JP2000080115A - ブロックコポリマーの製造方法 - Google Patents

ブロックコポリマーの製造方法

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JP2000080115A
JP2000080115A JP26225598A JP26225598A JP2000080115A JP 2000080115 A JP2000080115 A JP 2000080115A JP 26225598 A JP26225598 A JP 26225598A JP 26225598 A JP26225598 A JP 26225598A JP 2000080115 A JP2000080115 A JP 2000080115A
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block copolymer
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aromatic monovinyl
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JP26225598A
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Hiroshi Yanagihara
博 柳原
Hoffmanns Juergen
ホフマンス ユルゲン
Van Behlen Marcel
ヴァン ベーレン マルセル
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Asahi Chemical Industry Co Ltd
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Asahi Chemical Industry Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 芳香族モノビニル化合物と共役ジエンとから
なるブロックコポリマーを製造するにあたって、低温で
重合しても重合反応速度が速く、しかもゲルの生成量の
少ないブロックコポリマーが得られ、極性化合物に起因
する共役ジエンの結合構造の規制を受けない重合方法を
提供する。 【解決手段】 モノ有機リチウム化合物あるいは多官能
の有機リチウム化合物を重合開始剤に用いるアニオン重
合において、置換基を有するベンゼン環化合物からなる
π錯化化合物を、π錯化化合物の重合開始剤活性点総量
に対するモル比が1/10〜1000/1の範囲で存在
させて、非極性炭化水素溶媒中で、0〜120℃の重合
温度で共役ジエンと芳香族モノビニル化合物を用いた重
合を行うブロックコポリマーの製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、モノ有機リチウム
化合物や多官能有機リチウム化合物からなる重合開始剤
を用いて共役ジエンと芳香族モノビニル化合物とをブロ
ック共重合してブロックポリマーを製造するための新規
な製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】モノ有機リチウム化合物を重合開始剤に
用いてスチレン−ブタジエン−スチレン(SBS)構造
またはスチレン−イソプレン−スチレン(SIS)構造
のブロックポリマーを重合する試みは古くから検討され
ており、商業的な生産が現在行われている。通常の商業
的な生産においては、重合速度を速くして生産性を向上
させるために60〜120℃の重合温度での重合が行わ
れているが、高い重合温度では副反応である架橋したポ
リマーの生成が認められ、製品品質が悪くなる欠点を有
している。
【0003】このような生産の例として、例えば非極性
炭化水素溶媒中でsec−ブチルリチウムを重合開始剤
に用いて芳香族モノビニル化合物を重合すると、重合の
開始が揃うために分子量分布の狭い芳香族モノビニル化
合物ポリマーが得られる。その後、共役ジエンを添加重
合し、適当なカップリング剤を用いてカップリングする
と、いわゆるABA構造やラジアル構造のブロックコポ
リマーが得られる。カップリング剤を用いずに芳香族モ
ノビニル化合物、共役ジエン、芳香族モノビニル化合物
の順に重合してもABA構造のブロックコポリマーが得
られる。また、予めモノ有機リチウム化合物から多官能
の活性末端を有する化合物を合成して得られる多官能重
合開始剤からは、直接ラジアル構造のブロックコポリマ
ーが得られる。
【0004】また、n−ブチルリチウムを重合開始剤に
用いて芳香族モノビニル化合物を重合する場合には芳香
族モノビニル化合物の重合開始がゆっくり、不均一に行
われるため、sec−ブチルリチウムを用いた場合に比
べて分子量分布の広い芳香族モノビニル化合物ポリマー
が得られる。このため分子量分布の狭いポリマーが必要
は場合には第3級アミン化合物やエーテル化合物などの
極性化合物を併用して重合が行われる。これらの窒素や
酸素原子を有する極性化合物を用いた場合には共役ジエ
ンの重合において得られるポリマーの結合構造が制限さ
れ、結果的に1,2−ビニルの結合の多いポリマーしか
得られない。
【0005】このような極性化合物を用いた重合で得ら
れたポリマー溶液をそのまま次の反応に応用する場合に
も不都合な場合があった。例えば、ポリマーに水素を付
加する反応に供する場合には、これらの極性化合物の
内、窒素原子を含有する化合物である第3級アミン化合
物は共役ジエンポリマーに水素を付加する水添反応の触
媒に対して被毒作用があるため重合溶液をそのまま水添
反応に供することができないという欠点も有していた。
【0006】非極性炭化水素溶媒中で、極性化合物を用
いずに重合速度を高める研究が行われている。例えば、
アニオン重合においてπ電子供与体であるデュレンを用
いるとスチレンの重合速度が変化することが知られてい
る。J. of Polymer Science,Part A,3, 1037-1044,(196
5) によれば、非極性炭化水素溶媒中で、重合活性末端
リチウムに対するデュレンのモル比が1/5において、
デュレンを含まない場合に比べてスチレンの重合速度が
約2倍になると報告されており、デュレンによるπ錯体
の生成を示唆する記載がある。しかしながら、デュレン
のようなπ錯化化合物を積極的に用いてブロックコポリ
マーを重合する試みを示唆するものもなかった。
【0007】通常の非極性溶媒中のアニオン重合による
ブロックコポリマーの製造では、生産性を重視して重合
速度の早い重合温度での重合が実施され、重合温度は6
0〜120℃が用いられる。しかし、100℃を越える
重合温度では共役ジエンに基づく2重結合によって架橋
反応が進行したり、重合活性末端が他のポリマーと反
応、結合して分岐構造が発生することによって目的とす
る分子量を越えるポリマーが生成され、甚だしい場合に
は溶媒に不溶なほどの分子量のゲルが生成し、製品品質
の低下した製品が得られる。一方、20〜60℃の温度
で極性化合物を用いない非極性炭化水素溶媒中で重合を
行うと重合反応速度が遅いので重合完結に長時間を有す
る欠点があった。
【0008】先に述べたアミン化合物やエーテル化合物
などの極性化合物を用いたり、極性溶媒中で重合を行う
ことによって重合反応速度を早くすることができる。し
かし、この場合には共役ジエンポリマーのミクロ構造が
変化して1,2−ビニル結合あるいは3,4−ビニル結
合の含有量が増大する。その結果、得られた共役ジエン
ポリマーの2次転移温度、Tgが高くなってポリマーの
低温特性が損なわれることになる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、モノ
有機リチウム化合物あるいは多官能の有機リチウム化合
物を重合開始剤に用いて芳香族モノビニル化合物と共役
ジエンとからなるブロックコポリマーを製造するにあた
って、低温で重合しても重合反応速度が速く、しかもゲ
ルの生成量の少ないブロックコポリマーが得られ、極性
化合物に起因する共役ジエンの結合構造の規制を受けな
い重合方法を提供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、モノ有機
リチウム化合物あるいは多官能の有機リチウム化合物を
重合開始剤に用いるブロックコポリマーの製造に関わる
上記の欠点を克服するため鋭意検討を行った結果、以下
の発明を完成するに至った。即ち本発明は、置換基を有
するベンゼン環化合物からなるπ錯化化合物の存在下に
モノ有機リチウム化合物あるいは多官能の有機リチウム
化合物を重合開始剤として、非極性炭化水素溶媒中で芳
香族モノビニル化合物と共役ジエンとを共重合してなる
ブロックコポリマーの製造方法、である。
【0011】本発明の実施様態の一つは、モノ有機リチ
ウム化合物あるいは多官能の有機リチウム化合物を重合
開始剤に用いるアニオン重合において、置換基を有する
ベンゼン環化合物からなるπ錯化化合物を、π錯化化合
物の重合開始剤活性点総量に対するモル比が1/10〜
1000/1の範囲で存在させて、非極性炭化水素溶媒
中で、0〜120℃の重合温度で共役ジエンと芳香族モ
ノビニル化合物を用いた重合を行うブロックコポリマー
の製造方法である。用いる非極性炭化水素溶媒は、炭素
原子数が4〜8個の脂肪族炭化水素、脂環族炭化水素あ
るいはそれらの混合物が使用できるが、シクロアルカン
類、特にシクロヘキサン、シクロペンタンが好ましい。
【0012】重合開始剤として用いるモノ有機リチウム
化合物には、n−ブチルリチウム、sec−ブチルリチ
ウム、tert−ブチルリチウム、2−メチル−プロピ
ルリチウム、i−プロピルリチウムなどが挙げられる
が、n−ブチルリチウム、sec−ブチルリチウム、t
ert−ブチルリチウムが好ましい。これらのモノ有機
リチウム化合物の使用量は、目的とするブロックコポリ
マーの分子量と、反応容器などに起因する重合失活成分
の量によって適宜変えて用いる。本発明で用いる3官能
以上の活性点を有する多官能有機リチウム化合物を含有
する重合開始剤とは、上記のモノ有機リチウム化合物と
他の化合物を反応させることによって得られる重合活性
を示す活性点が3官能以上の多官能性有機リチウム化合
物を少なくとも5重量%以上含んでいる重合開始剤であ
る。
【0013】これらの例のうち、特に代表的なものは、
モノ有機リチウム化合物とポリビニル芳香族化合物の二
者を含む反応生成物である。例えば、モノ有機リチウム
化合物とポリビニル芳香族化合物との反応生成物、モノ
有機リチウム化合物と共役ジエン系単量体と反応させた
後、ポリビニル芳香族化合物と反応させた反応生成物、
又はモノ有機リチウム化合物と芳香族モノビニル化合物
を反応させた後、ポリビニル芳香族化合物と反応させた
反応生成物、或いは、モノ有機リチウム化合物と共役ジ
エン系単量体又は芳香族モノビニル化合物、及びポリビ
ニル芳香族化合物の三者を同時に反応させた反応生成物
等が用いられる。さらに、モノ有機リチウム化合物と芳
香族モノビニル化合物との反応生成物に、ポリビニル芳
香族化合物を反応させ、次いで、更に芳香族モノビニル
化合物を反応して得られた触媒も有効である。
【0014】具体的な3官能以上の活性点を有する多官
能有機リチウム化合物を含有する重合開始剤の製造方法
は、特開昭57−40513号公報、特開昭57−40
514号公報、特開平2−229809号公報などに開
示されている。例えば、ジビニルベンゼンとn−ブチル
リチウムのモルが0.05〜0.5の条件で反応調整し
たり、更にブタジエンを加えて反応調整することができ
る。製造された3官能以上の活性点を有する多官能有機
リチウム化合物からは、いわゆるラジアル構造、あるい
は放射状構造と呼ばれるポリマーを製造することができ
る。
【0015】置換基を有するベンゼン環化合物からなる
π錯化化合物とは、有機リチウム化合物や重合活性を示
すリチウムイオンの会合に関与して、その会合を部分的
に解離させる作用を持つ化合物であって、有機リチウム
化合物や重合活性を示すリチウムイオンとは反応をしな
いか、モノマーの重合速度に比べて、十分に遅い反応速
度を持つ化合物のことである。それらにはベンゼン環を
有する化合物で、3個以上のアルキル基で置換されたベ
ンゼン、ドデカハイドロトリフェニレン、ジフェニル置
換メチレン化合物、1,1−ジフェニル置換エチレン化
合物が挙げられる。
【0016】具体的には上記のドデカハイドロトリフェ
ニレンの他に1,2,4,5−テトラメチルベンゼン
(デュレン)、ヘキサメチルベンゼン、2,2−ジフェ
ニルプロパン、テトラフェニルエチレンが挙げられる。
これらのπ錯化化合物は重合開始剤活性点総量に対する
モル比が1/10〜1000/1の範囲で用いられる
が、その最適な範囲はそれぞれの化合物によって異な
り、例えばデュレンでは1/10〜1000/1である
が、用いる溶媒に対する溶解度によっても限定される。
これらのπ錯化化合物とモノ有機リチウム化合物あるい
は多官能の有機リチウム化合物からなる重合開始剤とは
予め混合して置くことも可能であるが、重合モノマーを
投入する前に別々に重合溶媒に添加することが好まし
い。更には、モノマーの投入直前に両者を添加、攪拌混
合して用いることが適当である。反応に用いる原料及び
溶媒は十分精製して用いることが必要である。反応容器
などから持ち込まれる不純物についても考慮する必要が
ある。また、重合反応に用いるモノマーも適宜精製した
ものを用いる。
【0017】ブロックコポリマーを製造するために用い
る芳香族モノビニル化合物や共役ジエンは、アニオン重
合で通常用いられるモノマーであり、例えば共役ジエン
としてブタジエン、イソプレン、2−エチル−1,3−
ブタジエン、2,3−ジメチル1,3−ブタジエン、
1,3−ペンタジエン、1,3−シクロヘキサジエン
を、芳香族モノビニル化合物として、スチレン、α−メ
チルスチレン、p−メチルスチレン、m−メチルスチレ
ン、o−メチルスチレン、p−tert−ブチルスチレ
ン、ジビニルベンゼン、1,1−ジフェニルエチレン、
ビニルナフタレンを挙げることができる。これ以外のモ
ノマーとして、(メタ)アクリル酸エステル類、ビニル
ピリジン、ε−カプロラクトンを共重合成分として用い
ることもできる。
【0018】モノ有機リチウムを重合開始剤として用い
た直鎖構造のブロックコポリマーの重合方法には通常、
モノマーを逐次添加して行う方法とモノマーの反応性比
を利用してブロックコポリマーを作る方法がある。後者
は、例えば共役ジエンと芳香族モノビニル化合物を同時
に重合反応容器に投入する方法であるが、まず共役ジエ
ンの重合が始まり、次第に共役ジエンと芳香族モノビニ
ル化合物の共重合部分が形成され、最後に芳香族モノビ
ニル化合物の単独ポリマーが形成される。ラジアル構造
のブロックコポリマーの場合には重合活性末端を持った
芳香族モノビニル化合物と共役ジエンのブロックコポリ
マー、あるいは更に重合活性末端を持ったそれぞれの単
独ポリマーなどをカップリング剤を用いてカップリング
する方法と、多官能重合開始剤を予め合成して、モノ有
機リチウム化合物を重合開始剤とする重合方法と同様の
方法でブロックコポリマーを重合する方法がある。
【0019】置換基を有するベンゼン環化合物からなる
π錯化化合物の存在下にモノ有機リチウム化合物あるい
は多官能の有機リチウム化合物を重合開始剤として、非
極性炭化水素溶媒中で芳香族モノビニル化合物と共役ジ
エンをそれぞれ単独に重合するに際しては、極性化合物
は不要である。しかし共役ジエンに引き続いて芳香族モ
ノビニル化合物を重合させるブロックコポリマーの場合
には少量の極性化合物が必要である。これは、非極性溶
媒中にπ錯化化合物だけが存在する場合には共役ジエン
のポリマー活性末端であるブタジエニルリチウムが芳香
族モノビニル化合物と反応しないので重合が進まない
が、少量の極性化合物を共存させることによって芳香族
モノビニル化合物の重合が開始してブロックコポリマー
の形成が初めて可能になるためである。
【0020】極性化合物の例としては、テトラハイドロ
フラン(THF)、ジエトキシプロパン、グライム、ジ
グライムなどのエーテル化合物やトリエチルアミン、テ
トラメチルエチレンジアミンなどの第3級アミンを挙げ
ることができる。これらの極性化合物は共役ジエンの重
合が終了した後であれば添加量に上限は無いが、0.1
%以下が適当である。共役ジエンの重合を溶媒を用いて
行う場合には、溶媒に対して極少量、例えば10〜30
0ppm程度である。好ましい極性化合物はTHFであ
る。
【0021】極性化合物とπ錯化化合物を併用した重合
方法において、共役ジエンと芳香族モノビニル化合物を
同時に、重合開始剤あるいは重合活性末端を持つポリマ
ーの入った重合反応器に投入する方法によって得られる
ブロックコポリマーは、従来の極性化合物だけを用いて
同様の方法で得られるポリマーに比べてランダム共重合
部分が少なく、芳香族モノビニル化合物単独ポリマー部
分(オスミウム酸分解によって芳香族モノビニル化合物
単独ポリマーとして検出定量できる部分)が大きくな
る。従って得られたブロックコポリマーは、例えば引張
強度の高いポリマーとなることも本発明の特徴である。
【0022】本発明のモノ有機リチウム化合物および多
官能有機リチウム化合物を重合開始剤に用いて重合して
得られるポリマーは、各重合末端に重合活性を持つリチ
ウムアニオン末端を有しており、その活性末端を使って
極性基の導入ができる。例えばエチレンオキサイドと反
応させると末端に水酸基を持つテレケリックポリマーが
得られる。炭酸ガスと反応させて加水分解すると末端が
カルボン酸基を持つポリマーが得られる。この方法によ
って、例えば1,2−ビニル構造の少ない共役ジエンポ
リマーを中央部分に、芳香族モノビニル化合物ポリマー
を末端部分に持ち、末端に官能基を持ったポリマーの合
成ができる。
【0023】
【実施例】以下、実施例によって具体的に本発明を説明
するが、本発明はこれらに限定されるものではない。溶
媒、デュレン、モノマーは不純物を取り除くために脱水
と蒸留とを行って精製した。テトラフェニルエチレンは
再結晶と昇華法を繰り返して精製した。特にモノマー
は、手早く蒸留を実施した。購入したn−ブチルリチウ
ム(以後n−BuLiと記載する)のシクロヘキサン溶
液は、滴定法によって濃度を求めて使用した。
【0024】(実施例1) n−BuLiによるSBSの重合 10リットルの攪拌機付きオートクレーブを用いて60
℃でABA構造のブロックコポリマーを重合した。シク
ロヘキサン溶媒を用いて、n−BuLiを0.085重
量部とn−BuLiの20倍モルのデュレンを反応器に
仕込み、10分後にスチレン20重量部を投入して重合
を完結した。次にテトラヒドロフラン(THF)0.2
5重量部とスチレン36重量部、ブタジエン44重量部
を投入して重合を完結した。全モノマーの濃度は約10
重量%であった。得られたブロックコポリマーは、GP
Cから数平均分子量(Mn)が10.5万で重量平均分
子量(Mw)と数平均分子量の比(Mw/Mn)が1.
05であった。赤外吸収スペクトルによるモレロ法によ
って求めたミクロ構造は、1,2−ビニル構造が15
%、1,4−シス構造が35%、1,4−トランス構造
が50%であった。また、オスミウム酸分解法によって
ポリスチレン部分を分離して定量した結果、形成された
ポリスチレンブロックは全ポリマーに対して41重量%
であり、使用したスチレンの72%であった。
【0025】(比較例1)実施例1と同様方法でデュレ
ンを用いずにABA構造のブロックコポリマーを重合し
た。得られたブロックコポリマーは、GPCから数平均
分子量(Mn)が10.9万で重量平均分子量(Mw)
と数平均分子量の比(Mw/Mn)が1.06であっ
た。赤外吸収スペクトルによるモレロ法によって求めた
ミクロ構造は、1,2−ビニル構造が15%、1,4−
シス構造が36%、1,4−トランス構造が49%であ
った。また、オスミウム酸分解法によってポリスチレン
部分を分離して定量した結果、形成されたポリスチレン
ブロックは全ポリマーに対して38重量%であり、使用
したスチレンの68%であった。
【0026】(実施例2) 重合速度の測定 π錯化化合物にデュレンを用いて20℃におけるブタジ
エンの重合速度を測定した。ブタジエニルリチウム活性
末端濃度は10-3モル/リットル(以降「M」と記載す
る)を用いた。
【表1】 デュレンを用いるとブタジエンの重合速度が速くなるこ
とが判る。
【0027】(実施例3) 重合速度の測定(その2) π錯化化合物にテトラフェニルエチレン(TPhE)を
用いて20℃におけるスチレンの重合速度を測定した。
スチリルリチウム活性末端濃度はおよそ10-3Mを用い
た。
【表2】 テトラフェニルエチレンを用いるとスチレンの重合速度
が速くなることが判る。
【0028】
【発明の効果】本発明によればモノ有機リチウム化合物
あるいは多官能の有機リチウム化合物を重合開始剤に用
いて、芳香族モノビニル化合物と共役ジエンとからなる
ブロックコポリマーを比較的低温の重合温度で重合した
場合においても重合反応速度が速く、しかもゲルの生成
量の少ないブロックコポリマーを得ることができる。更
に、共役ジエンポリマーの結合構造を規制する窒素ある
いは酸素を含有する極性化合物を用いていないので、共
役ジエンポリマー中の1,2−ビニル結合量あるいは
3,4−ビニル結合量を最小に抑えたのもから、適当量
の極性化合物を添加することによりそれらの結合量を高
めたものまで自由に制御したポリマーを得ることができ
る。
【0029】また、得られたポリマーに水素添加する場
合においても窒素原子を含有する極性化合物を用いない
ので、該極性化合物によって被毒される触媒を用いる水
素添加反応に重合溶液をそのまま供することができる。
更にまた、少量の極性化合物を併用して共役ジエンと芳
香族モノビニル化合物を同時に添加してABA型トリブ
ロック構造の重合体を製造する場合においては、共役ジ
エンと芳香族モノビニル化合物とのランダム共重合体部
分の生成量が小さいので両末端の芳香族ビニル重合体量
が多くなるので、引張強度の高い重合体が得られる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 マルセル ヴァン ベーレン ユニバーシティ オブ レーベン セレス タイネンラーン 200F B−3001 ヘヴ ァリー ベルギー Fターム(参考) 4J011 AA02 AA03 AA05 AA06 AB02 HA03 HA04 HB22 HB24 4J015 DA02 4J026 HA05 HA06 HA07 HA11 HA14 HA15 HA16 HA19 HA26 HA32 HA39 HA48 HB05 HB06 HB07 HB11 HB14 HB15 HB16 HB19 HB32 HB42 HB50 HC05 HC06 HC07 HC11 HC14 HC15 HC16 HC19 HC32 HC42 HC49 HC50 HE01 HE02 HE05

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 置換基を有するベンゼン環化合物からな
    るπ錯化化合物の存在下にモノ有機リチウム化合物を重
    合開始剤として、非極性炭化水素溶媒中で芳香族モノビ
    ニル化合物と共役ジエンとを共重合してなるブロックコ
    ポリマーの製造方法。
  2. 【請求項2】 置換基を有するベンゼン環化合物からな
    るπ錯化化合物の存在下に3官能以上の活性末端を有す
    る多官能有機リチウム化合物を含有する重合開始剤を用
    いて非極性炭化水素溶媒中で芳香族モノビニル化合物と
    共役ジエンとを共重合してなるブロックコポリマーの製
    造方法。
  3. 【請求項3】 置換基を有するベンゼン環化合物からな
    るπ錯化化合物が、3個以上のアルキル基で置換された
    ベンゼン、ドデカハイドロトリフェニレン、ジフェニル
    置換メチレン化合物、1,1−ジフェニル置換エチレン
    化合物から選ばれた1種以上の化合物である請求項1ま
    たは2に記載のブロックコポリマーの製造方法。
  4. 【請求項4】 3個以上のアルキル基で置換されたベン
    ゼンが1,2,4,5−テトラメチルベンゼン(デュレ
    ン)、ヘキサメチルベンゼンであり、ジフェニル置換メ
    チレン化合物が2,2−ジフェニルプロパンであり、
    1,1−ジフェニル置換エチレン化合物がテトラフェニ
    ルエチレンである請求項1〜3のいずれかに記載のブロ
    ックコポリマーの製造方法。
  5. 【請求項5】 モノ有機リチウム化合物がn−ブチルリ
    チウム、sec−ブチルリチウムまたはtert−ブチ
    ルリチウムである請求項1、3、4のいずれかに記載の
    ブロックコポリマーの製造方法。
  6. 【請求項6】 π錯化化合物の重合開始剤活性点総量に
    対するモル比が1/10〜1000/1の範囲である請
    求項1〜5のいずれかに記載のブロックコポリマーの製
    造方法。
  7. 【請求項7】 芳香族モノビニル化合物を重合するとき
    の非極性炭化水素溶媒が0.1%以下の極性化合物を含
    有する溶媒である請求項1〜6のいずれかに記載のブロ
    ックコポリマーの製造方法。
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JP2017508859A (ja) * 2014-12-19 2017-03-30 エルジー・ケム・リミテッド 新規陰イオン重合開始剤およびこれを用いた共役ジエン系共重合体の製造方法

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