JP3836620B2 - 地絡電流抑制装置の保護装置および地絡抑制方法 - Google Patents

地絡電流抑制装置の保護装置および地絡抑制方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電力配電線に生じる瞬時地絡あるいは永続的地絡において、地絡に起因して発生する地絡電流を抑制することによって地絡そのものを抑制し、さらには、電気設備技術基準に規定されているB種接地工事による接地抵抗値の緩和を行う地絡電流抑制装置の保護装置および地絡抑制方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、電力配電線に生じる地絡電流を抑制するために、地絡抑制電流を作成する地絡電流抑制装置がある。
【0003】
この地絡電流抑制装置により作成された地絡抑制電流を電力配電線に注入するために、注入装置を用いる場合がある。この注入装置としては、一般的に、3相変圧器が適用されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、3相変圧器を適用した場合、地絡電流抑制装置への印加電圧は大きくなり、最悪の場合、地終電流抑制装置が破損する恐れがある。
【0005】
そこで、本発明の目的は、地絡電流抑制装置への印加電圧を小さくして、信頼性の高い装置を作製することが可能な地絡電流抑制装置の保護装置および地絡抑制方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、電力配電線に生じる地絡電流を抑制するための地絡抑制電流を作成する地絡電流抑制装置を保護する装置であって、前記電力配電線の所定の相と前記地絡抑制電流を出力する前記地絡電流抑制装置の出力部との間に、単相変圧器を接続する接続手段を具えることによって、地絡電流抑制装置の保護装置を構成する。
【0007】
また、かかる構成において、前記電力配電線の相電圧を検出する相電圧検出手段と、前記検出された相電圧に基づいて地絡相を検出する地絡相検出手段とをさらに具え、前記接続手段は、前記検出された地絡相に前記単相変圧器を接続するようにするとよい。
【0008】
また、かかる構成において、前記接続手段は、前記電力配電線の任意の相に前記単相変圧器を接続するようにしてもよい。
【0009】
また、かかる構成において、前記単相変圧器に抵抗回路を並列に接続するようにするとよい。
【0010】
また、かかる構成において、前記地絡電流抑制装置は、前記電力配電線の零相電圧を検出する零相電圧検出手段と、前記電力配電線の零相電流を検出する零相電流検出手段と、前記零相電流検出手段により検出された電流に基づいて前記電力配電線の地絡電流を検出する地絡電流検出手段と、前記検出された地絡電流と同じ大きさで逆位相の逆位相電流を前記地絡抑制電流として作成する逆位相電流作成手段とを含み、前記逆位相電流を前記単相変圧器を介して前記電力配電線の所定の相に注入するようにするとよい。
【0011】
また、本発明は、地絡電流抑制装置を用いて、電力配電線に生じる地絡電流を抑制するための地絡抑制電流を作成する地絡抑制電流作成工程と、前記電力配電線の所定の相と、前記地絡抑制電流を出力する前記地絡電流抑制装置の出力部との間に、単相変圧器を接続する接続工程と、前記地絡抑制電流を前記単相変圧器を介して前記電力配電線の所定の相に注入する注入工程とを具えることによって、地絡抑制方法を提供する。
【0012】
また、かかる構成において、前記電力配電線の相電圧を検出する相電圧検出工程と、前記検出された相電圧に基づいて地絡相を検出する地絡相検出工程とをさらに具え、前記接続工程によって、前記検出された地絡相に前記単相変圧器を接続するようにするとよい。
【0013】
また、かかる構成において、前記接続工程によって、前記電力配電線の任意の相に前記単相変圧器を接続するようにしてもよい。
【0014】
また、かかる構成において、前記単相変圧器に抵抗回路を並列に接続するようにするとよい。
【0015】
また、かかる構成において、前記地絡抑制電流作成工程は、前記電力配電線の零相電圧を検出する零相電圧検出工程と、前記電力配電線の零相電流を検出する零相電流検出工程と、前記零相電流検出工程により検出される電流に基づいて前記電力配電線の地絡電流を検出する地絡電流検出工程と、前記検出された地絡電流と同じ大きさで逆位相の逆位相電流を前記地絡抑制電流として作成する逆位相電流作成工程とを含み、前記逆位相電流を前記単相変圧器を介して前記電力配電線の所定の相に注入するようにするとよい。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態を詳細に説明する。
【0017】
[第1の例]
本発明の第1の実施の形態を、図1〜図4に基づいて説明する。
【0018】
図1は、単相注入方式の構成例を示す。
【0019】
変電所1の構内において、2は電源である。この電源2の出力側は、母線3a〜3cに接続されており、母線から配電線4a〜4c,5a〜5cに接続されている。
【0020】
配電線4a〜4cには、配電線の零相電流I01を検出する零相変流器7aが接続されている。同様に、配電線5a〜5cには、零相電流I02を検出する零相変流器7bが接続されている。母線3a〜3cには、零相電圧Vo を検出する接地形計器用変圧器(GVT;Grounding Voltage Transformer )からなる零相変圧器8が接続されている。
【0021】
9a〜9cは、単相変圧器からなる注入用変圧器30を地絡相に連系する開閉器であり、母線3a〜3cにそれぞれ接続されている。開閉器9a〜9cのうち、地絡事故検出装置10からの投入指令信号Itに基づいて地絡が発生した地絡相に対応する開閉器が投入され、これによって、注入用変圧器30が母線3a〜3cのうちの地絡相に接続される。
【0022】
10は、配電線4a〜4cあるいは5a〜5cに生じた地絡事故、および4a〜4cあるいは5a〜5cに流れる地絡電流Ig を検出するための地絡事故検出装置である。なお、図1は配電線4a〜4cが事故配電線となった場合を示している。この地絡事故検出装置10の入力側は、計器用変圧器6a〜6cと、零相変圧器8と、零相変流器7a,7bとが接続されている。また、地絡事故検出装置10の出力側は、母線3a〜3cと注入用変圧器30を接続する開閉器9a〜9cと、逆位相波形発生装置20に接続されている。
【0023】
20は、地絡電流Ig と同じ大きさで逆位相の逆位相電流Iv(=−Ig )を発生する逆位相波形発生装置である。逆位相波形発生装置20の入力側は、地絡事故検出装置10の出力側と接続されている。また、逆位相波形発生装置20の出力側は、配電系統へ注入するための注入用変圧器30と接続されている。
【0024】
ここで、逆位相波形発生装置20について簡単に説明しておく。ここでいう逆位相波形発生装置20とは、前記出力された地絡電流Ig と同じ大きさで逆位相の逆位相電流Ivを作成する手段によって構成されるものであり、例えば、地絡電流Ig の信号波形の大きさを測定する手段、その信号波形を反転させる手段、出力タイミングをとる手段等によって容易に構成できるものである。
【0025】
図2は、地絡事故検出装置10の内部構成を示す。
【0026】
装置10内には、零相変流器7a,7bにより検出される電流I01,I02、零相電圧Vo 、相電圧Va ,Vb ,Vc の各種信号が入力される入力部11と、地絡事故を検出するための事故検出部12と、地絡配電線および地絡相を検出する比較部13と、地絡相への系統並入用の開閉器9a〜9cの投入指令信号Itを発生させる開閉器投入指令部14と、地絡電流Ig を算出するための演算部15と、開閉器9への投入指令信号I tおよび地絡電流Ig を出力する出力部16とから構成される。
【0027】
ここで、地絡事故検出装置10の動作について説明する。
【0028】
入力部11には、零相電圧Vo と、零相変流器7a,7bにより検出される電流I01,I02と、各相の相電圧Va ,Vb ,Vc とが入力される。まず、事故検出部12では、零相電圧Vo と、零相変流器7a,7bにより検出される電流I01,I02との両方の大きさを見て、両方とも変化が生じたとき(AND条件)に地絡事故と判断する。ここで、この判断時における電流I01,I02は、少なくとも1つの大きさを見ればよい。
【0029】
このようにして地絡事故の検出が認められた場合、比較部13において各相の相電圧Va 〜Vc の大きさを比較して、最も小さい値の相を地絡相と判別する。また、比較部13では、零相電圧Vo と、零相変流器7a,7bにより検出される電流I01,I02の大きさおよび位相差により、地絡回線と健全回線とを区別する。なお、この判別方法としては、配電系統に一般的に使用されている地絡方向継電器と同じ原理を用いる。
【0030】
また、地絡回線と判別された回線の零相電流を地絡電流の推定電流とする。
【0031】
開閉器投入指令部14では、比較部13から出力された地絡相判別信号を受け、注入用変圧器30を地絡相に連系する開閉器9a〜9cへの投入指令を出力する。
【0032】
一方、演算部15では、比較部13によって判別された地絡回線の変流器により検出される電流を地絡電流Ig の推定値とする。
【0033】
系統並入用の開閉器9a〜9cへの投入指令信号Itと、逆位相波形発生装置20への地絡電流Ig とは、出力部16から出力される。
【0034】
このように、地絡事故検出装置10では、各相の相電圧から地絡相が検出できる。地絡相は、地絡事故により相電圧が他相に比べ、低下するため、3相のうち最も低い電圧のものが地絡相であると容易に判別できる。そして、地絡相の判別により、開閉器9a〜9cのうちの地絡相に該当する開閉器への投入指令を出す。この工程により、注入用変圧器30は地絡相に接続でき、逆位相電流の注入が可能となる。
【0035】
ここで、従来の問題点であった、地絡電流抑制装置への印加電圧について述べる。
【0036】
地絡相への単相変圧器からなる注入用変圧器30の接続による逆位相波形発生装置20への印加電圧は、式1に示すような値となる。
【0037】
【数1】
i =Vf/n …(1)
i :注入用変圧器を介して逆位相波形発生装置に印加される電圧
Vf:地絡点(地絡相)の電圧
n:注入用変圧器の変圧比
図1において、点P2は、事故配電線の地絡相4aと、母線3aとの接続点である。地絡相の相電圧は、健全回線と母線3aとの接続点P1、計器用変圧器6aと母線3aとの接続点P3、零相変圧器8と母線3aとの接続点P4、系統並入用の開閉器9aと母線3aとの接続点P5を介して、それぞれ印加される。
【0038】
そして、地絡点の電圧は、地絡相の相電圧と同一となる。今、配電線を6KVの高圧配電系統とした場合、その線間電圧は6600V(実効値)であり、その相電圧は6600/√3=3811Vとなる。しかし、一般に地絡事故時は、地絡相の相電圧は、健全時の3811Vに比べて低下する。
【0039】
従って、地絡相に注入用変圧器30を接続した場合、逆位相波形発生装置20に印加される電圧Vi の最大値は、3811V/nとなる。
【0040】
次に、図1に示した単相注入方式の本例を、3相注入方式の例と比較して考える。
【0041】
まず、各相の電圧関係を図4に基づいて説明する。図4において、各相電圧Ea,Eb,Ecと線間電圧Eab,Ebc,Ecaとの関係を示す。3相の場合、健全時は、図4(a)に示すように互いにバランスしている。この場合、一般に、相電圧(=対地電圧)は、線間電圧の1/√3の大きさとなる。今、この線間電圧を6600V(実効値)とすれば、対地電圧は6600/√3=3811Vとなる。
【0042】
そして、a相が地絡(接地)した場合、図4(b)に示すようにa相の相電圧(=対地電圧)Eaは低下することになる。このように、地絡事故の場合、各線間電圧は保持されるが、各相電圧にアンバランスが生じることになる(地絡相の相電圧は通常よりも低く、健全相の相電圧は通常よりも高くなる)。
【0043】
図3は、3相変圧器からなる注入用変圧器30Aを用いた3相注入方式の例である。この3相注入方式では、逆位相波形発生装置20に印加される電圧は、式2のようになる。
【0044】
【数2】
i =(Vf+Eb+Ec)/n …(2)
i :注入用変圧器を介して逆位相波形発生装置に印加される電圧
Vf:地絡点の電圧
Eb:配電線のb相(健全相)の相電圧
Ec:配電線のc相(健全相)の相電圧
n:注入用変圧器の変圧比
地絡点の電圧が最大値となる場合は、地絡点の抵抗が無限大となる場合であり、この場合、3相が平衡して、その相電圧のベクトル和は0となる。従って、Vi は0Vとなる。しかし、地絡点の抵抗が0Ωの場合、3相の不平衡が最大となり、各相の相電圧のベクトル和は最大となる。その大きさは、線間電圧×√3となる。式1の条件と合わせて、配電線を6KVの高圧配電系統とした場合、その線間電圧は6600V(実効値)であり、地絡事故時の各相電圧のベクトル和の大きさは、6600V×√3=11431Vとなる。
【0045】
これにより、3相注入方式の場合、3相変圧器からなる注入用変圧器30Aを介して逆位相波形発生装置20に印加される電圧Vi の最大値は、Vi =11431V/nとなる。このVi の最大値は、前述した式1に示した単相注入方式に比べ3倍の値となる。
【0046】
従って、本発明に係る単相注入方式では、3相注入方式に比べて、印加電圧を1/3に抑えることができる。
【0047】
[第2の例]
本発明の第2の実施の形態を、図5に基づいて説明する。
【0048】
第1の例では、配電系統と単相変圧器からなる注入用変圧器30との間に介在する3個の開閉器9a〜9cがそれぞれ母線3a〜3cに接続され、開閉器9a〜9cのうち地絡相に対応する開閉器が投入されるようになっていた。これに対して、本例では、1個の開閉器90が任意の相と接続されている。
【0049】
これにより、地絡事故のたびに注入相を選択する必要がなく、常に一定とすることができるため、注入相選択にかかるステップを省略できるとともに、配電系統と注入用変圧器30との間に設ける開閉器の個数が1個でよくなり、電力配電線と注入用変圧器との間の接続手段の構成がより簡素となる。
【0050】
ここで、逆位相波形発生装置20への印加電圧について述べる。
【0051】
単相変圧器からなる注入用変圧器30の接続された相が、地絡相となった場合は、第1の例と同じである。よって、ここでは、健全相接続となった場合、すなわち、注入用変圧器30の接続された相が健全相となった場合について述べる。
【0052】
健全相接続となった場合の、逆位相波形発生装置20への印加電圧は、式3の通りとなる。
【0053】
【数3】
i =Eb/n …(3)
i :注入用変圧器を介して装置に印加される電圧
Eb:b相(健全相)の相電圧
n:注入用変圧器の変圧比
健全相の相電圧は、地絡事故の影響により、一般的には事故前の健全時よりも大きくなり、その最大値は線間電圧相当である。今、配電線を6KVの高圧配電系統とした場合、その線間電圧は6600V(実効値)である。
【0054】
従って、注入用変圧器30の接続された相が健全相となった場合、逆位相波形発生装置20に印加される電圧Vi の最大値は、6600V/nとなる。
【0055】
なお、上述の図5の構成において、開閉器90と母線3a〜3cの各相との間に例えば断路器などの開閉手段を設けておいて、この開閉手段により適当な期間をおいて母線3a〜3cの内の開閉器90と接続される相を切り換えることができるようにすると、各相における負担を均等化することができるので、より好適である。
【0056】
また、上述の図5の構成においては、開閉器90を介装しないで注入用変圧器30を直接配電系統の母線3a〜3cのいずれかに接続しておく構成としてもよく、このような構成とすれば、地絡電流抑制装置の保護装置の構成をより簡素なものとすることができる。ただし、このような、注入用変圧器30を母線3a〜3cのいずれかに直接接続しておく構成では、配電系統側から注入用変圧器30を介して地絡電流抑制装置の方に常時電圧が印加されることになるとともに、地絡事故が発生していない正常時において地絡電流抑制装置が万一誤動作した場合に配電系統の方に電流が注入されてしまうことになるので、この点では、図5に示されるような、開閉器90を介装しておき、地絡事故時にのみこの開閉器90を投入するという構成とした方がより高い信頼性を確保することができるので好適である。
【0057】
[第3の例]
本発明の第3の実施の形態を、図6に基づいて説明する。
【0058】
第2の例と異なる点は、単相変圧器からなる注入用変圧器30と並列に抵抗回路31を挿入している点である。第2の例において、健全相接続の場合、すなわち、注入用変圧器30の接続された相が健全相となった場合、二線地絡となる。これは異相地絡短絡であり、大きな短絡電流が流れる。この点についてさらに詳細に説明する。
【0059】
すなわち、一線地絡事故により、地絡相は地絡点Gで接地される。一方、逆位相波形発生装置20で逆位相電流を注入する場合、健全相接続では、注入用変圧器30を介して、片側が接地されることになる。従って、事故相と健全相とが大地を通じて、短絡されることになる。
【0060】
6KV系統の場合、線間には6600V(実効値)が印加されるため、1Ω程度の短絡抵抗では6600V/1Ω=6600Aの短絡電流が流れることになる。このように大きな短絡電流が流れることにより、配電系統につながる変圧器等の機器が損傷する。そこで、短絡抵抗の値を高くすることが重要となる。
【0061】
本例では、単相変圧器からなる注入用変圧器30の逆位相波形発生装置20側に数Ωの抵抗を有する抵抗回路31を並列接続する。この抵抗回路31の抵抗Rdは、注入用変圧器30を介しているため、配電系統側では変圧比nの2乗に比例して作用するので、短絡電流IS は、式4のようになる。
【0062】
【数4】
Is=Eab/(Rd×n2 ) …(4)
Is:短絡電流
Eab:a相,b相間の線間電圧
Rd:短絡防止用抵抗
n:注入用変圧器の変圧比
注入用変圧器30の変圧比nを適切に設定すれば、抵抗回路31の抵抗Rdが数Ωの抵抗であっても、配電系統側では数KΩの抵抗として作用させることが可能である。
【0063】
今、配電線を6KVの高圧配電系統とした場合、その線間電圧は6600V(実効値)であり、短絡防止用抵抗Rdを配電系統側において数KΩの抵抗として作用させれば、短絡電流は6.6A以下に抑えることができる。
【0064】
なお、上述の図6に示されるような、注入用変圧器30と並列に抵抗回路31を並列接続する構成は、図1の装置に適用してもよい。図1の装置において万一地絡相の誤判別により注入用変圧器30が健全相に接続された場合でも、上記のような構成とすることにより、異相地絡短絡による短絡電流を小さくすることができる。
【0065】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、電力配電線の所定の相と地絡電流抑制装置の出力部との間に、単相変圧器を接続する接続手段を具えるようにしたので、従来の3相注入方法、すなわち3相変圧器を介して地絡抑制電流を注入する方式に比べて、地絡電流抑制装置への印加電圧を小さくすることができ、信頼性の高い装置を作製することができる。
【0066】
また、かかる構成において、地絡相を検出する手段を具え、前記接続手段は、地絡相に前記単相変圧器を接続するようにしたので、従来の3相注入方式に比べて地絡電流抑制装置への印加電圧を1/3と大幅に小さくすることができる。
【0067】
また、かかる構成において、前記接続手段は、前記電力配電線の任意の相に前記単相変圧器を接続するようにしたので、地絡抑制電流の注入相が常に一定であり、注入相を選択する必要がないため、注入相の選択の選択にかかるステップを省略することができるとともに、電力配電線と単相変圧器との間の接続手段の構成を簡素なものとすることができる。
【0068】
また、かかる構成において、前記単相変圧器に抵抗回路を並列に接続するようにしたので、この抵抗回路の抵抗が配電系統側では前記単相変圧器の変圧比の2乗に比例して作用することにより、検出された地絡相に単相変圧器を接続する構成において地絡相の誤検出があった場合あるいは電力配電線の任意の相に単相変圧器を接続する構成におけるこの任意の相が健全相となった場合の異相地絡短絡による短絡電流を小さくすることができる。
【0069】
また、本発明によれば、電力配電線の所定の相と地絡電流抑制装置の出力部との間に、単相変圧器を接続する接続工程を具えるようにしたので、従来の3相注入方式、すなわち3相変圧器を介して地絡抑制電流を注入する方式に比べて地絡電流抑制装置への印加電圧を小さくすることができ、信頼性の高い装置を作製することができる。
【0070】
また、かかる構成において、地絡相を検出する工程を具え、前記接続工程によって、地絡相に前記単相変圧器を接続するようにしたので、従来の3相注入方式に比べて地絡電流抑制装置への印加電圧を1/3と大幅に小さくすることができる。
【0071】
また、かかる構成において、前記接続工程によって、前記電力配電線の任意の相に前記単相変圧器を接続するようにしたので、地絡抑制電流の注入相が常に一定であり、注入相を選択する必要がないため、注入相の選択にかかるステップを省略することができるとともに、電力配電線と単相変圧器との間の接続手段の構成を簡素なものとすることができる。
【0072】
また、かかる構成において、前記単相変圧器に抵抗回路を並列に接続するようにしたので、この抵抗回路の抵抗が配電系統側では前記単相変圧器の変圧比の2乗に比例して作用することにより、検出された地絡相に単相変圧器を接続する構成において、地絡相の誤検出があった場合あるいは電力配電線の任意の相に単相変圧器を接続する構成におけるこの任意の相が地絡相となった場合の異相地絡短絡による短絡電流を小さくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態である単相注入方式の地絡抑制システムを示す構成図である。
【図2】地絡検出部の構成を示すブロック図である。
【図3】3相注入方式の地絡抑制システムを示す構成図である。
【図4】各相電圧と線間電圧との関係を示す説明図である。
【図5】本発明の第2の実施の形態である単相注入方式の地絡抑制システムを示す構成図である。
【図6】本発明の第3の実施の形態である単相注入方式の地絡抑制システムを示す構成図である。
【符号の説明】
1 変電所
2 電源
3a〜3c 母線
4a〜4c 配電線
5a〜5c 配電線
6a〜6c 計器用変圧器
7a,7b 零相変流器
8 零相変圧器
9a〜9c,90 開閉器
10 地絡事故検出装置
20 逆位相波形発生装置
30 注入用変圧器
31 抵抗回路

Claims (10)

  1. 電力配電線に生じる地絡電流を抑制するための地絡抑制電流を作成する地絡電流抑制装置を保護する装置であって、
    前記電力配電線の所定の相と前記地絡抑制電流を出力する前記地絡電流抑制装置の出力部との間に、単相変圧器を接続する接続手段を具えたことを特徴とする地絡電流抑制装置の保護装置。
  2. 前記電力配電線の相電圧を検出する相電圧検出手段と、
    前記検出された相電圧に基づいて地絡相を検出する地絡相検出手段とをさらに具え、
    前記接続手段は、前記検出された地絡相に前記単相変圧器を接続することを特徴とする請求項1に記載の地絡電流抑制装置の保護装置。
  3. 前記接続手段は、前記電力配電線の任意の相に前記単相変圧器を接続することを特徴とする請求項1に記載の地絡電流抑制装置の保護装置。
  4. 前記単相変圧器に抵抗回路を並列に接続することを特徴とする請求項2または3に記載の地絡電流抑制装置の保護装置。
  5. 前記地絡電流抑制装置は、
    前記電力配電線の零相電圧を検出する零相電圧検出手段と、
    前記電力配電線の零相電流を検出する零相電流検出手段と、
    前記零相電流検出手段により検出された電流に基づいて前記電力配電線の地絡電流を検出する地絡電流検出手段と、
    前記検出された地絡電流と同じ大きさで逆位相の逆位相電流を前記地絡抑制電流として作成する逆位相電流作成手段とを含み、
    前記逆位相電流を前記単相変圧器を介して前記電力配電線の所定の相に注入することを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の地絡電流抑制装置の保護装置。
  6. 地絡電流抑制装置を用いて、電力配電線に生じる地絡電流を抑制するための地絡抑制電流を作成する地絡抑制電流作成工程と、
    前記電力配電線の所定の相と、前記地絡抑制電流を出力する前記地絡電流抑制装置の出力部との間に、単相変圧器を接続する接続工程と、
    前記地絡抑制電流を前記単相変圧器を介して前記電力配電線の所定の相に注入する注入工程と
    を具えたことを特徴とする地絡抑制方法。
  7. 前記電力配電線の相電圧を検出する相電圧検出工程と、
    前記検出された相電圧に基づいて、地絡相を検出する地絡相検出工程とをさらに具え、
    前記接続工程によって、前記検出された地絡相に前記単相変圧器を接続することを特徴とする請求項6に記載の地絡抑制方法。
  8. 前記接続工程によって、前記電力配電線の任意の相に前記単相変圧器を接続することを特徴とする請求項6に記載の地絡抑制方法。
  9. 前記単相変圧器に抵抗回路を並列に接続することを特徴とする請求項7または8に記載の地絡抑制方法。
  10. 前記地絡抑制電流作成工程は、
    前記電力配電線の零相電圧を検出する零相電圧検出工程と、
    前記電力配電線の零相電流を検出する零相電流検出工程と、
    前記零相電流検出工程により検出される電流に基づいて前記電力配電線の地絡電流を検出する地絡電流検出工程と、
    前記検出された地絡電流と同じ大きさで逆位相の逆位相電流を前記地絡抑制電流として作成する逆位相電流作成工程とを含み、
    前記逆位相電流を前記単相変圧器を介して前記電力配電線の所定の相に注入することを特徴とする請求項6ないし9のいずれかに記載の地絡抑制方法。
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