JP2000098093A - 反射鏡およびその製造方法 - Google Patents

反射鏡およびその製造方法

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JP2000098093A
JP2000098093A JP10268057A JP26805798A JP2000098093A JP 2000098093 A JP2000098093 A JP 2000098093A JP 10268057 A JP10268057 A JP 10268057A JP 26805798 A JP26805798 A JP 26805798A JP 2000098093 A JP2000098093 A JP 2000098093A
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multilayer
rays
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optical system
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Kuninori Shinada
邦典 品田
Hideo Takino
日出雄 瀧野
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Nikon Corp
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  • Optical Elements Other Than Lenses (AREA)
  • Exposure And Positioning Against Photoresist Photosensitive Materials (AREA)
  • Exposure Of Semiconductors, Excluding Electron Or Ion Beam Exposure (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】照射光の吸収による熱変形が生じにくい、高精
度の反射鏡を提供する。 【解決手段】本反射鏡は、ミラー基板11、反射多層膜
10を備えている。ミラー基板11は、熱伝導率391
W/m・Kの無酸素銅で形成されている。そして、反射
多層膜10は、ミラー基板11の研磨仕上げ面上に形成
されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、軟X線投影露光装
置の光学系等に組み込まれる反射鏡に関する。
【0002】
【従来の技術】半導体集積回路の高密度集積化に伴い、
投影露光装置の光学系の解像力を高めるべく、従来の紫
外線よりも波長が短いX線源を用いる投影リソグラフィ
ー技術の開発が進んでいる。この投影リソグラフィー技
術を利用する投影露光装置(以下、これをX線投影露光
装置と呼ぶ)は、X線源(放射光光源、レーザプラズマX
線源等)、ウェハーステージ等の他、以下に示す光学系
(1)(2)によって構成されている。なお、X線は、大気
に吸収されて減衰するため、その光路は全て所定の真空
度に維持されている。
【0003】(1)照明光学系 照明光学系は、斜入射ミラー、多層膜ミラー、特定波長
(実用上、軟X線波長領域)のX線のみを反射または透過
させるフィルター等により構成されている。この照明光
学系から出射された特定波長のX線は、所定のマスクパ
ターンが形成されたマスクを照明する。なお、ここで用
いられるマスクには、透過型マスクと反射型マスクとの
2種類がある。透過型マスクとは、X線を透過させるメ
ンブレン上にX線吸収物質でマスクパターンを形成した
ものであり、反射型マスクとは、X線を反射するモリブ
デン/シリコン多層膜等に、反射率の低い領域をマスク
パターンとして形成したものである。
【0004】(2)投影結像光学系 投影結像光学系は、複数の多層膜ミラーにより構成され
ている。この投影結像光学系により、マスクパターン像
をウェハ上に結像させ、ウェハ上に塗布されたフォトレ
ジストを露光させる。ここで用いられる投影結像光学系
が多層膜ミラーだけで構成されているのは、以下の理由
による。X線の波長域では、透明物質が存在せず、物質
表面の反射率も非常に低いため、レンズ、ミラー等の通
常の光学素子を使用することができない。そのため、X
線を用いる光学系には、反射面に斜めに入射したX線を
全反射させる斜入射ミラー、多層膜の各界面での反射光
の干渉を利用して高反射率を得る多層膜ミラー等が用い
られる。ところが、斜入射ミラーは収差が大きいため、
これを用いた投影結像光学系では回折限界の解像力を得
るのは困難である。そこで、X線を垂直に反射する多層
膜ミラーだけを用いることによって、回折限界の解像力
が得られる投影結像光学系を実現している。
【0005】なお、多層膜ミラーのミラー基板の形成材
料には、精度(形状精度、表面精度)を出しやすい石英等
のガラス材料が用いられている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記従来の
軟X線投影露光装置の光学系に用いられている多層膜ミ
ラーの多層膜は、その反射率が70%程度である。した
がって、多層膜ミラーの表面に照射されたX線の約30
%が多層ミラー基板に吸収され、そのエネルギーによっ
て多層膜ミラーが熱変形する。そのために、露光におい
て所期の解像力が得られないことがある。
【0007】このような多層膜ミラーの熱変形を防止す
るため、多層膜ミラーが裏面側から冷却されることがあ
るが、それだけでは充分な効果が得られるとは限らな
い。したがって、X線投影露光装置のスループット低下
の原因とはなるが、多層膜ミラーに照射するX線の強度
を抑制せざるを得ないのが実情である。
【0008】なお、以上述べた多層膜ミラーの熱変形に
起因する問題は、X線投影露光装置の光学系だけでな
く、他の装置のX線光学系、X線波長域以外の波長域の
光線を使用する光学系においても生じ得ることである。
【0009】ところで、光学系によって回折限界の解像
力を得るには、光学系を構成する光学素子(ミラー、レ
ンズ)の形状誤差を光の波長よりも充分に小さくしてお
く必要があることが知られている。これによれば、可視
光や紫外線よりも短波長のX線を使用するX線光学系
は、これを構成する光学素子の形状誤差の許容範囲がき
わめて狭くなる。したがって、波長13nmの軟X線投
影露光装置の光学系には、より高精度な光学素子が必要
となる。
【0010】そこで、本発明は、照射光の吸収による熱
変形が生じにくい反射鏡を提供することを第一の目的と
する。そのような性質に加えて、さらに精度が高い反射
鏡およびその製造方法を提供することを第二の目的とす
る。また、解像度およびスループットが双方共に高いX
線投影露光装置を提供することを第三の目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、本発明は、ミラー基板上に反射膜を有する反射鏡で
あって、前記ミラー基板は、100W/m・K以上の熱
伝導率を有する金属基板または合金基板であることを特
徴とする反射鏡を提供する。
【0012】本反射鏡によれば、100W/m・K以上
の熱伝導率を有する金属または合金、すなわち、従来の
多層膜ミラーのミラー基板材料であるガラス(熱伝導率
1.38W/m・K)よりも冷却効率の優れた材料でミラ
ー基板を形成しているため、反射膜を透過した照射光
(例えば、X線)が反射鏡に吸収されても、それにより発
生した熱が速やかにミラー基板から放熱される。したが
って、反射鏡の熱変形および反射膜の劣化を回避するこ
とができる。
【0013】また、本発明は、ミラー基板上に反射膜を
有する反射鏡であって、前記ミラー基板は、無酸素銅基
板であることを特徴する反射鏡を提供する。
【0014】さらに、この反射鏡の製造方法として、ミ
ラー基板上に反射膜を有する反射鏡を製造する反射鏡の
製造方法であって、無酸素銅を加工して、前記ミラー基
板を作成するステップと、前記ミラー基板上に前記反射
膜を成膜するステップを有することを特徴する反射鏡の
製造方法を提供する。
【0015】本反射鏡および本製造方法によって製造さ
れた反射鏡によれば、ミラー基板材料として、従来の多
層膜ミラーのミラー基板材料とされているガラスよりも
充分に熱伝導率が高い無酸素銅が用いられているため、
従来の多層膜ミラーよりも冷却効率が格段に優れてい
る。したがって、上記反射鏡と同様に、反射鏡の熱変形
および反射膜の劣化を防止することができる。さらに、
無酸素銅は、ガラスよりも加工性に優れ、かつ、最近の
研磨加工によって表面粗さを0.5nmRMS程度にま
で抑制可能という利点を有しているため、これをミラー
基板材料として用いた本反射鏡が、X線光学系を構成す
る多層膜ミラーに要求される表面精度を充分に満足しう
ることは言うまでもない。
【0016】そして、以上述べた2種類の反射鏡のうち
の少なくとも一方でX線投影露光装置の投影結像光学系
を構成すれば、実用的なスループットを得るのに充分な
強度のX線を用いても、露光処理中における反射鏡の熱
変形が問題となり得ないことは言うまでもない。すなわ
ち、高スループットかつ高解像度のX線投影露光装置を
実現することができる。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、添付の図面を参照しなが
ら、本発明に係る実施の一形態について説明する。
【0018】最初に、本実施の形態に係る多層膜ミラー
の基本構造について説明する。
【0019】図1に示すように、本多層膜ミラー10
は、平凹型のミラー基板12、波長13nm付近の軟X
線を反射させる反射多層膜11(例えば、モリブデン/
シリコン多層膜)を備えている。ミラー基板12は、熱
伝導率391W/m・Kの無酸素銅を平凹型に切削し、
反射多層膜11の下地となるべき凹面12aを鏡面仕上
げすることによって作製されたものである。なお、ミラ
ー基板12には、さらに、X線照射中に冷却用媒体(水
等)を通過させる複数の冷却用溝(不図示)、X線投影露
光装置等への取付けネジ用のネジ穴(不図示)、X線投影
露光装置等に取り付けた際の自重変形を防止するための
軽量化用切欠き(不図示)が形成されている。
【0020】このように、本多層膜ミラー10は、その
ミラー基板12の形成材料として、従来の多層膜ミラー
のミラー基板の形成材料とされているガラス(熱伝導率
1.38W/m・K)よりも充分に熱伝導率が高い無酸素
銅が用いられているため、従来の多層膜ミラーよりも冷
却効率が格段に優れている。したがって、反射多層膜1
1を透過した光束が多層膜ミラー10に吸収されても、
それにより発生した熱がミラー基板12から速やかに放
熱されるため、多層膜ミラー10の熱変形および反射多
層膜11の劣化を防止することができる。また、無酸素
銅は、ガラスよりも加工性に優れ、かつ、最近の研磨加
工によって表面粗さを0.5nmRMS程度にまで抑制
可能であるという利点を有しているため、これをミラー
基板12の形成材料として用いた本多層膜ミラー10
が、X線光学系を構成する多層膜ミラーに要求される表
面精度を充分に満足することは言うまでもない。
【0021】以下、上述した無酸素銅製ミラー基板12
の熱変形防止効果を、従来の多層膜ミラーのミラー基板
との比較において確認する。なお、ミラー基板の熱変形
量の算出には、本来であれば有限要素法等の手法を用い
るべきであるが、ここでは、ミラー基板によりも充分肉
薄の多層膜の熱変形を無視した簡略な手法を用いること
とする。
【0022】図2(a)に示すように、ミラー基板20の
裏面20bを、一定温度T0に冷却された熱浴に接触さ
せる。すなわち、ミラー基板20の裏面12b側から一
定温度T0に冷却する。この状態において、多層膜ミラ
ーの表面上の局所領域AにX線を照射すると、そのX線
の一部が多層膜およびミラー基板20に吸収される。す
なわち、ミラー基板20の表面20a上の局所領域Aに
は、反射多層膜を透過したX線による熱流束Qが定常的
に投入される。
【0023】ここで、ミラー基板20の面内方向への熱
伝導を無視すると、ミラー基板20には、図2(b)に示
すように、その厚さ方向に一定の温度勾配が生じること
になる。したがって、この場合のミラー基板20の裏面
20bから距離xの位置における、熱浴とミラー基板2
0との温度差T(x)は、数式(1)により与えられる。
【0024】
【数1】
【0025】ミラー基板20の裏面20bから距離xの
位置における微小厚さδx部分の熱変形量が数式(2)に
より与えられるため、多層膜ミラー10全体の熱変形量
は、数式(3)によって表される。
【0026】
【数2】
【0027】
【数3】
【0028】さて、X線投影露光装置で実用的なスルー
プット(8インチウェハの場合に、30枚/h程度)を得
るには、その投影結像光学を構成する多層膜ミラーに、
少なくとも10mW/cm2程度のX線を照射する必要
があるとされている。また、X線投影露光装置で実用的
な露光面積を確保するには、その投影結像光学を構成す
る多層膜ミラーの直径を、少なくとも50mm程度とっ
ておく必要である。さらに、この多層膜ミラーの形状を
維持するには、その厚さを直径の1/4程度(直径50
mmとした場合、12.5mm)はとっておく必要があ
る。そこで、ここでは、X線による熱流束Qを10mW
/cm2、ミラー基板20の厚さdを12.5mmとおい
て、数式(3)から、本実施の形態に係る多層膜ミラー1
0の熱変形量と従来の多層膜ミラーの熱変形量とをそれ
ぞれ算出する。本実施の形態に係る多層膜ミラー10の
ミラー基板12の材料として用いられている無酸素銅
は、熱伝導率が391W/m・Kであり、熱膨張率が1
6.5×10-6/Kである。従って、本実施の形態に係
る多層膜ミラーの熱変形量を数式(3)によって算出する
と、その値は0.33nmとなる。一方、従来の多層膜
ミラーのミラー基板の形成材料として用いられているガ
ラス(溶融石英(SiO2))は、熱伝導率が1.38W/m
・Kであり、熱膨張率が0.5×10-6/Kである。従
って、従来の多層膜ミラーの熱変形量を数式(3)によっ
て算出すると、その値は2.83nmとなる。
【0029】これら2つの演算結果を比較すれば、本実
施の形態に係る多層膜ミラー10は、従来の多層膜ミラ
ーよりも熱変形量が小さいことが判る。無酸素銅のほう
がガラスよりも熱膨張率が大きいにもかかわらず、この
ような結果が得られるのは、無酸素銅のほうがガラスよ
りも熱伝導率が大きく、X線の吸収によって発生した熱
を速やかに放熱するためである。なお、本実施の形態で
は、無酸素銅で形成されたミラー基板を用いているが、
ガラスよりも充分に熱伝導率の高い金属もしくは合金、
具体的には、約100W/m・K以上の熱伝導率を有す
る金属もしくは合金で形成されたミラー基板であれば、
無酸素銅で形成されたミラー基板とほぼ同様な熱変形防
止効果を達成することが可能である。さらに、その金属
等が無酸素銅と同程度の表面精度にまで鏡面仕上げ可能
な材料であれば、無酸素銅で形成されたミラー基板を用
いた場合と同程度に反射率の高い多層膜ミラーを実現す
ることができる。
【0030】次に、本実施の形態に係る多層膜ミラー1
0の製造方法について説明する。なお、ここでは、その
設計寸法を、直径50mm、曲率半径500mm、中心
厚さ約12.5mm(12.5mm+反射多層膜厚)とす
る。
【0031】まず、無酸素銅のブロック材を切削して、
直径50mm、中心厚さ12.5mm、表面の曲率半径
500mmの平凹型のミラー基板12を作製する。そし
て、このミラー基板12に、冷却用溝、軽量化用切欠
き、ネジ穴等を形成する。さらに、このミラー基板12
の凹面を、その表面粗さが0.5nmRMS程度になる
まで鏡面仕上げする。
【0032】その後、イオンビームスパッタリングによ
って、ミラー基板12の凹面に、モリブデン(Mo)薄膜
とシリコン(Si)薄膜とを交互に積み重ねて、周期長
6.7nm、積層数50層の反射多層膜11を形成す
る。これにより、多層膜ミラー10が完成する。
【0033】最後に、本実施の形態に係る多層膜ミラー
10の代表的な用途を挙げておく。
【0034】光学系の波面収差を波長の1/4以内とす
るレイリーの条件によれば、n枚の多層膜ミラーから構
成される光学系を構成する多層膜ミラー1枚あたりの許
容形状精度は、{(1/2)(λ/4)}(1/√n)で表さ
れる。これによれば、波長13nmの軟X線用の光学系
を4枚の多層膜ミラーで構成した場合の多層膜ミラー1
枚あたりに許容される形状誤差は約0.81nmであ
る。
【0035】また、多層膜ミラーの反射多層膜における
X線の反射率Rは、数式(4)により概算することができ
る。ミラー基板の表面粗さσと、波長13nmの軟X線
を斜入射角90度(多層膜に対して垂直)で入射させたと
きの反射多層膜のR/R0との関係を数式(4)から求め
ると、それは図3に示すようになる。
【0036】
【数4】
【0037】さて、本実施の形態に係る多層膜ミラー1
0は、前述したように、10mW/cm2程度の軟X線
が照射されても、ミラー基板12の冷却用溝に水等を循
環させれば、せいぜい0.33nm程度しか熱変形を生
じない。したがって、X線投影露光装置の光学系のミラ
ーとして本多層膜ミラー10を用いれば、X線投影露光
装置のスループットおよび解像度の双方を向上を達成す
ることができる。また、本実施の形態に係る多層膜ミラ
ー10は、そのミラー基板12の表面粗さが0.5nm
RMS程度にまで抑制されている。したがって、X線投
影露光装置の光学系を本多層膜ミラー10で構成した場
合、図3より、ミラー基板が完全に平滑とされたときの
反射率R0の約80%もの高反射率が確保されることが
判る。
【0038】そこで、本実施の形態に係る多層膜ミラー
10を、X線投影露光装置の照明光学系および投影結像
光学系に使用する。図4に、その具体的構成を示す。
【0039】図4において、照明光学系の2枚の多層膜
ミラー41,42は、レーザプラズマ光源等のX線源4
0からのX線Aを集光させ、これをマスクステージ43
上の反射型マスク43aへと導く。そして、投影結像光
学系の4枚の多層膜ミラー44,45,46,47は、反
射型マスク43aで反射したX線Aを集光させ、これを
ウェハステージ48上のウェハ48aへと導く。これに
より、反射型マスク43aのマスクパターンの1/4縮
小像がウェハ48a上に結像し、ウェハ48a上に塗布
されたフォトレジストが露光される。なお、各多層膜ミ
ラー41,42,44,45,46,47の冷却用溝には、
X線の吸収により発生した熱を放熱させるための水等が
循環させてある。
【0040】このX線投影露光装置の全ての多層膜ミラ
ー41,42,44,45,46,47に、本実施の形態に
係る多層膜ミラー10を用いることにより、以下に示す
ように、前述の効果(スループットおよび解像度の双方
の向上)を達成されることが確認された。図4に示した
多層膜ミラー41,42,44,45,46,47のうち、
X線照射による負荷がとくに高くなるのは、照明光学系
の2枚の多層膜ミラー41,42と、投影結像光学系の
4枚の多層膜ミラー44,45,46,47のうちの下流
(反射マスク側から3枚目)に配置された多層膜ミラー4
6である。具体的に述べると、このX線投影露光装置を
30枚/hのスループットを得る条件で稼動させた場
合、照明光学系の2枚の多層膜ミラー41,42に照射
されるX線の強度は約100mW/cm2にまで達し、
投影結像光学系の多層膜ミラー46に照射されるX線の
強度は約30mW/cm2にまで達する。このように、
照明光学系の2枚の多層膜ミラー41,42の負荷が高
くなるのは、これらの多層膜ミラー41,42には、X
線源40から放出されたばかりの無損失のX線が照射さ
れからであり、投影結像光学系の多層膜ミラー46の負
荷が高くなるのは、これの有効径が投影結像光学系の絞
りとされるためにX線照射面積が狭いからである。そこ
で、30枚/hのスループットを得る稼動条件下におけ
るこれら3枚の多層膜ミラー41,42,46の熱変形量
を求めたところ、これらの3枚の多層膜ミラー41,4
2,46は、いずも、X線の30%程度を吸収するにも
関わらず、その熱変形量は、照明光学系の2枚の多層膜
ミラー41,42で約1.0nm、投影結像光学系の絞り
とされる多層膜ミラー46で約0.3nmにすぎなかっ
た。本実施の形態に係る多層膜ミラーでX線投影露光装
置の光学系を構成すれば、X線照射による負荷の最も高
い多層膜ミラー41,42,46にでさえ、この程度の熱
変形量が生じないのであるから、従来の多層膜ミラーで
光学系を構成したX線投影露光装置(多層膜ミラーの熱
変形量2.0nm)よりも回折限界に近い解像力が達成さ
れることは明らかである。すなわち、本実施の形態に係
る多層膜ミラーでX線投影露光装置の光学系を構成すれ
ば、実用的なスループットを維持しつつ、より回折限界
に近い解像力を実現しうることが確認された。また、こ
れら3枚の多層膜ミラー41,42,46の反射多層膜に
も、熱劣化が生じていないことも確認された。
【0041】なお、ここでは、X線投影露光装置の光学
系に用いられる全ての多層膜ミラーに、本実施の形態に
係る多層膜ミラーを使用しているが、X線照射による負
荷が問題となる多層膜ミラーにだけ、本実施の形態に係
る多層膜ミラー10を用いるようにしても構わない。
【0042】また、ここでは、本実施の形態に係る多層
膜ミラーの用途として、X線投影露光装置の光学系の構
成部品を例に挙げたが、本実施の形態に係る多層膜ミラ
ーは、X線を用いる他の装置の光学系の構成部品、X線
以外の波長域の光線を用いる光学系の構成部品等として
使用することができる。もちろん、それらの用途に用い
た場合であっても、前述の効果が得られることは言うま
でもない。
【0043】
【発明の効果】本発明によれば、より精度が高く、しか
も照射光の吸収による熱変形が生じにくい多層膜ミラー
が実現される。さらに、X線投影露光装置のスループッ
トの向上および解像度の向上の双方が達成される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る多層膜ミラーの断面
図である。
【図2】(a)は、表面から定常的な熱流束を受けて熱変
形したミラー基板を簡略的に示した図であり、(b)は、
そのときのミラー基板の厚さ方向の温度分布を示した図
である。
【図3】多層膜ミラーのミラー基板の表面粗さと、多層
膜ミラーの反射率との関係を示した図である。
【図4】本発明の一実施形態に係るX線投影露光装置の
概略構成図である。
【符号の説明】
11…反射多層膜 12…ミラー基板
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H01L 21/027 H01L 21/30 517 531A Fターム(参考) 2H042 DA08 DA10 DB02 DB14 DC02 DD05 DE00 DE04 2H097 AA02 BA02 CA15 EA12 GB01 5F046 AA05 AA08 AA13 DA12 DB02 DC07 GA03 GB01 GC03 GD10

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ミラー基板上に反射膜を有する反射鏡であ
    って、 前記ミラー基板は、100W/m・K以上の熱伝導率を
    有する金属基板または合金基板であることを特徴とする
    反射鏡。
  2. 【請求項2】ミラー基板上に反射膜を有する反射鏡であ
    って、 前記ミラー基板は、無酸素銅基板であることを特徴する
    反射鏡。
  3. 【請求項3】請求項1記載の反射鏡および請求項2記載
    の反射鏡のうちの少なくとも一方を備えることを特徴と
    するX線投影露光装置。
  4. 【請求項4】ミラー基板上に反射膜を有する反射鏡を製
    造する反射鏡の製造方法であって、 無酸素銅を加工して、前記ミラー基板を作成するステッ
    プと、 前記ミラー基板上に前記反射膜を成膜するステップを有
    することを特徴する反射鏡の製造方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007025136A (ja) * 2005-07-14 2007-02-01 Nippon Steel Materials Co Ltd 光学反射ミラー基板、及び、光学反射ミラー
JP2008528959A (ja) * 2005-01-21 2008-07-31 コミサリヤ・ア・レネルジ・アトミク X線モノクロメーターまたは中性子モノクロメーター

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