JP2000097083A - 内燃機関の空燃比制御装置 - Google Patents

内燃機関の空燃比制御装置

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JP2000097083A
JP2000097083A JP10265227A JP26522798A JP2000097083A JP 2000097083 A JP2000097083 A JP 2000097083A JP 10265227 A JP10265227 A JP 10265227A JP 26522798 A JP26522798 A JP 26522798A JP 2000097083 A JP2000097083 A JP 2000097083A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 内燃機関の空燃比制御に際し、三元触媒内の
酸素ストレージ量を最適領域に収束させ、機関排気特性
の更なる向上を図る。 【解決手段】 電子制御装置30は、三元触媒20上流
に設けられたフロント酸素センサ11aのセンサ電圧V
OFが基準電圧に収束するように、スキップ制御と積分
制御とを繰り返す空燃比フィードバック補正係数を算出
し、この補正係数を用いて燃料噴射量を補正する。さら
に、同触媒20下流に設けられたリア酸素センサ11b
のセンサ電圧VORが基準電圧に収束するように、空燃
比フィードバック補正係数のスキップ制御量をさらにス
キップ制御と積分制御とを繰り返させる空燃比サブフィ
ードバック制御を行う。空燃比サブフィードバック制御
では、スキップ制御に係る更新量を大きく見込み、積分
制御に移行後も所定時間はスキップ制御量を一定に保持
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、内燃機関に供給さ
れる可燃混合気の空燃比を最適化すべくフィードバック
制御を行う内燃機関の空燃比制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】車載用内燃機関(エンジン)の運転状態
を制御する装置の一つとして、エンジンの燃焼室に供給
される混合気の空燃比を制御する空燃比制御装置があ
る。一般に、エンジンに要求される空燃比はエンジンの
回転速度、負荷状態及び暖機状態等に応じて変化する。
そこでこの空燃比制御装置では、電子制御装置を通じて
燃料噴射装置(燃料噴射弁)を制御することにより、燃
焼室に供給される燃料量を補正して、混合気の空燃比を
調整する。この調整により、エンジンの各種の運転条件
に対応してエンジンの出力安定性やドライバビリティ等
の向上が図られるとともに、排気特性が最適化される。
【0003】ここで、この空燃比制御装置による空燃比
のフィードバック制御は、具体的には以下のようなメカ
ニズムに基づいて実行される。すなわち、空燃比フィー
ドバック制御に際しては先ず、エンジン回転数や吸気量
等の運転状態パラメータに基づいて基本となる燃料噴射
量(時間)が算出され、その基本燃料噴射量に、空燃比
フィードバック補正係数、空燃比学習値、及びその他の
各種運転状態に基づく補正係数を加味した目標燃料噴射
量(時間)が決定される。空燃比フィードバック補正係
数は、前回の燃料噴射に係る空燃比の理論空燃比(若し
くは目標とする空燃比)に対するずれ量に対応するもの
であり、今回の燃料噴射に係る空燃比を理論空燃比によ
り近づけるための補正係数である。
【0004】そして、エンジンの排気系に設けられた空
燃比センサ(酸素センサ)からの検出信号に基づいて算
出される空燃比が理論空燃比より薄ければ、燃料噴射量
を増大し、濃ければ減少させるという態様で燃料噴射量
の補正を周期的に繰り返す。
【0005】こうしたメカニズムに基づき空燃比を制御
する装置にあっては、フィードバック制御によって補正
量の増減を行うにあたり、燃焼室から酸素センサまでの
ガス輸送時間や酸素センサの応答時間に起因する応答遅
れが生じる。そこで通常、燃料噴射量の補正態様を増大
から減少、若しくは減少から増大に反転させる際には、
この応答遅れを見込んで所定量スキップさせるスキップ
制御、及びこのスキップさせた補正量を徐変させる積分
制御を行うことにより、制御の応答性を高めるようにし
ている。ただし、積分制御時の補正量徐変に係る変化率
は、大きすぎれば制御波形の振幅を大きくしてしまい、
小さすぎればリッチ側へのスキップとリーン側へのスキ
ップとのインターバルを遅延させ制御波形の周波数を低
下させてしまう。そしていずれの場合も、トルク変動の
増大やドライバビリティの低下を促し、排気特性を悪化
させてしまうこととなる。このため、前記スキップ制御
に係るスキップ量や積分制御時の補正量徐変に係る変化
率を常に最適な数値に設定することが緻密な空燃比フィ
ードバック制御には不可欠となっている。
【0006】一方、多くの場合、エンジンの排気系に
は、排気中に含まれる有害物質である一酸化炭素(C
O)、炭化水素(HC)、及び酸化窒素(NOx)を浄
化するために三元触媒が設けられている。この三元触媒
は、同触媒内の酸素量が所定範囲内にある場合にのみ、
上記三種の有害物質すべてを高い効率で浄化することが
できる特性をもつ。三元触媒上流の酸素センサ(フロン
ト酸素センサ)からの検出信号は、三元触媒を通過する
排気中の酸素濃度を十分に反映する。しかし、同三元触
媒は、所定量を限度として酸素を保持する、いわゆる触
媒ストレージ効果をもっているため、フロント酸素セン
サによって三元触媒内の酸素濃度について、信頼性の高
い検出値を得ることは難しい。そこで、三元触媒下流に
も酸素センサ(リア酸素センサ)を設け、三元触媒の浄
化効率に係る触媒内酸素濃度についての正確な情報を得
るようにした制御装置も提案されている。
【0007】このような制御装置にあっては、例えば特
開昭63−212743号公報にみられるように、基本
的にはフロント酸素センサから得た検出信号に基づいて
実行する空燃比フィードバック制御において、スキップ
制御に係る空燃比フィードバック補正係数FAFのスキ
ップ量を、リア酸素センサの検出信号から求まる三元触
媒下流の排気中酸素濃度(空気過剰率λ)の増減に応じ
て調節(フィードバック制御)して、排気特性の更なる
向上を目指している。
【0008】このような制御装置においては、フロント
酸素センサからの検出信号及び同信号に基づいて算出さ
れる空燃比フィードバック補正係数FAF、並びにリア
酸素センサからの検出信号及び同信号に基づいて算出さ
れるスキップ量(リッチスキップ量RSR)が、それぞ
れ図17(a)〜(d)に示すような変化態様を示すこ
ととなる。ただし、図17(a)及び(b)は、相互に
同一時間軸(横軸)上の変化態様を示しており、図17
(c)及び(d)は、これも相互に同一時間軸(横軸)
上の変化態様を示している。
【0009】先ず、図17(a)には、酸素センサ11
からの検出信号であるセンサ電圧VOFの信号波形を示
す。酸素センサ11は、エンジン1の空燃比A/Fが理
論空燃比に合致する際にはそのセンサ電圧VOFが基準
電圧KOXR(例えば0.45ボルト(V))となるよ
う設定されている。そして、空燃比A/Fが理論空燃比
より濃いとき(リッチ側)にはセンサ電圧VOFが同基
準電圧KOXRを上回り、理論空燃比より薄いとき(リ
ーン側)にはセンサ電圧VOFが同基準電圧KOXR以
下となる。そこで制御装置は、当該電圧VOFが基準電
圧KOXRを上回った場合には空燃比A/Fがリッチ側
にあると判断し、基準電圧KOXR以下である場合には
空燃比A/Fがリーン側にあると判断することとなる。
空燃比フィードバック制御中においては、空燃比A/F
を理論空燃比に収束させるべく、後述する空燃比フィー
ドバック補正係数FAFを変更して目標燃料噴射量(時
間)TAUfの増量補正と減量補正とを繰り返す。この
ため、同図17(a)に示すように、センサ電圧VOF
もまた基準電圧KOXRの上下に変動を繰り返すことと
なる。
【0010】次に、図17(b)には、空燃比フィード
バック補正係数FAFの波形を示す。この空燃比フィー
ドバック補正係数FAFは、燃料噴射量(時間)TAU
bsを補正すべく、前記センサ電圧VOFに基づく制御
装置の判断(リッチ側又はリーン側)を逐次フィードバ
ックするとともに、吸気量Ga等の運転状態を合わせ参
照して算出される補正量である。基本的には、空燃比A
/Fがリッチ側にあると制御装置が判断している期間中
は、目標燃料噴射量(時間)TAUfを減量補正すべく
基本空燃比フィードバック補正係数FAFbsを1より
小さくし(以下、減量という)、空燃比A/Fがリーン
側にあると判断している期間中は、燃料噴射量(時間)
TAUfを増量補正すべく当該補正係数FAFbsを1
より大きくする(以下、増量という)。
【0011】ここで、例えば、前記制御装置の判断がリ
ーン側からリッチ側に反転した場合、基本空燃比フィー
ドバック補正係数FAFは増量から減量に所定の比例定
数(リーンスキップ量)RSLをもってスキップ(リー
ンスキップ)し、その後、制御装置の判断がリッチ側か
らリーン側に反転するまでは、更に減量側に向かい徐変
される。すなわち積分制御が実行される。一方、制御装
置の判断がリッチ側からリーン側に反転した場合には、
同補正係数FAFは減量から増量に比例定数(リッチス
キップ量)RSRをもってスキップ(リッチスキップ)
した後、制御装置の判断が反転するまでは、更に増量側
に向かって徐変されることとなる。
【0012】一方、図17(c)に示すように、リア酸
素センサのセンサ電圧VORもフロント酸素センサのセ
ンサ電圧VOFと同様、基準電圧KOXRS(例えば
0.45V)の上下に変動を繰り返すこととなる。ただ
し、図17(c)及び図17(d)の時間軸は先の図1
7(a)及び図17(b)の時間軸よりもスケールを大
きく設定したものであり、実際にはセンサ電圧VOR
(図17(c))の変動周期は、センサ電圧VOF(図
17(a))の変動周期に比して図示以上に長くなる。
そこでここでは、図17(d)に示すように、リア酸素
センサのセンサ電圧VORが基準電圧KOXRSより高
い(リッチ)場合にはリッチスキップ量RSR(図17
(b)参照)を減量し、同センサ電圧VORが基準電圧
KOXRS以下である(リーン)場合にはリッチスキッ
プ量RSRを増量することで、上記空燃比フィードバッ
ク補正係数FAFのスキップ量の調節を図り、ひいては
排気特性の更なる向上に努めている。図17(b)から
も明らかなように、リッチスキップ量RSRを増量すれ
ば空燃比フィードバック補正係数FAFが増量される傾
向が強まり、リッチスキップ量RSRを減量すれば空燃
比補正係数FAFが減量される傾向が強まる。このよう
にリア酸素センサのセンサ電圧に基づいて空燃比フィー
ドバック補正係数FAFを更にフィードバック制御(サ
ブフィードバック制御)する結果として、三元触媒を通
過する排気中の酸素濃度を調節させることができ、同三
元触媒内酸素濃度(いわゆる酸素ストレージ量)を最適
化させることができるようになる。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記のよう
なサブフィードバック制御(空燃比サブフィードバック
制御)を行う場合、図18(a)(先の図17(d)と
基本的に同一)に示すような態様でリッチスキップ量R
SRを変更すると、この変更に対応して三元触媒内の酸
素ストレージ量は図18(b)に示すように変動するこ
ととなる。
【0014】ここで、同図18(b)中に示す2本の破
線で挟まれた帯領域は、三元触媒がHC、CO、NOx
すべての有害物質について好適な浄化作用を発揮できる
領域を示すものであり、酸素ストレージ量が上側の破線
で示される上限値(酸素飽和状態)を上回るとNOxの
排出量が急増し、酸素ストレージ量が下側の破線で示さ
れる下限値(酸素ストレージ量が「0」)を下回るとC
O及びHCの排出量が急増することとなる。
【0015】そこで、図18(a)及び(b)に示すよ
うに、リッチスキップ量RSRの変更に応じ、酸素スト
レージ量が最適値(目標酸素ストレージ量:例えば上限
値/2)に収束・維持されるような制御を行うこととな
る。上記のようにリッチスキップ量RSRのスキップと
徐変とを交互に繰り返す制御態様では、酸素ストレージ
量が最大若しくは最小となった後、上限値若しくは下限
値近傍から最適値に向かって速やかに移行することが困
難であり、その収束性が十分ではなかった。
【0016】またそうかといって、上記リッチスキップ
量RSRを大きくとりすぎると、制御幅が大きくなっ
て、排気特性の向上が望めなくなるばかりか、フィード
バック制御としての収束性も悪化する。
【0017】本発明は、こうした実情に鑑みてなされた
ものであり、その目的とするところは、三元触媒内の酸
素ストレージ量を触媒効率の最適領域に収束させ、機関
排気特性の更なる向上を図る内燃機関の空燃比制御装置
を提供することにある。
【0018】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、請求項1記載の発明は、内燃機関の排気系に備え
られる排気浄化用触媒下流に設けられて当該内燃機関の
排気空燃比を検出する空燃比センサを有し、その検出さ
れる排気空燃比がリッチとリーンとの間で反転したとき
にスキップ制御されるとともに、その後積分制御されて
更新される制御量に基づいて内燃機関に供給される混合
気の空燃比をフィードバック制御する内燃機関の空燃比
制御装置において、前記スキップ制御に際し、そのスキ
ップ量を所定量増大させるとともに、前記積分制御によ
り算出される制御量が該増大したスキップ量をもって更
新された制御量になるまでは、同増大したスキップ量を
もって更新された制御量に基づき前記空燃比を補正する
補正手段を備えることを要旨とする。
【0019】請求項2記載の発明は、請求項1記載の内
燃機関の空燃比制御装置において、前記排気浄化用触媒
の上流に設けられて当該内燃機関の排気空燃比を検出す
るフロント空燃比センサと、該フロント空燃比センサに
より検出される排気空燃比がリッチとリーンとの間で反
転したときにスキップ制御されるとともにその後積分制
御されて更新される空燃比補正量に基づき前記空燃比を
フィードバック制御するフィードバック制御手段とを更
に備え、前記補正手段は、前記フィードバック制御手段
の前記空燃比補正量を前記制御量に基づき補正すること
を要旨とする。
【0020】上記請求項1又は2に記載した発明の構成
によれば、触媒下流での排気空燃比におけるリッチとリ
ーンとの間の反転時に、排気空燃比を触媒ウインド上下
限からその中心近傍に向かって速やかに移行させること
ができるとともに、中心近傍での滞留時間も増す。これ
により、機関の排気特性が向上するばかりでなく、フィ
ードバック制御に係る制御周波数も増大し、ドライバビ
リティの向上も図られる。さらに、空燃比補正量、すな
わち制御量の制御中心への収束性が高まり制御振幅も縮
小されるため、機関の運転状態が過渡状態にある場合で
も外乱によって制御性が悪化することを好適に抑制する
ことができるようになる。
【0021】請求項3記載の発明は、請求項1または2
記載の内燃機関の空燃比制御装置において、前記所定量
増大させるスキップ量を、前記更新される制御量が同制
御量の制御中心となるように変更する変更手段を更に備
えることを要旨とする。
【0022】請求項4記載の発明は、請求項3記載の内
燃機関の空燃比制御装置において、前記変更手段は、前
記排気浄化用触媒の劣化度合いに応じて前記所定量増大
させるスキップ量を可変とすることを要旨とする。
【0023】請求項5記載の発明は、請求項3記載の内
燃機関の空燃比制御装置において、前記変更手段は、前
記制御量の制御中心を学習しつつその学習値を目標値と
して前記所定量増大させるスキップ量を変更するもので
あることを要旨とする。
【0024】上記請求項3〜5何れかに記載した発明の
構成によれば、触媒の劣化、機関の運転状態、機関の経
年変化等により空燃比補正量の制御振幅が変わってしま
った場合であれ、上記所定値を変更することで、空燃比
補正量をスキップ制御によって確実に制御中心に移行さ
せることができる。よって、触媒の劣化等による、空燃
比の補正量の制御中心への収束性低下を好適に抑制する
ことができるようになる。
【0025】請求項6記載の発明は、内燃機関の排気系
に備えられる排気浄化用触媒上流に設けられて当該内燃
機関の排気空燃比を検出するフロント空燃比センサと、
同排気浄化用触媒下流に設けられて同内燃機関の排気空
燃比を検出するリア空燃比センサと、前記フロント空燃
比センサにより検出される排気空燃比がリッチとリーン
との間で反転したときにスキップ制御されるとともにそ
の後積分制御されて更新される空燃比補正量に基づき内
燃機関に供給される混合気の空燃比をフィードバック制
御するフィードバック制御手段と、前記リア空燃比セン
サにより検出される排気空燃比のリッチからリーンへの
反転若しくはリーンからリッチへの反転に基づき前記触
媒中の酸素ストレージ量がその上限値及び下限値の中心
に近づくように前記フロント空燃比センサにより検出さ
れる排気空燃比に基づく積分制御中の前記空燃比補正量
の時間積分量を変更させるべく同空燃比補正量をさらに
フィードバック制御するサブフィードバック制御手段と
を備えることを要旨とする。
【0026】同構成によれば、排気空燃比におけるリッ
チとリーンとの間の反転時には、触媒内の酸素ストレー
ジ量が、排気浄化用触煤による浄化能力を保持すること
のできる上下限付近に滞留している。そこでこのとき、
積分制御に係る空燃比補正量の時間積分量を増減するこ
とにより、酸素ストレージ量を当該上下限値からその中
心近傍に向かって速やかに移行させることができるよう
になり、触媒内の酸素ストレージ量が触媒ウインド内に
好適に保持されるようになる。
【0027】請求項7記載の発明は、請求項6記載の内
燃機関の空燃比制御装置において、前記サブフィードバ
ック制御手段は、前記リア空燃比センサにより検出され
る排気空燃比のリッチからリーンへの反転に基づき、前
記フロント空燃比センサにより検出される排気空燃比の
リッチからリーンへの反転時にスキップ制御される前記
空燃比補正量を、同フロント空燃比センサにより検出さ
れる排気空燃比の次のリーンからリッチへの反転時期ま
で一定に保持する処理、及び前記リア空燃比センサによ
り検出される排気空燃比のリーンからリッチへの反転に
基づき前記フロント空燃比センサにより検出される排気
空燃比のリーンからリッチへの反転時にスキップ制御さ
れる前記空燃比補正量を同フロント空燃比センサにより
検出される排気空燃比の次のリッチからリーンへの反転
時期まで一定に保持する処理、の少なくとも一方を実行
して同空燃比補正量をフィードバック制御することを要
旨とする。
【0028】請求項8記載の発明は、請求項7記載の内
燃機関の空燃比制御装置において、前記サブフィードバ
ック制御手段は、前記スキップ制御に伴って一定に保持
する前記空燃比補正量のスキップ量を増量若しくは減量
補正することを要旨とする。
【0029】上記請求項7又は8に記載した発明の構成
によれば、排気空燃比を触媒ウインド上下限からその中
心近傍に向かって移行させる上記請求項6記載の発明に
よる効果が一層強化されるようになる。
【0030】請求項9記載の発明は、請求項6記載の内
燃機関の空燃比制御装置において、前記サブフィードバ
ック制御手段は、前記リア空燃比センサにより検出され
る排気空燃比のリッチからリーンへの反転に基づき、前
記フロント空燃比センサにより検出される排気空燃比の
リーンからリッチへの反転に基づき実行される前記空燃
比補正量のスキップ制御時期を遅延させる処理、及び前
記リア空燃比センサにより検出される排気空燃比のリー
ンからリッチへの反転に基づき前記フロント空燃比セン
サにより検出される排気空燃比のリッチからリーンへの
反転に基づき実行される前記空燃比補正量のスキップ制
御時期を遅延させる処理、の少なくとも一方を実行して
同空燃比補正量をフィードバック制御することを要旨と
する。
【0031】同構成によっても、排気空燃比を触媒ウイ
ンド上下限からその中心近傍に向かって移行させる上記
請求項6記載の発明による効果が一層強化されるように
なる。
【0032】
【発明の実施の形態】(第1の実施形態)以下、本発明
に係る内燃機関の空燃比制御装置を具体化した第1の実
施の形態について、図面を参照して説明する。
【0033】図1は、本実施の形態に係る空燃比制御装
置を備えた自動車のエンジンシステムを示す概略構成図
である。このシステムにあって、エンジン1は、吸気系
2と、燃焼室3と、排気系4とに大別される。
【0034】このうち吸気系2は、その上流より、エア
クリーナ(図示せず)、スロットルバルブ5、及びサー
ジタンク6を有して構成され、その内部通路には吸気量
センサ7、スロットルポジションセンサ8、及び吸気温
センサ9等を備える。
【0035】これらセンサのうち、吸気量センサ7は、
スロットルバルブ5の上流側に配されて吸入空気の流量
(吸気量)Gaを検出するセンサであり、スロットルポ
ジションセンサ8は、図示しないアクセルペダルの踏み
込み操作に基づき開閉されるスロットルバルブ5の開度
情報を出力する開度センサ8aと、スロットルバルブ5
の全閉時にオン状態となるアイドルスイッチ8bとを内
蔵する。また、吸気温センサ9は、エンジン1に吸入さ
れる空気の温度(吸気温)THAを検出するセンサであ
る。
【0036】また、この吸気系2には、燃料噴射弁10
が設けられている。図示しない燃料タンクから圧送され
る燃料は、該燃料噴射弁10の操作に応じてエンジン1
内に噴射供給され、同吸気系2を通じて吸入される空気
と混合される。
【0037】他方、排気系4は、三元触煤20、同三元
触媒20の上流に設けられたフロント酸素センサ11
a、及び三元触媒20の下流に設けられたリア酸素セン
サ11bを備えて構成される。三元触媒20は、燃焼室
3から排出される排気中に含まれる一酸化炭素(C
O)、炭化水素(HC)、及び酸化窒素(NOx)を浄
化するために設けられる。フロント酸素センサ11a及
びリア酸素センサ11bは、それぞれこの三元触媒20
の上流及び下流に設けられ、同三元触媒20通過前後に
おける排気中の酸素濃度を検出する。
【0038】その他、同エンジン1には、点火装置であ
るイグナイタ12、分配器であるディストリビュータ1
3が設けられ、その分配された点火電圧が、各気筒の燃
焼室3に設けられた点火プラグ14に印加されるように
なっている。
【0039】また、上記ディストリビュータ13には回
転数センサ15及び気筒判別センサ16が設けられ、こ
れらセンサ15及び16を通じて、当該エンジン1のエ
ンジン回転数NEが検出され、また燃焼気筒が判別され
る。
【0040】また、同エンジン1は、そのシリンダブロ
ック1a内を循環する冷却水によって冷却されるように
なっており、その冷却水の水温が、同シリンダブロック
1aに設けられた水温センサ17によって検出されるよ
うになる。
【0041】こうしたエンジンシステムにおいて、上述
した各センサの出力は、エンジン1の制御系としての役
割を司どる電子制御装置(以下、ECUという)30に
対し入力される。
【0042】図2は、このECU30のハードウエア構
成についてその概要を示したものであり、次に、この図
2を併せ参照して、同ECU30の内部構成を説明す
る。同図2に示すように、ECU30は、CPU31
a、ROM31b、RAM31c、及びバックアップR
AM31d等を内蔵したマイクロコンピュータ31を中
心に構成される。
【0043】このマイクロコンピュータ31の入力ポー
トには、アイドルスイッチ8b、回転数センサ15、気
筒判別センサ16をはじめ、A/D変換回路34を介し
て、吸気量センサ7、吸気温センサ9、水温センサ1
7、開度センサ8a、及びフロント酸素センサ11a及
びリア酸素センサ11b等のアナログ信号を出力するセ
ンサが接続されている。また、同マイクロコンピュータ
31の出力ポートには、イグナイタ12や燃料噴射弁1
0を駆動する駆動回路35等が接続されている。ECU
30は、こうしてマイクロコンピュータ31に取り込ま
れる各センサの出力に基づいて、エンジン1の燃料噴射
や点火にかかる各種制御を実行する。
【0044】次に、上記ECU30が実行する各種制御
のうち、空燃比制御についてその概要を説明する。EC
U30は、エンジン1の燃焼に関わる混合気中の空燃比
(以下、単に空燃比という)A/Fが同エンジン1の運
転状態に適した目標空燃比となるように、燃料噴射弁1
0から噴射される燃料量を制御制御するための空燃比制
御を実行する。この空燃比制御において、ECU30
は、吸気量Gaとエンジン回転数NEとに基づき求まる
基本燃料噴射量(時間)TAUbsに対し、空燃比フィ
ードバック補正係数FAF及びその他各種制御(例え
ば、暖機運転時の増量制御や加減速時の増量又は減量制
御)によって得られた各種補正係数を加味することによ
り、最終的な目標燃料噴射量(時間)TAUfを決定す
る。
【0045】そこで先ず、ECU30が実行する本実施
形態の「燃料噴射制御ルーチン」の処理内容について説
明する。ECU30のROM31bは以下のルーチンに
関するプログラムを予め記憶する。
【0046】図3は、本実施形態における燃料噴射時
間、すなわち各燃料噴射弁10による一回毎の燃料噴射
量(時間)を決定するための「燃料噴射制御ルーチン」
を示すフローチャートであり、このルーチン処理は、エ
ンジン1内の各気筒における吸気行程に対応して所定の
クランク角毎の割り込みでECU30により実行され
る。
【0047】処理がこのルーチンに移行すると、ECU
30は先ずステップ101において、上記各センサの検
出信号のうち吸気量Ga、エンジン回転数NE及び冷却
水温THW等を読み込む。
【0048】続くステップ102においては、上記ステ
ップ101で読み込んだ吸気量Ga、エンジン回転数N
E及び冷却水温THW等に基づき図示しない周知の基本
燃料噴射時間マップから基本燃料噴射時間TAUbsを
算出する。
【0049】続くステップ103においては、空燃比フ
ィードバック補正係数FAF及び各種補正量K1〜Knの
読み込みを行う。空燃比フィードバック補正係数FAF
の算出手順に関しては、後述する「空燃比フィードバッ
ク制御ルーチン」において詳しく説明する。また、補正
量K1〜Knは、暖機増量、加減速、出力増量等の各種運
転状態を考慮した補正量であり、時々の運転状態に従い
別途の処理ルーチンにおいて算出することとする。
【0050】さらに続くステップ104においては、上
記ステップ103において読み込まれた空燃比フィード
バック補正係数FAFや各種補正量K1〜Knを用い、例
えば次式(1)に従って、基本燃料噴射時間TAUbs
の補正を行い最終的な目標燃料噴射時間TAUfを算出
する。 TAUf=TAUbs×FAF×K1×K2×…×Kn …(1) 最後に、ステップ105においてECU30は、上記ス
テップ106の演算結果に従い燃料噴射時間TAUfの
燃料噴射を実行し、その後の処理を一旦終了する。
【0051】ECU30は、以上説明した「燃料噴射制
御ルーチン」に基づき空燃比A/Fの最適化を図ること
のできる目標燃料噴射時間TAUfをもって、各燃料噴
射弁10に燃料噴射を実行させる。
【0052】次に、上記「燃料噴射制御ルーチン」にお
いてステップ103で読む込むこととした空燃比フィー
ドバック補正係数FAFの算出手順について詳述する。
図4及び図5は、空燃比フィードバック補正係数FAF
を算出すべくECU30により所定時間毎に周期的に実
行される「空燃比フィードバック制御ルーチン」の処理
内容を示すフローチャートである。ECU30のROM
31bは以下のルーチンに関するプログラムを予め記憶
する。
【0053】処理がこのルーチンに移行すると、ECU
30は先ずステップ201(図4)において、空燃比フ
ィードバック制御を実行するための諸条件(a1)〜
(a5)が満たされているか否かを判断する。 (a1)始動時でないこと。 (a2)燃料カット中ではないこと。 (a3)冷却水温THWが所定温度以上であること。 (a4)酸素センサ11が活性化状態であること。 (a5)エンジンが高負荷又は高回転状態でないこと。 そして、上記諸条件(a1)〜(a5)が全て満たされ
ているときには、現在の運転状態が空燃比フィードバッ
ク制御を行うための条件に適合していると判断して、処
理をステップ202に移行する。一方、上記条件のうち
何れか一つでも満たされていなければ、現在の運転状態
は空燃比フィードバック制御を行うための条件に適合し
ていないと判断し、本ルーチンを一旦抜ける。
【0054】ステップ202においては、今回読み込ま
れた酸素センサ11からのセンサ電圧VOiが、基準電
圧KOXR(例えば0.45V)を上回っているか否か
を判断する。そして、その判断が肯定であれば処理をス
テップ203に移行し、その判断が否定であれば処理を
ステップ213に移行する。
【0055】一連のステップ203〜207において
は、センサ電圧VOが基準電圧KOXRを上回っている
との判断が先のステップ202にて連続してなされるこ
とを条件に、その連続回数を計測して、その回数が所定
回数以上に達したときにリッチ判定フラグXOXRを
「ON」に設定する処理、すなわちセンサ電圧VOのノ
イズによる誤検出を減らして空燃比フィードバック補正
係数FAFの制御波形の安定化を図るための遅延処理を
行う。ここでリッチ判定フラグXOXRとは、空燃比フ
ィードバック補正係数FAFを更新する際、同補正係数
FAFを増量するのか、或いは減量するのかを選択する
ための基準として用いるフラグであって、空燃比A/F
は現在リッチ側にあると判断されたときには「ON」に
設定され、リーン側にあると判断されたときには「OF
F」に設定解除されるものである。
【0056】すなわちECU30は、先ずステップ20
3において、回数計測用ディレイカウンタのカウント値
(以下、単にディレイカウンタという)CDLYをディ
クリメントする。
【0057】続くステップ204においては、ディレイ
カウンタが基準値「0」以下であるか否かを判断する。
そしてその判断が肯定であれば、処理をステップ205
に移行し、その判断が否定であれば処理をステップ22
0(図5)に移行する。
【0058】ステップ205においては、ディレイカウ
ンタCDLYが基準値「0」であるか否かを判断する。
そしてその判断が肯定であれば処理をステップ206に
移行し、同ステップ205においては、スキップ制御を
実行すべきタイミングであることを認識するためのスキ
ップタイミングフラグXOINVを「ON」に設定し、
処理をステップ207に移行する。また、先のステップ
205での判断が否定であれば処理をステップ207に
ジャンプする。
【0059】ステップ207においては、ディレイカウ
ンタCDLYに所定のリーン側遅延処理値TDLに負の
符号を付した値「−TDL」を設定し、処理をステップ
220(図5)に移行する。
【0060】一方、先のステップ202を経た後、処理
をステップ213に移行した場合には、続く一連のステ
ップ213〜217を実行する。これらステップ213
〜217においては、センサ電圧VOが基準電圧KOX
R以下であるという判断が先のステップ202にて連続
してなされることを条件に、その連続回数を計測して、
その回数が所定回数以上に達したときにリッチ判定フラ
グXOXRを「ON」に設定する処理、すなわちセンサ
電圧VOのノイズによる誤検出を減らして空燃比フィー
ドバック補正係数FAFの制御波形の安定化を図るため
の遅延処理を行う。
【0061】すなわちECU30は、先ずステップ21
3において、回数計測用ディレイカウンタのカウント値
(以下、単にディレイカウンタという)CDLYをイン
クリメントする。
【0062】続くステップ214においては、ディレイ
カウンタが基準値「0」以上であるか否かを判断する。
そしてその判断が肯定であれば、処理をステップ215
に移行し、その判断が否定であれば処理をステップ22
0(図5)に移行する。
【0063】ステップ215においては、ディレイカウ
ンタCDLYが基準値「0」であるか否かを判断する。
そしてその判断が肯定であれば処理をステップ117に
移行し、同ステップ216においては、スキップ制御を
実行すべきタイミングであることを認識するためのスキ
ッップタイミングフラグXOINVを「ON」に設定
し、処理をステップ217に移行する。また、先のステ
ップ215での判断が否定であれば処理をステップ21
7にジャンプする。
【0064】ステップ217においては、ディレイカウ
ンタCDLYに所定のリッチ側遅延処理値TDRを設定
し、処理をステップ220(図5)に移行する。ステッ
プ220においては、スキップタイミングフラグXOX
INVが現在「ON」に設定されている否かを判断す
る。そして、その判断が肯定であれば処理をステップ2
21に移行し、その判断が否定であれば処理をステップ
222に移行する。
【0065】ステップ221においては、リッチ判定フ
ラグXOXRが現在「ON」に設定されているか否かを
判断する。そして、その判断が肯定であれば処理をステ
ップ223に移行し、その判断が否定であれば処理をス
テップ224に移行する。
【0066】一方、ステップ222においても上記ステ
ップ221と同様に、空燃比フラグXFAFが現在「O
N」に設定されているか否かを判断する。そして、その
判断が肯定であれば処理をステップ225に移行し、そ
の判断が否定であれば処理をステップ226に移行す
る。
【0067】ステップ223においては、空燃比フィー
ドバック補正係数FAFを所定のリーンスキップ量RS
L分減量させるスキップ制御を実行する。ステップ22
4においては、空燃比フィードバック補正係数FAFを
所定のリッチスキップ量RSR分増量させるスキップ制
御を実行する。
【0068】ちなみに、本実施の形態において、リッチ
スキップ量RSR及び上記リーンスキップ量RSLは、
その総和が常に所定値αとなるように設定してある。そ
して、後述する「空燃比サブフィードバック制御ルーチ
ン」(図6)による処理で、リア酸素センサ11bから
のセンサ電圧VORに応じてリッチスキップ量RSRを
所定周期毎に変更するとともに、このリッチスキップ量
RSRの変更に対応させてリーンスキップ量RSLも変
更させるよう処理する(RSL=α−RSR)。上記ス
テップ223又はステップ224の何れかの処理を経た
後は、ステップ227において、スキップタイミングフ
ラグXOINVを「OFF」に設定解除する。
【0069】他方、先のスキップ222における判断を
経てステップ225に移行した場合、同ステップ225
においては、空燃比フィードバック補正係数FAFを所
定の積分定数KiL分減量させる積分制御を実行する。
【0070】また、ステップ226においては、空燃比
フィードバック補正係数FAFを所定の積分定数KiR
分増量させる積分制御を実行する。そして、上記ステッ
プ225、226、227のうち何れかの処理を経た
後、ECU30は本ルーチンにおける処理を一旦終了す
る。
【0071】ECU30は、以上説明した「空燃比フィ
ードバック制御ルーチン」に基づき空燃比フィードバッ
ク補正係数FAFを算出する。この空燃比フィードバッ
ク補正係数FAFは、基本的にはフロント酸素センサ1
1aからのセンサ電圧VOFが基準電圧KOXRを横切
るタイミングに対応して刻々変化する値となる。ただし
正確には、センサ電圧VOFのノイズを除去すべくステ
ップ203〜207、又はステップ213〜217に示
すような遅延処理が施されるため、同空燃比フィードバ
ック補正係数FAFのリーン側及びリッチ側間で反転す
るタイミングは、センサ電圧VOFがKOXRを横切る
タイミングから遅延処理値(カウント値)TDR又はT
DL分遅れることとなる。この遅延処理により、空燃比
フィードバック補正係数FAFの制御波形の安定性が増
す。そして、この遅延処理後の空燃比フィードバック補
正係数FAFは、前記「燃料噴射制御ルーチン」におい
て、基本燃料噴射時間TAUbsの一補正係数として用
いられることとなる。
【0072】次に、上記「空燃比フィードバック制御ル
ーチン」において、ステップ224で用いることとした
リッチスキップ量RSRを、三元触媒20下流のリア酸
素センサ11bからの検出信号に基づいて適宜変更する
ために行う「空燃比サブフィードバック制御ルーチン」
について説明する。
【0073】図6には、ECU30により所定時間毎に
周期的に実行される「空燃比サブフィードバック制御ル
ーチン」の処理手順の概略を示す。ECU30のROM
31bは以下のルーチンに関するプログラムを予め記憶
する。
【0074】同図6に示すように、本ルーチンは、大ま
かにはステップ300、400、及び500の一連の処
理ステップから構成されている。すなわち、処理が本ル
ーチンに移行すると、ECU30は先ずステップ300
において、現在の運転状態が空燃比サブフィードバック
制御を実行するための諸条件を全て満たしているか否か
を判断する。当該諸条件は、先の「空燃比フィードバッ
ク制御ルーチン」で説明した空燃比フィードバック制御
の適合条件(a1)〜(a5)と基本的には同様のもの
である。ただし、(a4)に相当する条件として、リア
酸素センサ11bが活性化状態であることが必要とされ
る。そしてECU30は、当該空燃比サブフィードバッ
ク制御の実行条件を満たしている場合には処理をステッ
プ400に移行し、同条件を満たしていなければ本ルー
チンを一旦抜ける。
【0075】ステップ400においては、基本リッチス
キップ量RSRbs及び見込みリッチスキップ量RSR
mkの算出を行う。そして、続くステップ500におい
ては、先のステップ400において算出した基本リッチ
スキップ量RSRbs及び見込みリッチスキップ量RS
Rmkのうち、何れか一方を選択してそれを今回のリッ
チスキップ量RSRとする処理を行う。その後ECU3
0は、本ルーチンにおける処理を一旦終了する。
【0076】ここで、上記ステップ400における処理
内容の詳細を説明する。図7には、本実施形態の「空燃
比サブフィードバック制御ルーチン」を構成する各ステ
ップのうち、ステップ400(図6)の処理内容を、一
連のサブルーチンとして詳細に示す。
【0077】さて、ステップ(サブルーチン)400に
処理が移行すると、ECU30は先ずステップ401に
おいて、リア酸素センサ11bのセンサ電圧VORiが
基準電圧KOXRS(例えば0.45V)を上回ってい
るか否かを判断する。そしてその判断が肯定であれば処
理をステップ402に移行し、その判断が否定であれば
処理をステップ403に移行する。
【0078】ステップ402においては、前回読み込ま
れたリア酸素センサ11bからのセンサ電圧VORi-1
が基準電圧KOXRSを上回っていたか否かを判断す
る。そして、その判断が肯定であれば処理をステップ4
04に移行し、その判断が否定であれば処理をステップ
405に移行する。
【0079】一方、ステップ403においても、上記ス
テップ402と同様に前回読み込まれたリア酸素センサ
11bからのセンサ電圧VORi-1が基準電圧KOXR
Sを上回っていたか否かを判断する。そして、その判断
が肯定であれば処理をステップ406に移行し、その判
断が否定であれば処理をステップ407に移行する。
【0080】ステップ404においては、ステップ40
1及びステップ402における判断から、今回の空燃比
A/Fは前回と変わらずリッチ側にあると認識して、基
本リッチスキップ量RSRbsiの今回の更新量(加算
量)DLsfbiを所定値(−c%)に設定する(但
し、0<c)。
【0081】また、ステップ405においては、これも
同様にステップ401及びステップ402における判断
から、前回から今回にかけて空燃比A/Fがリーン側か
らリッチ側へ移行したものと認識して、基本リッチスキ
ップ量RSRbsi及び見込みリッチスキップ量RSR
mkiの今回の更新量(加算量)DLsfbiを所定値
(−a%)に、見込みリッチスキップ量RSRmkiの
今回の更新量(加算量)DLmkを所定値(−b%)に
それぞれ設定する(但し、c≪a,c≪b)。
【0082】一方、ステップ406においては、ステッ
プ401及びステップ403における判断から、今回の
空燃比A/Fは前回と変わらずリーン側にあると認識し
て、基本リッチスキップ量RSRbsiの今回の更新量
(加算量)DLsfbiを所定値c’%に設定する。
【0083】また、ステップ407においては、これも
同様にステップ401及びステップ403における判断
から、前回から今回にかけて空燃比A/Fがリッチ側か
らリーン側へ移行したものと認識して、基本リッチスキ
ップ量RSRbsi及び見込みリッチスキップ量RSR
mkiの今回の更新量(加算量)DLsfbiを所定値
a’%に、見込みリッチスキップ量RSRmkiの今回
の更新量(加算量)DLmkを所定値b’%にそれぞれ
設定する(但し、c’≪a’,c’≪b’)。
【0084】上記のようにECU30は、ステップ40
4〜407のうち何れかのステップにおいて、基本リッ
チスキップ量RSRbsi及び見込みリッチスキップ量
RSRmkiの今回の更新量DLsfbi及びDLmk或
いは更新量DLsfbのみをそれぞれ更新設定する。
【0085】そして、ステップ405又はステップ40
7における処理を経た場合には処理をステップ408に
移行し、以下の演算式(2)に従って今回の見込みリッ
チスキップ量RSRsfbiを算出し、その後は処理を
続くステップ409に移行する。 RSRmki = RSRbsi-1 + DLsfb + DLmk …(2) ステップ409においては、先のステップ404〜40
8のうち、何れかで求めた更新量DLsfbと前回の基
本リッチスキップ量RSRbsi-1を用い、以下の演算
式(3)に従って今回の基本リッチスキップ量RSRb
siの算出を行う。 RSRbsi = RSRbsi-1 + DLsfb …(3) そしてECU30は、その後の処理を一旦終了する。
【0086】次に、これも「空燃比サブフィードバック
制御ルーチン」(図6)を構成する各ステップのうち、
ステップ500における処理内容の詳細を説明する。図
8は、上記ステップ500(図6)の処理内容を、一連
のサブルーチンとして詳細に示すものである。
【0087】ステップ(サブルーチン)500に処理が
移行すると、ECU30は先ずステップ501におい
て、リア酸素センサ11bのセンサ電圧VORiが基準
電圧KOXRS以下であるか否かを判断する。そしてそ
の判断が肯定であれば処理をステップ502に移行し、
その判断が否定であれば処理をステップ503に移行す
る。
【0088】ステップ502においては、前記サブルー
チン400のステップ409(図7)で求めた基本リッ
チスキップ量RSRbsiが、これも同サブルーチン4
00で求めた見込みリッチスキップ量RSRmki以下
であるか否かを判断する。そしてその判断が肯定であれ
ば処理をステップ505に移行し、その判断が否定であ
れば処理をステップ504に移行する。
【0089】一方、ステップ503においては、基本リ
ッチスキップ量RSRbsiが見込みリッチスキップ量
RSRmkiを上回っているか否かを判断する。そして
その判断が肯定であれば処理をステップ505に移行
し、その判断が否定であれば処理をステップ504に移
行する。
【0090】ステップ504においては、基本リッチス
キップ量RSRbsiをリッチスキップ量RSRの最新
値として記憶する。一方、ステップ505においては、
見込みリッチスキップ量RSRmkiをリッチスキップ
量RSRの最新値として記憶する。
【0091】そしてECU30は、両ステップ504、
505のうち何れかのステップを経た後は、その処理を
一旦終了する。ECU30は、以上説明した「空燃比サ
ブフィードバック制御ルーチン」に基づきリッチスキッ
プ量RSRを算出する。このリッチスキップ量RSRは
リア酸素センサ11bからのセンサ電圧VOR応じて刻
々変化する値となり、前記「空燃比フィードバック制御
ルーチン」(図4、図5)においても説明したように、
スキップ制御時において空燃比フィードバック補正係数
FAFの更新に用いられることとなる。
【0092】例えば図9(a)〜(c)には、リア酸素
センサ11bからのセンサ電圧VOR(図9(a))、
このセンサ電圧VORに対応するリッチスキップ量RS
R(図9(b))、及びリッチスキップ量RSRの変更
に応じて変動する空燃比A/F(図9(c))の一変化
態様例を同一時間軸上に示す。
【0093】例えば図9(a)及び図9(b)に示すよ
うに、時刻t1においてセンサ電圧VORが基準電圧K
OXRS以下にある状態から上昇して同基準電圧KOX
RSを上回ると、リッチスキップ量RSRは従来の空燃
比サブフィードバック制御であればスキップ量(リッチ
スキップ量RSRのスキップ量としての更新量)DLs
fbをもって点Aまで減量(スキップ制御)されるとこ
ろ、本実施形態ではスキップ量DLsfbに対し、所定
量(見込みスキップ量)DLmkを更に加えた更新量を
もって点Bまで減量(スキップ)される。スキップ後、
リッチスキップ量RSRは所定期間一定を保ち、点C移
以降は徐変減量(積分制御)される。この積分制御に移
行する点Cは、同図9(b)中に破線にて示すように、
点Aから徐変減量を行ったと仮想した場合に、その仮想
線と現実のリッチスキップ量RSRと一致する点に相当
する。
【0094】また、センサ電圧VORが基準電圧KOX
RSより高い状態から下降して基準電圧KOXRS以下
になった場合も同様の制御を行う。すなわち、例えば時
刻t2において、点Dにおいてスキップ量DLsfbに
所定量(見込みスキップ量)DLmkを加えた更新量を
もって点Eまで増量(スキップ)され、スキップ後のリ
ッチスキップ量RSRは所定期間一定を保つとともに、
点F以降、徐変増量(積分制御)される。
【0095】図9(c)は、上記態様で変更が行われる
リッチスキップ量RSRに対応する三元触媒内の酸素ス
トレージ量の変動の態様(実線)を、従来の制御に係る
もの(二点鎖線)と比較したものである。
【0096】同図に示すように、上記のような態様で、
リア酸素センサ11bのセンサ電圧VORに基づくサブ
フィードバック制御を行うことにより、本実施形態によ
れば、三元触媒内の酸素ストレージ量が上限値β或いは
下限値γ近傍に滞留する時間が短縮されるとともに、最
適量(領域)の中心近傍に収束する傾向が強まり、NO
x、CO及びHC等に対する三元触媒の浄化効率が一層
向上することとなる。
【0097】ここで、従来の制御装置にあっては、リア
酸素センサからのセンサ電圧に基づき例えば空燃比フィ
ードバック補正係数FAFのリッチスキップ量RSRに
ついて、スキップと徐変とを交互に繰り返させる制御を
行っていた。そのような制御態様では、酸素ストレージ
量が上限値若しくは下限値となった際、それらの値を中
心に向かって速やかに移行させることが困難であった。
【0098】この点本実施形態によれば、酸素ストレー
ジ量が上限値β若しくは下限値γに達すると、リッチス
キップ量RSRをその制御波形の中心近傍まで大きくス
キップさせることとなるため、これに従い酸素ストレー
ジ量も最適量(領域)の中心近傍まで速やかに移行し、
最適量における滞留時間も増す。
【0099】この結果、空燃比フィードバック制御によ
る空燃比の最適空燃比への収束性・安定性も増し、外乱
等による制御性の悪化も好適に抑制されることとなり、
ドライバビリティ及び排気特性の一層の向上が図られる
こととなる。
【0100】以上説明したように、本実施形態の空燃比
制御装置によれば、以下のような効果が奏せられること
となる。 (1)リア酸素センサからのセンサ電圧に基づく空燃比
サブフィードバック制御による三元触媒内の酸素ストレ
ージ量の最適量(領域)の中心への収束性が一層増す。 (2)酸素ストレージ量の最適量(領域)の中心への収
束に係るフィードバック制御に関して、外乱による影響
も受けにくくなる。 (3)ドライバビリティや排気特性の一層の向上が図ら
れる。
【0101】なお、本実施形態では、リッチスキップ量
RSRの更新量DLmkを所定量としており、この所定
量は、運転状態から一義的に算出されるようにマップ等
に予め記憶しておくか、定数として予め設定しておくこ
ととなる。
【0102】これに対し、図6に示した空燃比サブフィ
ードバック制御手順のうち、ステップ300とステップ
400との中間に、図10に示すステップPRE400
A及びステップPRE400Bを実行するように構成し
てもよい。
【0103】すなわち、図6に示す「空燃比サブフィー
ドバック制御ルーチン」のステップ300において空燃
比サブフィードバック制御の実行条件が成立したものと
判断すると、ECU30はその処理をステップPRE4
00A(図10)に移行する。
【0104】ステップPRE400Aにおいては、リッ
チスキップ量RSRの振幅を前回までの処理の履歴から
算出する。すなわち、空燃比サブフィードバック制御に
係るリッチスキップ量RSRの制御波形において、増量
のスキップ制御を行う直前のリッチスキップ量RSR
(最小値(例えば図9(b)における点H)と、減量の
スキップ制御を行う直前のリッチスキップ量RSR(最
大値(例えば図9(b)における点G)との偏差を所定
回数(例えば3回)分平均することにより、リッチスキ
ップ量RSRの制御波形の振幅とする。
【0105】続くステップPRE400Bにおいては、
見込みリッチスキップ量RSRmkの更新量DLmk
を、先のステップPRE400Aで求めたリッチスキッ
プ量RSRの振幅に基づき予め設定した一次元マップを
参照して算出する。
【0106】図11(a)は、同一次元マップ上におけ
るリッチスキップ量RSRと更新量DLmkとの関係
を、三元触媒の劣化傾向及び酸素ストレージ能力の低下
傾向と併せて示すものである。
【0107】同図11(a)に示すように、三元触媒2
0がその使用により劣化してくると、同触媒内に収容し
うる酸素量(飽和量)も低下していく傾向にある。この
結果として、空燃比サブフィードバック制御によるリッ
チスキップ量RSRの制御波形の振幅が小さくなってい
くことが発明者により確認されている(図11(b)を
あわせ参照)。
【0108】ここで、前述したように、上記実施形態に
おける空燃比サブフィードバック制御では、リッチスキ
ップ量RSRがスキップによって速やかに制御波形の中
心まで移行し、その値を維持することが好ましい。その
ためここでは、三元触媒20が劣化するにつれてリッチ
スキップ量RSRの振幅が小さくなっても、スキップ制
御後のリッチスキップ量RSRは常にその制御波形の中
心に位置するように、すなわち三元触媒20の劣化に伴
って更新量DLmkも徐々に小さくなるように上記一次
元マップを通じて予め設定しておく。
【0109】続くステップ400以降は、図6(詳しく
は図7及び図8)に示した「空燃比サブフィードバック
制御ルーチン」の各処理を行えばよい。上記のような構
成とすることにより、三元触媒20内の酸素ストレージ
量を最適量の中心に収束させる上記実施形態での制御に
係る信頼性が一層増すこととなる。とくに、三元触媒2
0の劣化等により空燃比サブフィードバック制御に係る
リッチスキップ量RSRの制御振幅がずれてしまうこと
があっても、リッチスキップ量RSRを確実に制御中心
に収束させることができるようになる。
【0110】また一方、これも図6に示した空燃比サブ
フィードバック制御手順のうち、ステップ300とステ
ップ400との中間に、図12に示す一連の処理手順、
ステップPRE400C、ステップPRE400D及び
ステップPRE400Eを実行するように構成してもよ
い。
【0111】すなわち、処理が「空燃比サブフィードバ
ック制御ルーチン」(図6)に移行し、ステップ300
において空燃比サブフィードバック制御の実行条件が成
立したものと判断すると、ECU30はその処理をステ
ップPRE400Cに移行する。
【0112】ステップPRE400Cにおいては、定常
度合い係数TEIJRの算出を行う。この定常度合い係
数TEIJRとは、吸気量Ga、スロットル開度TA、
エンジン回転数NEやフューエルカット実行の有無、燃
料噴射量の強制増量等各種運転状態パラメータに基づき
図示しない多次元マップ上で、運転状態がどの程度定常
状態に近いかを評価して数量化したものである。
【0113】ここでの例においてはこの定常度合い係数
TEIJRを0〜1の範囲で設定することとし、最も定
常な状態を「TEIJR=1」、もっとも過渡な状態を
「TEIJR=0」として評価する。
【0114】続くステップ400Dにおいては、リッチ
スキップ量RSRの更新なまし(徐変)係数NRSR
(但し、NRSR≧1)を先のステップPRE400C
で求めた定常度合い係数TEIJRに基づき図示しない
マップを参照して算出する。ちなみに同マップ上におい
て、定常度合い係数が大きいほどリッチスキップ量RS
Rの更新なまし係数NRSRは小さく設定される。
【0115】続くステップPRE400Eにおいては、
今回までのリッチスキップ量RSRの履歴から求めた平
均リッチスキップ量RSRAVと、リッチスキップ量R
SRの更新なまし係数とを用いて、以下の演算式(4)
に従ってリッチスキップ量RSRの中心(制御目標とす
る学習値)TRSRiを算出する。 TRSRi={RSRAV+(NRSRi-1−1)×TRSRi-1}/NRSR …(4) 但し、平均リッチスキップ量RSRAVは、リッチスキ
ップ量RSRの最大値と最小値とを所定回数分加算し、
これらを平均したものである。
【0116】続くステップPRE400Fにおいては、
見込みリッチスキップ量RSRmkiの今回の更新量D
Lmkを以下の演算式(5)に従って算出する。 |DLmk|=|RSRi-1−TRSRi|−|DLsfb|…(5) ただし、リッチスキップ量RSRが減量スキップを行う
際には更新量DLmkは負の値に、リッチスキップ量R
SRが増量スキップを行う際には更新量DLmkは正の
値に設定する。
【0117】続くステップ400以降は、図6(詳しく
は図7及び図8)に示した「空燃比サブフィードバック
制御ルーチン」における処理を行えばよい。上記のよう
な構成とすることによっても、三元触媒20内の酸素ス
トレージ量を最適量の中心に収束させる上記実施形態に
よる制御に係る信頼性が一層増すこととなる。そしてこ
の場合も、三元触媒20の劣化等により空燃比サブフィ
ードバック制御に係るリッチスキップ量RSRの制御振
幅がずれてしまうことがあっても、リッチスキップ量R
SRを確実に制御中心に収束させることができるように
なる。 (第2の実施形態)次に、本発明に係る空燃比制御装置
を具体化した第2の実施の形態について、第1の実施の
形態と異なる点を中心に説明する。
【0118】該第2の実施の形態の装置も、同じく自動
車のエンジンシステムに適用され、空燃比フィードバッ
ク制御により燃料噴射量(時間)の補正を行うものであ
る。また、同第2の実施の形態の装置にあっても、適用
対象とする自動車のエンジンシステムの構成(図1)、
ECU(電子制御装置)30及びその周辺の電気的構成
(図2)は先の第1の実施形態の装置と同様であり、そ
れら構成に関するここでの重複する説明は割愛する。
【0119】さて、本実施形態の空燃比制御装置にあっ
ても、先の第1の実施の形態と同様、三元触媒内の酸素
ストレージ量を好適な範囲に保持べく、リア酸素センサ
11bのセンサ電圧VORに応じて空燃比フィードバッ
ク補正係数FAFの変更に係るフィードバック制御を実
行する。
【0120】図13(a)〜(e)には、本実施形態に
係るリア酸素センサ11bのセンサ電圧VOR(図13
(a))、空燃比フィードバック補正係数FAFの更新
に係るリッチスキップ量RSR(図13(b))、セン
サ電圧VORの変動に応じて変更される空燃比フィード
バック補正係数FAFの制御波形(図13(c)及び
(d))、及び三元触媒20内の酸素ストレージ量(図
13(e))の一変化態様例を示す。なお、図13
(a)、(b)及び(e)は、同一時間軸上に示すタイ
ムチャートである。
【0121】図13(a)及び(b)に示すように、リ
ア酸素センサ11bのセンサ電圧VORに応じて空燃比
フィードバック補正係数FAFの更新に係るリッチスキ
ップ量RSRが空燃比サブフィードバック制御され、ス
キップ制御と積分制御とが繰り返されることは、先の図
17(c)及び(d)において説明した通りである。た
だし、本実施形態においては、図13(a)における点
G及び点Iのように、センサ電圧VORがリーン(VO
R≦基準電圧KOXRS)からリッチ(VOR>基準電
圧KOXRS)に移行する際にはリーンホールド条件フ
ラグXHLDLが「ON」に設定され、同図における点
Hに示すように、センサ電圧VORがリッチからリーン
に移行する際にはリッチホールド条件フラグXHLDR
が「ON」に設定される。
【0122】そして、図13(c)に示すように、例え
ばリーンホールド条件フラグXHLDLが「ON」に設
定されると、空燃比フィードバック補正係数FAFがリ
ーンスキップを行う際、通常のリーンスキップ量RSL
に加え見込みリーンスキップ量RSLmkを加算した更
新量をもってスキップ制御を実行するとともに、次回の
スキップタイミングまでは、一定の値を保持する。一
方、図13(d)に示すように、リッチホールド条件フ
ラグXHLDRが「ON」に設定されると、空燃比フィ
ードバック補正係数FAFがリッチスキップを行う際、
通常のリッチスキップ量RSRに加え見込みリッチスキ
ップ量RSRmkを加算した更新量をもってスキップ制
御を実行するとともに、次回のスキップタイミングまで
は、一定の値を保持する。
【0123】図13(e)は、本実施形態における空燃
比フィードバック制御及び空燃比サブフィードバック制
御を行った場合の酸素ストレージ量(実線)と、リア酸
素センサからの信号に基づく従来の制御を行った場合の
酸素ストレージ量(破線)の変化態様を比較して示すも
のである。
【0124】同図に示すように、本実施形態における空
燃比フィードバック制御及び空燃比サブフィードバック
制御によると、三元触媒が有効に排気を浄化しうる酸素
ストレージ量の許容範囲の上限βや下限γに達すると、
酸素ストレージ量を速やかに最適量の中心に向かって移
行させる作用がさらに向上するようになる。
【0125】以下、本実施形態の空燃比制御装置が実行
する空燃比フィードバック制御及び空燃比サブフィード
バック制御の詳細について説明する。本実施形態に係る
空燃比フィードバック制御の処理内容は、先の第1の実
施形態における「空燃比フィードバック制御ルーチン」
(図4及び図5)のうち、ステップ220〜ステップ2
27に係る一連の処理手順を、図14及び図15に示す
サブルーチン600で置き換えたものである。
【0126】すなわち、「空燃比フィードバック制御ル
ーチン」(図4及び図5)において、ステップ207又
はステップ217でのに処理を経た後、ECU30はそ
の処理をサブルーチン600(図14)に移行する。
【0127】本サブルーチン600において、先ずステ
ップ601では、空燃比フィードバック制御を実行する
ための上記諸条件(a1)〜(a5)が満たされている
か否かを判断する。
【0128】そして、同諸条件(a1)〜(a5)が全
て満たされているときには、現在の運転状態が空燃比フ
ィードバック制御を行うための条件に適合していると判
断して、処理をステップ602に移行する。一方上記諸
条件(a1)〜(a5)のうち1つでも満たされていな
いものがあれば、本サブルーチンを一旦抜ける。
【0129】ステップ602においては、スキップタイ
ミングフラグXOXINVが現在「ON」に設定されて
いるか否かを判断する。そして、その判断が否定であれ
ば処理をステップ604に移行し、その判断が肯定であ
れば処理をステップ605に移行する。
【0130】ステップ605においては、空燃比フィー
ドバック補正係数FAFを所定の積分定数KiR分増量
させる積分制御を実行する。また、ステップ606にお
いては、空燃比フィードバック補正係数FAFを所定の
積分定数KiL分減量させる積分制御を実行する。
【0131】そして、上記ステップ605又はステップ
606のうち何れかの処理を経た後は、処理をステップ
631(図15)に移行する。一方、上記ステップ60
2での判断が肯定であり、その処理をステップ603に
移行した場合、同ステップ603においては、リッチ判
定フラグXOXRが現在「OFF」に設定解除されてい
るか否かを判断する。そしてその判断が否定であれば現
在の空燃比A/Fはリッチであるとみなして処理をステ
ップ610に移行し、その判断が肯定であれば現在の空
燃比A/Fはリーンであるとみなして処理をステップ6
20に移行する。
【0132】ステップ610においては、後述する「空
燃比サブフィードバック制御ルーチン」(図16)で適
宜更新されるリーンスキップ量RSLを前回算出した基
本空燃比フィードバック補正係数FAFbsi-1から減
算することにより、今回の基本空燃比フィードバック補
正係数FAFbsiとする。
【0133】続くステップ611においては、リッチホ
ールド条件フラグXHDRを「OFF」に解除する。さ
らに続くステップ612においては、リーンホールド条
件フラグXHDLが現在「ON」に設定されているか否
かを判断する。そしてその判断が肯定であれば処理をス
テップ613に移行し、その判断が否定であれば処理を
ステップ630に移行する。
【0134】ステップ613においては、今回算出した
基本空燃比フィードバック補正係数FAFbsから所定
値dを減算し、今回の見込み空燃比フィードバック補正
係数FAFmkとする。ちなみに、この所定値dを大き
く設定するほど先の図13(e)で説明した上限値β側
から下限値γ側に向かって触媒中の酸素ストレージ量を
速やかに移行させる効果が高まる。
【0135】一方ステップ630においては、今回算出
した基本空燃比フィードバック補正係数FAFbsiを
今回の見込み空燃比フィードバック補正係数FAFmk
とする。
【0136】他方、先のステップ603における判断が
肯定で、処理をステップ620に移行した場合、同ステ
ップ620においては、「空燃比サブフィードバック制
御ルーチン」(図16)で適宜更新されるリッチスキッ
プ量RSRを前回算出した基本空燃比フィードバック補
正係数FAFbsi-1に加算することにより、今回の基
本空燃比フィードバック補正係数FAFbsiとする。
【0137】続くステップ621においては、リーンホ
ールド条件フラグXHDLを「OFF」に解除する。さ
らに続くステップ622においては、リッチホールド条
件フラグXHDRが現在「ON」に設定されているか否
かを判断する。そしてその判断が肯定であれば処理をス
テップ623に移行し、その判断が否定であれば処理を
ステップ630に移行する。
【0138】ステップ623においては、今回算出した
基本空燃比フィードバック補正係数FAFbsから所定
値d’を減算し、今回の見込み空燃比フィードバック補
正係数FAFmkとする。ちなみに、この所定値d’を
大きく設定するほど先の図13(e)で説明した下限値
γ側から上限値βに向かって触媒中の酸素ストレージ量
を速やかに移行させる効果が高まる。
【0139】前述したように、ステップ630において
は今回算出した基本空燃比フィードバック補正係数FA
Fbsiを今回の見込み空燃比フィードバック補正係数
FAFmkとする。
【0140】上記ステップ613、623、630のう
ち何れかを経た後は、処理をステップ631(図15)
に移行する。ステップ631においては、リッチ判定フ
ラグXOXRが「ON」に設定されているか否かを判断
する。そしてその判断が肯定であれば処理をステップ6
32に移行し、その判断が否定であれば処理をステップ
633に移行する。
【0141】ステップ632においては今回算出した基
本空燃比フィードバック補正係数FAFbsiが見込み
空燃比フィードバック補正係数FAFmkを上回ってい
るか否かを判断する。そしてその判断が肯定であれば処
理をステップ634に移行し、その判断が否定であれば
処理をステップ635に移行する。
【0142】一方ステップ633においては、今回算出
した基本空燃比フィードバック補正係数FAFbsiが
見込み空燃比フィードバック補正係数FAFmkを下回
っているか否かを判断する。そしてその判断が肯定であ
れば処理をステップ634に移行し、その判断が否定で
あれば処理をステップ635に移行する。
【0143】ステップ634においては見込み空燃比フ
ィードバック補正係数FAFmkを今回の空燃比フィー
ドバック補正係数FAFとして採用する。一方、ステッ
プ635においては、基本空燃比フィードバック補正係
数FAFbsiを今回の空燃比フィードバック補正係数
FAFとして採用する。そしてステップ634及びステ
ップ635のうち何れかを経た後は、処理をステップ6
36に移行する。同ステップ636においては、スキッ
プタイミングフラグXOXINVを「OFF」に解除す
る。
【0144】そしてECU30は、その後の処理を一旦
終了する。ECU30は、以上説明した「空燃比フィー
ドバック制御ルーチン」に基づき空燃比フィードバック
補正係数FAFを算出する。この空燃比フィードバック
補正係数は先の第1の実施形態と同様「燃料噴射制御ル
ーチン」(図3)において、基本燃料噴射時間TAUb
sの一補正係数として用いられることとなる。
【0145】次に、上記「空燃比フィードバック制御ル
ーチン」において、ステップ217で用いることとした
リッチスキップ量RSRを、三元触媒20下流のリア酸
素センサ11bからの検出信号に基づいて適宜変更する
ために行う「空燃比サブフィードバック制御ルーチン」
について説明する。
【0146】図16には、ECU30により所定時間毎
に周期的に実行される「サブフィードバック制御ルーチ
ン」の処理手順の概略を示す。ECU30のROM31
bは以下のルーチンに関するプログラムを予め記憶す
る。
【0147】処理が本ルーチンに移行すると、ECU3
0は先ずステップ701において、現在の運転状態が空
燃比サブフィードバック制御を実行するための諸条件を
全て満たしているか否かを判断する。当該諸条件は、先
の第1の実施形態における「空燃比サブフィードバック
制御ルーチン」で説明した空燃比サブフィードバック制
御の適合条件と同一のものである。そしてECU30
は、当該空燃比サブフィードバック制御の実行条件を満
たしている場合には処理をステップ702に移行し、同
条件を満たしていなければ、ステップ703においてリ
ーンホールド条件フラグXHLDLを「ON」に設定す
ると伴にリッチホールド条件フラグXHLRを「OF
F」に設定解除し、本ルーチンを一旦抜ける。
【0148】ステップ702においては、リア酸素セン
サ11bのセンサ電圧VORiが基準電圧KOXR以上
であるか否かを判断する。そしてその判断が肯定であれ
ば処理をステップ704に移行し、その判断が否定であ
れば処理をステップ705に移行する。
【0149】ステップ704においては、前回読み込ま
れたリア酸素センサ11bからのセンサ電圧VORi-1
が基準電圧KOXRを下回っていたか否かを判断する。
そして、その判断が肯定であれば処理をステップ706
に移行し、その判断が否定であればステップ707に移
行する。
【0150】一方、ステップ705においては、前回読
み込まれたリア酸素センサ11bからのセンサ電圧VO
Ri-1が基準電圧KOXRを上回っていたか否かを判断
する。そして、その判断が肯定であれば処理をステップ
708に移行し、その判断が否定であれば処理をステッ
プ709に移行する。
【0151】ステップ706、707、708及び70
9においては、上記ステップ702、704及び705
における判断に基づき、それぞれリッチスキップ量RS
Rの今回の更新量DLsfbを決定する。すなわち、ス
テップ706では、更新量DLsfbをリッチスキップ
量RSRの減量に係る比例定数−f(但し、f>0)と
して、処理をステップ710に移行する。また、ステッ
プ707では、更新量DLsfbをリッチスキップ量R
SRの減量に係る積分定数−e(但し、f≫e>0)と
して、処理をステップ712に移行する。また、ステッ
プ708では、更新量DLsfbをリッチスキップ量R
SRの増量に係る比例定数f’(但し、f’>0)とし
て、処理をステップ711に移行する。また、ステップ
709では、更新量DLsfbをリッチスキップ量RS
Rの増量に係る積分定数−e’(但し、f’≫e’>
0)として、処理をステップ712に移行する。
【0152】ステップ710においては、ステップ70
2及びステップ704における判断から、前回から今回
にかけて空燃比A/Fがリーン側からリッチ側へ移行し
たものと認識して、リーンホールド条件フラグXHLD
Lを「ON」に設定すると伴にリッチホールド条件フラ
グXHLDRを「OFF」に設定解除した後、処理をス
テップ712に移行する。
【0153】また、ステップ711においては、これも
同様にステップ702及びステップ705における判断
から、前回から今回にかけて空燃比A/Fがリッチ側か
らリーン側へ移行したものと認識して、リッチホールド
条件フラグXHDL(図13(a)〜(c)参照)を
「ON」に設定すると伴にリーンホールド条件フラグX
HLDLを「OFF」に設定解除した後、処理をステッ
プ712に移行する。
【0154】ステップ712においては、現在設定され
ているリッチスキップ量RSRに更新量DLsfbを加
算し、これを最新のリッチスキップ量RSRとして再設
定する。さらに、リッチスキップ量RSR及びリーンス
キップ量RSLの総量として予め設定しておくスキップ
総量RSadd(例えば10%)から今回再設定したリ
ッチスキップ量RSRを減算し、これを最新のリーンス
キップ量とする。
【0155】そしてECU30は、その後の処理を一旦
終了する。ここで、従来の空燃比サブフィードバック制
御では、リア酸素センサからのセンサ電圧に基づき例え
ば空燃比フィードバック補正係数FAFのリッチスキッ
プ量RSRについて、スキップと徐変とを交互に繰り返
させるにすぎないため、酸素ストレージ量が触媒ウイン
ドの上限値若しくは下限値となった際、それらの値を同
触媒ウインドの中心に向かって速やかに移行させること
が困難であった。
【0156】この点本実施形態に係る空燃比制御装置に
あっては、酸素ストレージ量が触媒ウインドの上限値若
しくは下限値となった際には、スキップ後、通常の空燃
比フィードバック補正係数FAFに所定の増量分d又は
d’を加味し、これを次回のスキップタイミングまで保
持(ホールド)することにより、触媒内の酸素ストレー
ジ量を上限値β及び下限値γの中心に向かって速やかに
移行させることとしている。このため、三元触媒内の酸
素ストレージ量が触媒ウインドの上限値β或いは下限値
γ近傍に滞留する時間が短縮されるとともに、同ウイン
ドの中心近傍に収束する傾向が強まり、NOx、CO及
びHC等に対する三元触媒の浄化効率が一層向上するこ
ととなる。
【0157】そしてこの結果、先の第1の実施形態と同
様空燃比フィードバック制御による空燃比の最適空燃比
への収束性・安定性も増し、ドライバビリティ及び排気
特性の一層の向上が図られることとなる。
【0158】以上説明したように、本実施形態の空燃比
制御装置によれば、以下のような効果が奏せられること
となる。 (1)リア酸素センサからのセンサ電圧に基づく空燃比
サブフィードバック制御による三元触媒内の酸素ストレ
ージ量の触媒ウインド中心への収束性が一層増す。 (2)ドライバビリティや排気特性の一層の向上が図ら
れる。
【0159】なお、本実施形態では、リア酸素センサ1
1bのセンサ電圧VORに基づいて例えば図13(b)
に示した制御波形をもってリッチスキップ量RSRの変
更を行いつつ、センサ電圧VORがリッチとリーンとの
間で反転したときには、リッチスキップ後、或いはリー
ンスキップ後に所定時間空燃比フィードバック補正係数
FAFを保持する制御を行うこととした。これに対し、
リッチスキップ量RSRの変更に係る制御波形は、上記
第1の実施形態で採用したもの(例えば図9(b)参
照)を用いて行ってもよい。また、リッチスキップ量R
SRの変更は行わずに、スキップ制御後、空燃比フィー
ドバック補正係数FAFを所定時間保持する制御のみを
行っても、本実施形態と同様の効果を奏することはでき
る。
【0160】さらに、本実施形態では、リッチスキップ
後、或いはリーンスキップ後に所定時間空燃比フィード
バック補正係数FAFを保持する場合には、スキップ制
御に係るスキップの量を増大させることとした。これに
対し、スキップの量については変更を行わないか、或い
はスキップの量は減少させることとしてもよい。
【0161】さらに、センサ電圧VORがリッチからリ
ーンに反転したときのみ、或いはリーンからリッチに反
転したときのみ、スキップ後、所定時間空燃比フィード
バック補正係数FAFを保持する制御を行うこととして
もよい。
【0162】また、上記第1の実施形態において学習す
ることとしたリッチスキップ量RSRの制御波形の中
心、或いは上記第2の実施形態において用いることとし
た所定値d,d’の最適値は、三元触媒20の劣化度合
いや吸気量Ga等の運転状態に基づいて算出又は学習す
ることが好適であるが、その算出や学習にあたり、補足
的に他のパラメータを用いることもでき、更にその算出
に係る演算の態様も多々の関数やマップを適用すること
ができる。さらに第2の実施形態で採用したホールド制
御を用いる代わりに、遅延処理値TDR或いはTDLを
変更することによっても同第2の実施形態とほぼ同様の
効果を得ることができる。要は、触媒内の酸素ストレー
ジ量が上限値βや下限値γ近傍に達したときに、リッチ
側(増量)、或いはリーン側(減量)に係る空燃比フィ
ードバック補正係数FAFの時間積分量を一時的に増減
する制御を行えばよい。
【0163】また、上記第1及び第2の実施形態におい
て、リア酸素センサ11bのセンサ電圧VORに基づき
空燃比サブフィードバック制御を行う際、空燃比フィー
ドバック補正係数FAFの変更に係るリッチスキップ量
RSRを特定の制御波形(例えば図9(b)参照)をも
って変更し、このリッチスキップ量RSRの変更に応じ
てリーンスキップ量RSLも変更することとしたが、こ
れとは逆に、リーンスキップ量を特定の制御波形をもっ
て変更し、このリーンスキップ量RSLの変更に応じて
リッチスキップ量RSRを変更することとしてもよい。
【0164】さらに、リッチスキップ量RSR又はリー
ンスキップ量RSLのうち、何れか一方のみを空燃比サ
ブフィードバック制御により変更し、他方は不変として
もよい。
【0165】また、とくに前記第1の実施形態に関し
て、そのリア酸素センサ11bのセンサ電圧VORに基
づき求める制御量(第1の実施形態ではリッチスキップ
量RSR)の用途は任意であり、その他の補正量、例え
ば空燃比フィードバック補正係数FAFの積分制御に係
る積分定数KiR、KiLの補正量として用いることも
できる。また、例えばフロント酸素センサとして気体中
の酸素濃度の変化に対してリニアな出力電圧を出力す
る、いわゆるリニア空燃比センサを用いる場合には、そ
の出力電圧若しくは関連値を補正する値として同制御量
(リッチスキップ量RSR)を用いることもできる。
【0166】また、リア酸素センサのみのセンサ電圧に
基づいて空燃比フィードバック制御を行うこととし、そ
の制御波形として上記第1の実施形態で用いたリッチス
キップ量RSRの波形を適用することとしてもよい。
【0167】さらに、上記第1の実施形態で用いたリッ
チスキップ量RSRの波形(図9(b)参照)のうち、
例えば区間B−Cや区間E−Fのようにリッチスキップ
量RSRが所定値を保持する区間において、同リッチス
キップ量を微小な変化率をもて増加或いは減少させる構
成としてもよい。ちなみにこのような構成で制御を行う
ためには、例えば、図7において示したサブルーチン4
00で、それぞれステップ404及びステップ406の
後に、見込みリッチスキップ量RSRmkに対して微小
量を加算または減算する処理を設定すればよい。
【0168】
【発明の効果】請求項1又は2に記載した発明によれ
ば、触媒下流での排気空燃比におけるリッチとリーンと
の間の反転時に、排気空燃比を触媒ウインド上下限から
その中心近傍に向かって速やかに移行させることができ
るとともに、中心近傍での滞留時間も増す。これによ
り、機関の排気特性が向上するばかりでなく、フィード
バック制御に係る制御周波数も増大し、ドライバビリテ
ィの向上も図られる。さらに、空燃比補正量、すなわち
制御量の制御中心への収束性が高まり制御振幅も縮小さ
れるため、機関の運転状態が過渡状態にある場合でも外
乱によって制御性が悪化することを好適に抑制すること
ができるようになる。
【0169】請求項3〜5何れかに記載した発明によれ
ば、触媒の劣化、機関の運転状態、機関の経年変化等に
より空燃比補正量の制御振幅が変わってしまった場合で
あれ、上記所定値を変更することで、空燃比補正量をス
キップ制御によって確実に制御中心に移行させることが
できる。よって、触媒の劣化等による、空燃比の補正量
の制御中心への収束性低下を好適に抑制することができ
るようになる。
【0170】請求項6に記載した発明によれば、排気空
燃比におけるリッチとリーンとの間の反転時には、触媒
内の酸素ストレージ量が、排気浄化用触煤による浄化能
力を保持することのできる上下限付近に滞留している。
そこでこのとき、積分制御に係る空燃比補正量の時間積
分量を増減することにより、酸素ストレージ量を当該上
下限値からその中心近傍に向かって速やかに移行させる
ことができるようになり、触媒内の酸素ストレージ量が
触媒ウインド内に好適に保持されるようになる。
【0171】請求項7〜9何れか記載の発明によれば、
排気空燃比を触媒ウインド上下限からその中心近傍に向
かって移行させる上記請求項6記載の発明による効果が
一層強化されるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る空燃比制御装置の第1の実施形態
を示す概略構成図。
【図2】同実施形態に採用されるECUの電気的構成を
示すブロック図。
【図3】燃料噴射制御手順を示すフローチャート。
【図4】同第1の実施形態の空燃比フィードバック制御
手順を示すフローチャート。
【図5】同第1の実施形態の空燃比フィードバック制御
手順を示すフローチャート。
【図6】同第1の実施形態の空燃比サブフィードバック
制御手順を示すフローチャート。
【図7】同第1の実施形態の基本リッチスキップ量及び
見込みリッチスキップ量の算出手順を示すフローチャー
ト。
【図8】同第1の実施形態のリッチスキップ量の決定に
係る手順を示すフローチャート。
【図9】同第1の実施形態による空燃比制御態様を示す
タイムチャート。
【図10】第1の実施形態に係る空燃比サブフィードバ
ック制御の他の制御手順を示すフローチャート。
【図11】該他の制御手順でのリッチスキップ量の振幅
及び最適な見込みリッチスキップ量の更新量の関係を示
す表等。
【図12】第1の実施形態に係る空燃比サブフィードバ
ック制御のさらに他の制御手順を示すフローチャート。
【図13】本発明に係る空燃比制御装置の第2の実施形
態についてその制御態様を示すタイムチャート。
【図14】同第2の実施形態の空燃比フィードバック制
御手順についてその一部を示すフローチャート。
【図15】同第2の実施形態の空燃比フィードバック制
御手順についてその一部を示すフローチャート。
【図16】同第2の実施形態の空燃比サブフィードバッ
ク制御手順を示すフローチャート。
【図17】従来の制御装置の空燃比フィードバック及び
サブフィードバック態様を示すタイムチャート。
【図18】従来の装置の空燃比制御態様を示すタイムチ
ャート。
【符号の説明】
1…エンジン、2…吸気系、3…燃焼室、4…排気系、
5…スロットルバルブ、6…サージタンク、7…吸気量
センサ、8…スロットルポジションセンサ(開度セン
サ)、9…吸気温センサ、10…燃料噴射弁、11a…
フロント酸素センサ、11b…リア酸素センサ、12…
イグナイタ、13…ディストリビュータ、14…点火プ
ラグ、15…回転数センサ、 16…気筒判別センサ、
17…水温センサ、20…三元触媒、30…ECU(電
子制御装置、31…マイクロコンピュータ、31a…C
PU、31b…ROM、31c…RAM、31d…バッ
クアップRAM、34…A/D変換回路、35…駆動回
路。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G05B 13/02 G05B 13/02 A Fターム(参考) 3G301 HA01 JA03 JA11 JA15 JA20 JA21 JB09 LB02 MA01 MA11 NA01 NA03 NA04 NA05 NA06 NA08 NB02 NB06 NC02 ND01 ND02 ND05 ND13 ND25 ND42 NE01 NE03 NE06 NE08 NE13 NE15 NE16 NE17 NE19 NE21 NE23 PA01Z PD00Z PD09A PD09Z PE01Z PE03Z PE08Z 5H004 GA02 GA08 GB12 HA13 HB01 HB04 HB07 HB08 JB07 KA54 KA69 KB05 KD70 LB05 LB09

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】内燃機関の排気系に備えられる排気浄化用
    触媒下流に設けられて当該内燃機関の排気空燃比を検出
    する空燃比センサを有し、その検出される排気空燃比が
    リッチとリーンとの間で反転したときにスキップ制御さ
    れるとともに、その後積分制御されて更新される制御量
    に基づいて内燃機関に供給される混合気の空燃比をフィ
    ードバック制御する内燃機関の空燃比制御装置におい
    て、 前記スキップ制御に際し、そのスキップ量を所定量増大
    させるとともに、前記積分制御により算出される制御量
    が該増大したスキップ量をもって更新された制御量にな
    るまでは、同増大したスキップ量をもって更新された制
    御量に基づき前記空燃比を補正する補正手段を備えるこ
    とを特徴とする内燃機関の空燃比制御装置。
  2. 【請求項2】請求項1記載の内燃機関の空燃比制御装置
    において、 前記排気浄化用触媒の上流に設けられて当該内燃機関の
    排気空燃比を検出するフロント空燃比センサと、該フロ
    ント空燃比センサにより検出される排気空燃比がリッチ
    とリーンとの間で反転したときにスキップ制御されると
    ともにその後積分制御されて更新される空燃比補正量に
    基づき前記空燃比をフィードバック制御するフィードバ
    ック制御手段とを更に備え、 前記補正手段は、前記フィードバック制御手段の前記空
    燃比補正量を前記制御量に基づき補正することを特徴と
    する内燃機関の空燃比制御装置。
  3. 【請求項3】請求項1または2記載の内燃機関の空燃比
    制御装置において、 前記所定量増大させるスキップ量を、前記更新される制
    御量が同制御量の制御中心となるように変更する変更手
    段を更に備えることを特徴とする内燃機関の空燃比制御
    装置。
  4. 【請求項4】前記変更手段は、前記排気浄化用触媒の劣
    化度合いに応じて前記所定量増大させるスキップ量を可
    変とするものである請求項3記載の内燃機関の空燃比制
    御装置。
  5. 【請求項5】前記変更手段は、前記制御量の制御中心を
    学習しつつその学習値を目標値として前記所定量増大さ
    せるスキップ量を変更するものである請求項3記載の内
    燃機関の空燃比制御装置。
  6. 【請求項6】内燃機関の排気系に備えられる排気浄化用
    触媒上流に設けられて当該内燃機関の排気空燃比を検出
    するフロント空燃比センサと、 同排気浄化用触媒下流に設けられて同内燃機関の排気空
    燃比を検出するリア空燃比センサと、 前記フロント空燃比センサにより検出される排気空燃比
    がリッチとリーンとの間で反転したときにスキップ制御
    されるとともにその後積分制御されて更新される空燃比
    補正量に基づき内燃機関に供給される混合気の空燃比を
    フィードバック制御するフィードバック制御手段と、 前記リア空燃比センサにより検出される排気空燃比のリ
    ッチからリーンへの反転若しくはリーンからリッチへの
    反転に基づき前記触媒中の酸素ストレージ量がその上限
    値及び下限値の中心に近づくように前記フロント空燃比
    センサにより検出される排気空燃比に基づく積分制御中
    の前記空燃比補正量の時間積分量を変更させるべく同空
    燃比補正量をさらにフィードバック制御するサブフィー
    ドバック制御手段と、 を備える内燃機関の空燃比制御装置。
  7. 【請求項7】請求項6記載の内燃機関の空燃比制御装置
    において、 前記サブフィードバック制御手段は、前記リア空燃比セ
    ンサにより検出される排気空燃比のリッチからリーンへ
    の反転に基づき、前記フロント空燃比センサにより検出
    される排気空燃比のリッチからリーンへの反転時にスキ
    ップ制御される前記空燃比補正量を、同フロント空燃比
    センサにより検出される排気空燃比の次のリーンからリ
    ッチへの反転時期まで一定に保持する処理、及び前記リ
    ア空燃比センサにより検出される排気空燃比のリーンか
    らリッチへの反転に基づき前記フロント空燃比センサに
    より検出される排気空燃比のリーンからリッチへの反転
    時にスキップ制御される前記空燃比補正量を同フロント
    空燃比センサにより検出される排気空燃比の次のリッチ
    からリーンへの反転時期まで一定に保持する処理、の少
    なくとも一方を実行して同空燃比補正量をフィードバッ
    ク制御することを特徴とする内燃機関の空燃比制御装
    置。
  8. 【請求項8】請求項7記載の内燃機関の空燃比制御装置
    において、 前記サブフィードバック制御手段は、前記スキップ制御
    に伴って一定に保持する前記空燃比補正量のスキップ量
    を増量若しくは減量補正することを特徴とする内燃機関
    の空燃比制御装置。
  9. 【請求項9】請求項6記載の内燃機関の空燃比制御装置
    において、 前記サブフィードバック制御手段は、前記リア空燃比セ
    ンサにより検出される排気空燃比のリッチからリーンへ
    の反転に基づき、前記フロント空燃比センサにより検出
    される排気空燃比のリーンからリッチへの反転に基づき
    実行される前記空燃比補正量のスキップ制御時期を遅延
    させる処理、及び前記リア空燃比センサにより検出され
    る排気空燃比のリーンからリッチへの反転に基づき前記
    フロント空燃比センサにより検出される排気空燃比のリ
    ッチからリーンへの反転に基づき実行される前記空燃比
    補正量のスキップ制御時期を遅延させる処理、の少なく
    とも一方を実行して同空燃比補正量をフィードバック制
    御することを特徴とする内燃機関の空燃比制御装置。
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