JP2000084814A - レンズ芯取方法およびレンズ芯取装置 - Google Patents

レンズ芯取方法およびレンズ芯取装置

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JP2000084814A
JP2000084814A JP10274341A JP27434198A JP2000084814A JP 2000084814 A JP2000084814 A JP 2000084814A JP 10274341 A JP10274341 A JP 10274341A JP 27434198 A JP27434198 A JP 27434198A JP 2000084814 A JP2000084814 A JP 2000084814A
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lens
grinding
grindstone
centering
feed
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Kenji Fujiwara
研二 藤原
Yoshinori Murasugi
芳徳 村杉
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Canon Inc
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  • Grinding And Polishing Of Tertiary Curved Surfaces And Surfaces With Complex Shapes (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 芯取加工の加工効率と加工精度を向上させ
る。 【解決手段】 レンズRは、固定側レンズホルダ1と可
動側レンズホルダ2に挟持されて回転し、回転する砥石
6によって外周部を研削される。砥石6の2軸方向の送
りは、Xスライダ81とYスライダ82を加工制御用コ
ンピュータ10によって制御することで行なわれる。砥
石6のスピンドル72は、研削抵抗測定装置9の圧電型
切削動力計91を介してYスライダ82上に支持され
る。レンズ研削中に砥石6にかかる研削抵抗と研削後の
レンズの品質を調べて、得られたデータに基づいて砥石
6の切込み速度を最適化する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、各種光学レンズ等
光学素子部材の芯取りおよび面取りを行なうためのレン
ズ芯取方法およびレンズ芯取装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】各種光学レンズ等光学素子部材の芯取り
および面取りを行なうためのレンズ芯取工程において
は、レンズをその光軸を中心として回転させ、レンズの
外周部に回転砥石を当てて周縁の研削と端縁の面取りを
行なう。回転砥石は、円筒面を有する芯取部とその芯取
部の両側に突出する環状面からなる面取部とを備えた砥
石である。また直角面取りが必要な場合には、上記の面
取部の外側に前記円筒面の軸にほぼ直角に半径方向外方
に延びる環状面からなる直角面取部を備えた砥石が使用
される。
【0003】砥石は、回転しながらレンズの回転軸に対
してほぼ直角な方向およびほぼ平行な方向に移動する。
一般的な芯取工程においては、回転しているレンズに対
してその回転軸に直角に砥石が移動し(外径方向の切込
み送り)、砥石の芯取部がレンズの周縁に当てられ、こ
れによってレンズの外縁が光軸を中心として真円になる
ように切削される。また、砥石がレンズの光軸に平行な
方向に移動し(横送り)、砥石の面取部がレンズの一端
に当てられて端縁の面取りが行なわれる。直角面取りが
必要な場合には、砥石を横送りして、砥石の直角面取部
がレンズの側面に当てられる。さらにレンズの他端の面
取りが必要な場合には、砥石を逆方向に横送りしてもう
一方の面取部がレンズの他端に当てられる。
【0004】このような芯取作業は通常、レンズが6回
転ないし10回転するうちに完了するようになってお
り、回転する砥石の切込み送りおよび横送りは、レンズ
が6回転ないし10回転する間に1回転する駆動軸に固
定された切込みカムおよび横送りカムによって制御され
る。
【0005】砥石の切込み送りと横送りは、得られるレ
ンズ製品の品質に大きく影響し、例えば、直角面取りを
するときの横送りが適正でないと、レンズ外周部にカケ
等の欠陥が発生する。また、レンズの回転速度等はレン
ズ1個当りの加工サイクルタイムを左右するものである
から、これらを適正化して加工効率を上げることが望ま
れる。そこで各加工サイクルタイム内で砥石の送りに関
連してレンズの回転速度を変化させて、加工効率を向上
させる技術が開発されている(特開昭56−13416
5号公報参照)。
【0006】また、砥石の2方向の送りを制御するカム
形状を数値化して、メモリに記憶させたコンピュータを
用いて、砥石の送りとレンズの回転を制御するように構
成されたものもある(特開昭59−1143号公報参
照)。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら上記従来
の技術によれば、砥石の切込み速度等の加工条件を適正
化することができず、レンズの外縁や端縁にカケ等の欠
陥を生じやすく、充分な加工精度を得るのが困難であっ
た。
【0008】加えて、各加工サイクルタイムに必要なレ
ンズ回転数も多いために加工効率も悪いという未解決の
課題がある。
【0009】本発明は上記従来の技術の有する未解決の
課題に鑑みてなされたものであり、各加工サイクルにお
ける砥石の切込み速度とレンズ回転数を最適化して、加
工精度と加工効率を大幅に向上できるレンズ芯取方法お
よびレンズ芯取装置を提供することを目的とするもので
ある。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに本発明のレンズ芯取方法は、レンズ保持手段に保持
されて回転するレンズの外周部に回転砥石を当接して前
記レンズの研削を行なう芯取加工において、前記レンズ
の研削中に前記回転砥石にかかる研削抵抗を研削抵抗測
定装置によって測定する工程と、測定された研削抵抗と
研削後の前記レンズの品質の関係を調べる工程と、調べ
たデータに基づいて前記回転砥石の切込み速度を最適化
する工程を有することを特徴とする。
【0011】研削中に切込み速度を少なくとも2段階に
変化させるとよい。
【0012】また、研削中に研削抵抗のピーク値が1k
gfを越えるように切込み速度を制御するとよい。
【0013】調べたデータに基づいて回転砥石の切込み
速度と各加工サイクルにおけるレンズ回転数を最適化す
るとよい。
【0014】各加工サイクルにおけるレンズ回転数を8
以下に最適化するとよい。
【0015】本発明のレンズ芯取装置は、レンズを保持
するレンズ保持手段と、これを回転駆動するレンズ回転
駆動手段と、前記レンズに対して第1および第2の送り
方向に移動自在である回転砥石と、該回転砥石を前記第
1の送り方向に移動させる第1の砥石送り駆動手段と、
前記回転砥石を前記第2の送り方向に移動させる第2の
砥石送り駆動手段と、前記回転砥石によって前記レンズ
の外周部を研削中に前記回転砥石にかかる研削抵抗を測
定する研削抵抗測定装置を有することを特徴とする。
【0016】
【作用】レンズの研削中に回転砥石にかかる研削抵抗
が、研削後のレンズの品質に大きく影響する。レンズ研
削中の研削抵抗と研削後のレンズのカケ等の有無を調べ
たところ、研削抵抗のピーク値が1kgf以上であり、
しかも研削抵抗が適切に変化する場合は、レンズにカケ
等の欠陥が生じ難いことが判明した。そこで、レンズ研
削中の研削抵抗を測定し、研削後のレンズのカケ等を調
べて、得られたデータに基づいて回転砥石の切込み速度
を最適化する。
【0017】例えば、レンズの各加工面の研削中に切込
み速度を少なくとも2段階に変化させ、研削抵抗のピー
ク値が1kgfを越えるように回転砥石の各方向の送り
量を制御する。
【0018】このように研削抵抗に基づいて回転砥石の
切込み速度を最適化することで、カケ等の発生を防ぎ、
加工精度を大幅に向上できる。
【0019】また、各加工サイクルタイムのレンズ回転
数が少なくてもレンズの品質を確保できるため、レンズ
回転数を8以下に最適化することで、加工効率を大幅に
向上できる。
【0020】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を図面に基づ
いて説明する。
【0021】図1は一実施の形態によるレンズ芯取装置
を示すもので、これは、同軸上に配設されたレンズ保持
手段である固定側レンズホルダ1と可動側レンズホルダ
2を有し、固定側レンズホルダ1は、中空部を有するス
ピンドル11と一体的に結合され、スピンドル11は軸
受12によって回転自在に支持されている。スピンドル
11の中空部は、ニップルによって真空源に接続され、
固定側レンズホルダ1のレンズ当接部にレンズRを吸着
するための真空吸着力を発生させる。また、可動側レン
ズホルダ2は、スピンドル21と一体的に結合され、ス
ピンドル21は軸受22によって回転自在に支持されて
いる。
【0022】両レンズホルダ1,2を回転させるレンズ
回転駆動手段であるレンズ回転駆動部3は、レンズ回転
用モータ30と、その駆動軸31の回転駆動量を計測す
るエンコーダ32と、レンズ回転用モータ30の駆動軸
31の回転を固定側レンズホルダ1のスピンドル11に
伝達するギア列33,34と、レンズ回転用モータ30
の駆動軸31の回転を可動側レンズホルダ2のスピンド
ル21に伝達するギア列35,36を有する。
【0023】可動側レンズホルダ2を軸方向へ移動させ
るレンズ軸方向駆動部4は、シリンダ41と、該シリン
ダ41のピストン42の直線移動を可動側レンズホルダ
2のスピンドル21に伝達する連結部43等を有する。
【0024】固定側レンズホルダ1の軸受12、可動側
レンズホルダ2の軸受22、レンズ回転駆動部3、レン
ズ軸方向駆動部4等は図2および図3に示すベース5に
支持されている。
【0025】回転砥石である砥石6を回転させる砥石回
転駆動部7は、ベース5の上面に配設された砥石回転用
モータ71と、その回転駆動力を砥石6のスピンドル7
2に伝達する回転伝達部材73を有する。
【0026】砥石回転用モータ71は、後述するように
砥石スライドユニット8のYスライダ82上に固定さ
れ、また砥石6のスピンドル72は、研削抵抗測定装置
9の圧電型切削動力計91を介してYスライダ82上に
支持されている。
【0027】砥石スライドユニット8は、砥石6をレン
ズRの径方向へ進退させて、外径方向の切込み送りを行
なうためのXスライダ81と、砥石6をレンズRの光軸
方向へ移動させていわゆる横送りを行なうためのYスラ
イダ82を有する。Xスライダ81はベース5上に固定
されたXスライダガイド83に沿って図2に示す第1の
送り方向であるX方向に進退自在であり、砥石送り駆動
手段であるXモータ84によって図示しないボールねじ
等に駆動力を伝達し、これによってXスライダ81をX
方向に駆動する。Xモータ84はモータ回転検出器85
を備えており、これによって、砥石6のX方向の移動量
(送り量)すなわち外径方向の切込み送り量が検出され
る。
【0028】Xスライダ81上にはYスライダ82を第
2の送り方向であるY方向に案内するためのYスライダ
ガイド86が配設され、砥石送り駆動手段であるYモー
タ87によって図示しないボールねじ等を回転させ、こ
れによって、Yスライダ82をYスライダガイド86に
沿ってY方向に駆動する。Yモータ87は、モータ回転
検出器88を備えており、これによって砥石6のY方向
の移動量(送り量)すなわち横送り量が検出される。
【0029】砥石スライドユニット8、モータ回転検出
器85,88の出力は、レンズ回転用モータ30のエン
コーダ32の出力とともに制御手段である加工制御用コ
ンピュータ10に導入され、従来例と同様のカム送り機
構やデジタル回路等によって、レンズRの形状に合わせ
て記憶された送り制御パターンに基づいて砥石6のX方
向、Y方向の送り量を制御する。
【0030】研削抵抗測定装置9は、圧電型切削動力計
91、動力計チャージアンプ92、データ収録用デジタ
ルレコーダ93、データ編集用パソコン94、プリンタ
95によって構成される。
【0031】圧電型切削動力計91は、3成分動力計
(日本キスラーK.K製)であり、図2および図3に示
すようにX方向、Y方向、Z方向の3方向の動力変位の
測定を行なうことができる。
【0032】圧電型切削動力計91は、Yスライダ82
の上に固定される。これを、動力計チャージアンプ92
に接続し、さらに、データ収録用デジタルレコーダ93
に接続して、X・Y・Z方向の動力変位を同時に収録す
る。
【0033】また、必要に応じて、圧電型切削動力計9
1と動力計チャージアンプ92の間に必要な周波数のみ
を取り込む装置を設置することも可能である。
【0034】X・Y・Z方向の動力変位には、それぞれ
図2および図3に示すような+方向および−方向の方向
性を有する。
【0035】X方向の動力変位においては、+方向が、
レンズRから押し戻される方向の動力変位であり、−方
向は、レンズRに向かって押される方向の動力変位であ
る。
【0036】Y方向の動力変位においては、+方向が、
固定側レンズホルダ1から押し戻される方向の動力変位
であり、−方向は、固定側レンズホルダ1に向かって押
される方向の動力変位である。
【0037】Z方向の動力変位においては、+方向が、
装置本体のベース5に向かって押される方向の動力変位
であり、−方向は、ベース5から押し戻される方向の動
力変位である。
【0038】データ収録用デジタルレコーダ93のデー
タは、データ編集用パソコン94にて編集され、プリン
タ95に出力する。プリンタ95の画面には、図7、図
9、図11に示すようなグラフが示される。
【0039】これらのグラフから、X・Y・Z方向のそ
れぞれの未研削時の動力変位に対して、研削時の各方向
の動力変位との差の変化から、研削によって加わるX・
Y・Z方向の研削抵抗が+方向または−方向に、どのく
らいの力(荷重gf)であったのかを求めることができ
る。
【0040】レンズ芯取装置によって芯取加工を行なう
レンズの形状は、大別して図4に示すA〜Dの4種類に
分類され、各レンズ形状の芯取加工においては、レンズ
をその光軸を中心として回転させ、レンズの外周部に回
転する砥石6を当てて外周の研削と端縁の面取りを行な
う。砥石6は、円筒面を有する芯取部とその芯取部の外
側に突出する環状面からなる面取部とを備えている。ま
た直角面取りが必要な場合には、上記の面取部の外側に
前記円筒面の軸にほぼ直角に半径方向外方に延びる環状
面からなる直角面取部を備えた砥石が使用される。
【0041】加工制御用コンピュータ10には、芯取加
工を行なうレンズRの形状に合わせて、砥石6のX方向
の送りとY方向の送りを制御する送り制御パターンが記
憶され、レンズ回転用モータ30によってレンズRが数
回転する間に、必要部位の芯取りと面取りを含む芯取加
工を完了する。
【0042】従来では、各レンズの加工サイクルに必要
なレンズ回転数は6ないし10回転であるが、このよう
にレンズ回転数が多いにもかかわらず、レンズの端縁等
にはカケ等の欠陥が発生し、高品質を確保するのが難し
い。
【0043】そこで、研削抵抗測定装置9を用いて、各
レンズ形状ごとにレンズ加工中の研削抵抗を測定し、研
削後のレンズの品質と研削抵抗の関係を調べて、得られ
たデータに基づいて砥石6のX・Y2方向の送り制御を
最適化して、加工制御用コンピュータ10に記憶させ
る。
【0044】このような最適化処理においては、数多く
の実験の結果、以下の加工条件を満足するように設定す
るのが有効であることが判明している。
【0045】(1) カケ等の発生しやすい加工面の研
削において少なくとも2つの切込み速度を用いる。すな
わち、カケ等の発生しやすい部位の研削中に砥石6の切
込み速度を少なくとも2段階的に変化させる。
【0046】(2) 研削抵抗測定装置9によって測定
される研削抵抗のピーク値が1kgfを越えるように砥
石6の切込み速度を調整する。
【0047】以上の加工条件を満足するように送り制御
パターンを設定することで、研削後のレンズの品質を大
幅に向上させることができる。
【0048】従来例に比べて、カケ等の欠陥の少ない加
工精度の高い高品質なレンズを少ないレンズ回転数で得
ることができるため、加工サイクルタイムを短縮して、
加工効率を改善することができる。
【0049】具体的には、従来例においてレンズ回転数
6で得られたものより品質の高いレンズをレンズ回転数
5で得ることができる。また、従来例においてレンズ回
転数10で得られたものより高品質のレンズをレンズ回
転数8で得ることができる。
【0050】このように、レンズの芯取加工に必要であ
るレンズ回転数を8以下に低減し、しかもより高品質の
レンズを製作できる。すなわち、レンズ芯取加工の加工
精度と加工効率を大幅に向上できる。以下に実施例を説
明する。
【0051】(第1実施例)図4に示すレンズ形状分類
のうちのA形状のレンズに、まず、従来の送り制御パタ
ーンによる芯取加工を行なって、レンズの各加工面に発
生するカケ等の欠陥を調べたところ、図5に示す加工部
(エリヤ)γ1 、γ2 、γ3 、γ4 にカケが発生し、カ
ケ量を比較すると以下の通りであった。
【0052】γ1 ≧γ4 ≧γ2 ≧γ3 従来の送り制御パターンは、図6のカム線図に示すよう
に、砥石がレンズの外周部に接触開始する時点T2
ら、砥石がレンズの側面を研削する直角面取りに続いて
外縁を研削する芯取りを終了する時点T4 まで、砥石の
X方向の送り量は直線的に変化する。すなわち、駆動軸
の回転角度20度から120度の間の送り量は5mm、
この間の切込み速度は一定であり、図4に示す加工部γ
1 とγ2 には著しいカケが発生する。また、レンズ1個
当りの芯取加工(加工サイクル)に必要なレンズ回転数
は10であり、長時間の加工サイクルタイムを必要とす
る。
【0053】図6に示す送り制御パターンにおいて、X
方向、Y方向、Z方向の研削抵抗を調べた結果は、図7
の(a)〜(c)に示す通りであり、各加工部の研削中
の研削抵抗に1kgfを越える大きなピークは存在せ
ず、研削抵抗の変化も不規則である。
【0054】そこで、送り制御パターンを図8に示すよ
うに最適化してレンズ回転数5で芯取加工を行なった。
砥石がレンズの外周部に接触開始する時点T2 から、砥
石がレンズの側面を研削する直角面取りに続いて外縁を
研削する芯取りを終了する時点T4 までの間に、砥石の
X方向の送り量の勾配を4段階に変化させる。すなわ
ち、駆動軸の回転角度20度から40度の間の送り量は
3mm、角度40度から160度の間の送り量は1m
m、角度160度から176度の間の送り量は0mm、
角度176度から195度の間の送り量は1mmであ
り、時点T2 から時点T4 の間の切込み速度は4段階に
変化する。また、砥石のY方向の送り量は、駆動軸の回
転角度259度から269度の間で1mm、角度265
度から272.5度の間は0.5mmであり、時点T5
と時点T6 の間で切込み速度が2段階に変化する。さら
に、レンズ1個当りの芯取加工に必要なレンズ回転数は
5であり、加工サイクルタイムを大幅に短縮できる。
【0055】図8に示す送り制御パターンにおいて、X
方向、Y方向、Z方向の研削抵抗を調べた結果は、図9
の(a)〜(c)に示す通りであり、レンズの各加工面
の研削中の研削抵抗に1kgfを越える大きなピークが
存在する。
【0056】このように送り制御パターンを改善するこ
とで、レンズの加工部γ1 、γ2 においてはカケ量を従
来例に比べて最大50%に減少させ、加工サイクルタイ
ムを従来例に比べて最大54%短縮できた。
【0057】(第2実施例)図6に示す送り制御パター
ンを図10に示すように最適化してレンズ回転数8で芯
取加工を行なった。
【0058】砥石がレンズの外周部に接触開始する時点
2 から、砥石がレンズの側面を研削する直角面取りに
続いて外縁を研削する芯取りを終了する時点T4 まで、
砥石のX方向の送り量の勾配は4段階に変化する。すな
わち、駆動軸の回転角度20度から40度の間の送り量
は3mm、角度40度から160度の間の送り量は1m
m、角度160度から176度の間の送り量は0mm、
角度176度から180度の間は1mmで、時点T2
ら時点T4 までの間の切込み速度は4段階に変化する。
また、時点T6 から時点T7 の間の砥石のX方向の送り
量は、駆動軸の回転角度240度から245度の間は3
mm、角度245度から295度の間は1mmで、切込
み速度は2段階に変化する。レンズ1個当りの芯取加工
に必要なレンズ回転数は8である。
【0059】図10に示す送り制御パターンにおいて、
X方向、Y方向、Z方向の研削抵抗を調べた結果は、図
11の(a)〜(c)に示す通りであり、各加工面の研
削中の研削抵抗に1kgfを越える大きなピークが存在
する。
【0060】このように送り制御パターンを改善するこ
とで、レンズの加工部γ1 、γ2 においてはカケ量を従
来例に比べて最大33%に減少させ、レンズの加工部γ
3 、γ4 においてはカケ量を最大56%に減少させ、加
工サイクルタイムを従来例に比べて最大40%短縮でき
た。
【0061】なお、従来例と第1実施例および第2実施
例における加工条件は以下の通りであった。
【0062】芯取径:φ27 レンズ摩耗度:65 固定軸側面取り角度:90度 固定軸側加工径:φ20 可動軸側面取り角度:45度 可動軸側加工幅:0.5mm 従来例と、第1実施例および第2実施例による加工時間
(加工サイクルタイム)とカケ量を比較した結果を表1
に示す。
【0063】
【表1】 図12には、加工部γ1 におけるレンズ軸送り速度別の
砥石切込み速度の関係を示す。
【0064】レンズ軸送り速度6.7mm/revは、
従来例のレンズ軸送り速度であり、レンズ軸送り速度
6.2mm/revは、第1実施例のレンズ軸送り速度
であり、レンズ軸送り速度5.1mm/revは、第2
実施例のレンズ軸送り速度である。
【0065】図12において、レンズ軸送り速度6.7
mm/rev、切込み速度0.3mm/secが、従来
例の加工部γ1 のデータである。
【0066】レンズ軸送り速度6.2mm/rev、切
込み速度0.1mm/secが、第1実施例の加工部γ
1 のデータである。
【0067】レンズ軸送り速度5.1mm/rev、切
込み速度0.1mm/secが、第2実施例の加工部γ
1 のデータである。
【0068】図13は、加工部γ4 におけるレンズ軸送
り速度別の砥石切込み速度とカケ量の関係を示す。レン
ズ軸送り速度6.7mm/revは、従来例のレンズ軸
送り速度であり、レンズ軸送り速度6.2mm/rev
は、第1実施例のレンズ軸送り速度であり、レンズ軸送
り速度5.1mm/revは、第2実施例のレンズ軸送
り速度である。
【0069】図13において、レンズ軸送り速度6.7
mm/rev、横方向切込み速度0.19mm/sec
が、従来例の加工部γ4 のデータである。
【0070】レンズ軸送り速度6.2mm/rev、横
方向切込み速度0.77mm/secが、第1実施例の
加工部γ4 のデータである。
【0071】レンズ軸送り速度6.2mm/rev、径
方向切込み速度0.178mm/secが、第2実施例
の加工部γ4 のデータである。
【0072】さらに、芯取加工において、レンズの外径
寸法決めにて、砥石を所定の位置まで切込み後、レンズ
軸を回転させることをナメ回転数とする。レンズ軸送り
速度とレンズ真円度の関係を調べたデータを図14に示
し、その一部分を拡大した部分拡大図を図15に示す。
【0073】図14および図15において、レンズ軸送
り速度6.7mm/revは、従来例のレンズ軸送り速
度であり、レンズ軸送り速度5.1mm/revは、第
2実施例のレンズ軸送り速度である。
【0074】
【発明の効果】本発明は上述のように構成されているの
で、以下に記載するような効果を奏する。
【0075】各加工サイクルにおける砥石の切込み速度
とレンズ回転数を最適化して、レンズ芯取加工の加工精
度と加工効率を大幅に向上できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】一実施の形態によるレンズ芯取装置を示す模式
平面図である。
【図2】図1の装置の主要部を拡大して示す拡大部分平
面図である。
【図3】図2の装置をA−A線からみた側面図である。
【図4】レンズ形状の分類を示す図である。
【図5】レンズの加工部を説明する図である。
【図6】従来例による砥石の送り制御を説明する図であ
る。
【図7】従来例によるレンズ芯取方法における研削抵抗
を測定した結果を示すグラフである。
【図8】第1実施例のレンズ芯取方法による送り制御を
説明する図である。
【図9】第1実施例における研削抵抗を測定した結果を
示すグラフである。
【図10】第2実施例のレンズ芯取方法による送り制御
を説明する図である。
【図11】第2実施例における研削抵抗を測定した結果
を示すグラフである。
【図12】レンズ加工部γ1 におけるレンズ軸送り速度
別の砥石切込み速度とカケ量を調べた結果を示すグラフ
である。
【図13】レンズ加工部γ4 におけるレンズ軸送り速度
別の砥石切込み速度とカケ量を調べた結果を示すグラフ
である。
【図14】ナメ回転数とレンズ真円度を調べた結果を示
すグラフである。
【図15】図14のグラフの一部分を拡大して示す部分
拡大図である。
【符号の説明】
1 固定側レンズホルダ 2 可動側レンズホルダ 3 レンズ回転駆動部 4 レンズ軸方向駆動部 5 ベース 6 砥石 7 砥石回転駆動部 8 砥石スライドユニット 9 研削抵抗測定装置 10 加工制御用コンピュータ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 3C049 AA03 AA13 AA16 AB05 AC02 BA02 BA04 BA06 BA09 BB02 BB03 BB08 BB09 BC02 CA01 CB01 CB02 CB03

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 レンズ保持手段に保持されて回転するレ
    ンズの外周部に回転砥石を当接して前記レンズの研削を
    行なう芯取加工において、前記レンズの研削中に前記回
    転砥石にかかる研削抵抗を研削抵抗測定装置によって測
    定する工程と、測定された研削抵抗と研削後の前記レン
    ズの品質の関係を調べる工程と、調べたデータに基づい
    て前記回転砥石の切込み速度を最適化する工程を有する
    レンズ芯取方法。
  2. 【請求項2】 研削中に切込み速度を少なくとも2段階
    に変化させることを特徴とする請求項1記載のレンズ芯
    取方法。
  3. 【請求項3】 研削中に研削抵抗のピーク値が1kgf
    を越えるように切込み速度を制御することを特徴とする
    請求項1または2記載のレンズ芯取方法。
  4. 【請求項4】 調べたデータに基づいて回転砥石の切込
    み速度と各加工サイクルにおけるレンズ回転数を最適化
    することを特徴とする請求項1記載のレンズ芯取方法。
  5. 【請求項5】 各加工サイクルにおけるレンズ回転数を
    8以下に最適化することを特徴とする請求項4記載のレ
    ンズ芯取方法。
  6. 【請求項6】 レンズを保持するレンズ保持手段と、こ
    れを回転駆動するレンズ回転駆動手段と、前記レンズに
    対して第1および第2の送り方向に移動自在である回転
    砥石と、該回転砥石を前記第1の送り方向に移動させる
    第1の砥石送り駆動手段と、前記回転砥石を前記第2の
    送り方向に移動させる第2の砥石送り駆動手段と、前記
    回転砥石によって前記レンズの外周部を研削中に前記回
    転砥石にかかる研削抵抗を測定する研削抵抗測定装置を
    有するレンズ芯取装置。
  7. 【請求項7】 研削抵抗測定装置の出力に基づいて第1
    および第2の砥石送り駆動手段を制御するための制御手
    段を備えていることを特徴とする請求項6記載のレンズ
    芯取装置。
  8. 【請求項8】 研削抵抗測定装置の出力に基づいて第1
    および第2の砥石送り駆動手段とレンズ回転駆動手段を
    制御するための制御手段を備えていることを特徴とする
    請求項6または7記載のレンズ芯取装置。
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