JP2000084375A - 中空糸膜モジュ−ルおよび水の処理方法 - Google Patents

中空糸膜モジュ−ルおよび水の処理方法

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JP2000084375A
JP2000084375A JP10253964A JP25396498A JP2000084375A JP 2000084375 A JP2000084375 A JP 2000084375A JP 10253964 A JP10253964 A JP 10253964A JP 25396498 A JP25396498 A JP 25396498A JP 2000084375 A JP2000084375 A JP 2000084375A
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fiber membrane
hollow fiber
sectional area
membrane module
cross
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Masahide Taniguchi
雅英 谷口
Yoshinari Fujii
能成 藤井
Kenji Sakai
憲司 酒井
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Original Assignee
Toray Industries Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】本発明においては、高透過水量および高水質を
長期にわたって安定して得られる中空糸膜モジュールを
得ることを目的とする。 【解決手段】中空糸膜の外側に処理原水を流し透過水を
中空糸膜の内側から得る方式で使用されるものであっ
て、複数の中空糸膜からなる両端の端部が、2カ所の接
着固定部によってそれぞれ固定されており、少なくとも
一方の端部の中空糸膜が開口されており、中空糸膜およ
び接着固定部が容器内に存在する中空糸膜モジュールで
あって、接着固定されていない中空糸膜部分における容
器内側部分の横断面積Sのうち、最も横断面積が小さな
部分の面積をS1、両側の接着固定部の近傍における容
器内側部分の横断面積のうち小さくない方の横断面積を
S2とした場合、S2がS1よりも大きいことを特徴と
する中空糸膜モジュール。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、中空糸膜モジュー
ルおよびその使用方法、例えば水の分離方法およびモジ
ュールの清浄化方法に関するものであり、さらには、中
空糸膜の外側に処理原水を流し、中空糸膜の内側から透
過水を得る方式の「外圧式」中空糸膜モジュールおよび
その使用方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、高分子膜を用いた分離操作が盛ん
に行われるようになってきている。なかでも、水処理へ
の展開は、めざましいものがあり、超純水の製造や海
水,灌水淡水化に用いられる逆浸透法の技術は、多くの
実績が得られており、今後も展開が期待される。さら
に、最近では、サブミクロンオーダーの分離を行う精密
濾過法や限外濾過法の展開が進められており、これらで
は、家庭用浄水器をはじめ、生活廃水処理,上水製造,
工業用水製造,食品産業等、多岐にわたって展開されつ
つある。特に、分離膜を用いることによって大腸菌など
を完全に阻止でき、安定した処理水質を維持することが
可能であることから、浄水場における飲料水製造にも積
極的な展開がはかられつつある。なお、分離膜の形態と
しては、平膜積層型,スパイラル型,チューブラー型,
中空糸膜型などが挙げられるが、とくに、飲料水製造に
おける精密濾過法/限外濾過法では、処理量が多いた
め、単位容積当たりの有効膜面積が大きくとれる中空糸
膜が用いられるのが一般的になっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】一般に、分離膜は、処
理効率を上げるため膜厚をなるべく薄くして透過抵抗を
小さくする方策を採っている。これにより、従来より行
われている、砂濾過法や凝集沈殿法などと比べて非常に
高効率でコンパクトなシステムを提供することが可能と
なった。しかし、膜が損傷すると、その透過抵抗が小さ
いことが災いし、損傷した箇所を通して従来法では起こ
りにくかった処理原水の漏出が起こってしまい、透過水
質が大きく低下していた。これは、特に飲料水製造にお
いては、前述の大腸菌などが透過水に混入することにも
なり、非常に大きな問題となっていた。
【0004】このような状況により本発明においては、
使用中にも圧力上昇が少なく、かつ損傷の少ない中空糸
膜モジュールを提供とすることを課題とするものであ
る。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は上記課題を解決
するために構築されたものであり、「複数の中空糸膜か
らなる中空糸束の両端が、それぞれ接着固定部によって
固定されており、少なくとも一方の端部の中空糸膜が開
口されており、中空糸膜および接着固定部が容器内に存
在する中空糸膜モジュールであって、容器が、下記で定
義される面積S2が面積S1よりも大きい構造を有する
ことを特徴とする中空糸膜モジュール。 S1:中空糸膜が接着固定されていない部分を囲む容器
の部分のうち最大の横断面積を与えるところの横断面
積。 S2:2つの接着固定部の近傍における容器の横断面積
のうち小さくない方を与えるところの横断面積。」、
「前記中空糸膜モジュールを使用し、中空糸膜の外側に
処理原水を供給し、透過水を中空糸膜の内側から得て、
モジュールから取り出すことを特徴とする水の処理方
法。」、「前記、中空糸膜モジュールを使用し、中空糸
膜の外側に気体または液体を導入して中空糸膜表面に蓄
積した物質を除去することを特徴とする中空糸膜モジュ
ールの清浄化方法。」からなるものである。
【0006】
【発明の実施の形態】まず、本発明に係る中空糸膜モジ
ュールの一例として、中空糸膜の一方の端部のみが開口
した形状のモジュールの例をを図1,図2に示す。ま
た、併せて、従来の中空糸膜モジュールの一例を図3,
4に示す。このモジュール形状は、処理原水を中空糸膜
の外側に流し、透過水を中空糸膜の内側から得る方式、
すなわち「外圧式」で使用されるものである。このモジ
ュールでは、原水を配管5もしくは配管7から供給し、
正常な状態では、処理原水中の汚れは、中空糸膜の外表
面で阻止され、中空糸膜内部には、膜を透過してきた透
過水(清浄水)が流れ、透過水出口4から取り出される
ことになる。ここで、万一、中空糸膜が損傷した場合、
処理原水が損傷した中空糸膜から流れ込み、透過水の水
質が低下してしまうことになる。
【0007】本発明者らは、この点に関し鋭意検討を重
ね、次の結果を得た。外圧式中空糸膜モジュールは、中
空糸膜外表面に汚れを蓄積させながら中空糸膜内側から
清浄な透過水を得るものであるため、中空糸膜外表面の
定常的もしくは定期的な洗浄が必要とされる。中空糸膜
外表面を洗浄する一般的な方法としては、原水流による
原水洗浄法と原水中にエアーを吹き込み、その流れや中
空糸膜の揺動によっておこなうエアースクラビング洗浄
法が挙げられる。これらは、ともに、原水やエアーの流
れによって生じるせん断力によって、中空糸外表面に蓄
積した汚れを剥離させ除去するものであるが、このせん
断力によって中空糸膜が損傷する場合があることが判明
した。さらに、この中空糸膜の損傷は、中空糸膜を接着
固定した部分と固定されていない部分の界面、すなわ
ち、中空糸膜の根元部で生じる確率が極めて高いことが
判った。この場合、処理原水が透過水出口へ流れ込むた
めの流動抵抗は、接着固定部の長さのみしかなく、損傷
していない中空糸膜の場合と比べて数〜数十倍の処理原
水の漏れが生じ、中空糸膜が根元部で損傷すると、その
本数が少なくても透過水質の低下が非常に大きいことが
明らかになった。一方、中空糸膜の表面に蓄積した汚れ
を除去するためには、原水やエアーを膜面に流し、その
流れによるせん断力が必要とされる。ここで、中空糸膜
面におけるせん断力は、中空糸膜面流速に比例するた
め、中空糸膜が損傷しやすい接着固定部近傍以外は、な
るべく膜面流速が高くなるようにした方がよい。図3,
4に例示した、従来形状の中空糸膜モジュールでは、図
3の場合、中空糸膜面洗浄性には優れるものの、配管近
傍で中空糸膜に対する大きなせん断力のために中空糸膜
が損傷しやすく、とくに、原水やエアーの排出側配管近
傍ではその影響が非常に大きい。反対に、図4では中空
糸膜の損傷は防げるものの、洗浄時の原水やエアーの流
れが中空糸膜束と容器の間の広い空間をショートパスす
るため、洗浄性が劣り、長期運転の場合の洗浄回復性に
問題を有していた。このように中空糸膜の洗浄回復性が
高く、かつ損傷しない(=中空糸膜に大きなせん断力を
与えつつ中空糸膜根元部にはなるべく力を与えない)と
いう相反する要求を両者ともに満足させるものとして、
本発明を考案するに至ったのであR。
【0008】すなわち、接着固定されていない中空糸膜
部分における容器内側部分の横断面積Sのうち、最中空
糸膜が損傷しやすい中空糸膜の根元部分(接着固定部
分)の横断面積を横断面積が小さな部分の面積S1より
も大きくすることにより、洗浄時における中空糸膜の非
接着部分の膜面流速を高く保つことができ、高い洗浄力
を維持できると同時に、中空糸膜根元部における膜面流
速を抑え、膜の損傷を防止することが可能となる。
【0009】また、前述したように、原水給排水用配
管,給排水に伴うモジュール内部の排気・吸気やモジュ
ール内原水のオーバーフローを目的とした配管5は、通
常モジュールの中空糸膜端部近傍に備えられるため、非
常に中空糸膜に損傷を与えやすく、本発明を適用するこ
とによって、とくに、中空糸膜モジュールを縦方向に配
置して使用する場合、モジュール上部の中空糸膜の接着
固定部分における配管近傍の中空糸膜の損傷を著しく改
善することが可能となる。
【0010】ここで、S1とS2,S3に関しては、そ
れぞれの位置における膜面流速が制御される必要があ
り、このために本発明者らが鋭意検討を行った結果、中
空糸膜の外径基準の総断面積をS4とするとき、1.2
≦(S2−S4)/(S1−S4)≦10.0,1.2≦
(S3−S4)/(S1−S4)≦10.0とすることに
より本発明の目的を効果的に発現する。(S2−S4)
/(S1−S4),(S3−S4)/(S1/S4)が
小さいと、S1とS2もしくはS3の差があまり生じな
いため、本発明の効果を十分に享受しにくくなる。一
方、10よりも大きくなると、S1の部分で原水流路が
小さくなりすぎて、原水中に含まれるゴミなどによって
流路の閉塞が生じやすくなる傾向がある。この範囲に関
しては、さらに検討したところ、さらに望ましい範囲と
しては、1.5≦(S2−S4)/(S1−S4)≦5.
0,1.5≦(S2−S4)/(S1−S4)≦5.0に
することにより、本発明の効果を高く発揮できる。もち
ろん、これに関しては、S2,S3のうちS1より大き
な値となっている場合の適用であり、S2,S3ともに
S1より大きな場合は、片方のみに適用してもよいし、
両方に対して適用するとさらに大きな効果が得られる。
【0011】さらに、膜面に蓄積した汚れの洗浄性に着
目した場合、洗浄力を十分に得るためには、S4/S1
≧0.4であることが望ましいが、S1に対してS4が
小さすぎると、膜面の原水流速が高くなりすぎて原水中
の一部の汚れ物質により膜面が傷つくため好ましくな
い。したがって、これらを考え合わせると0.4≦S4
/S1≦0.6とすることにより本発明により適した中
空糸膜モジュールとすることが可能となる。一方、中空
糸膜の接着固定部の損傷に着目した場合、損傷を防ぐた
めには、S4/S2≦0.4,S4/S3≦0.4であ
ることが望ましいが、モジュール内に充填する中空糸膜
の数があまり少ないと体積効率が低下するため、この点
を考慮すると、0.2≦S4/S2≦0.4,0.2≦
S4/S3≦0.4が望ましい。これについても、S
2,S3のうちS1より大きな値となっている場合の適
用であり、S2,S3ともにS1より大きな場合は、片
方のみに適用してもよいし、両方に対して適用するとさ
らに大きな効果が得られる。
【0012】また、横断面積S2,S3となっている部
分は、中空糸膜の接着固定部近傍であるが、接着固定部
からの長さL2,L3をある程度とれば、特に限定され
るものではなく、図1,2に例示するほかに、図5,6
に示すように、S1部分とS2,S3部分の境目がテー
パー状になっていたり、図7,8に示すようにS1部分
が複数に分かれていたりしても本発明の趣旨からして差
し支えない。ただし、横断面積がS2,S3になってい
る部分では、洗浄時の膜面流速が低下しやすく、洗浄性
が維持できない可能性が高いため、あまり長くすること
は得策ではない。したがって、この点に関しては、図
9,10に示すように、中空糸膜の有効長Lに対して、
0.1≦L2/L≦0.3,0.1≦L3/L≦0.3
とすることが望ましい。なお、L2,L3,Lそれぞれ
の長さについては特に制約されるものではないが、L
2,L3が長いと洗浄効果が十分に発揮できないことか
ら、本発明の効果を十分に発揮できるためには、L2,
L3としては、それぞれ200mm以下、合計で300
mm以下にすることが望ましく、Lとしては、500m
m以上であることが望ましい。
【0013】なお、ここまで、中空糸膜の一方の端部の
みが開口したモジュールについて述べてきたが、両端が
開口したモジュールについても本発明の適用による同様
の効果を得ることが可能であるが、この形状では、両側
へ分かれた透過水を集水するために、例えば図11に示
すような集水管11などがあるとモジュール外配管も簡
素で、透過水を取り出しやすく望ましい。
【0014】ところで、本発明を適用する中空糸膜モジ
ュールは、一般的には、中空糸膜と中空糸膜の間、およ
び中空糸膜とモジュール容器の間を気密にシール(ポッ
ティング)して開口させた形状をとる。これによって、
中空糸膜の外部と内部を中空糸膜自体によって隔離し、
膜を通して分離処理を行うことができる。また、これら
のモジュールの使用法としては、先にも述べたように中
空糸膜の外側に原水を流し、内側から透過水を得られる
「外圧式」にすることで、本発明の効果を発揮させるこ
とができる。この場合、中空糸膜外部を流れる原水やエ
アーを導入したり排出するための配管を少なくとも一つ
接続させる必要がある。ここで、例えば、図12に例示
するように、横断面積がS1となっている部分に配管5
を接続すると、流路断面積が小さいため、中空糸膜が原
水やエアーの流れの影響によって中空糸膜を折損したり
する危険性が生じる。したがって、この影響を受け難く
するためには、図2,6に例示するように、断面積がS
2になっている部分に配管を接続することにより、配管
による流れの影響を受け難くすることができる。また、
例えば図13に例示するように、配管口部分に邪魔板9
を設けることによってさらに中空糸膜の損傷を防ぐこと
も可能である。また、モジュール下部に設けられた配管
7は、給排水やエアー供給用の配管として用いることが
できる。一方、モジュール上部に設けられた配管5は、
給排水やエアー排出用の配管として用いることができ
る。
【0015】ところで、横断面積がS1より大きな部分
を中空糸膜接着固定部分近傍に設ける効果として、洗浄
性と耐損傷性を挙げてきたが、中空糸膜モジュールを縦
置きにする場合の大きな効果として、中空糸膜接着固定
部のうち下方にあたる部分では、洗浄後の排水時に汚れ
を排出しやすくなることや下部から供給されたエアーが
分散しやすいといった効果を得ることができる。この場
合、図14に例を示すように下部の接着固定面を斜めに
するなどするとより効果的である。
【0016】本発明において対象となる中空糸膜として
は特に限定されるものではないが、本発明に係る原水の
漏れ込みによる透過水質低下の問題は、十分な強度を付
与することが困難で、揺動による材料の疲労による損傷
も生じやすいことから、高分子膜を用いた中空糸膜への
適用が効果的である。高分子膜としては、均質中空糸
膜、多孔質中空糸膜、複合中空糸膜などが挙げられる
が、特に限定はない。これらの中空糸膜の具体例とし
て、ポリアクリロニトリル多孔質中空糸膜、ポリイミド
多孔質中空糸膜、ポリエーテルスルホン多孔質中空糸
膜、ポリフェニレンスルフィドスルホン多孔質中空糸
膜、ポリテトラフルオロエチレン多孔質中空糸膜、ポリ
プロピレン多孔質中空糸膜、ポリエチレン多孔質中空糸
膜等の多孔質中空糸膜や、これら多孔質中空糸膜に機能
層としては架橋型シリコーン、ポリブタジエン、ポリア
クリロニトリルブタジエン、エチレンプロピレンラバ
ー、ネオプレンゴム等のゴム状高分子を複合化した複合
中空糸膜や架橋型シリコーンチューブなどの均質中空糸
膜を挙げることができる。中空糸膜の内径,外径として
も特に制限されるものではなく、1mm以下の内径を有
するものから数mm以上の内径を有するものでも適用可
能である。
【0017】また、本発明に適用する中空糸膜の内径に
関しても特に限定すべきものではないが、内径が大きい
ものは、概して中空糸膜が損傷しにくく、また、内径が
小さなものは、損傷時の原水の漏れ込みの程度が比較的
小さいことから考え合わせると。該中空糸膜の内径が3
50μm以上で1000μm以下が望ましく、とくに5
50μm以下である場合には、本発明の効果が発現され
やすく非常に適している。
【0018】中空糸膜を接着固定する方法としては、一
般に、ポッティングと呼ばれる方法で行われる。ポッテ
ィングは、接着剤を中空糸膜の間および内部へ浸透させ
るにあたり静置状態で行う方法「静置法」と遠心力を用
いて浸透させる方法「遠心法」があるが、特に限定され
るものではない。また、ポッティングに用いる接着剤
は、特に限定されないが、ウレタン系の接着剤やエポキ
シ系の接着剤などが一般的に用いられる。さらに、中空
糸膜同士を融着させる方法を採ることも可能である。
【0019】
【実施例】以下実施例をもってもって本発明をさらに具
体的に説明する。ただし、本発明はこれにより限定され
るものではない。
【0020】実施例,比較例 ポリアクリロニトリルを素材とする平均細孔径0.01
μm,外径680μm,内径400μm,長さ1000
mmの多孔質中空糸膜7400本の束を肉厚7mmのア
クリル製の容器に挿入して、中空糸端部のポッティング
部分にポッティング材が入り目詰まりを起こさないよう
に、ウレタン接着剤(日本ポリウレタン社製)により目
止め接着した。次に、同じ接着剤を用いて両端部のポッ
ティングを行った後、ポッティングによる中空糸膜の接
着固定部の長さが60mmとなるように両端部を切断
し、中空糸膜内部を開口させた。さらに、開口させたポ
ッティング部分に集水具を取り付け、図5に示すような
中空糸膜有効長さ800mm,中空糸膜全長920mm
の外圧式中空糸膜モジュールを作製した。
【0021】ここで、図15に示す、断面積S1となる
部分の径D1を変化させたモジュールA〜Eと図12,
図13に示すようなS1=S2=S3となるようなモジ
ュールF,Gを作製した。
【0022】このようにして得られたモジュールを濁度
が約20ppm,水温約25℃の原水を用いて、濾過流
量を1.0m/日として外圧式全濾過法で定量濾過運転
試験を行った。このとき、原水は、配管5から供給し、
配管7は閉状態にした。濾過運転を1h行う毎に濾過運
転を中断して配管7を開いて、配管5からエアーを供給
し、流量40リットル/分で1分間のエアースクラビン
グ洗浄を行った後、配管7を開放して、配管5を通して
原水を排出した後、モジュール容器へ原水を供給して再
度濾過運転を行うという方法で、反復濾過運転試験を行
った。
【0023】運転の結果を表1に示す。
【0024】
【表1】
【0025】1000時間運転経過後の濾過運転差圧
(原水側の圧力−透過側の圧力)の上昇は、C,Dで最
も低く抑えられた。また、Gは比較的差圧上昇は小さか
ったが、中空糸膜の切断損傷が見られた。
【0026】
【発明の効果】本発明の中空糸膜モジュールにより、使
用中の圧力上昇が小さく、かつ中空糸膜が損傷しにく
く、膜の洗浄回復性が高い、高性能な中空糸膜モジュー
ルが提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る、中空糸膜モジュールの一例の側
断面図である。
【図2】本発明に係る、中空糸膜モジュールの一例の側
断面図である。
【図3】従来の、中空糸膜モジュールの一例の側断面図
である。
【図4】従来の、中空糸膜モジュールの一例の側断面図
である。
【図5】本発明に係る、中空糸膜モジュールの他の一例
を示す側断面図である。
【図6】本発明に係る、中空糸膜モジュールの他の一例
を示す側断面図である。
【図7】本発明に係る、中空糸膜モジュールの他の一例
を示す側断面図である。
【図8】本発明に係る、中空糸膜モジュールの他の一例
を示す側断面図である。
【図9】本発明に係る、中空糸膜モジュールの長さを示
す側断面図である。
【図10】本発明に係る、中空糸膜モジュールの長さを
示す側断面図である。
【図11】本発明に係る、両端開口型中空糸膜モジュー
ルの一例を示す側断面図である。
【図12】本発明に係る、配管の位置の異なる中空糸膜
モジュールの一例を示す側断面図である。
【図13】本発明に係る、邪魔板を有する中空糸膜モジ
ュールの一例を示す側断面図である。
【図14】本発明に係る、汚れを排出しやすい中空糸膜
モジュールの一例を示す側断面図である。
【図15】本発明に係る、実施例に用いた中空糸膜モジ
ュールの容器の側断面寸法図である。
【図16】比較例1に用いた中空糸膜モジュールの容器
の側断面寸法図である。
【図17】比較例2に用いた中空糸膜モジュールの容器
の側断面寸法図である。
【図18】実施例および比較例での試験結果を示す図で
ある。
【符号の説明】
1:中空糸膜 2:接着固定部分 3:シール材 4:透過水出口 5:配管 6:容器 7:配管 8:原水流 9:邪魔板 10:排水用配管 11:集水管
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Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】複数の中空糸膜からなる中空糸束の両端
    が、それぞれ接着固定部によって固定されており、少な
    くとも一方の端部の中空糸膜が開口されており、中空糸
    膜および接着固定部が容器内に存在する中空糸膜モジュ
    ールであって、容器が、下記で定義される面積S2が面
    積S1よりも大きい構造を有することを特徴とする中空
    糸膜モジュール。 S1:中空糸膜が接着固定されていない部分を囲む容器
    の部分のうち最大の横断面積を与えるところの横断面
    積。 S2:2つの接着固定部の近傍における容器の横断面積
    のうち小さくない方を与えるところの横断面積。
  2. 【請求項2】該モジュールが中空糸膜の外側に処理原水
    を流し透過水を中空糸膜の内側から得る方式で使用され
    るものである請求項1記載の中空糸膜モジュール。
  3. 【請求項3】S2を与える接着固定部とは別の接着固定
    部の近傍における容器内側部分の横断面積をS3とし、
    中空糸膜の束の総断面積をS4とするとき1.2≦(S
    2−S4)/(S1−S4)≦10,1.2≦(S3−
    S4)/(S1−S4)≦10の少なくとも一方を満た
    すことを特徴とする請求項1または2記載の中空糸膜モ
    ジュール。
  4. 【請求項4】中空糸膜の束の総断面積をS4とするとき
    0.4≦S4/S1≦0.6であることを特徴とする請
    求項1〜3いずれかに記載の中空糸膜モジュール。
  5. 【請求項5】S2,S3のうちS1よりも実質的に大き
    くなっている部分において、0.2≦S4/S2≦0.
    4,0.2≦S4/S3≦0.4を満たすことを特徴と
    する請求項1〜4いずれかに記載の中空糸膜モジュー
    ル。
  6. 【請求項6】断面積がS2,S3となっている部分の接
    着固定部分からの長さをL2,L3とするとき、S2,
    S3のうちS1よりも実質的に大きくなっている部分に
    おいて、中空糸膜の有効長さLに対して、0.1≦L2
    /L≦0.3,0.1≦L3/L≦0.3を満たすこと
    を特徴とする請求項1〜5いずれかに記載の中空糸膜モ
    ジュール。
  7. 【請求項7】S2,S3が両方ともS1より大きいこと
    を特徴とする請求項1〜6いずれかに記載の中空糸膜モ
    ジュール。
  8. 【請求項8】中空糸膜の外部と連通させるための少なく
    とも一つの配管が、S1より大きな横断面積を与える容
    器の部分に備えられていることを特徴とする請求項1〜
    7いずれかに記載の中空糸膜モジュール。
  9. 【請求項9】該中空糸膜の有効長が500mm以上であ
    ることを特徴とする請求項1〜8いずれかに記載の中空
    糸膜モジュール。
  10. 【請求項10】請求項1〜9いずれかの中空糸膜モジュ
    ールを使用し、中空糸膜の外側に処理原水を供給し、透
    過水を中空糸膜の内側から得て、モジュールから取り出
    すことを特徴とする水の処理方法。
  11. 【請求項11】処理原水の全量を中空糸膜を通過させる
    ことを特徴とする請求項10記載の水の処理方法。
  12. 【請求項12】処理原水の一部を中空糸膜を通過させ、
    残りを中空糸膜モジュールの外部へ排出することを特徴
    とする請求項10または11記載の中空糸膜モジュール
    の水の処理方法。
  13. 【請求項13】S2>S3であって、処理原水を中空糸
    膜モジュールへ供給する配管をS2を与える容器の部分
    に、また排出水をS3を与える容器部分に備えることを
    特徴とする請求項12記載の水の処理方法方法。
  14. 【請求項14】S2を与える部分およびS3を与える部
    分のうち横断面積がS1より大きくなっている部分の接
    着固定部分が上方向に位置することを特徴とする請求項
    10〜13いずれかに記載の中空糸膜モジュールの使用
    方法。
  15. 【請求項15】請求項1〜9いずれかの中空糸膜モジュ
    ールを使用し、中空糸膜の外側に気体または液体を導入
    して中空糸膜表面に蓄積した物質を除去することを特徴
    とする中空糸膜モジュールの清浄化方法。
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