JP2000073994A - 電動送風機 - Google Patents

電動送風機

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JP2000073994A
JP2000073994A JP10246912A JP24691298A JP2000073994A JP 2000073994 A JP2000073994 A JP 2000073994A JP 10246912 A JP10246912 A JP 10246912A JP 24691298 A JP24691298 A JP 24691298A JP 2000073994 A JP2000073994 A JP 2000073994A
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diffuser
adhesive
electric blower
fan casing
fan
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JP10246912A
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English (en)
Inventor
Hideyuki Harada
秀行 原田
Fumio Joraku
文夫 常楽
Hisanori Toyoshima
久則 豊島
Takao Kawaguchi
卓男 川口
Hiroaki Takagi
弘晃 高木
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Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】ファンケーシングとディフューザの上面との間
の隙間を遠心ファンからディフューザに流入した空気流
の一部が円周方向に流れるのを防いで効率の高い電動送
風機を実現する。 【解決手段】主たる構成は、電動機の回転軸に直結され
る遠心ファンと、前記遠心ファンの外周側に配置される
ディフューザと、前記遠心ファンおよび前記ディフュー
ザを覆うファンケーシングとを有する電動送風機におい
て、前記ディフューザと接する前記ファンケーシング内
側の面、および前記ファンケーシング内側と接する前記
ディフューザ端部の少なくともどちらか一方に接着剤を
塗布した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、整流子電動機の回
転軸に直結される遠心ファンと、前記遠心ファンと同軸
に配置されるディフューザと、前記遠心ファンと前記デ
ィフューザを覆うファンケーシングとを有する電動送風
機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来一般に使用されている電動送風機に
ついて図2および図3を用いて説明する。
【0003】図2のように電動送風機は、主に整流子電
動機と整流子電動機の回転軸に直結された遠心ファン1
2と、遠心ファン12の外周側に遠心ファン12と同軸
に配置され整流子電動機に固定されるディフューザ13
と、ディフューザ13と一体に成形されるリターンガイ
ド14と、遠心ファン12とディフューザ13とを覆う
ファンケーシング15とからなる。ファンケーシング1
5は、ディフューザ13の端面に接触する位置まで電動
機のハウジングに圧入して組み立てられる。
【0004】整流子電動機が運転を始めると、空気は整
流子電動機の回転軸に直結された遠心ファンの12回転
で空気取入口16から遠心ファン12に流入して遠心力
によって動圧が与えられ、ディフューザ13に流入して
流速を落とし静圧へと圧力回復し、リターンガイド14
で整流子電動機内に導かれて整流子電動機内部を通り外
界へ放出される。
【0005】図3のように、ファンケーシング15はプ
レス加工により複雑な形状をなし、またディフューザ1
3は複雑な形状の成型品で作られる。そのためファンケ
ーシング15の、ディフューザ13の端面と接触する面
には、プレス加工のばらつきによる板厚の不均一やひず
みによる凹凸が生じ、またディフューザ13の端面にも
ひけや変形のため同じく凹凸が生じる。そのため、電動
送風機を組み立てたとき、ファンケーシング15とディ
フューザ13の端面とが接する部分には図4のように隙
間28ができる。
【0006】遠心ファン12からディフューザ13に流
入した空気流の圧力は図5のような分布となり、前記の
隙間28があると空気流がディフューザ流路29間で漏
れてしまい、ディフューザ13による圧力回復を阻害し
電動送風機の性能を低下させる。
【0007】実験によると、前記隙間28と電動送風機
出力との関係は図6のようになり、約0.1mmの隙間
があると約10Wの出力低下を引き起こすことが分かっ
た。
【0008】なお、前記隙間28をふさぎ、空気流がデ
ィフューザ流路29間で漏れるのを防止する手段として
例えば実開平3−13499号公報には次のような技術が開示
されている。
【0009】(1)ディフューザ端面に弾性体を設け、
ファンケーシングとディフューザ端面との間の気密をと
る。
【0010】(2)ファンケーシングの、ディフューザ
端面と接する面に弾性を持ったコーティング材を付着さ
せて、ファンケーシングとディフューザ端面との間の気
密をとる。
【0011】また、特開平6−193595号公報には以下の
ような技術が開示されている。
【0012】(1)ファンケーシングのディフューザ端
面と接する面に、ディフューザ端面と同じ形状の溝を設
けてディフューザ端面とファンケーシングの溝とを嵌合
させ、ファンケーシングとディフューザ端面との間の隙
間の流体抵抗を大きくし、空気が隙間を通って円周方向
に流れにくくする。
【0013】(2)ディフューザ端面とファンケーシン
グとの間にシート(厚さ0.1〜0.3mmの剛性を有
するゴム)を介在させてファンケーシングとディフュー
ザ端面間の気密をとる。
【0014】さらに、特開平6−38453号公報には、ディ
フューザのファンケーシングとの当接部に突起部を設
け、圧力の高い気流のもれを防止して真空度の低下を防
ぐ技術が開示されている。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】しかし、実開平3−134
99号公報に開示されている技術においては、以下のよう
な欠点があった。
【0016】ディフューザ、あるいはファンケーシング
に弾性体を設ける場合、弾性体の厚さはファンケーシン
グとディフューザ端面との間の隙間の最も大きな部分よ
りも厚くしなくては全ての隙間を完全にシールすること
ができない。しかし、弾性体が厚いと隙間の小さい部分
では図7(ファンケーシング15に弾性体24)や図8
(ディフューザ13に弾性体25)のように弾性体(弾
性体24や25)がディフューザ13の流路29を減少
させ、ディフューザ13が設計どうりに機能しなくなり
性能を低下させてしまう。
【0017】また、特開平6−193595号公報に開示され
ている技術においては、以下のような欠点があった。
【0018】(1)「ファンケーシングに溝を設ける技
術」 前述および図3で示したように、ファンケーシングおよ
びディフューザは複雑な形状をしているため、ファンケ
ーシングの溝の形状やディフューザ端面の形状にはばら
つきが生じる。そのため嵌合が不完全になりやすく、隙
間による漏れを全て完全に防止するのは非常に困難とな
る。
【0019】(2)「ディフューザの上面とファンケー
シングの間にシートを介在させる技術」 この場合も、全ての隙間を完全にシールするためには、
介在させるシートの厚さはディフューザ上面とファンケ
ーシング間の隙間の最も大きな部分よりも厚くしなくて
はならない。しかしその場合もコーティング材を付着さ
せる場合と同様にディフューザの流路を減少させ、ディ
フューザが設計どうりに機能しなくなり性能を低下させ
てしまう。また、ディフューザ流路を流れる空気流によ
ってシートがはためいて空気流を乱し、性能の低下や騒
音の発生を引き起こすことがある。
【0020】また、製品を組み立てる際に電動機の軸心
とシートの中心とがずれた場合、シートと遠心ファンの
外周側とが接触して電動送風機の破損を引き起こす危険
性も生じる。
【0021】さらに、特開平6−38453号公報に開示され
ている技術においては、ディフューザに設けられた突起
の高さに比較的大きなむらがあるとディフューザ端面と
ファンケーシング間の気密をとることができず、小さな
隙間しか埋められず、前記した大きなむらを埋めて気密
を確実なものとする目的でディフューザとファンケーシ
ングとの当接部に接着剤を塗布する場合は、突起+接着
剤というように二重の対策が必要となるが、これによれ
ば、突起+接着剤という二重の対策が必要となるばかり
でなく、同公報には、接着剤として如何なるものを使用
するかについての具体的開示が一切ない。
【0022】本発明の目的は、ファンケーシングとディ
フューザ端部との間に弾性体やシートを設けたり、ファ
ンケーシングのディフューザ端部と接する面に溝を設け
たり、さらにはディフューザのファンケーシングとの当
接部に敢えて突起部を設けることなく、ファンケーシン
グとディフューザ端部とが接する部分での隙間を効果的
にシールし、効率の高い電動送風機を実現することにあ
る。
【0023】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
の本発明の第1の手段は、電動機の回転軸に直結される
遠心ファンと、前記遠心ファンの外周側に配置されるデ
ィフューザと、前記遠心ファンと前記ディフューザを覆
うファンケーシングとを有する電動送風機において、前
記ディフューザと接する前記ファンケーシングの面に接
着剤を塗布したことを特徴とするものである。
【0024】また本発明の第2の手段は、電動機の回転
軸に直結される遠心ファンと、前記遠心ファンの外周側
に配置されるディフューザと、前記遠心ファンと前記デ
ィフューザを覆うファンケーシングとを有する電動送風
機において、前記ファンケーシングと接する前記ディフ
ューザ端部に接着剤を塗布したことを特徴とするもので
ある。
【0025】本発明の第3の手段は、電動機の回転軸に
直結される遠心ファンと、前記遠心ファンの外周側に配
置されるディフューザと、前記遠心ファンと前記ディフ
ューザを覆うファンケーシングとを有する電動送風機に
おいて、前記ディフューザのファンケーシングとの当接
部に突起部を設けることなく、ファンケーシングと接す
る前記ディフューザ端部に接着剤を塗布したことを特徴
とするものである。
【0026】本発明の第4の手段は、第1の手段〜第3
の手段のいずれか1つにおいて、塗布する接着剤を熱可
塑性接着剤としたことを特徴とするものである。
【0027】本発明の第5の手段は、第4の手段におい
て、塗布する接着剤を反応性の熱可塑性接着剤としたこ
とを特徴とするものである。
【0028】本発明の第6の手段は、第1の手段〜第5
の手段のいずれか1つにおいて、接着剤を50〜300
μmの厚さに塗布したことを特徴とするものである。
【0029】本発明の第7の手段は、第4の手段または
第5の手段において、塗布する前記熱可塑性接着剤の軟
化点温度が、ディフューザ材質の融点よりも低いことを
特徴とするものである。
【0030】本発明の第8の手段は、第4の手段または
第5の手段において、塗布する熱可塑性接着剤の軟化点
温度が80℃以上であることを特徴とするものである。
【0031】本発明の第9の手段は、第4の手段におい
て、ポリアミド系の熱可塑性接着剤を用いたことを特徴
とするものである。
【0032】本発明の第10の手段は、第4の手段また
は第5の手段において、塗布する熱可塑性接着剤の溶融
粘度が100℃以上で10000mPa・s以下である
ことを特徴とするものである。
【0033】本発明の第11の手段は、第4の手段また
は第5の手段において、接着剤が軟化あるいは融解中に
ディフューザとファンケーシングとを組付一体に構成し
たことを特徴とするものである。
【0034】
【発明の実施の形態】本発明について図を用いて詳細に
説明する。
【0035】図1は電動送風機1の内部構造を示したも
のである。
【0036】電動送風機1はハウジング2とハウジング
2に固定された固定子3、ハウジング2に設けられた軸
受け4aとエンドブラケット17に設けられた軸受け4
bとによって保持される回転軸5、回転軸5に固定され
た回転子6、回転軸5に固定された整流子7、整流子7
との電気的接続を行うブラシ8とそれを保持するととも
にハウジング2に固定するためのホルダ9、ねじ18に
より回転軸5の一端に固定される遠心ファン12、遠心
ファン12から出た空気流の流速を落とし圧力回復する
ディフューザ13、ディフューザ13と一体に成形され
空気流を電動機内部へ導くリターンガイド14、遠心フ
ァン12とディフューザ13とを覆うファンケーシング
15によって構成される。
【0037】整流子7は、その円周面に整流子片を有
し、各整流子片は回転子6内のコイルと接続されてい
る。ブラシ8は、ばね10により整流子7に押し付けら
れ、整流子7に摺接している。11はブラシ8と外部電
極を接続するためブラシ8と電気的に接続されたリード
線であり、ホルダ9に設けられた端子(図示せず)と接
続されている。
【0038】電動送風機1が回転を開始すると回転子6
が回転し、回転子6と同軸に固定された遠心ファン12
も回転する。遠心ファン12が回転するとケーシング1
5の空気取入口16から空気が流入し、遠心ファン1
2、ディフューザ13、リターンガイド14を通り電動
機内部へと流れ込み電動機の排気口から外界へ放出され
る。
【0039】なお本実施例では、ファンケーシング15
を板金で構成し、ディフューザ13を合成樹脂で成形し
てある。
【0040】以上の構成の電動送風機に対し、本発明の
第1の手段では、図9の組立前のようにディフューザ1
3と接するファンケーシング15の内側の面に接着剤2
2を塗布して電動送風機を組み立てる。組立後接着剤2
2は、塗布厚さがファンケーシング15とディフューザ
13との間の隙間より薄くても、毛細管現象および表面
張力により図9の組立後のようにファンケーシング15
とディフューザ13との間の隙間に流れ込んでいき隙間
を埋める。
【0041】これにより、ファンケーシング15および
ディフューザ13の形状の個体差により隙間量がばらつ
いても、ファンケーシング15とディフューザ13との
間の隙間をシールすることができ、かつディフューザ流
路29の減少を小さく抑えられるので、電動送風機の効
率を大きく向上することができる。
【0042】本発明の第2の手段および第3の手段で
は、図10の組立前のようにファンケーシング15の内
側と接するディフューザ13の端面に接着剤23を塗布
して電動送風機を組み立てる。組立後接着剤23は、前
記第1の手段の接着剤22と同様、塗布厚さがファンケ
ーシング15とディフューザ13との間の隙間より薄く
ても、毛細管現象および表面張力により図10の組立後
のようにファンケーシング15とディフューザ13との
間の隙間に流れ込んでいき隙間を埋める。
【0043】これにより、ファンケーシング15および
ディフューザ13の形状の個体差により隙間量がばらつ
いても、ファンケーシング15とディフューザ13との
間の隙間をシールすることができ、かつディフューザ流
路29の減少を小さく抑えられるので、電動送風機の効
率を大きく向上することができる。
【0044】ところで、特開平6−38453号公報には、既
述のごとく、ディフューザのファンケーシングとの当接
部に突起部を設け、圧力の高い気流のもれを防止して真
空度の低下を防ぐ技術が開示されている。
【0045】しかし、特開平6−38453号公報に開示され
ている技術においては、ディフューザに設けられた突起
の高さにむらがあるとディフューザ端面とファンケーシ
ング間の気密をとることができず、この気密をとる目的
でディフューザとファンケーシングとの取付面に接着剤
を塗布する場合は、突起+接着剤というように二重の対
策が必要となる。
【0046】なお、第2の手段および第3の手段によれ
ば、塗布する接着剤23の量が第1の手段よりも少なく
て済むので経済的であり、また塗布する接着剤23の量
が第1の手段よりも少なくて済む分、ディフューザ流路
29の減少を最小限にとどめることができる。
【0047】そして、本実施例では、第1の手段〜第3
の手段共に2液反応形のエポキシ樹脂系接着剤を用い
る。このため、硬化時に肉痩せを起こさないので組立時
にシールできていた隙間が硬化後に再びあいてしまうこ
とがおきず、また比較的短時間で隙間のシールを完了す
ることができる。
【0048】なお、熱硬化性接着剤を用いて、組立後加
熱し硬化させても、短時間で隙間のシールを完了するこ
とができる。
【0049】本発明の第4の手段では、第1の手段〜第
3の手段において、塗布する接着剤を、加熱し融解させ
た熱可塑性接着剤とする。
【0050】熱可塑性接着剤を用いることにより、塗布
後電動送風機の組立までに時間が経っても、再度加熱し
て融解させれば第1の手段〜第3の手段の場合と同様に
ファンケーシングとディフューザの隙間をシールするこ
とができ、電動送風機の効率を大きく向上することがで
きる。
【0051】また、熱可塑性接着剤は温度が下がれば瞬
時に硬化するので非常に短時間で隙間のシールを完了す
ることができる。
【0052】さらに、溶剤を使用しないので特に排気装
置等を新設しなくても済む。
【0053】この、接着剤の塗布から電動送風機の組立
までに時間が経っても使用できること、および非常に短
時間でシールできるところが第4の手段の特徴である。
もちろん塗布後熱可塑性接着剤が硬化する前に電動送風
機の組立を行ってもかまわない。
【0054】熱可塑性接着剤を再度加熱して融解させる
手段としては、例えば、電動送風機に組み立てる際に、
炉等でファンケーシングあるいはディフューザごと加熱
する、あるいはファンケーシングの外形と略同一の形状
を有し、十分加熱した熱可塑性接着剤融解用治具をファ
ンケーシングにあてがい加熱する、あるいは高周波加熱
器によりファンケーシングを加熱する、等がある。
【0055】本発明の第5の手段では、第4の手段にお
いて、使用する熱可塑性接着剤を、反応性の熱可塑性接
着剤とする。熱可塑性接着剤は、加熱することでいつで
も何度でも融解させ、使用することができる反面、熱に
より軟化あるいは融解する、つまり耐熱性に劣るという
問題がある。そこで反応性の熱可塑性接着剤を用いるこ
とにより、塗布後1度だけならば加熱により融解するの
で、電動送風機を組み立てる際に加熱して本発明の第4
の手段の場合と同様に隙間をシールした後は、熱が加わ
っても軟化や融解せず、熱可塑性接着剤の問題点である
耐熱性の問題を解決することができる。
【0056】反応性の熱可塑性接着剤としては、例え
ば、ポリオール構造を持つ熱可塑性接着剤の末端OH基
の反応性を利用し、イソシアネート系の硬化剤を併用し
た接着剤を塗布した後、ファンケーシングとディフュー
ザとを組み立てて、熱可塑性を有している間に加熱処理
させて隙間に流れ込ませ、かつ反応を促進させる。反応
後の接着剤はウレタン樹脂となり、耐熱性が向上する。
また、ウレタンプレポリマーを主成分とする湿気硬化型
の反応性熱可塑性接着剤を用いてもよい。
【0057】本発明の第6の手段では、第1の手段〜第
5の手段のいずれかにおいて、塗布する接着剤の厚さを
50〜300μmにする。電動送風機の性能は、塗布厚
さによって図11のようになる。従来の電動送風機の性
能を図中の点線で示す。塗布厚さが300μm以上と厚
いと、ディフューザ流路を減少させてしまうため、曲線
30のように特に風量が大きい時に大きく電動送風機の
効率を低下させてしまう。また、塗布厚さが50μm以
下と薄いと十分にファンケーシングとディフューザの間
の隙間をシールすることができなくなってしまい、曲線
31のようになる。そこで塗布する接着剤の厚さを50
〜300μmにすることで、流路の減少を抑えて隙間を
シールすることができ、曲線32のように電動送風機の
性能を大きく向上することができる。
【0058】本発明の第7の手段では、例えばディフュ
ーザの材質にPBT(ポリブチレンテレフタレート樹脂)
を、熱可塑性接着剤にポリアミド系のものを使用し、使
用する熱可塑性接着剤の軟化点温度が、ディフューザの
融点よりも低くなるようにする。本実施例では、軟化点
温度が155℃〜165℃のポリアミド系熱可塑性接着
剤を用いている。そして、加熱処理の温度を熱可塑性接
着剤の軟化点温度からディフューザの融点の間に設定す
ることにより(本実施例では180℃)、熱可塑性接着
剤を加熱し融解させて隙間をシールする際にディフュー
ザが熱により変形するのを防止できる。
【0059】一般に、電気掃除機に用いられた場合、電
動送風機の温度は運転中に70℃以上にも達することが
ある。
【0060】そこで、本発明の第8の手段では、使用す
る熱可塑性接着剤の軟化点温度を80℃以上とする。こ
れにより、電動送風機がその運転によって高温になって
もファンケーシングとディフューザの隙間をシールした
熱可塑性接着剤が軟化あるいは融解して電動送風機の運
転による空気流によって飛散させられることが起きず、
性能の低下や電動送風機の故障に至るような危険を回避
できる。
【0061】また、本発明の第9の手段では、ポリアミ
ド系熱可塑性接着剤を用いる。これにより、ポリアミド
系熱可塑性接着剤は軟化点温度が高いので、第8の手段
の場合と同様の効果を得ることができる本実施例では、
軟化点温度が155℃〜165℃のポリアミド系熱可塑
性接着剤を用いている。
【0062】熱可塑性接着剤の溶融粘度が大きいと塗布
時に均一厚さに塗りにくい、表面が波打ってしまうとい
う問題がおきやすく、また組立時に溶融した接着剤が隙
間に沿って十分に染み渡っていかず、シール不完全な部
分ができる可能性がある、染み渡るにしても時間がかか
り作業効率が悪いという問題がある。
【0063】そこで、本発明の第10の手段に示すよう
に、溶融粘度が10000mPa・s以下の流動性があ
れば、容易に均一な厚さで表面均一に塗布することがで
き、また組み立てる際の加熱により前記接着剤が溶融す
るとき、ケーシングとディフューザ間の非常に狭い隙間
にも毛細管現象により接着剤が流れ込み、隙間をシール
することができる。
【0064】本発明の第11の手段では、本発明の第4
の手段あるいは第5の手段において、電動送風機にファ
ンケーシングを組み付けた後に塗布した熱可塑性接着剤
を加熱するようにする。熱可塑性接着剤は温度が下がる
と瞬時に硬化するので、組み付け前に加熱しておく場
合、組み付け時には硬化してしまい、完全なシールがで
きなくなる場合がある。したがって、ディフューザとフ
ァンケーシングとの組み付け中、あるいは組み付け後に
接着剤を加熱し、接着剤が軟化あるいは融解中にディフ
ューザとファンケーシングとを組付一体に構成すること
により確実にシールを行うことができる。本実施例で
は、ファンケーシングの外形と略同一の形状を有し、約
180℃に加熱した熱可塑性接着剤融解用治具をファン
ケーシングにあてがい加熱する、あるいは高周波加熱器
によりファンケーシングを加熱するといった手段をとっ
ている。
【0065】
【発明の効果】本発明の第1の手段では、ディフューザ
と接するファンケーシングの面に接着剤を塗布して電動
送風機を組み立てる。組立後接着剤は、塗布厚さがファ
ンケーシングとディフューザとの間の隙間より薄くて
も、毛細管現象および表面張力によりファンケーシング
とディフューザとの間の隙間に流れ込んでいき隙間を埋
める。
【0066】これにより、ファンケーシングおよびディ
フューザの形状の個体差により隙間量がばらついても、
ファンケーシングとディフューザとの間の隙間をシール
することができ、かつディフューザ流路の減少を小さく
抑えられるので、電動送風機の効率を大きく向上するこ
とができる。
【0067】本発明の第2の手段および第3の手段で
は、ファンケーシングと接するディフューザの端面に接
着剤を塗布して電動送風機を組み立てる。組立後接着剤
は、前記第1の手段の接着剤と同様、塗布厚さがファン
ケーシングとディフューザとの間の隙間より薄くても、
毛細管現象および表面張力によりファンケーシングとデ
ィフューザとの間の隙間に流れ込んでいき隙間を埋め
る。
【0068】これにより、ファンケーシングおよびディ
フューザの形状の個体差により隙間量がばらついても、
ファンケーシングとディフューザとの間の隙間をシール
することができ、かつディフューザ流路の減少を小さく
抑えられるので、電動送風機の効率を大きく向上するこ
とができる。
【0069】なお、第2の手段および第3の手段によれ
ば、塗布する接着剤の量が第1の手段よりも少なくて済
むので経済的であり、また塗布する接着剤の量が第1の
手段よりも少なくて済む分、ディフューザ流路の減少を
最小限にとどめることができる。
【0070】そして、本実施例では、第1の手段〜第3
の手段共に2液反応形のエポキシ樹脂系接着剤を用い
る。このため、硬化時に肉痩せを起こさないので組立時
にシールできていた隙間が硬化後に再びあいてしまうこ
とがおきず、また比較的短時間で隙間のシールを完了す
ることができる。
【0071】なお、熱硬化性接着剤を用いて、組立後加
熱し硬化させても、短時間で隙間のシールを完了するこ
とができる。
【0072】本発明の第4の手段では、第1の手段〜第
3の手段において、塗布する接着剤を、加熱し融解させ
た熱可塑性接着剤とする。
【0073】熱可塑性接着剤を用いることにより、塗布
後電動送風機の組立までに時間が経っても、再度加熱し
て融解させれば第1の手段〜第3の手段の場合と同様に
ファンケーシングとディフューザの隙間をシールするこ
とができ、電動送風機の効率を大きく向上することがで
きる。
【0074】また、熱可塑性接着剤は温度が下がれば瞬
時に硬化するので非常に短時間で隙間のシールを完了す
ることができる。
【0075】さらに、溶剤を使用しないので特に排気装
置等を新設しなくても済む。
【0076】本発明の第5の手段では、第4の手段にお
いて、使用する熱可塑性接着剤を、反応性の熱可塑性接
着剤とする。熱可塑性接着剤は、加熱することでいつで
も何度でも融解させ、使用することができる反面、熱に
より軟化あるいは融解する、つまり耐熱性に劣るという
問題がある。そこで反応性の熱可塑性接着剤を用いるこ
とにより、塗布後1度だけならば加熱により融解するの
で、電動送風機を組み立てる際に加熱して本発明の第4
の手段の場合と同様に隙間をシールした後は、熱が加わ
っても軟化や融解せず、熱可塑性接着剤の問題点である
耐熱性の問題を解決することができる。
【0077】本発明の第6の手段では、第1の手段〜第
5の手段のいずれかにおいて、塗布する接着剤の厚さを
50〜300μmにする。これにより、ディフューザ流
路の減少を抑えてかつ完全に隙間をシールすることがで
き、電動送風機の性能を大きく向上することができる。
【0078】本発明の第7の手段では、使用する熱可塑
性接着剤の軟化点温度が、ディフューザの融点よりも低
くなるようにする。そして、加熱処理の温度を熱可塑性
接着剤の軟化点温度からディフューザの融点の間に設定
することにより、熱可塑性接着剤を加熱し融解させて隙
間をシールする際にディフューザが熱により変形するの
を防止できる。
【0079】一般に、電気掃除機に用いられた場合、電
動送風機の温度は運転中に70℃以上にも達することが
ある。
【0080】そこで、本発明の第8の手段では、使用す
る熱可塑性接着剤の軟化点温度を80℃以上とする。こ
れにより、電動送風機がその運転によって高温になって
もファンケーシングとディフューザの隙間をシールした
熱可塑性接着剤が軟化あるいは融解して電動送風機の運
転による空気流によって飛散させられることが起きず、
性能の低下や電動送風機の故障に至るような危険を回避
できる。
【0081】また、本発明の第9の手段では、ポリアミ
ド系熱可塑性接着剤を用いる。これにより、ポリアミド
系熱可塑性接着剤は軟化点温度が高いので、第8の手段
の場合と同様の効果を得ることができる。先の実施例で
は、軟化点温度が155℃〜165℃のポリアミド系熱
可塑性接着剤を用いている。
【0082】熱可塑性接着剤の溶融粘度が大きいと塗布
時に均一厚さに塗りにくい、表面が波打ってしまうとい
う問題がおきやすく、また組立時に溶融した接着剤が隙
間に沿って十分に染み渡っていかず、シール不完全な部
分ができる可能性がある、染み渡るにしても時間がかか
り作業効率が悪いという問題がある。
【0083】そこで、本発明の第10の手段に示すよう
に、溶融粘度が10000mPa・s以下の流動性があ
れば、容易に均一な厚さで表面均一に塗布することがで
き、また組み立てる際の加熱により前記接着剤が溶融す
るとき、ケーシングとディフューザ間の非常に狭い隙間
にも毛細管現象により接着剤が流れ込み、隙間をシール
することができる。
【0084】本発明の第11の手段では、本発明の第4
の手段あるいは第5の手段において、電動送風機にファ
ンケーシングを組み付けた後に塗布した熱可塑性接着剤
を加熱するようにする。熱可塑性接着剤は温度が下がる
と瞬時に硬化するので、組み付け前に加熱しておく場
合、組み付け時には硬化してしまい、完全なシールがで
きなくなる場合がある。したがって、ディフューザとフ
ァンケーシングとの組み付け中、あるいは組み付け後に
接着剤を加熱し、接着剤が軟化あるいは融解中にディフ
ューザとファンケーシングとを組付一体に構成すること
により確実にシールを行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す電動送風機1の内部構
造図である。
【図2】従来技術における電動送風機26の内部構造図
である。
【図3】従来技術における送風機部分の斜視図である。
【図4】従来技術の第1の問題点を示す電動送風機の部
分拡大図である。
【図5】ディフューザ流路内での圧力分布を説明する図
である。
【図6】ファンケーシングとディフューザ間の隙間によ
る性能低下量を示す図である。
【図7】従来技術の第2の問題点を示す電動送風機の部
分拡大図である。
【図8】従来技術の第3の問題点を示す電動送風機の部
分拡大図である。
【図9】本発明の第1の手段の実施例である電動送風機
の部分拡大図である。
【図10】本発明の第2の手段の実施例である電動送風
機の部分拡大図である。
【図11】塗布する接着剤の厚さと電動送風機性能の関
係を示す図である。
【符号の説明】
2…ハウジング、12…遠心ファン、13…ディフュー
ザ、14…リターンガイド、15…ファンケーシング、
22,23…接着剤、24,25…弾性体。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 豊島 久則 茨城県日立市東多賀町一丁目1番1号 株 式会社日立製作所電化機器事業部多賀本部 内 (72)発明者 川口 卓男 茨城県日立市東多賀町一丁目1番1号 株 式会社日立製作所電化機器事業部多賀本部 内 (72)発明者 高木 弘晃 茨城県日立市東多賀町一丁目1番1号 株 式会社日立製作所電化機器事業部多賀本部 内 Fターム(参考) 3H034 AA02 AA11 AA13 BB02 BB06 CC03 DD07 DD24 EE05 EE09 EE13

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電動機の回転軸に直結される遠心ファン
    と、前記遠心ファンの外周側に配置されるディフューザ
    と、前記遠心ファンと前記ディフューザを覆うファンケ
    ーシングとを有する電動送風機において、前記ディフュ
    ーザと接する前記ファンケーシングの面に接着剤を塗布
    したことを特徴とする電動送風機。
  2. 【請求項2】 電動機の回転軸に直結される遠心ファン
    と、前記遠心ファンの外周側に配置されるディフューザ
    と、前記遠心ファンと前記ディフューザを覆うファンケ
    ーシングとを有する電動送風機において、前記ファンケ
    ーシングと接する前記ディフューザ端部に接着剤を塗布
    したことを特徴とする電動送風機。
  3. 【請求項3】 電動機の回転軸に直結される遠心ファン
    と、前記遠心ファンの外周側に配置されるディフューザ
    と、前記遠心ファンと前記ディフューザを覆うファンケ
    ーシングとを有する電動送風機において、前記ディフュ
    ーザのファンケーシングとの当接部に突起部を設けるこ
    となく、ファンケーシングと接する前記ディフューザ端
    部に接着剤を塗布したことを特徴とする電動送風機。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3のいずれか1項において、
    塗布する接着剤を熱可塑性接着剤としたことを特徴とす
    る電動送風機。
  5. 【請求項5】 請求項4において、塗布する接着剤を反
    応性の熱可塑性接着剤としたことを特徴とする電動送風
    機。
  6. 【請求項6】 請求項1〜5のいずれか1項において、
    接着剤を50〜300μmの厚さに塗布したことを特徴
    とする電動送風機。
  7. 【請求項7】 請求項4または5において、塗布する前
    記熱可塑性接着剤の軟化点温度が、ディフューザ材質の
    融点よりも低いことを特徴とする電動送風機。
  8. 【請求項8】 請求項4または5において、塗布する熱
    可塑性接着剤の軟化点温度が80℃以上であることを特
    徴とする電動送風機。
  9. 【請求項9】 請求項4において、ポリアミド系の熱可
    塑性接着剤を用いたことを特徴とする電動送風機。
  10. 【請求項10】 請求項4または5において、塗布する
    熱可塑性接着剤の溶融粘度が100℃以上で10000
    mPa・s以下であることを特徴とする電動送風機。
  11. 【請求項11】 請求項4または5において、接着剤が
    軟化あるいは融解中にディフューザとファンケーシング
    とを組付一体に構成したことを特徴とする電動送風機。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004068724A (ja) * 2002-08-07 2004-03-04 Hitachi Home & Life Solutions Inc 電動送風機および電気掃除機

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