JP2000097929A - 食肉の肉質判別方法 - Google Patents

食肉の肉質判別方法

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JP2000097929A
JP2000097929A JP10288837A JP28883798A JP2000097929A JP 2000097929 A JP2000097929 A JP 2000097929A JP 10288837 A JP10288837 A JP 10288837A JP 28883798 A JP28883798 A JP 28883798A JP 2000097929 A JP2000097929 A JP 2000097929A
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Takeshi Yamaji
剛 山路
Kazuyuki Moriya
和幸 守屋
Yoshiyuki Sasaki
義之 佐々木
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Fujihira Industry Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】二値化処理の精度を向上させて、高精度の肉質
判別をすることができるコンピュータ画像解析による食
肉の肉質判別方法を提供すること。 【解決手段】食肉断面の画像を、最大50%重なり合う
小領域に分割し、濃度ヒストグラムによる判別二値化法
により各小領域の閾値を求め、これを各小領域の中心点
の閾値とし、この閾値に基づき距離に反比例した線形加
重和によりすべての点の閾値を決定し、その閾値に基づ
いてすべての点(画素)を二値化して、食肉の断面全体
の二値画像を得、この二値画像から形状が複雑な脂肪交
雑粒子および面積の小さい脂肪交雑粒子に注目した形状
特徴値を抽出し、これらの情報を用いることによって食
肉を肉質判別する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、食肉の品質を判定する
肉質判別方法に関し、特に牛肉等の脂肪交雑のある食肉
に関してコンピュータ画像解析により肉質を客観的に判
定する判定方法に関するものである。
【0002】
【従来技術と問題点】食肉とりわけ牛肉の肉質では、所
謂脂肪交雑が重視されており、その判定については、従
来、スタンダードカラー写真またはシリコン樹脂製の脂
肪交雑基準に基づいて格付け員により視覚的に行われて
いた。しかし、格付け員の主観及び熟練度によって、肉
質判別結果に偏りが生ずるのは当然起こりえることか
ら、コンピュータ画像解析による客観的な肉質判別方法
の研究がなされてきた。それは、食肉の断面画像をコン
ピュータ入力し、画像を二値化することにより脂肪交雑
を客観的に判断しようとするものである。
【0003】この二値化には種々の方法があるが、コン
ピュータ画像解析により元画像の各画素の濃度値を特定
の閾値と比較して0/1に変化させて、赤肉の部分と脂
肪の部分を分ける二値化処理によるものが従来採用され
ているところである。しかし、従来の二値化処理は、全
体に関して単一の固定の閾値を用いる固定閾値法か、小
領域に分割し各領域ごとに異なる動的閾値を使う小領域
分割法によるものである。
【0004】前者は、肉表面に現われている脂肪の状態
や撮影条件によって赤肉部分の色合は微妙に変化するた
め、肉表面全体に亙って1つの固定した閾値を設定する
ことは誤った測定結果を招来し、閾値が局所における差
異的閾値でないため、正確な二値画像を得ることができ
ない。後者においては、小領域ごとに閾値を変化させて
二値化するため、それに基づく二値画像は多くの領域の
脂肪が実際の脂肪交雑に沿って取られるが、小領域の境
界で断裂が発生する欠点がある。特に赤肉ばかり、ある
いは脂肪ばかりの領域で閾値を求めた場合、むりやり二
値化するため不適切な閾値を算出する欠点がある。
【0005】また、前述の脂肪交雑基準にも示されてい
るように、筋肉の中に散らばって存在する脂肪交雑粒子
の多いものが一般に肉質判別の高い食肉とされてきたの
で、画像解析による食肉の肉質判別を行おうとする場合
も、従来脂肪交雑粒子の数とかそれらの脂肪面積の総和
などが対象として取り上げられてきた。しかし、同じ面
積の脂肪交雑粒子でも、形状が複雑な方が価値が高く、
また、合計面積が等しくても、大きな脂肪塊が二つ三つ
存在するよりも小さな脂肪交雑粒子が多数存在するほう
が価値が高い。従来コンピュータ画像解析の肉質判別に
おいては、このところまでの脂肪交雑粒子の形状に関す
るデータの算出ができなかったため、高精度の肉質判定
をすることができなかった。
【0006】
【目的】本発明は上述した問題点に鑑みてなされたもの
で、二値化処理の精度を向上させてコンピュータ画像解
析による肉断面の脂肪交雑の肉質判別を客観的にするこ
とができる食肉の肉質判別方法を提供することを目的と
するものである。
【0007】
【問題を解決するための手段】本発明の要旨とするとこ
ろは、食肉断面の画像を、最大50%重なり合う小領域
に分割し、濃度ヒストグラムによる判別二値化法により
各小領域の閾値を求め、これを各小領域の中心点の閾値
とし、この閾値に基づき距離に反比例した線形加重和に
よりすべての点(画素)の閾値を決定し、その閾値に基
づいてすべての点(画素)を二値化して、食肉の断面全
体の二値画像を得、これに基づいて食肉を肉質判別する
食肉の肉質判別方法である。そして、小領域の脂肪と赤
肉の分散状態がある所定値以下の場合は、その周囲の小
領域の閾値に基づいて閾値を求めるのが望ましく、ま
た、画像の小領域中に占める食肉の割合が50%以下の
場合は、閾値の対象としないのが望ましい。
【0008】さらに、前述の食肉断面の画像を、最大5
0%重なり合う小領域に分割し、濃度ヒストグラムによ
る判別二値化法により各小領域の閾値を求め、これを各
小領域の中心点の閾値とし、この閾値に基づき距離に反
比例した線形加重和によりすべての点の閾値を決定し、
その閾値に基づいてすべての点(画素)を二値化して、
食肉の断面全体の二値画像を得た後、この二値画像から
形状が複雑な脂肪交雑粒子および面積の小さい脂肪交雑
粒子に注目した形状特徴値を抽出して、この形状特徴値
を用いて食肉を肉質判別する。
【0009】二値化処理とは、ある点(画素)の濃度値
が閾値よりも高ければその点は1(本発明の場合は脂
肪)、閾値以下であれば0(本発明の場合は赤肉)とし
て0/1どちらかに二値化する処理を言う。また、閾値
の自動決定には判別二値化法を用いる。その閾値の算出
には、動的閾値法の部分画像分割法を用いて算出するの
がよい。二値画像の生成にあたり、その二値化処理には
緑画像を用いるのがよく、また、生成された二値画像に
含まれる微少ノイズを取り除くため、膨脹、暗い点の孤
立点除去、収縮、面積が1ミリメートル平方以下の脂肪
交雑粒子の除去処理を行うのがよい。また、小領域の大
きさも特に限定するものではないが、1センチメートル
平方を小領域の大きさとするのがよい。
【0010】このようにして形成された二値画像に基づ
いて、本発明はその形状特徴値で肉質の判定をするもの
である。形状特徴値とは、食肉の断面に現われている脂
肪交雑粒子について得られる種々の画像解析情報のこと
で、これらの中から肉質の判定に深くかかわりを持つ形
状特徴値として、本発明は、特に総脂肪面積割合(F
P)、個々の脂肪交雑粒子の面積(ARE/m2 )及び
形状の複雑さ(CYC/4π×面積/周囲長2 )を用い
ることを特徴とするものである。個々の脂肪交雑粒子の
面積(ARE/m2)と、形状の複雑さ(CYC/4π
×面積/周囲長2 )だけでも、熟練の格付け員によるB
MS判定結果と遜色ない結果が得られるものである。
【0011】
【実施例】以下、本発明の食肉の肉質判別方法を説明す
ると、画像の取り込みにあたりその画像の撮影方法とし
て、照明は15W程度の蛍光灯2灯を左右方向から直接
照明をし、材料の肉表面には適当な食用油を塗布して無
反射ガラスで上から押さえ、撮影時の画像の「てかり」
を防止する。入力装置は高精細CCDカメラ(FUJI
X HC−1000 3CCD)を用いることにより、
画像を72dpi、1280×960pixelのフル
カラー画像として画像解析装置に入力する。
【0012】画像処理は、画像解析装置としてパーソナ
ルコンピューター(Power Macintosh
8100/100 48MB RAM)、また、それに
適合する画像処理ソフト(Adobe Photosh
op3.0J)、(MacSCOPE)を用いる。ま
た、部分画像分割法はMac SCOPEで処理できな
いためプログラムを作成しする。
【0013】開発環境はパーソナルコンピューター(P
entium 90MHz+40MB RAM)、プロ
グラムは一度Visual C++(Microsof
t)によって作成した後Delphi2.0(Borl
and)で新たに作成し直した。図1は、画像から閾値
を算出する各方法の比較を示す図であり、(a)は固定
閾値法による閾値算出を示しているもので、全体画像を
単一の閾値で二値化を行ったものである。
【0014】(b)は動的閾値法の小領域分割法による
閾値算出を示しているもので、全体画像を正方形の小領
域2分割して、各小領域の濃度ヒストグラムを用いて判
別二値化法により閾値を算出したものである(各小領域
ごとに決定した閾値を用いて二値化を行う)。(c)は
本発明による方法で、全体画像を最大50%重なり合う
小領域に分割して、各小領域の濃度ヒストグラムを用い
て判別二値化法により閾値を算出したものである。ま
た、その閾値を各小領域の中心点の閾値とする。そし
て、小領域の中心点以外の点は距離に反比例した線形加
重和により閾値を求める。このようにして、全体画像の
全ての点の閾値を求め二値化を行う。
【0015】また、Mac SCOPE上ではこの処理
のためのプロシジャがないため、プログラムを作成し
た。以下にアルゴリズムの詳細を示す。「小領域ごとの
閾値の算出」としては、図1(c)に示すように全体画
像を隣接領域と最大50%重なった正方形の小領域に分
割する。各小領域の濃度ヒストグラムを用いて判別二値
化法により閾値を算出し、それを小領域の中心点の閾値
とする。同時に算出されるη値(クラス間分散/全分
散)が0.7未満の場合、算出された閾値は不適である
とする(仮に0としておく)。また画像の占める割合が
50%に満たない小領域の閾値は算出しない(図の*の
小領域)。
【0016】「閾値が不適であった小領域ごとの閾値の
算出」としては、閾値が不適であった小領域の適切な閾
値を、周りの小領域の閾値を距離(8連結距離)に反比
例した重みづけ平均によって求める。全体画像の左から
m番目、上からn番目の小領域を(m,n)、小領域閾
値をT(m,n)で表わすとする。小領域(m,n)か
ら距離1の小領域は(m+1,n)(m+1,n−1)
(m,n−1)(m−1,n−1)(m−1,n)(m
−1,n+1)(m,n+1)(m+1,n+1)の8
つである。
【0017】このように、小領域(m,n)から距離r
の小領域の集合をR(m,n,r)とする。距離による
重みづけ関数w(r)は以下、式1のように定義する。
距離rにおける重みの合計は以下、式2のような関数Q
(m,n,r)で計算できる。ここで、式3の各々であ
れば、重みの合計が1.25以上になる距離までの小領
域の閾値に重みをかけて合計し、重みの合計で割ること
によって不適であった小領域の閾値を計算する。不適で
あった小領域を(m,n)、重みの合計が距離rまでで
1.25以上になるとすると(m,n)の適切な閾値S
(m,n)は以下、式4のように計算される。
【0018】例えば、図1(c)の閾値が不適であった
小領域aの閾値は次のように計算される。 (56+61+60+60+62+55+53+57)
×0.8÷(0.8×8)=58 同様に閾値が不適であった小領域bは次のように計算さ
れる。 [(0+0+49+0)×0.8+(47+49+55
+53+57+50+45)×0.6]÷(0.8×1
+0.6×7)=50.56 51 このようにして閾値が不適であった小領域の閾値を全て
計算する。その計算結果を図2に示す。
【0019】「全体画像の全ての点の閾値の算出」とし
ては、図3に示すように小領域の中心点からなる正方形
ABCDの領域の中に存在することになる(全体画像の
端の領域では正方形の角4点のうち1点、2点あるいは
は3点の値がない場合もある)。点A、B、C、Dの閾
値をTA 、TB 、TC およびTD とすると、点Pの閾値
は以下のように算出される。まず、点Pの正方形ABC
Dにおける位置を示す値a,bを、式5により求める。
【0020】点A、B、C、Dの閾値が全て存在する場
合は、式6、点Aの閾値が存在しない場合は、式7、た
だし、式7中のTE は式8により求められ、点A、Bの
閾値が存在しない場合は、式9、点A、B、Cの閾値が
存在しない場合は、式10による。正方形を回転させる
ことにより、どの点の閾値が存在しない場合でも同様の
計算で点Pの閾値を計算することができる。ただしBと
Dなど対角の点のみの閾値が存在しない場合はありえな
い。
【0021】そして、各点ごとに決定した閾値を用いて
全ての点を二値化することにより全体画像を二値化す
る。図4は、各方法で二値化した二値画像の二値化法間
の差を示す図であり、(a)は牛枝肉ロース芯断面の元
画像であり、(b)は固定閾値法により二値化した牛枝
肉ロース芯断面の二値画像、(c)は小領域分割法によ
り二値化した牛枝肉ロース芯断面の二値画像、(d)は
部分画像分割法により二値化した牛枝肉ロース芯断面の
二値画像を示す。
【0022】(b)の固定閾値法により二値化した牛枝
肉ロース芯断面の二値画像は、(a)の元画像と比較す
ると、右下の部分を脂肪として過大に取りすぎ、上側の
脂肪を過小にしか取っていない。すなわち微妙に濃淡に
差のあるロース芯全体の脂肪交雑を単一の閾値ではうま
く二値化することができない。(c)の小領域分割法に
より二値化した牛枝肉ロース芯断面の二値画像は、
(a)の元画像と比較すると、多くの領域の脂肪が実際
の脂肪交雑の状態に沿って取られているが、小領域の境
界面による脂肪交雑粒子の断裂が(特に上側)起こって
いる。
【0023】(d)の部分画像分割法により二値化した
牛枝肉ロース芯断面の二値画像は、(a)の元画像と比
較すると、全ての領域の脂肪が実際の脂肪交雑の状態に
沿って取られており、かつ脂肪交雑粒子の断裂もなく、
適切な二値化が行われている。図5は、図4の二値画像
の一部で特に二値化法間の差が顕著に現れている部分の
拡大図であり、(a)は元画像であり、(b)は固定閾
値法による二値画像、(c)は小領域分割法による二値
画像、(d)は部分画像分割法による二値画像を示す。
【0024】図4と同様に、(b)の固定閾値法による
二値画像は、閾値が局所における最適閾値でないために
適正な二値化がなされない。(c)の小領域分割法によ
る二値画像は、その領域のさらに小さい局所によっては
固定閾値法と同じことが言え、図で下側の部分を脂肪と
して過大に取りすぎ、一方右上側の脂肪を過小にしか取
っていない。そして、この方法による判別二値化法は、
元画像が二値化できることが前提方法であり、赤肉ばか
り、あるいは脂肪ばかりの小領域で閾値を求めた場合、
むりやり二値化するため不適切な閾値を算出してしまう
場合もある。
【0025】(d)の部分画像分割法による二値画像
は、不適切な画像を振るい落とし、閾値をなだらかに変
化させることによって局所的な赤肉の色の差や照明条件
の差を緩和し、適切な二値化を行うことができる。表1
は、抽出した形状特徴値を示す。また、図6は形状特徴
値の説明図である。これら抽出した形状特徴値は主に画
像処理ソフトMacSCOPEで算出可能なものから選
択した。面積から離心率はロース芯断面内に存在する個
々の脂肪交雑粒子について計算し、その平均値および変
動係数を形状特徴値とした。表1の形状特徴値の一部を
説明する。
【0026】円相当径とは、面積を真円に換算した場合
の直径の長さであり、物体の大きさを長さに換算する値
である。(図6(a)参照) 円形度とは、形状を表わす値であり、形状がもっとも単
純である真円の値が最大の1、形状が複雑になるにつれ
て値が小さくなる。サイズは、物体の大きさを長さで表
わす値であるが、物体の形状が真円に近いほど、より大
きく表される値である。
【0027】重心距離平均は、重心から物体の輪郭まで
の距離の平均であり、物体の大きさを示す値である。
(図6(c)参照) 針状値は、物体の形状を表わす値であり、物体の一番長
い部分の長さをそれに垂直な最大の長さで割った値であ
る。細長い物体は大きな値となる。(図6(b)参照) 離心率は、物体に対する慣性楕円を想定した時の楕円の
離心率である。(図6(d)参照)楕円が細長くなるほ
ど離心率が低くなるため形状を表わす値である。離心率
は、式11、ただし、a:楕円の長軸の長さ、b:楕円
の短軸の長さである。
【0028】慣性楕円の長軸および短軸の長さは以下の
ように算出される。楕円の長軸は、式12、楕円の短軸
は、式13、ただし、式12及び式13のmaxおよび
minは式14に示す式により求められる。 (MacSCOPEリファレンスマニュアルから抜粋)
また、図7は二値画像の各処理結果を示す図であり、
(a)は処理前の二値画像で、(b)はスケルトン処理
を行った結果を示し、(c)は細線化処理を行った結果
を示し、(d)は縮退処理を行った結果を示している。
表2は、抽出した形状特徴値のクラス分けを示すもので
ある。
【0029】前述の如く、形状特徴値とは、食肉の断面
に現われている脂肪交雑粒子について得られる種々の画
像解析情報のことで、これらの中から肉質の判定に深く
かかわりを持つ形状特徴値を抽出し、それらによる判別
式をつくる。表3は、BMSナンバーと形状特徴値との
間の積率相関係数を示すもので、表から最も相関の高い
形状特徴値はFP(0.892)であり、以下CYC2
F(0.871)、CYC1F(0.845)で、形状
の複雑な脂肪交雑粒子の面積に注目した形状特徴値が続
く。同様にCYC2P(0.694)、CYC1P
(0.745)の相関も有意に高く、形状の複雑な脂肪
交雑粒子は脂肪交雑肉質判別に有用であることが示唆さ
れる。
【0030】ここで、BMSを説明すると、Beef
Marbling Standardのことであり、脂
肪交雑の基準を示すものである。これは、シリコン樹脂
により製作されている。また、二値画像にスケルトン処
理、細線化処理および縮退処理を施した出力画像から得
た形状特徴値のなかでは、特にSKLNFおよびTHI
NFの相関が有意に高く、複雑な形状の物体はスケルト
ン処理および細線化処理を施すと単純な形状の物体より
も大きな骨格が残り、この結果もCYC**の結果と同
様に形状の複雑な脂肪交雑粒子が脂肪交雑肉質判別に有
用であることを示唆している。
【0031】表4は、ロース芯断面から抽出した形状特
徴値に対するBMSナンバーの重回帰式を示し、また、
表5は、ロース芯断面から抽出した形状特徴値のうち総
脂肪面積割合を除いた形状特徴値に対するBMSナンバ
ーの重回帰式を示すものである。表4および表5から、
FPを含めた場合(表4)とFPを除いた場合(表5)
の寄与率はほぼ等しいものであり、どちらの重回帰式に
もARE3Fが取り込まれていることから、脂肪交雑の
肉質判別には面積の小さな脂肪交雑粒子も考慮しなけれ
ばならないことを示している。
【0032】これらの結果の安定性を見るために、全体
50枚の肉断面のうち、無作為に40枚を抽出したデー
タセットを20個作成し、重回帰分析を行ったところ、
FPを除いた場合が安定しており、すべての重回帰式に
CYC2F及びARE3Fが取り込まれた。また、部分
寄与率と回帰係数の大きさから、FPを除いた場合の重
回帰式の方が面積の小さな脂肪交雑粒子をより高く肉質
判別していることが分かる。このように、牛肉の肉質判
別には、表5に示した重回帰式が有効であることが明ら
かとなった。
【0033】
【効果】本食肉の肉質判別方法は以上のような方法によ
り二値化するため、画像の各画素毎に適切な閾値を求め
ることができ、これにより正確な二値化を行うことが可
能となり、コンピュータ画像解析による肉断面の脂肪交
雑の肉質判別を客観的に行うことができる。また、照明
むらなどによって発生する元画像の欠点も緩和すること
ができる。さらに、脂肪交雑の肉質判別に有用な形状特
徴値を抽出することができたことから、コンピュータ画
像解析による肉断面の脂肪交雑の肉質判別(判定等)を
高精度且つ客観的に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 画像から閾値を算出する各方法の比較
【図2】 部分画像分割法における閾値が不適であった
小領域の閾値計算結果を示す図
【図3】 部分画像分割法における全体画像の全ての点
の閾値算出図
【図4】 各方法で二値化した二値画像の二値化法間の
差を示す図
【図5】 図4の二値画像の一部で特に二値化法間の差
が顕著に現れている部分の拡大図
【図6】 形状特徴値の説明図
【図7】 二値画像の各処理結果を示す図
【表1】
【表2】
【表3】
【表4】
【表5】
【式1】
【式2】
【式3】
【式4】
【式5】
【式6】
【式7】
【式8】
【式9】
【式10】
【式11】
【式12】
【式13】
【式14】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 佐々木 義之 滋賀県大津市南郷2丁目36−6

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】食肉断面の画像を、最大50%重なり合う
    小領域に分割し、濃度ヒストグラムによる判別二値化法
    により各小領域の閾値を求め、これを各小領域の中心点
    の閾値とし、この閾値に基づき距離に反比例した線形加
    重和によりすべての点(画素)の閾値を決定し、その閾
    値に基づいてすべての点(画素)を二値化して、食肉の
    断面全体の二値画像を得、これに基づいて食肉を評価す
    る食肉の肉質判別方法
  2. 【請求項2】画像の前記小領域中に占める食肉の割合が
    50%以下の場合、閾値の対象としないことを特徴とす
    る請求項1の食肉の肉質判別方法
  3. 【請求項3】食肉断面の画像を、最大50%重なり合う
    小領域に分割し、濃度ヒストグラムによる判別二値化法
    により各小領域の閾値を求め、これを各小領域の中心点
    の閾値とし、この閾値に基づき距離に反比例した線形加
    重和によりすべての点(画素)の閾値を決定し、その閾
    値に基づいてすべての点(画素)を二値化して、食肉の
    断面全体の二値画像を得、この二値画像から所定の形状
    特徴値を抽出し、この形状特徴値により肉質判別を行う
    ことを特徴とする食肉の肉質判別方法
  4. 【請求項4】前記形状特徴値が、総脂肪面積割合、個々
    の脂肪交雑粒子の面積及び形状の複雑さであることを特
    徴とする請求項3の食肉の肉質判別方法
  5. 【請求項5】前記形状特徴値が、個々の脂肪交雑粒子の
    面積及び形状の複雑さからなることを特徴とする請求項
    3の食肉の肉質判別方法
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