て、正負のイオンをイオンバランスしながら照射さ
れているのと同等の効果があり、また必要以上の過剰な
イオン照射を簡単に防止して、除電ムラを少なくできる
とともに、過剰イオンで周辺を帯電させることも簡単に
防止できる除電方法及び除電装置を提供することにあ
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明による除電方法
は、放電用電極の後方から送風して、放電用電極による
放電で生成された正負のイオンを強制的に前方へ吹き出
し、接地又はバイアスをかけられたメッシュ状電極を通
して除電対象物に当てる。
【0008】本発明による除電装置は、正負のイオンを
生成する放電用電極と、その前方に配置して接地された
メッシュ状電極と、放電用電極の後方から送風して正負
のイオンをエアーと共にメッシュ状電極側に吹き出すフ
ァンとを備えてなる。メッシュ状電極は、接地せずにバ
イアスをかけてもよい。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態について
説明する。
【0010】図1において、電極ホルダ1には、多針状
又は鋸歯状の放電電極2が支持され、これと所定の間隔
Aをおいてその前方に放電用接地電極3が配置され、更
にその前方に間隔Aよりも大きい間隔B(A<B)をお
いてメッシュ状電極4が配置され、また電極ホルダ1の
後方にはファン5が配置されている。放電用接地電極3
は板状又は棒状或いは線状の金属導体で、接地されてい
る。メッシュ状電極4は金属網で、これも接地されてい
る。
【0011】放電電極2には、電極ホルダ1に保持され
た高電圧電源又は外部の高電圧電源から交流高電圧又は
正負の直流高電圧を印加され、放電用接地電極3との間
の放電により正負のイオンが生成される。このとき生成
されるイオンは、正負等量である必要はない。
【0012】生成された正負のイオンは、ファン5の送
風によってエアーと共にメッシュ状電極4の網目を通
る。このとき、一部のイオンは、接地されているメッシ
ュ状電極4に吸収されるが、安定した正負のイオンは、
メッシュ状電極4の網目を通過してエアーと共に除電対
象物(帯電体)6に吹き付けられるとともに、帯電して
いる除電対象物6の異極性の電位により引き寄せられ
て、これを除電する。
【0013】メッシュ状電極4を通過して、それと除電
対象物6との間を浮遊する一部のイオンもメッシュ状電
極4に吸収される。その通過した後に吸収されるイオ
ン、及び通過時に吸収されるイオンは、除電対象物6に
とって過剰なイオンであるので、除電対象物6の帯電部
分を除電するに必要なイオンのみが除電対象物6の電荷
と中和反応することとなる。この場合、電極4は平面的
な広がりがあるメッシュ状であるため、それに吸収され
るイオンの量は、除電対象物6の帯電電位の部分的な差
に応じて部分的に異なるので、帯電している除電対象物
6の除電に作用する正負のイオンは、除電対象物6自体
の電荷との間で、正負のイオンバランスが部分的にも
(帯電状況に応じて)自然にとれていることになる。そ
の結果、除電対象物6は、元の帯電状況の如何を問わ
ず、ムラなくしかも逆帯電することなく綺麗に除電され
る。
【0014】なお、上記の例ではメッシュ状電極4を接
地したが、例えば除電対象物6の帯電極性や電位が事前
に分かっていたり、それを検知するようにした場合に
は、メッシュ状電極4にバイアスをかけるようにする
と、有効である。
【0015】
【発明の効果】以上説明したように本発明は、放電用電
極の後方から送風して、放電用電極による放電で生成さ
れた正負のイオンを強制的に前方へ吹き出し、接地又は
バイアスをかけられたメッシュ状電極を通して除電対象
物に当てるので、過剰なイオンを、除電対象物の帯電状
況に応じてメッシュ状電極にて吸収できる。その結果、
帯電している除電対象物の除電に作用する正負のイオン
は、除電対象物自体の電荷との間で、正負のイオンバラ
ンスが部分的にも自然にとれていることになるため、除
電対象物の元の帯電状況の如何を問わず、ムラなくしか
も逆帯電させることなく綺麗に除電できる。
【0016】また、除電対象物の除電に利用されなかっ
た過剰のイオンが、除電対象物以外の周辺を帯電させる
問題も解消される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態を示す説明図である。
【符号の説明】 1 電極ホルダ 2 放電電極 3 放電用接地電極 4 メッシュ状電極 5 ファン 6 除電対象物

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】放電用電極による放電で生成された正負の
    イオンを、接地されたメッシュ状電極を通して除電対象
    物に当てることを特徴とする除電方法。
  2. 【請求項2】放電用電極による放電で生成された正負の
    イオンを、バイアスがかけられたメッシュ状電極を通し
    て除電対象物に当てることを特徴とする除電方法。
  3. 【請求項3】放電用電極の後方から送風して、放電用電
    極による放電で生成された正負のイオンを強制的に吹き
    出すことを特徴とする請求項1又は2記載の除電方法。
  4. 【請求項4】正負のイオンを生成する放電用電極と、そ
    の前方に配置して接地されたメッシュ状電極と、放電用
    電極の後方から送風して正負のイオンをエアーと共にメ
    ッシュ状電極側に吹き出すファンとを備えてなることを
    特徴とする除電装置。
  5. 【請求項5】正負のイオンを生成する放電用電極と、そ
    の前方に配置してバイアスをかけられたメッシュ状電極
    と、放電用電極の後方から送風して正負のイオンをエア
    ーと共にメッシュ状電極側に吹き出すファンとを備えて
    なることを特徴とする除電装置。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006224661A (ja) * 2005-01-21 2006-08-31 Fuji Photo Film Co Ltd 溶液製膜設備及び方法
US7538556B2 (en) 2006-08-03 2009-05-26 Fujitsu Limited Spot-type ionizer evaluation method and spot-type ionizer
JP2011054308A (ja) * 2009-08-31 2011-03-17 Shishido Seidenki Kk 除電装置及び除電方法
JP2019099934A (ja) * 2017-11-30 2019-06-24 花王株式会社 繊維堆積体搬送装置及び繊維堆積体の搬送方法

Cited By (5)

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Publication number Priority date Publication date Assignee Title
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US7538556B2 (en) 2006-08-03 2009-05-26 Fujitsu Limited Spot-type ionizer evaluation method and spot-type ionizer
JP2011054308A (ja) * 2009-08-31 2011-03-17 Shishido Seidenki Kk 除電装置及び除電方法
JP2019099934A (ja) * 2017-11-30 2019-06-24 花王株式会社 繊維堆積体搬送装置及び繊維堆積体の搬送方法
JP7074465B2 (ja) 2017-11-30 2022-05-24 花王株式会社 繊維堆積体搬送装置及び繊維堆積体の搬送方法

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