JP2000080467A - 薄膜形成方法および薄膜形成装置 - Google Patents

薄膜形成方法および薄膜形成装置

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JP2000080467A
JP2000080467A JP10247518A JP24751898A JP2000080467A JP 2000080467 A JP2000080467 A JP 2000080467A JP 10247518 A JP10247518 A JP 10247518A JP 24751898 A JP24751898 A JP 24751898A JP 2000080467 A JP2000080467 A JP 2000080467A
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induction electrode
thin film
substrate
particles
base
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JP10247518A
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English (en)
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Ikuro Marumoto
幾郎 丸本
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Toyota Motor Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】基体の表面上に、緻密でかつ密着力が高いなど
薄膜特性に優れた薄膜を形成する。 【解決手段】 基体100の近傍に、網状部124を有
して基体100を被包する第1誘導電極を設け、この第
1誘導電極に負のバイアス電圧を印加している間に、第
1誘導電極の外部の蒸発粒子発生手段130で発生させ
た蒸発粒子を、網状部124から導入して基体100の
表面上に堆積させる。その結果、エネルギーの高い蒸発
粒子が基体の表面上に多量に堆積して薄膜特性に優れた
薄膜が形成される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、蒸発粒子を基体の
表面上に堆積させて薄膜を形成する薄膜形成方法および
薄膜形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】蒸発粒子を基体の表面上に堆積させて薄
膜を形成する薄膜形成装置に、任意に真空度を変えるこ
とのできる密閉容器と、密閉容器内の所定位置に基体を
保持する基体保持手段と、密閉容器内に蒸発粒子を発生
させる蒸発粒子発生手段とを備える装置がある。このよ
うな装置の中でも、例えば特開昭60−128261号
公報で開示されているように、絶縁体である基体と蒸発
粒子発生手段との間に金網状の電極を設置し、この金網
電極に負のバイアス電圧を印加することにより、イオン
化した蒸発粒子を加速させて基体の表面上に堆積させ、
薄膜を形成するイオンプレーティング装置が従来より知
られている。
【0003】しかし、金網電極を基体の前方に設けただ
けでは、金網電極を通り抜けたイオンや、蒸発粒子が金
網電極を通り抜ける際に生じたイオンなどが、基体が設
置されている方向以外の方向へ逃げていくことがあり、
基体の周囲のプラズマ密度が十分に上がらないことがあ
る。その結果、緻密性の低い薄膜や、密着力の低い薄膜
などが形成されることがある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記実情に鑑
みてなされたものであり、基体の表面上に、緻密でかつ
密着力が高いなど薄膜特性に優れた薄膜を形成すること
のできる薄膜形成方法および薄膜形成装置を提供するこ
とを課題とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決する本発
明の請求項1に記載の薄膜形成方法は、基体の近傍に、
網状部を有して該基体を被包する第1誘導電極を設け、
該第1誘導電極に負のバイアス電圧を印加している間
に、該第1誘導電極の外部に設けられている蒸発粒子発
生手段で発生させた蒸発粒子を、該網状部から導入して
該基体の表面上に堆積させることにより薄膜を形成する
ことを特徴とする。
【0006】また、上記課題を解決する本発明の請求項
2に記載の薄膜形成方法は、請求項1に記載の薄膜形成
方法において、前記基体を介して前記第1誘導電極の反
対側に第2誘導電極を設置し、該第1誘導電極および該
第2誘導電極に負のバイアス電圧を印加している間に、
前記蒸発粒子を前記網状部から導入することを特徴とす
る。
【0007】上記課題を解決する本発明の請求項3に記
載の薄膜形成装置は、任意に真空度を変えることのでき
る密閉容器と、該密閉容器内に基体を保持する基体保持
手段と、該密閉容器内に蒸発粒子を発生させる蒸発粒子
発生手段とを備え、該蒸発粒子を基体の表面上に堆積さ
せて薄膜を形成する薄膜形成装置において、前記基体保
持手段に保持された前記基体の近傍に、前記蒸発粒子が
導入される網状部を有して該基体を被包する第1誘導電
極が設けられているとともに、該第1誘導電極に負のバ
イアス電圧を印加する電圧印加手段が設けられているこ
とを特徴とする。
【0008】また、上記課題を解決する本発明の請求項
4に記載の薄膜形成装置は、請求項3に記載の薄膜形成
装置において、前記基体を介して前記第1誘導電極の反
対側に第2誘導電極が設けられているとともに、該第2
誘導電極に負のバイアス電圧を印加する電圧印加手段が
設けられていることを特徴とする。
【0009】
【発明の実施の形態】(請求項1に記載の薄膜形成方
法)本発明の薄膜形成方法においては、基体の近傍に設
ける第1誘導電極が、基体を被包する(すなわち、基体
を完全に包囲する)点で従来の薄膜形成方法と大きく異
なる。本発明の薄膜形成方法によって形成された薄膜
は、緻密でかつ密着力が高いなど薄膜特性に優れる。こ
のように薄膜特性に優れた薄膜が形成される理由として
は、次のように、エネルギーの高い蒸発粒子が基体の表
面上に多量に堆積することが考えられる。
【0010】第1誘導電極に負のバイアス電圧を印加す
ると、第1誘導電極の極近傍において、一種のグロー放
電が起こってプラズマが発生する。このプラズマによっ
て、網状部から導入された蒸発粒子が励起化されたり、
イオン化されたりして活性化される。このとき、特にイ
オン化が活発に起こり、多量のイオンが生じる。本発明
では、第1誘導電極が、基体の近傍において基体を被包
するように設けられているため、蒸発粒子の活性化が、
基体のすぐ近くにおいて基体を取り巻くように生じる。
言い換えれば、第1誘導電極内にプラズマが閉じこめら
れた状態となる。そのため、基体の周囲において、活性
化された蒸発粒子、特にイオンの密度が高く保持され
る。その結果、活性化された蒸発粒子が、基体の表面に
向かう蒸発粒子に巻き込まれたり、衝突を受けるなどし
て基体の表面上に多量に堆積する。従って、活性化され
た蒸発粒子、すなわち化学的にエネルギーの高い蒸発粒
子が基体の表面上に多量に堆積して薄膜が形成されるた
め、その薄膜の薄膜特性が向上すると考えられる。
【0011】また、蒸発粒子に正の電荷を有する粒子が
含まれている場合には、高い運動エネルギーをもつ蒸発
粒子、すなわち物理的にエネルギーの高い蒸発粒子が基
体の表面上に多量に堆積することも考えられる。第1誘
導電極に負のバイアス電圧を印加し、第1誘導電極の外
で蒸発粒子を発生させると、その蒸発粒子のうち、正の
電荷をもつ蒸発粒子が第1誘導電極に引き寄せられて加
速する。このとき、蒸発粒子が加速する方向に、網状部
が設けられており、かつ基体が保持されていれば、正の
電荷をもつ蒸発粒子が網状部の網目を通過して基体の堆
積面に打ち込まれる。なお、ここでいう基体の堆積面と
は、薄膜が形成される基体の表面のことであるが、薄膜
が形成されつつあるときには、その形成途上にある薄膜
の最表面を意味するものとする。
【0012】こうして正の電荷をもつ蒸発粒子が、多量
にかつ高い運動エネルギーで基体の堆積面に打ち込まれ
る。基体の堆積面に打ち込まれた蒸発粒子は、形成途上
にある薄膜に高いエネルギーを与え、例えば、ミキシン
グ効果などを起こして薄膜を緻密化したり、密着力を向
上させたりすることができる。このように、物理的なエ
ネルギーのより高い蒸発粒子が多量に堆積するため、薄
膜特性が向上すると考えられる。
【0013】本発明の薄膜形成方法では、基体の材質は
特に限定されるものではなく、用途に応じて適宜選択す
ることができる。また、基体は絶縁材料からなるもので
あってもよいし、導電材からなるものであってもよい。
基体の全体形状(表面形状等)や表面状態(表面粗さ
等)も特に限定されるものではなく、用途に応じて適宜
選択することができる。
【0014】また、薄膜の種類についても特に限定され
るものではなく、用途に応じて適宜その種類を選択する
ことができる。本発明の薄膜形成方法では、低圧下で薄
膜の形成がなされるが、その真空度は、蒸発粒子を十分
に発生させることのできる大きさであれば、特に限定さ
れるものではない。
【0015】蒸発粒子は、薄膜を形成する元素のみから
なるものであってもよいし、薄膜を形成する元素とアル
ゴン等の不活性元素とが混合されたものであってもよ
い。また、蒸発粒子の形態については、原子(励起原子
も含む)、イオン、クラスター等が挙げられる。中性の
粒子(原子、中性クラスター)であってもよいが、正の
電荷をもつ粒子(陽イオンまたは正の電荷をもつクラス
ター)が含まれていることが好ましい。
【0016】蒸発粒子発生手段については特に限定され
るものではなく、公知の手段を用いることができる。例
えば、固形の蒸発粒子の発生源を用意し、この発生源を
適当な方法で加熱して蒸発させる手段や、適当なスパッ
タ粒子を用いてこの発生源をスパッタする手段など、蒸
発粒子の発生源から物理的に蒸発粒子を発生させる手段
がある。また、例えば、蒸発粒子の化合物ガスを用意
し、この化合物ガスを熱、光、プラズマ、熱電子等を用
いて分解することにより、蒸発粒子を発生させる手段な
ど、蒸発粒子の発生源から化学的に蒸発粒子を発生させ
る手段がある。
【0017】蒸発粒子発生手段によっては、蒸発源から
放出されたばかりの蒸発粒子群が中性の蒸発粒子である
か、または中性の蒸発粒子を多く含み、正の電荷をもつ
蒸発粒子が蒸発源から多く放出されない場合もある。こ
のような場合において、正の電荷をもつ蒸発粒子を多く
発生させたいときには、熱、光、プラズマ、熱電子等を
用いて中性の蒸発粒子群にエネルギーを与えることによ
り、正の電荷をもつ蒸発粒子(特にイオン)の発生量を
増やすことができる。
【0018】蒸発粒子は、発生源から直進させて基体の
表面上に堆積させてもよいし、磁場や重力などを利用
し、途中で進行方向を変えさせて基体の表面上に堆積さ
せてもよい。このとき、進行方向を変えさせる場所は、
第1誘導電極の外部であってもよいし、内部であっても
よい。第1誘導電極は、導電性である他は材質で特に限
定されるものではないが、錆(さび)の発生を防ぐため
にステンレスからなることが好ましい。また、形状でも
特に限定されるものではない。
【0019】第1誘導電極の網状部は、第1誘導電極に
部分的に設けてもよいし、その全体を網状部としてもよ
い。ただし、網状部を部分的に設ける場合には、蒸発粒
子発生手段で発生した蒸発粒子がその網状部を通過して
基体の表面上に堆積するように、第1誘導電極の適切な
箇所に網状部を設ける必要がある。例えば、蒸発粒子を
発生源から直進させて基体表面に堆積させる場合には、
その発生源と基体の表面との間の第1誘導電極の箇所に
網状部を設ける。網状部の他の部分には、板状の導電性
部材などを用いてもよい。
【0020】網状部の目開きの形状については特に限定
されない。また、目開きの大きさについては、蒸発粒子
を通過させることができる大きさにする必要がある。第
1誘導電極内にプラズマを十分に発生させることができ
るように目開きの形状および大きさを適切に選択するこ
とが好ましい。また、第1誘導電極は基体の近傍に設け
られるが、基体の一部と接触させて設けてもよいし、基
体に接触しないように設けてもよい(基体と距離をあけ
て設けること)。いずれにおいても、薄膜を形成する基
体の表面と第1誘導電極との間に間隔を設ける。ただ
し、後者においては、基体を第1誘導電極に接触しない
ように保持する手段を用いる必要があり、基体だけでな
く基体を保持する手段の形態も考慮して第1誘導電極を
設ける必要がある。
【0021】その間隔の大きさは特に限定されるもので
はないが、その間隔を大きく取りすぎると、第1誘導電
極のプラズマによって活性化された蒸発粒子が、基体に
堆積しにくくなる。また、網状部を通過した正の電荷を
もつ蒸発粒子が、第1誘導電極に引き戻される力を受け
て、その運動エネルギーを小さくして堆積してしまう。
逆に、その間隔を小さく取りすぎると、一様な膜厚の薄
膜を形成することが難しくなる。従って、化学的にも物
理的にもエネルギーの高い蒸発粒子が基体の表面上に十
分多量に堆積するように、第1誘導電極と基体との間隔
の大きさを適宜選択することが好ましい。
【0022】第1誘導電極に負のバイアス電圧を印加す
る方法については特に限定されるものではないが、例え
ば直流電圧を印加することができる電圧印加装置を用い
ることにより、第1誘導電極に負のバイアス電圧を印加
することができる。 (請求項2に記載の薄膜形成方法)本発明の薄膜形成方
法においては、請求項1に記載の薄膜形成方法に対し
て、さらに薄膜特性に優れた薄膜が基体の表面上に形成
される。その理由としては、請求項1に記載の薄膜形成
方法に対し、よりエネルギーの高い蒸発粒子が基体の表
面上に多量に堆積することが考えられる。
【0023】本発明の薄膜形成方法においては、第1誘
導電極および第2誘導電極に負のバイアス電圧が印加さ
れるため、第1誘導電極だけでなく第2誘導電極の極近
傍においても、一種のグロー放電が起こって、基体を介
して第1誘導電極の反対側にもプラズマが発生する。こ
のプラズマによって、第1誘導電極の網状部から導入さ
れた蒸発粒子が活性化され、イオン化も活発に起こり、
多量のイオンが生じる。こうして活性化された蒸発粒子
は基体の前方にも拡散して、基体の周囲において、活性
化された蒸発粒子、特にイオンの密度がさらに高く保持
される。その結果、化学的なエネルギーのより高い蒸発
粒子がさらに多量に堆積するため、薄膜特性が向上する
と考えられる。
【0024】また、第1誘導電極および第2誘導電極に
負のバイアス電圧が印加されるため、第1誘導電極の外
部においては双方の電極が協働して、正の電荷をもつ蒸
発粒子を第1誘導電極の方向にさらに多量にかつ強力に
引き寄せる。さらに、第1誘導電極の内部においては第
2誘導電極が、正の電荷をもつ蒸発粒子を基体の保持さ
れている方向にさらに多量にかつ強力に引き寄せる。そ
のため、正の電荷をもつ蒸発粒子が、第1誘導電極だけ
に負のバイアス電圧を印加していたときよりも、さらに
高い運動エネルギーでかつ多量に基体の堆積面に打ち込
まれる。その結果、物理的にエネルギーのより高い蒸発
粒子がさらに多量に堆積するため、薄膜特性が向上する
と考えられる。
【0025】第2誘導電極の材質は導電性である他は特
に限定されるものではないが、錆の発生を防ぐためにス
テンレスからなることが好ましい。また、第2誘導電極
の形状についても特に限定されるものではない。さら
に、第2誘導電極は、基体と接触させて設けてもよい
し、基体と間隔をあけて設けてもよい。
【0026】第2誘導電極に負のバイアス電圧を印加す
る方法についても特に限定されるものではない。第1誘
導電極に負のバイアス電圧を印加する手段を用いて第2
誘導電極にも負のバイアス電圧を印加してもよいし、第
1誘導電極の電圧印加手段とは別に、第2誘導電極に負
のバイアス電圧を印加する電圧印加手段を用いてもよ
い。前者の方が一つの電圧印加手段を用意するだけでよ
いため、部品点数の減少につながるなど、低コスト化を
図ることができる。 (請求項3に記載の薄膜形成装置)本発明の薄膜形成装
置においては、電圧印加手段によって任意に第1誘導電
極に負のバイアス電圧を印加することができる。また、
第1誘導電極には網状部が設けられているため、第1誘
導電極に負のバイアス電圧を印加する如何に関係なく、
この網状部を通じて蒸発粒子発生手段で発生させた蒸発
粒子を第1誘導電極内に導入することができ、その導入
した蒸発粒子を基体の表面上に堆積させることができ
る。
【0027】例えば図2および図3に示すように、蒸発
粒子発生手段で発生させた蒸発粒子が基体の表面の方向
へ進むように蒸発粒子発生手段と基体とを適切に配置
し、かつその蒸発粒子が基体に至るまでの途中に第1誘
導電極の網状部を設ければ、第1誘導電極に負のバイア
ス電圧を印加する如何に関係なく、蒸発粒子を網状部を
通過させて基体の表面上に堆積させ、薄膜を形成するこ
とができる。なお、図2では、蒸発粒子を発生源から直
進させて基体の表面上に堆積している。また、図3で
は、発生させた蒸発粒子を、その進行方向の途中で重力
や拡散等によって変えて基体の表面上に堆積している。
【0028】このとき、第1誘導電極に負のバイアス電
圧を印加して、蒸発粒子を網状部から導入して基体の表
面上に堆積させると、その基体の表面上に、第1誘導電
極に負のバイアス電圧を印加しないときよりも緻密でか
つ密着力が高いなど薄膜特性に優れた薄膜が形成され
る。その理由としては請求項1に記載の薄膜形成方法と
同じように、第1誘導電極に負のバイアス電圧を印加し
ないときよりも、化学的にエネルギーの高い蒸発粒子、
すなわちエネルギー状態の高い蒸発粒子が基体の表面上
に多量に堆積することが考えられる。また、蒸発粒子に
正の電荷をもつ粒子が含まれている場合には、物理的に
エネルギーの高い蒸発粒子、すなわち高い運動エネルギ
ーをもつ蒸発粒子が基体の表面上に多量に堆積すること
も考えられる。
【0029】本発明の薄膜形成装置では、使用される基
体の材質は特に限定されるものではなく、用途に応じて
適宜選択することができる。また、基体は絶縁材料から
なるものであってもよいし、導電材からなるものであっ
てもよい。基体の全体形状(表面形状等)や表面状態
(表面粗さ等)も特に限定されるものではなく、用途に
応じて適宜選択することができる。
【0030】また、形成される薄膜の種類についても特
に限定されるものではなく、用途に応じて適宜その種類
を選択することができる。以下、本発明の薄膜形成装置
の形態を各構成要素に分けて説明する。密閉容器は低圧
および高圧のいずれの圧力域でも任意に真空度を変えら
れる容器である。密閉容器内の真空度を低下させるとき
には、公知の真空ポンプを用いて任意の真空度に低下さ
せることができる。密閉容器の形状、容積等については
特に限定されるものではない。
【0031】また、基体保持手段は特に限定されるもの
ではなく、基体の形態に応じて公知の手段を用いること
ができる。この基体保持手段では、蒸発粒子発生手段で
発生させた蒸発粒子が第1誘導電極の網状部を通過して
飛来してくる方向に、基体の堆積面を向けて基体を保持
させる。ただし、蒸発粒子の飛来してくる方向と基体の
堆積面の法線方向とは必ずしも一致している必要はな
く、その法線方向に対して斜めに蒸発粒子が飛来してく
るように基体を保持させてもよい。また、基体保持手段
の保持できる基体の数量は一つに限らず、複数の基体を
保持できるものであってもよい。
【0032】基体保持手段には、第1誘導電極に負のバ
イアス電圧を印加して薄膜を形成するときには、基体の
表面と第1誘導電極の内面との間に間隔があけられるよ
うに基体を保持できるものを用いる。蒸発粒子発生手段
については特に限定されるものではなく、公知の手段を
用いることができる。例えば、請求項1に記載の薄膜形
成方法で先述したように、蒸発粒子の発生源から物理的
に蒸発粒子を発生させる方法による発生手段や、蒸発粒
子の発生源から化学的に蒸発粒子を発生させる方法によ
る発生手段などを用いることができる。
【0033】蒸発粒子の発生方法によっては、蒸発源か
ら放出されたばかりの蒸発粒子群が中性の蒸発粒子であ
るか、または中性の蒸発粒子を多く含み、正の電荷をも
つ蒸発粒子が蒸発源から多く放出されない場合もある。
このような場合において、正の電荷をもつ蒸発粒子を多
く発生させたいときには、請求項1に記載の薄膜形成方
法でも先述したように、熱、光、プラズマ、熱電子等を
用いて中性の蒸発粒子群にエネルギーを与えることによ
り、正の電荷をもつ蒸発粒子(特にイオン)の発生量を
増やすことができる。
【0034】また、請求項1に記載の薄膜形成方法と同
様に、蒸発粒子は、発生源から直進させて基体の表面上
に堆積させてもよいし、磁場や重力などを利用し、途中
で進行方向を変えさせて基体の表面上に堆積させてもよ
い。このとき、進行方向を変えさせる場所は、第1誘導
電極の外部であってもよいし、内部であってもよい。第
1誘導電極は、請求項1に記載の薄膜形成方法と同様の
ものを用いることができる。ただし、本発明では、第1
誘導電極は、基体保持手段に保持された基体を被包する
ように設けられるため、基体だけでなく基体保持手段の
形態も考慮して形態を選択する必要がある。
【0035】電圧印加手段については、第1誘導電極に
負のバイアス電圧をかけることができれば特に限定され
ず、公知の手段を用いることができる。例えば、直流電
圧を印加することができ、かつその電圧の大きさを任意
に変えることのできる電圧制御装置を用いることができ
る。基体が導電材よりなる場合には、基体を第1誘導電
極に導通させるなどして、電圧印加手段により基体にも
負のバイアス電圧を印加することができるようにしても
よい。
【0036】本発明の薄膜形成装置では、基体から相対
的に見て第1誘導電極の上方に蒸発粒子発生手段により
蒸発粒子を発生させた場合(蒸発粒子発生手段で蒸発粒
子が基体の表面の方向へ進まないように発生させた場
合)であっても、その蒸発粒子に正の電荷をもつ粒子が
含まれていれば、第1誘導電極に負のバイアス電圧を印
加することにより、正の電荷をもつ蒸発粒子を第1誘導
電極に引き寄せ、網状部を通過させて基体の表面に堆積
させることもできる。この場合にも、緻密でかつ密着力
が高いなど薄膜特性に優れた薄膜が形成される。その理
由についても、基体の表面上に堆積する蒸発粒子のほと
んどが、化学的および物理的にエネルギーの高い蒸発粒
子であるからと考えられる。
【0037】例えば、図4に示すように蒸発粒子発生手
段と基体とを配置して、第1誘導電極に負のバイアス電
圧を印加せずに蒸発粒子を発生させた場合、少量の蒸発
粒子が拡散によって第1誘導電極内に導入され、わずか
に基体の表面に付着するものの、大部分の蒸発粒子は第
1誘導電極の外側(基体の表面の上方)を通過してしま
う。
【0038】しかしながら、第1誘導電極に負のバイア
ス電圧を印加することにより、図5に示すように、蒸発
粒子発生手段で発生させた蒸発粒子のうち、正の電荷を
もつ蒸発粒子を、第1誘導電極の方向に引き寄せること
ができる。その結果、正の電荷をもつ蒸発粒子が網状部
を通過して基体の表面に打ち込まれ堆積する。また、第
1誘導電極内に導入された拡散粒子が、第1誘導電極の
極近傍で発生するプラズマによって活性化されるととも
に、基体の表面に打ち込まれる正の電荷をもつ蒸発粒子
によって巻き込みや衝突などを受け、基体の表面に堆積
する。
【0039】この例の薄膜形成装置では、薄膜の形成速
度が遅くなってしまうものの、エネルギーの特に高い蒸
発粒子を選択的に基体の表面上に堆積させることができ
るため、極めて薄膜特性に優れた薄膜が形成される。 (請求項4に記載の薄膜形成装置)本発明の薄膜形成装
置においては、基体を介して第1誘導電極の反対側に設
けられた第2誘導電極に、電圧印加手段によって任意に
負のバイアス電圧を印加することができる。
【0040】本発明の薄膜形成装置においても、第2誘
導電極に負のバイアス電圧を印加しなくとも薄膜を形成
することができる。しかし、第2誘導電極に負のバイア
ス電圧を印加することにより、第1誘導電極だけに負の
バイアス電圧を印加したときよりも、基体の表面上にさ
らに薄膜特性に優れた薄膜が形成される。その理由とし
ては、請求項2に記載の薄膜形成方法で先述した理由と
同じ理由により、第1誘導電極のみに負のバイアス電圧
を印加したときよりも、エネルギーのより高い蒸発粒子
が基体の表面上に多量に堆積することが考えられる。
【0041】第2誘導電極には、請求項2に記載の薄膜
形成方法と同様のものを用いることができる。また、第
2誘導電極は、基体と接触させて設けてもよいし、基体
に対して間隔をあけて設けてもよい。第2誘導電極に負
のバイアス電圧を印加する方法についても特に限定され
るものではなく、請求項2に記載の薄膜形成装置と同じ
手段を用いることができる。
【0042】
【実施例】以下、実施例により本発明を具体的に説明す
る。 (実施例1)本実施例では、図1に示す薄膜形成装置を
用い、以下の薄膜形成方法によって樹脂製基体100の
表面上にダイヤモンドライクカーボン(DLC)よりな
る薄膜を形成した。
【0043】薄膜形成装置について先に説明する。この
薄膜形成装置は、真空チャンバー110、基体設置台1
20、イオンガン130、130から主として構成され
る装置である。真空チャンバー110には、その中を所
定の真空度にすることができる真空ポンプ(図示せず)
と、任意のガスを任意の量で導入することができるガス
導入装置(図示せず)のガス導入管とがそれぞれ接続さ
れている。ここでは、Arガスとベンゼン(C66)ガ
スとを別に任意の導入量で導入できるガス導入装置を用
いた。
【0044】基体設置台120は、ステンレス製であ
り、図1に示した矢印のように任意の回転速度で回転さ
せることができる。基体設置台120の上に、絶縁材料
よりなる基体保持手段122が設置されている。この基
体保持手段122は、中空円筒状の基幹部122aと、
基体100を固定することのできる基体固定部122b
とからなる。
【0045】基体設置台120には、直流電圧を印加す
ることができ、かつその電圧の大きさを任意に変えるこ
とのできる電圧印加装置140が接続されている。基体
100が基体固定部122bに取り付けられた後に、ス
テンレス製のメッシュ(目開き1mm)よりなる有底筒
状の網状部124が基体設置台120上に装着される。
この網状部124は、図1に示したように基体固定部1
22bに取り付けられた各基体100を所定の間隔を空
けて取り囲むことができ、かつ基体設置台120に導通
するように取り付けられる。
【0046】以上のように、基体100は、その近傍に
おいて、網状部124および基体設置台120によって
被包される。また、イオンガン130、130で発生し
たイオンは、この網状部124を通過して基体100の
表面上に堆積することができる。さらに、網状部124
および基体設置台120は、電圧印加装置140により
負のバイアスを印加することができる。
【0047】すなわち、基体設置台120および網状部
124によって、基体保持手段122に保持された基体
100の近傍に、蒸発粒子が導入される網状部124を
有して基体100を被包する第1誘導電極が構成されて
いる。以下、基体設置台120および網状部124を総
称して第1誘導電極と呼ぶことにする。真空チャンバー
110内に正の電荷をもつ粒子が存在するときに、電圧
印加装置140により補助電極に負のバイアスを印加す
ると、その粒子が補助電極に引き寄せられ、基体100
の方向に加速される。こうして加速された粒子は、網状
部124のメッシュの隙間を通過して基体100の堆積
面に打ち込まれる。
【0048】イオンガン130、130は、フィラメン
ト132を備えた装置で2箇所設けられている。真空チ
ャンバー110内に所定量のガスが導入されている状態
で、フィラメント132に所定の電流を流すと、フィラ
メント132から放出された熱電子がそのガスをイオン
化する。こうしてイオンガン130からイオンが真空チ
ャンバー110内に放出される。
【0049】以上のような機能を有する成膜装置100
を用い、次の手順で基体100の表面上にDLCよりな
る薄膜を形成した。先ず、基体100(サイズ:20m
m×30mm×5mm)を所定数用意し、それらをエタ
ノール中で超音波に曝して、それらの表面を脱脂洗浄し
た。こうして超音波洗浄した各基体100を基体固定部
122bにそれぞれ取り付けた。以下、各基体100と
いう言い方を、基体100と省略することにする。
【0050】網状部124を基体設置台120に装着し
たら、真空ポンプによって真空チャンバー110内を排
気し、2×10-5Torrまで減圧した。続いて、ガス
導入装置によってArガスを導入して、真空チャンバー
110内の真空度を2×10-5Torrとした。その
後、基体設置台120を所定の回転速度で回転させ、フ
ィラメント132に電流(32A)を流すととともに、
電圧印加装置140によって第1誘導電極に−2000
Vの負のバイアス電圧を印加した。
【0051】このとき、フィラメント132から放出さ
れる熱電子によりArガスがイオン化される。そのAr
イオンが第1誘導電極の負の電位に引き寄せられて加速
し、各基体100の表面に打ち込まれる。その結果、基
体100の表面に存在する微小な不純物(超音波洗浄に
よっても除去されなかったものや、超音波洗浄後に付着
したものなど)がArイオンにスパッタされて除かれ
る。
【0052】こうして基体100の表面をArエッチン
グしたら、ガス導入装置からベンゼンガスを導入して、
イオンガン130のフィラメント132に電流(32
A)を流した。また、フィラメント132に電流を流す
のと同時に、電圧印加装置140によって第1誘導電極
に−2000Vの負のバイアス電圧を印加した。このと
き、第1誘導電極内に青白い発光(プラズマ)が観察さ
れた。
【0053】また、ガス導入装置からベンゼンガスを導
入するとともに、イオンガン130のフィラメント13
2に電流を流すと、イオンガン130からCXY +系の
イオンが放出される。このCXY +系のイオンは、第1
誘導電極の負の電位に引き寄せられて加速し、基体10
0の堆積面に高い運動エネルギーで打ち込まれる。この
ようにベンゼンガスの導入と、フィラメント132の通
電とを2時間続け、基体100の堆積面にCXY +系の
イオンを堆積させた。その結果、基体100の表面上に
DLCよりなる薄膜が形成された。 (実施例2)本実施例では、実施例1で用いた薄膜形成
装置(図1参照)において、基体保持手段122の基幹
部122aの代わりにステンレス製で中空円筒状の第2
誘導電極を用いた他は同様の薄膜形成装置を用い、基体
100と同じ樹脂製基体の表面上にDLCよりなる薄膜
を形成した。すなわち、本実施例では、基体100の基
体を介して第1誘導電極の反対側に第2誘導電極が設け
られた薄膜形成装置を用いた。
【0054】第2誘導電極は基体設置台120と導通し
て設けたため、実施例1のように第1誘導電極に負のバ
イアス電圧を印加したときには、第2誘導電極にも同じ
大きさの負のバイアス電圧が印加された。すなわち、基
体を介して第1誘導電極の反対側に第2誘導電極を設置
し、第1誘導電極および第2誘導電極に負のバイアス電
圧を印加している間に、蒸発粒子を網状部124から導
入した。 (比較例1)本比較例では、実施例1で用いた薄膜形成
装置(図1参照)において、第1誘導電極の網状部12
4の代わりにその底部(上面)が除かれた網状部を設置
した他は同様の薄膜形成装置を用い、実施例1と同様の
手順によって基体100と同じ樹脂製基体の表面上にD
LCよりなる薄膜を形成した。すなわち、本比較例で
は、基体の近傍に設けられる補助電極に、基体を完全に
包囲していないものを用いた。 (比較例2)本比較例では、実施例1で用いた薄膜形成
装置(図1参照)において、第1誘導電極の網状部12
4を設置しなかった他は同様の薄膜形成装置を用い、実
施例1と同様の手順によって基体100と同じ樹脂製基
体の表面上にDLCよりなる薄膜を形成した。すなわ
ち、本比較例では、基体の近傍に設けられる補助電極
に、基体をさらに完全に包囲していないものを用いた。 (比較例3)本比較例では、実施例2で使用した薄膜形
成装置において、第1誘導電極の網状部124を設置し
なかった他は同様の薄膜形成装置を用い、実施例1と同
様の手順によって基体100と同じ樹脂製基体の表面上
にDLCよりなる薄膜を形成した。 [摩耗特性の評価]上記各実施例で得られた薄膜、およ
び各比較例で得られた薄膜について、ボールオンディス
ク試験法によりディスク摩耗深さを室温にてそれぞれ測
定し、各薄膜の摩耗性について評価を行った。ここでの
ボールオンディスク試験の試験条件を表1に示す。ま
た、そのディスク摩耗深さの測定結果を図6に示す。
【0055】
【表1】 図6より、実施例1で得られた薄膜では、比較例1〜3
で得られた薄膜のいずれに対してもディスク摩耗深さが
小さいことがわかる。この結果から、実施例1の薄膜
は、比較例1〜3の薄膜よりも摩耗特性に優れることが
わかる。
【0056】また、実施例2の薄膜では、実施例1の薄
膜よりもディスク摩耗深さがさらに小さいことがわか
る。この結果から、実施例2の薄膜は、実施例1の薄膜
よりも摩耗特性に優れることがわかる。 [硬さ特性の評価]また、上記各実施例で得られた薄
膜、および各比較例で得られた薄膜について、ビッカー
ス硬さ試験法により硬さをそれぞれ測定し、各薄膜の硬
さ特性について評価を行った。ここでの硬さ試験は、マ
イクロビッカース硬度計で荷重5grf、負荷時間10
秒で測定した。その硬さ試験の測定結果を図7に示す。
【0057】図7より、実施例1で得られた薄膜では、
比較例1〜3で得られた薄膜のいずれに対しても硬さが
大きいことがわかる。この結果から、実施例1の薄膜
は、比較例1〜3の薄膜よりも硬さ特性に優れているこ
とがわかる。比較例1〜3では、摩耗によって実施例1
よりも速い時間に薄膜が削り取られた。特に、比較例3
では、摺動軌道端に薄膜膜の剥離が発生していた。
【0058】また、実施例2の薄膜は、実施例1の薄膜
よりも硬さがさらに大きいことがわかる。この結果か
ら、実施例2の薄膜では、実施例1の薄膜よりも硬さ特
性に優れていることがわかる。 [総合評価]実施例1の薄膜が、比較例1〜3のいずれ
の薄膜よりも摩耗特性および硬さ特性に優れることがわ
かった。この結果から、基体100の近傍に、網状部1
24を有して基体100を被包する第1誘導電極を設
け、この第1誘導電極に負のバイアス電圧を印加してい
る間に、第1誘導電極の外で発生させた蒸発粒子を、網
状部124から導入して基体100の表面上に堆積させ
ることにより、薄膜特性に優れた薄膜が形成されること
が明らかである。この実施例1のような薄膜が形成され
た樹脂材を、摺動部品など使用中に極めて大きな摩擦力
を受けるような部材に用いれば、優れた摺動特性が得ら
れる。
【0059】また、実施例2の薄膜が、実施例1の薄膜
よりも摩耗特性および硬さ特性に優れることがわかっ
た。この結果から、実施例1に対して、基体100を介
して第1誘導電極の反対側に第2誘導電極を設置し、第
1誘導電極および第2誘導電極に負のバイアス電圧を印
加している間に、蒸発粒子を網状部124から導入する
ことにより、さらに薄膜特性に優れた薄膜が形成される
ことが明らかである。この実施例2のような薄膜が形成
された樹脂材を、摺動部品など使用中に極めて大きな摩
擦力を受けるような部材に用いれば、さらに優れた摺動
特性が得られる。
【0060】各実施例では、蒸発粒子発生手段130
(発生源)を適宜選択することにより、上述のようなD
LCよりなる薄膜(C系薄膜)の他に、TiN、Cr
N、TiAlN、TiC、TiN等の窒化物や炭化物よ
りなる薄膜を形成することもできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例1で用いた薄膜作製装置を概略的に示
す図である。
【図2】 請求項3に記載の薄膜作製装置の一例を概略
的に示す図である。
【図3】 請求項3に記載の薄膜作製装置の一例を概略
的に示す図である。
【図4】 請求項3に記載の薄膜作製装置の一例を概略
的に示す図である。
【図5】 図4に示した薄膜作製装置の一使用例を示す
図である。
【図6】 実施例および比較例の各薄膜について、摩耗
試験の結果を示すグラフである。
【図7】 実施例および比較例の各薄膜について、硬さ
試験の結果を示すグラフである。
【符号の説明】
100:基体 110:密閉容器 120:基体設置台
(第1誘導電極) 124:網状部(第1誘導電極)
130:イオンガン(蒸発粒子発生手段) 140:電
圧印加手段

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基体の近傍に、網状部を有して該基体を
    被包する第1誘導電極を設け、該第1誘導電極に負のバ
    イアス電圧を印加している間に、該第1誘導電極の外部
    に設けられている蒸発粒子発生手段で発生させた蒸発粒
    子を、該網状部から導入して該基体の表面上に堆積させ
    ることにより薄膜を形成することを特徴とする薄膜形成
    方法。
  2. 【請求項2】 前記基体を介して前記第1誘導電極の反
    対側に第2誘導電極を設置し、該第1誘導電極および該
    第2誘導電極に負のバイアス電圧を印加している間に、
    前記蒸発粒子を前記網状部から導入する請求項1に記載
    の薄膜形成方法。
  3. 【請求項3】 任意に真空度を変えることのできる密閉
    容器と、該密閉容器内に基体を保持する基体保持手段
    と、該密閉容器内に蒸発粒子を発生させる蒸発粒子発生
    手段とを備え、該蒸発粒子を基体の表面上に堆積させて
    薄膜を形成する薄膜形成装置において、 前記基体保持手段に保持された前記基体の近傍に、前記
    蒸発粒子が導入される網状部を有して該基体を被包する
    第1誘導電極が設けられているとともに、該第1誘導電
    極に負のバイアス電圧を印加する電圧印加手段が設けら
    れていることを特徴とする薄膜形成装置。
  4. 【請求項4】 前記基体を介して前記第1誘導電極の反
    対側に第2誘導電極が設けられているとともに、該第2
    誘導電極に負のバイアス電圧を印加する電圧印加手段が
    設けられている請求項3に記載の薄膜形成装置。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007510258A (ja) * 2003-10-31 2007-04-19 ベントラコー リミテッド 導電性メッシュを使用するプラズマ浸漬イオン埋め込み
CN103060759A (zh) * 2011-10-21 2013-04-24 鸿富锦精密工业(深圳)有限公司 镀膜装置
CN103074584A (zh) * 2011-10-25 2013-05-01 鸿富锦精密工业(深圳)有限公司 镀膜装置
CN106319455A (zh) * 2015-06-24 2017-01-11 英属开曼群岛商精曜有限公司 镀膜系统

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