JP2000097605A - 回動角検出装置 - Google Patents

回動角検出装置

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JP2000097605A
JP2000097605A JP10283303A JP28330398A JP2000097605A JP 2000097605 A JP2000097605 A JP 2000097605A JP 10283303 A JP10283303 A JP 10283303A JP 28330398 A JP28330398 A JP 28330398A JP 2000097605 A JP2000097605 A JP 2000097605A
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yokes
rotation
yoke
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吉宏 木暮
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ヨーク間の磁束密度を正確に検出し、回動角
の検出精度を高める。 【解決手段】 第1,第2のヨーク8,9を、円弧状に
湾曲して形成した磁極片部8A,9Aと、オーバハング
部8B,9Bとから構成する。また、第1,第2のヨー
ク8,9はマグネット7を挟んで径方向で対向し、オー
バハング部8B,9B先端の延長部8B2 ,9B2 は
上,下に重なり合っている。そして、第1,第2のホー
ル素子13,14は、延長部8B2 ,9B2 間に位置し
てY軸上の異なる場所に配列されている。また、ホール
素子13,14からの検出信号は回路部品に入力され、
この回路部品はホール素子13,14からの検出信号を
比較、演算する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば回動軸の回
動角等を検出するのに好適に用いられる回動角検出装置
に関し、特に自動車用エンジンのスロットルバルブ開
度、アクセルペダル開度等を検出するのに用いられる回
動角検出装置に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、回動角検出装置は、自動車用エ
ンジンのスロットルバルブ開度、アクセルペダル開度等
を検出するのに広く用いられている。そこで、回動角検
出装置によってスロットルバルブ開度の検出を行う場合
を例に挙げて説明する。
【0003】電子制御式燃料噴射装置を備えた自動車用
エンジン等では、エンジンの吸気通路の途中にスロット
ルバルブを設け、該スロットルバルブの開度を回動角検
出装置により検出する構成としている。そして、該回動
角検出装置からの信号は、エンジンの吸入空気量に対応
した信号としてコントロールユニットに出力され、該コ
ントロールユニット側では吸入空気量に従って燃料の噴
射量を演算するものである。このような自動車用エンジ
ン等に用いる回動角検出装置として、マグネット、ヨー
ク等を用いた非接触型のものが知られている(例えば特
開平9−189508号公報、特開平9−189509
号公報等)。
【0004】ここで、従来技術による回動角検出装置
は、スロットルバルブの弁開度に応じて回動する回動軸
に設けられたマグネットと、該マグネットの周囲をほぼ
全周に亘って取り囲む複数個のヨークと、該各ヨーク間
に配設された複数のホール素子とから構成されている。
【0005】そして、従来技術の回動角検出装置では、
マグネットと複数個のヨークとによって複数の磁気回路
を構成し、各磁気回路毎に独立してホール素子を配設し
ている。これにより、複数のホール素子によって複数の
磁気回路の磁束密度を検出し、これらのホール素子によ
る信号を用いることによって回動軸の回動角、即ちスロ
ットルバルブの弁開度を検出している。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述した従
来技術による回動角検出装置では、各磁気回路毎にそれ
ぞれ1個のホール素子を配設し、磁気回路の磁束密度を
検出する構成としている。また、ホール素子は、マグネ
ットとヨークとからなる磁気回路において、2個のヨー
ク間に配設されている。ここで、ホール素子周囲の磁束
密度は、ホール素子がヨーク間でいずれの位置に配設さ
れているかによって大きく変化する。従って、1個のホ
ール素子で磁気回路の磁束密度を検出するときには、ホ
ール素子の配置される位置によってホール素子から出力
される信号が大きく変化する。また、ホール素子が配置
される位置は、回動角検出装置毎に僅かに異なる。この
ため、従来技術による回動角検出装置では、製品毎にホ
ール素子周囲の磁束密度にばらつきが生じ、回動角の検
出精度が低下し易いという問題がある。
【0007】本発明は上述した従来技術の問題に鑑みな
されたもので、本発明はヨーク間の磁束密度を正確に検
出し、回動角の検出精度を高めることができるようにし
た回動角検出装置を提供することを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】上述した課題を解決する
ために、請求項1の発明による回動角検出装置は、回動
可能に設けられたマグネットと、該マグネットを挟んで
径方向で対向した第1,第2の磁極片部から径方向内向
きに延びた第1,第2のオーバハング部をマグネットの
回動中心上で互いに重なり合って形成してなる第1,第
2のヨークと、該第1,第2のヨークを構成する第1,
第2のオーバハング部間に位置して、それぞれ異なる場
所に設けられた複数個の磁電変換素子とから構成したこ
とにある。
【0009】このように構成したことにより、回動角に
応じてマグネットと第1,第2の磁極片部との対向面積
が変化する。そして、各磁電変換素子はマグネットと第
1,第2のヨークとの対向面積に対応した信号を出力す
るから、各磁電変換素子から出力される信号を用いるこ
とによってマグネットの回動角を検出することができ
る。
【0010】また、複数個の磁電変換素子をオーバハン
グ部間に位置してそれぞれ異なる場所に設けたから、各
磁電変換素子は、マグネットと第1,第2のヨークとか
らなる磁気回路に対して並列に配置される。このため、
各磁電変換素子によって第1,第2のオーバハング部間
を通過する磁束を同時かつ独立に検出することができ
る。そして、これらの複数個の磁電変換素子から出力さ
れる信号を用いることによって、オーバハング部間の磁
束をより正確に検出することができる。
【0011】また、請求項2の発明は、各磁電変換素子
を前記第1,第2のオーバハング部間で前記マグネット
の回動中心の近傍に設けたことにある。
【0012】これにより、各磁電変換素子はマグネット
からの磁束が最も通過しにくい位置に配設される。この
ため、マグネットからの磁束がヨークを通過せずに各磁
電変換素子に到達するショートカット磁束の発生を防止
でき、このようなショートカット磁束の影響を受けるこ
となく各ヨークを通過する磁束を検出することができ
る。
【0013】また、請求項3の発明は、第1,第2のヨ
ークの第1,第2のオーバハング部は前記マグネットの
回動中心を要とする扇形状に形成された扇形面部と、該
扇形面部の要側に設けられ前記マグネットの回動中心を
越える位置まで延びて形成された延長部とよって構成
し、前記各磁電変換素子を該各延長部間に位置して設け
たことにある。
【0014】このように構成したことにより、各ヨーク
によって各磁電変換素子に導かれる磁束は扇形面部を通
過することによって要側に集められる。このため、マグ
ネットからの磁束は延長部間に集中するから、各磁電変
換素子の近傍の磁束密度を高めることができる。
【0015】また、請求項4の発明は、前記第1,第2
のヨークの第1,第2のオーバハング部はX軸に対しほ
ぼ対称な扇形状に形成された扇形面部と、該扇形面部の
先端に設けられ前記マグネットの回動中心を越える位置
まで延びて形成された延長部とよって構成し、前記各磁
電変換素子は該各延長部間に位置して前記X軸と直交す
るY軸上に配列したことにある。
【0016】このように構成したことにより、第1,第
2のオーバハング部間の磁束は、Y軸上でほぼ同程度に
することができる。このため、各磁電変換素子の周囲に
形成される磁束をほぼ均等化し、各磁電変換素子から出
力される信号の偏差を小さくすることができる。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る回動角検出装
置の実施の形態を、図1ないし図8を参照しつつ詳細に
説明する。
【0018】図において、1は回動角検出装置の外形を
なすケーシングで、該ケーシング1は、軸方向に延びる
筒部1Aと、該筒部1Aの軸方向の途中に設けられ後述
するカバー18と共に筒部1A内に収容室Aを画成した
隔壁部1Bと、該隔壁部1Bから軸方向上向きに突設さ
れ、後述のヨーク支持筒3を位置決めする筒状突部1C
と、前記隔壁部1Bから軸方向下向きに突設され、内周
側が収容室A内に連通する筒状の軸受保持部1Dと、前
記筒部1Aの外周側から径方向外向きに突設された2個
のコネクタ部1E,1Eとから構成されている。そし
て、隔壁部1Bの下側部分は、筒部1Aと軸受保持部1
Dとの間が後述する戻しばね17用のばね室Bとなって
いる。
【0019】また、ケーシング1にはコネクタ部1Eか
ら収容室A内に延びる複数本のピン端子2(1本のみ図
示)が埋設されると共に、ばね室B内には例えば100
°程度の角度範囲に亘って切欠き(図示せず)が設けら
れ、この切欠きによって後述するレバー16の回動範囲
を規制している。
【0020】3はケーシング1の隔壁部1B上に筒状突
部1Cによって位置決めされたヨーク支持筒で、該ヨー
ク支持筒3は樹脂材料等の非磁性材料によって有蓋筒状
に形成され、後述する第1,第2のヨーク8,9を樹脂
モールド等の手段により一体に保持するものである。そ
して、ヨーク支持筒3は第1,第2のヨーク8,9と共
にケーシング1の筒状突部1C内に着脱可能に嵌着さ
れ、後述のマグネット7に対する第1,第2のヨーク
8,9の位置決めを行なっている。
【0021】4はケーシング1内に回動可能に設けられ
た回動軸で、該回動軸4は軸受5を用いて軸受保持部1
D内に取付けられ、該回動軸4の先端側は軸受保持部1
D内から収容室A内に向けて突出し、後述の回動板6が
一体に形成されている。また、回動軸4の基端側は軸受
保持部1Dから軸方向下向きに突出し、レバー16が取
付けられている。
【0022】6は回動軸4の先端側に一体に形成された
回動板で、該回動板6は略円板状に形成され、該回動板
6上には後述のマグネット7が固着されている。
【0023】7は回動板6上に接着剤等によって固着さ
れたマグネットで、該マグネット7は、長さ方向の両側
が磁極となった矩形状または小判状に形成されている。
また、該マグネット7は、図3ないし図6に示すよう
に、長さ方向両端が凸円弧面部7A,7Bとなり、凸円
弧面部7A,7B間は平行面部7C,7Dとなってい
る。
【0024】そして、マグネット7の凸円弧面部7A,
7Bは、回動中心O1 −O1 に対して約90°の角度α
1 をもって形成されている。また、凸円弧面部7A,7
Bの角度α1 は、後述するヨーク8,9の磁極片部8
A,9Aの角度α2 とほぼ等しい値に設定されている。
【0025】また、マグネット7は、最大エネルギ積が
20×106 ガウスエルステッド以下の磁気特性を有す
る材料(例えばNd−Fe−Co、Sm−Coの希土類
ボンドマグネット等)のよって形成されている。
【0026】8はヨーク支持筒3によってケーシング1
内に設けられた第1のヨークで、該第1のヨーク8は、
マグネット7を挟んで後述する第2のヨーク9と径方向
(図6中のX軸方向)で対向し、マグネット7による磁
束を後述するホール素子13,14へと導くものであ
る。このため、ヨーク8は、例えば電磁純鉄(SUY
B,SUYP)、Fe−Ni合金等のように保磁力が1
エルステッド以下となる磁性材料によって形成されてい
る。また、ヨーク8は、マグネット7の凸円弧面部7
A,7Bと一定の間隔を保って対向する湾曲板状の第1
の磁極片部8Aと、該第1の磁極片部8Aから径方向内
側に向けて折曲げて形成され、マグネット7を上側から
跨ぐように平板状に延びた第1のオーバハング部8Bと
から構成されている。
【0027】そして、第1の磁極片部8Aは、図6に示
すようにマグネット7の回動中心O1 −O1 に対し一定
の曲率半径をもって円弧状に湾曲して形成され、その内
周側が回動中心O1 −O1 に対して凸円弧面部7A,7
Bと同軸に対向する凹円弧面部8A1 となっている。ま
た、第1の磁極片部8Aは、約90°の角度α2 をもっ
て延びている。
【0028】一方、第1のオーバハング部8Bは、外周
端側が第1の磁極片部8Aの軸方向端部と一体に連結さ
れ、マグネット7の回動中心O1 −O1 を要位置Pとす
る扇形状に形成された扇形面部8B1 と、該扇形面部8
B1 の要位置P側に設けられ、マグネット7の回動中心
O1 −O1 を越える位置まで延びた略正方形または長方
形の延長部8B2 とから構成されている。そして、該延
長部8B2 は、後述する第2のオーバハング部9Bの延
長部9B2 との間でホール素子13,14を上,下から
挟む構成となっている。
【0029】ここで、オーバハング部8Bの扇形面部8
B1 は、X軸に対しほぼ対称な扇形状に形成され、該扇
形面部8B1 の先端に延長部8B2 が設けられている。
このため、ヨーク8はX軸に対しほぼ対称な形状となっ
ている。
【0030】9はケーシング1内に設けられ第1のヨー
ク8とほぼ同様の磁性材料からなる第2のヨークで、該
第2のヨーク9は、マグネット7を挟んで第1のヨーク
8と径方向(X軸方向)に対向することによって磁気回
路を形成し、マグネット7による磁束を後述するホール
素子13,14へと導くものである。また、第2のヨー
ク9は、第1のヨーク8と同様にマグネット7の凸円弧
面部7A,7Bと一定の間隔を保って対向する第2の磁
極片部9Aと、該第2の磁極片部9Aから径方向内向き
に折曲げて形成され、マグネット7を上側から跨ぐよう
に平板状に延びた第2のオーバハング部9Bとから構成
されている。
【0031】そして、第2の磁極片部9Aは、マグネッ
ト7を挟んで第1の磁極片部8AとX軸方向に対向して
いる。また、第2の磁極片部9Aは、マグネット7の回
動中心O1 −O1 に対し一定の曲率半径をもって円弧状
に湾曲して形成され、その内周側が回動中心O1 −O1
に対して凸円弧面部7A,7Bと同軸に対向する凹円弧
面部9A1 となっている。そして、第2の磁極片部9A
は、第1の磁極片部8Aとほぼ同様に約90°の角度α
2 をもって延びている。
【0032】一方、第2のオーバハング部9Bは、第1
のオーバハング部8Bと同様に外周端側が第2の磁極片
部9Aの軸方向端部と一体に連結され、マグネット7の
回動中心O1 −O1 を要位置Pとする扇形状に形成され
た扇形面部9B1 と、該扇形面部9B1 の要位置P側に
設けられ、マグネット7の回動中心O1 −O1 を越える
位置まで延びた略正方形または長方形の延長部9B2 と
から構成されている。そして、延長部9B2 は、第1の
オーバハング部8Bの延長部8B2 に例えば1.7mm
程度の隙間10をもって重なり合っている。
【0033】ここで、オーバハング部9Bの扇形面部9
B1 は、X軸に対しほぼ対称な扇形状に形成され、該扇
形面部9B1 の先端に延長部9B2 が設けられている。
このため、ヨーク9はX軸に対しほぼ対称な形状となっ
ている。
【0034】ここで、図7に示す如く、マグネット7の
回動角±θは、凸円弧面部7Aの中心部位が第1の磁極
片部8Aと第2の磁極片部9Aとの間の中間位置にある
ときを初期位置O2 とし、マグネット7が右側に回動し
たときを正方向(+θ)、左側に回動したときを負方向
(−θ)とする。このとき、マグネット7(回動軸4)
が回動する範囲は±45°の間であり、回動角θが+4
5°のときにはスロットルバルブの最大開弁時(フルス
ロットル時)に対応している。
【0035】11,11は第1,第2の磁極片部8A,
9Aとの間に設けられた磁束遮断部で、該各磁束遮断部
11は、図3に示すように互いにマグネット7を挟んで
径方向(図6中のY軸方向)で対向し、ヨーク支持筒3
の一部を構成している。そして、磁束遮断部11は、回
動中心O1 −O1 に対して、約90°の角度α3 を有し
ている。特に、この角度α3 は、マグネット7の凸円弧
面部7A,7Bの角度α1 とほぼ等しい値に設定するこ
とが好ましい。
【0036】12は樹脂材料等によって形成されたフレ
キシブル基板で、該フレキシブル基板12は、図1に示
すようにその一部が略V字状に折曲げられて収容室A内
に収容されている。そして、フレキシブル基板12の一
端側にはホール素子13,14が取付けられ、隙間10
内に配設されている。また、フレキシブル基板12の他
端側はピン端子2に半田付け等の手段によって接続され
ている。
【0037】13は第1の磁電変換素子としての第1の
ホール素子で、該ホール素子13は、フレキシブル基板
12に取付けられ、第1,第2のオーバハング部8B,
9B間の隙間10内に配置されている。また、ホール素
子13の磁気検出方向は、回動軸4の軸方向に平行で、
かつマグネット7の磁極線と直交する方向となってい
る。そして、ホール素子13は、マグネット7、第1の
ヨーク8、第2のヨーク9からなる磁気回路内を通る磁
束密度に比例した第1の検出信号S1 を出力するもので
ある。
【0038】14は第2の磁電変換素子としての第2の
ホール素子で、該ホール素子14は、フレキシブル基板
12に取付けられ、第1,第2のオーバハング部8B,
9B間の隙間10内に位置して第1のホール素子13と
は異なる場所に設けられている。また、ホール素子14
の磁気検出方向も、マグネット7の磁極線と直交する方
向となっている。そして、ホール素子14は、マグネッ
ト7、第1のヨーク8、第2のヨーク9からなる磁気回
路内を通る磁束密度に比例した第2の検出信号S2 を出
力するものである。
【0039】また、第2のホール素子14は、第1のホ
ール素子13と共に第1,第2のオーバハング部8B,
9Bの延長部8B2 ,9B2 間に位置し、X軸と直交し
て回動中心O1 −O1 を通るY軸上に配列されている。
このため、第1,第2のホール素子13,14の中心位
置は、回動中心O1 −O1 の近傍に位置して、回動中心
O1 −O1 からほぼ等しい寸法LだけY軸方向に離間し
ている。ここで、第1,第2のホール素子13,14
は、できるだけ回動中心O1 −O1 に近い位置に設ける
ことが好ましい。
【0040】そして、第1,第2のホール素子13,1
4は、図5に示すように第1,第2のオーバハング部8
B,9B間の軸方向中央部付近として第1のオーバハン
グ部8Bから例えば1mm程度の寸法Hだけ離間した位
置に配置されている。
【0041】15,15はフレキシブル基板12に搭載
された回路部品で、該各回路部品15は、その入力側が
ホール素子13,14に接続されている。そして、回路
部品15は、例えばホール素子13,14からの2つの
検出信号の平均値を演算し、増幅するものである。そし
て、回路部品15は、その出力側がピン端子2に接続さ
れ回動角θに応じた信号を外部に出力している。なお、
ホール素子13,14から出力される検出信号S1 ,S
2 は比較的微弱な信号であるため、ホール素子13,1
4と回路部品15とを接続する配線(図示せず)には、
外部からの電気的なノイズが混入し易い。このため、回
路部品15をホール素子13,14にできるだけ近付け
て設け、この配線をできるだけ短くすることが好まし
い。
【0042】16は回動軸4の下端側に一体的に固着さ
れたレバーで、該レバー16はその中央部が回動軸4に
かしめ固定されると共に、径方向外側に向って延び、そ
の先端はスロットルバルブ側のレバー(図示せず)と係
合している。そして、レバー16はスロットルバルブが
開閉操作されるのに応じ、回動軸4を回動させるもので
ある。
【0043】17はケーシング1のばね室B内に配設さ
れた戻しばねで、該戻しばね17はコイルスプリング等
によって形成され、その一端側が隔壁部1Bの底部側に
掛け止めされ、他端側がレバー16に掛け止めされてい
る。そして、該戻しばね17は、レバー16を回動軸
4、回動板6と共に図7に示す初期位置O2 へと常時付
勢するものである。
【0044】18はケーシング1の筒部1Aを施蓋する
カバーで、該カバー18はケーシング1の収容室Aを閉
塞し、外部のダスト等から収容室Aを保護する。また、
カバー18は、ヨーク支持筒3の上面側に当接し、該ヨ
ーク支持筒3をケーシング1の隔壁部1Bとの間に挟ん
で固定するものである。
【0045】本実施の形態による回動角検出装置は、上
述の如く2個のヨーク8,9によって2極方式の回動角
検出装置を構成するもので、次にその作動について図7
を参照しつつ説明する。
【0046】まず、マグネット7が初期位置O2 にある
ときには、マグネット7の凸円弧面部7Aは周方向に離
間した第1の磁極片部8Aと第2の磁極片部9Aとの中
央に位置している。このとき、マグネット7の凸円弧面
部7A,7Bは、いずれの磁極片部8A,9Aにも対向
していないから、マグネット7からの磁束は、ヨーク
8,9を殆ど通過しない。
【0047】次に、スロットルバルブを開弁したときに
は、マグネット7の凸円弧面部7A,7Bは初期位置O
2 から回動角+θをもって周方向右側に回動する。この
とき、マグネット7の凸円弧面部7Aは第1の磁極片部
8Aの凹円弧面部8A1 と対向し、凸円弧面部7Bは第
2の磁極片部9Aの凹円弧面部9A1 と対向する。これ
により、マグネット7の磁束は、第1のヨーク8と第2
のヨーク9とを通して第1,第2のホール素子13,1
4に導かれる。このとき、各ホール素子13,14から
は、図8中の特性線a,bに示すようにヨーク8,9を
通る磁束密度に対応した正の検出信号S1 ,S2 が出力
される。
【0048】一方、スロットルバルブを閉弁したときに
は、マグネット7の凸円弧面部7A,7Bは初期位置O
2 から回動角−θをもって周方向左側に回動する。この
とき、マグネット7の凸円弧面部7Aは第2の磁極片部
9Aの凹円弧面部9A1 と対向し、凸円弧面部7Bは第
1の磁極片部8Aの凹円弧面部8A1 と対向する。これ
により、マグネット7の磁束は、第1のヨーク8と第2
のヨーク9とを通して第1,第2のホール素子13,1
4に導かれる。このとき、各ホール素子13,14から
は、図8中の特性線a,bに示すようにヨーク8,9を
通る磁束密度に対応した負の検出信号S1 ,S2 が出力
される。
【0049】ここで、ホール素子13,14から出力さ
れる検出信号S1 ,S2 は、ホール素子13,14の配
設位置等によって増減する。このため、検出信号S1 ,
S2は、図8中の特性線a,bに示すように同一の回動
角θに対して異なる値になり易い。
【0050】しかし、本実施の形態による回動角検出装
置では、ホール素子13,14から出力された検出信号
S1 ,S2 は、回路部品15に入力される。このとき、
回路部品15は、例えば検出信号S1 ,S2 の平均値を
演算する。これにより、検出信号S1 ,S2 の平均値は
図8中の特性線cに示すような回動角θに対して線形な
特性に近付けることができる。
【0051】このように、回路部品15からほぼ回動角
θに比例した信号を出力することができるから、回動軸
4の回動角θ、即ちスロットルバルブの弁開度を検出す
ることができる。
【0052】また、回路部品15は、検出信号S1 ,S
2 の値を比較する。これにより、ホール素子13,14
のうち少なくともいずれか一方の素子に不具合が生じた
ことを検知することができる。このため、回動角検出装
置の不具合を容易に検知でき、回動角検出装置の信頼性
を高めることができる。
【0053】かくして、本実施の形態による回動角検出
装置によれば、2個のホール素子13,14を各オーバ
ハング部8B,9B間に位置してそれぞれ異なる場所に
設けたから、ホール素子13,14をマグネット7とヨ
ーク8,9からなる磁気回路に並列に配置でき、オーバ
ハング部8B,9B間を通過する磁束をホール素子1
3,14によって同時かつ独立に検出することができ
る。このため、これらのホール素子13,14から出力
される検出信号S1 ,S2 の平均値等を求めることによ
って、ホール素子13,14の配設位置の影響を少なく
し、回動角θにほぼ比例した信号を出力することができ
る。これにより、回動角θの検出精度を高めることがで
きる。
【0054】また、本実施の形態では、ホール素子1
3,14を各オーバハング部8B,9B間でそれぞれ異
なる位置に設けている。ここで、例えばホール素子1
3,14を各オーバハング部8B,9B間の同じ位置で
上,下に重ねて配設した場合には、ホール素子13,1
4は磁気回路内に直列に配置されることになる。この場
合には、マグネット7からの磁束は2個のホール素子1
3,14を通過するから、磁束はこれらのホール素子1
3,14の影響によって低減し、検出感度が低下し易い
傾向がある。これに対し、本実施の形態では、ホール素
子13,14を互いに異なる位置に配設したから、ホー
ル素子13,14相互の影響を抑制し、ホール素子1
3,14の検出感度を高めることができる。
【0055】一方、ホール素子13,14からの検出信
号S1 ,S2 を比較することにより、ホール素子13,
14のうち少なくともいずれか一方の素子に不具合が生
じたことを検知することができる。これにより、回動角
検出装置の不具合を容易に検知でき、回動角検出装置の
信頼性を高めることができる。
【0056】また、ホール素子13,14を第1,第2
のオーバハング部8B,9B間でマグネット7の回動中
心O1 −O1 の近傍に設けたから、各ホール素子13,
14はマグネット7からの磁束が最も通過しにくい位置
に配置される。このため、マグネット7からの磁束がヨ
ーク8,9を通過せずに各ホール素子13,14に到達
するショートカット磁束の発生を防止できる。これによ
り、このようなショートカット磁束の影響を受けること
なく各ヨーク8,9を通過する磁束を検出することがで
き、回動角θの検出精度を高めることができる。
【0057】また、第1,第2のオーバハング部8B,
9Bは扇形面部8B1 ,9B1 と、該扇形面部8B1 ,
9B1 の要側に設けられ延長部8B2 ,9B2 とよって
構成し、ホール素子13,14を延長部8B2 ,9B2
間に設けている。これにより、各ヨーク8,9によって
ホール素子13,14に導かれる磁束は扇形面部8B1
,9B1 を通過することによって要側に集められる。
このため、マグネット7からの磁束は延長部8B2 ,9
B2 間に集中するから、ホール素子13,14近傍の磁
束密度を高めることができ、回動角θの検出感度を高め
ることができる。
【0058】また、第1,第2のオーバハング部8B,
9Bは扇形面部8B1 ,9B1 と延長部8B2 ,9B2
とによってX軸に対しほぼ対称な形状に形成し、ホール
素子13,14を延長部8B2 ,9B2 間に位置してY
軸上に配列している。このため、各延長部8B2 ,9B
2 間の磁束をY軸上でほぼ同程度にすることができ、ホ
ール素子13,14から出力される検出信号S1 ,S2
の偏差を減少させることができる。これにより、いずれ
のホール素子13,14からもほぼ回動角θに比例した
検出信号S1 ,S2 を出力することができ、回動角θの
検出精度を高めることができる。
【0059】さらに、ホール素子13,14を第1,第
2のオーバハング部8B,9B間のほぼ軸方向中央部に
設ける構成としたから、オーバハング部8B,9B近傍
の磁束の乱れに影響を抑制し、検出信号S1 ,S2 を安
定化することができ、回動角検出装置の信頼性を向上す
ることができる。
【0060】なお、前記実施の形態ではヨーク8,9間
に磁電変換素子として2個のホール素子13,14を設
ける構成としたが、3個以上の磁電変換素子をヨーク
8,9間に設ける構成としてもよい。
【0061】
【発明の効果】以上詳述した如く、請求項1の発明によ
れば、複数個の磁電変換素子を各オーバハング部間に位
置してそれぞれ異なる場所に設けたから、第1,第2の
オーバハング部間を通過する磁束を複数個の磁電変換素
子によって同時かつ独立に検出することができる。この
ため、これらの磁電変換素子から出力される検出信号の
平均値等を求めることによって、回動角にほぼ比例した
信号を出力することができ、回動角の検出精度を高める
ことができる。また、各磁電変換素子をそれぞれ異なる
位置に設けたから、磁電変換素子相互の影響を抑制し、
磁電変換素子の検出感度を高めることができる。
【0062】そして、複数個の磁電変換素子からの検出
信号を比較することにより、複数個の磁電変換素子のう
ち少なくともいずれか一の素子に不具合が生じたことを
検知することができる。これにより、回動角検出装置の
不具合を容易に検知でき、回動角検出装置の信頼性を高
めることができる。
【0063】また、請求項2の発明によれば、各磁電変
換素子を第1,第2のオーバハング部間でマグネットの
回動中心の近傍に設けたから、マグネットからの磁束が
第1,第2のヨークを通過せずに各磁電変換素子に到達
するショートカット磁束の発生を防止できる。これによ
り、ショートカット磁束の影響を受けることなく、第
1,第2のヨークを通過する磁束を検出でき、回動角の
検出精度を高めることができる。
【0064】また、請求項3の発明によれば、第1,第
2のオーバハング部は扇形面部と、該扇形面部の要側に
設けられ延長部とよって構成し、各磁電変換素子を各延
長部間に設けている。これにより、第1,第2のヨーク
によって磁電変換素子に導かれる磁束は扇形面部を通過
することによって要側に集められ、各延長部間に集中す
るから、磁電変換素子の近傍で磁束密度を高めることが
でき、回動角の検出感度を高めることができる。
【0065】また、請求項4の発明によれば、第1,第
2のオーバハング部は扇形面部と延長部とによってX軸
に対しほぼ対称な形状に形成し、各磁電変換素子を各延
長部間に位置してY軸上に配列している。このため、各
延長部間の磁束をY軸上でほぼ同程度にすることがで
き、磁電変換素子から出力される検出信号の偏差を減少
させることができる。これにより、いずれの磁電変換素
子からもほぼ回動角に比例した検出信号を出力すること
ができ、回動角の検出精度を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態による回動角検出装置を示
す縦断面図である。
【図2】実施の形態による回動角検出装置のうちカバー
の一部を破断にして示す平面図である。
【図3】実施の形態によるマグネット、第1のヨーク、
第2のヨーク等を示す図1中の矢示 III−III 方向から
みた横断面図である。
【図4】実施の形態によるマグネット、第1のヨーク、
第2のヨーク等を示す斜視図である。
【図5】実施の形態によるマグネット、第1のヨーク、
第2のヨーク、ホール素子を拡大して示す縦断面図であ
る。
【図6】実施の形態によるマグネット、第1のヨーク、
第2のヨーク等を示す平面図である。
【図7】回動角検出装置に用いるマグネット、第1のヨ
ーク、第2のヨーク、ホール素子の配置関係を示す模式
的構成図である。
【図8】回動角に対するホール素子から出力される検出
信号との関係を示す特性線図である。
【符号の説明】
1 ケーシング 7 マグネット 7A,7B 凸円弧面部 8 第1のヨーク 8A 第1の磁極片部 8B 第1のオーバハング部 8B1 ,9B1 扇形面部 8B2 ,9B2 延長部 9 第2のヨーク 9A 第2の磁極片部 9B 第2のオーバハング部 13,14 ホール素子(磁電変換素子)

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 回動可能に設けられたマグネットと、 該マグネットを挟んで径方向で対向した第1,第2の磁
    極片部から径方向内向きに延びた第1,第2のオーバハ
    ング部をマグネットの回動中心上で互いに重なり合って
    形成してなる第1,第2のヨークと、 該第1,第2のヨークを構成する第1,第2のオーバハ
    ング部間に位置してそれぞれ異なる場所に設けられた複
    数個の磁電変換素子とから構成してなる回動角検出装
    置。
  2. 【請求項2】 前記各磁電変換素子は、前記第1,第2
    のオーバハング部間で前記マグネットの回動中心の近傍
    に設けてなる請求項1に記載の回動角検出装置。
  3. 【請求項3】 前記第1,第2のヨークの第1,第2の
    オーバハング部は、前記マグネットの回動中心を要とす
    る扇形状に形成された扇形面部と、該扇形面部の要側に
    設けられ前記マグネットの回動中心を越える位置まで延
    びて形成された延長部とよって構成し、前記各磁電変換
    素子は該各延長部間に位置して設けてなる請求項1また
    は2に記載の回動角検出装置。
  4. 【請求項4】 前記第1,第2のヨークの第1,第2の
    オーバハング部は、X軸に対しほぼ対称な扇形状に形成
    された扇形面部と、該扇形面部の先端に設けられ前記マ
    グネットの回動中心を越える位置まで延びて形成された
    延長部とよって構成し、前記各磁電変換素子は該各延長
    部間に位置して前記X軸と直交するY軸上に配列してな
    る請求項1または2に記載の回動角検出装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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