JP2000088479A - 壁面部材、それを使用した壁面構造体及び温度調整方法 - Google Patents

壁面部材、それを使用した壁面構造体及び温度調整方法

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JP2000088479A
JP2000088479A JP10263718A JP26371898A JP2000088479A JP 2000088479 A JP2000088479 A JP 2000088479A JP 10263718 A JP10263718 A JP 10263718A JP 26371898 A JP26371898 A JP 26371898A JP 2000088479 A JP2000088479 A JP 2000088479A
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Kanji Yoshida
勧持 吉田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】空気の温度差による自然な対流を利用して構築
物内部等の温度調整を行うことができ、健康を害するこ
となく、安全かつ自然で快適な環境をつくり出すことが
できる壁面構造を提供する。 【解決手段】壁面構造は床面タイルA1を施工面に張設
して形成される。床面タイルA1は表面板1、側面板
2、斜面板4及び底板5を有し、これにより中空部3が
形成されている。底板5の取着孔50、51には取着空
間部52を有するアタッチメントホルダー53、54が
ガスケット57を介在させて螺着されている。中空部3
には水Wが封入されており、水Wが占めていない空隙部
は実質的に真空である。アタッチメントホルダー53の
取着空間部52には、冷却パイプが取着され、アタッチ
メントホルダー54の取着空間部52にはヒーターが取
着される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、各種構築物の壁面
で構成される部分、例えば室内等の温度の加温(暖房)
または冷却(冷房)等を行うための壁面部材、それを使
用した壁面構造体及び温度調整方法に関するものであ
る。
【0002】
【従来技術】例えば、一般家屋内の温度の調整は、冷房
機能と暖房機能を有するエアコンディショナー(エアコ
ン)或いは冬期においては石油ストーブにより行われる
のが一般的である。エアコンディショナーは、冷媒の気
化、液化時の吸熱、放熱作用を利用することにより冷
房、暖房を行う構造であり、冷房、暖房時共に空気を強
制循環させて室内の温度を均一化する。また、石油スト
ーブは、石油を燃焼させ、その燃焼による熱を利用して
室内を暖める構造である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記したよう
なエアコンディショナーや石油ストーブによる温度調整
には次のような課題があった。まず、エアコンディショ
ナーでは、室内の空気が循環することにより、塵、埃が
舞い上がるので、室内にいる人はそれを吸い込みやすく
なり、健康上好ましくない。また、石油ストーブでは、
燃焼により室内の酸素を大量に消費するため、頻繁に換
気を行う必要があるが、その際に暖かい空気も室外へ逃
げてしまうので、無駄が多い。更に、燃焼ガスは一酸化
炭素等の有毒ガスを含むので健康上、好ましくないばか
りでなく、火傷や火事の危険も大きい。
【0004】(目的)本発明は、上記課題を解消するも
ので、空気の温度差による自然な対流を利用して構築物
内部等の温度調整を行うことができ、健康を害すること
なく、安全かつ自然で快適な環境をつくり出すことがで
きる壁面部材、それを使用した壁面構造体及び温度調整
方法を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に講じた本発明の手段は次のとおりである。第1の発明
にあっては、中空状で気密性を有し、中空部には作動液
が所定量封入してあり、作動液の温度を変化させる冷却
手段または/及び加温手段を取り付けるための手段を備
えていることを特徴とする、壁面部材である。
【0006】第2の発明にあっては、中空状で気密性を
有し、中空部には作動液が所定量封入してあり、作動液
の温度を変化させる冷却手段または/及び加温手段を備
えていることを特徴とする、壁面部材である。
【0007】第3の発明にあっては、中空部における作
動液がない空隙部は、作動液が気化していないときは真
空であることを特徴とする、第1または第2の発明に係
る壁面部材である。
【0008】第4の発明にあっては、中空部を形成する
内壁部に、作動液が集まる集液部が設けてあることを特
徴とする、第1、第2または第3の発明に係る壁面部材
である。
【0009】第5の発明にあっては、第1、第2、第3
または第4の発明に係る壁面部材が配設されて壁面が構
成されていることを特徴とする、壁面構造体である。
【0010】第6の発明にあっては、作動液を所定量封
入し中空状で気密性を有する壁面部材を配設し、上記作
動液を加温することにより壁面部材の表面板を加温しま
たは上記作動液を冷却することにより壁面部材の表面板
を冷却して温度を調整することを特徴とする、温度調整
方法である。
【0011】本発明にいう「壁面」とは、各種構築物の
側壁面の他、床面や天井面或いは窓ガラス等をも含む概
念である。壁面部材の表面板の表面は、通常は、様々な
模様を設けたり様々な形状に加工した化粧面となってい
るが、その形態については特に限定するものではない。
なお、化粧面は、例えば壁面部材とは別体に形成したシ
ートやプレート等を取り付けて設けることも可能である
ので、必ずしも壁面部材の表面板に当初から設けておく
必要はない。また、表面板の形状も一般的な四角形状の
他、例えば円形状、楕円状、他の多角形状或いはこれら
に属しない異形状のもの等であり、特に限定するもので
はない。更に、表面板のうち中空部内面側或いはその他
の構成部等に補強用のリブ等の肉厚部を設けることもで
きる。
【0012】壁面部材の材料としては、例えば、セラミ
ックス、ガラス、鋳造物(鉄、銅合金、アルミニウム合
金等)、合成樹脂(ポリマー樹脂、カーボン樹脂等)、
或いはそれら同士の複合体またはそれらを含み他の材料
と組み合わせた複合体等が使用されるが、気密性を有す
るものであれば、上記した材料に限定されるものではな
い。なお、壁面部材は、特に表面側については熱伝導率
に優れるものが好ましいが、限定するものではない。ま
た、素材的に気密性を有するものでなくても、表面加工
等で気密性を持たせることができるものであれば使用が
可能である。更に、壁面部材は一体的に形成してもよい
し、複数の部品を接着等により組み合わせて形成しても
よい。
【0013】作動液(熱媒体或いは作動流体と表現する
場合もある)の種類は、水、アルコール、アンモニア
等、例えばヒートパイプ等で一般的に使用されている作
動液が適宜選択されて使用される。なお、作動液は、上
記のものに限定はされない。
【0014】壁面部材に設けられる、冷却手段、加温手
段を取り付けるための手段は、何れか一方のみを取り付
けるための手段でもよいし、双方を一緒に取り付けるた
めの手段でもよい。また、壁面部材に設けられる冷却手
段、加温手段は、何れか一方を設けてもよいし、双方を
設けてもよい。
【0015】冷却手段は、冷水をパイプに流通させるよ
うにしたものの他、例えば冷媒液を流通させる冷却パイ
プ等であるが、これらに限定はされない。加温手段は、
温水または熱水をパイプに流通させるようにしたものの
他、電熱線を使用したヒーター等であるが、これらに限
定はされない。冷却手段と加温手段は、その両方の機能
を併せ持つ手段、例えばペルチェ素子等を採用すること
もできる。なお、冷却手段と加温手段は、中空部内の作
動液に直接触れて冷却または加温を行う構造でもよい
し、壁部や各種部材等を介して間接的に行う構造でもよ
い。
【0016】(作用)本発明に係る壁面部材の中空部に
封入してある作動液を冷却手段により冷却した場合は次
のように作用する。作動液が冷却されると、中空部内の
作動液の気化分から吸熱され、これにより気化分は凝縮
液化し、作動液内に入る。表面板からは外部の熱が取り
込まれるので、この熱を吸熱することにより作動液の一
部が気化する。作動液は継続して冷却されているので、
上記と同様の作動液の気化分の凝縮液化と、作動液の気
化が反復され、表面板からの外部の熱の取り込みが継続
して行われ、壁面部材の表面は冷却される。
【0017】また、作動液を加温手段により加温した場
合は次のように作用する。作動液が加温手段により加温
されると、その熱を吸熱しながら作動液の一部が気化す
る。中空部内の気化分は壁面部材の表面板を介して外部
へ放熱しながら凝縮液化する。作動液は継続して加温さ
れているので、上記と同様の作動液の気化と、作動液の
液化が繰り返され、作動液は形態を変えながら中空部内
で循環し、表面板からは放熱が継続して行われ、壁面部
材の表面は加温される。
【0018】中空部における作動液がない空隙部が、作
動液が気化していないときは真空であるものは、空隙部
に物質がない分だけ、作動液の気化できる量及び気化分
の液化する量が増えるので、熱の移動がより多くかつ効
率よく行われ、冷却性能及び加温性能が向上する。
【0019】中空部を形成する内壁部に、作動液が集ま
る集液部が設けてあるものは、冷却手段や加温手段を集
液部に設けることにより、作動液を効率よく冷却または
加温することができる。
【0020】第1、第2、第3または第4の発明に係る
壁面部材が配設されて壁面が構成されている壁面構造体
では、冷却手段で壁面部材内部の作動液を継続して冷却
することにより、表面板から吸熱が継続して行われるの
で、例えば、壁面部材を部屋の床や側壁として施工した
場合、室内を冷却することができる。また、加温手段で
作動液を継続して加温することにより、表面板からの放
熱が継続して行われるので、室内を加温することができ
る。
【0021】このような室内の冷却及び加温によれば、
冷気または暖気の対流は自然対流により行われるので、
強制対流させる場合と相違して、塵、埃が舞い上がるこ
ともなく、使用者の健康上、好ましい。更に、室内の空
気をそのまま冷却または加温するので、例えば加温の場
合の石油ストーブのように頻繁に換気を行う必要もな
く、換気により熱が逃げてしまう無駄も少ない。また、
火傷や火事の心配もなく安全である。このように、本発
明に係る壁面構造体によれば、構築物内部等の温度調整
を行うことができ、自然で快適な環境をつくり出すこと
が可能になる。
【0022】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を図面に基づ
き更に詳細に説明する。図1は本発明に係る壁面部材の
第1の実施の形態を示す要部を断面した説明図、図2は
図1に示す床面タイルを背面側からみた斜視図である。
【0023】符号A1は、壁面部材である床面タイルで
ある。床面タイルA1は、後述するアタッチメントホル
ダー53、54、ガスケット57を除いて、セラミック
スにより形成されている。床面タイルA1は、長方形状
の表面板1を備えている。表面板1の裏面側には周縁部
の全周にわたり側面板2が設けてある。表面板1の裏面
側には、作動液を封入するための中空部3が設けてあ
る。中空部3は、表面板1と、表面板1の幅方向の両端
部から側面板2の幅とほぼ同じ深さまで斜めに設けられ
た斜面板4、4及び底板5により形成されている。
【0024】底板5には、長手方向に所要間隔をおいて
二箇所に内外を貫通して設けられたネジ孔50、51を
有している。ネジ孔50、51には、内部に取着空間部
52を有するアタッチメントホルダー53、54がガス
ケット57を介在させて螺着されている。中空部3内部
は、このガスケット57によって気密性を確保してい
る。また、取着空間部52は、螺着時、外部側に開口す
る構造である。なお、アタッチメントホルダー53、5
4は、本実施の形態においては真鍮(しんちゅう)によ
り形成されているが、これに限定するものではなく、例
えば、他種の金属(浸食を受けにくいものが好ましい)
或いはセラミックス等で形成することもできる。
【0025】そして、一方のアタッチメントホルダー5
3の取着空間部52には、後述するように冷媒を流通さ
せた冷却パイプ6の挿着部60が取着され、他方のアタ
ッチメントホルダー54の取着空間部52にはヒーター
7が取着される。本実施の形態においては、アタッチメ
ントホルダーは二箇所に設けられ、それぞれに冷却パイ
プ6とヒーター7が取着されているが、特に床面タイル
が大きい場合等は、アタッチメントホルダーを多数設け
て冷却パイプ6とヒーター7をより多く取着する構造と
してもよい。
【0026】上記中空部3の内部には、作動液である水
Wが封入されている。本実施の形態においては、中空部
3と水Wの容積比は、約10:1である。なお、作動液
の種類や容積比は、床面タイルA1が施工される場所、
地域の環境、使用目的等の諸条件により適宜設定される
もので、上記設定に限定されるものではない。また、中
空部3は脱気してあり、中空部3のうち、水Wが占めて
いない空隙部は実質的に真空になっている。なお、真空
となるのは水が気化していない場合であって、通常では
空隙部に水Wが気化した水蒸気が多少は存在しているの
で、完全な真空ではない場合が多い。
【0027】(作 用)図3は図1に示す床面タイルを
使用した壁面構造体を示す説明図、図4は冷源の取付構
造を示す要部断面図、図5は熱源の取付構造を示す要部
断面図である。図1ないし図5を参照して、第1の実施
の形態に係る床面タイル及びそれを使用した壁面構造体
の作用を説明する。
【0028】第1の実施の形態に係る床面タイルA1を
使用した壁面構造体を説明する。床面タイルA1は、図
3に示すように、通常の床面タイルとほぼ同様に施工さ
れるが、施工面8に冷却パイプ6とヒーター7用のコー
ド70を収容し配管、配線を行うための配路80が設け
てある点が相違している。床面タイルA1は次のように
施工される。
【0029】まず、配路80内に、冷却パイプ6を配管
し、ヒーター7を直列に繋いだコード70を配線する。
冷却パイプ6には、所要間隔をもって挿着部60が突出
して設けてある。そして、床面タイルA1の背面側にあ
るアタッチメントホルダー53の取着空間部52を冷却
パイプ6の挿着部60に嵌め込み、アタッチメントホル
ダー54の取着空間部52にヒーター7を取着して床面
タイルA1を目地材9を含む接着剤により施工面80に
接着する。以下、同様にして床面タイルA1を施工面8
0に並設し、所定の広さに施工する。
【0030】床面タイルA1を使用した壁面構造体が施
工された室内を冷却する場合の作用は次のとおりであ
る。 (1)冷却パイプ6に冷媒が流通されると、冷却パイプ
6の挿着部60によって中空部3内の水Wが冷却され
る。 (2)冷却された水Wによって、中空部3の空隙部に存
在している水蒸気から熱が奪われ、すなわち吸熱が行わ
れて水蒸気は凝縮液化し、水となって水Wに混入する。
【0031】(3)床面タイルA1の表面板1からは外
部の熱が取り込まれるので、この熱を吸熱することによ
り水Wの一部が気化する。 (4)水Wは冷却パイプ6によって継続して冷却されて
いるので、上記(2)と同様の水Wの気化分である水蒸
気の凝縮液化と、(3)と同様の水Wの気化が反復さ
れ、表面板1からの外部の熱の取り込みが継続して行わ
れるので、表面板1ひいては室内が冷却される。
【0032】また、室内を加温する場合の作用は次のと
おりである。 (1)ヒーター7に通電されると、発熱したヒーター7
によって中空部3内の水Wが加温される。 (2)水Wは、その熱を吸熱しながら一部が気化する。 (3)中空部3の空隙部に充満している水蒸気は床面タ
イルA1の表面板1を介して外部へ放熱しながら凝縮液
化する。 (4)中空部3内の水Wは継続して加温されているの
で、この段落の上記(2)と同様の水Wの気化と、上記
(3)の水Wの液化が繰り返され、水Wは形態を変えな
がら中空部3内で循環し、表面板1からは放熱が継続し
て行われるので、表面板1ひいては室内が加温される。
【0033】床面タイルA1では、中空部3における作
動液がない空隙部は実質的に真空である(空隙部に水蒸
気が存在しない状態のとき)。従って、空隙部に物質が
ない分だけ、水Wが気化できる量及び気化分すなわち水
蒸気の液化する量が増えるので、熱の移動がより多くか
つ効率よく行われ、十分な冷却性能及び加温性能が得ら
れる。
【0034】床面タイルA1を使用した壁面構造体によ
れば、冷気または暖気の対流は自然対流により行われる
ので、エアコンディショナーのように強制対流させる場
合と相違して、塵、埃が舞い上がることもなく、使用者
の健康上、好ましい。更に、室内の空気をそのまま冷却
または加温するので、例えば加温の場合の石油ストーブ
のように頻繁に換気を行う必要もなく、換気により熱が
逃げてしまう無駄も少ない。また、火傷や火事の心配も
なく安全である。従って、自然で快適な環境をつくり出
すことが可能になる。
【0035】図6は本発明に係る壁面部材の第2の実施
の形態を示す要部を断面した説明図、図7は図6に示す
床面タイルを背面側からみた斜視図である。なお、図面
において、上記床面タイルA1と同一または同等の箇所
には同一の符号を付して示し、構造について重複する説
明は省略する。
【0036】床面タイルA2では、底板5に二本の嵌合
溝55、56が幅方向へ所定の間隔をおいて平行に、か
つ床面タイルA2の長手方向の全長にわたり設けてある
(側面板2にも溝口が形成されている)。底板5の中空
部3側は、いわば半円柱面状に盛り上がっている。中空
部3内部には、床面タイルA1と同様に水Wが封入して
あり、空隙部は実質的に真空にしてある。なお、施工時
において、一方の嵌合溝55は冷水を流通させる冷水パ
イプ6aに嵌め込まれ、他方の嵌合溝56は温水を流通
させる温水パイプ7aに嵌め込まれる。
【0037】図8は図6に示す床面タイルを使用した壁
面構造体を示す説明図である。図6ないし図8を参照し
て、第2の実施の形態に係る床面タイル及びそれを使用
した壁面構造体の作用を説明する。床面タイルA2を使
用した壁面構造体は次のように施工される。
【0038】まず、配路80内に、冷水パイプ6aと温
水パイプ7aを配管する。そして、床面タイルA1の背
面側にある嵌合溝55を冷水パイプ6aに嵌め込み、嵌
合溝56を温水パイプ7aに嵌め込む。更に、床面タイ
ルA2を目地材9を含む接着剤により施工面80に接着
する。以下、同様にして床面タイルA2を施工面80に
並設し、所定の広さに施工する。なお、床面タイルA2
が施工された室内等を冷却または加温するときの作用に
ついては、上記床面タイルA1とほぼ同様であるので、
説明を省略する。
【0039】図9は本発明に係る壁面部材の第3の実施
の形態を示す要部を断面した説明図、図10は図9に示
す側面タイルを背面側からみた斜視図である。符号A3
は側面タイルで、水平に施工される上記床面タイルA
1、A2とは相違して垂直に施工される。なお、上記ど
ちらの場合も、多少傾斜させて施工される場合もある。
【0040】側面タイルA3は、外形が直方体状であ
る。長方形状の表面板1の背面側には側面板2と背面板
5aによって中空部3が設けてある。背面板5aの下部
には、上記床面タイルA1と同様にネジ孔50、51を
有しており、ネジ孔50、51には、それぞれ取着空間
部52を有するアタッチメントホルダー53、54が螺
着されている。アタッチメントホルダー53、54の取
着空間部52には、冷却パイプ6の挿着部60とヒータ
ー7が取着される。中空部3の内部には水Wが封入さ
れ、中空部3のうち、水Wが占めていない空隙部は実質
的に真空になっている。なお、側面タイルA3の施工方
法及び側面タイルA3が施工された室内等を冷却または
加温するときの作用については、上記床面タイルA1と
ほぼ同様であるので、説明を省略する。
【0041】図11は本発明に係る壁面部材の第4の実
施の形態を示す要部を断面した説明図、図12は図11
に示す側面タイルを背面側からみた斜視図である。な
お、図面において、上記床面タイルA3と同一または同
等の箇所には同一の符号を付して示し、構造について重
複する説明は省略する。
【0042】側面タイルA4では、背面板5aに二本の
嵌合溝55、56が上下方向へ所定の間隔をおいて平行
に、かつ長手方向の全長にわたり設けてある。中空部3
内部には、床面タイルA3と同様に水Wが封入してあ
り、空隙部は実質的に真空にしてある。施工時におい
て、一方の嵌合溝55は冷水を流通させる冷水パイプ6
aに嵌め込まれ、他方の嵌合溝56は温水を流通させる
温水パイプ7aに嵌め込まれる。なお、側面タイルA4
の施工方法は上記床面タイルA2とほぼ同様であり、ま
た、側面タイルA4が施工された室内等を冷却または加
温するときの作用については、上記床面タイルA1とほ
ぼ同様であるので、説明を省略する。
【0043】図13は本発明に係る壁面部材の第5の実
施の形態を示す要部を断面した説明図である。符号A5
はペアガラスで、上下のスペーサーSを介し所要間隔を
おいて対向して設けられた二枚の表面板1b、1cを有
している。底部側のスペーサーSには、上記床面タイル
A1と同様にネジ孔50を有しており、ネジ孔50に
は、取着空間部52を有するアタッチメントホルダー5
8が螺着されている。アタッチメントホルダー58の取
着空間部52には、ヒーター7が取着される。
【0044】なお、取着空間部52には、必要に応じて
冷却パイプの挿着部を取着するようにしてもよく、上記
床面タイルA1、A2や側面タイルA3、A4と同様に
冷源と熱源の双方を取着しておく構造にすることもでき
る。また、アタッチメントホルダー58を介し設けられ
るヒーター7の数は特に限定せず、単数でもよいし複数
でもよい。中空部3の内部には水Wが封入され、中空部
3のうち、水Wが占めていない空隙部は実質的に真空に
なっている。
【0045】ペアガラスA5は垂直または実質的に縦に
施工されるもので、例えば、家屋や温室または自動車の
窓部として利用または応用が可能である。そして、ヒー
ター7によって中空部3内の水Wを加温することによ
り、表面板1b、1cのほぼ全面が効率よく暖められ
る。これにより、例えば、ペアガラスA5を家屋や温室
の窓部として使用した場合は、内部側の表面板1bから
熱が取り込まれないので、優れた断熱効果を得ることが
でき、また、自動車の窓部として使用した場合は、寒冷
時の曇りを防止することができる。
【0046】なお、本明細書で使用している用語と表現
はあくまで説明上のものであって、限定的なものではな
く、上記用語、表現と等価の用語、表現を除外するもの
ではない。また、本発明は図示の実施の形態に限定され
るものではなく、技術思想の範囲内において種々の変形
が可能である。
【0047】
【発明の効果】本発明は上記構成を備え、次の効果を有
する。 (a)本発明に係る壁面部材、壁面構造体及び温度調整
方法によれば、冷却手段で壁面部材内部の作動液を継続
して冷却することにより、表面板から吸熱が継続して行
われるので、例えば、壁面部材を部屋の床や側壁として
施工した場合、室内を冷却することができる。また、加
温手段で作動液を継続して加温することにより、表面板
からの放熱が継続して行われるので、室内を加温するこ
とができる。このような室内の冷却及び加温によれば、
冷気または暖気の対流は自然対流により行われるので、
強制対流させる場合と相違して、塵、埃が舞い上がるこ
ともなく、使用者の健康上、好ましい。更に、室内の空
気をそのまま冷却または加温するので、例えば加温の場
合の石油ストーブのように頻繁に換気を行う必要もな
く、換気により熱が逃げてしまう無駄も少ない。また、
火傷や火事の心配もなく安全である。このように、本発
明に係る壁面構造体によれば、構築物内部等の温度調整
を行うことができ、自然で快適な環境をつくり出すこと
が可能になる。
【0048】(b)中空部における作動液がない空隙部
が、作動液が気化していないときは真空であるものは、
空隙部に物質がない分だけ、作動液の気化できる量及び
気化分の液化する量が増えるので、熱の移動がより多く
かつ効率よく行われ、冷却性能及び加温性能が向上す
る。
【0049】(c)中空部を形成する内壁部に、作動液
が集まる集液部が設けてあるものは、冷却手段や加温手
段を集液部に設けることにより、作動液を効率よく冷却
または加温することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る壁面部材の第1の実施の形態を示
す要部を断面した説明図。
【図2】図1に示す床面タイルを背面側からみた斜視
図。
【図3】図1に示す床面タイルを使用した壁面構造体を
示す説明図。
【図4】冷源の取付構造を示す要部断面図。
【図5】熱源の取付構造を示す要部断面図。
【図6】本発明に係る壁面部材の第2の実施の形態を示
す要部を断面した説明図。
【図7】図6に示す床面タイルを背面側からみた斜視
図。
【図8】図6に示す床面タイルを使用した壁面構造体を
示す説明図。
【図9】本発明に係る壁面部材の第3の実施の形態を示
す要部を断面した説明図。
【図10】図9に示す側面タイルを背面側からみた斜視
図。
【図11】本発明に係る壁面部材の第4の実施の形態を
示す要部を断面した説明図。
【図12】図11に示す側面タイルを背面側からみた斜
視図。
【図13】本発明に係る壁面部材の第5の実施の形態を
示す要部を断面した説明図。
【符号の説明】
A1 床面タイル 1 表面板 2 側面板 3 中空部 4 斜面板 5 底板 50、51 ネジ孔 52 取着空間部 53、54 アタッチメントホルダー 57 ガスケット 6 冷却パイプ 60 挿着部 7 ヒーター 70 コード W 水 8 施工面 80 配路 9 目地材 A2 床面タイル 55、56 嵌合溝 6a 冷水パイプ 7a 温水パイプ A3 側面タイル 5a 背面板 A4 側面タイル A5 ペアガラス S スペーサー 1b、1c 表面板 58 アタッチメントホルダー
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成10年11月18日(1998.11.
18)
【手続補正1】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】全図
【補正方法】変更
【補正内容】
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図13】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 中空状で気密性を有し、中空部には作動
    液が所定量封入してあり、作動液の温度を変化させる冷
    却手段または/及び加温手段を取り付けるための手段を
    備えていることを特徴とする、 壁面部材。
  2. 【請求項2】 中空状で気密性を有し、中空部には作動
    液が所定量封入してあり、作動液の温度を変化させる冷
    却手段または/及び加温手段を備えていることを特徴と
    する、 壁面部材。
  3. 【請求項3】 中空部における作動液がない空隙部は、
    作動液が気化していないときは真空であることを特徴と
    する、 請求項1または2記載の壁面部材。
  4. 【請求項4】 中空部を形成する内壁部に、作動液が集
    まる集液部が設けてあることを特徴とする、 請求項1、2または3記載の壁面部材。
  5. 【請求項5】 請求項1、2、3または4記載の壁面部
    材が配設されて壁面が構成されていることを特徴とす
    る、 壁面構造体。
  6. 【請求項6】 中空状で気密性を有し中空部に作動液を
    所定量封入した壁面部材を配設し、上記作動液を加温す
    ることにより壁面部材の表面板を加温しまたは上記作動
    液を冷却することにより壁面部材の表面板を冷却して温
    度を調整することを特徴とする、 温度調整方法。
JP10263718A 1998-09-17 1998-09-17 壁面部材、それを使用した壁面構造体及び温度調整方法 Pending JP2000088479A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN115162549A (zh) * 2022-07-07 2022-10-11 中国建筑第二工程局有限公司 一种建筑外墙保温结构

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