JP2000087465A

JP2000087465A - インテリア施工物の施工方法

Info

Publication number: JP2000087465A
Application number: JP10270527A
Authority: JP
Inventors: Shinji Saito; 伸二斉藤; Toshiki Takizawa; 俊樹滝澤
Original assignee: Bridgestone Corp
Current assignee: Bridgestone Corp
Priority date: 1998-09-08
Filing date: 1998-09-08
Publication date: 2000-03-28

Abstract

(57)【要約】【解決手段】インテリアの被施工体の被施工面及び／
又は施工物の施工面に対して、予め放電処理を施した
後、該被施工体の被施工面にシーリング材又は接着剤を
介して該施工物を施工、設置することを特徴とするイン
テリア施工物の施工方法。【効果】本発明のインテリア施工物の施工方法によれ
ば、台所等の水回りなどの壁面といった被施工体の被施
工面あるいはこの被施工物に施工、設置するコンロ、流
し台等の施工物表面にフッ素樹脂塗料等の難接着性コー
ティングがなされていても、被施工体の被施工面にシー
リング材又は接着剤を介して施工物を水密性、気密性良
く施工、設置することができる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、台所の壁面等の被
施工体の被施工面にシーリング材又は接着剤を介して
棚、流し台等の施工物を水密性、気密性良く施工、設置
することができるインテリア施工物の施工方法に関す
る。

【０００２】

【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】台所、
洗面所、風呂などの水回りをはじめとしてインテリアの
建築物には、フッ素樹脂塗装やフッ素樹脂ラミネートさ
れた内装材、家具、調度品などが多く使われている。例
えば台所回りにおいては、コンロ、コンロ回りの壁、換
気扇、キッチン床、キッチン天井、洗面流し、レンジ、
オーブン、棚等の表面に汚れが着きにくいように、又は
汚れが簡単に落とせるようにフッ素系塗料をコーティン
グしたり、フッ素樹脂系フィルムを表面にラミネートし
たりすることが行われる。

【０００３】更に、水回りなどにおいて、上記のような
施工物を壁面等の被施工体に施工、設置するには、被施
工面で水漏れが起きないように被施工面をシールするな
どして密接させる必要がある。例えば、図１に示すよう
に被施工壁１に流し台２を設置するには、被施工壁面と
流し台２との隙間に防水シール３を介して水密に施工、
設置する必要がある。また、同様に棚４は、接着剤５を
介して被施工壁１に密接着させる必要がある。

【０００４】しかしながら、例えば変成シリコーン系シ
ーリング材等のシーリング材を用いて、フッ素樹脂塗料
等の塗料がコーティングされている被施工面と施工物と
の隙間を埋めると、塗装面とシーリング材との接着性が
悪く、両者の接着が不十分になってしまうため、水漏れ
が懸念されるという問題があった。従って、より効果的
に被施工体の被施工面に施工物を密接して施工、設置さ
せる技術の開発が望まれる。

【０００５】本発明は、上記事情に鑑みなされたもの
で、台所の壁面等のインテリアの被施工体の被施工面や
この被施工体に施工、設置する施工物表面にフッ素樹脂
塗料等の難接着性コーティングがなされていても、被施
工体の被施工面にシーリング材又は接着剤を介して施工
物を水密性、気密性良く施工、設置することができるイ
ンテリア施工物の施工方法を提供することを目的とす
る。

【０００６】

【課題を解決するための手段及び発明の実施の形態】本
発明者は、鋭意検討を重ねた結果、インテリアの被施工
体の被施工面及び／又は施工物の施工面に対して、予め
放電処理を施した後、この被施工体の被施工面にシーリ
ング材又は接着剤を介して施工物を施工、設置すること
により、上記目的を達成できることを見いだした。

【０００７】即ち、インテリアの被施工体の被施工面及
び／又は施工物の施工面に対して、予め放電処理、特に
コロナ放電処理又はアーク放電を空気流で吹き付けるア
ーク放電吹き付け処理を施すことにより、被施工体及び
／又は施工物のフッ素系塗装やラミネート表面が改質さ
れて濡れ性が向上し、塗装、シーリング材、接着剤との
接着力が高まること、よって、台所等の水回りなどの壁
面といった被施工体の被施工面やこれに施工、設置する
施工物表面にフッ素樹脂塗料等の難接着性コーティング
がなされていてもシーリング材又は接着剤を介して施工
物を密接して施工、設置することができ、傷跡なども残
らないことを知見し、本発明をなすに至った。

【０００８】従って、本発明は、（１）インテリアの被
施工体の被施工面及び／又は施工物の施工面に対して、
予め放電処理を施した後、該被施工体の被施工面にシー
リング材又は接着剤を介して該施工物を施工、設置する
ことを特徴とするインテリア施工物の施工方法、（２）
放電処理が、コロナ放電処理又はアーク放電をガス流に
より吹き出させる処理である上記施工物の施工方法、
（３）被施工体の被施工面及び／又は施工物の施工面
が、フッ素樹脂系塗装面又はフッ素樹脂フィルムラミネ
ート面である上記施工物の施工方法を提供する。

【０００９】以下、本発明につき更に詳細に説明する
と、本発明のインテリア施工物の施工方法は、被施工体
の被施工面及び／又は施工物の施工面に対して、放電処
理を施した後、この被施工体の被施工面にシーリング材
又は接着剤を介して施工物を施工、設置するものであ
る。

【００１０】ここで、被施工体としては、特に限定され
ないが、例えば建築用の各種樹脂パネル、表面に樹脂を
塗工した建築用木材、アルミ、ステンレス等の金属、セ
ラミックスボード、コンクリートパネル等が挙げられ
る。更に、これら被施工体は、表面がフッ素樹脂塗装、
フッ素樹脂フィルムラミネート等で塗装されていてもよ
い。本発明方法によれば、このように表面が難接着面で
あっても施工物を満足に施工できる。

【００１１】また、施工物としては、通常建築物に施工
される種々の内装品、家具、調度品などが挙げられ、具
体的にはコンロ、レンジ、オーブン、棚、コンロ回りの
壁、換気扇、キッチン床、キッチン天井、洗面流し等が
例示される。

【００１２】シーリング材は、被施工面と施工物との隙
間に充填して水密性、気密性などの機能を発揮させる材
料であり、具体的には、ポリサルファイド系シーリング
材、変成シリコーン系シーリング材、ポリウレタン系シ
ーリング材、シリコーン系シーリング材、ポリイソブチ
レン系シーリング材等を用いることができる。

【００１３】また、接着剤は、被施工面と施工物との隙
間に充填して両者を接着させる材料であり、具体的には
合成ゴム系接着剤、ウレタン系接着剤、エポキシ系接着
剤、ＥＶＡ系接着剤等を用いることができる。

【００１４】而して、本発明においては、上記インテリ
アの被施工体の被施工面及び／又は施工物の施工面にシ
ーリング材又は接着剤を介して施工物を密接して施工、
設置するに際して、上記施工、設置処理の前処理とし
て、被施工体の被施工面及び／又は施工物の施工面に対
して放電処理を行う。この場合、放電処理は、必要に応
じて被施工体の被施工面と施工物の施工面の両方の面に
行っても、あるいはいずれかの面に行ってもよい。

【００１５】ここで、放電処理としては、例えばコロナ
処理、プラズマ処理、コロナ放電又はアーク放電をガス
流により吹き出させる処理、プラズマトーチ処理等を採
用でき、これらのいずれの放電処理を施しても本発明の
優れた作用効果を発揮させることができるが、中でもコ
ロナ放電処理又はアーク放電をガス流により吹き出させ
る処理が好適である。

【００１６】この場合、コロナ処理としては、高周波の
高電圧により電極と対面電極に放電を生じさせ、その放
電空間に被施工体を通過させることにより放電処理を行
う方法を採用し得る。また、被施工体が金属等の導電体
の場合には、被施工体自体を対面電極として、電極と被
施工体の間で放電を生じさせることにより被施工面を改
質させることができる。なお、放電条件は、通常、出力
１０〜１０００Ｗ、処理時間０．１〜３０ｓｅｃ程度が
好適である。

【００１７】また、プラズマ処理は、プラズマ中のイオ
ン、電子、ラジカル、光、原子、分子などを利用して被
施工体の表面改質を行うものであり、所定の圧力（低圧
又は大気圧）のガスに対し、直流又は交流電界により放
電を発生せしめ、その放電中又は放電よりガス流の下流
に被施工体を設置して放電処理を行う方法を採用し得
る。この場合、放電条件は、通常、圧力０．００１〜１
０００Ｔｏｒｒが好ましく、プラズマ励起電界周波数
は、直流、５０Ｈｚ等の低周波交流、１〜１００ｋＨｚ
程度の交流、１３．５６Ｍｈｚ等のラジオ波、２．４５
ＧＨｚ等のマイクロ波等が利用できる。気体としては、
例えばアルゴン（Ａｒ）ガス、酸素ガス、空気、窒素、
ヘリウム、ＣＦ₄等が用いられる。

【００１８】コロナ放電又はアーク放電をガス流により
吹き出させる処理としては、電極間でコロナ放電又はア
ーク放電を生じさせ、空気等のガス流を吹き付けて、下
流側に吹き出した放電に被施工体を当てて放電処理する
方法が採用できる。この場合、放電条件は、通常、放電
吹き出し口と被施工面とを１〜１００ｍｍ離間し、処理
時間を１〜３０ｓｅｃ程度とすることが好適である。

【００１９】プラズマトーチ処理としては、大気圧等で
プラズマ放電を生じさせ、ガスを吹き付け、下流側に吹
き出した放電に被施工体を当てて放電処理を行う方法が
採用できる。この場合、放電条件は、通常、ガスとして
ヘリウム（Ｈｅ）ガス、アルゴンガス等を用い、圧力５
００〜２０００Ｔｏｒｒ、周波数５０〜１００ＭＨｚで
処理時間１〜３０ｓｅｃ程度とすることが好適である。

【００２０】なお、本発明において、上記シーリング材
又は接着剤を介して施工物を被施工体の被施工面に設置
する方法に特に制限はなく、通常の方法を採用して行う
ことができる。

【００２１】

【発明の効果】本発明のインテリア施工物の施工方法に
よれば、台所等の水回りなどの壁面といった被施工体の
被施工面やこの被施工体に施工、設置するコンロ、流し
台等の施工物の施工面にフッ素樹脂塗料等の難接着性コ
ーティングがなされていても、被施工体の被施工面にシ
ーリング材又は接着剤を介してコンロ、流し台等の施工
物を水密性、気密性良く施工、設置することができ、傷
跡なども残らない。

【００２２】

【実施例】以下、実施例及び比較例を示して本発明を具
体的に説明するが、本発明は下記の実施例に制限される
ものではない。

【００２３】〔実施例１，２、比較例１〕フッ素樹脂塗
装高温焼き付けパネル（カイナー）を用い、これに対し
て、前処理としてコロナ放電処理を実施したもの（実施
例１）、アーク放電をガス流により吹き出させる処理を
実施したもの（実施例２）をサンプルとして使用した。
なお、各処理条件はそれぞれ下記のとおりである。ま
た、比較例１として前処理なしのものをサンプルとし
た。（１）コロナ放電処理（出力：３００Ｗ、処理時間：５
ｓｅｃ）；ＴＡＮＴＥＣ社製ＨＶ０５−２及びワイヤー
電極を使用（２）吹き出しアーク放電処理（４０ｍｍの距離、処理
時間：５ｓｅｃ）；アールブラント社製３Ｄトリーター
使用次に、シーリング材として２液型変成シリコーンシーリ
ング材（ブリヂストン社製ＭＳ２０００）を施工して、
これらサンプルについて、ＪＩＳＡ５７５８に準拠し
たＨ型試験片（サンプル）を作成した。

【００２４】得られたサンプルをＪＩＳＡ５７５８に
準拠して接着試験を行った。結果を表１に示す。

【００２５】

【表１】

【００２６】表１の結果より、被施工面を放電処理する
と、フッ素樹脂等の難接着面であってもシーリング材を
用いて施工物を容易に密接して施工、設置できることが
確認された。

【００２７】〔実施例３〕フッ素樹脂塗装高温焼き付け
パネル（カイナー、幅９００ｍｍ×長さ１８００ｍｍ）
からなる壁面に対して、前処理として上記と同様の方法
でコロナ放電処理を実施した。この壁面の前面にステン
レス製流し台を置き（間隔は約５ｍｍ）、この両者の隙
間に実施例１と同様の２液型変成シリコーンシーリング
材をうって設置した。なお、ステンレス流しのシーリン
グ材をつける部分にも予めコロナ放電処理した。

【００２８】出来上がったものは、壁面にステンレス製
流し台が良好に接着し、水漏れのおそれなく設置されて
いることが確認された。

【図面の簡単な説明】

【図１】壁面への流し台、棚の設置状態を示す概略図で
ある。

【符号の説明】

１被施工壁２流し台３防水シール４棚５接着剤

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】インテリアの被施工体の被施工面及び／
又は施工物の施工面に対して、予め放電処理を施した
後、該被施工体の被施工面にシーリング材又は接着剤を
介して該施工物を施工、設置することを特徴とするイン
テリア施工物の施工方法。
【請求項２】放電処理が、コロナ放電処理又はアーク
放電をガス流により吹き出させる処理である請求項１記
載の施工物の施工方法。
【請求項３】被施工体の被施工面及び／又は施工物の
施工面が、フッ素樹脂系塗装面又はフッ素樹脂フィルム
ラミネート面である請求項１又は２記載の施工物の施工
方法。