JP2000097485A - 換気パイプの施工構造 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 外壁側の通気層内に設けられた外気導入口へ
の通気路を塞ぐことが無く、外気を確実に導入すること
が出来て換気を十分に出来る換気パイプの施工構造を提
供すること。 【解決手段】 防水下地壁２へ、フランジ部４に筒体５
が一体化された換気パイプ３を設ける換気パイプの施工
構造である。換気パイプ３の、フランジ部４の壁側に弾
性体を設ける。換気パイプ３の筒体５を壁穴２ａに挿入
して固定し、透湿防水シート７をフランジ部４に重ねて
防水テープ８にてフランジ部４と透湿防水シート７とを
覆い帖着する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、換気パイプの施工
構造に関し、例えば気密化された建築物において計画換
気を行う気密化建築物の換気のための換気パイプの施工
構造に関する。

【０００２】

【従来の技術】最近、省エネルギ住宅への関心の高まり
に対応して、気密断熱化住宅が注目されている。この気
密断熱化住宅は、その床面積に対応する建築物外部に通
ずる隙間相当面積を少なくした、気密化された建築物で
あって、計画換気を行うことが望ましい。そして、例え
ば、図４に示すような、建築物の居室等の、外壁１の通
気層１２内に設けられた外気導入口５ａから外気を導入
し、各居室等に設けられた通気口（図示せず）に連通す
る排気経路を介して強制排気手段にて一括排気し、全館
にわたる計画換気による換気構造が用いられる。

【０００３】ところで、例えばパネルはめ込みによる木
造の気密断熱化建築物においては、基礎の上に固定され
た土台９、土台９上に立設された隣接する柱及び、横架
材によって形成される方形状空間に、構造用面材２１の
室内面側に断熱部材２２を一体化した建築用パネルＡを
はめ込んで外壁１を構成する。また、上記の計画換気に
よる換気構造においては、強制排気手段の排気にて各居
室が負圧状態となって外気の導入が行われるが、外気導
入のための補助手段として、各居室に外気導入装置１７
が施工されることがある。外気導入装置１７は、例えば
図４に示すように、下地パイプとも呼ばれている換気パ
イプ３を用いて施工される。

【０００４】上記の換気パイプ３は、気密状態を確保し
て設置される必要がある。そして、図５、６に示すよう
に、まず、透湿防水シート７をフランジ部４に沿って切
り欠いた後、図５（ａ）に示すように、防水処理のため
の片面ブチルテープなどの防水テープ８を、そのフラン
ジ部４と防水下地壁２である面材２１表面との間の部分
に帖着する。次いで、図５（ｂ）に示すように、その上
から換気パイプ３の、筒体５の外気導入口５ａ部分が露
出するように透湿防水シート７を切り欠いて貼着し、そ
の切り欠いた透湿防水シート７端部とフランジ部４とと
もに防水テープ８を貼着して防水処理を行って設置され
ている。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】すなわち、上記従来の
技術の防水処理においては、換気パイプ３のフランジ部
４と面材２１表面との間の部分に防水テープ８を帖着す
るのは、まず、電気工事業者あるいは大工工事にて、上
記の建築用パネルＡに穴あけ及び換気パイプ３の設置が
成され、次いで、外装施工業者が透湿防水シート７の建
築用パネルＡの面材への帖着を行う。

【０００６】ところで、上記の透湿防水シート７の建築
用パネルＡの面材への帖着が不十分な場合、換気パイプ
３部分における防水処理が不十分となる。すなわち、電
気工事業者あるいは大工工事と外装施工業者とは職種が
異なり、連絡不十分等の原因にて防水処理が確実に成さ
れない恐れがある。したがって、このトラブル回避のた
め、防水処理を確実に行うために電気工事業者あるいは
大工工事と外装施工業者のそれぞれの作業において、上
記の防水処理を行う必要があった。その結果、図６にい
い示すように、防水テープ８の重ね代が余分となって、
上記の外壁１の通気層１２内に設けられた外気導入口５
ａから外気を導入するときに、通気経路を塞ぐかたちと
なり、換気が不十分になるという問題があった。

【０００７】本発明は、上記事由に鑑みてなしたもの
で、その目的とするところは、外壁側の通気層内に設け
られた外気導入口への通気路を塞ぐことが少なく、外気
を確実に導入することが出来て換気を十分に出来る換気
パイプの施工構造を提供することにある。

【０００８】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項１記載の換気パイプの施工構造は、防水下地
壁へ、フランジ部に筒体が一体化された換気パイプを設
ける換気パイプの施工構造であって、換気パイプを、そ
のフランジ部の壁側に弾性体を設け、同換気パイプの筒
体を壁穴に挿入して防水下地壁へ固定し、透湿防水シー
トをフランジ部に重ねて防水テープにてフランジ部と透
湿防水シートとを覆い帖着して成る。

【０００９】したがって、この場合、換気パイプの施工
が、防水下地壁の壁穴に、その壁側に弾性体の設けられ
たフランジ部を一体に有する換気パイプの筒体が挿入さ
れて同防水下地壁に固定された後、フランジ部が、その
防水下地壁を覆う透湿防水シートにて覆われて防水テー
プを帖着される。

【００１０】

【発明の実施の形態】図１乃至図３は、本発明の請求項
１に対応する一実施の形態を示し、図１は、本発明の一
実施の形態の換気パイプの施工構造を示す概略構成図で
ある。図２は、同換気パイプの施工構造に使用する換気
パイプを示し、（ａ）は側面図、（ｂ）は正面図であ
る。図３は、同換気パイプの施工構造の説明図である。

【００１１】この実施の形態の換気パイプの施工構造
は、防水下地壁２へ、フランジ部４に筒体５が一体化さ
れた換気パイプ３を設ける換気パイプの施工構造であっ
て、換気パイプ３の、フランジ部４の壁側に弾性体６を
設け、同換気パイプ３の筒体５を壁穴２ａに挿入して固
定し、透湿防水シート７をフランジ部４に重ねて防水テ
ープ８にてフランジ部４と透湿防水シート７とを覆い帖
着して成る。

【００１２】詳しくは、この実施の形態の換気パイプの
施工構造は、例えば、従来の技術の項にて説明したもの
と同じく、図１に示すように、構造用面材２１の室内面
側に断熱部材２２を一体化した防水下地壁２を形成する
建築用パネルＡをはめ込んで構成された外壁１に適用さ
れる。この場合、外壁１は、例えば、セメント系材料に
よる基材上に、樹脂塗料及び無機系塗料を塗布して表面
にガラス質を連続厚膜成形した不燃外装材１１が、上記
構造用面材２１の外側表面に通気層１２が形成されるよ
うに、横胴縁等の胴縁材が設けられて木ねじ等の固定具
を用いて固定され配設されている。また、建築用パネル
Ａを支持している土台９には、通気層１２への通気導入
を兼ねた土台水切り１４が設けられるとともに、不燃外
装材１１の上部には、通気経路である軒天井１０に形成
されている換気口（図示せず）への通気させるための換
気軒天井見切り縁１５が設けられている。

【００１３】なお、上記外壁１の室内側には、内装下地
材として石膏ボード１３が設けられ、この場合、後述す
る換気パイプ３による外気導入のための補助手段とし
て、外気導入装置１７が設けられている。この外気導入
装置１７は、通気層１２から室内側に外気を吸引するた
めのファンモータ１８と、吸引された外気の空気清浄用
のフィルタ１９とを備えており、外壁１中空部内の石膏
ボード１３裏面に設けられた補強枠材１３ａに固定され
ている。

【００１４】換気パイプ３は、この場合、図２に示すよ
うに、所定長さの円筒状の筒体５の外気導入口５ａとな
る一端に、略四角状の平板状のフランジ部４を一体に有
して塩化ビニル樹脂等の合成樹脂材料にて形成されたパ
イプ本体の、フランジ部４裏面側周縁に弾性体６が貼着
され形成されている。フランジ部４の４隅には、換気パ
イプ３を木ねじ等にて固定するための固定孔４ａが設け
られている。弾性体６は、防水下地壁２表面の凹凸によ
りフランジ部４と防水下地壁２との当接部に隙間が出来
るのを防止するためのもので、例えば、弾性を有する塩
化ビニル樹脂材料を基材として独立気泡を有する発泡シ
ート材にて形成され、その裏面に設けられた両面テープ
にてフランジ部４に貼着されている。

【００１５】上記の外壁１は、図１に示すように、構造
用面材２１の外側表面に透湿防水シート７が設けられ
て、外壁１内部に外部から雨水等の侵入を防止するため
の防水下地壁２が形成される。そして、この場合、外壁
１への換気パイプ３の設置は、まず、透湿防水シート７
が設けられる以前に壁穴２ａが穿設され、壁側であるそ
の裏面側周縁に弾性体６の設けられたフランジ部４を一
体に有する換気パイプ３の筒体５が挿入されて、弾性体
６が防水下地壁２表面の凹凸を吸収するよう撓んで薄く
なり、フランジ部４がその防水下地壁２に固定される。
次いで、透湿防水シート７が設けられるときに、図３に
示すように、同フランジ部４が、その防水下地壁２を覆
う透湿防水シート７にて覆われるように、所定巾寸法の
片面ブチルテープによる防水テープ８を帖着する。その
後、図１に符号Ｃにて示す部分にコーキングを施した
後、外気導入装置１７を、そのファンモータ１８を筒体
５に挿入させて、室内側の石膏ボード１３面に取り付け
る。

【００１６】したがって、以上説明した換気パイプの施
工構造によると、換気パイプ３の施工が、防水下地壁２
の壁穴２ａに、その壁側に弾性体６の設けられたフラン
ジ部４を一体に有する換気パイプ３の筒体５が挿入され
て同防水下地壁２に固定された後、フランジ部４が、そ
の防水下地壁２を覆う透湿防水シート７にて覆われて防
水テープ８を帖着されるので、外壁１側の通気層１２内
に設けられた外気導入口への通気路を塞ぐことが少な
く、以て、外気を確実に導入することが出来て十分に換
気が出来る。

【００１７】

【発明の効果】上述の如く、本発明の請求項１記載の換
気パイプの施工構造は、換気パイプの施工が、防水下地
壁の壁穴に、その壁側に弾性体の設けられたフランジ部
を一体に有する換気パイプの筒体が挿入されて同防水下
地壁に固定された後、フランジ部が、その防水下地壁を
覆う透湿防水シートにて覆われて防水テープを帖着され
るので、外壁側の通気層内に設けられた外気導入口への
通気路を塞ぐことが少なく、以て、外気を確実に導入す
ることが出来て十分に換気が出来る。

【００１８】

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施の形態である換気パイプの施工
構造を示す概略構成図である。

【図２】同換気パイプの施工構造に使用する換気パイプ
を示し、（ａ）は側面図、（ｂ）は正面図である。

【図３】同換気パイプの施工構造の説明図である。

【図４】本発明の従来例である換気パイプの施工構造を
示す概略構成図である。

【図５】同換気パイプの施工構造の施工手順を示す説明
図である。

【図６】同換気パイプの施工構造の説明図である。

【符号の説明】

２ 防水下地壁 ２ａ 壁穴 ３ 換気パイプ ４ フランジ部 ５ 筒体 ６ 弾性体 ７ 透湿防水シート ８ 防水テープ

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 防水下地壁へ、フランジ部に筒体が一体
   化された換気パイプを設ける換気パイプの施工構造であ
   って、 換気パイプを、そのフランジ部の壁側に弾性体を設け、
   同換気パイプの筒体を壁穴に挿入して防水下地壁へ固定
   し、透湿防水シートをフランジ部に重ねて防水テープに
   てフランジ部と透湿防水シートとを覆い帖着して成る換
   気パイプの施工構造。