JP2000077905A - 高周波回路素子 - Google Patents
高周波回路素子Info
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- JP2000077905A JP2000077905A JP11169703A JP16970399A JP2000077905A JP 2000077905 A JP2000077905 A JP 2000077905A JP 11169703 A JP11169703 A JP 11169703A JP 16970399 A JP16970399 A JP 16970399A JP 2000077905 A JP2000077905 A JP 2000077905A
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Abstract
カート特性をも実現することのできる高性能な高周波回
路素子を提供する。 【解決手段】 誘電体単結晶などからなる基板1の表面
上に、複数の例えば円板形状あるいは楕円形状の第1、
第2及び第3のストリップ導体2a、2b及び2cを形
成する。そして、これらの第1、第2及び第3のストリ
ップ導体2a、2b及び2cを、間隙部5a、5bを介
して互いに結合させる。また、基板1の裏面上の全面
に、グランドプレーンを形成する。第1の平面回路共振
器4aに、第1の平面回路共振器4aが有する2つの直
交方向に分極した共振モード7a、7bをそれぞれ励振
するような方向から第1及び第2の結合端子6a、6b
を結合させる。
Description
の高周波信号処理装置に用いられるフィルタ、分波器な
どをはじめとする共振器を基本に構成される高周波回路
素子に関する。
タ、分波器などをはじめとする共振器を基本に構成され
る高周波回路素子は不可欠の要素である。特に、移動体
通信システムなどにおいては、周波数帯域の有効利用の
ために、狭帯域なフィルタが要求される。また、移動体
通信の基地局や通信衛星などにおいては、低損失でかつ
小型で、大きな電力に耐えることのできるフィルタが強
く要望されている。
高周波回路素子としては、誘電体共振器を用いたもの、
伝送線路構造を用いたもの、表面弾性波素子を用いたも
のなどが主流となっている。このうち、伝送線路構造を
用いたものは、小型で、マイクロ波、ミリ波領域の高周
波まで適用することができ、さらに、基板上に形成する
2次元的な構造であり、他の回路や素子との組み合わせ
が容易であるため、広く利用されている。従来、このタ
イプの共振器としては、伝送線路による1/2波長共振
器が最も一般的に利用されており、さらに、この1/2
波長共振器を複数個結合させることにより、フィルタな
どの高周波回路素子が構成されている。
用いたものがある。その代表例としては、円板共振器を
複数個並べたもの、あるいは、円板型共振器の外周の一
部に突起部を設けてダイポールモードを結合させること
により、フィルタ特性を発揮させるものなどがある
(『Low Loss Multiplexers with Planar Dual Mode HT
SResonators』 IEEE Trans actions on Microwave Theo
ry and Techniques, Vol.44, No.7, pp.1248-1257,
『電子情報通信学会技術研究報告, 1993, Vol.93, No.3
63(SCE93 47-56)永井靖浩他』, 電子通信学会論文誌,7
2/8 Vol.55-B No.8『マイクロ波平面回路の解析的取扱
い(Analysis of Microwave Planar Circuit)』三好旦
六、大越孝敬)。
振器等の伝送線路構造の共振器では、導体中における高
周波電流が部分的に集中するために、導体の抵抗による
損失が比較的大きく、共振器ではQ値の劣化、フィルタ
を構成した場合には損失の増加を招いてしまう。また、
通常よく利用されるマイクロストリップ線路構造の1/
2波長共振器を用いた場合には、回路から空間への放射
による損失の影響も問題となる。
作周波数を高くすると、さらに顕著になる。損失が比較
的小さく、耐電力性に優れた共振器としては、誘電体共
振器が利用されている。しかし、誘電体共振器は立体構
造を有しており、かつ、サイズが大きいために、高周波
回路素子の小型化にとっては問題である。
れら高周波回路素子の低損失化を図ることも可能であ
る。しかし、上記した従来の構造のものでは、電流の過
度の集中によって超伝導性が失われるために、大きな電
力の信号を利用することは困難である。実際の測定例で
も、最大入力電力は数十mW程度であり、実用的なレベ
ルには達していない。
振器を用いたフィルタは、電流分布が広い面積にわたっ
て均一となるため、優れた耐電力性能を有すると言われ
ている。しかし、円板共振器を複数個並べたものは、素
子面積が非常に大きくなり、急峻なスカート特性を実現
するために多段構成とする場合に特に深刻な問題とな
る。また、外周の一部に突起部を設けたタイプの平面回
路構造の共振器フィルタの場合には、3段以上の多段構
成とするための簡易な方法がなかった。
波領域の高周波領域において他の回路や素子との整合性
が良く、かつ、高性能な小型の共振器フィルタ等の高周
波回路素子を2次元的な構造で実現するためには、伝送
線路構造や平面回路構造の共振器が有するこのような問
題を解決することが極めて重要である。
決するためになされたものであり、低損失で、耐電力性
に優れ、かつ、急峻なスカート特性をも実現することの
できる高性能な高周波回路素子を提供することを目的と
する。
め、本発明に係る高周波回路素子の構成は、それぞれ2
つの直交した共振モードを有し、順番に結合したn個
(nは2以上の整数)の平面回路共振器と、2つの結合
端子とを備えた高周波回路素子であって、前記2つの結
合端子が第1番目の前記平面回路共振器が有する2つの
共振モードとそれぞれ結合していることを特徴とする。
この高周波回路素子の構成によれば、複数個の平面回路
共振器のそれぞれの直交した2つの共振モードが1つの
共振器として共振器結合型フィルタとしての動作を行わ
せることができるため、多段構成の共振器フィルタを構
成する際に、共振器の数を半分で構成できる。また、平
面回路共振器は、通常の伝送線路共振器に比べて、電流
分布が均一なために導体損失が小さいという特徴があ
る。そのため、小型で、低損失な多段共振器フィルタが
構成できる。
においては、第n番目の平面回路共振器が有する2つの
共振モード間に結合を生じさせる手段が備わっているの
が好ましい。
においては、平面回路共振器が、基板と、前記基板の表
面上に形成されたストリップ導体と、前記基板の裏面上
に形成されたグランドプレーンとからなるのが好まし
い。この好ましい例によれば、基板の一方の面上に形成
される導体パターンによって回路形状を決定することが
できるので、設計プロセス及び作製プロセスの簡略化が
可能となる。また、この場合には、ストリップ導体の形
状が円板形状あるいは楕円形状であるのが好ましい。こ
の好ましい例によれば、ストリップ導体パターンの輪郭
部における電流集中を効果的に減少させて、損失をより
一層低減することが可能となる。
においては、平面回路共振器が、2枚の基板と、前記2
枚の基板に挟まれたストリップ導体と、前記2枚の基板
の前記ストリップ導体と接していない方の面上にそれぞ
れ形成されたグランドプレーンとからなるのが好まし
い。この好ましい例によれば、電磁界の放射の影響をほ
とんど受けることがなく、非常に安定で損失の少ない高
周波回路素子を実現することができる。また、この場合
には、ストリップ導体の形状が円板形状あるいは楕円形
状であるのが好ましい。
においては、各平面回路共振器がストリップ導体を備
え、n個の前記ストリップ導体が間隙部を介して直線状
に配置され、n個の前記ストリップ導体のうちの一端部
に位置する第1番目のストリップ導体の輪郭上におい
て、前記第1番目のストリップ導体の中心から見て、前
記第1番目のストリップ導体に隣接する第2番目のスト
リップ導体と反対側の位置に第1の結合端子が結合さ
れ、前記第1の結合端子の結合位置とほぼ90゜ずれた
位置に第2の結合端子が結合されているのが好ましい。
この好ましい例によれば、共振モ−ド間の結合をより正
確に制御することができ、より優れた特性の多段の共振
器結合型フィルタを実現することができる。また、この
場合には、ストリップ導体の形状が円板形状あるいは楕
円形状であるのが好ましい。
においては、素子の周囲が導体壁によって包囲されてい
るのが好ましい。この好ましい例によれば、平面回路共
振器からの放射損失を防止することができるため、損失
をより一層低減することができる。しかも、導体壁によ
って囲まれた空間の形状を変えることによってモード結
合量をより大きな自由度で調節することが可能となる。
においては、平面回路共振器の導体材料として超伝導材
料を用いるのが好ましい。この好ましい例によれば、平
面回路共振器における挿入損失が劇的に低減され、ま
た、平面回路共振器中で電流分布が均一であることか
ら、耐電力性能の優れた高周波回路素子を実現すること
ができる。
をさらに具体的に説明する。
の実施の形態における高周波回路素子を示す平面図、図
2はその断面図である。
どからなる基板1の表面上には、真空蒸着、エッチング
などの適当な方法によって複数の例えば円板形状あるい
は楕円形状の第1、第2及び第3のストリップ導体2
a、2b及び2cが形成されている。そして、これらの
第1、第2及び第3のストリップ導体2a、2b及び2
cは、間隙部5a、5bを介して直線状に配置されてい
る。また、基板1の裏面上には、その全面にグランドプ
レーン3が形成されている。この構成において、第1、
第2及び第3のストリップ導体2a、2b及び2cは、
それぞれ別個の第1、第2及び第3の平面回路共振器4
a、4b及び4cとして動作する。また、第1のストリ
ップ導体2aに対しては、第1及び第2の結合端子6
a、6bが設けられている。
1の平面回路共振器4aが有する2つの直交方向に分極
した共振モード7a、7bをそれぞれ励振するような方
向から第1の平面回路共振器4aに誘導結合されてい
る。但し、図1中の共振モードを示す矢印は共振モード
の電流方向、すなわち、電気的な分極方向を示している
ものとする。
TM11モードがこのような電気的特性を有する共振モード
となる。また、第2の平面回路共振器4bも2つの直交
方向に分極した共振モード8a、8bを有し、第3の平
面回路共振器4cも2つの直交方向に分極した共振モー
ド9a、9bを有している。共振モード7a、8a、9
aは互いに分極の方向が同じとなるようにすることがで
き、また、共振モード7b、8b、9bも互いに分極の
方向が同じとなるようにすることができる。
について説明する。
の平面回路共振器4aの共振モード7aを励振する。共
振モード7aは第2の平面回路共振器4bの共振モード
8aと結合する。この場合、共振モード7aは共振モー
ド7b、8bとは分極の方向がほぼ直交しているので、
これらの共振モード7b、8bとの結合量は無視できる
程度に非常に小さい。
ード8aは第3の平面回路共振器4cの共振モード9a
と結合する。
な方法により、共振モード9aと共振モード9bとの間
に結合を生じさせる。共振モード9aと共振モード9b
との間に結合を生じさせる方法としては、例えば、図3
(a)に示すように、第3のストリップ導体2cの形状
を、共振モード9aと共振モード9bの分極方向に対し
て45゜の方向に長軸を有する楕円形状にしたり、図3
(b)、(c)に示すように、その方向の輪郭部に突起
部10や切り掻き部11などを形成する方法がある。
共振モード9bは、第2の平面回路共振器4bの共振モ
ード8b及び第1の平面回路共振器4aの共振モード7
bと順次結合し、最終的に第2の結合端子6bから出力
される。
した信号は6つの共振モード7a、8a、9a、9b、
8b、7bを介していることから、この回路は6段の共
振器結合型帯域通過フィルタとして動作する。
の実施の形態における高周波回路素子を示す平面図、図
5はその高周波回路素子を導体壁によって囲まれた空洞
内に固定した状態を示す断面図である。
ナ(LaAlO3)単結晶などの比誘電率24の基板1
2の表面上には、真空蒸着、エッチングなどの適当な方
法によって複数の楕円形状の第1及び第2のストリップ
導体13a、13bが形成されている。そして、これら
の第1及び第2のストリップ導体13a、13bは、間
隙部16を介してそれぞれの長軸が一直線上にくるよう
に配置されている。また、基板12の裏面上には、その
全面に導体膜からなるグランドプレーン14が形成され
ている。この構成において、第1及び第2のストリップ
導体13a、13bは、それぞれ別個の第1及び第2の
平面回路共振器15a、15bとして動作する。また、
第1のストリップ導体13aに対して、第1及び第2の
結合端子17a、17bが設けられている。
プ導体13aの輪郭上の、第2のストリップ導体13b
と反対側の位置で第1のストリップ導体13aに容量結
合されている。また、第2の結合端子17bは、同じく
第1のストリップ導体13aの円周上の、第1の結合端
子17aの結合位置と90゜ずれた位置で第1のストリ
ップ導体13aに容量結合されている。ここで、第1及
び第2の結合端子17a、17bは、その先端部(第1
のストリップ導体13aとの結合部分)の線路幅が拡げ
られている。これにより、第1及び第2の結合端子17
a、17bと第1のストリップ導体13aとの間の結合
容量を増加させて、入出力結合度を大きくすることがで
きる。
は、伝送線路によって基板12の縁部まで延長されてお
り、この部分で外部導入ケーブル等と結合されている。
体壁20によって囲まれた空間内に固定して、特性の検
討を行った。このように基板12を導体壁20によって
囲まれた空間内に配置すれば、第1及び第2の平面回路
共振器15a、15bからの放射損失を防止することが
できるため、損失をより一層低減することができる。し
かも、導体壁20によって囲まれた空間の形状を変える
ことによってモード結合量をより大きな自由度で調節す
ることが可能となる。
ば、次のとおりである。基板12は、その大きさ(面
積)が50.8mm×25.4mm、厚みが1mmであ
る。第1及び第2のストリップ導体13a、13bは、
半径7mmの円形を基に、所望の特性を得るために僅か
に歪ませた形状となっている。特に第2のストリップ導
体13bは、第2の平面回路共振器15bの2つの直交
方向に分極した共振モード19aと共振モード19bと
を結合させるために、図3(a)に示したような楕円形
状となっている。また、図5に示すように、導体壁20
によって囲まれた空洞の高さは、基板12の表面から測
って10mmとなっている。
18aと共振モード19aとの間の結合係数khと間隙
部16の距離dとの関係、及び、共振モード18bと共
振モード19bとの間の結合係数kpと間隙部16の距
離dとの関係を示す。図6から分かるように、間隙部1
6の距離dの増加に対し、共振モード18aと共振モー
ド19aとの間の結合係数khは減少傾向にあり、共振
モード18bと共振モード19bとの間の結合係数kp
は増加傾向にある。いずれにしても、結合係数kh、kp
は、間隙部16の距離dの値によって制御できることが
分かる。
状を、共振モード19aと共振モード19bの分極方向
に対して45゜の方向に長軸を有する楕円形状に歪ませ
た場合の、両モード間の結合係数を示す。図7から分か
るように、楕円率に対し、結合係数がほぼ比例して増加
している。
数は、間隙部16の距離dと第2のストリップ導体13
bの楕円率とを変化させることにより、調節できること
が分かる。この結果を基に、本実施の形態においては、
比帯域1%、帯域内リップル0.01dBの4段チェビ
シェフ型フィルタ特性を得るために、間隙部16の距離
dを3mm、第2のストリップ導体13bの楕円率を
0.9%に設定した。図8に、HPeesof社製の電磁界シ
ミュレータである『Momentum』を用いて計算した周波数
特性を示す。図8から分かるように、4段の帯域通過フ
ィルタ特性が得られることが実証された。
円形状とすることにより、共振モード18aと共振モー
ド18bとの間の直接結合を生じさせることができる。
これにより、楕円関数型のフィルタ特性を得ることがで
きる。図9に、HPeesof社製の電磁界シミュレータであ
る『Momentum』によって実際に求めた周波数特性の一例
を示す。図9に示すように、通過帯域のすぐ両側にノッ
チが入り、急峻なスカート特性が得られていることが分
かる。この場合、第1のストリップ導体13aの楕円の
長軸を、第1及び第2の結合端子17a、17bのそれ
ぞれの結合箇所の間を通り、共振モード18aと共振モ
ード18bの分極方向に対して45゜の方向に設定すれ
ば、ノッチを効果的に挿入することができる。
平面回路共振器の2つの直交方向に分極した共振モード
を効果的に利用することにより、構成部材である平面回
路共振器の個数の2倍の段数のフィルタを実現すること
ができるので、フィルタ形状の小型化を図ることができ
る。また、本構成によれば、従来、直交モードを利用し
た平面回路共振器フィルタでは明確な構成方法がなかっ
た3段以上の多段フィルタを簡易な方法によって実現す
ることができる。
ては、平面回路共振器を3個あるいは2個並べた場合を
例に挙げて説明したが、本発明は必ずしもこの構成に限
定されるものではなく、平面回路共振器を4個以上並べ
た場合であっても同様に共振器結合型多段フィルタを実
現することができる。この場合にも、構成部材である平
面回路共振器の個数の2倍の段数のフィルタを実現する
ことができるので、より多くの平面回路共振器を並べた
場合、より段数を増やすことができ、非常に有効であ
る。
いては、平面回路共振器が、基板上に形成された円板形
状あるいは楕円形状のストリップ導体によって構成され
ている場合を例に挙げて説明したが、本発明は必ずしも
この構成に限定されるものではなく、他の形状のストリ
ップ導体であっても平面回路共振器を構成する形状であ
れば同様にフィルタ特性を実現することができる。但
し、この場合の平面回路共振器とは、2次元的に電磁界
が分布し、それによって狭い周波数範囲内に2つの直交
方向に分極した共振モードが存在し得る構造の共振器を
意味している。特に、上記第1及び第2の実施の形態の
ように円板形状あるいは楕円形状のストリップ導体を用
いれば、ストリップ導体パターンの輪郭部における電流
集中を効果的に減少させて、損失をより一層低減するこ
とが可能となる。
いては、平面回路共振器が、基板の表面上に形成された
ストリップ導体と、基板の裏面上に形成されたグランド
プレーンとにより構成される場合を例に挙げて説明した
が、本発明は必ずしもこの構造の平面回路共振器に限定
されるものではない。例えば、図10に示すような、ス
トリップ導体23が2枚の基板21、22に挟まれ、そ
れぞれの基板21、22の外側の面上にそれぞれグラン
ドプレーン24、25が形成された構成のトリプレート
型構造や、ストリップ導体とグランドプレーンとが基板
の同一表面上に形成された構成のコプレナー導波路型構
造であっても、平面回路共振器を構成する形状であれば
同様にフィルタ特性を実現することができる。
ば、電磁界の放射の影響がほとんどなく、非常に安定で
損失の少ない高周波回路素子を実現することができる。
また、コプレナー導波路型構造を採用すれば、基板の片
面での加工だけで素子を形成することができるので、作
製プロセスの簡略化を図ることができる。
面回路共振器のストリップ導体等に用いられる導体材料
は特に限定されるものではなく、金属材料や超伝導材料
等を用いることができる。金属材料としては、Au、A
g、Pt、Pd、Cu及びAl等を挙げることができ、
これらの材料から選ばれる少なくとも2つの金属を積層
して用いれば、良好な電気伝導性が得られ、高周波への
応用に有利である。また、超伝導材料としては、金属系
材料(例えば、Pb、PbIn、等のPb系材料、N
b、NbN、Nb3Ge等のNb系材料)でもよいが、
実用的には、温度条件の比較的緩やかな高温酸化物超伝
導体(例えば、Ba2YCu3O7)を用いるのが望まし
い。特に、導体材料として超伝導材料を用いれば、挿入
損失が劇的に低減され、また、平面回路共振器中で電流
分布が均一であることから、耐電力性能の優れた高周波
回路素子を実現することができる。
波回路素子によれば、平面回路共振器を基本として構成
されていることにより、高周波電流の導体膜中への集中
を緩和することができるので、損失が小さく、かつ、大
きな電力の高周波信号を扱うことが可能となる。特に、
従来、平面回路共振器を用いたモード結合型フィルタで
は設計が困難であった3段以上の多段共振器結合型フィ
ルタを容易に実現することができるので、低損失で、耐
電力性が優れ、かつ、急峻なスカート特性を有するフィ
ルタを容易に実現することができる。
素子を示す平面図
素子を示す断面図
素子の第3のストリップ導体の形状の例を示す平面図
素子を示す平面図
素子を導体壁によって囲まれた空洞内に固定した状態を
示す断面図
素子のモード結合係数と間隙部の距離との関係を示す図
素子のストリップ導体の楕円率とモード結合係数との関
係を示す図
素子の周波数特性を表す図
素子の他の周波数特性を表す図
断面図
b、19a、19b 共振モード 10 突起部 11 切り欠き部 20 導体壁 23 ストリップ導体
Claims (10)
- 【請求項1】 それぞれ2つの直交した共振モードを有
し、順番に結合したn個(nは2以上の整数)の平面回
路共振器と、2つの結合端子とを備えた高周波回路素子
であって、前記2つの結合端子が第1番目の前記平面回
路共振器が有する2つの共振モードとそれぞれ結合して
いることを特徴とする高周波回路素子。 - 【請求項2】 第n番目の平面回路共振器が有する2つ
の共振モード間に結合を生じさせる手段が備わった請求
項1に記載の高周波回路素子。 - 【請求項3】 平面回路共振器が、基板と、前記基板の
表面上に形成されたストリップ導体と、前記基板の裏面
上に形成されたグランドプレーンとからなる請求項1に
記載の高周波回路素子。 - 【請求項4】 ストリップ導体の形状が円板形状あるい
は楕円形状である請求項3に記載の高周波回路素子。 - 【請求項5】 平面回路共振器が、2枚の基板と、前記
2枚の基板に挟まれたストリップ導体と、前記2枚の基
板の前記ストリップ導体と接していない方の面上にそれ
ぞれ形成されたグランドプレーンとからなる請求項1に
記載の高周波回路素子。 - 【請求項6】 ストリップ導体の形状が円板形状あるい
は楕円形状である請求項5に記載の高周波回路素子。 - 【請求項7】 各平面回路共振器がストリップ導体を備
え、n個の前記ストリップ導体が間隙部を介して直線状
に配置され、n個の前記ストリップ導体のうちの一端部
に位置する第1番目のストリップ導体の輪郭上におい
て、前記第1番目のストリップ導体の中心から見て、前
記第1番目のストリップ導体に隣接する第2番目のスト
リップ導体と反対側の位置に第1の結合端子が結合さ
れ、前記第1の結合端子の結合位置とほぼ90゜ずれた
位置に第2の結合端子が結合された請求項1に記載の高
周波回路素子。 - 【請求項8】 ストリップ導体の形状が円板形状あるい
は楕円形状である請求項7に記載の高周波回路素子。 - 【請求項9】 素子の周囲が導体壁によって包囲された
請求項1〜8のいずれかに記載の高周波回路素子。 - 【請求項10】 平面回路共振器の導体材料として超伝
導材料を用いる請求項1〜9のいずれかに記載の高周波
回路素子。
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- 1999-06-16 JP JP16970399A patent/JP4125842B2/ja not_active Expired - Fee Related
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