JP2000097172A - スクロール圧縮機 - Google Patents

スクロール圧縮機

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JP2000097172A
JP2000097172A JP11311046A JP31104699A JP2000097172A JP 2000097172 A JP2000097172 A JP 2000097172A JP 11311046 A JP11311046 A JP 11311046A JP 31104699 A JP31104699 A JP 31104699A JP 2000097172 A JP2000097172 A JP 2000097172A
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Japan
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scroll
pressure
compression
chamber
discharge
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Application number
JP11311046A
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English (en)
Inventor
Hiroshi Ishibashi
広志 石橋
Yoshitaka Shibamoto
祥孝 芝本
Yoshiaki Yoshida
喜明 吉田
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Daikin Industries Ltd
Original Assignee
Daikin Industries Ltd
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Publication date
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    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F04POSITIVE - DISPLACEMENT MACHINES FOR LIQUIDS; PUMPS FOR LIQUIDS OR ELASTIC FLUIDS
    • F04CROTARY-PISTON, OR OSCILLATING-PISTON, POSITIVE-DISPLACEMENT MACHINES FOR LIQUIDS; ROTARY-PISTON, OR OSCILLATING-PISTON, POSITIVE-DISPLACEMENT PUMPS
    • F04C28/00Control of, monitoring of, or safety arrangements for, pumps or pumping installations specially adapted for elastic fluids
    • F04C28/24Control of, monitoring of, or safety arrangements for, pumps or pumping installations specially adapted for elastic fluids characterised by using valves controlling pressure or flow rate, e.g. discharge valves or unloading valves
    • F04C28/26Control of, monitoring of, or safety arrangements for, pumps or pumping installations specially adapted for elastic fluids characterised by using valves controlling pressure or flow rate, e.g. discharge valves or unloading valves using bypass channels

Abstract

(57)【要約】 【課題】 吐出ポートおよびリリーフポートからの吐出
脈動を緩和する。 【解決手段】 固定スクロール2の反渦巻体側にカバー
体24を固定する。カバー体24の内部空間24aと吐
出室1Aとを支持体に設けた連通孔61を介して連通す
る。カバー体の内部空間に固定スクロールの吐出口23
およびリリーフポート10を開口する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はスクロール圧縮機、
詳しくは、鏡板に渦巻体を突設して成る固定及び可動ス
クロールを備えたスクロール圧縮機に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、この種スクロール圧縮機は、例え
ば特開昭58−128485号公報に記載されているよ
うに知られている。この公報記載のスクロール圧縮機
は、図9に示したように、密閉ケーシングAの内方上部
に、鏡板B1に渦巻体B2を突設して成る固定スクロー
ルBを設け、かつ、この固定スクロールBの下部側に、
同じく鏡板C1に渦巻体C2を突設して成る可動スクロ
ールCを前記各渦巻体B2,C2が互いに噛合するよう
に上下対向状に支持すると共に、前記ケーシングAの下
部側にモータDを設けて、該モータDから延びる駆動軸
Eを前記可動スクロールCの下部側に設けた軸受ハウジ
ングFに軸受支持させる一方、前記駆動軸Eの軸受上端
側を前記可動スクロールCに連動連結させて、前記駆動
軸Fの駆動に伴い前記可動スクロールCを固定スクロー
ルBに対しオルダムリングなどの自転防止機構を介して
公転駆動させるようにしている。
【0003】そして、前記可動スクロールCの下方背面
側で前記軸受ハウジングFとの間には中間圧室Gを設け
ると共に、前記可動スクロールCの鏡板C1に前記中間
圧室Gと圧縮室とを連通させる中間圧孔Hを形成して、
該中間圧孔Hから前記圧縮室における圧縮ガス流体の一
部を前記中間圧室G側に導入させることにより、この中
間圧室Gの内部を吸入圧力と吐出圧力との中間圧力に保
持し、この中間圧力でもって前記可動スクロールCを固
定スクロールB側に押付けており、斯くすることによ
り、これら各スクロールB,Cの各渦巻体B2,C2を
それぞれ鏡板C1,B1側に互いに密接させ、運転時
に、前記可動スクロールCが前記固定スクロールBに対
し下方側に離間するのを防止し、この離間により、前記
各渦巻体B2,C2間の圧縮室側から低圧側へのガス漏
れの発生をなくして、前記圧縮室での圧縮損失を低減し
ている。
【0004】更に、以上のスクロール圧縮機において
は、前記圧縮室内で過圧縮を起こしたりするのを防止す
るため、前記固定スクロールBに複数のリリーフポート
Iを形成すると共に、前記固定スクロールBの前記各リ
リーフポートIとの対向部位に、前記圧縮室の内部圧力
が所定圧力以上となったとき開動作されるリリーフ弁J
をそれぞれ設けている。斯くすることにより、前記圧縮
室の内部圧力が所定圧力以上となったとき、前記リリー
フ弁Jを開き、前記圧縮室内の圧縮ガス一部を前記リリ
ーフポートIからケーシング内に開放させて、前記圧縮
室内で過圧縮が発生したりするのを防止している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところが、以上の構成
では、前記リリーフポートIにより前記圧縮室での過圧
縮を防止できるのであるが、前記中間圧孔Hを介して前
記中間圧室Gと前記各渦巻体B2,C2間に形成される
圧縮室とを連通させ、前記中間圧室Gを中間圧に保持す
るようにしているから、この中間圧室Gと前記圧縮室と
の間でガス流体の出入りが発生することになり、つま
り、前記中間圧孔Hが高圧の圧縮室側に開口されたとき
には、この圧縮室から前記中間圧室G内に高圧のガス流
体が流入し、また、前記中間圧孔Hが中間圧室Gより低
圧の圧縮室側に開口したときには、この圧縮室側に前記
中間圧室Gから中間圧のガス流体が流入されるため、こ
のガス流体の出入りにより圧縮損失や動力損失を招く問
題があった。即ち、図10は、縦軸に圧力を、横軸に圧
縮容積をとったグラフであって、吸入側において前記各
渦巻体B2,C2間の圧縮室にガス流体を吸入し、前記
可動スクロールCの公転運動に伴って前記ガス流体を圧
縮室内で圧縮し、圧縮終了後に吐出口からケーシング内
に吐出させるまでのガス流体の過程を示しており、ガス
流体が前記圧縮室へと吸入されて封入されるとき、該圧
縮室内に前記中間圧室Gから中間圧のガス流体が導入さ
れることにより、同図の一点鎖線で示すように、前記圧
縮室の内部圧力が高くなり、それだけ動力損失が生ずる
のであり、また、高圧の圧縮室から中間圧室Gに排出さ
れることにより、それだけ圧縮損失が生ずるのである。
【0006】本発明の目的は、圧縮室での圧縮損失及び
動力損失を低減できながら、しかも、過圧縮を少なくで
きるスクロール圧縮機を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、請求項1記載の発明は、鏡板21,31に渦巻体2
2,32を突設した固定スクロール2と可動スクロール
3とを備えたスクロール圧縮機において、前記固定スク
ロール2と可動スクロール3との間で圧縮された高圧ガ
ス流体を密閉ケーシング1内に吐出させ、該ケーシング
1内の高圧圧力を前記可動スクロール3の背面側に付与
して、この可動スクロール3を前記固定スクロール2側
に押圧するようになすと共に、これら固定スクロール2
と可動スクロール3との間に形成する圧縮室X,Yのう
ち、吐出口23に開口する直前の圧縮室X1,Y1と前
記ケーシング1内とをリリーフポート10により連通
し、このリリーフポート10に、前記圧縮室X1,Y1
から前記ケーシング1への流れのみを許すリリーフ弁1
1を設けたのである。
【0008】また、請求項2記載の発明は、前記固定ス
クロール2の渦巻体22を、その巻終り端から前記可動
スクロール3における渦巻体32の巻終り端近くまで延
長させ、その延長部の内側面を前記固定スクロール2の
渦巻体22に連続するインボリュート曲線となすと共
に、リリーフポート10を、前記固定スクロール2と可
動スクロール3との間に形成する二つの圧縮室X,Yと
交互に連通する位置に開口させたのである。
【0009】さらに、請求項3記載の発明は、前記固定
スクロール2の鏡板21に、前記吐出口23を開閉する
吐出弁25を取付けると共に、この吐出弁25の取付基
部からリリーフ弁11を一体に延長させたのである。
【0010】
【作用】従って、請求項1記載の発明では、運転時、密
閉ケーシング1内に吐出される高圧ガス流体の高圧圧力
を前記可動スクロール3の背面側に付与して、この可動
スクロール3を前記固定スクロール2側に押付けるよう
にしたから、該固定スクロール2から前記可動スクロー
ル3が離間したりするのを確実に阻止できると共に高圧
圧力により前記可動スクロール3を固定スクロール2に
押しつけるから、従来例のように中間圧で押しつける場
合に比較して前記各渦巻体22,32間における圧縮室
X,Yでの圧縮損失及び動力損失を低減することがで
き、しかも、前記圧縮室X,Yのうち前記吐出口23に
開口する直前の圧縮室X1,Y1と前記ケーシング1内
とをリリーフポート10により連通し、このリリーフポ
ート10に前記圧縮室X1,Y1からケーシング1内へ
の流れのみを許すリリーフ弁11を設けたから、前記圧
縮室X1,Y1が所定圧力以上となったとき、前記リリ
ーフ弁11を開き、前記圧縮室X1,Y1内の圧縮ガス
の一部を前記リリーフポート10から前記ケーシング1
内に開放でき、従って、前記圧縮室X1,Y1内で過圧
縮が発生するのを防止でき、また、軸受ハウジングに対
する軸受荷重や駆動トルクが異常に高くなるのも防止で
きるのである。
【0011】また、請求項2記載の発明では、前記固定
スクロール2の渦巻体22を、その巻終り端から前記可
動スクロール3における渦巻体32の巻終り端近くまで
延長させ、その延長部の内側面を前記固定スクロール2
の渦巻体22に連続するインボリュート曲線となすと共
に、前記リリーフポート10を、前記固定スクロール2
と可動スクロール3との間に形成する二つの圧縮室X,
Yと交互に連通する位置に開口させたから、前記各渦巻
体22,32間の各圧縮室X,Yでガス流体を圧縮する
とき、これら各圧縮室X,Y間では所定の位相差でもっ
てガス流体の圧縮が行われるため、前記リリーフポート
10として一個を形成するだけで、前記各圧縮室X,Y
での過圧縮を防止できるのであって、各圧縮室X,Yご
とにリリーフポートを設ける場合に比較してその加工性
を向上できるのである。
【0012】さらに、請求項3記載の発明では、前記固
定スクロール2の鏡板21に、前記吐出口23を開閉す
る吐出弁25を取付けると共に、この吐出弁25の取付
基部から前記リリーフ弁11を一体に延長させたから、
前記吐出弁25とリリーフ弁11とを一つの部品にで
き、それだけ部品点数を少なくでき、コストダウンが可
能となる。
【0013】
【実施例】図1は縦形スクロール圧縮機を示しており、
密閉ケーシング1の内方上部に、鏡板21に渦巻体22
を突設し、前記鏡板21の中央部に吐出口23を形成し
た固定スクロール2と、鏡板31に渦巻体32を突設し
て成る可動スクロール3とを、互いに各渦巻体22,3
2が噛み合うように上下対向状に支持すると共に、前記
ケーシング1の下部側にモータ4を設けて、該モータ4
から延びる駆動軸41を前記可動スクロール3の下部側
に固定した軸受ハウジング5に軸受支持させる一方、前
記駆動軸41の軸受上端側を前記可動スクロール3にお
ける鏡板31の裏面中央部に突設したボス部33に挿嵌
させて、前記駆動軸41の駆動に伴い前記可動スクロー
ル3を固定スクロール2に対しオルダムリング50から
成る自転防止機構を介して公転駆動させるようにしてい
る。
【0014】また、前記固定スクロール2には、前記吐
出口23の上部側を覆うカバー体24を固定ボルトなど
を介して取付け、該カバー体24を前記ケーシング1の
内方上部側に固定した支持板6に連結させており、この
支持板6には前記吐出口23に連通する連通孔61を設
けている。さらに、前記固定スクロール2には前記ケー
シング1を貫通して該ケーシング1内に突入する吸入管
7を接続しており、また、前記連通孔61が開口する前
記ケーシング1の吐出室1Aと、前記モータ4と軸受ハ
ウジング5の空間1Bとを、連絡路1Cで連通して、前
記ケーシング1内を高圧とした高圧ドーム構造とし、前
記空間1Bに吐出管8を開口させている。
【0015】そして、前記モータ4の駆動に伴う前記駆
動軸41の回転で、前記固定スクロール2に対し可動ス
クロール3を公転駆動させることにより、前記吸入管7
から前記各スクロール2,3の各渦巻体22,32間に
形成される吸入部からガス流体を吸入して、これら各渦
巻体22,32間の圧縮室で圧縮し、この圧縮ガス流体
を前記吐出口23から前記連通孔61及び連絡路1Cを
経て前記空間1Bに吐出させ、該空間1Bから前記吐出
管8を介して外部に吐出させるのである。
【0016】また以上の構成において、前記軸受ハウジ
ング5と前記可動スクロール3との間でボス部33の外
周囲には背面室9が形成され、該背面室9は、前記ケー
シング1内の高圧圧力が作用している。即ち、前記背面
室9は、前記ケーシング1の底部油溜から前記駆動軸4
1の内部を経て各潤滑箇所へと汲上げられる高圧の潤滑
油が供給されていて、高圧圧力が作用するようになって
おり、この背面室9に作用する高圧圧力により前記可動
スクロール3を固定スクロール2側に押圧するようにし
ている。また、図2,図3で明らかにしたように、前記
固定スクロール2の鏡板21に、前記各スクロール2,
3の渦巻体22,32間に形成される圧縮室X,Yで、
前記吐出口23に開口する直前の圧縮室X1,Y1を前
記吐出室1Aに連通させるリリーフポート10を設ける
と共に、前記リリーフポート10に前記圧縮室X1,Y
1から前記吐出室1Aへの流れのみを許すリリーフ弁1
1を設け、このリリーフ弁11の上部側に弁押え12を
設けたのである。
【0017】更に詳記すると、前記固定スクロール2の
鏡板21に、前記吐出口23に開口される直前の二つの
圧縮室X1,Y1を前記吐出室1Aに連通する二つのリ
リーフポート10,10を形成して、これら各リリーフ
ポート10,10にそれぞれリリーフ弁11,11を設
けると共に、この各リリーフ弁11,11の上部側にそ
れぞれ弁押え12,12を取付けたのである。また、前
記リリーフ弁11,11及び弁押え12,12は、図3
で示したように、一対のリリーフ弁11,11を連結片
11aで、一対の弁押え12,12を連結片12aでそ
れぞれ一体化して、前記各リリーフ弁11及び各弁押え
12をそれぞれ一つの部品にして部品点数を減少できる
ようにしている。また、前記リリーフ弁11及び弁押え
12は、前記各連結片11a,12aの長さ方向両側で
前記リリーフ弁11及び弁押え12の各基部側を前記可
動スクロール2の鏡板21上に固定ボルトなどで共締め
するようにしている。
【0018】次に、以上の構成による作用について説明
する。前記スクロール圧縮機による運転時には、前記吸
入管7からの吸入ガス流体が、前記各スクロール2,3
における各渦巻体22,32の外方側に形成される吸入
部から内部に導入されて、前記各圧縮室X,Y内で圧縮
され、この圧縮ガス流体が前記吐出口23から前記支持
板6の連通孔61を経て吐出室1Aから前記空間1Bに
導かれ、この空間1Bから吐出管7を介して外部に吐出
される。このとき、前記背面室9には、前記ケーシング
1の底部油溜から前記駆動軸41の内部を経て各潤滑箇
所へと汲上げられる高圧の潤滑油が供給されて高圧が作
用し、この高圧圧力により、前記可動スクロール3が固
定スクロール2側に押付けられる。従って、前記固定ス
クロール2から可動スクロール3が離間したりするのが
確実に防止され、前記各渦巻体22,32をそれぞれ鏡
板31,21に密接させることができ、しかも、前記圧
縮室X,Yから低圧側へのガス漏れの発生を防止でき、
前記圧縮室X,Yでの圧縮損失及び動力損失を低減する
ことができるのである。
【0019】しかも、前記固定スクロール2には、前記
圧縮室X,Yのうち前記吐出口23に開口する直前の第
1圧縮室X1,Y1と前記吐出室1Aとをリリーフポー
ト10,10により連通し、この各リリーフポート10
に前記圧縮室X1,Y1から吐出室1Aへの流れのみを
許すリリーフ弁11,11を設けているから、前記圧縮
室X1,Y1が前記各リリーフ弁11で設定する所定圧
力以上となったとき、これら各リリーフ弁11が開か
れ、前記圧縮室X1,Y1内の圧縮ガスの一部が前記各
リリーフポート10から前記吐出室1Aに開放されて、
前記圧縮室X1,Y1内で過圧縮が発生したりするのを
防止できる。従って、前記軸受ハウジング5の軸受に対
する荷重や駆動トルクが異常に高くなるのも防止できる
のである。
【0020】即ち、冷凍装置の冷媒圧縮に用いる場合、
冷凍装置のシステムにより決まる圧力比、つまり凝縮圧
力と蒸発圧力とにより決まる圧力比が、前記各スクロー
ル2,3の設計圧力比より低いと、換言すると蒸発圧力
で決まる吸入圧力が高くなりシステムにより決まる圧力
比が設計圧力比より低くなったり、逆に凝縮圧力で決ま
る吐出圧力が低くなりシステムにより決まる圧力比が設
計圧力比より低くなると、リリーフポート10を設けな
い場合では、図5の圧縮特性曲線R2のように圧縮室
X,Yの高圧圧力P02が高くなるのに対し、リリーフ
ポート10を設けた場合には図5の圧縮特性曲線R1の
ように圧縮室X,Yの高圧圧力P01を前記高圧圧力を
P02に比較して低くできるのである。尚、図5におい
てP1は圧縮室X,Yの閉じ込み時における低圧圧力で
ある。
【0021】また、システムで決まる圧力比が設計圧力
比より低いと、固定スクロール2と可動スクロール3と
の間の離反力が増大し、図6の点線Pxで示したように
前記可動スクロール3を固定スクロール2に押付け力、
つまりスラスト軸受荷重が減少し、可動スクロール3が
不安定となりガス漏れが生じたり、また、逆に前記軸受
ハウジング5の軸受に対する荷重や駆動トルクが高くな
るのであるが、リリーフポート10を設けることにより
前記したシステムにより決まる圧力比が低い場合、つま
り過圧縮される場合でも、また、液圧縮により過圧縮さ
れる場合でも、前記固定スクロール2に可動スクロール
3を押し付ける押し付け力、つまりスラスト軸受荷重を
増大させられ、従って、前記可動スクロール3が固定ス
クロール2に対し離反することのない適正な押し付け力
が得られるのであって、前記可動スクロール3が不安定
となったり、ガス漏れが生ずるのを防止でき、それでい
て、前記軸受ハウジング5の軸受に対する荷重や駆動ト
ルクが高くなるのも防止できるのである。
【0022】しかも、前記圧縮室X1,Y1内での過圧
縮の発生を防止するにあたっては、従来のように、前記
圧縮室X1,Y1と可動スクロールの背面側とを中間圧
孔を介して連通し、中間圧を可動スクロールに作用させ
るのでなく、換言すると、前記圧縮室X1,Y1と中間
圧室との間でガス流体を出入させるのでなく、この可動
スクロール3の背面側に設けた背面室9に前記ケーシン
グ1内の高圧圧力を付与して、前記可動スクロール3を
固定スクロール2側に押付けるようにしているため、従
来のように、中間圧室を介して圧縮ガス流体が高圧側か
ら低圧側に洩れることによる圧縮損失や動力損失をなく
すことができるのである。
【0023】また、以上説明した実施例は前記固定スク
ロール2における渦巻体22の巻終り端と、前記可動ス
クロール3における渦巻体32の巻終り端とを180度
の位相差とし、前記各渦巻体22,32により形成する
二つの圧縮室X,Yの吸入口を対称位置に設けた一般適
なスクロール圧縮機であるが、図4で示したように、固
定スクロール2における渦巻体22の巻終り端から前記
可動スクロール3における渦巻体32の巻終り端近くに
まで延びるインボリュート曲線形状の延長部22aを設
けて、前記各スクロール2,3を非対称形に形成しても
よい。この場合、前記リリーフポート10を前記各スク
ロール2,3の渦巻体22,32間に形成する二つの圧
縮室X,Yと交互に連通する位置、つまり、図4の実線
で示した位置に開口させることにより、一つのリリーフ
ポート10を設けるだけで、このリリーフポート10を
前記固定スクロール2の鏡板21で前記公転スクロール
2の公転駆動時に前記第1圧縮室X1,Y1と交互に連
通されられるのであって、図4の実線と点線とで示した
ように、各圧縮室X,Yごとにリリーフポート10を設
ける場合に比較してその加工性を向上できるのである。
尚、前記渦巻体22の延長部22aは、その内側面だけ
をインボリュート曲線状に形成するようにしてもよい。
【0024】即ち、以上のように、前記固定スクロール
2の渦巻体22にインボリュート曲線状の延長部22a
を設けて、前記各スクロール2,3を非対称形とすると
きには、前記各渦巻体22,32間の前記第1圧縮室X
1,Y1でガス流体を圧縮するとき、これら各圧縮室X
1,Y1間では図7に示したように所定の位相差でもっ
てガス流体の圧縮が行われるため、図4の実線位置に一
つのリリーフポート10を設けるだけで、前記公転スク
ロール2の公転駆動時、前記リリーフポート10を、図
7に示したように前記第1圧縮室X1,Y1に所定期間
交互に開口させるられるのである。尚、このとき、前記
固定スクロール2の鏡板21に形成する一つのリリーフ
ポート10は、前記鏡板21に設ける渦巻体22の厚み
より小さく、かつ、該渦巻体22の厚みにできるだけ近
い孔径に形成することが望ましく、斯くすることによ
り、前記リリーフポート10をガス流体が通過するとき
の抵抗を軽減することができながら、このリリーフポー
ト10を介して前記圧縮室X,Yの高圧側から低圧側に
ガス流体がリークしたりして圧縮損失を招いたりするの
をなくすことができる。
【0025】さらに、図8で示したように、前記固定ス
クロール2の鏡板21に設けた前記吐出口23との対向
部位に、該吐出口23を開閉する吐出弁25を取付ける
と共に、この吐出弁25の取付基部25aから前記各リ
リーフ弁11,11を一体に延長させるようにしてもよ
い。斯くするときには、前記吐出弁25と前記各リリー
フ弁11,11とを一つの部品にできるから、部品点数
を減少できコストダウンが可能となり、また、組付性を
高めることもできる。尚、これら弁の上部には、図3と
同様に弁のリフトを規制する弁押えが設けられている。
【0026】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1記載の発
明では、鏡板21,31に渦巻体22,32を突設した
固定及び可動スクロール2,3を備えたスクロール圧縮
機において、前記固定スクロール2と可動スクロール3
との間で圧縮された高圧ガス流体を密閉ケーシング1内
に吐出させ、該ケーシング1内の高圧圧力を前記可動ス
クロール3の背面側に付与して、この可動スクロール3
を前記固定スクロール2側に押圧するようになすと共
に、これら固定スクロール2と可動スクロール3との間
に形成する圧縮室X,Yのうち、吐出口23に開口する
直前の圧縮室X1,Y1と前記ケーシング1内とをリリ
ーフポート10により連通し、該リリーフポート10に
前記圧縮室X1,Y1から前記ケーシング1内への流れ
のみを許すリリーフ弁11を設けたから、運転時に、前
記ケーシング1内の高圧圧力を前記可動スクロール3の
背面側に付与して、この可動スクロール3を前記固定ス
クロール2側に押付けることができ、従って、この押付
け力で固定スクロール2から前記可動スクロール3が離
間したりするのを確実に阻止できると共に、高圧圧力で
押付けられるのであるから、中間圧で押付ける従来例に
比較して、低圧側への洩れをなくせるので圧縮室X,Y
での圧縮損失を低減することができる。しかも、前記吐
出口23に開口する直前の圧縮室X1,Y1と前記ケー
シング1内とをリリーフポート10により連通し、この
リリーフポート10に前記圧縮室X1,Y1からケーシ
ング1への流れのみを許すリリーフ弁11を設けている
ため、前記圧縮室X1,Y1が所定圧力以上となったと
き、前記リリーフ弁11を開いて、前記圧縮室X1,Y
1内の圧縮ガスの一部を前記リリーフポート10から高
圧室となる前記ケーシング1内に開放でき、従って、前
記圧縮室X1,Y1内での過圧縮を防止でき、また、軸
受ハウジングに対する軸受荷重が異常に増大したり駆動
トルクが増大したりしたのを防止することができるので
ある。
【0027】また、請求項2記載の発明では前記固定ス
クロール2の渦巻体22を、その巻終り端から前記可動
スクロール3における渦巻体32の巻終り端近くまで延
長させ、その延長部の内側面を前記固定スクロール2の
渦巻体22に連続するインボリュート曲線となすと共
に、前記リリーフポート10を前記固定スクロール2と
可動スクロール3との間に形成する二つの圧縮室X,Y
と交互に連通する位置に開口させたから、前記各渦巻体
22,32間の各圧縮室X,Yでガス流体を圧縮すると
き、これら各圧縮室X,Y間では所定の位相差でもって
ガス流体の圧縮が行われるため、前記リリーフポート1
0として一個を形成するだけで、前記各圧縮室X,Yで
の過圧縮を防止できるのであって、各圧縮室X,Yごと
にリリーフポートを設ける場合に比較してその加工性を
向上できるのである。
【0028】さらに、請求項3記載の発明では、前記固
定スクロール2の鏡板21に、前記吐出口23を開閉す
る吐出弁25を取付けると共に、この吐出弁25の取付
基部から前記リリーフ弁11を一体に延長させたから、
前記吐出弁25とリリーフ弁11とを一つの部品にで
き、それだけ部品点数を少なくでき、コストダウンが可
能となり、また、組付性も向上できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明にかかるスクロール圧縮機の全体構造
を示す一部省略した縦断面図。
【図2】 リリーフポート及びリリーフ弁を設けた固定
スクロールの一部を示す拡大断面図。
【図3】 図2の平面図。
【図4】 非対称形とした固定及び可動スクロールの説
明図。
【図5】 リリーフポートを設けた場合と設けない場合
との圧縮曲線を示すグラフ。
【図6】 スラスト軸受荷重と圧力比との関係を示すグ
ラフ。
【図7】 非対称形スクロールの圧縮曲線を示すグラ
フ。
【図8】 吐出口に吐出弁を設けた実施例の図3に対応
する平面図。
【図9】 従来のスクロール圧縮機を示す縦断面図。
【図10】 従来の圧縮曲線を示すグラフ。
【符号の説明】
1 密閉ケーシング、1A 高圧室、2 固定スクロー
ル、3 可動スクロール、21,31 鏡板、22,3
2 渦巻体、23 吐出口、25 リーフ形吐出弁、1
0 リリーフポート、11 リリーフ弁、X,Y圧縮
室、X1,Y1 吐出口開口直前の圧縮室。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成11年12月28日(1999.12.
28)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正内容】
【書類名】 明細書
【発明の名称】 スクロール圧縮機
【特許請求の範囲】
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はスクロール圧縮機、
詳しくは、鏡板に渦巻体を突設して成る固定および可動
スクロールを備えたスクロール圧縮機に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、この種スクロール圧縮機は、例え
ば特開昭58−128485号公報に記載されているよ
うに知られている。この公報記載のスクロール圧縮機
は、図9に示したように、密閉ケーシングAの内方上部
に、鏡板B1に渦巻体B2を突設して成る固定スクロー
ルBを設け、かつ、この固定スクロールBの下部側に、
同じく鏡板C1に渦巻体C2を突設して成る可動スクロ
ールCを前記各渦巻体B2,C2が互いに噛合するよう
に上下対向状に支持すると共に、前記ケーシングAの下
部側にモータDを設けて、該モータDから延びる駆動軸
Eを前記可動スクロールCの下部側に設けた軸受ハウジ
ングFに軸受支持させる一方、前記駆動軸Eの軸受上端
側を前記可動スクロールCに連動連結させて、前記駆動
軸Fの駆動に伴い前記可動スクロールCを固定スクロー
ルBに対しオルダムリングなどの自転防止機構を介して
公転駆動させるようにしている。
【0003】そして、前記可動スクロールCの下方背面
側で前記軸受ハウジングFとの間には中間圧室Gを設け
ると共に、前記可動スクロールCの鏡板C1に前記中間
圧室Gと圧縮室とを連通させる中間圧孔Hを形成して、
該中間圧孔Hから前記圧縮室における圧縮ガス流体の一
部を前記中間圧室G側に導入させることにより、この中
間圧室Gの内部を吸入圧力と吐出圧力との中間圧力に保
持し、この中間圧力でもって前記可動スクロールCを固
定スクロールB側に押付けており、斯くすることによ
り、これら各スクロールB,Cの各渦巻体B2,C2を
それぞれ鏡板C1,B1側に互いに密接させ、運転時
に、前記可動スクロールCが前記固定スクロールBに対
し下方側に離間するのを防止し、この離間により、前記
各渦巻体B2,C2間の圧縮室側から低圧側へのガス漏
れの発生をなくして、前記圧縮室での圧縮損失を低減し
ている。
【0004】更に、以上のスクロール圧縮機において
は、前記圧縮室内で過圧縮を起こしたりするのを防止す
るため、前記固定スクロールBに複数のリリーフポート
Iを形成すると共に、前記固定スクロールBの前記各リ
リーフポートIとの対向部位に、前記圧縮室の内部圧力
が所定圧力以上となったとき開動作されるリリーフ弁J
をそれぞれ設けている。斯くすることにより、前記圧縮
室の内部圧力が所定圧力以上となったとき、前記リリー
フ弁Jを開き、前記圧縮室内の圧縮ガスの一部を前記リ
リーフポートIからケーシング内に開放させて、前記圧
縮室内で過圧縮が発生したりするのを防止している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところが、以上の構成
では、前記リリーフポートIにより前記圧縮室での過圧
縮を防止できるのであるが、前記中間圧孔Hを介して前
記中間圧室Gと前記各渦巻体B2,C2間に形成される
圧縮室とを連通させ、前記中間圧室Gを中間圧に保持す
るようにしているから、この中間圧室Gと前記圧縮室と
の間でガス流体の出入りが発生することになり、つま
り、前記中間圧孔Hが高圧の圧縮室側に開口されたとき
には、この圧縮室から前記中間圧室G内に高圧のガス流
体が流入し、また、前記中間圧孔Hが中間圧室Gより低
圧の圧縮室側に開口したときには、この圧縮室側に前記
中間圧室Gから中間圧のガス流体が流入されるため、こ
のガス流体の出入りにより圧縮損失や動力損失を招く問
題があった。即ち、図10は、縦軸に圧力を、横軸に圧
縮容積をとったグラフであって、吸入側において前記各
渦巻体B2,C2間の圧縮室にガス流体を吸入し、前記
可動スクロールCの公転運動に伴って前記ガス流体を圧
縮室内で圧縮し、圧縮終了後に吐出口からケーシング内
に吐出させるまでのガス流体の過程を示しており、ガス
流体が前記圧縮室へと吸入されて封入されるとき、該圧
縮室内に前記中間圧室Gから中間圧のガス流体が導入さ
れることにより、同図の一点鎖線で示すように、前記圧
縮室の内部圧力が高くなり、それだけ動力損失が生ずる
のであり、また、高圧の圧縮室から中間圧室Gに排出さ
れることにより、それだけ圧縮損失が生ずるのである。
【0006】また、ケーシングの上部空間でリリーフ弁
Jを作動させるので、弁の着座音がケーシング等に伝達
されて圧縮機の騒音が大きくなるのである。
【0007】本発明の目的は、圧縮室での圧縮損失およ
び動力損失を低減できながら、過圧縮を少なくできるス
クロール圧縮機を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、請求項1記載の発明は、鏡板21,31に渦巻体2
2,32を突設した固定スクロール2と可動スクロール
3とを備え、この両スクロールの渦巻体22,32を対
向させて噛み合わせて圧縮室X,Yを形成したスクロー
ル圧縮機において、前記固定スクロール2の反渦巻体側
にカバー体24を固定し、このカバー体24の対向側に
支持体6を固定し、前記カバー体24に支持体6を連結
し、この支持体6のカバー体24と反対側に吐出室1A
を形成し、前記カバー体24の内部空間24aと吐出室
1Aとを連通孔61を介して連通し、前記カバー体の内
部空間24aに固定スクロール2の吐出口23を開口
し、前記固定スクロール2に、前記圧縮室X,Yからカ
バー体24の内部空間24aへ流体をリリーフするリリ
ーフ弁11を設けたことを特徴とする。
【0009】従って、請求項1記載の発明では、運転
時、圧縮室X,Yで圧縮された圧縮ガス流体は、固定ス
クロール2の吐出口23からカバー体24の内部空間2
4aへ吐出され、さらに支持体6の連通孔61を経て密
閉ケーシング1内の吐出室1Aに導かれるので、カバー
体24を設けない場合と比較して、吐出口23からの吐
出脈動を緩和できる。また、リリーフ弁11は流体の一
部をカバー体24の内部空間24aへ逃がすものである
ので、リリーフポート10からの吐出脈動も緩和でき
る。
【0010】
【実施例】図1は縦形スクロール圧縮機を示しており、
密閉ケーシング1の内方上部に、鏡板21に渦巻体22
を突設し、前記鏡板21の中央部に吐出口23を形成し
た固定スクロール2と、鏡板31に渦巻体32を突設し
て成る可動スクロール3とを、互いに各渦巻体22,3
2が噛み合うように上下対向状に支持すると共に、前記
ケーシング1の下部側にモータ4を設けて、該モータ4
から延びる駆動軸41を前記可動スクロール3の下部側
に固定した軸受ハウジング5に軸受支持させる一方、前
記駆動軸41の軸受上端側を前記可動スクロール3にお
ける鏡板31の裏面中央部に突設したボス部33に挿嵌
させて、前記駆動軸41の駆動に伴い前記可動スクロー
ル3を固定スクロール2に対しオルダムリング50から
成る自転防止機構を介して公転駆動させるようにしてい
る。
【0011】また、前記固定スクロール2には、前記吐
出口23の上部側を覆うカバー体24を固定ボルトなど
を介して取付け、該カバー体24を前記ケーシング1の
内方上部側に固定した支持板6に連結させており、この
支持板6には前記吐出口23に連通する連通孔61を設
けている。さらに、軸受ハウジング5と支持体6とで区
画される低圧空間には、前記ケーシング1を貫通して該
ケーシング1内に突入する吸入管7が配置され、この吸
入管7を前記固定スクロール2に接続しており、また、
前記吐出口23が開口する内部空間24aと前記連通孔
61が開口する前記ケーシング1の吐出室1Aとを前記
連通孔61を介して連通するとともに、前記吐出室1A
と、前記モータ4と軸受ハウジング5の空間1Bとを、
連絡路1Cで連通して、前記ケーシング1内を高圧とし
た高圧ドーム構造とし、前記空間1Bに吐出管8を開口
させている。
【0012】そして、前記モータ4の駆動に伴う前記駆
動軸41の回転で、前記固定スクロール2に対し可動ス
クロール3を公転駆動させることにより、前記吸入管7
から前記各スクロール2,3の各渦巻体22,32間に
形成される吸入部からガス流体を吸入して、これら各渦
巻体22,32間の圧縮室で圧縮し、この圧縮ガス流体
を前記吐出口23から前記連通孔61および連絡路1C
を経て前記空間1Bに吐出させ、該空間1Bから前記吐
出管8を介して外部に吐出させるのである。
【0013】また以上の構成において、前記軸受ハウジ
ング5と前記可動スクロール3との間でボス部33の外
周囲には背面室9が形成され、該背面室9は、前記ケー
シング1内の高圧圧力が作用している。即ち、前記背面
室9は、前記ケーシング1の底部油溜から前記駆動軸4
1の内部を経て各潤滑箇所へと汲上げられる高圧の潤滑
油が供給されていて、高圧圧力が作用するようになって
おり、この背面室9に作用する高圧圧力により前記可動
スクロール3を固定スクロール2側に押圧するようにし
ている。また、図2,図3で明らかにしたように、前記
固定スクロール2の鏡板21に、前記各スクロール2,
3の渦巻体22,32間に形成される圧縮室X,Yで、
前記吐出口23に開口する直前の圧縮室X1,Y1を前
記吐出室1Aに連通させるリリーフポート10を設ける
と共に、前記リリーフポート10に前記圧縮室X1,Y
1から前記吐出室1Aへの流れのみを許すリリーフ弁1
1を設け、このリリーフ弁11の上部側に弁押え12を
設けたのである。
【0014】更に詳記すると、前記固定スクロール2の
鏡板21に、前記吐出口23に開口される直前の二つの
圧縮室X1,Y1を前記吐出室1Aに連通する二つのリ
リーフポート10,10を形成して、これら各リリーフ
ポート10,10にそれぞれリリーフ弁11,11を設
けると共に、この各リリーフ弁11,11の上部側にそ
れぞれ弁押え12,12を取付けたのである。また、前
記リリーフ弁11,11および弁押え12,12は、図
3で示したように、一対のリリーフ弁11,11を連結
片11aで、一対の弁押え12,12を連結片12aで
それぞれ一体化して、前記各リリーフ弁11および各弁
押え12をそれぞれ一つの部品にして部品点数を減少で
きるようにしている。また、前記リリーフ弁11および
弁押え12は、前記各連結片11a,12aの長さ方向
両側で前記リリーフ弁11および弁押え12の各基部側
を前記固定スクロール2の鏡板21上に固定ボルトなど
で共締めするようにしている。
【0015】次に、以上の構成による作用について説明
する。前記スクロール圧縮機による運転時には、前記吸
入管7からの吸入ガス流体が、前記各スクロール2,3
における各渦巻体22,32の外方側に形成される吸入
部から内部に導入されて、前記各圧縮室X,Y内で圧縮
され、この圧縮ガス流体が前記吐出口23から内部空間
24aに吐出され、前記支持板6の連通孔61を経て吐
出室1Aから前記空間1Bに導かれ、この空間1Bから
吐出管8を介して外部に吐出される。このとき、前記背
面室9には、前記ケーシング1の底部油溜から前記駆動
軸41の内部を経て各潤滑箇所へと汲上げられる高圧の
潤滑油が供給されて高圧が作用し、この高圧圧力によ
り、前記可動スクロール3が固定スクロール2側に押付
けられる。従って、前記固定スクロール2から可動スク
ロール3が離間したりするのが確実に防止され、前記各
渦巻体22,32をそれぞれ鏡板31,21に密接させ
ることができ、しかも、前記圧縮室X,Yから低圧側へ
のガス漏れの発生を防止でき、前記圧縮室X,Yでの圧
縮損失および動力損失を低減することができるのであ
る。
【0016】しかも、前記固定スクロール2には、前記
圧縮室X,Yのうち前記吐出口23に開口する直前の第
1圧縮室X1,Y1と前記吐出室1Aとをリリーフポー
ト10,10により連通し、この各リリーフポート10
に前記圧縮室X1,Y1から吐出室1Aへの流れのみを
許すリリーフ弁11,11を設けているから、前記圧縮
室X1,Y1の圧力が前記内部空間24a内の圧力以上
となったとき、これら各リリーフ弁11が開かれ、前記
圧縮室X1,Y1内の圧縮ガスの一部が前記各リリーフ
ポート10から前記内部空間24aに開放されて、前記
圧縮室X1,Y1内で過圧縮が発生したりするのを防止
できる。従って、前記軸受ハウジング5の軸受に対する
荷重や駆動トルクが異常に高くなるのも防止できるので
ある。
【0017】しかも、前記吐出口23またはリリーフポ
ート10からのガス流体は、内部空間24aに吐出さ
れ、この内部空間24aで吐出脈動が緩和されるので、
騒音が低減できる。
【0018】冷凍装置の冷媒圧縮に用いる場合、冷凍装
置のシステムにより決まる圧力比、つまり凝縮圧力と蒸
発圧力とにより決まる圧力比が、前記各スクロール2,
3の設計圧力比より低いと、換言すると蒸発圧力で決ま
る吸入圧力が高くなりシステムにより決まる圧力比が設
計圧力比より低くなったり、逆に凝縮圧力で決まる吐出
圧力が低くなりシステムにより決まる圧力比が設計圧力
比より低くなると、リリーフポート10を設けない場合
では、図5の圧縮特性曲線R2のように圧縮室X,Yの
高圧圧力P02が高くなるのに対し、リリーフポート1
0を設けた場合には図5の圧縮特性曲線R1のように圧
縮室X,Yの高圧圧力P01を前記高圧圧力をP02に
比較して低くできるのである。尚、図5においてP1は
圧縮室X,Yの閉じ込み時における低圧圧力である。
【0019】また、システムで決まる圧力比が設計圧力
比より低いと、固定スクロール2と可動スクロール3と
の間の離反力が増大し、図6の点線Pxで示したように
前記可動スクロール3を固定スクロール2に押付け力、
つまりスラスト軸受荷重が減少し、可動スクロール3が
不安定となりガス漏れが生じたり、また、逆に前記軸受
ハウジング5の軸受に対する荷重や駆動トルクが高くな
るのであるが、リリーフポート10を設けることにより
前記したシステムにより決まる圧力比が低い場合、つま
り過圧縮される場合でも、また、液圧縮により過圧縮さ
れる場合でも、前記固定スクロール2に可動スクロール
3を押し付ける押し付け力、つまりスラスト軸受荷重を
増大させられ、従って、前記可動スクロール3が固定ス
クロール2に対し離反することのない適正な押し付け力
が得られるのであって、前記可動スクロール3が不安定
となったり、ガス漏れが生ずるのを防止でき、それでい
て、前記軸受ハウジング5の軸受に対する荷重や駆動ト
ルクが高くなるのも防止できるのである。
【0020】しかも、前記圧縮室X1,Y1内での過圧
縮の発生を防止するにあたっては、従来のように、前記
圧縮室X1,Y1と可動スクロールの背面側とを中間圧
孔を介して連通し、中間圧を可動スクロールに作用させ
るのでなく、換言すると、前記圧縮室X1,Y1と中間
圧室との間でガス流体を出入させるのでなく、この可動
スクロール3の背面側に設けた背面室9に前記ケーシン
グ1内の高圧圧力を付与して、前記可動スクロール3を
固定スクロール2側に押付けるようにしているため、従
来のように、中間圧室を介して圧縮ガス流体が高圧側か
ら低圧側に洩れることによる圧縮損失や動力損失をなく
すことができるのである。
【0021】また、以上説明した実施例は前記固定スク
ロール2における渦巻体22の巻終り端と、前記可動ス
クロール3における渦巻体32の巻終り端とを180度
の位相差とし、前記各渦巻体22,32により形成する
二つの圧縮室X,Yの吸入口を対称位置に設けた一般的
なスクロール圧縮機であるが、図4で示したように、固
定スクロール2における渦巻体22の巻終り端から前記
可動スクロール3における渦巻体32の巻終り端近くに
まで延びるインボリュート曲線形状の延長部22aを設
けて、前記各スクロール2,3を非対称形に形成しても
よい。この場合、前記リリーフポート10を前記各スク
ロール2,3の渦巻体22,32間に形成する二つの圧
縮室X,Yと交互に連通する位置、つまり、図4の実線
で示した位置に開口させることにより、一つのリリーフ
ポート10を設けるだけで、このリリーフポート10を
前記固定スクロール2の鏡板21で前記公転スクロール
2の公転駆動時に前記第1圧縮室X1,Y1と交互に連
通されられるのであって、図4の実線と点線とで示した
ように、各圧縮室X,Yごとにリリーフポート10を設
ける場合に比較してその加工性を向上できるのである。
尚、前記渦巻体22の延長部22aは、その内側面だけ
をインボリュート曲線状に形成するようにしてもよい。
【0022】即ち、以上のように、前記固定スクロール
2の渦巻体22にインボリュート曲線状の延長部22a
を設けて、前記各スクロール2,3を非対称形とすると
きには、前記各渦巻体22,32間の前記第1圧縮室X
1,Y1でガス流体を圧縮するとき、これら各圧縮室X
1,Y1間では図7に示したように所定の位相差でもっ
てガス流体の圧縮が行われるため、図4の実線位置に一
つのリリーフポート10を設けるだけで、前記公転スク
ロール2の公転駆動時、前記リリーフポート10を、図
7に示したように前記第1圧縮室X1,Y1に所定期間
交互に開口させるられるのである。尚、このとき、前記
固定スクロール2の鏡板21に形成する一つのリリーフ
ポート10は、前記鏡板21に設ける渦巻体22の厚み
より小さく、かつ、該渦巻体22の厚みにできるだけ近
い孔径に形成することが望ましく、斯くすることによ
り、前記リリーフポート10をガス流体が通過するとき
の抵抗を軽減することができながら、このリリーフポー
ト10を介して前記圧縮室X,Yの高圧側から低圧側に
ガス流体がリークしたりして圧縮損失を招いたりするの
をなくすことができる。
【0023】さらに、図8で示したように、前記固定ス
クロール2の鏡板21に設けた前記吐出口23との対向
部位に、該吐出口23を開閉する吐出弁25を取付ける
と共に、この吐出弁25の取付基部25aから前記各リ
リーフ弁11,11を一体に延長させるようにしてもよ
い。斯くするときには、前記吐出弁25と前記各リリー
フ弁11,11とを一つの部品にできるから、部品点数
を減少できコストダウンが可能となり、また、組付性を
高めることもできる。尚、これら弁の上部には、図3と
同様に弁のリフトを規制する弁押えが設けられている。
【0024】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1記載の発
明によれば、固定スクロール2の吐出口23から出たガ
ス流体およびリリーフポート10から出たガス流体をカ
バー体24の内部空間24aへ導くものであるので、こ
の内部空間24aで吐出脈動を緩和できる。
【0025】また、カバー体内でリリーフ弁が開閉する
ので、弁の着座音は圧縮機容器外へ放射されにくく低騒
音である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明にかかるスクロール圧縮機の全体構造
を示す一部省略した縦断面図。
【図2】 リリーフポートおよびリリーフ弁を設けた固
定スクロールの一部を示す拡大断面図。
【図3】 図2の平面図。
【図4】 非対称形とした固定および可動スクロールの
説明図。
【図5】 リリーフポートを設けた場合と設けない場合
との圧縮曲線を示すグラフ。
【図6】 スラスト軸受荷重と圧力比との関係を示すグ
ラフ。
【図7】 非対称形スクロールの圧縮曲線を示すグラ
フ。
【図8】 吐出口に吐出弁を設けた実施例の図3に対応
する平面図。
【図9】 従来のスクロール圧縮機を示す縦断面図。
【図10】 従来の圧縮曲線を示すグラフ。
【符号の説明】 1 密閉ケーシング、1A 高圧室、2 固定スクロー
ル、3 可動スクロール、21,31 鏡板、22,3
2 渦巻体、23 吐出口、25 リーフ形吐出弁、1
0 リリーフポート、11 リリーフ弁、X,Y圧縮
室、X1,Y1 吐出口開口直前の圧縮室。
【手続補正2】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図1
【補正方法】変更
【補正内容】
【図1】
【手続補正3】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図2
【補正方法】変更
【補正内容】
【図2】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 吉田 喜明 大阪府堺市築港新町3丁12番地 ダイキン 工業株式会社堺製作所臨海工場内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 鏡板(21)(31)に渦巻体(22)
    (32)を突設した固定スクロール(2)と可動スクロ
    ール(3)とを備え、この両スクロール(2)(3)の
    渦巻体(22)(32)を対向させて噛み合わせて圧縮
    室(X1,Y1)を形成したスクロール圧縮機におい
    て、 前記固定スクロール(2)の反渦巻体側にカバー体(2
    4)を固定し、 密閉ケーシング(1)の内方のカバー体(24)の対向
    する側に支持体(6)を固定し、 前記カバー体(24)に支持体(6)を連結し、この支
    持体(6)のカバー体(24)と反対側に吐出室(1
    A)を形成し、 前記カバー体(24)の内部空間(24a)と吐出室
    (1A)とを支持体に設けた連通孔(61)を介して連
    通し、 前記カバー体(24)の内部空間(24a)に固定スク
    ロール(2)の吐出口(23)を開口し、 前記固定スクロール(2)に、前記圧縮室(X1,Y
    1)からカバー体(24)の内部空間(24a)へ流体
    をリリーフするリリーフ弁(11)を設けたことを特徴
    とするスクロール圧縮機。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN103362802A (zh) * 2012-03-29 2013-10-23 艾默生环境优化技术(苏州)有限公司 涡旋压缩机
CN103711695A (zh) * 2012-09-28 2014-04-09 株式会社丰田自动织机 马达驱动压缩机和空调

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