JP2000087021A - シランカップリング剤を利用した冷熱輸送方法、冷熱保存方法、氷スラリー生成方法及び装置 - Google Patents

シランカップリング剤を利用した冷熱輸送方法、冷熱保存方法、氷スラリー生成方法及び装置

Info

Publication number
JP2000087021A
JP2000087021A JP26424898A JP26424898A JP2000087021A JP 2000087021 A JP2000087021 A JP 2000087021A JP 26424898 A JP26424898 A JP 26424898A JP 26424898 A JP26424898 A JP 26424898A JP 2000087021 A JP2000087021 A JP 2000087021A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
added
coupling agent
silane coupling
ice
liquid
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP26424898A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3520315B2 (ja
Inventor
Akira Yabe
彰 矢部
Takaaki Inada
孝明 稲田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
National Institute of Advanced Industrial Science and Technology AIST
Original Assignee
Agency of Industrial Science and Technology
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Agency of Industrial Science and Technology filed Critical Agency of Industrial Science and Technology
Priority to JP26424898A priority Critical patent/JP3520315B2/ja
Publication of JP2000087021A publication Critical patent/JP2000087021A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3520315B2 publication Critical patent/JP3520315B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Silicon Polymers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 再結晶が抑制された氷スラリーによる冷熱輸
送などの低コスト化を図るものとする。 【解決手段】 シランカップリング剤、アルカンチオー
ルまたは脂肪酸を添加した液体を冷却して氷スラリーを
生成し、氷スラリーを配管およびポンプにより輸送す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、スラリー状の氷を
配管を通して送ることにより、冷熱を輸送などする方法
及び装置に関する。
【0002】
【従来の技術】スラリー状の氷を用いる冷熱輸送方法と
して、従来、アンチフリーズ蛋白質を添加した液体を冷
却して氷スラリーを生成し、この氷スラリーを配管およ
びポンプにより輸送することが知られている(以下、従
来例と称する)。単に液体を冷却する方法では、液体の
顕熱のみを利用するので、輸送する冷熱量が比較的小さ
い。しかるに、この従来例にあっては、液体から氷を生
成し、液体から氷へ相変化のときの潜熱分を蓄えるの
で、輸送する冷熱量を大きく確保できる。ところが、氷
が容易に再結晶(二次成長)してしまうようであると、
配管が閉鎖しやすくなり長距離輸送に適さない。これに
対して、この従来例にあっては、アンチフリーズ蛋白質
を液体に添加することにより、氷の再結晶を抑制できる
ので、長距離輸送にも適するものとなる。アンチフリー
ズ蛋白質は、北極や南極の近くに棲む魚類から採れる蛋
白質である。北極や南極の近くに棲む魚類は、このアン
チフリーズ蛋白質の作用により、血液が凍ることがな
い。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このア
ンチフリーズ蛋白質は、非常に高価なものである。その
ため、再結晶が抑制された氷スラリーによる冷熱輸送に
かかる費用が高いものについている。
【0004】本発明の目的は、再結晶が抑制された氷ス
ラリーによる冷熱輸送などの低コスト化を図ることにあ
る。
【0005】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するた
め、本発明では、アンチフリーズ蛋白質に替えて、シラ
ンカップリング剤、アルカンチオール、脂肪酸などの人
工高分子を用いるようにした。
【0006】まず、シランカップリング剤を用いた場合
を説明する。シランカップリング剤を添加した液体を冷
却して氷スラリーを生成する。シランカップリング剤
は、氷スラリーの再結晶抑制作用を有しており、アンチ
フリーズ蛋白質の価格に比べて約1/8と、大幅に安価
である。そのため、再結晶が抑制された氷スラリーによ
る冷熱輸送・蓄積熱などの低コスト化に寄与するものと
なる。シランカップリング剤は、その一般式が図2
(A)に示すように、XSi(OR)3と表される。一
方側のORは、加水分解基である。ORとしては、例え
ばCH3O−、C35O−、CH3OC24O−がある。
このORは、加水分解して、図2(B)に示すように、
シラノール基(−SiOH)を形成する。このシラノー
ル基の中のOHは、親水性の極性基(以下、親水基と称
する)である。他方側のXは、有機樹脂と反応する官能
基(有機官能基)であり、疎水性の非極性基(疎水基と
称する)である。Xとしては、例えばビニル、エポキ
シ、アミノ、メルカプト、メタクリルがある。シラノー
ル基(−SiOH)は、縮合反応により架橋して、図1
(C)に示すように、シロキサンネットワーク(−Si
−O−Si−)という架橋分子を組成する。シランカッ
プリング剤の分子どうしは、この架橋反応により、ある
程度の長さを持つことになる。架橋分子は、ほぼ同一方
向に親水基OHが並び、その親水基OHと反対側に疎水
基Xが並ぶことになる。この架橋分子の親水基OHは、
図1に示すように、氷の表面と水素結合する。すなわ
ち、シランカップリング剤は、親水基OHが水素結合に
より氷の表面と結合して吸着し、氷とは反対側に疎水基
Xが位置することになる。これにより、氷の表面の二次
的な成長が抑制され、氷どうしの結合が抑制される。こ
のように、架橋反応したシランカップリング剤の高分子
により、氷の再結晶が抑制された。これにより、管路を
通した長距離輸送が可能となった。なお、氷をつくる水
分子H2Oは、H原子の端が正に帯電し、O原子の反対
側が負に帯電する。この水分子のHが、上述のように、
シランカップリング剤における親水基OHと水素結合す
る。
【0007】シランカップリング剤が氷再結晶抑制作用
を有する理由は、上述したように、親水基および疎水基
を持ち、この親水基および疎水基が長く連なるためであ
る。この条件を満たすものとして、シランカップリング
剤の他に、アルカンチオール、脂肪酸がある。すなわ
ち、アルカンチオール、脂肪酸を用いれば、シランカッ
プリング剤と同様に氷再結晶抑制作用をする。アルカン
チオールR−SHは、SHが氷表面と水素結合して吸着
する。Rは疎水基である。この反応を図5に示した。脂
肪酸R−COOHは、COOHのHが電離してマイナス
イオンとなり、氷表面に吸着する。この反応を図6に示
した。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、本発明の好適な実施形態を
図3および図4を参照して説明する。 (第一実施形態)図3に、本発明の第一実施形態に係る
冷熱輸送装置が示されている。この冷熱輸送装置は、配
管1と、この配管1に設置されたポンプ2と、冷熱付与
手段3と、冷熱放出手段4とを備えている。ここで、配
管1は、シランカップリング剤を添加した例えば水のよ
うな液体(以下、シランカップリング剤水溶液と称す
る)が封入されている。シランカップリング剤は、水を
冷却したとき、氷の再結晶を抑制する作用を有する。冷
熱付与手段3は、冷凍機などからなっており、シランカ
ップリング剤水溶液を冷却することにより、氷スラリー
を生成するために設けられている。ポンプ2は、配管1
を通して、シランカップリング剤水溶液および氷スラリ
ーを強制循環させるためのものである。この冷熱輸送装
置にあっては、次のように冷熱を輸送する。配管1の中
のシランカップリング剤水溶液は、ポンプ2の作用によ
り冷熱付与手段3に送られ、この冷熱付与手段3で冷却
されて氷スラリーにされる。この氷スラリーは、冷熱放
出手段4で冷熱を放出する。これにより、冷熱放出手段
4で、氷スラリーはシランカップリング剤水溶液に戻
る。このシランカップリング剤水溶液は、冷熱付与手段
3に帰り、再び氷スラリーとされる。この冷却・放熱プ
ロセスを繰り返しながら、冷熱輸送する。シランカップ
リング剤が水に添加されることにより、氷スラリーの氷
の再結晶が抑制されるので、配管1の閉鎖が防止され、
もって長期間にわたる冷熱輸送が可能となる。
【0009】(第二実施形態)図4に、本発明の第二の
実施形態に係る冷熱輸送装置が示されている。この冷熱
輸送装置は、タンク11を有する冷熱付与手段3と、シ
ランカップリング剤水溶液が封入された配管1と、第一
のポンプ2Aと、タンク12を有する冷熱保存手段5
と、第二のポンプ2Bと、冷熱放出手段4とを備えてい
る。冷熱保存手段5は、氷スラリーを溜めておき(冷熱
保存作用)、必要に応じて冷熱放出手段4に供給するも
のである。この図4の冷熱輸送装置にあっては、次のよ
うに冷熱を輸送、保存する。冷熱付与手段3のタンク1
1内のシランカップリング剤水溶液は、冷却されて氷ス
ラリーにされる。このタンク11内の氷スラリーは、第
一のポンプ2Aにより冷熱保存手段5に送られ、冷熱保
存手段5のタンク12内に溜められる。この冷熱保存手
段5で冷熱が保存される。冷熱保存手段5内の氷スラリ
ーは、必要に応じて、第二のポンプ2Bにより、冷熱放
出手段4に供給され、冷却に使用される。シランカップ
リング剤が水に添加されているので、氷スラリーの氷の
再結晶が抑制され、もって氷スラリーが冷熱保存手段5
に長期保存される。
【0010】なお、上述した実施形態では液体に対して
シランカップリング剤のみに加えたが、これに限らず、
シランカップリング剤に加えて氷核細菌を添加すれば、
氷の生成が促進される。氷核細菌については、人工雪の
製造装置などにおいて既に使用されており、公知のもの
であるから、その説明を省略する。
【0011】(実験例1)氷結晶の成長パターンの観察の実験 本実験の目的は、シランカップリング剤が氷の結晶成長
過程に及ぼす影響を調べることにある。本実験では、架
橋反応を終了したシランカップリング剤水溶液の中に氷
の種結晶を挿入し、そこからの氷の結晶を観察した。シ
ランカップリング剤としては、ビニルトリエトキシシ
ラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラ
ン、γ−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラ
ン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラ
ン、γ−アミノプロピルトリエトキシシランの5種類
を用いた。また、比較のため、純水、アンチフリーズ蛋
白質、エチレングリコール水溶液の中での氷の結晶成長
を併せて観察した。実験方法としては、純水氷の種結晶
を溶液の中に挿入し、温度制御しながら、カメラ付の光
学顕微鏡によって氷の結晶成長を観察した。その観察結
果は次の通りとなった。 ビニルトリエトキシシラン 針状の氷結晶成長が観察された。 γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン 針状の氷結晶成長が観察された。 γ−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン 針状の氷結晶成長が観察された。 γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン 樹枝状(デンドライト状)の氷結晶成長が観察された。 γ−アミノプロピルトリエトキシシラン 樹枝状の氷結晶成長が観察された。 一方、比較例として純水では、樹枝状に成長した。アン
チフリーズ蛋白質では、針状に成長した。エチレングリ
コール水溶液では、樹枝状に成長した。針状の成長でな
ければ、氷結晶成長を効果的に抑制できなかった。樹枝
状の成長では、効果的な抑制とは言えなかった。この観
察結果により、次のような考察が得られた。針状の氷結
晶成長が観察されたビニルトリエトキシシラン、γ
−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ−メ
タクリロキシプロピルトリエトキシシランは、いずれも
一分子中に親水性のシラノール基を3つ保有している。
これに対して、樹枝状の氷結晶成長が観察されたうちの
一つであるγ−グリシドキシプロピルメチルジエトキ
シシランは、一分子中にシラノール基を2つしか保有し
ていない。また、樹枝状の氷結晶成長が観察されたうち
の他の一つであるγ−アミノプロピルトリエトキシシ
ランは、アミノシランであり、アミノ基の影響により、
加水分解後の水溶液中で非常に安定となり、架橋反応を
起こしにくく、長く連なった分子にならない。このこと
から、氷の再結晶を抑制するには、親水性であるシラノ
ール基を3つ保有していなければならず、また架橋反応
によりある程度の長さを持った分子である必要があるこ
が判った。言い替えれば、一分子中に親水性と疎水性と
を併せ持つだけでは氷の再結晶を抑制する効果を期待す
ることができないということである。これにより、エチ
レングリコールが親水性と疎水性を併せ持ちながら、樹
枝状の成長をした事実を説明できる。同じ理由により、
親水性と疎水性を併せ持つ界面活性剤を添加しても針状
の成長ができないであろうと推測される。なお、使用す
るシランカップリング剤の種類が上述した実施形態に示
されたものに限らないことは勿論である。
【0012】(実験例2)氷表面の観察の実験 本実験の目的は、シランカップリング剤が氷表面に吸着
するメカニズムを解明することにある。本実験では、純
水の氷表面と、シランカップリング剤の一例としてのビ
ニルトリエトキシシランが吸着した氷表面とを、STM
(走査トンネル顕微鏡)を用いて観察した。その観察結
果は、次の通りとなった。純水の氷表面では、全体とし
て平坦状であった。一方、ビニルトリエトキシシランが
吸着した氷表面では、溝が観察された。この観察結果に
より、次のような考察が得られた。架橋分子となったビ
ニルトリエトキシシランは、親水基が溝に沿って氷表面
に吸着し、疎水基が外側を向いて、氷の結晶成長を抑制
していると考えられる。このことは、針状の結晶成長
は、長く分子が連なっていることを裏付ける。
【0013】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によると、
次のような効果を奏する。本発明では、シランカップリ
ング剤を添加した液体を冷却して氷スラリーを生成す
る。したがって、従来のようなアンチフリーズ蛋白質を
添加する場合に比べて、再結晶を抑制された氷スラリー
による冷熱輸送・冷熱保存・氷スラリー生成・冷熱輸送
装置を大幅に低コストにて実現できる。
【0014】また、他の本発明では、アルカンチオール
を添加した液体を冷却して氷スラリーを生成する。した
がって、従来のようなアンチフリーズ蛋白質を添加する
場合に比べて、再結晶を抑制された氷スラリーによる冷
熱輸送・冷熱保存・氷スラリー生成・冷熱輸送装置を大
幅に低コストにて実現できる。
【0015】また、他の本発明では、脂肪酸を添加した
液体を冷却して氷スラリーを生成する。したがって、従
来のようなアンチフリーズ蛋白質を添加する場合に比べ
て、再結晶を抑制された氷スラリーによる冷熱輸送・冷
熱保存・氷スラリー生成・冷熱輸送装置を大幅に低コス
トにて実現できる。
【0016】これらシランカップリング剤、アルカンチ
オールまたは脂肪酸を添加した液体に、さらに氷核細菌
を添加すると、氷スラリー生成を促進できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明におけるシランカップリング剤と氷表面
との反応を示す説明図である。
【図2】シランカップリング剤の性質を説明する図であ
り、(A)はシランカップリング剤の一般式、(B)は
A図のものが加水分解反応した後の構造、(C)はB図
のものが架橋反応した後の構造を示した図である。
【図3】本発明の冷熱輸送装置の第一実施形態を示す概
略系統図である。
【図4】本発明の冷熱輸送装置の第二実施形態を示す概
略系統図である。
【図5】本発明におれるアルカンチオールと氷表面との
反応を示す説明図である。
【図6】本発明におれる脂肪酸と氷表面との反応を示す
説明図である。
【符号の説明】
1 配管 2、2A、2B ポンプ 3 冷熱付与手段 4 冷熱放出手段 5 冷熱保存手段
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成11年9月10日(1999.9.1
0)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正内容】
【書類名】 明細書
【発明の名称】 シランカップリング剤を利用した冷熱
輸送方法、冷熱保存方法、氷スラリー生成方法及び装置
【特許請求の範囲】
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、スラリー状の氷を
配管を通して送ることにより、冷熱を輸送する方法、或
いは装置、更には冷熱を保存する方法、氷スラリーを生
成する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】スラリー状の氷を用いる冷熱輸送方法と
して、従来、アンチフリーズ蛋白質を添加した液体を冷
却して氷スラリーを生成し、この氷スラリーを配管およ
びポンプにより輸送することが知られている(以下、従
来例と称する)。単に液体を冷却する方法では、液体の
顕熱のみを利用するので、輸送する冷熱量が比較的小さ
い。しかるに、この従来例にあっては、液体から氷を生
成し、液体から氷へ相変化のときの潜熱分を蓄えるの
で、輸送する冷熱量を大きく確保できる。ところが、氷
が容易に再結晶(二次成長)してしまうようであると、
配管が閉鎖しやすくなり長距離輸送に適さない。これに
対して、この従来例にあっては、アンチフリーズ蛋白質
を液体に添加することにより、氷の再結晶を抑制できる
ので、長距離輸送にも適するものとなる。アンチフリー
ズ蛋白質は、北極や南極の近くに棲む魚類から採れる蛋
白質である。北極や南極の近くに棲む魚類は、このアン
チフリーズ蛋白質の作用により、血液が凍ることがな
い。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このア
ンチフリーズ蛋白質は、非常に高価なものである。その
ため、再結晶が抑制された氷スラリーによる冷熱輸送に
かかる費用が高いものについている。
【0004】本発明の目的は、再結晶が抑制された氷ス
ラリーによる冷熱輸送などの低コスト化を図ることにあ
る。
【0005】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するた
め、本発明では、アンチフリーズ蛋白質に替えて、シラ
ンカップリング剤中の、ビニルトリエトキシシラン、γ
−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ−メタ
クリロキシプロピルトリエトキシシランを用いるように
した。
【0006】まず、シランカップリング剤一般を用い、
該シランカップリング剤を添加した液体を冷却して氷ス
ラリーを生成することについて説明する。シランカップ
リング剤は、氷スラリーの再結晶抑制作用を有してお
り、アンチフリーズ蛋白質の価格に比べて約1/8と、
大幅に安価である。そのため、再結晶が抑制された氷ス
ラリーによる冷熱輸送・蓄積熱などの低コスト化に寄与
するものとなる。シランカップリング剤は、その一般式
が図2(A)に示すように、XSi(OR)3と表され
る。一方側のORは、加水分解基である。ORとして
は、例えばCHO−、CO−、CHOC
O−がある。このORは、加水分解して、図2(B)
に示すようにシラノール基(−SiOH)を形成する。
このシラノール基の中のOHは、親水性の極性基(以
下、親水基と称する)である。他方側のXは、有機樹脂
と反応する官能基(有機官能基)であり、疎水性の非極
性基(疎水基と称する)である。Xとしては、例えばビ
ニル、エポキシ、アミノ、メルカプト、メタクリルがあ
る。シラノール基(−SiOH)は、縮合反応により架
橋して、図1(C)に示すように、シロキサンネットワ
ーク(−Si−O−Si−)という架橋分子を組成す
る。シランカップリング剤の分子どうしは、この架橋反
応により、ある程度の長さを持つことになる。架橋分子
は、ほぼ同一方向に親水基OHが並び、その親水基OH
と反対側に疎水基Xが並ぶことになる。この架橋分子の
親水基OHは、図1に示すように、氷の表面と水素結合
する。すなわち、シランカップリング剤は、親水基OH
が水素結合により氷の表面と結合して吸着し、氷とは反
対側に疎水基Xが位置することになる。これにより、氷
の表面の二次的な成長が抑制され、氷どうしの結合が抑
制される。このように、架橋反応したシランカップリン
グ剤の高分子により、氷の再結晶が抑制された。これに
より、管路を通した長距離輸送が可能となった。なお、
氷をつくる水分子HOは、H原子の端が正に帯電し、
O原子の反対側が負に帯電する。この水分子のHが、上
述のように、シランカップリング剤における親水基OH
と水素結合する。
【0007】シランカップリング剤が氷再結晶抑制作用
を有する理由は、上述したように、親水基および疎水基
を持ち、この親水基および疎水基が長く連なるためであ
る。この条件を満たすものとして、シランカップリング
剤の他に、アルカンチオール、脂肪酸がある。すなわ
ち、アルカンチオール、脂肪酸を用いれば、シランカッ
プリング剤と同様に氷再結晶抑制作用をする。アルカン
チオールR−SHは、SHが氷表面と水素結合して吸着
する。Rは疎水基である。この反応を図5に示した。脂
肪酸R−COOHは、COOHのHが電離してマイナス
イオンとなり、氷表面に吸着する。この反応を図6に示
した。尚、アルカンチオール、脂肪酸は、本発明と同じ
氷再結晶抑制作用を行なうものであるが、本発明を構成
するものではない。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、本発明装置の好適な実施形
態を図3および図4を参照して説明する。 (第一実施形態)図3に、本発明の第一実施形態に係る
冷熱輸送装置が示されている。この冷熱輸送装置は、配
管1と、この配管1に設置されたポンプ2と、冷熱付与
手段3と、冷熱放出手段4とを備えている。ここで、配
管1は、シランカップリング剤を添加した例えば水のよ
うな液体(以下、シランカップリング剤水溶液と称す
る)が封入されている。シランカップリング剤は、水を
冷却したとき、氷の再結晶を抑制する作用を有する。冷
熱付与手段3は、冷凍機などからなっており、シランカ
ップリング剤水溶液を冷却することにより、氷スラリー
を生成するために設けられている。ポンプ2は、配管1
を通して、シランカップリング剤水溶液および氷スラリ
ーを強制循環させるためのものである。この冷熱輸送装
置にあっては、次のように冷熱を輸送する。配管1の中
のシランカップリング剤水溶液は、ポンプ2の作用によ
り冷熱付与手段3に送られ、この冷熱付与手段3で冷却
されて氷スラリーにされる。この氷スラリーは、冷熱放
出手段4で冷熱を放出する。これにより、冷熱放出手段
4で、氷スラリーはシランカップリング剤水溶液に戻
る。このシランカップリング剤水溶液は、冷熱付与手段
3に帰り、再び氷スラリーとされる。この冷却・放熱プ
ロセスを繰り返しながら、冷熱輸送する。シランカップ
リング剤が水に添加されることにより、氷スラリーの氷
の再結晶が抑制されるので、配管1の閉鎖が防止され、
もって長期間にわたる冷熱輸送が可能となる。
【0009】(第二実施形態)図4に、本発明の第二の
実施形態に係る冷熱輸送装置が示されている。この冷熱
輸送装置は、タンク11を有する冷熱付与手段3と、シ
ランカップリング剤水溶液が封入された配管1と、第一
のポンプ2Aと、タンク12を有する冷熱保存手段5
と、第二のポンプ2Bと、冷熱放出手段4とを備えてい
る。冷熱保存手段5は、氷スラリーを溜めておき(冷熱
保存作用)、必要に応じて冷熱放出手段4に供給するも
のである。この図4の冷熱輸送装置にあっては、次のよ
うに冷熱を輸送、保存する。冷熱付保手段3のタンク1
1内のシランカップリング剤水溶液は、冷却されて氷ス
ラリーにされる。このタンク11内の氷スラリーは、第
一のポンプ2Aにより冷熱保存手段5に送られ、冷熱保
存手段5のタンク12内に溜められる。この冷熱保存手
段5で冷熱が保存される。冷熱保存手段5内の氷スラリ
ーは、必要に応じて、第二のポンプ2Bにより、冷熱放
出手段4に供給され、冷却に使用される。シランカップ
リング剤が水に添加されているので、氷スラリーの氷の
再結晶が抑制され、もって氷スラリーが冷熱保存手段5
に長期保存される。
【0010】なお、上述した実施形態では液体に対して
シランカップリング剤のみに加えたが、これに限らず、
シランカップリング剤に加えて氷核細菌を添加すれば、
氷の生成が促進される。氷核細菌については、人工雪の
製造装置などにおいて既に使用されており、公知のもの
であるから、その説明を省略する。
【0011】(実験例1)氷結晶の成長バターンの観察の実験 本実験の目的は、シランカップリング剤が水の結晶成長
過程に及ぼす影響を調べることにある。本実験では、架
橋反応を終了したシランカップリング剤水溶液の中に氷
の種結晶を挿入し、そこからの氷の結晶を観察した。シ
ランカップリング剤としては、ビニルトリエトキシシ
ラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラ
ン、γ−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラ
ン,γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラ
ン、γ−アミノプロピルトリエトキシシランの5種類
を用いた。また、比較のため、純粋、アンチフリーズ蛋
白質、エチレングリコール水溶液の中での氷の結晶成長
を併せて観察した。実験方法としては、純粋氷の種結晶
を溶液の中に挿入し、温度制御しながら、カメラ付きの
光学顕微鏡によって氷の結晶成長を観察した。その観察
結果は次の通りとなった。 ビニルトリエトキシシラン 針状の氷結晶が観察された。 γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン 針状の氷結晶が観察された。 γ−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン 針状の氷結晶が観察された。 γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン 樹枝状(デンドライト状)の氷結晶が観察された。 γ−アミノプロピルトリエトキシシラン 針状の氷結晶が観察された。 一方、比較例として純粋では、樹枝状に成長した。アン
チフリーズ蛋白質では、針状に成長した。エチレンッグ
リコール水溶液では、樹枝状に成長した。針状の成長で
なければ、氷結晶成長を効果的に抑制できなかった。樹
枝状の成長では、効果的な抑制とは言えなかった。この
観察結果により、次のような考察が得られた。針状の氷
結晶成長が観察されたビニルトリエトキシシラン、
γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ−
メタクリロキシプロピルトリエトキシシランは、いずれ
も一分子中に親水性のシラノール基を3つ保有してい
る。これに対して、樹枝状の氷結晶成長が観察されたう
ちの一つであるγ−グリシドキシプロピルメチルジエ
トキシシランは、一分子中にシラノール基を2つしか保
有していない。また、樹枝状の氷結晶成長が観察された
うちの他の一つ出あるγ−アミノプロピルトリエトキ
シシランは、アミノフランであり、アミノ基の影響によ
り、加水分解後の水溶液中で非常に安定となり、架橋反
応を起こしにくく、長く連なった分子にならない。この
ことから、氷の再結晶を抑制するには、親水性であるシ
ラノール基を3つ保有していなければならず、また架橋
反応によりある程度の長さを持った分子である必要があ
ることが判った。言い替えれば、一分子中に親水性と疎
水性とを併せ持つだけでは氷の再結晶を抑制する効果を
期待することができないということである。これによ
り、エチレングリコールが親水性と疎水性を併せ持ちな
がら、樹枝状の成長をした事実を説明できる。同じ理由
により、親水性と疎水性を併せ持つ界面活性剤を添加し
ても針状の成長ができないであろうと推測される。
【0012】(実験例2)氷表面の観察の実験 本実験の目的は、シランカップリング剤が氷表面に吸着
するメカニズムを解明することにある。本実験では、純
粋の氷表面と、シランカップリング剤の一例としてのビ
ニルトリエトキシシランが吸着した氷表面とを、STM
(走査トンネル顕微鏡)を用いて観察した。その観察結
果は、次の通りとなった。純粋の氷表面では、全体とし
て平坦状であった。一方、ビニルトリエトキシシランが
吸着した氷表面では、溝が観察された。この観察結果に
より、次のような考察が得られた。架橋分子となったビ
ニルトリエトキシシランは、親水基が溝に沿って氷表面
に吸着し、疎水基が外側を向いて、氷の結晶成長を抑制
していると考えられる。このことは、針状の結晶成長
は、長く分子が連なっていることを裏付ける。
【0013】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によると、
次のような効果を奏する。本発明では、シランカップリ
ング剤を添加した液体を冷却して氷スラリーを生成す
る。したがって、従来のようなアンチフリーズ蛋白質を
添加する場合に比べて、再結晶を抑制された氷スラリー
による冷熱輸送・冷熱保存・氷スラリー生成・冷熱輸送
装置を大幅に低コストにて実現できる。
【0014】また、シランカップリング剤の中のビニル
トリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエ
トキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリエトキ
シシランを利用しているので、針状の氷結晶の成長が観
察され、氷結晶成長の効果的な抑制を得ることができ
た。これらシランカップリング剤を添加した液体に、さ
らに氷核細菌を添加すると、氷スラリー生成を促進でき
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明におけるシランカップリング剤と氷表面
との反応を示す説明図である。
【図2】シランカップリング剤の性質を説明する図であ
り、(A)はシランカップリング剤の一般式、(B)は
A図のものが加水分解反応した後の構造、(C)はB図
のものが架橋反応した後の構造を示した図である。
【図3】本発明の冷熱輸送装置の第一実施形態を示す概
略系統図である。
【図4】本発明の冷熱輸送装置の第二実施形態を示す概
略系統図である。
【図5】参考として、アルカンチオールと氷表面との反
応を示す説明図である。
【図6】参考として、脂肪酸と氷表面との反応を示す説
明図である。
【符号の説明】 1 配管 2、2A、2B ポンプ 3 冷熱付与手段 4 冷熱放出手段 5 冷熱保存手段
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 3L044 AA04 DC01 FA02 FA04 KA04 KA05 4J035 BA01 BA11 CA112 CA132 CA142 CA192 EA01 EB02 LA05 LB20

Claims (36)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シランカップリング剤を添加した液体を
    冷却して氷スラリーを生成し、該氷スラリーを配管およ
    びポンプにより輸送することを特徴とする人工高分子を
    利用した冷熱輸送方法。
  2. 【請求項2】 シランカップリング剤としてビニルトリ
    エトキシシランを用いることを特徴とする請求項1に記
    載の子人工高分子を利用した冷熱輸送方法。
  3. 【請求項3】 シランカップリング剤としてγ−グリシ
    ドキシプロピルトリエトキシシランを用いることを特徴
    とする請求項1に記載の人工高分子を利用した冷熱輸送
    方法。
  4. 【請求項4】 シランカップリング剤としてγ−メタク
    リロキシプロピルトリエトキシシランを用いることを特
    徴とする請求項1に記載の人工高分子を利用した冷熱輸
    送方法。
  5. 【請求項5】 シランカップリング剤を添加した液体に
    氷核細菌を添加したことを特徴とする人工高分子を利用
    した請求項1ないし請求項4のいずれか一項に記載の冷
    熱輸送方法。
  6. 【請求項6】 シランカップリング剤を添加した液体を
    冷却して氷スラリーを生成し、該氷スラリーを溜めるこ
    とにより冷熱を保存することを特徴とする人工高分子を
    利用した冷熱保存方法。
  7. 【請求項7】 シランカップリング剤としてビニルトリ
    エトキシシランを用いることを特徴とする請求項6に記
    載の人工高分子を利用した冷熱保存方法。
  8. 【請求項8】 シランカップリング剤としてγ−グリシ
    ドキシプロピルトリエトキシシランを用いることを特徴
    とする請求項6に記載の人工高分子を利用した冷熱保存
    方法。
  9. 【請求項9】 シランカップリング剤としてγ−メタク
    リロキシプロピルトリエトキシシランを用いることを特
    徴とする請求項6に記載の人工高分子を利用した冷熱保
    存方法。
  10. 【請求項10】 シランカップリング剤を添加した液体
    に氷核細菌を添加したことを特徴とする人工高分子を利
    用した請求項6ないし請求項9のいずれか一項に記載の
    冷熱保存方法。
  11. 【請求項11】 シランカップリング剤を液体に添加
    し、該シランカップリング剤を添加した液体を冷却して
    氷スラリーを生成することを特徴とする人工高分子を利
    用した氷スラリー生成方法。
  12. 【請求項12】 シランカップリング剤としてビニルト
    リエトキシシランを用いることを特徴とする請求項11
    に記載の人工高分子を利用した氷スラリー生成方法。
  13. 【請求項13】 シランカップリング剤としてγ−グリ
    シドキシプロピルトリエトキシシランを用いることを特
    徴とする請求項11に記載の人工高分子を利用した氷ス
    ラリー生成方法。
  14. 【請求項14】 シランカップリング剤としてγ−メタ
    クリロキシプロピルトリエトキシシランを用いることを
    特徴とする請求項11に記載の人工高分子を利用した氷
    スラリー生成方法。
  15. 【請求項15】 シランカップリング剤を添加した液体
    に氷核細菌を添加したことを特徴とする人工高分子を利
    用した請求項11ないし請求項14のいずれか一項に記
    載の氷スラリー生成方法。
  16. 【請求項16】 シランカップリング剤を添加した液体
    と、該シランカップリング剤を添加した液体を輸送する
    配管と、該配管に設置されたポンプと、シランカップリ
    ング剤を添加した液体を冷却して氷スラリーを生成する
    冷熱付与手段とを備えたことを特徴とする人工高分子を
    利用した冷熱輸送装置。
  17. 【請求項17】 シランカップリング剤はビニルトリエ
    トキシシランであることを特徴とする請求項16に記載
    の人工高分子を利用した冷熱輸送装置。
  18. 【請求項18】 シランカップリング剤はγ−グリシド
    キシプロピルトリエトキシシランであることを特徴とす
    る請求項16に記載の人工高分子を利用した冷熱輸送装
    置。
  19. 【請求項19】 シランカップリング剤はγ−メタクリ
    ロキシプロピルトリエトキシシランであることを特徴と
    する請求項16に記載の人工高分子を利用した冷熱輸送
    装置。
  20. 【請求項20】 シランカップリング剤を添加した液体
    に氷核細菌を添加したことを特徴とするシランカップリ
    ング剤を使用した請求項16ないし請求項19のいずれ
    か一項に記載の人工高分子を利用した冷熱輸送装置。
  21. 【請求項21】 アルカンチオールを添加した液体を冷
    却して氷スラリーを生成し、該氷スラリーを配管および
    ポンプにより輸送することを特徴とする人工高分子を利
    用した冷熱輸送方法。
  22. 【請求項22】 アルカンチオールを添加した液体に氷
    核細菌を添加したことを特徴とする人工高分子を利用し
    た請求項21に記載の冷熱輸送方法。
  23. 【請求項23】 アルカンチオールを添加した液体を冷
    却して氷スラリーを生成し、該氷スラリーを溜めること
    により冷熱を保存することを特徴とする人工高分子を利
    用した冷熱保存方法。
  24. 【請求項24】 アルカンチオールを添加した液体に氷
    核細菌を添加したことを特徴とする人工高分子を利用し
    た請求項23に記載の冷熱保存方法。
  25. 【請求項25】 アルカンチオールを液体に添加し、該
    アルカンチオールを添加した液体を冷却して氷スラリー
    を生成することを特徴とする人工高分子を利用した氷ス
    ラリー生成方法。
  26. 【請求項26】 アルカンチオールを添加した液体に氷
    核細菌を添加したことを特徴とする人工高分子を利用し
    た請求項25に記載の氷スラリー生成方法。
  27. 【請求項27】 アルカンチオールを添加した液体と、
    該アルカンチオールを添加した液体を輸送する配管と、
    該配管に設置されたポンプと、アルカンチオールを添加
    した液体を冷却して氷スラリーを生成する冷熱付与手段
    とを備えたことを特徴とする人工高分子を利用した冷熱
    輸送装置。
  28. 【請求項28】 アルカンチオールを添加した液体に氷
    核細菌を添加したことを特徴とする人工高分子を使用し
    た請求項27に記載の人工高分子を利用した冷熱輸送装
    置。
  29. 【請求項29】 脂肪酸を添加した液体を冷却して氷ス
    ラリーを生成し、該氷スラリーを配管およびポンプによ
    り輸送することを特徴とする人工高分子を利用した冷熱
    輸送方法。
  30. 【請求項30】 脂肪酸を添加した液体に氷核細菌を添
    加したことを特徴とする人工高分子を利用した請求項2
    9に記載の冷熱輸送方法。
  31. 【請求項31】 脂肪酸を添加した液体を冷却して氷ス
    ラリーを生成し、該氷スラリーを溜めることにより冷熱
    を保存することを特徴とする人工高分子を利用した冷熱
    保存方法。
  32. 【請求項32】 脂肪酸を添加した液体に氷核細菌を添
    加したことを特徴とする人工高分子を利用した請求項3
    1に記載の冷熱保存方法。
  33. 【請求項33】 脂肪酸を液体に添加し、該脂肪酸を添
    加した液体を冷却して氷スラリーを生成することを特徴
    とする人工高分子を利用した氷スラリー生成方法。
  34. 【請求項34】 脂肪酸を添加した液体に氷核細菌を添
    加したことを特徴とする人工高分子を利用した請求項3
    3に記載の氷スラリー生成方法。
  35. 【請求項35】 脂肪酸を添加した液体と、該脂肪酸を
    添加した液体を輸送する配管と、該配管に設置されたポ
    ンプと、脂肪酸を添加した液体を冷却して氷スラリーを
    生成する冷熱付与手段とを備えたことを特徴とする人工
    高分子を利用した冷熱輸送装置。
  36. 【請求項36】 脂肪酸を添加した液体に氷核細菌を添
    加したことを特徴とする人工高分子を使用した請求項3
    5に記載の人工高分子を利用した冷熱輸送装置。
JP26424898A 1998-09-18 1998-09-18 シランカップリング剤を利用した冷熱輸送方法、冷熱保存方法、氷スラリー生成方法及び装置 Expired - Lifetime JP3520315B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP26424898A JP3520315B2 (ja) 1998-09-18 1998-09-18 シランカップリング剤を利用した冷熱輸送方法、冷熱保存方法、氷スラリー生成方法及び装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP26424898A JP3520315B2 (ja) 1998-09-18 1998-09-18 シランカップリング剤を利用した冷熱輸送方法、冷熱保存方法、氷スラリー生成方法及び装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2000087021A true JP2000087021A (ja) 2000-03-28
JP3520315B2 JP3520315B2 (ja) 2004-04-19

Family

ID=17400548

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP26424898A Expired - Lifetime JP3520315B2 (ja) 1998-09-18 1998-09-18 シランカップリング剤を利用した冷熱輸送方法、冷熱保存方法、氷スラリー生成方法及び装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3520315B2 (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP1055719A1 (en) * 1999-05-25 2000-11-29 AGENCY OF INDUSTRIAL SCIENCE & TECHNOLOGY MINISTRY OF INTERNATIONAL TRADE & INDUSTRY Method and apparatus for thermal transportation using polyvinyl alcohol
US6849197B2 (en) 2000-12-06 2005-02-01 Tokyo Institute Of Technology Ice thermal storage medium

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP1055719A1 (en) * 1999-05-25 2000-11-29 AGENCY OF INDUSTRIAL SCIENCE & TECHNOLOGY MINISTRY OF INTERNATIONAL TRADE & INDUSTRY Method and apparatus for thermal transportation using polyvinyl alcohol
US6430957B1 (en) 1999-05-25 2002-08-13 Agency Of Industrial Science & Technology Ministry Of International Trade & Industry Method and apparatus for thermal transportation using polyvinyl alcohol
AU764175B2 (en) * 1999-05-25 2003-08-14 Agency Of Industrial Science And Technology, The Method and apparatus for thermal transporation using polyvinyl alcohol
US6849197B2 (en) 2000-12-06 2005-02-01 Tokyo Institute Of Technology Ice thermal storage medium

Also Published As

Publication number Publication date
JP3520315B2 (ja) 2004-04-19

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3111219B1 (ja) ポリビニルアルコールを利用した冷熱輸送方法及び装置
EP1561069B1 (en) Method and system for transporting flows of fluid hydrocarbons containing wax, asphaltenes, and/or other precipitating solids
US20020102417A1 (en) Method for improving heat efficiency using silane coatings and coated articles produced thereby
JP2000087021A (ja) シランカップリング剤を利用した冷熱輸送方法、冷熱保存方法、氷スラリー生成方法及び装置
US8371131B2 (en) Ice nucleating non-stick coating
US5951820A (en) Method of purifying an organometallic compound
CN104487537B (zh) 蓄热材料组合物、使用了该蓄热材料组合物的辅助热源和热供给方法
JP2000205775A (ja) 包接水和物スラリ―の製造方法
Zhang et al. One-step construction of antifogging and frost-resisting coatings on flexible substrates
JP2000146379A (ja) 包接水和物スラリーの製造装置
CN102947014A (zh) 管道输送系统
JPS58188781A (ja) 氷海船におけるタンクなどの加熱方法
JPS6124636B2 (ja)
CN112126344A (zh) 自修复材料的制备方法与基体表面的自修复膜层
Zwieg et al. Novel biomimetically based ice-nucleating coatings
Grandum et al. Investigation of the characteristics of ice slurry containing antifreeze protein for ice storage applications
Inada et al. Microscale analysis of ice crystals made from aqueous solutions by scanning tunneling microscope
JP2005257244A (ja) 蓄熱体、蓄熱装置及びその熱管理方法
CN118128709A (zh) 一种海上风力发电机组海水冷却系统
JP5353198B2 (ja) 蓄熱槽を用いた水和物生成方法及び装置
JPH10170111A (ja) 製氷方法および製氷装置
朱慧颖 et al. Effects of Trace In on Precipitation Behavior of Al-Si-Cu Alloys
JP2004113926A (ja) ゲスト分子の溶解度特性を利用したハイドレートの製造方法
JPS58168893A (ja) 蓄熱装置
JP2000150752A (ja) 電子装置の冷却装置

Legal Events

Date Code Title Description
S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

EXPY Cancellation because of completion of term