JP2000088820A - 超音波探傷シミュレーション方法および装置ならびに該シミュレーションプログラムを記録した記録媒体 - Google Patents

超音波探傷シミュレーション方法および装置ならびに該シミュレーションプログラムを記録した記録媒体

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JP2000088820A
JP2000088820A JP10257849A JP25784998A JP2000088820A JP 2000088820 A JP2000088820 A JP 2000088820A JP 10257849 A JP10257849 A JP 10257849A JP 25784998 A JP25784998 A JP 25784998A JP 2000088820 A JP2000088820 A JP 2000088820A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 超音波探傷の教育を効率的に行えるシミ
ュレーション方法、装置を提供する。 【解決手段】 予め、探触子3aの操作によって試験体
1を探傷した探傷信号を対数増幅し、探傷位置情報とと
もに記録媒体15aに記録しておき、疑似探傷位置入力
手段20に基づいて、記録媒体15aから入力位置に対
応する探傷信号データを読みとり、この読みとった探傷
信号データから一次線形化した探傷信号を作成し、この
探傷信号を疑似探傷位置における疑似探傷信号として表
示手段24に表示させる。 【効果】 ダイナミックレンジが大きい状態で探傷
信号を記録しておくことができ、シミュレーション時に
正確に探傷信号を再現することができる。また、感度調
整をシミュレーションして探傷信号の表示大きさを変え
て正確に表示することも可能になる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、超音波探傷のシ
ミュレーションを正確に行うことができる超音波探傷シ
ミュレーション方法および超音波シミュレーション装置
ならびに該シミュレーションプログラムを記録した記録
媒体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】超音波探傷は、試験体に対し探触子を移
動させながら超音波を伝達させ、その反射波を検出し
て、この反射波をディスプレイ等を通して操作者が観察
することにより試験体内に有る傷の位置や傷の大きさを
判定している。しかし、この判定では、探触子を移動さ
せながら変化する反射波を観察することによって傷の位
置や形状、大きさ等を推定することが必要であり、正確
な探傷判定を可能とするためには探傷操作に関し相当な
経験を積んだ熟練者が必要である。しかし、短期間で相
当数の操作を経験することは困難であり、このため効率
的な超音波探傷の教育が望まれている。
【0003】従来、超音波探傷の技能の習得には、人工
傷を内在させた試験体や自然欠陥の内在した試験体を用
いて超音波探傷を実際に行い、上記傷からの反射エコー
を検出し、傷の位置の求め、エコー高さの測定、エコー
検出範囲の測定などによる超音波の物理現象の確認など
と共に、探触子位置と傷からの反射エコーまでの深さ、
エコー高さ、波形パターンなどの情報をもとに傷の大き
さの求めや傷性状の推定が行われている。
【0004】このとき、人工傷や自然傷を内在した試験
体は同時に教育を受ける人数分必要であり、更に、それ
らは全て同一形状であることが必要である。しかも、超
音波探傷の技量を向上させるには、自然傷に近い形状の
人工傷又は自然傷そのものが必要であり、さらには、発
生が予想される各種形状の傷を内在させた試験体が多数
種類必要となる。しかし、このような、自然傷の形状に
近似した欠陥で、それを同一寸法に多数製作することは
非常に困難である。また、自然欠陥は同じ形状の傷を発
生させることも困難である。また、自然傷の内在形状は
切断調査しなければ、その詳細はわからない。このた
め、内在している傷形状を示しながら、実体とその探傷
波形の対応の教育を行うことは実際には困難である。
【0005】そこで、予め試験体の探傷を行い、その探
傷信号を探傷位置とともにコンピュータで読み出し可能
な記録媒体に記録しておき、その後、探触子を想定した
マウスやタブレット等の位置入力装置によって擬似的な
探傷を行い、その際の疑似探傷信号には、該位置入力装
置で入力された位置に対応して上記記録媒体から読み出
した探傷信号を使用し、これをディスプレイに表示する
ことにより擬似的な探傷を行う方法が考えられる。上記
記録媒体は任意の数の複写が可能であり、従って、同一
性状の傷を有する試験体について同時に複数の人が探傷
の模擬練習を行うことが可能になり、上記問題を解消し
て効率的な教育が可能になる。また、予め探傷を行った
後は、試験体を切断して訓練を受ける者に詳細を示すこ
とも可能になる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記の方法
では探触子で取得した反射波を表示可能に増幅してお
り、その増幅度は複数段の増幅器の使用により80dB
程度に設定している。しかし、探傷信号の中には強い信
号成分も含まれているため、この信号成分は増幅器の許
容範囲、すなわち上限を超えて飽和してしまう。実際の
探傷では、必要に応じて感度の調整(増幅率の変更等)
を行うため、強い信号成分も必要に応じて増幅器の許容
範囲内に収めて表示範囲内で表示させることができる。
しかし、上記のシミュレーション方法では、そのとき必
要としていた状況をそのまま記録部に記録し、その後、
疑似探傷においてこれを読み出して表示させるので、表
示に際し、表示倍率を変化させても記録時に飽和してい
る信号成分は正確に表示することができず、感度が変化
した状況を再生することは困難である。図8に示すよう
に、例えば上限100%を超える信号成分は増幅器で飽
和するため100%の成分として記録されており、これ
を読み出して表示させる際に、表示倍率を例えば1/5
にしても、本来100%であった信号成分と同じように
20%として表示されるのみであり、探傷信号が正確に
再現されない。特に、探傷の際の感度調整は探傷作業と
して重要な要素であるため、この作業を練習として行え
ないことは技能の拾得としては不十分とはいえない。
【0007】本発明は上記事情を背景としてなされたも
のであり、探傷信号を正確に再現することができる超音
波探傷シミュレーション方法および装置ならびに該シミ
ュレーションプログラムを記録した記録媒体を提供する
ことを目的としており、さらには、探傷信号を正確に再
現することに加えてシミュレーションに際し、操作者が
擬似的な感度調整を行えるようにすることを目的とす
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、本発明の超音波探傷シミュレーション方法のうち第
1の発明は、予め、探触子によって探傷用試験体を走査
しつつ超音波探傷をして、探触子の位置情報と探触子の
各位置における探傷信号とを取得し、該探傷信号を対数
増幅した後、この対数増幅した探傷信号と前記位置情報
とから探傷信号データと探傷位置データとを生成し、こ
れらデータを互いに関連付けてそれぞれ記録媒体に記録
しておき、操作者による疑似探傷位置入力に基づいて、
前記記録媒体から該入力位置に対応する探傷位置データ
を基に探傷信号データを読みとり、この読みとった探傷
信号データから一次線形化した探傷信号を作成し、この
探傷信号を前記疑似探傷位置における疑似探傷信号とし
て表示手段に表示させることを特徴とする。
【0009】第2の発明の超音波探傷シミュレーション
方法は、第1の発明の超音波探傷シミュレーション方法
において、交流成分の探傷信号を直接対数増幅した後A
/D化して作成されるか、あるいは正の信号と負の信号
とに分割した後、該正の信号と、負の信号を反転させた
反転信号とをそれぞれ対数増幅し、その後、正の対数増
幅信号と、対数増幅した反転信号をさらに反転させるこ
とにより得られる負の対数増幅信号とを合成した後、A
/D化し、またはA/D化した後、合成することにより
探傷信号データが作成されることを特徴とする。
【0010】第3の発明の超音波探傷シミュレーション
方法は、第1または第2の発明の超音波探傷シミュレー
ション方法において、操作者による疑似感度入力に従っ
て、表示手段における疑似探傷信号の信号強さの表示大
きさを変化させることを特徴とする。
【0011】上記発明における探傷用試験体には、超音
波探傷の感度測定試験体、探傷器・探触子の特性測定用
試験体、超音波の物理的特性の実験用試験体及び、人工
傷・自然傷を内在させた試験体等を挙げることができ
る。シミュレーションに際しては、この中の一部試験体
について予め探傷を行うものであってもよく、また、全
てについて予め探傷波形を記録するものであってもよ
い。なお、試験体の形状や材質等について限定されるも
のではない。また、上記の試験体の探傷に際しては公知
の探触子を使用することができ、特別な探触子が特に必
要とされるものではない。また、探触子としては、送受
信を一体型としたものでも送受信を別にしたものでよ
く、その構造は特に限定されない。さらに、探傷に使用
する超音波の周波数、波の種別についても特に限定され
るものではなく、従来と同様のものを採用することがで
きる。
【0012】上記探触子による走査は、升目のように所
定間隔毎に行うことができる。また、高速のA/Dボー
ド等の使用により高速での読み取りを可能にすれば、単
位時間当たりの探傷回数も増加するので、探触子を交点
毎に走査するのではなく、検査すべき面を連続的に走査
しても取り込みは可能である。また、探触子による走査
は、試験体の全面に亘り行ってもよいが、例えば探傷に
必要な面のみや教育に必要な面のみを走査するものであ
ってもよく、その走査範囲は適宜選定可能である。探触
子の走査に際しては、探触子によって探傷信号を取得す
るとともに位置情報を取得しておく。探触子の位置情報
は、カメラを用いた位置検出器やアーム式、テーブル式
の位置検出器等を用いることができ、また探触子自体に
位置情報を出力できるものを用いることもできる。位置
情報は、通常は、適宜の位置を原点にしてX−Y方向や
X−Y−Z方向における座標で示すことができるが、位
置を確定するための方法は特に限定されるものではな
い。また、試験体に曲面や傾斜面を含むような場合に
は、探触子の傾斜角度を位置情報に加えることも可能で
ある。
【0013】一方、探触子によって取得された探傷信号
は、通常は時系列化された信号強さとして得られ、これ
を信号強さについて対数増幅する。この際に、対数増幅
に先立ってリニア増幅することも可能であるが、探傷信
号が飽和しない範囲でリニア増幅することが望ましい。
対数増幅では、対数増幅器を使用することができる。対
数増幅器は、主として演算増幅器とフィードバック用の
トランジスタ素子とによって構成することができ、その
際の増幅率は特に限定されないが、80dB以上の増幅
率を得ることができる。しかし、対数増幅器のダイナミ
ックレンジ(増幅率)を大きくとる場合、DC波形(0
Vよりもプラス側の直流電圧だけ)を増幅することで対
応できる。このため、信号によっては上記第2の発明に
示すように、探傷信号の分割、合成工程が要求される。
AC波形(探触子から受信する信号は交流波形)を検波
によってプラス側とマイナス側に分け、マイナス側は反
転させた後、それぞれをプラス側のDC波形を対数増幅
器で増幅する。
【0014】対数増幅後は、負の信号を反転させて対数
増幅した信号を再度、反転させることにより対数増幅し
た負の探傷信号を得ることができる。なお、対数増幅後
の反転は、後述する信号の合成前であれば、特に時期は
限定されない。探傷信号の合成は、正のアナログ信号と
負のアナログ信号とを合成することによって行ってもよ
く、また、正のアナログ信号と負のアナログ信号とをそ
れぞれA/D化した後、ソフトウェア処理によって合成
するものであってもよい。なお、合成は、最終的に表示
手段で表示されるまでになされていればよいが、通常
は、シミュレーション時の負担を軽減するため、合成し
たものを記録しておく。
【0015】なお、対数増幅された探傷信号は、合成に
前後して例えばA/D変換器によってA/D化して探傷
信号データを得る。一方、探触子の位置情報は、位置検
出器等によってデジタル信号として得ることもできる
が、アナログ信号である場合には、上記と同様にA/D
変換器によってA/D化して探傷位置データを得る。上
記した探傷信号データと探傷位置データとは、互いに関
連付けて、コンピュータで読みとり可能な記録媒体に記
録する。上記関連付けでは、少なくとも探傷位置データ
を参照して、これと関連する探傷信号データを読み出せ
るようなデータ構造とする。
【0016】なお、記録媒体はコンピュータで読み込み
可能なもので、少なくとも一度は書き込みできるもので
あるが、随時書き込みができることまでは要求されな
い。記録媒体としては、CD−ROM、DVD−RO
M、MO、FD、ハードディスク等の適宜の媒体を使用
することができ、その最大記録容量等を勘案して適宜の
媒体を選定することができる。上記データが記録された
記録媒体は予め用意しておき、教育等のシミュレーショ
ンに際し使用される。
【0017】シミュレーションに際しては、模擬探傷に
対応して操作者により探傷位置を入力する。この入力は
座標の入力によって行ってもよいが、マウス、タブレッ
ト、ライトペン、ジョイスティック、トラックボール等
の入力装置を移動させつつ操作者が探傷位置を確定させ
る入力を行うことによって、より探傷作業に近い状態で
操作を行うことができる。また、位置入力は、上記のよ
うに操作者が意識的に行う他、入力装置の移動に追随し
て入力が自動的になされるものであってもよい。上記入
力による疑似探傷位置情報は、記録媒体への参照に利用
され、該位置情報に基づいて記録媒体に記録された探傷
位置データを参照し、さらに、これに関連する探傷信号
データを取得する。探傷信号データは、取得後、D/A
化および一次線形化を行って表示用の疑似探傷信号とす
る。なお、D/A化と一次線形化との先後は、特に限定
されるものではないが、一次線形化後にD/A化する場
合には、ソフトウェア的にデジタル信号を処理して一次
線形化することができる。ソフトウェア的に処理をする
場合には例えば下記式を使用することができる。 エコー高さ(%)=A×10^探傷信号データ+B …式(A,Bは定数 ) この式を用いた一例を示すと、探傷信号データとして入
力電圧を用いるものとして、入力電圧2Vがエコー高さ
100%で、10倍のエコー高さの差が1Vとなるよう
にすると3Vは1000%、1Vは10%、0Vは1%
となる。このときの入力電圧はA/D値を逆算して求め
ることができる。上記した手法等による一次線形化によ
り、信号強さと時間とが一次関係となる。なお、D/A
化は、D/A変換器等によって行うことができるが、こ
のD/A変換器は、表示信号作成部に付設してもよく、
また、表示部に設けられているものであってもよい。
【0018】アナログ化された上記疑似探傷信号は表示
手段に表示させることにより、超音波探傷のシミュレー
ションが達成される。表示手段には通常はCRT、液晶
等のディスプレイが使用される。上記方法においては、
疑似探傷位置を適宜変更することにより、表示される信
号が探傷位置に応じたものに変わり、あたかも実際に探
傷を行っているかのように探傷信号を視認することがで
きる。このとき、予め行った探傷の走査では得られた探
傷信号を対数増幅した後に記録しているので、記録され
る信号のダイナミックレンジが大きくなり、シミュレー
ションに際し、探傷信号を正確に再現してシミュレーシ
ョンの精度を上げることができる。
【0019】また、第3の発明に示すように、操作者に
よる疑似感度入力に従って、表示手段における疑似探傷
信号の信号強さの表示大きさを変化させることもでき
る。このとき、記録された探傷信号は大きなダイナミッ
クレンジを有しているので、感度調整によっても探傷信
号を正確に再現することができる。また、時間軸の調整
(位相調整等)や表示倍率の変更を可能にすることもで
き、更に詳細な傷波形のパターンや位相特性などを表示
させることも可能である。さらには、波形の左右への移
動部分拡大、音速値の変更を可能にすると共に、ゲート
を表示し、そのゲート内の最初にゲートを超える深さ位
置情報とゲート内最大エコー高さの表示もおこなうこと
もでき、また、探触子位置表示の拡大縮小や、試験体内
の傷の情報の表示もおこなうことができる。すなわち本
発明によれば、疑似探傷位置の変更や感度等の変更によ
って変化する疑似探傷信号の変化を直接に観察すること
によって効率的に超音波探傷の練習を行うことができ、
教育効果を向上させることができる。しかも、同一の試
験体について、同時に複数の操作者によってシミュレー
ションを行うこともできるので、教育効果を一層上げる
ことができる。
【0020】また、予め探傷した試験体は、探傷シミュ
レーションに際し、その情報を提示できるようにするの
が望ましい。情報の提示は、現物の提示や切断面の提示
等により行うことができる。また、試験体の形状情報や
傷の位置、形状等の情報をデータとして記録しておき
(探傷信号データ等を記録した上記記録媒体を兼用する
こともできる)、シミュレーションの際に、またはその
前後に上記データへの参照を可能にすることができる。
該データの参照においては、試験体の形状、傷の位置、
形状を示すように、試験体や傷を1〜3次元のイメージ
表示で表示手段に表示させることができる。なお、探傷
シミュレーションに際しては、上記イメージを表示手段
に表示させるとともに、疑似探傷位置に対応して探触子
を模したイメージを上記試験体イメージに重ね合わせて
表示させることもできる。これにより、傷と探触子の位
置と探傷信号との関係を直接に把握しながら探傷シミュ
レーションを行うことができ、教育効果を一層向上させ
る。
【0021】また、本発明は、上記方法の実施に適した
超音波シミュレーション装置を提供する。すなわち、本
発明の超音波探傷シミュレーション装置のうち第1の発
明は、探傷用試験体の探傷により得られた探傷信号を対
数増幅してA/D化した探傷信号データと、前記探傷信
号を得た際の探傷位置をA/D化した探傷位置データと
を互いに関連付けて記録した記録部と、操作者が操作す
る疑似探傷位置入力手段と、該位置入力手段からの位置
入力に基づいて記録部で入力位置に対応する探傷位置デ
ータを基に探傷信号データを取得するデータ読みとり部
と、データ読みとり部で読みとられた探傷信号データ
を、D/A化および一次線形化して表示信号を作成する
表示信号作成部と、該表示信号を画面に表示する表示手
段とを有することを特徴とする。
【0022】第2の発明の超音波探傷シミュレーション
装置は、第1の発明の超音波探傷シミュレーション装置
において、操作者が操作する疑似探傷感度入力手段を備
えており、前記表示信号作成部は、入力された感度情報
に対応して、表示信号の信号強さの表示大きさを変える
機能を有していることを特徴とする。
【0023】第3の発明の超音波探傷シミュレーション
装置は、第1または第2の発明の超音波探傷シミュレー
ション装置において、前記記録部には、探傷用試験体の
形状情報と、試験体における傷の形状情報および位置情
報とが記録されており、前記表示信号作成部は、これら
情報に基づいて試験体表示信号を作成する機能を有して
おり、前記表示手段では、探傷信号と試験体表示信号と
が同時または選択的に表示されることを特徴とする。
【0024】本発明のシミュレーション装置では、上記
した探傷信号データおよび探傷位置データを記録した記
録部を有している。この記録部は、ROMや固定ハード
ディスクで構成してもよく、また、リムーバブルな読み
出し可能な記録媒体を用いたものであってもよい。記録
媒体としては、前記した各種媒体を用いることができ
る。なお記録部には、これらの媒体からデータを読み出
すためのデータ読みとり部を付設する。データ読みとり
部は、通常は、媒体を駆動するための駆動装置と、媒体
のデータや位置入力装置で入力された位置情報等をCP
U等との間でデータを交換するインターフェースとを有
している。
【0025】位置情報入力装置は、前記したようにマウ
スやタブレット等によって移動を伴いながら位置を入力
できるものが望ましく、位置の入力自体は、マウス等の
移動に伴って位置情報が追随し、明示的な確定操作(マ
ウスやタブレット等のボタンクリック等)によって位置
情報が得られるものが望ましい。位置情報入力装置は、
CPU等を介して間接的に、または直接的に上記記録部
に接続され、位置情報が記録部に送出される。データ読
みとり部を介して読みとられた探傷信号データは、表示
信号作成部において一次線形化およびD/A化がなされ
る。一次線形化は、デジタル信号のソフト処理によって
行うことができ、D/A化は、公知のD/A変換器によ
り行うことができる。上記により得られたアナログの探
傷信号は、前記したようにCRTディスプレイ等の表示
手段に表示される。
【0026】また、本発明のシミュレーション装置で
は、第2の発明の装置に示すように、疑似感度入力手段
を設けることができる。この入力手段は、実際の探傷作
業を模するように、感度調整つまみ等によって操作者が
操作する。この入力手段による入力結果は、表示信号作
成部に送られ、その構成に従って、表示手段における表
示信号の信号強さの表示大きさを変える。表示信号作成
部では、アナログ信号の減衰、増幅を調整することによ
って上記機能を果たしてもよく、また、デジタル信号の
信号強さ情報をソフト処理によって増減させてもよく、
さらには、表示部において信号の表示大きさをかえるこ
とによって行ってもよい。
【0027】さらに、本発明のシミュレーション装置で
は、第3の発明の装置に示すように、前記記録部に、探
傷用試験体の形状情報と、試験体における傷の形状情報
および位置情報とを記録して、前記表示信号作成部で、
これら情報に基づいて試験体表示信号を作成し、前記表
示手段で、表示用疑似探傷信号と試験体信号とを同時ま
たは選択的に表示することも可能であり、表示手段で
は、試験体信号に、そのときの疑似探傷位置を重ね合わ
せて表示することもできる。
【0028】さらに、本発明は、上記シミュレーション
方法を達成するためのプログラムを記録した記録媒体を
も提供する。すなわち、本発明の超音波探傷シュミレー
ションプログラムを記録した記録媒体は、予め、探傷用
試験体の探傷により得られた探傷信号を対数増幅してA
/D化した探傷信号データと、前記探傷信号を得た際の
探傷位置をA/D化した探傷位置データとを使用して、
外部から入力された疑似探傷位置に基づいて、該位置に
対応する探傷位置データから前記探傷信号データを取得
し、この探傷信号データから一次線形化された探傷信号
を作成するとともに、外部から入力される疑似感度に基
づいて信号強さの表示大きさを変えて探傷信号を表示手
段に表示させることを特徴とする。
【0029】上記記録媒体は、前述したように、コンピ
ュータで読み出し可能な適宜の媒体が使用される。ま
た、この媒体には、上記プログラムとともに、上記した
探傷信号データと探傷位置データとを記録しておいても
よく、また、別に用意される記録媒体にこれらのデータ
を記録したものであってもよい。このようにデータを別
の記録媒体で用意すれば、新規のデータを適宜提供で
き、より多くの試験体について模擬的に探傷を行うこと
ができる。
【0030】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の一実施形態を添
付図面に基づいて説明する。先ずは、予め探傷信号デー
タおよび探傷位置データを得て記録する装置および工程
について図1〜図3に基づいて説明する。探傷の目的と
なる直方体形状の試験体1を用意する。この試験体1
は、感度測定用、実験用等の適宜の目的に従って選定さ
れるものであり、試験体1に内在している傷2について
も、人工傷・自然傷を問わない。上記試験体1を探傷す
る探傷器3は公知の構造からなるものであり、圧電素子
(図示しない)を内蔵した探傷子3aと、パルス信号を
発生してこれを探傷子3aに送るパルサー3bと、探傷
による反射波を受信する受信器3cとによって構成され
ている。なお、探触子3aの上部に位置標定用の発光ダ
イオード4が上向きに設置されており、探触子3の上方
位置には、探触子3の移動範囲をカバーして上記発光ダ
イオード4を撮影範囲内に含ませることができるよう
に、位置検出カメラ5が設置されている。該位置検出カ
メラ5はX−Y位置検出器6に接続されており、X−Y
位置検出器6はA/Dボード7を介してCPU8に接続
されている。
【0031】一方、パルサー3bには、リニア増幅器9
が接続されており、リニア増幅器9の出力側に検波器1
0が接続されている。検波器10のプラス側出力には対
数増幅器11aが接続されており、検波器10のマイナ
ス側出力には反転回路12が接続され、その出力側に対
数増幅器11bが接続されている。対数増幅器11a、
11bの出力側は、それぞれA/Dボード13a、13
bを介して前記CPU8に接続されている。なお、対数
増幅器13a、13bは、演算増幅器とフィードバック
トランジスタとによって構成されている。また、A/D
ボード13a、13bでは、10MHz以上の超高速
(探傷周波数の5倍程度のA/D変換周波数)で、8b
it(255)以上のA/D変換を行う。通常の超音波
探触子におけるGein(感度増幅)量は0.5dBス
テップとなっており、この実施形態の装置も0.25d
Bステップを与えられるようにしている。このとき、基
準とする反射源のエコー高さを100%としたとき以下
の表に示すような電圧(1.255V)に前段のリニア
増幅器9にて設定する。もし、基準エコーを増幅して探
傷するなどにより最大エコーの高さが3700%を超え
る場合は1.255Vを200%または1000%とし
て設定する。
【0032】
【表1】
【0033】また、CPU8には、記録媒体にデータを
記録するための記録装置が接続されており、この実施形
態では、記録装置としてCD−ROM書込機15とHD
D16とが接続されており、CD−ROM書込機15で
はCD−ROM15aが記録媒体として使用され、HD
D16は記録媒体を兼用している。上記CPU8をその
ままシミュレーション装置の一部として使用するような
場合には、記録媒体としては上記CD−ROM15a、
HDD16のいずれを使用してもよく、一方、他の装置
でシミュレーションを行う場合には、CD−ROM15
aのようにリムーバブルな記録媒体に記録する。この実
施形態では、上記HDD16は一次記録部として使用す
る。さらにCPU8には、探傷信号をモニターするため
にディスプレイ17が接続されている。
【0034】次に、上記装置を使用したデータの記録工
程について説明する。試験体1の表面において、予め定
めた走査方法によって探触子3aを移動させつつパルサ
ー3bから高電圧のパルス信号(周波数約2MHz)を
発生させる。このパルス信号は探触子3aの圧電素子に
よって超音波に変換され試験体1内を伝播する。この超
音波は試験体1内の不連続部(傷2等)などで反射し探
触子3aにもどり、受信部3cで電気信号に変換され、
図2に示すように探傷信号が得られる。なお、走査は、
予め定めた取り込み範囲において試験片の探傷面におい
て1mmピッチの全交点で探傷波形を取り込むように行
う。上記探傷信号は、検波器9に送出され、後述する処
理を受ける。一方、探触子3aの移動は、発光ダイオー
ド4を通して位置検出カメラ5によって監視されてお
り、この結果、探触子3aの位置は、位置検出カメラ5
の出力を受けたX−Y位置検出器6によって情報化さ
れ、位置情報信号が生成される。この位置情報信号は、
A/Dボード7によってデータ化され、CPU8に送出
される。
【0035】受信部3cで電気信号化された探傷信号
は、リニア増幅器9で増幅された後、検波器10に送出
され、図2に示すように正の信号成分と負の信号成分と
に分割される。正の信号成分はそのまま対数増幅器11
aに送出され、負の信号成分は反転回路12に送られて
正負を反転した後、対数増幅器11bに送出され、図3
に示すようにそれぞれの信号について対数増幅がなされ
る。対数増幅器11a、11bは、50dB以上の増幅
量を持っており、その前段で30dB(32倍)の増幅
量のリニア(直線)増幅器9を用いるので合計量で80
dB以上の増幅量が得られる。なおリニア増幅器9は増
幅量を可変できる。通常の超音波探触子においても数個
のリニア増幅器を用いたGein(感度増幅)量の合計
は80〜100dBであり、上記実施形態のリニア増幅
器9と対数増幅器11a、11bの合計増幅量と一致し
ている。対数増幅器11aでは、正の探傷信号を対数増
幅し、対数増幅器11bでは反転された探傷信号を対数
増幅する。対数増幅された正負の増幅探傷信号は、A/
Dボード13a、13bにおいてそれぞれデータ化し、
CPU8に送出される。
【0036】CPU8では、対数増幅された反転信号デ
ータをソフト的に反転させて負の探傷信号データを生成
した後、正の探傷信号データと負の探傷信号データとを
合成して対数増幅された探傷信号データを得る。なお、
CPU8では、この探傷信号データにおいて基準とした
電圧が100%のエコー高さになるよう補正する。この
増幅探傷信号データと前記した探傷位置データとは、互
いに関連付けてHDD16に一時的に記録する。なお、
CRT17では、上記探傷信号をモニターして正常な探
傷が行われているかどうかを確認する。上記した探傷走
査を終了した後は、HDD16に記録された増幅探傷信
号データと探傷位置データとをCD−ROM書込機15
へと送出し、記録媒体であるCD−ROM15aに互い
に関連付けて記録する。この際には、必要枚数のCD−
ROMに書込を行うことができる。なお、CD−ROM
15aには、上記データに加えて試験体1の形状情報や
試験体1内の傷2の形状情報および位置情報をデータと
して記録しておく。これらの情報は、試験体1の形状測
定、切断等によって得ることができるが、その作成方法
は特に限定されるものではない。なお、対数増幅された
探傷信号は、ダイナミックレンジが大きい上に、例え
ば、リニアな80%では0.25dB増えると82.3
%となりADの1デジットの増加量は大きいが、10%
では 0.25dBの増加は10.3%となりADの1
デジットの値は小さくなる。このため、対数で保存した
小さな値を大きくしても前記したリニアな値を用いそれ
を大きくした場合に比べ誤差は少ない。
【0037】なお、複数種の探傷データを異なるCD−
ROMに記録するような場合には、取り込みに使用する
探傷装置は、同一性能であることが望ましく、性能が管
理された状態であると、異なるCD−ROMの情報で深
傷器設定条件や探傷結果が共通して使用することが可能
になり、1枚のCD−ROMに基準試験片の探傷結果な
ど感度や探触子に関わる情報を記載しておき、他のCD
−ROMに傷の内在した試験体の探傷結果を載せそれぞ
れを使用しながら探傷を模擬していくことが可能であ
る。また試験体の探傷情報は、周波数解析や位相解析な
どの信号解析の元データとしても活用でき、これらの探
傷データから新たな解析手法の開発用としても使用可能
である。
【0038】次に、上記記録媒体を用いたシミュレーシ
ョン装置について図4に基づき説明する。シミュレーシ
ョン装置は、疑似探傷位置を入力するためのマウス20
と、疑似探傷感度を調整する感度調整つまみ21とを有
しており、これらはCPU22に接続されている。ま
た、シミュレーション装置は、上記データを格納したC
D−ROM15aを読みとる読み取り部25を有してお
り、該読み取り部25は、前記CPU22に接続されて
いる。CPU22は、読み取り部25から送出される探
傷信号データを一次線形化し、これをD/A化して表示
信号を作成する表示信号作成部の一部を兼用している。
また、CPU22には、表示信号作成部の一部をなすD
/Aボード23が接続されており、このD/Aボード2
3に、表示信号を表示するためのCRT24が表示部と
して接続されている。
【0039】次に、上記シミュレーション装置を用いた
超音波探傷シミュレーション方法について図5のフロー
チャートを参照しつつ説明する。シミュレーション装置
の作動により、CPU22では、読み取り部25を通し
てCD−ROM15aから試験体1および傷2に関する
データを読み取り、これらデータからCPU22にて試
験体1に関するイメージデータ(正面および平面)を作
成し、これを図6に示すようにCRT24に試験体イメ
ージとして表示する(ステップs1)。また、CPU2
2には、マウス20の位置情報が入力されており、この
位置情報を表示信号作成部に送出してマウス20の位置
を座標の数値としてCRT24に表示するとともに、C
RT24上の試験体イメージに重ねてマウスの位置イメ
ージを表示する(ステップs2)。
【0040】上記の状態で、操作者がマウス20を移動
させると、マウス20の位置情報は上記と同様にCPU
22に送出され、CRT24に座標数値とともにイメー
ジデータが表示される(ステップs3)。この際には、
マウス20の位置確定はキャンセルする。マウス20の
操作では、操作者による希望の位置でマウスボタンをク
リックすると位置が確定し(ステップs4)、CPU2
2に上記クリック情報が入力されて、その位置で疑似探
傷が行われたものと判定し、合わせて感度調整つまみ2
1の調整位置に従って感度情報を入手する(ステップs
5)。この判定に基づいてCPU22は、読み取り部2
5を通してCD−ROM15aにアクセスし、上記マウ
ス22の位置情報にて基づいてCD−ROM15aに記
録された探傷位置データを検索し(ステップs6)、こ
れを基に関連した探傷信号データを読み出し、CPU2
2に取り込む(ステップs7)。すると、CPU22で
は、表示信号作成部として、この探傷信号データを一次
線形化するとともに、上記感度情報に基づいて、該表示
信号の信号強さの大きさを調整し、さらにD/Aボード
23で該信号をアナログ化して表示信号を作成する(ス
テップs8)。
【0041】その後、表示信号は、CRT24に送出し
て時系列化した信号を疑似探傷信号として、図6に示す
ように、前記した試験体及び傷に関するイメージととも
にCRT24に表示させる(ステップs9)。その後、
疑似探傷を継続する場合(ステップs10)、操作者
が、さらにマウス20をX、Y方向に随意に移動させて
ボタンをクリックすることにより、異なる探傷位置情報
に基づいて探傷信号データがCD−ROM15aから読
みとられ、上記と同様にCRT24に疑似探傷信号が表
示される。このとき、マウス20の位置はマウス20の
移動に伴ってCRT24の画面上でイメージデータの位
置および座標の表示も直ちに変わる。
【0042】また、上記した疑似探傷信号の表示に際し
ては、操作者は疑似感度調整つまみ21を操作すれば、
このつまみによる感度情報に基づいて、探傷信号の信号
強さの表示大きさが直ちに変化するので、探傷における
感度調整をシミュレーションすることもできる。図7
は、探傷信号を標準感度によって表示した場合と、1/
5の疑似感度で表示した場合の信号波形を示している。
この図からも、本発明では、感度調整に従って信号波形
が正確に表示されていることがわかる。これにより、通
常の探傷を再現するときに必要な探傷感度の増減を十分
に大きくすることができ、実用的には例えば20dB以
上に渡って可能となり、基準試験に対して感度を設定
し、その後、感度を増幅した探傷を模擬することができ
る。たとえば、基準とする人工傷(深さ150mmにあ
る、径2mmの平底穴)の反射エコーを80%に調整
し、その後感度を20dB高めて探傷する。探傷後、傷
による底面エコーの減衰が無いかを確認するため感度を
下げ、傷エコーの無い位置で底面エコーが80%となる
ようにし(感度を20dB下げる)、傷エコーの検出位
置で底面エコーの減衰の有無を確認する。また、傷エコ
ーと底面エコーの高さの比を測定し、その比と傷までの
距離から傷エコー高さによる等価欠陥サイズを計算で求
める、などの高度な探傷技能を習得させることが可能に
なる。
【0043】上記により、操作者は実際に超音波探傷を
行っているのと同様に探傷位置の変更及び感度の調整を
行いつつ、探傷信号を観察することができ、しかも、こ
の実施形態では、その際に試験体の形状情報等も同時に
CRTに表示されているので、操作者に傷と探傷位置と
の関係における探傷信号を理解させて、探傷の教育を効
率的に行うことができる。しかも、同一の試験体に対す
るシミュレーションを複数の操作者に同時または異なる
場所で行うことができるので、教育を一層効率的に行う
ことができる。これにより、自然傷の内在した試験片を
本システムで探傷し、その試験片を切断調査した上で内
在傷の実体と、得られる探傷波形の教育や、自然傷の内
在状況を求める教育など、より高度な教育への活用が可
能となる。更に、試験片が1個だけであるため製作費用
が安く上がることや、どの地域においても同じ教育が可
能であること、通信教育による指導が可能であることな
ども上げられる。なお、上記した一連の工程は(ステッ
プs1〜s10)はコンピュータプログラムにより行う
ことができ、シミュレーション装置のROMにこのプロ
グラムを記憶させておいて実行する他、予めCD−RO
M等の記録媒体に記録しておき、これを読み出しつつ実
行することができる。また、CD−ROM等の記録媒体
から、シミュレーション装置のHDD等に複写して、こ
れを読み出すことによって実行することもできる。
【0044】
【発明の効果】以上説明したように本発明の超音波探傷
シミュレーション方法によれば、予め、探触子によって
探傷用試験体を走査しつつ超音波探傷をして探触子の位
置情報と、探触子の各位置における探傷信号とを取得
し、該探傷信号を対数増幅した後、この対数増幅した探
傷信号と前記位置情報とから探傷信号データと探傷位置
データとを生成し、これらデータを互いに関連付けてそ
れぞれ記録媒体に記録しておき、操作者による疑似探傷
位置入力に基づいて、前記記録媒体から該入力位置に対
応する探傷位置データを基に探傷信号データを読みと
り、この読みとった探傷信号データから一次線形化した
探傷信号を作成し、この探傷信号を前記疑似探傷位置に
おける疑似探傷信号として表示手段に表示させるので、
大きなダイナミックレンジで探傷信号を記録しておき、
これをシミュレーションに際し、確実に再現して表示さ
せることができ、シミュレーションの精度を高めて教育
効果を上げることができる。
【0045】また、操作者による疑似感度入力に従っ
て、表示手段における疑似探傷信号の信号強さの表示大
きさを変化させれば、探傷時の感度調整をシミュレーシ
ョンすることができ、教育効果を一層向上させることが
できる。
【0046】さらに、本発明の超音波探傷シミュレーシ
ョン装置によれば、探傷用試験体の探傷により得られた
探傷信号を対数増幅してA/D化した探傷信号データ
と、前記探傷信号を得た際の探傷位置をA/D化した探
傷位置データとを互いに関連付けて記録した記録部と、
操作者が操作する疑似探傷位置入力手段と、該位置入力
手段からの位置入力に基づいて記録部から入力位置に対
応する探傷位置データを基に探傷信号データを取得する
データ読みとり部と、データ読みとり部で読みとられた
探傷信号データを、D/A化および一次線形化して表示
信号を作成する表示信号作成部と、該表示信号を画面に
表示する表示手段とを有するので、上記シミュレーショ
ン方法を確実かつ、正確に実施することができる。
【0047】また、操作者が操作する疑似探傷感度入力
手段を備え、前記表示信号作成部は、入力された疑似感
度情報に対応して、表示信号の信号強さの表示大きさを
変える機能を有するものとすれば、探傷時の感度調整の
シミュレーションを容易に実行することができる。
【0048】さらに、前記記録部に、探傷用試験体の形
状情報と、試験体における傷の形状情報および位置情報
とを記録し、前記表示信号作成部では、これら情報に基
づいて試験体表示信号を作成する機能を持たせ、前記表
示手段では、探傷信号と試験体表示信号とを同時または
選択的に表示されれば、探傷の状況と探傷信号との関係
を直ちに、かつ容易に知ることができ、教育効果が一層
向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に使用する探傷信号データを記録する
装置の概略図である。
【図2】 上記装置による探傷信号の変化を示す概略図
である。
【図3】 同じく探傷信号の変化および処理を示す概略
図である。
【図4】 本発明の超音波探傷シミュレーション装置の
一実施形態を示す概略図である。
【図5】 上記シミュレーション装置を用いたシミュレ
ーション方法を示すフローチャート図である。
【図6】 上記シミュレーション装置におけるCRTの
表示画面を示す図である。
【図7】 同じく、感度調整による疑似探傷信号の波形
変化を示す図である。
【図8】 従来のシミュレーション方法による探傷信号
の再現結果を示す図である。
【符号の説明】
1 試験体 2 傷 3 探傷器 3a 探触子 4 発光ダイオード 5 位置検出カメラ 6 X−Y位置検出器 8 CPU 9 リニア増幅器 10 検波器 11a 対数増幅器 11b 対数増幅器 12 反転回路 13a A/Dボード 13b A/Dボード 15 CD−ROM書込機 15a CD−ROM 16 HDD 17 ディスプレイ 20 マウス 21 感度調整つまみ 22 CPU 23 D/Aボード 24 CRT 25 読み取り部

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 予め、探触子によって探傷用試験体を走
    査しつつ超音波探傷をして、探触子の位置情報と探触子
    の各位置における探傷信号とを取得し、該探傷信号を対
    数増幅した後、この対数増幅した探傷信号と前記位置情
    報とから探傷信号データと探傷位置データとを生成し、
    これらデータを互いに関連付けてそれぞれ記録媒体に記
    録しておき、操作者による疑似探傷位置入力に基づい
    て、前記記録媒体から該入力位置に対応する探傷位置デ
    ータを基に探傷信号データを読みとり、この読みとった
    探傷信号データから一次線形化した探傷信号を作成し、
    この探傷信号を前記疑似探傷位置における疑似探傷信号
    として表示手段に表示させることを特徴とする超音波探
    傷シミュレーション方法
  2. 【請求項2】 交流成分の探傷信号データは、直接対数
    増幅した後A/D化して作成されるか、あるいは探傷信
    号を正の信号と負の信号とに分割した後、該正の信号
    と、負の信号を反転させた反転信号とをそれぞれ対数増
    幅し、その後、正の対数増幅信号と、対数増幅した反転
    信号をさらに反転させることにより得られる負の対数増
    幅信号とを、合成した後、A/D化し、またはA/D化
    した後、合成して作成されることを特徴とする請求項1
    記載の超音波探傷シミュレーション方法
  3. 【請求項3】 操作者による疑似感度入力に従って、表
    示手段における疑似探傷信号の信号強さの表示大きさを
    変化させることを特徴とする請求項1または2に記載の
    超音波探傷シミュレーション方法
  4. 【請求項4】 探傷用試験体の探傷により得られた探傷
    信号を対数増幅してA/D化した探傷信号データと、前
    記探傷信号を得た際の探傷位置をA/D化した探傷位置
    データとを互いに関連付けて記録した記録部と、操作者
    が操作する疑似探傷位置入力手段と、該位置入力手段か
    らの位置入力に基づいて記録部から入力位置に対応する
    探傷位置データを基に探傷信号データを取得するデータ
    読みとり部と、データ読みとり部で読みとられた探傷信
    号データを、D/A化および一次線形化して表示信号を
    作成する表示信号作成部と、該表示信号を画面に表示す
    る表示手段とを有することを特徴とする超音波探傷シミ
    ュレーション装置
  5. 【請求項5】 操作者が操作する疑似探傷感度入力手段
    を備えており、前記表示信号作成部は、入力された疑似
    感度情報に対応して、表示信号の信号強さの表示大きさ
    を変える機能を有していることを特徴とする請求項4記
    載の超音波探傷シミュレーション装置
  6. 【請求項6】 前記記録部には、探傷用試験体の形状情
    報と、試験体における傷の形状情報および位置情報とが
    記録されており、前記表示信号作成部は、これら情報に
    基づいて試験体表示信号を作成する機能を有しており、
    前記表示手段では、探傷信号と試験体表示信号とが同時
    または選択的に表示されることを特徴とする請求項4ま
    たは5に記載に超音波探傷シミュレーション装置
  7. 【請求項7】 予め、探傷用試験体の探傷により得られ
    た探傷信号を対数増幅してA/D化した探傷信号データ
    と、前記探傷信号を得た際の探傷位置をA/D化した探
    傷位置データとを使用して、外部から入力された疑似探
    傷位置に基づいて、該位置に対応する探傷位置データか
    ら前記探傷信号データを取得し、この探傷信号データか
    ら一次線形化された探傷信号を作成するとともに、外部
    から入力される疑似感度に基づいて信号強さの表示大き
    さを変えて探傷信号を表示手段に表示させる超音波探傷
    シュミレーションプログラムを記録した記録媒体
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