JP2000080281A - 含ケイ素耐熱材料 - Google Patents

含ケイ素耐熱材料

Info

Publication number
JP2000080281A
JP2000080281A JP24983198A JP24983198A JP2000080281A JP 2000080281 A JP2000080281 A JP 2000080281A JP 24983198 A JP24983198 A JP 24983198A JP 24983198 A JP24983198 A JP 24983198A JP 2000080281 A JP2000080281 A JP 2000080281A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
group
silicon
groups
composite material
containing polymer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP24983198A
Other languages
English (en)
Inventor
Rikio Yokota
力男 横田
Masayoshi Ito
正義 伊藤
Koji Inoue
浩二 井上
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsui Chemicals Inc
Original Assignee
Mitsui Chemicals Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsui Chemicals Inc filed Critical Mitsui Chemicals Inc
Priority to JP24983198A priority Critical patent/JP2000080281A/ja
Publication of JP2000080281A publication Critical patent/JP2000080281A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Reinforced Plastic Materials (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 一般の有機溶剤に可溶な含ケイ素ポリマと無
機繊維を用いた、超高温下において使用可能な航空宇宙
用の耐熱構造材料を提供する。 【解決手段】 一般式(1)〔化1〕 【化1】 (式中、R1 、R2 はお互い独立に水素原子、炭素数1
から30のアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、
フェニル基やナフチル基である。R3 は炭素数1から3
0のアルキレン基、アルケニレン基、アルキニレン基、
フェニレン基やナフチレン基、芳香族基が直接または架
橋員により炭素数1から30のアルキレン基、アルケニ
レン基、アルキニレン基、芳香族基と連結した基であ
る。)で表される樹脂と無機繊維とからなる複合材料を
構成成分としてアブレーション材料またはロケット推進
装置のノズル材料をつくる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、分子中にケイ素を
含む複合材料を構成成分とする耐熱、耐酸化性のアブレ
ーション材料およびロケット推進装置のノズル材料に関
する。
【0002】
【従来の技術】近年、航空宇宙産業の発展に伴い軽量
で、耐熱、耐酸化性に優れた材料の開発が盛んである。
すなわち例えば、高強度で靱性を有するが重い金属、耐
熱性に優れやや軽量であるが加工性と靱性に劣るセラミ
ックスやガラス、一方これらの材料の欠点を補う軽量材
料として種々のエンプラを用いた高分子系複合材料が開
発されてきた。
【0003】高分子系複合材料の耐熱性は、マトリック
スである樹脂の耐熱性に支配される。現状での耐熱性は
ポリイミドが最高であるが、プリプレグの製造において
は、ワニスの調製にN−メチルピロリドン、N,N−ジ
メチルホルムアミドなどの特殊な溶剤が必要である。残
存溶剤を極力少なくすることが硬化物中のボイドをなく
し、耐熱性を向上させるために重要であるが、これらの
溶剤はいずれも沸点が高く、ボイドが発生し易いという
問題がある。従って加工にも長時間を要していた。
【0004】また本発明にかかわる航空宇宙用耐熱材料
としては、フェノール樹脂をマトリックス、炭素繊維を
強化材とする複合材料が開発されている。この他耐酸化
性を向上させた材料として種々の金属系複合材料やセラ
ミックス系複合材料が開発されてきているが、重い、製
造法が難しいなどの問題を含んでいる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは、従来の
高分子系複合材料より耐熱性および耐燃焼性に優れた含
ケイ素高分子をマトリックス樹脂とする複合材料に注目
し、これを構成成分とするアブレーション材料およびロ
ケット推進装置のノズル材料の開発にむかって鋭意努力
し、本発明に到達した。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、一般式(1)
〔化3〕
【0007】
【化3】 (式中、R1 、R2 はお互い独立に水素原子、炭素数1
から30のアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、
フェニル基やナフチル基であり、これらの基はハロゲン
原子、水酸基、アミノ基、カルボキシル基を含んでいて
もよい。R3 は炭素数1から30のアルキレン基、アル
ケニレン基、アルキニレン基、フェニレン基やナフチレ
ン基、芳香族基が直接または架橋員により炭素数1から
30のアルキレン基、アルケニレン基、アルキニレン
基、芳香族基と連結した基であり、これらの基はハロゲ
ン原子、水酸基、アミノ基、カルボキシル基を含んでい
てもよい。mは0または1である。)で表される繰り返
し単位を有する含ケイ素ポリマーおよび/または、当該
含ケイ素ポリマーの硬化物と、1〜80重量%(複合材
料の全重量に対して)の無機繊維を含んでなる複合材料
を構成成分とするアブレーション材料およびロケット推
進装置のノズル材料である。
【0008】また本発明は、酸素の存在下または非存在
下にて、1000〜4000℃の環境下で使用できるこ
とを特徴とするアブレーション材料およびロケット推進
装置のノズル材料である。
【0009】また本発明は、無機繊維が炭素繊維、含ケ
イ素セラミックス繊維またはガラス繊維である複合材料
を構成成分とするアブレーション材料およびロケット推
進装置のノズル材料である。
【0010】本発明における一般式(1)〔化4〕
【0011】
【化4】 (式中、R1 、R2 はお互い独立に水素原子、炭素数1
から30のアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、
フェニル基やナフチル基であり、これらの基はハロゲン
原子、水酸基、アミノ基、カルボキシル基を含んでいて
もよい。R3は炭素数1から30のアルキレン基、アル
ケニレン基、アルキニレン基、フェニレン基やナフチレ
ン基、芳香族基が直接または架橋員により炭素数1から
30のアルキレン基、アルケニレン基、アルキニレン
基、芳香族基と連結した基であり、これらの基はハロゲ
ン原子、水酸基、アミノ基、カルボキシル基を含んでい
てもよい。mは0または1である。)で表される繰り返
し単位を有する含ケイ素ポリマーとは、下記の繰り返し
単位部分が少なくとも全高分子の1/3以上を占めるも
のである。具体的にはがシリレンエチニレン、メチルシ
リレン、フェニルシリレン、シリレンエチニレン−1,
3−フェニレンエチニレン(化学式(2))〔化5〕
【0012】
【化5】 、シリレンエチニレン−1, 4−フェニレンエチニレ
ン、シリレンエチニレン−1, 2−フェニレンエチニレ
ン、メチルシリレンエチニレン−1, 3−フェニレンエ
チニレン(化学式(3))〔化6〕
【0013】
【化6】 、メチルシリレンエチニレン−1, 4−フェニレンエチ
ニレン、メチルシリレンエチニレン−1, 2−フェニレ
ンエチニレン、ジメチルシリレンエチニレン−1, 3−
フェニレンエチニレン、ジメチルシリレンエチニレン−
1, 4−フェニレンエチニレン、ジメチルシリレンエチ
ニレン−1, 2−フェニレンエチニレン、ジエチルシリ
レンエチニレン−1,3−フェニレンエチニレン、フェ
ニルシリレンエチニレン−1, 3−フェニレンエチニレ
ン(化学式(4))〔化7〕
【0014】
【化7】 、フェニルシリレンエチニレン−1, 4−フェニレンエ
チニレン、フェニルシリレンエチニレン−1, 2−フェ
ニレンエチニレン、ジフェニルシリレンエチニレン−
1, 3−フェニレンエチニレン、ヘキシルシリレンエチ
ニレン−1, 3−フェニレンエチニレン、ビニルシリレ
ンエチニレン−1, 3−フェニレンエチニレン(化学式
(5))〔化8〕
【0015】
【化8】 、エチニルシリレンエチニレン−1, 3−フェニレンエ
チニレン、2−プロペニルシリレンエチニレン−1, 3
−フェニレンエチニレン、2−プロピニルシリレンエチ
ニレン−1, 3−フェニレンエチニレン、トリフルオメ
チルロシリレンエチニレン−1, 3−フェニレンエチニ
レン、3, 3, 3−トリフルオロプロピルシリレンエチ
ニレン−1, 3−フェニレンエチニレン、4−メチルフ
ェニルシリレンエチニレン−1, 3−フェニレンエチニ
レン、4−ビニルフェニルシリレンエチニレン−1, 3
−フェニレンエチニレン、シリレンエチニレン(5−メ
チル−1, 3−フェニレン)エチニレン、フェニルシリ
レンエチニレン(5−メチル−1, 3−フェニレン)エ
チニレン、フェニルシリレンエチニレン(5−シリル−
1, 3−フェニレン)エチニレン、フェニルシリレンエ
チニレン(5−ヒドロキシ−1, 3−フェニレン)エチ
ニレン、フェニルシリレンエチニレン−2, 7−ナフチ
レンエチニレン、シリレンエチニレン−5, 10−アン
トラセネディルエチニレン、フェニルシリレンエチニレ
ン−4, 4' −ビフェニレンエチニレン(化学式
(6))〔化9〕
【0016】
【化9】 、フェニルシリレンエチニレン−1, 4−フェニレンメ
チレン−1',4' −フェニレンエチニレン、フェニルシ
リレンエチニレン−1, 4−フェニレン−2, 2−プロ
ピリデン−1',4' −フェニレンエチニレン、フェニル
シリレンエチニレン−1, 4−フェニレン−2, 2−
(1, 1, 1, 3, 3, 3−ヘキサフルオロプロピリデ
ン)−1',4' −フェニレンエチニレン、(化学式
(7))〔化10〕
【0017】
【化10】 、フェニルシリレンエチニレン−1, 4−フェニレンオ
キシ−1',4' −フェニレンエチニレン(化学式
(8))〔化11〕
【0018】
【化11】 、フェニルシリレンエチニレン−2, 5−ピリジネディ
ルエチニレン、フェニルシリレンエチニレン−2, 5−
チオフェネディリルエチニレン、メチルシリレンエチニ
レンメチレンエチニレン、フェニルシリレン−1, 4−
フェニレン(フェニルシリレン)エチニレン−1',3'
−フェニレンエチニレン(化学式(9))〔化12〕
【0019】
【化12】 、フェニルシリレンオキシ(フェニルシリレン)エチニ
レン−1',3' −フェニレンエチニレン(化学式(1
0))〔化13〕
【0020】
【化13】 、フェニルシリレンオキシ(フェニルシリレン)エチニ
レン−1',4' −フェニレンエチニレン、フェニルシリ
レンイミノ(フェニルシリレン)エチニレン−1',3'
−フェニレンエチニレン(化学式(11))〔化14〕
【0021】
【化14】 、フェニルシリレンイミノ(フェニルシリレン)エチニ
レン−1',4' −フェニレンエチニレン、(化学式(1
2))〔化15〕
【0022】
【化15】 、化学式(13)〔化16〕
【0023】
【化16】 、化学式(14)〔化17〕
【0024】
【化17】 、化学式(15)〔化18〕
【0025】
【化18】 、化学式(16)〔化19〕
【0026】
【化19】 、化学式(17)〔化20〕
【0027】
【化20】 、化学式(18)〔化21〕
【0028】
【化21】 、シリレン−1, 3−フェニレンエチニレン(化学式
(19))〔化22〕
【0029】
【化22】 、シリレン−1, 4−フェニレンエチニレン、シリレン
−1, 2−フェニレンエチニレン、フェニルシリレン−
1, 3−フェニレンエチニレン(化学式(20))〔化
23〕
【0030】
【化23】 、フェニルシリレン−1, 4−フェニレンエチニレン、
フェニルシリレン−1,2−フェニレンエチニレン、ジ
フェニルシリレン−1, 3−フェニレンエチニレン、メ
チルシリレン−1, 3−フェニレンエチニレン(化学式
(21))〔化24〕
【0031】
【化24】 、メチルシリレン−1, 4−フェニレンエチニレン、メ
チルシリレン−1, 2−フェニレンエチニレン、ジメチ
ルシリレン−1, 3−フェニレンエチニレン、ジエチル
シリレン−1, 3−フェニレンエチニレン等が挙げられ
る。重量平均分子量に特に制限はないが、好ましくは5
00〜500000である。これらの含ケイ素ポリマー
の形態は常温で固体もしくは液状である。
【0032】一般式(1)で表される含ケイ素ポリマー
の製造方法としては、塩基性酸化物、金属水素化物、金
属化合類物を触媒としてジエチニル化合物とシラン化合
物の脱水素共重合を行う方法(特開平7−90085)
や、塩基性酸化物を触媒としてエチニルシラン化合物の
脱水素重合を行う方法(特開平9−143271)、有
機マグネシウム試薬とジクロロシラン類を反応させる方
法(特開平7−102069)、塩化第一銅と三級アミ
ンを触媒としてジエチニル化合物とシラン化合物の脱水
素共重合を行う方法(Hua Qin Liu and John F. Harro
d, The CanadianJournal of Chemistry, Vol. 68, 1100
-1105(1990) )等を使用できるが、特にこれらの方法に
限定されるものではない。
【0033】一般式(1)で表される含ケイ素ポリマー
の硬化物を得るには、熱による硬化、遷移金属、遷移金
属錯体またはラジカル開始剤を用いた反応による硬化の
ような方法を採用できるが、本発明はこれらの製造方法
に特に限定されるものではない。
【0034】熱で硬化させる場合は窒素、ヘリウム、ア
ルゴン等の不活性ガス中、または減圧下で行う。加熱温
度は50〜1000℃が適切である。加熱時間について
は特に制限はないが、1分〜100時間が適切である。
温度や時間は、含ケイ素ポリマーの種類、形状、形態に
よって異なる。これらの硬化は、含ケイ素ポリマーと無
機繊維の複合材料を熱処理することによって、あるいは
遷移金属、遷移金属錯体またはラジカル開始剤を用いて
反応させることによって行うことが望ましい。
【0035】複合材料は、該含ケイ素ポリマーを無機繊
維と混合することによって得られる。本発明において用
いられる無機繊維としては、炭素繊維、含ケイ素セラミ
ックス繊維、ガラス繊維等が挙げられる。さらに含ケイ
素セラミックス繊維を例示すれば、炭化ケイ素繊維、窒
化ケイ素繊維、炭素/ケイ素/酸素繊維、炭化ケイ素/
タングステン繊維、炭素/ケイ素/チタン繊維、炭素/
ケイ素/チタン/酸素繊維、炭化ケイ素/ホウ素/タン
グステン繊維などが挙げられるが、特にこれらに限定さ
れるものではない。無機繊維の形態は繊維状でも織布状
でもよい。繊維の長さは0.0001mm以上、好まし
くは0.01mm以上である。無機繊維の単繊維の太さ
は0.1〜300μm、好ましくは1〜200μmであ
る。無機繊維がガラス繊維の場合、表面はシランカップ
リング剤等で処理されていてもよい。
【0036】また炭素繊維の場合、表面は酸化、エッチ
ング、サイジング、ウイスカライジング等の処理をされ
ていてもよい。また含ケイ素セラミックス繊維の場合
は、該ケイ素系高分子化合物との濡れ性が良く、特に表
面処理を必要としないが、サイジング等の処理をされて
いてもよい。織布を用いる場合には織り方に特に制限は
なく、平織、綾織等が用いられる。織布の厚さは0.0
1〜1mm、好ましくは0.04〜0.25mm。無機
繊維の含有量は複合材料(I)の1〜80重量%、好ま
しくは5〜70重量%である。
【0037】次に本発明における複合材料の製造方法に
ついて述べる。本発明は、ケイ素系高分子化合物を無機
繊維と混合することが特徴であり、下記の製造法の例の
みに限定されるものではない。例えば一般式(1)で表
される含ケイ素ポリマーと無機短繊維をミキサーで混合
し、溶融混練して、無機短繊維を均一に分散する方法、
又は、該含ケイ素ポリマーを溶融し無機繊維に付着させ
て、加圧する方法がある。
【0038】溶融温度は50〜200℃、好ましくは5
0〜150℃である。また加える圧力に特に制限はない
が、0.3〜40MPa、好ましくは0.3〜20MP
a、更に好ましくは0.5〜15MPaである。又は、
該含ケイ素ポリマーを含むワニスを無機繊維に付着さ
せ、溶剤を除去し、加熱、加圧する方法がある。さらに
該含ケイ素ポリマーを付着させた無機繊維の成型体をゴ
ムで密封し、内部を減圧しながら外部を加圧する方法
(真空バック成型)も採用できる。本発明における含ケ
イ素系ポリマーは重合溶液のままワニスとして使用する
ことができるが、必要とあらば溶剤を濃縮し、貧溶媒中
で析出させた含ケイ素ポリマーを、溶剤に溶解して使用
することもできる。この場合ワニスに用いられる溶剤と
しては、ベンゼン、トルエンやキシレン等の芳香族系溶
剤、ジエチルエーテル、テトラヒドロフランや1,4−
ジオキサン等のエーテル系溶剤、ジクロロメタン、クロ
ロホルムやジブロモメタン等のハロゲン置換炭化水素系
溶剤、N,N−ジメチルホルムアミドやN,N−ジメチ
ルアセトアミド等のアミド系溶剤等が有効である。特に
本発明にかかわるケイ素系高分子化合物は、低沸点で取
扱いの容易なトルエン、キシレン等に50重量%以上溶
解し、ボイドの発生を効果的に抑えることができるのが
特徴である。また、これらの溶剤は単独でも、2種以上
を混合して用いても良い。含ケイ素ポリマーが液状の場
合には、必ずしも溶剤を用いる必要はない。 該含ケイ
素ポリマーを10重量%以上含有する溶液は、室温でゲ
ル化せず、溶液貯蔵安定性に優れており、少なくとも3
カ月間以上、通常は5カ月間以上ゲル化せずに溶液で貯
蔵できる。また該含ケイ素ポリマーを10重量%以上含
有する溶液は、所定の濃度で貯蔵でき、用途に応じて適
宜希釈して使用できる。
【0039】溶剤の量は含ケイ素ポリマー1gに対して
0.1〜30ml、好ましくは0.5〜10ml、更に
好ましくは1〜3mlである。また加熱温度は50〜2
00℃、好ましくは50〜150℃である。加える圧力
に特に制限はないが、0.3〜40MPa、好ましくは
0.3〜20MPa、更に好ましくは0.5〜15MP
aである。又は、該含ケイ素ポリマーのフィルムと無機
繊維を積層して溶融し付着させ、加圧する方法がある。
溶融温度は50〜200℃、好ましくは50〜150℃
である。加える圧力に特に制限はないが、0.3〜40
MPa、好ましくは0.3〜20MPa、更に好ましく
は0.5〜15MPaである。又は、該含ケイ素ポリマ
ーの粉末を空気または静電気システムで浮遊させた中に
無機繊維を通し、高周波または誘導加熱により該含ケイ
素ポリマーを溶融し付着させ、加圧する方法等が挙げら
れる。溶融温度は50〜200℃、好ましくは50〜1
50℃である。加える圧力に特に制限はないが、0.3
〜40MPa、好ましくは0.3〜20MPa、更に好
ましくは0.5〜15MPaである。
【0040】前述のようにこのようにして得られた複合
材料を例えば更に空気、窒素、アルゴン、ヘリウム等の
ガス雰囲気下で熱処理することにより硬化物と繊維から
なる複合材料が得られる。繊維が炭素繊維またはガラス
繊維の場合、熱処理温度は50〜1000℃、好ましく
は150〜700℃、さらに好ましくは150〜500
℃である。熱処理時間に特に制限はないが、通常1分〜
1000時間である。無機繊維が含ケイ素セラミックス
繊維の場合、熱処理温度は50〜2500℃、好ましく
は150〜1500℃、さらに好ましくは150〜70
0℃である。熱処理時間に特に制限はないが、通常1分
〜1000時間である。熱処理は、減圧、常圧または加
圧下で行う。 温度、時間は含ケイ素ポリマーの種類、
形状、形態により異なる。この場合、Rh4(CO)12 、Ir
4(CO)12 、Pd(dba)2(式中、dba はジベンジリデンアセ
トンを示す。以下同様)、PtX2(RCN)2、Pt(dba)2などの
遷移金属触媒、又は、ジt−ブチルペルオキシド、アゾ
ビスイソブチロニトリルなどのラジカル開始剤を用いて
もよい。
【0041】さらに複合材料には、通常の樹脂組成物に
使用する次のような充填剤等を用いてもよい。すなわ
ち、三酸化アンチモン、炭酸マグネシウム、炭酸カルシ
ウムなどの難燃性向上剤、グラファイト、カーボランダ
ム、ケイ石粉、二硫化モリブデン、フッ素系樹脂などの
耐摩耗性向上剤、クレー、マイカなどの電気特性向上
剤、アスベスト、シリカ、グラファイトなどの耐クラッ
キング向上剤、硫酸バリウム、シリカ、メタケイ酸カル
シウムなどの耐酸性向上剤、鉄粉、亜鉛粉、アルミニウ
ム粉、銅粉などの熱伝導度向上剤、その他ガラスビー
ズ、ガラス球、タルク、アルミナ、シラスバルン、水和
アルミナ、金属酸化物、着色料などを用いてもよい。
【0042】次にアブレーション材料およびロケット推
進装置のノズル材料について述べる。材料は、上述の複
合材料を目的の形状に加工して製造される。この場合他
の構造材料と多層にして用いることも可能である。また
本発明における含ケイ素ポリマーの複合材料と含ケイ素
ポリマーの硬化物の複合材料とを多層にして用いること
も可能である。これら材料の使用条件に特に制限はない
が、例えば酸素の存在下あるいは非存在下、1000〜
4000℃の高温において用い得る。本材料は耐放射線
性にすぐれ、放射線に曝される宇宙環境においてもその
特性に変化がないのが特徴のひとつである。宇宙から地
球への帰還時における大気圏突入によって生ずる高温環
境下において、またロケット推進装置の固体燃料の燃焼
時に生ずる高温環境下においてその特性を効果的に発揮
することが特徴である。
【0043】
【実施例】以下、本発明を実施例によって説明する。 実施例1 特開平5−345825に記載されている方法に従いポ
リ(フェニルシリレンエチニレン-1,3- フェニレンエチ
ニレン)を合成した。
【0044】10リットルのガラス製反応容器に、Mg
(OH)2 を500℃にて3時間排気焼成したMgOを
498g、フェニルシランを228g、m-ジエチニルベ
ンゼンを266g、および溶媒としてベンゼン4リット
ルを仕込んだ。次にアルゴン雰囲気中にて30℃で1時
間、40℃で1時間、50℃で1時間、60℃で1時
間、さらに80℃で2時間、合計6時間反応させた。反
応終了後、反応液を濾過しMgOを分離除去した。濾過
した反応液中の溶媒をポリマーが析出しない程度に減圧
留去した後、溶液を8リットルのヘキサン中に注入し、
ポリマーを析出させた。得られたポリマーを60℃にて
減圧乾燥させ、最終的に319gの淡黄色の粉末を得た
(収率65%)。ポリマーの重量平均分子量は690
0、数平均分子量は2300であった。またその構造は
IR、NMRスペクトルにより確認した。
【0045】得られたポリ(フェニルシリレンエチニレ
ン-1,3- フェニレンエチニレン)40gをトルエン46
mlに溶解して50重量%の溶液を調製した。この溶液
を室温で5カ月間貯蔵したが、ゲル化しなかった。本発
明におけるワニスが貯蔵安定性に優れていることを示し
ている。
【0046】この溶液を10cm×7cmに裁断した炭
素繊維織布(東邦レーヨン(株)製ベスファイト W−
1103、厚さ0.25mm)に含浸させ、60℃で1
5時間真空乾燥した。炭素繊維の含有量は52.5重量
%であった。得られたプリプレグを12枚積層し、15
0℃で1時間真空プレスして複合材料を得た。更にこれ
をアルゴン雰囲気下、400℃で2時間熱処理して厚さ
1.6mmの炭素繊維強化複合材料を得た。
【0047】日本工業規格JIS K 7207に従
い、荷重1.8MPa(18.5kgf/cm2 )の条
件下でこの複合材料の熱変形温度を測定したところ40
8℃であった。また、日本工業規格JIS K 720
1に従い、この複合材料の酸素指数を測定したところ5
9であった。次に空気中にてこの複合材料にガスバーナ
ーによる火炎を10分間あてて燃焼試験を行った。赤色
に変色したが不燃かつ無煙で、火炎を除去後は元の形態
のままであった。
【0048】プレプレグの積層枚数を60枚とし、厚さ
8mmの複合材料(比重1.16)を得た。これから大
きさ4cm×4cmの試験片(A)を作成した。またフ
ェノール樹脂と炭素繊維からなる同じ大きさの複合材料
(比重1.39)の試験片(B)を用意した。次にこれ
らの試験品を2500℃に設定した電気炉中に5分間静
置し、それらの形状変化を観察し、比較した。ともに表
面は酸化されたが、表面形状の変化の具合は試験片
(B)の方が激しく、試験片(A)の破壊程度は試験片
(B)の半分以下であった。
【0049】
【発明の効果】本発明におけるアブレーション材料およ
びロケット推進装置のノズル材料は、その製造方法が容
易であるばかりでなく、軽量で耐放射線性にすぐれ、か
つ耐熱、耐燃焼性にすぐれ、従来の材料より航空宇宙用
に適した材料である。
フロントページの続き Fターム(参考) 4F072 AA02 AA04 AB08 AB09 AB10 AB28 AD47 AG02 AG17 AH02 AJ04 AK05 AK20 AL17 4J002 AA031 AA041 AA071 CP001 DA016 DJ006 DM006 FA056 FA066 FD010

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式(1)〔化1〕 【化1】 (式中、R1 、R2 はお互い独立に水素原子、炭素数1
    から30のアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、
    フェニル基やナフチル基であり、これらの基はハロゲン
    原子、水酸基、アミノ基、カルボキシル基を含んでいて
    もよい。R3 は炭素数1から30のアルキレン基、アル
    ケニレン基、アルキニレン基、フェニレン基やナフチレ
    ン基、芳香族基が直接または架橋員により炭素数1から
    30のアルキレン基、アルケニレン基、アルキニレン
    基、芳香族基と連結した基であり、これらの基はハロゲ
    ン原子、水酸基、アミノ基、カルボキシル基を含んでい
    てもよい。mは0または1である。)で表される繰り返
    し単位を有する含ケイ素ポリマーおよび/または、当該
    含ケイ素ポリマーの硬化物と、1〜80重量%(複合材
    料の全重量に対して)で表される樹脂と無機繊維とから
    なる複合材料をアブレーション材料として使用すること
    を特徴とする含ケイ素耐熱材料。
  2. 【請求項2】 一般式(1)〔化2〕 【化2】 (式中、R1 、R2 はお互い独立に水素原子、炭素数1
    から30のアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、
    フェニル基やナフチル基であり、これらの基はハロゲン
    原子、水酸基、アミノ基、カルボキシル基を含んでいて
    もよい。R3 は炭素数1から30のアルキレン基、アル
    ケニレン基、アルキニレン基、フェニレン基やナフチレ
    ン基、芳香族基が直接または架橋員により炭素数1から
    30のアルキレン基、アルケニレン基、アルキニレン
    基、芳香族基と連結した基であり、これらの基はハロゲ
    ン原子、水酸基、アミノ基、カルボキシル基を含んでい
    てもよい。mは0または1である。)で表される繰り返
    し単位を有する含ケイ素ポリマーおよび/または、当該
    含ケイ素ポリマーの硬化物と、1〜80重量%(複合材
    料の全重量に対して)で表される樹脂と無機繊維とから
    なる複合材料をロケット推進装置のノズル材料として使
    用することを特徴とする含ケイ素耐熱材料。
  3. 【請求項3】 酸素の存在下または非存在下にて、10
    00〜4000℃の環境下で使用することを特徴とする
    請求項1または2のいずれかに記載の含ケイ素耐熱材
    料。
  4. 【請求項4】 無機繊維が炭素繊維、含ケイ素セラミッ
    クス繊維またはガラス繊維であることを特徴とする請求
    項1または2のいずれかに記載の含ケイ素耐熱材料。
JP24983198A 1998-09-03 1998-09-03 含ケイ素耐熱材料 Withdrawn JP2000080281A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP24983198A JP2000080281A (ja) 1998-09-03 1998-09-03 含ケイ素耐熱材料

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP24983198A JP2000080281A (ja) 1998-09-03 1998-09-03 含ケイ素耐熱材料

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2000080281A true JP2000080281A (ja) 2000-03-21

Family

ID=17198845

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP24983198A Withdrawn JP2000080281A (ja) 1998-09-03 1998-09-03 含ケイ素耐熱材料

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2000080281A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101729234B1 (ko) * 2016-11-08 2017-04-21 주식회사 신금하 로켓 노즐 내열재용 페놀 컴파운드 조성물 및 이를 이용하여 제조된 로켓 노즐

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101729234B1 (ko) * 2016-11-08 2017-04-21 주식회사 신금하 로켓 노즐 내열재용 페놀 컴파운드 조성물 및 이를 이용하여 제조된 로켓 노즐

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Ren et al. Modification on glass fiber surface and their improved properties of fiber-reinforced composites via enhanced interfacial properties
JP4009067B2 (ja) 付加硬化型シリコーン樹脂組成物
CA2049180C (en) High modulus silicones as toughening agents for epoxy resins
US20090275695A1 (en) Process for preparing siloxane-based compositions and derivative compositions thereof
US20070093587A1 (en) Silicon carbide precursors and uses thereof
US11753544B2 (en) Insulation precursors, rocket motors, and related methods
CN110078951B (zh) 一种液态聚碳硅烷的辐射还原与固化的方法
CN109867793B (zh) 一种含碳硼烷和硅烷结构的耐高温聚合物的制备方法及其在抗氧化涂层中的应用
Li et al. Synthesis of highly branched polymethylphenylsiloxane grafted epoxy resin copolymer for high efficiency ablation thermal protection coating
JP2759796B2 (ja) 新規なビス(マレイミド)シロキサンおよびその製造方法
JP2000080281A (ja) 含ケイ素耐熱材料
JP3202889B2 (ja) ケイ素系高分子化合物を含む複合材料の製造方法
GB2282819A (en) Crosslinkable and crosslinked polyphenylene oxide compositions
EP0970981A1 (en) Epoxy resin composition and moldings
Guan et al. Modification of silicone resins by Si–N cross-dehydrocoupling with perfect thermal stability and mechanical performance
JP3636940B2 (ja) 難燃性カルボラン含有ケイ素系樹脂組成物及びその硬化体の製造方法
JPH09324125A (ja) ケイ素系高分子化合物を含む複合材料およびその製造方法
TWI843264B (zh) 用於可交聯網絡的共聚物
JPH0827276A (ja) 含ケイ素耐燃焼性材料
JP4011458B2 (ja) 硬化性エポキシ樹脂組成物およびその製造方法
JP3468716B2 (ja) カルボラン含有ケイ素系樹脂硬化物の製造方法
Laskoski et al. PHTHALONITRILE (PN) RESINS: Phthalonitrile (PN) Resins/Composites Produced from Commodity Chemicals for Economy of Scale.
JPH04220431A (ja) 高靭性ポリイミド樹脂の製造方法、プリプレグの製造方法および繊維強化プラスチックの製造方法
JPH09143271A (ja) 新規なケイ素系ポリマー及びその製造方法
KR20240055105A (ko) 저실라놀 폴리유기실록산의 제조 방법

Legal Events

Date Code Title Description
A761 Written withdrawal of application

Effective date: 20050325

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A761