JP2000096446A - 繊維加工剤および繊維加工方法 - Google Patents

繊維加工剤および繊維加工方法

Info

Publication number
JP2000096446A
JP2000096446A JP10264432A JP26443298A JP2000096446A JP 2000096446 A JP2000096446 A JP 2000096446A JP 10264432 A JP10264432 A JP 10264432A JP 26443298 A JP26443298 A JP 26443298A JP 2000096446 A JP2000096446 A JP 2000096446A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
fiber
weight
chitosan
acetic acid
fiber processing
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP10264432A
Other languages
English (en)
Inventor
Hirokazu Funai
宏員 船井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
NIPPON FULL FASHION KOGYO KK
Original Assignee
NIPPON FULL FASHION KOGYO KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by NIPPON FULL FASHION KOGYO KK filed Critical NIPPON FULL FASHION KOGYO KK
Priority to JP10264432A priority Critical patent/JP2000096446A/ja
Publication of JP2000096446A publication Critical patent/JP2000096446A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Treatments For Attaching Organic Compounds To Fibrous Goods (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 抗菌性および耐洗濯性に優れる繊維加工剤、
およびその繊維加工剤を使用する繊維加工方法を提供す
ること。 【解決手段】 繊維加工剤中に、木酢酸およびキトサン
を含み、その木酢酸およびキトサンの配合割合を、木酢
酸100重量部に対してキトサンを20重量部以上とす
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、繊維加工剤および
繊維加工方法、詳しくは、衣料用繊維を加工するために
好適に使用することができる繊維加工剤および繊維加工
方法に関する。
【0002】
【従来の技術】木材が炭化していく過程において、その
炭化していく木材から発生する成分を補集することによ
って得られる木酢酸は、殺菌・抗菌作用や脱臭・消臭作
用があることが知られており、殺菌・抗菌剤として、あ
るいは、脱臭・消臭剤としての使用が期待されている。
【0003】そのため、例えば、特開平7−30527
1号公報には、木酢を吸収させた高吸水性複合不織布を
キトサン・コラーゲン混合液で処理することにより、殺
菌性が高められた農林食品分野向けの不織布が得られる
ことが記載されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、木酢を単に不
織布に吸収させるのみでは、例えば、衣料用繊維など、
使用される毎に洗濯が行なわれるような繊維において
は、たとえ、特開平7−305271号公報に記載され
るように、木酢酸を不織布に吸収させた後にキトサン・
コラーゲン混合液による処理を行なっても、その洗濯に
よって、木酢酸の有する抗菌作用などが直ちに消失して
しまうという不具合がある。
【0005】一方、例えば、ウレタンバインダなどのバ
インダを木酢酸に含有させて繊維の加工処理を行なえ
ば、多少の洗濯によっては、その木酢酸の有する作用を
維持することができるが、実際に使用するように何度も
洗濯を行なうと、やはり木酢酸の有する作用は消失して
しまうという不具合がある。
【0006】とりわけ、下着や靴下など肌に直接触れる
衣類に使用される繊維では、特に抗菌性が要求されると
ともに、それに加えて、白物が多く着色のない繊維加工
剤が要求されている。
【0007】本発明は、上記した不具合に鑑みなされた
もので、その目的とするところは、抗菌性および耐洗濯
性に優れる繊維加工剤、およびその繊維加工剤を使用す
る繊維加工方法を提供しようとするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の繊維加工剤は、木酢酸およびキトサンを含
み、その木酢酸およびキトサンの配合割合が、木酢酸1
00重量部に対してキトサンが20重量部以上であるこ
とを特徴としている。
【0009】また、木酢酸中の有機成分濃度が5〜30
重量%であることが好ましく、さらに、この繊維加工剤
のpHが5.5〜7.5の範囲にあることが好ましい。
そして、このような繊維加工剤は、肌に直接触れる衣類
に使用される繊維を加工するために、好適に使用するこ
とができる。
【0010】また、本発明の繊維加工方法は、木酢酸お
よびキトサンを、木酢酸100重量部に対してキトサン
が20重量部以上の割合で配合している繊維加工剤を使
用して、繊維を加工することを特徴としている。
【0011】この繊維加工方法は、繊維加工剤が含有さ
れる浸漬液に繊維を浸漬する工程を含み、この浸漬工程
において、前記浸漬液に、さらに水系ウレタンバインダ
を含有させることが好ましく、また、繊維をパディング
する工程を含み、このパディング工程において、水系ウ
レタンバインダを繊維に含浸させることが好ましく、さ
らに、繊維加工剤を硬化させる工程を含み、この硬化工
程の直後に、繊維を冷却するための冷却工程を含むこと
が好ましい。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明の繊維加工剤は、木酢酸お
よびキトサンを含み、その木酢酸およびキトサンの配合
割合が、木酢酸100重量部に対してキトサンが20重
量部以上の割合である。
【0013】本発明に使用される木酢酸は、木材が炭化
していく過程において、その炭化していく木材から発生
する成分を補集して、これを冷却することなどによって
液体とし、その液体からタール分などを除去することに
より得ることができる。このような木酢酸は、木材の乾
留により得られる乾留木酢液と、炭焼きによって発生す
る煙から得られる炭窯木酢液とに大別される。
【0014】また、このような木酢酸の成分は、その原
料とされる木材の種類や製造方法によって異なるが、例
えば、水分が70〜95重量%、好ましくは75〜90
重量%、有機成分が5〜30重量%、好ましくは10〜
25重量%である。有機成分が5重量%より少ないと、
抗菌性が低下する場合があり、一方、30重量%より多
いと、着色する場合がある。
【0015】そして、その有機成分は、例えば、乾留木
酢液では、アルコール成分10〜15重量%、フェノー
ル成分5〜25重量%、中性成分20〜30重量%、酸
性成分30〜65重量%であり、炭窯木酢液では、アル
コール成分1〜10重量%、フェノール成分1〜10重
量%、中性成分1〜10重量%、酸性成分70〜93重
量%である。本発明においては、特に限定されることな
くいずれの木酢酸をも使用することができるが、なかで
も、酸性成分の多い炭窯木酢液が好ましく、その成分と
して、水分が75〜85重量%、有機成分が15〜25
重量%であり、有機成分が、アルコール成分6〜7重量
%、フェノール成分2〜3重量%、中性成分6〜7重量
%、酸性成分83〜86重量%であるものが好ましい。
【0016】また、本発明に使用する木酢酸は、その木
酢酸中に含まれるアルデヒド成分などが除去されている
ものが好ましい。このような除去のための処理は、特に
制限されることなく公知の方法を使用することができる
が、好ましくは、活性炭などの吸着剤を数回通過させる
ことにより行なうことが好ましい。除去処理がなされて
いない場合には、着色する場合がある。
【0017】また、本発明に使用されるキトサンは、エ
ビ、カニなどの殻から得られるキチンから得ることがで
きる。キチンは、エビ、カニなどの殻を、脱タンパク処
理および脱カルシウム処理などを行なうことによって得
ることができる。そして、得られたキチンを、加水分解
するとともに脱アセチル化することにより、キトサンを
得ることができる。この加水分解と脱アセチル化とは、
酸またはアルカリの溶液中で所定時間、所定温度におい
て、加水分解と脱アセチル化とを同時に行うことが好ま
しい。この時間および温度の条件は、得られるキトサン
の分子量および脱アセチル化の程度により適宜選択すれ
ばよい。本発明においては、キトサンの分子量(極限粘
度式より求められる平均分子量)が12000〜200
00程度であることが好ましく、また、脱アセチル化度
が60%以上、特に60%〜95%であることが好まし
い。キトサンの分子量が12000〜20000の範囲
外であると、抗菌性が低下する場合がある。
【0018】そして、本発明の繊維加工剤は、上記した
木酢酸とキトサンとを、その割合が、木酢酸100重量
部に対してキトサンが20重量部以上、好ましくは20
〜150重量部、さらに好ましくは25〜100重量部
となるように配合される。木酢酸100重量部に対して
キトサンが20重量部以上配合されない場合には、良好
な耐洗濯性が得られない。
【0019】また、本発明の繊維加工剤は、所定の水の
配合によって調製されることが好ましく、その各成分の
割合は、例えば、木酢酸10〜30重量%、キトサン2
〜8重量%、水68〜88重量%の範囲において適宜選
択される。
【0020】また、木酢酸とキトサンとの配合は、特に
制限されず、単に両者を混合するなど、いかなる方法に
よって行なってもよいが、以下のような配合方法が好ま
しい。すなわち、まず、木酢酸を水で希釈したものを、
窒素雰囲気下において約40〜60℃に温めて、これに
キトサンを少量ずつ振り入れて分散させ、2〜5時間か
けて溶解する。そして、キトサンがほとんど溶解した後
に、pHを5.5〜7.5、好ましくは、6〜7、さら
に好ましくは、6.4〜6.7に調整する。pHが7.
5を超えると保管中に粘度が上昇し、場合によってはゲ
ル化することがあり、また、pHが5.5より低いと、
時間の経過とともに褐色に着色する度合いが大きくなる
ことがある。なお、このpHの調整は、特に限定されず
公知の方法により行なえばよいが、pHが高い時にはキ
トサンを添加し、pHが低い時には木酢酸を添加するよ
うにして行なうことが好ましい。さらに好ましくは、最
初の仕込みの時に、木酢酸をやや少なめにしておいて、
pH調整の時に、その残りの木酢酸を添加していくこと
によって行なうことが好ましい。
【0021】また、本発明の繊維加工剤には、例えば、
分散剤、酸化防止剤など公知の添加剤を適宜添加しても
よい。分散剤としては、例えば、ポリビニルピロリドン
系分散剤などが好ましく、その添加量としては、例え
ば、繊維加工剤中に2〜6重量%となるような量が好ま
しい。
【0022】このようにして得られる本発明の繊維加工
剤は、繊維を加工するために使用され、その繊維への適
用方法は、公知のいかなる繊維加工方法を使用してもよ
く、その方法は問わないが、次にその好ましい一実施形
態を説明する。
【0023】この繊維加工方法は、下晒工程、浸漬工
程、パディング工程、硬化工程としての乾燥工程、冷却
工程および仕上げ工程の各工程から構成される。これら
各工程は、加工する繊維の種類や用途によって適宜省略
してもよい。
【0024】下晒工程においては、水素晒機などを使用
することによって繊維を漂白し、その後、中和および湯
洗を十分に行なう。
【0025】浸漬工程においては、例えば、ウインス機
などを使用して、本発明の繊維加工剤が含まれた浸漬液
中に、繊維を浸漬させる。浸漬液としては、例えば、水
中に本発明の繊維加工剤が約2〜20重量%含有されて
いるものが好ましい。また、この浸漬液には、他の繊維
加工剤として公知のバインダを含有させてもよい。この
ようなバインダとしては、例えば、水系ウレタンバイン
ダが好ましく、その配合割合は、例えば、浸漬液中に3
〜30重量%であることが好ましい。水系ウレタンバイ
ンダを併用することによって、耐洗濯性をさらに向上さ
せることができる。また、この浸漬の条件としては、例
えば、まず、浸漬開始から約1〜10分経過後に約40
℃〜50℃まで昇温し、次いでその温度で約10〜30
分間保持した後に約60℃〜80℃まで昇温し、その温
度で約10〜30分間保持することが好ましい。このよ
うな条件によると、繊維加工剤が繊維によりよく浸漬さ
れる。
【0026】パディング工程においては、マングルロー
ルなどによって、繊維加工剤が浸漬された繊維を前絞り
率110%〜120%程度に絞り、浸漬液を均一によく
浸透させる。また、このパディング工程において、上記
した水系ウレタンバインダを再び含浸させてもよい。こ
の含浸は、1回浸漬する毎に1回絞るようにして、絞り
率90〜100%程度に絞ることによって行なえばよ
い。パディング工程で水系ウレタンバインダを含浸させ
ることにより、耐洗濯性をより向上させることができ
る。
【0027】乾燥工程においては、乾燥機などを使用し
て、浸漬液を乾燥するとともに繊維加工剤を硬化させ
る。乾燥および硬化の条件としては、例えば、110℃
〜120℃で2〜10分間乾燥させた後、150℃〜1
70℃で1〜5分間硬化させるようにする。
【0028】冷却工程においては、乾燥機から取り出さ
れる直後の繊維を、送風ファンなどによって冷却する。
このような冷却によって着色を有効に防止することがで
きる。
【0029】そして、仕上げ工程においては、ソフトセ
ット仕上げや、規格寸法に裁断するなどの仕上げ加工が
行なわれる。
【0030】このようにして、本発明の繊維加工剤を使
用して加工された繊維は、木酢酸およびキトサンという
天然素材から構成されているために、安全性に優れると
ともに、耐洗濯性に優れ、木酢酸の有する抗菌・消臭作
用を長期にわたり維持することができる。
【0031】そのため、例えば、アウターやインナーの
織物、メリヤス生地、アウターやインナーのニット製
品、フェルトおよび不織布などの繊維の加工に好適に使
用することができ、各種の衣料用繊維に有用に使用する
ことができる。とりわけ、下着や靴下など肌に直接触れ
る衣類に使用される繊維を加工するために使用すれば、
やさしく肌をつつみ、水虫やアトピー性皮膚炎あるいは
アレルギー皮膚炎などによるかゆみを抑制することがで
きる。また、着色が少なく、白物にも有効に使用するこ
とができる。
【0032】
【実施例】以下、実施例および比較例により本発明をよ
り具体的に説明する。
【0033】実施例1 グラスラインド反応容器に、イオン交換水78重量部、
木酢酸(原料として紀州備長炭が使用された炭窯木酢
液、水分80%、有機成分20%、活性炭処理品)15
重量部、ポリビニルピロリドン系分散剤2重量部を仕込
み、窒素気流下において60℃に昇温した。この水溶液
に攪拌しながらキトサン(極限粘度式より求められる平
均分子量50000、脱アセチル化度70%)5重量部
を少量ずつ振り入れて分散させ、3時間かけて溶解し
た。キトサンがほとんど完全に溶解したことを確認した
上で、少量の木酢酸を添加することによって、pHを
6.5に調整した。その後、得られた水溶液をステンレ
スメッシュ(200メッシュ)に通し、本発明の繊維加
工剤を得た。
【0034】実施例2 木酢酸を15重量部、ポリビニルピロリドン系分散剤を
4重量部、キトサンを3重量部を使用した以外は、実施
例1と同様の操作を行ない、本発明の繊維加工剤を得
た。
【0035】実施例3 pHを5.3に調整した以外は、実施例1と同様の操作
を行ない、本発明の繊維加工剤を得た。
【0036】実施例4 pHを7.7に調整した以外は、実施例1と同様の操作
を行ない、本発明の繊維加工剤を得た。
【0037】比較例1 木酢酸を15重量部、ポリビニルピロリドン系分散剤を
5重量部、キトサンを2重量部を使用した以外は、実施
例1と同様の操作を行ない、本発明の繊維加工剤を得
た。
【0038】比較例2 キトサンを含まず木酢酸のみを15重量%含有する繊維
加工剤を調整した。
【0039】応用実施例1 上記で得た実施例1の繊維加工剤を10重量%含有する
第1供給水と、水系ウレタンバインダ(商品名フクドー
ルW−20、七福化学株式会社製、固形分 30重量
%)を10重量%含有する第2供給水とを準備するとと
もに、メリヤス生地を水素晒機にて100%漂白を行な
い、中和後十分に湯洗したものを、ウインス機にセット
し、第1供給水と第2供給水とをこの生地がセットされ
たウインス機に送液ポンプによって注入した。なお、こ
のときの浸漬液中の実施例1の繊維加工剤の含有量は、
4重量%であり、水系ウレタンバインダの含有量が6重
量%である。そして、生地を回転させながら浸漬を開始
し、その5分経過後に45℃まで昇温してその温度で2
0分間保持し、その後に70℃まで昇温してその温度で
20分間保持した。浸漬終了後、パディング機にて生地
を拡布しながらマングルロールで絞り率120%に絞
り、浸漬液を均一によく浸透させた。また、このパディ
ング工程において、再び水系ウレタンバインダを含浸さ
せた。この含浸は、1回浸漬する毎に1回絞るようにし
て、絞り率90〜100%程度に絞ることによって行な
った。
【0040】その後、乾燥機によって、110℃で4分
間乾燥させた後、さらに160℃で2分間加熱後、乾燥
機から生地を取り出し、すぐに送風ファンによって冷却
した。そして、ソフトセット仕上を行なった後、規格寸
法に仕上げ折り畳んだ。
【0041】応用実施例2〜4 実施例1の繊維加工剤に代えて実施例2〜5の繊維加工
剤をそれぞれ使用した以外は、応用実施例1と同様の操
作を行ない、生地の加工を行なった。なお、実施例4
は、その粘度が他の実施例に比べて高くなっていたた
め、その作業性が少し煩雑であった。
【0042】応用実施例5 パディング工程において、水系ウレタンバインダを含浸
しないようにしたこと以外は、応用実施例1と同様の操
作を行ない、生地の加工を行なった。
【0043】応用実施例6 第2供給水をウインス機に注入せず、また、パディング
工程において、水系ウレタンバインダを含浸しないよう
にしたこと以外は、応用実施例1と同様の操作を行な
い、生地の加工を行なった。
【0044】応用実施例7 乾燥機から生地を取り出した後、送風ファンにより冷却
することなく、ソフトセット仕上を行なった後、規格寸
法に裁断することにより生地の加工を仕上げ、巻き取っ
たこと以外は、応用実施例1と同様の操作を行ない、生
地の加工を行なった。
【0045】応用比較例1および2 実施例1の繊維加工剤に代えて比較例1および2の繊維
加工剤をそれぞれ使用した以外は、応用実施例1と同様
の操作を行ない、生地の加工を行なった。
【0046】評価 応用実施例1〜7および応用比較例1および2で加工さ
れたメリヤス生地から下着を仕立てて、その黄変の度合
いを目視によって評価するとともに、JIS103法に
記載の方法に準拠して30回の洗濯を行ない、その洗濯
10回毎(10回、20回、30回)に以下の項目につ
いて評価した。その結果を表1に示す。
【0047】
【表1】 1)かゆみ抑制作用:アトピー性皮膚炎を有する30人
が試着して、そのうちの何人がかゆみが少ないと感じた
かによって評価を行なった。2)呈色反応:酸性染色試
薬として、NYLosan レベリングタイプレッド
【0048】0.1重量%溶液を使用して、染色機(辻
井染機 LABORATORY MACHIM ES
モデル125E 条件:1分/100回)にて染色し、
水洗、脱水および乾燥の後、洗濯前の染度を100%と
したときの染色度合い(%)として評価した。なお、こ
の酸性染色試薬は、主としてキトサンの特定成分との間
で呈色反応を示すものであり、表1中、数値が高い程、
キトサンが残存している目安となる。
【0049】表1から明らかなように、応用実施例1〜
7では、応用比較例1および2に比べて洗濯回数が多く
ても、有効にかゆみを抑制していることがわかる。
【0050】
【発明の効果】本発明の繊維加工剤によれば、木酢酸お
よびキトサンという天然素材から構成されているため
に、安全性に優れるとともに、耐洗濯性に優れ、木酢酸
の有する抗菌・消臭作用を長期にわたり維持することが
できる。とりわけ、下着や靴下など肌に直接触れる衣類
に使用される繊維を加工するために使用すれば、やさし
く肌をつつみ、水虫やアトピー性皮膚炎あるいはアレル
ギー皮膚炎などによるかゆみを抑制することができる。
また、着色が少なく、白物にも有効に使用することがで
きる。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成10年11月19日(1998.11.
19)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0039
【補正方法】変更
【補正内容】
【0039】応用実施例1 上記で得た実施例1の繊維加工剤を10重量%含有する
第1供給水と、水系ウレタンバインダ(商品名フクゾー
ルW−20、七福化学株式会社製、固形分 30重量
%)を10重量%含有する第2供給水とを準備するとと
もに、メリヤス生地を水素晒機にて100%漂白を行な
い、中和後十分に湯洗したものを、ウインス機にセット
し、第1供給水と第2供給水とをこの生地がセットされ
たウインス機に送液ポンプによって注入した。なお、こ
のときの浸漬液中の実施例1の繊維加工剤の含有量は、
4重量%であり、水系ウレタンバインダの含有量が6重
量%である。そして、生地を回転させながら浸漬を開始
し、その5分経過後に45℃まで昇温してその温度で2
0分間保持し、その後に70℃まで昇温してその温度で
20分間保持した。浸漬終了後、パディング機にて生地
を拡布しながらマングルロールで絞り率120%に絞
り、浸漬液を均一によく浸透させた。また、このパディ
ング工程において、再び水系ウレタンバインダを含浸さ
せた。この含浸は、1回浸漬する毎に1回絞るようにし
て、絞り率90〜100%程度に絞ることによって行な
った。

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 木酢酸およびキトサンを含み、その木酢
    酸およびキトサンの配合割合が、木酢酸100重量部に
    対してキトサンが20重量部以上であることを特徴とす
    る、繊維加工剤。
  2. 【請求項2】 木酢酸中の有機成分濃度が5〜30重量
    %であることを特徴とする、請求項1に記載の繊維加工
    剤。
  3. 【請求項3】 pHが5.5〜7.5の範囲にあること
    を特徴とする、請求項1または2に記載の繊維加工剤。
  4. 【請求項4】 肌に直接触れる衣類に使用される繊維を
    加工するために使用される、請求項1ないし3のいずれ
    かに記載の繊維加工剤。
  5. 【請求項5】 木酢酸およびキトサンを、木酢酸100
    重量部に対してキトサンが20重量部以上の割合で配合
    している繊維加工剤を使用して、繊維を加工することを
    特徴とする、繊維加工方法。
  6. 【請求項6】 繊維加工剤が含有される浸漬液に繊維を
    浸漬する工程を含み、この浸漬工程において、前記浸漬
    液に、さらに水系ウレタンバインダを含有させることを
    特徴とする、請求項5に記載の繊維加工方法。
  7. 【請求項7】 繊維をパディングする工程を含み、この
    パディング工程において、水系ウレタンバインダを繊維
    に含浸させることを特徴とする、請求項5または6に記
    載の繊維加工方法。
  8. 【請求項8】 繊維加工剤を硬化させる工程を含み、こ
    の硬化工程の直後に、繊維を冷却するための冷却工程を
    含むことを特徴とする、請求項5ないし7のいずれかに
    記載の繊維加工方法。
JP10264432A 1998-09-18 1998-09-18 繊維加工剤および繊維加工方法 Pending JP2000096446A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10264432A JP2000096446A (ja) 1998-09-18 1998-09-18 繊維加工剤および繊維加工方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10264432A JP2000096446A (ja) 1998-09-18 1998-09-18 繊維加工剤および繊維加工方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2000096446A true JP2000096446A (ja) 2000-04-04

Family

ID=17403114

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP10264432A Pending JP2000096446A (ja) 1998-09-18 1998-09-18 繊維加工剤および繊維加工方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2000096446A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2004083468A1 (ja) * 2003-03-19 2004-09-30 Sumitomo Metal Mining Co. Ltd. 硫化鉱石中の硫化鉱物の酸化防止方法

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2004083468A1 (ja) * 2003-03-19 2004-09-30 Sumitomo Metal Mining Co. Ltd. 硫化鉱石中の硫化鉱物の酸化防止方法
US7435405B2 (en) * 2003-03-19 2008-10-14 Sumitomo Metal Mining Co., Ltd. Anti-oxidation method for sulfide minerals in sulfide ore

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CN105821660B (zh) 一种高吸湿保湿性的改性蚕丝纤维及其制备方法
CN110592938A (zh) 一种抗菌改性蚕丝纤维及其制备方法
JP3848621B2 (ja) 再生コラーゲン繊維の製造方法およびセット方法
DE2742907A1 (de) Antibakterielle textilbehandlung auf der grundlage von zirkonylacetat- komplexen anorganischer peroxide
JPH0610272A (ja) 織物仕上加工剤
JP4559680B2 (ja) 臭気が抑制され、セット性の改良された再生コラーゲン繊維およびその製造方法、ならびにセット方法
DE2546956C2 (de) Verfahren zur Knitterfestausrüstung von Cellulosefasern enthaltenden Geweben
CN106592056B (zh) 一种防水保温面料的加工方法
CN111455669A (zh) 一种医用防护服纺织面料及其制备方法和医用防护服
JP2000096446A (ja) 繊維加工剤および繊維加工方法
JPS6227194B2 (ja)
JPH04185770A (ja) 繊維品類の処理方法
CN114438793A (zh) 一种除臭抗菌填充羽绒纤维的处理方法
KR20030006774A (ko) 항균성 섬유가공제 및 섬유가공방법
JPH01213484A (ja) 繊維製品の消臭加工方法
KR20120001092A (ko) 카다놀계의 천연항균제를 이용한 폴리프로필렌섬유의 항균가공방법
KR960004907B1 (ko) 셀룰로오스계 섬유 및 그 혼방제품의 수지가공방법
US2770519A (en) Carroting process and solution
CN1180155C (zh) 功能化纤维材料及其处理方法
DE102005002539A1 (de) Verfahren zum Bleichen, Färben, Appretieren und Waschen von mit Silber beladenen Faserstoffen
RU2598479C1 (ru) Способ получения серебросодержащих антибактериальных целлюлозосодержащих материалов
CN116926246B (zh) 一种消臭抑菌牛皮席及其制备方法
CN115584638B (zh) 一种芳香微胶囊混纺抗菌棉纤维及其制备方法
CN114182522B (zh) 一种抗菌抗病毒防霉整理液及其应用、抗菌抗病毒防霉纤维素纤维及其制备方法和应用
JPH08218276A (ja) 耐洗濯性の抗菌性繊維の製造方法