JP2000092698A - 地絡抑制システムおよび地絡抑制方法 - Google Patents

地絡抑制システムおよび地絡抑制方法

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JP2000092698A JP10361678A JP36167898A JP2000092698A JP 2000092698 A JP2000092698 A JP 2000092698A JP 10361678 A JP10361678 A JP 10361678A JP 36167898 A JP36167898 A JP 36167898A JP 2000092698 A JP2000092698 A JP 2000092698A
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詳幸 長井
Takashi Ganji
崇 元治
Hiroyuki Fudo
弘幸 不動
Hiroshi Endo
弘 遠藤
Masaru Isozaki
優 磯崎
Hiromi Iwai
弘美 岩井
Toshiro Matsumoto
俊郎 松本
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Fuji Electric Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 送電形態への依存性がなく、追加設備費を安
価に抑え、インピーダンス成分(一般的には抵抗成分)
を含む地絡電流を抑制することが可能な地絡抑制システ
ムおよび地絡抑制方法。 【解決手段】 地絡事故検出装置10により地絡事故を
検出して地絡電流Igを生成し、逆位相波形発生装置2
0により地絡電流Igと同じ大きさで逆位相の逆位相電
流Ivを発生し、この逆位相電流Ivを零相変成器8の
1次側の接地中性線8aを介して地絡相の地絡点Gに注
入することにより、地絡電流Igを相殺して地絡を抑制
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電力配電線に生じ
る瞬時地絡あるいは永続的地絡において、地絡に起因し
て発生する地絡電流を抑制することによって地絡そのも
のを抑制し、さらには、電気設備技術基準に規定されて
いるB種接地工事による接地抵抗値の緩和を行う地絡抑
制システムおよび地絡抑制方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、電力配電系統において地絡が発生
した場合、配電線に地絡電流が流れる。この地絡に対す
る対策として、通常の場合、零相変成器により地絡故障
を検出し、零相変流器により故障回線を検出した継電器
が動作し、配電線の遮断器(CB)を開動作させて当該
配電線を無電圧状態にし、1分後、配電線CBを閉動作
させ、当該配電線に再送電するという再閉路動作を行
う。
【0003】しかし、配電線と導電物の一時的な接触が
原因の瞬時地絡が発生した場合は、永久地絡となってい
ないため、地絡事故が除去されている場合が多い。この
ような瞬時地絡の場合において再閉路動作をさせると、
停電を伴うので、電力供給の信頼度を著しく低下させる
ことになる。
【0004】そこで、瞬時地絡の場合には、配電線CB
が動作する以前に、強制接地装置により瞬時に地絡電流
を配電線から迂回させる方法や、消弧リアクトルを装備
して地絡電流の一部を相殺する方法により、地絡電流を
抑制して配電線CBを動作させない手法が考案されてい
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、地絡電流を迂
回させる方法(送電側の電源に迂回回路を設ける)で
は、地絡電流の電流値が低減されるわけではなく、電気
設備技術基準に定められているB種接地工事により、地
絡電流に応じた接地抵抗が必要となり、多大な工事費が
必要となる。
【0006】また、消弧リアクトル(コンデンサCに対
してコイルLを挿入したLC共振回路を設ける)は送電
側に接地点があることが必要であり、送電側の形態が限
定される。
【0007】さらに、消弧リアクトルを使用しても、相
殺できるのは地絡電流の対地静電容量による正弦波成分
であり、零相変成器に接続されているインピーダンス成
分(一般的には抵抗成分)を含む地絡電流の全てを相殺
することは原理的に不可能であり、地絡電流の残存分の
処理が課題となる。
【0008】また、配電線亘長の変化により、対地静電
容量が変化する場合、リアクトル容量が一定であれば、
電流補償率が変化してしまうことになる。
【0009】そこで、本発明の目的は、送電形態への依
存性がなく、追加設備費を安価に抑え、零相変成器に接
続されているインピーダンス成分(一般的には抵抗成
分)を含む地絡電流を抑制することが可能な地絡抑制シ
ステムおよび地絡抑制方法を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、電力配電線の
零相電圧を検出する零相変成器と、前記電力配電線の零
相電流を検出する零相変流器と、前記零相電圧および前
記零相電流に基づいて、前記電力配電線の地絡電流を検
出する地絡電流検出手段と、前記検出された地絡電流と
同じ大きさで逆位相の逆位相電流を発生する逆位相電流
発生手段と、前記発生した逆位相電流を前記電力配電線
に供給する逆位相電流供給手段とを具え、前記供給され
た逆位相電流によって前記地絡電流を抑制することによ
って、地絡抑制システムを構成する。
【0011】ここで、前記逆位相電流供給手段は、前記
逆位相電流を、前記電力配電線に装備された前記零相変
成器の1次側中性線に供給することができる。
【0012】前記逆位相電流供給手段を変圧器により構
成し、該変圧器を前記電力配電線に設け、該変圧器を介
して該電力配電線に前記逆位相電流を供給することがで
きる。
【0013】また、本発明は、電力配電線の零相電圧を
検出する零相変成器と、前記電力配電線の零相電流を検
出する零相変流器と、前記零相電圧および前記零相電流
に基づいて、前記電力配電線の地絡電流を検出する地絡
電流検出手段と、前記検出された地絡電流を、対地静電
容量に基づく正弦波成分および前記零相変成器の1次側
接地線から流れ込むインピーダンス成分に分割する分割
手段と、前記分割された地絡電流の正弦波成分に対し
て、同じ大きさで逆位相の第1の逆位相電流を発生する
第1の逆位相電流発生手段と、前記分割された地絡電流
のインピーダンス成分に対して、同じ大きさで逆位相の
第2の逆位相電流を発生する第2の逆位相電流発生手段
と、前記発生した第1および第2の逆位相電流を前記電
力配電線に供給する逆位相電流供給手段とを具え、前記
供給された第1および第2の逆位相電流により前記地絡
電流を抑制することによって、地絡抑制システムを構成
する。
【0014】ここで、前記逆位相電流供給手段は、前記
第1および第2の逆位相電流を、前記電力配電線に各々
別個の経路から供給することができる。
【0015】また、本発明は、電力配電線の零相電圧を
検出する零相変成器と、前記電力配電線の零相電流を検
出する零相変流器と、前記零相電圧および前記零相電流
に基づいて、前記電力配電線の地絡電流を検出する地絡
電流検出手段と、前記検出された地絡電流のうち、対地
静電容量に基づく正弦波成分の一部分を相殺する相殺手
段と、前記相殺手段により相殺仕切れない正弦波成分お
よび前記零相変成器の1次側接地線から流れ込むインピ
ーダンス成分に対して、それぞれ、同じ大きさで逆位相
の逆位相電流を発生する逆位相電流発生手段と、前記発
生した逆位相電流を前記電力配電線に供給する逆位相電
流供給手段とを具え、前記供給された逆位相電流により
前記地絡電流を抑制することによって、地絡抑制システ
ムを構成する。
【0016】ここで、前記相殺手段は、消弧リアクトル
からなり、該消弧リアクトルにより対地静電容量に基づ
く正弦波成分の大部分を相殺することができる。
【0017】また、本発明は、電力配電線の零相電圧を
検出する零相変成器と、前記電力配電線の零相電流を検
出する零相変流器と、前記零相電圧および前記零相電流
に基づいて、前記電力配電線の地絡電流を検出する地絡
電流検出手段と、前記検出された地絡電流の位相を遅延
させて位相遅延電流を作成する位相遅延手段と、前記遅
延させた位相遅延電流を前記電力配電線に供給する位相
遅延電流供給手段とを具え、前記位相遅延電流によって
前記地絡電流を抑制することによって、地絡抑制システ
ムを構成する。
【0018】ここで、前記位相遅延手段は、前記地絡電
流の位相を半波分遅延させることができる。
【0019】前記位相遅延電流供給手段は、前記電力配
電線に接続された変圧器を介して前記位相遅延電流を供
給することができる。
【0020】また、本発明は、電力配電線の零相電圧お
よび零相電流を検出する工程と、前記零相電圧および前
記零相電流に基づいて、前記電力配電線の地絡電流を検
出する地絡電流検出工程と、前記検出された地絡電流と
同じ大きさで逆位相の逆位相電流を発生する逆位相電流
発生工程と、前記発生した逆位相電流を前記電力配電線
に供給する逆位相電流供給工程とを具え、前記供給され
た逆位相電流によって前記地絡電流を抑制することによ
って、地絡抑制方法を提供する。
【0021】ここで、前記逆位相電流供給工程は、前記
逆位相電流を、前記電力配電線に装備された零相変成器
の1次側中性線に供給することができる。
【0022】前記逆位相電流供給工程は、前記電力配電
線に設けられた変圧器を介して前記逆位相電流を供給す
ることができる。
【0023】また、本発明は、電力配電線の零相電圧お
よび零相電流を検出する工程と、前記零相電圧および前
記零相電流に基づいて、前記電力配電線の地絡電流を検
出する地絡電流検出工程と、前記検出された地絡電流
を、対地静電容量に基づく正弦波成分および前記零相変
成器の1次側接地線から流れ込むインピーダンス成分に
分割する工程と、前記分割された地絡電流の正弦波成分
に対して、同じ大きさで逆位相の第1の逆位相電流を発
生する第1の逆位相電流発生工程と、前記分割された地
絡電流のインピーダンス成分に対して、同じ大きさで逆
位相の第2の逆位相電流を発生する第2の逆位相電流発
生工程と、前記発生した第1および第2の逆位相電流を
前記電力配電線に供給する逆位相電流供給工程とを具
え、前記供給された第1および第2の逆位相電流により
前記地絡電流を抑制することによって、地絡抑制方法を
提供する。
【0024】ここで、前記逆位相電流供給工程は、前記
第1および第2の逆位相電流を、前記電力配電線に各々
別個の経路から供給することができる。
【0025】また、本発明は、電力配電線の零相電圧お
よび前記電力配電線の零相電流を検出する工程と、前記
零相電圧および前記零相電流に基づいて、前記電力配電
線の地絡電流を検出する地絡電流検出工程と、前記検出
された地絡電流のうち、対地静電容量に基づく正弦波成
分の一部分を相殺する相殺工程と、前記相殺により相殺
仕切れない正弦波成分および前記零相変成器の1次側接
地線から流れ込むインピーダンス成分に対して、それぞ
れ、同じ大きさで逆位相の逆位相電流を発生する逆位相
電流発生工程と、前記発生した逆位相電流を前記電力配
電線に供給する逆位相電流供給工程とを具え、前記供給
された逆位相電流により前記地絡電流を抑制することに
よって、地絡抑制方法を提供する。
【0026】ここで、前記相殺工程は、消弧リアクトル
により対地静電容量に基づく正弦波成分の大部分を相殺
することができる。
【0027】また、本発明は、電力配電線の零相電圧を
検出する工程と、前記電力配電線の零相電流を検出する
工程と、前記零相電圧および前記零相電流に基づいて、
前記電力配電線の地絡電流を検出する地絡電流検出工程
と、前記検出された地絡電流の位相を遅延させて位相遅
延電流を作成する位相遅延工程と、前記遅延させた位相
遅延電流を前記電力配電線に供給する位相遅延電流供給
工程とを具え、前記位相遅延電流によって前記地絡電流
を抑制することによって、地絡抑制方法を提供する。
【0028】ここで、前記位相遅延工程は、前記地絡電
流の位相を半波分遅延させることができる。
【0029】前記位相遅延電流供給工程は、前記電力配
電線に接続された変圧器を介して前記位相遅延電流を供
給することができる。
【0030】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して、本発明の
実施の形態を詳細に説明する。
【0031】[第1の例]本発明の第1の実施の形態
を、図1〜図5に基づいて説明する。
【0032】図1は、本発明を表わす地絡抑制システム
の構成例を示す。送電側の変電所1の構内において、2
は電源である。この電源2の出力側は、母線3a〜3c
の接続点X,Y,Zを介して、配電線4a〜4cと接続
されている。
【0033】電源2のa相、b相、c相には、各相の相
電流Ia〜Icを検出する計器用変流器6a〜6cが接
続されている。配電線4a〜4cには、零相電流Ioを
検出する零相変流器7が接続されている。母線3a〜3
cには、各相の相電圧Va〜Vcを検出する計器用変成
器5a〜5cと、零相電圧Voを検出する零相変成器8
とが接続されている。
【0034】10は、配電線4a〜4cの地絡電流Ig
を検出する地絡電流検出手段としての地絡事故検出装置
である。この地絡事故検出装置10の入力側は、計器用
変成器5a〜5cと、計器用変流器6a〜6cと、零相
変流器7と、零相変成器8とが接続されている。
【0035】20は、地絡電流Igと同じ大きさで逆位
相の逆位相電流Iv(=−Ig)を発生する逆位相電流
発生手段としての逆位相波形発生装置である。この逆位
相波形発生装置20の入力側は、地絡事故検出装置10
の出力側と接続されている。また、逆位相波形発生装置
20の出力側は、零相変成器8の1次側の接地中性線8
aと接続されている。この場合、1次側の接地中性線8
aは、逆位相電流Ivを配電線4a〜4cの地絡点Gに
供給する逆位相電流供給手段を構成している。
【0036】また、変電所1から引き出された配電線4
a〜4cには、負荷30が接続されている。Coは、各
相の配電線4a〜4cと大地との間の対地静電容量であ
る。
【0037】図2は、地絡事故検出装置10の内部構成
を示す。この装置10には、各種信号が入力される入力
部11と、地絡事故を検出するための事故検出部12
と、地絡事故の発生した相を検出する比較部13と、地
絡電流Igを算出するための演算部14と、算出した地
絡電流Igを出力する出力部15とから構成されてい
る。
【0038】図3は、逆位相波形発生装置20の内部構
成を示す。この装置20には、地絡電流Igが入力され
る入力部21と、信号波形をサンプリングするサンプリ
ング部22と、地絡電流Igの信号波形を反転させる波
形反転部23と、タイミングをとるシンクロ部24と、
逆位相電流Ivを出力する出力部25とから構成されて
いる。
【0039】次に、地絡抑制システムの動作について説
明する。
【0040】今、配電線4a〜4cのうち、c相の配電
線4cに地絡故障が発生したとする。この場合、母線3
a,3bの接続点X,Yには、健全相である、a相の配
電線4aおよびb相の配電線4bからの各々対地静電容
量Coに基づく充電電流Ica、Icbと、零相変成器
8の接地中性線8aからの地絡抵抗分電流Ira,Ir
bとが流れ込む。そして、これら充電電流Ica、Ic
bと、地絡抵抗分電流Ira,Irbとは、電源2の各
相を介して矢印方向に流れていき、c相の配電線4cの
接続点Zにおいて地絡抵抗分電流Ircと合成される。
この合成された電流が地絡点Gの方向へ流れていく。
【0041】一方、地絡事故時には、配電線4a〜4c
の各相電圧が不平衡となり、零相変成器8において零相
電圧Voが検出され、また、配電線4a〜4c側の零相
変流器7において零相電流Ioが検出される。これら検
出した零相電圧Voおよび零相電流Ioから、地絡事故
検出装置10において地絡事故が発生したことを判別す
ることができる。
【0042】また、地絡事故検出装置10では、電源2
の出力側に接続された計器用変成器5a〜5cにより検
出された各相の相電圧値Va〜Vcを比較することによ
って、地絡した地絡相を容易に判別することができる。
【0043】その地絡相を判別した場合においても、一
般的には、電源2の出力側に接続された計器用変流器6
a〜6cで検出される電流Ia〜Icには、電源2から
の負荷電流も含まれているため、地絡事故検出装置10
において、その負荷電流分を除去することにより、地絡
電流Igだけの検出が可能となる。
【0044】ここで、図2に示す地絡事故検出装置10
の内部処理について詳細に説明する。入力部11には、
零相電圧Voと、零相電流Ioと、各相の相電圧Va〜
Vcと、各相の相電流Ia〜Icとが入力される。ま
ず、事故検出部12では、配電線4a〜4cの不平衡状
態から地絡事故を判別するために、零相電圧Voと零相
電流Ioとを用いて事故検出を行う。この場合、零相電
圧Voと零相電流Ioとの両方の大きさを見て、両方と
も変化が生じたとき(AND条件)に地絡事故と判断す
る。
【0045】このようにして地絡事故の検出が認められ
た場合、比較部13において各相の相電圧Va〜Vcの
大きさを比較し、地絡相を判別する。そして、演算部1
4において、地絡相に流れる電流から負荷電流分を除去
し、地絡電流Igのみを抽出する。
【0046】この場合、演算部14における地絡電流I
gの抽出原理は、以下のようになる。a相で検出できる
相電流Iaは、充電電流Ica+地絡抵抗分電流Ira
+負荷電流である。b相で検出できる相電流Ibも、同
様に、充電電流Icb+地絡抵抗分電流Irb+負荷電
流である。一方、c相で検出できる相電流Icは、a
相,b相から流れ込む充電電流と地絡抵抗分電流、およ
びc相の負荷電流である。従って、a相、b相、c相の
検出した各相電流を組み合わせて、演算処理を行うこと
により、c相の負荷電流分を判別することができる。こ
のようにして判別したc相の負荷電流分をc相の相電流
Icから差し引くことにより、地絡電流Igのみを抽出
することができる。
【0047】そして、このようにして抽出された地絡電
流Igは、出力部15から、図3の逆位相波形発生装置
20へ出力される。
【0048】逆位相波形発生装置20において、入力部
21には、地絡電流Igが入力される。サンプリング部
22では、数周期分の地絡電流Igをサンプリングす
る。波形反転部23においては、そのサンプリングした
地絡電流Igの波形と大きさが等しく逆位相の電流波形
をもつ逆位相電流Ivを作成する。このようにして作成
された逆位相電流Ivは、シンクロ部24において、地
絡電流Igの波形を打ち消すタイミングを図られる。そ
して、逆位相電流Ivは、所定のタイミングをもって出
力部25から零相変成器8の接地中性線8aへ出力され
る。
【0049】そして、接地中性線8aへ注入された逆位
相電流Ivは、地絡抵抗分電流Ira〜Ircと共に、
母線3a〜3cに示す矢印方向に流れていき、最終的
に、母線3cの接続点Zにおいて合成され、地絡相であ
る配電線4cの地絡点Gへと流れ込む。これにより、地
絡電流Igは、大きさが等しく逆位相の逆位相電流Iv
によって打ち消されることになる。
【0050】図4は、地絡電流Igを抑制する原理を示
す。図4(a)は地絡抑制を行わない場合に地絡点Gに
本来流れるべき地絡電流Igの波形を示すものである。
これに対して、図4(b)は図4(a)の波形を有する
地絡電流Igと大きさが等しく逆位相の逆位相電流Iv
の信号波形を示す。この逆位相電流Ivを地絡相に注入
することにより、図4(c)に示すように地絡電流Ig
を打ち消して抑制することができる。
【0051】図5は、地絡電流Igの抑制原理を、ベク
トル図により示したものである。地絡電流Igは、実際
には、他の健全相の対地静電容量に基づく充電電流Ic
(=Ica+Icb)と、零相電圧Voに基づき、零相
変成器8の接地中性線8aに流れる微小な直流電流であ
る地絡抵抗分電流Ir(=Ira+Irb+Irc)と
の2種類の電流成分のベクトル和によって表わされる。
【0052】逆位相電流Ivは、その地絡電流Igと大
きさが等しく、逆向きの電流ベクトルとして表わされ
る。このことから、その逆位相電流Ivを地絡相に注入
することにより、ベクトル和をゼロとして、地絡電流I
gを抑制することができる。
【0053】なお、充電電流Icを構成する他の健全相
の充電電流Ica,Icbは、各電流が流れている相の
相電圧Va,Vbよりも90度位相が進んでいる。ま
た、地絡抵抗分電流Irは、零相電圧Voと同位相とな
っている。
【0054】上述したような地絡電流抑制方式において
は、地絡電流Igと同じ大きさで逆位相の電流となる逆
位相電流Ivを作成して地絡相に直接注入するので、地
絡電流Igの成分(正弦波成分および零相変成器に接続
されているインピーダンス成分(一般的には抵抗成
分))を考慮せずに相殺可能であり、配電線CBを動作
させる必要がなくなる。
【0055】また、従来のような地絡電流を迂回させる
方法や消弧リアクトルを用いた方法のように、送電側に
対して中性点接地線の有無を考慮する必要がなくなり、
送電形態への依存性をなくすことができる。
【0056】さらに、配電線の亘長が短いほど、対地静
電容量Coは小さく、地絡電流Igも小さいため、零相
変成器8の接地中性線8aから逆位相電流Ivを注入す
ることが容易となり、これにより、配電線への逆位相電
流Ivの注入に際して設備追加をなくすことができる。
【0057】[第2の例]次に、本発明の第2の実施の
形態を、図6に基づいて説明する。なお、前述した第1
の例と同一部分についての説明は省略し、同一符号を付
す。
【0058】本例では、逆位相波形発生装置20の出力
側に逆位相電流供給手段としての注入用変圧器40を設
け、この注入用変圧器40他端側を母線3a〜3cの接
続点P,Q,Rに接続する。これにより、注入用変圧器
40を介して、逆位相波形発生装置20から出力される
逆位相電流Ivを地絡相へと導くように構成したもので
ある。
【0059】以下、注入用変圧器40から逆位相電流I
vを注入する方式について説明する。今、配電線4cの
c相に地絡故障が発生したとする。このとき、健全相で
あるa相、b相の配電線4a,4bには、各対地静電容
量Coに基づく充電電流Ica,Icbが流れ、一方、
零相変成器8の接地中性線8aからは地絡抵抗分電流I
ra,Irb,Ircが流れる。これにより、地絡相で
ある配電線4cの地絡点には、それら2種類の電流が合
成された地絡電流Igが流れ込む。
【0060】一方、地絡事故時には、配電線4a〜4c
のa相,b相,c相の各相電圧Va〜Vcが不平衡とな
り、零相変成器8において零相電圧Voが検出され、ま
た、零相変流器7において零相電流Ioが検出される。
これにより、地絡事故検出装置10において、地絡事故
が発生したことが判別できる。
【0061】また、地絡事故検出装置10においては、
電源2の出力側に接続された計器用変成器5a〜5cに
より検出された各相の相電圧Va〜Vcを比較すること
により、地絡相を容易に判別することができる。
【0062】ここで、地絡相が判別した場合において
も、一般的には、電源2の出力側に接続された計器用変
流器6a〜6cにより検出された各相の相電流Ia〜I
cには、電源2からの負荷電流も供給されているため、
地絡事故検出装置10においてその負荷電流分を除去す
ることにより、地絡電流Igだけが検出可能となる。
【0063】そして、逆位相波形発生装置20におい
て、その検出した地絡電流Igをサンプリングし、この
値と逆位相の逆位相電流Ivを作成し、打ち消すタイミ
ングを合わせて注入用変圧器40に逆位相電流Ivを出
力する。これにより、逆位相電流Ivは、注入用変圧器
40から配電線4cの地絡相へと注入され、逆位相の電
流として地絡電流Igを打ち消し、地絡事故を抑制す
る。
【0064】上述したように、地絡電流Igが大きい場
合であっても、汎用的な注入用変圧器40を介して、逆
位相電流Ivを注入することができるため、追加する設
備費を抑えることができる。
【0065】[第3の例]次に、本発明の第3の実施の
形態を、図7〜図10に基づいて説明する。なお、前述
した第1および第2の例と同一部分についての説明は省
略し、同一符号を付す。
【0066】図7は、本地絡抑制システムの構成例を示
す。
【0067】地絡事故検出装置10は、配電線4a〜4
cの地絡電流Ig(=Igs+Igz)、および、地絡
電流Igの正弦波成分Igs(=Ica+Icb)、お
よび、地絡電流のインピーダンス成分Igz(=Ira
+Irb+Irc)を検出する。
【0068】計器用変流器6a〜6cの2次側には、切
り替えスイッチ41が各々設けられている。この切り替
えスイッチ41の切り替え動作により、計器用変流器6
a〜6cは、地絡事故検出装置10、又は、逆位相波形
発生装置50と接続される。
【0069】この場合、地絡事故検出装置10に切り替
えられることにより、相電流Ia〜Icが地絡事故検出
装置10に入力される。また、逆位相波形発生装置50
に切り替えられることにより、逆位相電流Iv1が計器
用変流器6a〜6cへ供給される。
【0070】計器用変流器70の2次側には、切り替え
スイッチ42が設けられている。この切り替えスイッチ
42の切り替え動作により、計器用変流器70は、地絡
事故検出装置10、又は、逆位相波形発生装置60と接
続される。
【0071】この場合、地絡事故検出装置10に切り替
えられることにより、地絡電流Igのインピーダンス成
分Igzが地絡事故検出装置10に入力される。また、
逆位相波形発生装置60に切り替えられることにより、
逆位相電流Iv2が計器用変流器70へ供給される。
【0072】逆位相波形発生装置50は、地絡電流Ig
の正弦波成分Igsと同じ大きさで逆位相の逆位相電流
Iv1(=−Igs)を発生する。この逆位相波形発生
装置50の入力側は、地絡事故検出装置10の出力側と
接続されている。また、逆位相波形発生装置50の出力
側は、計器用変流器6a〜6cの2次側に切り替えスイ
ッチ41を介して接続されている。この場合、計器用変
流器6a〜6cは、地絡電流Igの正弦波成分Igsに
対する逆位相電流Iv1を配電線4a〜4cに供給する
逆位相電流供給手段を構成している。
【0073】逆位相波形発生装置60は、地絡電流Ig
のインピーダンス成分Igzと同じ大きさで逆位相の逆
位相電流Iv2(=−Igz)を発生する。この逆位相
波形発生装置60の入力側は、地絡事故検出装置10の
出力側と接続されている。また、逆位相波形発生装置6
0の出力側は、計器用変流器70の2次側に切り替えス
イッチ42を介して接続されている。この場合、計器用
変流器70は、地絡電流Igのインピーダンス成分Ig
zに対する逆位相電流Iv2を配電線4a〜4cに供給
する逆位相電流供給手段を構成している。
【0074】図8は、地絡事故検出装置10の内部構成
を示す。この地絡事故検出装置10は、基本的には、前
述した図2の地絡事故検出装置10と同様な構成であ
る。
【0075】本例では、地絡電流Igのインピーダンス
成分Igzがさらに入力される。
【0076】演算部14において、地絡電流Igの算
出、および、地絡電流Igの正弦波成分Igsの算出が
行われる。
【0077】図9は、逆位相波形発生装置50および逆
位相波形発生装置60の内部構成を示す。これらの装置
50,60は、互いに同じ構造を有しており、また、基
本的には、前述した図3の内部構成と同様である。
【0078】この場合、地絡電流Igの正弦波成分Ig
sおよびインピーダンス成分Igzが入力部21に入力
されることにより、内部で各信号波形が反転された後、
出力部25から逆位相電流Iv1,逆位相電流Iv2が
それぞれ出力される。
【0079】次に、地絡抑制システムの動作について説
明する。
【0080】今、c相の配電線4cに地絡故障が発生し
たとする。このとき、地絡事故検出装置10では、計器
用変流器70から切り替えスイッチ42を介して地絡電
流I今、c相の配電線4cに地絡故障が発生したとす
る。このとき、地絡事故検出装置10では、計器用変流
器70から切り替えスイッチ42を介して地絡電流Ig
のインピーダンス成分Igzが検出される。そして、そ
の検出されたインピーダンス成分Igzと、地絡電流I
gとの組み合わせにより、正弦波成分Igsが算出され
る。
【0081】ここで、地絡事故検出装置10の演算部1
4における、地絡電流Igの正弦波成分Igsの算出原
理について説明する。
【0082】地絡電流Igは、充電電流Ica+地絡抵
抗分電流Ira+充電電流Icb+地絡抵抗分電流Ir
b+地絡抵抗分電流Ircである。一方、計器用変流器
70からは、地絡電流Igのインピーダンス成分である
地絡抵抗分電流Igz(=Ira+Irb+Irc)が
検出される。
【0083】従って、地絡電流Igおよび地絡抵抗分電
流Igzを組み合わせて、演算処理を行うことにより、
地絡電流Igの正弦波成分Igs(=Ica+Icb)
を算出することができる。
【0084】このような地絡事故の発生後、切り替えス
イッチ41は逆位相発生装置50側に切り替えられ、ま
た、切り替えスイッチ42は逆位相発生装置60側に切
り替えられる。
【0085】その後、算出された正弦波成分Igsは逆
位相波形発生装置50へ出力され、インピーダンス成分
Igzは逆位相波形発生装置60へ出力される。
【0086】逆位相波形発生装置50,60において、
入力部21には、地絡電流Igの正弦波成分Igs、イ
ンピーダンス成分Igzがそれぞれ入力される。
【0087】サンプリング部22では、数周期分の地絡
電流Igの正弦波成分Igs、インピーダンス成分Ig
zをそれぞれサンプリングする。
【0088】波形反転部23では、そのサンプリングし
た地絡電流Igの正弦波成分Igs、インピーダンス成
分Igzの波形と大きさが等しく、逆位相の電流波形を
もつ、逆位相電流Iv1,Iv2を作成する。
【0089】このようにして作成された逆位相電流Iv
1,Iv2は、シンクロ部24において、地絡電流Ig
の波形を打ち消すタイミングを図られる。
【0090】そして、逆位相電流Iv1は、所定のタイ
ミングをもって、逆位相波形発生装置50の出力部25
から、切り替えスイッチ41を介して、計器用変流器6
a〜6cへ出力される。
【0091】その計器用変流器6a〜6cから注入され
た逆位相電流Iv1は、母線3a〜3cに示す矢印方向
に流れていき、配電線4a〜4cにおいて地絡電流Ig
の正弦波成分Igsに相当する充電電流Ica,Icb
を打ち消すことになる。
【0092】一方、逆位相電流Iv2は、所定のタイミ
ングをもって、逆位相波形発生装置60の出力部25か
ら、切り替えスイッチ42を介して、計器用変流器70
へ出力される。
【0093】その計器用変流器70から注入された逆位
相電流Iv2は、地絡電流Igのインピーダンス成分I
gzに相当する地絡抵抗分電流Ira,Irb,Irc
を直ちに打ち消すことになる。
【0094】その後、切り替えスイッチ41,42は、
地絡事故発生前の状態に切り替えられる。すなわち、切
り替えスイッチ41では、計器用変流器6a〜6cは地
絡事故検出装置10側と接続され、また、切り替えスイ
ッチ42では、計器用変流器70は地絡事故検出装置1
0側と接続される。
【0095】次に、地絡電流Igの抑制原理を、信号波
形に基づいて説明する。
【0096】前述した第1の例と同様な原理により、図
4(a)の地絡電流Igの信号波形に対して、図4
(b)に示す地絡電流Igと大きさが等しく逆位相の信
号波形を有する逆位相電流Iv=Iv1+Iv2が地絡
相に注入される。これにより、図4(c)に示すよう
に、地絡電流Igの信号波形を打ち消して抑制すること
ができる。
【0097】次に、地絡電流Igの抑制原理を、図10
のベクトル図に基づいて説明する。
【0098】地絡電流Igは、実際には、他の健全相の
対地静電容量に基づく正弦波成分である充電電流Igs
(=Ica+Icb)と、零相電圧Voに基づき、零相
変成器8の接地中性線8aに流れる微小なインピーダン
ス成分である地絡抵抗分電流Igz(=Ira+Irb
+Irc)との2種類の電流成分のベクトル和によって
表わされる。
【0099】逆位相電流Iv1は、その地絡電流Igの
正弦波成分Igsと大きさが等しく、逆向きの電流ベク
トルとして表わされる。また、逆位相電流Iv2は、そ
の地絡電流Igのインピーダンス成分Igzと大きさが
等しく、逆向きの電流ベクトルとして表わされる。この
ことから、それら逆位相電流Iv1,Iv2を注入する
ことにより、各々のベクトル和をゼロとして、地絡電流
Igを抑制することができる。
【0100】なお、充電電流Igsを構成する他の健全
相の充電電流Ica,Icbは、各電流が流れている相
の相電圧Va,Vbよりも90度位相が進んでいる。ま
た、地絡抵抗分電流Igzは、零相電圧Voと同位相と
なっている。
【0101】上述したような地絡電流抑制方式において
は、地絡電流Igの成分(正弦波成分および零相変成器
に接続されているインピーダンス成分(一般的には抵抗
成分))毎に分割して抑制することにより、必要な電源
容量を小さくすることが可能であり、配電線CBを動作
させる必要がなくなる。
【0102】また、従来のような地絡電流を迂回させる
方法や消弧リアクトルを用いた方法のように、送電側に
対して中性点接地線の有無を考慮する必要がなくなり、
送電形態への依存性をなくすことができる。
【0103】[第4の例]次に、本発明の第4の実施の
形態を、図11〜図18に基づいて説明する。なお、前
述した第1〜第3の例と同一部分についての説明は省略
し、同一符号を付す。
【0104】図11は、本地絡抑制システムの構成例を
示す。
【0105】送電側の変電所1の構内において、電源2
の中性線2aには、スイッチ100を介して、消弧リア
クトル71が接続されている。
【0106】母線3a〜3cには、零相変成器8(GV
T)の1次側が接続され、その2次側には電圧Voを検
出して信号A1を出力する地絡判定装置80が接続され
ている。
【0107】地絡判定装置80および零相変流器(ZC
T)7の出力側は、逆位相波形発生装置90に接続され
ている。これにより、逆位相波形発生装置90には、地
絡判定装置80からの信号A1と、零相変流器7からの
信号A2(零相電流Io)とが入力される。
【0108】逆位相波形発生装置90は、消弧リアクト
ル71によって相殺できなかった残分の正弦波成分を含
んだ合成電流Ipに対して、大きさが等しく逆位相波形
の相殺用抑制電流を発生する装置である。
【0109】逆位相波形発生装置90の出力側は、零相
変成器8の接地中性線8aに接続されている。
【0110】本例では、電源2のa相、b相、c相のう
ち、a相、b相が健全相とされている。c相には、地絡
電流Ig(=Igz+Ica+Icb)が発生してい
る。
【0111】(背景)まず、消弧リアクトル71を用い
て、地絡電流Igを抑制する方法について説明する。
【0112】地絡電流Igは、健全相a,b相の対地静
電容量Coを介して供給され、正弦波成分の電流Igs
(=Ica+Icb)と、零相変成器8による地絡現象
を検出するための2次側オープンΔ結線の負荷(一般
に、抵抗成分)Roにより略決定されるインピーダンス
成分の電流Igzとの合成で示される。
【0113】ここで、インピーダンス成分の電流Igz
の信号波形は、地絡点Gがギャップ性放電(例えば、支
持碍子のヒビ割れなどの欠陥点の間欠放電)であると、
針状波形となり、高調波を含んだものとなる。
【0114】従って、正弦波形の電流のみを抑制対象と
する消弧リアクトル71のみを用いたのでは、地絡点G
に流れる地絡電流Igの全てを相殺することはできな
い。
【0115】そこで、対地静電容量Coに起因する地絡
電流Igを、電流波形の形状により分割して相殺する手
法が考えられる。
【0116】また、その分割して相殺する場合、消弧リ
アクトル71のL値と、対地静電容量Coにより流れる
Ica+Icbを相殺するためには、 3CoとLのリ
アクタンスとを同一の値にすることによってその目的を
達成できる。
【0117】しかし、配電線毎に対地静電容量Coが異
なるため、その都度、Lの値を設定することはできず、
また、無数のタップを設けることなどの対応方法では、
必要以上にリアクトルが大きくなり、価格も上昇する。
【0118】このようなことから、1例として、消弧リ
アクトル71のL値によってほぼ大部分の値を相殺でき
るように設計し、かつ、その相殺できなかった残りの電
流とインピーダンス成分による電流Igzとを合成した
合成電流を、零相変成器8の1次側の接地中性線8aか
ら流し込む手法を採用した複合型の地絡抑制方法が有効
である。
【0119】(地絡抑制の例)次に、具体的な例を挙げ
て、複合型の地絡抑制方法について説明する。
【0120】一般に、架空配電線は数千PFと小さい
が、変電所1から配電線4a〜4cへの接続部は、ケー
ブル接続が普遍的に使用されており、対地静電容量Co
は数μFとなる。
【0121】今、最大5μFとすると、6.6KVでの
相電流Icaは、
【0122】
【数1】 Ica=(6.6KV/√3)×ω×Co …(1) で示される。
【0123】f=60Hzのとき、Ica≒7.2Aと
なる。Icbも同様であり、位相ずれを考慮すると、
【0124】
【数2】Ica+Icb≒12.5A …(2) となる。
【0125】また、インピーダンス成分のIgzは、零
相変成器8のオープンΔに接続されているRo(一般に
10〜100Ω)によって決まる(ただし、零相変成器
8の結線はY/Δ結線である)。
【0126】
【数3】Roの1次側換算値Rは、 R=n2 ×(Ro/9) ={(6.6×103 / 3)/(110/3)}2 ×(10Ω/9) =(3810/36.7)2 ×(10/9) ≒12(KΩ) …(3)
【0127】
【数4】 ∴ Igz=3810V/12KΩ =0.32(A) …(4) このように、零相変成器8の1次側の巻線には、0.3
2A程度は流れるため、設計上の許容範囲として、1次
的にその10倍(3.2A)位の電流は、短時間であれ
ば十分流し得る能力をもっている。
【0128】そこで、本手法では、(2)、(4)式の
関係から、地絡電流Igを以下のように割り振る。
【0129】すなわち、地絡電流Igは、
【0130】
【数5】 Ig=Igz+(Ica+Icb) …(5) =0.32+12.5(A) となる。
【0131】そこで、Ig=12.82(A)を以下の
ように、
【0132】
【数6】 Ig=(消弧リアクトル相殺分)+(逆位相波形発生方式による抑制分) …(6) に割り振る。その割り振る数値としては、消弧リアクト
ル71の設計内容から、
【0133】
【数7】 Ig=12.82 =9.62+3.2(A) …(7) とする。
【0134】これら(6)、(7)式の関係から、9.
62Aを(消弧リアクトル相殺分)とし、3.2Aを
(逆位相波形発生方式による抑制分)とする。
【0135】従って、9.62Aは、消弧リアクトル7
1(同一仕様で種々の配電線に適用可能)によって一義
的に決定される電流値として対応させることが可能であ
る。
【0136】一方、3.2Aは、消弧リアクトル71に
よって相殺できなかった残りの電流(正弦波成分のΔI
ca+ΔIcb)と、0.32A(インピーダンス成分
のIgz)との合成電流Ipに対応させることが可能で
ある。この合成電流Ipは、
【0137】
【数8】 Ip={Igz+Δ(Ica+Icb)} …(8) として表わすことができる。
【0138】ここで、消弧リアクトル71によって相殺
できなかった残分の正弦波成分を含んだ合成電流Ipに
対して、大きさが等しく逆位相波形の相殺用抑制電流I
qを発生する逆位相波形発生装置90について説明す
る。
【0139】図12は、電源電圧の波形75、地絡電流
Igの波形76(条件:ギャップ70mm、6.7μ
F)、地絡点Gでの電圧波形77をそれぞれ示す。図1
3は、図12の各波形を拡大して示す。
【0140】地絡点Gがギャップ放電の場合、地絡電流
Igの波形76は、正弦波形ではないため、消弧リアク
トル71では十分に相殺できないことがわかる。
【0141】地絡事故発生時において、零相変流器7に
より検出される零相電流Ioは、逆位相波形発生装置9
0に入力される。この逆位相波形発生装置90では、消
弧リアクトル71によって相殺できなかった残分の正弦
波成分を含んだ(8)式の合成電流Ipを相殺するため
の相殺用抑制電流Iqを作成する。
【0142】この場合、合成電流Ipに対応した相殺用
抑制電流Iqの大きさは、(7)式の関係から、3.2
A分に相当する値として作成する。また、合成電流Ip
の波形に対して、逆位相波形の相殺用抑制電流Iqを作
成する。
【0143】このようにして作成された相殺用抑制電流
Iqは、消弧リアクトル71によって相殺できなかった
残分の正弦波成分を含んだ合成電流Ipに対して、大き
さが等しく逆位相波形となっている。そして、相殺用抑
制電流Iqは、零相変成器8の1次側の接地中性線8a
を介して、配電線4a〜4cに注入される。
【0144】これにより、消弧リアクトル71によって
相殺できなかった残分の正弦波成分を含んだ合成電流I
pを相殺して、地絡を抑制することができる。
【0145】(相殺用抑制電流Iq)次に、(8)式の
合成電流Ipに対応した逆位相波形の相殺用抑制電流I
qを作成する方法について説明する。
【0146】C相の地絡点Gに地絡が発生すると、健全
相a,b相には、線間電圧Vca,Vcbに相当するI
ca,Icbが流れ、一方、地絡相であるc相には零相
変圧器8の2次側挿入抵抗Roの1次側換算値Rと地絡
点Gの地絡抵抗(アーク抵抗+接地抵抗)Rgにより決
まる電流Igzが流れる(ここでは、より正確にするた
め、Rgも記す)。
【0147】零相変流器7の1次側にはIca、Ic
b、Igzが流れ、その2次側には相殺できなかった残
分の電流(零相電流)が現れる。その残分の電流は、信
号A2として逆位相波形発生装置90に入力される。
【0148】一方、c相の地絡により、零相変圧器8の
c相コイルの電圧がなくなるか又はRg×Igzにより
少なくとも正常運転時での相電圧Vcよりも低下する。
【0149】図14(a)(b)は、正常運転時の相電
圧のベクトル波形を示すものである。図14(a)は零
相変圧器8の1次側電圧の波形を示し、図14(b)は
零相変圧器8の2次側電圧の波形を示す。
【0150】図15(a)(b)は、c相地絡時の相電
圧のベクトル波形を示すものである。図15(a)は零
相変圧器8の1次側電圧の波形を示し、図15(b)は
零相変圧器8の2次側電圧の波形を示す。
【0151】このようにc相地絡時における相電圧Vc
の低下により、零相変圧器8の2次側には、電圧Vo
(零相電圧)が発生する。この電圧Voは、地絡判定装
置80に入力される。
【0152】図16は、地絡判定装置80の構成例を示
す。
【0153】この地絡判定装置80は、地絡の程度を判
定する第1の判定回路81と、地絡継続の度合いを判定
する第2の判定回路82とから構成される。
【0154】第1の判定回路81では、入力された電圧
Voが基準値Vよりも大きいか否かを判定する。微地絡
の場合にはRgが大きく、ほぼ完全地絡の場合にはRg
0となるため、電圧Voはこれらの値の変化に伴って
変化し、基準値Vとの比較により判定される。ここで
は、電圧Voが基準値Vよりも大きい(Vo>V)場合
に地絡があったものとみなして信号を第2の判定回路8
2に出力する。
【0155】第2の判定回路82では、以下のような手
順で地絡の判定を行う。
【0156】地絡には、地絡当初から継続的に発生する
形態と、断続的に発生する形態とがある。前者の場合に
はできる限り速く信号A1を出力する必要があり、後者
の場合にはVoが断続的となるため、その地絡判定の基
準時間Tを予め設定しておく必要がある。
【0157】一般的に、電力系統における上位の遮断器
を開いて大事故を未然に防止するために、判定基準とし
て設定しておく時間は、継続地絡の場合では0.5秒
(1例)である。従って、このような時間内で地絡を解
除することを目的として、本例では、地絡判定の基準時
間Tを0.1秒程度に設定する。ただし、電力系統の種
類や場所等によって設定内容は異なる。
【0158】これにより、第2の判定回路82では、第
1の判定回路81からの信号が入力された時点からの計
測時間Toを求め、基準時間Tよりも長いか否かを判定
する。計測時間Toが基準時間Tよりも長い(To>
T)場合には、地絡があったものとみなされる。この地
絡有りの判定によって、信号A1が逆位相波形発生装置
90に入力される。この信号A1としては、地絡の有無
を示すような信号でよく、例えばオン,オフ信号を用い
ることができる。
【0159】そして、逆位相波形発生装置90には、零
相変流器7からの信号A2と、地絡判定装置80からの
信号A1とが入力される。
【0160】ここで、逆位相波形発生装置90の動作に
ついて説明する。
【0161】逆位相波形発生装置90は、信号A1によ
り地絡があったことを検知し、信号A2に基づいて前述
した(8)式に対応するような信号成分を作成する。
【0162】この場合、検出した信号A2の波形に追随
して増幅させる。例えば、信号A2の波形を変圧器で増
幅したり、パワートランジスタのバイアス入力としてパ
ワーアップした電流出力を行う。最近、10KHz程度
の応答性のIGBT(アイソレーションゲートバイポー
ラトランジスタ)や、20KHz以上の応答性のあるM
OSFETがあり、これにより、所定の大きさの高周波
電流を十分発生させることができる。電流の大きさにつ
いては、例えば、前述した(7)式の値(3.2A)に
相当するものである。
【0163】このようにして信号A2の成分である地絡
電流と同じ大きさの電流を発生させた後、極性を反転さ
せた逆位相の波形を作成する。この逆位相の波形を作成
する方法としては、前述した第1の例等と同様にして行
うことができるので、その説明は省略する。
【0164】これにより、逆位相波形発生装置90から
(8)式に対応した逆位相波形の相殺用抑制電流Iqを
出力し、消弧リアクトル71により相殺できなかった残
成分を全て相殺することができる。
【0165】逆位相波形発生装置90は、消弧リアクト
ル71により相殺できなかった残成分のみに対応させる
ための容量で構成でき、しかも、現状配電系統運用上必
要不可欠な設備も利用できるので、安価な装置を得るこ
とができる。
【0166】(スイッチ機構)次に、消弧リアクトル7
1のスイッチ機構を、図17および図18に基づいて説
明する。
【0167】図17は、3回線の電力系統のシステム構
成を簡略化して示す。
【0168】以下、消弧リアクトル71のスイッチの有
無について説明する。
【0169】まず、スイッチ100が存在しない場合に
は、地絡の有無に係わらず、
【0170】
【数9】 (Va/ωL)−{Va/(1/ωC)}=ΔI …(9) の関係が成り立つ。
【0171】この差電流ΔIは、前述した消弧リアクト
ル71によって相殺できなかった残りの電流成分であ
り、(8)式のΔ(Ica+Icb)に相当する。従っ
て、地絡電流の抑制分としては、Igz+ΔIとなり、
零相変流器7から信号A2として検出される。このΔI
が小さい値ほど(消弧リアクトルの補償率が高いほ
ど)、逆位相波形発生装置90の容量は小さくて済むこ
とになる。
【0172】一方、スイッチ100が存在する場合に
は、地絡の有無を示す信号A1に基づいてスイッチ動作
を行う。
【0173】しかし、スイッチ動作としては、信号A1
が発生(地絡と認識)したとき、まず、スイッチ100
をオンさせ、信号A2が地絡電流の値(Igz+ΔI)
になった後で、逆位相波形発生装置90を動作させるよ
うな順序を守る必要がある。
【0174】その理由としては、スイッチ100のオン
のタイミングが遅れると、信号A2は消弧リアクトル7
1で補償されない大きさの電流値となり、その結果、逆
位相波形発生装置90の内部素子を定格以上のもので構
成する必要があり、コスト高となるからである。
【0175】従って、スイッチ100を設置する場合に
は、図17に示すように、スイッチ動作を行わせるため
の信号A0を地絡判定装置80で作成して出力させる。
ただし、信号A0は、信号A1と同様なオン,オフの信
号でもよい。
【0176】図18は、信号A0、信号A1の出力タイ
ミングを示すものである。これにより、まず、信号A0
を出力してスイッチ100をオンした後、そのスイッチ
100のオンに要する時間(閉路用時間)ΔT以上の遅
延をかけた後、信号A1を逆位相波形発生装置90に対
して出力するように制御する。
【0177】[第5の例]次に、本発明の第5の実施の
形態を、図19〜図23に基づいて説明する。なお、前
述した第1〜第4の例と同一部分についての説明は省略
し、同一符号を付す。
【0178】図19は、本発明に係る地絡抑制システム
の構成例を示す。送電側の変電所1の構内において、2
は電源である。この電源2の出力側は、母線3a〜3c
と接続点X,Y,Zを介して接続されている。また,電
源2は、母線3a〜3cを介して、配電線100a〜1
00c,101a〜101c,102a〜102cと接
続されている。
【0179】配電線100a〜100c,101a〜1
01c,102a〜102cには、それぞれの配電線に
流れる零相電流Io1,Io2,Io3を検出する零相変流器
7a〜7cが接続されている。母線3a〜3cには、各
相電圧を検出する計器用変成器5a〜5cと、零相電圧
Voを検出する零相変成器8とが接続されている。
【0180】10は、事故配電線に流れる地絡電流Ig
を検出する地絡電流検出手段としての地絡事故検出装置
である。この地絡事故検出装置10の入力側には、計器
用変成器5a〜5cと、零相変流器7a〜7cと、零相
変成器8とが接続されている。
【0181】110は、検出した地絡電流の位相を遅ら
せる(例えば、半波分遅らせる)位相遅延装置である。
この位相遅延装置110の入力側は、地絡事故検出装置
10の出力側と接続されている。また、位相遅延装置1
10の出力側は、スイッチ120を介して母線3a〜3
cに接続されている。
【0182】また、変電所1から引き出された配電線1
00a〜100c,101a〜101c,102a〜1
02cには、それぞれ負荷30,31,32が接続され
ている。C1 ,C2 ,C3 は、それぞれ配電線100a
〜100c,101a〜101c,102a〜102c
の各相と大地との間の対地静電容量である。
【0183】図20は、地絡事故検出装置10の内部構
成を示す。この装置10は、各種信号が入力される入力
部11と、地絡事故を検出するための事故検出部12
と、地絡事故の発生した相および地絡電流信号を比較選
択する比較部13と、選択した地絡電流信号を出力する
出力部15とから構成されている。
【0184】図21は、位相遅延装置110の内部構成
を示す。この装置110は、地絡電流が入力される入力
部111と、地絡電流と地絡電流の位相が遅延した電流
を比較する比較部112と、比較の結果から位相差を調
節する調節部113と、地絡電流の位相を遅延させた電
流を出力する出力部114とから構成されている。
【0185】次に、地絡抑制システムの動作について説
明する。
【0186】今、配電線100a〜100cのうち、c
相の配電線100cに地絡故障が発生したとする。この
場合、母線3a,3bの接続点X,Yには、それぞれ配
電線100a〜100c,101a〜101c,102
a〜102cの健全相である、a相の配電線100a,
101a,102a、および、b相の配電線100b,
101b,102bからの各々の対地静電容量C1 ,C
2 ,C3 に基づく充電電流Ica1 ,Ica2 ,Ica3 、お
よび、充電電流Icb1 ,Icb2 ,Icb3 と、零相変成器
8の接地中性線からの地絡抵抗分電流Ira,Irbと
が流れ込む。そして,これらの電流は、電源2の各相を
介して破線の如く流れていき、c相の母線3cとの接続
点Zにおいて合成される。
【0187】一方、接続点Zには、配電線100a〜1
00c,101a〜101c,102a〜102cの地
絡相である、c相の配電線101c,102cからの各
々の対地静電容量C2 ,C3 に基づく充電電流Icc2
cc3 と、零相変成器8の接地中性線からの地絡抵抗分
電流Ircも流れ込む。最終的には、地絡相を直接通っ
てくる電流と、電源2を介して地絡相まで回り込んでく
る電流の合成値が破線の如く、配電線100cを流れ、
そして、地絡点Gに流れ込む。
【0188】一方、地絡事故時には、母線3a〜3cの
各相電圧が不平衡となり、零相変成器8において零相電
圧Voが検出され、また、配電線100a〜100c,
101a〜101c,102a〜102cの零相変流器
7a〜7cにおいてそれぞれの零相電流Io1,Io2,I
o3が検出される。これら検出した零相電圧Voおよび各
零相電流Io1〜Io3により、地絡事故検出装置10にお
いて地絡事故が発生したことを判別することができる。
【0189】また、地絡事故検出装置10では、電源2
の出力側に接続された計器用変成器5a〜5cにより検
出された各相の相電圧Va〜Vcを比較することによっ
て,地絡した地絡相を容易に判別することができる。
【0190】ここで、零相変流器7aで検出される零相
電流Io1は、地絡点Gに流れる地絡電流Igと全く同じ
ではない。零相変流器の特性上、自回線の健全相に流れ
る充電電流分は検出できない。つまり、零相変流器7a
で検出した零相電流Io1は、地絡電流Igに対して、配
電線100a,100bに流れる充電電流Ica1 ,I
cb1 のベクトル和分がマイナス誤差となる。しかし、配
電線の回線数が多い場合には、この誤差分が小さくな
り、なんら問題ない。
【0191】図20の地絡事故検出装置10の内部処理
を詳細に説明する。
【0192】入力部11には、零相電圧Voと、各配電
線の零相電流Io1,Io2,Io3と、各相の相電圧Va〜
Vcとが入力される。まず、事故検出部12では、零相
電圧Voと各配電線の零相電流Io1,Io2,Io3との検
出によって地絡事故検出を行う。この場合、零相電圧
と、複数の零相電流のうちの少なくとも1つとの合計2
つの信号成分の大きさを調べ、両方とも変化が生じたと
き(AND条件)に地絡事故と判断する。
【0193】このようにして地絡事故の検出が認められ
た場合、比較部13において各相の相電圧Va〜Vcの
大きさを比較し、地絡相を判別する。同様に、比較部1
3において各配電線に流れる零相電流の大きさを比較
し、最大のものを地絡電流Igの近似値として出力部1
5から出力する。
【0194】図21の位相遅延装置110の内部処理を
詳細に説明する。
【0195】入力部111には、地絡電流の近似値とし
てIo1が入力される。次に、比較部112では、最初、
適当な調整信号とともに、入力信号Io1を調整部113
へ送り出す。
【0196】次に、調整部113では、調整信号に応じ
た位相遅延を入力信号Io1に対して施し、再度、比較部
112へ送り、遅延電流信号と入力信号Io1とが比較さ
れる。比較の結果、所望の位相差になるように、調整信
号Idと入力信号Io1とを調整部113へ出力する。
これを繰り返し、比較部112からの調整信号Idがゼ
ロになった場合、位相遅延が完了したとして、遅延電流
信号を出力部114へ送り、出力部114から位相が遅
れた遅延電流Iv(例えば、半波分だけ遅延した信号)
が出力される。
【0197】そして、注入相切替スイッチを介して、地
絡相に出力された遅延電流Ivは、母線3cに示す矢印
方向に流れていき、地絡電流Igを打ち消すことにな
る。
【0198】なお、本発明の第5の例の構成において
は、その位相遅延装置110が地絡電流の近似値である
入力信号I01の波形の極性を反転させるのではなく、入
力信号I01の波形の位相を例えば半波分だけ遅延させた
遅延電流を出力するものであるため、地絡電流波形が周
期性を持つとともに隣接する正側および負側の各半波同
士の波形がほぼ同じである場合に、この遅延電流の注入
による地絡電流の抑制効果が大きくなる。
【0199】図22は、地絡電流波形の実測値を示す。
【0200】この図22から分かるように、地絡当初は
過渡現象により周期性を示さないが、地絡後、約100
ms以降は、定常的になり、波形も周期性を示すように
なる。
【0201】[第6の例]次に、本発明の第6の実施の
形態を、図23に基づいて説明する。なお、前述した第
1〜第5の例と同一部分についての説明は省略し、同一
符号を付す。
【0202】本例では、位相遅延装置110の出力側と
スイッチ120との間に、遅延電流Ivの振幅を調整す
るための注入用変圧器130が設けられている。
【0203】今、配電線100a〜100cのうち、c
相の配電線100cに地絡故障が発生したとする。この
場合、母線3a,3bの接続点X,Yには、それぞれ配
電線100a〜100c,101a〜101c,102
a〜102cの健全相である、a相の配電線100a,
101a,102a、および、b相の配電線100b,
101b,102bからの各々の対地静電容量C1 ,C
2 ,C3 に基づく充電電流Ica1 ,Ica2 ,Ica3 、お
よび、Icb1 ,Icb2 ,Icb3 と、零相変成器8の接地
中性線からの地絡抵抗分電流Ira,Irbとが流れ込
む。
【0204】そして、これらの電流は、電源2の各相を
介して破線の如く流れていき、c相の母線3cとの接続
点Zにおいて合成される。
【0205】一方、接続点Zには、配電線100a〜1
00c,101a〜101c,102a〜102cの地
絡相である、c相の配電線101c,102cからの各
々の対地静電容量C2 ,C3 に基づく充電電流Icc2
cc3 と、零相変成器8の接地中性線からの地絡抵抗分
電流Ircも流れ込む。最終的には、地絡相を直接通っ
てくる電流と、電源2を介して地絡相まで回り込んでく
る電流の合成値が破線の如く、配電線100cを流れ、
そして、地絡点Gに流れ込む。
【0206】一方、地絡事故時には、母線3a〜3cの
各相電圧が不平衡となり、零相変成器8において零相電
圧Voが検出され、また、配電線100a〜100c,
101a〜101c,102a〜102cの零相変流器
7a〜7cにおいてそれぞれの零相電流Io1,Io2,I
o3が検出される。これら検出した零相電圧Voおよび各
零相電流Io1〜Io3により、地絡事故検出装置10にお
いて地絡事故が発生したことを判別することができる。
【0207】また、地絡事故検出装置10では、電源2
の出力側に接続された計器用変成器5a〜5cにより検
出された各相の相電圧Va〜Vcを比較することによっ
て、地絡した地絡相を容易に判別することができる。比
較部13において、各配電線に流れる零相電流の大きさ
を比較し、最大のものを地絡電流の近似値として出力す
る。
【0208】そして、位相遅延装置110では、地絡電
流の原波形と位相調整された遅延電流の比較を行い、所
望の位相差になるように調整する。
【0209】この調整後、地絡電流の半波分位相が遅延
した遅延電流Ivが、注入用変圧器130に出力され
る。この際、注入用変圧器130の変圧比を適当にとる
ことによって、遅延電流Ivを生成する際に減衰した振
幅を調整して減衰分を補償することができる。
【0210】遅延電流Ivは、注入用変圧器130を介
して、母線3cに注入され、矢印方向に流れていき、地
絡電流Igを打ち消す。
【0211】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
地絡電流を検出する手段と、この検出された地絡電流と
同じ大きさで逆位相の逆位相電流を発生する手段と、こ
の発生した逆位相電流を配電線に注入する手段とを設け
たので、インピーダンス成分(一般的には抵抗成分)を
含む地絡電流を一括相殺して地絡を抑制することが可能
となる。
【0212】また、本発明によれば、地絡電流を検出す
る手段と、この地絡電流を成分毎(正弦波成分、インピ
ーダンス成分)に分割する手段と、この分割した各々の
電流成分と同じ大きさで逆位相の逆位相電流を発生する
手段と、この発生した逆位相電流を配電線に注入する手
段とを設けたので、地絡電流を成分毎に相殺して地絡を
抑制することが可能となる。
【0213】また、本発明によれば、地絡電流を検出す
る手段と、この地絡電流のうち正弦波成分の一部分を相
殺する相殺手段(消弧リアクトル等を用いて構成され
る)と、この相殺手段により相殺されなかった正弦波成
分の残りの未相殺部分とインピーダンス成分とを合成し
た合成電流に対して大きさが等しく逆位相の逆位相電流
を発生する手段と、この合成電流に対応した逆位相電流
を配電線に注入する手段とを設けたので、地絡電流を一
定部分に分割相殺して地絡を抑制することが可能とな
る。
【0214】また、本発明によれば、逆位相電流は、配
電系統上に零相変成器、汎用の変圧器、あるいは計器用
変流器を用いて配電線へ注入するようにしたので、送電
形態への依存性がなくなり、既存の配電系統への設置を
容易に行うことができる。
【0215】また、本発明によれば、地絡電流を検出す
る手段と、この地絡電流を位相遅延(例えば半波分遅
延)させる手段と、この遅延させた遅延電流を電力配電
線に注入する手段(変圧器等を用いて構成される)とを
設けたので、地絡電流を相殺して地絡を抑制することが
できる。
【0216】また、本発明によれば、地絡電流を抑制す
るための遅延電流は、母線上に注入し、地絡点に流れ込
むよう接地ループ回路を構成すればよく、これにより、
送電形態への依存性、配電線に存在する負荷への分流が
なく、容易に地絡抑制を行うことができる。
【0217】また、本発明によれば、地絡電流をほぼ完
全に相殺することができるので、電気設備技術基準に規
定されているB種接地工事における1線地絡電流値に応
じた接地抵抗を緩和することができ、これにより、接地
工事費の低減を図ることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態である地絡抑制方式
によるシステム構成例を示す構成図である。
【図2】地絡電流を検出する回路構成を示すブロック図
である。
【図3】逆位相電流を生成する回路構成を示すブロック
図である。
【図4】地絡電流波形に逆位相電流波形を重畳して打ち
消す様子を示す波形図である。
【図5】各種の電圧、電流の大きさとベクトルの向きを
示す特性図である。
【図6】本発明の第2の実施の形態である地絡抑制方式
によるシステム構成例を示す構成図である。
【図7】本発明の第3の実施の形態である地絡抑制方式
によるシステム構成例を示す構成図である。
【図8】地絡電流を検出する回路構成を示すブロック図
である。
【図9】逆位相電流を生成する回路構成を示すブロック
図である。
【図10】各種の電圧、電流の大きさとベクトルの向き
を示す特性図である。
【図11】本発明の第4の実施の形態である地絡抑制方
式によるシステム構成例を示す構成図である。
【図12】送電系統の各部における電圧、電流の波形を
示す波形図である。
【図13】図12の各部の波形を拡大して示す波形図で
ある。
【図14】正常運転時における零相変圧器の相電圧のベ
クトル波形を示す波形図である。
【図15】地絡時における零相変圧器の相電圧のベクト
ル波形を示す波形図である。
【図16】地絡判定装置の構成を示すブロック図であ
る。
【図17】3回線の電力系統のシステム構成例を示す構
成図である。
【図18】スイッチ動作の入力タイミングを示すタイミ
ングチャートである。
【図19】本発明の第5の実施の形態である地絡抑制方
式のシステム構成例を示す構成図である。
【図20】地絡電流を検出する回路構成を示すブロック
図である。
【図21】地絡電流の位相遅延電流を生成する回路構成
を示すブロック図である。
【図22】地絡電流の実測例を示す波形図である。
【図23】本発明の第6の実施の形態である地絡抑制方
式のシステム構成例を示す構成図である。
【符号の説明】
3a〜3c 母線 4a〜4c 配電線 5a〜5c 計器用変成器 7 零相変流器 7a〜7c 零相変流器 8 零相変成器 8a 接地中性線 10 地絡事故検出装置 20 逆位相波形発生装置 30〜32 負荷 40 注入用変圧器 50 逆位相波形発生装置 60 逆位相波形発生装置 71 消弧リアクトル 80 地絡判定装置 90 逆位相波形発生装置 100a〜100c 配電線 101a〜101c 配電線 102a〜102c 配電線 110 位相遅延装置 130 注入用変圧器 Ig 地絡電流 Iv 逆位相電流 Vo 零相電圧 Io 零相電流
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 元治 崇 大阪府大阪市北区中之島3丁目3番22号 関西電力株式会社内 (72)発明者 不動 弘幸 大阪府大阪市北区中之島3丁目3番22号 関西電力株式会社内 (72)発明者 遠藤 弘 神奈川県川崎市川崎区田辺新田1番1号 富士電機株式会社内 (72)発明者 磯崎 優 神奈川県川崎市川崎区田辺新田1番1号 富士電機株式会社内 (72)発明者 岩井 弘美 神奈川県川崎市川崎区田辺新田1番1号 富士電機株式会社内 (72)発明者 松本 俊郎 神奈川県川崎市川崎区田辺新田1番1号 富士電機株式会社内

Claims (20)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電力配電線の零相電圧を検出する零相変
    成器と、 前記電力配電線の零相電流を検出する零相変流器と、 前記零相電圧および前記零相電流に基づいて、前記電力
    配電線の地絡電流を検出する地絡電流検出手段と、 前記検出された地絡電流と同じ大きさで逆位相の逆位相
    電流を発生する逆位相電流発生手段と、 前記発生した逆位相電流を前記電力配電線に供給する逆
    位相電流供給手段とを具え、前記供給された逆位相電流
    によって前記地絡電流を抑制することを特徴とする地絡
    抑制システム。
  2. 【請求項2】 前記逆位相電流供給手段は、前記逆位相
    電流を、前記電力配電線に装備された前記零相変成器の
    1次側中性線に供給することを特徴とする請求項1に記
    載の地絡抑制システム。
  3. 【請求項3】 前記逆位相電流供給手段を変圧器により
    構成し、該変圧器を前記電力配電線に設け、該変圧器を
    介して該電力配電線に前記逆位相電流を供給することを
    特徴とする請求項1に記載の地絡抑制システム。
  4. 【請求項4】 電力配電線の零相電圧を検出する零相変
    成器と、 前記電力配電線の零相電流を検出する零相変流器と、 前記零相電圧および前記零相電流に基づいて、前記電力
    配電線の地絡電流を検出する地絡電流検出手段と、 前記検出された地絡電流を、対地静電容量に基づく正弦
    波成分および前記零相変成器の1次側接地線から流れ込
    むインピーダンス成分に分割する分割手段と、 前記分割された地絡電流の正弦波成分に対して、同じ大
    きさで逆位相の第1の逆位相電流を発生する第1の逆位
    相電流発生手段と、 前記分割された地絡電流のインピーダンス成分に対し
    て、同じ大きさで逆位相の第2の逆位相電流を発生する
    第2の逆位相電流発生手段と、 前記発生した第1および第2の逆位相電流を前記電力配
    電線に供給する逆位相電流供給手段とを具え、前記供給
    された第1および第2の逆位相電流によって前記地絡電
    流を抑制することを特徴とする地絡抑制システム。
  5. 【請求項5】 前記逆位相電流供給手段は、 前記第1および第2の逆位相電流を、前記電力配電線に
    各々別個の経路から供給することを特徴とする請求項4
    に記載の地絡抑制システム。
  6. 【請求項6】 電力配電線の零相電圧を検出する零相変
    成器と、 前記電力配電線の零相電流を検出する零相変流器と、 前記零相電圧および前記零相電流に基づいて、前記電力
    配電線の地絡電流を検出する地絡電流検出手段と、 前記検出された地絡電流のうち、対地静電容量に基づく
    正弦波成分の一部分を相殺する相殺手段と、 前記相殺手段により相殺仕切れない正弦波成分および前
    記零相変成器の1次側接地線から流れ込むインピーダン
    ス成分に対して、それぞれ、同じ大きさで逆位相の逆位
    相電流を発生する逆位相電流発生手段と、 前記発生した逆位相電流を前記電力配電線に供給する逆
    位相電流供給手段とを具え、前記供給された逆位相電流
    によって前記地絡電流を抑制することを特徴とする地絡
    抑制システム。
  7. 【請求項7】 前記相殺手段は、消弧リアクトルからな
    り、 該消弧リアクトルにより対地静電容量に基づく正弦波成
    分の大部分を相殺することを特徴とする請求項6に記載
    の地絡抑制システム。
  8. 【請求項8】 電力配電線の零相電圧を検出する零相変
    成器と、 前記電力配電線の零相電流を検出する零相変流器と、 前記零相電圧および前記零相電流に基づいて、前記電力
    配電線の地絡電流を検出する地絡電流検出手段と、 前記検出された地絡電流の位相を遅延させて位相遅延電
    流を作成する位相遅延手段と、 前記遅延させた位相遅延電流を前記電力配電線に供給す
    る位相遅延電流供給手段とを具え、前記位相遅延電流に
    よって前記地絡電流を抑制することを特徴とする地絡抑
    制システム。
  9. 【請求項9】 前記位相遅延手段は、前記地絡電流の位
    相を半波分遅延させることを特徴とする請求項8記載の
    地絡抑制システム。
  10. 【請求項10】 前記位相遅延電流供給手段は、前記電
    力配電線に接続された変圧器を介して前記位相遅延電流
    を供給することを特徴とする請求項8又は9記載の地絡
    抑制システム。
  11. 【請求項11】 電力配電線の零相電圧および零相電流
    を検出する工程と、 前記零相電圧および前記零相電流に基づいて、前記電力
    配電線の地絡電流を検出する地絡電流検出工程と、 前記検出された地絡電流と同じ大きさで逆位相の逆位相
    電流を発生する逆位相電流発生工程と、 前記発生した逆位相電流を前記電力配電線に供給する逆
    位相電流供給工程とを具え、前記供給された逆位相電流
    によって前記地絡電流を抑制することを特徴とする地絡
    抑制方法。
  12. 【請求項12】 前記逆位相電流供給工程は、前記逆位
    相電流を、前記電力配電線に装備された零相変成器の1
    次側中性線に供給することを特徴とする請求項11に記
    載の地絡抑制方法。
  13. 【請求項13】 前記逆位相電流供給工程は、前記電力
    配電線に接続された変圧器を介して前記逆位相電流を供
    給することを特徴とする請求項11に記載の地絡抑制方
    法。
  14. 【請求項14】 電力配電線の零相電圧および零相電流
    を検出する工程と、 前記零相電圧および前記零相電流に基づいて、前記電力
    配電線の地絡電流を検出する地絡電流検出工程と、 前記検出された地絡電流を、対地静電容量に基づく正弦
    波成分および前記零相変成器の1次側接地線から流れ込
    むインピーダンス成分に分割する工程と、 前記分割された地絡電流の正弦波成分に対して、同じ大
    きさで逆位相の第1の逆位相電流を発生する第1の逆位
    相電流発生工程と、 前記分割された地絡電流のインピーダンス成分に対し
    て、同じ大きさで逆位相の第2の逆位相電流を発生する
    第2の逆位相電流発生工程と、 前記発生した第1および第2の逆位相電流を前記電力配
    電線に供給する逆位相電流供給工程とを具え、前記供給
    された第1および第2の逆位相電流によって前記地絡電
    流を抑制することを特徴とする地絡抑制方法。
  15. 【請求項15】 前記逆位相電流供給工程は、 前記第1および第2の逆位相電流を、前記電力配電線に
    各々別個の経路から供給することを特徴とする請求項1
    4に記載の地絡抑制方法。
  16. 【請求項16】 電力配電線の零相電圧および前記電力
    配電線の零相電流を検出する工程と、 前記零相電圧および前記零相電流に基づいて、前記電力
    配電線の地絡電流を検出する地絡電流検出工程と、 前記検出された地絡電流のうち、対地静電容量に基づく
    正弦波成分の一部分を相殺する相殺工程と、 前記相殺により相殺仕切れない正弦波成分および前記零
    相変成器の1次側接地線から流れ込むインピーダンス成
    分に対して、それぞれ、同じ大きさで逆位相の逆位相電
    流を発生する逆位相電流発生工程と、 前記発生した逆位相電流を前記電力配電線に供給する逆
    位相電流供給工程とを具え、前記供給された逆位相電流
    によって前記地絡電流を抑制することを特徴とする地絡
    抑制方法。
  17. 【請求項17】 前記相殺工程は、消弧リアクトルによ
    り対地静電容量に基づく正弦波成分の大部分を相殺する
    ことを特徴とする請求項16に記載の地絡抑制方法。
  18. 【請求項18】 電力配電線の零相電圧を検出する工程
    と、 前記電力配電線の零相電流を検出する工程と、 前記零相電圧および前記零相電流に基づいて、前記電力
    配電線の地絡電流を検出する地絡電流検出工程と、 前記検出された地絡電流の位相を遅延させて位相遅延電
    流を作成する位相遅延工程と、 前記遅延させた位相遅延電流を前記電力配電線に供給す
    る位相遅延電流供給工程とを具え、前記位相遅延電流に
    よって前記地絡電流を抑制することを特徴とする地絡抑
    制方法。
  19. 【請求項19】 前記位相遅延工程は、前記地絡電流の
    位相を半波分遅延させることを特徴とする請求項18に
    記載の地絡抑制方法。
  20. 【請求項20】 前記位相遅延電流供給工程は、前記電
    力配電線に接続された変圧器を介して前記位相遅延電流
    を供給することを特徴とする請求項18又は19に記載
    の地絡抑制方法。
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