JP2000072674A - ノスカピン経口医薬液剤 - Google Patents

ノスカピン経口医薬液剤

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JP2000072674A
JP2000072674A JP10244033A JP24403398A JP2000072674A JP 2000072674 A JP2000072674 A JP 2000072674A JP 10244033 A JP10244033 A JP 10244033A JP 24403398 A JP24403398 A JP 24403398A JP 2000072674 A JP2000072674 A JP 2000072674A
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JP
Japan
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noscapine
solution
liquid preparation
oral pharmaceutical
stability
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JP10244033A
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English (en)
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Masatake Oraku
大楽真健
Masayo Misawa
三澤政代
Mitsuo Togashi
富樫美津雄
Toshio Shimizu
清水俊夫
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OTA SEIYAKU KK
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OTA SEIYAKU KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、光や熱に対して安定なノスカピ
ン経口医薬液剤を提供することである。 【解決手段】ノスカピン又は又はその生理学的に許容し
うる塩を含む経口医薬液剤であって、多価アルコールを
含むことを特徴とする経口医薬液剤。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ノスカピン経口医
薬液剤に関するものである。更に、詳しくは、光及び熱
に対して安定なノスカピン経口医薬液剤に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】医薬品の中で光に対する安定性が低い医
薬は、通常、液剤であれば褐色のガラス瓶等で遮光して
充填することにより、医薬の安定化が図られている。ま
た、医薬品を液剤化する際、液剤化に伴い医薬品の熱安
定性が低下する医薬は、長期間、液剤の安定性を確保す
るためには、冷所に保管する必要がある。
【0003】咳そう反射を抑制し、鎮咳薬として用いら
れているノスカピンは、光や熱により分解されやすく、
これに伴い薬効の低下や変色を起りやすい医薬品であ
る。また、鎮咳薬としての薬理効果を高めるという点、
患者が薬を摂取しやすいという点からは、ノスカピンは
内服経口液剤として使用することが望ましい。液剤とし
て使用する場合は、通常、光を遮るため褐色のガラス瓶
を用いて保存してノスカピンの安定性を維持している。
また、保存温度が高い場合にはノスカピンが分解して変
色することから、冷暗所に保存する必要がある。従っ
て、ノスカピンを含む液剤は、取り扱い及び保存等の面
で種々の制約があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、光や熱によ
るノスカピンの分解による変色及び薬効の低下を抑え、
安定なノスカピン経口医薬液剤を提供するものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決するために、鋭意研究を重ねた結果、多価アルコ
ールを含む溶液がノスカピンを光や熱に対して安定化さ
せることを見出し、本発明を完成させた。
【0006】即ち、本発明は、ノスカピン又はその生理
学的に許容しうる塩を含む経口医薬液剤であって、多価
アルコールを含むことを特徴とする経口医薬液剤であ
る。また、本発明は、多価アルコールがグリセリン、グ
リコール及び糖アルコールからなる群から選ばれた1種
又は2種以上のものである前記経口医薬液剤である。
【0007】更に、本発明は、糖アルコールがD−ソル
ビトール、キシリトール、エリスリトール及びラクチト
ールからなる群から選ばれた1種又は2種以上のもので
ある前記経口医薬液剤である。
【0008】
【発明の実施の形態】<1>ノスカピン ノスカピンとは、2−メチル−8−メトキシ−6,7−
メチレンジオキシ−1−(6,7−ジメトキシ−3−フ
タリジル)−1,2,3,4,−テトラヒドロイソキノ
リンをいい、別名ナルコチン(C22H23−NO7)
ともいう。また、その生理学的に許容しうる塩として
は、例えば塩酸塩、シュウ酸塩があり、好ましくは塩酸
塩である。
【0009】以下、本明細書において、ノスカピンとい
う語を、特に限定していない限り、ノスカピン及びその
生理学的に許容しうる塩をいうものとして使用する。 <2>多価アルコール 多価アルコールとは、炭化水素の複数個の水素をヒドロ
キシル基で置換したアルコール類をいう。好ましくは、
グリセリン、グリコール、糖アルコールなどがある。グ
リコールとしては、エチレングリコール、プロピレング
リコール等が好ましい。更に好ましくは、グリセリン又
はプロピレングリコールである。
【0010】糖アルコールは、アルドースまたはケトー
スのカルボニル基を還元して得られる鎖状多価アルコー
ル及び、環式糖アルコールをいう。好ましくは、鎖状多
価アルコールとしては、炭素数が3から11のもの、例
えば、エリスリトール、D−アラビトール、D−ソルビ
トール、D−マンニトール、ズルシトール等である。ま
た、環式糖アルコールとしては、イノシトール類、ラク
チトール等がある。更に好ましくは、D−ソルビトー
ル、キシリトール、エリスリトール又はラクチトールで
ある。 <3>ノスカピン経口医薬液剤 ノスカピン経口医薬液剤は、上記ノスカピンと多価アル
コールを1種類又は2種類以上、所定量混合して生成す
ることができる。
【0011】ノスカピン経口医薬液剤中の多価アルコー
ルの含有量は、ノスカピン1重量部に対して、1〜20
00重量部、好ましくは30〜500重量部、より好ま
しくは100〜300重量部である。
【0012】ノスカピン経口内服液剤は懸濁剤またはシ
ロップ剤のような態様で提供することができ、水、フル
クトース等の糖類、ゴマ油、オリーブ油、大豆油等の油
類、アルキルパラヒドロキシベンゾエート等の防腐剤、
ストロベリー・フレーバー、ペパーミント等のフレーバ
類等を適宜加えることもできる。
【0013】また、投与量は、患者の年齢、症状等によ
り異なるが、その有効投与量は、一日当たり30〜12
0mg程度の範囲が例示される。
【0014】
【実施例】以下実施例にて具体的に説明する。
【0015】
【実施例1】<1>ノスカピン溶液の調製 ノスカピン0.3gに1N塩酸5mLを加えて溶解し、
更に精製水を加えて全体の容量を100mLとした。こ
の溶液をA溶液とした。
【0016】また、ノスカピン0.3gとリンゴ酸4g
を、50mlの精製水に加えて溶解させ、更に精製水を
加えて全体の容量を100mlとした。この溶液をB溶
液とした。
【0017】また、ノスカピン0.3gとクエン酸4g
を、50mlの精製水に加えて溶解させ、更に精製水を
加えて全体の容量を100mlとした。この溶液をC溶
液とした。
【0018】尚、ノスカピンは、白鳥製薬社より購入し
たものを使用した。 <2>添加剤試料溶液の調製 精製白糖60gを精製水40gに溶解させ、60重量%
の精製白糖水溶液を得た。この溶液をH溶液とした。
【0019】キシリトール60gを精製水40gに溶解
させ、60重量%のキシリトール溶液を得た。この溶液
をI溶液とした。プロピレングリコール10gを精製水
90gに溶解させ、10重量%のプロピレングリコール
溶液を得た。この溶液をJ溶液とした。
【0020】グリセリン10gを精製水90gに溶解さ
せて、10重量%のグリセリン溶液を得た。この溶液を
K溶液とした。添加剤試料溶液のコントロールとして、
精製水を使用した。尚、精製水をL溶液とした。 <3>混合溶液の評価方法 上記ノスカピン溶液(溶液A,B,C)のそれぞれに、
同容量の添加剤試料溶液(溶液H、I、J、K、L)そ
れぞれを加えて、合計35種類の混合溶液を調製した。
そして、各混合溶液をガラスアンプルに充填して試験試
料とした。
【0021】これらの各種試験試料を用いて、光に対す
る安定性及び熱に対する安定性を評価した。光に対する
安定性試験は、10,000Luxの光に、120時間照
射した(積算照度120万Lux・hr)後のノスカピンの
安定性を評価することにより行った。また、熱に対する
安定性試験は、70℃の条件に9日間放置した後のノス
カピンの安定性を評価することにより行った。評価はノ
スカピン残存率と色調の変化とを測定することにより行
った。ノスカピンの量は、HPLCにより測定した。ま
た、ノスカピンの残存率は、上記0.3gのノスカピン
を含む溶液に精製水を等量加えた直後のノスカピン量に
対する、光安定性または熱安定性試験後のノスカピン量
の相対値(%)として表した。尚、色調の変化は外観を
目視により評価した。 <4>光安定性試験の結果 光安定性試験後のノスカピン残存率の結果を表1に示
す。
【0022】
【表1】 精製水を加えたコントロール溶液(L群)は、80%〜
90%のノスカピン残存率を示した。一方、キシリトー
ル、グリセリンを配合した溶液(I、K群)は、約95
%のノスカピン残存率を示し、ノスカピンの光に対する
安定性を顕著な向上させた。また、プロピレングリコー
ルを配合した溶液(J群)も光に対する同様の安定性を
示した。
【0023】次に、光安定性試験後の色調変化の結果を
表2に示す。
【0024】
【表2】 精製水を加えたコントロール溶液(L群)はすべて微黄
色に変色した。また、精製白糖を配合した溶液(H群)
もすべて微黄色に変色した。一方、キシリトール、グリ
セリンを配合した溶液(I、K群)では変色しなかっ
た。また、プロピレングリコールを配合した溶液(J
群)もほとんど変色しなかった。
【0025】以上の光安定性試験後のノスカピン残存率
及び色調変化の結果を総合すると、キシリトール、グリ
セリン及びプロピレングリコールが光に対するノスカピ
ンの安定性を向上させることがわかった。 <5>熱安定性試験の結果 熱安定性試験後のノスカピン残存率の結果を表3に示
す。
【0026】
【表3】 精製水及び白糖を配合した溶液(L、H群)は、平均し
て92〜93%のノスカピンの残存率を示した。一方、
プロピレングリコール、グリセリンを配合した溶液
(J,K群)では約98%のノスカピン残存率を示し、
熱に対するノスカピンの安定性を顕著に向上させた。ま
た、キシリトール(I群)を配合した溶液も同様に熱に
対する安定性を示した。
【0027】次に、熱安定性試験後の色調変化の結果を
表4に示す。
【0028】
【表4】 精製水を加えたコントロール(L群)溶液と白糖を配合
した溶液(H群)は微黄色に変色した。プロピレングリ
コール、グリセリンを配合した溶液(J、K群)では、
変色しなかった。また、キシリトールを配合した溶液で
もほとんど変色しなかった。
【0029】以上の熱安定性試験後のノスカピン残存率
及び色調変化の結果を総合すると、プロピレングリコー
ル、グリセリン及びキシリトールが熱に対するノスカピ
ンの安定性を向上させることがわかった。
【0030】
【実施例2】300mL用ビーカーに、精製水約150
mLを秤りとり、60℃に加温しながら、下記の表5に
示す組成物を加え、撹拌して溶解させた。この溶液を冷
却後、更に精製水を加え、溶液の全容量を300mLに
して、ノスカピン経口医薬液剤を調製した。尚、保存剤
としては、安息香酸ナトリウムを使用した。
【0031】
【表5】
【0032】
【実施例3】下記の表6に示す組成物を用いて実施例2
と同様の条件で、ノスカピン経口医薬液剤を調製した。
【0033】
【表6】
【0034】
【実施例4】下記の表7に示す組成物を用いて実施例2
と同様の条件で、ノスカピン経口医薬液剤を調製した。
【0035】
【表7】
【0036】
【実施例5】下記の表8に示す組成物を用いて実施例2
と同様の条件で、ノスカピン経口医薬液剤を調製した。
【0037】
【表8】
【0038】
【実施例6】下記の表9に示す組成物を用いて実施例2
と同様の条件で試験溶液を調製した。これを試料6とし
た。
【0039】
【表9】
【0040】
【比較例1】下記の表10に示す組成物を用いて実施例
2と同様の条件で、ノスカピン経口医薬液剤を調製し
た。
【0041】
【表10】
【0042】
【比較例2】下記の表11に示す組成物を用いて実施例
2と同様の条件で、ノスカピン経口医薬液剤を調製し
た。
【0043】
【表11】 <本願発明のノスカピン経口医薬液剤の評価>実施例2
〜6並びに比較例1及び2で調製した、ノスカピン経口
医薬液剤を実施例1と同様に、光に対する安定性及び熱
に対する安定性について評価を行った。評価の条件は実
施例1と同様に行った。即ち、光に対する安定性試験
は、試料2〜8の溶液をガラスアンプルに充填後、1
0,000Luxの光に、120時間照射した(積算照度
120万Lux・hr)後にその安定性を評価することによ
り行った。また、熱に対する安定性試験は、同様の試料
溶液を70℃の条件に9日間放置した後にその安定性を
評価することにより行った。安定性の評価は、実施例1
と同様に、ノスカピン残存率及び色調変化を測定するこ
とにより行った。ノスカピン残存率及び色調変化の結果
を表12に示す。
【0044】
【表12】 白糖を添加した比較例1と2では、光安定性試験後のノ
スカピン残存率は約80%であり、また、熱安定性試験
後のノスカピン残存率は約90%であった。これに対し
て、各種多価アルコールを配合した場合は、光安定性試
験及び熱安定性試験後の、ノスカピン残存率は98〜9
9%以上であった。ノスカピンに適量の多価アルコール
を加えることにより、ノスカピンの光に対する安定性及
び熱に対する安定性を飛躍的に向上させた。
【0045】また、色調変化による評価においても、白
糖添加の比較例1と2では、ノスカピン溶液が、黄色ま
たは微黄色に変色したのに対し、各種多価アルコールを
配合した溶液は変色しなかった。即ち、ノスカピンに適
量の多価アルコールを加えることにより、ノスカピン溶
液の変色を防止することができた。
【0046】従って、ノスカピン残存率及び色調変化の
結果を総合すると、各種多価アルコールを適量配合する
ことにより、ノスカピンの光及び熱に対する安定性を飛
躍的に向上させることができる。
【0047】
【発明の効果】本発明により、熱及び光に対して安定な
ノスカピン経口医薬液剤を提供することができた。ま
た、本発明により、ノスカピン経口医薬液剤を透明瓶
中、常温で安定に保存することができた。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 富樫美津雄 埼玉県大宮市三条町51番地 太田製薬株式 会社内 (72)発明者 清水俊夫 東京都中央区日本橋富沢町9−19 太田製 薬株式会社内 Fターム(参考) 4C076 AA12 BB01 CC15 DD38 DD42 FF36 FF37 FF65 4C086 AA01 AA02 CB22 MA02 MA05 MA08 MA16 MA52 NA03 ZA62

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ノスカピン又はその生理学的に許容しう
    る塩を含む経口医薬液剤であって、多価アルコールを含
    むことを特徴とする経口医薬液剤。
  2. 【請求項2】 多価アルコールがグリセリン、グリコー
    ル及び糖アルコールからなる群から選ばれた1種又は2
    種以上のものである請求項1記載の経口医薬液剤。
  3. 【請求項3】 糖アルコールがD−ソルビトール、キシ
    リトール、エリスリトール及びラクチトールからなる群
    から選ばれた1種又は2種以上のものである請求項2記
    載の経口医薬液剤。
JP10244033A 1998-08-28 1998-08-28 ノスカピン経口医薬液剤 Pending JP2000072674A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2004058261A1 (ja) * 2002-12-24 2004-07-15 Daiichi Pharmaceutical Co., Ltd. 抗菌性水性製剤
JP2007508313A (ja) * 2003-10-08 2007-04-05 マリンクロッド・インコーポレイテッド メチルフェニデート溶液および関連する投与および製造方法

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WO2004058261A1 (ja) * 2002-12-24 2004-07-15 Daiichi Pharmaceutical Co., Ltd. 抗菌性水性製剤
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